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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】自動サービス装置
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20231024BHJP
【FI】
G07B15/00 L
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019203126
(22)【出願日】2019-11-08
(65)【公開番号】P2021077079
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000143396
【氏名又は名称】株式会社高見沢サイバネティックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100097320
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 貞二
(74)【代理人】
【識別番号】100131820
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 俊幸
(74)【代理人】
【識別番号】100155192
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 美代子
(74)【代理人】
【識別番号】100215049
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100100398
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 茂夫
(72)【発明者】
【氏名】水嶋 正治
(72)【発明者】
【氏名】高見沢 海平
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-147098(JP,A)
【文献】実開平01-085892(JP,U)
【文献】特開2003-295797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する光源体と;
板状の部材で形成された光透過性板状部材であって、前記光源体が発した光を入射する入射端面と、前記入射端面から入射した光を出射する出射端面とを有し、前記入射端面に切欠きが形成されていると共に前記切欠きの内部に前記光源体が設置された光透過性板状部材と;
前記光源体を収容すると共に、前記出射端面が外部から視認できるように前記光透過性板状部材が取り付けられた筐体とを備え;
前記光透過性板状部材は、表面及び裏面のそれぞれが同一平面内で広がっていると共に、前記出射端面が前記入射端面に平行な面を含み;
前記出射端面から出射された光によって、状態を表示するように構成された;
自動サービス装置。
【請求項2】
前記切欠きは、平面視における基本形状が三角形に形成され、前記三角形の辺の2つが前記光透過性板状部材との境界を形成しており
前記光透過性板状部材との境界を形成する前記三角形の辺の2つは、前記入射端面の長手方向中央側の内側辺と、外側の外側辺であり、前記三角形の辺の残りの1つは前記切り欠きが無いと仮定した場合に境界が生じる位置に相当する仮想辺であり、前記外側辺と前記仮想辺とのなす角が前記内側辺と前記仮想辺とのなす角よりも大きい;
請求項1に記載の自動サービス装置。
【請求項3】
前記切欠きは、前記光透過性板状部材との境界を形成している前記三角形の2つ辺の間の頂点が弧状に形成されている;
請求項2に記載の自動サービス装置。
【請求項4】
前記光透過性板状部材は、前記切欠きが複数形成され;
前記光源体は、前記複数の切欠きのそれぞれの内部に設置されている;
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の自動サービス装置。
【請求項5】
前記出射端面につや消し加工が施されている;
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動サービス装置。
【請求項6】
前記光透過性板状部材は、前記出射端面が、角度をもって隣接する少なくとも2面を有する;
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の自動サービス装置。
【請求項7】
前記筐体は、通過体が通過するゲートの通路を形成する空間を区画するように設置され;
前記ゲートの前記通路を形成する空間を遮る扉と;
前記ゲートの状態に応じてあらかじめ決められた色を前記出射端面に表示させる制御部とを備える;
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の自動サービス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動サービス装置に関し、特に光透過性板状部材の端面のより広範囲を光らすことができる自動サービス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物や施設などへの入場及び/又は退場を管理するゲート装置や、各種の券売機、通貨の係数や出入金を行う通貨処理装置等は、係員の対面によらず、利用者の操作によって自動でサービスを提供する自動サービス装置の一種である。例えばゲート装置では、景観が損なわれることを抑制しつつゲートの入口を目立たせるために、光透過性を有する板状部材で形成された光透過性板状部材と、ゲートの入口に面する光透過性板状部材の端面である入口端面を光らせる光を、入口端面以外の光透過性板状部材の端面から入れる発光装置とを備えるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-147098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたゲート装置は、発光装置を、入口端面に対向する辺から光を入れるように配置しているので、光らせたい入口端面の長さの分だけ発光装置を配置しており、近年の装置の小型化に伴って内部機器の設置スペースが少なくなっているものでは、十分な範囲の入口端面を光らすのが難しい場合があった。
