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特許7372024分散型マーシャリングアーキテクチャを使用して、プロセス制御システムにおいてフィールドデバイスをコントローラに通信可能に結合するための装置及び方法
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  • 特許-分散型マーシャリングアーキテクチャを使用して、プロセス制御システムにおいてフィールドデバイスをコントローラに通信可能に結合するための装置及び方法 図1
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  • 特許-分散型マーシャリングアーキテクチャを使用して、プロセス制御システムにおいてフィールドデバイスをコントローラに通信可能に結合するための装置及び方法 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】分散型マーシャリングアーキテクチャを使用して、プロセス制御システムにおいてフィールドデバイスをコントローラに通信可能に結合するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/042 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
G05B19/042
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017205480
(22)【出願日】2017-10-24
(65)【公開番号】P2018073418
(43)【公開日】2018-05-10
【審査請求日】2020-10-23
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-10
(31)【優先権主張番号】15/332,355
(32)【優先日】2016-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512132022
【氏名又は名称】フィッシャー-ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴッドフリー アール. シェリフ
(72)【発明者】
【氏名】ゲーリー ケー. ロウ
【合議体】
【審判長】刈間 宏信
【審判官】鈴木 貴雄
【審判官】田々井 正吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-77660(JP,A)
【文献】特開2016-71828(JP,A)
【文献】特開2010-109970(JP,A)
【文献】特開2015-204584(JP,A)
【文献】特開2016-92521(JP,A)
【文献】国際公開第2015/133175(WO,A1)
【文献】特開2015-87833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスプラント内のフィールドデバイスを前記プロセスプラント内のコントローラに結合するためのヘッドエンドモジュールであって、
前記ヘッドエンドモジュールを第1の分散型マーシャリングモジュールに通信可能に接続し、前記第1の分散型マーシャリングモジュールが、第1のリングアーキテクチャの一部である、第1の通信ポートと、
前記ヘッドエンドモジュールを第2の分散型マーシャリングモジュールに通信可能に接続し、前記第2の分散型マーシャリングモジュールが、前記第1のリングアーキテクチャの一部である、第2の通信ポートと、
前記ヘッドエンドモジュールをI/Oカードに通信可能に接続し、これが次に、前記コントローラに通信可能に接続される、第3の通信ポートと、
メモリデバイスと、
マイクロプロセッサであって、前記メモリデバイスに結合され、また、
前記第1及び第2の通信ポートの一方または両方を介して、前記第1及び第2の分散型マーシャリングモジュールに結合されるフィールドデバイスから第1のデータを受信し、
前記受信した第1のデータを前記メモリデバイスに配置されるデータベースに記憶し、
前記データベースから、前記受信した第1のデータを取り出し、
前記I/Oカードを介して、前記取り出した第1のデータを前記コントローラに伝送し、
前記I/Oカードを介して、前記コントローラから第2のデータを受信し、
前記第1及び第2の通信ポートの一方または両方を介して、前記第2のデータを前記フィールドデバイスの指定されたものに伝送するように構成される、マイクロプロセッサと、
を備える、ヘッドエンドモジュール。
【請求項2】
前記マイクロプロセッサが、デフォルトで、前記第1及び第2の通信ポートのうちの第1の1つで伝送し、デフォルトで、前記第1及び第2の通信ポートのうちの第2の1つで
受信するように構成され、
前記マイクロプロセッサが、伝送する前の所定の期間内に前記第1の通信ポートで、予想される定期的なハートビート信号を受信しなかった場合に、前記マイクロプロセッサが、前記第1の通信ポートの代わりに、前記第2の通信ポートで伝送するようにさらに構成される、請求項に記載のヘッドエンドモジュール。
【請求項3】
前記マイクロプロセッサが、前記第1及び第2の通信ポートの各々で定期的なハートビート信号を伝送するように構成される、請求項またはに記載のヘッドエンドモジュール。
【請求項4】
前記マイクロプロセッサが、
前記第1または第2の通信ポートを介して、宛先アドレスを含むデータを受信し、
前記宛先アドレスが、前記ヘッドエンドモジュールのアドレスであるかどうかを判定し、
前記宛先アドレスが前記ヘッドエンドモジュールの前記アドレスではない場合に、前記第1または第2の通信ポートのうちの1つを介して、前記受信したデータを伝送するか、または、前記宛先アドレスが前記ヘッドエンドモジュールの前記アドレスである場合に、前記受信したデータを前記データベースに記憶するように構成される、
請求項からのいずれか1項に記載のヘッドエンドモジュール。
【請求項5】
前記宛先アドレスが、(1)前記ヘッドエンドモジュール、(2)前記分散型マーシャリングモジュールの1つに結合されるフィールドデバイス、のうちの1つを指定し、
前記宛先アドレスが、(1)前記ヘッドエンドモジュール、(2)前記分散型マーシャリングモジュールの1つと関連付けられる電子マーシャリングコンポーネント、のうちの1つを指定し、
前記宛先アドレスが、(1)前記ヘッドエンドモジュール、(2)前記分散型マーシャリングモジュールの1つ、のうちの1つを指定する、請求項に記載のヘッドエンドモジュール。
【請求項6】
前記ヘッドエンドモジュールを第3の分散型マーシャリングモジュールに通信可能に接続し、前記第3の分散型マーシャリングモジュールが、第2のリングアーキテクチャの一部である、第4の通信ポートと、
前記ヘッドエンドモジュールを第4の分散型マーシャリングモジュールに通信可能に接続し、前記第4の分散型マーシャリングモジュールが、前記第2のリングアーキテクチャの一部である、第5の通信ポートと、をさらに備える、
請求項からのいずれか1項に記載のヘッドエンドモジュール。
【請求項7】
プロセスプラント内のプロセスを制御するように動作するプロセス制御システムであって、
請求項からのいずれか1項に記載のヘッドエンドモジュール、
を備える、プロセス制御システム。
【請求項8】
プロセスプラント内のプロセスを制御するように動作するプロセス制御システムであって、
複数のプロセス制御フィールドデバイスと、
前記複数のプロセス制御フィールドデバイスに通信可能に結合される入力/出力(I/O)カードと、
前記I/Oカードに通信可能に結合され、前記I/Oカードを介して、前記複数のプロセス制御フィールドデバイスからデータを受信し、同じく前記I/Oカードを介して、制御信号を前記プロセス制御フィールドデバイスの1つ以上に送信して、前記プロセスの動
作を制御するように動作する、コントローラと、
分散型マーシャリングモジュールであって、
一対の通信ポートと、
1つ以上の電子マーシャリングコンポーネントスロットであって、少なくとも1つの電子マーシャリングコンポーネントスロットが、その中に電子マーシャリングコンポーネントを有する、1つ以上の電子マーシャリングコンポーネントスロットと、
前記1つ以上の電子マーシャリングコンポーネントスロットの各々に対応するそれぞれの端子ブロックであって、前記少なくとも1つの電子マーシャリングコンポーネントスロットの前記端子ブロックが、前記複数のフィールドデバイスのうちの1つに通信可能に結合される、それぞれの端子ブロックと、
前記一対の通信ポートに結合されるマイクロプロセッサと、を備える分散型マーシャリングモジュールと、
ヘッドエンドモジュールであって、
前記ヘッドエンドモジュールを前記I/Oカードに結合する第1の通信ポートと、
前記分散型マーシャリングモジュールに通信可能に結合される一対の第2の通信ポートと、
前記一対の第2の通信ポートを介して、前記マイクロプロセッサによって受信される情報を記憶するデータベースがその中に記憶されるメモリデバイスと、
マイクロプロセッサであって、前記メモリデバイスに結合され、
前記一対の第2の通信ポートを介して、データを受信及び伝送し、
受信したデータを前記メモリデバイスに記憶し、
前記メモリデバイスからデータを取り出し、
前記I/Oカードを介して、取り出したデータを前記コントローラに伝送するように構成される、マイクロプロセッサと、を備えるヘッドエンドモジュールと、
を備える、プロセス制御システム。
【請求項9】
前記プロセス制御システムが、複数の分散型マーシャリングモジュールを備える、請求項に記載のプロセス制御システム。
【請求項10】
前記電子マーシャリングコンポーネントが、前記複数のフィールドデバイスのうちの前記1つから信号を受信し、前記受信した信号を第1の形態から第2の形態に変換するように構成される、請求項またはに記載のプロセス制御システム。
【請求項11】
前記分散型マーシャリングモジュールが、
前記電子マーシャリングコンポーネントスロットの各々をスキャンし、電子マーシャリングコンポーネントが存在する任意のスロットについて、前記スロットと関連付けられる値を登録するように動作可能である、スキャンモジュールをさらに備える、
請求項から10のいずれか1項に記載のプロセス制御システム。
【請求項12】
前記分散型マーシャリングモジュール上の前記マイクロプロセッサが、前記一対の通信ポートのうちの1つの前記スロットと関連付けられる前記値を伝送する、請求項11に記載のプロセス制御システム。
【請求項13】
前記ヘッドエンドモジュール上の前記マイクロプロセッサが、
前記I/Oカードを介して、前記コントローラからデータを受信し、
前記コントローラから受信される前記データを、前記フィールドデバイスの特定の1つと関連付けられる宛先分散型マーシャリングモジュール、前記フィールドデバイスの前記特定の1つと関連付けられる宛先電子マーシャリングコンポーネント、または前記フィールドデバイスの前記特定の1つ、のうちの1つを指定する宛先アドレスと関連付け、
前記一対の第2の通信ポートのうちの1つで前記データを伝送することによって、前記
コントローラから受信される前記データ、及び前記関連付けられた宛先アドレスを、前記フィールドデバイスの前記特定の1つに伝送するようにさらに構成され、
前記分散型マーシャリングモジュール上の前記一対の通信ポートのうちの一方が、前記ヘッドエンドモジュール上の前記マイクロプロセッサが前記データを伝送した前記一対の第2の通信ポートのうちの前記1つに通信可能に結合され、さらに、
前記分散型マーシャリングモジュール上の前記マイクロプロセッサが、前記ヘッドエンドモジュールから伝送される前記データを受信し、前記宛先アドレスが前記分散型マーシャリングモジュールと関連付けられているかどうかを判定し、
前記宛先アドレスが前記分散型マーシャリングモジュールと関連付けられている場合は、前記データを前記フィールドデバイスの前記特定の1つにルーティングし、
前記宛先アドレスが前記分散型マーシャリングモジュールと関連付けられていない場合は、前記分散型マーシャリングモジュール上の前記一対の通信ポートのうちの他方で、前記データ、及び前記関連付けられた宛先アドレスを伝送する、
請求項から12のいずれか1項に記載のプロセス制御システム。
【請求項14】
前記分散型マーシャリングモジュール上の前記マイクロプロセッサが、
前記一対の通信ポートのうちの一方で、宛先アドレスを含むデータを受信し、前記宛先アドレスが前記ヘッドエンドモジュールを指定している場合は、前記一対の通信ポートのうちの他方で、前記宛先アドレスを含む前記データを伝送する、
請求項から13のいずれか1項に記載のプロセス制御システム。
【請求項15】
前記一対の第2の通信ポートの各々が、イーサネット接続によって、前記分散型マーシャリングモジュール上の前記一対の通信ポートのうちの1つに結合され、
前記イーサネット接続が、前記ヘッドエンドモジュールを前記分散型マーシャリングモジュールに通信可能に接続する、請求項から14のいずれか1項に記載のプロセス制御システム。
【請求項16】
データをプロセスプラント内のフィールドデバイスから前記プロセスプラント内のコントローラに通信する方法であって、
端子ブロックにおいて、前記フィールドデバイスから前記データを表現する信号を受信することと、
前記端子ブロックに通信可能に接続される電子マーシャリングコンポーネントにおいて、前記受信した信号を第2の信号に変換することと、
前記電子マーシャリングコンポーネントから前記第2の信号を登録することと、
第1の通信ポートまたは第2の通信ポートのいずれかを介して、前記登録した第2の信号を示す信号を、マイクロプロセッサから、前記マイクロプロセッサ及び前記電子マーシャリングコンポーネントから遠隔のヘッドエンドモジュールに伝送することと、
を含み、
前記登録した第2の信号を示す前記信号が、デフォルトで、前記第1の通信ポートを介して、また、伝送する前の所定の期間内に前記第1の通信ポートでいかなる定期的なハートビート信号も検出されなかった場合に、前記第2の通信ポートを介して、前記ヘッドエンドモジュールに伝送され、
前記ヘッドエンドモジュールが、1つ以上のI/Oカードを介して、前記コントローラに通信可能に結合される、方法。
【請求項17】
前記ヘッドエンドモジュールに、前記登録した第2の信号を示す前記信号を伝送することが、前記登録した第2の信号を示す前記信号を、前記ヘッドエンドモジュールへの通信経路に配置される介在分散型マーシャリングモジュールに伝送することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記登録した第2の信号を示す前記信号を前記ヘッドエンドモジュールに伝送することが、前記登録した第2の信号を示す前記信号をリング通信アーキテクチャで伝送することを含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
I/Oカードを介して、前記登録した第2の信号を示す前記信号を、前記ヘッドエンドモジュールから前記コントローラに伝送することをさらに含む、請求項16から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
プロセスプラント内のプロセスを制御するように動作するプロセス制御システムであって、
複数のプロセス制御フィールドデバイスと、
前記複数のプロセス制御フィールドデバイスに通信可能に結合される入力/出力(I/O)カードと、
前記I/Oカードに通信可能に結合され、前記I/Oカードを介して、前記複数のプロセス制御フィールドデバイスからデータを受信し、同じく前記I/Oカードを介して、制御信号を前記プロセス制御フィールドデバイスの1つ以上に送信して、前記プロセスの動作を制御するように動作する、コントローラと、
複数の分散型マーシャリングモジュールであって、各分散型マーシャリングモジュールが、
一対の通信ポートと、
複数の電子マーシャリングコンポーネントスロットと、
電子マーシャリングコンポーネントスロットに配置される電子マーシャリングコンポーネントと、
前記複数の電子マーシャリングコンポーネントスロットの各々に対応するそれぞれの端子ブロックであって、前記電子マーシャリングコンポーネントが配置される前記電子マーシャリングコンポーネントスロットの前記端子ブロックが、前記複数のフィールドデバイスのうちの1つに通信可能に結合される、それぞれの端子ブロックと、
前記一対の通信ポートに結合されるマイクロプロセッサと、を備える複数の分散型マーシャリングモジュールと、
ヘッドエンドモジュールであって、
前記ヘッドエンドモジュールを前記I/Oカードに結合する第1の通信ポートと、
前記複数の分散型マーシャリングモジュールのうちの第1の1つに通信可能に結合される第2の通信ポートと、
前記複数の分散型マーシャリングモジュールのうちの第2の1つに通信可能に結合される第3の通信ポートと、
前記第2及び前記第3の通信ポートを介して、前記マイクロプロセッサによって受信される情報を記憶するデータベースがその中に記憶されるメモリデバイスと、
マイクロプロセッサであって、前記メモリデバイスに結合され、
前記第2及び前記第3の通信ポートを介して、データを受信及び伝送し、
受信したデータを前記メモリデバイスに記憶し、
前記メモリデバイスからデータを取り出し、
前記I/Oカードを介して、取り出したデータを前記コントローラに伝送するように構成される、マイクロプロセッサと、を備えるヘッドエンドモジュールと、
を備える、プロセス制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、プロセスプラント及びプロセス制御システムに関し、より具体的には、フィールドデバイス、ならびにプロセスプラント及びプロセス制御システムのループのコミッショニングに関する。
【背景技術】
【0002】
物理的材料もしくは製品を製造、精製、変換、生成、または生産するために、化学、石油、工業、または他のプロセスプラントにおいて使用されるような分散型プロセス制御システムは、典型的に、アナログ、デジタル、もしくは複合アナログ/デジタルバスを介して、または無線通信リンクもしくはネットワークを介して、1つ以上のフィールドデバイスに通信可能に結合された1つ以上のプロセスコントローラを含む。例えば弁、弁ポジショナ、スイッチ、及び伝送器(例えば、温度、圧力、レベル、及び流量センサ)であり得るフィールドデバイスは、プロセス環境内に位置付けられ、一般に、弁の開閉、温度もしくは圧力等のプロセス及び/または環境パラメータの測定等の物理的もしくはプロセス制御機能を行って、プロセスプラントまたはシステム内で実行する1つ以上のプロセスを制御する。広く公知のフィールドバスプロトコルに準拠したフィールドデバイス等のスマートフィールドデバイスは、制御計算、アラーム機能、及び一般にコントローラ内に実装される他の制御機能も行い得る。典型的にプラント環境内にも位置付けられるプロセスコントローラは、フィールドデバイスによって行われるプロセス測定及び/またはフィールドデバイスに関係する他の情報を示す信号を受信し、例えば、プロセス制御の決定を下し、受信した情報に基づいて制御信号を生成し、フィールドデバイス内で行われている制御モジュールまたはブロックと協調する異なる制御モジュール(HART(登録商標)、WirelessHART(登録商標)、及びFOUNDATION(登録商標)フィールドバスフィールドデバイス等)を実行するコントローラアプリケーションを実行する。コントローラ内の制御モジュールは、通信回線またはリンクを通じて制御信号をフィールドデバイスに送り、それによって、プロセスプラントまたはシステムの少なくとも一部分の動作を制御して、例えば、プラントまたはシステム内で動作または実行する1つ以上の工業プロセスの少なくとも一部分を制御する。例えば、コントローラ及びフィールドデバイスは、プロセスプラントまたはシステムによって制御されているプロセスの少なくとも一部分を制御する。典型的にプラント環境内にも位置付けられるI/Oデバイスは、典型的に、コントローラと1つ以上のフィールドデバイスとの間に配置され、例えば電気信号をデジタル値に、及びその逆に変換することによって、それらの間の通信を可能にする。本明細書で利用されるとき、フィールドデバイス、コントローラ、及びI/Oデバイスは、一般に、「プロセス制御デバイス」と称され、また、一般に、プロセス制御システムまたはプラントのフィールド環境内に位置付けられ、配置され、または設置される。
【0003】
フィールドデバイス及びコントローラからの情報は、通常、オペレータワークステーション、パーソナルコンピュータもしくはコンピューティングデバイス、データヒストリアン、レポート生成器、集中データベース、または典型的により過酷なプラントのフィールド環境の遠隔の制御室に、例えばプロセスプラントのバックエンド環境に配置される他の集中管理コンピューティングデバイス等の、1つ以上の他のハードウェアデバイスへのデータハイウェイもしくは通信ネットワークを通じて利用できるようにされる。これらのハードウェアデバイスの各々は、典型的に、プロセスプラント全体にわたって、またはプロセスプラントの一部分にわたって集中化される。これらのハードウェアデバイスは、例えば、プロセス制御ルーチンの設定変更、コントローラもしくはフィールドデバイス内の制御モジュールの動作の修正、プロセスの現在の状態の確認、フィールドデバイス及びコン
トローラによって生成されるアラームの確認、人員の訓練またはプロセス制御ソフトウェアの試験の目的でのプロセスの動作のシミュレーション、構成データベースの維持及び更新等の、プロセスの制御及び/またはプロセスプラントの動作に関する機能を、オペレータが行うことを可能にすることができる、アプリケーションを実行する。ハードウェアデバイス、コントローラ、及びフィールドデバイスによって利用されるデータハイウェイとしては、有線通信経路、無線通信経路、または有線通信経路及び無線通信経路の組み合わせが挙げられ得る。
