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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021100032
(22)【出願日】2021-06-16
(65)【公開番号】P2022191667
(43)【公開日】2022-12-28
【審査請求日】2022-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100104514
【弁理士】
【氏名又は名称】森 泰比古
(72)【発明者】
【氏名】川島 英将
【審査官】井上 昌宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-151944(JP,A)
【文献】特開2019-115408(JP,A)
【文献】特開2007-264708(JP,A)
【文献】特開2018-099263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄の変動制御が可能であって所定の抽選に当選したことを契機に特典を与える主制御手段と、演出実行手段と、演出データを記憶した演出データ記憶手段と、前記演出データ記憶手段に記憶されている演出データを用いた演出を前記演出実行手段に実行させる演出制御手段とを備えた遊技機であって、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする遊技機。
(1A)前記演出実行手段として表示手段を備え、前記演出データ記憶手段には前記表示手段による表示演出用のデータとして、背景画像を表示するための背景用表示演出データと、キャラクタ画像を表示するためのキャラクタ用表示演出データとが記憶され、前記キャラクタ画像の少なくとも一部については、当該キャラクタ画像の影絵となり得る関連画像が記憶されていること。
(1B)前記演出制御手段は、前記関連画像が存在するキャラクタ画像を表示する際は、前記表示手段に対して、前記背景画像よりも前面側において、前記キャラクタ画像の背面側で当該キャラクタ画像から部分的にはみ出した状態で重なる様に前記関連画像を表示する演出を、大当たり信頼度の報知又は示唆を伴う特殊表示演出として実行し得る手段として構成されていること。
(3A)前記演出データ記憶手段には前記表示手段による表示演出用のデータとして、前記キャラクタ画像の少なくとも一部については、前記関連画像が複数個記憶され、当該複数個の関連画像同士は、明度又は輝度、彩度、及び色相の少なくとも一つが互いに異なるものとされていること。
(3B)前記演出制御手段は、前記複数個の関連画像が記憶されている前記キャラクタ画像について前記特殊表示演出を実行する際は、前記背景画像に対して識別性が高くなる様に前記関連画像を選択し得る手段として構成されていること。
【請求項2】
図柄の変動制御が可能であって所定の抽選に当選したことを契機に特典を与える主制御手段と、演出実行手段と、演出データを記憶した演出データ記憶手段と、前記演出データ記憶手段に記憶されている演出データを用いた演出を前記演出実行手段に実行させる演出制御手段とを備えた遊技機であって、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする遊技機。
(1A)前記演出実行手段として表示手段を備え、前記演出データ記憶手段には前記表示手段による表示演出用のデータとして、背景画像を表示するための背景用表示演出データと、キャラクタ画像を表示するためのキャラクタ用表示演出データとが記憶され、前記キャラクタ画像の少なくとも一部については、当該キャラクタ画像の影絵となり得る関連画像が記憶されていること。
(1B)前記演出制御手段は、前記関連画像が存在するキャラクタ画像を表示する際は、前記表示手段に対して、前記背景画像よりも前面側において、前記キャラクタ画像の背面側で当該キャラクタ画像から部分的にはみ出した状態で重なる様に前記関連画像を表示する演出を、大当たり信頼度の報知又は示唆を伴う特殊表示演出として実行し得る手段として構成されていること。
(4)前記特殊表示演出における前記キャラクタ画像と前記関連画像の間におけるコントラストを、遊技者の操作によって設定・変更することのできるコントラスト設定・変更手段が備えられ、前記演出制御手段は、前記コントラスト設定・変更手段による設定・変更の内容を反映させる様に前記特殊表示演出を実行する手段として構成されていること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機の停止図柄のアラビア数字に縁取りによるエフェクト処理を施して強調表示する技術が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-33764(0340-0349、図36図37
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術によれば、変動ごとにエフェクト処理を実行することで、縁取りによる強調表示を任意に実行することができる反面、変動時間の乱れを生じさせるおそれが懸念される。
【0005】
そこで、本発明は、変動時間に影響を与えることなく縁取りによる強調表示を実行し得る遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の遊技機は、図柄の変動制御が可能であって所定の抽選に当選したことを契機に特典を与える主制御手段と、演出実行手段と、演出データを記憶した演出データ記憶手段と、前記演出データ記憶手段に記憶されている演出データを用いた演出を前記演出実行手段に実行させる演出制御手段とを備えた遊技機であって、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
(1A)前記演出実行手段として表示手段を備え、前記演出データ記憶手段には前記表示手段による表示演出用のデータとして、背景画像を表示するための背景用表示演出データと、キャラクタ画像を表示するためのキャラクタ用表示演出データとが記憶され、前記キャラクタ画像の少なくとも一部については、当該キャラクタ画像の影絵となり得る関連画像が記憶されていること。
(1B)前記演出制御手段は、前記関連画像が存在するキャラクタ画像を表示する際は、前記表示手段に対して、前記背景画像よりも前面側において、前記キャラクタ画像の背面側で当該キャラクタ画像から部分的にはみ出した状態で重なる様に前記関連画像を表示する演出を、大当たり信頼度の報知又は示唆を伴う特殊表示演出として実行し得る手段として構成されていること。
(3A)前記演出データ記憶手段には前記表示手段による表示演出用のデータとして、前記キャラクタ画像の少なくとも一部については、前記関連画像が複数個記憶され、当該複数個の関連画像同士は、明度又は輝度、彩度、及び色相の少なくとも一つが互いに異なるものとされていること。
(3B)前記演出制御手段は、前記複数個の関連画像が記憶されている前記キャラクタ画像について前記特殊表示演出を実行する際は、前記背景画像に対して識別性が高くなる様に前記関連画像を選択し得る手段として構成されていること。
【0007】
本発明の遊技機によれば、演出制御手段は、特殊表示演出を実行するとき、表示手段に対して後ろ側から背景画像、関連画像、キャラクタ画像の順に重なる様に表示を実行する。このとき、関連画像はキャラクタ画像の背面側で部分的にはみ出した状態で重なる様に表示される。関連画像はキャラクタ画像の影絵となり得るものであるから、このときにはみ出した部分は、キャラクタ画像に縁取り効果を与える。ここで、本発明の遊技機では、キャラクタ画像に対して縁取り効果を発揮する関連画像は予め演出データ記憶手段に記憶しておいたものであるから、変動ごとにキャラクタ画像にエフェクト処理を施す必要はなく、変動中の適切なタイミングにおいて、縁取り付きのキャラクタ画像を出現させたり、縁取りが出現したり消失したりするキャラクタ画像による特殊表示演出を、変動時間に影響を与えることなく実施することができる。本発明の遊技機においては、この特殊表示演出を大当たり信頼度の報知又は示唆を伴うものとして実行するから、変動時間に影響を与えることなく適切なタイミングで縁取り効果を発揮させるという作用・効果は、遊技機において極めて重要なものとなる。
【0008】
ここで、本発明の遊技機は、さらに、以下の構成をも備えたものとすることができる。
(2)前記演出制御手段は、前記特殊表示演出を、同一変動回の変動ゲーム中演出の間に複数回実行し得る手段として構成されていること。
【0009】