【0005】
本発明は上述の課題に鑑み、光透過性板状部材の端面のより広範囲を光らすことができる自動サービス装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る自動サービス装置は、例えば図3(A)及び図3(B)並びに図1に示すように、光を発する光源体17と;光透過性板状部材11であって、光源体17が発した光を入射する入射端面12と、入射端面12から入射した光を出射する出射端面13とを有し、入射端面12に切欠き15が形成されていると共に切欠き15の内部に光源体17が設置された光透過性板状部材11と;光源体17を収容すると共に、出射端面13が外部から視認できるように光透過性板状部材11が取り付けられた筐体21とを備え;出射端面13から出射された光によって、状態を表示するように構成されている。ここで、自動サービス装置は、ゲート装置、券売機、通貨処理装置等の、自動でサービスを提供する装置を意図している。
【0007】
このように構成すると、光源体が発した光が、切欠き部分から入射端面に入射した際に放射状に拡散することとなり、切欠きがない直線状の端面から光を入れた場合に比べて、出射端面の広範囲を光らすことができる。
【0008】
また、本発明の第2の態様に係る自動サービス装置は、例えば図3(C)及び図3(B)に示すように、上記本発明の第1の態様に係る自動サービス装置において、切欠き15は、平面視における基本形状が三角形に形成され、三角形の辺の2つが光透過性板状部材11との境界を形成している。ここで、基本形状が三角形とは、典型的には、細部に異なる部分があったとしても全体として三角形と認識できる形状である。
【0009】
このように構成すると、光源体が発した光が切欠き部分から入射端面に入射した際に屈折し、光源体が発した光を出射端面の広範囲に到達させることができる。
【0010】
また、本発明の第3の態様に係る自動サービス装置は、例えば図3(C)に示すように、上記本発明の第2の態様に係る自動サービス装置において、切欠き15は、光透過性板状部材11との境界を形成している三角形の2つ辺の間の頂点が弧状に形成されている。
【0011】
このように構成すると、切欠きの加工の難易度を低減することができると共に、頂点の方向の周辺に均一な光を照射することができる。
【0012】
また、本発明の第4の態様に係る自動サービス装置は、例えば図3(A)に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つの態様に係る自動サービス装置において、光透過性板状部材11は、切欠き15が複数形成され;光源体17は、複数の切欠き15のそれぞれの内部に設置されている。
【0013】
このように構成すると、比較的少ない光源体で出射端面のより広範囲を光らすことができる。
【0014】
また、本発明の第5の態様に係る自動サービス装置は、例えば図3(B)を参照して示すと、上記本発明の第1の態様乃至第4の態様のいずれか1つの態様に係る自動サービス装置において、出射端面13につや消し加工が施されている。
【0015】
このように構成すると、1つの光源体からの光の大部分が出射端面の1ヶ所に集中して表れてしまうことを抑制することができ、出射端面において光の強弱がついてしまうことを和らげることができて、出射端面全体をできるだけ均一に光らすことができる。
【0016】
また、本発明の第6の態様に係る自動サービス装置は、例えば図3(B)に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第5の態様のいずれか1つの態様に係る自動サービス装置において、光透過性板状部材11は、出射端面13が、角度をもって隣接する少なくとも2面13a、13b、13c、13dを有する。
【0017】
このように構成すると、出射端面を視認できる角度を広げることができる。
【0018】
また、本発明の第7の態様に係る自動サービス装置は、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第6の態様のいずれか1つの態様に係る自動サービス装置において、筐体21は、通過体Mが通過するゲートGの通路Wを形成する空間を区画するように設置され;ゲートGの通路Wを形成する空間を遮る扉51と;ゲートGの状態に応じてあらかじめ決められた色を出射端面13に表示させる制御部60とを備える。
【0019】
このように構成すると、ゲートの状態に応じて出射端面が色を表示するので、通過者によるゲートの円滑な通過を補助することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、光源体が発した光が、切欠き部分から入射端面に入射した際に放射状に拡散することとなり、切欠きがない直線状の端面から光を入れた場合に比べて、出射端面の広範囲を光らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態に係るゲート装置の概略構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係るゲート装置の一態様である主機の概略構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
