(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】制御装置および制御システム
(51)【国際特許分類】
B62M 25/00 20060101AFI20231024BHJP
B62J 1/08 20060101ALI20231024BHJP
B62K 25/08 20060101ALI20231024BHJP
B62M 6/45 20100101ALI20231024BHJP
【FI】
B62M25/00
B62J1/08 C
B62K25/08 Z
B62M6/45
(21)【出願番号】P 2018203996
(22)【出願日】2018-10-30
【審査請求日】2020-12-02
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山崎 あずさ
(72)【発明者】
【氏名】謝花 聡
(72)【発明者】
【氏名】仁木 一喬
(72)【発明者】
【氏名】中島 岳彦
【合議体】
【審判長】藤井 昇
【審判官】一ノ瀬 覚
【審判官】中村 則夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-70901(JP,A)
【文献】特開2018-118710(JP,A)
【文献】特開2015-55545(JP,A)
【文献】特開2006-24104(JP,A)
【文献】特開2009-113517(JP,A)
【文献】特開平10-81156(JP,A)
【文献】特開平10-162299(JP,A)
【文献】特開2016-215761(JP,A)
【文献】特開2005-165643(JP,A)
【文献】国際公開第2018/147041(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 25/00
B62M 6/45
G08G 1/09 - 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1人力駆動車の第1電動コンポーネントを制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記第1人力駆動車とは異なり、前記第1人力駆動車の前方を走行する
先行車であり、前記第1人力駆動車に第1参照情報を送信するように予めペアリング可能に構成される第2人力駆動車に関する
前記第1参照情報に基づいて前記第1電動コンポーネントを制御する、制御装置。
【請求項2】
前記第1電動コンポーネントは、変速装置、サスペンション、アジャスタブルシートポスト、電動補助ユニット、および、制動装置の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
第1人力駆動車の第1電動コンポーネントを制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記第1人力駆動車とは異な
り、前記第1人力駆動車に第1参照情報を送信するように予めペアリング可能に構成される第2人力駆動車に関する
前記第1参照情報に基づいて前記第1電動コンポーネントを制御し、
前記第1電動コンポーネントは、変速装置、サスペンション、アジャスタブルシートポスト、電動補助ユニット、および、制動装置の少なくとも1つを含む、制御装置。
【請求項4】
前記第2人力駆動車は、前記第1人力駆動車の前方を走行する人力駆動車である、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1電動コンポーネントは、前記変速装置を含む、請求項2から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第1参照情報は、前記第2人力駆動車の走行状態に関する走行情報を含む、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記走行情報は、駆動情報および挙動情報の少なくとも1つを含み、
前記駆動情報は、ケイデンス、前記第2人力駆動車のクランクに作用するトルク、車速、走行加速度、および、パワーの少なくとも1つを含み、
前記挙動情報は、前記第2人力駆動車の上下加速度、前記第2人力駆動車のヨー、前記第2人力駆動車のロール、および、前記第2人力駆動車のピッチの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
第1人力駆動車の第1電動コンポーネントを制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記第1人力駆動車とは異なる第2人力駆動車に関する第1参照情報に基づいて前記第1電動コンポーネントを制御し、
前記第1参照情報は、前記第2人力駆動車の走行状態に関する走行情報を含み、
前記走行情報は、駆動情報および挙動情報の少なくとも1つを含み、
前記駆動情報は、ケイデンス、前記第2人力駆動車のクランクに作用するトルク、および、パワーの少なくとも1つを含み、
前記挙動情報は、前記第2人力駆動車の上下加速度、前記第2人力駆動車のヨー、前記第2人力駆動車のロール、および、前記第2人力駆動車のピッチの少なくとも1つを含む、制御装置。
【請求項9】
前記第1電動コンポーネントは、変速装置を含む、請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記駆動情報に関する値が大きくなると、前記第1人力駆動車の変速比が大きくなるように前記変速装置を制御する、請求項7または9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記駆動情報に関する値が小さくなると、前記第1人力駆動車の変速比が小さくなるように前記変速装置を制御する、請求項7、9、10のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項12】
前記第1参照情報は、前記第2人力駆動車の走行環境に関する環境情報を含む、請求項5から7、9から11のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
前記環境情報は、路面の状態に関する路面情報、前記第2人力駆動車の走行抵抗に関する抵抗情報、天候に関する天候情報、および、気温に関する気温情報の少なくとも1つを含む、請求項12に記載の制御装置。
【請求項14】
前記路面情報は、路面の勾配に関する勾配情報、および、路面の段差に関する段差情報の少なくとも1つを含む、請求項13に記載の制御装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記第2人力駆動車が上り坂を走行する場合、前記第1人力駆動車の変速比が小さくなるように前記変速装置を制御する、請求項14に記載の制御装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記第2人力駆動車が下り坂を走行する場合、前記第1人力駆動車の変速比が大きくなるように前記変速装置を制御する、請求項14または15に記載の制御装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記第2人力駆動車が走行する路面に段差がある場合、前記第1人力駆動車の変速比が小さくなるように前記変速装置を制御する、請求項14から16のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項18】
前記第1参照情報は、前記第2人力駆動車におけるハンドルバーの操作に関するハンドリング情報を含む、請求項5から7、9から17のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項19】
前記制御部は、前記第2人力駆動車における前記ハンドルバーの操作量が所定操作量以上の場合、前記第1人力駆動車の変速比が小さくなるように前記変速装置を制御する、請求項18に記載の制御装置。
【請求項20】
前記第1参照情報は、前記第2人力駆動車の第2電動コンポーネントの動作に関する動作情報を含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項21】
第1人力駆動車の第1電動コンポーネントを制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記第1人力駆動車とは異なる第2人力駆動車に関する第1参照情報に基づいて前記第1電動コンポーネントを制御し、
前記第1参照情報は、前記第2人力駆動車の第2電動コンポーネントの動作に関する動作情報を含み、
前記第2電動コンポーネントは、変速装置、サスペンション、アジャスタブルシートポスト、電動補助ユニット、および、制動装置の少なくとも1つを含む、制御装置。
【請求項22】
前記制御部は、前記動作情報に基づいて、前記第2電動コンポーネントと同様の動作となるように前記第1電動コンポーネントを制御する、請求項20または21に記載の制御装置。
【請求項23】
前記制御部は、前記第1人力駆動車と前記第2人力駆動車との車間距離が所定距離未満の場合、前記第2電動コンポーネントが動作するタイミングに応じて前記第1電動コンポーネントを制御する、請求項22に記載の制御装置。
【請求項24】
第1人力駆動車の第1電動コンポーネントを制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記第1人力駆動車とは異なる第2人力駆動車に関する第1参照情報に基づいて前記第1電動コンポーネントを制御し、
前記第1人力駆動車と前記第2人力駆動車との車間距離が所定距離未満の場合、前記第2人力駆動車の第2電動コンポーネントが動作するタイミングと、前記第1電動コンポーネントが動作するタイミングとのずれが小さくなるように、前記第1電動コンポーネントを制御する、制御装置。
【請求項25】
前記制御部は、前記第1参照情報および第2参照情報に基づいて前記第1電動コンポーネントを制御し、
前記第2参照情報は、前記第1人力駆動車と前記第2人力駆動車との車間距離に関する車間情報、および、前記第2人力駆動車の走行履歴に関する履歴情報の少なくとも1つを含む、請求項1から24のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項26】
前記制御部は、前記第2参照情報に応じたタイミングで、前記第1参照情報に基づいて前記第1電動コンポーネントを制御する、請求項25に記載の制御装置。
【請求項27】
前記制御部は、前記第2参照情報に基づいて前記第1参照情報に対応するタイミングを設定し、そのタイミングで前記第1参照情報に基づいて前記第1電動コンポーネントを制御する、請求項26に記載の制御装置。
【請求項28】
前記制御部は、前記第1人力駆動車と前記第2人力駆動車との車間距離が前記所定距離以上の場合、前記第2人力駆動車が走行した路面を、前記第1人力駆動車が走行するまでに要する所要時間を算出し、前記所要時間に応じて設定したタイミングに、前記第1参照情報に基づいて前記第1電動コンポーネントを制御する、請求項24に記載の制御装置。
