(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20231024BHJP
G09F 13/04 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
F21S2/00 484
G09F13/04 D
(21)【出願番号】P 2020026660
(22)【出願日】2020-02-19
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】宮内 恒治
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/158369(WO,A1)
【文献】特開2012-230264(JP,A)
【文献】特開2015-108813(JP,A)
【文献】国際公開第2011/033896(WO,A1)
【文献】特開2005-140962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G09F 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルの背面に配置される発光部と、
前記発光部が発光した光を反射する反射シートであって、前記発光部の背面に配置される背面部と、前記背面部の4辺のそれぞれに個別に隣接し、かつ前記背面部の4辺のそれぞれから前記表示パネルに向かって湾曲する曲面状の4つの周辺部とを有する前記反射シートと
、
前記反射シートの背面に配置され、かつ前記反射シートの形状に沿った形状を有するシャーシ部と、を備え、
前記反射シートの前記周辺部は、前記シャーシ部の湾曲した面に固定されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記発光部は、前記反射シートの略中央位置を含む範囲の前面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記発光部は、前記反射シートの略中央位置を含む縦方向または横方向の範囲の前面に一列に並んで配置され
る複数の発光素子を備えていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記背面部の4隅のそれぞれから、前記反射シートの4隅のうち対応する1隅に向かって延伸する少なくとも4つの切り込みが、前記反射シートに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記反射シートおよび前記シャーシ部を固定する複数の固定
部を備え
、
前記固定部は、前記反射シートおよび前記シャーシ部を固定した状態で、前記反射シート側の部分が前記反射シートから露出するように、前記反射シートおよび前記シャーシ部を固定するリベットであって、
前記リベットは、前記発光素子が並ぶ方向において、前記背面部の外側の4分の1の範囲であり、かつ最も外側に設けられた前記発光素子と対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項
3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記複数の固定部は、4つの前記周辺部のそれぞれと前記シャーシ部とを個別に固定する少なくとも4つの固定部を含むことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルは、前記表示パネルの背面が表示装置の設置面を向くように傾斜しており、
前記表示パネルの背面に配置され、かつ前記設置面に対して直交する筐体を備え
、
前記表示パネルと前記筐体との間に、前記発光部および前記反射シートを備えるバックライト、ならびに前記リベットを収容する収容空間を備えていることを特徴とする請求項
5または6のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、液晶パネルと、前記液晶パネルの表示面と反対の側に配置されるバックライトとを備える液晶表示装置であって、前記バックライトは、光源と、光源から出射された光を液晶パネルの方へ反射する反射板を備え、前記反射板は、前記反射板の端部の固定により前記反射板の形状が決められ、バックライトに固定されることを特徴とする液晶表示装置が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術には、バックライト(照明装置)からの光が液晶パネルの端部に十分に届かないため、液晶パネルの端部が暗く表示される問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、表示パネルの端部を明るく表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルの背面に配置される発光部と、前記発光部が発光した光を反射する反射シートであって、前記発光部の背面に配置される背面部と、前記背面部の4辺のそれぞれに個別に隣接し、かつ前記背面部の4辺のそれぞれから前記表示パネルに向かって湾曲する曲面状の4つの周辺部とを有する前記反射シートとを備えている構成である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、表示パネルの端部を明るく表示することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の正面を