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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】表示装置、表示方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A47G 1/16 20060101AFI20231024BHJP
   A47G 1/00 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
A47G1/16 F
A47G1/00 J
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022205004
(22)【出願日】2022-12-22
(62)【分割の表示】P 2018120165の分割
【原出願日】2018-06-25
(65)【公開番号】P2023024634
(43)【公開日】2023-02-16
【審査請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】浜岡 奈都美
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0138110(KR,A)
【文献】特開2000-258832(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102197932(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 1/16
A47G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の像を表示する第1表示部と、
前記対象者の像を表示し、前記第1表示部の一辺である第1辺を軸として回転可能である、第2表示部と、
前記対象者の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記対象者の状態に基づいて、前記第1表示部に対する前記第2表示部の角度を制御する表示部制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記対象者の像を表示し、前記第1辺と異なる前記第1表示部の辺である第2辺を軸として回転可能である、第3表示部、を更に備え、
前記表示部制御手段は、前記検出手段により検出された対象者の状態に応じて、前記第1表示部に対する前記第2表示部の角度と、前記第1表示部に対する前記第3表示部の角度と、を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
対象者の画像を取得する画像取得手段、を更に備え、
前記検出手段は、前記画像取得手段により取得された対象者の画像から当該対象者の状態を検出する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記対象者が前記第1表示部に対して向いている方向を検出する、
ことを特徴とする請求項1から3の内何れか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示部制御手段は、前記検出手段が検出した前記方向に基づいて、頭頂部または後頭部における表示光を第2表示部に表示させて第3表示部に映し出すように、前記第1表示部に対する前記第2表示部の角度と、前記第1表示部に対する前記第3表示部の角度と、のうち少なくとも一つを制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2表示部は、スライドすることで前記第1表示部の前記対象者の像を表示する表示面の背面側に収容され
ことを特徴とする請求項1から5のうち何れか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第3表示部は、スライドすることで前記第1表示部の前記対象者の像を表示する表示面の背面側に収容される、
ことを特徴とする請求項2、または請求項2を引用する請求項3から6のうち何れか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
対象者の像を表示する第1表示部と、
前記対象者の像を表示し、前記第1表示部の一辺である第1辺を軸として回転可能である、第2表示部と、
前記対象者の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記対象者の状態に基づいて、前記第1表示部および前記第2表示部で表示する前記対象者の像の向きを制御する表示部制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
対象者の像を表示する第1表示部と、
前記対象者の像を表示し、前記第1表示部の一辺である第1辺を軸として回転可能である、第2表示部と、
を備える表示装置が実行する方法であって、
前記対象者の状態を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにおいて検出された前記対象者の状態に基づいて、前記第1表示部に対する前記第2表示部の角度を制御する表示部制御ステップと、
を備えることを特徴とする表示方法。
【請求項10】
対象者の像を表示する第1表示部と、
前記対象者の像を表示し、前記第1表示部の一辺である第1辺を軸として回転可能である、第2表示部と、
を備える表示装置が実行する方法であって、
前記対象者の状態を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにおいて検出された前記対象者の状態に基づいて、前記第1表示部および前記第2表示部で表示する前記対象者の像の向きを制御する表示部制御ステップと、
を備えることを特徴とする表示方法。
【請求項11】
対象者の像を表示する第1表示部と、
前記対象者の像を表示し、前記第1表示部の一辺である第1辺を軸として回転可能である、第2表示部と、
