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特許7372126画像形成装置及び画像形成装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231024BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231024BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20231024BHJP
   G06F 3/04847 20220101ALI20231024BHJP
【FI】
H04N1/00 350
B41J29/38 202
B41J29/38 801
B41J29/42 F
G06F3/04847
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019213332
(22)【出願日】2019-11-26
(65)【公開番号】P2021087060
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】中川 寛治
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-073150(JP,A)
【文献】特開2018-157241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/42
G06F 3/048- 3/04895
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定項目の設定値の情報である設定情報に基づいてジョブ処理を行う画像形成装置において、
前記設定項目と、前記設定値とを含む設定画面を表示する表示部と、
前記設定項目の初期設定値と、過去の設定情報の蓄積である設定情報履歴とを記憶する記憶部と、
前記設定項目の設定値を定める設定処理と前記ジョブ処理を実行する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記設定項目の設定値が前記初期設定値から変更されると、変更された前記設定値を含む1以上の設定情報を前記設定情報履歴から抽出し
前記表示部に前記設定項目に対応して前記設定情報履歴から抽出した設定情報を含む履歴表示情報を選択可能に表示し、
前記履歴表示情報として表示されている設定情報に含まれる設定値のうち、前記設定項目に設定されている設定値と一致していない設定値を識別可能に表示する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記履歴表示情報を、時系列に並べて表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記履歴表示情報に含まれる設定値のうち、前記設定項目に設定されている設定値と一致している設定値は非表示にすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
設定項目の設定値の情報である設定情報に基づいてジョブ処理を行う画像形成装置において、
設定画面を表示する表示部と、
前記設定項目の初期設定値と、過去の設定情報の蓄積である設定情報履歴とを記憶する記憶部と、
前記設定項目の設定値を定める設定処理と前記ジョブ処理を実行する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記設定項目の設定値が前記初期設定値から変更されると、変更された前記設定値を含む1以上の設定情報を前記設定情報履歴から抽出して履歴表示情報とし、前記表示部に選択可能に表示し、
前記履歴表示情報を、前記設定画面に表示されている前記設定情報との不一致点が多い順に並べて表示する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
設定項目の設定値の情報である設定情報に基づいてジョブ処理を行う画像形成装置の制御方法において、
前記設定項目と、前記設定値とを含む設定画面を表示部に表示する表示ステップと、
前記設定項目の初期設定値と、過去の設定情報の蓄積である設定情報履歴とを記憶する記憶ステップと、
前記設定項目の設定値を定める設定処理と前記ジョブ処理を実行する制御ステップと、
を備え、
前記制御ステップは、
前記設定項目の設定値が前記初期設定値から変更されると、変更された前記設定値を含む1以上の設定情報を前記設定情報履歴から抽出し
前記表示部に前記設定項目に対応して前記設定情報履歴から抽出した設定情報を含む履歴表示情報を選択可能に表示し、
前記履歴表示情報として表示されている設定情報に含まれる設定値のうち、前記設定項目に設定されている設定値と一致していない設定値を識別可能に表示する
画像形成装置の制御方法。
【請求項6】
設定項目の設定値の情報である設定情報に基づいてジョブ処理を行う画像形成装置の制御方法において、
設定画面を表示部に表示する表示ステップと、
前記設定項目の初期設定値と、過去の設定情報の蓄積である設定情報履歴とを記憶する記憶ステップと、
前記設定項目の設定値を定める設定処理と前記ジョブ処理を実行する制御ステップと、
