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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】流体供給システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20231024BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20231024BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20231024BHJP
   C23C 16/448 20060101ALI20231024BHJP
   B01J 7/00 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/205
H01L21/302 101G
C23C16/448
B01J7/00 Z
H01L21/302 101M
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021542046
(86)(22)【出願日】2020-06-24
(86)【国際出願番号】 JP2020024738
(87)【国際公開番号】W WO2021039073
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】P 2019156355
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高澤 竜平
(72)【発明者】
【氏名】田頭 直人
(72)【発明者】
【氏名】船引 輝幸
(72)【発明者】
【氏名】上林 正典
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0333621(US,A1)
【文献】特開2014-114463(JP,A)
【文献】特開平11-267492(JP,A)
【文献】特開平09-047697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/205
H01L 21/3065
C23C 16/448
B01J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プレートと、前記第1プレートと直交するように前記第1プレートの長手方向の一方側に設けられる第2プレートと、前記第1プレート及び前記第2プレートと直交するように前記第1プレートの高さ方向の一端に設けられる第3プレートと、を有する支持体と、
前記第3プレートに設けられ、液体を気化させ、液体の気化により生成された第1ガスを供給先に供給する第1ガス供給ユニットと、
前記第1プレート及び前記第2プレートのうちのいずれか一方に設けられ、液体を含む流体を、前記第1ガス供給ユニットに供給する液体供給ユニットと、
前記第1プレート及び前記第2プレートのうちのいずれか他方に設けられ、第2ガスを前記第1ガス供給ユニットに供給する第2ガス供給ユニットと、
前記第1ガス供給ユニットと前記液体供給ユニットとを連通する第1連通機構と、
前記第1ガス供給ユニットと前記第2ガス供給ユニットとを連通する第2連通機構と、を備える、流体供給システム。
【請求項2】
前記第1ガス供給ユニットは、前記第3プレートの外面に設けられ、
前記液体供給ユニットは、前記第2プレートの内面に設けられ、
前記第3プレートには、第1開口が形成され、
前記第1連通機構は、前記第1開口に収容されるように設けられる連通流路形成ブロックを有する、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項3】
前記第1ガス供給ユニットは、前記長手方向に沿って延在するように設けられ、
前記液体供給ユニットは、前記高さ方向に沿って延在するように設けられ、
前記連通流路形成ブロックは、前記高さ方向に沿って延在するように設けられる直方体であり、
前記液体供給ユニットの一端と前記第1ガス供給ユニットの一端とは、前記連通流路形成ブロックによって接続される、請求項2に記載の流体供給システム。
【請求項4】
前記連通流路形成ブロックには、L字型の連通流路が形成され、
前記液体供給ユニット及び前記第1ガス供給ユニットには、それぞれ第1流路及び第2流路が形成され、
前記第1流路と前記第2流路とは、L字型の前記連通流路によって連通される、請求項3に記載の流体供給システム。
【請求項5】
