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特許7371918眼鏡用シールド取付具およびそのシールド取付具を備えた眼鏡
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】眼鏡用シールド取付具およびそのシールド取付具を備えた眼鏡
(51)【国際特許分類】
   G02C 9/04 20060101AFI20231024BHJP
   G02C 1/02 20060101ALI20231024BHJP
   G02C 11/00 20060101ALI20231024BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
G02C9/04
G02C1/02
G02C11/00
A41D13/11 L
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020095287
(22)【出願日】2020-06-01
(65)【公開番号】P2021189322
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000179926
【氏名又は名称】山本光学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】西澤 祐吏
(72)【発明者】
【氏名】富永 浩史
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202005004713(DE,U1)
【文献】米国特許第05471679(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0338429(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0121492(KR,A)
【文献】米国特許第04965887(US,A)
【文献】特開昭63-290563(JP,A)
【文献】国際公開第2015/163159(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3194865(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 9/04
G02C 1/02
G02C 11/00
A41D 13/11
A61F 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡のツルにスライド可能に挿入される取付体に、シ-ルドを着脱可能とした係止部を設けたものとしており、
前記取付体は、弾性合成樹脂または合成ゴムからなり、ツルの内面接触部とツルの外面接触部を備え、これら内面接触部と外面接触部との間をツルの挿通孔とし、
前記係止部は、前記外面接触部の後端部に設けられたシ-ルドの側辺部の挿入部と、前記外面接触部の前端部に設けられたシ-ルドの側辺部近くに設けられた止め孔への嵌入突起とからなることを特徴とする眼鏡用シールド取付具。
【請求項2】
前記内面接触部には、前記ツルの内面に接触する複数の縦長リブが形成されており、前記外面接触部には、前記ツルの外面に接触する複数の縦長リブが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の眼鏡用シールド取付具。
【請求項3】
前記内面接触部は、覗き窓を介して前側接触部と後側接触部とからなり、前記外面接触部は、前記内面接触部の覗き窓に対面するようにしていることを特徴とする請求項1または2に記載の眼鏡用シールド取付具。
【請求項4】
前記内面接触部に形成された複数の縦長リブには、これら縦長リブのそれぞれに前記ツルの挿入溝を形成していることを特徴とする請求項2に眼鏡用シールド取付具。
【請求項5】
前記外面接触部に形成された複数の縦長リブには、これら縦長リブのそれぞれを分割する切り溝を複数個所に形成していることを特徴とする請求項2または3に記載の眼鏡用シールド取付具。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の眼鏡用シールド取付具を備えたことを特徴とする眼鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、顔面を覆うようにしたシ-ルドを眼鏡に取り付けるための眼鏡用シールド取付具、およびそのシールド取付具を備えた眼鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医者、歯医者、看護師などの医療従事者は、口や鼻およびこれらの周囲の顔面下部をマスクで覆い、眼およびこの周囲の顔面上部をシ-ルドで覆って治療や処置を行うことがある。