【請求項29】
請求項1から28のいずれか一項に記載の制御装置と、
前記第1参照情報を受信する受信部と、を備える制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置および制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人力駆動車の電動コンポーネントを自動的に制御する制御システムが知られている。電動コンポーネントは、例えば変速装置を含む。従来の制御システムは、人力駆動車のクランクの回転数および閾値に基づいて規定される変速条件に応じて、クランクの回転数が所定の範囲内に維持されるように変速装置を制御する。特許文献1は、従来の制御システムの一例を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人力駆動車に搭乗する搭乗者が快適に走行できることが望ましい。
本発明の目的は、人力駆動車の快適な走行に貢献できる制御装置および制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従う制御装置は、第1人力駆動車の第1電動コンポーネントを制御する制御部を備え、前記制御部は、前記第1人力駆動車とは異なる車両に関する第1参照情報に基づいて前記第1電動コンポーネントを制御する。
上記第1側面の制御装置によれば、第1参照情報に基づいて第1電動コンポーネントが制御されるため、車両の状況変化に応じた制御を実行できる。このため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0006】
前記第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記車両は、前記第1人力駆動車の前方を走行する車両である。
上記第2側面の制御装置によれば、第1人力駆動車の前方を走行する車両の状況変化に応じて第1電動コンポーネントが制御されるため、第1人力駆動車の状況変化に応じた制御を早期に実行できる。このため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。第1人力駆動車の前方を走行する車両を、第1電動コンポーネントの制御に用いられる情報を検出するセンサとして利用できるため、第1人力駆動車に搭載されるセンサを省略できる。
【0007】
前記第2側面に従う第3側面の制御装置において、前記車両は、第2人力駆動車を含む。
上記第3側面の制御装置によれば、第2人力駆動車の状況変化に応じて第1電動コンポーネントが制御されるため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0008】
前記第3側面に従う第4側面の制御装置において、前記第1電動コンポーネントは、変速装置、サスペンション、アジャスタブルシートポスト、電動補助ユニット、および、制動装置の少なくとも1つを含む。
上記第4側面の制御装置によれば、第2人力駆動車の状況変化に応じて各種の第1電動コンポーネントが制御されるため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0009】
前記第4側面に従う第5側面の制御装置において、前記第1電動コンポーネントは、前記変速装置を含む。
上記第5側面の制御装置によれば、第2人力駆動車の状況変化に応じて変速装置が制御されるため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0010】
前記第5側面に従う第6側面の制御装置において、前記第1参照情報は、前記第2人力駆動車の走行状態に関する走行情報を含む。
上記第6側面の制御装置によれば、第2人力駆動車の走行情報が第1参照情報に含まれるため、第1参照情報に基づいて変速装置を好適に制御できる。このため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0011】
前記第6側面に従う第7側面の制御装置において、前記走行情報は、駆動情報および挙動情報の少なくとも1つを含み、前記駆動情報は、ケイデンス、前記第2人力駆動車のクランクに作用するトルク、車速、走行加速度、および、パワーの少なくとも1つを含み、前記挙動情報は、前記第2人力駆動車の上下加速度、前記第2人力駆動車のヨー、前記第2人力駆動車のロール、および、前記第2人力駆動車のピッチの少なくとも1つを含む。
上記第7側面の制御装置によれば、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0012】
前記第7側面に従う第8側面の制御装置において、前記制御部は、前記駆動情報に関する値が大きくなると、前記第1人力駆動車の変速比が大きくなるように前記変速装置を制御する。
上記第8側面の制御装置によれば、第1人力駆動車の変速比が第2人力駆動車の駆動情報に応じた変速比となるように変速装置が早期に制御されるため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0013】
前記第7または第8側面に従う第9側面の制御装置において、前記制御部は、前記駆動情報に関する値が小さくなると、前記第1人力駆動車の変速比が小さくなるように前記変速装置を制御する。
上記第9側面の制御装置によれば、第1人力駆動車の変速比が第2人力駆動車の駆動情報に応じた変速比となるように変速装置が早期に制御されるため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0014】
前記第5から第9側面のいずれか1つに従う第10側面の制御装置において、前記第1参照情報は、前記第2人力駆動車の走行環境に関する環境情報を含む。
上記第10側面の制御装置によれば、第2人力駆動車の環境情報が第1参照情報に含まれるため、第1参照情報に基づいて変速装置を好適に制御できる。このため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0015】
前記第10側面に従う第11側面の制御装置において、前記環境情報は、路面の状態に関する路面情報、前記第2人力駆動車の走行抵抗に関する抵抗情報、天候に関する天候情報、および、気温に関する気温情報の少なくとも1つを含む。
上記第11側面の制御装置によれば、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0016】
前記第11側面に従う第12側面の制御装置において、前記路面情報は、路面の勾配に関する勾配情報、および、路面の段差に関する段差情報の少なくとも1つを含む。
上記第12側面の制御装置によれば、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0017】
前記第12側面に従う第13側面の制御装置において、前記制御部は、前記第2人力駆動車が上り坂を走行する場合、前記第1人力駆動車の変速比が小さくなるように前記変速装置を制御する。
上記第13側面の制御装置によれば、第1人力駆動車の変速比が上り坂に応じた変速比となるように変速装置が早期に制御されるため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0018】
前記第12または第13側面に従う第14側面の制御装置において、前記制御部は、前記第2人力駆動車が下り坂を走行する場合、前記第1人力駆動車の変速比が大きくなるように前記変速装置を制御する。
上記第14側面の制御装置によれば、第1人力駆動車の変速比が下り坂に応じた変速比となるように変速装置が早期に制御されるため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0019】
前記第12から第14側面のいずれか1つに従う第15側面の制御装置において、前記制御部は、前記第2人力駆動車が走行する路面に段差がある場合、前記第1人力駆動車の変速比が小さくなるように前記変速装置を制御する。
上記第15側面の制御装置によれば、第2人力駆動車が走行する路面の段差に応じて変速装置が早期に制御されるため、第1人力駆動車が段差を走行する場合に生じる衝撃を緩和できる。このため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0020】
前記第5から第15側面のいずれか1つに従う第16側面の制御装置において、前記第1参照情報は、前記第2人力駆動車におけるハンドルバーの操作に関するハンドリング情報を含む。
上記第16側面の制御装置によれば、第2人力駆動車のハンドリング情報が第1参照情報に含まれるため、第1参照情報に基づいて変速装置を好適に制御できる。このため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0021】
前記第16側面に従う第17側面の制御装置において、前記制御部は、前記第2人力駆動車における前記ハンドルバーの操作量が所定操作量以上の場合、前記第1人力駆動車の変速比が小さくなるように前記変速装置を制御する。
上記第17側面の制御装置によれば、第1人力駆動車の変速比が第2人力駆動車におけるハンドルバーの操作量に応じた変速比となるように変速装置が早期に制御されるため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0022】
前記第3から第17側面のいずれか1つに従う第18側面の制御装置において、前記第1参照情報は、前記第2人力駆動車の第2電動コンポーネントの動作に関する動作情報を含む。
上記第18側面の制御装置によれば、第2電動コンポーネントの動作情報が第1参照情報に含まれるため、第1参照情報に基づいて第1電動コンポーネントを好適に制御できる。このため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0023】
前記第18側面に従う第19側面の制御装置において、前記制御部は、前記動作情報に基づいて、前記第2電動コンポーネントと同様の動作となるように前記第1電動コンポーネントを制御する。
上記第19側面の制御装置によれば、動作情報に応じて第1電動コンポーネントが好適に制御されるため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0024】
前記第19側面に従う第20側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1人力駆動車と前記第2人力駆動車との車間距離が所定距離未満の場合、前記第2電動コンポーネントが動作するタイミングに応じて前記第1電動コンポーネントを制御する。
上記第20側面の制御装置によれば、第1電動コンポーネントが好適なタイミングで制御されるため、車間距離を一定に保持できる。このため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0025】
