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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】車両用空気吹き出し装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/34 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
B60H1/34 651B
B60H1/34 671B
B60H1/34 671A
B60H1/34 611Z
B60H1/34 631
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019169646
(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公開番号】P2021046083
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】武澤 英之
(72)【発明者】
【氏名】原 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 隆英
(72)【発明者】
【氏名】中川 信也
(72)【発明者】
【氏名】米田 伊佐美
(72)【発明者】
【氏名】小南 聡
(72)【発明者】
【氏名】西嶋 英也
(72)【発明者】
【氏名】近川 法之
(72)【発明者】
【氏名】山下 翼
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 靖洋
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-199235(JP,A)
【文献】特開2008-001344(JP,A)
【文献】特開平05-319216(JP,A)
【文献】特開2004-299440(JP,A)
【文献】特開2016-117473(JP,A)
【文献】特開2017-132407(JP,A)
【文献】特開平04-221222(JP,A)
【文献】特開2005-212746(JP,A)
【文献】実開平02-145510(JP,U)
【文献】特開平06-247137(JP,A)
【文献】国際公開第2017/221570(WO,A1)
【文献】特開2018-008552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のインストルメントパネルの上面に形成された吹き出し口、及び車両用空調装置により温度調節された空気を前記吹き出し口に導く流路を区画するケーシングと、
前記吹き出し口の中央部に配置されたセンターフラップと、
前記車両の幅方向から前記センターフラップを挟むように配置された少なくとも一対のサイドフラップと、
前記車両の幅方向に延びて、前記吹き出し口に配置され、軸線回りに回動可能な回転軸と、
前記回転軸を回動させるアクチュエータと、
を備え、
前記センターフラップ及び前記サイドフラップは、前記回転軸に固定された板状のフラップであり、
鉛直方向に対して直交する水平面と前記センターフラップとが成す第1の角度は、前記水平面と前記サイドフラップとが成す第2の角度よりも小さくなるように構成されており、
前記第1の角度を前記第2の角度よりも小さくすることで、前記サイドフラップの開口率を前記センターフラップの開口率よりも大きくする車両用空気吹き出し装置。
【請求項2】
車両のインストルメントパネルの上面に形成された吹き出し口、及び車両用空調装置により温度調節された空気を前記吹き出し口に導く流路を区画するケーシングと、
前記吹き出し口の中央部に配置されたセンターフラップと、
前記車両の幅方向から前記センターフラップを挟むように配置された少なくとも一対のサイドフラップと、
前記車両の幅方向に延びて、前記吹き出し口に配置され、軸線回りに回動可能な回転軸と、
前記回転軸を回動させるアクチュエータと、
を備え、
前記センターフラップ及び前記サイドフラップは、前記回転軸に固定されており、
前記センターフラップは、前記回転軸の径方向外側に配置された平面、及び前記回転軸の径方向外側に突出し、両端が前記平面と接続された凸曲面を有しており、
前記サイドフラップは、板状のフラップであり、
鉛直方向に対して直交する水平面と前記センターフラップの前記平面とが成す第1の角度は、前記水平面と前記サイドフラップとが成す第2の角度と等しく、
前記第1の角度と前記第2の角度とを等しくすることで、前記サイドフラップの開口率は、前記センターフラップの開口率よりも大きくする車両用空気吹き出し装置。
【請求項3】
車両のインストルメントパネルの上面に形成された吹き出し口、及び車両用空調装置により温度調節された空気を前記吹き出し口に導く流路を区画するケーシングと、
前記吹き出し口の中央部に配置されたセンターフラップと、
前記車両の幅方向から前記センターフラップを挟むように配置された少なくとも一対のサイドフラップと、
