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特許7372151医薬製品又はバイオ製品の自動生産のためのコンテインメントの生産ユニット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】医薬製品又はバイオ製品の自動生産のためのコンテインメントの生産ユニット
(51)【国際特許分類】
   B25J 21/00 20060101AFI20231024BHJP
   B67C 3/00 20060101ALI20231024BHJP
   B25J 9/00 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
B25J21/00
B67C3/00 D
B25J9/00 Z
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019554036
(86)(22)【出願日】2017-12-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 IB2017001581
(87)【国際公開番号】W WO2018109549
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-12-14
(31)【優先権主張番号】16405035.3
(32)【優先日】2016-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519215913
【氏名又は名称】ファーマ・インテグレーション・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】ベッキーニ・クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】ジクヴァルト・フォルカー
【審査官】神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-535015(JP,A)
【文献】特開2014-176939(JP,A)
【文献】特開2016-190294(JP,A)
【文献】特開平11-091876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/02
B67C 3/00-11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬製品又はバイオ製品(6)の自動生産のためのコンテインメント(9)の生産ユニットであって、
a)最終生産物としての1つの製品(6)が、それぞれ複数の製品要素(7)を有し、
b)前記コンテインメント(9)、ハウジング(90)によって包囲されていて、少なくとも1つの搬送口(917,919)を有する内側チャンバ(91)が、前記ハウジング(90)内に存在し、前記コンテインメント(9)は、分類ラック(800)にしたがってトレイ(8)内に整然と格納された複数の製品要素(7)及び/又は複数の製品(6)を処理室(93)に搬送するための第1の搬送口(917)を有し、
c)少なくとも1つのロボット(1,2)が、前記チャンバ(91)内に設置されていて、当該ロボット(1,2)は、その旋回可能なアーム(11,21)に少なくとも1つの操作機構(12,22)を有し、当該操作機構(12,22)は、旋回領域(R,R)内で可動であり、
d)前記チャンバは、前記複数の製品要素(7)及び/又は複数の製品(6)を生産する少なくとも1つの処理装置(3)を設置するために適している当該生産ユニットにおいて、
e)前記チャンバ(91)は、
ea)前記複数の製品要素(7)及び/又は複数の製品(6)を生産するための処理室(93)と、
eb)前記少なくとも1つのロボット(1,2)の脚部(10,20)を桶状の底部空間(92)内の複数の側面(910,912,916,918)のうちの1つの側面に固定するための当該底部空間(92)とを有し、
ec)前記処理室(93)は、前記底部空間(92)の上側に配置されていて、前記処理室(93)と前記底部空間(92)とは、互いに揃って開口が隣接し、
f)操作機構(12,22)が、以下の、
fa)前記複数の製品(6)及び/又は複数の製品要素(7)を把持し搬送する機能、
fb)前記複数の製品(6)及び/又は複数の製品要素(7)を検査する機能、
fc)前記製品(6)を生産する機能のうちの少なくとも1つの機能を有し、
g)前記少なくとも1つのロボット(1,2)にある少なくとも1つの前記操作機構(12,22)の前記旋回領域(R,R、水平面内と、垂直面内、すなわち最低の作業高さ(amin)と最高の作業高さ(amax)との間で決まる作業領域(a)内の垂直面内とに延在し、
前記処理装置(3)の収容ラック(30)の位置と、複数の製品要素(7)及び/又は複数の製品(6)を一時的に位置決めするための少なくとも1つの搬送ステーション(4)の収容ラック(40)の位置とに対して、前記分類ラック(800)の位置が最初は偏差していても、前記操作機構(12,22)の収容ラック(120,220)の位置が、調整機構によって調整可能に構成されている当該生産ユニット。
【請求項2】
複数の製品(6)及び/又は複数の製品要素(7;70~72)を前記少なくとも1つのロボット(1,2)の操作機構(12,22)によって受け取るか又は位置決めするために構成された少なくとも1つの受け渡し領域が、前記旋回領域(R,R)内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の生産ユニット。
【請求項3】
2つの受け渡し領域が、前記旋回領域(R,R)内に設けられていて、
a)第1の前記受け渡し領域は、複数の製品(6)及び/又は複数の製品要素(7;70~72)を前記少なくとも1つのロボット(1,2)の前記操作機構(12,22)によって受け取るために指定されていて、
b)第2の前記受け渡し領域は、複数の製品(6)及び/又は複数の製品要素(7;70~72)を前記少なくとも1つのロボット(1,2)の前記操作機構(12,22)によって位置決めするために構成されていることを特徴とする請求項1に記載の生産ユニット。
【請求項4】
a)第1のコンテインメント(9)が、第2のコンテインメント(9)に結合されていて、それぞれ1つのロボット(1,2)が、これらのコンテイメント内に設置されていて、
b)複数の受け渡し領域のうちの1つの受け渡し領域が、当該2つのロボット(1,2)の前記操作機構(12,22)の前記旋回領域(R,R)内に存在することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の生産ユニット。
【請求項5】
a)少なくとも2つのロボット(1,2)が、前記コンテインメント(9)内に設置されていて、
b)それぞれ1つの旋回領域が、隣接した2つのロボット(1,2)の前記操作機構(12,22)の前記旋回領域(R,R)内に存在することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の生産ユニット。
【請求項6】
前記複数の製品要素(7)及び/又は複数の製品(6)を生産するための少なくとも1つの処理装置(3)が、前記コンテインメント(9)の前記処理室(93)内の、前記少なくとも1つのロボット(1,2)の前記操作機構(12,22)の前記旋回領域(R,R)内に設置されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の生産ユニット。
【請求項7】