【0004】
一例として、Emerson Process Managementによって販売されるDeltaV(商標)制御システムは、プロセスプラント内の様々な場所に位置付けられる異なるデバイスの内部に記憶され、それによって実行される複数のアプリケーションを含む。プロセス制御システムもしくはプラントのバックエンド環境において1つ以上のワークステーションまたはコンピューティングデバイス内に存在する構成アプリケーションは、ユーザが、プロセス制御モジュールを作成または変更し、これらのプロセス制御モジュールを、データハイウェイを介して、専用の分散型コントローラにダウンロードすることを可能にする。典型的には、これらの制御モジュールは、通信可能に相互接続される機能ブロックから構成され、これらの機能ブロックは、オブジェクト指向プログラミングプロトコルにおけるオブジェクトであり、制御スキーム内でそれに対する入力に基づいて機能を行い、制御スキーム内の他の機能ブロックに出力を提供する。構成アプリケーションはまた、構成の設計者が、オペレータにデータを表示するために閲覧アプリケーションによって使用されるオペレータインターフェースを作成または変更することを可能にすること、及びオペレータが、プロセス制御ルーチン内の設定値等の設定を変更することを可能にすることもできる。各専用のコントローラ、及びいくつかの事例において1つ以上のフィールドデバイスは、それらに割り当てられ、ダウンロードされる制御モジュールを実行するそれぞれのコントローラアプリケーションを記憶し、実行して、実際のプロセス制御機能を実装する。1つ以上のオペレータワークステーション上で(またはオペレータワークステーション及びデータハイウェイと通信可能に接続している1つ以上のリモートコンピューティングデバイス上で)実行することができる閲覧アプリケーションは、データハイウェイを介して、コントローラアプリケーションからデータを受信し、ユーザインターフェースを使用して、このデータをプロセス制御システムの設計者、オペレータ、またはユーザに表示し、また、オペレータの画面、エンジニアの画面、及び技術者の画面等の、いくつかの異なる画面のうちのいずれかを提供することができる。データヒストリアンアプリケーションは、典型的に、データハイウェイ全体にわたって提供されるデータの一部または全部を収集し、記憶する、データヒストリアンデバイスに記憶され、それによって実行され、一方で、構成データベースアプリケーションは、データハイウェイに取り付けられるさらなるコンピュータで実行して、現在のプロセス制御ルーチン構成及びそれと関連付けられるデータを記憶することができる。代替的に、構成データベースは、構成アプリケーションと同じワークステーション内に位置付けることができる。
【0005】
一般に、プロセスプラントまたはシステムのコミッショニングは、プラントまたはシステムの様々なコンポーネントを、システムまたはプラントを意図するように動作させることができる地点に持ってくることを伴う。一般的に知られているように、物理的プロセス要素(プロセスプラント内のプロセスを制御するために利用される弁、センサ等)は、例えばプラントフロアレイアウト及び/もしくはプロセスレイアウトの配管及び計装図(P&ID)ならびに/または他の計画もしくは「青写真」に従って、プラントのフィールド環境内のそれぞれの場所に設置される。プロセス要素が設置された後には、プロセス要素の少なくとも一部がコミッショニングされる。例えば、フィールドデバイス、サンプリング点、及び/または他の要素は、コミッショニングを受ける。コミッショニングは、典型的に複数の活動または行動を含む、入り組んだ複雑なプロセスである。例えば、コミッショニングは、とりわけ、設置されたプロセス制御デバイス(フィールドデバイス等)及び
その予想される接続の識別を検査または検証すること、プロセス制御システムまたはプラント内のプロセス制御デバイスを一意的に識別するタグを決定し、提供すること、デバイスのパラメータ、限度等の初期値を設定または構成すること、例えばデバイスに提供される信号を操作し、他の試験を行うことによって、様々な条件下で、デバイスの設置、動作、及び挙動の正確性を検証すること、及び他のコミッショニングアクティビティ及びアクション等の、アクションまたはアクティビティを含み得る。コミッショニング中のデバイス検証は、安全性の理由から、ならびに規制及び品質要件に準拠するために重要である。
【0006】
他のコミッショニングアクションまたはアクティビティは、デバイスが含まれるプロセス制御ループ上で行われる。このようなコミッショニングアクションまたはアクティビティは、例えば、いくつか例を挙げれば、相互接続全体にわたって送信される様々な信号が、相互接続の両端において予想される挙動をもたらすことを検証すること、プロセス制御ループに関する完全性検査、プラント内に実装されるデバイスの実際の物理的接続を示すための現況I/Oリストを生成すること、ならびに、他の「設置時の」データを記録することを含む。
【0007】
いくつかのコミッショニング作業のために、ユーザは、様々な目標のプロセス制御デバイス、コンポーネント、及びループにおいてローカルにコミッショニングツール(例えば、ハンドヘルドまたはポータブルコンピューティングデバイス)を利用することができる。いくつかのコミッショニング作業は、プロセス制御システムのオペレータインターフェースにおいて、例えばプロセスプラントのバックエンド環境に含まれるオペレータワークステーションのオペレータインターフェースにおいて行うことができる。
【0008】
典型的に、プロセスプラントのコミッショニングは、プロセスプラントのフィールド環境において設置され、設定され、相互接続される、物理的デバイス、接続、配線等が必要である。プラントのバックエンド環境において(例えば、典型的に制御室の中に、またはプラントのより過酷なフィールド環境から離れた他の場所にある、オペレータワークステーション、パーソナルコンピュータもしくはコンピューティングデバイス、集中データベース、構成ツール等の、集中管理コンピューティングデバイスにおいて)、特に、様々なデバイス、該デバイスの構成、及び該デバイスの相互接続を識別し、及び/または該デバイスをアドレス指定するデータが集積され、検証またはコミッショニングされ、記憶される。このように、物理的ハードウェアが設置され、構成された後に、様々なデバイスが他のデバイスと通信することができるように、識別情報、論理命令、ならびに他の命令及び/またはデータがダウンロードされ、または別様には、フィールド環境内に配置される様々なデバイスに提供される。
【0009】
当然ながら、バックエンド環境において行われるコミッショニング活動に加えて、コミッショニングアクションまたはアクティビティも行われて、個別的及び一体的の両方で、物理的デバイス及び論理的デバイス両方のフィールド環境における接続及び動作の正確性を検証する。例えば、フィールドデバイスは、物理的に設置され、例えば電源オン、電源オフ等が個別に検証され得る。フィールドデバイスの一部は、次いで、コミッショニングツールに物理的に接続することができ、それを介して、シミュレーションされた信号をフィールドデバイスに送信することができ、様々なシミュレーションされた信号に応答するフィールドデバイスの挙動を試験することができる。同様に、その通信ポートがコミッショニングされるフィールドデバイスは、最終的に、端子ブロックに物理的に接続して、端子ブロックとフィールドデバイスとの間の実際の通信を試験することができる。典型的に、フィールド環境におけるフィールドデバイス及び/または他のコンポーネントのコミッショニングは、試験信号及び応答をフィールドデバイス及び他のループコンポーネントの間で通信し、また、結果として生じる検証された挙動を通信することができるように、コンポーネントの識別に関する知識、及びいくつかの事例では、コンポーネントの相互接続
に関する知識を必要とする。現在公知のコミッショニング技術において、このような識別及び相互接続の知識またはデータは、一般に、バックエンド環境によってフィールド環境内のコンポーネントに提供される。例えば、バックエンド環境は、制御モジュールにおいて使用されるフィールドデバイスタグを、実際のプラント動作中に制御モジュールによって制御されるフィールドデバイスにダウンロードする。
【0010】
フィールドデバイスの通信ポートを端子ブロックに、及び最終的には、バックエンド環境内のコントローラに結合することは、一般に、複雑なプロセスである。フィールドデバイスは、フィールドデバイスから受信される信号を、コントローラによって処理することができる信号に翻訳し、かつコントローラから受信される信号を、フィールドデバイスによって処理することができる信号に翻訳する、I/Oカードに結合されなければならない。特定のフィールドデバイスに対応する各I/Oカードの各チャネルは、(I/Oカードによって信号が適切に処理されるように)適切な信号の種類と関連付けられなければならず、I/Oカードは、最終的にI/Oカードに結合されたフィールドデバイスとの間で信号を受信及び/または送信する、1つまたは複数のコントローラに通信可能に結合されなければならない。
【0011】
特定の領域のための終端ブロックは、典型的に、プロセスプラントの特定の物理的領域から、フィールドデバイスの配線(または接続)の終端点としての役割を果たすが、プロセス制御設備の領域にわたって広がるフィールドデバイスを対応する終端ブロックに連結するために、かなりの量の配線があることが認識されるであろう。終端領域のマーシャリングキャビネットは、フィールドデバイスに結合される通信モジュールと、コントローラに通信可能に結合される1つ以上のI/Oカードとの間で、信号をマーシャリング、組織化、またはルーティングする、多数の通信モジュールを含む。端子ブロック及び通信モジュールに加えて、マーシャリングキャビネットはまた、電力をI/Oカード及び通信モジュールに供給するための電力プロビジョニング、マーシャリングキャビネット内のコンポーネントが過熱するのを防ぐための電力消散機構(例えば、ヒートシンク、ファン等)、フィールドデバイスから入ってくる全ての配線、及びその配線が扱い難くなることを防ぐための様々な解決策も含む。
【発明の概要】
【0012】
分散型マーシャリングアーキテクチャをプロセス制御プラントに実装するための技術、システム、装置、コンポーネント、デバイス、及び方法を本明細書で開示する。本技術、システム、装置、コンポーネント、デバイス、及び方法は、工業プロセス制御システム、環境、及び/またはプラントに適用することができ、これらは、本明細書において、互換的に「工業制御」、「プロセス制御」、「プロセス」システム、環境、及び/またはプラントと称される。典型的に、そのようなシステム及びプラントは、物理的原材料を製造、精製、または変換して製品を生成または生産するように動作する1つ以上のプロセス(本明細書において、「工業プロセス」とも称される)の分散方式における制御を提供する。
【0013】
分散型マーシャリングアーキテクチャは、電子マーシャリング(フィールドデバイスのI/Oカード、コントローラへの通信可能な接続)の少なくともいくつかの部分を、以前のシステムが許容するよりも広く分散させることを可能にする、様々な技術、システム、装置、コンポーネント、及び/または方法を含む。分散型マーシャリングは、例えば、プロセス制御システム及び/またはそれらのそれぞれの安全計装システム(SIS)(例えば、スタンドアロンまたは統合安全システム(ICSS))の様々な部分を、大幅に短い配線、より少ない電力プロビジョニング要件、より少ない熱放散要件、及び一般に、より大きい柔軟性で、I/Oカード及びコントローラに通信可能に結合することを可能にする。
【0014】
例えば、分散型マーシャリングは、フィールドデバイスを、短い配線によってローカルのマーシャリングモジュールに通信可能に結合することを可能にし、これが次に、高速ネットワーキング接続を介して、互いに及びヘッドエンドユニットに結合され、これが次に、I/Oカード及びコントローラに結合される。このように、特に、多数のフィールドデバイス間の長い配線のルーティング、プロセスプラントの物理的領域にわたる広がり、全ての配線が終端される集中マーシャリングキャビネットに関しては、フィールド環境の物理的コンポーネントのローカルコミッショニングアクティビティのかなりの部分を省くことができる。同様に、集中マーシャリングキャビネットのための電力プロビジョニング及び熱放散コンポーネントの設計及び設置も省くことができる。
【0015】
プロセスプラント内のプロセスを制御するように動作するプロセス制御システムは、複数のプロセス制御フィールドデバイスと、複数のプロセス制御フィールドデバイスに通信可能に結合される入力/出力(I/O)カードと、I/Oカードに通信可能に結合され、I/Oカードを介して、複数のプロセス制御フィールドデバイスからデータを受信し、同じくI/Oカードを介して、制御信号をプロセス制御フィールドデバイスの1つ以上に送信するように動作して、プロセスの動作を制御する、コントローラとを含む。プロセス制御システムはまた、分散型マーシャリングモジュールも含み、該分散型マーシャリングモジュールは、一対の通信ポートと、1つ以上の電子マーシャリングコンポーネントスロットであって、少なくとも1つの電子マーシャリングコンポーネントスロットが、その中に配置される電子マーシャリングコンポーネントを有する、1つ以上の電子マーシャリングコンポーネントスロットと、1つ以上の電子マーシャリングコンポーネントスロットの各々に対応するそれぞれの端子ブロックであって、少なくとも1つの電子マーシャリングコンポーネントスロットのための端子ブロックが複数のフィールドデバイスのうちの1つに通信可能に結合される、端子ブロックとを含む。一対の通信ポートに結合されるマイクロプロセッサも分散型マーシャリングモジュールに含まれる。本システムは、ヘッドエンドモジュールをさらに含む。ヘッドエンドモジュールは、I/Oカードにヘッドエンドモジュールを結合する第1の通信ポートと、分散型マーシャリングモジュールに通信可能に結合される一対の第2の通信ポートと、一対の第2の通信ポートを介して、マイクロプロセッサによって受信される情報を記憶するデータベースがその中に記憶されるメモリデバイスと、メモリデバイスに結合されるマイクロプロセッサとを有する。マイクロプロセッサは、一対の第2の通信ポートを介して、データを受信及び送信し、受信したデータをメモリデバイスに記憶し、メモリデバイスからデータを取り出し、I/Oカードを介して、取り出したデータをコントローラに伝送するように構成される。
【0016】
プロセスプラント内のフィールドデバイスをプロセスプラントのコントローラに結合するための分散型マーシャリングモジュールは、一対の通信ポートを含む。第1の数の電子マーシャリングコンポーネントスロットが、分散型マーシャリングモジュールに配置され、また、第1の数に等しい第2の数の端子ブロックも含み、各端子ブロックは、電子マーシャリングコンポーネントスロットの1つと通信可能に接続しており、また、フィールドデバイスのそれぞれ1つに通信可能に接続されるように構成される。さらにまた、分散型マーシャリングモジュールは、電子マーシャリングコンポーネントスロットに配置される、第1の数以下である第3の数の電子マーシャリングコンポーネントであって、電子マーシャリングコンポーネントの各々が、フィールドデバイスのそれぞれ1つから信号を受信し、受信した信号をI/Oカードと互換の形式に変換するように構成される、電子マーシャリングコンポーネントと、一対の通信ポートに結合されるマイクロプロセッサとを含む。
【0017】
プロセスプラント内のフィールドデバイスをプロセスプラント内のコントローラに結合するためのヘッドエンドモジュールは、ヘッドエンドモジュールを第1の分散型マーシャリングモジュール、第1のリングアーキテクチャの第1の分散型マーシャリングモジュー
ル部分に通信可能に接続する第1の通信ポートを含む。また、ヘッドエンドモジュールを第2の分散型マーシャリングモジュール、第1のリングアーキテクチャの第2の分散型マーシャリングモジュールに通信可能に接続する第2の通信ポートも、ヘッドエンドモジュールの一部である。さらに、ヘッドエンドモジュールは、ヘッドエンドモジュールをI/Oカードに通信可能に接続し、これが次に、I/Oカードをコントローラに通信可能に接続する、第3の通信ポートを含む。さらにまた、ヘッドエンドモジュールは、メモリデバイス、及びメモリデバイスに結合されるマイクロプロセッサを含む。第1及び第2の通信ポートの一方または両方を介して、第1及び第2の分散型マーシャリングモジュールに結合されるフィールドデバイスから第1のデータを受信し、受信した第1のデータをメモリデバイスに配置されたデータベースに記憶し、データベースから、受信した第1のデータを取り出し、I/Oカードを介して、取り出した第1のデータをコントローラに伝送し、I/Oカードを介して、コントローラから第2のデータを受信し、第1及び第2の通信ポートの一方または両方を介して、第2のデータをフィールドデバイスの指定されたものに伝送するように構成される。
【0018】
41.プロセスプラント内のフィールドデバイスからプロセスプラント内のコントローラにデータを通信する方法は、端子ブロックにおいて、フィールドデバイスからデータを表現する信号を受信することを含む。本方法は、端子ブロックに通信可能に接続された電子マーシャリングコンポーネントにおいて、受信した信号を第2の信号に変換することと、電子マーシャリングコンポーネントから第2の信号を登録することとをさらに含む。本方法はまた、第1の通信ポートまたは第2の通信ポートのいずれかを介して、登録した第2の信号を示す信号を、マイクロプロセッサから、マイクロプロセッサ及び電子マーシャリングコンポーネントから遠隔のヘッドエンドモジュールに伝送することも含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本明細書で説明される分散型マーシャリングアーキテクチャを少なくともその一部分が実装する、例示的なシステムプロセスプラントを図示するブロック図である。
図2A図1のプロセスプラントに含まれ得る、及び分散型マーシャリングアーキテクチャを使用して少なくとも部分的に実装され得る、例示的な制御ループのブロック図である。
図2B図1のプロセスプラントに含まれ得る、電子マーシャリングブロックまたは装置の例示的なアーキテクチャを図示する図である。
図2C図1のプロセスプラントに含まれ得る、及び分散型マーシャリングアーキテクチャを利用して少なくとも部分的にコミッショニングされ得る、例示的なループの一実現形態のブロック図である。
図2D図1のプロセスプラントに含まれ得る、及び分散型マーシャリングアーキテクチャを利用して少なくとも部分的にコミッショニングされ得る、例示的なループの別の実現形態のブロック図である。
図2E図1のプロセスプラントに含まれ得る、及び分散型マーシャリングアーキテクチャを利用して少なくとも部分的にコミッショニングされ得る、例示的なループのさらに別の実現形態のブロック図である。
図2F】分散型マーシャリングアーキテクチャを実装する制御ループの様々な接続要素を表すブロック図である。
図2G】分散型マーシャリングアーキテクチャのいくつかの可能な実施形態を図示するブロック図である。
図3】分散型マーシャリングアーキテクチャの一実施形態による、I/Oヘッドエンドのブロック図である。
図4】分散型マーシャリングアーキテクチャの実施形態による、分散型マーシャリングモジュールのブロック図である。
図5図1のプロセス制御システム内に実装され得る、例示的な分散型マーシャリングアーキテクチャを表す図である。
図6図1のプロセス制御システム内に実装され得る、別の例示的な分散型マーシャリングアーキテクチャを表す図である。
図7図1のプロセス制御システム内に実装され得る、分散型マーシャリングアーキテクチャのさらに別の実現形態を表す図である。
図8図1のプロセス制御システム内に実装され得る、分散型マーシャリングアーキテクチャのさらなる実現形態を表す図である。
図9図1のプロセス制御システム内に実装され得る、分散型マーシャリングアーキテクチャのさらなる実現形態を表す図である。
図10】説明される実施形態に従ってフィールドデバイスからコントローラにデータを通信する方法を表す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上で論じたように、オンラインであるときに、リアルタイムで1つ以上の工業プロセスを制御するように動作するプロセスプラント、プロセス制御システム、またはプロセス制御環境は、本明細書で説明される新規な技術、システム、装置、コンポーネント、デバイス、及び/または方法のうちの1つ以上を利用して、コミッショニング中に通信可能に接続することができる。プロセスプラントは、オンラインでコミッショニングされ、動作するとき、プロセス制御システムと協調して物理的機能を行って、プロセスプラント内で実行する1つ以上のプロセスを制御する、1つ以上の有線もしくは無線プロセス制御デバイス、コンポーネント、または要素を含む。プロセスプラント及び/またはプロセス制御システムは、例えば、1つ以上の有線通信ネットワーク及び1つ以上の無線通信ネットワークを含み得る。加えて、プロセスプラントまたは制御システムは、連続データベース、バッチデータベース、資産管理データベース、ヒストリアンデータベース、及び他の種類のデータベース等の、集中データベースを含み得る。
【0021】
