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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】シールド電線の検査装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/00 20060101AFI20231024BHJP
   H01R 43/28 20060101ALI20231024BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20231024BHJP
   H02G 1/14 20060101ALI20231024BHJP
   H02G 15/02 20060101ALI20231024BHJP
   H01R 13/655 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
H01R43/00 Z
H01R43/28
H01B13/00 C
H01B13/00 521
H02G1/14
H02G15/02
H01R13/655
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020062988
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021163592
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】築地 信人
(72)【発明者】
【氏名】古畑 賢太
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】実開平6-54286(JP,U)
【文献】特開2002-238125(JP,A)
【文献】特開2001-204115(JP,A)
【文献】実開昭63-118573(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 43/00
H01R 43/28
H01B 13/00
H02G 1/14
H02G 15/02
H01R 13/655
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線心の外側が編組で覆われ、その外側がシースで覆われたシールド電線の端末部に、線端から所定長のシースが除去され、露出した編組が残されたシースの端部外周に被さるように折り返された編組折り返し部が形成された中間処理状態のシールド電線の端末処理部の、前記編組折り返し部の寸法が適正範囲にあるか否かを検査するシールド電線の検査装置であって、
開閉自在とされ、開いた状態で前記編組折り返し部の外周から離隔し、閉じた状態とすることで、前記編組折り返し部の外周に接触導通した状態となるメインプローブと、
前記メインプローブの電線長さ方向における前側と後側に開閉自在に隣接配置され、開いた状態で前記編組折り返し部の前端と後端の外周からそれぞれ離隔し、閉じた状態とすることで、前記編組折り返し部の前部と後部においてシールド電線の外周にて前記編組折り返し部の寸法の適正範囲を規定し、前記編組折り返し部が適正範囲内にあるときは、前記編組折り返し部に対して非接触の状態となり、前記編組折り返し部が適正範囲からはみ出したときは、その適正範囲からはみ出した部分が接触導通した状態となる前部サブプローブおよび後部サブプローブと、
前記メインプローブと前記前部サブプローブの間の導通状態を検出する前部導通チェック手段と、
前記メインプローブと前記後部サブプローブの間の導通状態を検出する後部導通チェック手段と、
を具備する、
ことを特徴とするシールド電線の検査装置。
【請求項2】
前記メインプローブ、前記前部サブプローブ及び前記後部サブプローブの前側と後側に開閉自在に配置され、開いた状態で内部に前記シールド電線を収容可能であり、閉じた状態とすることで、前記編組折り返し部の前側と後側において前記シールド電線を定位置に保持する電線保持手段が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のシールド電線の検査装置。
【請求項3】
前記シースの端部外周に金属製環状のフェルールが装着され、そのフェルールの外周に編組が被さるように折り返されることで、前記編組折り返し部が形成されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシールド電線の検査装置。
【請求項4】
線心の外側が編組で覆われ、その外側がシースで覆われたシールド電線の端末部に、線端から所定長のシースが除去され、露出した編組が残されたシースの端部外周に被さるように折り返された編組折り返し部が形成され、その編組折り返し部にシールド端子の編組加締部が加締め固定されている状態のシールド電線の端末処理部の、前記編組折り返し部の後側の寸法が適正範囲にあるか否かを検査するシールド電線の検査装置であって、
開閉自在とされ、開いた状態で前記シールド端子の外周から離隔し、閉じた状態とすることで、前記シールド端子の外周に接触導通した状態となるメインプローブと、