a)前記処理装置(3)は、洗浄ステーション、乾燥ステーション、殺菌ステーション、充填ステーション、密封ステーション、取り付けステーション、取り外しステーション又は検査ステーションとして構成されていて、
b)前記検査ステーションは、光学的検査及び/又は重量管理のために提供されていて、
c)様々な機能の複数の処理装置(3)が、前記処理室(93)内に設置可能であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の生産ユニット。
【請求項8】
前記少なくとも1つのロボット(1,2)の脚部(10,20)をそれぞれの前記コンテインメント(9)の底部空間(92)内の前記複数の側面(910,912,916,918)に固定するための既定の位置決めラックが、複数のコンテインメント(9)から成るユニットシステムを構成するために設けられていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の生産ユニット。
【請求項9】
前記底部空間(92)は、傾斜した床面(914)によって仕切られていて、この床面(914)は、前記チャンバ(91)に通流する層状の特性の気流(L)の排出と、前記処理室(93)内で前記複数の製品要素(7)及び/又は複数の製品(6)の生産時に発生する液体の排出とを促進させることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の生産ユニット。
【請求項10】
a)製品要素(7)及び/又は製品(6)を一時的に位置決めするための少なくとも1つの搬送ステーション(4)、及び
b)複数の製品要素(7)及び/又は複数の製品(6)を貯蔵するための少なくとも1つの貯蔵器(5)が、前記処理室(93)内にさらに配置されていて、
c)前記操作機構(12,22)が、分類された複数の製品要素(7)及び/又は複数の製品(6)を収容するための収納ラック(120,220)を有し、
d)操作機構(12,22)の収容ラック(120,220)にしたがって、この操作機構(12,22)に、分類された複数の製品要素(7)及び/又は複数の製品(6)を装填するためのマガジン(50)が、前記貯蔵器(5)に付設され得ることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の生産ユニット。
【請求項11】
a)前記処理装置(3)と製品要素(7)及び/又は製品(6)を一時的に位置決めするための少なくとも1つの搬送ステーション(4)とのそれぞれの収容ラック(30,40)が、分類された複数の製品要素(7)及び/又は複数の製品(6)を同時に取り扱うために前記操作機構(12,22)の前記収容ラック(120,220)に対して数的に且つ幾何学的に相補に形成されていて、
b)前記操作機構(12,22)が、取り付け装置若しくは取り外し装置、検査装置及び/又は密封装置をさらに装備され得ることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の生産ユニット。
【請求項12】
a)機能的に固有の処理装置(3)を備える交換可能な交換モジュール(95)が、前記処理室(93)を仕切るハウジング面(910,912,916,918)のうちの1つのハウジング面内に組み込み可能であり、
b)前記交換モジュール(95)が、前記処理装置(3)に加えて複数の製品要素(7)及び/又は複数の製品(6)を搬入及び/又は搬出するためのゲート装置(96)を有し得て、
c)機能的に同じ処理装置(3)が、互いにずらしてカスケード状に配置され得ることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の生産ユニット。
【請求項13】
a)第1のコンテインメント(9)が、生産ライン内で別のコンテインメント(9)と互いに連結されて、コンテインメント区間(9’)が構成されていて、
b)それぞれの前記底部空間(92)及びそれぞれの前記処理室(93)が、ロボット(1,2)、操作機構(12,22)及び/又は処理装置(3)及び/又は搬送ステーション(4)及び/又は貯蔵器(5)を有する固有の装備を備え得ることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の生産ユニット。
【請求項14】
前記少なくとも1つのロボット(1,2)にある前記少なくとも1つの操作機構(12,22)の前記旋回領域(R,R)が、水平面方向で前記処理室(93)の垂直な前記複数の側面(910,912,916,918)のうちの1つの側面を超えて少なくとも延存することを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の生産ユニット。
【請求項15】
a)第1の前記コンテインメント(9)が、分類ラック(800)にしたがってトレイ(8)内に整然と格納された複数の容器(70)としての複数の製品要素(7)を前記処理室(93)に搬送するための第1の搬送口(917)を有し、分類された容器(70)が、第1の前記ロボット(1)の操作機構(12)によって把持され得て、第1生産ステップを実行するために第1の前記処理装置(3)に移送可能であり、
b)次の生産ステップを別のロボット(2)と別の処理装置(3)とによって実行するために、その時点で処理された複数の製品要素(7)を次のコンテインメント(9)の処理室(93)内に搬送する目的で、第1の前記コンテインメント(9)が、第2の搬送口(919)を有するか、又は次のコンテインメント(9)に向かって開口されていて、 c)前記コンテインメント区間(9′)の最終のコンテインメント(9)が、このコンテインメント(9)内に設置された最終のロボット(2)と最終の処理装置(3)とに最後の生産ステップを実行させ、
d)この最終のコンテインメント(9)は、完成された前記複数の製品要素(7)及び/又は複数の製品(6)が搬出され得る第2の搬送口(919)を有することを特徴とする請求項13~14のいずれか1項に記載の生産ユニット。
【請求項16】
完成された前記複数の製品要素(7)及び/又は複数の製品(6)は、製品要素(7)として、
a)容器(70)と、
b)容器(70)の注入口(73)を通じてこの容器(70)内に注入された液体又は粉末としての医薬充填物(79)又はバイオ充填物(79)と、
c)詰め物又は熱的に生成された栓としての第1栓(71)と、
d)前記第1栓(71)をこの第1栓(71)用の保護部材として嵌合するように包囲する要素、又は圧着蓋としてのオプションの第2栓(72)とを含むことを特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載の生産ユニット。
【請求項17】
a)処理装置(3)が、秤量ステーション(35)の形態を成し、この秤量ステーション(35)は、前記チャンバ(91)の外部で又は前記コンテインメント(9)の直ぐ外部で土台(F)に支持されていて、
b)前記秤量ステーション(35)は、他の収容ラック(120,220;40)に適合する収容ラック(30)を有する秤量板(36)を備え、この秤量板は、
ba)前記操作機構(12,22)から取り外された充填物(79)を含む複数の容器(70)を挿入し、
bb)当該充填されたそれぞれの容器(70)の重量を個別に測定するように構成されていることを特徴とする請求項1~16のいずれか1項に記載の生産ユニット。
【請求項18】
a)トンネル(990)が、前記コンテインメント(9)、または複数の前記コンテインメント(9)により形成されたコンテインメント区間(9′)を貫通して延在し、
b)前記トンネル(990)は、複数の容器(70)の第1の前記搬送口(917)で容器取り外されたトレイを、前記チャンバ(91)を迂回させることによって、完成された前記複数の製品要素(7)及び/又は複数の製品(6)を受け取るために、第2の前記搬送口(919)で新たに待機させるために使用されることを特徴とする請求項1~17のいずれか1項に記載の生産ユニット。