前記車両の幅方向に延びて、前記吹き出し口に配置され、軸線回りに回動可能な第1の回転軸と、
前記第1の回転軸を回動させる第1のアクチュエータと、
前記車両の幅方向に延びて、前記吹き出し口に配置され、軸線回りに回動可能な第2の回転軸と、
前記第2の回転軸を回動させる第2のアクチュエータと、
前記第1及び第2のアクチュエータを制御する制御部と、
を備え、
前記サイドフラップは、前記第1の回転軸に固定されており、
前記センターフラップは、前記第2の回転軸に固定されており、
前記制御部は、前記サイドフラップの開口率が前記センターフラップの開口率よりも大きくなるように制御する車両用空気吹き出し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用空気吹き出し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用空調装置により生成される空調風を車室内に導く車両用空気吹き出し装置の吹き出し口をインストルメントパネルの上面に形成することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、インストルメントパネルの上面から車室内に露出した円筒体を回転させることで、空調風(温度調節された空気)を吹き出させる方向をフェイス方向とデフロスタ方向とに切り替えることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-217020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、インストルメントパネルに形成する吹き出し口は、小さい方が好まれるため、吹き出し口から吹き出される空気を車両の幅方向(具体的には、前部座席の幅方向)に広げることが困難であった。
また、前部座席に優先的に温度調節された空気を供給させたい場合と、前部座席及び後部座席の全体に温度調節された空気を供給させたい場合とがあるが、これら2つの切り替えを行う機能がないため、切り替えを行えないという問題があった。
【0005】
なお、上記特許文献1に開示された技術は、水平方向(フェイス方向)に空気を吹き出させるか、上方向(デフロスタ方向)に空気を吹き出させるかの切り替えを行う技術であるため、上記2つの課題を解決することは困難であった。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、前部座席に優先的に温度調節された空気を供給させる場合と、前部座席及び後部座席の全体に温度調節された空気を供給させる場合との切り替えが可能になるとともに、前部座席の幅方向に温度調節された空気を広げて供給することの可能な車両用空気吹き出し装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る車両用空気吹き出し装置は、車両のインストルメントパネルの上面に形成された吹き出し口、及び車両用空調装置により温度調節された空気を前記吹き出し口に導く流路を区画するケーシングと、前記吹き出し口の中央部に配置されたセンターフラップと、前記車両の幅方向から前記センターフラップを挟むように配置された少なくとも一対のサイドフラップと、前記車両の幅方向に延びて、前記吹き出し口に配置され、軸線回りに回動可能な回転軸と、前記回転軸を回動させるアクチュエータと、を備え、前記センターフラップ及び前記サイドフラップは、前記回転軸に固定された板状のフラップであり、鉛直方向に対して直交する水平面と前記センターフラップとが成す第1の角度は、前記水平面と前記サイドフラップとが成す第2の角度よりも小さくなるように構成されており、前記第1の角度を前記第2の角度よりも小さくすることで、前記サイドフラップの開口率を前記センターフラップの開口率よりも大きくする。
本開示に係る車両用空気吹き出し装置は、車両のインストルメントパネルの上面に形成された吹き出し口、及び車両用空調装置により温度調節された空気を前記吹き出し口に導く流路を区画するケーシングと、前記吹き出し口の中央部に配置されたセンターフラップと、前記車両の幅方向から前記センターフラップを挟むように配置された少なくとも一対のサイドフラップと、前記車両の幅方向に延びて、前記吹き出し口に配置され、軸線回りに回動可能な回転軸と、前記回転軸を回動させるアクチュエータと、を備え、前記センターフラップ及び前記サイドフラップは、前記回転軸に固定されており、前記センターフラップは、前記回転軸の径方向外側に配置された平面、及び前記回転軸の径方向外側に突出し、両端が前記平面と接続された凸曲面を有しており、前記サイドフラップは、板状のフラップであり、鉛直方向に対して直交する水平面と前記センターフラップの前記平面とが成す第1の角度は、前記水平面と前記サイドフラップとが成す第2の角度と等しく、前記第1の角度と前記第2の角度とを等しくすることで、前記サイドフラップの開口率は、前記センターフラップの開口率よりも大きくする。
