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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/08 20060101AFI20231024BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231024BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20231024BHJP
【FI】
F21S8/08 500
F21Y115:10
F21Y101:00 100
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019186785
(22)【出願日】2019-10-10
(65)【公開番号】P2021064447
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】幅多 洋次郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 尚之
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-258047(JP,A)
【文献】特開2016-211254(JP,A)
【文献】特開2015-167089(JP,A)
【文献】実開平06-058509(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/08
F21Y 115/10
F21Y 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源部と、
前記光が通過する通過部と
前記通過部を通過した前記光を拡散する拡散部材と
を備え、
前記通過部は、
前記光の一部が通過して、前記光の一部が出射される第1通過部と、
前記光の一部が通過して、前記光の一部が出射される第2通過部と
を有し、
前記第2通過部を通過する前記光の光量を示す第2光量は、前記第1通過部を通過する前記光の光量を示す第1光量より小さく、
前記第1通過部は、第1開口を有し、
前記第2通過部は、複数の第2開口を有し、
前記拡散部材は、前記通過部の周囲に位置し、
前記拡散部材と前記通過部との間には、所定距離がある、照明器具。
【請求項2】
前記第2通過部は、
前記光を遮光する遮光部を更に有し、
前記第2開口の大きさは、前記第1開口の大きさより小さい、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記通過部は、所定形状を有し、
前記所定形状は、円筒形状の一部が前記円筒形状の中心軸線に沿って切り欠かれた形状を示し、
前記通過部のうち、切り欠かれた第1部分によって前記第1開口を構成し、
前記通過部のうち、前記第1部分以外の第2部分に、前記複数の第2開口が位置し、
前記第2部分のうち、前記複数の第2開口以外の部分が、前記遮光部である、請求項2に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
地面から立設し、地面を照明する照明器具が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の照明器具は、光源と灯体とを備える。灯体は、光源から発せられた光を透過するとともに反射させて外部に出射する。特許文献1に記載の照明器具は、例えば、草むらと園路とを有する公園に設置される。詳細には、照明器具は、草むらと園路との間に位置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-123215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の照明器具では、照射領域の全領域が略均一の照度の光で照射された。具体的には、公園の園路のような第1照射領域を照射する光の照度と、公園の草むらのような第2照射領域を照射する光の照度とが略同一であった。その結果、園路が強調されず、通行人は草むらと園路との区別がつきにくかった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は第1照射領域を照射する光の照度と、第2照射領域を照射する光の照度とを異ならせることができる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する照明器具は、光源部と、通過部とを備える。前記光源部は、光を出射する。前記通過部では、前記光が通過する。前記通過部は、第1通過部と、第2通過部とを有する。前記第1通過部では、前記光の一部が通過して、前記光の一部が出射される。前記第2通過部では、前記光の一部が通過して、前記光の一部が出射される。前記第2通過部を通過する前記光の光量を示す第2光量は、前記第1通過部を通過する前記光の光量を示す第1光量より小さい。
【0007】