を備えるコンピュータを、
前記対象者の状態を検出する検出手段、
前記検出手段において検出された前記対象者の状態に基づいて、前記第1表示部に対する前記第2表示部の角度を制御する表示部制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
対象者の像を表示する第1表示部と、
前記対象者の像を表示し、前記第1表示部の一辺である第1辺を軸として回転可能である、第2表示部と、
を備えるコンピュータを、
前記対象者の状態を検出する検出手段、
前記検出手段により検出された前記対象者の状態に基づいて、前記第1表示部および前記第2表示部で表示する前記対象者の像の向きを制御する表示部制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鏡と撮像部とを備える表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この表示装置は、ユーザが反射装置に対して所定の位置に居ると判定した場合、撮像部はユーザの撮像画像を生成する。ユーザは、撮像画像を得るために、表示装置に対する自身の位置を、鏡で確認しながら調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-161835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1等の一般的な技術では、ユーザは、表示装置との相対的な位置関係を自身で調整するのに手間を要した。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、所望の像を容易に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る第1の態様の表示装置は、対象者の像を表示する第1表示部と、前記対象者の像を表示し、前記第1表示部の一辺である第1辺を軸として回転可能である、第2表示部と、前記対象者の状態を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記対象者の状態に基づいて、前記第1表示部に対する前記第2表示部の角度を制御する表示部制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る第2の態様の表示装置は、対象者の像を表示する第1表示部と、前記対象者の像を表示し、前記第1表示部の一辺である第1辺を軸として回転可能である、第2表示部と、前記対象者の状態を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記対象者の状態に基づいて、前記第1表示部および前記第2表示部で表示する前記対象者の像の向きを制御する表示部制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る第1の態様の表示方法は、対象者の像を表示する第1表示部と、前記対象者の像を表示し、前記第1表示部の一辺である第1辺を軸として回転可能である、第2表示部と、を備える表示装置が実行する方法であって、前記対象者の状態を検出する検出ステップと、前記検出ステップにおいて検出された前記対象者の状態に基づいて、前記第1表示部に対する前記第2表示部の角度を制御する表示部制御ステップと、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る第2の態様の表示方法は、対象者の像を表示する第1表示部と、前記対象者の像を表示し、前記第1表示部の一辺である第1辺を軸として回転可能である、第2表示部と、を備える表示装置が実行する方法であって、前記対象者の状態を検出する検出ステップと、前記検出ステップにおいて検出された前記対象者の状態に基づいて、前記第1表示部および前記第2表示部で表示する前記対象者の像の向きを制御する表示部制御ステップと、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る第1の態様のプログラムは、対象者の像を表示する第1表示部と、前記対象者の像を表示し、前記第1表示部の一辺である第1辺を軸として回転可能である、第2表示部と、を備えるコンピュータを、前記対象者の状態を検出する検出手段、前記検出手段において検出された前記対象者の状態に基づいて、前記第1表示部に対する前記第2表示部の角度を制御する表示部制御手段、として機能させることを特徴とする。
また、本発明に係る第2の態様のプログラムは、対象者の像を表示する第1表示部と、前記対象者の像を表示し、前記第1表示部の一辺である第1辺を軸として回転可能である、第2表示部と、を備えるコンピュータを、前記対象者の状態を検出する検出手段、前記検出手段により検出された前記対象者の状態に基づいて、前記第1表示部および前記第2表示部で表示する前記対象者の像の向きを制御する表示部制御手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所望の像を容易に提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施形態に係る反射装置の外観の正面図である。
図2図1の反射装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図3図2の反射装置の機能的構成のうち、第1の調整処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図4図1の反射装置の外観の側面図である。
図5図1の反射装置とユーザの目線との関係を示す図である。
図6図3の機能的構成を有する図2の反射装置が実行する第1の調整処理の流れを説明するフローチャートである。
図7】本発明の第2の実施形態に係る反射装置に映るユーザの像を示す図である。
図8図7の反射装置が実行する第2の調整処理の流れを説明するフローチャートである。
図9】本発明の第3の実施形態に係る反射装置の正面図である。