本開示に係る車両用空気吹き出し装置は、車両のインストルメントパネルの上面に形成された吹き出し口、及び車両用空調装置により温度調節された空気を前記吹き出し口に導く流路を区画するケーシングと、前記吹き出し口の中央部に配置されたセンターフラップと、前記車両の幅方向から前記センターフラップを挟むように配置された少なくとも一対のサイドフラップと、前記車両の幅方向に延びて、前記吹き出し口に配置され、軸線回りに回動可能な第1の回転軸と、前記第1の回転軸を回動させる第1のアクチュエータと、前記車両の幅方向に延びて、前記吹き出し口に配置され、軸線回りに回動可能な第2の回転軸と、前記第2の回転軸を回動させる第2のアクチュエータと、前記第1及び第2のアクチュエータを制御する制御部と、を備え、前記サイドフラップは、前記第1の回転軸に固定されており、前記センターフラップは、前記第2の回転軸に固定されており、前記制御部は、前記サイドフラップの開口率が前記センターフラップの開口率よりも大きくなるように制御する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の車両用空気吹き出し装置によれば、前部座席に優先的に温度調節された空気を供給させる場合と、前部座席及び後部座席の全体に温度調節された空気を供給させる場合との切り替えができるとともに、前部座席の幅方向に温度調節された空気を広げて供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の第1の実施形態に係る車両用空気吹き出し装置を備えた車両の内部を模式的に示す平面図であり、前部座席及び後部座席に空気(温調空気)を供給する場合のセンターフラップ及びサイドフラップの状態を模式的に示す図である。
図2図1に示す車両のA-A線方向の断面図である。
図3図1に示す車両のB-B線方向の断面図である。
図4図1に示す車両のC-C線方向の断面図である。
図5】本開示の第1の実施形態に係る車両用空気吹き出し装置を備えた車両の内部のうち、車両用空気吹き出し装置が設けられた部分を拡大した平面図であり、前部座席に優先的に空気(温調空気)を供給する場合のセンターフラップ及びサイドフラップの状態を模式的に示す図である。
図6図5に示す車両のD-D線方向の断面図である。
図7図5に示す車両のE-E線方向の断面図である。
図8図5に示す車両のF-F線方向の断面図である。
図9図5に示す車両のH-H線方向の断面図である。
図10】本開示の第2の実施形態に係る車両用空気吹き出し装置を備えた車両の内部を模式的に示す平面図であり、前部座席及び後部座席に空気(温調空気)を供給する場合のセンターフラップ及びサイドフラップの状態を模式的に示す図である。
図11図10に示す車両のL-L線方向の断面図である。
図12図10に示す車両のM-M線方向の断面図である。
図13図10に示す車両のN-N線方向の断面図である。
図14】本開示の第2の実施形態に係る車両用空気吹き出し装置を備えた車両の主要部の断面図であり、前部座席に優先的に空気(温調空気)を供給する場合のセンターフラップの状態を説明するための図である。
図15】本開示の第2の実施形態に係る車両用空気吹き出し装置を備えた車両の主要部の断面図であり、前部座席に優先的に空気(温調空気)を供給する場合の一方のサイドフラップの状態を説明するための図である。
図16】本開示の第2の実施形態に係る車両用空気吹き出し装置を備えた車両の主要部の断面図であり、前部座席に優先的に空気(温調空気)を供給する場合の他方のサイドフラップの状態を説明するための図である。
図17】本開示の第3の実施形態に係る車両用空気吹き出し装置を備えた車両の主要部の平面図である。
図18図17に示す第1及び第2の回転軸のみを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
(車両の構成)
図1図4を参照して、第1の実施形態の車両用空気吹き出し装置20を備えた車両10について説明する。なお、図2図4に示す矢印は、温度調節された空気(以下、「温調空気」という)が流れる方向を模式的に示している。図1図4において、同一構成部分には同一符号を付す。
【0011】
車両10は、インストルメントパネル11と、ハンドル12と、運転席13A及び助手席13Bからなる前部座席13と、後部座席15と、車両用空気吹き出し装置20と、車両用空調装置21と、を有する。
インストルメントパネル11は、車両10の前方側に配置されている。インストルメントパネル11は、上面11aを有する。
【0012】
(車両用空気吹き出し装置の全体構成)
車両用空気吹き出し装置20は、インストルメントパネル11の内側に設けられている。
車両用空気吹き出し装置20は、ケーシング24と、回転軸26と、アクチュエータ28と、制御部29と、センターフラップ31と、サイドフラップ32,33(一対のサイドフラップ)と、を有する。
【0013】
(ケーシングの構成)
ケーシング24は、インストルメントパネル11の内側に配置されている。ケーシング24は、吹き出し口35と、流路36と、を区画している。
【0014】