を備え、
前記制御ステップは、
前記設定項目の設定値が前記初期設定値から変更されると、変更された前記設定値を含む1以上の設定情報を前記設定情報履歴から抽出して履歴表示情報とし、前記表示部に選択可能に表示する
画像形成装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の設定項目の設定値を設定するに際し、設定操作の履歴に基づいて設定候補を提示する画像形成装置及び画像形成装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、複写機/複合機などの画像形成装置でコピーを取る際、印刷部数、カラー/白黒、原稿が片面か両面か、印刷が片面か両面か、原稿サイズ、印刷サイズ、倍率、原稿読み取り露出、印刷後の仕上げ、等々の様々な設定項目がある。この多数の設定項目を利用者が正確に設定する必要があり、設定するにも、間違いないか確認するにも、手間がかかる。
【0003】
そこで、それら設定項目の設定値一式を「操作履歴」として装置内に記録しておき、同じ設定を再利用可能とすることで、利用者の操作手数を軽減する技術が従来から存在する。これによって、利用者が複雑な設定を行う際、設定操作の手数を削減し、設定ミスを減らすために役立つ。
【0004】
例えば、デジタル複写機におけるコピー操作においては、原稿サイズ、用紙サイズ、片面または両面コピー、拡大または縮小の倍率、コピー濃度、等々の設定項目に対し、操作パネルに表示した初期値が利用者の希望通りかどうかを利用者が判断する。希望と異なる設定項目に対しては利用者が設定変更し、利用者がスタートボタンを押下することでコピー処理が実行される。利用者によりスタートボタンが押下されたときに、装置が設定の組合せを「操作履歴」として日時と共に装置内に記憶する。利用者識別手段が使用される場合は、利用者識別情報も併せて記憶する。
【0005】
以下、そのような操作履歴を利用する従来技術の具体例を挙げる。
特許文献1に示された装置では、コピー操作画面における「応用モード」スイッチが利用者により押下されれば、応用モード詳細設定画面をポップアップ表示する。さらに同画面の「操作履歴」スイッチが押下されれば、ポップアップ表示中の画面を操作履歴詳細設定画面に切り替え、表示対象となる操作履歴のうちひとつ(例えば最新のもの)による設定情報を表示する。ここで利用者により操作履歴選択UIが操作されれば、その操作に応じた操作履歴に表示を切り替える。ここでOKスイッチが押下されれば、現在表示中の操作履歴の設定情報を、コピー操作画面に反映し、ポップアップ表示していた操作履歴詳細設定画面を閉じる。
【0006】
また、特許文献2に示される装置では、コピー操作画面に表示を切り替え、利用可能な全ての操作履歴のうちひとつ(例えば最新のもの)による設定情報を表示する。ここで利用者により「次へ」または「戻る」が操作されれば、一定の順序(例えば操作された日時が新しい順)で整列された一連の操作履歴に関して、ボタン操作に応じて次または前の順序の操作履歴に表示を切り替える。ここでOKスイッチが押下されれば、現在表示中の操作履歴の設定情報を、コピー操作画面に反映し、ポップアップ表示していた操作履歴詳細設定画面を閉じる。
【0007】
さらに同画面の「絞り込み」ボタンが押下されれば、装置の現在の状態を取得し、現在の状態を含む履歴だけを抽出して表示対象とする。例えばA4原稿が置かれた状態で同ボタンが押下されれば、A4コピーに関する操作履歴だけを表示対象とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2005-153346号公報
【文献】特開2006-220940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1及び特許文献2に示された装置は、いずれもコピー操作画面から「応用モード」スイッチが押下され、さらに「操作履歴」スイッチが押下されたときに操作履歴の選択候補を表示する。利用者が全ての選択候補をひとつひとつ表示させて閲覧し、想定していた操作履歴が表示されなければ、いったんコピー操作画面に戻って現在の設定や装置の状態を確かめる必要がある。
【0010】
また、現設定と履歴の設定のどこが一致し、どこが異なるかの確認も該当する設定の表示操作をする必要があって、操作が煩雑で、さらに一目で違いを確認しにくい。
【0011】
本発明は、斯かる実情に鑑み、複数の設定項目の設定値を設定するに際し、初期設定値の変更に応じて設定情報を比較しやすいように表示する画像形成装置及び画像形成装置の制御方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、設定項目の設定値の情報である設定情報に基づいてジョブ処理を行う画像形成装置において、
設定画面を表示する表示部と、初期設定値と、過去の設定情報の蓄積である設定情報履歴とを保存する記憶部と、前記設定項目の設定値を定める設定処理と前記ジョブ処理を実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記設定項目の設定値が前記初期設定値から変更されると、変更された前記設定値を含む1以上の設定情報を前記設定情報履歴から抽出して履歴表示情報とし、前記表示部に選択可能に表示することを特徴とする画像形成装置である。