【0003】
このようなシ-ルドは、マスク本体の両側端に取り付けられた耳掛け紐に取り付けたり、眼鏡のフロントフレ-ムやツルなどに設けた取付体に取り付けたりするものが存在している。
【0004】
前記マスクの耳掛け紐に取り付けるようにしたシ-ルドとしては、湾曲可能で弾性のある透明合成樹脂シートの下端部の左端と右端に、それぞれ下向きに突出した装着部を設けたものとし、これら左右の装着部にそれぞれ、上端部に内側の縁から外側に向う紐挿入溝を形成したものとしている(特許文献1)。
【0005】
このような構成としたにシ-ルドは、マスクへの装着時に、左右の装着部はそれぞれマスクの左右の掛け紐の内側に差し込み、左右の装着部の紐挿入溝にそれぞれマスクの左右の掛け紐を挿入し、左右の装着部の内側部はそれぞれマスクの本体の表側に配置し、左右の装着部はそれぞれ外側部の表側にマスクの掛け紐が当たり、内側部がマスクの本体の表側に当たるようにしている。
【0006】
前記眼鏡に設けた取付体に取り付けるようにしたシ-ルドとしては、顔を覆うことができる透明なプラスチックシートとしており、このプラスチックシートの両側端部を、眼鏡状フレ-ムのツルの表面にこの表面との間に僅かな隙間を残して設けた挟持片に挟み込んで取り付けたものとしている(特許文献2)。
【0007】
このような構成としたにシ-ルドは、眼鏡を掛けるように手軽に、しかも安定して着用することができ、また透明のプラスチックシートの交換を簡単に行うことができるとしている。
【0008】
さらに、前記眼鏡に設けた取付体に取り付けるようにしたシ-ルドとしては、水平方向の両端部に、眼鏡状フレ-ムの固定部材の嵌合部に固定するための嵌合孔を形成すると共に、眼鏡状フレ-ムの固定部材の取付部に咬み込む咬込部を形成したものとしている(特許文献3)。
【0009】
このような構成としたにシ-ルドは、眼鏡状フレ-ムの固定部材の嵌合部の形状に合うようにシールドの位置を合わせることができ、眼鏡状フレ-ムの取付部にシールドが引っ掛かるようになり、フレームからシールドを外れにくくすることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】登録実用新案第3160039号公報
【文献】登録実用新案第3194865号公報
【文献】再公表特許WO2016-125551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記特許文献1に記載されたシ-ルドでは、顔面にマスクを装着した後に、シ-ルドに形成した紐挿入溝に、マスクの掛け紐を挿入すれば、このシ-ルドも顔面に簡単に装着できる。しかし、このシ-ルドは、その装着位置を変えることができないので、シ-ルドが顔面に近づき過ぎたり、離れ過ぎたりする場合があり、使用者に応じた適切な位置に装着できないという課題を有していた。
【0012】
さらに、特許文献2に記載されたシ-ルドでは、顔面にマスクを装着する、装着しないにかかわらず、眼鏡状フレ-ムの挟持片に、シ-ルドの両側端部を挟み込んで、その眼鏡状フレ-ムを装着することで顔面への装着が簡単になり、シ-ルドの両側端部に孔や切り溝を加工する必要もない。しかし、このシ-ルドは、挟持片で挟み込まれているだけなので、顔面への装着が不安定であるという課題や、眼鏡状フレ-ムに設けた挟持片の位置変更ができないため、特許文献1に記載されたシ-ルドと同様に、シ-ルドが顔面に近づき過ぎたり、離れ過ぎたりする場合があり、使用者に応じた適切な位置に装着できないという課題を有していた。
【0013】
また、特許文献3に記載されたシ-ルドでは、顔面にマスクを装着する、装着しないにかかわらず、眼鏡状フレ-ムの嵌合部をシ-ルドの嵌合孔に嵌合させ、眼鏡状フレ-ムの取付部をシ-ルドの咬込部に咬み込んで、その眼鏡状フレ-ムを装着することで、顔面への装着が簡単になると共に、安定した状態になる。しかし、このシ-ルドは、眼鏡状フレ-ムに設けた嵌合部や取付部の位置変更ができないため、特許文献1、2に記載されたシ-ルドと同様に、シ-ルドが顔面に近づき過ぎたり、離れ過ぎたりする場合があり、使用者に応じた適切な位置に装着できないという課題を有していた。
【0014】
