(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】トランスミッション装置、当該装置を含む電気自動車と当該装置を駆動する方法
(51)【国際特許分類】
F16H 3/72 20060101AFI20231024BHJP
B60K 6/365 20071001ALI20231024BHJP
B60K 6/40 20071001ALI20231024BHJP
B60K 6/485 20071001ALI20231024BHJP
【FI】
F16H3/72 A
B60K6/365 ZHV
B60K6/40
B60K6/485
(21)【出願番号】P 2020531800
(86)(22)【出願日】2017-08-24
(86)【国際出願番号】 CN2017098837
(87)【国際公開番号】W WO2019037030
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2020-04-08
【審判番号】
【審判請求日】2021-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】520064872
【氏名又は名称】ジャオ、ジイン
【氏名又は名称原語表記】ZHAO Jiying
【住所又は居所原語表記】12122222nd Avenue,Bristol,Wisconsin 53104,U.S.A.
(73)【特許権者】
【識別番号】520064883
【氏名又は名称】ヤン、デリン
【氏名又は名称原語表記】YAN Delin
【住所又は居所原語表記】Room 101,Unit 5,Building No.11,Huichengmen Residential Quarter,Haidian District,Beijing 100038,China
(73)【特許権者】
【識別番号】520064894
【氏名又は名称】リ、ジアンリ
【氏名又は名称原語表記】Li Jianli
【住所又は居所原語表記】No.5,Floor 1,Unit 4,Commercial Building,XI Liudao Lane,Beilin District,Xi’an,Shaanxi 710000,China
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ、ジイン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、デリン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ジアンリ
【合議体】
【審判長】平城 俊雅
【審判官】尾崎 和寛
【審判官】内田 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-298748(JP,A)
【文献】特開平7-135701(JP,A)
【文献】特開2011-38637(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105150819(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 3/00-3/78
B60K 6/00-6/547
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアル動力源を有するトランスミッション装置であって、前記デュアル動力源によって駆動される遊星歯車アセンブリを含み、前記遊星歯車アセンブリは太陽歯車(3)と、回転内歯リング(4)と、前記太陽歯車(3)と前記回転内歯リング(4)との間に噛み合う遊星歯車(5)と、を含み、
前記デュアル動力源は、前記太陽歯車(3)に接続される入力軸(14)を含み、前記入力軸(14)によって前記太陽歯車(3)をそれ自体の回転軸線に対して第1方向において回転するように駆動するように配置され、
前記デュアル動力源は、前記回転内歯リング(4)に接続されるとともに、前記回転内歯リング(4)をそれ自体の回転軸線に対して前記第1方向と反対になる第2方向において回転するように駆動し、この際に、前記遊星歯車(5)はそれ自体の回転軸線に対して前記第2方向において回転し、
前記遊星歯車(5)が前記入力軸(14)周りの回転運動方向は前記回転内歯リング(4)のピッチ運動の線速度V1と前記太陽歯車(3)のピッチ運動の線速度V2によって決められ、
前記デュアル動力源は、第1動力源(1)と第2動力源(2)を含み、
前記第1動力源(1)は、前記入力軸(14)によって前記太陽歯車(3)を駆動するように配置され、
前記第2動力源(2)は、前記回転内歯リング(4)を駆動するように配置され、
前記第1動力源(1)と前記第2動力源(2)は、前記遊星歯車アセンブリの同じ側に設置され
、
前記回転内歯リング(4)に平行歯車(8)が設置され、前記回転内歯リング(4)の歯面(16)と前記平行歯車(8)とが前記入力軸(14)に沿う軸方向に離れており、
前記第2動力源(2)によって駆動される内歯リング駆動歯車(9)が前記平行歯車(8)に噛み合うことよって、前記回転内歯リング(4)が駆動され、
前記入力軸(14)に太陽歯車前歯車(10)が設置され、
前記第1動力源(1)によって駆動される太陽歯車駆動歯車(15)が前記太陽歯車前歯車(10)に噛み合うことよって、前記太陽歯車(3)が駆動され、前記太陽歯車(3)が前記入力軸(14)のみを介して前記太陽歯車前歯車(10)に接続され、
前記太陽歯車(3)と前記太陽歯車前歯車(10)がぞれぞれ前記入力軸(14)の軸方向に沿って前記平行歯車(8)の両側に配置され、
前記入力軸(14)に沿う軸方向において、前記太陽歯車前歯車(10)は、前記回転内歯リング(4)と前記第1動力源(1)との間に位置し、前記回転内歯リング(4)と前記第2動力源(2)との間に位置する、
デュアル動力源を有するトランスミッション装置。
【請求項2】
前記遊星歯車(5)は、出力軸(7)が設置された遊星歯車ケージ(6)に取り付けられ、
前記太陽歯車(3)は前記回転内歯リング(4)に同軸設置され、
前記出力軸(7)は前記入力軸(14)に同軸設置される、請求項1に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
【請求項3】
前記第1方向が時計回り方向である場合に、前記第2方向が反時計周り方向であり、
前記第1方向が反時計回り方向である場合に、前記第2方向が時計周り方向である、請求項2に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
【請求項4】