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る表示装置の側面を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る表示装置の背面を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る表示装置の側面の断面を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る表示パネル、バックライト、およびバックライトシャーシの位置関係を模式的に示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態における反射シートの構成を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るリベットによって反射シートがバックライトシャーシに固定される様子を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る組み立て前の反射シートの構成を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態におけるLEDおよび拡散レンズの他の配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(表示装置1の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の正面を示す図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の側面を示す図である。
図3は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の背面を示す図である。
図4は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の側面の断面を示す図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る表示パネル13、バックライト14、およびバックライトシャーシ15の位置関係を模式的に示す図である。
図5では、
図4の一部を拡大して模式的に示している。
【0010】
表示装置1は、静止画および動画像を含む各種の映像を表示可能な表示装置であり、例えばテレビジョン装置として実現される。
図1~
図5に示すように、表示装置1は、フロントキャビネット11、バックキャビネット12、表示パネル13、バックライト14、およびバックライトシャーシ15(シャーシ部)を備えている。
【0011】
フロントキャビネット11は、表示装置1の筐体のうち前方部分を構成する。バックキャビネット12は、表示装置1の筐体のうち後方部分を構成する。フロントキャビネット11およびバックキャビネット12は、いずれも例えば樹脂によって構成されている。フロントキャビネット11は、筐体のうち表示装置1の正面部分を構成し、バックキャビネット12は、筐体のうち表示装置1の側面および背面部分を構成する。
【0012】
図2に示すように、表示装置1は、表示装置1の上端から下端に向かうに従って前後方向の厚さがより大きくなる構造の装置である。すなわち、表示装置1は、従来の薄型の表示装置に比べると、全体的に肉厚である。表示装置1の下端(バックキャビネット12の下端)は、表示装置1が自立して設置可能なほどの前後方向の厚さを有している。これにより、表示装置1は、スタンドなどの補助部品を必要とせずに、表示装置1のみで表示装置1の設置面に立たせることができる。設置面とは、表示装置1が設置される場所(床、テーブルなど)の表面のことである。
【0013】
表示パネル13は、バックライト14からの光を用いて情報を表示する表示パネルであり、例えば液晶表示パネルとして実現される。
図4に示すように、表示パネル13は、バックキャビネット12の正面に配置されている。すなわち、バックライトシャーシ15は、表示パネル13の背面に配置されている(請求項7に対応)。バックライト14は、表示用の光を表示パネル13の背面に向かって照射する光源である。
図4に示すように、バックライト14は、バックキャビネット12の内部において、表示パネル13の背面に配置されている。バックライトシャーシ15は、バックライト14を収容する金属製のシャーシである。
図4に示すように、バックライトシャーシ15は、バックキャビネット12の内部において、バックライト14の背面に配置されている。
【0014】
図4および
図5に示すように、バックライト14は、LED(Light Emission Diode)基板21、複数のLED22(発光部、発光素子)、複数の拡散レンズ23、および反射シート24を備えている。図示の都合により、
図4および
図5では1つのLED22および1つの拡散レンズ23のみを図示している。各LED22および拡散レンズ23は、LED基板21上に搭載されており、かつ、表示パネル13の背面に配置されている。拡散レンズ23は、対応するLED22の周囲を取り囲むように配置されている。拡散レンズ23は、対応するLED22が発光した光を拡散させる。
【0015】