かかる構成をも備えた遊技機によれば、同一変動回の変動ゲーム中演出の間に、関連画像により縁取りが施されて見えるキャラクタ画像を複数回表示することでステップアップ等によって大当たり信頼度が次第に高まる様子を報知又は示唆する特殊表示演出を実行することができる。例えば、いわゆる「疑似連」を伴うスーパーリーチにおいて「NEXT表示」を1回、2回、3回、…と実行する際に、1回目の縁取りは「青」、2回目の縁取りは「緑」、3回目の縁取りは「赤」、…といった具合に、大当たり信頼度を、特殊表示演出によってステップアップさせながら報知又は示唆することができる。この場合に、縁取りされるキャラクタ画像は共通のデータとしておき、影絵となり得る関連画像だけ色の異なるデータを演出データ記憶手段に記憶させておけばよい。また、関連画像のはみ出し量やはみ出し方向によってステップアップを表現することもできる。
【0011】
(3A),(3B)の構成をも備えた遊技機によれば、明るめの縁取り用の関連画像と暗めの縁取り用の関連画像とを演出データ記憶手段に記憶させておき、暗めの背景画像を表示した状態での変動演出に対してはキャラクタ画像に明るめの縁取り効果を付加した特殊表示演出を、逆に明るめの背景画像に対してはキャラクタ画像に暗めの縁取り効果を付加した特殊表示演出を、それぞれ実行するといったことができる。この場合、明るさではなく、キャラクタ画像を登場させる位置付近の背景画像の色相に対してキャラクタ画像を目立たせる縁取りとなる様に、関連画像を選択し得る様にしてもよい。例えば、あるキャラクタ画像について、演出データ記憶手段に、色相の異なる関連画像を複数個記憶させておき、変動演出で選択される背景画像中のキャラクタ画像の出現位置の背景の色相との関係から、キャラクタ画像をより目立たせる方の関連画像が選択される様に変動演出用のデータを構成しておくことができる。また、キャラクタ画像を影がある様に見せる関連画像と、キャラクタ画像を光彩を放っている様に見せる関連画像とを記憶させておき、背景画像の輝度や彩度との関係において複数個の中から適切な関連画像の選択を行ってキャラクタ画像を目立たせる様にしてもよい。これらの場合も、キャラクタ画像を共通としておき、関連画像を複数個記憶させておくだけで様々な特殊表示演出を実行することができ、エフェクト処理では演算条件が複雑になり過ぎる様な演出も、背景画像、キャラクタ画像及び関連画像の対応関係を予め設定しておくだけで、これを容易に実施することができる。
【0012】
上記目的を達成するためになされた本発明の遊技機は、図柄の変動制御が可能であって所定の抽選に当選したことを契機に特典を与える主制御手段と、演出実行手段と、演出データを記憶した演出データ記憶手段と、前記演出データ記憶手段に記憶されている演出データを用いた演出を前記演出実行手段に実行させる演出制御手段とを備えた遊技機であって、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
(1A)前記演出実行手段として表示手段を備え、前記演出データ記憶手段には前記表示手段による表示演出用のデータとして、背景画像を表示するための背景用表示演出データと、キャラクタ画像を表示するためのキャラクタ用表示演出データとが記憶され、前記キャラクタ画像の少なくとも一部については、当該キャラクタ画像の影絵となり得る関連画像が記憶されていること。
(1B)前記演出制御手段は、前記関連画像が存在するキャラクタ画像を表示する際は、前記表示手段に対して、前記背景画像よりも前面側において、前記キャラクタ画像の背面側で当該キャラクタ画像から部分的にはみ出した状態で重なる様に前記関連画像を表示する演出を、大当たり信頼度の報知又は示唆を伴う特殊表示演出として実行し得る手段として構成されていること。
(4)前記特殊表示演出における前記キャラクタ画像と前記関連画像の間におけるコントラストを、遊技者の操作によって設定・変更することのできるコントラスト設定・変更手段が備えられ、前記演出制御手段は、前記コントラスト設定・変更手段による設定・変更の内容を反映させる様に前記特殊表示演出を実行する手段として構成されていること。
【0013】
(4)の構成をも備えた遊技機によれば、コントラスト設定・変更手段を遊技者が操作することにより、キャラクタ画像と関連画像の間におけるコントラストを設定したり変更したりすることができる。この結果、特殊表示演出で表示する関連画像とキャラクタ画像とが同じであっても、遊技者の好みの目立たせ方で演出を楽しむことができ、そのために関連画像を多数用意する必要がない。
【0014】
なお、本発明において、一つのキャラクタ画像に対して複数個の関連画像を記憶させてある場合に、当該キャラクタ画像の背面側に複数個の関連画像を所定方向にはみ出し部分をずらしながら重ねて表示することにより、キャラクタ画像に対して虹色の縁取りを付加した特殊表示演出を実行することもできる。これらキャラクタ画像及び関連画像は光の重ね合わせによるものであるから、多数重ね合わせることによって明るさを増大させることが可能となり、縁取りエフェクト処理では実現困難な態様のキャラクタ表示をも実行することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、変動時間に影響を与えることなく縁取りによる強調表示を実行し得る遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例1のパチンコ機を示し、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は前枠を開いた状態の正面図である。
図2】実施例1のパチンコ機の遊技盤組立体を示し、(A)は分解斜視図、(B)は正面図、(C)は垂直断面図である。
図3】実施例1のパチンコ機の遊技盤の正面図である。
図4】実施例1のパチンコ機の制御装置の全体の構成を示すブロック図である。
図5】実施例1のパチンコ機における表示制御処理の概要を示し、(A)は表示例の正面図、(B1)~(B2)はラスタ走査情報生成の様子を示す模式図である。
図6】実施例1のパチンコ機の演出制御基板の記憶部を示し、(A)は演出データ記憶手段の構成を示す模式図、(B)は変動ゲーム中演出データの構成を示す模式図、(C)は特殊表示演出用データの構成を示す模式図、(D)は先読み記憶部の構成を示す模式図である。
図7】実施例1のパチンコ機の特殊表示演出用データの一例を示し、(A)はデータ構成の模式図、(B)は特殊表示演出の実行画面を示す正面図である。
図8】実施例1のパチンコ機の特殊表示演出用データの一例を示し、(A)は特殊表示用キャラクタ画像の正面図、(B)は関連画像の正面図、(C)は特殊表示演出実行時の正面図である。
図9】実施例1のパチンコ機の特殊表示演出用データの一例を示し、(A)はデータ構成の模式図、(B)は特殊表示演出の実行画面を示す正面図である。
図10】実施例1のパチンコ機の特殊表示演出用データの一例を示し、(A)は特殊表示用キャラクタ画像の正面図、(B)は関連画像の正面図、(C)は特殊表示演出実行時の正面図である。
図11】実施例1のパチンコ機の特殊表示演出用データの一例を示し、(A)はデータ構成の模式図、(B)は特殊表示演出の実行画面を示す正面図である。
図12】実施例1のパチンコ機の特殊表示演出用データの一例を示し、(A)はデータ構成の模式図、(B)は特殊表示演出の実行画面を示す正面図である。
図13】実施例1のパチンコ機の特殊表示演出用データの一例を示し、(A)はデータ構成の模式図、(B)は特殊表示演出の実行画面を示す正面図である。
図14】実施例1のパチンコ機の特殊表示演出用データの一例を示し、(A)は特殊表示用キャラクタ画像の正面図、(B)は関連画像のコントラスト調整をする様子を示す模式図、(C)は特殊表示演出実行時の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態として、具体的な実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
[1 遊技機全体の概要]
実施例1のパチンコ機P1は、図1に示す様に、外枠A、中枠B、遊技盤C、前枠D、上の球受け皿E、下の球受け皿F、発射装置G及び施錠装置Hを備えている。
【0019】
前枠Dには遊技盤Cのガラス板が嵌め込まれた透視保護窓Wが備えられ、音声演出に用いるスピーカSPl,SPr、発光演出に用いる装飾ランプLDl,LDr,LDuも備えられている。図1(C)に示す様に、前枠Dの裏面には、スピーカSPl,SPr、装飾ランプLDl,LDr,LDu、発射装置Gの駆動制御用の基板KBspl,KBspr,KBldl,KBldr,KBldu,KBgが設置されている。
【0020】