本願に開示する照明器具において、前記第1通過部は、第1開口を有することが好ましい。前記第2通過部は、前記光を遮光する遮光部と、前記光の一部が通過する複数の第2開口とを有することが好ましい。前記第2開口の大きさは、前記第1開口の大きさより小さいことが好ましい。
【0008】
本願に開示する照明器具は、前記通過部は、所定形状を有することが好ましい。前記所定形状は、円筒形状の一部が前記円筒形状の中心軸線に沿って切り欠かれた形状を示すことが好ましい。前記通過部のうち、切り欠かれた第1部分によって前記第1開口を構成することが好ましい。前記通過部のうち、前記第1部分以外の第2部分に、前記複数の第2開口が位置することが好ましい。前記第2部分のうち、前記複数の第2開口以外の部分が、前記遮光部であることが好ましい。
【0009】
本願に開示する照明器具は、前記通過部を通過した前記光を拡散する拡散部材を更に備えることが好ましい。前記拡散部材は、前記通過部の周囲に位置することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1照射領域を照射する光の照度と、第2照射領域を照射する光の照度とを異ならせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態1に係る照明器具の斜視図である。
図2】実施形態1に係る照明器具の斜視図である。
図3図1のIII-III線に沿った断面図である。
図4】実施形態1に係る通過部を上方から視た斜視図である。
図5】実施形態1に係る光源部を下方から視た斜視図である。
図6】実施形態1に係る光源部を下方から視た斜視図である。
図7図6のVII-VII線に沿った断面図である。
図8】実施形態1に係る照明器具を示す断面図である。
図9】本発明の実施形態2に係る通過部を上方から視た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0013】
[第1実施形態]
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態1に係る照明器具200について説明する。図1は、本実施形態1に係る照明器具200の斜視図である。図2は、実施形態1に係る照明器具200の斜視図である。図3は、図1のIII-III線に沿った断面図である。なお、図2では、セード220を省略している。また、本明細書において、三次元直交座標系のX軸及びY軸は水平線に平行であり、Z軸は鉛直線に平行である。Z軸の正方向は、重力方向と反対方向であり、上方向を示し、Z軸の負方向は、重力方向であり、下方向を示す。
【0014】
図1に示すように、照明器具200は、略円筒状である。照明器具200の中心軸線は、Z軸に沿って延びている。照明器具200は、例えば、公園に設置される。公園は、人が通行する園路と、人が通行しない草むらとを含む。園路は、例えば、一本道である。
【0015】
照明器具200は、地面から立設する。照明器具200は、例えば草むらと園路との間に位置する。照明器具200は、照明器具200の近傍の地面を照らす。照明器具200の照明対象物は、例えば、第1照射領域と、第2照射領域とを含む。第1照射領域と第2照射領域との各々は、例えば略半円形状である。具体的には、第1照射領域は、主に園路である。第2照射領域は、主に草むらである。
【0016】
図1図3に示すように、照明器具200は、光源部210と、セード220と、本体部230と、カバー240と、支柱250と、電源部260と、通過部270とを備える。
【0017】
光源部210は、光を出射する。光源部210は、支柱250に取付けられている。具体的には、光源部210は、電球又はLED(Light Emitting Diode)を含む。詳細には、光源部210は、発散光束を出射する。光束は、幾何光学で光線の束のことをいう。発散光束は光源部210から進行方向に進めば進むほど、進行方向に対して垂直な面における光束面が大きくなる。逆に、発散光束は進行方向に進めば進むほど、進行方向に対して垂直な面における単位面積当たりの光度が小さくなる。
【0018】
本体部230は、上面232を有する略円筒状である。本体部230の中心軸線は、Z軸に沿って延びている。本体部230は、光源部210の下方に配置される。本体部230は、例えば、アルミニウムで形成される。本体部230の上面232の色は、例えば黒色又は灰色である。本体部230の上面232の色が黒色である場合、光源部210から出射された発散光束が上面232で吸収されるため、上面232で反射することを抑制することができる点で好ましい。
【0019】
セード220は、略円筒状である。セード220の中心軸線は、Z軸に沿って延びている。セード220は、本体部230の上方に配置される。セード220の材料は、例えば、透光性を有する半透明のアクリル系樹脂素材、又は、ガラスである。なお、セード220はなくてもよい。
【0020】
カバー240は、略円盤状である。カバー240は、セード220の上端部を覆う部材である。カバー240は、例えば、アルミニウムで形成される。
