(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】調湿装置
(51)【国際特許分類】
F24F 3/14 20060101AFI20231024BHJP
F24F 6/00 20060101ALI20231024BHJP
B01D 53/26 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
F24F3/14
F24F6/00 A
B01D53/26 100
(21)【出願番号】P 2020024220
(22)【出願日】2020-02-17
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】田中 克治
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-068802(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0131372(US,A1)
【文献】特開2007-278633(JP,A)
【文献】特開2015-009229(JP,A)
【文献】特開2009-257632(JP,A)
【文献】特開2017-138057(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0099003(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 3/14
F24F 6/00
B01D 53/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
加湿を行う加湿部と、
前記加湿部に供給する第1水を収容する第1容器と、
除湿を行う除湿部と、
前記除湿部によって生じた第2水を収容する第2容器と
を備え、
前記第1容器と前記第2容器とが一体となった状態で、前記筐体に対して着脱可能であり、
前記筐体から取外された状態で、前記第1容器と前記第2容器とが離間可能である、調湿装置。
【請求項2】
前記第1容器は、前記第2容器の内部に配置される、請求項1に記載の調湿装置。
【請求項3】
前記第1容器の壁部の外周面のうちの少なくとも一部は、前記第2容器の壁部の内周面のうちの少なくとも一部に沿っている、請求項2に記載の調湿装置。
【請求項4】
前記第1容器は、壁部に配置された第1係合部を有し、
前記第2容器は、壁部に配置された第2係合部を有し、
前記第1係合部と前記第2係合部とが係合した状態で、前記第2容器に対する前記第1容器の第1方向及び第2方向の移動を規制し、
前記第1方向は、前記筐体から前記第1容器及び前記第2容器が取外される方向を示し、
前記第2方向は、鉛直上向きを示す、請求項2又は請求項3に記載の調湿装置。
【請求項5】
前記第1容器と前記第2容器とが一体となった状態で、前記第1容器の前記壁部と前記第2容器の前記壁部との間に配置される規制部材を更に備え、
前記規制部材は、前記第2容器に対する前記第1容器の前記第1方向と反対方向の移動を規制する、請求項4に記載の調湿装置。
【請求項6】
前記規制部材は、
前記除湿部によって生成された前記第2水を受ける受部と、
前記受部で受けた前記第2水を前記第2容器の内部に案内する孔部と
を有する、請求項5に記載の調湿装置。
【請求項7】
前記第1容器は、壁部の上端部から外方に向かって張り出す張出部を有し、
前記張出部の下面と前記第2容器の壁部とが当接する、請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の調湿装置。
【請求項8】
前記加湿部と前記第1容器と前記第2容器とが一体となった状態で、前記筐体に対して着脱可能であり、
前記加湿部と前記第1容器と前記第2容器とが前記筐体から取外された状態で、前記第1容器と前記加湿部とは離間可能である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の調湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