例示のために、図1は、本明細書で説明される技術及び装置の任意の1つ以上を使用することによって少なくともその一部分がコミッショニングされた、例示的なプロセスプラント、プロセス制御システム、またはプロセス制御環境5のブロック図である。プロセスプラント5は、フィールドデバイスによって作成されたプロセス測定値を示す信号を受信し、この情報を処理して制御ルーチンを実装し、有線または無線プロセス制御通信リンクまたはネットワークを通じて他のフィールドデバイスに送信されてプラント5内のプロセスの動作を制御する制御信号を生成する、1つ以上のプロセスコントローラを含む。典型的に、少なくとも1つのフィールドデバイスは、物理的機能(例えば、弁の開閉、温度の上昇または下降、測定値の取得、状態の感知等)を行って、プロセスの動作を制御する。いくつかの種類のフィールドデバイスは、I/Oデバイスを使用することによってコントローラと通信する。プロセスコントローラ、フィールドデバイス、及びI/Oデバイスは、有線または無線とすることができ、任意の数及び組み合わせの有線及び無線プロセスコントローラ、フィールドデバイス、及びI/Oデバイスを、プロセスプラント環境またはシステム5に含むことができる。
【0022】
例えば、図1は、入力/出力(I/O)カード26及び28を介して、有線フィールドデバイス15~22に、ならびにヘッドエンドユニット29に通信可能に接続されたI/Oカード31によって有線フィールドデバイス23a~c及び24a~cに通信可能に接続される、プロセスコントローラ11を図示する。コントローラ11は、無線ゲートウェイ35及びプロセス制御データハイウェイまたはバックボーン10を介して、無線フィールドデバイス40~46に通信可能に接続される。プロセス制御データハイウェイ10は、1つ以上の有線及び/または無線通信リンクを含むことができ、また、例えばイーサネットプロトコル等の、任意の所望のまたは適切なまたは通信プロトコルを使用して実装することができる。いくつかの構成において(図示せず)、コントローラ11は、1つ以上
の通信プロトコル、例えば、Wi-Fiまたは他のIEEE802.11に準拠する無線ローカルエリアネットワークプロトコル、モバイル通信プロトコル(例えば、WiMAX、LTE、もしくは他のITU-R対応プロトコル)、Bluetooth(登録商標)、HART(登録商標)、WirelessHART(登録商標)、Profibus、FOUNDATION(登録商標)フィールドバス等をサポートする、任意の数の他の有線または無線通信リンクの使用等によって、バックボーン10以外の1つ以上の通信ネットワークを使用して無線ゲートウェイ35に通信可能に接続される。
【0023】
コントローラ11は、一例として、Emerson Process Managementによって販売されている、DeltaV(商標)コントローラとすることができ、フィールドデバイス15~22及び40~46のうちの少なくともいくつかを使用して、バッチプロセスまたは連続プロセスを実施するように動作させることができる。一実施形態において、プロセス制御データハイウェイ10に通信可能に接続されることに加えて、コントローラ11はまた、例えば標準的な4~20mAデバイス、I/Oカード26、28、及び/またはFOUNDATION(登録商標)フィールドバスプロトコル、HART(登録商標)プロトコル、WirelessHART(登録商標)プロトコル等の任意のスマート通信プロトコルと関連付けられる、任意の所望のハードウェア及びソフトウェアを使用して、フィールドデバイス15~22及び40~46のうちの少なくともいくつかにも通信可能に接続される。図1において、コントローラ11、フィールドデバイス15~22及びI/Oカード26、28は有線デバイスであり、フィールドデバイス40~46は、無線フィールドデバイスである。当然ながら、有線フィールドデバイス15~22及び無線フィールドデバイス40~46は、将来開発される任意の規格またはプロトコルを含む、任意の有線または無線プロトコル等の、任意の他の所望の規格(複数可)またはプロトコルに準拠させることができる。
【0024】
図1のプロセスコントローラ11は、1つ以上のプロセス制御ルーチン38(例えば、メモリ32内に記憶される)を実装または監督するプロセッサ30を含む。プロセッサ30は、フィールドデバイス15~22及び40~46と、ならびにコントローラ11に通信可能に接続される他のノードと通信するように構成される。本明細書で説明される任意の制御ルーチンまたはモジュールは、所望に応じて、その一部が異なるコントローラまたは他のデバイスによって実装または実行され得ることに留意されたい。同様に、プロセス制御システム5内に実装される、本明細書で説明される制御ルーチンまたはモジュール38は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア等を含む、任意の形態をとり得る。制御ルーチンは、オブジェクト指向プログラミング、ラダー論理、シーケンシャルファンクションチャート、ファンクションブロックダイアグラムを使用すること、または任意の他のソフトウェアプログラミング言語もしくは設計パラダイムを使用すること等によって、任意の所望のソフトウェアの形式で実装することができる。制御ルーチン38は、ランダムアクセスメモリ(RAM)またはリードオンリーメモリ(ROM)等の、任意の所望の種類のメモリ32に記憶することができる。同様に、制御ルーチン38は、例えば1つ以上のEPROM、EEPROM、特定用途向け集積回路(ASIC)、または任意の他のハードウェアもしくはファームウェア要素にハードコードすることができる。したがって、コントローラ11は、任意の所望の様式で制御ストラテジまたは制御ルーチンを実装するように構成することができる。
【0025】
コントローラ11は、一般に機能ブロックと称されるものを使用して制御ストラテジを実装し、各機能ブロックは、全体的な制御ルーチンのオブジェクトまたは他の部分(例えば、サブルーチン)であり、また、(リンクと呼ばれる通信を介して)他の機能ブロックと共に動作して、プロセス制御システム5内でプロセス制御ループを実施する。制御ベースの機能ブロックは、典型的に、伝送器、センサ、もしくは他のプロセスパラメータ測定デバイスと関連付けられるもの等の入力機能、PID、ファジー論理等の制御を行う制御
ルーチンと関連付けられるもの等の制御機能、または弁等のいくつかのデバイスの動作を制御して、プロセス制御システム5内のいくつかの物理的機能を行う出力機能、のうちの1つを行う。当然ながら、ハイブリッド及び他の種類の機能ブロックが存在する。機能ブロックは、コントローラ11に記憶され、それによって実行することができ、これは典型的に、これらの機能ブロックが、標準的な4~20mAデバイス、及びHART(登録商標)デバイス等のある種類のスマートフィールドデバイスに使用されるときに、または該デバイスと関連付けられるときに当てはまり、または機能ブロックは、フィールドデバイス自体に記憶され、それによって実装することができ、これは、FOUNDATION(登録商標)フィールドバスデバイスの場合に当てはまり得る。コントローラ11は、1つ以上の制御ループを実装することができ、機能ブロックのうちの1つ以上を実行することによって行われる、1つ以上の制御ルーチン38を含むことができる。
【0026】
有線フィールドデバイス15~22は、センサ、弁、伝送器、ポジショナ等の任意の種類のデバイスとすることができ、一方で、I/Oカード26及び28は、任意の所望の通信またはコントローラプロトコルに準拠する、任意の種類のI/Oデバイスとすることができる。図1において、フィールドデバイス15~18は、アナログ回線または複合アナログ/デジタル回線を通じてI/Oカード26に通信する、標準的な4~20mAデバイスまたはHART(登録商標)デバイスであり、一方で、フィールドデバイス19~22は、FOUNDATION(登録商標)フィールドバス通信プロトコルを使用して、デジタルバスを通じてI/Oカード28に通信する、FOUNDATION(登録商標)フィールドバスフィールドデバイス等のスマートデバイスである。しかし、いくつかの実施形態において、有線フィールドデバイス15、16、及び18~21のうちの少なくともいくつか、ならびに/またはI/Oカード26、28のうちの少なくともいくつかは、追加的または代替的に、プロセス制御データハイウェイ10を使用して、及び/または他の好適な制御システムプロトコル(例えば、Profibus、DeviceNet、Foundationフィールドバス、ControlNet、Modbus、HART等)を使用することによって、コントローラ11と通信する。
【0027】
同時に、有線フィールドデバイス23a~c及び24a~cは、センサ、弁、伝送器、ポジショナ等を含む、任意の種類のデバイスとすることができ、また、アナログ及び/またはデジタル信号を使用して、I/Oカード31と通信することができ、該I/Oカードは、下で説明されるように、フィールドデバイスによって使用される信号とI/Oカード31と互換の信号との間で信号を変換する電子マーシャリングコンポーネント(図1には示さず)によって、任意の種類のフィールドデバイスに結合することができる。フィールドデバイス23a~23cの各々は、ローカル分散型マーシャリングモジュール25に結合され、一方で、フィールドデバイス24a~24cの各々は、ローカル分散型マーシャリングモジュール27に結合される。分散型マーシャリングモジュール25、27は、それぞれの分散型マーシャリングモジュールに結合されるフィールドデバイス23a~c、24a~cの各々について、電子マーシャリングコンポーネントを携持する。分散型マーシャリングモジュール25、27の各々は、図1において、そこに結合される3つのフィールドデバイス23a~c、24a~cを有するように表されているが、残りの説明を通して、分散型マーシャリングモジュール25、27の各々が、任意の数の対応するフィールドデバイスをサポートする任意の数の電子マーシャリングコンポーネントを携持し得ることは明らかであろう。分散型マーシャリングモジュール25、27は、リングアーキテクチャを有するネットワーク33を介して、ヘッドエンドユニット29と通信し、ヘッドエンドユニット29は、データをI/Oカード31に、最終的にコントローラ11に搬送する。
【0028】
図1において、無線フィールドデバイス40~46は、WirelessHART(登録商標)プロトコル等の無線プロトコルを使用して、無線プロセス制御通信ネットワーク
70を介して通信する。そのような無線フィールドデバイス40~46は、1つ以上の他のデバイスと、または(例えば、この無線プロトコルまたは別の無線プロトコルを使用して)同じく無線で通信するように構成される、無線ネットワーク70のノードと直接通信することができる。無線で通信するように構成されていない1つ以上の他のノードと通信するために、無線フィールドデバイス40~46は、プロセス制御データハイウェイ10または別のプロセス制御通信ネットワークに接続される無線ゲートウェイ35を利用することができる。無線ゲートウェイ35は、無線通信ネットワーク70の様々な無線デバイス40~58へのアクセスを提供する。具体的には、無線ゲートウェイ35は、無線デバイス40~58と、有線デバイス11~28と、及び/またはプロセス制御プラント5の他のノードもしくはデバイスとの間の通信可能な結合を提供する。例えば、無線ゲートウェイ35は、プロセス制御データハイウェイ10を使用することによって、及び/またはプロセスプラント5の1つ以上の他の通信ネットワークを使用することによって、通信可能な結合を提供することができる。
【0029】
有線フィールドデバイス15~22と同様に、無線ネットワーク70の無線フィールドデバイス40~46は、プロセスプラント5内で物理的制御機能を、例えば弁の開閉またはプロセスパラメータの測定値の取得を行う。しかしながら、無線フィールドデバイス40~46は、ネットワーク70の無線プロトコルを使用して通信するように構成される。したがって、無線ネットワーク70の無線フィールドデバイス40~46、無線ゲートウェイ35、及び他の無線ノード52~58は、無線通信パケットの生産者かつ消費者である。
【0030】
プロセスプラント5のいくつかの構成において、無線ネットワーク70は、非無線デバイスを含む。例えば、図1において、図1のフィールドデバイス48は、レガシーである4~20mAデバイスであり、フィールドデバイス50は、有線HART(登録商標)デバイスである。ネットワーク70内で通信するために、フィールドデバイス48及び50は、無線アダプタ52a、52bを介して、無線通信ネットワーク70に接続される。無線アダプタ52a、52bは、WirelessHART等の無線プロトコルをサポートし、また、Foundation(登録商標)フィールドバス、PROFIBUS、DeviceNet等の他の通信プロトコルもサポートすることができる。加えて、いくつかの構成において、無線ネットワーク70は、1つ以上のネットワークアクセスポイント55a、55bを含み、これらは、無線ゲートウェイ35と有線通信する別個の物理的デバイスとすることができ、または一体型デバイスとして無線ゲートウェイ35を備えることができる。無線ネットワーク70はまた、無線通信ネットワーク70内の一方の無線デバイスからもう一方の無線デバイスにパケットを転送するために、1つ以上のルータ58も含むことができる。図1において、無線デバイス40~46及び52~58は、無線通信ネットワーク70の無線リンク60を通じて、及び/またはプロセス制御データハイウェイ10を介して、互いに及び無線ゲートウェイ35と通信する。
【0031】
図1において、プロセス制御システム5は、データハイウェイ10に通信可能に接続される、1つ以上のオペレータワークステーション71を含む。オペレータワークステーション71を介して、オペレータは、プロセスプラント5のランタイム動作を確認し、監視することができ、ならびに任意の診断アクション、補正アクション、保守アクション、及び/または必要とされ得る他のアクションを行うことができる。オペレータワークステーション71の少なくともいくつかは、プラント5内の、またはその近くの様々な保護された領域に位置付けることができ、いくつかの状況では、オペレータワークステーション71の少なくともいくつかは、遠隔に位置付けることができるが、それでも、プラント5と通信可能な接続状態である。オペレータワークステーション71は、有線または無線のコンピューティングデバイスとすることができる。
【0032】
例示的なプロセス制御システム5は、構成アプリケーション72a及び構成データベース72bを含むようにさらに図示され、その各々はまた、データハイウェイ10に通信可能に接続される。上で論じたように、構成アプリケーション72aの様々な事例は、1つ以上のコンピューティングデバイス(図示せず)上で実行して、ユーザが、データハイウェイ10を介して、プロセス制御モジュールを作成または変更し、これらのモジュールをコントローラ11にダウンロードすることを可能にし、ならびに、ユーザが、オペレータがプロセス制御ルーチン内のデータを確認し、データ設定を変更することができるオペレータインターフェースを作成または変更することを可能にする。構成データベース72bは、作成した(例えば、構成した)モジュール及び/またはオペレータインターフェースを記憶する。一般に、構成アプリケーション72a及び構成データベース72bは、集中化され、プロセス制御システム5に対する一体的な論理的外観を有するが、構成アプリケーション72aの複数の事例は、プロセス制御システム5内で同時に実行することができ、構成データベース72bは、複数の物理的データ記憶デバイスにわたって実装することができる。故に、構成アプリケーション72a、構成データベース72b、及びそれらへのユーザインターフェース(図示せず)は、制御及び/または表示モジュールのための構成または開発システム72を備える。典型的に、必ずしもそうではないが、構成システム72のユーザインターフェースは、プラント5がリアルタイムで動作しているかどうかにかかわらず、構成システム72のユーザインターフェースが構成及び開発エンジニアによって利用されるので、オペレータワークステーション71と異なるのに対して、オペレータワークステーション71は、プロセスプラント5のリアルタイムの動作中(本明細書では、互換的にプロセスプラント5の「ランタイム」動作とも称される)に、オペレータによって利用される。
【0033】
例示的なプロセス制御システム5は、データヒストリアンアプリケーション73a及びデータヒストリアンデータベース73bを含み、その各々はまた、データハイウェイ10に通信可能に接続される。データヒストリアンアプリケーション73aは、データハイウェイ10にわたって提供されるデータの一部または全部を収集するように、及び長期記憶のために、データをヒストリアンデータベース73bにおいて履歴化または記憶するように動作する。構成アプリケーション72a及び構成データベース72bと同様に、データヒストリアンアプリケーション73a及びヒストリアンデータベース73bは、集中化され、プロセス制御システム5に対して一体的な論理的外観を有するが、データヒストリアンアプリケーション73aの複数の事例は、プロセス制御システム5内で同時に実行することができ、データヒストリアン73bは、複数の物理的データ記憶デバイスにわたって実装することができる。
【0034】
いくつかの構成において、プロセス制御システム5は、Wi-Fiまたは他のIEEE802.11に準拠する無線ローカルエリアネットワークプロトコル、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)もしくは他のITU-R(International Telecommunication Union
Radio communication Sector)互換のプロトコル等のモバイル通信プロトコル、近距離無線通信(NFC)及びBluetooth等の短波長無線通信、または他の無線通信プロトコルといった、他の無線プロトコルを使用して他のデバイスと通信する、1つ以上の他の無線アクセスポイント74を含む。典型的に、そのような無線アクセスポイント74は、ハンドヘルドまたは他のポータブルコンピューティングデバイス(例えば、ユーザインターフェイスデバイス75)が、無線ネットワーク70と異なり、かつ無線ネットワーク70と異なる無線プロトコルをサポートする、それぞれの無線プロセス制御通信ネットワークを通じた通信を可能にする。例えば、無線またはポータブルユーザインターフェイスデバイス75は、プロセスプラント5内のオペレータによって利用される、モバイルワークステーションまたは診断試験設備(例えば、オペレータ
ワークステーション71の一事例)とすることができる。いくつかのシナリオにおいて、ポータブルコンピューティングデバイスに加えて、1つ以上のプロセス制御デバイス(例えば、コントローラ11、フィールドデバイス15~22、または無線デバイス35、40~58)もまた、アクセスポイント74によってサポートされる無線プロトコルを使用して通信する。
【0035】
いくつかの構成においては、プロセス制御システム5は、直近のプロセス制御システム5の外部にあるシステムへの1つ以上のゲートウェイ76、78を含む。典型的に、このようなシステムは、プロセス制御システム5によって生成または運用される情報の需要者または供給者である。例えば、プロセス制御プラント5は、直近のプロセスプラント5と別のプロセスプラントとを通信可能に接続するために、ゲートウェイノード76を含むことができる。加えて、または代替的に、プロセス制御プラント5は、直近のプロセスプラント5を、実験室システム(例えば、実験室情報管理システムまたはLIMS)、オペレータラウンドデータベース、マテリアルハンドリングシステム、保守管理システム、製品在庫制御システム、生産スケジューリングシステム、気象データシステム、出荷及び取扱システム、包装システム、インターネット、別のプロバイダのプロセス制御システム、または他の外部システム等の、外部のパブリックシステムまたはプライベートシステムと通信可能に接続するために、ゲートウェイノード78を含むことができる。
【0036】
図1は、プロセスプラント5内に含まれる、有限数のフィールドデバイス15~22及び40~46、無線ゲートウェイ35、無線アダプタ52、アクセスポイント55、ルータ58、ならびに無線プロセス制御通信ネットワーク70を伴う、単一のコントローラ11を図示するだけであるが、これは、例示的かつ非限定的な実施形態に過ぎないことに留意されたい。任意の数のコントローラ11を、プロセス制御プラントまたはシステム5に含むことができ、コントローラ11のいずれかが、任意の数の有線または無線デバイス及びネットワーク15~22、40~46、35、52、55、58、及び70と通信して、プラント5内のプロセスを制御することができる。例えば、プロセスプラント5は、様々な物理的領域を含むことができ、各々が、その物理領域内に、関連付けられた一組のフィールドデバイス及びネットワーク15~22、40~46、35、52、55、58、及び70と(追加的なI/Oカード26、28を介して)通信する、関連付けられた1つ以上のコントローラ11を有する。
【0037】
さらに、図1のプロセスプラントまたは制御システム5は、データハイウェイ10によって通信可能に接続される、フィールド環境122(例えば、「プロセスプラントフロア122」)及びバックエンド環境125を含むことに留意されたい。図1に示されるように、フィールド環境122は、その中に配置され、設置され、相互接続されて、ランタイム中にプロセスを制御する、物理的コンポーネント(例えば、プロセス制御デバイス、ネットワーク、ネットワーク要素等)を含む。例えば、コントローラ11、I/Oカード26、28、フィールドデバイス15~22、ならびに他のデバイス及びネットワークコンポーネント40~46、35、52、55、58、及び70は、プロセスプラント5のフィールド環境122内に位置付けられ、配置され、または別様には含まれる。全般的に言えば、プロセスプラント5のフィールド環境122において、原材料は、該フィールド環境内に配置される物理的コンポーネントを使用して受容され、処理されて、1つ以上の製品を生成する。