【0013】
また、本発明は、設定項目の設定値の情報である設定情報に基づいてジョブ処理を行う画像形成装置の制御方法において、
設定画面を表示する表示ステップと、前記設定項目の初期設定値と、過去の設定情報の蓄積である設定情報履歴とを保存する記憶ステップと、前記設定項目の設定値を定める設定処理と前記ジョブ処理を実行する制御ステップと、を備え、
前記制御ステップは、前記設定項目の設定値が前記初期設定値から変更されると、変更された前記設定値を含む1以上の設定情報を前記設定情報履歴から抽出して履歴表示情報とし、前記表示ステップにおいて選択可能に表示することを特徴とする画像形成装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利用者が複数の設定項目の設定値を設定するに際し、初期設定値の変更に応じて自動的に関連する設定情報の履歴が表示されるので、利用者の手間がかかる履歴表示の操作を行う必要がなく、手間が省けて設定操作が効率的に行える。また、装置の現設定項目の設定値と設定情報履歴の設定項目の設定値を比較しやすく表示し、さらに、現設定項目の設定値との不一致な部分が明瞭になるように表示されるので、利用者が設定を比較しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示す説明図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の設定処理を含むジョブ処理を示すフローチャートである。
図4】履歴登録処理を示すフローチャートである。
図5】履歴表示を生成/更新する処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の設定画面を示す説明図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の設定画面における履歴表示を示す説明図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の設定画面における次の履歴表示を示す説明図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の設定画面における履歴表示を示す説明図である。
図10】本発明の第3実施形態に係る記画像形成装置の設定画面における履歴表示を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載の発明の技術的範囲が、以下の記載に限定されるものではない。
【0017】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示す説明図、図2は前記画像形成装置の構成を示すブロック図、図3は前記画像形成装置の設定処理を含むジョブ処理を示すフローチャート、図4は履歴登録処理を示すフローチャート、図5は履歴表示を生成/更新する処理を示すフローチャート、図6は前記画像形成装置の設定画面を示す説明図、図7は前記画像形成装置の設定画面における履歴表示を示す説明図、図8は前記画像形成装置の設定画面における次の履歴表示を示す説明図である。
【0018】
[概要説明]
第1実施形態の画像形成装置10では、画像形成装置10の設定を行う場合、初期設定値に対して操作部から変更するごとに、変更設定値に一致する設定情報を履歴から抽出する。そして、抽出した設定情報を時系列に現設定情報に対し並列に表示させる。
ここで、設定情報とは、ジョブ処理に対する設定項目の設定値の情報である。設定操作により設定された過去の設定情報の蓄積を設定情報履歴とする。変更設定値に一致する設定情報を設定情報履歴から抽出したものを履歴表示情報とする。
【0019】
[画像形成装置の各モード]
図1に示す画像形成装置10は、MFP(多機能複合機)であり、複数のモードを有している。本実施形態における画像形成装置10は、以下のモードを有している。
【0020】
モードは、画像形成装置10において画像形成の処理を行う画像形成モードと、画像形成装置10の設定を行う設定モードとからなる。
画像形成モードは、一般的なコピー機能、FAX機能、スキャナ機能などを実現できるモードである。画像形成装置10がコピーモードの場合、コピージョブを実行することができ、FAXモードの場合、FAXジョブを実行することができ、スキャナモードの場合、スキャナジョブを実行することができる。
設定モードは、各ジョブの処理を行うときの設定を操作部から入力する。
【0021】
コピージョブについて以下、簡単に説明する。まず、原稿読取部130に原稿がセットされ、操作部160によりコピー操作が行われる。利用者は、設定されている原稿サイズ、用紙サイズ、コピー設定(例えば、片面印刷、両面印刷、集約印刷の設定等)を表示部150で確認することができる。
【0022】
利用者が、操作部160からコピースタートの操作を行うと、コピー処理が実行される。具体的には、原稿読取部130は、利用者によりセットされた原稿を読み取る。後述する制御部100は、原稿読取部130により読み取られた原稿から画像データを生成する。