前記メインプローブの電線長さ方向の後側に開閉自在に隣接配置され、開いた状態で前記シールド電線の外周から離隔し、閉じた状態とすることで、前記編組折り返し部の後部において当該編組折り返し部の寸法の適正範囲を規定し、前記編組折り返し部が適正範囲内にあるときは、前記編組折り返し部に対して非接触な状態となり、前記編組折り返し部が適正範囲からはみ出したときは、その適正範囲からはみ出した部分が接触導通した状態となる後部サブプローブと、
前記メインプローブと前記後部サブプローブの間の導通状態を検出する後部導通チェック手段と、
を具備する、
ことを特徴とするシールド電線の検査装置。
【請求項5】
前記シースの端部外周に金属製環状のフェルールが装着され、そのフェルールの外周に編組が被さるように折り返されることで前記編組折り返し部が形成され、更にその編組折り返し部にシールド端子の編組加締部が加締め固定されることで、前記フェルールと前記シールド端子の編組加締部との間に編組が挟み込まれて加締め固定されている、
ことを特徴とする請求項4に記載のシールド電線の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド電線の端末処理部、特に編組折り返し部の寸法が適正範囲にあるか否かを検査する検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シールド電線として、線心(単数または複数の絶縁電線)の外側が編組で覆われ、その外側がシース(樹脂外皮)で覆われたシールド電線が広く利用されている。この種のシールド電線の端末部に例えばシールド端子を取り付ける場合には、電線端から所定長のシースを剥ぎ取って編組を露出させ、その露出した編組を残されたシースの端部外周に被さるように折り返して、折り返した部分にシールド端子を加締める。
【0003】
ところで、シールド電線の編組折り返し部にほつれが発生していたりして、編組折り返し部が適正範囲に収まっていないと、後の工程や完成品に不具合が発生する場合がある。
【0004】
そこで、特許文献1に記載の従来例では、編組の切断が既定の長さで行われているかを検知し、更にその後、別の装置を用いて編組の折り返しの有無を検知するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-238125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の装置では、検査を複数回実行する必要があり効率が悪い。また、それぞれの段階で検査装置を備える必要がありコスト高になる等の問題がある。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、1回の検査で低コストに編組折り返し部の寸法の良否を判定することのできるシールド電線の検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係るシールド電線の検査装置は、下記(1)~(5)を特徴としている。
(1) 線心の外側が編組で覆われ、その外側がシースで覆われたシールド電線の端末部に、線端から所定長のシースが除去され、露出した編組が残されたシースの端部外周に被さるように折り返された編組折り返し部が形成された中間処理状態のシールド電線の端末処理部の、前記編組折り返し部の寸法が適正範囲にあるか否かを検査するシールド電線の検査装置であって、
開閉自在とされ、開いた状態で前記編組折り返し部の外周から離隔し、閉じた状態とすることで、前記編組折り返し部の外周に接触導通した状態となるメインプローブと、
前記メインプローブの電線長さ方向における前側と後側に開閉自在に隣接配置され、開いた状態で前記編組折り返し部の前端と後端の外周からそれぞれ離隔し、閉じた状態とすることで、前記編組折り返し部の前部と後部においてシールド電線の外周にて前記編組折り返し部の寸法の適正範囲を規定し、前記編組折り返し部が適正範囲内にあるときは、前記編組折り返し部に対して非接触の状態となり、前記編組折り返し部が適正範囲からはみ出したときは、その適正範囲からはみ出した部分が接触導通した状態となる前部サブプローブおよび後部サブプローブと、
前記メインプローブと前記前部サブプローブの間の導通状態を検出する前部導通チェック手段と、
前記メインプローブと前記後部サブプローブの間の導通状態を検出する後部導通チェック手段と、
を具備する、
ことを特徴とするシールド電線の検査装置。
【0009】
(2) 前記メインプローブ、前記前部サブプローブ及び前記後部サブプローブの前側と後側に開閉自在に配置され、開いた状態で内部に前記シールド電線を収容可能であり、閉じた状態とすることで、前記編組折り返し部の前側と後側において前記シールド電線を定位置に保持する電線保持手段が設けられている、
ことを特徴とする上記(1)に記載のシールド電線の検査装置。
【0010】
(3) 前記シースの端部外周に金属製環状のフェルールが装着され、そのフェルールの外周に編組が被さるように折り返されることで、前記編組折り返し部が形成されている、
