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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】給湯システム
(51)【国際特許分類】
   F24D 17/00 20220101AFI20231024BHJP
   F24D 17/02 20060101ALI20231024BHJP
   F24H 1/18 20220101ALI20231024BHJP
   F24H 15/10 20220101ALI20231024BHJP
   F24H 15/223 20220101ALI20231024BHJP
   F24H 15/238 20220101ALI20231024BHJP
   F24H 15/355 20220101ALI20231024BHJP
   F24H 15/375 20220101ALI20231024BHJP
【FI】
F24D17/00 P
F24D17/02
F24H1/18 B
F24H1/18 D
F24H1/18 H
F24H15/10
F24H15/223
F24H15/238
F24H15/355
F24H15/375
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022091472
(22)【出願日】2022-06-06
(62)【分割の表示】P 2018194344の分割
【原出願日】2018-10-15
(65)【公開番号】P2022116311
(43)【公開日】2022-08-09
【審査請求日】2022-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000170130
【氏名又は名称】パーパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(74)【代理人】
【識別番号】100206933
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】辰己 敏也
(72)【発明者】
【氏名】高杉 英樹
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-133735(JP,A)
【文献】特開2016-133225(JP,A)
【文献】特開2012-117782(JP,A)
【文献】特開2006-329576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 17/00 - 19/10
F24H 1/00 - 15/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯タンクに貯湯する温水に熱媒の熱を熱交換する第1の熱交換部を備え、かつ前記貯湯タンク内の前記温水を加熱する第2の熱交換部を備えるハイブリッド給湯装置と、
複数の前記ハイブリッド給湯装置を並列に接続して給湯需要箇所に前記温水を供給する給湯流路と、
前記第1の熱交換部または前記第2の熱交換部の何れか一方または双方の稼働を制御する制御部と、
前記制御部を通して前記第1の熱交換部または前記第2の熱交換部を制御するマルチ制御手段と、
を備え、前記マルチ制御手段は、
全ての前記ハイブリッド給湯装置から状態情報を取得し、前記ハイブリッド給湯装置の少なくとも駆動状態、前記貯湯タンク内の蓄熱状態を含む管理情報ファイルを生成し、
記管理情報ファイルから読み出した全ての前記ハイブリッド給湯装置の蓄熱状態と稼働時間情報を組み合せて、駆動開始または停止させる前記ハイブリット給湯装置を選択
さらに、稼働中の台数情報および切替え流量情報を利用して算出した通水量が現在の通水量よりも多い場合、稼働中の前記ハイブリッド給湯装置から所定台数を減らしたと想定して算出した通水量もしくは所定の割合情報を利用して算出した通水量と現在の通水量とを比較し、その比較結果とともに稼働中の前記ハイブリッド給湯装置の蓄熱状態を判断し、蓄熱がない前記ハイブリッド給湯装置を優先的に選択して、停止させる前記ハイブリッド給湯装置の決定および停止させる台数を判定する、
ことを特徴とする給湯システム。
【請求項2】
前記第1の熱交換部は、前記温水を熱媒で加熱するヒートポンプユニットであり、前記第2の熱交換部は、前記温水を燃焼熱で加熱する給湯装置であることを特徴とする請求項1に記載の給湯システム。
【請求項3】
前記マルチ制御手段は、前記給湯流路に流れる前記温水の流量により前記ハイブリッド給湯装置の駆動台数または休止台数を増減させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の給湯システム。
【請求項4】
前記ハイブリッド給湯装置は、前記第1の熱交換部の動作条件に対し、前記第2の熱交換部の動作条件が異なることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の給湯システム。
【請求項5】
前記マルチ制御手段は、前記貯湯タンクの温水温度により前記ハイブリッド給湯装置の駆動台数または休止台数を増減させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかの請求項に記載の給湯システム。
【請求項6】
前記マルチ制御手段は、前記第1の熱交換部の稼働時間に応じて前記ハイブリッド給湯装置の駆動台数または休止台数を増減させることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかの請求項に記載の給湯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、温水を貯湯する貯湯タンクとともに加熱源が異なる複数の熱交換部を備えるいわゆるハイブリッド給湯装置を併用する給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ホテルなどの共同利用施設では小容量から大容量の給湯消費に対応する給湯システムが必要である。この給湯システムでは、複数の熱源機を併設し、給湯消費に即応できる循環回路が必要である。