【0023】
画像形成部140は、用紙トレイ1410から搬送された用紙に、画像データに基づく画像を生成し、排紙トレイ1420に出力する。本実施形態において、用紙とは、画像を形成する記録紙、記録用紙である。通常の普通紙だけでなく、厚紙、光沢紙等の種々の紙媒体に加え、画像が形成可能であればフィルム等も含む。
【0024】
次にFAXジョブについて以下、簡単に説明する。
FAXの送信を行う場合は、原稿読取部130に原稿がセットされ、操作部160によりFAX送信操作が行われる。利用者は、設定されている原稿サイズ、送信設定(送信先FAX番号等)を表示部150で確認することができる。
【0025】
利用者が、操作部160からFAXスタートの操作を行うと、FAX処理が実行される。後述する制御部100が、通信部170にて、相手先との通信手続きを行う。そして、制御部100は、送信可能な状態が確保されたときに、圧縮ファイルに対して圧縮形式の変更等の必要な処理を施してから、相手先に通信回線を介して順次送信する処理を行う。
【0026】
また、FAXの受信を行う場合は、制御部100が、通信部170にて通信手続きを行いながら、相手先から送信される圧縮ファイルを受信し、受信した圧縮ファイルに対し、不図示の圧縮/伸張処理部で伸張処理を施す。そして、画像データに各種画像処理を施し、画像形成部140へ出力する。画像形成部140は、出力された画像データに基づき、記録用紙上に出力画像を形成する。
【0027】
次にスキャナジョブについて以下、簡単に説明する。
まず、原稿読取部130に原稿がセットされ、操作部160によりスキャナ操作が行われる。利用者は、設定されている原稿サイズ、出力画像設定(画像ファイル種類等)を表示部150で確認することができる。
【0028】
利用者が、操作部160からスキャンスタートの操作を行うと、スキャナ処理が実行される。具体的には、原稿読取部130は、利用者によりセットされた原稿を読み取る。後述する制御部100は、原稿読取部130により読み取られた原稿から画像データを生成する。
【0029】
画像形成装置10は、これらの機能(コピー機能、FAX機能、スキャナ機能)を組み合わせながら様々のジョブを実行していく。このとき各ジョブにおける複数の設定項目について、利用者が設定の操作入力を行う毎に、オートコンプリート機能により、自動的に操作履歴から以前に操作設定した設定値を抽出して表示する。
【0030】
画像形成装置の設定モードについては、利用者が操作部160を操作して設定モードを起動させると、画像形成装置10の制御部100は、表示部150の画面に設定モードの表示をさせる。このときは設定項目における初期設定値を表示させ、操作部160から設定項目を変更可能とする。
【0031】
[画像形成装置の機能構成]
画像形成装置10の機能構成について、図2を参照して説明する。
【0032】
制御部100は、画像形成装置10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、記憶部120に記憶されている制御プログラム121を読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の演算装置(例えば、CPU(Central Processing Unit))等により構成されている。以下、制御部100が実現する機能について説明する。
【0033】
制御部100は、設定モードにおいて設定処理を行う設定処理機能や、画像形成モードにおいて画像形成処理を行う画像形成処理機能などを有している。制御部100は、画像形成処理機能として、コピー機能、FAX機能、スキャナ機能などを実行している。
【0034】
記憶部120は、プログラムやデータが記憶されている機能部である。記憶部120は、例えば、SSD(Solid State Drive)等の半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
【0035】
記憶部120は、制御プログラム121、原稿画像データ122、初期設定値123、設定情報履歴124を記憶している。
【0036】
制御プログラム121は、画像形成装置10の動作制御に関するプログラムである。
原稿画像データ122は、原稿読取部130で読み取った原稿の画像データである。
初期設定値123は、画像形成装置10の各種設定項目221の初期設定値を示す情報である。
設定情報履歴124は、画像形成装置10の過去の設定情報に関する情報である。
【0037】
原稿読取部130は、原稿の画像を読み取るものであり、例えばCIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)等の光学情報を電気信号に変換するデバイスを備えたスキャナ装置等により構成されている。
【0038】
例えば、原稿読取部130は、載置台に載置された原稿を、原稿サイズにより設定された範囲で読み取る。なお、原稿は、載置台にセットされてもよいし、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)にセットされてもよい。
【0039】