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載のシールド電線の検査装置。
【0011】
(4) 線心の外側が編組で覆われ、その外側がシースで覆われたシールド電線の端末部に、線端から所定長のシースが除去され、露出した編組が残されたシースの端部外周に被さるように折り返された編組折り返し部が形成され、その編組折り返し部にシールド端子の編組加締部が加締め固定されている状態のシールド電線の端末処理部の、前記編組折り返し部の後側の寸法が適正範囲にあるか否かを検査するシールド電線の検査装置であって、
開閉自在とされ、開いた状態で前記シールド端子の外周から離隔し、閉じた状態とすることで、前記シールド端子の外周に接触導通した状態となるメインプローブと、
前記メインプローブの電線長さ方向の後側に開閉自在に隣接配置され、開いた状態で前記シールド電線の外周から離隔し、閉じた状態とすることで、前記編組折り返し部の後部において当該編組折り返し部の寸法の適正範囲を規定し、前記編組折り返し部が適正範囲内にあるときは、前記編組折り返し部に対して非接触な状態となり、前記編組折り返し部が適正範囲からはみ出したときは、その適正範囲からはみ出した部分が接触導通した状態となる後部サブプローブと、
前記メインプローブと前記後部サブプローブの間の導通状態を検出する後部導通チェック手段と、
を具備する、
ことを特徴とするシールド電線の検査装置。
【0012】
(5) 前記シースの端部外周に金属製環状のフェルールが装着され、そのフェルールの外周に編組が被さるように折り返されることで前記編組折り返し部が形成され、更にその編組折り返し部にシールド端子の編組加締部が加締め固定されることで、前記フェルールと前記シールド端子の編組加締部との間に編組が挟み込まれて加締め固定されている、
ことを特徴とする上記(4)に記載のシールド電線の検査装置。
【0013】
上記(1)の構成の検査装置によれば、3つのプローブを閉じた状態で、前部導通チェック手段および後部導通チェック手段により導通の有無をチェックする。両方の導通チェック手段にて導通が検出されなければ、編組折り返し部の寸法が適正範囲に収まっていると判断することができ良品と判定する。また、いずれかの導通チェック手段にて導通が検出された場合は、編組折り返し部の寸法が適正範囲に収まっていないと判断することができるので不良品と判定する。例えば、前部導通チェック手段において導通が検出された場合は、編組折り返し部の前部側の寸法が適正範囲に収まっていないと判断することができる。後部導通チェック手段において導通が検出された場合は、編組折り返し部の後部側の寸法が適正範囲に収まっていないと判断することができる。したがって、いずれの場合も不良品と判定することになる。このように、全プローブを閉じるだけで、1回の検査で編組の折り返し部の寸法の良否を判定することができる。
【0014】
上記(2)の構成の検査装置によれば、3つのプローブの前側と後側に電線保持手段が設けられているので、シールド電線の保持が安定して検査が正確に行われるようになる。
【0015】
上記(3)の構成の検査装置によれば、シースの端部外周にフェルールが装着されているので、シールド端子の編組加締部を編組折り返し部に加締めた際の加締め性が向上し、品質の向上とシールド性能の向上が図れる。
【0016】
上記(4)の構成の検査装置によれば、2つのプローブを閉じた状態で、後部導通チェック手段により導通の有無をチェックする。導通チェック手段にて導通が検出されなければ、編組折り返し部の後部側の寸法が適正範囲に収まっていると判断することができ良品と判定する。また、導通チェック手段にて導通が検出された場合は、編組折り返し部の後部寸法が適正範囲に収まっていないと判断することができるので不良品と判定する。このように、2つのプローブを閉じるだけで、1回の検査で編組の折り返し部の寸法の良否を判定することができる。
【0017】
上記(5)の構成の検査装置によれば、シースの端部外周にフェルールが装着されているので、シールド端子の編組加締部の加締め性が向上し、品質の向上とシールド性能の向上が図れる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、1回の検査で効率良く低コストに編組折り返し部の寸法の良否を判定することができる。
【0019】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るシールド電線の検査装置の概略構成図で、図1(a)は検査装置の閉時の外観を示す斜視図、図1(b)は検査装置のプローブが開いている状態を示す平面図、図1(c)はプローブが閉じている状態を示す平面図である。
図2図2は、検査装置の内部構造を示す断面図である。
図3図3は、検査装置のプローブが閉じたときに形成される、編組折り返し部の適正範囲を規定する空間を示す図である。
図4図4は、本発明の第2実施形態に係るシールド電線の端末処理部の検査装置の概略断面図である。