【0038】
プロセスプラント5のバックエンド環境125は、フィールド環境122の苛酷な状態及び材料から遮蔽及び/または保護される、コンピューティングデバイス、オペレータワークステーション、データベース、またはデータバンク等の様々なコンポーネントを含む。図1を参照すると、バックエンド環境125は、例えば、オペレータワークステーション71、制御モジュール及びその他実行可能なモジュールのための構成または開発システ
ム72、データヒストリアンシステム73、ならびに/またはプロセスプラント5のランタイム動作をサポートする他の集中管理システム、コンピューティングデバイス、及び/もしくは機能を含む。いくつかの構成において、プロセスプラント5のバックエンド環境125内に含まれる様々なコンピューティングデバイス、データベース、ならびに他のコンポーネント及び装置は、異なる物理的な場所に物理的に位置付けることができ、このうちのいくつかをプロセスプラント5に対して局所とすることができ、また、このうちのいくつかを遠隔とすることができる。
【0039】
図2A~2Gは、一般に、I/Oカード26、28及びフィールドデバイス15~22に対応する、通信アーキテクチャの非分散部分を説明するが、後で明らかになるように、図2A~2Gに関して説明される概念は、主として、アーキテクチャの分散部分に拡張することができる。図2Aは、スマートまたはインテリジェントフィールドデバイス102aが含まれ、また、本明細書で説明される技術の任意の1つ以上を使用してコミッショニングされ得る、例示的な制御ループ100aの例示的なアーキテクチャを表すブロック図を含む。一般に、本明細書で使用するときに、「スマート」または「インテリジェント」フィールドデバイスは、1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリを一体的に含む、フィールドデバイスである。一方で、本明細書で使用するときに、「ダム(dumb)」または「レガシー」フィールドデバイスは、オンボードプロセッサ(複数可)及び/またはオンボードメモリを含まない。
【0040】
ループ100aは、プロセスプラントのランタイム動作中にその中のプロセスを制御する際に利用されるように、プロセスプラントの中に一体化する、または組み込むことができる。例えば、ループ100aは、プロセスプラント5のフィールド環境122内に設置または配置することができる。
【0041】
図2Aに示される例示的なプロセス制御ループ100a内で、スマートまたはインテリジェントフィールドデバイス102aは、電子マーシャリングデバイスまたはコンポーネント(EMC)110a(例えば、Emerson Process Managementによって提供されるCHARacterization ModuleまたはCHARM)に(例えば、有線または無線方式で)通信可能に接続される。EMC110aは、I/O端子ブロック105aに通信可能に接続され(112a)、これが次に、I/Oカード108aに通信可能に接続される。I/Oカード108aは、コントローラ120aに通信可能に接続され(118a)、これが次に、プロセスプラント5のバックエンド環境125に通信可能に接続される(121a)。プロセスプラント5のオンライン動作中に、プロセスコントローラ120aは、スマートフィールドデバイス102aによって生成される信号のデジタル値を受信し、受信した値で動作して、プラント5内のプロセスを制御し、及び/または信号を送信して、フィールドデバイス102aの動作を変更させる。加えて、コントローラ120aは、通信可能な接続121aを介して、バックエンド環境125に情報を送信し、そこから情報を受信することができる。
【0042】
図2Aにおいて、電子マーシャリングコンポーネント110a、I/O端子ブロック105a、及びI/Oカード108aは、(I/Oキャビネット等の)キャビネットまたはハウジング115a内に一緒に位置付けられるように表され、該キャビネットは、バス、バックプレーン、または他の適切な相互接続機構を介して、キャビネット115a内に収容される電子マーシャリングコンポーネント110a、I/O端子ブロック105a、及びI/Oカード108a、ならびに/または他のコンポーネントを電気的に相互接続する。当然ながら、図2Aに表されるような、キャビネット115a内の電子マーシャリングコンポーネント110a、I/O端子ブロック105a、及びI/Oカード108aの筐体は、数多くの可能なハウジング構成のうちの1つに過ぎない。
【0043】
特に電子マーシャリングコンポーネント110aに関して、図2Bは、図2Aに示されるEMC110aをサポートする例示的な電子マーシャリングブロックまたは装置140の斜視図を図示し、したがって、同時に図2Aを参照して下で論じられる。図2Bにおいて、電子マーシャリングブロックまたは装置140は、(例えば、図2Aに示される、有線または無線接続118aを介して)プロセスコントローラ120aを接続することができる1つ以上のEMC I/Oカード145をサポートする、I/Oカードキャリア142を含む。加えて、電子マーシャリングブロックまたは装置140は、I/Oカードキャリア142に(したがって、EMC I/Oカード145に)通信可能に接続し、複数の個別に構成可能なチャネルをサポートする、1つ以上の電子マーシャリングモジュール148を含む。各チャネルは、EMCスロット149aに結合される、EMC端子ブロック150の専用端子に対応し、該EMCスロットでは、EMC110aを確実に受容し、電気的に接続することができ、それによって、コントローラ120aによってフィールドデバイス102a及びコントローラ120aを電子的にマーシャリングする。例えば、I/O端子ブロック105aは、EMCスロット149aに結合される、EMC端子ブロック150であり、該EMCスロットでは、EMC110a及び152が受容され、I/Oカード108aは、EMC端子ブロック150に対応し、コントローラ120aが接続される(118a)、EMC I/Oカード145である。図2Bはまた、それぞれのEMC端子ブロック150によって受容されており、また、プロセスプラント5のフィールド環境122内の他のそれぞれのデバイスに接続され得る、他のEMC152も示す。
【0044】
図2Bに表されるように、実施形態では、一対の冗長なI/Oカード145(主I/Oカード108a及び副I/Oカード108a’)が嵌入されて、冗長なI/Oカード108a、108a’のうちの1つが故障した場合に、フォールトトレラント動作を提供する。このような故障、例えば一次I/Oカード108aの故障の場合、冗長なI/Oカード108a、108a’のうちの残りの1つ(例えば、副I/Oカード108a’)が制御を引き継ぎ、通常ならば故障したI/Oカードによって行われていた、同じ動作を制御行う。
【0045】
図2Bを参照して明らかになるように、各電子マーシャリングモジュール148は、その各々が個々のEMCに対応する、複数の構成可能なチャネルをサポートする。このような構成は、図2Cに表される。図2Cは、多数のフィールドデバイス102a~102lを表す。フィールドデバイス102a~102lの各々は、対応する電子マーシャリングコンポーネント110a~110lに(例えば、有線または無線方式で)通信可能に接続される。電子マーシャリングコンポーネント110a~110lの各々は、(図2Bにおいて、EMC110a及び他のEMC152が、全て端子ブロック150に結合されるのと同様に)同じI/O端子ブロックに通信可能に接続され(112a~112l)、これが次に、冗長なI/Oカード108a、108a’に通信可能に結合される。冗長なI/Oカード108a、108a’は、コントローラ120aに通信可能に接続され(118a)、これが次に、プロセスプラント5のバックエンド環境125に通信可能に接続される(121a)。電子マーシャリングコンポーネント110a~l、I/O端子ブロック150、及び冗長なI/Oカード108a、108a’は、全てをキャビネット115aに封入することができる。図2Cに表される実施形態において、I/O端子ブロック105aは、12個の電子マーシャリングコンポーネント(例えば、110a~l)をサポートするが、I/O端子ブロック105aは、様々な実施形態において、より少ない、またはより多い電子マーシャリングコンポーネントをサポートすることができる。加えて、I/O端子ブロック105aがサポートするよりも少ない電子マーシャリングコンポーネントを、I/O端子ブロック105aに接続することができる。例えば、I/O端子ブロック105aは、16個の電子マーシャリングコンポーネントをサポートすることができるが、特定の時間に、15個、12個、10個、7個、さらには1個の電子マーシャリングコンポーネントに接続することができる。
【0046】
図2Dは、別の実施形態を表す。図2Bから直ちに明らかにならないが、I/Oカードキャリア142の各々は、追加的なI/Oチャネルのサポートを提供するために、EMC端子ブロック150によって、電子マーシャリングモジュール148の複数のものをサポートすることができる。図2Dは、第1の多数のフィールドデバイス102a~102l、及び第2の多数のフィールドデバイス102m~102xを表す。フィールドデバイス102a~102xの各々は、対応する電子マーシャリングコンポーネント110a~110xに(例えば、有線または無線方式で)通信可能に接続される。第1の多数のフィールドデバイス102a~102lに対応する電子マーシャリングコンポーネント110a~110lの各々は、第1のI/O端子ブロック105aに通信可能に接続される(112a~112l)。同時に、第2の多数のフィールドデバイス102m~102xに対応する電子マーシャリングコンポーネント110m~110xの各々は、第2のI/O端子ブロック105bに通信可能に接続される(112m~112x)。第1のI/O端子ブロック105a及び第2のI/O端子ブロック105bの各々は、次に、冗長なI/Oカード108a、108a’に通信可能に結合される。冗長なI/Oカード108a、108a’は、コントローラ120aに通信可能に接続され(118a)、これが次に、プロセスプラント5のバックエンド環境125に通信可能に接続される(121a)。電子マーシャリングコンポーネント110a~x、I/O端子ブロック105a及び105b、ならびに冗長なI/Oカード108a、108a’は、全てをキャビネット115aに封入することができる。図2Dに表される実施形態において、I/O端子ブロック105a及び105bの各々は、12個の電子マーシャリングコンポーネント(例えば、110a~l)をサポートするが、I/O端子ブロック105a及び105bは、様々な実施形態において、図2Cに表される実施形態の場合のように、より少ない、またはより多い電子マーシャリングコンポーネントをサポートすることができる。
【0047】
加えて、図2Dは、一対の冗長なI/Oカード108a、108a’に結合される2つのI/O端子ブロック105a及び105bを表すが、様々な実施形態において、各I/Oカード(したがって、各一対の冗長なI/Oカード)は、より少ない、もしくはより多いI/O端子ブロック、及び/またはより少ない、もしくはより多いI/Oチャンネル全体をサポートすることができる。例えば、特定の実施形態において、各I/Oカード108は、合計で最高96個のI/Oチャネルをサポートし、これは、各端子ブロックが12個の電子マーシャリングコンポーネント110をサポートする場合、8個のI/O端子ブロック105に対応する。
【0048】
図2Eは、さらに別の実施形態を表し、本図は、フィールドデバイスと複数のコントローラとの間の通信可能な接続を図示する。図2Eは、第1の多数のフィールドデバイス102a~102l、及び第2の多数のフィールドデバイス102m~102xを表す。図2C及び2Dの各々ように、フィールドデバイス102a~102xの各々は、対応する電子マーシャリングコンポーネント110a~110xに(例えば、有線または無線方式で)通信可能に接続される。しかしながら、図2Eに表される実施形態において、第1の多数のフィールドデバイス102a~102lに対応する電子マーシャリングコンポーネント110a~110lの各々は、第1のI/O端子ブロック105aに通信可能に接続され(112a~112l)、これが次に、第1の一対の冗長なI/Oカード108a、108a’に通信可能に接続される。同時に、第2の多数のフィールドデバイス102m~102xに対応する電子マーシャリングコンポーネント110m~110xの各々は、第2のI/O端子ブロック105bに通信可能に接続され(112m~112x)、これが次に、第2の一対の冗長なI/Oカード108b、108b’に通信可能に接続される。冗長なI/Oカード108a、108a’は、コントローラ120aに通信可能に接続され(118a)、一方で、冗長なI/Oカード108b、108b’は、コントローラ120bに通信可能に接続される(118b)。コントローラ120a、120bは、次
に、プロセスプラント5のバックエンド環境125に通信可能に接続される(121a、121b)。表されるように、第1の多数の電子マーシャリングコンポーネント110a~110l、I/O端子ブロック105a、及び冗長なI/Oカード108a、108a’は、キャビネット115aに封入され、一方で、第2の多数の電子マーシャリングコンポーネント110m~110x、I/O端子ブロック105b、及び冗長なI/Oカード108b、108b’は、キャビネット115bに封入される。当然ながら、キャビネット115a及び115bに表される含有物は、いくつかの実施形態において、単一のキャビネット内にあり得ることが認識されるであろう。
【0049】
以下、図2Fを参照すると、制御ループ100a(図2Aを参照されたい)がさらに詳細に表され、プロセスプラント5の構成中、及びコミッショニング中の特定の利益を図示する。図2Bを簡単に参照すると、EMC端子ブロック150は、電子マーシャリングモジュール148上の各チャネルについて、一組の端子151a~151dを含む。4つの端子151a~151dを含むように図示されているが、EMC端子ブロック150の各チャネルは、他の実施形態において、2つまたは3つの端子を含むことができる。図2Fに図示される実施形態において、EMC端子ブロック150の各チャネルは、4つの端子151a~151dを含み、よって、各チャネルは、そのそれぞれのフィールドデバイス102aへの1線式、2線式、3線式、または4線式接続を有するデバイスをサポートすることができる。
【0050】
フィールドデバイス102aは、フィールドデバイス102aから始まり端子151a~151dで終端する配線153によって、端子151a~151dの一部または全部に結合される。実施形態において、配線153は、キャビネット115aに対するフィールドデバイス102aの場所、配線153によって搬送される信号の種類、プロセスプラント5の周りの配線153の特定の経路等に応じて、数フィート、数十フィート、さらには数千フィートの長さになり得る。いくつかの実施形態において、配線153は、フィールドデバイス102aから(または多数のフィールドデバイスから)信号を受信する受信機と、端子151a~151dとの間に存在し得る。
【0051】
理解されるように、所与のチャネルの端子151a~151dにおいて終端するワイヤの数は、端子151a~151dに結合されるフィールドデバイスの種類、ならびにフィールドデバイス102aによって実装される伝送プロトコル、及び信号の種類に依存する。EMCアーキテクチャを実装する(すなわち、EMC I/Oカード、EMC等を使用する)プロセスプラントの際立った特徴は、EMC I/Oカードに結合されるフィールドデバイスを、通信される信号の種類にかかわらず、I/Oカード及びEMCを介して、コントローラとフィールドデバイスとの間で、EMC端子ブロック150上の任意のチャネルに結合することができることである。これは、EMCが、フィールドデバイス側の信号を、コントローラに通信することができる信号に、またその逆も同じく変換するように機能するからである。これは、各I/Oカードが特定の種類の信号専用のチャネルを有して、フィールドデバイスをI/Oカード上の正しいチャネルに対応する端子に配線することが必要であった、以前のアーキテクチャとは対照的である。
【0052】
図2Fを再度参照すると、配線153の様々なワイヤ上の信号は、接続(例えば、以前の図では、接続112a)を介して、電子マーシャリングモジュール148によってEMC110aに渡される。すなわち、電子マーシャリングモジュール148は、EMC端子ブロック150上の端子151a~151dと、EMCスロット149aに挿入されるEMC110aとの間のバックプレーン接続としての役割を果たす。EMC110aは、対応する一組の端子151a~151dにおいて終端する配線153に伝送される信号に従って選択される。例えば、フィールドデバイス102aが、アナログ入力(AI)を表す信号を送信している場合は、対応するEMCスロット149aに挿入するように選択され
るEMC110aが、AI EMCとなり、また、アナログ信号(例えば、4~20mA)を、I/Oカード108aがコントローラ120aに通信するための対応するデジタル信号に変換する。別の例として、EMC110aが、コントローラ120aから離散出力(DO)信号を受信している場合、対応するEMCスロット149aに挿入されるように選択されるEMC110aは、DO EMCとなる。EMC110aは、端子151a~151dにおいて受信される信号を、I/Oカード108によってコントローラ120aに渡すことができる信号に変換するように、及び/またはI/Oカード108を介してコントローラ120aから受信される信号を、配線153を通してフィールドデバイス102aに渡すことができる信号に変換するように構成される。
【0053】
図2Gは、いくつかの可能な実施形態を図示し、説明することを目的とするブロック図である。図2Gにおいて、12個のフィールドデバイス102a~102lは、各々が、それぞれの配線153a~153lによって、電子マーシャリングモジュール148上のそれぞれの端子150a~150lに結合される。電子マーシャリングモジュール148は、バックプレーンとして、端子150a~150l(及びそれらに通信可能に接続されるフィールドデバイス102a~102l)を、それぞれのEMCスロット149a~149lに通信可能に接続する。EMCスロット149a~149lの各々は、そのそれぞれのフィールドデバイス102a~102lとの間で通信されている信号に従って選択される、それぞれのEMC110a~110lによってポピュレートされる。電子マーシャリングモジュール148は、I/Oカードキャリア142に通信可能に接続され、よって、EMCスロット149a~149lに対応するチャネルの各々は、I/Oカードキャリア142をポピュレートする一対の冗長なI/Oカード108a、108a’の各々のそれぞれのチャネルに通信可能に接続される。I/Oカードキャリア142は、接続118aを介してコントローラ120aに結合され、それによって、コントローラ120aと、冗長なI/Oカード108a、108a’の各々との間の通信可能な接続を提供する。
【0054】
図2Gはまた、コントローラ120aとフィールドデバイス102a~102lとの間の様々な場所のいくつかのメモリデバイスも表す。いくつかのメモリデバイスの各々は、データをコントローラ120aに送信する前にフィールドデバイス102a~102lから受信するときに、またはフィールドデバイス102a~102lに送信する前にコントローラ120aから受信するときに記憶することができる、可能な場所を表す。一実施形態において、フィールドデバイス102a~102lの各々から受信するデータは、それぞれのEMC110a~110lに、そして直接、冗長なI/Oカード108a、108a’に伝送され、そこでは、データが、メモリデバイス164及び162のそれぞれで必要になるまで(例えば、コントローラ120aによって要求されるまで、または特定のチャネルでデータがコントローラ120aに伝送される、割り当てられた時間スロットまで)記憶される。別の実施形態において、フィールドデバイス102a~102lの各々から受信するデータは、それぞれのEMC110a~110lに、そして直接、I/Oカードキャリア142上またはその中に配置されるメモリデバイス160に伝送され、そこでは、データが、必要になるまで(例えば、コントローラ120aによって要求されるまで、または特定のチャネルでデータがコントローラ120aに伝送される、割り当てられた時間スロットまで)記憶され、次いで、冗長なI/Oカード108a、108a’によって取り出され、コントローラ120aに伝送される。さらに別の実施形態において、フィールドデバイス102a~102lの各々から受信されるデータは、それぞれのEMC110a~110lに伝送され、EMCスロット149a~149lに配置される、またはそれらと関連付けられる、それぞれのメモリデバイス166a~166lに記憶される。データは、冗長なI/Oカード108a、108a’がコントローラ120aに伝送するためにデータを取り出すまで、メモリデバイス166a~166lに記憶することができる。第4の実施態様において、フィールドデバイス102a~102lの各々から受信されるデータは、それぞれのEMC110a~110lに伝送され、EMC110a~11
0l内に配置されるそれぞれのメモリデバイス168a~168lに記憶される。データは、冗長なI/Oカード108a、108a’がコントローラ120aに伝送するためにデータを取り出すまで、メモリデバイス168a~168lに記憶することができる。さらに別の実施形態において、フィールドデバイス102a~102lの各々から受信されるデータは、それぞれのEMC110a~110lに伝送され、電子マーシャリングモジュール148に配置されるメモリデバイス170に記憶される。データは、冗長なI/Oカード108a、108a’がコントローラ120aに伝送するためにデータを取り出すまで、メモリデバイス170に記憶することができる。
