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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
H01L21/304 651B
H01L21/304 643A
H01L21/304 648H
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019133864
(22)【出願日】2019-07-19
(65)【公開番号】P2021019092
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中井 仁司
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-001064(JP,A)
【文献】特開2015-088598(JP,A)
【文献】特開2008-021983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を水平に保持する基板保持ユニットと、
前記基板保持ユニットに保持されている基板の中央部を通る鉛直軸線まわりに前記基板保持ユニットを回転させる基板回転ユニットと、
前記基板保持ユニットに保持されている基板の上面に向けて処理液を供給する処理液供給ユニットと、
前記基板保持ユニットに保持されている基板の上面に向けて不活性ガスを供給する不活性ガス供給ユニットと、
前記基板保持ユニットに保持されている基板に上方から対向する対向面を有する円板部と、前記円板部から前記鉛直軸線を中心とする径方向の外方に延びる延設部とを有する対向部材と、
平面視で前記基板保持ユニットに保持された基板を取り囲む環状部材と、
前記基板保持ユニットに保持されている基板と、前記対向部材と、前記環状部材とによって外部からの雰囲気の流入が制限された遮断空間が区画されるように前記環状部材とともに前記対向部材を昇降させる対向部材昇降ユニットとを含み、
前記環状部材が、前記基板回転ユニットが前記基板保持ユニットに保持された基板を回転させるときに、当該基板の上面に存在する処理液を遠心力によって当該基板の周縁部よりも前記径方向の外方に案内する案内面を有し、
前記延設部と前記環状部材とによって、前記案内面に存在する処理液を前記遮断空間外へ排出する処理液排出路が区画されている、基板処理装置。
【請求項2】
前記環状部材は、その上面に前記案内面を有する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記処理液排出路の幅が、鉛直方向における前記遮断空間の幅よりも小さい、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記環状部材が、前記径方向における前記案内面の外方端に連結され、前記処理液排出路を区画する排出路区画面を有し、
前記処理液排出路が、前記案内面と前記排出路区画面との境界に流入口を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記排出路区画面および前記案内面が、水平方向に平坦な単一の平坦面を構成する、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記環状部材とともに前記対向部材を、前記鉛直軸線まわりに、前記基板保持ユニットに保持された基板と同期回転させる対向部材回転ユニットをさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記環状部材と前記対向部材とを連結する複数の連結部材をさらに含み、
各前記連結部材が、平面視で、前記径方向の外方に向かうにしたがって、前記基板保持ユニットに保持された基板の回転方向の下流側に向かうように形成されている、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記基板回転ユニット、前記処理液供給ユニット、前記不活性ガス供給ユニットおよび前記対向部材昇降ユニットを制御するコントローラをさらに含み、
前記コントローラが、前記対向部材昇降ユニットによって前記対向部材および前記環状部材を移動させて前記遮断空間を区画する遮断空間区画工程と、前記不活性ガス供給ユニットから前記基板の上面に向けて不活性ガスを供給することによって前記遮断空間内の雰囲気を不活性ガスで置換する雰囲気置換工程と、前記遮断空間内の雰囲気が不活性ガスで置換された状態で、前記処理液供給ユニットから前記基板の上面に処理液を供給する処理液供給工程と、前記基板回転ユニットに前記基板を回転させることによって、前記基板の上面の処理液を、前記案内面および前記処理液排出路を介して、前記遮断空間外に排出する処理液排出工程とを実行するようにプログラムされている、請求項1~のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記案内面が、前記径方向の外方に向かうにしたがって上方に向かうように傾斜する傾斜面を有し、
前記コントローラが、前記処理液供給工程において、前記基板保持ユニットに保持された基板の上面に処理液を供給することによって、前記傾斜面と前記基板の上面とによって処理液を受けて処理液の液溜まりを形成する液溜まり形成工程と、前記処理液排出工程において、前記基板回転ユニットによって前記基板の回転を加速させて前記基板の上面から前記液溜まりを排除する液溜まり排除工程とを実行するようにプログラムされている、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
平面視で円形状の基板を水平に保持する基板保持工程と、
前記基板に上方から対向する対向面を有する円板部と、前記基板の中央部を通る鉛直軸線を中心とする径方向の外方に前記円板部から延びる延設部とを有する対向部材と、平面視で前記基板を取り囲む環状部材とを上下方向に移動させて、前記対向部材と前記環状部材と前記基板とによって外部からの雰囲気の流入が制限された遮断空間を区画する空間区画工程と、
前記遮断空間に向けて不活性ガスを供給することによって前記遮断空間内の雰囲気を不活性ガスで置換する雰囲気置換工程と、
前記遮断空間内の雰囲気が不活性ガスによって置換された状態で、前記基板の上面に処理液を供給する処理液供給工程と、
前記基板の上面に処理液が存在する状態で前記鉛直軸線まわりの回転方向に前記基板を回転させることによって、前記基板の上面の周縁部に存在する処理液を、前記環状部材に設けられた案内面を経由して前記延設部と前記環状部材とによって区画される処理液排出路に案内し、処理液を前記処理液排出路から前記遮断空間外へ排出する処理液排出工程とを含む、基板処理方法。
【請求項11】
前記環状部材は、その上面に前記案内面を有する、請求項10に記載の基板処理方法。
【請求項12】
前記処理液排出路の幅が、鉛直方向における前記遮断空間の幅よりも小さい、請求項10または11に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記環状部材が、前記径方向における前記案内面の外方端に連結され、前記処理液排出路を区画する排出路区画面を有し、
前記処理液排出路が、前記案内面と前記排出路区画面との境界に流入口を有する、請求項10~12のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項14】
前記排出路区画面と、前記案内面とが、水平方向に平坦な単一の平坦面を構成する、請求項13に記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記処理液排出工程において、前記環状部材および前記対向部材を前記鉛直軸線まわりに前記基板同期回転させる同期回転工程をさらに含む、請求項1014のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記環状部材と前記対向部材とが連結部材によって連結されており、
前記連結部材が、平面視で、前記径方向の外方に向かうにしたがって、前記基板の回転方向の下流側に向かうように形成されている、請求項15に記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記案内面が、前記径方向の外方に向かうにしたがって上方に向かうように傾斜する傾斜面を有し、
前記処理液供給工程が、前記基板の上面に処理液を供給することによって、前記傾斜面と前記基板の上面とによって処理液を受けて処理液の液溜まりを形成する液溜まり形成工程を含み、
前記処理液排出工程が、前記基板の回転を加速させて前記基板の上面から前記液溜まりを排除する液溜まり排除工程を含む、請求項1016のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記径方向における前記環状部材の内方端面が、鉛直方向に延び、
前記内方端面の上端部が、前記案内面に連結されており、
前記処理液供給工程が、前記環状部材の前記内方端面の前記上端部が前記基板の上面よりも上方に位置するように前記環状部材を移動させた状態で前記基板の上面に向けて処理液を供給することによって、前記環状部材の前記内方端面と前記基板の上面とによって処理液を受けて処理液の液溜まりを形成する液溜まり形成工程を含み、
前記処理液排出工程が、前記環状部材の前記内方端面の前記上端部が前記基板の上面と同じ高さに位置するように前記環状部材を移動させることによって、前記基板の上面から前記液溜まりを排除する液溜まり排除工程を含む、請求項1017のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項19】
平面視で前記対向部材および前記環状部材を取り囲む第1円筒部と、前記第1円筒部から前記径方向の内方に延びる第1円環部とを有する第1ガードと、平面視で前記対向部材および前記環状部材を取り囲む第2円筒部と、前記第2円筒部から前記径方向の内方に延び、前記第1円環部に下方から対向する第2円環部を有する第2ガードとを、個別に上下動させるガード移動工程をさらに含み、
前記処理液排出路が、前記径方向の外方に向けて処理液を排出する排出口を有し、
前記ガード移動工程が、前記排出口から処理液が排出される際に、鉛直方向において、前記径方向における前記第1円環部の内方端と前記径方向における前記第2円環部の内方端との間に前記処理液排出路が位置するように、前記第1ガードおよび前記第2ガードを移動させる工程を含む、請求項1018のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記処理液排出工程と並行して実行され、前記基板の下面を保護する保護液を前記基板の下面に向けて供給する保護液供給工程をさらに含み、
前記ガード移動工程が、前記第2円環部の径方向内方端が前記排出口よりも下側で、かつ、前記環状部材の下端よりも上側に位置するように、前記第2ガードを移動させる工程を含む、請求項19に記載の基板処理方法。
【請求項21】
前記処理液供給工程よりも前に前記基板の上面にリンス液を供給するプレリンス工程をさらに含み、
前記プレリンス工程において前記基板の上面に供給されたリンス液は、前記環状部材と前記基板との間の隙間を塞ぎ、前記処理液排出路から排出され、
前記プレリンス工程が、前記雰囲気置換工程と並行して実行される、請求項1020のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板を処理する基板処理装置および基板処理方法に関する。処理対象になる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、有機EL(Electroluminescence)表示装置等のFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板等の基板が含まれる。
【背景技術】
【0002】
薬液等の処理液によって基板の表面を処理する際には、処理液中に溶け込んだ酸素によって基板の表面に形成されたパターンが酸化されるおそれがある。パターンの酸化を抑制するためには、基板の表面付近の雰囲気の酸素濃度を低減する必要がある。
そこで、下記特許文献1には、スピンチャックに保持された基板の上面に対向する遮断部材を設け、遮断部材と、基板との間の空間を窒素ガスで満たすことによって、基板の上面付近の雰囲気の酸素濃度を低減することができることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6330998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の基板処理装置に備えられた遮断部材は、基板の上面に対向する円板部と、円板部の外周部から下方に延びる円筒部とを含む。円筒部で基板を取り囲んでいるため、基板の上面付近の雰囲気の酸素濃度を窒素ガスで低減しやすい。円筒部で基板を取り囲んだ状態で基板の上面に処理液を供給すると、基板上の処理液は、基板の上面の周縁部から外方に飛散して円筒部によって受けられる。そのため、円筒部から跳ね返った処理液が基板の上面の周縁部に再付着し、パーティクルが発生するおそれがある。
【0005】
そこで、この発明の1つの目的は、基板の上面付近の雰囲気中の酸素濃度を低減することができ、かつ、基板の上面におけるパーティクルの発生を抑制することができる基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一実施形態は、基板を水平に保持する基板保持ユニットと、前記基板保持ユニットに保持されている基板の中央部を通る鉛直軸線まわりに前記基板保持ユニットを回転させる基板回転ユニットと、前記基板保持ユニットに保持されている基板の上面に向けて処理液を供給する処理液供給ユニットと、前記基板保持ユニットに保持されている基板の上面に向けて不活性ガスを供給する不活性ガス供給ユニットと、前記基板保持ユニットに保持されている基板に上方から対向する対向面を有する円板部と、前記円板部から前記鉛直軸線を中心とする径方向の外方に延びる延設部とを有する対向部材と、平面視で前記基板保持ユニットに保持された基板を取り囲む環状部材と、前記基板保持ユニットに保持されている基板と、前記対向部材と、前記環状部材とによって外部からの雰囲気の流入が制限された遮断空間が区画されるように前記環状部材とともに前記対向部材を昇降させる対向部材昇降ユニットとを含む、基板処理装置を提供する。
【0007】