【0021】
支柱250は、略円筒状である。支柱250の中心軸線は、Z軸に沿って延びている。支柱250の下端部は、本体部230の上面232の中央に取り付けられている。支柱250の上端部は、カバー240の中央に取り付けられている。
【0022】
電源部260には、電源が配置される。電源部260は、光源部210に電力を供給する。電源部260は、本体部230の内部に位置する。
【0023】
図4を参照して、実施形態1に係る通過部270について説明する。図4は、実施形態1に係る通過部270を上方から視た斜視図である。
【0024】
図3及び図4に示すように、通過部270は、光が通過する。具体的には、通過部270は、所定形状を有する。所定形状は、円筒形状の一部が円筒形状の中心軸線に沿って切り欠かれた形状を示す。円筒形状の中心軸線は、Z軸に沿って延びている。円筒形状の高さは、例えば、セード220の高さとほぼ同じである。円筒形状の直径は、セード220の直径より小さい。所定形状は、例えば、平面視で240°の円弧状である。通過部270の材料としては、放熱と強度と防錆との観点から、例えば、ステンレスが挙げられる。
【0025】
通過部270は、光源部210の周囲に位置する。詳細には、光源部210は、通過部270の中心軸線上に位置する。
【0026】
通過部270は、第1通過部271と、第2通過部272とを有する。第1通過部271は、第1照射領域と光源部210との間に位置する。第2通過部272は、第2照射領域と光源部210との間に位置する。また、第1通過部271と第2通過部272とは対向する。図3において、発散光束LAは、光源部210から出射された光束を示す。発散光束LBは、第1通過部271を通過した光束を示す。発散光束LCは、第2通過部272を通過した光束を示す。発散光束LDは、第2通過部272で反射した光束を示す。
【0027】
第1通過部271では、主に光源部210からの光の一部が通過して、光の一部が出射される。具体的には、第1通過部271は、第1開口271aを有する。詳細には、通過部270のうち、切り欠かれた第1部分によって第1開口271aを構成する。第1開口271aは、例えば、平面視で120°の円弧状であり、側面視で長方形状の開口である。長方形状の高さは、例えば、セード220の高さとほぼ同じである。
【0028】
その結果、光源部210からの発散光束LAは、第1通過部271に到達する。第1通過部271に到達した発散光束LAは、第1開口271a内を通過する。そして、発散光束LBは、第1通過部271の外側に進行する。詳細には、第1光量の発散光束LAが第1通過部271に到達した後、第1光量の発散光束LBが第1通過部271の外側に進行する。第1光量は、第1通過部271に到達した光の光量を示す。また、第1光量は、第1通過部271を通過する光の光量を示す。よって、第1光量の発散光束LBが第1照射領域を照射する。
【0029】
第2通過部272では、光の一部が通過して、光の一部が出射される。具体的には、第2通過部272は、遮光部272bと、複数の第2開口272aとを有する。
【0030】
複数の第2開口272aでは、主に光源部210からの光の一部が通過する。詳細には、通過部270のうち、第1部分以外の第2部分に、複数の第2開口272aが位置する。第2開口272aの大きさは、第1開口271aの大きさより小さい。第2開口272aは、例えば、略円形状である。第2開口272aの直径は、例えば、1mmである。複数の第2開口272aの各々の大きさは、同じであってもよく、異なってもよい。例えば、下方に位置するほど、第2開口272aの大きさが大きくなってもよい。その結果、第2通過部272の下部を通過する光の光量を、第2通過部272の上部を通過する光の光量より大きくできる。従って、大きな光量の発散光束LCによって地面Gが照射されることができる。
【0031】
遮光部272bは、光を遮光する。詳細には、第2部分のうち、複数の第2開口272a以外の部分が、遮光部272bである。第2部分の面積に対する複数の第2開口272aの面積の合計値の割合は、例えば、40%である。すなわち、第2部分の面積に対する遮光部272bの面積の割合は、例えば、60%である。
【0032】
その結果、光源部210からの発散光束LAは、第2通過部272に到達する。第2通過部272に到達した発散光束の一部LCは、複数の第2開口272a内を通過する。また、第2通過部272に到達した発散光束の他の一部は、遮光部272bで遮光される。そして、発散光束の一部LCは、第2通過部272の外側に進行する。詳細には、所定光量の発散光束LAが第2通過部272に到達した後、所定光量のうちの第2光量の発散光束LCが第2通過部272の外側に進行する。所定光量は、第2通過部272に到達した光の光量を示す。また、第2光量は、第2通過部272を通過する光の光量を示す。第2光量は、第1光量より小さい。第2光量の発散光束LCが第2照射領域を照射する。
【0033】