【0055】
当然ながら、様々な実施形態において、メモリデバイス160、162、164、166a~166l、168a~168l、及び/または170は、複数の場所に記憶されているデータと組み合わせて使用することができる。加えて、実施形態では、データは、データがコントローラ120aに伝送されるよりも多い、または少ない頻度で、1つまたは複数のメモリにおいて更新することができる。すなわち、1つまたは複数のメモリは、所与の時間に、各パラメータについて単一の値だけを記憶することができ、該値は、更新されるよりも多い頻度で取り出すことができ、または該値が取り出される前に複数回更新することができる。
【0056】
さらに他の実施形態において、スキャンモジュール172は、電子マーシャリングモジュール148上で動作して、ポピュレートしたEMCスロット149a~149lの各々を繰り返し(例えば、定期的に)スキャンし、メモリデバイス、例えばメモリデバイス170、160、162、及び/または164のうちの1つ以上への、ポピュレートしたEMCスロット149a~149l内のEMC110a~110lの各々からのデータを記憶する。スキャンモジュールは、例えば、任意の所与の時点でEMC110a~110lの各々によって現在出力される値をスキャンする、多重化デバイスとすることができる。代替的に、スキャンモジュール172は、メモリデバイス166a~166lまたはメモリデバイス168a~168l等の、EMC110a~110lと関連付けられるメモリデバイスをスキャンすることができる。簡単に言えば、スキャンモジュール172は、EMC110a~110lによって直接出力されるデータをスキャンするために実装することができ、または一組のメモリデバイスに記憶されるデータをスキャンするために実装することができる。
【0057】
図3図6は、プロセスプラント5に実装されるときにいくつかの追加的な利点を提供する、プロセスプラント5の分散型マーシャリング特徴を図示する。特に、プロセスプラント5のいくつか部分は、図2A~2Gに関して説明されるように、集中マーシャリングキャビネット(例えば、図2Aに表されるキャビネット115a)を含むことができ、その中で、マーシャリングブロック140は、それぞれのEMC152を有する1つ以上の電子マーシャリングモジュール148に各々が結合される、1つ以上のI/Oカードキャリア142を含むが、ここで説明されるプロセスプラント5はまた、マーシャリングブロック140のコンポーネントの全てを単一のキャビネットまたは場所に集中化しない、分散型EMCネットワークも含むことができる。代わりに、I/Oカードキャリア142を1つの場所に(例えば、マーシャリングキャビネット115aに)位置付けることができ、一方で、EMC152及びサポート構造(下で説明される)をI/Oカードキャリア142から遠隔に位置付けて、プロセスプラント5のフィールド環境122の全体を通して分散させることができる。
【0058】
以下の説明から明らかなように、そのような配設の利点としては、フィールドデバイスと端子ブロックとの間の配線がより短いこと、各場所における電力要件が小さいこと、各場所における熱放散要件が小さいこと、通信のための冗長性がより大きいこと、及びその他、が挙げられる。
【0059】
図3は、そのような分散型システムのI/Oヘッドエンド200のブロック図を表す。ヘッドエンド200は、図2Bに表されるI/Oカードキャリア142と同じ機能の多くを行い、すなわち、ヘッドエンド200は、上で説明したように、フィールドデバイス及び1つ以上のコントローラの両方と通信する、一対の冗長なI/Oカード202、202’を携持する(そして、該I/Oカードに通信可能に接続される)。I/Oカード202、202’の各々は、それぞれのメモリデバイス203、203’を含むことができ、該メモリデバイスは、I/Oカード202、202’を動作させるためのコンピュータ読み出し可能な命令を記憶することができ、及び/またはコントローラから1つ以上のフィールドデバイスに、または1つ以上のフィールドデバイスからコントローラに通信されているデータを一時的に記憶することができる。加えて、または代替的に、メモリデバイス208は、I/Oカード202、202’を動作させるための、I/Oカード202、202’の間の冗長性を協調させるための、ヘッドエンド200とそれに接続される他のデバイス(下で説明される)との間の通信を協調させるための、コンピュータ読み出し可能な命令を記憶することができ、及び/またはコントローラから1つ以上のフィールドデバイスに、または1つ以上のフィールドデバイスからコントローラに通信されているデータを(例えば、データベースに)一時的に記憶することができる。最後に、プロセッサ205は、メモリデバイス208に結合することができ、また、メモリデバイス208にデータを記憶する、及び/またはそこから取り出す、I/Oカード202、202’を制御する、ならびに様々な通信ポートを介して通信する目的で、該メモリデバイスに記憶されるコンピュータ読み出し可能な命令を実行することができる。
【0060】
通信ポート207は、例えば、ヘッドエンド200を1つ以上のコントローラに(例えば、コントローラ120aに)結合することができる。通信ポート207は、任意の適切な通信プロトコルを実装する任意の適切な通信ポートとすることができるが、一実施形態では、イーサネット通信を実装するイーサネットポートである。追加的な通信ポート204、206、209a、及び209bは、ヘッドエンド200と1つ以上の分散型電子マーシャリングモジュール210(本明細書において、「分散型マーシャリングモジュール」とも称される)(図4を参照されたい)との間の通信を容易にする。下で説明するように、通信ポート204及び206は、例えば、それぞれが主に出力ポート及び入力ポートとしての役割を果たすことができ、ポート204は、データをヘッドエンド200から分散型マーシャリングモジュール210に伝送し、ポート206は、ヘッドエンド200において分散型マーシャリングモジュール210からデータを取り出す。実施形態において、ポート209a及び209bは、類似する機能を有することができ、また、第2の一組の分散型マーシャリングモジュール210にサービスを提供することができる。
【0061】
1つのそのような分散型マーシャリングモジュール210は、図4においてブロック図形式で表される。分散型マーシャリングモジュール210は、回路ブロック216を含み、これが次に、多数のEMCスロット260a~260f、及び対応する多数の端子ブロック240a~240fを含むので、多くの点で、図2Gに表される電子マーシャリングモジュール148に類似する。EMCスロット260a~260fの各々は、対応するEMC250a~250fを受容し、そこに通信可能に接続されるように構成される。上で説明したように、EMC250a~250fの各々は、(必ずしも必要でないが)対応するメモリデバイス270a~270fを含むことができ、及び/またはEMCスロット260a~260fの各々は、同様に、(必ずしもそうする必要はないが)対応するメモリデバイス280a~280fを含むことができる。既に理解されているように、端子ブロック240a~240fの各々は、対応する配線(または無線リンク)230a~230fによって、対応するフィールドデバイス220a~220fに通信可能に結合されるように構成される。
【0062】
EMCS250a~250fは、以前の図に関して上で説明したものと同じように機能する。すなわち、EMC250a~250fの各々は、分散型マーシャリングモジュール210とそれぞれのフィールドデバイス220a~220fとの間で、対応する配線230a~230fで伝送される信号に従って選択される。当然ながら、分散型マーシャリングモジュール210は、図4において、6つのEMCスロット260a~260fを回路ブロック216内に有するように表されているが、EMCスロットの数は、単一の例示的な実施形態に過ぎず、特定の分散型マーシャリングモジュール210は、例えば、2つ、4つ、6つ、8つ、10個、16個等を含む、任意の選択された数のEMCスロットを有する回路ブロック216を含むことができる。加えて、分散型マーシャリングモジュール210は、図4において、単一の回路ブロック216を有するように表されているが、実施形態において、分散型マーシャリングモジュール210は、複数の回路ブロック216をサポートするように動作可能である。いくつかの実施形態において、回路ブロック216は、モジュール式であり、各々が回路モジュールカード217上に配置される、または回路モジュールカード217上に共に結合される複数の回路ブロック216は、コネクタ(図示せず)によって互いに通信可能に結合することができ、また、単一の分散型マーシャリングモジュール210によってサポート及びサービスを提供することができる。
【0063】
回路ブロック216に加えて、分散型マーシャリングモジュール210及び、具体的には、通信モジュール218は、一対の通信ポート212及び214を含むことができる。実施形態において、通信ポート212、214は、イーサネットプロトコルを介して通信するように構成される、イーサネット通信ポートとすることができる。しかしながら、一般に、通信ポート212、214は、分散型マーシャリングモジュール210とI/Oカード203、203’との間の、安全で、タイムリーな、エラーのないネットワーク通信を提供することに適した、公知の、または将来開発される任意の通信プロトコル及び媒体を使用して動作させることができる。実施形態において、ポート212、214はどちらも、双方向性の通信を提供するように動作可能であるが、各ポートは、主として、特に送信機能または受信機能専用とすることができる。
【0064】
さらに、分散型マーシャリングモジュール210は、多数のEMC250a~250fをスキャンするように動作可能である、スキャンモジュール292を含むことができる。スキャンモジュール292は、各回路ブロック216が専用のスキャンモジュール292を有する状態で、回路モジュールカード217上に配置することができ、または複数の接続した回路ブロック216の間で共有することができる。いずれにしても、EMC250a~250は、(例えば、マルチプレクサを使用して)定期的にスキャンして、フィールドデバイス220a~220bの各々からデータもしくは値を取り出し、及び/またはデータもしくは値をそこに伝送することができる。スキャンモジュール(複数可)292によって取り出されるデータは、通信ポート(下で説明される)を介してヘッドエンド200に直ちに伝送することができ、またはヘッドエンド200に伝送されるまで、メモリデバイス290に一時的に記憶することができ、これは、予めプログラムされた機能に従って、定期的に、要求に応じて、または定期的及び要求に応じることのなんらかの組み合わせで起こり得る。例えば、いくつかの値(例えば、EMC250aにおいて、フィールドデバイス220aから受信される値)は、定期的に(例えば、毎秒)伝送する必要があり得、一方で、いくつかの値(例えば、EMC250bにおいて、フィールドデバイス220bから受信される値)は、値の変化の直後に伝送する必要があり得る。
【0065】
スキャンモジュール292の動作、ならびにEMC250a~250fから取り出される値の記憶及び/または伝送は、専用のプロセッサ293によって協調させることができる。プロセッサ293は、スキャンモジュール292を動作させるための、ならびにEMC250a~250fから受信されるデータのヘッドエンド200への伝送及び/またはヘッドエンド200から受信されるデータのフィールドデバイス220a~220fへの
伝送を指示するための機械読み出し可能な命令を記憶する、メモリデバイス294と協働することができる。プロセッサ293はまた、様々な「ハートビード」信号(下で説明される)を生成する、伝送する、及び受信する、ならびに分散型マーシャリングモジュール210上に配置される一対の通信ポート212、214を介したデータの伝送及び受信を協調させる役割も果たすことができる。いくつかの実施形態において、マイクロプロセッサ293は、スキャンモジュール292の機能を行うように構成することができ、それによって、別個のスキャンモジュール292に対する必要性を打ち消す。故に、そのような実施形態では、スキャンモジュール292を省略することができる。
【0066】
様々なメモリデバイス270a~270f、280a~280f、290、及び294が説明されるが、これらのデバイスの全てが所与の実施形態において必要とされないことを理解されたい。むしろ、様々なメモリデバイスは、メモリデバイスが配置され得る様々な場所を表現し、一方で、システムの目標及び機能(すなわち、必要に応じてデータをキャッシュする、データを記憶する、プロセッサに分散型マーシャリングモジュール210の動作を制御させるコンピュータ読み出し可能な命令を記憶する等)を達成する。受信または送信したデータは、メモリデバイス270a~270f、280a~280f、290、及び294のうちのいずれか(またはこれらの組み合わせ)にキャッシュまたは記憶することができる。同時に、プロセッサ293がメモリデバイス294と協働し、メモリデバイス294が、プロセッサ293によって実行される機械読み出し可能な命令を記憶するように説明されるが、プロセッサ293は、代替的に、または加えて、メモリデバイス290と協働することができる。さらに、実施形態において、プロセッサデバイス293は、分散型マーシャリングモジュール210の通信モジュール218ではなく、回路モジュールカード217の1つ以上に配置することができる。
【0067】
図5に表されるように、ヘッドエンド200は、分散型マーシャリングモジュール210の1つ以上と協働して、分散型マーシャリングアーキテクチャ201を容易にすることができる。図5は、例えばイーサネット接続とすることができる通信リンク118aを介して、通信ポート207を介してコントローラ120aに通信可能に接続されるヘッドエンド200を表す。通信リンク213a(イーサネット接続とすることができる)は、ヘッドエンド200の通信ポート204を、第1の分散型マーシャリングモジュール210aの第1の通信ポート212aに、通信可能に結合する。分散型マーシャリングモジュール210aは、それぞれの配線230a~230fを介して6つのフィールドデバイス220a~220fが結合される、回路ブロック216aを含む。配線230a~230fの各々は、上で説明したように、それぞれのフィールドデバイスの信号形式に従って選択されるEMCを含むそれぞれのEMCスロットに結合される、それぞれの端子において終端する。分散型マーシャリングモジュール210aはまた、スキャンモジュール292a、メモリデバイス290a、及びプロセッサ293aも含む。
【0068】
分散型マーシャリングモジュール210aの第2の通信ポート214aは、接続213b(イーサネット接続とすることができる)を介して、第2の分散型マーシャリングモジュール210bの第1の通信ポート212bに通信可能に結合される。分散型マーシャリングモジュール210bは、分散型マーシャリングモジュール210aと同様に、それぞれの配線232a~232fを介して6つのフィールドデバイス222a~222fが結合される、回路ブロック216bを含む。配線232a~232fの各々は、上で説明したように、それぞれのフィールドデバイスの信号形式に従って選択されるEMCを含むそれぞれのEMCスロットに結合される、それぞれの端子において終端する。分散型マーシャリングモジュール210bはまた、スキャンモジュール292b、メモリデバイス290b、及びプロセッサ293bも含む。
【0069】
図5はまた、分散型マーシャリングモジュール210bの第2の通信ポート214bが
、接続213c(イーサネット接続とすることができる)を介して、第3の分散型マーシャリングモジュール210cの第1の通信ポート212cに通信可能に結合されることも表す。分散型マーシャリングモジュール210cは、分散型マーシャリングモジュール210a及び210bと同様に、それぞれの配線234a~234fを介して6つのフィールドデバイス224a~224fが結合される、回路ブロック216cを含む。配線234a~234fの各々は、上で説明したように、それぞれのフィールドデバイスの信号形式に従って選択されるEMCを含むそれぞれのEMCスロットに結合される、それぞれの端子において終端する。分散型マーシャリングモジュール210cはまた、スキャンモジュール292c、メモリデバイス290c、及びプロセッサ293cも含む。接続213dは、分散型マーシャリングモジュール210c上の第2の通信ポート214cを、ヘッドエンド200上の通信ポート206に通信可能に接続する。
【0070】
通信リンク/接続213a~213dは、通信ポート204、212a~212c、214a~214c、及び206と協働して、意図する宛先デバイスに到達するまでデータが一方のデバイスから次のデバイスに渡される「リング」アーキテクチャを形成する。リングアーキテクチャにおいて、各通信デバイス(例えば、分散型マーシャリングモジュール210a~210c、ヘッドエンド200)は、2つの他のデバイスにだけ通信可能に結合され、各々が、指定された宛先デバイス(宛先アドレスまたはIDによって指定することができる)と関連付けられる通信リング上へデータを配置し、よって、データは、その宛先に到達するまで、デバイスからデバイスへ通信リングを移動する。すなわち、通信リング上の各連続するデバイスは、データを受信し、対応する宛先がそのデバイスと一致するかどうかを判定し、一致しない場合は、データを通信リング上の次の連続するデバイスに転送する。各デバイスは、典型的に、2つのポートを有するので、1つが「受信」ポートとして機能し、1つが「伝送」ポートとして機能し、各デバイスは、典型的に、リング上の2つの他のデバイスにだけ接続される。
【0071】
データの流れは、一例として、分散型マーシャリングモジュール210bを参照して説明される。分散型マーシャリングモジュール210bのスキャンモジュール292bは、回路ブロック216bに接続されるフィールドデバイス222a~222fと関連付けられるEMCの各々を継続的に、及び定期的(例えば、1秒に1回、1秒に10回等)にスキャンすることができる。所与の時点で、フィールドデバイス222a~222fの所与の1つ(例えば、フィールドデバイス222a)によって伝送される信号は、それぞれの配線(例えば、配線232a)を介して、フィールドデバイスから、関連付けられたEMCに伝送されている。いくつかの信号において、信号は、配線上に常時存在し、また、EMCによって定期的にサンプリングすることができる。他の信号について、信号は、フィールドデバイスによって定期的に、または要求に応じて伝送し、EMCにおいて受信することができる。いずれの方法でも、各フィールドデバイスに結合されるEMCは、任意の所与の時点で、フィールドデバイスから受信される、現在または直前の値を登録している。スキャンモジュール292bは、分散型マーシャリングモジュール210b上のEMCの各々のクエリを行い、次いで、EMCの各々(及びフィールドデバイスの各々)について、その値を、例えばメモリデバイス290bにキャッシュまたは記憶することができる。
【0072】
プロセッサ293bは、定期的に、スケジュールで、またはヘッドエンド200による要求に応じて、メモリデバイス290bに記憶された値をヘッドエンド200に伝送することができる。その際、プロセッサ293bは、メモリデバイス290bから、伝送されるデータを取り出し、データを宛先デバイス(例えば、ヘッドエンド200)と関連付け、通信リンク213cを介して、データを分散型マーシャリングモジュール210cのポート214bからポート212cに伝送することができる。分散型マーシャリングモジュール210c上のプロセッサ293cは、ポート212cを介して、データを受信し、(
データが、ヘッドエンド200を示す宛先アドレスと関連付けられているので)データが分散型マーシャリングモジュール210cにアドレス指定されていないと判定し、データを通信リンク213d上のポート214cから伝送し始めることができる。データは、ポート206においてヘッドエンド200によって受信され、プロセッサ205は、受信したデータがヘッドエンド200のアドレスと関連付けられていると判定することができ、また、データを処理することができる。
【0073】
ヘッドエンド200において受信したデータは、I/Oカード202、202’のうちの1つを介して、後でコントローラ120aに伝送するために、データを記憶もしくはキャッシュすること、またはI/Oカード202、202’のうちの1つを介して、データをコントローラ120に直ちに伝送することを含むことができる。特に、ヘッドエンド200は、接続された分散型マーシャリングモジュール210a~210cを介して、ヘッドエンド200に接続されるEMCの全てについて、全てのデータを受信することができ、データをローカルデータベースに、例えばメモリデバイス208に記憶することができる。ヘッドエンド200は、次いで、あたかも各EMCがヘッドエンド200に対して局所であるかのように(例えば、EMC及びI/Oが図2Gのように構成されているかのように)、特定のEMCからのデータについて、接続されたコントローラから(例えば、コントローラ120aから)受信される要求に応じることができる。
【0074】