画像形成部140は、画像データを記録媒体(例えば記録紙)に形成するための機能部である。例えば、図1の用紙トレイ1410から記録紙を給紙し、画像形成部140において記録紙の表面に画像が形成された後に排紙トレイ1420から排紙される。画像形成部140は、例えば電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成されている。
また、用紙トレイ1410は、通常1~複数備えられて、用紙が収容されている。
【0040】
表示部150は、画像形成装置10の各種状態を表示したり、操作入力の状態を表示したりする。例えば、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)や、有機ELパネル、電気泳動方式を利用した電子ペーパ等により構成されている。
【0041】
操作部160は、利用者からの操作入力を受け付けるボタン、スイッチ等である。操作部160は、スイッチ、キーボードといったハードウェアの入力装置で実現してもよいし、表示部150と一体形成されるタッチパネル等により実現してもよい。この場合において、タッチパネルの入力を検出する方式は、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった、一般的な検出方式であればよい。
本実施形態の操作部160は、ハードウェアの入力装置と表示部150のタッチパネルを備えており、それぞれ操作可能となっている。
【0042】
通信部170は、他の装置と通信を行う。例えば、通信部170は、ネットワークに接続可能なインタフェースを有し、有線/無線LAN(Local Area Network)を介して他の装置と通信できればよい。なお、USB(Universal Serial Bus)インタフェース等により、他の装置(例えばUSBメモリ等)から画像データを送受信してもよい。また、公衆回線網、LAN(Local Area Network)又はインターネット等の通信ネットワークに接続可能であり、ファクシミリ又は電子メール等の通信方法により、通信ネットワークを介して外部へ圧縮ファイルを送信することもできる。
【0043】
画像形成装置10は、上述した構成以外にも必要な機能を更に備えていてもよい。例えば、課金管理部を有することで、利用者から料金が投入されたときのみ画像形成装置10が利用可能になるような管理部を設けてもよい。
【0044】
[画像形成装置の設定処理]
図3に基づいて、画像形成装置の設定処理について説明する。
まず、利用者がジョブ種を選択すると、画像形成装置10の制御部100は、選択したジョブ種の初期設定値123を記憶部120から取得する(ステップS101)。そしてジョブ種に応じて設定値と画面を初期化して初期設定値123を表示部150に表示する(ステップS102)。
【0045】
利用者は、操作部160により操作を行い(ステップS103)、画像形成装置10の制御部100は、どの操作であったかを確認することによって以下の処理を進める。
【0046】
制御部100は、リセットキーが押されたかを確認する(ステップS104)。押されていれば、ステップS102に戻り、リセットキーが押されていなければ、ステップS105に進む。
【0047】
ステップS105において、制御部100は、ジョブ種の切替操作が行われたかを確認する。ジョブ種の切替操作が行われていれば、ジョブ種の切替を行って(ステップS106)、ステップS102に戻る。ジョブ種の切替操作が行われていなければ、ステップS107に進む。
【0048】
ステップS107において、制御部100は、スタートキーが押されたかを確認する。スタートキーが押されていれば、設定情報の履歴登録を行い(ステップS108)、ジョブを実行する(ステップS109)。そして、ジョブが終了すると、ステップS103に戻る。スタートキーが押されていなければ、ステップS110に進む。
なお、ステップS108の履歴登録処理は、ステップS109のジョブ実行後に行われてもよい。
ステップS108の履歴登録処理については後述する。
【0049】
ステップS110において、制御部100は、履歴の抽出条件の設定操作が行われたかを確認する。履歴の抽出条件の設定操作が行われていれば、履歴の抽出条件を設定し(ステップS111)、ステップS103に戻る。履歴の抽出条件の設定操作が行われていなければ、ステップS112に進む。履歴の抽出条件とは、抽出先の記憶部120のフォルダ名や、抽出する範囲(例えば、現時点から3ヶ月前までの情報)などである。また、履歴の表示条件も設定する。例えば、並列表示するための設定(時系列など)、現設定値に対しての不一致点を目立つ様に表示する設定などである。
【0050】
ステップS112において、制御部100は、履歴表示のON/OFF切替の操作が行われたかを確認する。履歴表示のON/OFF切替の操作が行われていれば、履歴表示のON/OFFを切り替えて(ステップS113)、ステップS103に戻る。履歴表示のON/OFF切替の操作が行われていなければ、ステップS114に進む。履歴表示のON/OFFの状態は、設定画面上に表示されていて、利用者が確認できるようになっている。
【0051】