図5図5は、検査対象を説明するための図で、図5(a)は検査対象のシールド電線の一構造例を示す図、図5(b)は良品の編組折り返し部を示す側面図、図5(c)は不良品の編組折り返し部を示す側面図である。
図6図6は、本発明の第3実施形態に係る検査装置の概要説明図で、図6(a)は各チャックを閉じているときの状態を示す平面図、図6(b)は各チャックを開いているときの状態を示す平面図である。
図7図7は、本発明の第3実施形態に係るシールド電線の検査装置の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0022】
まず、実施形態の検査装置における検査対象の例について説明する。
図5は、検査対象を説明するための図で、図5(a)は検査対象のシールド電線の一構造例を示す図、図5(b)は良品の編組折り返し部を示す側面図、図5(c)は不良品の編組折り返し部を示す側面図である。
【0023】
図5(a)に示すように、ここで検査対象とするシールド電線Wは、信号線Waの外周を絶縁体Wbで包囲した線心W1の外側が、金属箔Wcを介して金属製の編組Wdで覆われ、その外側が、縁樹脂製のシースWeで覆われた構造のものである。線心W1の本数は任意であり、単数(同軸ケーブルの場合)であっても複数(イーサネット(登録商標)ケーブル等の場合)であってもよい。また、金属箔Wcの内側にドレン線が含まれていてもよい。また、金属箔Wcが省略されている場合でもよい。
【0024】
この種のシールド電線Wの端末部にシールド端子を接続する場合には、図5(b)に示すように、線端から所定長のシースWeを除去し、露出した編組Wdを、残されたシースWeの端部外周に被さるように折り返して、編組折り返し部Wd1を形成する。多くの場合、シースWeの端部外周には、金属製環状のフェルール2を装着し、そのフェルール2の外周に編組Wdを被せるように折り返すことで、編組折り返し部Wd1を形成している。
【0025】
なお、編組Wdの下に金属箔Wcがある場合には、検査工程の前に、金属箔Wcを所定範囲にわたって除去する工程を設けておく。
【0026】
検査対象のシールド電線Wにおいて、編組折り返し部Wd1の寸法は、適正範囲Hに収まっていなければならないが、図5(c)に示すように、編組Wdを構成する細線にほつれ3、4などがある場合には、ほつれ3、4が適正範囲H外にはみ出ることがある。そうした場合は、不良品と判定する必要があり、そのために本実施形態の検査装置が用いられる。
【0027】
図1は、本発明の第1実施形態に係るシールド電線の端末処理部の検査装置の概略構成図で、図1(a)は検査装置の閉時の外観を示す斜視図、図1(b)は検査装置のプローブが開いている状態を示す平面図、図1(c)はプローブが閉じている状態を示す平面図である。また、図2は、実施形態の検査装置の内部構造を示す断面図、図3は、実施形態の検査装置のプローブが閉じたときに形成される、編組折り返し部の適正範囲を規定する空間を示す図である。
【0028】
図1および図2に示すように、第1実施形態の検査装置は、電線保持手段としての電線ガイド11および電線チャック12と、3つのプローブ21、22、23と、2つの導通チェック手段31、32と、を備えている。
【0029】
3つのプローブ21、22、23は、定位置に配されたシールド電線Wの編組折り返し部Wd1に対応した位置に配置されている。また、電線ガイド11は、シールド電線Wの編組折り返し部Wd1より前側の位置、即ち、3つのプローブ21、22、23よりも前側の位置で、編組Wdや金属箔Wcが除去されて線心W1が露出させられた部分に対応した位置に配置されている。また、電線チャック12は、シールド電線Wの編組折り返し部Wd1より後側の位置、即ち、3つのプローブ21、22、23より後側の位置で、シースWeが残された部分に対応した位置に配置されている。
【0030】
電線ガイド11および電線チャック12は、それぞれシールド電線Wに向けて開閉自在とされており、開いた状態で内部にシールド電線Wを収容可能であり、閉じた状態とすることで、シールド電線Wの編組折り返し部Wd1の前側と後側においてシールド電線Wを定位置に保持する役目を果たす。
【0031】
3つのプローブ21、22、23は電極として機能するもので、それぞれがシールド電線Wに対して開閉自在とされ、電線長さ方向の中央のプローブ21がメインプローブ21とされ、メインプローブ21の前側のプローブ22が前部サブプローブ22とされ、メインプローブ21の後側のプローブ23が後部サブプローブ23とされている。2つのサブプローブ22、23は、中央のメインプローブ21に近接配置されている。
【0032】
中央のメインプローブ21は、開いた状態で内部に編組折り返し部Wd1を収容可能であり、閉じた状態とすることで、編組折り返し部Wd1の外周に接触導通した状態となる。このメインプローブ21は、編組折り返し部Wd1の電線長さ方向中央付近の周方向いずれかの部分に確実に接触するものであればよく、両側から編組折り返し部Wd1を挟む構造のものとして設けられている。
【0033】
メインプローブ21の前後の2つのサブプローブ22、23は、開いた状態で内部に編組折り返し部Wd1の前端と後端を収容可能であり、閉じた状態とすることで、編組折り返し部Wd1の前部と後部において、シールド電線Wの外周に編組折り返し部Wd1の寸法の適正範囲を規定する。