図5に示すように、LED基板21は、バックライトシャーシ15上に配置されており、かつ、反射シート24の背面に配置されている。すなわち、LED基板21のうち各LED22および各拡散レンズ23が搭載されない箇所上には、反射シート24が配置されている。言い換えれば、反射シート24は、各LED22および各拡散レンズ23を表示パネル13に向けて露出させると共に、LED基板21における各LED22および各拡散レンズ23が搭載されない箇所を覆い隠すようにバックライトシャーシ15上に配置されている。
【0016】
図2、
図4、および
図5に示すように、表示パネル13、バックライト14、およびバックライトシャーシ15は、表示装置1の設置面に対して傾斜して配置されている。詳細には、表示パネル13、バックライト14、およびバックライトシャーシ15は、いずれも、それぞれの背面が設置面を向くように傾斜している。一方、バックキャビネット12は、表示装置1の設置面に対して直交している。詳細には、バックキャビネット12の底面における一点と、バックキャビネット12の上端における一点とを結ぶ直線が、設置面に対して直交している。ユーザが表示装置1を正面から視認した場合、表示パネル13の下端が表示パネル13の上端よりもユーザにより近くに位置する。すなわち、表示パネル13は、ユーザから見てその上部が表示装置1の奥側に傾いた状態で配置されている。
【0017】
図6は、本発明の一実施形態における反射シート24の構成を示す図である。
図6は、フロントキャビネット11および表示パネル13を取り外した状態の表示装置1の正面を示している。この図に示すように、反射シート24は、背面部31、上側部32(周辺部)、下側部33(周辺部)、右側部34(周辺部)、および左側部35(周辺部)を備えている。背面部31は、反射シート24において各LED22の背面に配置される領域である。背面部31は、反射シート24における略中央位置51(略中心位置)を含む範囲に配置されている。
【0018】
背面部31の形状は、横長の長方形状である。上側部32は、反射シート24における背面部31の上側に配置されている。下側部33は、反射シート24における背面部31の下側に配置されている。右側部34は、反射シート24における、背面部31の紙面内右側に配置されている。左側部35は、反射シート24における、背面部31の紙面内左側に配置されている。反射シート24における背面部31の全周に亘って、ミシン目の切り込み41が形成されている。上側部32、下側部33、右側部34、および左側部35は、切り込み41を介して背面部31に接続されている。これにより、反射シート24をバックライトシャーシ15に取り付ける際、背面部31の周囲の切り込み41に沿って、上側部32、下側部33、右側部34、および左側部35を、表示パネル13側に容易に折り曲げることができる。
【0019】
上側部32、下側部33、右側部34、および左側部35は、背面部31の4辺のそれぞれに個別に隣接している。さらに、上側部32、下側部33、右側部34、および左側部35は、いずれも、背面部31の4辺のそれぞれから表示パネル13に向かって湾曲する曲面状の形状を有している。詳細には、上側部32は、上側部32の背面側に膨らむように湾曲している。すなわち、上側部32は、背面部31の1辺から、表示パネル13の上辺に向かって湾曲している。下側部33は、下側部33の背面側に膨らむように湾曲している。すなわち、下側部33は、背面部31の1辺から、表示パネルの下辺に向かって湾曲している。右側部34は、右側部34の背面側に膨らむように湾曲している。すなわち、右側部34は、背面部31の1辺から、表示パネル13における紙面内右側の右辺に向かって湾曲している。左側部35は、左側部35の背面側に膨らむように湾曲している。すなわち、背面部31の1辺から、表示パネル13における紙面内左側の左辺に向かって湾曲している。
【0020】
反射シート24には、背面部31の4隅のそれぞれから、反射シート24の4隅のそれぞれのうち対応する1隅に個別に延伸する4つの切り込み42~45が形成されている。切り込み42は、背面部31における紙面内右上隅から、反射シート24における紙面内右上隅まで延伸している。すなわち、上側部32および右側部34は、切り込み42の位置で互いに隣接している。切り込み43は、背面部31における紙面内右下隅から、反射シート24における紙面内右下隅まで延伸している。すなわち、右側部34および下側部33は、切り込み43の位置で互いに隣接している。切り込み44は、背面部31における紙面内左下隅から、反射シート24における紙面内左下隅まで延伸している。すなわち、下側部33および左側部35は、切り込み44の位置で互いに隣接している。切り込み45は、背面部31における紙面内左上隅から、反射シート24における紙面内左上隅まで延伸している。すなわち、左側部35および上側部32は、切り込み45の位置で互いに隣接している。
【0021】
反射シート24に切り込み42~45が形成されていることによって、上側部32、下側部33、右側部34、および左側部35は、互いに接続されておらず、独立している。これにより、上側部32、下側部33、右側部34、および左側部35を、表示パネル13側に個別に容易に折り曲げることができる。
【0022】
バックライト14は、6つのLED22および6つの拡散レンズ23を備えている。
図6では、各LED22および各拡散レンズ23は、背面部31における、反射シート24の略中央位置51を含む横方向の範囲の前面に、一列に並んで配置されている。言い換えれば、各LED22および各拡散レンズ23は、背面部31における縦方向の略中央位置53上に一列に並んで配置されている。各LED22および各拡散レンズ23は、さらに、互いに均等に離れた状態で配置されている。