前記第3から第20側面のいずれか1つに従う第21側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1参照情報および第2参照情報に基づいて前記第1電動コンポーネントを制御し、前記第2参照情報は、前記第1人力駆動車と前記第2人力駆動車との車間距離に関する車間情報、および、前記第2人力駆動車の走行履歴に関する履歴情報の少なくとも1つを含む。
上記第21側面の制御装置によれば、第1参照情報および第2参照情報に基づいて第1電動コンポーネントが制御されるため、第2人力駆動車の状況変化に応じた制御を好適なタイミングで実行できる。このため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0026】
前記第21側面に従う第22側面の制御装置において、前記制御部は、前記第2参照情報に応じたタイミングで、前記第1参照情報に基づいて前記第1電動コンポーネントを制御する。
上記第22側面の制御装置によれば、第1電動コンポーネントが好適なタイミングで制御されるため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0027】
前記第22側面に従う第23側面の制御装置において、前記制御部は、前記第2参照情報に基づいて前記第1参照情報に対応するタイミングを設定し、そのタイミングで前記第1参照情報に基づいて前記第1電動コンポーネントを制御する。
上記第23側面の制御装置によれば、第1電動コンポーネントが好適なタイミングで制御されるため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0028】
本発明の第24側面に従う制御システムは、前記制御装置と、前記第1参照情報を受信する受信部と、を備える。
上記第24側面の制御システムによれば、車両から受信した第1参照情報に基づいて第1電動コンポーネントが制御されるため、車両の状況変化に応じた制御を実行できる。このため、第1人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の制御装置および制御システムによれば、人力駆動車の快適な走行に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】第1実施形態の制御システムを含む第1人力駆動車の側面図。
【
図2】第1人力駆動車と第2人力駆動車との関係を示すブロック図。
【
図3】第2人力駆動車を追走する第1人力駆動車の動作の一例を示す模式図。
【
図4】第2人力駆動車を追走する第1人力駆動車の動作の一例を示す模式図。
【
図5】第2人力駆動車を追走する第1人力駆動車の動作の一例を示す模式図。
【
図6】
図1の制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャート。
【
図7】第2実施形態の制御システムにおいて、制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャート。
【
図8】第3実施形態の制御システムにおいて、制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャート。
【
図9】第4実施形態の制御システムにおいて、制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャート。
【
図10】第5実施形態の制御システムにおいて、制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<第1実施形態>
図1を参照して、制御システム10を含む第1人力駆動車Aについて説明する。
ここで、人力駆動車は、走行のための原動力に関して、少なくとも部分的に人力を用いる車両を意味し、電動で人力を補助する車両を含む。人力以外の原動力のみを用いる車両は、人力駆動車には含まれない。特に、内燃機関のみを原動力に用いる車両は、人力駆動車には含まれない。通常、人力駆動車には、小型軽車両が想定され、公道での運転に免許を要しない車両が想定される。図示される第1人力駆動車Aは、電気エネルギーを用いて第1人力駆動車Aの推進を補助する電動補助ユニットEを含む自転車である。具体的には、図示される第1人力駆動車Aは、トレッキングバイクである。第1人力駆動車Aは、フレームA1、フロントフォークA2、車輪W、ハンドルバーH、および、ドライブトレインBをさらに含む。車輪Wは、前輪WFおよび後輪WRを含む。ハンドルバーHは、例えばステムSTを介してフレームA1に設けられる。
【0032】
ドライブトレインBは、例えばチェーンドライブタイプである。ドライブトレインBは、クランクC、フロントスプロケットD1、リアスプロケットD2、および、チェーンD3を含む。クランクCは、フレームA1に回転可能に支持されるクランク軸C1、および、クランク軸C1の両端部のそれぞれに設けられる一対のクランクアームC2を含む。各クランクアームC2の先端には、ペダルPDが回転可能に取り付けられる。ドライブトレインBは、任意のタイプから選択でき、ベルトドライブタイプ、または、シャフトドライブタイプであってもよい。
【0033】
フロントスプロケットD1は、クランク軸C1と一体に回転するようにクランクCに設けられる。リアスプロケットD2は、後輪WRのハブHRに設けられる。チェーンD3は、フロントスプロケットD1およびリアスプロケットD2に巻き掛けられる。第1人力駆動車Aに搭乗する搭乗者によってペダルPDに加えられる人力駆動力は、フロントスプロケットD1、チェーンD3、および、リアスプロケットD2を介して後輪WRに伝達される。
【0034】
第1人力駆動車Aは、第1電動コンポーネントCO1をさらに含む。第1電動コンポーネントCO1は、第1人力駆動車Aに搭載される操作装置への入力に応じて電気的に動作する被操作装置を含む。一例では、第1電動コンポーネントCO1は、第1人力駆動車Aに搭載されるバッテリBTから供給される電力、または、個々の第1電動コンポーネントCO1に搭載される専用の電源から供給される電力等によって動作する。第1電動コンポーネントCO1は、変速装置T、サスペンションSU、アジャスタブルシートポストASP、電動補助ユニットE、および、制動装置BDの少なくとも1つを含む。本明細書に記載される「少なくとも1つ」という表現を含む文章は、次のように理解できる。該当する文章に示される選択肢が2つの場合、その文章は、選択肢の1つのみ、または、選択肢の2つを含むことを意味する。該当する文章に示される選択肢が3つ以上の場合、その文章は、選択肢の1つのみ、または、2つ以上の任意の選択肢の組合せを含むことを意味する。本実施形態では、第1電動コンポーネントCO1は、変速装置Tを含む。第1電動コンポーネントCO1に含まれない被操作装置は、操作装置への入力に応じて機械的に動作するように構成されてもよい。
【0035】
変速装置Tは、外装変速機を含む。一例では、変速装置Tは、フロントディレーラTFおよびリアディレーラTRの少なくとも1つを含む。フロントディレーラTFは、フロントスプロケットD1付近に設けられる。フロントディレーラTFの駆動に伴って、チェーンD3が巻き掛けられるフロントスプロケットD1が変更され、第1人力駆動車Aの変速比が変更される。第1人力駆動車Aの変速比は、フロントスプロケットD1の歯数とリアスプロケットD2の歯数との関係に基づいて規定される。一例では、第1人力駆動車Aの変速比は、フロントスプロケットD1の回転速度に対するリアスプロケットD2の回転速度の割合で定義される。すなわち、第1人力駆動車Aの変速比は、リアスプロケットD2の歯数に対するフロントスプロケットD1の歯数の割合で定義される。リアディレーラTRは、フレームA1のリアエンドA3に設けられる。リアディレーラTRの駆動に伴って、チェーンD3が巻き掛けられるリアスプロケットD2が変更され、第1人力駆動車Aの変速比が変更される。一例では、変速操作装置SLの操作に応じて、対応する変速装置Tが機械的または電気的に駆動される。変速装置Tは、外装変速機に代えて、内装変速機または無段変速機を含んでいてもよい。
【0036】
サスペンションSUは、フロントサスペンションSFおよびリアサスペンションの少なくとも1つを含む。フロントサスペンションSFは、前輪WFが地面から受ける衝撃が緩和されるように動作する。リアサスペンションは、後輪WRが地面から受ける衝撃が緩和されるように動作する。一例では、サスペンション操作装置の操作に応じて、対応するサスペンションSUが機械的または電気的に駆動される。具体的には、サスペンション操作装置の操作に応じて、対応するサスペンションSUの変位状態、トラベル量、減衰力、および、反発力の少なくとも1つが変更される。
【0037】
アジャスタブルシートポストASPは、フレームA1に対するサドルSDの高さが変更されるように動作する。一例では、アジャスタブルシートポスト操作装置の操作に応じて、アジャスタブルシートポストASPが機械的または電気的に駆動される。
【0038】
電動補助ユニットEは、第1人力駆動車Aの推進力がアシストされるように動作する。電動補助ユニットEは、例えばペダルPDに加えられる人力駆動力に応じて動作する。電動補助ユニットEは、例えば電気モータE1を含む。一例では、電動補助操作装置の操作に応じて、電動補助ユニットEが電気的に駆動される。
【0039】
制動装置BDは、車輪Wの数に対応する制動装置BDを含む。本実施形態では、前輪WFに対応する制動装置BD、および、後輪WRに対応する制動装置BDが第1人力駆動車Aに設けられる。2つの制動装置BDは、互いに同様の構成を有する。制動装置BDは、例えば第1人力駆動車AのリムRを制動するリムブレーキ装置である。一例では、制動操作装置BLの操作に応じて、対応する制動装置BDが機械的または電気的に駆動される。制動装置BDは、第1人力駆動車Aに搭載されるディスクブレーキロータを制動するディスクブレーキ装置であってもよい。
【0040】
図2を参照して、制御システム10の構成について説明する。
制御システム10は、制御装置12と、第1参照情報IR1を受信する受信部18とを備える。制御装置12は、例えば電動補助ユニットEのハウジングE2内に収容される。制御装置12は、バッテリBTから供給される電力によって動作する。受信部18は、第1人力駆動車Aの外表面に設けられる。受信部18は、第1人力駆動車Aとは異なる車両Vから第1参照情報IR1を受信する。第1参照情報IR1は、第1人力駆動車Aとは異なる車両Vに関する情報を含む。
【0041】
制御装置12は、第1人力駆動車Aの第1電動コンポーネントCO1を制御する制御部14を備える。制御部14は、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)である。制御部14は、例えば受信部18から第1参照情報IR1を取得する。制御装置12は、各種の情報を記憶する記憶部16をさらに備える。記憶部16は、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。記憶部16は、例えば制御のための各種プログラム、および、予め設定される情報等を記憶する。
【0042】