【0034】
具体的には、図3に示すように、閉じた状態のときに、編組折り返し部Wd1の寸法の適正範囲Hを規定する空間HAを画成する。つまり、編組折り返し部Wd1の寸法が適正範囲H内にあるときは、編組折り返し部Wd1に対して非接触の状態となるように、内周面22a、23aの位置が規定されている。また、編組折り返し部Wd1が適正範囲Hからはみ出したときは、その適正範囲からはみ出した部分が接触導通した状態となるように、内周面22a、23aの位置が規定されている。
【0035】
サブプローブ22、23は、編組折り返し部Wd1の全周を検査するため、閉じたとき円筒状になってシールド電線Wの全周を覆うように、開いた状態では半筒状に分割されている。なお、プローブ21、22、23は、全体が金属で構成されていてもよいが、少なくとも編組折り返し部Wd1に接触または接触する可能性のある部分は金属で構成されている。
【0036】
2つの導通チェック手段31、32のうち、前部導通チェック手段31は、メインプローブ21と前部サブプローブ22の間の導通状態(導通しているか否か)を検出するためのもの、後部導通チェック手段32は、メインプローブ21と後部サブプローブ23の間の導通状態(導通しているか否か)を検出するためのものである。
【0037】
次に作用を説明する。
検査時には、電線ガイド11を閉じて、シールド電線Wの編組折り返し部Wd1の前側の線心W1の露出部の外周を掴むと共に、電線チャック12を閉じて、シールド電線Wの編組折り返し部Wd1の後側のシースWeの外周を掴む。このように、編組折り返し部Wd1の前側と後側においてシールド電線Wを掴むことにより、シールド電線Wの保持を安定させることができるようになる。
【0038】
次に3つのプローブ21、22、23を閉じる。そうすると、メインプローブ21は、編組折り返し部Wd1の外周に接触導通する。一方、2つのサブプローブ22、23は、編組折り返し部Wd1の前端付近および後端付近において、編組折り返し部Wd1が適正範囲Hに収まっているかどうかを判断するための環状の空間HAを画成する(図3参照)。編組折り返し部Wd1が適正範囲Hに収まっているときには、編組Wdは、2つのサブプローブ22、23に対して非接触な状態に保たれている。また、編組折り返し部Wd1が適正範囲Hからはみ出るときには、編組Wdは、2つのサブプローブ22、23に対して接触導通状態となる。
【0039】
したがって、前部導通チェック手段31および後部導通チェック手段32によって、メインプローブ21とサブプローブ22、23の間の導通の有無をチェックすることにより、編組折り返し部Wd1の寸法が適正範囲Hに収まっているか否かを判断することができる。即ち、両方の導通チェック手段31、32にて導通が検出されなければ、編組折り返し部Wd1の寸法が適正範囲Hに収まっていると判断し良品と判定することができる。また、いずれかの導通チェック手段31、32にて導通が検出された場合は、編組折り返し部Wd1の寸法が適正範囲Hに収まっていないと判断し不良品と判定することができる。
【0040】
例えば、前部導通チェック手段31において導通が検出された場合は、編組折り返し部Wd1の前部側の寸法が適正範囲Hに収まっていないと判断することができる。また、後部導通チェック手段32において導通が検出された場合は、編組折り返し部Wd1の後部側の寸法が適正範囲Hに収まっていないと判断することができる。したがって、いずれの場合も不良品と判定することになる。このように、全プローブ21、22、23を閉じるだけで、1回の検査で低コストで編組折り返し部Wd1の寸法の良否を判定することができる。
【0041】
この場合、3つのプローブ21、22、23の前側と後側に電線保持手段としての電線ガイド11および電線チャック12が設けられているので、シールド電線Wの保持が安定して検査が正確に行われるようになる。
【0042】
また、シースWeの端部外周にフェルール2が装着されているので、シールド端子の編組加締部を編組折り返し部Wd1に加締めた際の加締め性が向上し、品質の向上とシールド性能の向上が図れる。
【0043】
次に本発明の第2実施形態の検査装置について説明する。
図4は、第2実施形態のシールド電線の端末処理部の検査装置の概略断面図である。
【0044】
この検査装置は、図4に示すように、編組折り返し部Wd1にシールド端子50の編組加締部(後端加締部)52が加締め固定されている状態の、編組折り返し部Wd1の後側の寸法が適正範囲Hにあるか否かを検査するための検査装置である。シールド端子50は、後端に編組加締部52を有する筒状のシールド外殻体であるアウター端子51と、アウター端子51の内部に配置されたインナー端子54と、アウター端子51とインナー端子54との間を絶縁する絶縁体53と、を具備している。インナー端子54は、信号線(同軸ケーブルの場合は中心導体)Waで構成することもある。
【0045】
この検査装置は、メインプローブ26A、26Bと、後部サブプローブ27と、後部導通チェック手段33と、を備えている。