斯かる給湯システムに関し、複数の給湯器が給湯先に給湯する循環路により並列に接続され、各給湯器を共通の制御部によって制御することが知られている(たとえば、特許文献1)。
また、給湯システムでは温水を貯湯する貯湯タンクが備えられ、この貯湯タンクの下層水をヒートポンプで加熱して貯湯タンクの上層に戻し、貯湯タンクの不足した熱量を給湯機でバックアップ加熱することが知られている(たとえば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-329576号公報
【文献】特開2016-133225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従前の給湯システム(たとえば、特許文献1)では、複数の給湯器の給湯能力が加算されるので、大容量の給湯消費に向けての給湯制御が可能であるものの、給湯能力は各給湯器に比例しており、各給湯器の給湯機能に依存するという課題がある。
本開示の技術の発明者は、給湯システムに貯湯タンクを備えれば(たとえば、特許文献2)、貯湯タンクに貯湯する温水の蓄熱機能を活用し、給湯機能を高めることができるという知見を得た。しかしながら、ひとつの給湯器に貯湯タンクを備えたとしても、ホテルなどの共同利用施設における小容量から大容量の給湯消費に対応するには不十分であるという課題がある。
そこで、本開示の技術は上記課題と上記知見とにより、小容量から大容量に変動する給湯消費に対応するマルチ給湯システムを実現することにある。
【0005】
斯かる要求や課題について、特許文献1または特許文献2にはその開示や示唆はなく、それを解決する構成等についての開示や示唆はない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の給湯システムの一側面によれば、貯湯タンクに貯湯する温水に熱媒の熱を熱交換する第1の熱交換部を備え、かつ前記貯湯タンク内の前記温水を加熱する第2の熱交換部を備えるハイブリッド給湯装置と、複数の前記ハイブリッド給湯装置を並列に接続して給湯需要箇所に前記温水を供給する給湯流路と、前記第1の熱交換部または前記第2の熱交換部の何れか一方または双方の稼働を制御する制御部と、前記制御部を通して前記第1の熱交換部または前記第2の熱交換部を制御するマルチ制御手段とを備え、前記マルチ制御手段は、全ての前記ハイブリッド給湯装置から状態情報を取得し、前記ハイブリッド給湯装置の少なくとも駆動状態、前記貯湯タンク内の蓄熱状態を含む管理情報ファイルを生成し、記管理情報ファイルから読み出した全ての前記ハイブリッド給湯装置の蓄熱状態と稼働時間情報を組み合せて、駆動開始または停止させる前記ハイブリット給湯装置を選択さらに、稼働中の台数情報および切替え流量情報を利用して算出した通水量が現在の通水量よりも多い場合、稼働中の前記ハイブリッド給湯装置から所定台数を減らしたと想定して算出した通水量もしくは所定の割合情報を利用して算出した通水量と現在の通水量とを比較し、その比較結果とともに稼働中の前記ハイブリッド給湯装置の蓄熱状態を判断し、蓄熱がない前記ハイブリッド給湯装置を優先的に選択して、停止させる前記ハイブリッド給湯装置の決定および停止させる台数を判定する
【0007】
この給湯システムにおいて、前記第1の熱交換部は、前記温水を熱媒で加熱するヒートポンプユニットであり、前記第2の熱交換部は、前記温水を燃焼熱で加熱する給湯装置であってよい。
この給湯システムにおいて、前記マルチ制御手段は、前記給湯流路に流れる前記温水の流量により前記ハイブリッド給湯装置の駆動台数または休止台数を増減させてよい。
この給湯システムにおいて、前記ハイブリッド給湯装置は、前記第1の熱交換部の動作条件に対し、前記第2の熱交換部の動作条件が異なってよい。
この給湯システムにおいて、前記マルチ制御手段は、前記貯湯タンクの温水温度により前記ハイブリッド給湯装置の駆動台数または休止台数を増減させてよい。
この給湯システムにおいて、前記マルチ制御手段は、前記第1の熱交換部の稼働時間に応じて前記ハイブリッド給湯装置の駆動台数または休止台数を増減させてよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の給湯システムによれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 各ハイブリッド給湯装置は、第1および第2の熱交換部を備えるマルチ構成のため大容量の給湯が可能であるとともに、省エネ化を図ることができる。
(2) 各ハイブリッド給湯装置は、設置台数を給湯消費量に合わせることができ、給湯消費に対する汎用性が高い。
(3) 各ハイブリッド給湯装置は、貯湯タンクに予め貯湯しているため、給湯消費に対する応答性がよく、貯湯タンク内の湯と入水のミキシングにより所望の温度で給湯することができる。
(4) 給湯消費の増減に対応し駆動または休止させるハイブリッド給湯装置の駆動台数または休止台数の増減を行うため、装置の過剰稼働や一部の装置に対する負荷を軽減でき、駆動台数の増減は、蓄熱状態と装置の稼働時間より行うため、ハイブリッド給湯装置のヒートポンプの稼働時間の偏りを防止できる。
(5) 蓄熱不足の際は、第2の熱交換部による蓄熱補完により稼働できるので、給湯の中断や給湯温度の変動を防止し、安定した給湯を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る給湯システムを示す図である。
図2】ハイブリッド給湯装置を示す図である。
図3】ハイブリッド給湯装置の制御部を示す図である。
図4】給湯システムのマルチ制御部を示す図である。
図5】マルチ管理情報ファイルを示す図である。
図6】マルチ制御部による通信制御を説明するための図である。
図7】マルチ制御の処理手順を示すフローチャートである。
図8】マルチ制御部によるハイブリッド給湯装置の動作状況を示すフローチャートである。
図9】ハイブリッド給湯装置の制御を示すフローチャートである。