吹き出し口35は、インストルメントパネル11の上面11aに形成されている。吹き出し口35は、温度調節された空気を車室内に導く。
流路36は、鉛直方向に延びており、吹き出し口35の下方に配置されている。流路36の上端側は、吹き出し口35と連通している。流路36の下端側は、車両用空調装置21に連通している。流路36は、車両用空調装置21により温度調節された空気を吹き出し口35に導く。
【0015】
(回転軸の構成)
回転軸26は、車両10の幅方向に延びた状態で吹き出し口35に配置されている。回転軸26は、車両10の前後方向(車両10の幅方向に対して直交する方向)において吹き出し口35の中間位置に配置されている。回転軸26は、軸線O回りに回動可能な状態でケーシング24に支持されている。回転軸26の一方の端部は、ケーシング24の外側に突出している。
【0016】
(アクチュエータの構成)
アクチュエータ28は、インストルメントパネル11の内側に設けられている。アクチュエータ28は、回転軸26の一方の端部と接続されている。アクチュエータ28は、回転軸26を回動させる。
【0017】
(制御部の構成)
制御部29は、インストルメントパネル11の内側に設けられている。制御部29は、アクチュエータ28と電気的に接続されている。制御部29は、アクチュエータ28の駆動を制御する。
【0018】
(センターラップ及びサイドフラップの構成)
センターフラップ31は、吹き出し口35の中央部に位置する回転軸26に固定されている。センターフラップ31は、回転軸26が回動した際、回転軸26とともに回動する。
センターフラップ31は、板状のフラップである。センターフラップ31は、平面とされた面31a,面31bを有する。面31bは、面31aの反対側に配置されている。
【0019】
サイドフラップ32は、センターフラップ31の幅方向一方側(車両10の幅方向一方側)に位置する回転軸26に固定されている。サイドフラップ33は、センターフラップ31の幅方向他方側(車両10の幅方向他方側)に位置する回転軸26に固定されている。
つまり、センターフラップ31及びサイドフラップ32,33は、同一の吹き出し口35に配置されている。
サイドフラップ32は、板状のフラップであり、平面とされた面32a,面32bを有する。面32bは、面32aの反対側に配置された面である。
サイドフラップ33は、板状のフラップであり、平面とされた面33a,面33bを有する。面33bは、面33aの反対側に配置された面である。
【0020】
鉛直方向に対して直交する水平面Sとセンターフラップ31の面31aとが成す第1の角度θ1は、水平面Sとサイドフラップ32,33の面32a,33aとが成す第2の角度θ2よりも小さくなるように構成されている。
第1の実施形態では、第1の角度θ1を第2の角度θ2よりも小さくすることで、サイドフラップ32,33の開口率(サイドフラップ32,33により開かれた吹き出し口35の割合)をセンターフラップ31の開口率(センターフラップ31により開かれた吹き出し口35の割合)よりも大きくしている。
【0021】
(前部座席及び後部座席に温調空気を供給する際の第1及び第2の角度θ1,θ2について)
ここで、図2図4を参照して、前部座席13及び後部座席15に温調空気を供給する際の第1及び第2の角度θ1,θ2について説明する。
この場合、第1の角度θ1は、例えば、センターコンソールの上部に温調空気が供給される角度となるように設定することが好ましい。
また、第2の角度θ2は、例えば、前部座席13のヘッドレストの上部に温調空気が供給される角度となるように設定することが好ましい。
上記2つの条件(角度)を満たすように、センターフラップ31及びサイドフラップ32の姿勢が保たれる。
【0022】
(前部座席に優先的に温調空気を供給する際の第1及び第2の角度θ1,θ2について)
次に、図5図9を参照して、前部座席13に優先的に温調空気を供給する際の第1及び第2の角度θ1,θ2について説明する。
なお、図5図9において、図1図4に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図6図9に示す矢印は、温調空気が流れる方向を示している。また、図6では、図2に示す第1の角度θ1を図示することが困難なため、符号θ1の図示を省略する。
【0023】
この場合、第1の角度θ1が0°となるように、回転軸26を回動させる。具体的には、センターフラップ31の面31aが下方を向くとともに、面31aが水平面Sに対して平行となるような位置まで回転軸26を回動させる。
このよう状態とすることで、センターフラップ31の面31aにより、車両用空調装置21から供給された温調空気が遮断されるため、後部座席15への温調空気の供給が停止される。
そして、センターフラップ31の面31aに衝突した温調空気は、センターフラップ31の幅方向外側(図9に示すJ方向)に向かって流れる。
【0024】
