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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】多機能装身具
(51)【国際特許分類】
   A41D 23/00 20060101AFI20231024BHJP
   A41D 13/04 20060101ALI20231024BHJP
   A41D 15/04 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
A41D23/00 C
A41D13/04
A41D15/04 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019191898
(22)【出願日】2019-10-21
(65)【公開番号】P2021066967
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】512149868
【氏名又は名称】アイ創研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】夛賀 京子
(72)【発明者】
【氏名】小島 茂義
(72)【発明者】
【氏名】小島 仁美
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-162533(JP,A)
【文献】特開平10-298803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D23/00
A41D13/04
A41D15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面及び裏面を有したシート材からなる本体シート部を具備する多機能装身具であって、
前記本体シート部は、
使用者の首に装着されたときに使用者の首周りに位置する、左右方向に沿った首周り辺部と、
前記首周り辺部の両端からそれぞれ延出された左右一対の下垂斜辺部と、
を有し、前記首り辺部、及び前記左右一対の下垂斜辺部により前記シート材においてほぼ三角形状の領域が形成されており、
さらに前記本体シート部には、
前記首周り辺部と前記の各下垂斜辺部とでなる左右一対の角部のうち一方の角部と、当該一方の角部から遠位側にある下垂斜辺部の所定箇所と、を互いに係着し、前記首周り辺部と前記の各下垂斜辺部とでなる左右一対の角部のうち一方の角部の表面に形成された雌型の第一係着手段と、当該一方の角部から遠位部にある下垂斜辺部の所定箇所の裏面に形成された雄型の第一係着手段と、で構成された第一係着手段と、
他方の角部と、当該他方の角部から遠位側にある下垂斜辺部の所定箇所と、を互いに係着し、前記他方の角部の裏面に形成された雄型の第二係着手段と、当該他方の角部から遠位側にある下垂斜辺部の所定箇所の表面に形成された雌型の第二係着手段と、で構成された第二係着手段と、
前記首周り辺部のほぼ中央部の裏面と、当該中央部より下側に定められた所定箇所の裏面と、を互いに係着する第三係着手段と、
が設けられており、
前記第一係着手段、前記第二係着手段、及び前記第三係着手段が全て係着され、かつ、前記第三係着手段が係着されることによって前記本体シート部の表面側が山状に盛り上げられてなるとともに、使用者の首に装着された状態で、前記第一係着手段及び前記第二係着手段が首の後側に位置し、一方、前記本体シート部の第三係着手段周りが使用者の首から胸のあたりに位置し、使用者の胸の前にある前記首周り辺部が使用者側へ折り返されることで、第三係着手段によって盛り上げられた表面に、凹状のポケット部が形成されたエプロン状態と、
前記第一係着手段、前記第二係着手段、及び前記第三係着手段が全て係着されていない展開状態と、
に選択的に状態変換自在である
ことを特徴とする多機能装身具。
【請求項2】
少なくとも前記第一係着手段及び前記第二係着手段はそれぞれ、互いに係脱自在な一対の係着部材を具備しており、いずれか一方の係着手段における係着部材は、他方の係着手段の係着部材とも係脱自在であって、
さらに、各係着部材には、所定の識別機能を各々具備する第一の識別部と第二の識別部とが少なくとも設けられており、第一の識別部と第二の識別部とは互いに異なる識別機能を具備しており、
前記エプロン状態において係着される係着部材同士は、各係着部材における第一の識別部の識別機能が同一であり、
これに対し、同じ識別機能の第二の識別部を有する係着部材同士が係着された状態では、使用者が首に装着した際にスカーフとして機能するスカーフ状態となる
請求項1に記載の多機能装身具。
【請求項3】
前記本体シート部には、前記左右一対の角部間において互いに離間状に定められた2箇所の表面を互いに係着する第四係着手段が備えられており、
前記第一係着手段、前記第二係着手段、前記第三係着手段、及び前記第四係着手段が全て係着されて前記表面に凹状のポケット部が形成されるエプロン状態と、
前記第一係着手段、前記第二係着手段、前記第三係着手段、及び前記第四係着手段が全て係着されていない展開状態と、
に選択的に状態変換自在である