前記環状部材が、前記基板回転ユニットが前記基板保持ユニットに保持された基板を回転させるときに、当該基板の上面に存在する処理液を遠心力によって当該基板の周縁部よりも前記径方向の外方に案内する案内面を有する。そして、前記延設部と前記環状部材とによって、前記案内面に存在する処理液を前記遮断空間外へ排出する処理液排出路が区画されている。
【0008】
この装置によれば、環状部材とともに対向部材を昇降させることによって、基板と、対向部材と、環状部材とによって遮断空間が区画される。遮断空間が区画された状態で、基板の上面に向けて不活性ガスを供給することによって、遮断空間内の雰囲気を不活性ガスに置換することができる。これにより、遮断空間内の酸素濃度、すなわち、基板の上面付近の雰囲気の酸素濃度を低減することができる。遮断空間は、外部の空間からの雰囲気の流入が制限されているため、遮断空間内の雰囲気が不活性ガスに一度置換されると、遮断空間内の雰囲気中の酸素濃度が低減された状態に維持し易い。
【0009】
遮断空間内の雰囲気が不活性ガスに置換された状態で、基板の上面に処理液を供給することによって、処理液中の酸素濃度の上昇を抑制しながら、基板の上面を処理液で処理することができる。
環状部材の案内面は、基板の回転に基づく遠心力によって、基板の上面に存在する処理液を基板の周縁部よりも径方向の外方に案内する。そして、案内面上に移動した処理液は、基板から飛散することなく、処理液排出路に案内され、遮断空間外に排出される。基板の周縁部と処理液排出路との間に案内面が存在するため、基板の周縁部は対向部材の延設部から充分に離間している。そのため、基板の上面から排出された処理液が対向部材から跳ね返って基板の上面に再付着することを抑制することができる。仮に、基板の上面から排出された処理液が対向部材から跳ね返ったとしても、その大部分は基板の上面よりも径方向の外方に位置する案内面に付着する。したがって、基板の上面に処理液が再付着することを抑制できる。したがって、基板の上面にパーティクルが発生することを抑制できる。
【0010】
以上の結果、基板の上面付近の雰囲気中の酸素濃度を低減することができ、かつ、基板の上面におけるパーティクルの発生を抑制することができる。
この発明の一実施形態では、前記環状部材は、その上面に前記案内面を有する。
この発明の一実施形態では、前記処理液排出路の幅が、鉛直方向における前記遮断空間の幅よりも小さい。そのため、処理液排出路を通過できる流体の流量は、比較的小流量である。したがって、処理液が処理液排出路を介して遮断空間外に排出されている間、遮断空間外の雰囲気が処理液排出路を介して流入することを抑制できる。よって、処理液中の酸素濃度の上昇を抑制しながら、基板の上面を処理液で処理することができる。
【0011】
この発明の一実施形態では、前記環状部材が、前記径方向における前記案内面の外方端に連結され、前記処理液排出路を区画する排出路区画面を有する。そして、前記処理液排出路が、前記案内面と前記排出区画面との境界に流入口を有する。
処理液は、処理液排出路の流入口付近で、延設部に衝突する場合がある。延設部に衝突した処理液中には逆流(基板の径方向の内方に向かう処理液の流れ)が発生する。案内面が設けられていない構成であれば、処理液排出路の流入口が基板の上面の周縁部の付近に配置されるため、処理液中の逆流が基板上で発生するおそれがある。逆流が発生すると、径方向の内方に向かう処理液と径方向の外方に向かう処理液とが衝突して、遮断空間内で処理液が飛び散るおそれがある。遮断空間内に飛び散った処理液が、基板の上面に再付着すると、基板上にパーティクルが発生する。
【0012】
そこで、処理液排出路の流入口が、径方向における案内面の外方端に連結される排出路区画面と、案内面との境界に設けられている構成であれば、処理液中の逆流の発生箇所は、案内面上である。そのため、基板上の処理液中に逆流が発生することを抑制できる。したがって、基板の上面にパーティクルが発生することを抑制できる。
この発明の一実施形態では、前記排出路区画面および前記案内面が、水平方向に平坦な単一の平坦面を構成する。案内面と排出路区画面との間に段差が設けられている場合、段差に起因して跳ねた処理液基板の上面に再付着するおそれがある。これにより、基板の上面にパーティクルが発生するおそれがある。
【0013】
そこで、案内面と排出路区画面との間に段差がなく、案内面と排出路区画面とが水平方向に平坦な単一の平坦面を構成していれば、案内面上を流れる処理液を、処理液排出路にスムーズに流入させることができる。したがって、遮断空間内で処理液が飛び散ることを抑制でき、処理液の飛散に起因するパーティクルの発生を抑制できる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記環状部材とともに前記対向部材を、前記鉛直軸線まわりに、前記基板保持ユニットに保持された基板と同期回転させる対向部材回転ユニットをさらに含む。同期回転とは、同じ方向に同じ回転速度で回転することである。基板の回転速度と対向部材および環状部材の回転速度との差が大きい場合には、遮断空間内の気流が乱れるおそれがある。遮断空間内の気流が乱れると、基板の上面の処理液に気流の吹き付け力が作用し、基板の上面が局所的に露出したり、遮断空間内で処理液が飛び散ったりする。そこで、遮断空間を区画する基板、環状部材および対向部材が同期回転する構成であれば、遮断空間内での気流の乱れを抑制できる。
【0014】
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記環状部材と前記対向部材とを連結する複数の連結部材をさらに含む。そして、各前記連結部材が、平面視で、前記径方向の外方に向かうにしたがって、前記基板保持ユニットに保持された基板の回転方向の下流側に向かうように形成されている。
遮断空間には、径方向の外方に向かうにしたがって回転方向の下流側に向かう気流が発生し易い。そこで、この装置によれば、対向部材と環状部材とを連結する複数の連結部材のそれぞれが、平面視で、径方向の外方に向かうにしたがって回転方向の下流側に向かうように形成されている。そのため、径方向の外方に向かうにしたがって回転方向の下流側に向かう気流の発生を促すことができる。したがって、遮断空間内での気流の乱れを一層抑制できる。
【0015】
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記基板回転ユニット、前記処理液供給ユニット、前記不活性ガス供給ユニットおよび前記対向部材昇降ユニットを制御するコントローラをさらに含む。
そして、前記コントローラが、前記対向部材昇降ユニットによって前記対向部材および前記環状部材を移動させて前記遮断空間を区画する遮断空間区画工程と、前記不活性ガス供給ユニットから前記基板の上面に向けて不活性ガスを供給することによって前記遮断空間内の雰囲気を不活性ガスで置換する雰囲気置換工程と、前記遮断空間内の雰囲気が不活性ガスで置換された状態で、前記処理液供給ユニットから前記基板の上面に処理液を供給する処理液供給工程と、前記基板回転ユニットに前記基板を回転させることによって、前記基板の上面の処理液を、前記案内面および前記処理液排出路を介して、前記遮断空間外に排出する処理液排出工程とを実行するようにプログラムされている。
【0016】
そのため、遮断空間内の雰囲気を不活性ガスで確実に置換することができる。これにより、遮断空間内の酸素濃度、すなわち、基板の上面付近の雰囲気の酸素濃度を低減することができる。そして、基板を回転させることによって、基板の上面に存在する処理液に遠心力が作用して、基板の上面に存在する処理液が、案内面および処理液排出路を介して、確実に遮断空間外に排出することができる。そのため、遮断空間内で処理液が飛び散ることを抑制しながら処理液を遮断空間内から排除することができる。そのため、基板の上面から排出された処理液が対向部材から跳ね返って基板の上面に再付着することを抑制することができる。したがって、基板の上面にパーティクルが発生することを抑制できる。
【0017】
以上の結果、基板の上面付近の雰囲気中の酸素濃度を低減することができ、かつ、基板の上面におけるパーティクルの発生を抑制することができる。
この発明の一実施形態では、前記案内面が、前記径方向の外方に向かうにしたがって上方に向かうように傾斜する傾斜面を有する。
そして、前記コントローラが、前記処理液供給工程において、前記基板保持ユニットに保持された基板の上面に処理液を供給することによって、前記傾斜面と前記基板の上面とによって処理液を受けて処理液の液溜まりを形成する液溜まり形成工程と、前記処理液排出工程において、前記基板回転ユニットによって前記基板の回転を加速させて前記基板の上面から前記液溜まりを排除する液溜まり排除工程とを実行するようにプログラムされている。
【0018】
この装置によれば、基板の上面に処理液を供給することによって、傾斜面と基板の上面とによって処理液の液溜まりを形成することができる。そのため、処理液が基板の外方に排出されないので、液溜まりを形成するために必要な量の処理液によって基板の上面を処理することができる。したがって、処理液の消費量を低減することができる。
傾斜面は、径方向の外方に向かうにしたがって上方に向かうように傾斜している。そのため、基板の回転を加速させて液溜まりに遠心力を作用させることによって、処理液に傾斜面をスムーズに上らせることができる。傾斜面を上った処理液は、処理液排出路にスムーズに流入される。よって、基板の上面にパーティクルが発生することを抑制できる。
【0019】
この発明の他の実施形態は、平面視で円形状の基板を水平に保持する基板保持工程と、前記基板に上方から対向する対向面を有する円板部と、前記基板の中央部を通る鉛直軸線を中心とする径方向の外方に前記円板部から延びる延設部とを有する対向部材と、平面視で前記基板を取り囲む環状部材とを上下方向に移動させて、前記対向部材と前記環状部材と前記基板とによって外部からの雰囲気の流入が制限された遮断空間を区画する空間区画工程と、前記遮断空間に向けて不活性ガスを供給することによって前記遮断空間内の雰囲気を不活性ガスで置換する雰囲気置換工程と、前記遮断空間内の雰囲気が不活性ガスによって置換された状態で、前記基板の上面に処理液を供給する処理液供給工程と、前記基板の上面に処理液が存在する状態で前記鉛直軸線まわりの回転方向に前記基板を回転させることによって、前記基板の上面の周縁部に存在する処理液を、前記環状部材に設けられた案内面を経由して前記延設部と前記環状部材によって区画される処理液排出路に案内し、処理液を前記処理液排出路から前記遮断空間外へ排出する処理液排出工程とを含む、基板処理方法を提供する。
【0020】
この方法によれば、環状部材および対向部材を昇降させることによって、基板と、対向部材と、環状部材とによって遮断空間が区画される。遮断空間が区画された状態で、基板の上面に向けて不活性ガスを供給することによって、遮断空間内の雰囲気を不活性ガスで置換することができる。これにより、遮断空間内の酸素濃度、すなわち、基板の上面付近の雰囲気の酸素濃度を低減することができる。遮断空間は、外部の空間からの雰囲気の流入が制限されているため、遮断空間内の雰囲気が不活性ガスに一度置換されると、遮断空間内の雰囲気中の酸素濃度が低減された状態に維持し易い。
【0021】
遮断空間内の雰囲気が不活性ガスに置換された状態で、基板の上面に処理液を供給することによって、処理液中の酸素濃度の上昇を抑制しながら、基板の上面を処理液で処理することができる。
基板の上面に存在する処理液は、基板が回転に基づく遠心力を受けて、基板の上面の周縁部から移動して、案内面を経由して、処理液排出路に案内される。処理液排出路に案内された処理液は、遮断空間外に排出される。基板の周縁部と処理液排出路との間に案内面が存在するため、基板の周縁部は対向部材の延設部から充分に離間している。そのため、基板の上面から排出された処理液が対向部材から跳ね返って基板の上面に再付着することを抑制することができる。仮に、基板の上面から排出された処理液が対向部材から跳ね返ったとしても、その大部分は基板の上面よりも径方向の外方に位置する案内面に付着する。したがって、基板の上面に処理液が再付着することを抑制できる。したがって、基板の上面にパーティクルが発生することを抑制できる。
【0022】
以上の結果、基板の上面付近の雰囲気中の酸素濃度を低減することができ、かつ、基板の上面におけるパーティクルの発生を抑制することができる。
前記環状部材は、その上面に前記案内面を有することが好ましい。
この発明の他の実施形態では、前記処理液排出路の幅が、鉛直方向における前記遮断空間の幅よりも小さい。そのため、処理液排出路を通過できる流体の流量は、比較的小流量である。したがって、処理液が処理液排出路を介して遮断空間外に排出されている間、遮断空間外の雰囲気が処理液排出路を介して流入することを抑制できる。よって、処理液中の酸素濃度の上昇を抑制しながら、基板の上面を処理液で処理することができる。
【0023】
この発明の他の実施形態では、前記環状部材が、前記径方向における前記案内面の外方端に連結され、前記処理液排出路を区画する排出路区画面を有する。そして、前記処理液排出路が、前記案内面と前記排出路区画面との境界に流入口を有する。
この方法によれば、処理液排出路の流入口が、径方向における案内面の外方端に連結される排出路区画面と、案内面との境界に設けられている。そのため、処理液中の逆流の発生箇所は、基板の上面上ではなく、案内面上である。そのため、基板上の処理液中に逆流が発生することを抑制できる。したがって、基板の上面にパーティクルが発生することを抑制できる。
【0024】
この発明の他の実施形態では、前記排出路区画面および前記案内面が、水平方向に平坦な単一の平坦面を構成する。この方法によれば、案内面と排出路区画面との間に段差がなく、案内面と排出路区画面とが水平方向に平坦な単一の平坦面を構成している。そのため、案内面上を流れる処理液を、処理液排出路にスムーズに流入させることができる。したがって、遮断空間内で処理液が飛び散ることを抑制でき、処理液の飛散に起因するパーティクルの発生を抑制できる。
【0025】
この発明の他の実施形態では、前記基板処理方法が、前記処理液排出工程において、前記環状部材および前記対向部材を前記鉛直軸線まわりに前記基板同期回転させる同期回転工程をさらに含む。そのため、遮断空間内での気流の乱れを抑制できる。
この発明の他の実施形態では、前記環状部材と前記対向部材とが連結部材によって連結されている。そして、前記連結部材が、平面視で、前記径方向の外方に向かうにしたがって、前記基板の回転方向の下流側に向かうように形成されている。そのため、径方向の外方に向かうにしたがって回転方向の下流側に向かう気流の発生を促すことができる。したがって、遮断空間内での気流の乱れを一層抑制できる。