そこで、この発明は、上記従来の課題を解決することを目的としており、シ-ルドの顔面への装着が簡単になると共に、安定した状態に装着でき、シ-ルドの顔面への装着位置を使用者に応じた適切な位置に調節することができる眼鏡用シールド取付具、およびそのシールド取付具を備えた眼鏡を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明の眼鏡用シールド取付具は、眼鏡GのツルTにスライド可能に挿入される取付体1に、シ-ルドSを着脱可能とした係止部2を設けたものとしている。前記取付体1は、弾性合成樹脂または合成ゴムからなり、ツルTの内面接触部3とツルTの外面接触部4を備え、これら内面接触部3と外面接触部4との間をツルTの挿通孔5としている。前記係止部2は、前記外面接触部4の後端部に設けられたシ-ルドSの側辺部の挿入部2aと、前記外面接触部4の前端部に設けられたシ-ルドSの側辺部近くに設けられた止め孔Saへの嵌入突起2bとからなるものとしている。
【0016】
この発明の眼鏡は、前記シールド取付具を備えたものとしている。
【0019】
この発明において、前記内面接触部3には、前記ツルTの内面Ti に接触する複数の縦長リブ6が形成されており、前記外面接触部4には、前記ツルTの外面Toに接触する複数の縦長リブ7が形成されている。
【0020】
この発明において、前記内面接触部3は、覗き窓3aを介して前側接触部3bと後側接触部3cとからなり、前記外面接触部4は、前記内面接触部3の覗き窓3aに対面するようにしている。
【0021】
この発明において、前記内面接触部3に形成された複数の縦長リブ6には、これら縦長リブ6のそれぞれに前記ツルTの挿入溝8を形成している。
【0022】
この発明において、前記外面接触部4に形成された複数の縦長リブ7には、これら縦長リブ7のそれぞれを分割する切り溝9を複数個所に形成している。
【発明の効果】
【0023】
この発明は、以上に述べたように構成されているので、シ-ルドの顔面への装着が簡単になると共に、安定した状態に装着できる。
【0024】
さらに、この発明は、シ-ルドの顔面への装着位置を使用者に応じた適切な位置に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】この発明の眼鏡用シールド取付具の一実施形態を示す正面斜視図である。
図2図1に示す眼鏡用シールド取付具の背面斜視図である。
図3図1に示す眼鏡用シールド取付具の正面図である。
図4図1に示す眼鏡用シールド取付具の背面図である。
図5図3中のAーA線による断面図である。
図6図3中のBーB線による断面図である。
図7】この発明の眼鏡用シールド取付具を上下から指で押圧した状態を示す側面説明図である。
図8】この発明の眼鏡用シールド取付具を備えた眼鏡の斜視図である。
図9】この発明の眼鏡用シールド取付具に用いるシールドの斜視図である。
図10】この発明の眼鏡用シールド取付具を用いて眼鏡にシールドを取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の眼鏡用シールド取付具およびそのシールド取付具を備えた眼鏡を実施するための形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
この発明の眼鏡用シールド取付具は、眼鏡GのツルTにスライド可能に挿入される取付体1に、シ-ルドSを着脱可能とした係止部2を設けたものとしている。
【0028】
この発明の眼鏡は、眼鏡GのツルTにスライド可能に挿入される取付体1に、シ-ルドSを着脱可能とした係止部2を設けたシールド取付具を備えたものとしている。
【0029】
前記取付体1は、図1~6に示したように、ツルTの内面接触部3とツルTの外面接触部4を備えており、これら内面接触部3と外面接触部4との間をツルTの挿通孔5としている。
【0030】
さらに、前記取付体1は、ショア硬度A35~D70度とした弾性合成樹脂または合成ゴムからなるものとしている。例えば、弾性合成樹脂として、ポリウレタンとした場合はA80~95度程度としており、スチレン系エラストマーとした場合はA40~65度程度としており、ポリ塩化ビニルとした場合はA60~80度程度としており、ポリエステル/ポリアミド系エラストマーとした場合はD55~65度程度としており、合成ゴムやシリコーンゴムとした場合はA40~60度程度としている。
【0031】
前記内面接触部3は、覗き窓3aを介して前側接触部3bと後側接触部3cとからなり、前記外面接触部4は、前記内面接触部3の覗き窓3aに対面するようにしている。なお、前記覗き窓3aは設けなくてもよい。
【0032】
前記内面接触部3の前側接触部3bおよび後側接触部3cには、前記ツルTの内面Ti に接触する複数の縦長リブ6が形成されており、さらに前記外面接触部4には、前記ツルTの外面Toに接触する複数の縦長リブ7が形成されている。前記縦長リブ6は、取付体1の挿通孔5の中央線SLより外面接触部4側に突き出しており、前記縦長リブ7は、取付体1の挿通孔5の中央線SLより内面接触部3側に突き出している。これら縦長リブ6および縦長リブ7は、図示したものでは、水平断面形状を略三角形状としているが、四角形状としたり、円弧形状などとすることができる。