図10】ヒートポンプユニットの制御を示すフローチャートである。
図11】ハイブリッド給湯装置の蓄熱制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る給湯システムを示している。図1に示す構成は一例であり、斯かる構成に本開示の技術が限定されるものではない。
この給湯システム2には、複数のハイブリッド給湯装置として、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nとともに共通のポンプユニット6およびマルチ制御ユニット8が備えられる。各ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nは循環路10により並列に接続され、給湯需要箇所12に給湯する。給湯需要箇所12には給湯する蛇口などが備えられる。
【0011】
各ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nには個別に貯湯ユニット14、ヒートポンプユニット16およびバックアップ給湯器18が備えられる。貯湯ユニット14は循環路10により給湯需要箇所12に給湯するための温水HWを貯湯する。以下、ヒートポンプは、「HP」と称する。HPユニット16は第1の熱交換部の一例であり、貯湯ユニット14に貯湯する温水HWに熱媒の熱を熱交換する。バックアップ給湯器18は、第2の熱交換部の一例であり、貯湯ユニット14に貯湯する温水HWのバックアップ加熱を行う。
【0012】
<ポンプユニット6>
ポンプユニット6は循環路10の下流側、つまり、給湯需要箇所12から温水HWを引き込む側に設置される。このポンプユニット6には温度センサー20、膨張タンク22、循環ポンプ24、逆止弁26、気水分離器28が設置されている。温度センサー20は給湯需要箇所12側からハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nに循環する温水HWの温度を検出し、この検出温度がマルチ制御ユニット8に提供される。
膨張タンク22は循環路10に循環する温水HWの膨張を吸収する。循環ポンプ24は循環路10に温水HWを循環させる。
逆止弁26は、循環路10に循環する温水HWの循環方向を規制する手段であり、この例では、つまり、循環ポンプ24を駆動すれば、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nから給湯需要箇所12を経てハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nに温水HWが循環する。
気水分離器28は、循環路10に循環する温水HWに混じる気泡を温水HWから分離し、外気に放出する。
【0013】
<上水Wの供給>
循環路10には水道水などの上水Wが逆止弁30を介して供給される。逆止弁30は、循環路10に流れる温水HWが上水側管路32逆流するのを防止する手段である。
【0014】
<マルチ制御ユニット8>
マルチ制御ユニット8はマルチ制御手段の一例である。このマルチ制御ユニット8は、マルチ制御部34を備え、各ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの各給湯制御や、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nのうち、何れかまたは全部を駆動状態または休止状態に制御するなどの制御を行う。ポンプユニット6の温度センサー20の検出温度情報はマルチ制御部34に入力され、マルチ制御部34の制御出力が循環ポンプ24に入力される。マルチ制御部34は、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの貯湯ユニット制御部36(図3)、HP制御部38(図3)、バックアップ給湯器制御部40(図3)と連係し、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの駆動を制御する。この駆動制御には給湯需要箇所12の給湯消費に応じるため、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの何れかまたは全部を駆動状態または休止状態させるなどの制御が含まれる。
【0015】
<ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-N>
各ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nにはたとえば、図2に示すハイブリッド給湯装置4が設置される。
貯湯ユニット14には温水HWを貯湯するとともに、給湯路42より循環路10に給湯し、給水路44に循環路10からの上水Wまたは温水HWを受け入れる。
貯湯ユニット14の温水HWは、HPユニット16に循環させて加熱し、バックアップ給湯器18に循環させて加熱する。つまり、貯湯ユニット14の温水HWは、バックアップ給湯器18により不足熱量が補完される。
【0016】
<上水Wまたは温水HWの供給または給湯>
貯湯ユニット14には貯湯タンク48が備えられ、貯湯タンク48の最下層部には給水路44により上水Wまたは温水HWが供給される。貯湯タンク48には複数の温度センサー50-1、50-2、50-3、50-4、50-5が上層側より下層側に配置され、上層部側から下層部側の温水温度が検出される。給水路44には温度センサー50-6、水量センサー52、減圧弁54、逆止弁56、混合規制弁58、逆止弁60が設置されている。温度センサー50-6は給水温度を検出する。水量センサー52は貯湯ユニット14への給水量を検出する。減圧弁54は給水路44側の減圧を行う。逆止弁56は上水Wの逆流を防止する。
【0017】
混合規制弁58には給水路44側にミキシング弁58-1、給湯路42側に規制弁58-2を備えている。ミキシング弁58-1は、給水路44側からの上水Wまたは温水HWをバイパス路62側と貯湯タンク48側に分配する分配量を調整し、給湯路42側への混合量を調整する。
逆止弁60は、貯湯タンク48側から給水路44への温水HWの逆流を防止する。