先に説明したように、第2の角度θ2は、第1の角度θ1よりも大きな角度となるように構成されているため、第1の角度θ1が0°のときでも第2の角度θ2は、0°よりも大きな角度となる。つまり、サイドフラップ32,33は、吹き出し口35を開いた状態とある。
したがって、サイドフラップ32,33を介して、温調空気を前部座席13に優先的に供給することが可能となる。
【0025】
なお、サイドフラップ32,33を介して、車室内に供給される温調空気は、J方向に流れる温調空気(面31aに衝突した温調空気)の影響を受けて、車両10の幅方向(図9に示すK方向)に広がる。
これにより、車両10の前部座席13に温調空気を優先的に供給させたい場合には、前部座席13の幅方向(図9に示すK方向)に温度調節された空気を広げて供給することができる。
【0026】
(車両用空気吹き出し装置の作用効果)
上述したように、第1の角度θ1を第2の角度θ2よりも小さくして、サイドフラップ32,33の開口率をセンターフラップ31の開口率よりも大きくすることで、前部座席13に優先的に温調空気を供給する際には、角度を0°にすることで、サイドフラップ32,33を介して、センターフラップ31に衝突した温調空気を前部座席13の幅方向(車両10の幅方向)に広げて供給させることができる。
一方、前部座席13及び後部座席15に温調空気を供給する際には、第1の角度を0°よりも大きくすることで、前部座席13及び後部座席15に温調空気を供給することができる。
【0027】
また、同一の回転軸26に固定するセンターフラップ31及びサイドフラップ32,33の角度を予め調整するのみでよいため、簡便な構成とすることが可能である。
つまり、簡便な構成で、1つの吹き出し口35から導出される温調空気の供給先を、前部座席13と、前部座席13及び後部座席15と、に切り替えることができるとともに、前部座席13に優先的に温調空気を供給させる際には、前部座席13の幅方向に温調空気を広げて供給することができる。
【0028】
<第2の実施形態>
(車両の構成)
図10図13を参照して、第2の実施形態の車両用空気吹き出し装置41を備えた車両40について説明する。なお、図11図13に示す矢印は、温調空気が流れる方向を模式的に示している。図10図13において、図1図9に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0029】
車両40は、第1の実施形態の車両10を構成する車両用空気吹き出し装置20に替えて、車両用空気吹き出し装置41を有すること以外は、車両10と同様に構成されている。
【0030】
(車両用空気吹き出し装置の構成)
車両用空気吹き出し装置41は、第1の実施形態の車両用空気吹き出し装置20を構成するセンターフラップ31に替えて、センターフラップ43を有すること以外は、車両用空気吹き出し装置20と同様に構成されている。
【0031】
(センターフラップの構成)
センターフラップ43は、平面43aと、凸曲面43bと、を有する。
平面43aは、回転軸26の径方向外側に配置されている。平面43aは、回転軸26の軸線Oに対して平行な面である。凸曲面43bは、回転軸26の径方向外側に突出して配置されている。周方向に配置された凸曲面43bの両端は、平面43aと接続されている。凸曲面43bは、例えば、円筒面の一部である。
【0032】
センターフラップ43は、水平面Sと平面43aとが成す第1の角度θ3と水平面Sと面32a,33aとが成す第2の角度θ4とが等しくなるように、回転軸26に固定されている。
第2の実施形態では、サイドフラップ32,33を板状にするとともに、センターフラップ43に吹き出し口35及び流路36を狭める凸曲面43bを設けることで、第1の角度θ3と第2の角度θ4とを等しくしてもサイドフラップ32,33の開口率がセンターフラップ43の開口率よりも大きくなるように構成している。
【0033】
(前部座席及び後部座席に温調空気を供給する際の第1及び第2の角度θ3,θ4について)
ここで、図11図13を参照して、前部座席及び後部座席に温調空気を供給する際の第1及び第2の角度θ3,θ4について説明する。
この場合、第1及び第2の角度θ3,θ4は、例えば、180°<θ3<360°及び180°<θ4<360°を満たす範囲内で適宜設定することが可能である。
このような範囲内で第1及び第2の角度θ3,θ4を設定することで、凸曲面43bにより、車両40の後方側に位置する吹き出し口35及び流路36を狭められることがなく、かつサイドフラップ32,33により吹き出し口35が塞がれることがなくなるため、車両40の前部座席及び後部座席に温調空気を供給することができる。
【0034】
(前部座席に優先的に温調空気を供給する際の第1及び第2の角度θ3,θ4について)
次に、図14図16を参照して、前部座席に優先的に温調空気を供給する際の第1及び第2の角度θ3,θ4について説明する。
なお、図14図16において、図10図13に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図14図16に示す矢印は、温調空気が流れる方向を示している。
【0035】