これら駆動制御用の基板KBspl,KBspr,KBldl,KBldr,KBldu,KBgには、中枠Bに設置した本体側コネクタCNT1と前枠Dに設置した組付部材側コネクタCNT2とを接合させることにより、中枠Bから電源及び制御信号等が入力される構成となっている。前枠Dは、透視保護窓W以外は不透明な素材で構成され、各基板KBspl等とコネクタCNT2との間は、この不透明素材に隠れて正面からは見えない様に配線されたワイヤハーネスで接続されている。
【0021】
遊技盤Cは、透明な合成樹脂板に障害釘等を設置したものであり、図1(C)に示す様に、その裏側に液晶表示装置LCD及び裏ユニットBUTを取り付けた状態で中枠Bに組み付けられる。
【0022】
[2 遊技盤の概要]
図2(A)に示す様に、裏ユニットBUTは、側枠BUT1と背面枠BUT2とを備え前面開放とされた箱型の成形体からなる。液晶表示装置LCDとして、汎用ワイド液晶モニタを、図2(A)~(C)に示す様に、表示領域が縦長となる様に上下を裏ユニットBUTの内面に支持する状態で取り付けられている。この際、液晶表示装置LCDは、遊技盤Cとの間に間隔をあける様に裏ユニットBUTの奥側に設置される。そして、背面枠BUT2の中央に設けられた開口BUT3を介して、背面枠BUT2の背面に取り付けられる基板ケース内の演出制御基板等(図示略)に対して接続される。この開口BUT3は、画像表示窓ではなく信号線や電源線の接続のためのものであるから、必要最小限のサイズとすることができる。
【0023】
また、液晶表示装置LCDは、図2(B)に示す様に、遊技盤Cの遊技領域(障害釘及び各種役物を配置して発射レールの出口からアウト口に至る領域)の全体に重なり得る大きさの表示領域を備え、この表示領域が遊技領域の全体に重なる様に、裏ユニットBUTの幅方向中央に位置する様に設置されている。この結果、裏ユニットBUTの内部には、遊技盤Cの裏側及び液晶表示装置LCDの左右に比較的大きな空所を確保することができている。本実施例では、この空所を利用し、液晶表示装置LCDと遊技盤Cとの間に可動空間を確保した状態で落下可動体KDdwnや振り子可動体KDswingを設置している。これら可動体役物は、図1(A)と図1(C),図2(C)とを比較すると分かる様に、動作前の待機状態においては前枠Dの背後に隠れた状態となる様に設置している。また、これら可動体役物への信号線や電源線等は、液晶表示装置LCDの左右の空所を利用して配線することができる。なお、本実施例においては可動体役物を光透過性を有する色付き透明プラスチックによる成形体とし、動作位置に落下したり振り出された状態においても裏側の液晶表示が見える様にしている。
【0024】
遊技盤Cは、図3に示す様に、矩形の透明ベース板1の前面に、障害釘11や風車12が植設された遊技領域10の中央にセンター飾り30が取り付けられ、センター飾り30の中央直下に始動入賞装置7が備えられ、大入賞口15、誘導レール17、普通入賞口18、アウト口19等が備えられている。センター飾り30は、仕切り装飾体31、ステージ32、ワープ通路33を備えるリング状を呈し、左上部には障害釘に代わる障害ブロック34が設けられている。パチンコ機P1は、大当たり等の際には「右打ち遊技」とするタイプであって、右打ち通路35を備え、右側遊技領域20には、ゲート37と第2始動入賞装置27が設置されている。この第2始動入賞装置27は、ゲート37を遊技球が通過したことを契機に実行される普通図柄抽選結果に基づいて開閉動作される電動式チューリップを備えている。また、概略円形の遊技領域10を区画する様に、左コーナー飾り41と右コーナー飾り42も備えられている。
【0025】
本実施例においては、コーナー飾り41,42の外周で規定される矩形領域よりも広い透明ベース板1を採用し、裏ユニットBUTの前面開放部分を塞いでいる。これは、横転させた縦長の状態にて収容した液晶表示装置LCDの表示領域を遊技盤Cの遊技領域の全体に重なる様にする関係から裏ユニットBUTが大型化することに対応するものである。なお、透明ベース板1は一枚板ではなく、二枚を前後に貼り合わせたものとすることもできる。例えば、コーナー飾り41,42の外周までの前側透明板と裏ユニットBUTの前面開放部分を塞ぐに足る広さの後側透明板とを貼り合わせた構造とすることもできる。
【0026】
本実施例においては、始動入賞装置7、風車12、大入賞口15、普通入賞口18、アウト口19、第2始動入賞装置27、仕切り装飾体31、ステージ32、ワープ通路33、障害ブロック34、ゲート37、左コーナー飾り41及び右コーナー飾り42といった盤面役物を透明合成樹脂製の成形体で構成している。従って、これら各種役物を通しても背面の液晶表示装置LCDによる画像や動画を視認することができ、遊技領域内における液晶表示の妨げになることがない。
【0027】
なお、障害釘11や風車12の釘、誘導レール17は点や線として視認されるが、遊技領域内の液晶表示に対する大きな妨げにならない。逆に、遊技球が様々な方向に跳ね返りつつ流下していく様子を遊技者に楽しませる上で、障害釘11が点々として視認される方が望ましい。
【0028】
また、透明ベース板1の裏面には、入賞口やアウト口に侵入した遊技球を排出するための玉排出通路51が取り付けられている。玉排出通路51もまた透明合成樹脂成形体で構成している。これにより、玉排出路51を通しても背面の液晶表示装置LCDによる画像や動画を視認することができ、遊技領域内における液晶表示の妨げになることがない。
【0029】
玉排出通路51には、始動入賞装置7,27への入球を検知するための特図1スイッチSW1、特図2スイッチSW2、普通入賞口18への入球を検出するための入賞検知スイッチSW11~SW13、大入賞口15への入球を検出するための入賞検知スイッチSW7、及び排出球を検知するための排出球検知センサSW21が備えられている。これら検知スイッチは、一点鎖線で示した視認領域VWARの外側に位置する様に取り付けられている。これにより、特図スイッチSW1等は遊技領域内における液晶表示の妨げにならない。
【0030】
また、ゲート37の普図スイッチSW37は、透明ベース板1の裏面の対応する位置に、透明導電膜形成材料(ITO(酸化インジウムスズ)やIZO(酸化インジウム酸化亜鉛))を用いた印刷によって形成され、配線WHについても同じく透明導電膜形成材料にて透明ベース板1の周縁部へと伸びる様に印刷によって形成されている。これにより、普図スイッチSW37や配線WHが遊技領域内における液晶表示の妨げになることがない。
【0031】
大入賞口15の開閉用のリンク部材L7及び第2始動入賞装置27のチューリップ開閉用のリンク部材L27もまた透明合成樹脂製とされている。これらリンク部材L7,L27を駆動するためのソレノイドSOL7,SOL27は、視認領域VWARの外側に取り付けられている。これにより、リンク部材L7,L27が遊技領域内における液晶表示の妨げになることがない。
【0032】
三つの普通入賞口18,18,18は透明合成樹脂により一体品として成形されている。その平板部分には、透明ベース板1の裏面側に電飾装置LD1,LD2が取り付けられている。これら電飾装置LD1,LD2を駆動するための電飾基板KBld1,KBld2は透明導電膜形成材料にて基板内配線が印刷された透明合成樹脂が用いられ、配線WHについても同じく透明導電膜形成材料にて透明ベース板1の周縁部へと伸びる様に印刷によって形成されている。これにより、電飾基板KBld1,KBld2や配線WHが遊技領域内における液晶表示の妨げになることがない。
【0033】
[3 制御装置の概要]
次に、本実施例のパチンコ機P1のゲーム性等について説明する。まず、制御系統について図4に基づいて説明する。CPU,ROM,RAM,クロック等を備えた主制御基板310に対して、始動入賞装置7に備えられている第1特図スイッチSW1、第2始動入賞装置27に備えられている第2特図スイッチSW2、ゲート37に備えられている普図スイッチSW37、大入賞口15に備えられた入賞検知スイッチSW7、普通入賞口18に備えられた入賞検知スイッチSW11~SW13、及び排出球検知スイッチSW21からの検知信号が入力される様になっている。主制御基板310には、前枠Dの開閉状態を示す開閉検知スイッチ50の検出信号も入力されている。
【0034】
また、主制御基板310からは、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、特図表示器TKZ、性能表示モニタ600、大入賞口15の開閉用ソレノイドSOL7、第2始動入賞装置27の普通電動役物開閉用ソレノイドSOL27へとコマンドが出力される様になっている。払出制御基板330は、主制御基板310に対して信号を入力する様にも接続されている。また、払出制御基板330と発射制御基板340との間でも互いに信号の入出力がなされている。この結果、本実施例においては、発射制御基板340から払出制御基板330を経由して主制御基板310に対して信号入力が可能となっている。