給湯路42には減圧逃がし弁64、温度センサー50-7、50-8が設置されている。
この温度センサー50-7は、貯湯タンク48からの出湯温度を検出する。温度センサー50-8は、混合規制弁58を通じて流れてくる湯の温度を検出する。また、貯湯ユニット14内には外気温を検出する温度センサー50-9が設置されている。
【0018】
<温水HWのHP給湯>
HP給湯は、貯湯ユニット14の温水HWを温水循環路66によりHPユニット16に循環させて行う。温水循環路66には貯湯ユニット14の下層部から温水HWを熱交換器68に循環させ、熱媒の熱を温水HWに熱交換する。温水循環路66には貯湯ユニット14側に循環ポンプ70、温度センサー50-10、50-11、切替弁72、HPユニット16側に温度センサー50-12、50-13が設置されている。循環ポンプ70は、貯湯タンク48から温水HWを取り出し、温水循環路66に循環させる。温度センサー50-10は貯湯タンク48から取り出された温水HWの温度を検出する。温度センサー50-11はHPユニット16で加熱した温水HWの温度を検出する。切替弁72はHPユニット16で加熱した温水HWをバイパス路74に流し、再度温水循環路66に循環させるか、貯湯タンク48に戻すかを選択的に切り替える。
温度センサー50-12は熱交換器68の入側の温水温度を検出し、温度センサー50-13は熱交換器68の出側の温水温度を検出する。
【0019】
熱交換器68は熱媒循環路76に流れる熱媒の温度を温水HWに熱交換する。この熱媒循環路76にはコンプレッサー78、熱交換器80、空気熱交換器82、膨張弁84、温度センサー50-14、50-15、50-16が設置されている。コンプレッサー78は熱媒を加圧し、熱媒循環路76に循環させる。熱交換器80は、空気熱交換器82の通過前の熱媒と通過後の熱媒との熱交換を行う。空気熱交換器82は、熱媒と空気との熱交換を行う。空気熱交換器82にはファン86が備えられ、空気熱交換器82における熱媒の放熱を促進させる。膨張弁84は熱媒循環路76を循環する熱媒の膨張を吸収する。温度センサー50-14は外気温を検出する。温度センサー50-15は空気熱交換器82の出側の熱媒温度を検出する。温度センサー50-16はコンプレッサー78の出側の熱媒温度を検出する。
【0020】
<温水HWのバックアップ給湯>
貯湯タンク48の温水HWはバックアップ循環路88によりバックアップ給湯器18に循環させ、温水HWの上層部における熱量不足をバックアップ給湯により補完する。
バックアップ給湯器18にはバックアップ循環路88に流れる温水HWに燃焼源の熱を熱交換する熱交換器90、92が備えられる。燃焼源としてバーナー94が備えられ、たとえば、燃料ガスGを燃焼させる。熱交換器90はたとえば、二次熱交換器であり、燃焼排気の主として潜熱を温水HWに熱交換する。熱交換器92はたとえば、一次熱交換器であり、熱交換器90の熱交換後の温水HWに燃焼排気の主として顕熱を熱交換する。
【0021】
バックアップ循環路88には温度センサー50-17、50-18、50-19、50-20、流量センサー96、混合規制弁98、循環ポンプ99、切替弁101が備えられる。温度センサー50-17はバックアップ給湯器18に循環する温水HWの入側温度を検出する。温度センサー50-18はバックアップ給湯器18で加熱した温水HWの出側温度を検出する。温度センサー50-19は熱交換器92から出る温水HWの温度を検出する。温度センサー50-20は貯湯ユニット14に入る温水HWの温度を検出する。流量センサー96はバックアップ給湯器18に入る温水HWの流量を検出する。
混合規制弁98には熱交換器90の入側にミキシング弁98-1、熱交換器92の出側に規制弁98-2を備えている。規制弁98-2はバックアップ給湯器18からバックアップ循環路88に流れる温水HWを規制する。ミキシング弁98-1は、バイパス路100を介して熱交換前の温水HWと熱交換後の温水HWの混合量を調整する。
【0022】
循環ポンプ99は貯湯タンク48の中層部の温水HWをバックアップ循環路88に循環させる。切替弁101は、バックアップ給湯器18で加熱した温水HWをバイパス路103に流し、再度バックアップ循環路88に循環させるか、貯湯タンク48の上層部に戻すかを切り替える。
【0023】
<貯湯ユニット制御部36>
図3は、貯湯ユニット制御部36の構成、貯湯ユニット制御部36、HP制御部38、バックアップ給湯器制御部40およびマルチ制御部34の関係を示している。
貯湯ユニット制御部36には通信機能を備えるコンピュータが用いられ、プロセッサ102、メモリ104、マルチ通信部106、ハイブリッド通信部108、入出力部(I/O)110が備えられる。プロセッサ102はメモリ104にあるプログラムを実行し、貯湯ユニット14の貯湯制御などの情報処理を行う。メモリ104はプログラムなどを格納する記憶手段であり、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory )などの記憶素子を備える。マルチ通信部106は、プロセッサ102の制御により、マルチ制御部34との通信を行い、マルチ制御などに必要な情報交換を行う。ハイブリッド通信部108はプロセッサ102の制御により、HP制御部38、バックアップ給湯器制御部40との情報交換を行う。
I/O110は、プロセッサ102の制御により、温度センサー50-1、50-2などの検出温度や、水量センサー52の検出水量を取り込み、循環ポンプ70、99などに制御信号を出力する。
【0024】
<マルチ制御部34>
図4は、マルチ制御部34の構成とともに、マルチ制御部34とハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nおよびリモコン装置112との関係を示している。図4において、図3と同一部分には同一符号を付してある。
