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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】車輌用走行規制表示装置
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/06 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
E01F13/06
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022020654
(22)【出願日】2022-02-14
(65)【公開番号】P2023117864
(43)【公開日】2023-08-24
【審査請求日】2023-01-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年10月8日に株式会社ネクスコ・メンテナンス新潟に販売した現物の写真
(73)【特許権者】
【識別番号】302072930
【氏名又は名称】株式会社トーテック
(73)【特許権者】
【識別番号】509185446
【氏名又は名称】株式会社ネクスコ・メンテナンス新潟
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】関 一徳
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-246424(JP,A)
【文献】特開2020-060099(JP,A)
【文献】登録実用新案第3224688(JP,U)
【文献】実公昭57-036669(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 13/00-15/14
E01F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央分離帯や路側帯等の車道の側方位置に設置され、車道の側方位置から車道を横断する方向に水平突設され、車輌の走行方向を規制案内する表示部材を備えてなる車輌用走行規制表示装置であって、上記車道の側方位置に設置される装置機体と、上記表示部材を保持可能な保持部材と、該保持部材を該装置機体に連結可能な連結機構と、該保持部材を該車道を横断する水平位置と起立位置との間、又は、該起立位置と上記車道側方の格納位置との間で起倒回動させる起倒回動機構と、上記起立位置の保持部材を水平旋回させる水平旋回機構とを備え、上記表示部材は矢印表示構造であり、該保持部材を上記起倒回動機構及び上記水平旋回機構の協働により上記起立位置を介して上記水平位置と上記格納位置との間で起倒旋回自在に設けてなり、上記水平旋回機構は旋回軸により水平旋回自在な水平旋回部材と該水平旋回部材を水平旋回させる水平旋回用モータ及びウオーム減速機構とからなり、上記起倒回動機構は水平軸により起倒回動自在な起倒部材と起倒用モータ及びウオーム減速機構とからなり、上記保持部材の上記車道の側方位置から該車道を横断する上記水平位置への突出長を可変自在とする突出長可変機構を設け、該突出長可変機構として、該保持部材を互いに伸縮自在な複数個の分割部材により形成し、該複数個の分割部材を互いに伸縮移動させる伸縮移動機構を設け、該伸縮移動機構は該分割部材を回止するための回止部材と該分割部材を互いに伸縮移動させる螺子機構及び駆動用モータとからなり、道路工事等における走行規制表示時には、上記表示部材を車道を横断する水平位置に配置し、道路工事等の終了時における非規制表示時には、上記起倒回動機構により保持部材を車道を横断する水平位置から起立位置へと起立回動させ、水平旋回機構により起立位置から保持部材を車道の側方位置に水平旋回させ、その後、起立位置から車道側方の格納位置へと倒伏回動させ、又、再度の走行規制表示時には、起倒回動機構により保持部材を車道側方の格納位置から起立位置へと起立回動させ、水平旋回機構により起立位置から保持部材を車道側へと水平旋回させ、その後、起立位置から車道を横断する水平位置へと倒伏回動させることを特徴とする車輌用走行規制表示装置。
【請求項2】