図3】(A)は本発明の実施の形態に係るゲート装置が備える案内部の平面図、(B)は案内部が有する透明板の斜視図、(C)は切欠き部分の拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0023】
図1及び図2を参照して、本発明の実施の形態に係るゲート装置1を説明する。図1は、ゲート装置1の概略構成を示す斜視図である。図2(A)はゲート装置1の一態様である主機1Aの概略構成を示す平面図、図2(B)は主機1Aの概略構成を示す側面図である。ゲート装置1は、自動でゲート開閉の管理サービスを提供する装置であり、自動サービス装置の一形態である。本実施の形態では、図1に示すように、主機1Aと、ゲート装置1の別の態様である従機1Bと、ゲート装置1のさらに別の態様である共機1Cと、の3台のゲート装置1が協働して2つのゲートGを形成している。詳細には、主機1Aと共機1Cとで第1ゲートG1を形成し、従機1Bと共機1Cとで第2ゲートG2を形成している。以下、第1ゲートG1及び第2ゲートG2の共通の性質を説明するときは、単に「ゲートG」と総称する。ゲートGは、通過体としての通行者Mの通過の可否に応じて開閉する入退場口となっている。ゲートGは、管理区域の内外を仕切る機能を有しており、管理区域の外側を入場側NE、管理区域の内側を退場側TEということとする。通行者Mは、本実施の形態では、ゲートGの通行の可否が判断される管理対象者となっている。通行者MがゲートGの通行を許可された者であるか否かは、本実施の形態では、通行者Mが所持している非接触型ICカードC(以下、単に「カードC」という。)に記録されている情報に基づいて判断される。カードCは、ゲートGの通過の可否に関する情報が記録された記録媒体として機能する。このようなゲートGは、好適には、商用ビル、図書館、大学、交通機関等に設置される。
【0024】
まず、主機1Aの構成を説明する。主機1Aは、通行者MにゲートGの状態を表示する案内部10(図2(A)参照)と、案内部10を収容すると共にゲートGの通路Wを形成するように空間を区画する筐体21と、カードCと無線通信する認証器41と、通行者MによるゲートGの通過を検知する検知部45と、通路Wを遮断可能な扉51と、主機1Aの動作を制御する制御部60とを備えている。案内部10は、大部分が筐体21の内部に収容されているため、図3を併せて参照してその構成を説明する。
【0025】
図3(A)は案内部10の平面図、図3(B)は案内部10が有する透明板11の斜視図、図3(C)は透明板11に形成された切欠き部分の拡大平面図である。案内部10は、透明板11と、光源部16とを有している。透明板11は、光透過性を有する板状の部材で形成されており、光透過性板状部材に相当する。ここで、光透過性を有するとは、透明(透過率が極めて高く物質を通してその向こう側が透けて見える状態の性質)及び透光性(透明と同様に光が透過する性質を有しているが、透過する光が拡散されるため、又は透過率が低いために、透明と違ってその材質を通して向こう側の形状等を明確に又はまったく認識できない状態の性質)の総称である。透明板11は、本実施の形態では、透明のアクリル樹脂で形成された板を原料としている。
【0026】
透明板11は、本実施の形態では、平面視において、やや細長い長方形状の両短辺のそれぞれが外側に突き出るような概ね2本の折れ線状になっていて、全体的に変則的な六角形の基本形状を有している。ここで、平面視とは、板状の表面に垂直な方向から見た状態である。また、六角形の基本形状とは、細部に異なる部分があったとしても全体として六角形と認識できる形状である。透明板11は、平面視における変則的な六角形の、平行に延びる一対の長辺のうちの一方に連なる端面が入射端面12となっており、長辺の他方とこれに隣接する辺とに連なる端面が出射端面13となっている。入射端面12と出射端面13との間には、左右それぞれに、左側端面14Lと右側端面14Rとを有している。透明板11の厚さ(端面の幅)は、強度と軽量化とを勘案しつつ、ゲート装置1の外から視認できる厚さとなるように決定するとよく、5mm~15mm程度とするとよく、8mm、10mm、13mm等の適切な厚さを採用することもできるが、本実施の形態では5mmのものを採用している。
【0027】
入射端面12は、光源部16で発した光が透明板11に入る面である。入射端面12には、複数の切欠き15が形成されている。切欠き15は、本実施の形態では、入射端面12の長手方向中央から左側に左切欠き15Lが3つ、右側に右切欠き15Rが3つの、合計6個が形成されている。図3(C)に示すように、左切欠き15Lは、平面視における基本形状が三角形に形成されている。ここで、基本形状が三角形とは、細部に異なる部分があったとしても全体として三角形と認識できる形状である。左切欠き15Lは、入射端面12の長手方向中央側の内側辺15cと、外側の外側辺15sと、切欠き15が無いと仮定した場合に境界が生じる位置に相当する仮想辺15vとの3つの辺で、基本の三角形を形成している。現実には、内側辺15cと外側辺15sとの2つの辺が、切欠き15と透明板11との境界を形成していると共に、内側辺15cと外側辺15sとの間に頂点15tが形成されている。左切欠き15Lの存在により、光源部16で発した光が透明板11に入る際に、光源部16の光源体に対する、内側辺15c及び外側辺15sにおける位置に応じて、光の入射角が異なることから、スネルの法則に従う屈折角も内側辺15c及び外側辺15sにおける位置に応じて異なることとなり、光が透明板11内を伝播する際に広い範囲に拡散することとなる。ここで、本実施の形態にスネルの法則を当てはめると、透明板11の周囲の雰囲気の屈折率nと光の入射角θの正弦との積が、透明板11の屈折率nと屈折角θの正弦との積に等しくなる(n×sinθ=n×sinθ)。