前記第3プレートには、第2開口が形成され、
前記第2連通機構は、前記第2開口に収容されるように設けられる連通管を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の流体供給システム。
【請求項6】
前記第2ガス供給ユニットは、前記高さ方向から見て少なくとも一部が前記長手方向に沿って前記第1ガス供給ユニットと重なるように設けられる、請求項1から5のいずれか1項に記載の流体供給システム。
【請求項7】
前記第3プレートは、前記第1プレート及び前記第2プレートによって支持される、請求項1から6のいずれか1項に記載の流体供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
JP2016-211021Aには、液体を気化させることにより生成されたプロセスガスを供給先に供給するプロセスガス供給ユニットが開示されている。
【発明の概要】
【0003】
流体供給システムにおいて、JP2016-211021Aのプロセスガス供給ユニットと、プロセスガス供給ユニットに液体を供給する液体供給ユニットと、プロセスガス供給ユニットにパージガスを供給するパージガス供給ユニットとを、同一平面上に設けることは、一般的に考えられる。しかしながら、この場合、プロセスガス供給ユニット、液体供給ユニット及びパージガス供給ユニットを同一平面状に設けるスペースを確保する必要があるので、流体供給システム全体のコンパクト化が図られないという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、コンパクト化を図ることができる流体供給システムを提供することを目的とする。
【0005】
本発明のある態様によれば、第1プレートと、前記第1プレートと直交するように前記第1プレートの長手方向の一方側に設けられる第2プレートと、前記第1プレート及び前記第2プレートと直交するように前記第1プレートの高さ方向の一端に設けられる第3プレートと、を有する支持体と、前記第3プレートに設けられ、液体を気化させ、液体の気化により生成された第1ガスを供給先に供給する第1ガス供給ユニットと、前記第1プレート及び前記第2プレートのうちのいずれか一方に設けられ、液体を前記第1ガス供給ユニットに供給する液体供給ユニットと、前記第1プレート及び前記第2プレートのうちのいずれか他方に設けられ、第2ガスを前記第1ガス供給ユニットに供給する第2ガス供給ユニットと、前記第1ガス供給ユニットと前記液体供給ユニットとを連通する第1連通機構と、前記第1ガス供給ユニットと前記第2ガス供給ユニットとを連通する第2連通機構と、を備える、流体供給システムが提供される。
【0006】
本発明の態様によれば、流体供給システム全体のコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の実施形態に係る流体供給システムを示す斜視図である。
図2図2は、流体供給システムを示す左側面図である。
図3図3は、流体供給システムを示す上面図である。
図4図4は、液体供給ユニットと液体供給ユニットが設けられた側板とを示す説明図である。
図5図5は、流体供給システムを示す正面図である。
図6図6は、流体供給システムの回路図である。
図7図7は、連通流路形成ブロックの周辺を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、本実施形態と称する。)について説明する。本明細書においては、全体を通じて、同一の要素には同一の符号を付する。また、図中において、流体供給システム1の長手方向、幅方向及び高さ方向を、それぞれX軸に沿う方向、Y軸に沿う方向及びZ軸に沿う方向とする。以下、説明の便宜上、流体供給システム1の長手方向、幅方向及び高さ方向を単に長手方向、幅方向及び高さ方向と称する。なお、前記指定の方向は、実際の取り付け時の方向によらない。
【0009】
図1は、流体供給システム1を示す斜視図である。図2は、流体供給システム1を示す左側面図である。図3は、流体供給システム1を示す上面図である。図4は、液体供給ユニットと液体供給ユニットが設けられた側板とを示す説明図である。図5は、流体供給システム1を示す正面図である。図6は、流体供給システム1の回路図である。図7は、連通流路形成ブロック51の周辺を示す概略断面図である。
【0010】
本実施形態に係る流体供給システム1は、半導体製造装置(CVD装置、スパッタリング装置、エッチング装置等)における第1ガスとしてのプロセスガス及び第2ガスとしてのパージガスの供給手段に用いられる。