マルチ制御部34には通信機能を備えるコンピュータが用いられ、プロセッサ114、メモリ116、リモコン通信部118、給湯装置通信部120、I/O122が備えられる。プロセッサ114はメモリ116にあるマルチ制御プログラムなどを実行し、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの選択制御などのマルチ制御を行う。メモリ116は、マルチ制御プログラムなどのプログラムやデータを格納し、ROM、RAM、EEPROMなどの記憶素子で構成される。リモコン通信部118はリモコン装置112との通信を行う。メモリ116にはハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-N、HPユニット16などの制御情報を格納するマルチ管理情報ファイル144(図5)、マルチ通信情報ファイル145-1(図6のA)、145-2(図6のB)が格納される。
【0025】
給湯装置通信部120はハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nとの通信を行い、マルチ制御に必要な情報の送受を行う。I/O122には温度センサー20、循環ポンプ24の他、入力部124、表示部126が接続される。入力部124はマルチ制御に必要な制御情報がキーボードなどのインターフェイス装置によって入力される。表示部126にはLCD(Liquid Crystal Display)などの表示手段により、制御内容が表示される。温度センサー20の検出温度はプロセッサ114の制御によりI/O122に取り込まれる。循環ポンプ24にはI/O122から給湯需要箇所12への給湯需要に応ずるための駆動信号が出力される。
【0026】
リモコン装置112は、マルチ制御ユニット8(図1)に併設される操作機器である。このリモコン装置112にはリモコン制御部128が備えられる。このリモコン制御部128は通信機能を備えるコンピュータで構成され、プロセッサ130、メモリ132、通信部134、I/O136が備えられる。プロセッサ130は、I/O136に接続されたスイッチ138の操作入力に応じた制御や、マルチ制御の制御出力や情報の取り込みなどの情報処理を行う。メモリ132は、リモコン制御プログラムなどのプログラムやデータを格納し、ROM、RAM、EEPROMなどの記憶素子で構成される。通信部134はマルチ制御部34のリモコン通信部118との通信を行う。I/O136にはスイッチ138、LED(Light Emitting Diode)140、液晶表示部142が接続される。スイッチ138には電源スイッチや制御選択スイッチなどが含まれる。LED140は、駆動時に点灯するインジケータである。液晶表示部142は情報提示手段の一例であり、入力情報や制御情報の画像表示などに用いられる。
【0027】
<マルチ管理情報ファイル144>
マルチ管理情報ファイル144には図5に示すように、番号部146、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの接続状況部148、駆動状況部150、通水量部152、蓄熱状況部154、稼働時間部156が備えられる。
番号部146には管理情報の識別情報である整理番号1、2、・・・、nが格納される。接続状況部148には循環路10に接続されているハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの識別情報が格納される。たとえば、循環路10に接続されているハイブリッド給湯装置4-1、4-2、4-3、4-4であれば、これらを特定する識別情報として「4-1、4-2、4-3、4-4」が格納される。なお、未接続であれば「0」が格納される。
駆動状況部150にはハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの駆動状況(0:休止、1:駆動)が格納される。通水量部152には各ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの通水量(水量センサー52の検出値 リットル/min)が格納される。
蓄熱状況部154には貯湯タンク48の蓄熱状況(0:蓄熱なし(無)、1:蓄熱あり(有))が格納される。稼働時間部156にはHPユニット16の稼働時間(積算値H)が格納される。
【0028】
<マルチ通信情報ファイル145-1>
マルチ通信情報ファイル145-1にはマルチ制御部34からハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nに向けられた通信内容が格納される。これにより、マルチ制御部34からハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nに駆動指示または休止指示が通知される。
このマルチ通信情報ファイル145-1には図6のAに示すように、ハイブリッド給湯装置部158、駆動状況部160が備えられる。ハイブリッド給湯装置部158にはハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの識別情報が格納される。
駆動状況部160にはハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの駆動状況を表す情報が格納される。つまり、この駆動状況は、マルチ制御部34からハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nに対する駆動指示を表す情報である。
【0029】
<マルチ通信情報ファイル145-2>
マルチ通信情報ファイル145-2にはハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nからマルチ制御部34に向けられた通信内容が格納される。これにより、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nから自装置に関する情報がマルチ制御部34に通知される。
このマルチ通信情報ファイル145-2には図6のBに示すように、ハイブリッド給湯装置部162、駆動状況部164、通水量部166、蓄熱状況部168、HP稼働時間部170が備えられる。