請求項1又は請求項2に記載の多機能装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、展開状態とすることで例えばスカーフとして機能するとともに、エプロン状態とすることで例えばよだれや食べこぼした食品を受けるエプロンとして機能する多機能装身具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、外出時においてハンカチとよだれかけを両方兼ねることができるハンカチ兼よだれかけが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-298803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のハンカチ兼よだれかけでは、ファッション性に劣るとともに、食べこぼしを受けるほどの機能は持ち合わせていない。一方、本発明者らは、食事時などに介助が必要とされる高齢者や障がい者においても、ファッション性のある装身具を普段は身につけたいという欲求が健常者と同様に高い、との知見を得ている。
【0005】
そこで本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、装身具として身につけてファッションを楽しむとともに、エプロンとして食べこぼし等を受けることができる多機能装身具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表面及び裏面を有したシート材からなる本体シート部を具備する多機能装身具であって、前記本体シート部は、使用者の首に装着されたときに使用者の首周りに位置する、左右方向に沿った首周り辺部と、前記首周り辺部の両端からそれぞれ延出された左右一対の下垂斜辺部と、を有し、前記首回り辺部、及び前記左右一対の下垂斜辺部により前記シート材においてほぼ三角形状の領域が形成されており、さらに前記本体シート部には、前記首周り辺部と前記の各下垂斜辺部とでなる左右一対の角部のうち一方の角部と、当該一方の角部から遠位側にある下垂斜辺部の所定箇所と、を互いに係着する第一係着手段と、他方の角部と、当該他方の角部から遠位側にある下垂斜辺部の所定箇所と、を互いに係着する第二係着手段と、前記首周り辺部のほぼ中央部と、当該中央部より下側に定められた所定箇所と、を互いに係着する第三係着手段と、が設けられており、前記第一係着手段、前記第二係着手段、及び前記第三係着手段が全て係着されることで前記本体シート部の表面に凹状のポケット部が形成されて使用者の首に装着されるエプロン状態と、前記第一係着手段、前記第二係着手段、及び前記第三係着手段が全て係着されていない展開状態と、に選択的に状態変換自在であることを特徴とする多機能装身具である。
【0007】
かかる構成にあっては、前記展開状態とすることで例えば首に巻きつけてスカーフとして機能するとともに、表面を外向き(すなわち裏面は体側)にして前記エプロン状態とすることでよだれや食べこぼしを前記ポケット部で受けることができる。ここで本発明にかかるポケット部は、本体シート部の中央にコンパクトに形成されるため、エプロン状態においてもファッション性が損なわれないという利点がある。一方、前記ポケット部は、本体シート部のほぼ中央で立体的に凹成されるため、左右方向に拡がりを有することは勿論のこと、前後方向に沿った奥行きも確保できる。このため、効率良くよだれ等を受けることができ、単にエプロンの端部を上向きに折り返してなる二次元的な受け部では達成できない特徴を有する。
【0008】
また、少なくとも前記第一係着手段及び前記第二係着手段はそれぞれ、互いに係脱自在な一対の係着部材を具備しており、いずれか一方の係着手段における係着部材は、他方の係着手段の係着部材とも係脱自在であって、さらに、各係着部材には、所定の識別機能を各々具備する第一の識別部と第二の識別部とが少なくとも設けられており、第一の識別部と第二の識別部とは互いに異なる識別機能を具備しており、前記エプロン状態において係着される係着部材同士は、各係着部材における第一の識別部の識別機能が同一であり、これに対し、同じ識別機能の第二の識別部を有する係着部材同士が係着された状態では、使用者が首に装着した際にスカーフとして機能するスカーフ状態となる構成が提案される。
【0009】
かかる構成にあっては、係着手段を係着させてスカーフとして使用することもできる。このとき、使用者等は、第一の識別部同士を合わせればエプロン状態とすることができ、これに対して第二の識別部同士を合わせればスカーフ状態とすることが可能となる。したがって、各識別部の案内に従って係着手段を係着させれば容易に所望の状態の多機能装身具を得ることができる。
【0010】
また、前記本体シート部には、前記左右一対の角部間において互いに離間状に定められた2箇所を互いに係着する第四係着手段が備えられており、前記第一係着手段、前記第二係着手段、前記第三係着手段、及び前記第四係着手段が全て係着されて前記表面に凹状のポケット部が形成されるエプロン状態と、前記第一係着手段、前記第二係着手段、前記第三係着手段、及び前記第四係着手段が全て係着されていない展開状態と、に選択的に状態変換自在である構成が提案される。
【0011】
かかる構成とすることにより、前記エプロン状態において使用者の胸元と前記本体シート部とがより近接するため、使用者の胸元と前記本体シート部との隙間が過剰に離開してしまうことを抑制し、よだれや食べこぼしを前記ポケット部で適切に受けることができるようになる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の多機能装身具は、スカーフとしてのファッション性とエプロンとしての実用性とを両立させて、使用者の尊厳を守ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】展開状態の多機能装身具を示し、(a)は表面を示す正面図であり、(b)は裏面を示す背面図である。