図10図9の反射装置の側面図を示す模式図である。
図11図9の反射装置の全ての鏡面が展開した図である。
図12図9の反射装置の左右の鏡面が展開した図である。
図13図9の反射装置の上下の鏡面が展開した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0010】
<第1の実施形態>
まず、本発明に係る第1の実施形態について、図1から図6を参照して説明する。
【0011】
[外観構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る反射装置10の外観の正面図である。反射装置10は、表示部11を備える。表示部11は、例えば、鏡からなる反射部13と、反射部13の上部に配置される撮像部14と、を有する。ユーザUは、反射装置10に正対すると、自身の姿を反射部13において視認することが出来る。又、ユーザUが反射装置10に正対すると、撮像部14は、ユーザUの姿の撮像画像を生成することが出来る。
【0012】
ユーザUは、反射部13に映る自身の姿として、所望の像を得るために、反射装置10との相対的な位置関係を調整する必要がある。ここで、本発明に係る反射装置10は、表示部11の位置及び角度の双方又は何れか一方を、ユーザUの操作によらず自動的に調整する。これにより、反射装置10は、所望の像を容易に提供することが出来る。以下では、このような反射装置10の構成について詳述する。
【0013】
[ハードウェア構成]
図2は、本発明の第1の実施形態に係る反射装置10のハードウェアの構成を示すブロック図である。
反射装置10は、例えば、駆動部を有する卓上の鏡として構成される。
【0014】
反射装置10は、図2に示すように、CPU(Central Processing
Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、バス24と、入出力インターフェース25と、撮像部14と、入力部26と、出力部18と、表示部11と、反射部13と、駆動部28と、記憶部30と、通信部27と、ドライブ29と、を備えている。
【0015】
CPU21は、ROM22に記録されているプログラム、又は、記憶部30からRAM23にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0016】
RAM23には、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0017】
CPU21、ROM22及びRAM23は、バス24を介して相互に接続されている。このバス24にはまた、入出力インターフェース25も接続されている。入出力インターフェース25には、撮像部14と、入力部26と、出力部18と、表示部11と、反射部13と、駆動部28と、記憶部30と、通信部27と、ドライブ29と、が接続されている。
【0018】
撮像部14は、図示はしないが、光学レンズ部と、イメージセンサと、を備えている。
【0019】
光学レンズ部は、被写体を撮影するために、光を集光するレンズ、例えばフォーカスレンズやズームレンズ等で構成される。
フォーカスレンズは、イメージセンサの受光面に被写体像を結像させるレンズである。ズームレンズは、焦点距離を一定の範囲で自在に変化させるレンズである。
光学レンズ部にはまた、必要に応じて、焦点、露出、ホワイトバランス等の設定パラメータを調整する周辺回路が設けられる。
【0020】
イメージセンサは、光電変換素子や、AFE(Analog Front End)等から構成される。
光電変換素子は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の光電変換素子等から構成される。光電変換素子には、光学レンズ部から被写体像が入射される。そこで、光電変換素子は、被写体像を光電変換(撮像)して画像信号を一定時間蓄積し、蓄積した画像信号をアナログ信号としてAFEに順次供給する。
AFEは、このアナログの画像信号に対して、A/D(Analog/Digital)変換処理等の各種信号処理を実行する。各種信号処理によって、デジタル信号が生成され、撮像部14の出力信号として出力される。
このような撮像部14の出力信号を、以下、「撮像画像」と呼ぶ。撮像画像のデータは、CPU21や図示しない画像処理部等に適宜供給される。
【0021】
入力部26は、各種釦やマイク等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部18は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部30は、ハードディスク或いはフラッシュメモリ等で構成され、各種画像のデータを記憶する。
通信部27は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
【0022】
ドライブ29には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア100が適宜装着される。ドライブ29によってリムーバブルメディア100から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部30にインストールされる。また、リムーバブルメディア100は、記憶部30に記憶されている画像のデータ等の各種データも、記憶部30と同様に記憶することができる。
【0023】
[機能的構成]
図3図5を参照して、反射装置10の機能的な構成を説明する。
【0024】
図3は、図2の反射装置10の機能的構成のうち、調整処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
調整処理とは、反射装置10が、ユーザUの撮像画像に基づいて、ユーザUの状態を検出することによって、ユーザUの状態を判定し、判定の結果に応じて、表示部11の位置や角度を調整する、一連の処理をいう。
【0025】