V1>V2の場合に、前記遊星歯車(5)と前記遊星歯車ケージ(6)が当該入力軸(14)周りの回転運動方向は当該入力軸(14)の回転方向と反対になり、前記出力軸(7)自体の回転方向は当該入力軸(14)の回転方向と反対になり、前記遊星歯車(5)の歯面とそれに噛み合う前記回転内歯リング(4)の歯面との間の歯面の隙間は前記遊星歯車(5)の歯の一方側のみに位置し、
V1<V2の場合に、前記遊星歯車(5)と前記遊星歯車ケージ(6)が当該入力軸(14)周りの回転運動方向は当該入力軸(14)の回転方向と同じであり、前記出力軸(7)自体の回転方向は当該入力軸(14)の回転方向と同じであり、前記遊星歯車(5)の歯面とそれに噛み合う前記回転内歯リング(4)の歯面との間の歯面の隙間は前記遊星歯車(5)の歯の前記一方側に保持され、
V1=V2の場合に、前記遊星歯車(5)と前記遊星歯車ケージ(6)が当該入力軸(14)周りの回転速度がゼロであり、前記出力軸(7)自体の回転速度がゼロである、請求項2または3に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
【請求項5】
前記第1動力源(1)は一定動力出力であり、前記第2動力源(2)は速度調整可能な動力出力であり、
電子制御装置(11)は入力制御線路(13)によって、前記第1動力源(1)が異なる電力の時の回転数低下または不安定の誤差を処理する、請求項4に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
【請求項6】
前記第2動力源(2)が前記回転内歯リング(4)を連れて転動する時に、前記第2動力源(2)に接続されたリアルタイムデータ採集線路(12)によって前記回転内歯リング(4)の運動データが前記電子制御装置(11)に送信され、
前記電子制御装置(11)が内部プログラムまたは外部命令の処理で、前記リアルタイムデータ採集線路(12)によって前記第2動力源(2)の動力出力を制御して調整し、前記出力軸(7)を作業状況で必要なさまざまな速度に達せる、請求項
5に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
【請求項7】
前記第1動力源(1)は速度調整可能な動力出力であり、前記電子制御装置(11)は入力制御線路(13)によって前記第1動力源(1)の動力出力を制御する、請求項
5に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
【請求項8】
前記第1動力源と前記第2動力源は制御可能で、速度調整可能な動力機械である、請求項1に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
【請求項9】
前記制御可能で、速度調整可能な動力機械は電動機または内燃機関である、請求項
7に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
【請求項10】
請求項1~
9のいずれか
一項に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置を含む、電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トランスミッション装置に関し、特に、デュアル動力源を有するトランスミッション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊星歯車を有するトランスミッションが運転の際に、歯と歯が噛み合う時に生じる歯面の隙間(バックラッシュとも称される)が除去できないというキー課題のため、特に歯車が頻繁に運動方向が変更される時に、バックラッシュによる歯の間の衝撃によって生じる振動、騒音、摩損などの現象のため、トランスミッションの使用寿命が減少されるとともに、運行精度が不正確などの問題が起きる。いくつかの高精度、小型化、大トルク、出力方向が頻繁に変更される高度な製品、例えば工業ロボット構造における各運動関節の箇所のRV減速機は、RV減速機の高い位置決め精度と非常に長い使用寿命に達するために、RV減速機の材料選択と製造精度に対する要求が非常に高く、よって、必ず製造コストの向上をもたらす。しかしながら、いくら加工精度が高くても、歯と歯が噛み合う時の歯面の隙間も完全に除去できるわけではない(
図3参照)。例えば、遊星歯車は運動方向が頻繁に変更される時に、固定された内歯リングの歯面上に異なる方向の2つの力の衝撃を頻繁に受け、歯車の間の隙間がいくら小さくても、歯と歯の間の歯面の隙間も頻繁に変換される。歯車の摩損につれて、歯と歯の間の歯面の隙間が加速して拡大され、RV減速機が無効になる。
【0003】
また、周知のように、現在、電気自動車にFMモーターが幅広く使用され、FMモーターは高速運転中に効率が高く、約94%であるが、低速運転中に効率が低く、約70%以下である(
図4参照)。しかしながら、電気自動車が走行過程において、道路状況の変化に応じて頻繁に加減速される必要があり、低速運転から高速運転までの過程において、多くの電気エネルギーが無駄になり、これら無駄になる電気エネルギーが電気自動車において熱になって冷却水に流される。
【0004】
また、電気自動車の周波数変換モーターについて、車両の始動時または負荷をかけて登坂する時に過負荷運転になり、モーター出力のピーク値は定格出力の2倍以上に達することがある。上記2点の課題は電動自動車の走行が設計マイレージに達せないキーである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示内容は従来の技術の不足を解決するためになされてもので、デュアル動力源を有するトランスミッション装置であって、前記デュアル動力源によって駆動される遊星歯車アセンブリを含み、前記遊星歯車アセンブリは、太陽歯車と、回転内歯リングと、前記太陽歯車と前記回転内歯リングとの間に噛み合う遊星歯車とを含み、前記デュアル動力源は、前記太陽歯車に接続される入力軸を含み、前記入力軸によって前記太陽歯車をその自体の回転軸線に対して第1方向において回転するように駆動し、前記デュアル動力源は、前記回転内歯リングに接続されるとともに、前記回転内歯リングをその自体の回転軸線に対して前記第1方向と反対になる第2方向において回転するように駆動し、この際に、前記遊星歯車はその自体の回転軸線に対して前記第2方向において回転し(例えばシンクロナイザーによって前記デュアル動力源の駆動で回転し、回転内歯リングと遊星歯車の自転方向が同じであることを保証する)、前記遊星歯車が前記入力軸周りの回転運動方向は前記回転内歯リングのピッチ運動の線速度V1と前記太陽歯車のピッチ運動の線速度V2によって決められる、トランスミッション装置を提供する。
【0006】