上記保持部材に既定値以上の過負荷が加わった時、上記保持部材の旋回を許容するトルクリミッタを備えてなることを特徴とする請求項1記載の車輌用走行規制表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、高速道路を走行する車輌の走行進路を規制する際に用いられる車輌用走行規制表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の道路工事や交通事故の後処理、清掃処理等において、車輌の走行方向を規制する車輌用走行規制表示装置として、中央分離帯や路側帯等の車道の側方位置に設置され、車道の側方位置から車道を横断する方向に水平突設され、車輌の走行方向を規制案内する表示部材を有し、表示部材を車道を横断する水平位置と起立位置との間で起倒回動させる起倒回動機構を備えてなる構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3224688号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来構造の場合、走行規制表示時には上記表示部材を車道を横断する水平位置に配置し、非規制表示時には表示部材をそのまま起立回動した起立位置に配置して車道から退避させる構造となっており、しかして、非規制表示時の表示部材は水平位置から起立位置に配置されているため、強風や吹雪による大きな外力を受けて表示部材が破損するおそれがあり、あるいは、車道の側方位置から車道を横断する水平位置までの突出長が比較的短い場合には表示部材が水平位置か起立位置であるかを運転者は正確に視認することが困難となり、それだけ、走行規制表示機能を低下させることがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうち、請求項1記載の発明は、中央分離帯や路側帯等の車道の側方位置に設置され、車道の側方位置から車道を横断する方向に水平突設され、車輌の走行方向を規制案内する表示部材を備えてなる車輌用走行規制表示装置であって、上記車道の側方位置に設置される装置機体と、上記表示部材を保持可能な保持部材と、該保持部材を該装置機体に連結可能な連結機構と、該保持部材を該車道を横断する水平位置と起立位置との間、又は、該起立位置と上記車道側方の格納位置との間で起倒回動させる起倒回動機構と、上記起立位置の保持部材を水平旋回させる水平旋回機構とを備え、上記表示部材は矢印表示構造であり、該保持部材を上記起倒回動機構及び上記水平旋回機構の協働により上記起立位置を介して上記水平位置と上記格納位置との間で起倒旋回自在に設けてなり、上記水平旋回機構は旋回軸により水平旋回自在な水平旋回部材と該水平旋回部材を水平旋回させる水平旋回用モータ及びウオーム減速機構とからなり、上記起倒回動機構は水平軸により起倒回動自在な起倒部材と起倒用モータ及びウオーム減速機構とからなり、上記保持部材の上記車道の側方位置から該車道を横断する上記水平位置への突出長を可変自在とする突出長可変機構を設け、該突出長可変機構として、該保持部材を互いに伸縮自在な複数個の分割部材により形成し、該複数個の分割部材を互いに伸縮移動させる伸縮移動機構を設け、該伸縮移動機構は該分割部材を回止するための回止部材と該分割部材を互いに伸縮移動させる螺子機構及び駆動用モータとからなり、道路工事等における走行規制表示時には、上記表示部材を車道を横断する水平位置に配置し、道路工事等の終了時における非規制表示時には、上記起倒回動機構により保持部材を車道を横断する水平位置から起立位置へと起立回動させ、水平旋回機構により起立位置から保持部材を車道の側方位置に水平旋回させ、その後、起立位置から車道側方の格納位置へと倒伏回動させ、又、再度の走行規制表示時には、起倒回動機構により保持部材を車道側方の格納位置から起立位置へと起立回動させ、水平旋回機構により起立位置から保持部材を車道側へと水平旋回させ、その後、起立位置から車道を横断する水平位置へと倒伏回動させることを特徴とする車輌用走行規制表示装置にある。
【0006】