【請求項19】
前記コンテインメント(9)は、
a)クリーンルーム規格に準拠する空気処理装置を有するアクセス制限されたオープンバリアシステム又はクローズドバリアシステム(RABS=アクセス制限バリアシステム)として、又は
b)クリーンルーム規格に準拠する空気処理装置と汚染除去装置とを有するアイソレータとして構成されていて、
c)前記空気処理装置は、前記処理室(93)の上側に配置されている吸気フィルタ(94)と、前記底部空間(92)に存在する収容部分内に設置されている排気フィルタ(940)とを有することを特徴とする請求項1~18のいずれか1項に記載の生産ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬製品又はバイオ製品の自動化された生産用コンテインメントの生産ユニットに関し、これら製品は其々に、最終生産物として複数の製品要素を含む。コンテインメントは、限定されたアクセス権(RABS=アクセス制限バリアシステム)を伴う開放されたバリアシステムとして、又は閉じたバリアシステムとして、又はアイソレータとして典型的に形成されていて、その其々が空気処理装置によって実装されていて、且つクリーンルーム分類によって格付けされている。コンテインメントは、ハウジングによって包囲されていて、このハウジング内で、内側のチャンバが、少なくとも1つの搬送口を伴って存在する。構造のさらなる標準的特徴は、チャンバ内に少なくとも1つのロボットが、設置されていて、このロボットは、固有の旋回可能なアームに、少なくとも1つの操作機構を有し、この操作機構は、旋回領域内で移動可能であって、このチャンバは、少なくとも1つの製品生産ための処理装置の設置に適している。このような複数のコンテインメントが、生産ラインにおいて共にコンテインメント通路に連結されていることが可能である。
【背景技術】
【0002】
既に公知の医薬製品又はバイオ製品の自動生産向けのコンテインメントは、コンテインメント内に、洗浄ステーション、充填ステーション及び密封ステーションが、設置されていて、及びコンテインメントによって、搬送ベルト及び、その間に配置されたカローゼルコンベアが延在し、それらによって処理されるべき製品要素が、各機械ステーションに送給されることに基づいている。これに加えて公知であるのは、例えばボッシュ社(Bosch)の“Universal washing machins RRN/RRU”, “FLC - filling and closing machine for vials and infusion bottles”, “Closing machine for overseal caps VRU/VT/VRK”, “Drying and Sterilizing Tunnel HQL Series”及び“FXS - Filling and sealing machine for presterilized syringes”である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明には、医薬製品又はバイオ製品の自動化された生産用コンテインメントの生産ユニットを提案するという課題が基本にあり、この生産ユニットにおいて作動室内での、例えば容器との、及び/又は搬送手段との摩擦(摩耗)による不本意な粒子(破片)の発生が低減されている。同時に、この設計コンセプトにしたがって、作動室を通って案内される層状の気流は、設置された複数構造によって一層低度に阻害される。この課題は、その目標において、規定通りに扱われていない製品のエラー率低減へと到る。創設されるべき構造コンセプトの課題は、最終的に、其々の特別な生産条件への適合を、連結されたコンテインメント通路のためにも効率的なキャビネット形状で実現することである。
【0004】
コンテインメントの生産ユニットは、医薬製品又はバイオ製品の自動化された生産のために特定されている。製品は、最終生産物として、其々に複数の製品要素を含んでいる。コンテインメントは、ハウジングによって包囲されていて、このハウジング内に、内側チャンバが、少なくとも1つの搬送口を伴って存在する。チャンバ内で、少なくとも1つのロボットが設置されていて、このロボットは、旋回可能なアームにおいて、少なくとも1つの操作機構を有し、この操作機構は、旋回領域内で移動可能である。チャンバは、少なくとも1つの製品の生産のための処理装置を設置するのに適している。
【0005】
包括概念を形成する一連の上記特徴に対して、生産ユニットが、下記の顕著な特徴を有する。チャンバは、製品の生産のためのプロセス空間と少なくとも1つのロボットの脚部の底部空間内側の側面の1つにおける係留のために槽形状の底部空間を含む。プロセス空間は、底部空間上部に配置されていて且つ、両空間は互いに一致して、開放されて隣接している。製品又は製品要素及び/又は製品又は製品要素の検査のための、及び/又は製品の生産のための把持部と搬送手段としての機能を、操作機構が有する。少なくとも1つのロボットにおける少なくとも1つの操作機構が有する旋回領域は、水平なレベル、及び垂直なレベルにおいて、作動領域内で延在し、この作動領域は、最低の作業高さと最高の作業高さの間で画定する。
【0006】
下記に、本発明の特別な実施形態が定義される。旋回領域内で、少なくとも1つの受け渡し領域が設けられていて、この受け渡し領域は、少なくとも1つのロボットの操作機構を介して、製品又は製品要素を収容すること、又は位置付けすることに特定されている。
【0007】
有利にも旋回領域内に、2つの受け渡し領域が、代替的に設けられている。この際、第1受け渡し領域は、少なくとも1つのロボットの操作機構によって製品又は製品要素を収容することに特定されていて、及び第2の受け渡し領域は、少なくとも1つのロボットの操作機構によって製品又は製品要素を位置付けすることに特定されている。
【0008】
第1コンテインメントは、第2のコンテインメントと結合していて、これらコンテインメント内で、其々にロボットが、設置されていて、及び受け渡し領域の1つが、両ロボットの操作機構の旋回領域内にある。
【0009】
有利にも代替的に、少なくとも2つのロボットが、コンテインメント内に設置されていて、其々1つの受け渡し領域が、2つの隣接するロボットの操作機構の旋回領域内にある。
【0010】
コンテインメントのプロセス空間内において、少なくとも1つのロボットの操作機構の旋回領域内に、少なくとも1つの処理装置が、製品生産のために設置されている。処理装置は、洗浄ステーション、乾燥ステーション、殺菌ステーション、充填ステーション、密封ステーション、取り付け又は取り外しステーション、特徴付けステーション、又は検査ステーションとして形成されている。検査ステーションが、光学的検査及び/又は重量管理のために提供されている。様々な機能を有する複数の処理装置が、プロセス空間内に設置可能である。
【0011】
コンテインメントのユニット式システムの形成のために、予め定義された位置決めラックが、少なくとも1つのロボットの脚部の係留のために、各コンテインメントの底部空間内側の側面に設けられている。底部空間は、傾いた床面によって境界付けられていて、この床面は、チャンバを貫流する気流の運び出し、この気流は、好ましくは層状の特性を有し、及びプロセス空間において、製品生産の際に生じる液体の運び出しを助長する。
【0012】
プロセス空間において、さらに製品要素を及び/又は製品を一時的に位置付けするための少なくとも1つの搬送ステーション、及び/又は製品要素をストックするための少なくとも1つの貯蔵器が、配置されている。