【0033】
前記内面接触部3の前側接触部3bおよび後側接触部3cに形成された複数の縦長リブ6には、これら縦長リブ6のそれぞれに前記ツルTの挿入溝8を形成している。これら挿入溝8は、図示したものでは、前記縦長リブ6のそれぞれ中央に形成しているが、それぞれ中央から上下に少しずれた位置に形成してもよい。さらに、前記挿入溝8は、図示したものでは、三角形状としているが、四角形状としたり、円弧形状などとすることができる。
【0034】
前記外面接触部4に形成された複数の縦長リブ7には、これら縦長リブ7のそれぞれを分割する切り溝9を複数個所に形成している。これら切り溝9は、図示したものでは、前記縦長リブ7のそれぞれを三分割するためにそれぞれの縦長リブ7の二個所に形成したものとしているが、三分割に限定されるのではなく、二分割でもよく、また三分割より多くしてもよい。さらに、前記切り溝9は、図示したものでは、三角形状としているが、四角形状としたり、円弧形状などとすることができる。
【0035】
前記係止部2は、前記外面接触部4の後端部に設けられたシ-ルドSの側辺部の挿入部2aと、前記外面接触部4の前端部に設けられたシ-ルドSの側辺部近くに設けられた止め孔Saへの嵌入突起2bとからなるものとしている。前記挿入部2aは、外面接触部4と、この外面接触部4に突設した折曲片10との隙間としているが、このように形成されるものに限定されることはない。前記嵌入突起2bは、シ-ルドSの止め孔Saに嵌入し易くするため略円錐形状としているが、このような形状のものに限定されることはない。
【0036】
前記シ-ルドSは、前記眼鏡GのレンズLの前方、上下方および両側方を覆うものとしており、下辺部には着用時に使用者の鼻が当たらないように略逆V字形状の切欠き部Sbを設けたり、側辺部には前記係止部2の挿入部2aが入り込む切欠き部Scを設けることができ、側辺部近くには前記止め孔Saを設けている。前記シ-ルドSは、図示したものでは、使用者の顔面上部を覆うものとしているが、使用者の顔面全体を覆うものとしてもよい。
【0037】
さらに、前記シ-ルドSは、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレンなどからなる湾曲可能で弾性のある透明合成樹脂シートとしており、くもり止め、反射防止加工、耐擦傷性加工などを施したシートとしたり、スモーク色や偏光シートなどの防眩性のシートなどとすることができる。
【0038】
前記眼鏡Gは、フレームFをレンズLの全周縁に嵌め込む形状としているが、レンズLの上端縁から両側端縁にかけて嵌め込む形状としてもよく、レンズLの上端縁のみに嵌め込む形状やレンズLにツルTを直接ネジで固定するなど眼鏡Gの形状は限定しない。前記フレームFは、チタン合金、ステンレスなどの金属素材や合成樹脂等が好ましく、このフレームFには、鼻当パッドPが取り付けられている。前記レンズLは、二眼としているが、一眼としてもよい。また、フレームFのみでレンズLの無いものとしてもよい。なお、前記レンズLを一眼とした場合などには、前記鼻当パッドPはこのレンズLに取り付けられてもよい。
【0039】
前記鼻当てパッドPは、エラストマーや弾性ゴムなどの軟質弾性材もしくはフレームFと同じ材料からなり、略逆V字形状としており、レンズLの全周縁がフレームFに嵌め込まれている場合には、このフレームFの下辺部の中央に形成された略逆V字形状のカット部に取り付けられている。また、前記レンズLを一眼とした場合には、このレンズLの下辺部の中央に形成された略逆V字形状のカット部に取り付けられてもよい。
【0040】
前記ツルTは、細長の板状部材や棒状部材としており、着用者の側頭部、耳の上部、後部に沿うようにしており、前記フレームFと同様にチタン合金、ステンレスなどの金属素材や合成樹脂等が好ましく、着用者の側頭部から後頭部にかけて弾力を持って支持できるようにしている。また、前記ツルTは、フレームFとの間にヒンジを介して折り畳み可能としているが、フレームFと一体として折り畳めないものとしてもよい。
【0041】
以上に述べたように構成されたこの発明の眼鏡用シールド取付具を用いて眼鏡にシールドを取り付けるには、次のようにして行う。
【0042】
先ず、前記取付体1の上下に指を掛け、この取付体1を摘んで押圧すると、内面接触部3と外面接触部4との間の挿通孔5が、図7に示したように広げられる。この場合、前記外面接触部4の複数の縦長リブ7に、それぞれを分割する切り溝9が複数個所に形成されているため、取付体1を摘んで押圧すると、これら切り溝9が狭められるため、これら切り溝9に沿って外面接触部4が容易に湾曲し、前記挿通孔5が容易に広げられることになる。
【0043】