類似するプロセスは、データをコントローラ120aから特定のフィールドデバイスに送信することに関与する。例えば、コントローラ120aがデータをフィールドデバイス222cに送信することを必要とする場合、コントローラ120aは、I/Oカード(複数可)202、202’を介して、データをヘッドエンド200に送信することができる。I/Oカード202、202’は、一般に、各フィールドデバイスが、EMCの特定の1つと関連付けられ、また、データの宛先とされるEMCをデータパッケージに含むことができるようにプログラムすることができる。ヘッドエンド200は、分散型マーシャリングモジュール210a、210b、210cのうちのどれが、宛先EMC222cと関連付けられているのかを判定し、判定を行った時点で、データを分散型マーシャリングモジュール210bのアドレスと関連付けることができる。したがって、データがフィールドデバイス222cを宛先とする場合、データは、ポート204を介して、ヘッドエンド200から伝送される場合に、及び接続213aを介して、分散型マーシャリングモジュール210aのポート212aにおいて受信される前に、分散型マーシャリングモジュール210bの宛先アドレスと関連付けられる。ポート212aにおいて受信した時点で、プロセッサ293aは、ポート212a上で受信されるデータの宛先アドレスが、分散型マーシャリングモジュール210aの宛先アドレスと異なると判定することができ、また、ポート214aでデータを伝送することができる。その後に、接続213bを介して、ポート212bにおいてデータを受信した時点で、プロセッサ293bは、ポート212bで受信されるデータの宛先アドレスが、データが分散型マーシャリングモジュール210b上のEMCを宛先とすることを示す、分散型マーシャリングモジュール210bの宛先アドレスと同じであると判定することができる。プロセッサ293bは、受信したデータから、データがどのEMCを宛先とするのかを判定することができ、また、データをEMCに配置することができ、データは、配線232cを介して、フィールドデバイス222cに伝送される。
【0075】
通信リング上に配置されるデータと関連付けられる宛先アドレスは、様々な実施形態において、分散型マーシャリングモジュールまたはヘッドエンドハードウェア自体と関連付けられるアドレス、データの宛先とされるEMCのアドレス、I/Oチャンネルアドレス、またはデータの宛先とされるフィールドデバイスもしくはコントローラデバイスのアドレス(例えば、デバイスタグもしくはデバイス信号タグ)とすることができる。一例として、通信リング上に配置されるデータは、フィールドデバイスまたはコントローラ等の特
定のデバイス-データの宛先とされる最終的なデバイス-のアドレスと関連付けることができる。そのような一実施形態において、各分散型マーシャリングモジュール210は、リスト、データベース、またはそこに結合されるデバイスのデバイスアドレスを記憶する他のそのようなデータ構造をそのメモリデバイス294に保持し、よって、プロセッサ293は、特定のデータと関連付けられるアドレスと、直近のアクセスを有するアドレスとを比較することができる。データを受信した時点で、プロセッサ293が、データと関連付けられる宛先アドレスが分散型マーシャリングモジュール210に取り付けられたデバイスのアドレス(例えば、フィールドデバイスタグまたはデータ信号タグ)に一致することを見出した場合、プロセッサ293は、データを、関連付けられたEMCを介して、そのデバイスにルーティングすることができる。一方で、プロセッサ293が、データと関連付けられる宛先アドレスがメモリデバイス294のデータ構造内のいかなるアドレスにも一致しないことを見出した場合、プロセッサ293は、データを通信リング上の次のデバイスに伝送することができる。
【0076】
別の例として、通信リング上に配置されるデータは、特定のEMCと関連付けられるアドレス(すなわち、EMCに結合されるフィールドデバイスではなく、EMC自体のアドレス)と関連付けることができる。そのような実施形態において、各分散型マーシャリングモジュール210は、リスト、データベース、または分散型マーシャリングモジュールのEMCスロットをポピュレートするEMCの各々のアドレスを記憶する他のそのようなデータ構造をそのメモリデバイス294に保持し、よって、プロセッサ293は、特定のデータと関連付けられるアドレスと、ローカルEMCのアドレスとを比較することができる。データを受信した時点で、プロセッサ293が、データと関連付けられる宛先アドレスがローカルEMCのアドレスに一致することを見出した場合、プロセッサ293は、データをEMCにルーティングすることができ、データは、EMCに結合されるフィールドデバイスに通信することができる。一方で、プロセッサ293が、データと関連付けられる宛先アドレスがメモリデバイス294のデータ構造内のいかなるEMCアドレスにも一致しないことを見出した場合、プロセッサ293は、データを通信リング上の次のデバイスに伝送することができる。
【0077】
したがって、コントローラ(例えば、コントローラ120a)によってフィールドデバイス(例えば、フィールドデバイス220a)に送信されているデータに関して、宛先アドレスが、フィールドデバイスと関連付けられるデバイスタグまたはデバイス信号タグである実施形態において、宛先アドレスは、コントローラ120aによって、データと直接関連付けることができる。しかしながら、宛先アドレスが、フィールドデバイスが結合されるEMCと関連付けられるアドレスである実施形態において、宛先アドレスは、例えばヘッドエンド200自体によってデータと関連付けることができる。例えば、ヘッドエンド200は、コントローラ120aから、そのフィールドデバイスのデバイスタグと関連付けられる特定のフィールドデバイス(例えば、フィールドデバイス220a)を宛先とするデータを受信することができる。ヘッドエンド200は、I/Oカード202を介してデータを受信することができ、また、当該のフィールドデバイス(220a)がI/Oカード202の特定のI/Oチャンネルと関連付けられていると判定することができる。ヘッドエンド200は、次いで、データを、EMCの宛先アドレス(例えば、EMC自体と関連付けられるタグ)と、または特定の分散型マーシャリングモジュールの宛先アドレス、及びEMCに対応する分散型マーシャリングモジュールのチャネル(例えば、「モジュール210a-スロット0」)と関連付けることができる。次いで、各分散型マーシャリングモジュールは、データを受信した時点で、(プロセッサ293において)宛先アドレスを調査して、宛先アドレスが分散型マーシャリングモジュールと関連付けられているかどうかを判定する。
【0078】
上で説明したように、データは、典型的に、通信リング上のデバイスの各々の一方の通
信ポートで受信され、通信リング上のデバイスの各々のもう一方の通信ポートに伝送され、一般に、リング上を一方向に流れるデータをもたらす。しかしながら、本明細書で説明される通信リング及びアーキテクチャは、データがいずれの方向にも流れることができる、十分な柔軟性があり、追加的な信頼性及び冗長性を提供する。他の機能の中でとりわけ、プロセッサ293a~293c及び205の各々は、(例えば、メモリデバイス290a~290c、208等に記憶される命令によって)「ハートビート」信号を生成し、伝送し、受信し、解釈するようにプログラムすることができる。ハートビート信号は、公知の形式の、または一連のビットの定期的な(例えば、5ミリ秒毎の)信号であり、リング内の次のデバイス(例えば、通信ポートに接続されるデバイス)が存在し、動作可能であることを各デバイスに示す。すなわち、各デバイスが、(通信リング上の)その2つのポートの各々で定期的なハートビート信号を送信し、隣接するデバイスは、ハートビート信号を受信し、信号を受信したデバイスが存在し、動作可能であることを知る。一例として、プロセッサ205は、ポート204でハートビート信号を送信し、そのポート212aにおいてハートビート信号を受信した時点で、分散型マーシャリングモジュール210a上のプロセッサ293aは、通信リンク213aが動作可能であり、動作可能なデバイスに結合されていると判定することができる。プロセッサ205はまた、ポート206でハートビート信号を送信し、そのポート214cにおいてハートビート信号を受信した時点で、分散型マーシャリングモジュール210c上のプロセッサ293cは、通信リンク213dが動作可能であり、動作可能なデバイスに結合されていると判定することができる。同じ挙動は、分散型マーシャリングモジュール210a~210cの各々にも当てはまり、各プロセッサは、ポート212、214を介して、ハートビートを隣接するデバイスに送信し、隣接するデバイスから、そうした分散型マーシャリングモジュールのそれぞれのプロセッサによって送信されるハートビートを受信する。
【0079】
プロセッサ293a~293c、205のうちの1つが2つの関連付けられた通信ポート(それぞれ、212a~212c及び214a~214c、または204及び206)のうちの1つでハートビート信号を受信しない場合、当該のプロセッサは、そのポートでデータを伝送することを中止し、他のポートで送信及び受信の両方を行う。したがって、プロセッサ293cが通信ポート214c上でハートビート信号を受信しない場合、プロセッサ293cは、ポート214cの代わりに、ポート212cでデータを伝送する。
【0080】
加えて、プロセッサ293a~293c、205の各々は、典型的に伝送に使用される通信ポートでデータを受信する場合に(例えば、データが、通信リング上を「間違った」方向に伝送されている場合に)、データの流れを逆転させるようにプログラムすることができる。したがって、上の実施例を続けると、プロセッサ293cがポート212cでデータを伝送した場合、分散型マーシャリングモジュール210bのプロセッサ293bは、(一般に、データを伝送する)ポート214bでデータを受信した時点で、ポート212bで(分散型マーシャリングモジュール210bが宛先でないポート214bで受信されるデータを含む)そのデータを伝送するようにプログラムされる。
【0081】
図6に表される別の実施形態において、ヘッドエンド200は、2組の分散型マーシャリングモジュール、すなわち、
第1の一組の分散型マーシャリングモジュール210a及び210b、ならびに第2の一組の分散型マーシャリングモジュール210c及び210dをサポートする。分散型マーシャリングモジュールの各組は、一般に図5に関して説明されるように機能するが、一方で、図6において、散型マーシャリングモジュール210a及び分散型マーシャリングモジュール210bは、ヘッドエンド200のポート204及び206によってヘッドエンド200に結合され、分散型マーシャリングモジュール210c及び分散型マーシャリングモジュール210dは、一組の類似するポート209a及び209bによってヘッドエンド200に結合される。ポート209aは、ポート204とほぼ同じように機能し、一
方で、ポート209bは、ポート206とほぼ同じように機能する。この方式では、一方の分散型EMCリングが一方のプロセスプラント5の物理的領域にサービスを提供し、一方で、もう一方の分散型EMCリングがもう一方のプロセスプラント5の物理的領域にサービスを提供することによって、プロセスプラント5を設計し、構成するプラントエンジニアにさらなる柔軟性が与えられ、さらに、ヘッドエンド200、同じI/Oカード202、202’、及び同じコントローラ120aによって両方の分散型EMCリングにサービスを提供することができる。
【0082】
図5及び図6に関して説明される実施形態において、分散型マーシャリングモジュール210a~210dの各々のEMCは、コントローラ120aにとって、あたかも各々が、I/Oカードキャリア142に隣接する同じマーシャリングキャビネット(例えば、キャビネット115a)内にあるかのように見える。その結果、図3図6に関して説明される実施形態は、コントローラ120aのソフトウェアに対するいかなる変更も必要とすることなく、EMC(例えば、図2A~2Gのもの)を実装するアーキテクチャを既に実装しているプロセス制御システムに実装することができる。
【0083】
図5及び図6に図示される実施形態の別の利点は、単に、フィールドデバイスからの配線を分散型マーシャリングモジュールに再到達させ、EMCをマーシャリングキャビネットから分散型マーシャリングモジュールに移動させることによって、EMCを、EMCが関連付けられるフィールドデバイスから遠隔にあるマーシャリングキャビネット(例えば、キャビネット115a)から、フィールドデバイスに近接する分散型マーシャリングモジュールに移動させることができることである。コントローラの動作に関する限り、いかなる違いもない。
【0084】
分散型マーシャリングシステムは、この時点まで、リングアーキテクチャを介して通信するように説明されているが、分散型マーシャリングシステム及びその中のコンポーネントは、他の実施形態及び構成にも、及び特に、他の通信アーキテクチャにも適していることを理解されたい。例えば、図7は、ヘッドエンド200が1つ以上の分散型マーシャリングモジュールの各々に通信可能に接続される、アーキテクチャ300を表す。図7では、3つの分散型マーシャリングモジュール310a、310b、及び310cとして表されているが、そうした分散型マーシャリングモジュール上にポピュレートされるEMCの総数が、ヘッドエンド200上のI/Oカード(図7には示さず)によってサポートされるチャネルの数以下である限り、アーキテクチャ300は、任意の数の分散型マーシャリングモジュールを有することができる。図7に表される分散型マーシャリングモジュール310a、310b、及び310cの各々は、それぞれの配線230、232、234によって一組のフィールドデバイス220、222、224に結合することができる一組のEMC(図7には図示せず)を受容し、それと通信することができる、それぞれの回路ブロック216a、216b、及び216cを含む。
【0085】
図5に表されるアーキテクチャとは対照的に、(図5の)ポート204が動作可能でなかった場合に、アーキテクチャ300は、一般に、リングアーキテクチャではなく、リングアーキテクチャが動作するのと同じ方法で動作する。すなわち、信号は、通信経路に沿って、他のもののブリッジとして作用する各分散型マーシャリングモジュールと通信される。一例として、分散型マーシャリングモジュール310cからのヘッドエンド200を宛先とするデータは、ポート212cとポート214bとの間の通信リンク313cを介して、分散型マーシャリングモジュール310bに伝送される。分散型マーシャリングモジュール310b(特に、その上にあるプロセッサ)は、ポート212bと214aとの間のリンク313bを通じて、データを分散型マーシャリングモジュール310aに転送する。分散型マーシャリングモジュール310a(特に、その上にあるプロセッサ)は、ポート212aと206との間のリンク313aを通じて、データをヘッドエンド200
に転送する。他の方向に-例えば、ヘッドエンド200から、分散型マーシャリングモジュール310a、310b、310cのうちの1つに-流れるデータは、宛先デバイスに到達するまで、同様に、様々な分散型マーシャリングモジュールの間を移動する。
【0086】
図8は、ヘッドエンド200が星形の通信構成で1つ以上の分散型マーシャリングモジュールの各々に通信可能に接続される、別のアーキテクチャ350を表す。(ヘッドエンドが単一の分散型マーシャリングモジュールだけに接続されるときには、アーキテクチャ300及び350は、本質的に同じであることが理解されるであろう。)図8では、5つの分散型マーシャリングモジュール310a、310b、310c、310d、及び310eとして表されているが、そうした分散型マーシャリングモジュール上にポピュレートされるEMCの総数が、ヘッドエンド200上のI/Oカード(図8には示さず)によってサポートされるチャネルの数以下である限り、アーキテクチャ350は、任意の数の分散型マーシャリングモジュールを有することができる。図8に表される分散型マーシャリングモジュール310a、310b、310c、310d、及び310eの各々は、それぞれの配線230、232、234、236、及び238によって一組のフィールドデバイス220、222、224、226、及び228に結合することができる一組のEMC(図8には図示せず)を受容し、それと通信することができる、それぞれの回路ブロック216a、216b、216c、216d、及び216eを含む。
【0087】
図7のアーキテクチャ300と同様に、アーキテクチャ350は、それ自体は、リングアーキテクチャではない。アーキテクチャ350において、分散型マーシャリングモジュール310a、310b、310c、及び310dの各々は、それぞれのポート212a、212b、214c、及び212dに結合されるヘッドエンド200のそれぞれのポート206、204、209a、及び209bを介して、ヘッドエンド200に直接結合される。分散型マーシャリングモジュールと通信するための4つの通信ポートだけを有するように表されているが、そうした分散型マーシャリングモジュール上にポピュレートされるEMCの数が、I/Oカードによってサポートされるチャネルの数以下である限り、ヘッドエンド200は、表されるよりも少ない、または多いポートを有することができ、また、所望される数だけ分散型マーシャリングモジュールをサポートすることができることを理解されたい。
【0088】
加えて、いくつかの実施形態では、様々な構成を組み合わせることができる。すなわち、図7に表されるアーキテクチャは、例えば、図8に一般に表される星形アーキテクチャと組み合わせることができる。図8は、そのようなアーキテクチャの組み合わせの一実施例を提供する。図8において、分散型マーシャリングモジュール310dは、分散型マーシャリングモジュール310dのポート212dとヘッドエンド200のポート209bとの間の接続352dによって、ヘッドエンド200に通信可能に接続される。しかしながら、図7に例示されるように、分散型マーシャリングモジュールは、他のインライン分散型マーシャリングモジュールと通信することができる。この事例において、さらなる分散型マーシャリングモジュール310eは、分散型マーシャリングモジュール310eのポート212eと分散型マーシャリングモジュール310dのポート214dとの間の接続352eによって、分散型マーシャリングモジュール310dに結合される。分散型マーシャリングモジュール310dは、(分散型マーシャリングモジュール310a、310b、及び310cの各々と同様に)ヘッドエンド200と直接通信するが、アーキテクチャ350において、分散型マーシャリングモジュール310dはまた、分散型マーシャリングモジュール310eとヘッドエンド200との間でもデータを通信する。
【0089】
図9は、さらに別の例示的なアーキテクチャ400を図示する。例示的なアーキテクチャ400において、星形通信アーキテクチャ(図8では、分散型マーシャリングモジュール310a、310b、及び310cとヘッドエンド200との間に図示される)は、図
5に表されるものに類似するリング通信アーキテクチャと組み合わせられる。特に、分散型マーシャリングモジュール310a、310d、及び310eは、ヘッドエンド200との通信リング425を形成し、各ノード(すなわち、分散型マーシャリングモジュール及びヘッドエンドの各々)は、ちょうど2つの他のノードに結合される。ヘッドエンド200は、この実施形態では、ポート206及び209bを介して、通信リング425上の分散型マーシャリングモジュール310a、310d、及び310eと通信する。(特定の構成において特定のデバイスと通信するときのヘッドエンド200のポートの選択は、選択可能であり、故に、特定の一対のポートが特定の通信アーキテクチャと協働または通信するといういかなる要件もないことを理解されたい。)ポート209bとポート212dとの間の接続402dは、ヘッドエンドに200を分散型マーシャリングモジュール310dに結合し、ポート214dと212eとの間の接続402eは、分散型マーシャリングモジュール310d及び310eに結合し、ポート214eと214aとの間の接続402fは、分散型マーシャリングモジュール310e及び310aに結合し、ポート206と212aとの間の接続402eは、分散型モジュールに310aをヘッドエンド200に結合する。図9の分散型モジュール310a、31d、及び310e、ならびにヘッドエンド200は、図5においてヘッドエンド200が分散型マーシャリングモジュール210a、210b、及び21cと通信する方式に類似する方式で通信する。
【0090】
図7図9のアーキテクチャ-リングアーキテクチャ以外の通信パラダイムを実装するアーキテクチャ-において、アドレス指定スキームは、リングアーキテクチャに関して上で説明したものと異なり得る。そのようなアーキテクチャは、任意の分散型マーシャリングモジュールからヘッドエンドへの単一経路だけしか有しないので、分散型マーシャリングモジュールの各々は、分散型マーシャリングモジュール上の一対の通信ポートのうちどちらがヘッドエンドへの経路を有するかを知るようにプログラムすることができる。図7を再度参照すると、例えば、分散型マーシャリングモジュール310a、310b、及び310cは、特定の一組の分散型マーシャリングモジュール及びヘッドエンドについて、ヘッドエンド200を宛先とするデータを、それぞれ、ポート212a、212b、及び212c上を伝送しなければならないと知るように、各々をプログラムすることができる。代替的に、実施形態において、分散型マーシャリングモジュールは、プロセスプラントがコミッションされるときに、ヘッドエンドが、常時、各分散型マーシャリングモジュールのポートの一方では利用できるが、もう一方では利用できないこと(すなわち、アーキテクチャの前提条件が、ヘッドエンドを、ポート212上では利用でき、ポート214上では利用できない、またはその逆も同様であること)が必須であるように構成される。いずれにしても、分散型マーシャリングモジュール310a、310b、及び310cの各々は、分散型マーシャリングモジュールに、または分散型マーシャリングモジュールに結合されるデバイス(すなわち、EMCまたはフィールドデバイス)にアドレス指定されていないとしても、2つのポートのうちの第1のもので受信されるデータが、2つのポートのうちの第2のものに再伝送されるようにプログラムされる(特に、関連付けられたプロセッサがプログラムされる)。この方式で、データと関連付けられるアドレスがその分散型マーシャリングモジュールに対応しない場合、各分散型マーシャリングモジュールは、一連の分散型マーシャリングモジュールにデータを転送する。