【0046】
メインプローブ26A、26Bは、シールド端子50に対して開閉自在とされ、開いた状態で内部にシールド端子50を収容可能であり、閉じた状態とすることで、シールド端子50の外周に接触導通した状態となる。メインプローブ26A、26Bは、アウター端子51に確実に接触すればよく、本実施形態では、アウター端子51の前側と後側に配置されている。なお、メインプローブ26A、26Bはどちらか一方だけ配置してもよい。
【0047】
後部サブプローブ27は、メインプローブ26A、26Bの電線長さ方向の後側に開閉自在に隣接配置されており、開いた状態で内部にシールド電線Wを収容可能であり、閉じた状態とすることで、編組折り返し部Wd1の後部において当該編組折り返し部Wd1の寸法の適正範囲Hを規定する。
【0048】
つまり、編組折り返し部Wd1の寸法が適正範囲H内にあるときは、編組折り返し部Wd1に対して非接触の状態となるように、位置が規定されている。また、編組折り返し部Wd1が適正範囲Hからはみ出したときは、その適正範囲からはみ出した部分が接触導通した状態となるように、位置が規定されている。
【0049】
サブプローブ27は、編組折り返し部Wd1の全周を検査するため、閉じたとき円筒状になってシールド電線Wの全周を覆うように、開いた状態では半筒状に分割されている。なお、プローブ21、22、23は、全体が金属で構成されていてもよいが、少なくとも編組折り返し部Wd1に接触または接触する可能性のある部分は金属で構成されている。
【0050】
後部導通チェック手段33は、メインプローブ26と後部サブプローブ27の間の導通状態(導通しているか否か)を検出するためのものである。
【0051】
次に作用を説明する。
検査時には、定位置に配されたシールド電線Wおよびシールド端子50に対してプローブ26A、26B、27を閉じる。そうすると、メインプローブ26A、26Bは、シールド端子50のアウター端子51に接触導通する。一方、後部サブプローブ27は、編組折り返し部Wd1の後端付近に、編組折り返し部Wd1が適正範囲Hに収まっているかどうかを判断するための位置を保持しつつ配置される。編組折り返し部Wd1が適正範囲Hに収まっているときには、編組Wdは、後部サブプローブ27に対して非接触な状態に保たれている。また、編組折り返し部Wd1が適正範囲Hからはみ出るときには、編組Wdは、後部サブプローブ27に対して接触導通状態となる。
【0052】
したがって、後部導通チェック手段33によって、メインプローブ26A、26Bとサブプローブ27の間の導通の有無をチェックすることにより、編組折り返し部Wd1の寸法が適正範囲Hに収まっているか否かを判断することができる。即ち、導通チェック手段33にて導通が検出されなければ、編組折り返し部Wd1の後端の寸法が適正範囲Hに収まっていると判断し良品と判定することができる。また、導通チェック手段33にて導通が検出された場合は、編組折り返し部Wd1の後端の寸法が適正範囲Hに収まっていないと判断し不良品と判定することができる。このように、プローブ26A、26B、27を閉じるだけで、1回の検査で低コストで編組折り返し部Wd1の後端の寸法の良否を判定することができる。
【0053】
この場合、シースWeの端部外周にフェルール2が装着し、その上に編組Wdが折り返し、更にその上にシールド端子50の編組加締部52を加締め固定すれば、編組加締部52の加締め性が向上し、品質の向上とシールド性能の向上が図れる。
【0054】
次に本発明の第3実施形態の検査装置について説明する。
図6は、本発明の第3実施形態に係る検査装置の概要説明図で、図6(a)は各チャックを閉じているときの状態を示す平面図、図6(b)は各チャックを開いているときの状態を示す平面図である。図7は、第3実施形態のシールド電線の端末処理部の検査装置の概略斜視図である。
【0055】
図6図7に示すように、本実施形態の検査装置は、シールド電線Wに対して開閉する3つのチャック60、61、62を備えている。図6(a)、(b)において、各チャック60、61、62の閉じ動作の方向を矢印Aで示し、開き動作の方向を矢印Bで示す。
【0056】
シールド電線Wの最も後端側(端末から遠い位置)に位置するチャックは電線チャック60である。この電線チャック60は、電極機能を持たない普通のチャックである。この電線チャック60は、開閉自在に配置され、開いた状態で内部にシールド電線Wを収容可能であり、閉じた状態とすることで、シールド電線Wを定位置に確実に保持する機能を持っている。
【0057】
シールド電線Wの最も前端側に位置するチャックは、電極機能を持つ第1チャックプローブ61である。第1チャックプローブ61は、開いた状態のときにシールド電線Wの先端に取り付けられたシールド端子50を収容可能であり、閉じたときにシールド端子50の両外側面に接触導通する。第1チャックプローブ61は、シールド端子50のアウタハウジング50aの外側面を挟んで確実に接触するように幅広のブロックとして形成されている。
【0058】