調整処理を実行する場合には、図3に示すように、CPU11において、画像取得部211と、状態検出部212と、状態判定部213と、駆動制御部214と、が機能する。
また、記憶部30の一領域には、撮像データ記憶部301が設定される。撮像データ301には、ユーザUの撮像データが一時的に記憶される。
【0026】
画像取得部211は、撮像部14の撮像画像を取得する。撮像画像とは、例えば、表示部11に正対するユーザUの顔画像である。
【0027】
状態検出部212は、画像取得部211によって取得された撮像画像に基づいて、ユーザUの状態を検出する。状態とは、例えば、表示部11に対するユーザUの視線や位置である。ユーザUの視線や位置は、以下のようにユーザUの目の虹彩中心の位置に基づいて検出される。
【0028】
まず、図4を参照して、ユーザUの状態と虹彩中心の位置との関係について、詳しく説明する。図4は、表示部11と、ユーザUの目線に応じた虹彩中心の位置と、の関係を示す図である。
(A)において、ユーザUは、表示部11において所望の像を観察するために、顎を引いている。このとき、ユーザUの目線は上目遣いとなるため、虹彩中心YAとして示されるように、ユーザの虹彩中心は目の輪郭に対して上部に位置する。
(B)において、ユーザUは、表示部11において所望の像を観察するために、正面を向いている。このとき、ユーザUの目線は表示部11を真っ直ぐに見つめる状態となるため、虹彩中心YBとして示されるように、ユーザの虹彩中心は目の輪郭に対して中央部に位置する。
(C)において、ユーザUは、表示部11において所望の像を観察するために、顎を上げている。このとき、ユーザUの目線は下目遣いとなるため、虹彩中心YCとして示されるように、ユーザの虹彩中心は目の輪郭に対して下部に位置する。
【0029】
次に、表示部11の位置と、ユーザUの目線に応じた虹彩中心の位置と、の関係について、反射装置10の構成とともに説明する。
図5は、反射装置10の外観の側面図である。図5において、反射装置10は、表示部11の下方に底部15を備える。表示部11は、底部15に対して、支持部16で支持されることにより、角度αを成すように設けられる。表示部11は、ユーザUが表示部11に正対する方向、例えば、位置A,B,Cに示される位置に移動するように、水平方向にスライド可能である。図示しない駆動部28は、表示部11をスライドすることによって、ユーザUに対する表示部11の位置や角度αを調整する。
【0030】
ユーザUの状態として検出される、ユーザUの目線は、表示部11の位置に応じて変化する。例えば、表示部11が位置Aにあるとき、ユーザUの状態は、図4の(A)に対応する状態であり、状態検出部212は虹彩中心YAに基づいてユーザの状態を検出する。同様に、位置Bに対応するユーザUの状態は虹彩中心YBに基づいて検出され、位置Cに対応するユーザUの状態は虹彩中心YCに基づいて検出される。このように、状態検出部212は、ユーザUの虹彩中心の位置に基づいて、ユーザUの状態を検出することが可能である。
【0031】
状態判定部213は、状態検出部212によって検出されたユーザUの状態を判定する。判定は、例えば、状態検出部212によって検出されたユーザUの状態に基づいて行われる。即ち、ユーザUが顎を引いている状態(図4の(A)参照)、又は、ユーザUが顎を上げている状態(図4の(B)参照)が検出された場合、状態判定部213は、表示部11の位置や角度が不適切であると判定する。この場合、状態判定部213は、駆動制御部214へ、表示部11の位置や角度を制御するための信号を送信する。
【0032】
駆動制御部214は、状態判定部213の判定に応じた信号に基づいて、表示部11の移動量を算出する。移動量は、現在の表示部11の位置と、ユーザUが所望の像を得られるような表示部11の位置と、の相対的な距離及び角度に応じて決定される。又、本実施形態における移動とは、距離及び角度を変化させることをいう。ここで、ユーザUが所望の像を得られるような表示部11の適切な位置とは、例えば、ユーザUが表示部11を真っ直ぐに視認することが出来る状態(図4の(B)参照)となる位置である。駆動制御部214は、移動量を決定すると、移動量に応じた信号を、駆動部28へ送信する。
【0033】
[第1の調整処理]
図6は、図3の機能的構成を有する図2の反射装置10が実行する、第1の調整処理の流れを説明するフローチャートである。
調整処理は、ユーザによる入力部17への調整処理開始の操作により開始される。
【0034】
ステップS11において、撮像部14は、表示部11に正対するユーザUの顔を顔検出技術により顔を検出し、顔が検出された場合に、検出された顔を含む画像を撮像する。
【0035】
ステップS12において、画像取得部211が顔を含む撮像画像を取得したか否かが判定される。画像取得部211が顔を含む撮像画像を取得出来なかった場合、処理はステップS11に戻る(ステップS12;NO)。画像取得部211が顔を含む撮像画像を取得出来た場合、処理はステップS13に進む(ステップS12;YES)。
【0036】
ステップS13において、状態検出部212は、ユーザUの状態を検出する。ユーザUの状態は、上述のように、ユーザUの虹彩中心に基づいて検出される。
【0037】
ステップS14において、状態検出部212がユーザUの状態を検出したか否かが判定される。ステップS14において、状態検出部212がユーザUの状態を検出しない場合、処理はステップS13に戻る(ステップS14;NO)。状態検出部212がユーザUの状態を検出すると、処理は、ステップS15に進む(ステップS14;YES)。
【0038】
ステップS15において、状態判定部213は、状態検出部212によって検出されたユーザUの状態から、表示部11の位置が不適切か否かを判定し、駆動制御部214へ表示部11の移動の要否に応じた信号を送信する。駆動制御部214は、信号に応じて、表示部11の移動量を決定する。
【0039】