【0011】
図1から図5に示すように、流体供給システム1は、支持体2と、液体供給ユニット3と、第1ガス供給ユニットとしてのプロセスガス供給ユニット4と、第1連通機構5と、第2ガス供給ユニットとしてのパージガス供給ユニット6と、第2連通機構7と、を備える。
【0012】
支持体2は、液体供給ユニット3、プロセスガス供給ユニット4及びパージガス供給ユニット6が設けられる金属製(例えば、スチール製)の支持部材である。支持体2は、第1プレートとしてのベース板21と、第2プレートとしての側板22と、補助板23と、第3プレートとしての天板24と、を有する。
【0013】
ベース板21は、例えばねじ締め等によって、取付部としての壁部(図示しない)に取り付けられる矩形状の板金である。ベース板21は、X軸及びZ軸の両方に沿って延在する第1平面に形成される。また、ベース板21は、壁部が当接する取付面としての外面211と、外面211とは反対の面である内面212と、を有する。ベース板21の内面212には、例えばねじ締め等によって、パージガス供給ユニット6が設けられる。
【0014】
このように、パージガス供給ユニット6は、壁部に取り付けられたベース板21の内面212(すなわち、ユーザがアクセスしやすい位置)に設けられるので、ユーザがパージガス供給ユニット6に対する作業等を行いやすくなる。
【0015】
側板22は、例えばねじ締めによってベース板21の長手方向の一方側(図1の右側)に設けられる矩形状の板金である。側板22は、ベース板21と直交するように、Y軸及びZ軸の両方に沿って延在する第2平面に形成される。また、側板22は、補助板23に対向する対向面としての内面221と、内面221とは反対の面である外面222と、を有する。側板22の内面221には、例えばねじ締め等によって、液体供給ユニット3が設けられる。
【0016】
図2に示すように、補助板23は、例えばねじ締めによってベース板21の長手方向の他方側(図1の左側)に設けられる直角三角形状の板金である。補助板23は、ベース板21と直交するように、Y軸及びZ軸の両方に沿って延在し第2平面と平行になる第4平面に形成される。また、補助板23は、支持体2全体の強度を高めるための板金である。
【0017】
天板24は、例えばねじ締めによってベース板21の高さ方向の一端(図1の上端)に設けられる矩形状の板金である。天板24は、ベース板21及び側板22(補助板23)と直交するように、X軸及びY軸の両方に沿って延在する第3平面に形成される。また、天板24は、液体供給ユニット3及びパージガス供給ユニット6に対向する対向面としての内面241と、内面241とは反対の面である外面242と、を有する。天板24の外面242には、例えばねじ締め等によって、プロセスガス供給ユニット4が設けられる。
【0018】
図3に示すように、天板24には、後述する複数の連通流路形成ブロック51がそれぞれ貫通可能な複数(ここでは、二つ)の第1開口としての矩形状の第1貫通孔243が形成される。具体的には、複数の第1貫通孔243は、幅方向に所定の間隔を空けて配列されるように天板24の長手方向の一端側(図1の右側)に形成される。なお、第1貫通孔243の数は、液体供給ユニット3を構成する液体供給部31の数と同じである。すなわち、第1貫通孔243の数は、液体供給部31の数に対応している。
【0019】
また、天板24には、後述する複数(ここでは、四本/図6参照)の連通管71が貫通可能な一つの第2開口としての矩形状の第2貫通孔244が形成される。具体的には、一つの第2貫通孔244は、天板24の長手方向に沿って延在するように天板24の長手方向の他端側(図1の左側)に形成される。
【0020】
天板24は、その長手方向の一端(図1の右端)が側板22の一端(図1の上端)に接続され、その長手方向の他端(図1の左端)が補助板23に接続される。これにより、天板24及び天板24に設けられるプロセスガス供給ユニット4は、ベース板21、側板22及び補助板23によって支持される。したがって、天板24及びプロセスガス供給ユニット4を支持する部材を別途設ける必要がないので、流体供給システム1全体の簡素化を図ることができる。
【0021】
このように、液体供給ユニット3、プロセスガス供給ユニット4及びパージガス供給ユニット6を、それぞれ支持体2の側板22、天板24及びベース板21に設けることにより、流体供給システム1の立体的な配置を図ることができる。このため、液体供給ユニット3、プロセスガス供給ユニット4及びパージガス供給ユニット6を同一平面上に設ける場合に比べ、流体供給システム1全体のコンパクト化を図ることができる。