又、請求項2記載の発明は、上記保持部材に既定値以上の過負荷が加わった時、上記保持部材の旋回を許容するトルクリミッタを備えてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、中央分離帯や路側帯等の車道の側方位置に設置され、車道の側方位置から車道を横断する方向に水平突設され、車輌の走行方向を規制案内する表示部材を備えてなる車輌用走行規制表示装置であって、上記車道の側方位置に設置される装置機体と、上記表示部材を保持可能な保持部材と、保持部材を装置機体に連結可能な連結機構と、保持部材を車道を横断する水平位置と起立位置との間、又は、起立位置と上記車道側方の格納位置との間で起倒回動させる起倒回動機構と、上記起立位置の保持部材を水平旋回させる水平旋回機構とを備え、保持部材を上記起立位置を介して上記水平位置と上記格納位置との間で起倒旋回自在に設けてなり、上記保持部材の上記車道の側方位置から車道を横断する上記水平位置への突出長を可変自在とする突出長可変機構を設けてなるから、上記起倒回動機構及び上記水平旋回機構の協働により保持部材を上記起立位置を介して上記走行規制表示時の水平位置と上記非規制表示時の格納位置との間で起倒旋回させることができ、上記表示部材による走行規制表示及び表示部材の退避による非規制表示の切換動作を容易に行うことができ、かつ、非規制表示時には表示部材は水平位置から起立位置を介して格納位置に退避格納され、表示部材は車道の側方位置の低い格納位置に格納され、強風や吹雪による大きな外力を受けて表示部材が破損するおそれを防ぐことができ、あるいは、非規制表示時の格納位置における表示部材を運転者の視認範囲から可及的に除外することもでき、それだけ、走行規制表示時の表示部材を運転者に正確に視認させることができ、走行規制表示機能を向上させることができ、さらに、上記保持部材の上記車道の側方位置から車道を横断する上記水平位置への突出長を可変自在とする突出長可変機構を設けて構成しているから、上記車道の幅、及び、車道の側方位置から車道を横断する水平位置までの離間距離に対する融通性を高めることができ、さらに又、複数個の車輌用走行規制表示装置を用意し、各車輌用走行規制表示装置の各保持部材の各突出長を大中小に異なる数種類に構成し、この数種類の車輌用走行規制表示装置を車道の走行方向に沿って順次配置することにより、例えば、車輌の走行規制を表示することができると共に車輌を車道の追越車線及び走行車線から出口車線、又は、走行している追越車線から隣り合う走行車線へと徐々に進路変更させるための誘導表示をすることができ、走行規制表示機能を一層向上させることができ、さらに、上記表示部材は矢印表示構造であるから、車輌の走行規制表示及び誘導表示を得ることができ、走行規制を確実に表示させることができ、さらに、上記水平旋回機構は旋回軸により水平旋回自在な水平旋回部材と水平旋回部材を水平旋回させる水平旋回用モータ及びウオーム減速機構とからなるので、水平旋回機構の構造を簡素化することができ、さらに、上記起倒回動機構は水平軸により起倒回動自在な起倒部材と起倒用モータ及びウオーム減速機構とからなるので、起倒回動機構の構造を簡素化することができ、さらに、上記突出長可変機構として、上記保持部材を互いに伸縮自在な複数個の分割部材により形成し、複数個の分割部材を互いに伸縮移動させる伸縮移動機構を設けて構成しているから、突出長可変機構の構造を簡素化することができ、さらに、上記伸縮移動機構は分割部材を回止するための回止部材と分割部材を互いに伸縮移動させる螺子機構及び駆動用モータとからなるので、伸縮移動機構の構造を簡素化することができ、螺子機構及び駆動用モータにより保持部材の伸縮操作を円滑に行うことができる。
【0008】
又、請求項記載の発明にあっては、上記保持部材に既定値以上の過負荷が加わった時、上記保持部材の旋回を許容するトルクリミッタを備えているから、例えば、保持部材への車輌の衝突や他の外力により規定値以上の過負荷が加わった時、上記保持部材の旋回を許容して保持部材及び他の機構の損傷を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態例の走行規制表示時の全体斜視図である。
図2】本発明の実施の形態例の走行規制表示時の全体斜視図である。
図3】本発明の実施の形態例の非規制表示時の全体斜視図である。