制御部14は、第1人力駆動車Aとは異なる車両Vに関する第1参照情報IR1に基づいて第1電動コンポーネントCO1を制御する。車両Vは、第1人力駆動車Aの前方を走行する車両である。本実施形態では、車両Vは、第2人力駆動車AAを含む(
図3参照)。制御部14は、第1人力駆動車Aに搭載される操作装置への入力に応じて、被操作装置を制御してもよい。
【0043】
第2人力駆動車AAは、例えば第1人力駆動車Aの先行車である。第2人力駆動車AAは、第1人力駆動車Aと実質的に同じ構成であってもよく、第1人力駆動車Aとは一部の構成が異なる構成であってもよい。第2人力駆動車AAの第1人力駆動車Aと共通する構成については、第1人力駆動車Aと同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本実施形態では、第2人力駆動車AAは、制御システム10を除いて第1人力駆動車Aと実質的に同じ構成を有する。第2人力駆動車AAは、制御システム10とは異なる制御システム20を含む。
【0044】
制御システム20は、制御装置22と、第1参照情報IR1を送信する送信部28とを備える。制御装置22は、第2人力駆動車AAの第2電動コンポーネントCO2を制御する制御部24と、各種の情報を記憶する記憶部26とを備える。制御部24は、CPUまたはMPUである。制御部24は、例えば第2人力駆動車AAに搭載される操作装置への入力に応じて第2電動コンポーネントCO2を制御する。第2電動コンポーネントCO2は、操作装置への入力に応じて電気的に動作する被操作装置を含む。第2電動コンポーネントCO2は、変速装置T、サスペンションSU、アジャスタブルシートポストASP、電動補助ユニットE、および、制動装置BDの少なくとも1つを含む。第2電動コンポーネントCO2は、操作装置への入力に応じて電気的に動作する被操作装置に代えてまたは加えて、操作装置への入力に応じて機械的に動作する被操作装置を含んでいてもよい。記憶部26は、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。記憶部26は、例えば制御のための各種プログラム、および、予め設定される情報等を記憶する。送信部28は、第2人力駆動車AAの外表面に設けられる。一例では、制御部24は、後述する第2検出装置DBから取得した第1参照情報IR1を、送信部28に送信させる。第1人力駆動車Aの受信部18は、送信部28から送信される各種の情報を直接的に受信してもよく、インターネット等を介して受信してもよい。
【0045】
第1人力駆動車Aの制御装置12では、第2人力駆動車AAから第1参照情報IR1を取得できるように、第2人力駆動車AAの制御装置22と予めペアリングされる。本実施形態では、制御部14は、送信部28および受信部18を介して第1参照情報IR1を取得し、その第1参照情報IR1に基づいて第1電動コンポーネントCO1を制御する。
【0046】
第1参照情報IR1は、第2人力駆動車AAの走行状態に関する走行情報を含む。走行情報は、駆動情報および挙動情報の少なくとも1つを含む。駆動情報は、ケイデンス、第2人力駆動車AAのクランクCに作用するトルク、車速、走行加速度、および、パワーの少なくとも1つを含む。挙動情報は、第2人力駆動車AAの上下加速度、第2人力駆動車AAのヨー、第2人力駆動車AAのロール、および、第2人力駆動車AAのピッチの少なくとも1つを含む。
【0047】
ケイデンスは、クランクCの単位時間当たりの回転数と同義である。走行加速度は、第2人力駆動車AAの前後方向の加速度である。パワーは、ケイデンスとトルクとの積である。上下加速度は、第2人力駆動車AAの上下方向の加速度である。換言すれば、上下加速度は、第2人力駆動車AAの垂直方向の加速度である。一例では、上下加速度は、第2人力駆動車AAが走行する路面に段差等がある場合において、第2人力駆動車AAが段差を落下した場合の第2人力駆動車AAの加速度を示す。第2人力駆動車AAのヨーは、鉛直軸まわりの第2人力駆動車AAの回転を規定する。一例では、第2人力駆動車AAのヨーは、第2人力駆動車AAの鉛直軸まわりの回転において、角度および角速度の少なくとも1つを含む。第2人力駆動車AAのロールは、鉛直面に対する第2人力駆動車AAの左右方向の傾きを規定する。一例では、第2人力駆動車AAのロールは、鉛直面に対する第2人力駆動車AAの左右方向の傾きにおいて、角度および角速度の少なくとも1つを含む。第2人力駆動車AAのピッチは、水平面に対する第2人力駆動車AAの前後方向の傾きを規定する。一例では、第2人力駆動車AAのピッチは、水平面に対する第2人力駆動車AAの前後方向の傾きにおいて、角度および角速度の少なくとも1つを含む。第2人力駆動車AAのピッチは、例えば前輪WFの高さ位置が後輪WRの高さ位置に対して高くなるにつれて大きくなり、前輪WFの高さ位置が後輪WRの高さ位置に対して低くなるにつれて小さくなる。
【0048】
第1参照情報IR1は、第2人力駆動車AAの走行環境に関する環境情報を含む。環境情報は、路面の状態に関する路面情報、第2人力駆動車AAの走行抵抗に関する抵抗情報、天候に関する天候情報、および、気温に関する気温情報の少なくとも1つを含む。路面情報は、路面の勾配に関する勾配情報、および、路面の段差に関する段差情報の少なくとも1つを含む。勾配情報は、第2人力駆動車AAのピッチと相関を有する。段差情報は、第2人力駆動車AAの上下加速度と相関を有する。第2人力駆動車AAの走行抵抗は、例えばケイデンス、トルク、車速、および、第2人力駆動車AAの駆動系の伝達効率に基づいて算出される。
【0049】
第1参照情報IR1は、第2人力駆動車AAにおけるハンドルバーHの操作に関するハンドリング情報を含む。ハンドリング情報は、ハンドルバーHの操作量に関する情報を含む。ハンドルバーHの操作量は、ハンドルバーHの操舵角、および、ハンドルバーHの操舵角速度の少なくとも1つを含む。
【0050】
第1参照情報IR1は、第2人力駆動車AAの第2電動コンポーネントCO2の動作に関する動作情報を含む。具体的には、動作情報は、変速装置Tの変速動作に関する情報、サスペンションSUの動作に関する情報、アジャスタブルシートポストASPの動作に関する情報、電動補助ユニットEの動作に関する情報、および、制動装置BDの動作に関する情報の少なくとも1つを含む。変速装置Tの変速動作には、第2人力駆動車AAの変速比が大きくなるシフトアップ変速、および、第2人力駆動車AAの変速比が小さくなるシフトダウン変速の少なくとも1つが含まれる。サスペンションSUの動作には、変位状態、トラベル量、減衰力、および、反発力の少なくとも1つを変化させる動作が含まれる。アジャスタブルシートポストASPの動作には、フレームA1に対するサドルSDの高さを変更させる動作が含まれる。電動補助ユニットEの動作には、第2人力駆動車AAのアシスト力を変更させる動作が含まれる。アシスト力は、電動補助ユニットEの電気モータE1の出力である。制動装置BDの動作には、車輪Wに作用する制動力を変化させる動作が含まれる。
【0051】
本実施形態では、第1参照情報IR1は、走行情報、環境情報、ハンドリング情報、および、動作情報の少なくとも1つを含む。換言すれば、制御部14は、走行情報、環境情報、ハンドリング情報、および、動作情報の少なくとも1つを含む第1参照情報IR1に基づいて、第1電動コンポーネントCO1を制御する。一例では、制御部14は、以下の第1例から第3例の少なくとも1つに従って変速装置Tを制御する。
【0052】
第1例では、制御部14は、第1参照情報IR1に関する第1所定条件が成立すると、第1人力駆動車Aの変速比が大きくなるように変速装置Tを制御する。制御部14は、例えば第1条件から第7条件の少なくとも1つが成立する場合、第1所定条件が成立すると判定する。制御部14は、第1所定条件が成立した場合において、第1人力駆動車Aの変速比が最大変速比である場合、第1人力駆動車Aの変速比が維持されるように変速装置Tを制御しない。最大変速比は、フロントスプロケットD1とリアスプロケットD2との関係に基づく最大の変速比である。制御部14は、第1所定条件の成立後に第1所定条件が不成立となった場合、第1人力駆動車Aの変速比が元に戻るように変速装置Tを制御してもよい。
【0053】
制御部14は、駆動情報に関する値が大きくなると、第1人力駆動車Aの変速比が大きくなるように変速装置Tを制御する。一例では、制御部14は、駆動情報に関する値が大きくなると、第1条件から第4条件の少なくとも1つが成立すると判定する。制御部14は、ケイデンスが第1ケイデンス以上の場合、第1条件が成立すると判定する。制御部14は、車速が第1車速以上の場合、第2条件が成立すると判定する。制御部14は、走行加速度が第1走行加速度以上の場合、第3条件が成立すると判定する。制御部14は、パワーが第1パワー以上の場合、第4条件が成立すると判定する。第1条件から第4条件の成否判定に用いられる駆動情報には、第2人力駆動車AAのクランクCに作用するトルクが含まれない。
【0054】
制御部14は、第2人力駆動車AAが下り坂を走行する場合、第1人力駆動車Aの変速比が大きくなるように変速装置Tを制御する。一例では、制御部14は、第2人力駆動車AAが下り坂を走行することが想定される場合、第5条件から第7条件の少なくとも1つが成立すると判定する。制御部14は、トルクが第1トルク未満の場合、第5条件が成立すると判定する。制御部14は、第2人力駆動車AAのピッチが第1ピッチ未満の場合、第6条件が成立すると判定する。制御部14は、路面の勾配が第1勾配未満の場合、第7条件が成立すると判定する。
【0055】
第2例では、制御部14は、第1参照情報IR1に関する第2所定条件が成立すると、第1人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御する。制御部14は、例えば第8条件から第22条件の少なくとも1つが成立する場合、第2所定条件が成立すると判定する。制御部14は、第2所定条件が成立した場合において、第1人力駆動車Aの変速比が最小変速比である場合、第1人力駆動車Aの変速比が維持されるように変速装置Tを制御しない。最小変速比は、フロントスプロケットD1とリアスプロケットD2との関係に基づく最小の変速比である。制御部14は、第2所定条件の成立後に第2所定条件が不成立となった場合、第1人力駆動車Aの変速比が元に戻るように変速装置Tを制御してもよい。
【0056】
制御部14は、駆動情報に関する値が小さくなると、第1人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御する。一例では、制御部14は、駆動情報に関する値が小さくなると、第8条件から第11条件の少なくとも1つが成立すると判定する。制御部14は、ケイデンスが第2ケイデンス未満の場合、第8条件が成立すると判定する。第2ケイデンスは、第1ケイデンスと同じであってもよく、第1ケイデンスとは異なっていてもよい。第1ケイデンスと第2ケイデンスとが異なる場合、第2ケイデンスは、第1ケイデンスよりも小さい。制御部14は、車速が第2車速未満の場合、第9条件が成立すると判定する。第2車速は、第1車速と同じであってもよく、第1車速とは異なっていてもよい。第1車速と第2車速とが異なる場合、第2車速は、第1車速よりも小さい。制御部14は、走行加速度が第2走行加速度未満の場合、第10条件が成立すると判定する。第2走行加速度は、第1走行加速度と同じであってもよく、第1走行加速度とは異なっていてもよい。第1走行加速度と第2走行加速度とが異なる場合、第2走行加速度は、第1走行加速度よりも小さい。制御部14は、パワーが第2パワー未満の場合、第11条件が成立すると判定する。第2パワーは、第1パワーと同じであってもよく、第1パワーとは異なっていてもよい。第1パワーと第2パワーとが異なる場合、第2パワーは、第1パワーよりも小さい。第8条件から第11条件の成否判定に用いられる駆動情報には、第2人力駆動車AAのクランクCに作用するトルクが含まれない。