【0035】
制御系統には、この他、BCユニット335、インタフェース基板350、電源基板360、演出表示制御基板370、電源中継基板380、球貸し操作基板390、ホールコンピュータ400、カードユニットCDU等も備えられている。
【0036】
演出制御基板320は、主制御基板310からの演出指令信号に基づいて、可動体役物を駆動するモータやソレノイドを駆動制御するモータ駆動制御基板KBmt、ソレノイド駆動制御基板KBsol、スピーカーSPl,SPrによる音声出力を制御するスピーカ駆動制御基板KBspl,KBspr、前枠Dに設置された装飾ランプLDl、LDr、LDuを発光制御する前枠発光制御基板KBldl,KBldr,KBlduや盤面役物の電飾装置LD1,LD2を発行制御する電飾基板KBld1,KBld2等に対して制御信号を出力して役物発光演出、枠発光演出、音声演出、可動体演出等を実行すると共に、演出表示制御基板370へと演出表示のためのコマンドを出力し、液晶表示装置LCDによる表示演出を実行させている。
【0037】
なお、前枠Dに設置されたプッシュボタンPBの押下信号、カーソルキーCKの操作信号は演出制御基板320に入力され、貸し玉ボタンQ,カード取り出しボタンRの押下信号は球貸し操作基板390に入力されている。
【0038】
主制御基板310は、特図1スイッチSW1からの検知信号の入力を契機として取得した特図1判定用乱数を最大4個、特図2スイッチSW2の検知信号入力を契機として取得した特図2判定用乱数を最大4個、それぞれ保留記憶しておくため、RAM内に、特図1保留記憶部311及び特図2保留記憶部312を備えている。特図1判定用乱数及び特図2判定用乱数は、それぞれ、「当たり/はずれ判定用乱数(乱数1:SW1-1,SW2-1)」、「特図振分判定用乱数(乱数2:SW1-2,SW2-2)」、「演出実行判定用乱数(乱数3:SW1-3,SW2-3)」、及び「変動パターン振分用乱数(乱数4:SW1-4,SW2-4)」から構成される。乱数1は、特図スイッチ検知信号の入力を契機としてハードウェアロジックによって取得され、乱数2~4は、特図スイッチ検知信号の入力を契機としてソフトウェアロジックによって取得される。
【0039】
主制御基板310は、所定のタイミングで実行する判定処理において、乱数1が予め設定された「大当たり判定値」と一致するときに「大当たり」と判定し、一致しない場合は「はずれ」と判定する。特図振分判定用乱数(乱数2)は、特別遊技のラウンド数など、大当たり種別を振り分けるための乱数である。演出実行判定用乱数(乱数3)は、リーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。リーチ演出は、「当たり」の場合だけでなく、「はずれ」においても所定の割合で実行する構成となっている。変動パターン振分用乱数(乱数4)は、変動パターンを振り分けるための乱数である。なお、乱数1で「大当たり」となった場合、乱数2による大当たり種別振り分けにより、例えば、「2R」「7R」「15R」など、遊技者に対する有利さの異なる複数種類の当たり種別のいずれかに振り分けられる。
【0040】
演出制御基板320には、音声演出、表示演出、発光演出、及び可動体演出を実行するための演出データ記憶手段325が備えられている。演出データ記憶手段325には、特別図柄変動ゲーム中に実行する変動ゲーム中演出データDH、大当たり遊技中に実行する大当たり中演出データDV、デモ中に実行するデモ中演出データDM、特図変動ゲームにおいて実行される変動パターンに応じた飾り図柄変動ゲームを表示するための飾り図柄変動演出データDKZが記憶されている。
【0041】
変動ゲーム中演出データDHは、背景表示用データ、キャラクタ表示用データ、発光演出用データ、音声演出用データ、及び可動体演出用データの組み合わせとなっている。変動ゲーム中演出データDHは、主制御基板310による抽選結果(ノーマルはずれ、ノーマル当たり、リーチはずれ、リーチ当たり、スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ当たりなど)に対して、それぞれ複数種類のパターンが備えられている。これらのパターンにおいて、例えば、可動体演出を伴わない変動ゲーム中演出を行うデータは、可動体演出データがブランクデータで構成される。
【0042】
大当たり中演出データDVも、変動ゲーム中演出データDHと同様に、背景表示用データ、キャラクタ表示用データ、発光演出用データ、音声演出用データ、及び可動体演出用データの一部又は複数の組み合わせ又は全部の組み合わせによって構成され、大当たり種別に応じて複数パターンが備えられている。
【0043】
デモ中演出データDMも、変動ゲーム中演出データDHと同様に、背景表示用データ、キャラクタ表示用データ、発光演出用データ、音声演出用データ、及び可動体演出用データの一部又は複数の組み合わせ又は全部の組み合わせによって構成され、デモ1用、デモ2用など複数パターンが備えられている。
【0044】
飾り図柄変動演出データDKZは、ノーマルはずれ、ノーマル当たり、リーチはずれ、リーチ当たり、スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ当たりなど、主制御基板310による抽選の結果に基づいて指令される変動パターンに対応したデータとして記憶されている。このため、本実施例においては、通常状態用変動パターンテーブル315に対応する飾り図柄変動時間となる通常状態用飾り図柄変動演出データDKZaと、変短状態用変動パターンテーブル316に対応する飾り図柄変動時間となる変短状態用飾り図柄変動演出データDKZbとが、演出制御基板320の演出データ記憶手段325に記憶されている。
【0045】
演出表示制御基板370は、演出制御基板320から指令される背景表示用データに従って液晶表示装置LCDに表示した背景画像に対して重ね合わせる様にして、変動パターンに対応する飾り図柄変動演出データDKZを表示する。また、この表示演出においては、キャラクタ表示データが存在する場合はキャラクタ画像を重ねて表示する演出も実行される。
【0046】
ここで、本実施例においては、変動ゲーム中演出データDHは、変動パターンに対して1対1対応となっている訳ではなく、例えば、変動パターン1に対して演出1,演出2,…などと複数の中から振り分けによって演出制御基板320側で決定する構成となっている。同じく、飾り図柄変動演出データDKZも、例えば、変動パターン1に対しては変動時間1、変動パターン1に対しては変動時間2、…、と1対1の対応であるが、各変動時間に対して複数の飾り図柄変動パターンが備えられていて、これら複数の中から振り分けによって演出制御基板320が決定する構成となっている。これら振り分け可能な演出データDHや飾り図柄変動パターンDKZは、変動パターンが大当たりの場合に振り分けられ易く、はずれの場合に振り分けられ難いグループと、その逆のグループといった具合に、信頼度グループを構成する様に振り分け確率を設定している。
【0047】
[4 主制御基板における遊技性に関する制御処理の概要]
主制御基板310は、特図スイッチSW1,SW2、入賞検知センサSW7,SW11,SW12からの入賞検知信号が入力されると、各スイッチに対応する賞球払出個数に対応する賞球払出コマンドを払出制御基板330に対して出力する賞球払出処理を実行している。これを受けて、払出制御基板330は、遊技球の入賞口に対応して予め定められた個数の賞球の払出動作を実行する。主制御基板310は、この賞球の払い出し個数は、「通常遊技」、「時短遊技」「大当たり遊技」等の遊技状態ごとに累積値を記憶する。主制御基板310は、また、これら遊技状態ごとの排出球の個数を排出球検知スイッチSW21からの検知信号に基づいて累積値として記憶している。そして、主制御基板310は、これら賞球払出個数の累積値と排出球数の累積値に基づいて、各遊技状態におけるベース(払出数/(発射数=排出数))を算出している。これら遊技状態ごとのベースの内、「通常遊技」について算出した値は、主制御基板310から性能表示モニタ600のマイコン基板へと送信され、性能表示モニタ600に数値表示される。なお、所定の操作をすることにより、性能表示モニタ600を用いて、「時短遊技」や「大当たり遊技」におけるベースの表示をすることもできる様になっている。
【0048】