以上、図1図4を参照して説明したように、第1照射領域を照射する光の照度と、第2照射領域を照射する光の照度とを異ならせることができる。例えば、照明器具200を園路と草むらの間に設置することで、園路を照射する光の照度を大きくし、草むらを照射する光の照度を小さくすることができる。その結果、園路が強調されて、通行人は草むらと園路とを容易に区別できる。更に、開口によって光量を調整しているため、通過部270の材料に規制がなく、例えば金属を使用できる。
【0034】
また、遮光部272bのうち、光が入射する側の面の色は、灰色であることが好ましい。具体的には、遮光部272bのうち、光が入射する側の面は、灰色の塗料で塗装されている。その結果、遮光部272bに到達した所定光量の発散光束LAのうちの一部の光量の発散光束LDが遮光部272bで反射される。
【0035】
その結果、光源部210からの発散光束LAは、第2通過部272に到達する。第2通過部272に到達した発散光束の一部LCは、複数の第2開口272a内を通過する。また、第2通過部272に到達した発散光束の他の一部LDは、遮光部272bで反射される。詳細には、所定光量の発散光束LAが第2通過部272に到達した後、所定光量のうちの第3光量の発散光束LDが遮光部272bで反射される。そして、第3光量の発散光束LDは、第1通過部271に到達する。第3光量の発散光束LDは、第1開口271a内を通過する。よって、第3光量の発散光束LDも第1照射領域を照射する。すなわち、第1光量の発散光束LBと第3光量の発散光束LDとの両方が第1照射領域を照射する。また、灰色は、遮光部272bの入射面の反射率を適切な値に調整する際の、色の一種である。なお、遮光部272bの入射面の反射率が高すぎると、第1通過部271を通過してセード220に到達した発散光束LB、LDと、第2通過部272を通過してセード220に到達した発散光束LCとのセード220上での輝度差が大きくなる可能性がある。その結果、発散光束LB、LDと発散光束LCとのセード220上での輝度差の境界線が目立つ可能性がある。従って、遮光部272bの入射面の灰色の濃淡を変えることで、遮光部272bの入射面の反射率は適宜、調整されていることが好ましい。
【0036】
以上のように、第2照射領域を照射する光の照度に対して、第1照射領域を照射する光の照度を更に上げることができる。例えば、園路を照射する光の照度を更に大きくすることができる。その結果、園路が、より強調されて、通行人は園路を、より通行しやすくなる。
【0037】
また、セード220は、通過部270を通過した光を拡散することが好ましい。セード220は、例えば、拡散部材である。具体的には、セード220の入射面は表面粗さを有するか、セード220の内部は粒状体を含有する。セード220は、通過部270の周囲に位置する。
【0038】
その結果、セード220の入射面に到達した発散光束LB、LC、LDは、セード220の入射面からセード220の内部に入射する。セード220の内部に入射した光束は、セード220の内部を通過する。その後、拡散光束が、セード220の出射面からセード220の外部に出射する。拡散光束は、様々な進行方向に進行する複数の光束を含む。
【0039】
詳細には、光源部210からの発散光束LAは、第2通過部272に到達する。第2通過部272に到達した発散光束の一部LCは、複数の第2開口272a内を通過する。そして、発散光束の一部LCは、第2通過部272の外側に進行する。更に詳細には、第2通過部272の出射面において、複数の第2開口272aから、複数の発散光束LCaが出射する。複数の発散光束LCaの各々は、光源部210から進行方向に進めば進むほど、進行方向に対して垂直な面における光束面が大きくなる。セード220と通過部270との間には、所定距離があることが好ましい。その結果、複数の発散光束LCaによって、セード220の入射面の全面が照射される。セード220の入射面の全面に到達した発散光束LCは、セード220の入射面の全面からセード220の内部に入射する。セード220の内部に入射した光束は、セード220の内部を通過する。その後、拡散光束が、セード220の出射面の全面からセード220の外部に出射する。よって、拡散光束が第2照射領域を照射する。なお、複数の発散光束LCaの各々は進行方向に進めば進むほど、進行方向に対して垂直な面における単位面積当たりの光度が小さくなるため、セード220と第2通過部272との距離が近すぎると、高い光度を有する複数の発散光束LCaによって、セード220の入射面が照射される。その結果、セード220上で照度ムラが生じる可能性がある。また、セード220と第2通過部272との距離が近すぎると、第2通過部272そのものの影がセード220に映りこむ可能性がある。従って、セード220と通過部270との間の所定距離は適宜、調整されていることが好ましい。
【0040】
以上のように、第2照射領域を照射する光の照度ムラを抑制することができる。また、第1通過部271を通過してセード220に到達した発散光束LB、LDと、第2通過部272を通過してセード220に到達した発散光束LCとのセード220上での輝度差の境界線をぼかすことができる。