【0057】
制御部14は、第2人力駆動車AAが上り坂を走行する場合、第1人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御する。一例では、制御部14は、第2人力駆動車AAが上り坂を走行することが想定される場合、第12条件から第14条件の少なくとも1つが成立すると判定する。制御部14は、トルクが第2トルク以上の場合、第12条件が成立すると判定する。第2トルクは、第1トルクと同じであってもよく、第1トルクとは異なっていてもよい。第1トルクと第2トルクとが異なる場合、第2トルクは、第1トルクよりも大きい。制御部14は、第2人力駆動車AAのピッチが第2ピッチ以上の場合、第13条件が成立すると判定する。第2ピッチは、第1ピッチと同じであってもよく、第1ピッチとは異なっていてもよい。第1ピッチと第2ピッチとが異なる場合、第2ピッチは、第1ピッチよりも大きい。制御部14は、路面の勾配が第2勾配以上の場合、第14条件が成立すると判定する。第2勾配は、第1勾配と同じであってもよく、第1勾配とは異なっていてもよい。第1勾配と第2勾配とが異なる場合、第2勾配は、第1勾配よりも大きい。
【0058】
制御部14は、第2人力駆動車AAが走行する路面に段差がある場合、第1人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御する。一例では、制御部14は、第2人力駆動車AAが走行する路面に段差があることが想定される場合、第15条件および第16条件の少なくとも1つが成立すると判定する。制御部14は、第2人力駆動車AAの上下加速度が所定上下加速度以上の場合、第15条件が成立すると判定する。制御部14は、路面の段差が所定段差以上の場合、第16条件が成立すると判定する。
【0059】
制御部14は、第2人力駆動車AAがコーナを走行する場合、第1人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御する。一例では、制御部14は、第2人力駆動車AAがコーナを走行することが想定される場合、第17条件から第19条件の少なくとも1つが成立すると判定する。制御部14は、第2人力駆動車AAのヨーが所定ヨー以上の場合、第17条件が成立すると判定する。制御部14は、第2人力駆動車AAのロールが所定ロール以上の場合、第18条件が成立すると判定する。制御部14は、第2人力駆動車AAにおけるハンドルバーHの操作量が所定操作量以上の場合、第19条件が成立すると判定する。換言すれば、制御部14は、第2人力駆動車AAにおけるハンドルバーHの操作量が所定操作量以上の場合、第1人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御する。
【0060】
制御部14は、人力駆動車A、AAに搭乗する搭乗者の運転能力の低下が想定される場合、第1人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御する。一例では、制御部14は、人力駆動車A、AAに搭乗する搭乗者の運転能力の低下が想定される場合、第20条件から第22条件の少なくとも1つが成立すると判定する。制御部14は、第2人力駆動車AAの走行抵抗が所定走行抵抗以上の場合、第20条件が成立すると判定する。制御部14は、天候が所定天候である場合、第21条件が成立すると判定する。所定天候の一例は、雨である。制御部14は、気温が第1気温以上、または、気温が第2気温未満の場合、第22条件が成立すると判定する。第1気温は、第2気温よりも高い。第1気温は、搭乗者の運転能力の低下が想定される高い温度を基準に設定される。第2気温は、搭乗者の運転能力の低下が想定される低い温度を基準に設定される。
【0061】
第3例では、制御部14は、動作情報に基づいて、第2電動コンポーネントCO2と同様の動作となるように第1電動コンポーネントCO1を制御する。一例では、制御部14は、第1人力駆動車Aと第2人力駆動車AAとの車間距離VDが所定距離未満の場合、第2電動コンポーネントCO2が動作するタイミングに応じて第1電動コンポーネントCO1を制御する。具体的には、制御部14は、車間距離VDが所定距離未満の場合、第2電動コンポーネントCO2が動作するタイミングと、第1電動コンポーネントCO1が動作するタイミングとのずれが小さくなるように、第1電動コンポーネントCO1を制御する。車間距離VDは、例えば第2人力駆動車AAの制御システム20と第1人力駆動車の制御システム10との間の距離で定義される(
図3参照)。所定距離は、第1人力駆動車Aと第2人力駆動車AAとが一体となって走行可能な車間距離VDを基準に設定される。所定距離は、例えば5m以下の範囲に含まれることが好ましい。所定距離の一例は、2mである。車間距離VDは、第2人力駆動車AAの送信部28と第1人力駆動車Aの受信部18との間の距離で定義されてもよい。この場合、所定距離は、送信部28から送信される各種の情報を直接的に受信部18が受信可能な距離としてもよい。車間距離VDは、第2人力駆動車AAの後輪WRと第1人力駆動車Aの前輪WFとの間の距離で定義されてもよい。本実施形態では、制御部14は、車間距離VDが所定距離未満の場合、第2電動コンポーネントCO2の変速装置Tが動作するタイミングに応じて、第2電動コンポーネントCO2の変速装置Tと同様の動作となるように、第1電動コンポーネントCO1の変速装置Tを制御する。制御部14は、第2人力駆動車AAが走行した路面を、第1人力駆動車Aが走行するまでに要する所要時間が所定時間未満の場合、第2電動コンポーネントCO2が動作するタイミングに応じて第1電動コンポーネントCO1を制御してもよい。所定時間は、例えば1秒以下の範囲に含まれることが好ましい。所定時間の一例は、0.5秒である。
【0062】
本実施形態では、制御部14は、上述の第1例、第2例、および、第3例のそれぞれに従って変速装置Tを制御する。制御部14は、第1参照情報IR1および第2参照情報IR2に基づいて第1電動コンポーネントCO1を制御する。第2参照情報IR2は、第1人力駆動車Aと第2人力駆動車AAとの車間距離VDに関する車間情報、および、第2人力駆動車AAの走行履歴に関する履歴情報の少なくとも1つを含む。第2人力駆動車AAの走行履歴は、第2人力駆動車AAが走行した路面の勾配に関する情報、および、第2人力駆動車AAの過去の走行抵抗に関する情報の少なくとも1つを含む。
【0063】
制御部14は、第2参照情報IR2に応じたタイミングで、第1参照情報IR1に基づいて第1電動コンポーネントCO1を制御する。一例では、制御部14は、第2参照情報IR2に基づいて第1参照情報IR1に対応するタイミングを設定し、そのタイミングで第1参照情報IR1に基づいて第1電動コンポーネントCO1を制御する。第1参照情報IR1に対応するタイミングは、例えば第2人力駆動車AAが走行した路面を、第1人力駆動車Aが走行するまでに要する所要時間で規定される。所要時間は、例えば第2参照情報IR2に含まれる車間情報および履歴情報の少なくとも1つに基づいて算出される。一例では、制御部14は、第1人力駆動車Aの車速および車間距離VDに基づいて所要時間を算出する。別の一例では、制御部14は、第1人力駆動車Aが走行した路面の勾配、および、第1人力駆動車Aの走行抵抗の少なくとも1つが、第2人力駆動車AAの走行履歴と一致するまでに要する時間に基づいて所要時間を算出する。本実施形態では、制御部14は、第2参照情報IR2に基づいて算出した所要時間に応じて、第1参照情報IR1に対応するタイミングを設定し、そのタイミングで第1参照情報IR1に基づいて変速装置Tを制御する。第1参照情報IR1に対応するタイミングは、第2人力駆動車AAが走行した路面を、第1人力駆動車Aが走行するタイミングに設定されてもよく、第1人力駆動車Aが走行するタイミングよりも前に設定されてもよい。
【0064】
第1人力駆動車Aは、各種の情報を検出する第1検出装置DAをさらに含む。第1検出装置DAは、例えば第1電動コンポーネントCO1の制御に関するタイミングの設定に必要な各種の情報を検出する。第1検出装置DAは、第1検出部DA1および第2検出部DA2を含む。第1検出装置DAは、検出した各種の情報を制御部14に出力する。第1人力駆動車Aは、第1検出装置DAに含まれる各種のセンサにおいて、第1電動コンポーネントCO1の制御に用いられないセンサを省略してもよい。
【0065】
第1検出部DA1は、第2参照情報IR2に含まれる車間情報を検出するように構成される。第1検出部DA1は、例えばレーダおよび全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)の少なくとも1つを含む。レーダは、第1人力駆動車Aの前方を走行する第2人力駆動車AAに向けて出力した電磁波の反射波に基づいて車間距離VDを検出する。全地球測位システムは、第1人力駆動車Aの位置情報を検出する。全地球測位システムが用いられる例では、第1人力駆動車Aの位置情報と、第2人力駆動車AAの位置情報との関係に基づいて車間距離VDが推定される。第2人力駆動車AAの位置情報は、第2人力駆動車AAに搭載される全地球測位システムによって検出される。第2検出部DA2は、第2人力駆動車AAの走行履歴と対応する情報を検出するように構成される。第2検出部DA2は、路面の勾配を検出するセンサ、および、第1人力駆動車Aの走行抵抗を検出するセンサの少なくとも1つを含む。
【0066】
第2人力駆動車AAは、各種の情報を検出する第2検出装置DBをさらに含む。第2検出装置DBは、例えば参照情報IR1、IR2に含まれる各種の要素を検出する。第2検出装置DBは、第1検出部DB1、第2検出部DB2、第3検出部DB3、第4検出部DB4、および、第5検出部DB5を含む。第2検出装置DBは、検出した各種の情報を制御部24に出力する。第2人力駆動車AAは、第2検出装置DBに含まれる各種のセンサにおいて、第1人力駆動車Aの第1電動コンポーネントCO1の制御に用いられないセンサ、および、重複するセンサを省略してもよい。
【0067】