また、主制御基板310は、特図スイッチSW1,SW2のいずれかから検知信号が入力されると、特別図柄を決定するための乱数を取得し、その結果を始動保留情報としてRAMに記憶する特図入力処理を実行している。本実施例においては、始動保留情報として第1特図スイッチSW1による検知信号に基づく始動保留情報(特図1始動保留情報)を最大4個、第2特図スイッチSW2による検知信号に基づく始動保留情報(特図2始動保留情報)を最大4個記憶することができる構成となっている。
【0049】
主制御基板310は、こうしてRAM内に記憶された始動保留情報を読み出し、「当たり/はずれ」に応じた特別図柄変動を特図表示器TKZに実行させると共に、演出制御基板320を介して音声演出、発光演出、表示演出、可動体演出等を実行させるための特図開始処理を実行している。この特図開始処理では、始動保留情報に基づく抽選処理の結果により、「変動パターン」および「最終停止図柄」を決定し、演出制御基板320に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的には、主制御基板310は、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、主制御基板310は、特図変動表示を開始させるように特図表示器TKZを制御する。また、主制御基板310は、最終停止図柄となる特別図柄を指示するための特図指定コマンドを出力する。こうして、主制御基板310は、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理において、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器TKZの表示内容を制御する。また、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、演出制御基板320に対して飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0050】
[5 演出御基板における遊技性に関する制御処理の概要]
演出制御基板320は、主制御基板310からの変動コマンドを受信することによって変動演出を実行する。この変動演出は、特別遊技中でなく、デモ表示状態でもないときに実行される。演出制御基板320は、変動コマンドを受信したら、今回の表示演出に用いる飾り図柄変動演出データDKZと変動ゲーム中演出データDHとを決定する。
【0051】
ここで、本実施例においては、演出データ記憶手段325には、各変動パターン(変動時間)に対して、それぞれ複数個の飾り図柄変動演出データDKZが記憶されているから、主制御基板310からの入力によって変動パターンが特定されたことにより、当該変動パターンについて選択し得る複数個のDKZの中から、今回の変動ゲーム中演出において使用する一つのDKZを抽選によって決定する。
【0052】
また、演出データ記憶手段325には、各変動パターン(変動時間)に対して、それぞれ複数個の変動ゲーム中演出データDHが記憶されているから、主制御基板310からの入力によって変動パターンが特定されたことにより、当該変動パターンについて選択し得る複数個のDHの中から、今回の変動ゲーム中演出において使用する一つのDHを抽選によって決定する。
【0053】
こうして決定したDH,DKZに対応するデータを演出データ記憶手段325から読み出し、変動演出を開始する。変動ゲーム中演出データDHによる演出は、主制御基板310から全図柄停止コマンドを受信したときに、飾り図柄変動演出における確定図柄の停止を行って終了する。この飾り図柄変動表示における確定図柄停止のタイミングは、主制御基板310による特図表示器TKZへの特別図柄確定のタイミングと同期している。
【0054】
なお、特別遊技中であるときは、変動ゲーム中演出データDHではなく大当たり中演出データDVを読み出し、大当たり中演出を実行する。また、デモ表示タイミングであるときは、デモ中演出データDMを読み出し、デモ中演出を実行する。
【0055】
本実施例においては、これら変動ゲーム中演出、大当たり中演出、デモ中演出での発光演出として、遊技盤Cに備えた装飾ランプによる役物発光演出に加えて、前枠Dに備えた装飾ランプによる枠発光演出も実行している。演出制御基板320の演出データ記憶手段325には、変動ゲーム中演出において実行する枠発光演出のためのデータについても、変動パターンが大当たりの場合に振り分けられ易く、はずれの場合に振り分けられ難いグループと、その逆のグループといった具合に、信頼度グループを構成する様に振り分け確率を設定した複数の演出データを記憶させてある。
【0056】
[6 表示制御処理]
本実施例では、液晶表示装置LCDとして汎用ワイド液晶モニタを横転させた縦長状態にて設置している。このため、表示演出において、図5(A)に示す様に、液晶表示装置LCDに背景用画像情報IMGbgr、飾り図柄用画像情報IMGkz及びキャラクタ図柄用画像情報IMGchを重ねる様にして表示するに当たり、演出表示制御基板370は、図5(B1)~(B3)に示す様に、メモリに記憶してある画像情報IMGbgr,IMGkz,IMGchの縦方向を主走査方向とするラスタ走査情報RSCbgr,RSCkz,RSCchを生成し、液晶表示装置LCDに出力する処理を実行している。
【0057】
この処理により、汎用のワイド液晶モニタを縦置きにして用いるために横転状態の画像情報を記憶させておかなくても正しい画像情報を表示することができる。この結果、画像情報の作成における労力を低減し、あるいは既存の画像情報の全部又は一部を用いた表示演出を可能にすることができる。
【0058】
[7 演出データの詳細]
次に、演出制御基板320の演出データ記憶手段325に記憶されている演出データの詳細について説明する。
【0059】
演出制御基板320には、音声演出、表示演出、発光演出、可動体演出、及び特殊表示演出のための演出データが、演出用制御ROMの演出データ記憶部320gの所定領域に予め記憶されている。この演出データ記憶部320gには、図6(A)に示す様に、演出データとして、特別図柄変動ゲーム中に実行する変動ゲーム中演出データDH、大当たり遊技中に実行する大当たり中演出データDVと、デモ中に実行するデモ中演出データDMとが記憶されている。また、特図変動ゲームにおいて実行される変動パターンに応じた飾り図柄変動ゲームを表示するための飾り図柄変動演出データDKZも記憶されている。
【0060】
本実施例においては、演出制御基板320において保留先読みによる特殊ゾーン演出も実行する様に構成されている。このため、変動ゲーム中演出データDHの中に、特殊ゾーン演出用のデータDHSZが記憶されている。
【0061】
変動ゲーム中演出データDHnは、図6(B)に示す様に、背景表示用データ(DHn1)、キャラクタ表示用データ(DHn2)、発光演出用データ(DHn3)、音声演出用データ(DHn4)、可動体演出用データ(DHn5)、及び特殊表示演出用データ(DHn6)の組み合わせとなっている。なお、変動ゲーム中演出データDHnにおいてDHn1~DHn6の内、例えば、可動体演出を行わない場合はDHn5がブランクデータとなり、特殊表示演出を実行しない場合はDHn6がブランクデータとなる。特殊表示演出用データDHn6は、図6(C)に示す様に、特殊表示用キャラクタ画像データDHn6aと関連画像データDHn6bとを組み合わせた特殊表示演出用のデータとして構成されている。
【0062】
[7.1 データ構成例1]
データ構成例1の特殊表示演出用データDHn6は、図7(A)に示す様に、変動時間内の時刻t11に対して特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a11とその表示位置座標(x11,y11)が、変動時間内の時刻t12に対して特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a12と表示位置座標(x12,y12)が、変動時間内の時刻t13に対して特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a13と表示位置座標(x13,y13)及び関連画像データDHn6b13と表示位置座標(x13’,y13’)が、記録されたものとなっている。
【0063】