図4】本発明の実施の形態例の非規制表示時の全体側面図である。
図5】本発明の実施の形態例の非規制表示時の全体平面図である。
図6】本発明の実施の形態例の部分拡大側断面図である。
図7】本発明の実施の形態例の部分拡大側断面図である。
図8】本発明の実施の形態例の部分拡大側横断面図である。
図9】本発明の実施の形態例の部分拡大側断面図である。
図10】本発明の実施の形態例の格納時の説明側面図である。
図11】本発明の実施の形態例の格納時の説明側面図である。
図12】本発明の実施の形態例の格納時の説明側面図である。
図13】本発明の実施の形態例の非規制表示時の説明図である。
図14】本発明の実施の形態例の走行規制表示時の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図14は本発明の実施の形態例を示し、大別して、車輌用走行規制表示装置Mは中央分離帯や路側帯等の車道Rの側方位置Sに設置され、車道Rの側方位置Sから車道Rを横断する方向に水平突設され、車輌Cの走行方向を規制案内する表示部材Dを備えてなり、上記車道Rの側方位置Sに設置される装置機体1と、上記表示部材Dを保持可能な保持部材2と、保持部材2を装置機体1に連結可能な連結機構3と、保持部材2を車道Rを横断する水平位置Hと起立位置Vとの間、又は、起立位置Vと上記車道R側方の格納位置Eとの間で起倒軸線Qを回転軸線として起倒回動Qさせる起倒回動機構4と、上記起立位置Vの保持部材2を旋回軸線Nを旋回軸線として水平旋回Nさせる水平旋回機構5とを備え、保持部材2を上記起立位置Vを介して上記水平位置Hと上記格納位置Eとの間で起倒及び旋回自在に設けてなり、上記保持部材2の上記車道Rの側方位置Sから車道Rを横断する上記水平位置Hへの突出長Lを可変自在とする突出長可変機構Kを設けて構成している。
【0011】
この場合、図1図2図3図4図5図13の如く、上記装置機体1は車道Rの側方位置Sとしての中央分離帯の防護柵としての対向一対のガードレールG・G間にして複数個の補強材G・・間に設置され、装置機体1に上記水平旋回機構5の水平旋回部材5aが旋回軸5bにより水平旋回N自在に設けられ、水平旋回部材5aは水平旋回用モータ5c及びウオーム減速機構5dにより水平旋回Nさせるように構成され、さらに、水平旋回部材5aに起倒回動機構4の起倒部材4aが水平軸4bにより起倒回動自在に設けられ、起倒部材4aは起倒用モータ4c及びウオーム減速機構4dにより起倒動作させるように構成されている。
【0012】
又、この場合、図1図2図3図4図5の如く、上記連結機構3は上記起倒部材4aに取付部材3aを設け、取付部材3aに保持部材2が取り付けられ、保持部材2の先端部に回転灯T及び表示部材Dが取り付けられ、保持部材2を装置機体1に連結可能に構成されている。
【0013】
6はトルクリミッタであって、この場合、図9図14の如く、上記起倒部材4aと上記取付部材3aとの間に配設され、すなわち、上記起倒部材4aの底板4eを対向一対の挟持部材の固定挟持部6aと可動挟持板6bとにより挟持し、可動挟持板6bをバネ6c、ナット6d、調節ボルト6e及び押圧板6fにより押圧し、バネ6cのバネ圧により固定挟持部6aと可動挟持板6bとで起倒部材4aの底板4eを挟着して起倒部材4aに摩擦力を付加し、しかして、上記保持部材2に既定値以上の過負荷、例えば、保持部材2への車輌Cの衝突や他の外力により規定値以上の過負荷が加わった時、上記保持部材2の旋回を許容して保持部材2及び他の機構の損傷を防ぐように構成されている。
【0014】
この場合、図1図2図3図4図14の如く、上記表示部材Dは表示板Dにフレキシブル基材にLEDを配した矢印形状のLEDテープDを貼付してなる矢印表示構造が採用され、車輌Cの走行規制及び誘導機能を得ることができる。尚、このような矢印表示構造に限らず、他の表示構造を採用することもある。なお、矢印形状のLEDテープDに代えて再帰反射テープやその他の反射材を使用することもある。
【0015】