【0022】
図1及び図4に示すように、液体供給ユニット3は、液体供給源としての液体タンクT1(図6参照)から供給される液体を含む流体を、第1連通機構5を通じてプロセスガス供給ユニット4に供給するユニットである。そして、複数種の液体の切り替え及びパージの観点から、液体供給ユニット3は、複数(ここでは、二つ)の液体供給部31及び液体排出部を有する。複数の液体供給部31は、幅方向に所定の間隔を空けて配列されるように設けられる。
【0023】
液体供給部31は、高さ方向に沿って延在するように支持体2の側板22の内面221に設けられる。液体供給部31は、内部に流路が形成される第1流路形成ブロックと、第1流路形成ブロック上に設けられる第1流体機器と、を有する。第1流体機器として、例えば、オートバルブ及びハンドバルブ等が挙げられる。なお、液体供給部31には、昇温のためのヒータが取り付けられてもよい。
【0024】
また、液体供給部31は、図6に示すように、第1流路形成ブロックの流路から構成される第1流路としての液体供給ライン313、パージライン314及び分岐ライン315を有する。液体供給ライン313には、ハンドバルブ又はオートバルブ等が設けられる。
【0025】
パージライン314は、流体供給ライン64(65)から分岐し、分岐管72a(72b)を通じてパージライン314に接続される。パージライン314には、ハンドバルブ又はオートバルブ等が設けられる。
【0026】
分岐ライン315は、廃棄のためのラインである。また、分岐ライン315は、液体供給ライン313から分岐し、外部の連通管(図示しない)に接続される。分岐ライン315には、ハンドバルブ又はオートバルブ等が設けられる。
【0027】
図1及び図3に示すように、プロセスガス供給ユニット4は、液体供給ユニット3から供給される液体を気化させ、液体を気化させることにより生成されたプロセスガスの流れを制御し、流れが制御されたプロセスガスを供給先としてのチャンバ(図示しない)に供給するユニットである。そして、プロセスガス供給ユニット4は、複数(ここでは、二つ)のプロセスガス供給部41から構成される。複数のプロセスガス供給部41は、幅方向に所定の間隔を空けて配列されるように設けられる。なお、プロセスガス供給ユニット4を構成するプロセスガス供給部41の数は、液体供給ユニット3を構成する液体供給部31の数と同じである。すなわち、プロセスガス供給部41の数は、液体供給部31の数に対応している。
【0028】
プロセスガス供給部41は、長手方向に沿って延在するように支持体2の天板24の外面242に設けられる。プロセスガス供給部41は、内部に流路が形成される第2流路形成ブロックと、第2流路形成ブロック上に設けられる第2流体機器と、を有する。第2流体機器として、例えば、オートバルブ及び流量制御部等が挙げられる。
【0029】
また、プロセスガス供給部41は、図6に示すように、第2流路形成ブロックの流路から構成される第2流路としての流体供給ライン413、パージライン414及びパージライン415と、プロセスガス供給部41全体を加熱するヒータ416と、を有する。流体供給ライン413には、オートバルブ又は流量制御部等が設けられる。
【0030】
パージライン414は、流体供給ライン64(65)から分岐し、連通管71a(71b)を通じて流体供給ライン413に接続される。パージライン414には、オートバルブ等が設けられる。
【0031】
パージライン415は、流体供給ライン66(63)から連通し、後述する連通管71c(71d)を通じて流体供給ライン413に接続される。パージライン415には、オートバルブ等が設けられる。
【0032】
プロセスガス供給部41は、流体供給ライン413の一部において、液体供給ユニット3から供給される液体を、ヒータ416の加熱によって気化させる。その後、プロセスガス供給部41は、流量が制御されたプロセスガスを連通管(図示しない)を通じてチャンバに供給する。
【0033】
図1図3及び図6に示すように、第1連通機構5は、液体供給ユニット3とプロセスガス供給ユニット4とを連通するための機構である。第1連通機構5は、複数(ここでは、二つ)の連通流路形成ブロック51から構成される。なお、第1連通機構5を構成する連通流路形成ブロック51の数は、天板24における第1貫通孔243の数と同じである。すなわち、連通流路形成ブロック51の数は、第1貫通孔243の数に対応している。複数の連通流路形成ブロック51は、幅方向に所定の間隔を空けて配列されるように設けられる。