この場合、第1及び第2の角度θ3,θ4は、例えば、0°≦θ3≦180°及び0°≦θ4≦180°を満たす範囲内で適宜設定することが可能である。
このような範囲内で第1及び第2の角度θ3,θ4を設定することで、凸曲面43bにより、車両40の後方側に位置する吹き出し口35及び流路36を狭めることが可能となり、かつサイドフラップ32,33により吹き出し口35が塞がれることがなくなるため、車両40の前部座席に優先的に温調空気を供給することができる。
【0036】
(車両用空気吹き出し装置の作用効果)
上述した構成とすることで、前部座席に優先的に温調空気を供給する際には、凸曲面43bを平面43aよりも下方で、かつ車両40の後方側に位置する流路36及び吹き出し口35を狭める位置に凸曲面43bを配置させて、凸曲面43bに温調空気を衝突させることが可能となる。これにより、サイドフラップ32,33を介して、センターフラップ43の凸曲面43bに衝突した温調空気を前部座席の幅方向に広げて供給することができる。
【0037】
また、前部座席及び後部座席に温調空気を供給する際には、車両40の後方側に位置する流路36及び吹き出し口35を狭めない位置に凸曲面43bを移動させることで、センターフラップ43及びサイドフラップ32,33を介して、前部座席及び後部座席に温調空気を供給することができる。
さらに、同一の回転軸26にセンターフラップ43及びサイドフラップ32,33を固定する構成とされているため、簡便な構成とすることが可能である。
つまり、簡便な構成で、1つの吹き出し口35から導出される温調空気の供給先を、前部座席と、前部座席及び後部座席と、に切り替えることができるとともに、前部座席に優先的に温調空気を供給させる際には、前部座席の幅方向に広げて供給させることができる。
【0038】
さらに、車両40の運転をしない場合(運転停止時)には、センターフラップ43の平面43aが上面となるようにセンターフラップ43を回動させることで、センターフラップ43の平面43a、及びサイドフラップ32,33の面32a,33aを用いて、吹き出し口35を塞ぐことが可能となる。これにより、インストルメントパネル11の上面11a側の美観性を高めることができる。
【0039】
<第3の実施形態>
(車両の構成)
図17図18を参照して、第3の実施形態の車両用空気吹き出し装置51を備えた車両50について説明する。なお、図17に示す矢印は、温調空気が流れる方向を模式的に示している。図17及び図18において、図1図9に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0040】
車両50は、第1の実施形態の車両10を構成する車両用空気吹き出し装置20に替えて、車両用空気吹き出し装置51を有すること以外は、車両10と同様に構成されている。
【0041】
(車両用空気吹き出し装置の構成)
車両用空気吹き出し装置51は、第1の実施形態の車両用空気吹き出し装置20を構成する回転軸26及びアクチュエータ28に替えて、第1の回転軸52、第1のアクチュエータ53、第2の回転軸55、及び第2のアクチュエータ56を有すること以外は、車両用空気吹き出し装置20と同様に構成されている。
【0042】
第1の回転軸52は、筒状とされた回転軸であり、吹き出し口35に配置されている。第1の回転軸52は、車両50の幅方向に延びており、車両50の前後方向において、吹き出し口35の中央に配置されている。
第1の回転軸52は、中央部に形成された切欠き部52Aを有する。切欠き部52Aは、車両50の幅方向に延びている。
【0043】
第1のアクチュエータ53は、第1の回転軸52の一方の端部と接続されている。第1のアクチュエータ53は、制御部29と電気的に接続されており、制御部29により制御される。第1のアクチュエータ53は、必要に応じて第1の回転軸52を回動させる。
【0044】
第2の回転軸55は、第1の回転軸52の内径よりも小さい外径を有する棒状の回転軸である。第2の回転軸55は、軸線が第1の回転軸52の軸線と一致するように、第1の回転軸52の内側に挿入されている。
これにより、第2の回転軸55の一部は、第1の回転軸52に形成された切欠き部52Aから露出されている。
【0045】
第2のアクチュエータ56は、第2の回転軸55の一方の端部と接続されている。第2のアクチュエータ56は、制御部29と電気的に接続されており、制御部29により制御される。第2のアクチュエータ56は、必要に応じて第2の回転軸55を回動させる。
【0046】
センターフラップ31は、切欠き部52Aから露出された第2の回転軸55に固定されている。これにより、センターフラップ31は、第2の回転軸55が回動させられた際、第2の回転軸55とともに回動する。
【0047】
サイドフラップ32は、切欠き部52Aの延在方向一方側(車両50の幅方向一方側)に位置する第1の回転軸52の外面に固定されている。サイドフラップ33は、切欠き部52Aの延在方向他方側(車両50の幅方向他方側)に位置する第2の回転軸55の外面に固定されている。これにより、サイドフラップ32,33は、第1の回転軸52が回動させられた際、第1の回転軸52とともに回動する。