除湿機能及び加湿機能を有する除加湿装置が開発されている。例えば、特許文献1に開示されている除加湿装置は、筐体と、除湿部と、加湿部と、除湿タンクと、加湿タンクとを備える。除湿部は、筐体の内部を通過する空気を熱交換器にて冷却し、空気に含まれる水分を結露させることにより、空気に含まれる水分を取り除き、空気を除湿する。除湿部にて生じた水は、除湿タンクに送られる。加湿部は、筐体の内部を通過する空気に対して加湿フィルタにより加湿する。加湿フィルタは、加湿トレイ内に設けられ、加湿トレイから水が供給される。加湿トレイには加湿タンクから水が補給される。特許文献1に開示されている除加湿装置では、加湿タンクと除湿タンクとがそれぞれ独立して筐体に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された除加湿装置のような調湿装置では、加湿タンクと、除湿タンクとが独立して設けられているため、筐体の内部に2つ空間が必要となるので、調湿装置が大型化する傾向にある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、加湿機能及び除湿機能を備えながら小型化できる調湿装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、調湿装置は、筐体と、第1容器と、加湿部と、除湿部と、第2容器とを備える。前記加湿部は、加湿を行う。前記第1容器は、前記加湿部に供給する第1水を収容する。前記除湿部は、除湿を行う。前記第2容器は、前記除湿部によって生じた第2水を収容する。前記第1容器と前記第2容器とが一体となった状態で、前記筐体に対して着脱可能である。前記筐体から取外された状態で、前記第1容器と前記第2容器とは離間可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る調湿装置によれば、加湿機能及び除湿機能を備えながら小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る空気調和機を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る空気調和機の内部を示す模式図である。
【
図3】第1実施形態に係る空気調和機の内部を示す模式図である。
【
図4】第1実施形態に係る空気調和機を示す斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係る除湿タンク及び加湿タンクを示す斜視図である。
【
図6】第1実施形態に係る除湿タンクを示す斜視図である。
【
図7】第1実施形態に係る加湿タンクを示す斜視図である。
【
図8】第1実施形態に係る加湿タンクが除湿タンクの内部に挿入されたときの断面図である。
【
図9】第1実施形態に係る加湿タンクが除湿タンクに固定されたときの断面図である。
【
図10】第1実施形態に係る加湿タンクと除湿タンクとを示す斜視図である。
【
図11】第2実施形態に係る加湿部と加湿タンクと除湿タンクとを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
<第1実施形態>
図1~
図3を参照して、本発明の第1実施形態に係る空気調和機100について説明する。
図1は、空気調和機100を示す斜視図である。
図2及び
図3は、空気調和機100の内部を示す模式図である。詳細には、
図2は、除湿モード時の空気調和機100の内部を示す模式図である。
図3は、加湿モード時の空気調和機100の内部を示す模式図である。なお、第1実施形態では、図中に、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を示す。Z軸は鉛直上向きに平行であり、X軸及びY軸は水平方向に平行である。
【0011】
図1~
図3に示すように、空気調和機100は、筐体10と、制御部20と、記憶部21と、除湿部30と、加湿部40と、除湿タンク60と、加湿タンク70と、送風部80とを備える。空気調和機100は、調湿装置の一例である。加湿タンク70は、第1容器の一例である。除湿タンク60は、第2容器の一例である。
【0012】
空気調和機100は、例えば、据置型の空気調和機である。第1実施形態では、空気調和機100は、「除湿モード」及び「加湿モード」を有する。「除湿モード」は、空気を除湿するモードである。「加湿モード」は、空気を加湿するモードである。
【0013】