【0026】
この発明の他の実施形態では、前記案内面が、前記径方向の外方に向かうにしたがって上方に向かうように傾斜する傾斜面を有する。前記処理液供給工程が、前記基板の上面に処理液を供給することによって、前記傾斜面と前記基板の上面とによって処理液を受けて処理液の液溜まりを形成する液溜まり形成工程を含む。そして、前記処理液排出工程が、前記基板の回転を加速させて前記基板の上面から前記液溜まりを排除する液溜まり排除工程を含む。
【0027】
この方法によれば、基板の上面に処理液を供給することによって、傾斜面と基板の上面とによって処理液の液溜まりを形成することができる。そのため、処理液が基板の外方に排出されないので、液溜まりを形成するために必要な量の処理液によって基板の上面を処理することができる。したがって、処理液の消費量を低減することができる。
傾斜面は、径方向の外方に向かうにしたがって上方に向かうように傾斜している。そのため、基板の回転を加速させて液溜まりに遠心力を作用させることによって、処理液に傾斜面をスムーズに上らせることができる。傾斜面を上った処理液は、処理液排出路にスムーズに流入される。よって、基板の上面にパーティクルが発生することを抑制できる。
【0028】
この発明の他の実施形態では、前記径方向における前記環状部材の内方端面が、鉛直方向に延びる。前記内方端面の上端部が、前記案内面に連結されている。そして、前記処理液供給工程が、前記環状部材の前記内方端面の前記上端部が前記基板の上面よりも上方に位置するように前記環状部材を移動させた状態で前記基板の上面に向けて処理液を供給することによって、前記環状部材の前記内方端面と前記基板の上面とによって処理液を受けて処理液の液溜まりを形成する液溜まり形成工程を含む。前記処理液排出工程が、前記環状部材の前記内方端面の前記上端部が前記基板の上面と同じ高さに位置するように前記環状部材を移動させることによって、前記基板の上面から前記液溜まりを排除する液溜まり排除工程を含む。
【0029】
この方法によれば、基板の上面に処理液を供給することによって、環状部材の内方端面と基板の上面とによって処理液の液溜まりを形成することができる。そのため、液溜まり中の処理液によって基板の上面が処理される。したがって、液溜まりの形成に必要な量の処理液を基板の上面に供給すれば、基板の上面を処理することができる。よって、基板の上面に供給した処理液が内方端面によって受けられることなく基板外に排出される構成と比較して、処理液の消費量を低減することができる。
【0030】
環状部材の内方端面の上端部が基板の上面と同じ高さ位置に位置するように環状部材を移動させれば、処理液が内方端面による液受けから解放される。そのため、基板の上面に存在する処理液を、処理液排出路にスムーズに流入させることができる。よって、基板の上面にパーティクルが発生することを抑制できる。
この発明の他の実施形態では、前記基板処理方法が、平面視で前記対向部材および前記環状部材を取り囲む第1円筒部と、前記第1円筒部から前記径方向の内方に延びる第1円環部とを有する第1ガードと、平面視で前記対向部材および前記環状部材を取り囲む第2円筒部と、前記第2円筒部から前記径方向の内方に延び、前記第1円環部に下方から対向する第2円環部を有する第2ガードとを、個別に上下動させるガード移動工程をさらに含む。前記処理液排出路が、前記径方向の外方に向けて処理液を排出する排出口を有する。そして、前記ガード移動工程が、前記排出口から処理液が排出される際に、鉛直方向において、前記径方向における前記第1円環部の内方端と前記径方向における前記第2円環部の内方端との間に前記処理液排出路が位置するように、前記第1ガードおよび前記第2ガードを移動させる工程を含む。
【0031】
この方法によれば、処理液が排出口から排出される際に、第2ガードの第2円環部が、鉛直方向において排出口よりも下側に位置する。そのため、第1ガードから跳ね返った処理液は、第2ガードよりも径方向の内方に移動することなく、第2ガードに付着する。したがって、第1ガードから跳ね返った処理液が、基板の下面に付着することを抑制できる。
【0032】
この発明の他の実施形態では、前記基板処理方法が、前記処理液排出工程と並行して実行され、前記基板の下面を保護する保護液を前記基板の下面に向けて供給する保護液供給工程をさらに含む。そして、前記ガード移動工程が、前記第2円環部の径方向内方端が前記排出口よりも下側で、かつ、前記環状部材の下端よりも上側に位置するように、前記第2ガードを移動させる工程を含む。
【0033】
この方法によれば、処理液排出工程と並行して、基板の下面に向けて保護液が供給される。そのため、第2ガードを越えて基板の下面付近にまで処理液のミストが到達した場合であっても、当該ミストから基板の下面を保護することができる。
さらに、径方向における第2円環部の内方端が、排出口よりも下方で、かつ、環状部材の下端よりも上方に位置するように第2ガードが移動させる。そのため、基板の下面から外方に排出される保護液を第2ガードに受けさせることができる。すなわち、基板の上面から排出される処理液を第1ガードで受け、かつ、基板の下面から外方に排出される保護液を第2ガードに受けさせることができる。そのため、基板から排出される処理液と保護液との混合を避けることができる。ひいては、処理液および保護液を混合させることなく回収することができる。
【0034】
この発明の他の実施形態では、前記基板処理方法が、前記処理液供給工程よりも前に前記基板の上面にリンス液を供給するプレリンス工程をさらに含む。前記プレリンス工程において前記基板の上面に供給されたリンス液は、前記環状部材と前記基板との間の隙間を塞ぎ、前記処理液排出路から排出される。そして、前記プレリンス工程が、前記雰囲気置換工程と並行して実行される。
【0035】
環状部材と基板との間の隙間は、リンス液によって塞がれる。そのため、当該隙間を介する不活性ガスの移動が抑制される。また、リンス液は、処理液排出路を介して、遮断空間から外部の空間へ排出される。そのため、処理液排出路内のリンス液を押し退ける程の大きな力が作用しない限り、処理液排出路を介した遮断空間への雰囲気の流入が起こらない。一方、遮断空間に不活性ガスが供給されるため、遮断空間内の圧力が上昇し過ぎないように、遮断空間内の空気は、リンス液とともに処理液排出路を介して外部の空間に排出される。
【0036】
したがって、外部の空間から遮断空間への雰囲気の流入を一層制限しながら、遮断空間内の雰囲気を不活性ガスに置換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、この発明の第1実施形態に係る基板処理装置のレイアウトを示す模式的な平面図である。
図2図2は、前記基板処理装置に備えられる処理ユニットの概略構成を示す模式的な部分断面図である。
図3図3は、前記処理ユニットに備えられる対向部材の延設部の周辺の断面図である。
図4図4は、図2に示すIV-IV線に沿う断面図である。
図5図5は、前記基板処理装置の主要部の電気的構成を示すブロック図である。
図6図6は、前記基板処理装置による基板処理の一例を説明するための流れ図である。
図7A図7Aは、前記基板処理の様子を説明するための模式図である。
図7B図7Bは、前記基板処理の様子を説明するための模式図である。
図7C図7Cは、前記基板処理の様子を説明するための模式図である。
図7D図7Dは、前記基板処理の様子を説明するための模式図である。
図7E図7Eは、前記基板処理の様子を説明するための模式図である。
図7F図7Fは、前記基板処理の様子を説明するための模式図である。
図8図8は、前記基板処理における環状部材付近の処理液の様子を説明するための模式図である。
図9図9は、前記基板処理においてガードが処理液を受ける様子を説明するための模式図である。
図10A図10Aは、前記基板処理装置による基板処理の別の例を説明するための模式図である。
図10B図10Bは、前記基板処理装置による基板処理の別の例を説明するための模式図である。
図11A図11Aは、前記基板処理装置の変形例について説明するための模式図である。
図11B図11Bは、前記基板処理装置の変形例について説明するための模式図である。
図12図12は、本発明の第2実施形態に係る基板処理装置に備えられる処理ユニットの概略構成を示す模式的な部分断面図である。
図13図13は、第2実施形態に係る処理ユニットに備えられる環状部材の周辺を上方から見た図である。
図14図14は、本発明の第3実施形態に係る基板処理装置に備えられる処理ユニットの概略構成を示す模式的な部分断面図である。
図15図15は、第3実施形態に係る処理ユニットに備えられる対向部材および環状部材の周辺の断面図である。
図16図16は、第3実施形態に係る基板処理装置を用いた基板処理を説明するための模式図である。
図17図17は、第3実施形態に係る基板処理装置を用いた基板処理の別の例を説明するための模式図である。
図18図18は、本発明の第4実施形態に係る基板処理装置に備えられる処理ユニットの概略構成を示す模式的な部分断面図である。
図19図19は、本発明の第5実施形態に係る基板処理装置に備えられる処理ユニットの概略構成を示す模式的な部分断面図である。
図20図20は、前記環状部材に連結された連結部材の変形例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は、この発明の第1実施形態にかかる基板処理装置1のレイアウトを示す模式的な平面図である。
基板処理装置1は、シリコンウエハなどの基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。この実施形態では、基板Wは、円板状の基板である。
【0039】
基板処理装置1は、基板Wを流体で処理する複数の処理ユニット2と、処理ユニット2で処理される複数枚の基板Wを収容するキャリヤCが載置されるロードポートLPと、ロードポートLPと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する搬送ロボットIRおよびCRと、基板処理装置1を制御するコントローラ3とを含む。
搬送ロボットIRは、キャリヤCと搬送ロボットCRとの間で基板Wを搬送する。搬送ロボットCRは、搬送ロボットIRと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する。複数の処理ユニット2は、たとえば、同様の構成を有している。詳しくは後述するが、処理ユニット2内で基板Wに供給される処理液には、薬液、リンス液、置換液等が含まれる。
【0040】
各処理ユニット2は、チャンバ4と、チャンバ4内に配置された処理カップ7とを備えており、処理カップ7内で基板Wに対する処理を実行する。チャンバ4には、搬送ロボットCRによって、基板Wを搬入したり基板Wを搬出したりするための出入口(図示せず)が形成されている。チャンバ4には、この出入口を開閉するシャッタユニット(図示せず)が備えられている。
【0041】
図2は、処理ユニット2の構成例を説明するための模式図である。処理ユニット2は、スピンチャック5と、対向部材6と、処理カップ7と、環状部材8と、中央ノズル11と、複数の第1下面ノズル12と、複数の第2下面ノズル13とを含む。
スピンチャック5は、基板Wを水平に保持しながら、基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線A1(鉛直軸線)まわりに基板Wを回転させる。スピンチャック5は、スピンベース21と、回転軸22と、回転軸22に回転力を与えるスピンモータ23とを含む。回転軸22は、中空軸である。回転軸22は回転軸線A1に沿って鉛直方向に延びている。回転軸線A1は、基板Wの中央部を通る鉛直軸線である。回転軸22の上端には、スピンベース21が結合されている。スピンベース21は、回転軸22の上端に外嵌されている。スピンベース21の上面は、平面視で円形状である。スピンベース21の上面の直径は基板Wの直径よりも小さい。
【0042】
スピンチャック5は、基板Wをスピンベース21に保持させるために、スピンベース21の上面に配置された基板Wを吸引する吸引ユニット27をさらに含む。
スピンベース21および回転軸22には、吸引経路25が挿通されている。吸引経路25は、スピンベース21の上面の中心から露出する吸引口24を有する。吸引経路25は、吸引管26に連結されている。吸引管26は、真空ポンプなどの吸引ユニット27に連結されている。吸引管26には、その経路を開閉するための吸引バルブ28が介装されている。
【0043】
スピンチャック5は、基板Wを水平に保持するための基板保持ユニットの一例である。図示しない偏心センサを用いて、基板Wをスピンベース21上の正しい位置に配置することができる。
スピンモータ23によって回転軸22が回転されることにより、スピンベース21が回転される。これにより、スピンベース21と共に、基板Wが回転軸線A1まわりに回転される。スピンモータ23は、基板Wを回転軸線A1まわりに回転させる基板回転ユニットの一例である。
【0044】
以下では、回転軸線A1を中心とする径方向の内方を「径方向内方」といい、回転軸線A1を中心とする径方向の外方を「径方向外方」という。
対向部材6は、スピンチャック5に保持された基板Wに上方から対向する円板部65と、円板部65から径方向外方に延びるフランジ状(円筒状)の延設部66とを含む。
円板部65は、基板Wとほぼ同じ径またはそれ以上の径を有する円板状に形成されている。円板部65は、基板Wの上面(上側の表面)に対向する対向面6aを有する。対向面6aは、スピンチャック5よりも上方でほぼ水平方向に沿って配置されている。
【0045】
延設部66は、円板部65から径方向外方に延びているので、基板Wの周縁よりも径方向外方に位置している。
円板部65において対向面6aとは反対側には、中空軸60が固定されている。円板部65において平面視で回転軸線A1と重なる部分には、円板部65を上下に貫通し、中空軸60の内部空間と連通する連通孔6bが形成されている。
【0046】
中央ノズル11は、対向部材6の中空軸60の内部空間に収容されている。中央ノズル11の先端に設けられた吐出口11aは、基板Wの上面の中央領域に上方から対向する。基板Wの上面の中央領域とは、基板Wの上面において基板Wの回転中心およびその周囲を含む領域のことである。
中央ノズル11は、流体を下方に吐出する複数のチューブ(第1チューブ31、第2チューブ32、第3チューブ33および第4チューブ34)と、複数のチューブを取り囲む筒状のケーシング30とを含む。複数のチューブおよびケーシング30は、回転軸線A1に沿って上下方向に延びている。中央ノズル11の吐出口11aは、各チューブの吐出口でもある。