【0013】
操作機構は、分類された複数の製品要素又は製品の受け部のための収容ラックを有する。収容ラックにしたがって、この操作機構に、分類された複数の製品要素を装填するためのマガジンが、貯蔵器に付設され得る。処理装置の各収容ラックと搬送ステーションは、当該分類された複数の製品要素又は製品の同時取り扱いのために、操作機構の収容ラックに対して数的及び幾何的に補完しつつ形成されている。操作機構は、追加的に取り付け装置又は取り外し装置又は検査装置によって及び/又は密封装置及び/又は特徴付け装置によって実装されていることが可能である。
【0014】
プロセス空間を画成するハウジング面の1つの中に、交換可能な交換モジュールが装入可能で、この交換モジュールは、機能固有的な処理装置によって装備されている。交換モジュールは、処理装置に追加して、製品要素又は製品を搬入するための、及び/又は搬出するためのゲート装置を有し得る。機能に関して同種の処理装置が、相互にずれたカスケード内に配置されていることが可能である。
【0015】
第1コンテインメントは、生産ライン中の別のコンテインメントとともにコンテインメント通路に連結されている。各底部空間、及び各プロセス空間は、ロボット、操作機構及び/又は処理装置及び/又は搬送ステーション及び/又は貯蔵器による課題固有的な各装備を有し得る。少なくとも1つのロボットにおける少なくとも1つの操作機構の旋回領域は、水平なレベルにおいて少なくともプロセス空間の垂直な面の1つを越えて延在する。
【0016】
コンテインメント通路内部で、第1コンテインメントが、製品要素の供給のためのプロセス空間への第1の搬送口を、トレイ内で分類ラックにしたがって系統的に設定された容器として有する。そうして、分類された複数の容器は、第1のロボットの操作機構によって捕えられ且つ、第1処理装置に、第1の生産ステップの実行のために近づけられ得る。第1コンテインメントは、第2の搬送口を有し又は、こうして加工された製品要素を次のコンテインメントのプロセス空間内へ移送する目的で、別のロボットと別の処理装置による次の生産ステップ実行のための次のコンテインメントに開放されている。コンテインメント通路の最終コンテインメントは、内部に設置された最終ロボットと最終処理装置を有し、完結する生産ステップ実行のために特定されている。この最終のコンテインメントは、第2の搬送口を有し、この搬送口を通って、完成された製品が給送される。
【0017】
処理装置の収容ラックの位置と搬送ステーションの収容ラックの位置とに対して、分類ラックの位置が最初は偏差していて操作機構の収容ラックの位置が、調整機構によって調整可能に構成されている。
【0018】
完成された製品が、製品要素として以下の、
-容器、
-液体又は粉体として容器内に容器の注入口を通して適用された医薬的又は生体工学的充填材、
-詰め物又は熱的に製造された栓としての第1の栓、
-選択的な第2の栓を、第1の栓のための保護として、第1の栓を係合して上から握持するフランジ付キャップといったエレメントを含む。
【0019】
処理装置は、秤量ステーションの形態を成す。この秤量ステーションは、チャンバの外部又はコンテインメントの直ぐ外側の台座上に支持されているので、振動から遮断されている。
【0020】
秤量ステーションは、他の収容ラックに適合する収容ラックを有する秤量盆を備え、この秤量盆は、
-操作機構から降ろされた、充填材を有する分類された複数の容器を挿入し、
-当該充填されたそれぞれの容器の個々の重量を測定するように構成されている。
【0021】
マガジンを充填するため、貯蔵器が、振動装置を有し、邪魔な振動を回避するためにチャンバの外側で支持されている。
【0022】
各々のコンテインメントとコンテインメント通路とを貫通するように、トンネルが延在する。このトンネルは、容器の第1の搬送口で空にされたトレイを、チャンバを迂回させることによって、完成された製品を受け取るために、第2の搬送口で新たに待機させ、当該トレイが空にされた後に、当該トレイを当該第1の搬送口に戻すために使用される。
【0023】
コンテインメントが、
-限定されたアクセス権(RABS=アクセス制限バリアシステム)を伴う開放された並びに、閉じたバリアシステムとして形成されていて、このバリアシステムは、クリーンルーム分類を伴う空気処理装置を有し、又は、
-クリーンルーム分類と汚染除去装置を有する空気処理装置を伴うアイソレータとして形成されている。
【0024】
空気処理装置が、吸気フィルタを有し、この吸気フィルタはプロセス空間上部に配置されていて、及び排気フィルタを有し、この排気フィルタは、底部空間に存在する受け部内に設置されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A】例えば単なるハウジングとしてのアイソレータとして図示された側面図としての鉛直断面図におけるコンテインメントである。
図1B】ロボット、処理装置、交換モジュール、ゲート装置、搬送口及びトレイ内に用意されている容器によって実装されている、前面部から見た斜視図における図1Aにしたがうコンテインメントである。
図1C】正面図における図1Bにしたがうアセンブリである。
図1D図1Cにおける断面A-A上の鉛直断面図である。
図1E図1Dにおける断面B-B上の鉛直断面図である。
図2A】前面部から見た斜視図における図1Bにしたがうアセンブリであり、このアセンブリはゲート装置を有さず、作業モード(洗浄と乾燥)における両ロボットを有する。
図2B】正面図における図2Aにしたがうアセンブリである。
図2C図2Bにおける断面C-C上の鉛直断面図である。
図2D図2Cにおける断面D-D上の鉛直断面図である。
図3A】正面図における完成した製品である。
図3B図3Aにおける断面E-E上の鉛直断面図である。
図3C】分解斜視図における図3Aにしたがう完成した製品である。
図3D図3Cにおける断面F-F上の鉛直断面図である。
図4A】斜視的な原理図としての製品又は製品要素の遷移/引き取りにおける2つのロボットの協働である。
図4B】上から見た斜視図における図4Aにしたがう構造である。
図4C】操作機構の斜視図における図4Aの第1のロボットである。
図4D】拡大された斜視図において、図4Aの第1のロボットの操作機構が、ネックにおいて挟持されたガラス瓶としての容器を有する。
図5】凡その交換モジュールを有する斜視図における図2Aにしたがう構造である。
図6A】拡大された斜視図における図5したがう交換モジュールである。
図6B】斜視図における、第2栓の載置のための切除アッセンブリとして処理装置を有する代替的交換モジュールである。
図7A】作業モード(充填と詰めて塞ぐこと)における2つのロボット、処理装置、第1栓を有する部分マガジン、第1搬送口におけるトレイ内に用意されている容器、第2搬送口における封止された容器を有するトレイによって実装されている上から見た斜視図における図1Aにしたがうコンテインメントである。
図7B】正面図における図7Aにしたがう構造である。
図7C】上から見た斜視図における図7Aにしたがうアセンブリ、秤量ステーションによって完成した、作業モード(充填、秤量及び詰めて塞ぐこと)における両ロボットである。
図7D】正面図における図7Cにしたがう構造である。
図7E】斜視図における図7Dの秤量ステーションである。
図8】様々な生産のタクトの実行のための5つの相互に連結されたコンテインメントを有するコンテインメント通路である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
付随する図面に関して、下記にコンテインメントの本発明に係る生産ユニット詳細な解説が行われ、このコンテインメントは、医薬製品又はバイオ製品の自動化された生産に特定されている。