左切欠き15Lは、本実施の形態では、透明板11内の光の屈折及び拡散等の要素を鋭意研究の末、外側辺15sと仮想辺15vとのなす角を、内側辺15cと仮想辺15vとのなす角よりも大きくすると、出射端面13における外側部分への光の回り込みがよいことが分かった。典型的な実施の形態では、外側辺15sと仮想辺15vとのなす角を約80度、内側辺15cに対する外側辺15sとの角度及び仮想辺15vとの角度をそれぞれ約50度としている。概観すると、左切欠き15Lは、頂点15tを通り仮想辺15vに垂直な直線に対して非線対称に形成されている。しかしながら、透明板11の材質や全体形状等に応じて切欠き15の形状や大きさを適宜調整することができる。左切欠き15Lは、頂点15tが弧状に形成されている。頂点15tの弧状は、典型的には円弧状であるが、楕円弧状等の曲率が変化する弧状であってもよい。頂点15tを弧状にすることにより、切欠き15を形成する際の頂点15t付近の加工の難易度を低減することができ、入射端面12に垂直な方向へまとまった光を概ね均一に照射することが可能になる。左切欠き15Lは、透明板11の厚さの方向に同じ形状及び大きさで延びている。右切欠き15Rは、左切欠き15Lに対して、入射端面12に垂直な線を対称軸とする線対称に形成されている。また、入射端面12には、複数の切欠き15の群の両外側に、結束部材や基板の端子の逃げ用の窪み12dが形成されている。
【0028】
出射端面13は、入射端面12から透明板11に入射された光を出射する端面である。出射端面13は、角度をもって隣接する以下の4つの平面を有している。正出射端面13aは、入射端面12に平行で、入射端面12よりも長手方向の長さが長くなっている。右出射端面13bは、正出射端面13aの右側に隣接しており、右出射端面13bと正出射端面13aとのなす角は135度となっている。左出射端面13cは、正出射端面13aの左側に隣接しており、左出射端面13cと正出射端面13aとのなす角は135度となっている。裏出射端面13dは、左出射端面13cの左側(正出射端面13aに隣接する側とは反対側)に隣接しており、裏出射端面13dと左出射端面13cとのなす角は90度となっている。右出射端面13b及び左出射端面13cは、それぞれの長手方向の長さが、入射端面12と出射端面13との最短距離の概ね0.5~0.7倍、典型的には0.6倍になっている。裏出射端面13dの長手方向の長さは、左出射端面13cと同じかやや短くなっている。出射端面13は、つや消し加工が施されている。出射端面13のつや消し加工は、例えばヤスリを用いて施すことができる。本実施の形態では、#230の粒度のダイヤモンドヤスリを用いてつや消し加工を行っているが、所望の粗さに適した番手のヤスリを用いればよい。
【0029】
左側端面14Lは、裏出射端面13dから一段下がった位置で裏出射端面13dに平行に延びていると共に入射端面12に隣接しており、左側端面14Lと入射端面12とのなす角は128度となっている。右側端面14Rは、右出射端面13bの端部から一段下がった位置で右出射端面13bに対して90度に延びていると共に入射端面12に隣接しており、右側端面14Rと入射端面12とのなす角は142度となっている。透明板11は、表面及び裏面に、遮光手段(不図示)を設けるとよい。遮光手段は、例えば、鏡面コーティング、白色コーティング、白色塗面等とするとよく、これらは塗料を塗布して形成してもよく、シートで覆うこととしてもよい。遮光手段は、入射端面12から出射端面13に向かって所定の幅以上をカバーするものとするとよい。ここでの所定の幅は、スネルの法則に基づいて算出することができる。すなわち、遮光手段は、少なくとも、それがなければ光源部16が発した光が透明板11の表面及び裏面から外部に射出する範囲をカバーするように設けられているとよい。
【0030】
光源部16(図3(A)参照)は、LED17と、LED17が取り付けられた基板18とを有している。LED17は、光を発する部品であり、光源体に相当する。光源体としてLEDを採用すると、LEDは小型で消費電力が少ないので電源(不図示)を含めた設置スペースが小さくて済み、収納スペースが小さいゲート装置1に有利であると共に、発光色を適宜変えることができるという利点がある。LED17は、赤、緑、青の三色(光の三原色)を有しており、これらの1つ又は複数の組み合わせを発光することで、多彩な色を表現することができるように構成されている。なお、LED17は、用途に応じて、単色あるいは2色の切り換え又は組み合わせで発光するものであってもよい。LED17は、透明板11に形成された切欠き15の数と同数が設けられ、本実施の形態では6個が設けられている。各LED17は、透明板11に形成された複数の切欠き15と同じ間隔で、基板18に取り付けられている。基板18は、細長い長方形状に形成されており、長手方向の長さは切欠き15の群を包含する長さ(本実施の形態では、概ね両窪み12d間の長さ)で、幅は入射端面12の幅以下に形成されている。基板18に複数のLED17が取り付けられて構成された光源部16は、各LED17が各切欠き15の内部に位置する態様で、基板18の面が入射端面12にあてがわれて、透明板11に取り付けられている。三角形の基本形状を有する切欠き15の内部にLED17が配置されていることにより、LED17が発した光が、内側辺15c、外側辺15s、頂点15tのそれぞれから透明板11内に入射し、その際に適宜屈折するので、出射端面13の比較的広範囲から出射することとなる。特に、外側辺15sが仮想辺15vに対して直角に近い角度を有するため、外側辺15sから透明板11に入射した光は屈折してより外側に進むこととなり、正出射端面13a以外の出射端面13、13c、13dをも光らすことができる。このように、案内部10は、1つのLED17につき出射端面13の広範囲を光らすことができ、複数のLED17が協働してさらに出射端面13の広範囲を光らすことができる。このように構成された、透明板11と光源部16とを有する案内部10は、前述のように、筐体21に収容されている。