【0091】
一方で、ヘッドエンド200は、どのフィールドデバイス、EMC、及び/または分散型マーシャリングモジュールが、コントローラに接続されるヘッドエンド200の通信ポートの各々に結合されるのかをヘッドエンド200が知ることを可能にする、アドレス上のデータベースを(例えば、メモリデバイス208に)維持することができる。図8を参照すると、そのようなデータベースは、ヘッドエンド200、及び特に、ヘッドエンド200上に配置されるプロセッサに、所与のフィールドデバイス、EMC、及び/または分散型マーシャリングモジュールを宛先とするデータを伝送するポート204、206、209a、209bのうちの1つを選択するための必要な情報を提供する。
【0092】
本明細書において明示的に説明される、または本明細書を考慮して当業者に明らかになる実施形態のいずれかでは、分散型マーシャリングモジュールとヘッドエンドとの間の通信接続がまた、分散型マーシャリングモジュールに、分散型マーシャリングモジュールの回路ブロックにポピュレートされるEMCに、さらにはEMCに接続されるフィールドデバイスに、電力を供給することもできることが想定される。パワーオーバーイーサネット(PoE)を含む、ネットワーク接続を通じて電力を提供する任意の公知の方法を実装することができる。
【0093】
上の説明から様々な方法が明らかになるが、図10は、プロセスプラント内のフィールドデバイスからプロセスプラント内のコントローラにデータを通信する、1つの特定の方法500を表す流れ図である。フィールドデバイスは、配線を介して、端子ブロックに通信可能に接続され、これが今度は、分散型マーシャリングモジュールに、及び特に、EMCによってポピュレートされるEMCスロットに通信可能に結合される。EMCは、フィールドデバイスからアナログ信号を受信するように構成されるAI EMC、アナログ信号をフィールドデバイスに提供するように構成されるAO EMC、フィールドデバイスから離散入力を受信するように構成されるDI EMC、離散信号をフィールドデバイスに提供するように構成されるEMC、または、I/Oカードフィールドデバイスにインターフェースするための任意の他の種類のEMCとすることができる。いずれにしても、通信されているデータを表現する信号は、端子ブロックにおいて、フィールドデバイスから受信される(ブロック502)。EMCは、フィールドデバイスから受信される信号を、I/Oカードと互換の第2の信号に変換する(ブロック504)。EMCをスキャンして、第2の信号を登録する(ブロック506)。分散型マーシャリングモジュール上のマイクロプロセッサは、登録した第2の信号を示す信号を、マイクロプロセッサから遠隔のヘッドエンドモジュール及びEMCに伝送し(ブロック508)、これは、実施形態において、第1の通信ポートまたは第2の通信ポートを介して、I/Oカードを介してコントローラに通信可能に結合される(ブロック510)。実施形態において、マイクロプロセッサは、デフォルトで、第1の通信ポートを介して、登録した第2の信号を示す信号を伝送するが、伝送する前の所定の期間内に第1の通信ポートでいかなる定期的なハートビート信号も検出されなかった場合に、第2の通信ポートを介して、登録した第2の信号を示す信号を伝送する。実施形態において、登録した第2の信号を示す信号を伝送することは、ヘッドエンドモジュールへの通信経路内に配置される介在分散型マーシャリングモジュールに、登録した第2の信号を示す信号を伝送することを含み、通信経路は、リングアーキテクチャを備えることができる。
【0094】
他の考慮事項
【0095】
本明細書で説明される装置、システム、及び方法は、プロセス制御システム5に関して説明されるが、本明細書で説明される装置、システム、及び方法の任意の1つ以上を、Emerson Process Managementによって提供されるDeltaV
SIS(商標)製品等の、プロセス制御プラントのプロセス制御安全情報システムに同様に適用することができることに留意されたい。例えば、スタンドアロンのプロセス制御安全システムまたは統合型の制御及び安全システム(「ICSS」)は、本明細書で説明される装置、システム、及び方法のうちの任意の1つ以上を使用して構成することができる。
【0096】
加えて、ソフトウェア(例えば、コンピュータ読み出し可能な命令)に実装されたとき、本明細書で説明されるアプリケーション、サービス、及びエンジンのうちのいずれかは、磁気ディスク、レーザーディスク、固体メモリデバイス、分子メモリ記憶デバイス、他の記憶媒体、コンピュータまたはプロセッサのRAMまたはROM等の、任意の有形の非
一時的なコンピュータ読み出し可能なメモリに記憶することができる。本明細書で開示される例示的なシステムは、他のコンポーネントの中でも特に、ハードウェア上で実行されるソフトウェア及び/またはファームウェアを含むように開示されるが、そのようなシステムは、単なる実例に過ぎないこと、及び限定するものとみなされるべきではないことに留意されたい。例えば、これらのハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアのコンポーネントのいずれかまたは全てを、ハードウェアだけに、ソフトウェアだけに、またはハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせに具現化できることが想定される。故に、本明細書で説明される例示的なシステムは、1つ以上のコンピュータデバイスのプロセッサ上で実行されるソフトウェアに実装されているように説明されるが、当業者は、提供される実施例がそのようなシステムを実装するための唯一の方法ではないことを容易に認識するであろう。
【0097】
したがって、本発明は、単に図示することを意図し、本発明を限定することを意図しない、特定の実施例を参照して説明されているが、当業者には、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、開示される実施形態に対して変更、追加、または削除が行われ得ることが明らかになるであろう。さらに、上述の本文は、多数の異なる実施形態の詳細な説明を示しているが、本特許の範囲は、本特許及びそれらの同等物の最後に示される特許請求の範囲の用語によって定義されることを理解されたい。あらゆる可能な実施形態を説明することは、不可能ではないにしても実用的ではないので、詳細な説明は、例示的なものに過ぎないと解釈されるべきであって、本発明のあらゆる可能な実施形態は説明するものではない。現在の技術または本特許の出願日以降に開発される技術のいずれかを使用して、多数の代替の実施形態を実施することができるが、それらは、依然として、特許請求の範囲及びそれらの全ての同等物の範囲内である。
【0098】
任意の特定の実施形態の特定の特徴、構造、または特性は、他の特徴の使用に対応することを伴わずに、選択した特徴の使用を含む、任意の適切な様式で、及び1つ以上の他の実施形態との任意の適切な組み合わせで組み合わせることができる。本明細書で説明され、図示される本開示の実施形態の他の変形例及び修正例が、本明細書の教示に照らして可能であり、また、本開示の趣旨及び範囲の一部とみなされることを理解されたい。限定としてではなく例として、本明細書における開示は少なくとも以下の態様を企図している。
【0099】
1.プロセスプラント内のプロセスを制御するように動作するプロセス制御システムであって、複数のプロセス制御フィールドデバイスと、複数のプロセス制御フィールドデバイスに通信可能に結合される入力/出力(I/O)カードと、I/Oカードに通信可能に結合され、I/Oカードを介して、複数のプロセス制御フィールドデバイスからデータを受信し、同じくI/Oカードを介して、制御信号をプロセス制御フィールドデバイスの1つ以上に送信して、プロセスの動作を制御するように動作する、コントローラと、分散型マーシャリングモジュールであって、一対の通信ポートと、1つ以上の電子マーシャリングコンポーネントスロットであって、少なくとも1つの電子マーシャリングコンポーネントスロットが、その中に電子マーシャリングコンポーネントを有する、1つ以上の電子マーシャリングコンポーネントスロットと、1つ以上の電子マーシャリングコンポーネントスロットの各々に対応するそれぞれの端子ブロックであって、少なくとも1つの電子マーシャリングコンポーネントスロットの端子ブロックが、複数のフィールドデバイスのうちの1つに通信可能に結合される、それぞれの端子ブロックと、一対の通信ポートに結合されるマイクロプロセッサと、を備える分散型マーシャリングモジュールと、ヘッドエンドモジュールであって、ヘッドエンドモジュールをI/Oカードに結合する第1の通信ポートと、分散型マーシャリングモジュールに通信可能に結合される一対の第2の通信ポートと、一対の第2の通信ポートを介して、マイクロプロセッサによって受信される情報を記憶するデータベースがその中に記憶されるメモリデバイスと、マイクロプロセッサであって、メモリデバイスに結合され、
一対の第2の通信ポートを介して、データを受信及び伝送し、受信したデータをメモリデバイスに記憶し、メモリデバイスからデータを取り出し、I/Oカードを介して、取り出したデータをコントローラに伝送するように構成される、マイクロプロセッサと、を備えるヘッドエンドモジュールと、を備えるプロセス制御システム。
【0100】
2.分散型マーシャリングモジュール上の一対の通信ポートが、ヘッドエンドモジュール上の一対の第2の通信ポートと協働して、リングアーキテクチャを形成する、態様1に記載のプロセス制御システム。
【0101】
3.ヘッドエンドモジュール上のマイクロプロセッサが、一対の第2の通信ポートの各々で定期的なハートビート信号を送信し、分散型マーシャリングモジュール上のマイクロプロセッサが、一対の通信ポートの各々で定期的なハートビート信号を送信する、態様1または態様2のいずれかに記載のプロセス制御システム。
【0102】
4.プロセス制御システムが、複数の分散型マーシャリングモジュールを備える、態様1~3のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0103】
5.電子マーシャリングコンポーネントが、複数のフィールドデバイスのうちの1つから信号を受信し、受信した信号を第1の形態から第2の形態に変換するように構成される、態様1~4のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0104】
6.分散型マーシャリングモジュールが、電子マーシャリングコンポーネントスロットの各々をスキャンし、電子マーシャリングコンポーネントスロットが存在する任意のスロットについて、スロットと関連付けられる値を登録するように動作可能である、スキャンモジュールをさらに備える、態様1~5のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0105】
7.分散型マーシャリングモジュール上のマイクロプロセッサが、スキャンモジュールとして機能する、態様6に記載のプロセス制御システム。
【0106】
8.分散型マーシャリングモジュール上のマイクロプロセッサが、一対の通信ポートのうちの1つのスロットと関連付けられる値を伝送する、態様6または態様7のいずれかに記載のプロセス制御システム。
【0107】
9.分散型マーシャリングモジュール上のマイクロプロセッサが、デフォルトで、一対の通信ポートのうちの第1の1つを通してデータを伝送し、一対の通信ポートのうちの第2の1つを通してデータを受信する、態様1~8のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0108】
10.分散型マーシャリングモジュール上のマイクロプロセッサが、伝送する前の所定の期間内に一対の通信ポートのうちの所与の1つでハートビート信号を検出した場合にだけ、分散型マーシャリングモジュール上のマイクロプロセッサが、一対の通信ポートのうちの所与の1つで情報を伝送する、態様1~9のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0109】
11.ヘッドエンドモジュール上のマイクロプロセッサが、デフォルトで、一対の第2の通信ポートのうちの第1の1つを通してデータを伝送し、一対の第2の通信ポートのうちの第2の1つを通してデータを受信する、態様1~10のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0110】
12.ヘッドエンドモジュール上のマイクロプロセッサが、伝送する前の所定の期間内
に一対の第2の通信ポートのうちの所与の1つでハートビート信号を検出した場合にだけ、ヘッドエンドモジュール上のマイクロプロセッサが、一対の第2の通信ポートのうちの所与の1つで情報を伝送する、態様1~11のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0111】
13.I/Oカードが、ヘッドエンドモジュール上に配置される、態様1~12のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0112】
14.電子マーシャリングコンポーネントが、AO電子マーシャリングコンポーネント、AI電子マーシャリングコンポーネント、DO電子マーシャリングコンポーネント、またはDI電子マーシャリングコンポーネント、のうちの1つである、態様1~13のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0113】
15.ヘッドエンドモジュール上のマイクロプロセッサが、I/Oカードを介して、コントローラからデータを受信し、コントローラから受信されるデータを、フィールドデバイスの特定の1つと関連付けられる宛先分散型マーシャリングモジュール、フィールドデバイスの特定の1つと関連付けられる宛先電子マーシャリングコンポーネント、またはフィールドデバイスの特定の1つ、のうちの1つを指定する宛先アドレスと関連付け、一対の第2の通信ポートのうちの1つでデータを伝送することによって、コントローラから受信されるデータ、及び関連付けられた宛先アドレスをフィールドデバイスの特定の1つに伝送するようにさらに構成される、態様1~14のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0114】
16.分散型マーシャリングモジュール上の一対の通信ポートのうちの第1の1つが、ヘッドエンドモジュール上のマイクロプロセッサがデータを伝送した一対の第2の通信ポートのうちの1つに通信可能に結合され、さらに、分散型マーシャリングモジュール上のマイクロプロセッサが、ヘッドエンドモジュールから伝送されるデータを受信し、宛先アドレスが分散型マーシャリングモジュールと関連付けられているかどうかを判定し、宛先アドレスが分散型マーシャリングモジュールと関連付けられている場合は、データをフィールドデバイスの特定の1つにルーティングし、宛先アドレスが分散型マーシャリングモジュールと関連付けられていない場合は、分散型マーシャリングモジュール上の一対の通信ポートのうちの第2の1つで、データ、及び関連付けられた宛先アドレスを伝送する、態様15に記載のプロセス制御システム。
【0115】
17.分散型マーシャリングモジュール上のマイクロプロセッサが、一対の通信ポートのうちの第1の1つで、宛先アドレスを含むデータを受信し、宛先アドレスがヘッドエンドモジュールを指定している場合は、一対の通信ポートのうちの第1の1つで、宛先アドレスを含むデータを伝送する、態様1~16のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0116】
18.一対の第2の通信ポートの各々が、イーサネット接続によって、分散型マーシャリングモジュール上の一対の通信ポートのうちの1つに結合される、態様1~17のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0117】
19.イーサネット接続が、ヘッドエンドモジュールを分散型マーシャリングモジュールに通信可能に接続する、態様1~18のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0118】
20.プロセスプラント内のプロセスを制御するように動作するプロセス制御システムであって、複数のプロセス制御フィールドデバイスと、複数のプロセス制御フィールドデバイスに通信可能に結合される入力/出力(I/O)カードと、I/Oカードに通信可能
に結合され、I/Oカードを介して、複数のプロセス制御フィールドデバイスからデータを受信し、同じくI/Oカードを介して、制御信号をプロセス制御フィールドデバイスの1つ以上に送信して、プロセスの動作を制御するように動作する、コントローラと、複数の分散型マーシャリングモジュールであって、各分散型マーシャリングモジュールが、
一対の通信ポートと、複数の電子マーシャリングコンポーネントスロットと、電子マーシャリングコンポーネントスロットに配置される電子マーシャリングコンポーネントと、複数の電子マーシャリングコンポーネントスロットの各々に対応するそれぞれの端子ブロックであって、電子マーシャリングコンポーネントが配置される電子マーシャリングコンポーネントスロットの端子ブロックが、複数のフィールドデバイスのうちの1つに通信可能に結合される、それぞれの端子ブロックと、一対の通信ポートに結合されるマイクロプロセッサと、を備える分散型マーシャリングモジュールと、ヘッドエンドモジュールであって、
ヘッドエンドモジュールをI/Oカードに結合する第1の通信ポートと、複数の分散型マーシャリングモジュールのうちの第1の1つに通信可能に結合される第2の通信ポートと、複数の分散型マーシャリングモジュールのうちの第2の1つに通信可能に結合される第3の通信ポートと、第2及び第3の通信ポートを介して、マイクロプロセッサによって受信される情報を記憶するデータベースがその中に記憶されるメモリデバイスと、マイクロプロセッサであって、メモリデバイスに結合され、第2及び第3の通信ポートを介して、データを受信及び伝送し、受信したデータをメモリデバイスに記憶し、
メモリデバイスからデータを取り出し、I/Oカードを介して、取り出したデータをコントローラに伝送するように構成される、マイクロプロセッサと、を備えるヘッドエンドモジュールと、を備えるプロセス制御システム。
【0119】
21.プロセスプラント内のフィールドデバイスをプロセスプラント内のコントローラに結合するための分散型マーシャリングモジュールであって、一対の通信ポートと、第1の数の電子マーシャリングコンポーネントスロットと、第1の数に等しい第2の数の端子ブロックであって、各端子ブロックが、電子マーシャリングコンポーネントスロットの1つと通信可能に接続し、フィールドデバイスのそれぞれ1つに通信可能に接続されるように構成される、端子ブロックと、電子マーシャリングコンポーネントスロットに配置される、第1の数以下である第3の数の電子マーシャリングコンポーネントであって、電子マーシャリングコンポーネントの各々が、フィールドデバイスのそれぞれ1つから信号を受信し、受信した信号をI/Oカードと互換の形式に変換するように構成される、電子マーシャリングコンポーネントと、一対の通信ポートに結合されるマイクロプロセッサと、を備える分散型マーシャリングモジュール。
【0120】
22.マイクロプロセッサが、一対の通信ポートでデータを送信及び受信するように構成される、態様21に記載の分散型マーシャリングモジュール。
【0121】
23.マイクロプロセッサが、デフォルトで、一対の通信ポートのうちの第1の1つで伝送し、デフォルトで、一対の通信ポートのうちの第2の1つで受信するように構成される、態様21または態様22のいずれかに記載の分散型マーシャリングモジュール。
【0122】
24.マイクロプロセッサが、伝送する前の所定の期間内に一対の通信ポートのうちの第1の1つで、予想される定期的なハートビート信号を受信しなかった場合に、マイクロプロセッサが、一対の通信ポートのうちの第1の1つの代わりに、一対の通信ポートのうちの第2の1つで伝送するようにさらに構成される、態様23に記載の分散型マーシャリングモジュール。
【0123】
25.マイクロプロセッサが、一対の通信ポートの各々で定期的なハートビート信号を伝送するように構成される、態様21~24のいずれか1つに記載の分散型マーシャリン
グモジュール。
【0124】
26.電子マーシャリングコンポーネントスロットをスキャンし、電子マーシャリングコンポーネントの各々から、変換した信号を受信し、ヘッドエンドモジュールへの伝送のために、受信した変換した信号をマイクロプロセッサに通信するか、またはマイクロプロセッサによる後の取り出し及びヘッドエンドへの伝送のために、受信した変換した信号をメモリデバイスに記憶するように動作可能である、スキャンモジュールをさらに備える、態様21~25のいずれか1つに記載の分散型マーシャリングモジュール。
【0125】
27.マイクロプロセッサが、スキャンモジュールとして構成される、態様26に記載の分散型マーシャリングモジュール。
【0126】