【0027】
全てのさらなる解説に、下記の確定があてはまる。図中に、図面に関する一義性を目的に、符号が含まれていて、ただし直接に付属する解説文中に説明されていない時、先行する図の説明中における、それらの言及に関連付けられる。一覧性の利害関係において、構成部材の繰り返される名称は、下記の図において、少なくとも諦念され、「反復する」構成部材のことであることが図面的に一義的に認められ得る限り。
【0028】
図1A
最初に、ここではアイソレータとしてのコンテインメント9が、単にほぼ中空の構造において、間取りと壁部の解説を目的として示されていて、この中空構造はハウジング90を有する。背壁912内に交換モジュール95が、装入されている一方で、通常、前方壁910に透明な板911が嵌合する。ハウジング90は、さらに上方と下方の壁部を含み、これら壁部は、前方壁と背壁910,912と伴に、コンテインメント9を外側へ画成する。コンテインメント9内部に、内側チャンバ91が存在し、この内側チャンバは、プロセス空間93と、その下にある槽形状の底部空間92内に構成され、この底部空間は、下の斜めの床面914で完結し、この床面の下部に、底空域97が、存在する。プロセス空間93と底部空間92が、共に互いに一致して開放されて隣接している。床面914が、その最下位置で水除去オリフィス920を有し、この水除去オリフィスに隣接して背壁912内に排気フィルタ940が装入されていて、この排気フィルタが、後方空間99内に突出する。後方空間99を通って、トンネル990が延在する。垂直な作動領域Aが、プロセス空間93内部で延在し、この作動領域は、最低の作業高さAminと最高の作業高さAmaxの間で画定する。チャンバ91とプロセス空間93が、上のカバー面915で完結し、このカバー面上に、ルーフ空洞部98内に突出する吸気フィルタ94が、設置されている。コンテインメント9の稼働において、吸気フィルタ94を通って、典型的な層状の気流Lが、上でチャンバ91に内設され、このチャンバが、下でチャンバ91から、排気フィルタ940を介して流れ落ちる。
【0029】
図1B~1E
この一連の図は、2つのロボット1,2、2つの処理装置3、1つの交換モジュール95、1つのゲート装置96と入口側の搬送口917、及び出口側の搬送口919で実装されているコンテインメント9を例示する。分類ラック800にしたがうトレイ8内で用意されている容器70が、入口側の搬送口917に近付けられている。この時点で、出口側の搬送口919に、未だ何も待機していない。交換モジュール95のプロセス空間93に向けられた側において、処理装置3が、例えばカスケード形状に設置されていて且つ、収容ラック30内に並べられた洗浄用ノズル及び乾燥用ノズルが設置されている。処理装置3の下部に、捕獲槽39が、洗浄液を集めるために配置されている。設備内において、処理装置3の間で、交換モジュール95内に組み込まれたゲート装置96が存在する(図1B,1C参照)。
【0030】
ロボット1,2の脚部10,20が、底部空間92内の背壁912に係留され、最前に配置された操作機構12,22(図2C,2D参照)を有するロボットアーム11,21が、プロセス空間93内上方に突出する。コンテインメント9のユニット式システム形成を目的として、ロボット1,2の脚部10,20係留ために予め定義された位置決めラックが、各コンテインメント9の底部空間92内側において、側面910,912,916,918に設けられている。操作機構12,22は、製品6又は製品要素7;70~72及び/又は製品6の検査のため、又は製品要素7;70~72及び/又は製品6(図2Aも参照のこと)の生産ための把持部としての、及び搬送手段としての機能を有する。操作機構12,22は、単なる把持機能又は保持機能の他にも、追加的に取り付け装置又は取り外し装置、検査装置及び/又は密封装置及び/又は識別装置によって実装されていることが可能である。交換モジュール95は、ゲート装置96に追加的に、又は代替的に、搬送ステーション4を支持し得、この搬送ステーションは、収容ラック40を有する(図1E参照)。
【0031】
ロボット1,2における操作機構12,22の旋回領域R,Rが、水平且つ垂直なレベルにおいて延在し、つまり最低及び最高の作動高さAmin,Amax図1A参照)を伴う作動領域a内の垂直なレベルにおいて延在する。旋回領域R,Rは、水平なレベルで、トレイ8内の入口側搬送口917において分類ラック800内に系統的に定置する容器70を把持し得るように、又は出口側搬送口919内における容器処理後に位置付けを行うために、好ましくは側面916,918を越えて寸法決めされている。旋回領域R,R内に、少なくとも1つの受け渡し領域が設けられていて、操作機構12,22によって少なくとも1つのロボット1,2製品6又は製品要素7;70~72を収容することに、又は位置付けすることに特定されている。別の発展形において、旋回領域R,R内で、2つの受け渡し領域が設けられている。この際、第1受け渡し領域は、少なくとも1つのロボット1,2の操作機構12,22によって、製品6又は製品要素7;70~72を収容することに特定されている。これに対して、第2受け渡し領域は、操作機構12,22によって、少なくとも1つのロボット1,2によって、製品6又は製品要素7;70~72を位置付けすることに特定されている(図2A,3A~3Cも参照)。
【0032】
各々のコンテインメント9とコンテインメント通路9’とを貫通するように、トンネル990が延在する。このトンネルは、容器70の入口側の搬送口917で空にされたトレイを、チャンバ91を迂回させることによって、完成された製品6を受け取るために出口側の搬送口919で待機させ、当該トレイが空にされた後に、当該トレイを反対方向に入口側の搬送口917に戻すために使用される(図8も参照)。
【0033】
図2A~2D
これら一連の図は、作業モードにおける両ロボット1,2を有するコンテインメント9を例示する。第1のロボット1から、そのアーム11は、付属する操作機構12によって、分類ラック800内の容器70によって載荷されていて、そこに定置するトレイ8から、その収容ラック120に補完的に分類された複数の中空で且つ開放された容器70を、例えば最前列の容器70を取り出すために、及び隣接する処理装置3に送給するために入口側の搬送口917に向かって旋回する。この処理装置3は、第1洗浄ステーションであり得る。第1ロボット1は、中間ステップにおいて、第1洗浄ステーションで事前に浄化された容器70の組を、搬送ステーション4上で、搬送ステーションの収容ラック40内に装入している。受け渡し領域としての搬送ステーション4上に定置する組が、第2ロボット2の操作機構22によって捉えられ且つ、最初にロボット側で付属する処理装置3に送給され、この処理装置は、第2洗浄ステーションであり得る。第2浄化過程後、第2ロボット2は、すでに2度浄化された組の容器70を、別の処理のために、分類ラック800内の出口側搬送口919に定置するトレイ8の上に搬送し、通常、これら容器を生産ラインに対して、相互にコンテインメント通路9’に連結された複数コンテインメント9内部で搬送する。
【0034】
図3A~3D
完成された製品6は、この注入口を通って、液体又は粉体としての医薬的な又は生体工学的充填材79を容器70に内設するために、製品要素7として、先ず容器70を、ここでは注入口73を有する典型的なガラス瓶として含んでいる。さらに第1栓71が、ここでは詰め物として、完成した製品6に属する。栓は、熱的にも製造される。最終的に、完全な製品6に、選択的な第2栓72が属し得、つまり、この第2栓は、第1栓71を係合して上から握持するエレメントとして、例えば第1栓71のための保護としてのフランジ付キャップである。