記憶部21は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリ)を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)を更に含んでもよい。主記憶装置及び/又は補助記憶装置は、制御部20によって実行される種々の制御プログラムを記憶する。
【0014】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含むハードウェア回路である。詳細には、制御部20は、記憶部21に記憶された制御プログラムを実行することにより、除湿部30、加湿部40、及び記憶部21を制御する。
【0015】
筐体10は、天板11と、底板12と、一対の側板13と、前面パネル14と、後面パネル15とを有する。前面パネル14と後面パネル15と側板13との各々は、天板11と底板12との間に配置されている。
【0016】
図2に示すように、後面パネル15は、前面パネル14と対向して配置される。そして、後面パネル15は、筐体10のX軸の負方向側に配置される。後面パネル15は、複数の吸込口15aを有する。複数の吸込口15aの各々は、開口である。
【0017】
天板11は、底板12と対向して配置される。そして、天板11は、筐体10の上方側に配置される。具体的には、天板11は、吹出口11aと、カバー部材11bと、操作パネル11cとを有する。吹出口11aは、開口である。カバー部材11bは、略板状の部材である。カバー部材11bは、吹出口11aを覆っている。カバー部材11bは、吹出口11aから放出される空気の流れる方向を規定する風向板として機能する。操作パネル11cは、外部からの指示を受付ける。
【0018】
筐体10は、空気が流通する複数の流通部50を更に有する。具体的には、複数の流通部50は、第1室51と、第2室52と、第3室53と、第4室54と、第5室55とを有する。
【0019】
第1室51は、筐体10のX軸の負方向側に配置される。第1室51は、複数の吸込口15aを介して筐体10の外部に連通する。第1室51は、フィルタ51aを有する。フィルタ51aは、例えば、脱臭フィルタ及び/又は集塵フィルタである。
【0020】
第2室52は、第1室51のX軸の正方向側に配置される。第1室51と第2室52とは連通する。第2室52の内部には、除湿部30が配置される。除湿部30は、除湿を行う。詳細には、除湿部30は、制御部20によって制御される。具体的には、除湿部30は、
図2に示すように、除湿モード時に制御部20によって駆動され、
図3に示すように、加湿モード時に制御部20によって駆動されない。
【0021】
第3室53は、筐体10のZ軸の負方向側に配置される。第1室51と第3室53とは連通する。第3室53の内部には、加湿部40と、除湿タンク60と、加湿タンク70とが配置される。具体的には、第3室53は、除湿タンク60と加湿タンク70とが収容される収容空間を有する。加湿タンク70は、第1水を収容する。加湿部40は、加湿タンク70内の第1水によって加湿を行う。詳細には、
図3に示すように、加湿タンク70は、加湿モード時に使用者によって第1水が予め収容される。
図2に示すように、加湿タンク70は、除湿モード時に使用者によって予め空にされる。除湿タンク60は、除湿部30によって生成された第2水を収容する。
【0022】
第4室54は、筐体10のX軸の正方向側に配置される。また、第4室54と第3室53とは連通する。第4室54には、送風部80が配置される。
【0023】
第5室55は、筐体10のZ軸の正方向側に配置される。第4室54と第5室55とは連通する。また、第2室52と第5室55とは連通する。また、第5室55は、吹出口11aを介して筐体10の外部に連通する。
【0024】
次に、空気の流れについて詳細に説明する。送風部80は、例えば、ファンと、モータとを有する。モータは、ファンを回転させる。ファンは、第1気流F1と第2気流F2とを発生させる。第1気流F1は、第1室51と第2室52と第5室55とをこの順に通過する。第2気流F2は、第1室51と第3室53と第4室54と第5室55とをこの順に通過する。
【0025】
更に、除湿モード時の第1気流F1と第2気流F2とについて詳細に説明する。
