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  • 特許-ラッピングマシン 図1
  • 特許-ラッピングマシン 図2
  • 特許-ラッピングマシン 図3
  • 特許-ラッピングマシン 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】ラッピングマシン
(51)【国際特許分類】
   A01F 15/08 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
A01F15/08 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020123638
(22)【出願日】2020-07-20
(65)【公開番号】P2022020247
(43)【公開日】2022-02-01
【審査請求日】2023-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000198330
【氏名又は名称】株式会社IHIアグリテック
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】横内 博史
(72)【発明者】
【氏名】廣川 雄亮
(72)【発明者】
【氏名】宮田 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】宮西 広樹
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-157789(JP,A)
【文献】特開2009-159926(JP,A)
【文献】特開平7-203714(JP,A)
【文献】特開2005-58072(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0125518(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 15/08
A01F 25/13
A01G 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機枠とフィルムロール収納部を備え、
前記機枠は、前記機枠の外側面に前記フィルムロール収納部が取り付けられ、
前記フィルムロール収納部は、予備フィルムロールを収納する大きさであることを特徴とするラッピングマシン。
【請求項2】
本体部は、ラッピングマシンから前記フィルムロール収納部を除いた部分であり、所定の車幅を有し、
前記フィルムロール収納部は、前記車幅より内側になるように前記機枠に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のラッピングマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールベールをラッピングするラッピングマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
圃場に載置されたロールベールを拾い上げ、フィルムでラッピングするラッピングマシンは特許文献1のように知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-157790
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
圃場にラッピングすべきロールベールが多数ある場合、ロール状のフィルムロールを交換する必要が出てくるが、これまでラッピングマシンには予備フィルムロールを積載する場所がなかった。そのため、予備フィルムロールを取りに戻るしかなく作業性が非常に悪かった。ラッピングマシンにはロールベールを回転させる載置台があり、ラッピングマシン上に予備フィルムロールを収納する場所を確保ができないことが大きな理由である。また、機枠を長くしてフィルムロールの収納場所を確保することもできるが、ラッピングマシン自体が大きくならざるを得ず(前後に長くなる)、その分コストがかかる。
【0005】
本発明は、ラッピングマシンを大きくすることなく、予備フィルムロールの収納を可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、機枠とフィルムロール収納部を備え、前記機枠は、前記機枠の外側面に前記フィルムロール収納部が取り付けられ、前記フィルムロール収納部は、予備フィルムロールを収納する大きさであることを特徴とするラッピングマシンとすることで課題を解決した。
【発明の効果】
【0007】
ラッピングマシンの機枠を大きくすることなく、予備フィルムロールの収納を可能とすることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】動力車(トラクタ等)に装着するラッピングマシンの背面方向からの斜視図
図2】ロールベールを積み込んだ状態のラッピングマシンの斜視図
図3】ラッピングマシンの底面図
図4】ラッピングマシンの背面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。以下の説明で、異なる図における
同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0010】
(実施例)
[ラッピングマシンの全体構成]
実施例は、牽引車(トラクタ等)に装着するラッピングマシン1に関するものである。