又、上記突出長可変機構Kは、図1図2図6図7図8図10図14の如く、上記保持部材2の上記車道Rの側方位置Sから車道Rを横断する上記水平位置Hへの突出長Lを可変自在とする構造となっており、すなわち、この場合、上記保持部材2を互いに伸縮自在な複数個、この場合、2個の分割部材2a・2bにより形成し、この2個の分割部材2a・2bを互いに伸縮移動させる伸縮移動機構Kを設け、この伸縮移動機構Kは螺子機構K及び駆動用モータKから構成され、一方の分割部材2aは円形筒材により形成され、他方の分割部材2bは角形筒材により形成され、一方の分割部材2a内に他方の分割部材2bを摺動自在に挿通し、円形筒状の一方の分割部材2aに角形筒状の他方の分割部材2bの四つの外面X・・に摺動可能な四つの穴面Y・・を有する回止部材Kを設け、上記保持部材2としての一方の分割部材2aの基部に上記駆動用モータKを取り付け、他方の分割部材2bの基部にナット部材Kを固着し、他方の分割部材2bの基部側外周面にストッパKを固着し、ナット部材Kに螺子軸Kを螺着し、螺子軸Kと駆動用モータKの主軸とを連結材Kにより直結し、ナット部材Kの外周面、ストッパKの外周面と一方の分割部材2aの内周面との摺動及び回止部材Kの四つの穴面Y・・と他方の分割部材2bの四つの外面X・・との摺動により他方の分割部材2bを一方の分割部材2aに対して伸縮自在に設け、伸縮移動機構Kの螺子機構K及び駆動用モータKの正逆回動により上記保持部材2の突出長Lを可変自在に構成している。
【0016】
この場合、予め、図10図11図12の如く、複数個、この場合、三個の車輌用走行規制表示装置M・・が用意され、各車輌用走行規制表示装置M・・の各保持部材2・・の各突出長Lは大中小に異なる三種類に構成され、このうち、図10に示す車輌用走行規制表示装置Mの保持部材2の突出長Lは大中小のうちの一番短い小の長さに設定され、又、図11に示す車輌用走行規制表示装置Mの保持部材2の突出長Lは大中小のうちの中の長さに設定され、又、上記図12に示す車輌用走行規制表示装置Mの保持部材2の突出長Lは大中小のうちの一番長い大の長さに設定されている。
【0017】
この実施の形態例は上記構成であるから、道路工事等における走行規制表示時には、図1図2の如く、上記表示部材Dを車道Rを横断する水平位置Hに配置し、表示部材Dにより運転者に走行規制を視認感得させることになり、又、道路工事等の終了時における非規制表示時には、起倒回動機構4により保持部材2を車道Rを横断する図1図2の実線及び図5の想像線で示す水平位置Hから図1図2の想像線で示す起立位置Vへと起立回動させ、水平旋回機構5により図1図2の想像線で示す起立位置Vから保持部材2を車道Rの側方位置Sに略90度水平旋回Nさせ、その後、図3図4の想像線で示す起立位置Vから車道R側方の図3図4図5の実線で示す格納位置Eへと倒伏回動させることになり、又、再度の走行規制表示時には、起倒回動機構4により保持部材2を車道R側方の図3図4図5の実線で示す格納位置Eから図3図4の想像線で示す起立位置Vへと起立回動させ、水平旋回機構5により図3図4の想像線で示す起立位置Vから保持部材2を車道R側へと略90度水平旋回Nさせ、その後、図1図2の想像線で示す起立位置Vから車道Rを横断する図1図2の実線で示す水平位置Hへと倒伏回動させることになる。
【0018】
したがって、図1図2図3図4図5の如く、上記起倒回動機構4及び上記水平旋回機構5の協働により保持部材2を上記起立位置Vを介して上記走行規制表示時の水平位置Hと上記非規制表示時の格納位置Eとの間で起倒旋回させることができ、上記表示部材Dによる走行規制表示及び表示部材Dの退避による非規制表示の切換動作を容易に行うことができ、かつ、非規制表示時には表示部材Dは水平位置Hから起立位置Vを介して格納位置Eに退避格納され、表示部材Dは車道Rの側方位置Sの低い格納位置Eに格納され、例えば、対向一対のガードレールG・Gによる風避けもあって、強風や吹雪による大きな外力を受けて表示部材Dが破損するおそれを防ぐことができ、あるいは、非規制表示時の格納位置Eにおける表示部材Dを運転者の視認範囲から可及的に除外することもでき、それだけ、走行規制表示時の表示部材Dを運転者に正確に視認させることができ、走行規制表示機能を向上させることができる。
【0019】