この特殊表示演出用データDHn6が設定された変動ゲーム中演出データDHが実行されると、当該データの背景表示用データに対応する背景画像の前面側において飾り図柄の変動表示が開始される。その後、背景画像及び変動図柄の前面側において、図7(B)に示す様に、時刻t11になると表示位置座標(x11,y11)に特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a11に対応する特殊表示用キャラクタ画像が、時刻t12になると表示位置座標(x12,y12)に特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a12に対応する特殊表示用キャラクタ画像が、時刻t13になると表示位置座標(x13,y13)に特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a13に対応する特殊表示用キャラクタ画像と表示位置座標(x13’,y13’)に関連画像データDHn6b13に対応する関連画像とが、それぞれ表示される。
【0064】
ここで、関連画像データDHn6b13に対応する関連画像は特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a13に対応する特殊表示用キャラクタ画像の影絵となり得るものであって、特殊表示用キャラクタ画像の表示レイヤよりも背面側のレイヤに表示される。このとき、関連画像データDHn6b13に対応する関連画像が特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a13に対応する特殊表示用キャラクタ画像から部分的にはみ出した状態で重なる様に、表示位置座標(x13,y13)と表示位置座標(x13’,y13’)とが設定されている。
【0065】
この結果、「キャラクタ画像に対するエフェクト処理」を変動ごとに施すことなく、変動中の適切なタイミングにおいて、縁取り付きのキャラクタ画像を出現させることができる。
【0066】
[7.2 データ構成例2]
データ構成例2として、特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a21(図8(A))に対する関連画像データとして、明度又は輝度、彩度、及び色相の少なくとも一つが互いに異なるものとされた複数個の関連画像データDHn6b21~DHn6b24(図8(B))を演出データ記憶部320gに記憶している。これら複数個の関連画像データDHn6b21~DHn6b24を、特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a21の背面側で一部はみ出す様に重ねて表示することにより、図8(C)に示す様に、明るめの縁取りから暗めの縁取りまで、種々の縁取りをエフェクト処理を施すことなく表示させることができる。
【0067】
また、これら複数個の関連画像データDHn6b21~DHn6b24は、図8(C)に示す様に、特殊表示用キャラクタ画像を登場させる位置付近の背景画像の色相に対してキャラクタ画像を目立たせる縁取りとなる様に選択する。なお、暗めの関連画像データDHn6b24は特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a21に対してくっきりとした影を表現し、明るめの関連画像データDHn6b22は特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a21が光彩を放っている様に見せるという効果も発揮する。
【0068】
なお、これら複数個の関連画像データDHn6b21~DHn6b24のいずれにより特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a21に対する縁取り効果を発揮させるかは、背景画像の色相との関係に加えて、大当たり信頼度の報知又は示唆として機能する様に組合せとなる様に、変動ゲーム中演出データDHnを構成しておく。これにより、例えば、縁取り付きのキャラクタ画像が表示されたとき、縁取りの色による大当たり信頼度の高低を、変動ごとのエフェクト処理なしに遊技者に体感させることができる。
【0069】
[7.3 データ構成例3]
データ構成例3の特殊表示演出用データDHn6は、図9(A)に示す様に、変動時間内の時刻t31に対して関連画像データDHn6b31とその表示位置座標(x31’,y31’)が、変動時間内の時刻t32に対して特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a32と表示位置座標(x32,y32)及び関連画像データDHn6b32と表示位置座標(x32’,y32’)が、変動時間内の時刻t33に対して特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a33と表示位置座標(x33,y33)が、記録されたものとなっている。
【0070】
この特殊表示演出用データDHn6が設定された変動ゲーム中演出データDHが実行されると、当該データの背景表示用データに対応する背景画像の前面側において飾り図柄の変動表示が開始される。その後、背景画像及び変動図柄の前面側において、図9(B)に示す様に、時刻t31になると表示位置座標(x31’,y31’)に関連画像データDHn6b31に対応する関連画像が、時刻t32になると表示位置座標(x32,y32)に特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a32に対応する特殊表示用キャラクタ画像と表示位置座標(x32’,y32’)に関連画像データDHn6b13に対応する関連画像とが、時刻t33になると表示位置座標(x33,y33)に特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a33に対応する特殊表示用キャラクタ画像が、それぞれ表示される。
【0071】
ここで、関連画像データDHn6b32に対応する関連画像は特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a32に対応する特殊表示用キャラクタ画像と形状的に対応し、視認性を異ならせたものであって、特殊表示用キャラクタ画像の表示レイヤよりも背面側のレイヤに表示される。このとき、関連画像データDHn6b32に対応する関連画像が特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a32に対応する特殊表示用キャラクタ画像から部分的にはみ出した状態で重なる様に、表示位置座標(x32,y32)と表示位置座標(x32’,y32’)とが設定されている。
【0072】
この結果、「キャラクタ画像に対するモーションブラー処理」を変動ごとに施すことなく、変動中の適切なタイミングにおいて、モーションブラー処理を施したのと同様の躍動感を体感させる表示演出を実行することができる。
【0073】
[7.4 データ構成例4]
データ構成例4として、特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a41(図10(A))に対する関連画像データとして、視認性が互いに異なるものとされた複数個の関連画像データDHn6b41~DHn6b44(図10(B))を演出データ記憶部320gに記憶している。これら複数個の関連画像データDHn6b41~DHn6b44を、特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a41の背面側で一部はみ出す様に重ねて表示することにより、図10(C)に示す様に、躍動感が相違するモーションブラー効果と同様の表示演出を、「キャラクタ画像に対するモーションブラー処理」を変動ごとに施すことなく、変動中の適切なタイミングにおいて表示することができる。
【0074】
なお、これら複数個の関連画像データDHn6b41~DHn6b44のいずれにより特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a41に対するモーションブラー類似の効果を発揮させるかは、大当たり信頼度の報知又は示唆として機能する様に組合せとなる様に、変動ゲーム中演出データDHnを構成しておく。これにより、例えば、躍動感の強弱による大当たり信頼度の高低を、変動ごとのモーションブラー処理なしに遊技者に体感させることができる。なお、「疑似連」の回数が多いほど大当たり信頼度が高くなり、その様な特殊表示演出を実行する変動ゲーム中演出データは、大当たり信頼度の報知に当たって選択される確率が高く、また確変状態の方が通常遊技状態よりも選択される確率が高くなる様に選択確率設定されている。
【0075】
[7.5 データ構成例5]