【0034】
連通流路形成ブロック51は、液体供給ユニット3を構成する液体供給部31の一端(図1の上端)と、プロセスガス供給ユニット4を構成するプロセスガス供給部41の一端(図1の右端)とを連通する直方体のブロックである。また、連通流路形成ブロック51は、天板24における第1貫通孔243を貫通して高さ方向に沿って延在するように設けられる。換言すれば、連通流路形成ブロック51は、第1貫通孔243に収容されるように設けられる。
【0035】
このように、液体供給部31とプロセスガス供給部41とは、第1貫通孔243を貫通して設けられる連通流路形成ブロック51によって連通されるので、液体供給部31を側板22の内面221に設けるとともにプロセスガス供給部41を天板24の外面242に設けることができる。このため、液体供給部31及びプロセスガス供給部41をそれぞれ側板22の外面222及び天板24の外面242に設ける流体供給システムに比べ、流体供給システム1全体のコンパクト化をより図ることができる。
【0036】
さらに、液体供給部31の一端とプロセスガス供給部41の一端とは、連通流路形成ブロック51によって接続されるので、液体供給部31の一端とプロセスガス供給部41の一端との接続は、連通流路形成ブロック51の配設によって容易に実現される。また、液体供給部31の一端とプロセスガス供給部41の一端とを、高さ方向に沿って延在する連通流路形成ブロック51によって接近させて設けることができる。
【0037】
なお、図5に示すように、液体供給ユニット3は、上面(高さ方向)から見て少なくとも一部が長手方向に沿ってプロセスガス供給ユニット4と重なるように設けられる。これにより、液体供給ユニット3が長手方向に沿ってプロセスガス供給ユニット4と重ならないように設けられる流体供給システムに比べ、流体供給システム1の長手方向における大きさを小さくすることができる。このため、流体供給システム1全体のコンパクト化をより図ることができる。
【0038】
なお、液体供給部31(具体的には、第1流路形成ブロック)の一端は、天板24の第1貫通孔243を貫通していない。これにより、第1貫通孔243を、連通流路形成ブロック51のみが貫通可能な大きさにすればよいので、第1貫通孔243を大きく形成せずに、第1貫通孔243の過大形成による天板24の強度低下を抑制することができる。
【0039】
図7に示すように、連通流路形成ブロック51は、例えばねじ締めによって液体供給部31(具体的には、第1流路形成ブロック)の一端(上端)及びプロセスガス供給部41(具体的には、第2流路形成ブロック)の一端(右端)に接続される。連通流路形成ブロック51は、その下端面52が液体供給部31の一端に当接するとともに、その左端面53がプロセスガス供給部41の一端に当接する。
【0040】
連通流路形成ブロック51の内部には、断面視においてL字型の連通流路54が形成される。L字型の連通流路54の一端及び他端は、それぞれ連通流路形成ブロック51の下端面52及び左端面53に開口する。
【0041】
図6及び図7に示すように、第1流路形成ブロックの内部に形成される液体供給ライン313の下流側の一端と、第2流路形成ブロックの内部に形成される流体供給ライン413の上流側の一端とは、直方体の連通流路形成ブロック51の内部に形成されるL字型の連通流路54によって連通される。これにより、L字型の連通流路形成ブロックに比べ、連通流路54を短くすることができるので、液体供給部31の液体供給ライン313から液体をL字型の連通流路54を通じて、迅速にプロセスガス供給部41の流体供給ライン413に供給することができる。
【0042】
なお、第1流路形成ブロック又は第2流路形成ブロックと連通流路形成ブロック51の下端面52又は左端面53との繋目に形成される隙間による液体の漏れを防止するために、下端面52及び左端面53の両方にL字型の連通流路54の両端の周囲を囲むようにシール部材(例えば、樹脂製のOリング)を設けることが好ましい。
【0043】
図5及び図6に示すように、パージガス供給ユニット6は、パージガス供給源としてのパージガスタンクT2から供給されるパージガスの流れを制御し、流れが制御されたパージガスを液体供給ユニット3及びプロセスガス供給ユニット4に供給するユニットである。なお、パージガスは、不活性ガス(例えば、窒素)である。
【0044】
パージガス供給ユニット6は、高さ方向に沿って延在するように支持体2のベース板21の内面212に設けられる。パージガス供給ユニット6は、内部に流路が形成される第3流路形成ブロックと、第3流路形成ブロック上に設けられる第3流体機器と、を有する。第3流体機器として、ハンドルバルブ、オートバルブ、マスフローコントローラ、チェックバルブ及び圧力計等が挙げられる。