図2に示すように、まず、使用者は加湿タンク70を空にする。次に、使用者は操作パネル11cを用いて制御部20によって除湿部30を駆動させる。その結果、第1気流F1は、第2室52を通過する際に、除湿部30によって除湿される。そして、除湿タンク60は、除湿部30によって生成された第2水を収容していく。また、第2気流F2は、第3室53を通過する際に、加湿部40によって加湿されない。よって、空気調和機100から除湿された空気が放出される。
【0026】
続けて、加湿モード時の第1気流F1と第2気流F2とについて詳細に説明する。
図3に示すように、まず、使用者は加湿タンク70に所定量の第1水を収容する。なお、使用者は制御部20によって除湿部30を駆動させない。その結果、第1気流F1は、第2室52を通過する際に、除湿部30によって除湿されない。また、第2気流F2は、第3室53を通過する際に、加湿部40によって加湿される。よって、空気調和機100から加湿された空気が放出される。
【0027】
ここで、
図4及び
図5を参照して、空気調和機100の除湿タンク60及び加湿タンク70について説明する。
図4は、空気調和機100を示す斜視図である。
図5は、除湿タンク60及び加湿タンク70を示す斜視図である。
【0028】
図4及び
図5に示すように、空気調和機100では、除湿タンク60と加湿タンク70とが一体となった状態で、筐体10に対して着脱可能である。具体的には、除湿タンク60と加湿タンク70とが一体となった状態で、筐体10の第3室53に対して第1方向D1に引出し可能である。第1方向D1は、筐体10から除湿タンク60及び加湿タンク70が取外される方向を示す。また、第2方向D2は、鉛直上向きを示す。本実施形態では、第1方向D1は、Y軸方向に沿って延びている。第2方向D2は、Z軸方向に沿って延びている。
【0029】
続けて、
図5~
図7を参照して、空気調和機100の除湿タンク60及び加湿タンク70について説明する。
図6は、除湿タンク60を示す斜視図である。
図7は、加湿タンク70を示す斜視図である。
図6及び
図7に示すように、筐体10から取外された状態で、除湿タンク60と加湿タンク70とは離間可能である。すなわち、筐体10から取外された状態で、除湿タンク60と加湿タンク70とは、互いに取付けたり、取外したりすることが可能である。
【0030】
図6に示すように、除湿タンク60の形状は、略矩形の箱状を有する。除湿タンク60の上面は開口している。具体的には、除湿タンク60は、第2底面61と第2壁部62とを有する。第2壁部62は、第1壁63と、第2壁64と、第3壁65と、第4壁66と、第5壁67とを有する。
【0031】
第1壁63の形状と第2壁64の形状と第3壁65の形状と第5壁67の形状とは、略平面形状である。第4壁66は、内方に向かって湾曲した曲面を有する。第1壁63は、第3壁65と対向して配置される。第1壁63は、取手63aを有する。また、第2壁64は、第4壁66及び第5壁67と対向して配置される。
【0032】
図7に示すように、加湿タンク70の形状は、略矩形の箱状を有する。加湿タンク70の上面は開口している。具体的には、加湿タンク70は、第1底面71と第1壁部72と把持部78とを有する。第1壁部72は、第1壁73と、第2壁74と、第3壁75と、第4壁76と、第5壁77とを有する。
【0033】
第1壁73の形状と第2壁74の形状と第3壁75の形状と第5壁77の形状とは、略平面形状である。第4壁76は、内方に向かって湾曲した曲面を有する。第1壁73は、第3壁75と対向して配置される。また、第2壁74は、第4壁76及び第5壁77と対向して配置される。
【0034】
把持部78の形状は、直方体形状である。把持部78の一端部は、第1壁73の上端部と接続され、把持部78の他端部は、第3壁75の上端部と接続されている。
【0035】
以上、
図1から
図7を参照して説明したように、空気調和機100によれば、除湿タンク60と加湿タンク70とが一体となった状態で、筐体10に対して着脱可能である。従って、筐体10は1つの収容空間のみを有すればよいため、空気調和機100を小型化できる。
【0036】
また、筐体10から取外された状態で、除湿タンク60と加湿タンク70とは離間可能であるため、除湿タンク60と加湿タンク70とを独立して取り扱いできる。例えば、使用者は、除湿タンク60のみを容易に清掃できる。また、使用者は、加湿タンク70のみを容易に清掃できる。
【0037】
更に詳細には、