本開示内容の一局面によれば、前記デュアル動力源は、前記入力軸によって前記太陽歯車を駆動するように配置される第1動力源と、前記回転内歯リングを駆動するように配置される第2動力源とを含む。
【0007】
本開示内容の上記各局面によれば、前記遊星歯車は、出力軸が設置された遊星歯車ケージに取り付けられ、前記太陽歯車は前記回転内歯リングに同軸設置され、前記出力軸は前記入力軸に同軸設置される。
【0008】
本開示内容の上記各局面によれば、前記第1方向が時計回り方向である場合に、前記第2方向が反時計周り方向であり、前記第1方向が反時計回り方向である場合に、前記第2方向が時計周り方向である。
【0009】
本開示内容の上記各局面によれば、V1>V2の場合に、前記遊星歯車と前記遊星歯車ケージが当該入力軸周りの回転運動方向は当該入力軸の回転方向と反対になり、前記出力軸自体の回転方向は当該入力軸の回転方向と反対になり、前記遊星歯車の歯面とそれに噛み合う前記回転内歯リングの歯面との間の歯面の隙間は前記遊星歯車の歯の一方側のみに位置する。
【0010】
V1<V2の場合に、前記遊星歯車と前記遊星歯車ケージが当該入力軸周りの回転運動方向は当該入力軸の回転方向と同じであり、前記出力軸自体の回転方向は当該入力軸の回転方向と同じであり、前記遊星歯車の歯面とそれに噛み合う前記回転内歯リングの歯面との間の歯面の隙間は前記遊星歯車の歯の前記一方側に保持される。
【0011】
V1=V2の場合に、前記遊星歯車と前記遊星歯車ケージが当該入力軸周りの回転速度がゼロであり、前記出力軸自体の回転速度がゼロである。
【0012】
本開示内容の上記各局面によれば、前記回転内歯リングに平行歯車が設置され、前記第2動力源によって駆動される内歯リング駆動歯車が前記平行歯車に噛み合うことよって、前記回転内歯リングが駆動される。
【0013】
本開示内容の上記各局面によれば、前記入力軸に太陽歯車前歯車が設置され、前記第1動力源によって駆動される太陽歯車駆動歯車が前記太陽歯車前歯車に噛み合うことよって、前記太陽歯車が駆動される。
【0014】
本開示内容の上記各局面によれば、前記第1動力源は一定動力出力であり、前記第2動力源は速度調整可能な動力出力であり、電子制御装置は入力制御線路によって前記第1動力源に接続されるとともに、前記第1動力源が異なる電力の時の回転数低下または不安定の誤差を処理する。
【0015】
本開示内容の上記各局面によれば、前記第2動力源が前記回転内歯リングを連れて転動する時に、前記第2動力源に接続されたリアルタイムデータ採集線路によって前記回転内歯リングの運動データが前記電子制御装置に送信され、前記電子制御装置が内部プログラムまたは外部命令の処理で、前記リアルタイムデータ採集線路によって前記第2動力源電源の動力出力を制御して調整し、前記出力軸を作業状況で必要なさまざまな速度に達せる。
【0016】
本開示内容の上記各局面によれば、前記第1動力源は速度調整可能な動力出力であり、前記電子制御装置は入力制御線路によって前記第1動力源の動力出力を制御する。
【0017】
本開示内容の上記各局面によれば、前記第1動力源と前記第2動力源は制御可能で、速度調整可能な動力機械である。
【0018】
本開示内容の上記各局面によれば、前記制御可能で、速度調整可能な動力機械は電動機または内燃機関である。
【0019】
本開示内容によれば、前記各局面に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置を含む電気自動車をさらに提供する。
【0020】
本開示内容は、上記に記載のトランスミッション装置を駆動する駆動方法であって、前記トランスミッション装置は、遊星歯車アセンブリを駆動するデュアル動力源を含み、前記遊星歯車アセンブリは、太陽歯車と、回転内歯リングと、前記太陽歯車と前記回転内歯リングとの間に噛み合う遊星歯車とを含み、前記デュアル動力源は、前記太陽歯車に接続される入力軸を含み、前記入力軸によって前記太陽歯車をその自体の回転軸線に対して第1方向において回転するように駆動するように配置され、前記デュアル動力源は、前記回転内歯リングに接続されるとともに、前記回転内歯リングをその自体の回転軸線に対して前記第1方向と反対になる第2方向において回転するように駆動し、この際に、前記遊星歯車はその自体の回転軸線に対して前記第2方向において回転し、前記遊星歯車が前記入力軸周りの回転運動方向は前記回転内歯リングのピッチ運動の線速度V1と前記太陽歯車のピッチ運動の線速度V2によって決められる、駆動方法をさらに提供する。
【0021】
上記記載の駆動方法の一局面によれば、前記デュアル動力源は、第1動力源と第2動力源を含み、前記第1動力源は、前記入力軸によって前記太陽歯車を駆動するように配置され、前記第2動力源は、前記回転内歯リングを駆動するように配置される。
【0022】
上記記載の駆動方法の各局面によれば、前記遊星歯車を遊星歯車ケージに取り付け、出力軸を前記遊星歯車ケージに設置し、前記太陽歯車を前記回転内歯リングに同軸設置し、前記出力軸を前記入力軸に同軸設置する。
【0023】
上記記載の駆動方法の各局面によれば、前記第1方向が時計回り方向である場合に、前記第2方向が反時計周り方向であり、前記第1方向が反時計回り方向である場合に、前記第2方向が時計周り方向である。
【0024】
上記記載の駆動方法の各局面によれば、V1>V2の場合に、前記遊星歯車と前記遊星歯車ケージが当該入力軸周りの回転運動方向は当該入力軸の回転方向と反対になり、前記出力軸自体の回転方向は当該入力軸の回転方向と反対になり、前記遊星歯車の歯面とそれに噛み合う前記回転内歯リングの歯面との間の歯面の隙間は前記遊星歯車の歯の一方側のみに位置する。
【0025】
V1<V2の場合に、前記遊星歯車と前記遊星歯車ケージが当該入力軸周りの回転運動方向は当該入力軸の回転方向と同じであり、前記出力軸自体の回転方向は当該入力軸の回転方向と同じであり、前記遊星歯車の歯面とそれに噛み合う前記回転内歯リングの歯面との間の歯面の隙間は前記遊星歯車の歯の前記一方側に保持される。
【0026】
V1=V2の場合に、前記遊星歯車と前記遊星歯車ケージが当該入力軸周りの回転速度がゼロであり、前記出力軸自体の回転速度がゼロである。
【0027】
上記記載の駆動方法の各局面によれば、前記第1動力源を一定動力出力のように設置し、前記第2動力源を速度調整可能な動力出力のように設置し、入力制御線路によって前記第1動力源が異なる電力の時の回転数低下または不安定の誤差を処理する電子制御装置を設置する。
【0028】
上記記載の駆動方法の各局面によれば、前記第2動力源が前記回転内歯リングを連れて転動し、前記第2動力源に接続されたリアルタイムデータ採集線路によって前記回転内歯リングの運動データが前記電子制御装置に送信され、前記電子制御装置が内部プログラムまたは外部命令の処理で、前記リアルタイムデータ採集線路によって前記第2動力源電源の動力出力を制御して調整し、前記出力軸を作業状況で必要なさまざまな速度に達せる。