【0045】
なお、図5に示すように、パージガス供給ユニット6は、上面(高さ方向)から見て少なくとも一部が長手方向に沿ってプロセスガス供給ユニット4と重なるように設けられる。これにより、パージガス供給ユニット6が長手方向に沿ってプロセスガス供給ユニット4と重ならないように設けられる流体供給システムに比べ、流体供給システム1の長手方向における大きさを小さくすることができる。このため、流体供給システム1全体のコンパクト化をより図ることができる。
【0046】
また、パージガス供給ユニット6は、図6に示すように、第3流路形成ブロックの流路から構成される流体供給ライン63,64,65,66,67,68及び分流流路69を有する。流体供給ライン63には、ハンドバルブ、圧力計、オートバルブ、マスフローコントローラ(又はマスフローメータ、その他の流量計)及びチェックバルブ等が設けられる。ここでは、パージガスの流量に応じてプロセスガス供給ユニット4内の熱が奪われるため、精密な温度制御のためにマスフローコントローラが設けられている。
【0047】
分流流路69は、流体供給ライン63と、流体供給ライン64,65,66,67,68の上流側の一端と、を連通する。そして、流体供給ライン63を流れるパージガスの一部を、分流流路69によって流体供給ライン64,65,66,67,68に分流することができる。
【0048】
流体供給ライン64には、マスフローコントローラ、ハンドバルブ、オートバルブ及びチェックバルブ等が設けられる。流体供給ライン65には、マスフローコントローラ、ハンドバルブ、オートバルブ及びチェックバルブ等が設けられる。流体供給ライン66には、マスフローコントローラ、オートバルブ及びチェックバルブ等が設けられる。
【0049】
流体供給ライン67には、マスフローコントローラ及びオートバルブ等が設けられる。流体供給ライン68には、マスフローコントローラ及びオートバルブ等が設けられる。流体供給ライン67,68は、外部の連通管(図示しない)に接続される。
【0050】
図1図3及び図6に示すように、第2連通機構7は、プロセスガス供給ユニット4とパージガス供給ユニット6とを連通するとともに液体供給ユニット3とパージガス供給ユニット6とを連通するための機構である。第2連通機構7は、複数本(ここでは、四本)の連通管71(71a,71b,71c,71d)と、複数本(ここでは、二本)の分岐管72(72a,72b)と、を有する。
【0051】
連通管71(71a,71b,71c,71d)は、パージガス供給ユニット6の一端(図1の上端)と、プロセスガス供給ユニット4を構成するプロセスガス供給部41とを連通する管である。また、連通管71(71a,71b,71c,71d)は、天板24における第2貫通孔244を貫通して設けられる。換言すれば、連通管71(71a,71b,71c,71d)は、第2貫通孔244に収容されるように設けられる。これにより、パージガス供給ユニット6とプロセスガス供給部41との連通は、第2貫通孔244を貫通して設けられる連通管71によって容易に実現される。
【0052】
図6に示すように、流体供給ライン64の下流側の一端と一方のプロセスガス供給部41におけるパージライン414の一端とは、連通管71aによって連通される。流体供給ライン65の下流側の一端と他方のプロセスガス供給部41におけるパージライン414の一端とは、連通管71bによって連通される。流体供給ライン66の下流側の一端と一方のプロセスガス供給部41におけるパージライン415の一端とは、連通管71cによって連通される。流体供給ライン63の下流側の一端と他方のプロセスガス供給部41におけるパージライン415の一端とは、連通管71dによって連通される。
【0053】
これにより、パージガスは、パージガス供給ユニット6から連通管71(71a,71b,71c,71d)を通じてプロセスガス供給部41に供給され、プロセスガス供給部41内をパージすることができる。
【0054】
分岐管72a及び分岐管72bは、それぞれ連通管71a及び連通管71bから分岐し、連通管71a及び連通管71bとともに、液体供給ユニット3を構成する液体供給部31とパージガス供給ユニット6とを連通する。具体的には、分岐管72aは、一方の液体供給部31におけるパージライン314に連通されるとともに、分岐管72bは、他方の液体供給部31におけるパージライン314に連通される。なお、分岐管72a,72bは、第2貫通孔244を貫通していない。