図2図1と同様に、展開状態の多機能装身具を示し、(a)は表面を示す説明図であり、(b)は裏面を示す説明図である。
図3】多機能装身具を展開状態からエプロン状態とする手順を示す説明図である。
図4図3から続く説明図である。
図5】エプロン状態の多機能装身具を示す説明図である。
図6】スカーフとして装着した状態の多機能装身具の他の例を示す説明図である。
図7】他の例のスナップボタン部を示す説明図であり、(a)は第一係着手段としてのスナップボタン部を示し、(b)は第二係着手段としてのスナップボタン部を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の多機能装身具を具体化した実施例を詳細に説明する。なお、本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。
【0015】
多機能装身具1は、図1,2に示すように、表面2及び裏面3を有する三角形状の本体シート部5を具備している。なお、表面2には柄が配されたシート材(布)が用いられ、裏面3には無地の撥水性のシート材(布)が用いられている。そして、2種のシート材が縫い合わされて本体シート部5が構成されている。
【0016】
また、本体シート部5は、後述する使用状態において使用者の首周りに位置する、左右方向に沿った首周り辺部6と、首周り辺部6の両端から下向きに延出された左右一対の下垂斜辺部7,8と、を有している。言い換えると、本体シート部5はほぼ直角二等辺三角形形状を有しており、斜辺が首周り辺部6を形成しており、残りの2辺が下垂斜辺部7,8を形成している。そして、使用状態では、ほぼ直角の角部が下端に位置することとなる。
【0017】
さらに本体シート部5には、首周り辺部6の両端にある角部のうち一方の角部(図1aにおいて左端角部)と、当該角部から離開した遠位側の下垂斜辺部8の所定箇所と、を互いに係着するスナップボタン部11a,11bが備えられている。なお本実施例においては、スナップボタン部11aは雌型であり、本体シート部5における表面2に配されている。一方、スナップボタン部11bは雄型であり、裏面3に配されている。かかるスナップボタン部11a,11bは、係着部材に相当し、スナップボタン部11a,11bによって本発明にかかる第一係着手段が構成される。
【0018】
また本体シート部5には、首周り辺部6の他方の角部(図1aにおいて右端角部)と、当該角部から離開した遠位側の下垂斜辺部7の所定箇所と、を互いに係着するスナップボタン部21a,21bが備えられている。なお本実施例においては、スナップボタン部21aは雄型であり、本体シート部5における裏面3に配されている。一方、スナップボタン部21bは雌型であり、表面2に配されている。かかるスナップボタン部21a,21bにより、本発明にかかる第二係着手段が構成される。
【0019】
さらに本体シート部5には、首周り辺部6のほぼ中央部と、当該中央部より下側に定められた所定箇所と、を互いに係着するスナップボタン部31a,31bが備えられている。なお、スナップボタン部31a,31bは本体シート部5における裏面3(即ち同一面上)に配されている。かかるスナップボタン部31a,31bにより、本発明にかかる第三係着手段が構成される。
【0020】
またさらに本体シート部5には、首周り辺部6における左右の角部間に定められた2箇所を互いに係着するスナップボタン部41a,41bが備えられている。なお、スナップボタン部41a,41bは本体シート部5における表面2(即ち同一面上)に首周り辺部6に沿って配されている。かかるスナップボタン部41a,41bにより、本発明にかかる第四係着手段が構成される。
【0021】
また、首周り辺部6のスナップボタン部41a近傍は、当該部位において裏面3側から表面2が視認できるように、部分的に折り返されている。
【0022】
ところで、本実施例で使用されるスナップボタン部11a,11b,21a,21b,31a,31b,41a,41bは、いずれも一般的に広く使用される雄雌構造を有した公知のものが好適に採用できる。例えばスナップボタン部11a,11b,21a,21b,31a,31b,41a,41bが表面2に配された場合は、雄雌構造が表面2に露出していることとなる。なお、図中において実線で示したスナップボタン部は雄雌構造が視認可能であることを示し、破線で示したスナップボタン部は雄雌構造が裏側にあって視認できないことを示している。なお、係着手段としては、スナップボタンによって構成することに限定されず、他の構造が適宜使用されても勿論よい。ただし、後述するように、複数の態様で状態変換できるように、使用するスナップボタンはいずれも同じ規格の製品を使用して互いに係脱自在とするのが好ましい。
【0023】
次に、多機能装身具1の使用状態を説明する。
まず、多機能装身具1は、図1,2に示すように、スナップボタン部11a,11b,21a,21b,31a,31b,41a,41bが全て係着されていない展開状態αとすることで、例えば首に巻回してスカーフ(またはアスコットタイ)として使用することができる。ここで、スカーフの巻き方は特に限定されない。