【0029】
上記記載の駆動方法の各局面によれば、前記第1動力源を速度調整可能な動力出力のように設置し、前記電子制御装置は入力制御線路によって前記第1動力源の動力出力を制御する。
【0030】
上記記載の駆動方法の各局面によれば、前記第1動力源と前記第2動力源を制御可能で、速度調整可能な動力機械のように設置する。
【0031】
上記記載の駆動方法の各局面によれば、前記制御可能で、速度調整可能な動力機械は電動機または内燃機関である。
【0032】
上記記載の駆動方法の各局面によれば、平行歯車を前記回転内歯リングに設置し、前記第2動力源によって駆動される内歯リング駆動歯車が前記平行歯車に噛み合うことよって、前記回転内歯リングが駆動される。
【0033】
上記記載の駆動方法の各局面によれば、太陽歯車前歯車を前記入力軸に設置し、前記第1動力源によって駆動される太陽歯車駆動歯車が前記太陽歯車前歯車に噛み合うことよって、前記太陽歯車が駆動される。
【0034】
本開示内容に係るデュアル動力源を有するトランスミッション装置の特徴の1つは、メカトロニクス複合構造を応用し、遊星歯車トランスミッションの運転中に遊星歯車の歯と内歯リングの歯が噛み合うときに発生する歯面の隙間(バックラッシュとも称される)が除去できないというキー課題は、元から解消する。特に、歯車は運動方向が頻繁に変更される時に、バックラッシュによる歯同士の間の衝撃が発生する振動、騒音、摩損などの欠陥を解決し、トランスミッションの使用寿命を延長するとともに、運行精度を保証する。
【0035】
本開示内容に係るデュアル動力源を有するトランスミッション装置は、高精度、小型化、大トルク、出力方向が頻繁に変更される高度な製品、例えば各運動関節の箇所のRV減速機が設置された工業ロボット構造に適用してもよい。本開示内容はRV減速機の高い位置決め精度と非常に長い使用寿命を実現している。特に、遊星歯車は運動方向が頻繁に変更される時に、回転内歯リングの歯面上に異なる方向の2つの力の衝撃を頻繁に受けず、歯と歯の間のバックラッシュも頻繁に変換されることがない。また、歯車が摩損されても、電子制御装置の速度調整制御で、歯と歯の間のバックラッシュも加速して拡大されず、よって、RV減速機の無効が避けられる。
【0036】
本開示内容のデュアル動力トランスミッション装置において、太陽歯車と、遊星歯車と、回転内歯リングとが自体の回転方向が変わらないままの場合に、出力軸は便利に正回転または逆回転できる(
図2に示す)が、歯と歯の間のバックラッシュは一方側のみに残され、歯と歯の間の力を受ける方向も変わらないため、出力軸の方向が頻繁に変換されることによって歯と歯の間のバックラッシュが変化されることはない。歯と歯の運転時に一方側のみ緊密に噛み合うため、バックラッシュの変換による衝撃力が発生されることはない。 そのため、本開示内容のトランスミッション装置の位置決め精度がより高く、使用寿命がより長くなる。それに、歯と歯の間に大きな摩損が存在し、歯と歯のバックラッシュが増大されても、歯と歯の他面が緊密に噛み合っているため、電子制御装置の補正制御によって、完璧な位置決め精度と使用効果に達することができる。
【0037】
本開示内容によるデュアル動力源を有するトランスミッション装置はバッテリ電気自動車の変速装置にも適用され、その2つの電気モーターが周波数変換時に周波数変換モーターの最高効率の速度範囲内で完全に運行可能である。それに、出力軸はゼロ回転速度または正逆無段変速であってもよい。また、従来のバッテリ電気自動車より数十倍の必要なトルクを生成可能である。従来のEVB320-140-180周波数変換モーターを採用すれば、その定格電力は30KWであり、ピーク電力は60KWであるが、ピークトルクは180N・Mのみである。バッテリ電気自動車が走行する時に、道路状況によって速度が頻繁に変更され、バッテリ電気自動車が静的から動的に繰り返して加速し、また、異なる坂を上り、異なる負荷を負う必要があるため、従来のバッテリ電気自動車が採用する周波数変換モーターには、大きな予備電力と、モーターが長時間で70%未満で運行される低効率領域とが必要である。
【0038】
しかしながら、同じ道路状況で走行する条件において、本開示内容によれば、それぞれ10KWである2つのデュアル動力トランミッション装置を採用してもよく、総電力は僅か20KWであり、最大トルクは9000N・Mから10000N・M(
図5に示す)であり、それに2つのモーターは95%の高効率領域で運行し続ける。9000N・M以上である大きいトルクはあらゆる道路状況でのバッテリ電気自動車の走行を完全に満たすことができる。
【0039】
従来のピーク電力が60KWであり、ピークトルクが180N・Mである周波数変換モーターを、本開示内容の電力が20KWであり、トルクが最大9000N・M以上であるデュアル動力トランスミッション装置に比べれば、同等な運行道路状況に基づくバッテリ電気自動車について、本開示内容のトランスミッション装置を採用すれば、モーターが高効率運転速度範囲内で運行し続け、周波数変換の低速運行の低効率領域を避けることが可能であるため、同等な道路状況で走行する場合に、電力の小さいモーターを選択して配置してもよいという結論が得られる。そのため、従来のバッテリ電気自動車について、本開示内容のデュアル動力遊星歯車トランスミッション装置を採用すれば、その走行の運行状況に非常に大きく適合し、その走行距離を大きく延ばすことができる。本開示内容におけるデュアル動力源は、大きい電力と大きいトルクの出力のトランスミッション装置が必要な場合に、制御可能で、速度調整可能な電力の大きい内燃機関またはその他の動力機械を選択してもよい。本開示内容はその他の正逆回転変速が必要なその他の機械製品に適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は本開示内容に係るデュアル動力源を有するトランスミッション装置を示す模式図である。
【
図2】
図2は本開示内容に係る太陽歯車が時計回り方向に回転される時に、回転内歯リングの歯と遊星歯車の歯との間のバックラッシュを示す。
【
図3】
図3は従来技術における従来の遊星歯車アセンブリを有するトランスミッション装置においてバックラッシュが存在することを示す。
【
図4】
図4は従来のFMモーターのトルク図を示す。
【
図5】
図5は本開示内容に係るデュアル動力源を有するトランスミッション装置のトルク図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下では、図面を参照して本開示内容の実施形態を詳細に説明する。