28.マイクロプロセッサが、一対の通信ポートを介して、宛先アドレスを含むデータを受信し、宛先アドレスが、分散型マーシャリングモジュールと関連付けられているかどうかを判定し、宛先アドレスが分散型マーシャリングモジュールと関連付けられていない場合に、一対の通信ポートのうちの1つを介して、受信したデータを伝送するか、または、受信したデータをフィールドデバイスに対応するマーシャリングコンポーネントにルーティングすることによって、受信したデータを、分散型マーシャリングモジュール上の端子ブロックに通信可能に結合されるフィールドデバイスにルーティングするように構成される、態様21~27のいずれか1つに記載の分散型マーシャリングモジュール。
【0127】
29.宛先アドレスが、(1)ヘッドエンド、(2)分散型マーシャリングモジュールに結合されるフィールドデバイス、または(3)別の分散型マーシャリングモジュールに結合されるフィールドデバイス、のうちの1つを指定する、態様28に記載の分散型マーシャリングモジュール。
【0128】
30.宛先アドレスが、(1)ヘッドエンド、(2)分散型マーシャリングモジュールと関連付けられる電子マーシャリングコンポーネント、または(3)別の分散型マーシャリングモジュールと関連付けられる電子マーシャリングコンポーネント、のうちの1つを指定する、態様28に記載の分散型マーシャリングモジュール。
【0129】
31.宛先アドレスが、(1)ヘッドエンド、(2)分散型マーシャリングモジュール、または(3)別の分散型マーシャリングモジュール、のうちの1つを指定する、態様28に記載の分散型マーシャリングモジュール。
【0130】
32.プロセスプラント内のフィールドデバイスをプロセスプラント内のコントローラに結合するためのヘッドエンドモジュールであって、ヘッドエンドモジュールを第1の分散型マーシャリングモジュールに通信可能に接続し、第1の分散型マーシャリングモジュールが、第1のリングアーキテクチャの一部である、第1の通信ポートと、ヘッドエンドモジュールを第2の分散型マーシャリングモジュールに通信可能に接続し、第2の分散型マーシャリングモジュールが、第1のリングアーキテクチャの一部である、第2の通信ポートと、ヘッドエンドモジュールをI/Oカードに通信可能に接続し、これが次に、コントローラに通信可能に接続される、第3の通信ポートと、メモリデバイスと、マイクロプロセッサであって、メモリデバイスに結合され、また、第1及び第2の通信ポートの一方または両方を介して、第1及び第2の分散型マーシャリングモジュールに結合されるフィールドデバイスから第1のデータを受信し、受信した第1のデータをメモリデバイスに配置されるデータベースに記憶し、データベースから、受信した第1のデータを取り出し、I/Oカードを介して、取り出した第1のデータをコントローラに伝送し、I/Oカードを介して、コントローラからの第2のデータを受信し、第1及び第2の通信ポートの一方または両方を介して、第2のデータをフィールドデバイスの指定されたものに伝送するよ
うに構成される、マイクロプロセッサと、を備えるヘッドエンドモジュール。
【0131】
33.マイクロプロセッサが、デフォルトで、第1及び第2の通信ポートのうちの第1の1つで伝送し、デフォルトで、第1及び第2の通信ポートのうちの第2の1つで受信するように構成される、態様32に記載のヘッドエンドモジュール。
【0132】
34.マイクロプロセッサが、伝送する前の所定の期間内に第1の通信ポートで、予想される定期的なハートビート信号を受信しなかった場合に、マイクロプロセッサが、第1の通信ポートの代わりに、第2の通信ポートで伝送するようにさらに構成される、請求項33に記載のヘッドエンドモジュール。
【0133】
35.マイクロプロセッサが、第1及び第2の通信ポートの各々で定期的なハートビート信号を伝送するように構成される、態様32~34のいずれか1つに記載のヘッドエンドモジュール。
【0134】
36.マイクロプロセッサが、第1または第2の通信ポートを介して、宛先アドレスを含むデータを受信し、宛先アドレスが、ヘッドエンドモジュールのアドレスであるかどうかを判定し、宛先アドレスがヘッドエンドモジュールのアドレスではない場合に、第1または第2の通信ポートのうちの1つを介して、受信したデータを伝送するか、または、宛先アドレスがヘッドエンドモジュールのアドレスである場合に、受信したデータをデータベースに記憶するように構成される、態様32~35のいずれか1つに記載のヘッドエンドモジュール。
【0135】
37.宛先アドレスが、(1)ヘッドエンド、(2)分散型マーシャリングモジュールの1つに結合されるフィールドデバイス、のうちの1つを指定する、態様36に記載のヘッドエンドモジュール。
【0136】
38.宛先アドレスが、(1)ヘッドエンド、(2)分散型マーシャリングモジュールの1つと関連付けられる電子マーシャリングコンポーネント、のうちの1つを指定する、態様36に記載のヘッドエンドモジュール。
【0137】
39.宛先アドレスが、(1)ヘッドエンド、(2)分散型マーシャリングモジュールの1つ、のうちの1つを指定する、態様36に記載のヘッドエンドモジュール。
【0138】
40.ヘッドエンドモジュールを第3の分散型マーシャリングモジュールに通信可能に接続し、第3の分散型マーシャリングモジュールが、第2のリングアーキテクチャの一部である、第4の通信ポートと、ヘッドエンドモジュールを第4の分散型マーシャリングモジュールに通信可能に接続し、第4の分散型マーシャリングモジュールが、第2のリングアーキテクチャの一部である、第5の通信ポートと、をさらに備える、態様32~39のいずれか1つに記載のヘッドエンドモジュール。
【0139】
41.データをプロセスプラント内のフィールドデバイスからプロセスプラント内のコントローラに通信する方法であって、端子ブロックにおいて、フィールドデバイスからデータを表現する信号を受信することと、端子ブロックに通信可能に接続される電子マーシャリングコンポーネントにおいて、受信した信号を第2の信号に変換することと、電子マーシャリングコンポーネントから第2の信号を登録することと、第1の通信ポートまたは第2の通信ポートのいずれかを介して、登録した第2の信号を示す信号を、マイクロプロセッサから、マイクロプロセッサ及び電子マーシャリングコンポーネントから遠隔のヘッドエンドモジュールに伝送することと、を含む方法。
【0140】
42.登録した第2の信号を示す信号が、デフォルトで、第1の通信ポートを介して、また、伝送する前の所定の期間内に第1の通信ポートでいかなる定期的なハートビート信号も検出されなかった場合に、第2の通信ポートを介して、ヘッドエンドモジュールに伝送される、態様41に記載の方法。
【0141】
43.電子マーシャリングコンポーネントが、AO電子マーシャリングコンポーネント、AI電子マーシャリングコンポーネント、DO電子マーシャリングコンポーネント、またはDI電子マーシャリングコンポーネント、のうちの1つである、態様41または42に記載の方法。
【0142】
44.ヘッドエンドモジュールが、1つ以上のI/Oカードを介して、コントローラに通信可能に結合される、態様41~43のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
45.登録した第2の信号を示す信号をヘッドエンドモジュールに伝送することが、登録した第2の信号を示す信号を、ヘッドエンドモジュールへの通信経路に配置される介在分散型マーシャリングモジュールに伝送することを含む、態様41~44のいずれか1つに記載の方法。
【0144】
46.登録した第2の信号を示す信号をヘッドエンドモジュールに伝送することが、登録した第2の信号を示す信号をリング通信アーキテクチャで伝送することを含む、態様41~45のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
47.I/Oカードを介して、登録した第2の信号を示す信号を、ヘッドエンドモジュールからコントローラに伝送することをさらに含む、態様41~46のいずれか1つに記載の方法。
【0146】
48.プロセスプラント内のプロセスを制御するように動作するプロセス制御システムであって、複数のプロセス制御フィールドデバイスと、複数のプロセス制御フィールドデバイスに通信可能に結合される入力/出力(I/O)カードと、I/Oカードに通信可能に結合され、I/Oカードを介して、複数のプロセス制御フィールドデバイスからデータを受信し、同じくI/Oカードを介して、制御信号をプロセス制御フィールドデバイスの1つ以上に送信して、プロセスの動作を制御するように動作する、コントローラと、分散型マーシャリングモジュールであって、第1の通信ポートと、1つ以上の電子マーシャリングコンポーネントスロットであって、少なくとも1つの電子マーシャリングコンポーネントスロットが、その中に電子マーシャリングコンポーネントを有する、1つ以上の電子マーシャリングコンポーネントスロットと、1つ以上の電子マーシャリングコンポーネントスロットの各々に対応するそれぞれの端子ブロックであって、少なくとも1つの電子マーシャリングコンポーネントスロットの端子ブロックが、複数のフィールドデバイスのうちの1つに通信可能に結合される、それぞれの端子ブロックと、
第1の通信ポートに結合されるマイクロプロセッサと、を備える分散型マーシャリングモジュールと、ヘッドエンドモジュールであって、ヘッドエンドモジュールをI/Oカードに結合する第1の通信ポートと、分散型マーシャリングモジュールに通信可能に結合される第2の通信ポートと、第2の通信ポートを介して、マイクロプロセッサによって受信される情報を記憶するデータベースがその中に記憶されるメモリデバイスと、マイクロプロセッサであって、メモリデバイスに結合され、第2の通信ポートを介して、データを受信及び送信し、受信したデータをメモリデバイスに記憶し、メモリデバイスからデータを取り出し、I/Oカードを介して、取り出したデータをコントローラに伝送するように構成される、マイクロプロセッサと、を備えるヘッドエンドモジュールと、を備えるプロセス制御システム。
【0147】
49.分散型マーシャリングモジュール上の通信ポートが、ヘッドエンドモジュール上の第2の通信ポートと協働して、分散型マーシャリングモジュールとヘッドエンドモジュールとの間でデータを渡す、態様48に記載のプロセス制御システム。
【0148】
50.プロセス制御システムが、複数の分散型マーシャリングモジュールを備える、態様48または態様49に記載のプロセス制御システム。
【0149】
51.電子マーシャリングコンポーネントが、複数のフィールドデバイスのうちの1つから信号を受信し、受信した信号を第1の形態から第2の形態に変換するように構成される、態様48~50のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0150】
52.分散型マーシャリングモジュールが、電子マーシャリングコンポーネントスロットの各々をスキャンし、電子マーシャリングコンポーネントスロットが存在する任意のスロットについて、スロットと関連付けられる値を登録するように動作可能である、スキャンモジュールをさらに備える、態様48~51のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0151】
53.分散型マーシャリングモジュール上のマイクロプロセッサが、スキャンモジュールとして機能する、態様52に記載のプロセス制御システム。
【0152】
54.分散型マーシャリングモジュール上のマイクロプロセッサが、分散型マーシャリングモジュールの通信ポート上のスロットと関連付けられる値を伝送する、態様52または態様53に記載のプロセス制御システム。
【0153】
55.I/Oカードが、ヘッドエンドモジュール上に配置される、態様48~54のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0154】
56.電子マーシャリングコンポーネントが、AO電子マーシャリングコンポーネント、AI電子マーシャリングコンポーネント、DO電子マーシャリングコンポーネント、またはDI電子マーシャリングコンポーネント、のうちの1つである、態様48~55のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0155】
57.ヘッドエンドモジュール上のマイクロプロセッサが、I/Oカードを介して、コントローラからデータを受信し、コントローラから受信されるデータを、フィールドデバイスの特定の1つと関連付けられる宛先分散型マーシャリングモジュール、フィールドデバイスの特定の1つと関連付けられる宛先電子マーシャリングコンポーネント、またはフィールドデバイスの特定の1つ、のうちの1つを指定する宛先アドレスと関連付け、第2の通信ポートでデータを伝送することによって、コントローラから受信されるデータ、及び関連付けられた宛先アドレスを、フィールドデバイスの特定の1つに伝送するようにさらに構成される、態様48~56のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0156】
58.分散型マーシャリングモジュールが、第2の通信ポートを備え、分散型マーシャリングモジュール上の第1及び第2の通信ポートのうちの第1の1つが、ヘッドエンドモジュール上のマイクロプロセッサがデータを伝送した第2の通信ポートに通信可能に結合され、さらに、分散型マーシャリングモジュール上のマイクロプロセッサが、ヘッドエンドモジュールから伝送されるデータを受信し、宛先アドレスが分散型マーシャリングモジュールと関連付けられているかどうかを判定し、宛先アドレスが分散型マーシャリングモジュールと関連付けられている場合は、データをフィールドデバイスの特定の1つにルーティングし、宛先アドレスが分散型マーシャリングモジュールと関連付けられていない場合は、分散型マーシャリングモジュール上の第1及び第2の通信ポートのもう1つで、デ
ータ、及び関連付けられた宛先アドレスを伝送する、態様57に記載のプロセス制御システム。
【0157】
59.分散型マーシャリングモジュールが、第2の通信ポートを備え、第2の通信ポートが、第2の分散型マーシャリングモジュールに通信可能に結合される、態様48~56のいずれか1つに記載のプロセス制御システム。
【0158】
60.プロセスプラント内のプロセスを制御するように動作するプロセス制御システムであって、複数のプロセス制御フィールドデバイスと、複数のプロセス制御フィールドデバイスに通信可能に結合される入力/出力(I/O)カードと、I/Oカードに通信可能に結合され、I/Oカードを介して、複数のプロセス制御フィールドデバイスからデータを受信し、同じくI/Oカードを介して、制御信号をプロセス制御フィールドデバイスの1つ以上に送信して、プロセスの動作を制御するように動作する、コントローラと、複数の分散型マーシャリングモジュールであって、各分散型マーシャリングモジュールが、一対の通信ポートと、複数の電子マーシャリングコンポーネントスロットと、電子マーシャリングコンポーネントスロットに配置される電子マーシャリングコンポーネントと、複数の電子マーシャリングコンポーネントスロットの各々に対応するそれぞれの端子ブロックであって、電子マーシャリングコンポーネントが配置される電子マーシャリングコンポーネントスロットの端子ブロックが、複数のフィールドデバイスのうちの1つに通信可能に結合される、それぞれの端子ブロックと、一対の通信ポートに結合されるマイクロプロセッサと、を備える分散型マーシャリングモジュールと、ヘッドエンドモジュールであって、ヘッドエンドモジュールをI/Oカードに結合する第1の通信ポートと、複数の分散型マーシャリングモジュールのうちの第1の1つに通信可能に結合される第2の通信ポートと、第2の通信ポートを介して、マイクロプロセッサによって受信される情報を記憶するデータベースがその中に記憶されるメモリデバイスと、マイクロプロセッサであって、メモリデバイスに結合され、
第2の通信ポートを介して、データを受信及び送信し、受信したデータをメモリデバイスに記憶し、メモリデバイスからデータを取り出し、I/Oカードを介して、取り出したデータをコントローラに伝送するように構成され、複数の分散型マーシャリングモジュールの第1ものが、複数の分散型マーシャリングモジュールの第1のものの一対の通信ポートの第1のものと、複数の分散型マーシャリングモジュールの第2のものの一対の通信ポートの第1のものとの間の通信リンクによって、複数の分散型マーシャリングモジュールの第2のものに通信可能に結合される、マイクロプロセッサと、を備えるヘッドエンドモジュールと、を備えるプロセス制御システム。
【0159】
61.プロセスプラント内のフィールドデバイスをプロセスプラント内のコントローラに結合するための分散型マーシャリングモジュールであって、一対の通信ポートと、第1の数の電子マーシャリングコンポーネントスロットと、第1の数に等しい第2の数の端子ブロックであって、各端子ブロックが、電子マーシャリングコンポーネントスロットの1つと通信可能に接続し、フィールドデバイスのそれぞれ1つに通信可能に接続されるように構成される、端子ブロックと、電子マーシャリングコンポーネントスロットに配置される、第1の数以下である第3の数の電子マーシャリングコンポーネントであって、電子マーシャリングコンポーネントの各々が、フィールドデバイスのそれぞれ1つから信号を受信し、受信した信号をI/Oカードと互換の形式に変換するように構成される、第3の数の電子マーシャリングコンポーネントと、一対の通信ポートに結合されるマイクロプロセッサであって、一対の通信ポートの両方でデータを受信し、データを一対の通信ポートの第1のもののヘッドエンドモジュールにデータを伝送し、データを一対の通信ポートの第2のものの別の分散型マーシャリングモジュールに伝送する、マイクロプロセッサと、を備える分散型マーシャリングモジュール。
【0160】
62.電子マーシャリングコンポーネントスロットをスキャンし、電子マーシャリングコンポーネントの各々から、変換した信号を受信し、ヘッドエンドモジュールへの伝送のために、受信した変換した信号をマイクロプロセッサに通信するか、またはマイクロプロセッサによる後の取り出し及びヘッドエンドへの伝送のために、受信した変換した信号をメモリデバイスに記憶するように動作可能である、スキャンモジュールをさらに備える、態様61に記載の分散型マーシャリングモジュール。
【0161】
63.マイクロプロセッサが、宛先アドレスを含むデータを受信し、宛先アドレスが、分散型マーシャリングモジュールと関連付けられているかどうかを判定し、宛先アドレスが分散型マーシャリングモジュールと関連付けられていない、かつヘッドエンドモジュールと関連付けられていない場合に、一対の通信ポートの第2のもののうちの1つを介して、受信したデータを伝送するか、または、受信したデータをフィールドデバイスに対応するマーシャリングコンポーネントにルーティングすることによって、受信したデータを、分散型マーシャリングモジュール上の端子ブロックに通信可能に結合されるフィールドデバイスにルーティングするように構成される、態様61または態様62に記載の分散型マーシャリングモジュール。
【0162】
64.宛先アドレスが、(1)ヘッドエンド、(2)分散型マーシャリングモジュールに結合されるフィールドデバイス、または(3)別の分散型マーシャリングモジュールに結合されるフィールドデバイス、のうちの1つを指定する、態様63に記載の分散型マーシャリングモジュール。
【0163】
65.宛先アドレスが、(1)ヘッドエンド、(2)分散型マーシャリングモジュールと関連付けられる電子マーシャリングコンポーネント、または(3)別の分散型マーシャリングモジュールと関連付けられる電子マーシャリングコンポーネント、のうちの1つを指定する、態様63に記載の分散型マーシャリングモジュール。
【0164】
66.宛先アドレスが、(1)ヘッドエンド、(2)分散型マーシャリングモジュール、または(3)別の分散型マーシャリングモジュール、のうちの1つを指定する、態様63に記載の分散型マーシャリングモジュール。
【0165】
67.プロセスプラント内のフィールドデバイスをプロセスプラント内のコントローラに結合するためのヘッドエンドモジュールであって、ヘッドエンドモジュールを第1の分散型マーシャリングモジュールに通信可能に接続する、第1の通信ポートと、ヘッドエンドモジュールを第2の分散型マーシャリングモジュールに通信可能に接続する、第2の通信ポートと、ヘッドエンドモジュールをI/Oカードに通信可能に接続し、これが次に、コントローラに通信可能に接続される、第3の通信ポートと、メモリデバイスと、マイクロプロセッサであって、メモリデバイスに結合され、また、第1の通信ポートを介して、第1のデータを、第1の分散型マーシャリングモジュールに結合されるフィールドデバイスに伝送し、そこから受信し、第2の通信ポートを介して、第2のデータを、第2の分散型マーシャリングモジュールに結合されるフィールドデバイスに伝送し、そこから受信し、受信した第1のデータ及び第2のデータをメモリデバイスに配置されるデータベースに記憶し、データベースから、受信した第1のデータ及び第2のデータを取り出し、I/Oカードを介して、取り出した第1のデータ及び第2のデータをコントローラに伝送し、I/Oカードを介して、コントローラから第3及び第4のデータを受信し、第1の通信ポートを介して、第3のデータを、第1の分散型マーシャリングモジュールに結合されるフィールドデバイスの指定されたものに伝送し、第2の通信ポートを介して、第4のデータを、第2の分散型マーシャリングモジュールに結合されるフィールドデバイスの指定されたものに伝送するように構成される、マイクロプロセッサと、を備えるヘッドエンドモジュール。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10