図5に示すように、加湿タンク70が除湿タンク60の内部に配置される。具体的には、加湿タンク70の形状は、除湿タンク60の形状より小さい。加湿タンク70の第1壁部72の高さは、除湿タンク60の第2壁部62の高さより低い。更に詳細には、加湿タンク70の壁部の外周面のうちの少なくとも一部は、除湿タンク60の壁部の内周面のうちの少なくとも一部に沿っている。具体的には、除湿タンク60の第4壁66の形状と、加湿タンク70の第4壁76の形状とは相似形状である。
【0038】
以上、空気調和機100によれば、加湿タンク70が除湿タンク60の内部に配置される。従って、収容空間を小さくできるため、空気調和機100を、より小型化できる。また、加湿タンク70の壁部の外周面のうちの少なくとも一部は、除湿タンク60の壁部の内周面のうちの少なくとも一部に沿っている。従って、使用者は加湿タンク70を除湿タンク60に対して正確な位置に配置しやすい。例えば、使用者は除湿タンク60内に加湿タンク70を誤った向きで取付けることを抑制できる。
【0039】
更に、
図7に示すように、加湿タンク70は、第1壁部72の上端部から外方に向かって張り出す張出部81を更に有する。具体的には、張出部81は、第1張出部81aと、第2張出部81bと、第3張出部81cと、第4張出部81dとを有する。第1張出部81a及び第2張出部81bは、第2壁74の上端部から外方に向かって張り出す。第3張出部81cは、第4壁76の上端部から外方に向かって張り出す。第4張出部81dは、第5壁77の上端部から外方に向かって張り出す。
【0040】
そして、
図5に示すように、加湿タンク70が除湿タンク60に取付けられるときに、張出部81の下面と除湿タンク60の第2壁部62の上面とが当接する。従って、加湿タンク70の除湿タンク60に対する下方向の移動を規制できる。その結果、除湿タンク60に対する加湿タンク70のガタツキを抑制できる。
【0041】
続けて、
図5から
図9を参照して、除湿タンク60と加湿タンク70とを一体化させる構成について説明する。
図8は、加湿タンク70が除湿タンク60の内部に挿入されたときの断面図である。
図9は、加湿タンク70が除湿タンク60に固定されたときの断面図である。
【0042】
図6に示すように、除湿タンク60は、第2壁部62に配置された第2係合部69を更に有する。詳細には、第2係合部69は、第2壁部62の上端部から内方に向かって突出する。具体的には、第2係合部69は、第1突出部69aと、第2突出部69bと、第3突出部69cと、第4突出部69dとを有する。第1突出部69aと第2突出部69bと第3突出部69cとの各々の形状は、平板形状である。また、第4突出部69dの形状は、略平板形状である。なお、第4突出部69dの形状も、第1突出部69aと第2突出部69bと第3突出部69cとの各々の形状と同じであってもよい。第1突出部69a及び第2突出部69bは、第1壁63の内周面に配置される。第3突出部69cは、第5壁67の内周面に配置される。第4突出部69dは、第4壁66の内周面に配置される。
図8及び
図9は、
図5に示す除湿タンク60と加湿タンク70とをXY平面で切断した断面図である。詳細には、
図8及び
図9は、第1突出部69aと第2突出部69bと第3突出部69cと第4突出部69dとを含むXY平面で切断した断面図である。
【0043】
図7に示すように、加湿タンク70は、第1壁部72に配置された第1係合部79を更に有する。詳細には、第1係合部79は、第1壁部72から内方に向かって凹む凹部を有する。具体的には、第1係合部79は、第1凹部79aと、第2凹部79bと、第3凹部79cと、第4凹部79dとを有する。第1凹部79a及び第2凹部79bは、第2壁74に配置される。第3凹部79cは、第5壁77に配置される。第4凹部79dは、第4壁76に配置される。第1凹部79aの形状は、第1突出部69aの形状に対応する。第2凹部79bの形状は、第2突出部69bの形状に対応する。第3凹部79cの形状は、第3突出部69cの形状に対応する。第4凹部79dの形状は、第4突出部69dの形状に対応する。
【0044】
図5及び
図8に示すように、第1凹部79aと第2凹部79bと第3凹部79cとの各々は、高壁部101と、低壁部102とを有する。低壁部102の第2方向D2に沿った高さは、高壁部101の第2方向D2に沿った高さより低い。低壁部102は、高壁部101の第1方向D1と反対側に配置される。また、第4凹部79dは、空洞部103と、低板部104とを有する。低板部104は、空洞部103の第1方向D1と反対側に配置される。