ハイブリッド給湯装置部162にはハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの識別情報が格納される。
【0030】
駆動状況部164にはハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの駆動状況を表す情報が格納される。つまり、この駆動状況は、マルチ通信情報ファイル145-1と異なり、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nからマルチ制御部34に向けられる自装置の駆動状況を表す情報である。
通水量部166にはハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nにおける通水量が格納される。この通水量はハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの水量センサー52の検出値である。
【0031】
蓄熱状況部168には貯湯タンク48の蓄熱状況を表す情報が格納される。ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nにおけるたとえば、温度センサー50-3の検出温度であり、この検出温度は所定温度たとえば、63℃以上であれば蓄熱あり(:1)、温度センサー50-2の検出温度が所定温度たとえば、63℃未満であれば蓄熱なし(:0)に切り替わる。つまり、蓄熱有りかを温度センサー50-3の検出温度で判断し、蓄熱なしの判断に温度センサー50-2の検出温度を用いている。このように、貯湯タンク48の下層側の温度センサー50-3の検出温度で蓄熱の有りを判断し、貯湯タンク48の上層側の温度センサー50-2の検出温度で蓄熱のなしを判断することで、判断結果によるハイブリッド給湯装置4の駆動/休止のハンチングが防止される。
HP稼働時間部170にはHPユニット16の稼働時間を表す情報が格納される。この稼働時間は、HPユニット16による蓄熱制御(図10)により積算される。
なお、これらマルチ通信情報ファイル145-2の内容はマルチ管理情報ファイル144に反映させて用いられる。
【0032】
<マルチ制御部34による制御>
図7は、マルチ制御部34による制御の処理手順を示している。この処理手順において、Sは工程、Sに付した番号はその順序を示している。
マルチ制御部34は、マルチ制御に当たり、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nと送受信を行い(S101)、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nから取得した情報により状況判断(図8)を行う(S102)。
この状況判断の結果、マルチ制御部34は、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの状況から駆動台数を増加する必要有りかを判断する(S103)。
【0033】
駆動台数を増加することが必要有りの場合(S103のYES)、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-N中の休止中で蓄熱有りの装置が存在するかを判断する(S104)。
ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nからの休止中で蓄熱有りの装置が存在する場合(S104のYES)、その蓄熱有りの装置の中で、HPユニット16の最短稼働時間のハイブリッド給湯装置を選択し、このハイブリッド給湯装置を駆動状態にし(S105)、S101にリターンする。
ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの休止中で蓄熱有りの装置がない場合(S104のNO)、休止中でHPユニット16の稼働時間最短装置を選択し、このハイブリッド給湯装置を駆動状態にし(S106)、S101にリターンする。
【0034】
S103において、駆動台数を増加する必要なしの場合(S103のNO)、駆動台数を減少させる必要有りかを判断する(S107)。
駆動台数を減少させる必要有りの場合(S107のYES)、駆動中のハイブリッド給湯装置に蓄熱なしの装置が存在するかを判断する(S108)。
駆動中のハイブリッド給湯装置に蓄熱なしの装置が存在する場合(S108のYES)、駆動中のハイブリッド給湯装置の中で蓄熱なしの装置を休止状態にし(S109)、S101にリターンする。
駆動中で蓄熱なしの装置が存在しない場合(S108のNO)、駆動中のハイブリッド給湯装置からHPユニット16の最長稼働時間の装置を休止状態にし(S110)、S101にリターンする。
【0035】
S107において、駆動台数を減少する必要なしの場合(S107のNO)、駆動中のハイブリッド給湯装置に蓄熱なしが発生したかを判断する(S111)。
駆動中のハイブリッド給湯装置に蓄熱なしが発生した場合(S111のYES)、休止中の装置に蓄熱有りの装置が存在するかを判断する(S112)。
休止中で蓄熱有りの装置が存在する場合(S112のYES)、休止中で蓄熱有りの装置で、HPユニット16の稼働時間が短い装置を駆動状態にし(S113)、稼働状態中の装置から蓄熱なしの装置を休止状態にし(S114)、S101にリターンする。
また、S111において、駆動中のハイブリッド給湯装置に蓄熱なしが発生しなかった場合には(S111のNO)、S101にリターンし、同様に、休止中の装置に蓄熱有りの装置が存在しない場合(S112のNO)、S101にリターンする。
この処理手順では、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの駆動状況を基準に駆動台数を制御しているが、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの休止状況を基準に休止台数を制御する処理としてもよい。
【0036】
<給湯システムの状況判断>