【0047】
第1チューブ31(中央ノズル11)は、DHF(希フッ酸)等の薬液を基板Wの上面に供給する薬液供給ユニットの一例である。第2チューブ32(中央ノズル11)は、DIW等のリンス液を基板Wの上面に供給するリンス液供給ユニットの一例である。第3チューブ33(中央ノズル11)は、IPA等の置換液を基板Wの上面に供給する置換液供給ユニットの一例である。すなわち、中央ノズル11は、薬液、リンス液、置換液等の処理液を基板Wの上面に供給する処理液供給ユニットの一例である。
【0048】
第4チューブ34(中央ノズル11)は、窒素ガス等の不活性ガスを基板Wの上面に向けて供給する不活性ガス供給ユニットの一例である。
第1チューブ31は、薬液を第1チューブ31に案内する薬液配管40に接続されている。薬液配管40に介装された薬液バルブ50が開かれると、薬液が、第1チューブ31(中央ノズル11)から基板Wの上面の中央領域に向けて連続流で吐出される。
【0049】
第1チューブ31から吐出される薬液は、DHFには限られない。すなわち、第1チューブ31から吐出される薬液は、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえば、クエン酸、蓚酸等)、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等)、界面活性剤、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液であってもよい。これらを混合した薬液の例としては、SPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水混合液)、SC1(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水混合液)等が挙げられる。
【0050】
第2チューブ32は、リンス液を第2チューブ32に案内する上側リンス液配管41に接続されている。上側リンス液配管41に介装された上側リンス液バルブ51が開かれると、リンス液が、第2チューブ32(中央ノズル11)から基板Wの上面の中央領域に向けて連続流で吐出される。
リンス液としては、DIW、炭酸水、電解イオン水、希釈濃度(たとえば、1ppm~100ppm程度)の塩酸水、希釈濃度(たとえば、1ppm~100ppm程度)のアンモニア水、還元水(水素水)等が挙げられる。
【0051】
第3チューブ33は、置換液を第3チューブ33に案内する上側置換液配管42に接続されている。上側置換液配管42に介装された上側置換液バルブ52が開かれると、置換液が、第3チューブ33(中央ノズル11)から基板Wの上面の中央領域に向けて連続流で吐出される。
第3チューブ33から吐出される置換液は、基板Wの上面のリンス液を置換するための液体である。置換液は、リンス液よりも揮発性が高い液体であることが好ましい。第3チューブ33から吐出される置換液は、リンス液と相溶性を有することが好ましい。
【0052】
第3チューブ33から吐出される置換液は、たとえば、有機溶剤である。第3チューブ33から吐出される置換液としては、IPA、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、メタノール、エタノール、アセトンおよびTrans-1,2-ジクロロエチレンのうちの少なくとも1つを含む液等が挙げられる。
また、第3チューブ33から吐出される置換液は、単体成分のみからなる必要はなく、他の成分と混合した液体であってもよい。たとえば、IPAとDIWとの混合液であってもよいし、IPAとHFEとの混合液であってもよい。
【0053】
第4チューブ34は、不活性ガスを第4チューブ34に案内する不活性ガス配管43に接続されている。不活性ガス配管43に介装された不活性ガスバルブ53が開かれると、不活性ガス、第4チューブ34(中央ノズル11)から下方に連続的に吐出される。
第4チューブ34から吐出される不活性ガスは、たとえば、窒素ガス(N)等の不活性ガスである。不活性ガスは、基板Wの上面や、基板Wの上面に形成されたパターンに対して不活性なガスのことである。不活性ガスとしては、窒素ガスに限られず、アルゴン等の希ガス類を用いることもできる。
【0054】
図2には、第1下面ノズル12は、一つしか図示されていないが、複数の第1下面ノズル12は、基板Wの回転方向Rに互いに間隔を空けて配置されている。第1下面ノズル12は、DIW等のリンス液を基板Wの下面に供給する下側リンス液供給ユニットの一例である。
複数の第1下面ノズル12は、それぞれ、リンス液を第1下面ノズル12に案内する複数の下側リンス液配管44に接続されている。下側リンス液配管44に介装された下側リンス液バルブ54が開かれると、リンス液が、第1下面ノズル12から基板Wの下面の外周領域に向けて連続流で吐出される。
【0055】
基板Wの下面の外周領域とは、基板Wの下面の中央領域および周縁領域の間の環状領域である。基板Wの下面の中央領域とは、基板Wの下面において基板Wの回転中心およびその周囲を含む領域のことである。基板Wの下面の周縁領域とは、基板Wの下面の周縁およびその周囲を含む領域のことである。
第1下面ノズル12から吐出されるリンス液としては、第2チューブ32から吐出されるリンス液と同様のものが挙げられる。すなわち、第1下面ノズル12から吐出されるリンス液としては、DIW、炭酸水、電解イオン水、希釈濃度(たとえば、1ppm~100ppm程度)の塩酸水、希釈濃度(たとえば、1ppm~100ppm程度)のアンモニア水、還元水(水素水)等が挙げられる。
【0056】
図2には、第2下面ノズル13は、一つしか図示されていないが、複数の第2下面ノズル13は、基板Wの回転方向Rに互いに間隔を空けて配置されている。第2下面ノズル13は、IPA等の置換液を基板Wの下面に供給する下側置換液供給ユニットの一例である。
複数の第2下面ノズル13は、ぞれぞれ、置換液を第2下面ノズル13に案内する複数の下側置換液配管45に接続されている。下側置換液配管45に介装された下側置換液バルブ55が開かれると、置換液が、第2下面ノズル13から基板Wの下面の外周領域に向けて連続流で吐出される。
【0057】
第2下面ノズル13から吐出される置換液としては、第3チューブ33から吐出される置換液と同様のものが挙げられる。すなわち、第2下面ノズル13から吐出される置換液としては、IPA、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、メタノール、エタノール、アセトンおよびTrans-1,2-ジクロロエチレンのうちの少なくとも1つを含む液等が挙げられる。
【0058】
第2下面ノズル13から吐出される置換液は、単体成分のみからなる必要はなく、他の成分と混合した液体であってもよい。たとえば、IPAとDIWとの混合液であってもよいし、IPAとHFEとの混合液であってもよい。
処理ユニット2は、対向部材6の昇降を駆動する対向部材昇降ユニット61と、対向部材6を回転軸線A1まわりに回転させる対向部材回転ユニット62とをさらに含む。対向部材昇降ユニット61は、下位置から上位置までの任意の位置(高さ)に対向部材6を位置させることができる。
【0059】
下位置とは、対向部材6の可動範囲において、対向面6aが基板Wに最も近接する位置である。上位置とは、対向部材6の可動範囲において対向面6aが基板Wから最も離間する位置である。
スピンベース21の付近に搬送ロボットCRをアクセスさせて、搬送ロボットCRに、チャンバ4内に基板Wを搬入させたりチャンバ4内から基板Wを搬出させたりするためには、対向部材6が上位置に位置する必要がある。
【0060】
対向部材昇降ユニット61は、たとえば、中空軸60を支持する支持部材(図示せず)に結合されたボールねじ機構(図示せず)と、当該ボールねじ機構に駆動力を与える電動モータ(図示せず)とを含む。対向部材昇降ユニット61は、対向部材リフタ(遮断板リフタ)ともいう。
対向部材回転ユニット62は、たとえば、中空軸60を回転させる電動モータ(図示せず)を含む。電動モータは、たとえば、中空軸60を支持する支持部材に内蔵されている。対向部材回転ユニット62は、中空軸60を回転させることによって、対向部材6を回転させる。
【0061】
環状部材8は、平面視で、基板Wを取り囲む。環状部材8は、対向部材6の延設部66の下方に配置されている。環状部材8は、複数の連結部材9によって延設部66に連結されている。環状部材8は、対向部材6に連結されているため、対向部材6の昇降に伴って昇降する。すなわち、対向部材昇降ユニット61は、対向部材6とともに環状部材8を昇降させる環状部材昇降ユニットとしても機能する。
【0062】
対向部材昇降ユニット61は、基板Wと対向部材6と環状部材8とが、外部の空間からの雰囲気の流入が制限された遮断空間SS(後述する図3を参照)を区画する遮断空間区画位置に対向部材6を移動させることができる。遮断空間区画位置は、上位置と下位置との間の位置であってもよいし、下位置であってもよい。
図3は、対向部材6の延設部66の周辺の断面図である。図3に示すように、延設部66と環状部材8とによって、処理液を遮断空間SSから外部空間OS外へ排出する処理液排出路10が区画されている。外部空間OSには、対向部材6よりも上方の空間と、基板Wの下面よりも下方の空間と、対向部材6および環状部材8よりも径方向外方の空間とが含まれる。
【0063】
延設部66は、鉛直方向の幅が円板部65よりも大きい幅広部80と、円板部65と幅広部80とを連結する連結部81とを含む。鉛直方向における連結部81の幅は、径方向外方に向かうにしたがって大きくなっている。連結部81は、対向面6aに連結され、径方向外方に向かうにしたがって下方に向かうように傾斜する傾斜下面81aを有する。幅広部80は、傾斜下面81aに連結され、対向面6aよりも下方で水平方向に平坦に延びる平坦下面80aを有する。
【0064】
遮断空間SSは、対向部材6の円板部65の対向面6aおよび延設部66の傾斜下面81aと、基板Wの上面との間の空間である。処理液排出路10によって、遮断空間SSと外部空間OSとが連通されている。
環状部材8は、上面と、下面と、径方向内方の端面(内方端面84)と、径方向外方の端面とを有する。環状部材8の上面および下面は、それぞれ、平面視で円環状である。環状部材8の上面は、基板Wの上面の周縁部に存在する処理液を基板Wの上面の周縁部よりも径方向外方に案内する環状の案内面85と、延設部66とともに処理液排出路10を区画する環状の排出路区画面86とを有する。内方端面84は、鉛直方向に延びる円筒状である。
【0065】
案内面85は、内方端面84の上方端と、排出路区画面86の径方向内方端とに連結されている。案内面85および排出路区画面86のそれぞれは、水平方向に平坦である。案内面85は、排出路区画面86と面一である。つまり、案内面85および排出路区画面86は、水平方向に平坦で環状の単一の平坦面を構成している。
第1実施形態では、対向部材6が遮断空間区画位置に位置するとき、環状部材8は、基板Wに径方向外方から対向する。対向部材6が遮断空間区画位置に位置するとき、内方端面84の上方端および案内面85は、基板Wの上面と同じ高さに位置する。
【0066】
環状部材8の下面は、環状の下側傾斜面87と、環状の下側平坦面88とを有する。下側傾斜面87は、内方端面84の下方端に連結され、径方向外方に向かうにしたがって下方に向かうように傾斜する。下側平坦面88は、下側傾斜面87の径方向外方端に連結され水平方向に平坦である。
処理液排出路10は、水平方向に平坦な排出路区画面86および平坦下面80aによって区画されている。そのため、処理液排出路10は、平面視で環状であり、水平方向に延びている。
【0067】
処理液排出路10は、案内面85上の処理液が流入する流入口10aと、径方向外方に向けて処理液を排出する排出口10bとを有する。流入口10aは、案内面85と排出路区画面86との境界に設けられている。流入口10aは、処理液排出路10の径方向内方端に位置し、排出口10bは、処理液排出路10の径方向外方端に位置する。
鉛直方向における遮断空間SSの幅(遮断空間幅D1)は、水平方向における基板Wの周縁と環状部材8の内方端面84との間の隙間Gの幅(隙間幅D2)よりも大きい。遮断空間幅D1は、鉛直方向における処理液排出路10の幅(排出路幅D3)よりも大きい。
【0068】
ここで、遮断空間幅D1には、鉛直方向における対向面6aと基板Wの上面との間の距離と、鉛直方向における傾斜下面81aと案内面85との間の距離とが含まれる。そのため、案内面85と排出路区画面86との境界においては、遮断空間幅D1は、排出路幅D3と等しい。しかしながら、平面視における大部分の箇所において、遮断空間幅D1は、排出路幅D3よりも大きく、遮断空間幅D1の平均値は、排出路幅D3よりも大きい。
【0069】
鉛直方向における対向面6aと基板Wの上面との間の距離は、たとえば、10mmである。隙間幅D2および排出路幅D3は、それぞれ、たとえば、1mmである。すなわち、隙間幅D2および排出路幅D3は、遮断空間幅D1よりも十分小さいため、外部空間OSからの雰囲気の流入が制限されている。
連結部材9は、処理液排出路10内に設けられており、延設部66の幅広部80の平坦下面80aと環状部材8の排出路区画面86とに連結されている。図4は、図2に示すIV-IV線に沿う断面図である。図4に示すように、複数の連結部材9は、基板Wの回転方向Rに等間隔で配置されている。本実施形態では、連結部材9は、6個設けられている。各連結部材9は、鉛直方向に延びる円柱状である。
【0070】
再び図2を参照して、処理カップ7は、スピンチャック5に保持された基板Wから外方に飛散する液体を受け止める複数のガード71と、複数のガード71によって下方に案内された液体を受け止める複数のカップ72とを含む。
この実施形態では、2つのガード71(第1ガード71Aおよび第2ガード71B)と、2つのカップ72(第1カップ72Aおよび第2カップ72B)とが設けられている例を示している。
【0071】
第1カップ72Aおよび第2カップ72Bのそれぞれは、上向きに開放された環状溝の形態を有している。
第1ガード71Aは、スピンベース21を取り囲むように配置されている。第2ガード71B(内側ガード)は、第1ガード71A(外側ガード)よりも基板Wの径方向内方でスピンベース21を取り囲むように配置されている。
【0072】
第1ガード71Aおよび第2ガード71Bは、それぞれ、ほぼ円筒形状を有しており、各ガード71の上端部は、径方向内方に向かうように内方に傾斜している。