【0035】
図4A~4D
この一連の図が、2つのロボット1,2とそれらの操作機構12,22の協働を例示し、遷移/引き取りに際し、分類された複数の容器70の例で、空間中に漂う受け渡し領域で、第1のロボット1の操作機構12によって、近付けて送られる及び、さらに保持され、今や第2のロボット2の操作機構22によって引き取りのために挟持される。例えば、収容ラック120にしたがう操作機構12を伴う第1ロボット1によって、容器70の組が、これら容器のボトルネックにおいて吊持される。引き取りのために、第2ロボット2の操作機構222が、収容ラック220にしたがって、容器70の組をペンチのように、容器の底部と上方端部の間で捉える。こうして挟持されつつ、容器70の組は、その後、第2のロボット2のアーム21の動作によって収容ラック120から、第1ロボット1の操作機構12によって、言わば持ち上げて取り出され及び、さらに搬送される。
【0036】
トレイ8内の分類ラック800と処理装置3の収容ラック30と搬送ステーション4の収容ラック40とは、操作機構12,22の収容ラック120,220に初めから常に適合しているのではない。当該適合を達成する目的で、操作機構12,22の収容ラック120,220が、調整機構によって調整可能に構成されている。
【0037】
図5及び6A
プロセス空間93を画成するハウジング面910,912,916,918の1つ内で、交換可能な交換モジュール95が、装入可能であり、ここでは、好ましくは背壁912の凹部913内で装入可能である。図示された例において、相互に隣り合わせに、2つのカスケード形状の処理装置3が、それらの収容ラック30と 伴に設けられている。その下に、捕獲槽39が、其々配設されている。両処理装置3は、洗浄ステーションであることが可能で、右の処理装置は、乾燥ステーションとしても形成されていることが可能である。両処理装置3間において、搬送ステーション4が、収容ラック40と伴に設置されている。この処理装置3による機能固有の装備の可能性と交換モジュール95との交換可能性は、各々のコンテインメント9のキャビネットのような構造を且つ、こうして製造効率的な構造を可能にし、多数の相互に連結されたコンテインメント9の構造も可能にし、これらコンテインメントは、コンテインメント通路9’を形成する。
【0038】
交換モジュール95が、処理装置3に追加して、製品要素7又は、製品6を搬入、及び/又は搬出するためのゲート装置96を有し得る(図1A参照)。各々の処理装置3は、洗浄ステーション、乾燥ステーション、殺菌ステーション、充填ステーション、密封ステーション、取り付けステーション又は取り外しステーション、特徴付けステーション又は検査ステーションとして提供されていることが可能である。検査ステーションは、光学的検査及び/又は重量管理のために形成されている。
【0039】
図6B
処理装置3は、この交換モジュール95の上で、予め載置された第1栓71上に第2栓72を載置するための収容ラック30を有する切除アッセンブリとして設置されている。第2栓72は、第1栓71のための保護として役立ち及び、フランジ付キャップの仕様において、この栓を上から握持する。
【0040】
図7A及び7B
この一連の図は、コンテインメント9内において、複数の容器70の充填の生産ステップと、これら容器の引き続く封止を例示する。入口側の搬送口917において、分類ラック800にしたがうトレイ8の中に用意されている空の容器70が、存在する。最初に同様にして、作業モードで作動する両ロボット1,2が、チャンバ91内に存在する。交換モジュール95において、処理装置3が、それらの収容ラック30と伴に、充填ステーションとして設置されている。第1ロボット1から、付属する操作機構12中の、処理装置3で充填材79によって実装された容器70が、収容ラック120内で、吊持されながら空気中に漂う受け渡し領域に搬送され、この受け渡し領域に、操作機構22と伴に第2ロボット2が近づくように設計されている。例えば詰め物としての第1栓71は、この操作機構22内で、収容ラック220にしたがって、次の生産ステップにおいて、満たされた容器70を、これによって封止するために、挟持されている。
【0041】
当該複数の栓71は、プロセス空間93内にある、当該複数の栓71を貯蔵している貯蔵器5によって提供される。マガジン50が、このマガジン50の収容ラック220にしたがって、分類された複数の栓71を操作機構22に装填するために貯蔵器5に付設されている。貯蔵器5は、マガジン50を充填するために振動装置を有する。好ましくは、貯蔵器5は、邪魔な振動を回避するためにチャンバ91の外部に支持されている。
【0042】
第1栓71を充填された容器70上に装着した後に、簡単な場合において、製品6は、完成されたとみなされ得て、第2ロボット2によって出口側の搬送口919へ搬送され、分類ラック800内に存在するトレイ8上に載せられる。
【0043】
図7C~7E
処理装置3による秩序だった充填量の管理は、通常、充填された容器70の封止に先だって、秤量ステーション35として設定されていて、この秤量ステーションは、充填された各容器70の個々の重量測定のために特定されていて及び、好ましくはチャンバ91の外部で、又はコンテインメント9の直接外部で、土台F上に担持し及び、そうしてショックに対して隔離している。秤量ステーション35が、収容ラック30を伴う秤量盆36を有し、この秤量盆は、他の収容ラック120,220;30,40に両立可能でなければならない。
【0044】
図8
例として図示されたコンテインメント通路9’は、様々な生産ステップの実行のために相互に連結された5つのコンテインメント9から成り、これら生産ステップは、空の容器70の用意に際し始まり、入口側の搬送口917における完全な製品6の出口側搬送口919における産出に到る。その間に、容器70の浄化、充填材79の内設、重量管理及び第1の栓71の着設、及び場合によって、その上、第2栓72の着設もある。
【0045】
各々のコンテインメント9の各底部空間92と各プロセス空間93が、其々に操作機構12,22及び/又は処理装置3及び/又は搬送ステーション4及び/又は貯蔵器5を有するロボット1,2を伴う課題固有の装備を有する。
【0046】
第1コンテインメント9は、トレイ8のなかで、系統的に分類ラック800にしたがって設定された容器70としての製品要素7をプロセス空間93へ供給するための第1の搬送口917を有する。そうして、分類された複数の容器70は、第1のロボット1の操作機構12によって捕えられ及び第1の生産ステップ実行のための第1処理装置3に近づけられる。第1コンテインメント9は、さらに第2の搬送口919を有し、 又は、次のコンテインメント9に開放されていて、これは、次の生産ステップを別のロボット2及び別の処理装置3によって実行するために、こうして加工された製品要素7を次のコンテインメント9のプロセス空間93に移送するという目的に供する。コンテインメント通路9’の最終コンテインメント9は、その中に設置された最終ロボット2と最終処理装置3を有し、完結する生産ステップ実行のために特定されている。この最終コンテインメント9は、第2搬送口919を有し、この搬送口を通って、完成された製品6が、給送及びトレイ8上で位置付けされる。
【0047】
完成された製品6のトレイ8を空にした後で、トレイ8は、トンネル990を通って、再び第1のコンテインメント9における第1搬送口917への出発位置に、系統的に分類ラック800にしたがって設定された容器70の別の供給のために戻され得る。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も達成される:
1.
