(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】免疫調節剤としての複素環式化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 471/04 20060101AFI20231024BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20231024BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20231024BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20231024BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20231024BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231024BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20231024BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
C07D471/04 117Z
A61K31/519
A61P25/28
A61P29/00
A61P31/00
A61P35/00
A61P37/02
A61P43/00 111
C07D471/04 CSP
(21)【出願番号】P 2020552827
(86)(22)【出願日】2019-03-29
(86)【国際出願番号】 US2019025036
(87)【国際公開番号】W WO2019191707
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-25
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505193450
【氏名又は名称】インサイト・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】INCYTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ウー・リアンシン
(72)【発明者】
【氏名】リィ・ジンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウェンチン・ヤオ
【審査官】安藤 倫世
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/087777(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/112730(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/026971(WO,A1)
【文献】特表2020-504737(JP,A)
【文献】特表2020-504739(JP,A)
【文献】特表2020-514272(JP,A)
【文献】特表2019-523231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I’):
【化1】
[式中、
環Aは、アゼチジニル、ピロリジニル、またはピペリジニルであり、
X
1は、Nであり、
R
1は、メチルまたはハロであり、
R
2は、C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルキル、C
1-4ハロアルコキシ、C
3-6シクロアルキル、C
3-6シクロアルキル-C
1-2アルキル-、OH、NH
2、-NH-C
1-4アルキル、-N(C
1-4アルキル)
2、4~6員ヘテロシクロアルキル、または4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2アルキル-であり、前記4~6員ヘテロシクロアルキル及び4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2アルキル-はそれぞれ、O及びNから選択される環員として1つまたは2つのヘテロ原子を有し、前記R
2のC
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、C
3-6シクロアルキル-C
1-2アルキル-、-NH-C
1-4アルキル、-N(C
1-4アルキル)
2、4~6員ヘテロシクロアルキル、及び4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2アルキル-はそれぞれ、独立して、ハロ、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されており、
R
3は、(R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル、(S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル、(R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、(S)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、(R)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノ、(S)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノ、(R)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノ、及び(S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノから選択され、
R
4は、HまたはC
1-3アルキルであり、
R
5は、C(O)OH、C(O)N(CH
3)
2、C(O)NH(CH
3)、またはC(O)NH(CH
2)
2C(O)OHである]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項2】
式(I):
【化2】
[式中、
環Aは、アゼチジニル、ピロリジニル、またはピペリジニルであり、
X
1は、Nであり、
R
1は、メチルまたはハロであり、
R
2は、C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルキル、C
1-4ハロアルコキシ、C
3-6シクロアルキル、C
3-6シクロアルキル-C
1-2アルキル-、OH、NH
2、-NH-C
1-4アルキル、-N(C
1-4アルキル)
2、4~6員ヘテロシクロアルキル、または4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2アルキル-であり、前記4~6員ヘテロシクロアルキル及び4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2アルキル-はそれぞれ、O及びNから選択される環員として1つまたは2つのヘテロ原子を有し、前記R
2のC
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、C
3-6シクロアルキル-C
1-2アルキル-、-NH-C
1-4アルキル、-N(C
1-4アルキル)
2、4~6員ヘテロシクロアルキル、及び4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2アルキル-はそれぞれ、独立して、ハロ、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されており、
R
3は、(R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル、(S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル、(R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、(S)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、(R)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノ、(S)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノ、(R)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノ、及び(S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノから選択され、
R
4は、HまたはC
1-3アルキルである]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項3】
環Aが、ピロリジニルである、請求項1もしくは2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項4】
環Aが、ピペリジニルである、請求項1もしくは2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項5】
【化3】
が、4-カルボキシピペリジン-1-イル、3-カルボキシピロリジン-1-イル、3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イル、4-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)ピペリジン-1-イル、4-(N-メチルアミノカルボニル)ピペリジン-1-イル、及び4-(2-カルボキシエチルアミノカルボニル)ピペリジン-1-イルから選択され、波線が、分子の残部への結合点を示す、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項6】
R
5がC(O)OHであり;
【化4】
が、4-カルボキシピペリジン-1-イル、3-カルボキシピロリジン-1-イル、及び3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イルから選択され、波線が、分子の残部への結合点を示す、請求項1もしくは2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項7】
R
5がC(O)OHであり;
【化5】
が、4-カルボキシピペリジン-1-イル、(R)-3-カルボキシピロリジン-1-イル、(S)-3-カルボキシピロリジン-1-イル、(R)-3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イル、及び(S)-3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イルから選択され、波線が、分子の残部への結合点を示す、請求項1もしくは2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項8】
R
1が、CH
3またはClである、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項9】
R
1が、CH
3である、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項10】
R
2が、C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルキル、C
1-4ハロアルコキシ、C
3-6シクロアルキル、C
3-6シクロアルキル-C
1-2アルキル-、OH、NH
2、-NH-C
1-4アルキル、-N(C
1-4アルキル)
2、1-アゼチジニル、アゼチジン-1-イルメチル、1-ピロリジニル、ピロリジン-1-イルメチル、1-ピペリジニル、またはピペリジン-1-イルメチルであり、前記R
2のC
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、C
3-6シクロアルキル-C
1-2アルキル、-NH-C
1-4アルキル、-N(C
1-4アルキル)
2、1-アゼチジニル、アゼチジン-1-イルメチル、1-ピロリジニル、ピロリジン-1-イルメチル、1-ピペリジニル、及びピペリジン-1-イルメチルがそれぞれ、独立して、ハロ、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項11】
R
2が、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、CF
3、CHF
2、CFH
2、OCF
3、OCHF
2、OCH
2F、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロヘキシルメチル、OH、NH
2、NHCH
3、N(CH
3)