【0042】
図1は本開示内容に係るデュアル動力源を有するトランスミッション装置の模式図を示し、本開示内容の1つの実施例によれば、当該デュアル動力源を有するトランスミッション装置は前記デュアル動力源によって駆動される遊星歯車アセンブリを含む。
【0043】
前記遊星歯車アセンブリは太陽歯車3と、回転内歯リング4と、前記太陽歯車3と前記回転内歯リング4との間に噛み合う遊星歯車5と、を含む。
【0044】
前記デュアル動力源は、前記太陽歯車3に接続される入力軸14と、第1動力源1と、第2動力源2とを含み、前記入力軸14によって前記太陽歯車3をその自体の回転軸線に対して第1方向において回転するように駆動するように配置され、前記デュアル動力源は、前記回転内歯リング4に接続されるとともに、前記回転内歯リング4をその自体の回転軸線に対して前記第1方向と反対になる第2方向において回転するように駆動し、この際に、前記遊星歯車5はその自体の回転軸線に対して前記第2方向において回転し、前記遊星歯車5が前記入力軸14周りの回転運動方向は前記回転内歯リング4のピッチ運動の線速度V1と前記太陽歯車3のピッチ運動の線速度V2によって決められる。
【0045】
本開示内容の1つの実施例によれば、前記第1動力源1は、前記入力軸14によって前記太陽歯車3を駆動するように配置される、前記第2動力源2は、前記回転内歯リング4を駆動するように配置される。
【0046】
本開示内容の上記各実施例によれば、前記遊星歯車5は、出力軸7が設置された遊星歯車ケージ6に取り付けられ、前記太陽歯車3は前記回転内歯リング4に同軸設置され、前記出力軸7は前記入力軸14に同軸設置される。
【0047】
本開示内容の上記各実施例によれば、前記第1方向が時計回り方向である場合に、前記第2方向が反時計周り方向であり、前記第1方向が反時計回り方向である場合に、前記第2方向が時計周り方向である。
【0048】
本開示内容の上記各実施例によれば、V1>V2の場合に、前記遊星歯車5と前記遊星歯車ケージ6が当該入力軸14周りの回転運動方向は当該入力軸14の回転方向と反対になり、前記出力軸7自体の回転方向は当該入力軸14の回転方向と反対になり、前記遊星歯車5の歯面とそれに噛み合う前記回転内歯リング4の歯面16との間の歯面の隙間(バックラッシュとも称される)は前記遊星歯車5の歯の一方側のみに位置する。例えば、
図2に示すように、前記入力軸14が前記太陽歯車3をその自体の回転軸線に対して時計回り方向において回転するように駆動する時に、前記出力軸7自体が反時計回り方向において回転し、前記歯面の隙間は前記遊星歯車5の歯の右側のみに位置するが、前記遊星歯車5の歯の左側は前記回転内歯リング4の歯面に接触される。前記入力軸14が前記太陽歯車3をその自体の回転軸線に対して反時計回り方向において回転するように駆動する時に(図示せず)、前記出力軸7自体が時計回り方向において回転し、前記歯面の隙間が前記遊星歯車5の歯の左側のみに位置するが、前記遊星歯車5の歯の右側が前記回転内歯リング4の歯面に接触されることは、当業者が理解できる。
【0049】
V1<V2の場合に、前記遊星歯車5と前記遊星歯車ケージ6が当該入力軸14周りの回転運動方向は当該入力軸14の回転方向と同じであり、前記出力軸7自体の回転方向は当該入力軸14の回転方向と同じであり、前記遊星歯車5の歯面とそれに噛み合う前記回転内歯リング4の歯面との間の歯面の隙間は前記遊星歯車5の歯の前記一方側に保持される。例えば、
図2に示すように、前記入力軸14が前記太陽歯車3をその自体の回転軸線に対して時計回り方向において回転するように駆動する時に、前記出力軸7自体が時計回り方向において回転し、前記歯面の隙間は依然として前記遊星歯車5の歯の右側のみに位置し、前記遊星歯車5の歯の左側は依然として前記回転内歯リング4の歯面に接触される。前記入力軸14が前記太陽歯車3をその自体の回転軸線に対して反時計回り方向において回転するように駆動する時に(図示せず)、前記出力軸7自体が反時計回り方向において回転し、前記歯面の隙間が依然として前記遊星歯車5の歯の左側のみに位置するが、前記遊星歯車5の歯の右側が依然として前記回転内歯リング4の歯面に接触されることは、当業者が理解できる。
【0050】
V1=V2の場合に、前記遊星歯車5と前記遊星歯車ケージ6が当該入力軸14周りの回転速度がゼロであり、前記出力軸7自体の回転速度がゼロである。
【0051】
本開示内容の上記各局面によれば、前記回転内歯リング4に平行歯車8が設置され、前記第2動力源2によって駆動される内歯リング駆動歯車9が前記平行歯車8に噛み合うことよって、前記回転内歯リング4が駆動される。
【0052】
本開示内容の上記各実施例によれば、前記入力軸14に太陽歯車前歯車10が設置され、前記第1動力源1によって駆動される太陽歯車駆動歯車15が前記太陽歯車前歯車10に噛み合うことよって、前記太陽歯車3が駆動される。
【0053】
内歯リング駆動歯車9と平行歯車8を噛み合うように設置し、且つ太陽歯車駆動歯車15と太陽歯車前歯車10を噛み合うように設置することによって、特に体積の大きい大電力動力源が必要である時に、前記第1、第2動力源の収容により多くのスペースを提供することができる。
【0054】
本開示内容の上記各実施例によれば、前記第1動力源1は一定動力出力であり、前記第2動力源2は速度調整可能な動力出力であり、電子制御装置11は入力制御線路13によって、前記第1動力源1が異なる電力の時の回転数低下または不安定の誤差を処理する。
【0055】
本開示内容の上記各実施例によれば、前記第2動力源2が前記回転内歯リング4を連れて転動する時に、前記第2動力源2に接続されたリアルタイムデータ採集線路12によって前記回転内歯リング4の運動データが前記電子制御装置11に送信され、前記電子制御装置11が内部プログラムまたは外部命令の処理で、前記リアルタイムデータ採集線路12によって前記第2動力源電源2の動力出力を制御して調整し、前記出力軸7を作業状況で必要なさまざまな速度に達せる。
【0056】
本開示内容の上記各実施例によれば、前記第1動力源1は速度調整可能な動力出力であり、前記電子制御装置11は入力制御線路13によって前記第1動力源1の動力出力を制御する。
【0057】
電子制御装置11の補正制御によって、前記遊星歯車5の歯面とそれに噛み合う前記回転内歯リング4の歯面との間の歯面の隙間が前記遊星歯車5の歯の一方側のみに位置するように保持することに役立つ。
【0058】
本開示内容の上記各実施例によれば、前記第1動力源と前記第2動力源は制御可能で、速度調整可能な動力機械である。
【0059】
本開示内容の上記各実施例によれば、前記制御可能で、速度調整可能な動力機械は電動機または内燃機関である。