シールド電線Wの長さ方向における電線チャック60と第1チャックプローブ61との間に、開閉自在の第2チャックプローブ62が配置されている。第2チャックプローブ62は、電極機能を持つもので、一対の薄刃状のチャック片の噛み合わせ部が半円溝状に形成されており、半円溝状の部分が閉じたときに円筒状になって、シールド電線Wの対象部位のほぼ全周に確実に接触できるように構成されている。
【0059】
第2チャックプローブ62は、第1チャックプローブ61と非導通に支持されている。第2チャックプローブ62は、シールド電線Wの端末処理部の編組折り返し部Wd1の後側において編組折り返し部Wd1の後端寸法の適正範囲を規定するものであり、スリーブの後端縁の後側近傍位置におけるシースWeの外周に接触するように配置されている。つまり、編組折り返し部Wd1の後端が適正範囲内にあるときは、当該編組折り返し部Wd1に対し非接触状態(非導通状態)となり、編組折り返し部Wd1の後端が適正範囲からはみ出しているときは、その適正範囲からはみ出した編組折り返し部Wd1に対し接触状態(導通状態)となるように設けられている。
【0060】
なお、第1チャックプローブ61および第2チャックプローブ62は、全体が金属で構成されていてもよいが、少なくともシールド端子50や編組折り返し部Wd1に接触または接触する可能性のある部分が金属で構成されていてもよい。これらの開閉式の電線チャック60、第1チャックプローブ61、第2チャックプローブ62は、スライドベース70、71の上で、安定してシールド電線Wの径方向にスライドできるように設けられている。
【0061】
また、この検査装置には、上述の第1チャックプローブ61および第2チャックプローブ62の他に自己診断用プローブ63を備えている。自己診断用プローブ63は、第2チャックプローブ62と例えば導線93を介して常時導通状態に支持されており、第1チャックプローブ61が開いたときに、第1チャックプローブ61と接触導通状態となり且つ第1チャックプローブ61が閉じたとき第1チャックプローブ61と非接触状態となるように、第1チャックプローブ61の開閉方向の背後に固定的に配置されている。
【0062】
また、この検査装置は、導通状態検出手段として、判定用のコンピュータ80を備えている。コンピュータ80は、CPU81、ROM82、RAM83、入力ポート84、出力ポート85を備えた一般的なもので、コンピュータ80は、判定結果などの表示のための表示部86に接続されている。そして、コンピュータ80の出力ポート85に、第1チャックプローブ61に繋がる配線91が接続され、入力ポート84に、第2チャックプローブ62に繋がる配線92が接続されている。
【0063】
コンピュータ80は、図6(a)および図7に示すように、通常検査時に、閉じた状態の第1チャックプローブ61と第2チャックプローブ62が互いに導通状態にあるときは、出力ポート85から出力された導電状態検知用電流が、出力ポート85→配線91→第1チャックプローブ61→第2チャックプローブ62→配線92→入力ポート84の経路を辿って、入力ポート84に入力する(戻って来る)ことを検出する。これにより、コンピュータ80は、第1チャックプローブ61と第2チャックプローブ62が導通状態にあると判定する。また、閉じた状態の第1チャックプローブ61と第2チャックプローブ62が互いに導通状態にないとき(非導通状態のとき)は、コンピュータ80は、出力ポート85から導電状態検知用電流を出力しているにも拘わらず、入力ポート84に電流が流れて来ないので、第1チャックプローブ61と第2チャックプローブ62が導通状態にない、つまり非導通状態にあると判定する。
【0064】
そして、第1チャックプローブ61が開いたとき、第1チャックプローブ61と自己診断用プローブ63とが導通関係になる。即ち、第1チャックプローブ61と第2チャックプローブ62は、自己診断用プローブ63を介して互いに導通状態になる。この状態で、コンピュータ80が、第1チャックプローブ61と第2チャックプローブ62との間が非導通状態にあると検出したとき、コンピュータ80は、第1チャックプローブ61および第2チャックプローブ62の配線91、92の系統に断線などの不具合が生じていると判定できる。また、図7に示すように、矩形体の両側面に第1チャックプローブ61が接し、且つ、矩形体の根元の棒体の外周に第2チャックプローブ62が接するようにした検査治具100を用意することにより、第1チャックプローブ61と第2チャックプローブ62が適正に対象部位に接触しているか否かを判定することができる。
【0065】
ここで、上述した本発明の実施形態に係るシールド電線の端末処理部の検査装置の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 線心(W1)の外側が編組(Wd)で覆われ、その外側がシース(We)で覆われたシールド電線(W)の端末部に、線端から所定長のシース(We)が除去され、露出した編組(Wd)が残されたシース(We)の端部外周に被さるように折り返された編組折り返し部(Wd1)が形成された中間処理状態のシールド電線(W)の端末処理部の、前記編組折り返し部(Wd1)の寸法が適正範囲(H)にあるか否かを検査するシールド電線の検査装置であって、