医薬製品又はバイオ製品(6)の自動生産のためのコンテインメント(9)の生産ユニットであって、
a)最終生産物としての1つの製品(6)が、それぞれ複数の製品要素(7)を有し、
b)前記コンテインメント(9)が、ハウジング(90)によって包囲されていて、少なくとも1つの搬送口(917,919)を有する内側チャンバ(91)が、前記ハウジング(90)内に存在し、
c)少なくとも1つのロボット(1,2)が、前記チャンバ(91)内に設置されていて、当該ロボット(1,2)は、その旋回可能なアーム(11,21)に少なくとも1つの操作機構(12,22)を有し、この操作機構(12,22)は、旋回領域(R ,R )内で可動であり、
d)前記チャンバは、前記製品(6)を生産する少なくとも1つの処理装置(3)を設置するために適している当該生産ユニットにおいて、
e)前記チャンバ(91)は、
ea)前記製品(6)を生産するための処理室(93)と、
eb)前記少なくとも1つのロボット(1,2)の脚部(10,20)を桶状の底部空間(92)内の複数の側面(910,912,916,918)のうちの1つの側面に固定するための当該底部空間(92)とを有し、
ec)前記処理室(93)が、前記底部空間(92)の上側に配置されていて、この処理室(93)とこの底部空間(92)とが、互いに揃って開口隣接し、
f)操作機構(12,22)が、以下の、
fa)前記製品(6)又は製品要素(7)を把持し搬送する機能、
fb)前記製品(6)又は製品要素(7)を検査する機能、
fc)前記製品(6)を生産する機能のうちの少なくとも1つの機能を有し、
g)前記少なくとも1つのロボット(1,2)にある少なくとも1つの前記操作機構(12,22)の前記旋回領域(R ,R )が、水平面内と、垂直面内、すなわち最低の作業高さ(a min )と最高の作業高さ(a max )との間で決まる作業領域(a)内の垂直面内とに延在し、
前記処理装置(3)の収容ラック(30)の製品要素(7)及び/又は製品(6)を一時的に位置決めするための少なくとも1つの搬送ステーション(4)の収容ラック(40)に対する分類ラック(800)の偏差が最初に発生しても、互換性をもたせるため、前記操作機構(12,22)の収容ラック(120,220)が、調整機構によって調整可能に形成されている当該生産ユニット。
2.
製品(6)又は製品要素(7;70~72)を前記少なくとも1つのロボット(1,2)の操作機構(12,22)によって受け取るか又は位置決めするために構成された少なくとも1つの受け渡し領域が、前記旋回領域(R ,R )内に設けられていることを特徴とする1に記載の生産ユニット。
3.
2つの受け渡し領域が、前記旋回領域(R ,R )内に設けられていて、
a)第1の前記受け渡し領域は、製品(6)又は製品要素(7;70~72)を前記少なくとも1つのロボット(1,2)の前記操作機構(12,22)によって受け取るために指定されていて、
b)第2の前記受け渡し領域は、製品(6)又は製品要素(7;70~72)を前記少なくとも1つのロボット(1,2)の前記操作機構(12,22)によって位置決めするために構成されていることを特徴とする1に記載の生産ユニット。
4.
a)第1のコンテインメント(9)が、第2のコンテインメント(9)に結合されていて、それぞれ1つのロボット(1,2)が、これらのコンテイメント内に設置されていて、
b)複数の受け渡し領域のうちの1つの受け渡し領域が、当該2つのロボット(1,2)の前記操作機構(12,22)の前記旋回領域(R ,R )内に存在することを特徴とする1~3の少なくとも1つに記載の生産ユニット。
5.
a)少なくとも2つのロボット(1,2)が、前記コンテインメント(9)内に設置されていて、
b)それぞれ1つの旋回領域が、隣接した2つのロボット(1,2)の前記操作機構(12,22)の前記旋回領域(R ,R )内に存在することを特徴とする1~3の少なくとも1つに記載の生産ユニット。
6.
前記製品(6)を生産するための少なくとも1つの処理装置(3)が、前記コンテインメント(9)の前記処理室(93)内の、前記少なくとも1つのロボット(1,2)の前記操作機構(12,22)の前記旋回領域(R ,R )内に設置されていることを特徴とする1~5の少なくとも1つに記載の生産ユニット。
7.
a)前記処理装置(3)は、洗浄ステーション、乾燥ステーション、殺菌ステーション、充填ステーション、密封ステーション、取り付けステーション、取り外しステーション、特徴付けステーション又は検査ステーションとして構成されていて、
b)前記検査ステーションは、光学的検査及び/又は重量管理のために提供されていて、
c)様々な機能の複数の処理装置(3)が、前記処理室(93)内に設置可能であることを特徴とする1~6の少なくとも1つに記載の生産ユニット。
8.
前記少なくとも1つのロボット(1,2)の脚部(10,20)をそれぞれの前記コンテインメント(9)の底部空間(92)内の前記複数の側面(910,912,916,918)に固定するための既定の位置決めラックが、複数のコンテインメント(9)から成るユニットシステムを構成するために設けられていることを特徴とする1~7の少なくとも1つに記載の生産ユニット。
9.