第1検出部DB1は、第1参照情報IR1に含まれる走行情報を検出するように構成される。第1検出部DB1は、ケイデンスを検出するセンサ、トルクを検出するセンサ、車速を検出するセンサ、走行加速度を検出するセンサ、第2人力駆動車AAの上下加速度を検出するセンサ、第2人力駆動車AAのヨーを検出するセンサ、第2人力駆動車AAのロールを検出するセンサ、および、第2人力駆動車AAのピッチを検出するセンサの少なくとも1つを含む。第2検出部DB2は、第1参照情報IR1に含まれる環境情報を検出するように構成される。第2検出部DB2は、路面の勾配を検出するセンサ、路面の段差を検出するセンサ、第2人力駆動車AAの走行抵抗を検出するセンサ、天候情報を外部から受信する受信機、および、気温を検出するセンサの少なくとも1つを含む。
【0068】
第3検出部DB3は、第1参照情報IR1に含まれるハンドリング情報を検出するように構成される。第3検出部DB3は、ハンドルバーHの操作量を検出するセンサを含む。第4検出部DB4は、第1参照情報に含まれる動作情報を検出するように構成される。第4検出部DB4は、変速装置Tの変速動作を検出するセンサ、サスペンションSUの動作を検出するセンサ、アジャスタブルシートポストASPの動作を検出するセンサ、電動補助ユニットEの動作を検出するセンサ、および、制動装置BDの動作を検出するセンサの少なくとも1つを含む。第5検出部DB5は、第2参照情報IR2に含まれる各種の要素を検出するように構成される。第5検出部DB5は、車間情報を検出するセンサ、および、第2人力駆動車AAの走行履歴を検出するセンサの少なくとも1つを含む。車間情報を検出するセンサは、上述の全地球測位システムを含む。第1人力駆動車Aは、第2人力駆動車AAに搭載される送信部28、および、第2検出装置DBと対応する各種のセンサをさらに含んでいてもよい。この場合、第1人力駆動車Aを先行車として利用できる。
【0069】
図3から
図5を参照して、第1人力駆動車Aの動作の一例について説明する。
図3に示されるように、第1人力駆動車Aに搭乗する搭乗者は、第2人力駆動車AAを追走するように第1人力駆動車Aを走行させる。制御部14は、第1人力駆動車Aが走行し始めることによって、第1検出装置DAおよび第2検出装置DBから参照情報IR1、IR2を取得し始める。一例では、制御部14は、第1検出装置DAによって検出された各種の情報を、電線等を介して取得し、第2検出装置DBによって検出された情報を、送信部28および受信部18を介して取得する。制御部14は、第2参照情報IR2に基づいて第1参照情報IR1に対応するタイミングを設定する。第1参照情報IR1に対応するタイミングは、所要時間の変化に応じて適宜更新される。
図3は、第2人力駆動車AAが上り坂に差し掛かった状態を示す。
図3に示される例では、制御部14は、第2所定条件が成立すると判定する。
【0070】
図4は、
図3に示される第2人力駆動車AAが走行した路面を、第1人力駆動車Aが走行する状態を示す。制御部14は、第1参照情報IR1に対応するタイミングで、第1人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御する。一例では、制御部14は、第1人力駆動車Aが上り坂に到達したとき、または、上り坂に到達する前において、第1人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御する。
図4に示される例では、第2人力駆動車AAが走行する上り坂の勾配が、第1人力駆動車Aが走行する上り坂の勾配よりも大きい。
【0071】
図5は、
図4に示される第2人力駆動車AAが走行した路面を、第1人力駆動車Aが走行する状態を示す。制御部14は、第1参照情報IR1に対応するタイミングで、第1人力駆動車Aの変速比がさらに小さくなるように変速装置Tを制御する。
図5は、第2人力駆動車AAが下り坂に差し掛かった状態を示す。
図5に示される例では、制御部14は、第1所定条件が成立すると判定する。その後、制御部14は、第1参照情報IR1に対応するタイミングで、第1人力駆動車Aの変速比が大きくなるように変速装置Tを制御する。制御部14は、車間距離VDが所定距離未満の場合、第2人力駆動車AAの変速装置Tと同様の動作となるように、第1人力駆動車Aの変速装置Tを適宜制御してもよい。
【0072】
図6を参照して、制御装置12が実行する制御の一例について説明する。
制御装置12は、第2人力駆動車AAの制御装置22と予めペアリングされる。制御部14は、ステップS11において、各種の参照情報IR1、IR2を取得する。具体的には、制御部14は、第1検出装置DAおよび第2検出装置DBから参照情報IR1、IR2を取得する。制御部14は、ステップS12において、車間距離VDが所定距離未満か否かを判定する。制御部14は、ステップS12において、車間距離VDが所定距離未満であると判定した場合、ステップS13の処理に移行する。制御部14は、ステップS13において、第2人力駆動車AAの変速装置Tと同様の動作となるように、第1人力駆動車Aの変速装置Tを制御する。
【0073】
制御部14は、ステップS12において、車間距離VDが所定距離以上の場合、ステップS14の処理に移行する。制御部14は、ステップS14において、第1参照情報IR1に対応するタイミングを設定する。具体的には、制御部14は、第2参照情報IR2に基づいて所要時間を算出し、その所要時間に基づいて第1参照情報IR1に対応するタイミングを設定する。
【0074】
制御部14は、ステップS15において、第1所定条件が成立するか否かを判定する。制御部14は、ステップS15において、第1所定条件が成立すると判定した場合、ステップS16の処理に移行する。制御部14は、ステップS16において、第1人力駆動車Aの変速比が大きくなるように変速装置Tを制御する。具体的には、制御部14は、ステップS14において設定したタイミングで、第1人力駆動車Aの変速比が大きくなるように変速装置Tを制御する。
【0075】
制御部14は、ステップS15において、第1所定条件が成立しないと判定した場合、ステップS17の処理に移行する。制御部14は、ステップS17において、第2所定条件が成立するか否かを判定する。制御部14は、ステップS17において、第2所定条件が成立しないと判定した場合、ステップS11に処理を戻す。制御部14は、ステップS17において、第2所定条件が成立すると判定した場合、ステップS18の処理に移行する。制御部14は、ステップS18において、第1人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御する。具体的には、制御部14は、ステップS14において設定したタイミングで、第1人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御する。
【0076】
以上の処理を経て、ステップS11からステップS18の処理を終了する。制御部14は、例えば第1人力駆動車Aの走行中において、ステップS11からステップS18の処理を繰り返し実行する。本実施形態では、制御部14は、第1人力駆動車Aの走行中において、ステップS11からステップS18の処理を並行して順次実行する。
図6に示されるステップS11からステップS18の処理において、ステップS12およびステップS13の処理を省略してもよい。
【0077】
<第2実施形態>
図7を参照して、第2実施形態の制御システム10について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0078】
第2実施形態の第1電動コンポーネントCO1は、変速装置Tに代えてまたは加えて、サスペンションSUを含む。制御部14は、例えば以下の第4例および第5例の少なくとも1つに従ってサスペンションSUを制御する。
【0079】
第4例では、制御部14は、第1参照情報IR1に関する第3所定条件が成立すると、車輪Wが地面から受ける衝撃の緩和性が大きくなるようにサスペンションSUを制御する。具体的には、制御部14は、第3所定条件が成立すると、サスペンションSUの変位状態がロック状態からアンロック状態となるように、または、サスペンションSUのトラベル量が大きくなるようにサスペンションSUを制御する。サスペンションSUのロック状態では、フレームA1に対する車輪Wの相対移動が規制される。サスペンションSUのアンロック状態では、車輪WがフレームA1に対して相対移動する。制御部14は、例えば第23条件および第24条件の少なくとも1つが成立する場合、第3所定条件が成立すると判定する。制御部14は、第3所定条件の成立後に第3所定条件が不成立となった場合、車輪Wが地面から受ける衝撃の緩和性が元に戻るようにサスペンションSUを制御してもよい。
【0080】
制御部14は、第2人力駆動車AAが走行する路面に段差がある場合、車輪Wが地面から受ける衝撃の緩和性が大きくなるようにサスペンションSUを制御する。一例では、制御部14は、第2人力駆動車AAが走行する路面に段差があることが想定される場合、第23条件および第24条件の少なくとも1つが成立すると判定する。制御部14は、第2人力駆動車AAの上下加速度が所定上下加速度以上の場合、第23条件が成立すると判定する。制御部14は、路面の段差が所定段差以上の場合、第24条件が成立すると判定する。
【0081】
第5例では、制御部14は、上述の第3例と同様に第1電動コンポーネントCO1を制御する。本実施形態では、制御部14は、車間距離VDが所定距離未満の場合、第2電動コンポーネントCO2のサスペンションSUが動作するタイミングで、第2電動コンポーネントCO2のサスペンションSUと同様の動作となるように、第1電動コンポーネントCO1のサスペンションSUを制御する。本実施形態では、制御部14は、上述の第4例および第5例のそれぞれに従ってサスペンションSUを制御する。
【0082】
図7を参照して、制御装置12が実行する制御の一例について説明する。
制御装置12は、第2人力駆動車AAの制御装置22と予めペアリングされる。
図7のフローチャートでは、
図6のフローチャートにおけるステップS11、ステップS12、および、ステップS14の処理と同じ処理が実行される。以下の説明では、
図6のフローチャートと重複する説明を省略する。
【0083】
制御部14は、ステップS12において肯定判定の場合、ステップS23の処理に移行する。制御部14は、ステップS23において、第2人力駆動車AAのサスペンションSUと同様の動作となるように、第1人力駆動車AのサスペンションSUを制御する。制御部14は、ステップS14の処理を終えると、ステップS25の処理に移行する。
【0084】
制御部14は、ステップS25において、第3所定条件が成立するか否かを判定する。制御部14は、ステップS25において、第3所定条件が成立しないと判定した場合、ステップS11に処理を戻す。制御部14は、ステップS25において、第3所定条件が成立すると判定した場合、ステップS26の処理に移行する。制御部14は、ステップS26において、車輪Wが地面から受ける衝撃の緩和性が大きくなるようにサスペンションSUを制御する。具体的には、制御部14は、ステップS14において設定したタイミングで、車輪Wが地面から受ける衝撃の緩和性が大きくなるようにサスペンションSUを制御する。
【0085】
以上の処理を経て、
図7のフローチャートに示される処理を終了する。制御部14は、例えば第1人力駆動車Aの走行中において、