【0031】
図2に示すように、筐体21は、通路Wが延びる方向に見て、前後及び上下に長い概ね直方体状に形成されている。以下、説明の便宜上、筐体21を構成する各部に分けて説明する。筐体21は、ベース部22と、ベース部22の上に設けられた主部23と、主部23に対して通路Wの入場側NEに設けられた前部24と、主部23に対して前部24の反対側(退場側TE)に設けられた後部25と、主部23並びに前部24及び後部25の上に設けられた上部26とを含んでいる。近年のゲート装置は、意匠性が重視されることが多く、スタイリッシュで小型化が好まれる傾向にある。この傾向を反映して、筐体21は、全体的にスリムな外観を呈している。筐体21は、典型的には、直立している成人の腰から肘あたりの高さを有している。ベース部22は、筐体21の最下部に設けられる部分である。ベース部22は、ゲートGの通路Wが形成される床に固定されている。ベース部22は、細長い厚板状に形成されており、上面に主部23を取り付けるための接続部品が設けられている。
【0032】
主部23は筐体21の大部分を占める主要な部分である。主部23は、側面視(図2(B)参照)において、正方形又は正方形に近い矩形に形成されている。主部23は、さらに、下方から上方に向けて、下収納部23s、区画部23p、上収納部23tに区別することができる。下収納部23sは、概ね主部23の下半分~2/3を占める部分である。下収納部23sは、幅(通路Wを通過する方向に直交する水平方向の長さ)が筐体21の最大幅になっており、検知部45の一部と、扉51を駆動する駆動装置55と、制御部60とを収納している。区画部23pは、下収納部23sよりも上方の主部23の大部分を占める大きさに形成されており、鉛直方向において下収納部23sと上収納部23tとに挟まれている。区画部23pは、薄板状に形成されており、主部23の幅を2等分する位置で、前後及び上下に延びるように配置されている。このように区画部23pが配置されていることで、下収納部23sの表面を拡張した仮想平面と区画部23pを構成する薄板との間に、扉51を納めることができるようになっている。上収納部23tは、主部23の最上部に位置している部分である。上収納部23tは、平面視において、下収納部23sと同じ形状及び大きさに形成されている。上収納部23tは、検知部45の一部を収納すると共に、扉51の回転軸53(図1参照)の上端を支持するように構成されている。
【0033】
前部24は、鉛直上下に長い三角柱状に形成されている。前部24は、平面視において、通路Wの入場側NEに、直角二等辺三角形の斜辺が位置するように配置されている。後部25は、前部24と同じ構成となっている。後部25は、平面視における筐体21の図心を対称中心として前部24に対して点対称の位置に配置されている。上部26は、筐体21の上端を構成している。上部26は、平面視において、主部23に前部24及び後部25を連接したものの輪郭と同じ輪郭に形成されている。そのため、上部26は、平面形状が、一対の平行な長辺に対して一対の平行な短辺が45度傾いた平行四辺形になっている。上部26には、入場側NEの端部に、認証器41が組み込まれている。上部26は、極力周辺の景観を損なわないようにする観点から、認証器41を組み込むことができる範囲内で極力小さく形成されており、本実施の形態では細長い厚板状に形成されている。また、外観重視(意匠性重視)の観点から、上部26の上面を平面状として、ゲート装置1の高さを抑えている。また、上部26には、進行方向における長さの中央部分の天面に、補助表示部48が設けられている。補助表示部48は、通行者MによるゲートG通過の可否の判断結果を色によって簡易的に表示するように構成されている。
【0034】
筐体21には、前述した案内部10が取り付けられている。案内部10は、前部24と上部26との間に設けられている。案内部10は、透明板11の出射端面13が筐体21の外表面に表れ、その他の部分が筐体21の内部に収容される態様で、筐体21に設置されている。したがって、光源部16はもとより、入射端面12、左側端面14L、右側端面14R、並びに透明板11の表面及び裏面も、筐体21の内部に収まっている。出射端面13は、正出射端面13aが、上部26の入場側NEの斜めの短辺に沿って位置している。右出射端面13bは、通路Wの側に面している。左出射端面13cは、通路Wの移動方向に正対している。裏出射端面13dは、通路Wの外側に面している。このような位置に透明板11が設置されていることで、出射端面13が光ったときに、通路Wに向かって近づいてくる通行者Mはもちろん、ゲート装置1の外側にいる通行者MもゲートGの入口を認識することができると共に、扉51に向かって通路Wに進入した通行者Mは右出射端面13bに表れる光を介してゲート装置1の状態を把握することができる。
【0035】
認証器41は、カードCと通信する機器である。認証器41は、カードCに記録された情報を読み取ると共にカードCに対して情報を書き込むICカードリーダライタで構成されている。認証器41が行う情報の書き込みは、新たな情報を追加することの他、既存の情報を新たな情報に書き換える上書きすることを含む。認証器41は、前述のように、筐体21の上部26に配置されている。より詳細には、通路Wの進行方向で見て、右側に位置する筐体21の、扉51の回転軸53の位置よりも上流側に配置されており、典型的には入場側NEの端部に配置されている。また、認証器41は、カードCに対して無線通信可能な距離が限られているため、カードCを翳す目安となる場所を表示するとよい。認証器41は、通行者Mが必要な動作を音声で案内する音声部(不図示)を有していてもよい。なお、上部26の入場側NEの端部(認証器41を設置しようとする場所)にスペースの制約がある場合は、少なくとも認証器41のアンテナが上部26の入場側NEの端部に配置されていればよく、アンテナ以外の認証器41の構成を別の場所(例えば制御部60の収納場所)に配置してもよい。