【0023】
(主要な作用効果)
各LED22から発光された光は、LED22の背面および周囲に配置される反射シート24によって反射されて、反射シート24の前面に配置される表示パネル13に向かって進行する。反射シート24における、LED22が配置される背面部31から表示パネル13に向かう上下左右の全部分が、いずれも表示パネル13に向かって湾曲している。これにより、反射シート24の周囲における各湾曲部分において、LED22からの光を広範囲に反射させることができるので、表示パネル13の上下方向の端部および左右方向の端部の全てに対して、LED22からの光を十分に到達させることができる。したがって、表示パネル13の端部を十分に明るく表示することができる。
【0024】
反射シート24において、上側部32、下側部33、右側部34、および左側部35は、いずれも、背面部31から表示パネル13に向かって連続的に湾曲している。すなわち、上側部32、下側部33、右側部34、および左側部35には、いずれも折り曲げ箇所(明らかな変曲点)が存在しない。したがって、表示パネル13に照射される光の輝度は、反射シート24の中心から反射シート24の端部に向かうにつれて、なだらかに低下する。これにより、表示パネル13の画面に表示される映像の違和感を無くすことができる。すなわち、映像の表示品位を向上させることができる。
【0025】
設置面に対して傾斜している表示パネル13と、設置面と直交しているバックキャビネット12との間には、一定の空間が存在する。したがって、表示装置1の内部において、湾曲した反射シート24を備えているバックライト14を当該空間に確実に配置させることができる。これにより、少ない数のLED22が発光する光を、湾曲した反射シート24によって反射させるため、表示パネル13の端部を十分に明るく表示することができる。加えて、LED22の数が少なくて済むことから、表示装置1を省電力化できると共に、表示装置1の製造コストを下げることもできる。
【0026】
LED22が、反射シート24における略中央位置51を含む範囲の前面に配置されるので、表示パネル13におけるいずれかの端部に対して、他の端部に比べて極端に明るい(または暗い)光が届くことを防止できる。これにより、表示パネル13に照射される光の面内均一性を高めることができる。また、表示装置1が1列分のLED22を備えているので、2列以上のLED22を備えている表示装置に比べて、LED22に要する費用を抑えることができる。これにより、表示装置1の製造コストをより低くすることができる。
【0027】
(反射シート24の固定)
図6に示すように、表示装置1は、6つのリベット61~66(固定部)を備えている。リベット61~66は、いずれも、反射シート24およびバックライトシャーシ15を互いに固定する役割を有する。
図6の例では、2つのリベット61および62が、反射シート24の上側部32およびバックライトシャーシ15を固定する。さらに、2つのリベット63および64が、反射シート24の下側部33およびバックライトシャーシ15を固定する。さらに、1つのリベット65が、反射シート24の右側部34およびバックライトシャーシ15を固定する。さらに、1つのリベット66が、反射シート24の左側部35およびバックライトシャーシ15を固定する。
【0028】
図7は、本発明の一実施形態に係るリベット61によって反射シート24およびバックライトシャーシ15が固定される様子を示す図である。反射シート24およびバックライトシャーシ15には、リベット61が挿入される穴がそれぞれ形成されている。
図7に示すように、バックライトシャーシ15上に反射シート24を配置させた状態で、リベット61を各穴に挿入することによって、リベット61によって反射シート24およびバックライトシャーシ15が固定される。リベット61の先端の一部は、リベット61が各穴に挿入された後、
図7に示すように広がる。これにより、リベット61の挿入後に、リベット61が反射シート24およびバックライトシャーシ15から勝手に抜けることが防止される。したがって、反射シート24およびバックライトシャーシ15を安定して固定させ続けることができる。リベット62~66による反射シート24およびバックライトシャーシ15の固定も、リベット61による固定と同様であるため、その図示および説明は省略する。
【0029】
図6および
図7に示す例では、リベット61~66によって、反射シート24と、反射シート24の形状に沿った形状を有するバックライトシャーシ15とを固定する。これにより、反射シート24の一部または全部がバックライトシャーシ15から外れることを防止できる。また、反射シート24を、バックライトシャーシ15の形状に沿った形状に容易に維持することができる。
【0030】
リベット61~66は、背面部31の周囲に配置される4つの部分(上側部32、下側部33、右側部34、左側部35)のそれぞれと、バックライトシャーシ15とを個別に固定する少なくとも4つのリベット61、63、65、および66を含む。すなわち、リベット61~66によって、反射シート24における背面部31の上部(上側部32)、下部(下側部33)、右部(右側部34)、および左部(左側部35)の全てと、バックライトシャーシ15とが固定される。これにより、反射シート24の全体に亘って、反射シート24における曲面部分の形状を、バックライトシャーシ15に沿った形状に容易に維持することができる。
【0031】