図7のフローチャートに示される処理を繰り返し実行する。本実施形態では、制御部14は、第1人力駆動車Aの走行中において、
図7のフローチャートに示される処理を並行して順次実行する。
図7のフローチャートに示される処理において、ステップS12およびステップS23の処理を省略してもよい。
【0086】
<第3実施形態>
図8を参照して、第3実施形態の制御システム10について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0087】
第3実施形態の第1電動コンポーネントCO1は、変速装置TおよびサスペンションSUの少なくとも1つに代えてまたは加えて、アジャスタブルシートポストASPを含む。制御部14は、例えば以下の第6例から第8例の少なくとも1つに従ってアジャスタブルシートポストASPを制御する。
【0088】
第6例では、制御部14は、第1参照情報IR1に関する第4所定条件が成立すると、フレームA1に対するサドルSDの高さが高くなるようにアジャスタブルシートポストASPを制御する。制御部14は、例えば第25条件から第27条件の少なくとも1つが成立する場合、第4所定条件が成立すると判定する。制御部14は、第4所定条件の成立後に第4所定条件が不成立となった場合、フレームA1に対するサドルSDの高さが元に戻るようにアジャスタブルシートポストASPを制御してもよい。
【0089】
制御部14は、第2人力駆動車AAが上り坂を走行する場合、フレームA1に対するサドルSDの高さが高くなるようにアジャスタブルシートポストASPを制御する。一例では、制御部14は、第2人力駆動車AAが上り坂を走行することが想定される場合、第25条件から第27条件の少なくとも1つが成立すると判定する。制御部14は、トルクが第2トルク以上の場合、第25条件が成立すると判定する。制御部14は、第2人力駆動車AAのピッチが第2ピッチ以上の場合、第26条件が成立すると判定する。制御部14は、路面の勾配が第2勾配以上の場合、第27条件が成立すると判定する。
【0090】
第7例では、制御部14は、第1参照情報IR1に関する第5所定条件が成立すると、フレームA1に対するサドルSDの高さが低くなるようにアジャスタブルシートポストASPを制御する。制御部14は、例えば第28条件から第30条件の少なくとも1つが成立する場合、第5所定条件が成立すると判定する。制御部14は、第5所定条件の成立後に第5所定条件が不成立となった場合、フレームA1に対するサドルSDの高さが元に戻るようにアジャスタブルシートポストASPを制御してもよい。
【0091】
制御部14は、第2人力駆動車AAが下り坂を走行する場合、フレームA1に対するサドルSDの高さが低くなるようにアジャスタブルシートポストASPを制御する。一例では、制御部14は、第2人力駆動車AAが下り坂を走行することが想定される場合、第28条件から第30条件の少なくとも1つが成立すると判定する。制御部14は、トルクが第1トルク未満の場合、第28条件が成立すると判定する。制御部14は、第2人力駆動車AAのピッチが第1ピッチ未満の場合、第29条件が成立すると判定する。制御部14は、路面の勾配が第1勾配未満の場合、第30条件が成立すると判定する。
【0092】
第8例では、制御部14は、上述の第3例と同様に第1電動コンポーネントCO1を制御する。本実施形態では、制御部14は、車間距離VDが所定距離未満の場合、第2電動コンポーネントCO2のアジャスタブルシートポストASPが動作するタイミングで、第2電動コンポーネントCO2のアジャスタブルシートポストASPと同様の動作となるように、第1電動コンポーネントCO1のアジャスタブルシートポストASPを制御する。本実施形態では、制御部14は、上述の第6例、第7例、および、第8例のそれぞれに従ってアジャスタブルシートポストASPを制御する。
【0093】
図8を参照して、制御装置12が実行する制御の一例について説明する。
制御装置12は、第2人力駆動車AAの制御装置22と予めペアリングされる。
図8のフローチャートでは、
図6のフローチャートにおけるステップS11、ステップS12、および、ステップS14の処理と同じ処理が実行される。以下の説明では、
図6のフローチャートと重複する説明を省略する。
【0094】
制御部14は、ステップS12において肯定判定の場合、ステップS33の処理に移行する。制御部14は、ステップS33において、第2人力駆動車AAのアジャスタブルシートポストASPと同様の動作となるように、第1人力駆動車AのアジャスタブルシートポストASPを制御する。制御部14は、ステップS14の処理を終えると、ステップS35の処理に移行する。
【0095】
制御部14は、ステップS35において、第4所定条件が成立するか否かを判定する。制御部14は、ステップS35において、第4所定条件が成立すると判定した場合、ステップS36の処理に移行する。制御部14は、ステップS36において、フレームA1に対するサドルSDの高さが高くなるようにアジャスタブルシートポストASPを制御する。具体的には、制御部14は、ステップS14において設定したタイミングで、フレームA1に対するサドルSDの高さが高くなるようにアジャスタブルシートポストASPを制御する。
【0096】
制御部14は、ステップS35において、第4所定条件が成立しないと判定した場合、ステップS37の処理に移行する。制御部14は、ステップS37において、第5所定条件が成立するか否かを判定する。制御部14は、ステップS37において、第5所定条件が成立しないと判定した場合、ステップS11に処理を戻す。制御部14は、ステップS37において、第5所定条件が成立すると判定した場合、ステップS38の処理に移行する。制御部14は、ステップS38において、フレームA1に対するサドルSDの高さが低くなるようにアジャスタブルシートポストASPを制御する。具体的には、制御部14は、ステップS14において設定したタイミングで、フレームA1に対するサドルSDの高さが低くなるようにアジャスタブルシートポストASPを制御する。
【0097】
以上の処理を経て、
図8のフローチャートに示される処理を終了する。制御部14は、例えば第1人力駆動車Aの走行中において、
図8のフローチャートに示される処理を繰り返し実行する。本実施形態では、制御部14は、第1人力駆動車Aの走行中において、
図8のフローチャートに示される処理を並行して順次実行する。
図8のフローチャートに示される処理において、ステップS12およびステップS33の処理を省略してもよい。
【0098】
<第4実施形態>
図9を参照して、第4実施形態の制御システム10について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0099】
第4実施形態の第1電動コンポーネントCO1は、変速装置T、サスペンションSU、および、アジャスタブルシートポストASPの少なくとも1つに代えてまたは加えて、電動補助ユニットEを含む。制御部14は、例えば以下の第9例から第11例の少なくとも1つに従って電動補助ユニットEを制御する。
【0100】
第9例では、制御部14は、第1参照情報IR1に関する第6所定条件が成立すると、第1人力駆動車Aのアシスト力が大きくなるように電動補助ユニットEを制御する。具体的には、制御部14は、第6所定条件が成立すると、第1人力駆動車Aのアシスト比が大きくなるように電動補助ユニットEを制御する、または、第1人力駆動車Aのアシスト比が大きくなるようにアシストモードを変更する。アシスト比は、人力駆動力と電気モータE1の出力との比率である。制御部14は、例えば第31条件から第33条件の少なくとも1つが成立する場合、第6所定条件が成立すると判定する。制御部14は、第6所定条件の成立後に第6所定条件が不成立となった場合、第1人力駆動車Aのアシスト力が元に戻るように電動補助ユニットEを制御してもよい。
【0101】
制御部14は、第2人力駆動車AAが上り坂を走行する場合、第1人力駆動車Aのアシスト力が大きくなるように電動補助ユニットEを制御する。一例では、制御部14は、第2人力駆動車AAが上り坂を走行することが想定される場合、第31条件から第33条件の少なくとも1つが成立すると判定する。制御部14は、トルクが第2トルク以上の場合、第31条件が成立すると判定する。制御部14は、第2人力駆動車AAのピッチが第2ピッチ以上の場合、第32条件が成立すると判定する。制御部14は、路面の勾配が第2勾配以上の場合、第33条件が成立すると判定する。
【0102】
第10例では、制御部14は、第1参照情報IR1に関する第7所定条件が成立すると、第1人力駆動車Aのアシスト力が小さくなるように電動補助ユニットEを制御する。制御部14は、例えば第34条件から第36条件の少なくとも1つが成立する場合、第7所定条件が成立すると判定する。制御部14は、第7所定条件の成立後に第7所定条件が不成立となった場合、第1人力駆動車Aのアシスト力が元に戻るように電動補助ユニットEを制御してもよい。
【0103】
制御部14は、第2人力駆動車AAが下り坂を走行する場合、第1人力駆動車Aのアシスト力が小さくなるように電動補助ユニットEを制御する。一例では、制御部14は、第2人力駆動車AAが下り坂を走行することが想定される場合、第34条件から第36条件の少なくとも1つが成立すると判定する。制御部14は、トルクが第1トルク未満の場合、第34条件が成立すると判定する。制御部14は、第2人力駆動車AAのピッチが第1ピッチ未満の場合、第35条件が成立すると判定する。制御部14は、路面の勾配が第1勾配未満の場合、第36条件が成立すると判定する。
【0104】
第11例では、制御部14は、上述の第3例と同様に第1電動コンポーネントCO1を制御する。本実施形態では、制御部14は、車間距離VDが所定距離未満の場合、第2電動コンポーネントCO2の電動補助ユニットEが動作するタイミングで、第2電動コンポーネントCO2の電動補助ユニットEと同様の動作となるように、第1電動コンポーネントCO1の電動補助ユニットEを制御する。電動補助ユニットEの動作には、人力駆動力に応じた電気モータE1の動作は含まれない。本実施形態では、制御部14は、上述の第9例、第10例、および、第11例のそれぞれに従って電動補助ユニットEを制御する。
【0105】
図9を参照して、制御装置12が実行する制御の一例について説明する。
制御装置12は、第2人力駆動車AAの制御装置22と予めペアリングされる。
図9のフローチャートでは、
図6のフローチャートにおけるステップS11、ステップS12、および、ステップS14の処理と同じ処理が実行される。以下の説明では、
図6のフローチャートと重複する説明を省略する。
【0106】
制御部14は、ステップS12において肯定判定の場合、ステップS43の処理に移行する。制御部14は、ステップS43において、第2人力駆動車AAの電動補助ユニットEと同様の動作となるように、第1人力駆動車Aの電動補助ユニットEを制御する。制御部14は、ステップS14の処理を終えると、ステップS45の処理に移行する。
【0107】