つまり、第3の実施形態では、センターフラップ31の回動とサイドフラップ32,33の回動とを別々に制御可能な構成とされている。
【0048】
制御部29は、第1及び第2のアクチュエータ53,56を介して、センターフラップ31の姿勢とサイドフラップ32,33の姿勢とを別々に制御することで、サイドフラップ32,33の開口率をセンターフラップ31の開口率よりも大きくする。
【0049】
(車両用空気吹き出し装置の作用効果)
上述した構成とすることで、前部座席及び後部座席に空気を供給する際、第1及び第2のアクチュエータ53,56を用いて、サイドフラップ32,33の開口率とセンターフラップ31の開口率とを独立して制御することが可能となる。これにより、吹き出し口35から導出される温調空気の供給方向の自由度を高めることができる。
【0050】
以上、本開示の好ましい実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本開示の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0051】
例えば、第1から第3の実施形態では、一例として、センターフラップ31,43の両側に一対のサイドフラップ32,33を設けた場合を例に挙げて説明したが、吹き出し口35に一対以上のサイドフラップを設けてもよい。
【0052】
<付記>
各実施形態に記載の車両用空気吹き出し装置20,41,51は、例えば、以下のように把握される。
【0053】
(1)第1の態様に係る車両用空気吹き出し装置20,41,51は、車両10,40,50のインストルメントパネル11の上面11aに形成された吹き出し口35、及び車両用空調装置21により温度調節された空気を前記吹き出し口35に導く流路36を区画するケーシング24と、前記吹き出し口35の中央部に配置されたセンターフラップ31,43と、前記車両10,40,50の幅方向から前記センターフラップ31,43を挟むように配置された少なくとも一対のサイドフラップ32,33と、を備え、前記サイドフラップ32,33の開口率は、前記センターフラップ31,43の開口率よりも大きくなるように構成されている。
【0054】
このように、サイドフラップ32,33との開口率をセンターフラップ31,43の開口率よりも大きくなるように構成することで、センターフラップ31,43を閉じるかまたは開口率を極力小さくすることで、センターフラップ31,43に衝突することで車両10,40,50の幅方向に広がる空気をサイドフラップ32,33から前部座席13に供給することが可能となる。これにより、車両10,40,50の前部座席13に温度調節された空気を優先的に供給させたい場合には、前部座席13の幅方向(車両10,40,50の幅方向)に温度調節された空気を広げて供給することができる。
【0055】
また、サイドフラップ32,33の開口率よりもセンターフラップ31,43の開口率が小さくなる範囲内において、センターフラップ31,43を開くことで、車両10,40,50の前部座席13及び後部座席15に温度調節された空気を供給させることが可能となる。
つまり、1つの吹き出し口35から導出される空気の供給先を、前部座席13と、前部座席13及び後部座席15と、に切り替えることができる。
【0056】
(2)第2の態様に係る車両用空気吹き出し装置20は、(1)の車両用空気吹き出し装置20であって、前記車両10の幅方向に延びて、前記吹き出し口35に配置され、軸線O回りに回動可能な回転軸26と、前記回転軸26を回動させるアクチュエータ28と、を備え、前記センターフラップ31及び前記サイドフラップ32,33は、前記回転軸26に固定された板状のフラップであり、鉛直方向に対して直交する水平面Sと前記センターフラップ31とが成す第1の角度θ1は、前記水平面Sと前記サイドフラップ32,33とが成す第2の角度θ2よりも小さくなるように構成されており、前記第1の角度θ1を前記第2の角度θ2よりも小さくすることで、前記サイドフラップ32,33の開口率を前記センターフラップ31の開口率よりも大きくしてもよい。
【0057】
このような構成とすることで、前部座席13に優先的に空気を供給する際には、吹き出し口35を塞ぐ位置にセンターフラップ31を配置させることで、センターフラップ31に衝突した空気を、サイドフラップ32,33を介して、前部座席13の幅方向に広げて供給することができる。
また、前部座席13及び後部座席15に空気を供給する際には、吹き出し口35を開く位置にセンターフラップ31を移動させることで、前部座席13及び後部座席15に空気を供給することができる。
【0058】
また、同一の回転軸26に固定するセンターフラップ31及びサイドフラップ32,33の角度を調整するのみでよいため、簡便な構成とすることが可能である。