【0045】
次に、加湿タンク70と除湿タンク60との取付け方法について詳細に説明する。使用者は、第1凹部79a内に第1突出部69aを配置し、第2凹部79b内に第2突出部69bを配置し、第3凹部79c内に第3突出部69cを配置し、空洞部103内に第4突出部69dを配置する。使用者は、加湿タンク70を除湿タンク60に対して下方向に移動させる。加湿タンク70が下方向に移動すると、張出部81の下面と除湿タンク60の第2壁部62の上面とが当接する。その結果、加湿タンク70の除湿タンク60に対する下方向の移動を規制できる。
【0046】
次に、
図5及び
図9に示すように、使用者は、加湿タンク70を除湿タンク60に対して第1方向D1に移動させる。加湿タンク70が第1方向D1に移動すると、第1突出部69aと第2突出部69bと第3突出部69cと第4突出部69dとの各々が、低壁部102又は低板部104上に配置されるとともに、高壁部101に接触する。すなわち、第1係合部79と第2係合部69とが係合する。その結果、第1係合部79と第2係合部69とが係合した状態で、除湿タンク60に対する加湿タンク70の第1方向D1及び第2方向D2の移動を規制する。従って、加湿タンク70を除湿タンク60に固定できる。その結果、例えば、加湿タンク70と除湿タンク60とが一体となったものが誤って転倒したときに、加湿タンク70が除湿タンク60から外れることを簡素な構成で抑制できる。
【0047】
続けて
図10を参照して、除湿タンク60に対する加湿タンク70の第1方向D1と反対方向の移動を規制する規制方法について詳細に説明する。
図10は、除湿タンク60及び加湿タンク70を示す斜視図である。
【0048】
図10に示すように、空気調和機100は、規制部材90を更に備える。加湿タンク70と除湿タンク60とが一体となった状態で、規制部材90は加湿タンク70の壁部と除湿タンク60の壁部との間に配置される。具体的には、規制部材90は第3壁75と第3壁65との間に配置される。規制部材90は、除湿タンク60に対する加湿タンク70の第1方向D1と反対方向の移動を規制する。従って、加湿タンク70を除湿タンク60に、より確実に固定できる。
【0049】
詳細には、規制部材90は、例えば、漏斗状に形成される。具体的には、規制部材90は、受部91と、孔部92とを有する。
【0050】
受部91は、除湿部30の下方に配置される。受部91は、除湿部30によって生成された第2水を受ける。
【0051】
孔部92は、受部91で受けた第2水を除湿タンク60の内部に案内する。その結果、除湿タンク60に第2水が収容される。よって、加湿タンク70を除湿タンク60に、簡素な構成で、より確実に固定でき、かつ、除湿タンク60に第2水を収容できる。
【0052】
更に、
図2から
図5を参照して、第3室53に配置される加湿部40について詳細に説明する。加湿部40と加湿タンク70と除湿タンク60とが一体となった状態で筐体10に対して着脱可能であることが好ましい。具体的には、加湿部40と除湿タンク60と加湿タンク70とが一体となった状態で、筐体10の第3室53に対して第1方向D1に引出し可能である。この好ましい例によれば、筐体10は1つ収容空間のみを有すればよいため、空気調和機100を、より小型化できる。
【0053】
更に詳細には、
図2から
図5に示すように、加湿部40は、フィルタ部を有する。フィルタ部は、第1水が含浸される。例えば、フィルタ部は、矩形状のシートである。シートは、吸水性と通気性とを有する材料で形成される。シートは、例えば、レーヨンで形成される。
【0054】
加湿部40は、加湿タンク70に収容される。具体的には、加湿部40の一端部は、第1壁73と接続され、加湿部40の他端部は、第3壁75と接続されている。加湿部40の上端部は、把持部78と接触し、加湿部40の下端部は、第1底面71と接触している。その結果、加湿部40には空気が通過する。よって、加湿部40から加湿された空気が放出される。
【0055】
また、加湿部40と除湿タンク60と加湿タンク70とが筐体10から取外された状態で、除湿タンク60と加湿部40とは離間可能である。その結果、加湿部40を容易に交換できる。