2、1-アゼチジニル、アゼチジン-1-イルメチル、1-ピロリジニル、ピロリジン-1-イルメチル、1-ピペリジニル、またはピペリジン-1-イルメチルであり、前記R
2のメチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロヘキシルメチル、NHCH
3、N(CH
3)
2、1-アゼチジニル、アゼチジン-1-イルメチル、1-ピロリジニル、ピロリジン-1-イルメチル、1-ピペリジニル、及びピペリジン-1-イルメチルがそれぞれ、独立して、F、Cl、Br、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されている、請求項10に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項12】
R
2が、C
1-4アルキルまたはC
1-4ハロアルキルであり、それらの各々が、独立して、F、Cl、Br、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項13】
R
2が、C
1-4アルキルまたはC
1-4ハロアルキルである、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項14】
R
2が、CH
3、CF
3、CHF
2、CH(CH
3)
2、NH
2、シクロプロピル、またはCH
2OHである、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項15】
R
2が、CH
3、CF
3、CHF
2、またはCH(CH
3)
2である、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項16】
R
2が、CH
3である、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項17】
R
2が、CF
3またはCHF
2である、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項18】
R
2が、CH(CH
3)
2である、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項19】
R
2が、NH
2である、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項20】
R
2が、シクロプロピルである、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項21】
R
2が、CH
2OHである、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項22】
R
3が、(R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イルまたは(S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イルである、請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項23】
R
3が、(R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イルまたは(S)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イルである、請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項24】
R
3が、(R)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノまたは(S)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノである、請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項25】
R
3が、(R)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノまたは(S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノである、請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項26】
R
4が、HまたはCH
3である、請求項1~25のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項27】
R
4が、Hである、請求項1~25のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項28】
R
4が、CH
3である、請求項1~25のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項29】
式II:
【化6】
で示される請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項30】
式III:
【化7】
で示される請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項31】
前記化合物が、
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;及び
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸
から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
前記化合物が、
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-4-メチルピペリジン-4-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-N,N-ジメチルピペリジン-4-カルボキサミド;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-N-メチルピペリジン-4-カルボキサミド;
(R)-3-(1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボキサミド)プロパン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-シクロプロピル-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((2-(3’-(2-アミノ-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)-7-シアノベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;及び
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ヒドロキシメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸である請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸である請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項35】
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸である請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項36】
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸である請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項37】
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸である請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項38】
請求項1~30のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体または請求項31~37のいずれか1項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤または担体と、を含む、薬学的組成物。
【請求項39】
PD-1/PD-L1相互作用を阻害するために使用される医薬であって、請求項1~30のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体または請求項31~37のいずれか1項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含む、前記医薬。
【請求項40】
PD-1/PD-L1相互作用の阻害に関連する疾患または障害を治療するために使用される医薬であって、請求項1~30のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体または請求項31~37のいずれか1項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含む、前記医薬。
【請求項41】
前記疾患または障害が、感染症疾患、炎症、自己免疫疾患、がん、または神経変性障害である、請求項40に記載の医薬。
【請求項42】
前記疾患または障害ががんである、請求項41に記載の医薬。
【請求項43】
がんが、骨癌、脾臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、皮膚または眼内悪性黒色腫、卵巣癌、結腸直腸癌、肛門部癌、胃癌、精巣癌、卵管癌、子宮内膜癌(endometrial cancer)、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、非ホジキンリンパ腫、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、慢性または急性白血病、小児固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓癌、腎盂癌、中枢神経系の新生物(CNS)、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、類表皮癌、扁平上皮癌、T細胞リンパ腫、アスベストによって誘発されるがんを含む環境的に誘発されるがん、黒色腫、転移性悪性黒色腫、皮膚黒色腫、腎癌、前立腺癌、ホルモン不応性前立腺腺癌、乳癌、浸潤性乳癌、結腸癌、肺癌、頭頸部扁平上皮癌、頭頸部の扁平上皮癌、尿路上皮癌、非筋層浸潤性膀胱癌(NMIBC)、マイクロサテライト不安定性の高い癌(MSI
high)、固形腫瘍、前立腺癌固形腫瘍、結腸癌固形腫瘍、食道癌固形腫瘍、子宮内膜癌固形腫瘍、腎臓癌固形腫瘍、肝癌固形腫瘍、胃癌固形腫瘍、乳癌固形腫瘍、肺癌固形腫瘍、甲状腺癌固形腫瘍、神経膠芽腫固形腫瘍、肉腫固形腫瘍、膀胱癌固形腫瘍、再発性非ホジキンリンパ腫、難治性非ホジキンリンパ腫、再発性濾胞非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、胆管癌(cholangiocarcinoma)、胆管癌(bile duct cancer)、胆道癌、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、肝細胞癌、ユーイング肉腫、脳癌、脳腫瘍、星細胞腫、神経芽細胞腫、神経線維腫、基底細胞癌、軟骨肉腫、類上皮肉腫、眼癌(eye cancer)、胃腸癌、消化管間質腫瘍、有毛細胞白血病、腸癌、膵島細胞癌、口腔癌(oral cancer)、口腔癌(mouth cancer)、咽喉癌、喉頭癌、口唇癌、中皮腫、頸部癌、鼻腔癌、眼癌(ocular