【0024】
また、多機能装身具1のスナップボタン部11a,11b,21a,21b,31a,31b,41a,41bを全て係着させたエプロン状態β(図5参照)とすることで、よだれや食べこぼしを受けることができるエプロンとして機能する。以下に多機能装身具1を展開状態αからエプロン状態βとする手順の一例を図3等に従って説明する。
【0025】
まず、多機能装身具1のスナップボタン部31a,31bを係着して、本体シート部5の表面2側を山状に盛り上げる。そして図3に示すように、スナップボタン部11a,11b及びスナップボタン部21a,21bを係着して、本体シート部5の表面2が外側となるように本体シート部5を環形状とする。
【0026】
なお、環形状となった多機能装身具1の真ん中に形成される中央空部には使用者の首(図示省略)が挿通されることとなる。そして、使用者の首が通された上で、スナップボタン部11a,11b,21a,21bが首の後側に位置し、表面2が使用者の首から胸のあたりに位置するように多機能装身具1が身につけられる。
【0027】
次に、図4に示すように、使用者の胸の前にある首周り辺部6を使用者側へ折り返すことで、スナップボタン部31a,31bによって盛り上げられた表面2に、凹状のポケット部51が形成される。
【0028】
ここでさらに、図5に示すように、スナップボタン部41a,41bを係着して、使用者の胸元に大きく開いた首周り辺部6を閉塞する。こうして多機能装身具1をエプロン状態βとすることによって、飲食時に食べこぼしが使用者の胸元においてポケット部51で受け止められる。
【0029】
またこのとき、スナップボタン部41a近傍の首周り辺部6が部分的に折り返されていることで、表面2のみが外側に露出して裏面3が外側に露出しない態様となる。このため、左右一対の襟元がバランス良く揃うことになり、美観上、整って見える。
【0030】
上記実施例において、各部の寸法形状は適宜自由に選択可能である。
例えば本体シート部5の形状は、ほぼ直角二等辺三角形形状以外であってもよく、使用環境や好みに合わせて種々変更されうる。
また、本体シート部5の材料や柄は特に限定されない。また、本体シート部5は、例えば単層のシート材であってもよい。なお、例えば表面2等には撥水や撥油の加工が施されていてもよい。
また、係着させるスナップボタン部11a,11b,21a,21b,31a,31b,41a,41b同士を同色とし、係着させないスナップボタン部11a,11b,21a,21b,31a,31b,41a,41b間では異色として、状態変換を容易化するようにしてもよい。
なお、多機能装身具1を展開状態αとしてスカーフとして使用することが可能であるが、これに限定されず、例えばスナップボタン部11aとスナップボタン部21aとを係着させてスカーフとして使用しても問題ない。例えば図6に示すように、第三係着手段としてのスナップボタン部31a,31bを係着したうえで、首元でスナップボタン部11aとスナップボタン部21aとを係着していわゆるアスコットタイ風の外観を作り上げることができる。加えて、スカーフ状態においてもスナップボタン部31a,31bを係着することによって本体シート部5に立体感が出て美観に優れたものとなる。ここで、このようにエプロン状態βのときと異なる組み合わせでスナップボタン部11a,11b,21a,21b同士を係着するようにすると、状態変換時に初心者ではいずれのスナップボタン部同士を係着するのか手間取ることがある。そこで、新たな構成が提案される。さらに詳述すると、スナップボタン部11a,11b,21a,21bは、図7に示すように、第一識別部91と第二識別部92とが各々設けられている。
ここで、第一識別部91は、スナップボタン部11a,11b,21a,21bにおけるボタン色を識別機能としている。一方、第二識別部92は、ボタンの下側に配されて縫い付けられた小片状のシートの色を識別機能としている。例えば本実施例では、スナップボタン部11a,11bの第一識別部は「赤色」で、第二識別部92は「青色」とし、スナップボタン部21a,21bは青色としている。したがって、エプロン状態βでは、ボタン色が同じスナップボタン部11a,11b,21a,21b同士が係着した態様となる。また、上記のようなアスコットタイ風のスカーフ状態では、小片のシート色が同じスナップボタン部11a,11b,21a,21b同士が係着した態様となる。
さらに別例として、エプロン状態βで首周りのサイズが変更できるように、各スナップボタン部が複数取り付けられて適宜選択して取り付けることができるようにしてもよい。
また、多機能装身具1の使用環境としては、家庭のみに限られず、病院や介護施設等も含まれる。
【符号の説明】
【0031】
1 多機能装身具
2 表面
3 裏面
5 本体シート部
6 首周り辺部
7,8 下垂斜辺部
11a,11b スナップボタン部(第一係着手段の係着部材)
21a,21b スナップボタン部(第二係着手段の係着部材)
31a,31b スナップボタン部(第三係着手段の係着部材)
41a,41b スナップボタン部(第四係着手段の係着部材)
51 ポケット部
91 第一識別部(第一の識別部)
92 第二識別部(第二の識別部)
α 展開状態
β エプロン状態


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7