【0060】
本開示内容のデュアル動力トランスミッション装置において、太陽歯車3と、遊星歯車5と、回転内歯リング4とが自体の回転方向が変わらないままの場合に、出力軸7は便利に正回転または逆回転できる(
図2に示す)が、歯と歯の間のバックラッシュは一方側のみに残され、歯と歯の間の力を受ける方向も変わらないため、出力軸7の方向が頻繁に変換されることによって歯と歯の間のバックラッシュが変化されることはない。歯と歯の運転時に一方側のみ緊密に噛み合うため、バックラッシュの変換による衝撃力が発生されることはない。そのため、本開示内容のトランスミッション装置の位置決め精度がより高く、使用寿命がより長くなる。それに、歯と歯の間に大きな摩損が存在し、歯と歯のバックラッシュが増大されても、歯と歯の他面が緊密に噛み合っているため、電子制御装置11の補正制御によって、完璧な位置決め精度と使用効果に達することができる。
【0061】
本開示内容によれば、前記各実施例に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置を含む電気自動車をさらに提供する。
【0062】
本開示内容によるデュアル動力源を有するトランスミッション装置はバッテリ電気自動車の変速装置に適用され、その2つの電気モーターが周波数変換時に周波数変換モーターの最高効率の速度範囲内で完全に運行可能である。それに、出力軸7はゼロ回転速度または正逆無段変速であってもよい。また、従来のバッテリ電気自動車より数十倍の必要なトルクを生成可能である。
【0063】
従来のEVB320-140-180周波数変換モーターを採用すれば、その定格電力は30KWであり、ピーク電力は60KWであるが、ピークトルクは180N・Mのみである。バッテリ電気自動車が走行する時に、道路状況によって速度が頻繁に変更され、バッテリ電気自動車が静的から動的に繰り返して加速し、また、異なる坂を上り、異なる負荷を負う必要があるため、従来のバッテリ電気自動車が採用する周波数変換モーターには、大きな予備電力と、モーターが長時間で70%未満で運行される低効率領域とが必要である。
【0064】
しかしながら、同じ道路状況で走行する条件において、本開示内容によれば、それぞれ10KWである2つのデュアル動力トランミッション装置を採用してもよく、総電力は僅か20KWであり、最大トルクは9000N・Mから10000N・M(
図5に示す)であり、それに2つのモーターは95%の高効率領域で運行し続ける。9000N・M以上である大きいトルクはあらゆる道路状況でのバッテリ電気自動車の走行を完全に満たすことができる。
【0065】
従来のピーク電力が60KWであり、ピークトルクが180N・Mである周波数変換モーターを、本開示内容の電力が20KWであり、トルクが最大9000N・M以上であるデュアル動力トランスミッション装置に比べれば、同等な運行道路状況に基づくバッテリ電気自動車について、本開示内容のトランスミッション装置を採用すれば、モーターが高効率運転速度範囲内で運行し続け、周波数変換の低速運行の低効率領域を避けることが可能であるため、同等な道路状況で走行する場合に、電力の小さいモーターを選択して配置してもよいという結論が得られる。そのため、従来のバッテリ電気自動車について、本開示内容のデュアル動力遊星歯車トランスミッション装置を採用すれば、その走行の運行状況に非常に大きく適合し、その走行距離を大きく延ばすことができる。本開示内容におけるデュアル動力源は、大きい電力と大きいトルクの出力のトランスミッション装置が必要な場合に、制御可能で、速度調整可能な電力の大きい内燃機関またはその他の動力機械を選択してもよい。本開示内容はその他の正逆回転変速が必要なその他の機械製品に適用されてもよい。
【0066】
本開示内容は、上記に記載のトランスミッション装置を駆動する駆動方法であって、前記トランスミッション装置は、遊星歯車アセンブリを駆動するデュアル動力源を含み、 前記遊星歯車アセンブリは、太陽歯車3と、回転内歯リング4と、前記太陽歯車3と前記回転内歯リング4との間に噛み合う遊星歯車5とを含み、前記デュアル動力源は、前記太陽歯車3に接続される入力軸14を含み、前記入力軸14によって前記太陽歯車3をその自体の回転軸線に対して第1方向において回転するように駆動するように配置され、前記デュアル動力源は、前記回転内歯リング4に接続されるとともに、前記回転内歯リング4をその自体の回転軸線に対して前記第1方向と反対になる第2方向において回転するように駆動し、この際に、前記遊星歯車5はその自体の回転軸線に対して前記第2方向において回転し、前記遊星歯車5が前記入力軸14周りの回転運動方向は前記回転内歯リング4のピッチ運動の線速度V1と前記太陽歯車3のピッチ運動の線速度V2によって決められる、駆動方法をさらに提供する。
【0067】
上記記載の駆動方法の1つの実施例によれば、前記デュアル動力源は、第1動力源1と第2動力源2を含み、前記第1動力源1は、前記入力軸14によって前記太陽歯車3を駆動するように配置され、前記第2動力源2は、前記回転内歯リング4を駆動するように配置される。
【0068】
上記記載の駆動方法の各実施例によれば、前記遊星歯車5を遊星歯車ケージ6に取り付け、出力軸7を前記遊星歯車ケージ6に設置し、前記太陽歯車3を前記回転内歯リング4に同軸設置し、前記出力軸7を前記入力軸14に同軸設置する。
【0069】
上記記載の駆動方法の各実施例によれば、前記第1方向が時計回り方向である場合に、前記第2方向が反時計周り方向であり、前記第1方向が反時計回り方向である場合に、前記第2方向が時計周り方向である。
【0070】
上記記載の駆動方法の各実施例によれば、V1>V2の場合に、前記遊星歯車5と前記遊星歯車ケージ6が当該入力軸14周りの回転運動方向は当該入力軸14の回転方向と反対になり、前記出力軸7自体の回転方向は当該入力軸14の回転方向と反対になり、前記遊星歯車5の歯面とそれに噛み合う前記回転内歯リング4の歯面との間の歯面の隙間は前記遊星歯車5の歯の一方側のみに位置する。前記入力軸14が前記太陽歯車3をその自体の回転軸線に対して反時計回り方向において回転するように駆動する時に(図示せず)、前記出力軸7自体が時計回り方向において回転し、前記歯面の隙間が前記遊星歯車5の歯の左側のみに位置するが、前記遊星歯車5の歯の右側が前記回転内歯リング4の歯面に接触されることは、当業者が理解できる。
【0071】