図1は、動力車(トラクタ等)に装着するラッピングマシン1の背面方向からの斜視図である。機枠12を説明するため、フィルムロール収納部2とロールベールRをあえて図示していない。また、載置台14は、機枠12が見えるような位置まで倒している。この載置台14の状態は、ロールベールRを積み込もうとしている状態である。円柱状のロールベールRは、その円周面が接地するように圃場に放置されており、作業者は、載置台14にロールベールRの円周面が接触するようにラッピングマシン1を後退させ、さらに積み込み積み下ろしアーム15を、図中下方に駆動させロールベールRを載置台14に抱え込ませる。その後、載置台14が水平になるまで機枠12側に回動することで、ラッピングマシン1に積み込まれる。
図中一点鎖線で示した箇所は、機枠12の外側面に取り付けられるフィルムロール収納部2の取り付け位置を示している。
図1で図示されているように。載置台14やフィルム繰り出し装置13などのラッピングマシン1の主要な装置は、機枠12で支えられている。機枠横幅Wは、その外側面にフィルムロール収納部2を取り付けるために幅が狭く作られている。この点の詳しい説明は後述する。
【0011】
[ラッピング]
図2はロールベールRを積み込んだ状態のラッピングマシン1の斜視図である。このようにロールベールRはラッピングマシン1に積み込まれる。ラッピングマシン1には、フィルム繰り出し装置13が設けられており、2本のフィルムロール取付軸18にそれぞれフィルムロール17が取り付けられようになっている。
【0012】
その後、ラッピング作業の邪魔になる積み込み積み下ろしアーム15は、ロールベールRから離れるように上方に移動する。そして、載置台14に設けられたベルト16は、駆動ローラ141と従動ローラ142の間にかけ渡されており、駆動ローラ141が回転することで、ベルト16が動き(図1参照)、積み込まれたロールベールRをその円周方向に回転させる。同時に、載置台14自体も図示してない垂直軸回りに回転する。これらの回転によりロールベールRは、垂直軸回りと水平軸回りに同時に回転され、フィルム繰り出し装置13のフィルムロール17から繰り出されたフィルムにより、周囲が満遍なく包まれて行く。
【0013】
予備フィルムロール21は、フィルムロール収納部2に収納されており、ラッピング作業中にフィルムロール17のフィルムが無くなったとき、即座に予備フィルムロール21をフィルムロール収納部2から取り出し、フィルムロール取付軸18にセットすることができる。
これにより、予備フィルムロール21を取りに戻る必要がなくなり、著しく作業性を高めることができる。
また、機枠12の外側面にフィルムロール収納部2を取り付けるのに十分な機枠横幅Wとすることで、機枠12を大きくすることなく、フィルムロール収納部2の取り付け場所を確保できるようになった。
【0014】
[フィルムロール収納部の位置]
図3は、ラッピングマシン1の底面図である。底面側から観ると機枠12の上部にある載置台14やフィルム繰り出し装置13が邪魔にならず、フィルムロール収納部2の位置が良くわかる。
図3から分かるように、ラッピングマシン1で最も側方に飛び出ているのは、一方がフィルム繰り出し装置13であり他方が後輪19である。本体部車幅111より内側になるようにフィルムロール収納部2が取り付けられていることが分かる。
ここで、本体部11の定義について説明する。本体部11は、ラッピングマシン1からフィルムロール収納部2を除いた部分である。図1を参照されたい、フィルムロール収容部2を取り付ける箇所が、一点鎖線で示されており、この一点鎖線の部分を除いたものが本体部11である。したがって、本体部車幅111は、上記したフィルム繰り出し装置13の外端部と後輪19の外端部の間の幅となる。
【0015】
図1で説明したように、機枠横幅Wがあえて狭く作られているのは、本体部車幅111内にフィルムロール収納部2を収めるためである。近年、ラッピングマシン1などの作業機付きトラクタの路上走行が認められるようになってきた。フィルムロール収納部2は、ラッピングマシン1の下方であって、しかも、後輪19やフィルム繰り出し装置13に囲まれており、後方を走る他の車両から見えにくい位置に設けられている。他の車両が追い抜きをしようとした際に、本体部車幅111よりもフィルムロール収納部2が飛び出ていると、追い抜き車両とフィルムロール収納部2が接触する可能性がある。
以上のことから、本体部車幅111より内側になるようにフィルムロール収納部2を設けている。
【0016】
[灯火器]
図4はラッピングマシン1の背面図である。ラッピングマシン1の構造上、背面に灯火器3(制動灯・車幅灯など)を設けるスペースがほとんどない(法規上、灯火器の設置が必要となる場合がある)。
本来、フィルムロール収納部2の構造は、予備フィルムロール21を収納できればどのような構造であってもよいが、フィルムロール収納部2の背面に灯火器3を付けてもよい。
【0017】
実施例では、牽引式のラッピングマシン1であったが、トラクタの前方にラッピングマシン1を取り付けてもよいし、本発明を適用できることは言うまでもない。
【0018】
以上、本発明に係る実施例のラッピングマシン1を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0019】
また、随所で変更し得る例を説明してきたが、その目的および構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0020】
1 ラッピングマシン
11 本体部
111 本体部車幅
12 機枠
13 フィルム繰り出し装置
14 載置台
141 駆動ローラ
142 従動ローラ
15 積み込み積み下ろしアーム
16 ベルト
17 フィルムロール
18 フィルムロール取付軸
19 後輪
2 フィルムロール収納部
21 予備フィルムロール
3 灯火器
W 機枠横幅
R ロールベール
図1
図2
図3
図4