【0041】
続けて、図5及び図6を参照して、実施形態1に係る光学部材100について説明する。図5は、実施形態1に係る光源部210を下方から見た斜視図である。図6は、実施形態1に係る光源部210を上方から見た斜視図である。
【0042】
図5及び図6に示すように、光源部210は、光源211と、基板214と、光学部材100とを有する。なお、図6では、図面の簡略化のため、基板214を省略している。
【0043】
本実施形態では、光源211は、複数の発光素子212を有する。発光素子212は、基板214の下側に取り付けられている。発光素子212は、例えば、LEDである。複数の発光素子212は、リング状に配置されている。複数の発光素子212は、等間隔に配置されている。光源211は、下方に発散光束を出射する。
【0044】
光学部材100は、光源211からの発散光束を配光する。光学部材100は、発散部110と、集光部120と、リング状部130と、平坦部140と、貫通孔150とを有する。
【0045】
発散部110と集光部120とは、光源211に対向する。発散部110と集光部120とは、光源211の下方に配置される。従って、光源211から下方に向けて出射された発散光束は、発散部110と集光部120とに到達する。
【0046】
リング状部130は、中心軸線Cを有する。リング状部130は、リング状である。複数の発光素子212は、リング状部130に対応する位置に配置されている。
【0047】
平坦部140は、略平坦状である。平坦部140は、集光部120に接続している。
【0048】
貫通孔150は、平坦部140に形成されている。貫通孔150は、光学部材100の中央に形成されている。
【0049】
図7を参照して光学部材100について更に説明する。図7は、図6のVII-VII線に沿った断面図である。なお、図7では、図面の簡略化のため、基板214を省略している。
【0050】
図7に示すように、発散部110は、発光素子212よりも中心軸線Cに対して外側に配置される。また、発散部110は、中心軸線Cに対して集光部120よりも外側に配置される。発散部110は、例えば、凹レンズである。発散部110は、入射面112と出射面114とを有する。入射面112は、凹状である。出射面114は、平面状である。発光素子212から出射された発散光束が、入射面112に入射する。入射面112に入射した発散光束が出射面114から出射される。発散部110は、凹レンズの機能を有する。従って、入射面112に入射した発散光束が出射面114から、大発散光束として出射される。大発散光束は光源部210から進行方向に進めば進むほど、進行方向に対して垂直な面における光束面が大きくなる度合いが、発散光束より大きい。すなわち、大発散光束は進行方向に進むと、進行方向に対して垂直な面における単位面積当たりの光度が、発散光束より小さくなる。
【0051】
集光部120は、例えば、凸レンズである。集光部120は、入射面122と出射面124とを有する。入射面122は、平面状である。出射面124は、凸状である。発光素子212から出射された発散光束が、入射面122に入射する。入射面122に入射した発散光束が出射面124から出射される。集光部120は、凸レンズの機能を有する。従って、入射面122に入射した発散光束が出射面124から集光光束として出射される。集光光束は光源部210から進行方向に進めば進むほど、進行方向に対して垂直な面における光束面が大きくなる度合いが、発散光束より小さい。すなわち、集光光束は進行方向に進むと、進行方向に対して垂直な面における単位面積当たりの光度が、発散光束より大きい。
【0052】
図8を参照して、照明器具200の配光について説明する。図8は、照明器具200を示す断面図である。図8において、配光曲線LARは、発散部110から出射される発散光束の配光を示す。配光曲線LBRは、集光部120から出射される集光光束の配光を示す。地面Gは、照明器具200が設置されている地面を示す。本体部230の一部は、地面Gに埋められている。
【0053】
図8に示すように、発散部110から出射された発散光束は、セード220の上部に到達する。詳細には、進行方向に対して垂直な面における単位面積当たりの光度が、発散光束より小さくなる大発散光束でセード220の上部を照射する。その結果、光源部210とセード220の上部との間の距離は短いため、単位面積当たりの光度が、発散光束より小さくなる大発散光束でセード220の上部を照射する。
【0054】
また、集光部120から出射された集光光束は、セード220の下部に到達する。詳細には、進行方向に対して垂直な面における単位面積当たりの光度が、発散光束より大きくなる集光光束でセード220の下部を照射する。その結果、光源部210とセード220の下部との間の距離は長いため、単位面積当たりの光度が、発散光束より大きくなる大発散光束でセード220の上部を照射する。従って、セード220の入射面の全面に略均一の光度の光束を照射することができる。また、通過部270の全面に略均一の光度の光束を照射することができる。