ステップS114において、制御部100は、各種設定項目221の初期値に対して設定の変更操作があったかを確認する。設定の変更操作があった場合、操作に応じてジョブの設定を変更する(ステップS115)。ここでは、設定項目に変更を加えただけで、確定はしていない。設定項目の変更はしたが確定はしていない設定情報を変更設定情報と呼ぶことにする。
【0052】
更に制御部100は、履歴表示のON/OFFを確認し(ステップS116)、履歴表示がOFFであれば、ステップS103に戻る。履歴表示がONであれば、履歴表示の生成/更新を行って(ステップS117)、ステップS103に戻る。
設定の変更操作がなかった場合、ステップS118に進む。
ステップS117の履歴表示の生成/更新処理については、後述する。
【0053】
ステップS118において、制御部100は、設定を確定する操作が行われたかを確認する。例えば、操作部160により設定した現設定を選択して確定したり、表示されている設定履歴を選択して確定したりする操作が行われたかを確認する。設定確定の操作が行われた場合は、選択された設定情報の設定値を現設定として確定し(ステップS119)、ステップS103に戻る。設定確定の操作が行われなかった場合は、ステップS103に戻る。確定操作が行われた設定情報は確定設定情報と呼ぶことにする。
【0054】
次に、ステップS108の履歴登録の処理について、図4に基づいて説明する。
制御部100は、ジョブの設定値が全て初期値であるかを確認する(ステップS201)。全てが初期値ではない場合、制御部100は、履歴件数の容量が記憶部120の容量未満であることを確認する(ステップS202)。履歴件数の容量が記憶部120の容量未満であれば、現在の確定設定情報を履歴に追加する(ステップS204)。履歴件数の容量が記憶部120の容量以上になるのであれば、古い履歴を削除し(ステップS203)、ステップS204に進む。ステップS204において、現在の確定設定情報を履歴に追加する。
【0055】
次に、ステップS117の履歴表示の生成/更新する処理について、図5に基づいて説明する。
制御部100は、初期設定値から変更された設定項目を抽出する(ステップS301)。そして、記憶部120に保存されている設定情報履歴124の中から変更された設定項目の設定値(変更設定情報)と一致する設定情報(履歴表示情報)を全て抽出する(ステップS302)。従って、 設定項目が変更されていけば、それに追随して抽出される設定情報も変化していく。
【0056】
次に制御部100は、抽出された設定情報(履歴表示情報)をステップS111で設定した履歴の抽出条件に基づいて表示する(ステップS303)。第1実施形態では時系列に履歴表示情報を表示するので、最新の設定情報から順に古い設定情報が表示される。また、設定画面に表示されている各種設定項目221の設定値との不一致点を目立つようにして、利用者が一目で確認できるようにする。例えば不一致点を目立つ色に変えたり、文字を太くしたり、枠で囲んだりする。また、設定画面に表示されている各種設定項目221の設定値との一致点を、色を薄くしたり、文字を細くしたり、半透明にしたりする。
【0057】
[画像形成装置の具体的設定処理について]
図6図8の設定画面に基づいて、設定処理の具体例について説明する。
利用者が、操作部160により、コピージョブの設定モードに切り替えると、図6に示すように、画像形成装置10の表示部150には、設定画面が表示される。表示部150には、ジョブ種表示201、履歴ON/OFF表示210、各種設定項目221(カラーモード221a、画質221b、用紙選択221c、両面コピー221d、倍率221e、コピー濃度221f、ステープルソート221g)、部数入力表示230、画像形成装置の用紙配置図240、プレビューボタン231、リセットボタン232、白黒スタートボタン233、カラースタートボタン234が表示される。
【0058】
履歴ON/OFF表示210は、チェック入力211にチェックが入ると履歴表示がONであることを示し、チェック入力211にチェックが入っていないと履歴表示がOFFであることを示す。履歴表示がONであれば履歴表示情報が表示され、履歴表示がOFFであれば履歴表示情報が表示されない。
各種設定項目221は、最初に設定画面が表示されたときは、初期設定値が表示されている。
【0059】
図7に示すように、利用者が各種設定項目221の1つである用紙選択221cの設定値を「自動」から「A3」に変更したとする。☆印は、変更箇所であることを示している。制御部100は、記憶部120の設定情報履歴124から用紙選択221cの設定値が「A3」であるものを抽出し、複数個あった場合に、時系列に各種設定項目221の横に並列させて表示する。各種設定項目221の右側へ、最新のものから古い順に、時系列に表示する。抽出された設定情報(履歴表示情報)が1つしかない場合は、一つだけ表示される。履歴表示の上部には、設定された日時が表示される。画面では、3つの設定情報(履歴表示情報)251,252,253が時系列に表示されているが、表示個数はいくつでも構わない。表示しきれない場合は、スクロールなどによって表示可能とする。
【0060】
履歴表示は、各種設定項目221の設定値と不一致の部分が明確で目立つようにする。例えば、各種設定項目221と不一致の部分は、色を変えたり、枠で囲んだり、文字を太くしたりする。または、各種設定項目221の設定値と一致の部分は、文字を薄くしたり、半透明にしたりする。