即ち、駆動制御部214は、表示部11が図5の位置Aにある場合、表示部11を図5の位置Bに移動させ(図中の右方向へ向かう矢印)、且つ、ユーザUが表示部11を真っ直ぐに視認できるような角度αとなるような移動量を算出する。
又は、駆動制御部214は、表示部11が図5の位置Cにある場合、表示部11を図5の位置Bに移動させ(図中の左方向へ向かう矢印)、且つ、ユーザUが表示部11を真っ直ぐに視認できるような角度αとなるような移動量を算出する。
【0040】
さらに、駆動制御部214は、ユーザUが表示部11を真っ直ぐに視認できるような角度αとなる駆動量を算出する。例えば、角度αが小さすぎるためにユーザUが表示部11を真っ直ぐに視認できない場合には、駆動部は、角度αが大きくなるような移動量を算出する。
【0041】
ステップS16において、駆動制御部214は、移動量を駆動部28へ送信し、駆動部28は、移動量に基づいて表示部11を移動させる。表示部11が、適切な位置としての図5の位置Bへ移動すると、処理はステップS17へ進む。
【0042】
ステップS17において、撮像部14は、再び、ユーザの顔画像を撮像する。ステップS18において、状態検出部212は、撮像画像からユーザの状態を検出する。ユーザの状態が検出されると、処理はステップS19に進む。
【0043】
ステップS19において、状態判定部213は、ユーザUの状態が適切な状態であるか否かを判定する。ステップS19において、ユーザUの状態が不適切である場合、処理はステップS11に戻る(ステップS19;NO)。ステップS19において、ユーザUの状態が適切である場合、処理はステップS20に進む(ステップS19;YES)。
【0044】
ステップS20において、表示部11の位置及び角度は、例えば、ユーザUが化粧などの処置を行う時間である約20分間固定される。表示部11に正対している時間、ユーザUは、適切な状態で所望の像を得ることが出来る。20分が経過すると、処理はステップS21に進む。
【0045】
ステップS21において、終了条件を満たすか否かが判定される。終了条件は、例えば、反射装置10の電源が切られた場合である。終了条件を満たす場合、調整処理は終了し(ステップS21;YES)、終了条件を満たさない場合、処理はステップS11に戻る(ステップS21;NO)。
【0046】
このように、反射装置10は、ユーザの操作によらず、自動的に表示部11の位置や角度を調整する。これにより、ユーザは容易に所望の像を得ることが可能となる。
【0047】
<第2の実施形態>
次に、図7及び図8を参照して、本発明の第2の実施形態に係る反射装置10について説明する。
【0048】
第1の実施形態では、状態検出部212はユーザUの視線を検出したが、第2の実施形態では、状態検出部212はユーザUの顔の位置や大きさを検出する。状態判定部213は、検出されたユーザUの顔の位置や大きさに基づいて、ユーザUの状態を判定する。駆動制御部214は、判定に応じて、表示部11の位置や角度を調整する。
なお、ハードウェア構成及び機能的構成は、第1の実施形態と同一であるため、説明は省略する。
【0049】
[第2の調整処理]
図7は、本発明の第2の実施形態に係る反射装置10に映る、ユーザUの像を示す図である。検出枠Fは、撮像部14による撮像画像における、ユーザUの目と鼻との位置、或いは顔の大きさを検出するための指標となる枠である。
【0050】
図8は、第2の実施形態に係る調整処理である、第2の調整処理を示すフローチャートである。第1の調整処理と同一の処理については、同一の符号が付されている。又、第1の調整処理と同一の処理については説明を簡略化する。
【0051】
ステップS11~S12において、ユーザUの撮像画像が得られると、処理はステップS23に進む。ステップS23において、状態検出部212は、図7に示される検出枠Fに対して、ユーザUの顔の部位の位置を検出する。ステップS14において、検出が完了したか否か判定され、検出が完了するまで、ステップS23の処理が繰り返される(ステップS14;NO)。検出が完了すると、処理はステップS25に進む(ステップS14;YES)。
【0052】
ステップS25において、状態判定部213は、状態検出部212によって検出されたユーザUの状態から、表示部11の位置が不適切か否かを判定し、駆動制御部214へ表示部11の移動の要否に応じた信号を送信する。
【0053】
ここで、表示部11の位置が不適切な場合とは、例えば、以下の場合である。
第一の場合として、ユーザUの顔の輪郭が、検出枠Fに対してはみ出している場合、状態判定部213は、表示部11がユーザUに対して近過ぎると判定する。換言すれば、表示部11に映るユーザUの顔の像が大き過ぎる状態である。
第二の場合として、ユーザUの顔の輪郭が、検出枠Fに対して小さ過ぎる場合、状態判定部213は、表示部11がユーザUに対して遠過ぎると判定する。
なお、輪郭の大きさは、状態検出部212が検出枠Fに対する目と鼻の位置を検出することによって間接的に検出される。或いは、輪郭の大きさは、輪郭を検出する技術によって検出される。
【0054】
表示部11の位置が不適切である場合、状態判定部213は、表示部11の移動を要することを示す信号を送信する。駆動制御部214は、信号に応じて、表示部11の移動量を決定する。移動量は、表示部11が、ユーザUに対して適切な位置に配置されるような移動量である。適切な位置とは、例えば、検出枠Fに対してユーザUの輪郭が略一致するような位置である。表示部11の角度もまた、検出枠Fに対してユーザUの輪郭が略一致するように調整される。
【0055】
即ち、上記第一の場合のように、ユーザUの顔の像が大き過ぎる場合、ユーザUの顔の像の輪郭が検出枠Fに対して略一致するように、駆動部は、移動量に基づいて、表示部11がユーザUに対して相対的に遠ざかる方向へ移動させる。
又は、上記第二の場合のように、ユーザUの顔の像が小さ過ぎる場合、ユーザUの顔の像の輪郭が検出枠Fに対して略一致するように、駆動部は、移動量に基づいて、表示部11がユーザUに対して相対的に近付く方向へ移動させる。
【0056】