【0055】
[第2実施形態]
次に、図9を参照して、実施形態2に係る照明器具200について説明する。図9は、実施形態2に係る通過部370を上方から視た斜視図である。実施形態2に係る照明器具200では、通過部370が相違している。以下では、主に、第1実施形態と異なる点を説明する。
【0056】
通過部370は、光が通過する。具体的には、通過部370は、略円筒形状である。円筒形状の中心軸線は、Z軸に沿って延びている。円筒形状の高さは、セード220の高さと同じである。円筒形状の直径は、セード220の直径より小さい。
【0057】
通過部370は、光源部210の周囲に位置する。詳細には、光源部210は、通過部370の中心軸線上に位置する。
【0058】
通過部370は、第1通過部371と、第2通過部372とを有する。第1通過部371は、第1照射領域と光源部210との間に位置する。第2通過部372は、第2照射領域と光源部210との間に位置する。また、第1通過部371と第2通過部372とは対向する。
【0059】
第1通過部371では、光の一部が通過して、光の一部が出射される。具体的には、第1通過部371の材料としては、例えば、高い透過率を有するガラスが挙げられる。第1通過部371は、例えば、略半円筒形状である。
【0060】
その結果、光源部210からの発散光束は、第1通過部371に到達する。第1通過部371に到達した発散光束は、第1通過部371内を通過する。そして、発散光束は、第1通過部371の外側に進行する。詳細には、所定光量の発散光束が第1通過部371に到達した後、第1光量の発散光束が第1通過部371の外側に進行する。所定光量は、第1通過部371に到達した光の光量を示す。第1光量は、第1通過部371を通過する光の光量を示す。よって、第1光量の発散光束が第1照射領域を照射する。
【0061】
第2通過部372では、光の一部が通過して、光の一部が出射される。具体的には、第2通過部372の材料としては、例えば、第1通過部371の材料より低い透過率を有する合成樹脂が挙げられる。第2通過部372は、例えば、略半円筒形状である。
【0062】
その結果、光源部210からの発散光束は、第2通過部372に到達する。第2通過部372に到達した発散光束の一部は、第2通過部372内を通過する。そして、発散光束の一部は、第2通過部372の外側に進行する。詳細には、所定光量の発散光束が第2通過部372に到達した後、所定光量のうちの第2光量の発散光束が第2通過部372の外側に進行する。所定光量は、第2通過部372に到達した光の光量を示す。また、第2光量は、第2通過部372を通過する光の光量を示す。第2光量は、第1光量より小さい。第2光量の発散光束が第2照射領域を照射する。
【0063】
以上、図9を参照して説明したように、第1照射領域を照射する光の照度と、第2照射領域を照射する光の照度とを異ならせることができる。例えば、園路を照射する光の照度を大きくし、草むらを照射する光の照度を小さくすることができる。その結果、園路が強調されて、通行人は草むらと園路とを容易に区別できる。
【0064】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0065】
(1)図1図9を参照して説明した照明器具200では、照明器具200は、地面から立設したが、照明器具200は、天井又は、中心軸線Cが水平方向となるように壁に設置してもよい。
【0066】
(2)図1図9を参照して説明した照明器具200では、通過部270は、光源部210とセード220との間に固定されていたが、通過部270は、駆動されてもよい。照明器具200は、駆動機構を備える。駆動機構は、通過部270を、中心軸線Cを回転軸として回転する。その結果、第1照射領域と第2照射領域との位置を調整できる。
【0067】
(3)図1図9を参照して説明した照明器具200では、通過部270は、120°の略半円筒形状又は略円筒状であったが、通過部270は、略多角筒状であってもよい。
(4)図9を参照して説明した照明器具200では、第1通過部371の材料としてガラスを用いて、第2通過部372の材料として合成樹脂を用いて、第2光量が第1光量より小さくした。ただし、第1通過部371の材料と第2通過部372の材料とを同一種類の樹脂で形成して、第2通過部の表面粗さ(シボ又は梨地の密度)が、第1通過部の表面粗さ(シボ又は梨地の密度)より粗くしてもよい。その結果、第2光量が第1光量より小さくできる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、照明器具の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0069】
200 照明器具
210 光源部
220 セード
270 通過部
271 第1通過部
271a 第1開口
272 第2通過部
272a 第2開口
272b 遮光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9