cancer)、眼黒色腫、骨盤癌、腎細胞癌、唾液腺癌、副鼻腔癌、脊髄癌、舌癌、管状癌、尿管癌、泌尿生殖路癌、血液系リンパ腫、血液系白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫、骨髄増殖性疾患、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、骨髄異形成症候群(MDS)、T-細胞急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)、多発性骨髄腫(MM)、肉腫、骨肉腫、脂肪肉腫、粘液腫、横紋筋腫、横紋肉腫、線維腫、脂肪腫、過誤腫、奇形腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、扁平細胞非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、気管支原性癌、扁平上皮細胞気管支原性癌、未分化小細胞気管支原性癌、未分化大細胞気管支原性癌、気管支原性腺癌、肺胞(気管支)癌、気管支腺腫、軟骨性過誤腫、食道癌腫、食道扁平上皮癌、食道腺癌、食道平滑筋肉腫、食道リンパ腫、胃癌腫、胃リンパ腫、胃平滑筋肉腫、胃腺癌、膵臓癌、管腺癌、膵島細胞腫、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、膵臓カルチノイド腫瘍、VIP産生腫瘍、小腸癌、小腸腺癌、小腸リンパ腫、小腸カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、小腸平滑筋腫、小腸血管腫、小腸脂肪腫、小腸神経線維腫、小腸線維腫、大腸癌、大腸腺癌、大腸管状腺腫、大腸絨毛腺腫、大腸過誤腫、大腸平滑筋腫、直腸結腸癌、結腸直腸腺癌、腎臓腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、膀胱扁平上皮癌、膀胱移行上皮癌、膀胱腺癌、尿道扁平上皮癌、尿道移行上皮癌、尿道腺癌、前立腺腺癌、前立腺肉腫、睾丸癌、睾丸精上皮腫、睾丸奇形腫、睾丸胎児性癌、睾丸奇形癌、睾丸絨毛癌、睾丸肉腫、睾丸間質細胞癌、睾丸線維腫、睾丸線維腺腫、睾丸腺腫様腫瘍、睾丸脂肪腫、泌尿器系癌、乳頭状腎癌、精巣胚細胞癌、嫌色素性腎細胞癌、淡明細胞腎癌、肝癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、悪性巨細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫瘍、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫(chondromyxofibroma)、類骨骨腫、巨細胞腫瘍、神経系癌、頭蓋骨癌、骨腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎、髄膜癌、髄膜腫、髄膜肉腫(meningiosarcoma)、神経膠腫症、脳星状細胞腫、脳髄芽腫(meduoblastoma)、脳神経膠腫、脳上衣腫、脳胚細胞腫(松果体腫)、脳膠芽腫、脳多形性膠芽腫、脳乏突起膠腫、脳神経鞘腫、脳網膜芽細胞腫、脳先天性腫瘍、脊髄癌、脊髄神経線維腫、脊髄髄膜腫、脊髄神経膠腫、脊髄非上皮性悪性腫瘍、レルミット・ダクロス病、婦人科癌、子宮癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、前腫瘍(pre-tumor)子宮頸部異形成、卵巣癌、漿液性嚢胞腺癌、漿液性腺癌、粘液性嚢胞腺癌、分類不能癌、顆粒膜-莢膜細胞腫瘍、セルトリ・ライディッヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫、外陰部扁平上皮癌、外陰部上皮内癌、外陰部腺癌、外陰部線維肉腫、外陰部黒色腫、膣明細胞癌、膣扁平上皮癌、ブドウ状肉腫、胎児性卵管上皮性悪性腫瘍、扁平上皮癌、皮膚有棘細胞癌、ほくろ異形成母斑、皮膚脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)、及び尿路上皮癌から選択される、請求項42に記載の医薬。
【請求項44】
がんが、PD-L1を発現する転移性がんである、請求項42に記載の医薬。
【請求項45】
がんが、肺癌である、請求項42に記載の医薬。
【請求項46】
肺癌が、小細胞肺癌である、請求項45に記載の医薬。
【請求項47】
肺癌が、非小細胞肺癌である、請求項45に記載の医薬。
【請求項48】
がんが、肝癌である、請求項42に記載の医薬。
【請求項49】
肝癌が、肝細胞癌である、請求項48に記載の医薬。
【請求項50】
がんが、黒色腫である、請求項42に記載の医薬。
【請求項51】
がんが、膀胱癌である、請求項42に記載の医薬。
【請求項52】
がんが、尿道癌である、請求項42に記載の医薬。
【請求項53】
がんが、腎癌である、請求項42に記載の医薬。
【請求項54】
腎癌が、淡明細胞腎癌である、請求項53に記載の医薬。
【請求項55】
がんが、皮膚有棘細胞癌である、請求項42に記載の医薬。
【請求項56】
患者において免疫応答を増強、刺激、及び/または増加するために使用される医薬であって、請求項1~30のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体または請求項31~37のいずれか1項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含む、前記医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年3月30日に出願された米国仮出願第62/650,821号及び2018年6月21日に出願された米国仮出願第62/687,964号の利益を主張するものであり、これらの各々は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、薬学的に活性な化合物に関する。本開示は、化合物ならびにそれらの組成物及び使用方法を提供する。化合物は、PD-1/PD-L1タンパク質/タンパク質相互作用を調節し、感染症疾患及びがんを含む様々な疾患の治療に有用である。
【発明の背景】
【0003】
免疫系は、がんなどの疾患の制御及び根絶において重要な役割を果たす。しかしながら、がん細胞は、それらの成長を支持するために免疫系を回避または抑制する戦略をしばしば開発する。そのようなメカニズムの1つは、免疫細胞で発現する共刺激及び共抑制分子の発現を変化させることである(Postow et al,J.Clinical Oncology 2015,1-9)。PD-1などの阻害免疫チェックポイントのシグナル伝達をブロックすることは、有望で効果的な治療法であることが証明されている。
【0004】
CD279としても知られる、プログラムされた細胞死-1(PD-1)は、活性化T細胞、ナチュラルキラーT細胞、B細胞、及びマクロファージで発現する細胞表面受容体である(Greenwald et al,Annu.Rev.Immunol 2005,23:515-548;Okazaki and Honjo,Trends Immunol 2006,(4):195-201)。これは、T細胞の活性化を防ぐための固有の負のフィードバック機構として機能し、それは次いで自己免疫を低減し、自己寛容を促進する。さらに、PD-1は、がん及びウイルス感染症などの疾患における抗原特異的T細胞応答の抑制において重要な役割を果たすことも知られている(Sharpe et al,Nat Immunol 2007 8,239-245;Postow et al,J.Clinical Oncol 2015,1-9)。
【0005】
PD-1の構造は、細胞外免疫グロブリン可変様ドメイン、続いて、膜貫通領域及び細胞内ドメインからなる(Parry et al,Mol Cell Biol 2005,9543-9553)。細胞内ドメインは、免疫受容体チロシンベースの阻害モチーフ及び免疫受容体チロシンベースのスイッチモチーフに位置する2つのリン酸化部位を含み、これはPD-1がT細胞受容体媒介シグナルを負に調節することを示唆している。PD-1は、PD-L1及びPD-L2の2つのリガンドを有し(Parry et al,Mol Cell Biol 2005,9543-9553;Latchman et al,Nat Immunol 2001,2,261-268)、それらはそれらの発現パターンが異なる。PD-L1タンパク質は、リポ多糖及びGM-CSF処理に応答してマクロファージ及び樹状細胞、ならびにT細胞受容体及びB細胞受容体のシグナル伝達によりT細胞及びB細胞で上方制御される。PD-L1は、ほぼ全ての腫瘍細胞でも高発現され、発現はIFN-γ処理後さらに増加する(Iwai et al,PNAS2002,99(19):12293-7;Blank et al,Cancer Res 2004,64(3):1140-5)。実際、腫瘍PD-L1発現状態は、複数の腫瘍タイプで予後を示すことが示されている(Wang et al,Eur J Surg Oncol 2015;Huang et al,Oncol Rep 2015;Sabatier et al,Oncotarget 2015,6(7):5449-5464)。対照的に、PD-L2発現はより制限されており、主に樹状細胞によって発現される(Nakae et al,J Immunol 2006,177:566-73)。PD-1とそのリガンドPD-L1及びPD-L2とのT細胞上でのライゲーションは、IL-2及びIFN-γ生成を阻害するシグナル、ならびにT細胞受容体の活性化により誘導される細胞増殖をもたらす(Carter et al,Eur J Immunol 2002,32(3):634-43;Freeman et al,J Exp Med 2000,192(7):1027-34)。このメカニズムには、Syk及びLckリン酸化などのT細胞受容体シグナル伝達を阻害するSHP-2またはSHP-1ホスファターゼの動員が含まれる(Sharpe et al,Nat Immunol 2007,8,239-245)。PD-1シグナル伝達軸の活性化は、NF-κB及びAP1経路の活性化、ならびにIL-2、IFN-γ、及びTNFなどのサイトカイン生成に必要なPKC-θ活性化ループのリン酸化も減衰させる(Sharpe et al,Nat Immunol 2007,8,239-245;Carter et al,Eur J Immunol 2002,32(3):634-43;Freeman et al,J Exp Med 2000,192(7):1027-34)。
【0006】
前臨床動物研究からの数連の証拠は、PD-1及びそのリガンドが免疫応答を負に制御していることを示している。PD-1欠損マウスは、ループス様糸球体腎炎及び拡張型心筋症を発症することが示されている(Nishimura et al,Immunity 1999,11:141-151;Nishimura et al,Science 2001,291:319-322)。慢性感染症のLCMVモデルを使用すると、PD-1/PD-L1相互作用は、ウイルス特異的CD8 T細胞のエフェクター機能の活性化、拡大、及び獲得を阻害することが示されている(Barber et al,Nature 2006,439,682-7)。まとめると、これらのデータは、T細胞応答を増大または「救済」するためにPD-1媒介阻害シグナル伝達カスケードをブロックする治療アプローチの開発を支持する。したがって、PD-1/PD-L1タンパク質/タンパク質相互作用をブロックする新しい化合物が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、特に、式(I’)の化合物、
【化1】
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体を提供し、構成要素の変数は、本明細書に定義される。
【0008】
本開示はまた、式(I)の化合物、
【化2】
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体を提供し、構成要素の変数は、本明細書に定義される。
【0009】
本開示は、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体と、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む薬学的組成物をさらに提供する。
【0010】
本開示は、PD-1/PD-L1相互作用を阻害する方法をさらに提供し、当該方法は、患者に、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体を投与することを含む。
【0011】
本開示は、PD-1/PD-L1相互作用の阻害に関連する疾患または障害を治療する方法をさらに提供し、当該方法は、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体を投与することを含む。
【0012】
本開示は、患者において免疫応答を増強、刺激、及び/または増加する方法をさらに提供し、当該方法は、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体を投与することを含む。
【発明の詳細な説明】
【0013】
I.化合物
本開示は、特に、式(I’)の化合物、
【化3】
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体を提供し、式中、
環Aは、アゼチジニル、ピロリジニル、またはピペリジニルであり、
X
1は、CHまたはNであり、
R
1は、メチルまたはハロであり、
R
2は、C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルキル、C
1-4ハロアルコキシ、C
3-6シクロアルキル、C
3-6シクロアルキル-C
1-2アルキル-、OH、NH
2、-NH-C
1-4アルキル、-N(C
1-4アルキル)
2、4~6員ヘテロシクロアルキル、または4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2アルキル-であり、4~6員ヘテロシクロアルキル及び4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2アルキル-はそれぞれ、O及びNから選択される環員として1つまたは2つのヘテロ原子を有し、R