ステップS16において、表示部11が適切な位置へ移動すると、処理はステップS17へ進む。ステップS17において、撮像画像が取得されると、処理はステップS28に進む。ステップS28において、状態検出部212は、撮像画像からユーザUの顔の部位を検出することにより、ユーザUの状態を検出すると、処理はステップS29に進む。
【0057】
ステップS29において、状態判定部213は、状態検出部212によって検出されたユーザUの状態から、表示部11の位置や角度が不適切か否かを判定する。表示部11の位置や角度が不適切な場合、処理はステップS11に戻る(ステップS20;NO)。表示部11の位置が適切である場合、処理はステップS20に進み(ステップS20;YES)、表示部11の位置及び角度は所定の時間固定される。なお、ステップS21の処理は第1の実施形態と同一であるため説明は省略する。
【0058】
このように、第2の実施形態に係る反射装置10は、第1の実施形態と同様の効果を奏する。即ち、反射装置10は、ユーザの操作によらず、自動的に表示部11の位置や角度を調整する。これにより、ユーザは容易に所望の像を得ることが可能となる。
【0059】
<第3の実施形態>
次に、図9から図13を参照して、第3の実施形態に係る反射装置10を説明する。
第3の実施形態は、第1及び第2の実施形態と同一のハードウェア構成及び機能的構成を備えている。第3の実施形態では、反射装置10の表示部11の外観の構成が、第1及び第2の実施形態の表示部11と異なる。以下では、第3の実施形態に係る表示部11の構成を中心として説明する。
【0060】
図9は、本発明の第3の実施形態に係る反射装置10の正面図である。図9に示されるように、表示部11は、反射部13を備えている。表示部11は、反射部13の周辺に撮像部14を備えているが、図示の都合上、撮像部14は省略されている。他の実施形態と同様に、ユーザUが表示部11に正対すると、反射部13にはユーザUの姿が映し出される。表示部11は、図示しない支持部によって背面から支持されて、例えば、卓上に略垂直方向に立ち上げられた状態で保持されている。
【0061】
図10は、図9の反射装置10の側面図を表す概念図である。図10に示されるように、反射部13は、一対の前面鏡13F、一対の中間鏡13M、及び一対の背面鏡13Bを有する。中間鏡13Mは前面鏡13Fの背面に収容されており、背面鏡13Bは中間鏡13Mの背面に収容されている。
【0062】
図11は、前面鏡13F、中間鏡13M、及び背面鏡13B、の全ての鏡面が、展開した場合の図である。図中の矢印は、各鏡が前面鏡13Fに対して進退する方向を示す。具体的には、前面鏡13Fに向かう矢印は各鏡が退避する方向を示し、その反対方向の矢印は各鏡が進出する方向を示す。
【0063】
即ち、一対の中間鏡13Mのうち、一方の中間鏡13Mが前面鏡13Fに対して下方にスライドして進出する。一対の中間鏡13Mのうち、他方の中間鏡13Mが前面鏡13Fに対して左方にスライドして進出する。又、一対の背面鏡13Bのうち、一方の背面鏡13Bが前面鏡13Fに対して上方にスライドして進出する。一対の背面鏡13Bのうち、他方の背面鏡13Bが前面鏡13Fに対して右方にスライドして進出する。
【0064】
又、各鏡は、前面鏡13Fの各辺を軸として移動可能である。左方に進出した中間鏡13Mは、辺aを軸として、紙面の裏から表に向かう方向に移動可能である。下方に進出した中間鏡13Mは、辺bを軸として、紙面の裏から表に向かう方向に移動可能である。右方に進出した背面鏡13Bは、辺cを軸として、紙面の裏から表に向かう方向に移動可能である。上方に進出した背面鏡13Bは、辺dを軸として、紙面の裏から表に向かう方向に移動可能である。
【0065】
第3の実施形態では、状態検出部212が、第1又は第2の実施形態と同様に、ユーザUの視線や顔を検出することによって、ユーザUの状態を検出する。状態判定部213は、検出された結果に基づいて、前面鏡13F、中間鏡13M、背面鏡13Bの何れの鏡を進退させるかを判定して、駆動制御部214へ判定に応じた信号を送信する。駆動制御部214は、信号に応じて駆動部28を駆動させることによって、各鏡を進退させる。以下では、状態判定部213の判定の一例を説明する。
【0066】
第一の判定の例として、ユーザUが自身の後頭部を観察する場合を想定する。この場合、ユーザが左方を向くと、状態検出部212は、ユーザの撮像画像から、ユーザが左方を向いたことを検出する。すると、状態判定部213は、各鏡がユーザUの後頭部を映し出すような適切な位置にあるか否かを判定する。状態判定部213は、各鏡が適切な位置にないと判定すると、駆動制御部214へ、各鏡の駆動を要することを示す信号を送信する。
【0067】
図12に示されるように、駆動制御部214は、信号に応じて、中間鏡13Mを左方に進出させるように、又、背面鏡13Bを右方に進出させるように、駆動部28を制御する。駆動制御部214は、左方の中間鏡13Mを、辺aを軸に回転させるように、又、右方の背面鏡13Bを、辺cを軸に回転させるように、駆動部28を制御する。これにより、ユーザUは、自身の後頭部における反射光を、右方の背面鏡13Bに反射させて、左方の中間鏡13Mに映し出すことによって、自身の後頭部を観察することが出来る。
【0068】
第二の判定の例として、ユーザUが自身の頭頂部を観察する場合を想定する。この場合、ユーザUが下方を向くと、状態検出部212は、ユーザの撮像画像から、ユーザUが下方を向いたことを検出する。すると、状態判定部213は、各鏡がユーザUの頭頂部を映し出すような適切な位置にあるか否かを判定する。状態判定部213は、各鏡が適切な位置にないと判定すると、駆動制御部214へ、各鏡の駆動を要することを示す信号を送信する。
【0069】
図13に示されるように、駆動制御部214は、信号に応じて、中間鏡13Mを下方に進出させるように、又、背面鏡13Bを上方に進出させるように、駆動部28を制御する。駆動制御部214は、下方の中間鏡13Mを、辺bを軸に回転させるように、又、上方の背面鏡13Bを、辺dを軸に回転させるように、駆動部28を制御する。これにより、ユーザUは自身の頭頂部における反射光を、上方の背面鏡13Bに反射させて、下方の中間鏡13Mに映し出すことによって、自身の頭頂部を観察することが出来る。