データ構成例5の特殊表示演出用データDHn6は、図11(A)に示す様に、変動時間内の時刻t51に対して関連画像データDHn6b51とその表示位置座標(x51’,y51’)が、変動時間内の時刻t52に対して特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a52と表示位置座標(x52,y52)が、変動時間内の時刻t53に対して特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a53と表示位置座標(x53,y53)及び関連画像データDHn6b53と表示位置座標(x53’,y532’)が、変動時間内の時刻t54に対して特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a54と表示位置座標(x54,y54)及び関連画像データDHn6b54と表示位置座標(x54’,y54’)が、記録されたものとなっている。
【0076】
この特殊表示演出用データDHn6が設定された変動ゲーム中演出データDHが実行されると、当該データの背景表示用データに対応する背景画像の前面側において飾り図柄の変動表示が開始される。その後、背景画像及び変動図柄の前面側において、図11(B)に示す様に、時刻t51になると表示位置座標(x51’,y51’)に関連画像データDHn6b51に対応する関連画像が、時刻t52になると表示位置座標(x52,y52)に特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a52に対応する特殊表示用キャラクタ画像が、時刻t53になると表示位置座標(x53,y53)に特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a53に対応する特殊表示用キャラクタ画像と表示位置座標(x53’,y53’)に関連画像データDHn6b53に対応する関連画像とが、時刻t54になると表示位置座標(x54,y54)に特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a54に対応する特殊表示用キャラクタ画像と表示位置座標(x54’,y54’)に関連画像データDHn6b54に対応する関連画像とが、それぞれ表示される。
【0077】
ここで、関連画像データDHn6b53に対応する関連画像は特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a53に対応する特殊表示用キャラクタ画像と形状的に対応し、視認性を異ならせたものであって、特殊表示用キャラクタ画像の表示レイヤよりも背面側のレイヤに表示される。このとき、関連画像データDHn6b53に対応する関連画像が特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a53に対応する特殊表示用キャラクタ画像から部分的にはみ出した状態で重なる様に、表示位置座標(x53,y53)と表示位置座標(x53’,y53’)とが設定されている。
【0078】
また、関連画像データDHn6b54に対応する関連画像は特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a54に対応する特殊表示用キャラクタ画像の影絵となり得るものであって、特殊表示用キャラクタ画像の表示レイヤよりも背面側のレイヤに表示される。このとき、関連画像データDHn6b54に対応する関連画像が特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a54に対応する特殊表示用キャラクタ画像から部分的にはみ出した状態で重なる様に、表示位置座標(x54,y54)と表示位置座標(x54’,y54’)とが設定されている。
【0079】
このデータ構成例5は、特殊表示演出が複数回実行されるものであって、いわゆる「疑似連」という変動ゲーム中演出を実行する際に用いられるものである。図示の例は、まず、時刻t51において関連画像データDHn6b51のみによる特殊キャラクタ表示が発生して「6リーチ」の発生を予感させ、時刻t52において「6リーチ」が発生するタイミングにおいて特殊表示用キャラクタ画像データDHn6b52のみによる特殊キャラクタ表示が発生して「疑似連」を予感させ、時刻t53において関連画像データDHn6b53と特殊表示用キャラクタ画像データDHn6b53とによる特殊キャラクタ表示の発生により「7リーチ」の発生を予感させ、時刻t54において「7リーチ」が発生するタイミングにおいて関連画像データDHn6b54と特殊表示用キャラクタ画像データDHn6b54とによる特殊キャラクタ表示の発生によりさらなる発展を予感させる変動ゲーム中データの例となっている。
【0080】
この結果、「キャラクタ画像に対するモーションブラー処理」や「キャラクタ画像に対するエフェクト処理」を変動ごとに施すことなく、変動中の適切なタイミングにおいて、モーションブラー処理を施したのと同様の躍動感や、エフェクト処理を施したのと同様の力強い縁取りを体感させる表示演出を実行することができる。
【0081】
[7.6 データ構成例6]
データ構成例6の特殊表示演出用データDHn6は、図12(A)に示す様に、変動時間内の時刻t61に対して関連画像データDHn6b61とその表示位置座標(x61’,y61’)が、変動時間内の時刻t62に対して関連画像データDHn6a62と表示位置座標(x62’,y62’)が、変動時間内の時刻t63に対して関連画像データDHn6a63と表示位置座標(x63’,y63’)が、変動時間内の時刻t64に対して特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a64と表示位置座標(x64,y64)が、記録されたものとなっている。
【0082】
この特殊表示演出用データDHn6が設定された変動ゲーム中演出データDHが実行されると、当該データの背景表示用データに対応する背景画像の前面側において飾り図柄の変動表示が開始され、その後、背景画像及び変動図柄の前面側において、図12(B)に示す様に、時刻t61になると表示位置座標(x61’,y61’)に関連画像データDHn6b61に対応する関連画像が、時刻t62になると表示位置座標(x62’,y62’)に関連画像データDHn6a62に対応する関連画像が、時刻t63になると表示位置座標(x63’,y63’)に関連画像データDHn6a63に対応する関連画像が、時刻t64になると表示位置座標(x64,y64)に特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a64に対応する特殊表示用キャラクタ画像が、それぞれ表示される。
【0083】
ここで、関連画像データDHn6b61~63に対応する関連画像は特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a64に対応する特殊表示用キャラクタ画像と形状的に対応し、視認性を異ならせたものであって、特殊表示用キャラクタ画像の表示レイヤよりも背面側のレイヤに表示される。また、関連画像データDHn6b61~63は、互いに視認性を異ならせたものとなっている。そして、表示位置座標(x61’,y61’)~(x63’,y63’),(x64,x64)は、表示画面の右上から左下に向かって表示位置を移動させる関係に設定してある。この結果、図12(B)に示す様に、特殊表示用キャラクタ画像データDHn64a64に対応する特殊表示用キャラクタ画像が、表示画面の右上から左下に向かって移動している様に見せ、変動ごとのモーションブラー処理を実行することなく、「躍動感あふれる表示演出」を実行することができる。
【0084】
[7.7 データ構成例7]
データ構成例7の特殊表示演出用データDHn6は、図13(A)に示す様に、変動時間内の時刻t71に対して特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a71と表示位置座標(x71,y71)及び関連画像データDHn6b71と表示位置座標(x71’,y71’)が記録されたものとなっている。そして、変動時間内の時刻t72に対しては、[データa:関連画像データDHn6a72と表示位置座標(x72a’,y72a’)]、[データb:特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a72bと表示位置座標(x72b,y72b)]、若しくは、「データc:特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a72cと表示位置座標(x72c,y72c)及び関連画像データDHn6b72cと表示位置座標(x72c’,y72c’)]のいずれかが記録されたものとなっている。時刻t72に対して[データa]~[データc]のいずれが記録されるかは、当該変動ゲーム中演出データと大当たり信頼度との関係に基づいて定められる。