2のC
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、C
3-6シクロアルキル-C
1-2アルキル-、-NH-C
1-4アルキル、-N(C
1-4アルキル)
2、4~6員ヘテロシクロアルキル、及び4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2アルキル-はそれぞれ、独立して、ハロ、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されており、
R
3は、(R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル、(S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル、(R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、(S)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、(R)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノ、(S)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノ、(R)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノ、及び(S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノから選択され、
R
4は、HまたはC
1-3アルキルであり、
R
5は、C(O)OH、C(O)N(CH
3)
2、C(O)NH(CH
3)、またはC(O)NH(CH
2)
2C(O)OHである。
【0014】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、
【化4】
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体が本明細書に提供され、式中、
環Aは、アゼチジニル、ピロリジニル、またはピペリジニルであり、
X
1は、CHまたはNであり、
R
1は、メチルまたはハロであり、
R
2は、C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルキル、C
1-4ハロアルコキシ、C
3-6シクロアルキル、C
3-6シクロアルキル-C
1-2アルキル-、OH、NH
2、-NH-C
1-4アルキル、-N(C
1-4アルキル)
2、4~6員ヘテロシクロアルキル、または4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2アルキル-であり、4~6員ヘテロシクロアルキル及び4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2アルキル-はそれぞれ、O及びNから選択される環員として1つまたは2つのヘテロ原子を有し、R
2のC
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、C
3-6シクロアルキル-C
1-2アルキル-、-NH-C
1-4アルキル、-N(C
1-4アルキル)
2、4~6員ヘテロシクロアルキル、及び4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2アルキル-はそれぞれ、独立して、ハロ、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されており、
R
3は、(R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル、(S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル、(R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、(S)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、(R)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノ、(S)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノ、(R)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノ、及び(S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノから選択され、
R
4は、HまたはC
1-3アルキルである。
【0015】
いくつかの実施形態では、環Aは、ピロリジニルである。いくつかの実施形態では、環Aは、ピペリジニルである。他の実施形態では、環Aは、ピペリジニルである。
【0016】
いくつかの実施形態では、部分
【化5】
は、4-カルボキシピペリジン-1-イル、3-カルボキシピロリジン-1-イル、3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イル、4-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)ピペリジン-1-イル、4-(N-メチルアミノカルボニル)ピペリジン-1-イル、及び4-(2-カルボキシエチルアミノカルボニル)ピペリジン-1-イルから選択され、波線は、分子の残部への結合点を示す。
【0017】
いくつかの実施形態では、部分
【化6】
は、4-カルボキシピペリジン-1-イル、3-カルボキシピロリジン-1-イル、及び3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イルから選択され、波線は、分子の残部への結合点を示す。
【0018】
いくつかの実施形態では、部分
【化7】
は、4-カルボキシピペリジン-1-イルであり、波線は、分子の残部への結合点を示す。
【0019】
いくつかの実施形態では、部分
【化8】
は、3-カルボキシピロリジン-1-イルであり、波線は、分子の残部への結合点を示す。いくつかの実施形態では、3-カルボキシピロリジン-1-イルは、(R)-3-カルボキシピロリジン-1-イルである。いくつかの実施形態では、3-カルボキシピロリジン-1-イルは、(S)-3-カルボキシピロリジン-1-イルである。
【0020】
いくつかの実施形態では、部分
【化9】
は、4-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)ピペリジン-1-イル、4-(N-メチルアミノカルボニル)ピペリジン-1-イル、及び4-(2-カルボキシエチルアミノカルボニル)ピペリジン-1-イルから選択され、波線は、分子の残部への結合点を示す。
【0021】
いくつかの実施形態では、部分
【化10】
は、3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イルであり、波線は、分子の残部への結合点を示す。いくつかの実施形態では、3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イルは、(R)-3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イルである。いくつかの実施形態では、3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イルは、(S)-3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イルである。
【0022】
いくつかの実施形態では、部分
【化11】
は、4-カルボキシピペリジン-1-イル、(R)-3-カルボキシピロリジン-1-イル、(S)-3-カルボキシピロリジン-1-イル、(R)-3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イル、及び(S)-3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イルから選択され、波線は、分子の残部への結合点を示す。
【0023】
いくつかの実施形態では、X1は、Nである。いくつかの実施形態では、X1は、CHである。
【0024】
いくつかの実施形態では、R1は、CH3またはClである。いくつかの実施形態では、R1は、CH3である。いくつかの実施形態では、R1、はハロ(例えば、F、Cl、またはBr)である。いくつかの実施形態では、R1は、Clである。
【0025】
いくつかの実施形態では、R2は、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル-C1-2アルキル-、OH、NH2、-NH-C1-4アルキル、-N(C1-4アルキル)2、1-アゼチジニル、アゼチジン-1-イルメチル、1-ピロリジニル、ピロリジン-1-イルメチル、1-ピペリジニル、またはピペリジン-1-イルメチルであり、R2のC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル-C1-2アルキル、-NH-C1-4アルキル、-N(C1-4アルキル)2、1-アゼチジニル、アゼチジン-1-イルメチル、1-ピロリジニル、ピロリジン-1-イルメチル、1-ピペリジニル、及びピペリジン-1-イルメチルはそれぞれ、独立して、ハロ、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されている。
【0026】
いくつかの実施形態では、R2は、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ、OH、NH2、-NH-C1-4アルキル、または-N(C1-4アルキル)2であり、R2のC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、-NH-C1-4アルキル、及び-N(C1-4アルキル)2はそれぞれ、独立して、ハロ、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されている。
【0027】
いくつかの実施形態では、R2は、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル-C1-2アルキル-、1-アゼチジニル、アゼチジン-1-イルメチル、1-ピロリジニル、ピロリジン-1-イルメチル、1-ピペリジニル、またはピペリジン-1-イルメチルであり、R2のC3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル-C1-2アルキル-、1-アゼチジニル、アゼチジン-1-イルメチル、1-ピロリジニル、ピロリジン-1-イルメチル、1-ピペリジニル、及びピペリジン-1-イルメチルはそれぞれ、独立して、ハロ、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されている。
【0028】
いくつかの実施形態では、R2は、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、CF3、CHF2、CFH2、OCF3、OCHF2、OCH2F、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロヘキシルメチル、OH、NH2、NHCH3、N(CH3)2、1-アゼチジニル、アゼチジン-1-イルメチル、1-ピロリジニル、ピロリジン-1-イルメチル、1-ピペリジニル、またはピペリジン-1-イルメチルであり、R2のメチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロヘキシルメチル、NHCH3、N(CH3)2、1-アゼチジニル、アゼチジン-1-イルメチル、1-ピロリジニル、ピロリジン-1-イルメチル、1-ピペリジニル、及びピペリジン-1-イルメチルはそれぞれ、独立して、F、Cl、Br、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されている。
【0029】
いくつかの実施形態では、R2は、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、CF3、CHF2、CFH2、OCF3、OCHF2、OCH2F、OH、NH2、NHCH3、またはN(CH3)2であり、R2のメチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、NHCH3、及びN(CH3)2はそれぞれ、独立して、F、Cl、Br、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されている。
【0030】