【0070】
このように、第3の実施形態に係る反射装置10は、第1及び第2の実施形態と同様の効果を奏する。即ち、反射装置10は、ユーザの操作によらず、自動的に表示部11の位置や角度を調整する。これにより、ユーザは容易に所望の像を得ることが可能となる。
【0071】
以上のように構成される反射装置10は、画像取得部211と、反射部13と、状態検出部212と、駆動制御部214と、を備える。
画像取得部211は、対象者の画像を取得する。反射部13は、対象者の像を反射する。状態検出部212は、前記画像取得手段により取得された対象者の画像から当該対象者の状態を検出する。駆動制御部214は、状態検出部212により検出された対象者の状態に応じて対象者と反射部13との相対的な位置及び角度の双方又は何れかを制御する。
【0072】
反射装置10は、状態判定部213を更に備える。状態判定部213は、状態検出部212により検出された対象者の状態が所定の状態であるかを判定する。
駆動制御部214は、状態判定部213の判定結果に応じて反射部13の位置及び角度の双方又は何れかを制御する。
【0073】
駆動制御部214は、状態判定部213により対象者の状態が所定の角度と異なると判定された場合、駆動制御部214は反射部13の角度を制御する。
【0074】
駆動制御部214は、状態判定部213が、対象者の状態が所定の大きさと異なると判定した場合に、状態検出部212により検出された対象者の状態に応じて駆動制御部214は反射部13の位置を制御する。
【0075】
状態検出部212は、画像取得部211により取得された対象者の画像から反射部13に対する対象者の視線を検出し、駆動制御部214は、視線の検出結果に基づいて反射部13の位置及び角度の双方又は何れかを制御する。
【0076】
状態検出部212は、反射部13に対する対象者の顔の位置を検出し、駆動制御部214は、顔の位置の検出結果に基づいて反射部13の位置及び角度の双方又は何れかを制御する。
【0077】
状態検出部212は、反射部13に対する対象者の顔の角度を検出し、駆動制御部214は、顔の角度の検出結果に基づいて反射部13の位置及び角度の双方又は何れかを制御する。
【0078】
駆動制御部214は、反射部13の位置及び角度の双方又は何れかを制御した時点から所定時間の間、反射部13の位置及び角度の双方又は何れかを固定する。
【0079】
画像取得部211は、対象者の画像を撮像する撮像部14を有し、画像取得部211は、撮像部14により撮像された対象者の画像を取得する。
【0080】
撮像部14により撮像された対象者の画像を表示する表示部11を更に備え、状態検出部212により検出された対象者の状態に応じて表示部11の表示を制御する。
【0081】
[変形例]
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0082】
<変形例1>
上述の第1及び第2の実施形態では、反射部13は鏡であったが、鏡の代わりにデジタル鏡に置き換えられても良い。
反射部13がデジタル鏡である場合にも、第1又は第2の実施形態に係る機能的構成を適用することが可能である。これにより、ユーザは、容易に所望の像を得ることが出来る。又は、上述の実施形態における表示部11の移動に代えて、図示しない画像処理部が、デジタル鏡の表示の拡大率を変更することによって、ユーザUの画像がデジタル鏡上の検出枠Fに対して適切な大きさになるように制御してもよい。
【0083】
<変形例2>
第1から第3の実施形態において、状態検出部212は、撮像画像に基づいてユーザUの状態を検出するが、ユーザが自身の状態を反射装置10に通知してもよい。即ち、表示部11がユーザUに近すぎたり遠すぎたりする場合、ユーザUは、反射装置10に対して表示部11を移動するような指示を音声で行ってもよい。
【0084】
例えば、第1及び第2の実施形態において、ユーザUは、表示部11の位置が近すぎると感じた場合、反射装置10に対して、表示部11を遠くに移動させるように口頭で指示することが出来る。或いは、ユーザUは、表示部11の位置が遠すぎると感じた場合、反射装置10に対して、表示部11を近くに移動させるように口頭で指示することが出来る。ユーザUの指示に基づいて、駆動制御部214は駆動部28を制御して、表示部11を適切な位置に移動させる。これにより、ユーザは、容易に所望の像を得ることが出来る。
【0085】
<変形例3>
上述の全ての実施形態において、駆動制御部214は、表示部11の位置及び角度を制御するが、これに限られない。即ち、駆動制御部214は位置のみ、或いは、角度αのみを制御しても良い。この場合、駆動制御部214は、ユーザUが表示部11を真っ直ぐに視認できるような、位置及び角度の一方の移動量を算出する。又、上述の実施形態における表示部11の固定(ステップS20)は表示部の位置及び角度の一方のみが、固定されてもよい。
【0086】
また、上述の全ての実施形態では、本発明が適用される反射装置10は、卓上に設置可能な鏡を例として説明したが、特にこれに限定されない。
例えば、本発明は、調整処理機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、スマートフォン、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0087】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が反射装置10に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図3の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