つまり、簡便な構成で、1つの吹き出し口35から導出される空気の供給先を、前部座席13と、前部座席13及び後部座席15と、に切り替えることができるとともに、前部座席13に優先的に空気を供給させる際には、前部座席13の幅方向に広げて供給することができる。
【0059】
(3)第3の態様に係る車両用空気吹き出し装置41は、(1)の車両用空気吹き出し装置41であって、前記車両40の幅方向に延びて、前記吹き出し口35に配置され、軸線O回りに回動可能な回転軸26と、前記回転軸26を回動させるアクチュエータ28と、を備え、前記センターフラップ43及び前記サイドフラップ32,33は、前記回転軸26に固定されており、前記センターフラップ43は、前記回転軸26の径方向外側に配置された平面43a、及び前記回転軸26の径方向外側に突出し、両端が前記平面43aと接続された凸曲面43bを有しており、前記サイドフラップ32,33は、板状のフラップであり、鉛直方向に対して直交する水平面Sと前記センターフラップ43の前記平面43aとが成す第1の角度θ3は、前記水平面Sと前記サイドフラップ32,33とが成す第2の角度θ4と等しく、前記第1の角度θ3と前記第2の角度θ4とを等しくすることで、前記サイドフラップ32,33の開口率は、前記センターフラップ43の開口率よりも大きくしてもよい。
【0060】
このような構成とすることで、前部座席13に優先的に温調空気を供給する際には、凸曲面43bを平面43aよりも下方で、かつ車両40の後方側に位置する流路36及び吹き出し口35を狭める位置に凸曲面43bを配置させて、凸曲面43bに温調空気を衝突させることが可能となる。これにより、サイドフラップ32,33を介して、センターフラップ43の凸曲面43bに衝突した温調空気を前部座席13の幅方向に広げて供給することができる。
【0061】
また、前部座席13及び後部座席15に温調空気を供給する際には、車両40の後方側に位置する流路36及び吹き出し口35を狭めない位置に凸曲面43bを移動させることで、センターフラップ43及びサイドフラップ32,33を介して、前部座席13及び後部座席15に温調空気を供給することができる。
さらに、同一の回転軸26にセンターフラップ43及びサイドフラップ32,33を固定する構成とされているため、簡便な構成とすることが可能である。
つまり、簡便な構成で、1つの吹き出し口35から導出される温調空気の供給先を、前部座席13と、前部座席13及び後部座席15と、に切り替えることができるとともに、前部座席13に優先的に温調空気を供給させる際には、前部座席13の幅方向に広げて供給させることができる。
【0062】
さらに、車両40の運転をしない場合(運転停止時)には、センターフラップ43の平面43aが上面となるようにセンターフラップ43を回動させることで、センターフラップ43の平面43a、及びサイドフラップ32,33の面32a,33aを用いて、吹き出し口35を塞ぐことが可能となる。これにより、インストルメントパネル11の上面11a側の美観性を高めることができる。
【0063】
(4)第4の態様に係る車両用空気吹き出し装置51は、(1)の車両用空気吹き出し装置51であって、前記車両50の幅方向に延びて、前記吹き出し口35に配置され、軸線回りに回動可能な第1の回転軸52と、前記第1の回転軸52を回動させる第1のアクチュエータ53と、前記車両50の幅方向に延びて、前記吹き出し口35に配置され、軸線回りに回動可能な第2の回転軸55と、前記第2の回転軸55を回動させる第2のアクチュエータ56と、前記第1及び第2のアクチュエータ53,56を制御する制御部29と、を備え、前記サイドフラップ32,33は、前記第1の回転軸52に固定されており、前記センターフラップ31は、前記第2の回転軸55に固定されており、前記制御部29は、前記サイドフラップ32,33の開口率が前記センターフラップ31の開口率よりも大きくなるように制御してもよい。
【0064】
このような構成とすることで、前部座席13及び後部座席15に空気を供給する際、第1及び第2のアクチュエータ53,56を用いて、サイドフラップ32,33の開口率とセンターフラップ31の開口率とを独立して制御することが可能となるので、吹き出し口35から導出される空気の供給方向の自由度を高めることができる。
【符号の説明】
【0065】
10,40,50…車両
11…インストルメントパネル
11a…上面
12…ハンドル
13…前部座席
13A…運転席
13B…助手席
15…後部座席
20,41,51…車両用空気吹き出し装置
21…車両用空調装置
24…ケーシング
26…回転軸
28…アクチュエータ
29…制御部
31,43…センターフラップ
31a,31b,32a,32b,33a,33b…面
32,33…サイドフラップ
35…吹き出し口
36…流路
43a…平面
43b…凸曲面
52…第1の回転軸
52A…切欠き部
53…第1のアクチュエータ
55…第2の回転軸
56…第2のアクチュエータ
J,K…方向
O…軸線
S…水平面
θ1~θ4…角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18