【0036】
検知部45は、通路Wを通る通行者Mを検知する機器である。検知部45は、筐体21の主部23の下収納部23s及び上収納部23tのそれぞれの、通路W上の空間の側の側面に設けられている。各検知部45は、進行方向に見て、扉51の位置を越えて、主部23の端から端までをカバーするように設けられている。検知部45は、典型的には赤外線や超音波を用いた人感センサで構成されている。
【0037】
扉51は、通路W上の空間を遮る部材である。扉51は、本実施の形態では、板状の部材が直角三角形に形成されたものが用いられている。扉51の高さ寸法は、本実施の形態では、概ね区画部23pの高さと同じ高さになっている。扉51の幅は、概ね通路Wの幅と同じ幅に形成されている。扉51は、本実施の形態では透光性の板状部材で形成されているが、透明の材料で形成されていてもよく、あるいは、軽量化の観点からウレタンや射出成形用の合成樹脂で形成されていてもよく、剛性を高める観点から金属板やアクリル等の合成樹脂の厚板で形成されていてもよい。透光性の板状部材で形成されている扉51は、案内部10が有する光源部16と同様の構成を備えることとして、扉51の端面を光らすこともできる。扉51は、直角三角形の直交する2つの辺のうち、長い方の辺が下端で水平に延びている一方で、短い方の辺が、鉛直に延びた棒状の回転軸53に、扉取付部52を介して固定されている。回転軸53は、その下端が、下収納部23sに収納されている駆動装置55に取り付けられている。回転軸53の上端は、上収納部23tに、回転可能に支持されている。回転軸53は、区画部23pよりも通路Wの側で、進行方向における区画部23pの長さの中間の位置に配置されている。回転軸53は、下端に取り付けられた駆動装置55によって、軸線回りに正逆方向に回転(回動)することができるように構成されている。
【0038】
制御部60は、本実施の形態では、前述のように筐体21の主部23の下収納部23s内に収納されている。制御部60は、光源部16、認証器41、検知部45、補助表示部48、駆動装置55、共機1Cのそれぞれに対して電気的に接続されており、制御信号を受信及び/又は送信することができるように構成されている。より詳細には、制御部60は、光源部16及び補助表示部48が発する光の色や点灯時間等の発光態様を制御することができるように構成されている。また、制御部60は、認証器41で読み取ったカードCの情報に基づいてそのカードCを翳した通行者MのゲートG通過の可否を判断すると共に、判断した結果を認証器41に送信することができるように構成されている。また、制御部60は、検知部45で通行者Mが検知されたか否かを受信することができるように構成されている。また、制御部60は、認証器41で読み取った情報の判定結果に基づいて駆動装置55を駆動させて扉51を開け閉めすることができるように構成されている。また、制御部60には、光源部16の、ゲート装置1の状態に応じた発光態様が記憶されている。また、制御部60は、共機1Cの制御部60と接続されており、第1ゲートG1についての共機1Cの動作を制御することができるように構成されている。また、制御部60は、ゲート装置1をシステムとして管理するホストコンピュータ等の上位装置(不図示)と通信部(不図示)を介して接続されている。
【0039】
次に、従機1B及び共機1Cの構成を説明する。従機1Bは、概ね主機1Aと同様に構成されているが、第2ゲートG2を構成する際の設置の向きが主機1Aとは異なっている。つまり、出射端面13が表れる側で認証器41が配置されている側が、主機1Aでは入場側NEであるのに対し、従機1Bでは退場側TEになるように設置されている。また、従機1Bでは、扉51が、形状は主機1Aと同じであるが、向きが上下反転して、直角三角形の長辺が上端で水平に延びるように設けられている。なお、ホストコンピュータ等の上位装置(不図示)との通信が別のゲート装置1(例えば共機1C)を介して行われる場合は、通信部(不図示)を省略すると共に上位装置(不図示)と接続されていなくてもよい。従機1Bの上記以外の構成は、主機1Aと同様である。共機1Cは、主機1A及び従機1Bの機能を併せ持つゲート装置1である。共機1Cは、主機1Aと比較して、認証器41が退場側TEにも設けられていて入場側NEと併せて合計2つ設けられており、検知部45及び扉51のそれぞれが筐体21の両側に合計2つずつ設けられている。共機1Cの各扉51は、主機1Aに対向する側(第1ゲートG1を構成する側)に設けられたものは従機1Bと同様に直角三角形の長辺が上端で水平に延びており、従機1Bに対向する側(第2ゲートG2を構成する側)に設けられたものは主機1Aと同様に直角三角形の長辺が下端で水平に延びている。共機1Cは、第1ゲートG1を構成する要素と第2ゲートG2を構成する要素とを兼ねており、第1ゲートG1に対しては従機1Bと同様に作用し、第2ゲートG2に対しては主機1Aと同様に作用するように構成されている。なお、ゲートGにおいて、ホストコンピュータ等の上位装置(不図示)との通信が共機1Cを主として行われる場合は、主機1Aにおいて通信部(不図示)を省略すると共に上位装置(不図示)と接続されていなくてもよい。
【0040】
図1に示すように、本実施の形態では、共機1Cを中心として、両側に主機1A及び従機1Bがそれぞれ配置されている。主機1Aと従機1Bと共機1Cとは、隣接するそれぞれのベース部22同士が、通路Wの幅をあけて平行になるようにして、床に固定されている。換言すれば、通路Wの幅は、主機1Aと共機1C及び従機1Bと共機1Cの各間隔を調節することで適宜決定することができる。主機1A、従機1B、共機1Cは、通行者Mが右手で持ったカードCを認証器41に翳すことができるように配置されている。