【0085】
この特殊表示演出用データDHn6が設定された変動ゲーム中演出データDHが実行されると、当該データの背景表示用データに対応する背景画像の前面側において飾り図柄の変動表示が開始され、その後、背景画像及び変動図柄の前面側において、図13(B)に示す様に、時刻t71になると表示位置座標(x71,y71)に特殊表示用キャラクタ画像データDHn6b71に対応する特殊表示用キャラクタ画像と表示位置座標(x71’,y71’)に関連画像データDHn6a71に対応する関連画像とが表示される。その後、時刻t72になると、[特殊表示a:表示位置座標(x72a’,y72a’)に関連画像データDHn6a72aに対応する関連画像表示]、[特殊表示b:表示位置座標(x72b,y72b)に特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a72bに対応する特殊表示用キャラクタ画像表示]、若しくは、[特殊表示c:表示位置座標(x72c,y72c)に特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a72cに対応する特殊表示用キャラクタ画像表示及び表示位置座標(x72c’,y72c’)に関連画像データDHn6a72cに対応する関連画像表示]のいずれかが実行される。
【0086】
ここで、関連画像データDHn6b71,72aに対応する関連画像は特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a71に対応する特殊表示用キャラクタ画像と形状的に対応し、視認性を異ならせたものであり、関連画像データDHn6b72cに対応する関連画像は特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a71に対応する特殊表示用キャラクタ画像の影絵となり得るものであって、それぞれ特殊表示用キャラクタ画像の表示レイヤよりも背面側のレイヤに表示される。このとき、関連画像データDHn6b71に対応する関連画像が特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a71に対応する特殊表示用キャラクタ画像から部分的にはみ出した状態で重なる様に表示位置座標(x71,y71)と表示位置座標(x71’,y71’)とが、関連画像データDHn6b72cに対応する関連画像が特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a72cに対応する特殊表示用キャラクタ画像から部分的にはみ出した状態で重なる様に表示位置座標(x72c,y72c)と表示位置座標(x72c’,y72c’)とが、それぞれ設定されている。
【0087】
この変動ゲーム中演出データによれば、変動ごとのモーションブラー処理やエフェクト処理を実行することなく、大当たり信頼度を表現するモーションブラー類似の躍動感やエフェクト処理類似の縁取り効果を発揮することができる。
【0088】
[7.8 データ構成例8]
データ構成例8として、特殊表示用キャラクタ画像データDHn6a81(図14(B))に対する関連画像データとして、1個の関連画像データDHn6b81を演出データ記憶部320gに記憶している。関連画像データDHn6b81は、図8(A)に示す様に、カーソルキーCKの操作によってコントラストを高くした関連画像を表示する関連画像データDHn6b81Uとコントラストを低くした関連画像を表示する関連画像データDHn6b81Dとの間でコントラスト調整が可能となっている。このカーソルキーCKによるコントラスト調整は、遊技者による演出カスタマイズの際に実行され、この結果が特殊表示用データDHn6の関連画像データDHn6bに対して反映させる。
【0089】
こうしてカーソルキーCKを遊技者が操作することにより、キャラクタ画像と関連画像の間におけるコントラストを設定したり変更したりすることができる結果、特殊表示演出で表示する関連画像とキャラクタ画像とが同じであっても、遊技者の好みの目立たせ方で演出を楽しむことができ、そのために関連画像を多数用意する必要がない。
【0090】
以上、実施例によれば、縁取りによるキャラクタの強調表示や、躍動感あるキャラクタ表示演出を、変動時間に影響を与えることなく適確に実施することができる。
【0091】
以上、発明を実施するための最良の形態としての実施例を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
【0092】
例えば、パチンコ機ではなくスロットマシーンにおける表示演出においても、背景画像等よりも前側のレイヤにおいて縁取りやモーションブラー類似の特殊表示を実行する様に構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は遊技機に利用することができる。
【符号の説明】
【0094】
1・・・透明ベース板、7・・・始動入賞装置、10・・・遊技領域、11・・・障害釘、12・・・風車、15・・・大入賞口、17・・・誘導レール、18・・・普通入賞口、19・・・アウト口、20・・・右側遊技領域、27・・・第2始動入賞装置、30・・・センター飾り、31・・・仕切り装飾体、32・・・ステージ、33・・・ワープ通路、34・・・障害ブロック、35・・・右打ち通路、37・・・ゲート、41・・・左コーナー飾り、42・・・右コーナー飾り、50・・・開閉検知スイッチ、51・・・玉排出通路、310・・・主制御基板、311・・・特図1保留記憶部、312・・・特図2保留記憶部、315・・・通常状態用変動パターンテーブル、316・・・変短状態用変動パターンテーブル、320・・・演出制御基板、325・・・演出データ記憶手段、330・・・払出制御基板、335・・・BCユニット、340・・・発射制御基板、350・・・インタフェース基板、360・・・電源基板、370・・・演出表示制御基板、380・・・電源中継基板、390・・・球貸し操作基板、400・・・ホールコンピュータ、600・・・性能表示モニタ。
P1・・・パチンコ機、A・・・外枠、B・・・中枠、BUT・・・裏ユニット、BUT1・・・側枠、BUT2・・・背面枠、BUT3・・・開口、C・・・遊技盤、CK・・・カーソルキー、D・・・前枠、DH,DHn・・・変動ゲーム中演出データ、DHn1・・・背景表示用データ、DHn2・・・キャラクタ表示用データ、DHn3・・・発光演出用データ、DHn4・・・音声演出用データ、DHn5・・・可動体演出用データ、DHn6・・・特殊表示演出用データ、DHn6a,DHn6a11~DHn6a13,DHn6a21,DHn6a32,DHn6a33,DHn6a41,DHn6a52~DHn6a54,DHn6a44,DHn6a71,DHn6a72b,DHn6a72c,DHn6a81・・・特殊表示用キャラクタ画像データ、DHn6b,DHn6b13,DHn6b21~DHn6b24,DHn6b31,DHn6b32,DHn6b41~DHn6b44,DHn6b51,DHn6b53,DHn6b54,DHn6b61~DHn6b63,DHn6b71,DHn6b72a,DHn6b72c,DHn6b81,DHn6b81U,DHn6b81D・・・関連画像データ、DKZ・・・飾り図柄変動演出データ、DM・・・デモ中演出データ、DV・・・大当たり中演出データ、E・・・上の球受け皿、F・・・下の球受け皿、G・・・発射装置、H・・・施錠装置、IMGbgr・・・背景用画像情報、IMGkz・・・飾り図柄用画像情報、IMGch・・・キャラクタ図柄用画像情報、KBspl,KBspr,KBldl,KBldr,KBldu,KBg・・・基板、KBld1,KBld2・・・電飾基板、KDdwn・・・落下可動体、KDswing・・・振り子可動体、L7・・・リンク部材、L27・・・リンク部材、LCD・・・液晶表示装置、LD1,LD2・・・電飾装置、LDl,LDr,LDu・・・装飾ランプ、PB・・・プッシュボタン、RSCbgr,RSCkz,RSCch・・・ラスタ走査情報、SOL7・・・ソレノイド、SOL27・・・ソレノイド、SPl,SPr・・・スピーカ、SW1・・・特図1スイッチ、SW2・・・特図2スイッチ、SW7・・・入賞検知スイッチ(大入賞口)、SW11~SW13・・・入賞検知スイッチ(普通入賞口)、SW21・・・排出球検知センサ、SW37・・・普図スイッチ、TKZ・・・特図表示器、VWAR・・・視認領域、W・・・透視保護窓、WH・・・配線。
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