詳しくは、第1ガード71Aは、平面視で対向部材6および環状部材8を取り囲む第1円筒部75Aと、第1円筒部75Aの上端から径方向内方に延びる第1円環部76Aとを有する。第1円環部76Aは、径方向内方に向かうにしたがって上方に向かうように水平方向に対して傾斜している。
【0073】
第2ガード71Bは、第1円筒部75Aよりも内方に配置され平面視で対向部材6および環状部材8を取り囲む第2円筒部75Bと、第2円筒部75Bの上端から径方向内方に延びる第2円環部76Bとを含む。第2円環部76Bは、第1円環部76Aに下方から対向する。第2円環部76Bは、径方向内方に向かうにしたがって上方に向かうように水平方向に対して傾斜している。
【0074】
第1カップ72Aは、第1ガード71Aによって下方に案内された処理液を受け止める。第2カップ72Bは、第1ガード71Aと一体に形成されており、第2ガード71Bによって下方に案内された処理液を受け止める。第1カップ72Aによって受けられた処理液は、第1カップ72Aの下端に連結された第1処理液回収路(図示せず)によって回収される。第2カップ72Bによって受けられた処理液は、第2カップ72Bの下端に連結された第2処理液回収路(図示せず)によって回収される。
【0075】
処理ユニット2は、第1ガード71Aおよび第2ガード71Bを別々に昇降させるガード昇降ユニット74を含む。ガード昇降ユニット74は、下位置と上位置との間で第1ガード71Aを昇降させる。ガード昇降ユニット74は、下位置と上位置との間で第2ガード71Bを昇降させる。
第1ガード71Aおよび第2ガード71Bがともに上位置に位置するとき、基板Wから飛散する処理液は、第2ガード71Bによって受けられる。第2ガード71Bが下位置に位置し、第1ガード71Aが上位置に位置するとき、基板Wから飛散する処理液は、第1ガード71Aによって受けられる。
【0076】
第1ガード71Aおよび第2ガード71Bがともに下位置に位置し、かつ、対向部材6が上位置に位置するときには、搬送ロボットCRが、チャンバ4内に基板Wを搬入したりチャンバ4内から基板Wを搬出したりすることができる。
ガード昇降ユニット74は、たとえば、第1ガード71Aに結合された第1ボールねじ機構(図示せず)と、第1ボールねじ機構に駆動力を与える第1モータ(図示せず)と、第2ガード71Bに結合された第2ボールねじ機構(図示せず)と、第2ボールねじ機構に駆動力を与える第2モータ(図示せず)とを含む。ガード昇降ユニット74は、ガードリフタともいう。
【0077】
図5は、基板処理装置1の主要部の電気的構成を示すブロック図である。コントローラ3は、マイクロコンピュータを備え、所定の制御プログラムに従って基板処理装置1に備えられた制御対象を制御する。
具体的には、コントローラ3は、プロセッサ(CPU)3Aと、制御プログラムが格納されたメモリ3Bとを含む。コントローラ3は、プロセッサ3Aが制御プログラムを実行することによって、基板処理のための様々な制御を実行するように構成されている。
【0078】
とくに、コントローラ3は、搬送ロボットIR,CR、吸引ユニット27、スピンモータ23、ガード昇降ユニット74、対向部材回転ユニット62、対向部材昇降ユニット61、吸引バルブ28、薬液バルブ50、上側リンス液バルブ51、上側置換液バルブ52、不活性ガスバルブ53、下側リンス液バルブ54、および下側置換液バルブ55を制御するようにプログラムされている。
【0079】
コントローラ3によってバルブが制御されることによって、対応するノズルからの処理液や不活性ガスの吐出の有無や、対応するノズルからの処理液や不活性ガスの吐出流量が制御される。
図6は、基板処理装置1による基板処理の一例を説明するための流れ図である。図6には、主として、コントローラ3がプログラムを実行することによって実現される処理が示されている。図7A図7Fは、前記基板処理の各工程の様子を説明するための模式図である。以下では、主に図2および図6を参照する。図7A図7Fについては適宜参照する。
【0080】
基板処理装置1による基板処理では、たとえば、図6に示すように、基板搬入工程(ステップS1)、遮断空間区画工程(ステップS2)、雰囲気置換工程(ステップS3)、プレリンス工程(ステップS4)、薬液供給工程(ステップS5)、リンス工程(ステップS6)、置換液供給工程(ステップS7)、スピンドライ工程(ステップS8)および基板搬出工程(ステップS9)が実行される。
【0081】
まず、図7Aに示すように、未処理の基板Wは、搬送ロボットCRによってキャリヤCから処理ユニット2に搬入され、スピンチャック5に渡される(ステップS1)。これにより、基板Wは、スピンチャック5によって水平に保持される(基板保持工程)。基板Wの搬入時には、対向部材6は、上位置に退避しており、複数のガード71が下位置に退避している。
【0082】
スピンチャック5による基板Wの保持は、スピンドライ工程(ステップS8)が終了するまで継続される。ガード昇降ユニット74は、基板保持工程が開始されてからスピンドライ工程(ステップS8)が終了するまでの間、少なくとも一つのガード71が上位置に位置するように、第1ガード71Aおよび第2ガード71Bの高さ位置を調整する。
次に、搬送ロボットCRが処理ユニット2外に退避した後、遮断空間SSを区画する遮断空間区画工程(ステップS2)が実行される。具体的には、図7Bに示すように、対向部材昇降ユニット61が、対向部材6を遮断空間区画位置に移動させる。これにより、基板W、対向部材6および環状部材8によって遮断空間SSが区画される。
【0083】
次に、遮断空間SSの雰囲気を不活性ガスによって置換する雰囲気置換工程(ステップS3)と、基板Wの上面にリンス液で洗浄するプレリンス工程(ステップS4)とが並行して実行される。
具体的には、スピンモータ23が基板Wの回転を開始する。そして、対向部材回転ユニット62が、対向部材6および環状部材8の回転を開始する。対向部材回転ユニット62は、対向部材6および環状部材8を基板Wと同期回転させる(同期回転工程)。基板W、対向部材6および環状部材8の同期回転は、スピンドライ工程(ステップS8)が終了するまで継続される。
【0084】
そして、対向部材6が遮断空間区画位置に位置する状態で、不活性ガスバルブ53および上側リンス液バルブ51が開かれる。不活性ガスバルブ53が開かれることにより、図7Cに示すように、中央ノズル11から不活性ガスが吐出され、遮断空間SSに不活性ガスが供給される。上側リンス液バルブ51が開かれることにより、基板Wの上面に、図7Cに示すように、中央ノズル11から基板Wの上面に向けてDIW等のリンス液が吐出される。吐出されたリンス液は、基板Wの上面の中央領域に着液する。
【0085】
基板Wの上面に着液したリンス液には、基板Wの回転による遠心力が作用する。そのため、リンス液は遠心力によって基板Wの上面の全体に行き渡る。基板Wの上面の周縁部に到達したリンス液は、案内面85を介して処理液排出路10に流入する。そして、処理液排出路10に流入したリンス液は、遮断空間SSの外に排出される。基板Wの上面の周縁部から案内面85に移動するリンス液によって隙間Gが塞がれる。
【0086】
遮断空間SSへの不活性ガスの供給が開始されると、隙間Gおよび処理液排出路10から遮断空間SS内の空気が不活性ガスによって押し出され始める。遮断空間SSへの不活性ガスの供給を継続することによって、遮断空間SS内の空気が全て排出され、遮断空間SS内に不活性ガスが充満する。つまり、遮断空間SS内の雰囲気が不活性ガスによって置換される。不活性ガスバルブ53は、スピンドライ工程(ステップS8)が終了するまで開かれた状態で維持される。
【0087】
プレリンス工程において、環状部材8と基板Wとの間の隙間Gは、リンス液によって塞がれる。そのため、隙間Gを介する不活性ガスの移動が抑制される。また、リンス液は、処理液排出路10を介して、遮断空間SSから外部空間OSへ排出される。そのため、処理液排出路10内のリンス液を押し退ける程の大きな力が作用しない限り、処理液排出路10を介した遮断空間SSへの雰囲気の流入が起こらない。一方、遮断空間SSには不活性ガスが供給されるため、遮断空間SS内の空気は、遮断空間SS内の圧力が上昇し過ぎないように処理液排出路10を介して外部空間OSに排出される。
【0088】
したがって、外部空間OSから遮断空間SSへの雰囲気の流入を制限しながら、遮断空間SS内の雰囲気を不活性ガスに置換することができる。
なお、図7Cでは、処理液排出路10がリンス液によって充填された状態が図示されているが、不活性ガスが処理液排出路10を通って外部空間OSに移動する際には、リンス液(処理液)の一部を押し退けて処理液排出路10を移動する(図7D以降の図面においても同様)。
【0089】
次に、基板Wの上面を薬液で処理するために基板Wの上面に薬液を供給する薬液供給工程(ステップS5)が実行される。
具体的には、遮断空間SS内に不活性ガスが充満した状態で、上側リンス液バルブ51が閉じられ薬液バルブ50が開かれる。これにより、中央ノズル11からのリンス液の吐出が停止され、中央ノズル11から基板Wの上面に向けてDHF等の薬液が吐出される。
【0090】
図7Dに示すように、吐出された薬液は、基板Wの上面の中央領域に着液する。薬液供給工程は、遮断空間SS内の雰囲気が不活性ガスで置換された状態で、基板Wの上面に処理液を供給する処理液供給工程の一例である。プレリンス工程は、処理液供給工程よりも前に実行されている。
基板Wの上面に着液した薬液には、基板Wの回転による遠心力が作用する。そのため、薬液は、遠心力によって基板Wの上面の全体に行き渡り、基板Wの上面に存在するリンス液を置換する。基板Wの上面の周縁部に到達した薬液は、案内面85を介して処理液排出路10に流入する。そして、薬液は、処理液排出路10を介して遮断空間SSの外に排出される(薬液排出工程、処理液排出工程)。
【0091】
また、薬液供給工程では、複数の下側リンス液バルブ54が開かれる。これにより、複数の第1下面ノズル12からのリンス液の吐出が開始される。複数の第1下面ノズル12から吐出されたリンス液は、基板Wの下面に着液する。
基板Wの下面に着液したリンス液には、基板Wの回転による遠心力が作用する。これにより、リンス液が基板Wの下面の周縁部にまで広がる。リンス液が基板Wの下面の周縁部にまで広がることによって、基板Wの下面が保護される(下面保護工程、保護液供給工程)。リンス液は、基板Wの下面を保護する保護液として機能する。したがって、第1下面ノズル12は、保護液供給ユニットとして機能する。
【0092】
基板Wの下面の周縁部に到達したリンス液は、環状部材8の下面に案内され、その後、環状部材8から径方向外方へ飛散する。
次に、基板Wの上面にリンス液を供給して基板Wの上面に存在する薬液を洗い流すリンス工程(ステップS6)が実行される。具体的には、遮断空間SS内に不活性ガスが充満した状態で、薬液バルブ50が閉じられ上側リンス液バルブ51が開かれる。これにより、中央ノズル11からの薬液の吐出が停止され、中央ノズル11から基板Wの上面に向けてDIW等のリンス液が吐出される。図7Eに示すように、吐出されたリンス液は、基板Wの上面の中央領域に着液する。リンス液供給工程は、遮断空間SS内の雰囲気が不活性ガスで置換された状態で、基板Wの上面に処理液を供給する処理液供給工程の一例である。
【0093】
基板Wの上面に着液したリンス液には、基板Wの回転による遠心力が作用する。そのため、リンス液は遠心力によって基板Wの上面の全体に行き渡り、基板Wの上面に存在する薬液を置換する。基板Wの上面の周縁部に到達したリンス液は、案内面85を介して処理液排出路10に流入する。そして、リンス液は、処理液排出路10を介して遮断空間SSの外に排出される(リンス液排出工程、処理液排出工程)。リンス工程において、複数の下側リンス液バルブ54は、開かれた状態で維持されている。
【0094】
次に、基板Wの上面に存在するリンス液を置換液で置換するために基板Wの上面に置換液を供給する置換液供給工程(ステップS7)が実行される。具体的には、遮断空間SS内に不活性ガスが充満した状態で、上側リンス液バルブ51が閉じられ、上側置換液バルブ52が開かれる。これにより、中央ノズル11からのリンス液の吐出が停止され、中央ノズル11から基板Wの上面に向けてIPA等の置換液が吐出される。図7Fに示すように、吐出された置換液は、基板Wの上面の中央領域に着液する。置換液供給工程は、遮断空間SS内の雰囲気が不活性ガスで置換された状態で、基板Wの上面に処理液を供給する処理液供給工程の一例である。
【0095】
基板Wの上面に着液した置換液には、基板Wの回転による遠心力が作用する。そのため、置換液は遠心力によって基板Wの上面の全体に行き渡り、基板Wの上面に存在するリンス液を置換する。基板Wの上面の周縁部に到達した置換液は、案内面85を介して処理液排出路10に流入する。そして、置換液は、処理液排出路10を介して遮断空間SSの外に排出される(置換液排出工程、処理液排出工程)。
【0096】
置換液供給工程では、複数の下側リンス液バルブ54が閉じられ、複数の下側置換液バルブ55が開かれる。これにより、複数の第1下面ノズル12からのリンス液の吐出が停止され、複数の第2下面ノズル13からのIPA等の置換液の吐出が開始される。複数の第2下面ノズル13から吐出された置換液は、基板Wの下面に着液する。
基板Wの下面に着液した置換液には、基板Wの回転による遠心力が作用する。これにより、置換液は、基板Wの下面の周縁部にまで広がる(下面保護工程、保護液供給工程)。置換液は、基板Wの下面を保護する保護液として機能する。したがって、第2下面ノズル13は、保護液供給ユニットとして機能する。
【0097】
置換液は、基板Wの下面の周縁部にまで広がることによって、基板Wの下面に存在するリンス液を置換する。基板Wの下面の周縁部に到達した置換液は、環状部材8の下面に案内され、その後、環状部材8から径方向外方に飛散する。
次に、スピンドライ工程(ステップS8)が実行される。具体的には、上側置換液バルブ52および複数の下側置換液バルブ55が閉じられる。これにより、基板Wの上面および下面への置換液の供給が停止される。
【0098】
そして、スピンモータ23が基板Wの回転を加速し、基板Wを高速回転させる。それによって、大きな遠心力が基板W上に残留した置換液に作用し、基板W上の置換液が基板Wの周囲に振り切られる。スピンドライ工程において遮断空間SSへの不活性ガスの供給を継続することによって、置換液の蒸発が促進される。