図8は、給湯システム2の状況判断の処理手順を示している。この処理手順では、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの各通水量より循環路10を流れる全通水量(Tw)を算出する(S201)。この全通水量の算出には、マルチ管理情報ファイル144(図5)、マルチ通信情報ファイル145-2(図6のB)に格納されている通水量を用いればよい。
ここで、ハイブリッド給湯装置の一台当たり、増加した切替流量をHwとする。この切替流量Hwは、最大値の概ね80%とする。切替流量Hwは、減少した場合も同様の処理とする。
全通水量Twについて、全通水量Tw>(駆動台数×HW)であるかを判断する(S202)。
全通水量Tw>(駆動台数×HW)であれば(S202のYES)、駆動台数の増加が必要であると判定し(S203)、S103(図7)にリターンする(S204)。
【0037】
全通水量Tw>(駆動台数×HW)でなければ(S202のNO)、駆動台数=1であるかを判断する(S205)。駆動台数=1であれば(S205のYES)、駆動台数の変更なしと判断し(S206)、S103(図7)にリターンする(S204)。
S205において、駆動台数=1でなければ(S205のNO)、駆動台数=2であるかを判断する(S207)。
駆動台数=2でなければ(S207のNO)、二台少ない場合の増加条件と比較することとし、つまり、Tw≦{(駆動台数-2)×Hw}であるかを判断する(S208)。Tw≦{(駆動台数-2)×Hw}であれば(S208のYES)、駆動台数の減少が必要と判断し(S209)、S103(図7)にリターンする(S204)。
駆動台数=2であれば(S207のYES)、Tw≦(Hw×0.6)であるかを判断する(S210)。Tw≦(Hw×0.6)であれば(S210のYES)、S208をスキップし、駆動台数の減少が必要と判断し(S209)、S103(図7)にリターンする(S204)。また、Tw≦(Hw×0.6)でなければ(S210のNO)、駆動台数の変更なしと判断し(S206)、S103(図7)にリターンする(S204)。
【0038】
<ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nにおける制御>
図9は、ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nにおける制御の処理手順を示している。
各ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nは、マルチ制御部34と送受信し、情報交換を行う(S301)。
この情報交換の結果、マルチ制御部34から休止指示が有りかを判断する(S302)。休止指示があれば(S302のYES)、規制弁58-2を閉止する(S303)。休止指示がなければ(S302のNO)、駆動指示が有りかを判断する(S304)。駆動指示があれば(S304のYES)、規制弁58-2を開放し(S305)、駆動指示がなければ(S304のNO)、S305をスキップする。
【0039】
この制御状態において、水量センサー52=ONかを判断する(S306)。水量センサー52=ONであれば(S306のYES)、給湯設定温度に出湯温度を制御する。つまり、温度センサー50-8の検出温度が給湯設定温度になるようにミキシング弁58-1の開度を調整する(S307)。
そして、HPユニット16による蓄熱制御(図10)を行い(S308)、バックアップ給湯器18による蓄熱制御(図11)を行う(S309)。
【0040】
<HPユニット16による蓄熱制御>
図10は、HP蓄熱制御の処理手順を示している。この処理手順ではHPユニット16の停止中かを判断する(S401)。
HPユニット16が停止中であれば(S401のYES)、温度センサー50-5の検出温度T5<TM(45℃)かを判断する(S402)。T5<TM(45℃)であれば(S402のYES)、HPユニット16の蓄熱を開始する(S403)。つまり、循環ポンプ70の駆動開始、HPユニット16の起動を行う。
HPユニット16の稼働時間の積算を開始し(S404)、S308(図9)にリターンする(S405)。
【0041】
S401において、HPユニット16が停止中でなければ(S401のNO)、温度センサー50-10の検出温度T10≧TM(45℃)かを判断する(S406)。T10≧TM(45℃)であれば(S406のYES)、HPユニット16の蓄熱を停止する(S407)。つまり、循環ポンプ70の駆動を停止し、HPユニット16を停止する。
HPユニット16の稼働時間の積算を停止し(S408)、S308(図9)にリターンする(S405)。
【0042】
S406において、T10≧TM(45℃)でなければ(S406のNO)、温度センサー50-11の検出温度T11がT(65℃)になるように循環ポンプ70の回転数を制御する(S409)。
HPユニット16の稼働時間の積算し(S410)、S308(図9)にリターンする(S405)。
【0043】
<バックアップ給湯器18による蓄熱制御>
図11は、バックアップ給湯器18による蓄熱制御の処理手順を示している。
この処理手順では、バックアップ給湯器18が停止中かを判断する(S501)。バックアップ給湯器18が停止中であれば(S501のYES)、温度センサー50-1の検出温度T1が所定温度たとえば、63℃未満であるか、つまり、T1<63℃であるかを判断する(S502)。
T1<63℃であれば、バックアップ給湯器18による蓄熱を開始し、循環ポンプ99の駆動を開始し(S503)、S309(図9)にリターンする(S504)。
循環ポンプ99の駆動開始により、バックアップ給湯器18の出湯温度が設定温度に制御される。つまり、温度センサー50-18の検出温度T18が所定温度たとえば65℃となるようにバックアップ給湯器18が制御される。
【0044】
S501において、バックアップ給湯器18が停止中でなければ(S501のNO)、温度センサー50-2の検出温度T2が所定温度たとえば、63℃以上であるか、つまり、T2≧63℃であるかを判断する(S505)。