いくつかの実施形態では、R2は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロヘキシルメチル、1-アゼチジニル、アゼチジン-1-イルメチル、1-ピロリジニル、ピロリジン-1-イルメチル、1-ピペリジニル、またはピペリジン-1-イルメチルであり、R2のシクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロヘキシルメチル、1-アゼチジニル、アゼチジン-1-イルメチル、1-ピロリジニル、ピロリジン-1-イルメチル、1-ピペリジニル、及びピペリジン-1-イルメチルはそれぞれ、独立して、F、Cl、Br、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されている。
【0031】
いくつかの実施形態では、R2は、CH3、CF3、CHF2、CH(CH3)2、NH2、シクロプロピル、またはCH2OHである。
【0032】
いくつかの実施形態では、R2は、C1-4アルキルまたはC1-4ハロアルキルであり、それらの各々が、独立して、F、Cl、Br、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されている。
【0033】
いくつかの実施形態では、R2は、C1-4アルキルまたはC1-4ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、R2は、CH3、CF3、CHF2、またはCH(CH3)2である。いくつかの実施形態では、R2は、CH3及びCH(CH3)2などのC1-4アルキルである。いくつかの実施形態では、R2は、CH3である。いくつかの実施形態では、R2は、CH(CH3)2である。いくつかの実施形態では、R2は、CF3、CHF2、CH2FのなどのC1-4ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、R2は、CF3及びCHF2などのC1-4ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、R2は、CF3である。いくつかの実施形態では、R2は、CHF2である。いくつかの実施形態において、R2は、CH2Fである。
【0034】
いくつかの実施形態では、R2は、NH2、NHCH3、またはN(CH3)2であり、R2のNHCH3及びN(CH3)2はそれぞれ、独立して、F、Cl、Br、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で置換されている。いくつかの実施形態では、R2は、NH2である。
【0035】
いくつかの実施形態では、R2は、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロヘキシルであり、R2のシクロプロピル、シクロブチル、及びシクロヘキシルはそれぞれ、独立して、F、Cl、Br、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されている。いくつかの実施形態では、R2は、独立して、F、Cl、Br、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されたシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R2は、シクロプロピルである。
【0036】
いくつかの実施形態では、R3は、(R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イルまたは(S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イルである。いくつかの実施形態では、R3は、(R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イルまたは(S)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イルである。いくつかの実施形態では、R3は、(R)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノまたは(S)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノである。いくつかの実施形態では、R3は、(R)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノまたは(S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノである。
【0037】
いくつかの実施形態では、R4は、HまたはCH3である。いくつかの実施形態では、R4は、Hである。いくつかの実施形態では、R4は、CH3などのC1-3アルキルである。
【0038】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式IIの化合物、
【化12】
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体であり、R
2、R
3、R
4、及び環Aは、本明細書に記載されているとおりである。
【0039】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式IIIの化合物、
【化13】
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体であり、R
2、R
3、及び環Aは、本明細書に記載されているとおりである。
【0040】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式IVの化合物、
【化14】
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体であり、R
2、R
3、R
4、及び環Aは、本明細書に記載されているとおりである。
【0041】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式Vの化合物、
【化15】
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体であり、R
2、R
3、及び環Aは、本明細書に記載されているとおりである。
【0042】
いくつかの実施形態では、化合物は、以下から選択される:
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((-1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((-2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((-1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((-2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;及び
1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸、
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【0043】
いくつかの実施形態では、化合物は、以下から選択される:
1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-4-メチルピペリジン-4-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-N,N-ジメチルピペリジン-4-カルボキサミド;
1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-N-メチルピペリジン-4-カルボキサミド;
3-(1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボキサミド)プロパン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(2-シクロプロピル-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
1-((2-(3’-(2-アミノ-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)-7-シアノベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ヒドロキシメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
1-((7-シアノ-2-(3’-(3-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-6-メチル-1,7-ナフチリジン-8-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;及び
1-((7-シアノ-2-(3’-(6-(ジフルオロメチル)-3-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-1,7-ナフチリジン-8-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸、
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【0044】
いくつかの実施形態では、化合物は、本明細書に提供される例から選択される。
【0045】
明確にするために、別個の実施形態の文脈において説明される本発明のある特定の特徴を、単一の実施形態において組み合わせで提供することもできることがさらに理解される(一方でこれらの実施形態は、多重従属形態で記述されるかのように組み合わされることが意図される)。逆に、簡潔性のために単一の実施形態の文脈において説明される本発明の様々な特徴を、別個にまたは任意の好適な部分的組み合わせで提供することもできる。したがって、式(I)の化合物の実施形態を任意の好適な組み合わせで組み合わせることができると記載されている特徴として企図されている。
【0046】
本明細書の様々な箇所で、化合物のある特定の特徴が群または範囲で開示されている。そのような開示が、そのような群及び範囲のメンバーのそれぞれ1つ1つの個別の部分的組み合わせを含むことが具体的に意図される。例えば、「C1-6アルキル」という用語は、メチル、エチル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、及びC6アルキルを個別に(限定なしに)開示することが具体的に意図される。
【0047】
「n員」という用語は、nが整数である場合、典型的には、環形成原子の数がnである部分における環形成原子の数を表す。例えば、ピペリジニルは、6員ヘテロシクロアルキル環の例であり、ピラゾリルは5員ヘテロアリール環の例であり、ピリジルは6員ヘテロアリール環の例であり、1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレンは10員シクロアルキル基の例である。
【0048】
本明細書の様々な場所で、二価の連結基を定義する変数が説明され得る。具体的には、各連結置換基は、前方及び後方形態の連結置換基の両方を含むことが意図される。例えば、-NR(CR’R’’)n-は、-NR(CR’R’’)n-及び-(CR’R’’)nNR-の両方を含み、各形態を個別に開示することが意図される。構造が連結基を必要とする場合、その基に列挙されているマーカッシュ変数は連結基であると理解される。例えば、構造が連結基を必要とし、かつその変数のマーカッシュ基の定義に「アルキル」または「アリール」が列挙されている場合、「アルキル」または「アリール」は、それぞれ連結アルキレン基またはアリーレン基を表すと理解される。
【0049】
「置換された」という用語は、原子または原子の群が、別の基に結合した「置換基」として水素を正式に置き換えることを意味する。「置換された」という用語は、特に明記しない限り、そのような置換が許可されている任意のレベルの置換、例えば、モノ、ジ、トリ、テトラ、またはペンタ置換を指す。置換基は独立して選択され、置換は化学的にアクセス可能な任意の位置にあってよい。所与の原子での置換は原子価によって制限されることを理解されるべきである。所与の原子での置換は、化学的に安定な分子をもたらすことを理解されるべきである。「任意に置換された」という語句は、非置換または置換されていることを意味する。「置換された」という用語は、水素原子が除去され、置換基によって置き換えられることを意味する。単一の一価の置換基、例えば、オキソは、2個の水素原子を置き換えることができる。
【0050】
「Cn-m」という用語は、端点を含む範囲を示し、n及びmは整数であり、炭素の数を示す。例には、C1-4、C1-6などが含まれる。
【0051】