そして、スピンモータ23が基板Wの回転を停止させ、対向部材回転ユニット62が対向部材6および環状部材8の回転を停止させる。ガード昇降ユニット74が第1ガード71Aおよび第2ガード71Bを下位置に移動させる。不活性ガスバルブ53が閉じられる。そして、対向部材昇降ユニット61が対向部材6を上位置に移動させる。
【0099】
搬送ロボットCRが、処理ユニット2に進入して、スピンチャック5のチャックピン20から処理済みの基板Wをすくい取って、処理ユニット2外へと搬出する(ステップS9)。その基板Wは、搬送ロボットCRから搬送ロボットIRへと渡され、搬送ロボットIRによって、キャリヤCに収納される。
次に、基板処理における環状部材8付近の処理液の様子について説明する。環状部材8付近の処理液の様子は、処理液の種類にかかわらず同様である。すなわち、プレリンス工程、薬液供給工程、リンス工程および置換液供給工程のいずれの工程においても同様の説明が可能である。
【0100】
図8は、処理液が遮断空間SSから排出される際の環状部材8付近の処理液の様子を説明するための模式図である。基板Wの上面に存在する処理液には、遠心力が作用しており、環状部材8が基板Wの上面の周縁部に近接して配置されている。そのため、基板Wの上面の周縁部に到達した処理液は、基板Wの周縁と環状部材8との間の隙間Gから下方に落下することなく、基板Wの上面の周縁部から径方向外方に移動して、案内面85に達する。すなわち、案内面85は、基板Wの回転による遠心力によって、基板Wの上面に存在する処理液を、基板Wの上面の周縁部よりも径方向外方に移動させる。
【0101】
案内面85上に移動した処理液は、案内面85上を径方向外方に向かって移動し、処理液排出路10の流入口10aに流入する。処理液排出路10の流入口10aに流入した処理液は、処理液排出路10を径方向外方へ向かって水平に移動し、排出口10bから排出される。
処理液が処理液排出路10に流入する前に、案内面85上の処理液は、対向部材6の延設部66の傾斜下面81aに衝突することがある。この場合、案内面85上の処理液中に逆流(径方向内方に向かう流れ)が発生し、この逆流の発生によって液盛り100が形成される。
【0102】
逆流が発生すると、径方向内方に向かう処理液と径方向外方に向かう処理液とが衝突して、遮断空間SS内で処理液が飛び散るおそれがある。遮断空間SS内に飛び散った処理液が、基板Wの上面に再付着すると、基板W上にパーティクルが発生する。
この実施形態とは異なり、案内面85が設けられていない構成であれば、処理液排出路10の流入口10aが基板Wの周縁部付近に配置されるため、処理液中の逆流が基板Wの上面上で発生することがある。
【0103】
この実施形態では、処理液排出路10の流入口10aが、径方向における案内面85の外方端に連結される排出路区画面86と、案内面85との境界に設けられている。そのため、処理液中の逆流が発生したとしても、その発生箇所は、基板W上ではなく、案内面85上である。そのため、基板W上の処理液中に逆流が発生することを抑制できる。したがって、基板Wの上面にパーティクルが発生することを抑制できる。
【0104】
上述した基板処理において、基板保持工程が開始されてからスピンドライ工程(ステップS8)が終了するまでの間、少なくとも一つのガード71が上位置に位置するように、第1ガード71Aおよび第2ガード71Bの高さ位置が調整される。しかしながら、特に、薬液供給工程(ステップS4)においては、ガード71は、以下に説明するような配置とすることが好ましい。図9は、基板処理においてガード71が処理液を受ける様子を説明するための模式図である。
【0105】
具体的には、排出口10bから処理液(DHF)が排出されている間、鉛直方向において第1ガード71Aの第1円環部76Aの径方向内方端76aと第2ガード71Bの第2円環部76Bの径方向内方端76bとの間に処理液排出路10を位置させる。具体的には、ガード昇降ユニット74が、鉛直方向において第1円環部76Aの径方向内方端76aと第2円環部76Bの径方向内方端76bとの間に処理液排出路10が位置するように第1ガード71Aおよび第2ガード71Bを移動させる(ガード移動工程)。
【0106】
より詳しくは、第1ガード71Aを上位置に移動または維持させる。これにより、鉛直方向において第1円環部76Aの径方向内方端76aが排出口10bよりも上方で、かつ、延設部66の上端よりも下方に位置するように移動される。第2ガード71Bは、鉛直方向において第2円環部76Bの径方向内方端76bが排出口10bよりも下方で、かつ、環状部材8の下端よりも上方に位置するように移動される。
【0107】
処理液が処理液排出路10の排出口10bから排出される際に、第1ガード71Aの第1円環部76Aは、鉛直方向において排出口10bよりも上方に位置する。そのため、排出口10bから排出される処理液は、第1円環部76Aおよび第2円環部76Bの間を通って第1円筒部75Aによって受けられる。第1円筒部75Aによって受けられた処理液は、第1円筒部75Aから跳ね返ることがある。
【0108】
第2円環部76Bの径方向内方端76bは、鉛直方向において排出口10bよりも下方に位置する。そのため、第1ガード71Aから跳ね返った処理液は、第2ガード71Bよりも径方向内方に移動することなく、第2円環部76Bに上方から付着したり、第2円筒部75Bに径方向外方から付着したりする。したがって、第1ガード71Aから跳ね返った処理液が、基板Wの下面に付着することを抑制できる。
【0109】
第2円環部76Bの径方向内方端76bが鉛直方向において環状部材8の下端よりも上方に位置するので、第1ガード71Aから跳ね返った処理液が、第2円環部76Bと環状部材8との間の隙間から径方向内方に移動することを抑制できる。
また、基板Wの下面は、保護液(DIW)によって保護されている。そのため、基板Wの下面付近を漂う処理液のミスト等から基板Wの下面を保護することができる。さらに、処理液が排出口10bから吐出されている間、第2円環部76Bの径方向内方端76bが、排出口10bよりも下方で、かつ、環状部材8の下端よりも上方に位置するため、基板Wの下面から外方に排出される保護液を第2ガード71Bに受けさせることができる。すなわち、基板Wの上面から排出される処理液を第1ガード71Aで受け、かつ、基板Wの下面から外方に排出される保護液を第2ガード71Bに受けさせることができる。そのため、処理液と保護液との混合を避けつつ、処理液および保護液をそれぞれ回収することができる。
【0110】
保護液は、遠心力によって径方向外方に移動し、基板Wの下面から環状部材8の下側傾斜面87に到達する。下側傾斜面87は、径方向外方に向かうにしたがって下方に向かうように傾斜する。
そのため、保護液は、下側傾斜面87に沿う方向、すなわち斜め下方向に向けて環状部材8から飛散されて第2ガード71Bの第2円筒部75Bによって受けられる。そのため、保護液が斜め上方向に向けて飛散することを抑制できる。その結果、斜め上方に飛散した処理液が第1ガード71Aの第1円環部76Aと第2ガード71Bの第2円環部76Bとの間に入り込むことを抑制できる。
【0111】
第1実施形態によれば、環状部材8とともに対向部材6を遮断空間区画位置に移動させることによって、基板Wと、対向部材6と、環状部材8とによって遮断空間SSが区画される。遮断空間SSが形成された状態で、基板Wの上面に向けて不活性ガスを供給することによって、遮断空間SS内の雰囲気を不活性ガスに置換することができる。これにより、遮断空間SS内の酸素濃度、すなわち、基板Wの上面付近の雰囲気の酸素濃度を低減することができる。
【0112】
遮断空間SSは、外部空間OSからの雰囲気の流入が制限されている。そのため、遮断空間SS内の雰囲気が不活性ガスに一度置換されると、遮断空間SS内の雰囲気中の酸素濃度が低減された状態に維持し易い。
遮断空間SS内の雰囲気が不活性ガスに置換された状態で、基板Wの上面に処理液を供給することによって処理液中の酸素濃度の上昇を抑制しながら、基板Wの上面を処理液で処理することができる。
【0113】
基板Wの上面に供給された処理液は、遠心力によって基板Wの上面の周縁部に向かって移動する。基板Wの上面の周縁部に達した処理液は、基板Wから飛散することなく、環状部材8の案内面85上に移動する。案内面85に存在する処理液は、処理液排出路10を介して遮断空間SS外に排出される。基板Wの周縁部と処理液排出路10との間に案内面85が存在するため、基板Wの周縁部は対向部材6の延設部66から充分に離間している。そのため、基板Wの上面から排出された処理液が対向部材6から跳ね返って基板Wの上面に再付着することを抑制することができる。仮に、基板Wの上面から排出された処理液が対向部材6から跳ね返ったとしても、その大部分は基板Wの上面よりも径方向の外方に位置する案内面85に付着する。したがって、基板Wの上面にパーティクルが発生することを抑制できる。
【0114】
以上の結果、基板Wの上面付近の雰囲気中の酸素濃度を低減することができ、かつ、基板Wの上面におけるパーティクルの発生を抑制することができる。
また、第1実施形態とは異なり、基板Wの上面の周縁部と環状部材8とが充分に近接していない場合には、処理液は、案内面85および処理液排出路10だけでなく、隙間Gからも排出される。これにより、案内面85上の処理液が分散して液滴となり、案内面85から跳ね上がって、基板Wに再付着するおそれがある。第1実施形態では、隙間幅D2が充分に小さく、基板Wの上面の周縁部と環状部材8とが充分に近接しているため、処理液は、液滴となることなく基板Wの上面から案内面85に移動することができる。したがって、パーティクルの発生を抑制できる。
【0115】
第1実施形態によれば、排出路幅D3が、遮断空間幅D1よりも小さい。そのため、処理液排出路10を通過できる流体の流量は、比較的小流量である。したがって、処理液が処理液排出路10を介して遮断空間SS外に排出されている間、遮断空間SS外の雰囲気が処理液排出路10を介して流入することを抑制できる。したがって、遮断空間SS内の雰囲気が不活性ガスに置換された状態で、基板Wの上面に処理液を供給することによって処理液中の酸素濃度の上昇を抑制しながら、基板Wの上面を処理液で処理することができる。
【0116】
第1実施形態では、処理液排出路10の流入口10aが、径方向における案内面85の外方端に連結される排出路区画面86と、案内面85との境界に設けられている。そのため、処理液中の逆流は、発生したとしても、その発生箇所は、基板W上ではなく、案内面85上である。そのため、基板W上の処理液中に逆流が発生することを抑制できる。したがって、基板Wの上面にパーティクルが発生することを抑制できる。
【0117】
この実施形態とは異なり、案内面85と排出路区画面86との間に段差が設けられている場合、段差に起因して跳ねた処理液基板の上面に再付着するおそれがある。これにより、基板Wの上面にパーティクルが発生するおそれがある。
そこで、第1実施形態によれば、環状部材8が、延設部66とともに処理液排出路10を区画する排出路区画面86を有する。排出路区画面86および案内面85が、水平方向に平坦な単一の平坦面を構成する。そのため、案内面85上を流れる処理液を、処理液排出路10にスムーズに流入させることができる。したがって、遮断空間SS内で処理液が飛び散ることを抑制でき、処理液の飛散に起因するパーティクルの発生を抑制できる。
【0118】
基板Wの回転速度と対向部材6および環状部材8の回転速度との差が大きい場合には、遮断空間SS内の気流が乱れるおそれがある。気流が乱れると、気流に起因して基板Wの上面の処理液に力が作用し、基板Wの上面が局所的に露出したり、遮断空間SS内に処理液が飛び散ったりすることがある。第1実施形態によれば、遮断空間SSを区画する基板W、環状部材8および対向部材6は、同期回転する。そのため、遮断空間SS内での気流の乱れの発生を抑制できる。
【0119】
第1実施形態では、プレリンス工程を実行することによって、隙間Gがリンス液によって塞がれている。そのため、プレリンス工程後の、薬液供給工程の開始時には、薬液が隙間Gの近傍に達するまで、隙間Gがリンス液によって塞がれた状態が維持される。そのため、薬液供給の開始時から隙間Gからの空気の流入が制限されている。したがって、薬液供給時に遮断空間SS内の酸素濃度が低減される。
【0120】
また、その後のリンス工程および置換液供給工程においても隙間Gは、それぞれ、リンス液および置換液によって塞がれている。そのため、基板Wの上面に処理液が供給されている間、隙間Gからの空気の流入は抑制されている。
第1実施形態とは異なり、対向部材6が設けられていない構成では、環状部材8は回転しない。そのため、基板Wの周縁から径方向外方に移動した処理液が案内面85上に残留するおそれがある。案内面85上に残留した処理液が雰囲気中に飛散することによって基板W上にパーティクルが発生するおそれがある。
【0121】
そこで、第1実施形態では、対向部材6に環状部材8が連結されているため、基板W上の処理液を排除するときに対向部材6とともに環状部材8を回転させることができる。そのため、案内面85上に処理液が残留しにくいので、基板W上にパーティクルが発生にくい。また、対向部材6および環状部材8を連結する複数の連結部材9は、処理液排出路10内に設けられている。そのため、連結部材9が処理液排出路10よりも径方向内方に設けられている構成と比べて、連結部材9に衝突した処理液が跳ね返った場合に、当該跳ね返った処理液が基板Wの上面に付着しにくい。
【0122】
図10Aおよび図10Bは、基板処理の別の例を説明するための模式図である。図10Aおよび図10Bでは、説明の便宜上、連結部材9の図示を省略している。当該別の例の基板処理では、図10Bに示すように、環状部材8の内方端面84の上端部が基板Wの上面と同じ高さ位置であるときの対向部材6の位置を第1の遮断空間区画位置という。第1の遮断空間区画位置は、図3に示す遮断空間区画位置と同じ位置である。
【0123】
当該別の例の基板処理では、図10Aに示すように、処理液供給工程において、対向部材昇降ユニット61(図2を参照)が、対向部材6を第2の遮断空間区画位置に配置する。
第2の遮断空間区画位置は、環状部材8の内方端面84の上端部が基板Wの上面よりも上方に位置する状態で、基板W、対向部材6および環状部材8によって遮断空間SSが区画されるときの対向部材6の位置である。
【0124】
対向部材6が第2の遮断空間区画位置に位置する状態で、基板Wの上面に向けて中央ノズル11から薬液等の処理液を供給する。これにより、環状部材8の内方端面84と基板Wの上面とによって処理液が受けられて処理液の液溜まり101が形成される(液溜まり形成工程)。