本実施形態における機能的構成は、演算処理を実行するプロセッサによって実現され、本実施形態に用いることが可能なプロセッサには、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものを含む。
【0088】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0089】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図2のリムーバブルメディア100により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア100は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2のROM22や、図2の記憶部30に含まれるハードディスク等で構成される。
【0090】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0091】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0092】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
対象者の画像を取得する画像取得手段と、
前記対象者の像を反射する反射部と、
前記画像取得手段により取得された対象者の画像から当該対象者の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された対象者の状態に応じて前記対象者と前記反射部との相対的な位置及び角度の双方又は何れかを制御する反射部制御手段と、
を備えることを特徴とする反射装置。
[付記2]
前記検出手段により検出された対象者の状態が所定の状態であるかを判定する判定手段をさらに備え、
前記反射部制御手段は、前記判定手段の判定結果に応じて前記反射部の位置及び角度の双方又は何れかを制御する、
ことを特徴とする付記1に記載の反射装置。
[付記3]
前記判定手段により対象者の状態が所定の角度と異なると判定された場合に、前記反射部制御手段は、前記検出手段により検出された対象者の状態に応じて前記反射部の角度を制御する、
ことを特徴とする付記2に記載の反射装置。
[付記4]
前記判定手段により対象者の状態が所定の大きさと異なると判定した場合に、前記反射部制御手段は前記検出手段により検出された対象者の状態に応じて前記反射部の位置を制御する、
ことを特徴とする付記2又は3に記載の反射装置。
[付記5]
前記検出手段は、前記画像取得手段により取得された対象者の画像から前記反射部に対する対象者の視線を検出し、
前記反射部制御手段は、前記視線の検出結果に基づいて前記反射部の位置及び角度の双方又は何れかを制御する、
ことを特徴とする付記1又は4に記載の反射装置。
[付記6]
前記検出手段は、前記反射部に対する対象者の顔の位置を検出し、
前記反射部制御手段は、前記顔の位置の検出結果に基づいて前記反射部の位置及び角度の双方又は何れかを制御する、
ことを特徴とする付記1乃至5の何れか一に記載の反射装置。
[付記7]
前記検出手段は、前記反射部に対する対象者の顔の角度を検出し、
前記反射部制御手段は、前記顔の角度の検出結果に基づいて前記反射部の位置及び角度の双方又は何れかを制御する、
ことを特徴とする付記1乃至6の何れか一に記載の反射装置。
[付記8]
前記反射部制御手段は、前記反射部の位置及び角度の双方又は何れかを制御した時点から所定時間の間、当該反射部の位置及び角度の双方又は何れかを固定する、
ことを特徴とする付記1乃至7の何れか一に記載の反射装置。
[付記9]
前記画像取得手段は、対象者の画像を撮像する撮像手段を更に備え、
前記検出手段は、前記撮像手段により撮像された対象者の画像から当該対象者の状態を検出する、
ことを特徴とする付記1乃至8の何れか一に記載の反射装置。
[付記10]
前記撮像手段により撮像された対象者の画像を表示する表示手段を備え、
前記検出手段により検出された対象者の状態に応じて前記表示手段の表示を制御する、
ことを特徴とする付記9に記載の反射装置。
[付記11]
前記反射部又は前記表示手段を駆動する駆動手段を更に備え、
前記反射部制御手段は、前記反射部又は前記表示手段の位置及び角度の双方又は何れかを移動させるように、前記駆動手段を制御することを特徴とする付記10に記載の反射装置。
[付記12]
対象者の画像を取得する画像取得手段と、
前記対象者の像を反射する反射部と、
前記画像取得手段により取得された対象者の画像から当該対象者の状態を検出する検出手段と、
を備える反射装置が実行する方法であって、
前記検出ステップにおいて検出された対象者の状態に応じて前記対象者と前記反射部との相対的な位置及び角度の双方又は何れかを制御する反射部制御ステップと、
を備える反射方法。
[付記13]
対象者の画像を取得する画像取得手段と、
前記対象者の像を反射する反射部と、
前記画像取得手段により取得された対象者の画像から当該対象者の状態を検出する検出手段と、
を備えるコンピュータに、
前記検出手段により検出された対象者の状態に応じて前記対象者と前記反射部との相対的な位置及び角度の双方又は何れかを制御する反射部制御機能
を実現することを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0093】
10・・・反射装置,表示部11,反射部13,14・・・撮像部,18・・・出力部,21・・・CPU,22・・・ROM,23・・・RAM,24・・・バス,25・・・入出力インターフェース,26・・・入力部,27・・・通信部,28・・・駆動部,29・・・ドライブ,30・・・記憶部,100・・・リムーバブルメディア,211・・・画像取得部,212・・・状態検出部,213・・・状態判定部,214・・・駆動制御部,F・・・検出枠,13F・・・前面鏡,13M・・・中間鏡,13B・・・背面鏡
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13