V1<V2の場合に、前記遊星歯車5と前記遊星歯車ケージ6が当該入力軸14周りの回転運動方向は当該入力軸14の回転方向と同じであり、前記出力軸7自体の回転方向は当該入力軸14の回転方向と同じであり、前記遊星歯車5の歯面とそれに噛み合う前記回転内歯リング4の歯面との間の歯面の隙間は前記遊星歯車5の歯の前記一方側に保持される。前記入力軸14が前記太陽歯車3をその自体の回転軸線に対して反時計回り方向において回転するように駆動する時に(図示せず)、前記出力軸7自体が反時計回り方向において回転し、前記歯面の隙間が依然として前記遊星歯車5の歯の左側のみに位置するが、前記遊星歯車5の歯の右側が依然として前記回転内歯リング4の歯面に接触されることは、当業者が理解できる。
【0072】
V1=V2の場合に、前記遊星歯車5と前記遊星歯車ケージ6が当該入力軸14周りの回転速度がゼロであり、前記出力軸7自体の回転速度がゼロである。
【0073】
上記記載の駆動方法の各実施例によれば、前記第1動力源1を一定動力出力のように設置し、前記第2動力源2を速度調整可能な動力出力のように設置し、入力制御線路13によって前記第1動力源1が異なる電力の時の回転数低下または不安定の誤差を処理する電子制御装置11を設置する。
【0074】
上記記載の駆動方法の各実施例によれば、前記第2動力源2が前記回転内歯リング4を連れて転動する時に、前記第2動力源2に接続されたリアルタイムデータ採集線路12によって前記回転内歯リング4の運動データが前記電子制御装置11に送信され、前記電子制御装置11が内部プログラムまたは外部命令の処理で、前記リアルタイムデータ採集線路12によって前記第2動力源電源2の動力出力を制御して調整し、前記出力軸7を作業状況で必要なさまざまな速度に達せる。
【0075】
上記記載の駆動方法の各実施例によれば、前記第1動力源1を速度調整可能な動力出力のように設置し、前記電子制御装置11は入力制御線路13によって前記第1動力源1の動力出力を制御する。
【0076】
上記記載の駆動方法の各実施例によれば、平行歯車8を前記回転内歯リング5に設置し、前記第2動力源2によって駆動される内歯リング駆動歯車9が前記平行歯車8に噛み合うことよって、前記回転内歯リング4が駆動される。
【0077】
上記記載の駆動方法の各実施例によれば、太陽歯車前歯車10を前記入力軸14に設置し、前記第1動力源1によって駆動される太陽歯車駆動歯車15が前記太陽歯車前歯車10に噛み合うことよって、前記太陽歯車3が駆動される。
【0078】
上記記載の駆動方法の各実施例によれば、前記第1動力源と前記第2動力源を制御可能で、速度調整可能な動力機械のように設置する。
【0079】
上記記載の駆動方法の各実施例によれば、前記制御可能で、速度調整可能な動力機械は電動機または内燃機関である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] デュアル動力源を有するトランスミッション装置であって、前記デュアル動力源によって駆動される遊星歯車アセンブリを含み、前記遊星歯車アセンブリは太陽歯車(3)と、回転内歯リング(4)と、前記太陽歯車(3)と前記回転内歯リング(4)との間に噛み合う遊星歯車(5)と、を含み、
前記デュアル動力源は、前記太陽歯車(3)に接続される入力軸(14)を含み、前記入力軸(14)によって前記太陽歯車(3)をその自体の回転軸線に対して第1方向において回転するように駆動するように配置され、
前記デュアル動力源は、前記回転内歯リング(4)に接続されるとともに、前記回転内歯リング(4)をその自体の回転軸線に対して前記第1方向と反対になる第2方向において回転するように駆動し、この際に、前記遊星歯車(5)はその自体の回転軸線に対して前記第2方向において回転し、
前記遊星歯車(5)が前記入力軸(14)周りの回転運動方向は前記回転内歯リング(4)のピッチ運動の線速度V1と前記太陽歯車(3)のピッチ運動の線速度V2によって決められる、デュアル動力源を有するトランスミッション装置。
[2] 前記デュアル動力源は、第1動力源(1)と第2動力源(2)を含み、
前記第1動力源(1)は、前記入力軸(14)によって前記太陽歯車(3)を駆動するように配置され、
前記第2動力源(2)は、前記回転内歯リング(4)を駆動するように配置される、[1]に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
[3] 前記遊星歯車(5)は、出力軸(7)が設置された遊星歯車ケージ(6)に取り付けられ、
前記太陽歯車(3)は前記回転内歯リング(4)に同軸設置され、
前記出力軸(7)は前記入力軸(14)に同軸設置される、[1]に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
[4] 前記第1方向が時計回り方向である場合に、前記第2方向が反時計周り方向であり、 前記第1方向が反時計回り方向である場合に、前記第2方向が時計周り方向である、[3]に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
[5] V1>V2の場合に、前記遊星歯車(5)と前記遊星歯車ケージ(6)が当該入力軸(14)周りの回転運動方向は当該入力軸(14)の回転方向と反対になり、前記出力軸(7)自体の回転方向は当該入力軸(14)の回転方向と反対になり、前記遊星歯車(5)の歯面とそれに噛み合う前記回転内歯リング(4)の歯面との間の歯面の隙間は前記遊星歯車(5)の歯の一方側のみに位置し、
V1<V2の場合に、前記遊星歯車(5)と前記遊星歯車ケージ(6)が当該入力軸(14)周りの回転運動方向は当該入力軸(14)の回転方向と同じであり、前記出力軸(7)自体の回転方向は当該入力軸(14)の回転方向と同じであり、前記遊星歯車(5)の歯面とそれに噛み合う前記回転内歯リング(4)の歯面との間の歯面の隙間は前記遊星歯車(5)の歯の前記一方側に保持され、
V1=V2の場合に、前記遊星歯車(5)と前記遊星歯車ケージ(6)が当該入力軸(14)周りの回転速度がゼロであり、前記出力軸(7)自体の回転速度がゼロである、[3]または[4]に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
[6] 前記回転内歯リング(4)に平行歯車(8)が設置され、
前記第2動力源(2)によって駆動される内歯リング歯車(9)が前記平行歯車(8)に噛み合うことよって、前記回転内歯リング(4)が駆動される、[5]に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
[7] 前記入力軸(14)に太陽歯車前歯車(10)が設置され、
前記第1動力源(1)によって駆動される入力軸歯車(15)が前記太陽歯車前歯車(10)に噛み合うことよって、前記太陽歯車(3)が駆動される、[5]に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