【0055】
これにより、パージガスは、パージガス供給ユニット6から連通管71(71a,71b)及び分岐管72(72a,72b)を通じて液体供給部31に供給され、液体供給部31内をパージすることができる。
【0056】
次に、本実施形態による作用効果について説明する。
【0057】
本実施形態に係る流体供給システム1は、ベース板21と、ベース板21と直交するようにベース板21の長手方向の一方側に設けられる側板22と、ベース板21及び側板22と直交するようにベース板21の高さ方向の一端に設けられる天板24と、を有する支持体2と、天板24に設けられ、液体を気化させ、液体の気化により生成されたプロセスガスをチャンパに供給するプロセスガス供給ユニット4と、側板22に設けられ、液体を含む流体を、プロセスガス供給ユニット4に供給する液体供給ユニット3と、ベース板21に設けられ、パージをプロセスガス供給ユニット4に供給するパージガス供給ユニット6と、プロセスガス供給ユニット4と液体供給ユニット3とを連通する第1連通機構5と、プロセスガス供給ユニット4とパージガス供給ユニット6とを連通する第2連通機構7と、を備える。
【0058】
この構成によれば、液体供給ユニット3、プロセスガス供給ユニット4及びパージガス供給ユニット6を、それぞれ支持体2の側板22、天板24及びベース板21に設けることにより、流体供給システム1の立体的な配置を図ることができる。このため、液体供給ユニット3、プロセスガス供給ユニット4及びパージガス供給ユニット6を同一平面上に設ける場合に比べ、流体供給システム1全体のコンパクト化を図ることができる。また、各ユニット(液体供給ユニット3、プロセスガス供給ユニット4及びパージガス供給ユニット6)を別々の板に設けるようにしたので、ベース板21、側板22及び天板24自身のコンパクト化を図ることができる。
【0059】
さらに、液体供給ユニット3、プロセスガス供給ユニット4及びパージガス供給ユニット6は、それぞれ支持体2の側板22、天板24及びベース板21に設けられるので、他の装置からの振動による流体供給システム1への影響を抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態では、プロセスガス供給ユニット4は、天板24の外面242に設けられ、液体供給ユニット3は、側板22の内面221に設けられ、天板24には、第1貫通孔243が形成され、第1連通機構5は、第1貫通孔243に収容されるように設けられる連通流路形成ブロック51を有する。
【0061】
この構成によれば、液体供給ユニット3とプロセスガス供給ユニット4とは、第1貫通孔243を貫通して設けられる連通流路形成ブロック51によって連通されるので、液体供給ユニット3を側板22の内面221に設けるとともにプロセスガス供給ユニット4を天板24の外面242に設けることができる。このため、液体供給部31及びプロセスガス供給部41をそれぞれ側板22の外面222及び天板24の外面242に設ける流体供給システムに比べ、流体供給システム1全体のコンパクト化をより図ることができる。
【0062】
また、本実施形態では、プロセスガス供給ユニット4は、長手方向に沿って延在するように設けられ、液体供給ユニット3は、高さ方向に沿って延在するように設けられ、連通流路形成ブロック51は、高さ方向に沿って延在するように設けられる直方体であり、液体供給ユニット3の一端とプロセスガス供給ユニット4の一端とは、連通流路形成ブロック51によって接続される。
【0063】
この構成によれば、液体供給ユニット3の一端とプロセスガス供給ユニット4の一端との接続は、連通流路形成ブロック51の配設によって容易に実現される。また、液体供給ユニット3の一端とプロセスガス供給ユニット4の一端とを、高さ方向に沿って延在する連通流路形成ブロック51によって接近させて設けることができる。
【0064】
また、本実施形態では、連通流路形成ブロック51には、L字型の連通流路54が形成され、液体供給ユニット3及びプロセスガス供給ユニット4には、それぞれ液体供給ライン313及び流体供給ライン413が形成され、液体供給ライン313と流体供給ライン413とは、L字型の連通流路54によって連通される。
【0065】