【0041】
引き続き図1乃至図3を参照して、ゲート装置1の作用を説明する。以下の説明において、理解の容易化の観点から説明を簡略化するために、第1ゲートG1を利用する際の主機1A及び共機1Cの作用を説明することとし、主機1Aの構成部材と共機1Cの構成部材とを区別する必要がある場合は、主機1Aの構成部材には接頭語「主」を付すと共に符号の末尾に欧文字「A」を付し、共機1Cの構成部材には接頭語「共」を付すと共に符号の末尾に欧文字「C」を付すこととする。また、特に言及がない場合は、主機1A及び共機1Cそれぞれの構成部材が同じ動作をするものとする。
【0042】
ゲート装置1は、通行者Mの通行がない場合、通行者Mの通過を待機する状態となっている。待機状態では、扉51は閉じた状態(通路Wを遮った状態)となっている。また、待機状態では、光源部16から青色の光が出射されている。光源部16から出射された光は、入射端面12の各切欠き15から透明板11に入射して、透明板11内を全反射により伝搬し、出射端面13において発光して、出射端面13全体が青色に点灯する。このように出射端面13が発光することで、周囲の景観に溶け込んで認識しにくい透明板11の存在を通行者Mに認知させることができ、通行者MにゲートGの入口の場所を明示することができる。なお、待機状態において出射端面13が青色に点灯するのは、主機1Aの入場側NE及び共機1Cの退場側TEの双方である。双方の出射端面13が青色に点灯していることにより、ゲートGへの進入が双方で可能な状態であることを示している。このように、光る出射端面13は、通行者Mに対して、ゲートGへの入口の場所を明示するだけでなく、入場の可否やゲート装置1の状態を分かりやすく示すこともできる。このことを別の視点から見れば、入場の可否やゲート装置1の状態を表示する表示手段を筐体21の上部に設置することが周囲の景観を損なう等の理由で制限される場合に、光る出射端面13によって周囲の景観を損なわせずに表示手段の機能を実現することができるといえる。なお、待機状態において、認証器41の表面(上面)を青色に明滅させることとして、通行者MにカードCを翳す場所を明示するようにしてもよい。
【0043】
ゲート装置1が待機状態のときに、通行者Mが入場側NEのゲートGに入ろうとして主認証器41AにカードCを翳すと、主認証器41Aは、翳されたカードCに記録されている情報を読み取る。このとき、主認証器41Aは、情報を読み取った旨を知らせる「ピッ」という電子音が鳴ることとしてもよい。主認証器41Aは、カードCから読み取った情報を信号として主制御部60Aに送信する。主制御部60Aは、主認証器41Aから受信した情報に基づいて、そのカードCを翳した通行者Mが入場を許可された者か否かを判断する。
【0044】
主制御部60Aは、通行者Mが入場を許可された者ではないと判断した場合、ゲート装置1を以下のように作動させる。扉51については、閉じた状態(通路Wを遮った状態)を維持する。主補助表示部48Aについては、赤色で点滅させる。主補助表示部48Aが赤色で点滅していることにより、主認証器41Aで読み取ったカードCの判定結果としてゲートGの通行を許可できないことを示している。なお、主補助表示部48Aを赤色に点滅させることと併せて、ブザーを鳴動させて通行者Mに知らせてもよい。そして、主補助表示部48Aについて、赤色に数秒間(典型的には2~3秒)点滅させた後、消灯させる。主補助表示部48Aを消灯させることにより、主認証器41Aでは、次の通行者MのカードCとの通信を行うことができない状態であることを示している。主出射端面13Aについては、青色の点灯を継続させる。主出射端面13Aが青色に点灯していることにより、入場が許可されなかった通行者Mが入場側NEの入口へ戻ることができると共に、入場側NEの入口からの進入が可能であることを示している。共出射端面13Cについては、赤色に点灯させる。共出射端面13Cが赤色に点灯していることにより、退場側TEの入口からの進入ができないことを示している。制御部60は、上述の状態を、別のカードCが主認証器41Aに翳されるまで、あるいは、通路Wに進入した通行者Mが入場側NEの入口から通路Wの外に出たことを検知部45が検知するまで維持する。
【0045】
主制御部60Aは、通行者Mが入場を許可された者であると判断した場合、ゲート装置1を以下のように作動させる。なお、主制御部60Aは、必要に応じて、主認証器41Aを介してカードCに情報を書き込むこととしてもよい。主補助表示部48Aについては、青色で点灯させる。主補助表示部48Aが青色で点灯することにより、主認証器41Aで読み取ったカードCの判定結果としてゲートGの通行を許可することを示している。主補助表示部48Aについては、上述のように青色で数秒間(典型的には2~3秒)点灯させ、その後消灯することで主認証器41AではカードCとの通信を行うことができない状態であることを示している。共補助表示部48Cについては、完全消灯させる。共補助表示部48Cが消灯していることにより、共認証器41CではカードCとの通信を行うことができない状態であることを示している。主出射端面13Aについては、青色の点灯を継続させる。主出射端面13Aが青色に点灯していることにより、ゲートGの通行を許可することを示している。共出射端面13Cについては、赤色に点灯させる。共出射端面13Cが赤色に点灯していることにより、退場側TEの入口からの進入ができないことを示している。また、制御部60は、駆動装置55を作動させることで扉51を退場側TEの入口の方向に回動させて、扉51を開いた状態(通路Wを遮っていない状態)にする。