さらに、図1図2図6図7図10図14の如く、上記保持部材2の上記車道Rの側方位置Sから車道Rを横断する上記水平位置Hへの突出長Lを可変自在とする突出長可変機構Kを設けて構成しているから、上記車道Rの幅、及び、車道Rの側方位置Sから車道Rを横断する水平位置Hまでの離間距離に対する融通性を高めることができ、さらに又、例えば、図10図11図12の如く、複数個、この場合、三個の車輌用走行規制表示装置M・・を用意し、各車輌用走行規制表示装置M・・の各保持部材2・・の各突出長Lを大中小に異なる数種類に構成し、図13図14の如く、この三種類の車輌用走行規制表示装置M・・を車道Rの走行方向に沿って配列ピッチP・・を置いて順次配置することにより、例えば、車輌Cの走行規制を表示することができると共に車輌Cを車道Rの追越車線R及び走行車線Rから出口車線F、又は、走行している追越車線Rから隣り合う走行車線Rへと複数個の誘導看板Jを併用して徐々に進路変更させるための誘導表示をすることができ、走行規制表示機能を一層向上させることができる。
【0020】
又、この場合、上記突出長可変機構Kとして、図5図6の如く、上記保持部材2を互いに伸縮自在な複数個、この場合、二個の分割部材2a・2bにより形成し、複数個、この場合、二個の分割部材2a・2bを互いに伸縮移動させる伸縮移動機構Kを設けて構成しているから、突出長可変機構Kの構造を簡素化することができ、又、この場合、図6の如く、上記伸縮移動機構Kは螺子機構K及び駆動用モータKからなるので、伸縮移動機構Kの構造を簡素化することができ、螺子機構K及び駆動用モータKにより保持部材2の伸縮操作を円滑に行うことができる。
【0021】
又、この場合、図1図2図3図4図14の如く、上記表示部材Dは矢印表示構造であるから、車輌Cの走行規制表示及び誘導表示を得ることができ、走行規制を確実に表示させることができ、又、この場合、図9の如く、上記保持部材2に既定値以上の過負荷が加わった時、上記保持部材2の旋回を許容するトルクリミッタ6を備えているから、例えば、保持部材2への車輌Cの衝突や他の外力により規定値以上の過負荷が加わった時、上記保持部材2の旋回を許容して保持部材2及び他の機構の損傷を防ぐことができ、又、この場合、図1図2図3図4図5の如く、上記起倒回動機構4は起倒用モータ4c及びウオーム減速機構4dからなるので、起倒回動機構4の構造を簡素化することができ、又、この場合、図1図2図3図4図5の如く、上記水平旋回機構5は水平旋回用モータ5c及びウオーム減速機構5dからなるので、水平旋回機構5の構造を簡素化することができる。
【0022】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、例えば、上記実施の形態例においては、上記突出長可変機構Kは駆動用モータKを用いた機械的構造としているが、例えば、駆動用モータKに代えて上記螺子軸Kの基部に手回ハンドルを取り付け、手回ハンドルの正逆回転により保持部材2の突出長Lを可変する手動構造を適用することもでき、又、さらに、上記実施の形態例においては、保持部材2を二個の分割部材2a・2bによる所謂、二段の伸縮構造としているが、保持部材2を複数個の分割部材として、所謂、多段の伸縮構造とすることにより保持部材2の突出長Lが増加する伸縮構造とすることもあり、又、上記表示部材D、装置機体1、保持部材2、連結機構3、起倒回動機構4、水平旋回機構5、上記突出長可変機構K、トルクリミッタ6の数や形態、構造等は適宜変更して設計されるものである。
【0023】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0024】
M 車輌用走行規制表示装置
R 車道
S 側方位置
C 車輌
D 表示部材
H 水平位置
V 起立位置
E 格納位置
Q 起倒回動
N 水平旋回
L 突出長
K 突出長可変機構
伸縮移動機構
螺子機構
駆動用モータ
回止部材
1 装置機体
2 保持部材
2a 分割部材
2b 分割部材
3 連結機構
4 起倒回動機構
4a 起倒部材
4b 水平軸
4c 起倒用モータ
4d ウオーム減速機構
5 水平旋回機構
5a 水平旋回部材
5b 旋回軸
5c 水平旋回用モータ
5d ウオーム減速機構
6 トルクリミッタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14