そのため、液溜まり101中の処理液によって基板Wの上面が処理される。したがって、液溜まり101の形成に必要な量の処理液を基板Wの上面に供給すれば、基板Wの上面を処理することができる。よって、基板Wの上面に供給した処理液が内方端面84によって受けられることなく基板W外に排出される構成と比較して、処理液の消費量を低減することができる。第2の遮断空間区画位置は、液溜まり形成位置ともいう。
【0125】
そして、液溜まり101が形成されてから所定時間経過した後に、図10Bに示すように、対向部材昇降ユニット61(図2を参照)が、対向部材6を第1の遮断空間区画位置に移動させる。すなわち、環状部材8の内方端面84の上端部を基板Wの上面と同じ高さ位置に移動させる。図10Bには、対向部材6が第2の遮断空間区画位置に位置するときの対向部材6および環状部材8を二点鎖線で図示している。
【0126】
対向部材6を第1の遮断空間区画位置に移動させることによって、基板Wの上面に存在する処理液は、内方端面84による液受けから解放される。そのため、処理液が遠心力によって、径方向外方へ移動し、液溜まり101が基板Wの上面から排除される(液溜まり排除工程)。
遠心力によって基板Wの周縁部の外方に移動した処理液は、案内面85を経て、処理液排出路10にスムーズに流入する(図8を参照)。よって、基板Wの上面にパーティクルが発生することを抑制できる。
【0127】
次に、第1実施形態に係る基板処理装置1の変形例について説明する。図11Aおよび図11Bは、第1実施形態に係る基板処理装置1の変形例について説明するための模式図である。図11Aおよび図11Bでは、説明の便宜上、連結部材9の図示を省略している。
第1実施形態の変形例に係る環状部材8では、図11Aに示すように、案内面85が傾斜面である。変形例に係る案内面85は、径方向外方に向かうにしたがって上方に向かうように傾斜している。また、第1実施形態の変形例に係る環状部材8では、下側傾斜面87が設けられておらず、下側平坦面88が内方端面84の下方端に連結されている。
【0128】
また、この変形例では、対向部材6の幅広部80の平坦下面80aと対向部材6の連結部81の傾斜下面81aとの境界6cは、環状部材8の案内面85と環状部材8の排出路区画面86との境界8cよりも径方向内方に位置する。
対向部材6が遮断空間区画位置に位置するとき、内方端面84の上方端は、基板Wの上面と同じ高さに位置する。
【0129】
なお、この変形例においても、平面視における大部分の箇所において、遮断空間幅D1は、排出路幅D3よりも大きく、遮断空間幅D1の平均値は、排出路幅D3よりも大きいことは明らかである。
第1実施形態に係る基板処理装置1による基板処理では、対向部材6が遮断空間区画位置に位置する状態で、基板の上面に向けて中央ノズル11から薬液等の処理液を供給する。これにより、図11Aに示すように、環状部材8の案内面85と基板Wの上面とによって処理液が受けられて処理液の液溜まり101が形成される(液溜まり形成工程)。そのため、液溜まり101中の処理液によって基板Wの上面が処理される。したがって、液溜まり101の形成に必要な量の処理液を基板Wの上面に供給すれば、基板Wの上面を処理することができる。よって、基板Wの上面に供給した処理液が傾斜する案内面85によって受けられることなく基板W外に排出される構成と比較して、処理液の消費量を低減することができる。
【0130】
そして、液溜まり101が形成されてから所定時間経過した後に、図11Bに示すように、スピンモータ23が、基板Wの回転を加速させる(基板加速工程)。具体的には、基板Wの回転速度は、所定の液溜まり形成速度(たとえば、10rpm)から液溜まり排出速度(たとえば、1000rpm)に変更される。この変形例では、案内面85は、径方向外方に向かうにしたがって上方に向かうように傾斜している。そのため、基板Wの回転を加速させて液溜まり101に遠心力を作用させることによって、処理液に案内面85をスムーズに上らせることができる。そのため、処理液が径方向外方へ移動して、液溜まり101が基板Wの上面から排除される(液溜まり排除工程)。案内面85を上った処理液は、処理液排出路10にスムーズに流入する。よって、基板Wの上面にパーティクルが発生することを抑制できる。
【0131】
ここで、平坦下面80aと傾斜下面81aとの境界6cが、案内面85と排出路区画面86との境界8cと平面視で重なる位置に位置する場合や、境界6cが境界8cよりも径方向内方に位置する場合には、案内面85を上る処理液は、傾斜下面81aに衝突するおそれがある。これでは、処理液が堰き止められてパーティクルが発生する原因となる逆流が案内面85上の処理液中に発生するおそれがある。
【0132】
図11Aおよび図11Bに示すように、平坦下面80aと傾斜下面81aとの境界6cが案内面85と排出路区画面86との境界8cよりも径方向内方に位置するように構成されていれば、案内面85を上る処理液は、傾斜下面81aではなく平坦下面80aに衝突する。そうであれば、処理液は堰き止められることなく処理液排出路10にスムーズに流入する。
【0133】
<第2実施形態>
図12は、本発明の第2実施形態に係る基板処理装置1に備えられる処理ユニット2Pの概略構成を示す模式的な部分断面図である。図12および後述する図13において、前述の図1図11Bに示された構成と同等の構成については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0134】
第2実施形態に係る処理ユニット2Pでは、基板保持の形式が、第1実施形態に係る処理ユニット2(図2を参照)とは異なる。
具体的には、処理ユニット2Pのスピンチャック5Pは、吸引ユニット27を含んでおらず、基板Wの周縁を把持する複数のチャックピン20を含んでいる。複数のチャックピン20は、互いに周方向(回転方向R)に間隔を空けて、スピンベース21の上面に配置されている。複数のチャックピン20は、基板Wの周端に接触して基板Wを把持する閉状態と、基板Wの周端から退避した開状態との間で開閉可能である。
【0135】
さらに、第2実施形態に係る処理ユニット2Pは、複数の第1下面ノズル12および複数の第2下面ノズル13を含んでおらず、下面ノズル14を含む。
下面ノズル14は、スピンベース21の上面中央部で開口する貫通孔21aと、中空の回転軸22とに挿入されている。下面ノズル14の吐出口14aは、スピンベース21の上面から露出されている。下面ノズル14の吐出口14aは、基板Wの下面(下側の表面)の中央領域に下方から対向する。
【0136】
下面ノズル14には、リンス液、および置換液を下面ノズル14に共通に案内する共通配管46の一端が接続されている。共通配管46の他端には、共通配管46にリンス液を案内する下側リンス液配管47と、共通配管46に置換液を案内する下側置換液配管48とが接続されている。
下側リンス液配管47に介装された下側リンス液バルブ57が開かれると、リンス液が、下面ノズル14から基板Wの下面の中央領域に向けて連続流で吐出される。下側置換液配管48に介装された下側置換液バルブ58が開かれると、置換液が、下面ノズル14から基板Wの下面の中央領域に向けて連続流で吐出される。
【0137】
下面ノズル14とスピンベース21の貫通孔21aとの間の空間によって、下側ガス流路90が形成されている。下側ガス流路90は、回転軸22の内周面と下面ノズル14との間の空間に挿通された不活性ガス配管49に接続されている。不活性ガス配管49に介装された不活性ガスバルブ59が開かれると、不活性ガスが、下側ガス流路90から基板Wの下面の中央部の周りの部分に向けて吐出される。
【0138】
下面ノズル14は、基板Wの下面にリンス液を供給する下側リンス液供給ユニットの一例である。また、下面ノズル14は、基板Wの下面に置換液を供給する下側置換液供給ユニットの一例である。また、下面ノズル14は、基板Wの下面に向けて不活性ガスを供給する下側不活性ガス供給ユニットの一例である。
処理ユニット2Pに備えられる対向部材6、環状部材8および連結部材9は、それぞれ、第1実施形態に係る処理ユニット2に備えられる対向部材6、環状部材8および連結部材9とほぼ同じ形状を有する。ただし、処理ユニット2Pに備えられる環状部材8の構造は、第1実施形態に係る環状部材8と若干異なる。図13は、第2実施形態に係る処理ユニット2Pに備えられる環状部材8の周辺を上方から見た図である。
【0139】
処理ユニット2Pに備えられる環状部材8には、複数のチャックピン20との干渉を避けるための複数の凹部8aが形成されている。複数の凹部8aは、複数のチャックピン20と同数設けられており、チャックピン20同士の間の間隔と同じ間隔で回転方向Rに並んでいる。
第2実施形態に係る基板処理装置1では、第1実施形態に係る基板処理装置1と同様の基板処理(図6図9を参照)を実行することができる。ただし、第2実施形態に係る基板処理装置1による基板処理では、下面ノズル14からリンス液または置換液が吐出されることによって基板Wの下面が保護される(下面保護工程、保護液供給工程)。第2実施形態では、下面ノズル14が保護液供給ユニットとして機能する。また、基板Wの下面に向けて不活性ガスを吹き付けることによって、基板Wの下面とスピンベース21との間の空間中の雰囲気を不活性ガスで置換してもよい。この場合、遮断空間SSへの空気(酸素)の流入を一層抑制することができる。
【0140】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第2実施形態においても、図10Aおよび図10Bに示す基板処理を実行することもできるし、図11Aおよび図11Bに示す変形例を適用することもできる。
<第3実施形態>
図14は、本発明の第3実施形態に係る基板処理装置1に備えられる処理ユニット2Qの概略構成を示す模式的な部分断面図である。図14および後述する図15図17において、前述の図1図13に示された構成と同等の構成については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0141】
第3実施形態に係る処理ユニット2Qでは、対向部材6Qの延設部66Qと環状部材8Qとが、第1実施形態に係る処理ユニット2(図2を参照)とは異なる。図15は、第3実施形態に係る処理ユニット2Qに備えられる対向部材6Qおよび環状部材8Qの周辺の断面図である。
第3実施形態に係る対向部材6Qの延設部66Qは、鉛直方向の幅が円板部65よりも大きい幅広部110と、円板部65と幅広部110とを連結する連結部111とを含む。鉛直方向における連結部111の幅は、径方向外方に向かうにしたがって大きくなる。
【0142】
連結部111は、対向面6aに連結され、径方向外方に向かうにしたがって下方に向かうように傾斜する傾斜下面111aを有する。幅広部110は、傾斜下面111aに連結され、鉛直方向に延びる鉛直円筒面110aと、鉛直円筒面110aの下端に連結され水平方向に平坦な平坦下面110bとを有する。
案内面85は、内方端面84の上方端と、排出路区画面86の径方向内方端とに連結されている。案内面85は、水平方向に平坦である。排出路区画面86は、案内面85の径方向外方端に連結され、径方向外方に向かうにしたがって下方に向かうように傾斜する傾斜区画面86Aと、傾斜区画面86Aの径方向外方端に連結され、鉛直方向に延びる鉛直区画面86Bとを含む。
【0143】
第3実施形態に係る処理液排出路10Qは、遮断空間SSに接続され、傾斜下面111aと傾斜区画面86Aとによって区画される傾斜排出路120と、傾斜排出路120に接続され、鉛直円筒面110aと鉛直区画面86Bとによって区画される鉛直排出路121とを含む。処理液排出路10Qの流入口10Qaは、傾斜排出路120の径方向内方端に設けられている。処理液排出路10Qの排出口10Qbは、鉛直排出路121の下方端に設けられている。
【0144】
処理液排出路10Qの幅(排出路幅D3)は、傾斜区画面86Aと傾斜下面111aとの間の距離、または鉛直区画面86Bと鉛直円筒面110aとの間の距離である。第3実施形態においても、平面視における大部分の箇所において、遮断空間幅D1は、排出路幅D3よりも大きく、遮断空間幅D1の平均値は、排出路幅D3よりも大きいことは明らかである。
【0145】
第3実施形態では、対向部材6が遮断空間区画位置に位置するとき、内方端面84の上方端および案内面85は、基板Wの上面と同じ高さに位置する。
第3実施形態に係る基板処理装置1では、第1実施形態に係る基板処理装置1と同様の基板処理(図6図7Fを参照)を実行することができる。
次に、第3実施形態に係る基板処理において、遮断空間SSから処理液が排出されるときの様子について説明する。図16は、第3実施形態に係る基板処理装置1を用いた基板処理を説明するための模式図である。
【0146】
基板Wの上面に存在する処理液には、遠心力が作用しており、環状部材8Qが基板Wの上面の周縁部に近接して配置されている。そのため、基板Wの上面の周縁部に到達した処理液は、基板Wの周縁と環状部材8Qとの間の隙間Gから下方に落下することなく、基板Wの上面の周縁部から径方向外方に移動して、案内面85に達する。すなわち、案内面85は、基板Wの回転による遠心力によって、基板Wの上面に存在する処理液を、基板Wの上面の周縁部よりも径方向外方に移動させる。隙間Gは、処理液によって塞がれる。
【0147】
案内面85上に移動した処理液は、案内面85上を径方向外方に向かって移動し、処理液排出路10Qの流入口10Qaに流入する。処理液排出路10Qの流入口10Qaに流入した処理液は、傾斜排出路120内を径方向外方へ向かって移動し、その後、鉛直排出路121内を下方に向かって移動する。その後、処理液は、排出口10Qbから排出される。
【0148】
案内面85上の処理液は、対向部材6Qの延設部66の傾斜下面111aに衝突することがある。この場合、案内面85上の処理液中に逆流(径方向内方に向かう流れ)が発生し、この逆流の発生によって液盛り100が形成される。
第3実施形態では、処理液排出路10Qの流入口10Qaが、径方向における案内面85の外方端に連結される排出路区画面86Qと、案内面85との境界に設けられている。そのため、処理液中の逆流が発生したとしても、その発生箇所は、基板W上ではなく、案内面85上である。そのため、基板W上の処理液中に逆流が発生することを抑制できる。したがって、基板Wの上面にパーティクルが発生することを抑制できる。さらに、第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0149】