単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「アルキル」という用語は、直鎖または分岐であり得る飽和炭化水素基を指す。「Cn-mアルキル」という用語は、n~m個の炭素原子を有するアルキル基を指す。アルキル基は正式には、1つのC-H結合がアルキル基の化合物の残部への結合点で置き換えられたアルカンに対応する。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~6個の炭素原子、1~4個の炭素原子、1~3個の炭素原子、または1~2個の炭素原子を含む。アルキル部分の例には、これらに限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、sec-ブチルなどの化学基;2-メチル-1-ブチル、n-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、1,2,2-トリメチルプロピルなどの高級同族体が挙げられる。
【0052】
単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「アルケニル」という用語は、1つ以上の二重炭素-炭素結合を有するアルキル基に対応する直鎖または分岐炭化水素基を指す。アルケニル基は正式には、1つのC-H結合がアルケニル基の化合物の残部への結合点で置き換えられたアルケンに対応する。「Cn-mアルケニル」という用語は、n~m個の炭素を有するアルケニル基を指す。いくつかの実施形態では、アルケニル部分は、2~6、2~4、または2~3個の炭素原子を含む。アルケニル基の例には、これらに限定されないが、エテニル、n-プロペニル、イソプロペニル、n-ブテニル、sec-ブテニルなどが挙げられる。
【0053】
単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「アルキニル」という用語は、1つ以上の三重炭素-炭素結合を有するアルキル基に対応する直鎖または分岐炭化水素基を指す。アルキニル基は正式には、1つのC-H結合がアルキル基の化合物の残部への結合点で置き換えられたアルキンに対応する。「Cn-mアルキニル」という用語は、n~m個の炭素を有するアルキニル基を指す。アルキニル基の例には、これらに限定されないが、エチニル、プロピン-1-イル、プロピン-2-イルなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、アルキニル部分は、2~6、2~4、または2~3個の炭素原子を含む。
【0054】
単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「アルキレン」という用語は、二価のアルキル連結基を指す。アルキレン基は正式には、2つのC-H結合がアルキレン基の化合物の残部への結合点で置き換えられたアルカンに対応する。「Cn-mアルキレン」という用語は、n~m個の炭素原子を有するアルキレン基を指す。アルキレン基の例には、これらに限定されないが、エタン-1,2-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、プロパン-1,2-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、ブタン-1,3-ジイル、ブタン-1,2-ジイル、2-メチル-プロパン-1,3-ジイルなどが挙げられる。
【0055】
単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「アルコキシ」という用語は、式-O-アルキルの基を指し、アルキル基は、上に定義されるとおりである。「Cn-mアルコキシ」という用語は、そのアルキル基がn~m個の炭素を有するアルコキシ基を指す。例のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n-プロポキシ及びイソプロポキシ)、t-ブトキシなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~6、1~4、または1~3個の炭素原子を有する。
【0056】
「アミノ」という用語は、式-NH2の基を指す。
【0057】
「カルバミル」という用語は、式-C(O)NH2の基を指す。
【0058】
単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「カルボニル」という用語は、-C(=O)-基を指し、C(O)とも表記され得る。
【0059】
「シアノ」または「ニトリル」という用語は、式-C≡Nの基を指し、-CNとも表記され得る。
【0060】
単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを指す。いくつかの実施形態では、「ハロ」は、F、Cl、またはBrから選択されるハロゲン原子を指す。いくつかの実施形態では、ハロ基はFである。
【0061】
本明細書で使用される「ハロアルキル」という用語は、水素原子のうちの1つ以上がハロゲン原子で置き換えられているアルキル基を指す。「Cn-mハロアルキル」という用語は、n~m個の炭素原子及び少なくとも1つ~最大{2(n~m)+1}個のハロゲン原子を有するCn-mアルキル基を指し、それは同じであるかまたは異なり得る。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子は、フルオロ原子である。いくつかの実施形態では、ハロアルキル基は、1~6または1~4個の炭素原子を有する。ハロアルキル基の例には、CF3、C2F5、CHF2、CCl3、CHCl2、C2Cl5などが挙げられる。いくつかの実施形態では、ハロアルキル基は、フルオロアルキル基である。
【0062】
単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「ハロアルコキシ」という用語は、式-O-ハロアルキルの基を指し、ハロアルキル基は、上に定義されるとおりである。「Cn-mハロアルコキシ」という用語は、そのハロアルキル基がn~m個の炭素を有するハロアルコキシ基を指す。ハロアルコキシ基の例には、トリフルオロメトキシなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、ハロアルコキシ基は、1~6、1~4、または1~3個の炭素原子を有する。
【0063】
「オキソ」という用語は、二価の置換基としての酸素原子を指し、炭素に結合するとカルボニル基を形成するか、またはヘテロ原子に結合するとスルホキシドもしくはスルホン基、またはN-オキシド基を形成する。いくつかの実施形態では、複素環式基は、1または2個のオキソ(=O)置換基により任意に置換されてもよい。
【0064】
「スルフィド」という用語は、二価の置換基としての硫黄原子を指し、炭素に結合するとチオカルボニル基(C=S)を形成する。
【0065】
「芳香族」という用語は、芳香族の特徴(すなわち、nが整数である場合、(4n+2)非局在化π(pi)電子を有する)を有する1つ以上の多価不飽和環を有する炭素環または複素環を指す。
【0066】
単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「アリール」という用語は、単環式または多環式(例えば、2つの縮合環を有する)であり得る芳香族炭化水素基を指す。「Cn-mアリール」という用語は、n~m個の環炭素原子を有するアリール基を指す。アリール基には、例えば、フェニル、ナフチル、インダニル、インデニルなどが含まれる。いくつかの実施形態では、アリール基は、6~約10個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アリール基は、6個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アリール基は、10個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アリール基は、フェニルである。いくつかの実施形態では、アリール基は、ナフチルである。
【0067】
本明細書で使用される「ヘテロ原子」という用語は、ホウ素、リン、硫黄、酸素、及び窒素を含むことを意味する。
【0068】
単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」という用語は、ホウ素、リン、硫黄、酸素、及び窒素から選択される少なくとも1つのヘテロ原子環員を有する単環式または多環式芳香族複素環を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール環は、独立して、窒素、硫黄、及び酸素から選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子環員を有する。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール部分における任意の環形成Nは、N-オキシドであり得る。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、炭素原子を含む5~14個の環原子、ならびに独立して、窒素、硫黄、及び酸素から選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子環員を有する。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、炭素原子を含む5~14、または5~10個の環原子、ならびに独立して、窒素、硫黄、及び酸素から選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子環員を有する。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、5~6個の環原子、ならびに独立して、窒素、硫黄、及び酸素から選択されるヘテロ原子環員を有する。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、5員または6員ヘテロアリール環である。他の実施形態では、ヘテロアリールは、8員、9員、または10員縮合二環式ヘテロアリール環である。ヘテロアリール基の例には、これらに限定されないが、ピリジニル(ピリジル)、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、アゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、フラニル、チオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル(1,2-、1,3-、1,4-、1,5-、1,6-、1,7-、1,8-、2,3-、及び2,6-ナフチリジンを含む)、インドリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンズイソキサゾリル、イミダゾ[1,2-b]チアゾリル、プリニルなどが挙げられる。
【0069】
5員ヘテロアリール環は、5個の環原子を有するヘテロアリール基であり、1個以上(例えば、1、2、または3個)の環原子が、独立して、N、O、及びSから選択される。例示的な5員環ヘテロアリールには、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、1,2,3-トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、及び1,3,4-オキサジアゾリルが挙げられる。
【0070】
6員ヘテロアリール環は、6個の環原子を有するヘテロアリール基であり、1個以上(例えば、1、2、または3個)の環原子が、独立して、N、O、及びSから選択される。例示的な6員環ヘテロアリールには、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、及びピリダジニルが挙げられる。
【0071】
単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「シクロアルキル」という用語は、環化アルキル及びアルケニル基を含む非芳香族炭化水素環系(単環式、二環式、または多環式)を指す。「Cn-mシクロアルキル」という用語は、n~m個の環員炭素原子を有するシクロアルキルを指す。シクロアルキル基は、単環式または多環式(例えば、2、3、または4個の縮合環を有する)基及びスピロ環を含み得る。シクロアルキル基は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14個の環形成炭素(C3-14)を有し得る。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、3~14員、3~10員、3~6環員、3~5環員、または3~4環員を有する。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、単環式である。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、単環式または二環式である。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、C3-6単環式シクロアルキル基である。シクロアルキル基の環形成炭素原子は、任意に酸化されてオキソまたはスルフィド基を形成することができる。シクロアルキル基には、シクロアルキリデンも含まれる。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。シクロアルキルの定義には、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサンなどのベンゾまたはチエニル誘導体など、シクロアルキル環に融合した(すなわち、共通の結合を有する)1つ以上の芳香環を有する部分も含まれる。縮合芳香環を含むシクロアルキル基は、縮合芳香環の環形成原子を含む任意の環形成原子を介して結合することができる。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボルニル、ノルピニル、ノルカルニル、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニルなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。