前記底部空間(92)は、傾斜した床面(914)によって仕切られていて、この床面(914)は、前記チャンバ(91)に通流する層状の特性の気流(L)の排出と、前記処理室(93)内で前記製品(6)の生産時に発生する液体の排出とを促進させることを特徴とする1~8の少なくとも1つに記載の生産ユニット。
10.
a)製品要素(7)及び/又は製品(6)を一時的に位置決めするための少なくとも1つの搬送ステーション(4)、及び/又は
b)製品要素(7)を貯蔵するための少なくとも1つの貯蔵器(5)が、前記処理室(93)内にさらに配置されていて、
c)前記操作機構(12,22)が、分類された製品要素(7)又は製品(6)を収容するための収納ラック(120,220)を有し、
d)操作機構(12,22)の収容ラック(120,220)にしたがって、この操作機構(12,22)に、分類された製品要素(7)を装填するためのマガジン(50)が、前記貯蔵器(5)に付設され得ることを特徴とする1~9の少なくとも何れか1つに記載の生産ユニット。
11.
a)前記処理装置(3)と製品要素(7)及び/又は製品(6)を一時的に位置決めするための少なくとも1つの搬送ステーション(4)とのそれぞれの収容ラック(30,40)が、分類された製品要素(7)又は製品(6)を同時に取り扱うために前記操作機構(12,22)の前記収容ラック(120,220)に対して数的に且つ幾何学的に相補に形成されていて、
b)前記操作機構(12,22)が、取り付け装置若しくは取り外し装置、検査装置及び/又は密封装置及び/又は特徴付け装置をさらに装備され得ることを特徴とする1~10の少なくとも1つに記載の生産ユニット。
12.
a)機能的に固有の処理装置(3)が装着されている交換可能な交換モジュール(95)が、前記処理室(93)を仕切るハウジング面(910,912,916,918)のうちの1つのハウジング面内に組み込み可能であり、
b)前記交換モジュール(95)が、前記処理装置(3)に加えて製品要素(7)又は製品(6)を搬入及び/又は搬出するためのゲート装置(96)を有し得て、
c)機能的に同じ処理装置(3)が、互いにずらしてカスケード状に配置され得ることを特徴とする1~11の少なくとも1つに記載の生産ユニット。
13.
a)第1のコンテインメント(9)が、生産ライン内で別のコンテインメント(9)と互いに連結されて、コンテインメント区間(9’)が構成されていて、
b)それぞれの前記底部空間(92)及びそれぞれの前記処理室(93)が、ロボット(1,2)、操作機構(12,22)及び/又は処理装置(3)及び/又は搬送ステーション(4)及び/又は貯蔵器(5)を有する固有の装備を備え得ることを特徴とする1~12の少なくとも1つに記載の生産ユニット。
14.
前記少なくとも1つのロボット(1,2)にある前記少なくとも1つの操作機構(12,22)の前記旋回領域(R ,R )が、水平面方向で前記処理室(93)の垂直な前記複数の側面(910,912,916,918)のうちの1つの側面を超えて少なくとも延存することを特徴とする1~13の少なくとも1つに記載の生産ユニット。
15.
a)第1の前記コンテインメント(9)が、分類ラック(800)にしたがってトレイ(8)内に整然と格納された複数の容器(70)としての複数の製品要素(7)を前記処理室(93)に搬送するための第1の搬送口(917)を有し、分類された容器(70)が、第1の前記ロボット(1)の操作機構(12)によって把持され得て、第1生産ステップを実行するために第1の前記処理装置(3)に移送可能であり、
b)次の生産ステップを別のロボット(2)と別の処理装置(3)とによって実行するために、その時点で処理された製品要素(7)を次のコンテインメント(9)の処理室(93)内に搬送する目的で、第1の前記コンテインメント(9)が、第2の搬送口(919)を有するか、又は次のコンテインメント(9)に向かって開口されていて、
c)前記コンテインメント区間(9′)の最終のコンテインメント(9)が、このコンテインメント(9)内に設置された最終のロボット(2)と最終の処理装置(3)とに最後の生産ステップを実行させ、
d)この最終のコンテインメント(9)は、完成された前記製品(6)が搬出され得る第2の搬送口(919)を有することを特徴とする13~14の少なくとも1つに記載の生産ユニット。
16.
完成された前記製品(6)は、製品要素(7)として、
a)容器(70)と、
b)容器(70)の注入口(73)を通じてこの容器(70)内に注入された液体又は粉末としての医薬充填物(79)又はバイオ充填物(79)と、
c)詰め物又は熱的に生成された栓としての第1栓(71)と、
d)前記第1栓(71)をこの第1栓(71)用の保護部材として嵌合するように包囲する要素、又は圧着蓋としてのオプションの第2栓(72)とを含むことを特徴とする1~15の少なくとも1つに記載の生産ユニット。
17.
a)処理装置(3)が、秤量ステーション(35)の形態を成し、この秤量ステーション(35)は、前記チャンバ(91)の外部で又は前記コンテインメント(9)の直ぐ外部で土台(F)に支持されていて、結果として衝撃から保護されていて、
b)前記秤量ステーション(35)は、他の収容ラック(120,220;40)と取り替え可能な収容ラック(30)を有する秤量板(36)を備え、この秤量板は、
ba)前記操作機構(12,22)から取り外された充填物(79)を含む複数の容器(70)を挿入し、
bb)当該充填されたそれぞれの容器(70)の重量を個別に測定するように構成されていて、
c)製品要素(7)を貯蔵するための少なくとも1つの貯蔵器(5)が、この操作機構(12,22)を分類された製品要素(7)で充填するためのマガジン(50)を充填するために振動装置を有し、
d)邪魔な振動を回避するため、前記貯蔵器(5)は、前記チャンバ(91)の外部に支持されていることを特徴とする1~16の少なくとも1つに記載の生産ユニット。
18.
a)トンネル(990)が、個々の前記コンテインメント(9)と前記コンテインメント区間(9′)とを貫通して延在し、
b)前記トンネル(990)は、複数の容器(70)の第1の前記搬送口(917)で容器を取り外されたトレイを、前記チャンバ(91)を迂回させることによって、完成された前記製品(6)を受け取るために、第2の前記搬送口(919)で新たに待機させるために使用されることを特徴とする1~17の少なくとも1つに記載の生産ユニット。
19.
前記コンテインメント(9)は、
a)クリーンルーム規格に準拠する空気処理装置を有するアクセス制限されたオープンバリアシステム又はクローズドバリアシステム(RABS=アクセス制限バリアシステム)として、又は
b)クリーンルーム規格に準拠する空気処理装置と汚染除去装置とを有するアイソレータとして構成されていて、
c)前記空気処理装置は、前記処理室(93)の上側に配置されている吸気フィルタ(94)と、前記底部空間(92)に存在する収容部分内に設置されている排気フィルタ(940)とを有することを特徴とする1~18の少なくとも1つに記載の生産ユニット。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8