【0061】
さらに、コピー濃度221fの設定値を「自動」から「地図」に変更すると、図8に示すように、履歴表示情報が変わり、設定情報履歴124から新たに設定情報(履歴表示情報)が抽出されて時系列に表示される。この場合は用紙選択221cが「A3」、コピー濃度221fが「地図」、に変更されているので、制御部100は、用紙選択221cが「A3」、コピー濃度221fが「地図」に一致するものを設定情報履歴124から抽出する。このように、利用者が設定項目を変える毎に、それに合わせて自動的に関連する履歴表示情報が表示されるので、利用者の手間が省けて設定操作が効率的になる。
【0062】
また、表示される履歴表示情報が、各種設定項目221の横に設定情報252,254,255として時系列に並列に表示される。さらに、図7と同じく、各種設定項目221の設定値との不一致点が明確になるように表示される。このように、利用者が各種設定項目221の設定値を比較しやすく表示し、さらに、各種設定項目221の設定値との不一致な部分が明瞭になるように表示されるので、利用者が設定を比較しやすくなる。
【0063】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。
図9は本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の設定画面における履歴表示を示す説明図である。
【0064】
[概要説明]
第2実施形態の画像形成装置10では、設定情報履歴から抽出した履歴表示情報を表示するとき、各種設定項目221の設定値との不一致点が多い順に並列に表示させる。
各部の構成、処理手順は第1実施形態とほぼ同じなので、同じ部分については説明は省略する。
異なる点は図3のステップS111で、履歴の抽出条件を、時系列ではなく、各種設定項目221の設定値との不一致点が多い順に抽出するということである。
【0065】
[画像形成装置の具体的設定処理について]
図9の設定画面に基づいて、設定処理の具体例について説明する。
利用者が、操作部160により、コピージョブの設定モードに切り替えて、設定項目の用紙選択221cを「自動」から「A3」に変更したとする。制御部100は、記憶部120の設定情報履歴124から用紙選択221cが「A3」であるものを抽出し、各種設定項目221の横に並列させて表示する。
【0066】
制御部100は、各種設定項目221の設定値との不一致点が多い順に各種設定項目221の左から順に設定情報252,256,257を表示する。設定情報252,256,257の設定値の表示は、各種設定項目221の設定値との不一致の部分が明確で目立つようにする。例えば、各種設定項目221の設定値と不一致の部分は、色を変えたり、枠で囲んだり、文字を太くしたりする。または、各種設定項目221の設定値と一致の部分は、文字を薄くしたり、半透明にしたりする。
【0067】
このように、各種設定項目221の設定値との不一致点が多い履歴情報は、設定を初期値から変更している項目が多いということであり、変更された設定値が多い履歴を各種設定項目221の横に表示することで、利用者が複雑な設定操作を行いやすくする。
【0068】
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態について図面を参照して説明する。
図10は本発明の第3実施形態に係る記画像形成装置の設定画面における履歴表示を示す説明図である。
【0069】
[概要説明]
第3実施形態では、設定情報履歴から抽出した履歴表示情報を表示するとき、時系列に並列表示させるが、表示されている変更設定情報との一致点を非表示とするものである。
各部の構成、処理手順は第1実施形態と同じなので、説明は省略する。
【0070】
[画像形成装置の具体的設定処理について]
図10の設定画面に基づいて、設定処理の具体例について説明する。
利用者が、操作部160により、設定モードに切り替えて、各種設定項目221の1つである用紙選択221cの設定値を「自動」から「地図」に変更したとする。制御部100は、記憶部120の設定情報履歴124からコピー濃度221fの設定値が「地図」であるものを抽出し、時系列に各種設定項目221の横に設定情報252,258を並列させて表示する。このとき、設定情報252,258の設定値と各種設定項目221の設定値との一致点は、各種設定項目221に表示されているので、非表示とする。こうすることで、利用者は、不一致点だけが表示されるので、一目で違いを確認できる。
【0071】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等された発明も含まれる。
【符号の説明】
【0072】
10 画像形成装置
100 制御部
120 記憶部
123 初期設定値
124 設定情報履歴
150 表示部
160 操作部
221 各種設定項目
251,252,253,254,255,256,257,258 設定情報(履歴表示情報)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10