開閉自在とされ、開いた状態で前記編組折り返し部(Wd1)の外周から離隔し、閉じた状態とすることで、前記編組折り返し部(Wd1)の外周に接触導通した状態となるメインプローブ(21)と、
前記メインプローブ(21)の電線長さ方向における前側と後側に開閉自在に隣接配置され、開いた状態で前記編組折り返し部(Wd1)の前端と後端の外周からそれぞれ離隔し、閉じた状態とすることで、前記編組折り返し部(Wd1)の前部と後部においてシールド電線(W)の外周にて前記編組折り返し部(Wd1)の寸法の適正範囲(H)を規定し、前記編組折り返し部(Wd1)が適正範囲(H)内にあるときは、前記編組折り返し部(Wd1)に対して非接触の状態となり、前記編組折り返し部(Wd1)が適正範囲(H)からはみ出したときは、その適正範囲(H)からはみ出した部分が接触導通した状態となる前部サブプローブ(22)および後部サブプローブ(23)と、
前記メインプローブ(21)と前記前部サブプローブ(22)の間の導通状態を検出する前部導通チェック手段(31)と、
前記メインプローブ(21)と前記後部サブプローブ(23)の間の導通状態を検出する後部導通チェック手段(32)と、
を具備する、
ことを特徴とするシールド電線の検査装置。
【0066】
[2] 前記メインプローブ、前記前部サブプローブ及び前記後部サブプローブ(21、22、23)の前側と後側に開閉自在に配置され、開いた状態で内部に前記シールド電線(W)を収容可能であり、閉じた状態とすることで、前記編組折り返し部(Wd1)の前側と後側において前記シールド電線(W)を定位置に保持する電線保持手段(11、12)が設けられている、
ことを特徴とする上記[1]に記載のシールド電線の検査装置。
【0067】
[3] 前記シース(We)の端部外周に金属製環状のフェルール(2)が装着され、そのフェルール(2)の外周に編組(Wd)が被さるように折り返されることで、前記編組折り返し部(Wd1)が形成されている、
ことを特徴とする上記[1]または[2]に記載のシールド電線の検査装置。
【0068】
[4] 線心(W1)の外側が編組(Wd)で覆われ、その外側がシース(We)で覆われたシールド電線(W)の端末部に、線端から所定長のシース(We)が除去され、露出した編組(Wd)が残されたシース(We)の端部外周に被さるように折り返された編組折り返し部(Wd1)が形成され、その編組折り返し部(Wd1)にシールド端子(50)の編組加締部(52)が加締め固定されている状態のシールド電線(W)の端末処理部の、前記編組折り返し部(Wd1)の後側の寸法が適正範囲(H)にあるか否かを検査するシールド電線の検査装置であって、
開閉自在とされ、開いた状態で前記シールド端子(50)の外周から離隔し、閉じた状態とすることで、前記シールド端子(50)の外周に接触導通した状態となるメインプローブ(26A、26B、第1チャックプローブ61)と、
前記メインプローブ(26A、26B、第1チャックプローブ61)の電線長さ方向の後側に開閉自在に隣接配置され、開いた状態で前記シールド電線(W)の外周から離隔し、閉じた状態とすることで、前記編組折り返し部(Wd1)の後部において当該編組折り返し部(Wd1)の寸法の適正範囲(H)を規定し、前記編組折り返し部(Wd1)が適正範囲(H)内にあるときは、前記編組折り返し部(Wd1)に対して非接触な状態となり、前記編組折り返し部(Wd1)が適正範囲(H)からはみ出したときは、その適正範囲(H)からはみ出した部分が接触導通した状態となる後部サブプローブ(27、第2チャックプローブ62)と、
前記メインプローブ(26A、26B、第1チャックプローブ61)と前記後部サブプローブ(27、第2チャックプローブ62)の間の導通状態を検出する後部導通チェック手段(33、コンピュータ80)と、
を具備する、
ことを特徴とするシールド電線の検査装置。
【0069】
[5] 前記シース(We)の端部外周に金属製環状のフェルール(2)が装着され、そのフェルール(2)の外周に編組(Wd)が被さるように折り返されることで前記編組折り返し部(Wd1)が形成され、更にその編組折り返し部(Wd1)にシールド端子(50)の編組加締部(52)が加締め固定されることで、前記フェルール(2)と前記シールド端子(50)の編組加締部(52)との間に編組(Wd)が挟み込まれて加締め固定されている、
ことを特徴とする上記[4]に記載のシールド電線の検査装置。
【符号の説明】
【0070】
2 フェルール
3,4 ほつれ
11 電線ガイド(電線保持手段)
12 電線チャック(電線保持手段)
21,26A,26B メインプローブ
22 前部サブプローブ
23,27 後部サブプローブ
31 前部導通チェック手段
32,33 後部導通チェック手段
50 シールド端子
52 編組加締部
61 第1チャックプローブ
62 第2チャックプローブ
80 コンピュータ
W シールド電線
W1 線心
Wd 編組
Wd1 編組折り返し部
We シース
H 適正範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7