この構成によれば、第1流路形成ブロックの内部に形成される液体供給ライン313の下流側の一端と、第2流路形成ブロックの内部に形成される流体供給ライン413の上流側の一端とは、直方体の連通流路形成ブロック51の内部に形成されるL字型の連通流路54によって連通される。これにより、L字型の連通流路形成ブロックに比べ、連通流路54を短くすることができるので、液体供給部31の液体供給ライン313から液体をL字型の連通流路54を通じて、迅速にプロセスガス供給部41の流体供給ライン413に供給することができる。
【0066】
また、本実施形態では、天板24には、第2貫通孔244が形成され、第2連通機構7は、第2貫通孔244に収容されるように設けられる連通管71を有する。
【0067】
この構成によれば、プロセスガス供給ユニット4とパージガス供給ユニット6との連通は、第2貫通孔244に収容されるように設けられる連通管71によって容易に実現される。
【0068】
また、本実施形態では、パージガス供給ユニット6は、高さ方向から見て少なくとも一部が長手方向に沿ってプロセスガス供給ユニット4と重なるように設けられる。
【0069】
この構成によれば、パージガス供給ユニット6が長手方向に沿ってプロセスガス供給ユニット4と重ならないように設けられる流体供給システムに比べ、流体供給システム1の長手方向における大きさを小さくすることができる。このため、流体供給システム1全体のコンパクト化をより図ることができる。
【0070】
また、本実施形態では、天板24は、ベース板21及び側板22によって支持される。
【0071】
この構成によれば、天板24及びプロセスガス供給ユニット4を支持する部材を別途設ける必要がないので、流体供給システム1全体の簡素化を図ることができる。
【0072】
以上、本実施形態について説明したが、上述した実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上述した実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0073】
(変形例)
上述した実施形態では、液体供給ユニット3及びパージガス供給ユニット6は、それぞれ側板22の内面221及びベース板21の内面212に設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、それぞれベース板21の内面212及び側板22の内面221に設けられてもよい。すなわち、液体供給ユニット3を、ベース板21及び側板22のうちのいずれか一方に設けるとともに、パージガス供給ユニット6を、ベース板21及び側板22のうちのいずれか他方に設ければよい。
【0074】
また、上述した実施形態では、支持体2は、ベース板21、側板22、補助板23及び天板24を有しているが、これに限定されるものではなく、例えば補助板23を有さず、ベース板21、側板22及び天板24のみを有してもよい。
【0075】
また、上述した実施形態では、天板24における第1貫通孔243は、複数によって構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば一つによって構成されてもよい。この場合、一つの第1貫通孔243には、二つの連通流路形成ブロック51が貫通される。
【0076】
また、上述した実施形態では、第1開口は、連通流路形成ブロック51を貫通させる第1貫通孔243から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば第1切欠部から構成されてもよい。この場合、天板24における第1切欠部には、連通流路形成ブロック51が収容される。
【0077】
また、上述した実施形態では、第2開口は、複数の連通管71を貫通させる第2貫通孔244から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば第2切欠部が形成されてもよい。この場合、天板24における第2切欠部には、複数の連通管71が収容される。
【0078】
また、上述した実施形態では、液体供給ユニット3は、複数の液体供給部31から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば一つの液体供給部31から構成されてもよい。この場合、プロセスガス供給ユニット4及び第1連通機構5は、それぞれ一つのプロセスガス供給部41及び一つの連通流路形成ブロック51から構成される。すなわち、液体供給部31の数は、プロセスガス供給部41及び連通流路形成ブロック51の数に対応している。
【0079】
本願は2019年8月29日に日本国特許庁に出願された特願2019-156355に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7