[8] 前記第1動力源(1)は一定動力出力であり、前記第2動力源(2)は速度調整可能な動力出力であり、
電子制御装置(11)は入力制御線路(13)によって、前記第1動力源(1)が異なる電力の時の回転数低下または不安定の誤差を処理する、[5]に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
[9] 前記第2動力源(2)が前記回転内歯リング(4)を連れて転動する時に、前記第2動力源(2)に接続されたリアルタイムデータ採集線路(12)によって前記回転内歯リング(4)の運動データが前記電子制御装置(11)に送信され、
前記電子制御装置(11)が内部プログラムまたは外部命令の処理で、前記リアルタイムデータ採集線路(12)によって前記第2動力源電源(2)の動力出力を制御して調整し、前記出力軸(7)を作業状況で必要なさまざまな速度に達せる、[8]に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
[10] 前記第1動力源(1)は速度調整可能な動力出力であり、前記電子制御装置(11)は入力制御線路(13)によって前記第1動力源(1)の動力出力を制御する、[5]に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
[11] 前記第1動力源と前記第2動力源は制御可能で、速度調整可能な動力機械である、[1]に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
[12] 前記制御可能で、速度調整可能な動力機械は電動機または内燃機関である、[10]に記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置。
[13] [1]~[12]のいずれかに記載のデュアル動力源を有するトランスミッション装置を含む、電気自動車。
[14] [1]~[12]のいずれかに記載のトランスミッション装置を駆動する駆動方法であって、前記トランスミッション装置は、遊星歯車アセンブリを駆動するデュアル動力源を含み、前記遊星歯車アセンブリは、太陽歯車(3)と、回転内歯リング(4)と、前記太陽歯車(3)と前記回転内歯リング(4)との間に噛み合う遊星歯車(5)とを含み、
前記デュアル動力源は、前記太陽歯車(3)に接続される入力軸(14)を含み、前記入力軸(14)によって前記太陽歯車(3)をその自体の回転軸線に対して第1方向において回転するように駆動するように配置され、
前記デュアル動力源は、前記回転内歯リング(4)に接続されるとともに、前記回転内歯リング(4)をその自体の回転軸線に対して前記第1方向と反対になる第2方向において回転するように駆動し、この際に、前記遊星歯車(5)はその自体の回転軸線に対して前記第2方向において回転し、
前記遊星歯車(5)が前記入力軸(14)周りの回転運動方向は前記回転内歯リング(4)のピッチ運動の線速度V1と前記太陽歯車(3)のピッチ運動の線速度V2によって決められる、駆動方法。
[15] 前記デュアル動力源は、第1動力源(1)と第2動力源(2)を含み、
前記第1動力源(1)は、前記入力軸(14)によって前記太陽歯車(3)を駆動するように配置され、
前記第2動力源(2)は、前記回転内歯リング(4)を駆動するように配置される、[14]に記載の駆動方法。
[16] 前記遊星歯車(5)を遊星歯車ケージ(6)に取り付け、出力軸(7)を前記遊星歯車ケージ(6)に設置し、
前記太陽歯車(3)を前記回転内歯リング(4)に同軸設置し、
前記出力軸(7)を前記入力軸(14)に同軸設置する、[14]に記載の駆動方法。
[17] 前記第1方向が時計回り方向である場合に、前記第2方向が反時計周り方向であり、 前記第1方向が反時計回り方向である場合に、前記第2方向が時計周り方向である、[16]に記載の駆動方法。
[18] V1>V2の場合に、前記遊星歯車(5)と前記遊星歯車ケージ(6)が当該入力軸(14)周りの回転運動方向は当該入力軸(14)の回転方向と反対になり、前記出力軸(7)自体の回転方向は当該入力軸(14)の回転方向と反対になり、前記遊星歯車(5)の歯面とそれに噛み合う前記回転内歯リング(4)の歯面との間の歯面の隙間は前記遊星歯車(5)の歯の一方側のみに位置し、
V1<V2の場合に、前記遊星歯車(5)と前記遊星歯車ケージ(6)が当該入力軸(14)周りの回転運動方向は当該入力軸(14)の回転方向と同じであり、前記出力軸(7)自体の回転方向は当該入力軸(14)の回転方向と同じであり、前記遊星歯車(5)の歯面とそれに噛み合う前記回転内歯リング(4)の歯面との間の歯面の隙間は前記遊星歯車(5)の歯の前記一方側に保持され、
V1=V2の場合に、前記遊星歯車(5)と前記遊星歯車ケージ(6)が当該入力軸(14)周りの回転速度がゼロであり、前記出力軸(7)自体の回転速度がゼロである、[17]に記載の駆動方法。
[19] 前記第1動力源(1)を一定動力出力のように設置し、前記第2動力源(2)を速度調整可能な動力出力のように設置し、
入力制御線路(13)によって前記第1動力源(1)が異なる電力の時の回転数低下または不安定の誤差を処理する電子制御装置(11)を設置する、[18]に記載の駆動方法。
[20] 前記第2動力源(2)が前記回転内歯リング(4)を連れて転動し、前記第2動力源(2)に接続されたリアルタイムデータ採集線路(12)によって前記回転内歯リング(4)の運動データが前記電子制御装置(11)に送信され、
前記電子制御装置(11)が内部プログラムまたは外部命令の処理で、前記リアルタイムデータ採集線路(12)によって前記第2動力源電源(2)の動力出力を制御して調整し、前記出力軸(7)を作業状況で必要なさまざまな速度に達せる、[19]に記載の駆動方法。
[21] 前記第1動力源(1)を速度調整可能な動力出力のように設置し、前記電子制御装置(11)は入力制御線路(13)によって前記第1動力源(1)の動力出力を制御する、[18]に記載の駆動方法。
[22] 前記第1動力源と前記第2動力源を制御可能で、速度調整可能な動力機械のように設置する、[14]に記載の駆動方法。
[23] 前記制御可能で、速度調整可能な動力機械は電動機または内燃機関である、[22]に記載の駆動方法。
[24] 平行歯車(8)を前記回転内歯リング(5)に設置し、前記第2動力源(2)によって駆動される内歯リング歯車(9)が前記平行歯車(8)に噛み合うことよって、前記回転内歯リング(4)が駆動される、[18]に記載の駆動方法。
[25] 太陽歯車前歯車(10)を前記入力軸(14)に設置し、前記第1動力源(1)によって駆動される入力軸歯車(15)が前記太陽歯車前歯車(10)に噛み合うことよって、前記太陽歯車(3)が駆動される、[18]に記載の駆動方法。