【0072】
単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「ヘテロシクロアルキル」という用語は、非芳香族環または環系を指し、それは環構造の一部として1つ以上のアルケニレン基を任意に含み得、独立して、ホウ素、窒素、硫黄、酸素、及びリンから選択される少なくとも1つのヘテロ原子環員を有し、4~14環員、4~10環員、4~7環員、または4~6環員を有する。「ヘテロシクロアルキル」という用語には、単環式4、5、6、及び7員ヘテロシクロアルキル基が含まれる。ヘテロシクロアルキル基は、単環式または二環式または多環式(例えば、2つまたは3つの縮合または架橋環を有する)環系またはスピロサイクルを含み得る。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、独立して、窒素、硫黄、及び酸素から選択される1、2、または3個のヘテロ原子を有する単環式基である。ヘテロシクロアルキル基の環形成炭素原子及びヘテロ原子は、オキソもしくはスルフィド基または他の酸化された連結(例えば、C(O)、S(O)、C(S)またはS(O)2、N-オキシドなど)を形成するために、任意に酸化され得るか、または窒素原子が四級化され得る。ヘテロシクロアルキル基は、環形成炭素原子または環形成ヘテロ原子を介して結合することができる。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、0~3個の二重結合を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、0~2個の二重結合を含む。ヘテロシクロアルキルの定義には、例えば、ピペリジン、モルホリン、アゼピンなどのベンゾまたはチエニル誘導体など、ヘテロシクロアルキル環に融合した(すなわち、共通の結合を有する)1つ以上の芳香環を有する部分も含まれる。縮合芳香環を含むヘテロシクロアルキル基は、縮合芳香環の環形成原子を含む任意の環形成原子を介して結合することができる。ヘテロシクロアルキル基の例には、アゼチジニル、アゼパニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、モルホリノ、3-オキサ-9-アザスピロ[5.5]ウンデカニル、1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキソピペラジニル、ピラニル、ピロリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、トロパニル、4,5,6,7-テトラヒドロチアゾロ[5,4-c]ピリジニル、及びチオモルホリノが挙げられる。
【0073】
ある特定の箇所では、定義または実施形態は、特定の環(例えば、アゼチジン環、ピリジン環など)を指す。特に明記しない限り、これらの環は、原子の原子価を超えないことを条件として、任意の環員に結合することができる。例えば、アゼチジン環は、環の任意の位置で結合することができるが、アゼチジン-3-イル環は3位で結合する。
【0074】
本明細書に記載される化合物は、非対称であり得る(例えば、1つ以上の立体中心を有する)。特に明記しない限り、エナンチオマー及びジアステレオマーなどの全ての立体異性体が意図される。非対称に置換された炭素原子を含む本発明の化合物は、光学活性形態、またはラセミ形態で単離され得る。光学的に不活性な出発材料から光学活性形態を調製する方法は、ラセミ混合物の分割または立体選択的合成によるものなど、当該技術分野において既知である。本明細書に記載される化合物中には、オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何異性体も存在することができ、全てのそのような安定した異性体が本発明において企図される。本発明の化合物のシス及びトランスの幾何異性体が記載され、異性体の混合物として、または分離された異性体形態として単離され得る。
【0075】
化合物のラセミ混合物の分割は、当該技術分野で既知である多数の方法のうちのいずれかによって実施され得る。1つの方法としては、光学活性の塩形成有機酸であるキラル分割酸を用いた分別再結晶が挙げられる。分別再結晶法に好適な分割剤は、例えば、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、またはβ-カンファースルホン酸などの様々な光学活性カンファースルホン酸のD形態及びL形態などの光学活性酸である。分別晶析法に好適な他の分割剤には、α-メチルベンジルアミンの立体異性的に純粋な形態(例えば、S及びR形態、またはジアステレオマー的に純粋な形態)、2-フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N-メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサンなどが含まれる。
【0076】
ラセミ混合物の分割はまた、光学活性分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)を充填したカラム上への溶出によって実施され得る。好適な溶出溶媒組成物は、当業者によって決定され得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、(R)配置を有する。他の実施形態では、化合物は、(S)配置を有する。2つ以上のキラル中心を有する化合物では、特に明記しない限り、化合物中のキラル中心の各々は、独立して、(R)または(S)であってもよい。
【0078】
本発明の化合物には、互変異性の形態も含まれる。互変異性の形態は、プロトンの同時移動を一緒に伴う、隣接する二重結合との単結合の交換によって得られる。互変異性の形態には、同じ実験式及び総電荷を有する異性体のプロトン化状態であるプロトトロピック互変異性体が含まれる。プロトトロピック互変異性体の例には、ケトン-エノール対、アミド-イミド酸対、ラクタム-ラクチム対、エナミン-イミン対、ならびにプロトンがヘテロ環系の2つ以上の位置を占めることができる環状形態、例えば、1H-イミダゾール及び3H-イミダゾール、1H-1,2,4-トリアゾール、2H-1,2,4-トリアゾール、及び4H-1,2,4-トリアゾール、1H-イソインドール及び2H-イソインドール、ならびに1H-ピラゾール及び2H-ピラゾールが含まれる。互変異性の形態は、平衡状態であり得るか、または適切な置換によって1つの形態に立体的に固定され得る。
【0079】
本発明の化合物はまた、中間体または最終化合物において発生する原子の全ての同位体を含み得る。同位体は、同じ原子番号であるが、異なる質量数を有する原子を含む。例えば、水素の同位体は、トリチウム及び重水素を含む。本発明の化合物の1個以上の構成原子は、天然または非天然存在度の原子の同位体で置き換えられるかまたは置換され得る。いくつかの実施形態では、化合物は、少なくとも1個の重水素原子を含む。例えば、本開示の化合物における1つ以上の水素原子は、重水素で置き換えられるか、または置換され得る。いくつかの実施形態では、化合物は、2個以上の重水素原子を含む。いくつかの実施形態では、化合物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個の重水素原子を含む。有機化合物中に同位体を含めるための合成方法は、当該技術分野において既知である。
【0080】
本明細書で使用される「化合物」という用語は、示される構造の全ての立体異性体、幾何異性体、互変異性体、及び同位体を含むことを意味する。この用語はまた、本発明の化合物が、例えば、合成、生物学的プロセス(例えば、代謝または酵素変換)、またはそれらの組み合わせによって、どのように調製されるかに関係なく、本発明の化合物を指すことも意味する。
【0081】
全ての化合物及びその薬学的に許容される塩は、水及び溶媒などの他の物質と一緒に見出され得る(例えば、水和物及び溶媒和物)か、または単離され得る。固体状態であるとき、本明細書に記載される化合物及びその塩は、様々な形態で発生し得、例えば、水和物を含む溶媒和物の形態をとり得る。化合物は、多形または溶媒和物などの任意の固体状態の形態であってもよいため、特に明記しない限り、本明細書における化合物及びその塩への言及は、化合物の任意の固体状態の形態を包含すると理解されるべきである。
【0082】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物またはその塩は、実質的に単離される。「実質的に単離される」とは、化合物が、それが形成または検出された環境から少なくとも部分的にまたは実質的に分離されることを意味する。部分的な分離は、例えば、本発明の化合物が濃縮された組成物を含み得る。実質的な分離は、本発明の化合物またはその塩の少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、または少なくとも約99重量%を含む組成物を含み得る。
【0083】
「薬学的に許容される」という語句は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答もしくはその他の問題、または合併症なしに、ヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、合理的な利益/リスクの比に釣り合う化合物、材料、組成物、及び/または剤形を指すために本明細書で使用される。
【0084】
本明細書で使用される「周囲温度」及び「室温」という表現は、当該技術分野で理解されており、概して、反応が実施される部屋の温度、例えば、約20℃~約30℃の温度に近い温度、例えば、反応温度を指す。
【0085】
本発明は、本明細書に記載される化合物の薬学的に許容される塩も含む。「薬学的に許容される塩」という用語は、開示される化合物の誘導体を指し、親化合物は、既存の酸または塩基部分をその塩形態に変換することによって修飾されている。薬学的に許容される塩の例には、これらに限定されないが、アミンなどの塩基性残基の無機塩または有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが含まれる。本発明の薬学的に許容される塩には、例えば、非毒性の無機酸または有機酸から形成される親化合物の非毒性塩が含まれる。本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法により、塩基性部分または酸性部分を含む親化合物から合成することができる。概して、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態を、化学量論的な量の適切な塩基または酸と、水中もしくは有機溶媒中で、またはその2つの混合物中で反応させることにより調製され得る。概して、エーテル、酢酸エチル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはブタノール)またはアセトニトリル(MeCN)のような非水性培地が好ましい。好適な塩の一覧は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th Ed.,(Mack Publishing Company,Easton,1985),p.1418,Berge et al.,J.Pharm.Sci.,1977,66(1),1-19及びStahl et al.,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,(Wiley,2002)に見出される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、N-オキシド形態を含む。
【0086】
II.合成
本発明の化合物は、その塩を含めて、既知の有機合成技術を使用して調製することができ、多数の可能な合成経路のうちのいずれかに従って合成することができる。
【0087】