第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、基板処理の別の例を実行することが可能である。図17は、第3実施形態に係る基板処理装置1を用いた基板処理の別の例を説明するための模式図である。当該別の例の基板処理では、上述した図16に示す対向部材6Qの位置を第1の遮断空間区画位置という。対向部材6Qが第1の遮断空間区画位置に位置するとき、環状部材8Qの内方端面84の上端部が基板Wの上面と同じ高さ位置に位置する。
【0150】
図17に示すように、処理液供給工程において、対向部材昇降ユニット61(図14を参照)は、対向部材6Qを第2の遮断空間区画位置に配置する。第2の遮断空間区画位置は、環状部材8Qの内方端面84の上端部が基板Wの上面よりも上方に位置する状態で、基板W、対向部材6Qおよび環状部材8Qによって遮断空間SSが区画されるときの対向部材6Qの位置である。
【0151】
対向部材6Qが第2の遮断空間区画位置に位置する状態で、基板の上面に向けて中央ノズル11(図14を参照)から薬液等の処理液を供給する。これにより、環状部材8Qの内方端面84と基板Wの上面とによって処理液が受けられて処理液の液溜まり101が形成される(液溜まり形成工程)。そのため、液溜まり101中の処理液によって基板Wの上面が処理される。したがって、液溜まり101の形成に必要な量の処理液を基板Wの上面に供給すれば、基板Wの上面を処理することができる。よって、基板Wの上面に供給した処理液が内方端面84によって受けられることなく基板W外に排出される構成と比較して、処理液の消費量を低減することができる。
【0152】
そして、液溜まり101が形成されてから所定時間経過した後に、対向部材昇降ユニット61が、対向部材6Qを第1の遮断空間区画位置に移動させる。すなわち、環状部材8Qの内方端面84の上端部を基板Wの上面と同じ位置に移動させる(図16を参照)。これにより、基板Wの上面に存在する処理液は、内方端面84による液受けから解放される。そのため、処理液が遠心力によって、径方向外方へ移動し、液溜まり101が基板Wの上面から排除される(液溜まり排除工程)。
【0153】
遠心力によって基板Wの周縁部の外方に移動した処理液は、案内面85を経て、処理液排出路10にスムーズに流入する(図16を参照)。よって、基板Wの上面にパーティクルが発生することを抑制できる。
<第4実施形態>
図18は、本発明の第4実施形態に係る基板処理装置1に備えられる処理ユニット2Rの概略構成を示す模式的な部分断面図である。図18において、前述の図1図17に示された構成と同等の構成については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0154】
第4実施形態に係る処理ユニット2Rでは、基板保持の形式が、第3実施形態に係る処理ユニット2Q(図14を参照)とは異なる。第4実施形態に係る処理ユニット2Rは、第3実施形態に係る対向部材6Qおよび環状部材8Qと、第2実施形態に係るスピンチャック5Pとを組み合わせた構成である。
第4実施形態に係る基板処理装置1では、第1実施形態に係る基板処理装置1と同様の基板処理(図6図7Fを参照)を実行することができる。遮断空間SSから処理液が排出されるときの様子は、第3実施形態における説明と同様である(図16を参照)。
【0155】
第4実施形態に係る基板処理装置1による基板処理では、下面ノズル14からリンス液または置換液が吐出されることによって基板Wの下面が保護される(下面保護工程、保護液供給工程)。この場合、下面ノズル14が保護液供給ユニットとして機能する。
また、基板Wの下面に向けて不活性ガスを吹き付けることによって、基板Wの下面とスピンベース21との間の空間中の雰囲気を不活性ガスで置換してもよい。この場合、遮断空間SSへの酸素の流入を一層抑制することができる。
【0156】
第4実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第4実施形態においても、第3実施形態と同様に、図17に示す基板処理の別の例を実行することが可能である。
<第5実施形態>
図19は、本発明の第5実施形態に係る基板処理装置に備えられる処理ユニットの概略構成を示す模式的な部分断面図である。図19において、前述の図1図18に示された構成と同等の構成については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0157】
第5実施形態に係る処理ユニット2Sは、対向部材6Qおよび環状部材8Qの昇降および回転の仕組みが、第4実施形態に係る処理ユニット2R(図18を参照)とは異なる。第5実施形態に係る処理ユニット2Sの対向部材6Qおよび環状部材8Qは、支持部材昇降ユニット131によって昇降され、かつ、スピンモータ23によって回転される。支持部材昇降ユニット131は、対向部材6Qを吊り下げ支持する支持部材130を昇降させるユニットである。
【0158】
以下では、第5実施形態に係る処理ユニット2Sにおいて第4実施形態に係る処理ユニット2Rと異なる点について詳しく説明する。
第5実施形態に係る対向部材6Qは、中空軸60の上端から水平に延びる複数のフランジ部63をさらに含む。対向部材6Qは、たとえば、磁力によってスピンベース21と係合可能である。詳しくは、環状部材8Qに設けられた複数の第1係合部135と、スピンベース21に設けられた複数の第2係合部136とが磁力によって引かれ合って凹凸係合する。
【0159】
複数の第1係合部135は、環状部材8Qの下面から下方に延びている。複数の第1係合部135は、回転軸線A1まわりの周方向(回転方向R)に互いに間隔を隔てて配置されている。複数の第2係合部136は、回転軸線A1まわりの周方向(回転方向R)に互いに間隔を隔てて、複数のチャックピン20よりも径方向外方でスピンベース21の上面に配置されている。
【0160】
環状部材8Qの各第1係合部135と、スピンベース21の対応する第2係合部136とが係合しているとき、対向部材6Qおよび環状部材8Qは、スピンベース21と一体回転可能である。スピンモータ23は、回転軸線A1まわりに対向部材6Qおよび環状部材8Qを回転させる対向部材回転ユニットとしても機能する。対向部材6Qが遮断空間区画位置に位置するとき、環状部材8Qがスピンベース21と係合する(図19の二点鎖線参照)。
【0161】
支持部材130は、対向部材6Qを支持する対向部材支持部132と、対向部材支持部132よりも上方に設けられ中央ノズル11のケーシング30を支持するノズル支持部133と、対向部材支持部132およびノズル支持部133を連結し鉛直方向に延びる壁部134とを含む。
対向部材支持部132は、対向部材6Q(のフランジ部63)を下方から支持する。対向部材支持部132の中央部には、中空軸60が挿通される筒状部挿通孔132aが形成されている。
【0162】
各フランジ部63には、フランジ部63を上下方向に貫通する位置決め孔63aが形成されている。対向部材支持部132には、対応するフランジ部63の位置決め孔63aに係合可能な係合突起132bが形成されている。各位置決め孔63aに、対応する係合突起132bが係合されることによって、回転方向Rにおいて支持部材130に対して対向部材6Qおよび環状部材8Qが位置決めされる。
【0163】
支持部材昇降ユニット131は、たとえば、支持部材130を昇降させるボールねじ機構(図示せず)と、当該ボールねじ機構に駆動力を付与する電動モータ(図示せず)とを含む。支持部材昇降ユニット131は、コントローラ3によって制御される(図5の二点鎖線を参照)。
支持部材昇降ユニット131は、上位置(図19に実線で示す位置)から下位置(図19に二点鎖線で示す位置)までの間の所定の高さ位置に支持部材130を位置させることができる。下位置は、支持部材130の可動範囲において、支持部材130がスピンベース21の上面に最も近接する位置である。上位置は、支持部材130の可動範囲において、支持部材130がスピンベース21の上面から最も離間する位置である。
【0164】
支持部材130は、上位置に位置するとき、対向部材6Qを吊り下げ支持している。支持部材130は、支持部材昇降ユニット131によって昇降されることによって、上位置と下位置との間の係合位置を通過する。
支持部材130は、上位置から係合位置まで対向部材6Qおよび環状部材8Qとともに下降する。支持部材130が係合位置に達すると、対向部材6Qおよび環状部材8Qをスピンベース21に受け渡す。支持部材130は、係合位置よりも下方に達すると、対向部材6Qから離間する。
【0165】
支持部材130は、下位置から上昇し係合位置に達すると、スピンベース21から対向部材6Qおよび環状部材8Qを受け取る。支持部材130は、係合位置から上位置まで対向部材6Qおよび環状部材8Qとともに上昇する。
このように、対向部材6Qおよび環状部材8Qは、支持部材130が支持部材昇降ユニット131によって昇降されることによって、スピンベース21に対して昇降する。そのため、支持部材昇降ユニット131は、対向部材昇降ユニットとして機能する。
【0166】
第5実施形態に係る基板処理装置1では、第4実施形態に係る基板処理装置1と同様の基板処理を実行することができる。ただし、第5実施形態に係る基板処理では、支持部材130が下位置(図19に二点鎖線で示す位置)に位置する状態で、雰囲気置換工程(ステップS3)~スピンドライ工程(ステップS8)が実行される。そのため、基板Wの上面および下面に処理液を供給する際に、対向部材6Qおよび環状部材8Qと基板Wとを確実に同期回転させることができる。
【0167】
第5実施形態に係る構成によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
<その他の実施形態>
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、さらに他の形態で実施することができる。
たとえば、上述の各実施形態とは異なり、基板Wの上面にポリマー層を形成するためのポリマー層形成液を処理液として用いる基板処理に応用することができる。ポリマー層形成液としては、たとえば、基板Wの表面を疎水化する疎水化剤が挙げられる。ポリマー層形成液は、基板Wの表面に形成されたパターンの表面のSiO膜と反応して犠牲層を形成する液体である。
【0168】
疎水化剤としては、たとえば、シリコン自体およびシリコンを含む化合物を疎水化させるシリコン系の疎水化剤、または金属自体および金属を含む化合物を疎水化させるメタル系の疎水化剤を用いることができる。
メタル系の疎水化剤は、たとえば、疎水基を有するアミン、および有機シリコン化合物の少なくとも一つを含む。シリコン系の疎水化剤は、たとえば、シランカップリング剤である。シランカップリング剤は、たとえば、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)、TMS(テトラメチルシラン)、フッ素化アルキルクロロシラン、アルキルジシラザン、および非クロロ系の疎水化剤の少なくとも一つを含む。非クロロ系の疎水化剤は、たとえば、ジメチルシリルジメチルアミン、ジメチルシリルジエチルアミン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、N,N-ジメチルアミノトリメチルシラン、N-(トリメチルシリル)ジメチルアミンおよびオルガノシラン化合物の少なくとも一つを含む。
【0169】
ポリマー層形成液は、比較的高価であるため、消費量を削減したい。上述した実施形態のように、基板Wの上面にポリマー層形成液の液溜まり101を形成して基板Wの上面を処理する手法が有効である。
また、第1実施形態および第2実施形態において、連結部81は、径方向外方に向かうにしたがって下方に向かうように傾斜する傾斜下面81aを有する。しかしながら、連結部81は、径方向外方に向かうにしたがって下方に向かうように傾斜する傾斜下面81aを有しておらず、図3に二点鎖線で示すように、対向面6aと面一である下面を有していてもよい。この場合、案内面85上の処理液は、処理液排出路10に流入する前に、対向部材6の延設部66の幅広部80の径方向内方端面80bに衝突し、これにより、案内面85上の処理液中に逆流が発生する。
【0170】
また、上述の実施形態における連結部材9は、鉛直方向に延びる円柱状である。上述の実施形態とは異なり、図20に示すように、各連結部材9は、平面視で、径方向外方に向かうにしたがって、基板Wの回転方向Rの下流側RDに向かうように形成されていてもよい。
基板Wが回転している場合、遮断空間SSでは、径方向外方に向かうにしたがって回転方向Rの下流側RDに向かう気流F(図9を参照)が発生し易い。連結部材9が、平面視で、径方向外方に向かうにしたがって、基板Wの回転方向Rの下流側RDに向かうように形成されていれば、径方向外方に向かうにしたがって回転方向Rの下流側RDに向かう気流の発生を促すことができる。したがって、気流の乱れを一層抑制できる。
【0171】
また、上述の実施形態では、連結部材9は、処理液排出路10内に設けられているが、連結部材9は、遮断空間SS内に設けられていてもよく、この場合、図示しないが、案内面85と傾斜下面81aとに連結される。
その他、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0172】
1 :基板処理装置
3 :コントローラ
5 :スピンチャック(基板保持ユニット)
5P :スピンチャック(基板保持ユニット)
6 :対向部材
6Q :対向部材
6a :対向面
8 :環状部材
8Q :環状部材
9 :連結部材
10 :処理液排出路
10Q :処理液排出路
10a :流入口
10Qa :流入口
10b :排出口
11 :中央ノズル(処理液供給ユニット、不活性ガス供給ユニット)
12 :第1下面ノズル(保護液供給ユニット)
13 :第2下面ノズル(保護液供給ユニット)
14 :下面ノズル(保護液供給ユニット)
23 :スピンモータ(基板回転ユニット、対向部材回転ユニット)
61 :対向部材昇降ユニット
62 :対向部材回転ユニット
65 :円板部
66 :延設部
66Q :延設部
71A :第1ガード
71B :第2ガード
74 :ガード昇降ユニット
75A :第1円筒部
75B :第2円筒部
76A :第1円環部
76B :第2円環部
84 :内方端面
85 :案内面
86 :排出路区画面
101 :液溜まり
D1 :遮断空間幅(鉛直方向における遮断空間の幅)
D3 :排出路幅(処理液排出路の幅)
SS :遮断空間
W :基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
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図18
図19
図20