リベット61は、上側部32における、6つのLED22のうち紙面内左端に位置するLED22の上部の位置に配置されている。また、リベット62は、上側部32における、6つのLED22のうち紙面右端に位置するLED22の上部位置に配置されている。すなわち、リベット61および62は、いずれも、上側部32における横方向の略中央位置52よりも、上側部32における横方向の各端部に近接する位置に配置されている。これにより、リベット61および62によって、上側部32およびバックライトシャーシ15を安定的に固定することができる。
【0032】
リベット63は、下側部33における、6つのLED22のうち紙面内左端に位置するLED22の下部位置に配置されている。また、リベット64は、下側部33における、6つのLED22のうち紙面内右端に位置するLED22の下部位置に配置されている。すなわち、リベット63および64は、いずれも、下側部33における横方向の略中央位置52よりも、下側部33における横方向の各端部に近い位置に配置されている。これにより、リベット63および64によって、上側部32およびバックライトシャーシ15を安定的に固定することができる。
【0033】
リベット65は、右側部34における縦方向の略中央位置53上に配置されている。これにより、1つのリベット65によって、右側部34およびバックライトシャーシ15を安定的に固定することができる。また、リベット66は、左側部35における縦方向の略中央位置53上に配置されている。これにより、1つのリベット66によって、左側部35およびバックライトシャーシ15を安定的に固定することができる。
【0034】
リベット61は、上側部32における、背面部31の全体のうち紙面内左側の4分の1の部分の上部に位置する範囲71内のいずれかの位置に配置されることが望ましい。リベット62は、上側部32における、背面部31の全体のうち紙面内右側の4分の1の部分の上部に位置する範囲72内のいずれかの位置に配置されることが望ましい。これらにより、リベット61および62が、上側部32においてバランス良く配置されるので、上側部32およびバックライトシャーシ15を安定的に固定することができる。
【0035】
リベット63は、下側部33における、背面部31の全体のうち紙面内左側の4分の1の部分の下部に位置する範囲73内のいずれかの位置に配置されることが望ましい。リベット64は、下側部33における、背面部31の全体のうち紙面内右側の4分の1の部分の下部に位置する範囲74内のいずれかの位置に配置されることが望ましい。これらにより、リベット63および64が、下側部33においてバランス良く配置されるので、下側部33およびバックライトシャーシ15を安定的に固定することができる。
【0036】
表示装置1は、リベット61~66の代わりに、反射シート24およびバックライトシャーシ15を固定する他の任意の固定部を備えていてもよい。そのような固定部として、例えばビスまたは接着剤などが挙げられる。したがって、上側部32、下側部33、右側部34、および左側部35のそれぞれを、例えば接着剤を用いてそれぞれ個別にバックライトシャーシ15に接着してもよい。この場合も、反射シート24の形状を、バックライトシャーシ15に沿った形状に容易に維持することができる。
【0037】
(組み立て前の反射シート24)
図8は、本発明の一実施形態に係る組み立て前の反射シート24の構成を示す図である。
図8には、反射シート24をバックライトシャーシ15に取り付ける前における、全体として平面状態の反射シート24を示す。上述したように、反射シート24には、4つの切り込み42~45が形成されている。組み立て前の反射シート24では、
図8に示すように、切り込み42は、2つの切り込み42aおよび42bによって構成されている。切り込み42aは、右側部34の1辺に相当する切り込みであり、かつ、右側部34から上側部32に向かって膨らむように湾曲している。切り込み42bは、上側部32の1辺に相当する切り込みであり、かつ、上側部32から右側部34向かって膨らむように湾曲している。切り込み42aおよび42bの湾曲度合いは、反射シート24をバックライトシャーシ15に取り付けた際の上側部32および右側部34の湾曲形状の曲率に応じて決定すればよい。すなわち、反射シート24をバックライトシャーシ15に取り付けた際に上側部32および右側部34が湾曲形状を取れるように湾曲させた切り込み42aおよび42bを、反射シート24に形成すればよい。
【0038】
反射シート24をバックライトシャーシ15に取り付ける際、上側部32および右側部34を表示パネル13側に折り曲げる。その際、上側部32および右側部34が湾曲形状を取った状態で切り込み42aおよび42bが互いに隙間無く接するので、上側部32および右側部34の湾曲形状を容易に維持することができる。切り込み43~45についても、切り込み42と同様に、対応する2つの湾曲した切り込みによって構成されている。これらの切り込みの構成および役割については、切り込み42aおよび42bと同様であるため、詳細な説明は省略する。4つの切り込み42~45の全てが、対応する2つの湾曲した切り込みによって構成されているため、上側部32、下側部33、右側部34、および左側部35の全てを所望の湾曲形状に容易に維持することができる。
【0039】
(LED22および拡散レンズ23の他の配置例)
図9は、本発明の一実施形態におけるLED22および拡散レンズ23の他の配置例を示す図である。
図9の例では、表示装置1は、一列に並んだ4つのLED22および4つの拡散レンズ23を備えている。すなわち、