【0046】
扉51が開いた状態になったら、主制御部60Aは、ゲート装置1を以下のように作動させる。主出射端面13Aについては、消灯させる。主出射端面13Aが消灯することにより、共連れによる入場側NEの入口からのゲートGへの進入及び主認証器41Aによる次の通行者MのカードCとの通信を行うことができない状態であることを示している。制御部60は、上述の状態を、所定の時間が経過するまで、あるいは、通行者Mが通路Wの外に出たことを検知部45が検知するまで維持する。制御部60は、扉51が開いた状態になってから所定の時間が経過したときに通行者Mが通路W内にいない場合、あるいは所定時間が経過した後で通行者Mが通路Wの外に出た場合に、前述した待機状態に、ゲート装置1を作動させる。
【0047】
通行者Mが退場側TEの入口から第1ゲートG1に入る場合のゲート装置1の作用は、上述した主機1A及び共機1Cの各動作を相互に入れ替えたものとなる。また、通行者Mが入場側NEの入口から第2ゲートG2に入る場合のゲート装置1の作用は、上述した主機1Aの各動作を共機1Cが行い、共機1Cの各動作を従機1Bが行うこととなる。また、通行者Mが退場側TEの入口から第2ゲートG2に入る場合のゲート装置1の作用は、入場側NEの入口から第2ゲートG2に入る場合の共機1C及び従機1Bの各動作を相互に入れ替えたものとなる。
【0048】
以上で説明したように、本実施の形態に係るゲート装置1によれば、案内部10を構成する透明板11の入射端面12に三角形状の切欠き15が形成され、LED17が切欠き15の内部に配置されているので、1つの光源で出射端面13の広範囲を光らすことができると共に、出射端面13を光らせることで、周囲の景観に溶け込んで認識しにくい透明板11(案内部10)の存在を通行者Mに認知させることができる。また、出射端面13につや消し加工が施されているので、1つのLED17からの光の大部分が出射端面13の1ヶ所に集中して表れてしまうことを抑制することができ、出射端面13において光の強弱がついてしまうことを和らげることができて、出射端面13全体を極力均一に光らすことができる。また、出射端面13の4つの面を光らすことができるので、広い角度から出射端面13(案内部10)を視認することができる。
【0049】
以上の説明では、主機1Aと従機1Bと共機1Cとの3台のゲート装置1が協働して2つのゲートGを形成しているとしたが、共機1Cを省略して主機1Aと従機1Bとが協働して1つのゲートGを形成することとしてもよく、主機1Aの1台を壁際に設置して壁と主機1Aとで1つのゲートGを形成することとしてもよい。あるいは、主機1Aと従機1Bとの間に設置する共機1Cが、図1に例示するような1台のみならず、複数台であってもよく、共機1Cを2台設置した場合は3つのゲートGができ、共機1Cをn台設置した場合は(n+1)個のゲートGができる。
【0050】
以上の説明では、透明板11の入射端面12に形成された切欠き15の平面視における基本形状が、頂点15tを通り仮想辺15vに垂直な直線に対して非線対称の三角形であるとしたが、透明板11の平面形状によっては、線対称の三角形であってもよく、あるいは三角形に限らず円弧状や楕円弧状や多角形状であってもよい。いずれの場合も、光源部16から発した光が出射端面13の広範囲をできるだけ均一に光らすように、切欠き15が形成されていることが好ましい。
【0051】
以上の説明では、出射端面13が角度をもって隣接する4つの平面(正出射端面13a、右出射端面13b、左出射端面13c、裏出射端面13d)を有しているとしたが、面の数は適宜変更することができ、また、各面は1つ又は複数が平面に限らず曲面であってもよい。また、角度をもって隣接する複数の面を有さずに、全体として1つの平面あるいは曲面で形成されていてもよい。つまり、出射端面13は、自動サービス装置の用途に応じて適切な形状を採用することができる。
【0052】
以上の説明では、認証器41がカードリーダライタで構成されているとしたが、顔認証装置や指紋認証装置等の、カードリーダライタ以外の装置で構成されていてもよい。また、認証が不要な場合は認証器41を設けなくてもよい。
【0053】
以上の説明では、補助表示部48が設けられているとしたが、認証器41に色を表示する機能が備わっていて認証器41で代替できる場合、電子音やブザー音で補助表示部48の機能を代替できる場合、あるいは補助表示部48の機能が不要な場合は、補助表示部48を設けなくてもよい。あるいは、補助表示部48を設ける場合に、案内部10に倣って、切欠きが形成された透明板と、切欠きに配置された光源体とを設け、切欠きの位置及び形状を適切に形成しつつ光源体を適切に構成して、補助表示部48にゲート装置1の状態を表示させることとしてもよい。例えば、補助表示部48に対し、案内部10と同様の、入射端面に複数の切欠きを形成した透明板と、各切欠きに配置した複数の光源体とを設け、通行者Mの進行方向で見て下流側半分の光源体をONにしつつ上流側半分の光源体をOFFにすることで、通行者Mの進行方向側を明るく光らせるように光源体を制御することとしてもよい。
【0054】
以上の説明では、通過体が通行者Mであるとしたが、搬送ロボット等の機械体でもよく、人間以外の動物であってもよい。
【0055】
以上の説明では、自動サービス装置がゲート装置1であるとしたが、券売機、通貨処理装置、駐輪機等の、ゲート装置1以外の自動でサービスを提供する装置であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 ゲート装置
11 透明板
12 入射端面
13 出射端面
13a 正出射端面
13b 右出射端面
13c 左出射端面
13d 裏出射端面
15 切欠き
17 LED
21 筐体
51 扉
60 制御部
G ゲート
M 通行者
W 通路
図1
図2
図3