T2≧63℃であれば(S505のYES)、バックアップ給湯器18による蓄熱を停止し、循環ポンプ99の駆動を停止し(S506)、S309(図9)にリターンする(S504)。
【0045】
S505において、T2≧63℃でなければ(S505のNO)、バックアップ給湯器18による蓄熱動作として、循環ポンプ99の回転数を、給湯で消費する蓄熱をバックアップ給湯器18で補完可能な回転数に制御し(S507)、S309(図9)にリターンする(S504)。
【0046】
<第1の実施の形態の効果>
この実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 各ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nは、第1および第2の熱交換部を備えるマルチ構成のため大容量の給湯が可能であるとともに、省エネ化を図ることができる。
(2) ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nは、予め貯湯しているため、消費に対する応答性がよい。
【0047】
(3) 貯湯タンク48内の温水HWと給水Wのミキシングにより所望の給湯温度を作成して給湯が可能である。
(4) 給湯消費の増減に対応してハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの駆動台数または休止台数の増減を行うため、装置の過剰稼働や一部の装置に対する負荷の偏りを防止できる。
(5) ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-Nの駆動台数の増減の際は、蓄熱状態を装置選択の条件とするとともに、装置のヒートポンプ稼働時間の長短を装置選択の条件にでき、効率的な稼働運転を実現できる。
(6) ハイブリッド給湯装置4-1、4-2、・・・、4-NのHPユニット16のそれぞれの稼働時間が偏らないようにし、給湯システム2のHPユニット16の寿命を長期化できる。
【0048】
〔第2の実施の形態〕
第1の実施の形態では、第1の熱交換部にHPユニット16を設定し、第2の熱交換部にバックアップ給湯器18を設定してハイブリッド化を実現しているが、第1の熱交換部にバックアップ給湯器18、第2の熱交換部にHPユニット16を設定してハイブリッド化し、HPユニット16で補完給湯を行う構成としてもよい。
図2に示すように、バックアップ給湯器18では一次熱交換器92および二次熱交換器90を用いて高効率の給湯装置を実現しており、バックアップ給湯器18をメイン給湯とし、HPユニット16を補助給湯に設定しても、高効率で大量給湯を実現することができる。
【0049】
〔他の実施の形態〕
(1) 第1の実施の形態では、二次熱交換器90および一次熱交換器92を用いて高効率給湯器を実現しているが、一次熱交換器92のみを用いた給湯装置でバックアップ給湯器18を構成してもよい。
(2) 第1および第2の実施の形態では、熱交換部の一つにHPユニット16を用いているが、燃料電池などの排熱源を熱源とした給湯ユニットを用いてもよい。
(3) 上記給湯システムは、家屋設置の他、キャンピングカー、船舶、鉄道などの移動手段に設置してもよい。
【0050】
以上説明したように、本開示の技術の最も好ましい実施の形態等について説明した。本開示の技術は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本開示の技術範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本開示の給湯システムは、貯湯タンクに貯湯する温水に熱媒の熱を熱交換する第1の熱交換部を備え、かつ貯湯タンク内の温水を加熱する第2の熱交換部を備えるハイブリッド給湯装置を含み、小容量から大容量に変化するホテルなどの給湯消費に対応できるシステムを構築でき、有用である。
【符号の説明】
【0052】
2 給湯システム
4、4-1、4-2、・・・、4-N ハイブリッド給湯装置
6 ポンプユニット
8 マルチ制御ユニット
10 循環路
12 給湯需要箇所
14 貯湯ユニット
16 ヒートポンプユニット
18 バックアップ給湯器
20、50-1、50-2、50-3、50-4、50-5、50-6、50-7、50-8、50-9、50-10、50-11、50-12、50-13、50-14、50-15、50-16、50-17、50-18、50-19、50-20 温度センサー
22 膨張タンク
24 循環ポンプ
26、30、56、60 逆止弁
28 気水分離器
32 上水側管路
34 マルチ制御部
36 貯湯ユニット制御部
38 ヒートポンプ制御部
40 バックアップ給湯器制御部
42 給湯路
44 給水路
48 貯湯タンク
52 水量センサー
54 減圧弁
58 混合規制弁
62、74、100 バイパス路
64 減圧逃がし弁
66 温水循環路
68 熱交換器
70、99 循環ポンプ
72、101 切替弁
76 熱媒循環路
78 コンプレッサー
80 熱交換器
82 空気熱交換器
84 膨張弁
86 ファン
88 バックアップ循環路
90、92 熱交換器
94 バーナー
96 流量センサー
98 混合規制弁
98-1 ミキシング弁
98-2 規制弁
102、114、130 プロセッサ
104、116、132 メモリ
106 マルチ通信部
108 ハイブリッド通信部
110 入出力部(I/O)
112 リモコン装置
118 リモコン通信部
120 給湯装置通信部
122、136 I/O
124 入力部
126 表示部
128 リモコン制御部
134 通信部
138 スイッチ
140 LED
142 液晶表示部
144 マルチ管理情報ファイル
145-1、145-2 マルチ通信情報ファイル
146 番号部
148 接続状況部
150、160、164 駆動状況部
152、166 通水量部
154、168 蓄熱状況部
156 稼働時間部
158、162 ハイブリッド給湯装置部
170 HP稼働時間部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11