図9におけるLED22の数は、
図6におけるLED22の数よりも2つ少ない。また、
図9における拡散レンズ23の数は、
図6における拡散レンズ23の数よりも2つ少ない。4つのLED22のうち両端の各LED22の位置は、
図6の場合とほぼ同一である。このように、両端の各LED22の位置は、表示装置1に搭載するLED22の数に関わらずほぼ同じ位置にすることが好ましい。なお、両端の各LED22の位置が反射シート24の中央に近すぎると、表示パネル13における4隅が中央に比べて暗くなりすぎる。一方、両端の各LED22の位置が反射シート24の端部に近すぎると、表示パネル13における4隅が中央に比べて明るくなりすぎる。これらの問題を回避するため、両端部の各LED22の位置は、表示パネル13における4つの端部(4辺)への光の到達バランスを考慮した位置に決められる。すなわち、表示パネル13に到達する光の面内均一性を担保できる各位置に、両端のLED22を配置させればよい。
【0040】
(その他変形例)
表示パネル13は、4辺を有する長方形の形状に限らず、例えば円形の形状であってもよい。この構成においても、上側部32、下側部33、右側部34、および左側部35の全てが、表示パネル13における円形の辺に向かって湾曲することに代わりはない。
【0041】
複数のLED22は、背面部31における任意の位置を含む範囲の前面に配置されていればよい。例えば、複数のLED22は、背面部31におけるいずれかの端部近辺に並んで配置されていてもよい。この構成においても、表示パネル13の端部を十分に明るく表示できることに変わりない。
【0042】
複数のLED22は、互いに異なる距離を置いて一列に配置されていてもよい。これにより、表示パネル13における表示品位のバランスを取ることができる。例えば、複数のLED22は、LED22の位置がLED基板21の両端に近くなるほど隣り合う2つのLED22間の距離が大きくなるように、配置されていてもよい。本構成では、表示パネル13の画面の中心を十分に明るくしつつ、画面の中心から画面の端部に向かってなだらかに明るさを減らすことができる。これにより、表示パネル13の画面に表示される画像の違和感を無くすことができる。
【0043】
表示装置1は、設置面に対して傾斜しない表示パネル13、バックライト14、およびバックライトシャーシ15を備えていてもよい。すなわち、表示パネル13、バックライト14、バックライトシャーシ15は、いずれも、設置面に対して直交していてもよい。
このような構成の表示装置1であっても、表示パネル13の端部を十分に明るく表示できることに変わりはない。
【0044】
表示装置1は、テレビジョン装置に限らず、表示パネル13およびバックライト14を少なくとも備えた各種の電子機器であってもよい。このような電子機器として、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、またはノートパソコンなどが挙げられる。
【0045】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルの背面に配置される発光部と、前記発光部が発光した光を反射する反射シートであって、前記発光部の背面に配置される背面部と、前記背面部の4辺のそれぞれに個別に隣接し、かつ前記背面部の4辺のそれぞれから前記表示パネルに向かって湾曲する曲面状の4つの周辺部とを有する前記反射シートとを備えている構成である。
【0046】
本発明の態様2に係る表示装置は、前記態様1において、前記発光部は、前記反射シートの略中央位置を含む範囲の前面に配置されている構成であってもよい。
【0047】
本発明の態様3に係る表示装置は、前記態様1において、前記発光部は、前記反射シートの略中央位置を含む縦方向または横方向の範囲の前面に一列に並んで配置される複数の複数の発光素子である構成であってもよい。
【0048】
本発明の態様4に係る表示装置は、前記態様1または2において、前記背面部の4隅のそれぞれから、前記反射シートの4隅のうち対応する1隅に向かって延伸する少なくとも4つの切り込みが、前記反射シートに形成されている構成であってもよい。
【0049】
本発明の態様5に係る表示装置は、前記態様1~4のいずれかにおいて、前記反射シートの背面に配置され、かつ前記反射シートの形状に沿った形状を有するシャーシ部と、前記反射シートおよび前記シャーシ部を固定する複数の固定部とを備えている構成であってもよい。
【0050】
本発明の態様6に係る表示装置は、前記態様5において、前記複数の固定部は、4つの前記周辺部のそれぞれと前記シャーシ部とを個別に固定する少なくとも4つの固定部を含む構成であってもよい。
【0051】
本発明の態様7に係る表示装置は、前記態様1~6のいずれかにおいて、前記表示パネルは、前記表示パネルの背面が表示装置の設置面を向くように傾斜しており、前記表示パネルの背面に配置され、かつ前記設置面に対して直交する筐体を備えている構成であってもよい。
【0052】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 表示装置
11 フロントキャビネット
12 バックキャビネット
13 表示パネル
14 バックライト
15 バックライトシャーシ
21 LED基板
22 LED
23 拡散レンズ
24 反射シート
31 背面部
32 上側部
33 下側部
34 右側部
35 左側部
51 略中央位置
52、53 略中央位置
61~66、リベット