【0056】
続けて
図2及び
図3を参照して、第2室52に配置される除湿部30について詳細に説明する。
図2及び
図3に示すように、除湿部30は、エバポレータ31と、コンデンサ32と、コンプレッサとを備える。
【0057】
エバポレータ31及びコンデンサ32の各々は、媒体が流通する流通管を有する。媒体は、例えば、フルオロカーボンである。流通管の材質は、例えば、金属である。エバポレータ31の流通管と、コンデンサ32の流通管と、コンプレッサとは連結されている。
【0058】
コンプレッサは、低温気体の状態である媒体を圧縮して、高温気体の状態である媒体を作成する。そして、コンプレッサは、高温気体の状態である媒体をコンデンサ32の流通管に送出する。高温気体の状態である媒体は、コンデンサ32の流通管で熱を渡しながら液化して、高温液体の状態である媒体になる。更に、高温液体の状態である媒体は膨張して、低温液体の状態である媒体になる。低温液体の状態である媒体は、冷媒の一例である。低温液体の状態である媒体は、エバポレータ31の流通管で熱を受け取りながら気化して、低温気体の状態である媒体になる。その後、低温気体の状態である媒体は、コンプレッサで再び圧縮される。このようにして、媒体は、エバポレータ31の流通管と、コンデンサ32の流通管と、コンプレッサとの間で循環する。
【0059】
エバポレータ31は、空気と冷媒との間で熱交換して、空気から水蒸気を除去する。具体的には、エバポレータ31の流通管は、第2室52内で蛇行している。エバポレータ31は、流通管の間に複数の金属板を更に有する。その結果、空気は、流通管又は金属板と接触しながら、第2室52内を流通する。よって、空気は冷媒に熱を渡して、空気の温度は低下する。その結果、空気中の水蒸気の基づく水滴が、流通管又は金属板に付着する。よって、エバポレータ31は、空気から水蒸気を効果的に除去できる。
【0060】
コンデンサ32は、空気と高温気体の状態である媒体との間で熱交換して、所定温度の空気を作成する。具体的には、コンデンサ32の流通管は、第2室52内で蛇行している。コンデンサ32は、流通管の間に複数の金属板を更に有する。その結果、空気は、流通管又は金属板と接触しながら、第2室52内を流通する。よって、空気は高温気体の状態である媒体から熱を受け取って、空気の温度は上昇する。
【0061】
<第2実施形態>
次に、
図11を参照して、第2実施形態に係る空気調和機100について説明する。
図11は、加湿部40と加湿タンク70と除湿タンク60との断面図である。第1実施形態に係る空気調和機100では、加湿タンク70が除湿タンク60の内部に配置されたのに対して、
図11に示すように、第2実施形態に係る空気調和機100では、加湿タンク70と除湿タンク60とが並んでいる。
【0062】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0063】
(1)
図1~
図10を参照して説明したように、第1実施形態では、加湿タンク70が除湿タンク60の内部に配置されたが、本発明はこれに限定されない。除湿タンク60が加湿タンク70の内部に配置されてもよい。
【0064】
(2)
図1~
図11を参照して説明したように、第1実施形態及び第2実施形態では、加湿部40は加湿タンク70に収容されたが、本発明はこれに限定されない。加湿部40は加湿タンク70に収容されていなくてもよい。また、除湿タンク60が加湿タンク70の内部に配置された場合にも、加湿部40は加湿タンク70に収容されていなくてもよい。
【0065】
(3)
図1~
図11を参照して説明したように、第1実施形態及び第2実施形態では、ファンは第1気流F1と第2気流F2とを発生させたが、本発明はこれに限定されない。ファンは、遠心ファンであり、除湿部30と加湿部40との両方を通過する1種類の気流を発生させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、空気調和機を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0067】
10 筐体
30 除湿部
40 加湿部
60 除湿タンク
62 第2壁部
69 第2係合部
70 加湿タンク
72 第1壁部
79 第1係合部
81 張出部
90 規制部材
100 空気調和機
D1 第1方向