制御部14は、ステップS45において、第6所定条件が成立するか否かを判定する。制御部14は、ステップS45において、第6所定条件が成立すると判定した場合、ステップS46の処理に移行する。制御部14は、ステップS46において、第1人力駆動車Aのアシスト力が大きくなるように電動補助ユニットEを制御する。具体的には、制御部14は、ステップS14において設定したタイミングで、第1人力駆動車Aのアシスト力が大きくなるように電動補助ユニットEを制御する。
【0108】
制御部14は、ステップS45において、第6所定条件が成立しないと判定した場合、ステップS47の処理に移行する。制御部14は、ステップS47において、第7所定条件が成立するか否かを判定する。制御部14は、ステップS47において、第7所定条件が成立しないと判定した場合、ステップS11に処理を戻す。制御部14は、ステップS47において、第7所定条件が成立すると判定した場合、ステップS48の処理に移行する。制御部14は、ステップS48において、第1人力駆動車Aのアシスト力が小さくなるように電動補助ユニットEを制御する。具体的には、制御部14は、ステップS14において設定したタイミングで、第1人力駆動車Aのアシスト力が小さくなるように電動補助ユニットEを制御する。
【0109】
以上の処理を経て、
図9のフローチャートに示される処理を終了する。制御部14は、例えば第1人力駆動車Aの走行中において、
図9のフローチャートに示される処理を繰り返し実行する。本実施形態では、制御部14は、第1人力駆動車Aの走行中において、
図9のフローチャートに示される処理を並行して順次実行する。
図9のフローチャートに示される処理において、ステップS12およびステップS43の処理を省略してもよい。
【0110】
<第5実施形態>
図10を参照して、第5実施形態の制御システム10について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0111】
第5実施形態の第1電動コンポーネントCO1は、変速装置T、サスペンションSU、アジャスタブルシートポストASP、および、電動補助ユニットEの少なくとも1つに代えてまたは加えて、制動装置BDを含む。制御部14は、例えば以下の第12例および第13例の少なくとも1つに従って制動装置BDを制御する。
【0112】
第12例では、制御部14は、第1参照情報IR1に関する第8所定条件が成立すると、車輪Wを制動するように制動装置BDを制御する。制御部14は、例えば第37条件および第38条件の少なくとも1つが成立する場合、第8所定条件が成立すると判定する。制御部14は、第8所定条件の成立後に第8所定条件が不成立となった場合、車輪Wを制動しないように制動装置BDを制御してもよい。制御部14は、第8所定条件が成立すると、制動操作装置BLの操作量に応じた制動力が大きくなるように制動装置BDを制御してもよい。この場合、制御部14は、第8所定条件の成立後に第8所定条件が不成立となった場合、制動力が小さくなるように制動装置BDを制御してもよい。
【0113】
制御部14は、第2人力駆動車AAが走行する路面に段差がある場合、車輪Wを制動するように制動装置BDを制御する。一例では、制御部14は、第2人力駆動車AAが走行する路面に段差があることが想定される場合、第37条件および第38条件の少なくとも1つが成立すると判定する。制御部14は、第2人力駆動車AAの上下加速度が所定上下加速度以上の場合、第37条件が成立すると判定する。制御部14は、路面の段差が所定段差以上の場合、第38条件が成立すると判定する。
【0114】
第13例では、制御部14は、上述の第3例と同様に第1電動コンポーネントCO1を制御する。本実施形態では、制御部14は、車間距離VDが所定距離未満の場合、第2電動コンポーネントCO2の制動装置BDが動作するタイミングで、第2電動コンポーネントCO2の制動装置BDと同様の動作となるように、第1電動コンポーネントCO1の制動装置BDを制御する。本実施形態では、制御部14は、上述の第12例および第13例のそれぞれに従ってサスペンションSUを制御する。
【0115】
図10を参照して、制御装置12が実行する制御の一例について説明する。
制御装置12は、第2人力駆動車AAの制御装置22と予めペアリングされる。
図10のフローチャートでは、
図6のフローチャートにおけるステップS11、ステップS12、および、ステップS14の処理と同じ処理が実行される。以下の説明では、
図6のフローチャートと重複する説明を省略する。
【0116】
制御部14は、ステップS12において肯定判定の場合、ステップS53の処理に移行する。制御部14は、ステップS53において、第2人力駆動車AAの制動装置BDと同様の動作となるように、第1人力駆動車Aの制動装置BDを制御する。制御部14は、ステップS14の処理を終えると、ステップS55の処理に移行する。
【0117】
制御部14は、ステップS55において、第8所定条件が成立するか否かを判定する。制御部14は、ステップS55において、第8所定条件が成立しないと判定した場合、ステップS11に処理を戻す。制御部14は、ステップS55において、第8所定条件が成立すると判定した場合、ステップS56の処理に移行する。制御部14は、ステップS56において、車輪Wを制動するように制動装置BDを制御する。具体的には、制御部14は、ステップS14において設定したタイミングで、車輪Wを制動するように制動装置BDを制御する。
【0118】
以上の処理を経て、
図10のフローチャートに示される処理を終了する。制御部14は、例えば第1人力駆動車Aの走行中において、
図10のフローチャートに示される処理を繰り返し実行する。本実施形態では、制御部14は、第1人力駆動車Aの走行中において、
図10のフローチャートに示される処理を並行して順次実行する。
図10のフローチャートに示される処理において、ステップS12およびステップS53の処理を省略してもよい。
【0119】
<変形例>
上記各実施形態に関する説明は、本発明に従う制御装置および制御システムが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う制御装置および制御システムは、例えば以下に示される上記各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、各実施形態の形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0120】
・制御部14の制御内容は、任意に変更可能である。第1例では、制御部14は、第1所定条件が成立すると、第1人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御する。第2例では、制御部14は、第2所定条件が成立すると、第1人力駆動車Aの変速比が大きくなるように変速装置Tを制御する。第3例では、制御部14は、第3所定条件が成立すると、車輪Wが地面から受ける衝撃の緩和性が小さくなるようにサスペンションSUを制御する。具体的には、制御部14は、第3所定条件が成立すると、サスペンションSUの変位状態がアンロック状態からロック状態となるように、または、サスペンションSUのトラベル量が小さくなるようにサスペンションSUを制御する。第4例では、制御部14は、第4所定条件が成立すると、フレームA1に対するサドルSDの高さが低くなるようにアジャスタブルシートポストASPを制御する。第5例では、制御部14は、第5所定条件が成立すると、フレームA1に対するサドルSDの高さが高くなるようにアジャスタブルシートポストASPを制御する。第6例では、制御部14は、第6所定条件が成立すると、第1人力駆動車Aのアシスト力が小さくなるように電動補助ユニットEを制御する。第7例では、制御部14は、第7所定条件が成立すると、第1人力駆動車Aのアシスト力が大きくなるように電動補助ユニットEを制御する。第8例では、制御部14は、第8所定条件が成立すると、車輪Wを急制動するように制動装置BDを制御する。
【0121】
・制御部14、24の制御内容は、任意に変更可能である。一例では、第2人力駆動車AAの制御部24は、第2検出装置DBから取得した第1参照情報IR1に基づいて、第1電動コンポーネントCO1の制御に関する制御指令を生成する。制御部24は、生成した制御指令に関する情報を、送信部28に送信させる。第1人力駆動車Aの制御部14は、送信部28および受信部18を介して制御指令に関する情報を取得し、その制御指令に基づいて第1電動コンポーネントCO1を制御する。第1人力駆動車Aに送信部28がさらに搭載され、第2人力駆動車AAに受信部18がさらに搭載される場合、制御部24は、第1検出装置DAから取得した情報に基づいて、第1参照情報IR1に対応するタイミングに関する制御指令をさらに生成してもよい。
【0122】
・第1参照情報IR1に含まれる内容は、任意に変更可能である。一例では、第1参照情報IR1は、走行情報、環境情報、ハンドリング情報、および、動作情報の少なくとも1つに代えてまたは加えて、第2人力駆動車AAに搭乗する搭乗者に関する搭乗者情報を含む。搭乗者情報は、心拍数、筋電位、発汗量、および、体温の少なくとも1つを含む。制御部14は、例えば搭乗者情報に関する値が大きくなると、第1人力駆動車Aの変速比が大きくなるように変速装置Tを制御してもよく、第1人力駆動車Aのアシスト力が大きくなるように電動補助ユニットEを制御してもよい。制御部14は、例えば搭乗者情報に関する値が小さくなると、第1人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御してもよく、第1人力駆動車Aのアシスト力が小さくなるように電動補助ユニットEを制御してもよい。
【0123】
・第1人力駆動車Aの種類は、任意に変更可能である。第1例では、第1人力駆動車Aは、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイク、シティサイクル、カーゴバイク、または、リカンベントである。第2例では、第1人力駆動車Aは、キックスケータである。第2人力駆動車AAにおいても同様の変形例が成立する。
【0124】
・車両Vの種類は、任意に変更可能である。第1例では、車両Vは、自動二輪車または自動四輪車等の車両を含む。第2例では、車両Vは、電動立ち乗り二輪車を含む。
・第1人力駆動車Aと車両Vとの関係は、任意に変更可能である。一例では、車両Vは、第1人力駆動車Aの後方を走行する車両である。車両Vは、第1人力駆動車Aの後続車である。制御部14は、例えば車両Vの車速が小さくなると、第1人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御してもよく、第1人力駆動車Aのアシスト力が小さくなるように電動補助ユニットEを制御してもよい。
【符号の説明】
【0125】
10…制御システム、12…制御装置、14…制御部、18…受信部、A…第1人力駆動車、AA…第2人力駆動車、ASP…アジャスタブルシートポスト、BD…制動装置、C…クランク、CO1…第1電動コンポーネント、CO2…第2電動コンポーネント、E…電動補助ユニット、H…ハンドルバー、IR1…第1参照情報、IR2…第2参照情報、SU…サスペンション、T…変速装置、V…車両、VD…車間距離。