次に、前記取付体1の挿通孔5を広げたまま眼鏡GのツルTに後端から差し込み、差し込んだ後に取付体1を押圧するのをやめると、前記挿通孔5が元の状態に戻り、取付体1の内面接触部3がツルTの内面Ti に接触し、取付体1の外面接触部4がツルTの外面Toに接触する。そして、この状態で前記取付体1をそのツルTの前端方向に指でスライドさせて行く。この場合、前記内面接触部3の前側接触部3bおよび後側接触部3cは、ツルTの外側方向から見えるので、この内面接触部3にツルTの内面Ti をスライドさせる操作が行い易くなる。また、前記ツルTが細い棒状部材である場合には、そのツルTを内面接触部3の挿入溝8に挿入した状態でツルTの前端方向に指でスライドさせて行けば、上下にブレることなくスムーズにスライドさせることができる。
【0044】
そして、前記取付体1を眼鏡GのツルTの前端部の適当な位置に停止させれば、この発明のシールド取付具を備えた眼鏡とすることができる。
【0045】
そこで、前記シールドSの両側端部を、図9に示したように内側に曲げ、一側辺部(の切欠き部Sc)を前記取付体1の係止部2の挿入部2aに入り込ませると共に、その一側辺部近くの止め孔Saに、前記取付体1の係止部2の嵌入突起2bを嵌め込み、もう一側辺部(の切欠き部Sc)を前記取付体1の係止部2の挿入部2aに入り込ませると共に、そのもう一側辺部近くの止め孔Saに、前記取付体1の係止部2の嵌入突起2bを嵌め込めば、図10に示したように眼鏡GのツルTの前端部の適当な位置に停止させた取付体1にシールドSを取り付けることができる。なお、前記シールドSを取り付けた上から、同様の操作を繰り返して、前記取付体1に複数枚のシールドSを取り付けることもできる。このようにすれば、飛沫などが付着して汚れたりした場合に、眼鏡Gから取付体1を外したり、眼鏡Gを顔面から外したりすることなく、その汚れたりした最表面のシールドSを取り外すことができるので、便利であると共に、安全、衛生面に優れたものとなる。
【0046】
このようにしてシールドSを取り付けた眼鏡Gを掛ければ、このシールドSで使用者の顔面を覆うことができる。この場合、前記シールドSは、前記したように両側辺部(の切欠き部Sc)を取付体1の係止部2の挿入部2aに入り込ませており、両側辺部近くの止め孔Saに取付体1の係止部2の嵌入突起2bを嵌め込んでいるので、この取付体1に安定した状態で確実に取り付けられることになる。さらに、前記取付体1も、内面接触部3の前側接触部3bおよび後側接触部3cの縦長リブ6と、外面接触部4の縦長リブ7が、それぞれ眼鏡GのツルTの内面Ti および外面Toに接触する。この場合、前記ツルTが板状部材である場合は、その板状面が縦長リブ6と縦長リブ7によって押圧されるので、このツルTに安定した状態で確実に取り付けられる。なお、前記ツルTが板状部材であれば、ある程度、折れ曲がったり、曲がりくねったりしていても、このツルTに安定した状態で確実に取り付けられることになる。また、前記ツルTが細い棒状部材である場合であっても、そのツルTを内面接触部3の挿入溝8に挿入した状態にしておけば、ぐらつくことなく取付体1に安定した状態で取り付けておくことができる。
【0047】
なお、前記シールドSで使用者の顔面を覆った場合、シールドSの位置が使用者の顔面に近づき過ぎて、鼻先がシールドSにつかえたりするときには、前記取付体1を眼鏡GのツルTの前端方向へさらに指で押し出すと、この取付体1がスライドして前に行くので、シールドSも前に押し出され、このシールドSが使用者の鼻先につかえたりすることがなくなる。また、シールドSの位置が使用者の顔面から遠過ぎて、使用者の顔面とシールドSとの間に隙間が空き過ぎるときには、前記取付体1を眼鏡GのツルTの後端方向へ指で押し戻すと、この取付体1がスライドして後ろに行くので、シールドSも後ろに押し戻され、このシールドSと使用者の顔面との隙間を適切なものとすることができる。
【0048】
したがって、この発明の眼鏡用シールド取付具は、先にも述べたように、シ-ルドSの顔面への装着が簡単になると共に、安定した状態に装着できる。
【0049】
さらに、この発明の眼鏡用シールド取付具は、シ-ルドSの顔面への装着位置を使用者に応じた適切な位置に調節することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 取付体
2 係止部
2a 挿入部
2b 嵌入突起
3 内面接触部
3a 覗き窓
3b 前側接触部
3c 後側接触部
4 外面接触部
5 挿通孔
6 縦長リブ
7 縦長リブ
8 挿入溝
9 切り溝
G 眼鏡
T ツル
S シールド
Sa 止め孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10