本発明の化合物を調製するための反応は、有機合成の当業者によって容易に選択され得る好適な溶媒中で実施され得る。好適な溶媒は、反応が実施される温度、例えば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度の範囲であり得る温度で、出発材料(反応物)、中間体、または生成物と実質的に非反応性であり得る。所与の反応は、1つの溶媒または2つ以上の溶媒の混合物中で実施され得る。特定の反応ステップに依存して、特定の反応ステップに好適な溶媒が当業者によって選択され得る。
【0088】
本発明の化合物の調製は、様々な化学基の保護及び脱保護を含み得る。保護及び脱保護の必要性、及び適切な保護基の選択は、当業者により容易に決定され得る。保護基の化学は、例えば、Kocienski,Protecting Groups,(Thieme,2007)、Robertson,Protecting Group Chemistry,(Oxford University Press,2000)、Smith et al.,March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,6th Ed.(Wiley,2007)、Peturssion et al.,”Protecting Groups in Carbohydrate Chemistry,”J.Chem.Educ.,1997,74(11),1297、及びWuts et al.,Protective Groups in Organic Synthesis,4th Ed.,(Wiley,2006)に記載されている。
【0089】
反応は、当該技術分野において既知の任意の好適な方法に従ってモニタリングされ得る。例えば、生成物の形成は、分光学的手段、例えば、核磁気共鳴分光法(例えば1Hまたは13C)、赤外分光法、分光測光法(例えば、UV可視光)、質量分析などによって、またはクロマトグラフィー、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)などによってモニタリングされ得る。
【0090】
III.化合物の使用
本開示の化合物は、PD-1/PD-L1タンパク質/タンパク質相互作用の活性を阻害することができ、したがって、PD-1の活性に関連する疾患及び障害、ならびにPD-1及びB7-1(CD80)などの他のタンパク質とのその相互作用を含むPD-L1に関連する疾患及び障害の治療に有用である。ある特定の実施形態では、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体は、治療的投与が、ワクチン接種に対する応答の増強を含む、がん、慢性感染症、または敗血症の免疫力を増強、刺激、及び/または増加するのに有用である。いくつかの実施形態では、本開示は、PD-1/PD-L1タンパク質/タンパク質相互作用を阻害する方法を提供する。方法は、個体または患者に、式(I)もしくは本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、または特許請求の範囲のうちのいずれかに記載され本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体を投与することを含む。本開示の化合物は、単独で、他の薬剤もしくは療法と組み合わせて、またはがんもしくは感染症疾患を含む疾患もしくは障害の治療のためのアジュバントもしくはネオアジュバントとして使用することができる。本明細書に記載される使用について、その実施形態のうちのいずれかを含む、本開示の化合物のうちのいずれかを使用することができる。
【0091】
本開示の化合物は、PD-1/PD-L1タンパク質/タンパク質相互作用を阻害し、PD-1経路の遮断をもたらす。PD-1の遮断は、ヒトを含む哺乳動物のがん細胞及び感染症疾患に対する免疫応答を増強することができる。いくつかの実施形態では、本開示は、式(I)の化合物またはその塩もしくは立体異性体を使用して、がん性腫瘍の成長が阻害されるように、インビボで個体または患者の治療を提供する。式(I)もしくは本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、または特許請求の範囲のうちのいずれかに記載され本明細書に記載される化合物、またはその塩もしくは立体異性体は、がん性腫瘍の成長を阻害するために使用することができる。あるいは、式(I)もしくは本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、または特許請求の範囲のうちのいずれかに記載され本明細書に記載される化合物、またはその塩もしくは立体異性体は、以下に記載されるように、他の薬剤または標準がん治療と組み合わせて使用することができる。一実施形態では、本開示は、インビトロで腫瘍細胞の成長を阻害する方法を提供する。方法は、式(I)もしくは本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、または特許請求の範囲のうちのいずれかに記載され本明細書に記載される化合物、またはその塩もしくは立体異性体と、腫瘍細胞をインビトロで接触させることを含む。別の実施形態では、本開示は、個体または患者において腫瘍細胞の成長を阻害する方法を提供する。方法は、投与を必要とする個体または患者に、治療有効量の、式(I)もしくは本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、または特許請求の範囲のうちのいずれかに記載され本明細書に記載される化合物、またはその塩もしくは立体異性体を投与することを含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、がんを治療するための方法が本明細書に提供される。方法は、投与を必要とする患者に、治療有効量の、式(I)もしくは本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、特許請求の範囲のうちのいずれかに記載され本明細書に記載される化合物、またはその塩を投与することを含む。がんの例には、本開示の化合物を使用してその成長が阻害され得るがん、及び典型的には免疫療法に応答性のがんが挙げられる。
【0093】
いくつかの実施形態では、本開示は、患者において免疫応答を増強、刺激、及び/または増加させる方法を提供する。方法は、投与を必要とする患者に、治療有効量の、式(I)もしくは本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、特許請求の範囲のうちのいずれかに記載され本明細書に記載される化合物もしくは組成物、またはその塩を投与することを含む。
【0094】
本開示の化合物を使用して治療可能ながんの例には、これらに限定されないが、骨癌、脾臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、皮膚または眼内悪性黒色腫、子宮癌、卵巣癌、結腸直腸癌、肛門部癌、胃癌、精巣癌、子宮癌、卵管癌、子宮内膜癌(carcinoma of the endometrium)、子宮内膜癌(endometrial cancer)、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病を含む慢性または急性白血病、小児固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓癌または尿道癌、腎盂癌、中枢神経系の新生物(CNS)、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮癌、扁平上皮癌、T細胞リンパ腫、アスベストによって誘発されるがんを含む環境的に誘発されるがん、ならびに当該がんの組み合わせが挙げられる。本開示の化合物は、転移性がん、特にPD-L1を発現する転移性がんの治療にも有用である。
【0095】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物により治療可能ながんには、黒色腫(例えば、転移性悪性黒色腫、皮膚黒色腫)、腎癌(例えば、淡明細胞癌)、前立腺癌(例えば、ホルモン不応性前立腺腺癌)、乳癌(例えば、浸潤性乳癌)、結腸癌、肺癌(例えば、非小細胞肺癌及び小細胞肺癌)、頭頸部扁平上皮癌(例えば、頭頸部の扁平上皮癌)、尿路上皮癌(例えば、膀胱癌、非筋層浸潤性膀胱癌(NMIBC))、及びマイクロサテライト不安定性の高い癌(MSIhigh)が含まれる。さらに、本開示は、本開示の化合物を使用してその成長が阻害され得る難治性または再発性悪性腫瘍を含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を使用して治療可能ながんには、これらに限定されないが、固形腫瘍(例えば、前立腺癌、結腸癌、食道癌、子宮内膜癌、卵巣癌、子宮癌、腎臓癌、肝癌、膵臓癌、胃癌、乳癌、肺癌、頭頸部癌、甲状腺癌、神経膠芽腫、肉腫、膀胱癌など)、血液癌(例えば、リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、DLBCL、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(再発性または難治性NHL及び再発性濾胞を含む)、ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫などの白血病)、及び当該がんの組み合わせが含まれる。
【0097】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を使用して治療可能ながんには、これらに限定されないが、胆管癌(cholangiocarcinoma)、胆管癌(bile duct cancer)、胆道癌、トリプルネガティブ乳癌、横紋筋肉腫、小細胞肺癌、平滑筋肉腫、肝細胞癌、ユーイング肉腫、脳癌、脳腫瘍、星細胞腫、神経芽細胞腫、神経線維腫、基底細胞癌、軟骨肉腫、類上皮肉腫、眼癌(eye cancer)、卵管癌、胃腸癌、消化管間質腫瘍、有毛細胞白血病、腸癌、膵島細胞癌、口腔癌(oral cancer)、口腔癌(mouth cancer)、咽喉癌、喉頭癌、口唇癌、中皮腫、頸部癌、鼻腔癌、眼癌(ocular cancer)、眼黒色腫、骨盤癌、直腸癌、腎細胞癌、唾液腺癌、副鼻腔癌、脊髄癌、舌癌、管状癌、尿道癌、及び尿管癌が含まれる。
【0098】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を使用して、鎌状赤血球症及び鎌状赤血球貧血を治療することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を使用して治療可能な疾患及び適応症には、これらに限定されないが、血液癌、肉腫、肺癌、胃腸癌、泌尿生殖路癌、肝臓癌、骨癌、神経系癌、婦人科癌、及び皮膚癌が含まれる。
【0100】
例示的な血液癌としては、リンパ腫及び白血病、例えば、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(再発性または難治性NHL及び再発濾胞性を含む)、ホジキンリンパ腫、骨髄増殖性疾患(例えば、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症(PV)、及び本態性血小板増加症(ET))、骨髄異形成症候群(MDS)、T-細胞急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)、及び多発性骨髄腫(MM)が挙げられる。
【0101】
例示的な肉腫としては、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、血管肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、粘液腫、横紋筋腫、横紋肉腫、線維腫、脂肪腫、過誤腫、及び奇形腫が挙げられる。
【0102】
例示的な肺癌としては、非小細胞肺癌(NSCLC)(例えば、扁平細胞NSCLC)、小細胞肺癌、気管支原性癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(気管支)癌、気管支腺腫、軟骨性過誤腫、及び中皮腫が挙げられる。
【0103】
例示的な胃腸癌としては、食道癌(癌腫、扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃癌(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫、腺癌)、膵臓癌(管腺癌、膵島細胞腫、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、VIP産生腫瘍)、小腸癌(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸癌(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、及び直腸結腸癌(結腸直腸腺癌)が挙げられる。
【0104】
例示的な泌尿生殖路癌としては、腎臓癌(腺癌、ウィルムス腫瘍、[腎芽細胞腫])、膀胱癌及び尿道癌(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺癌(腺癌、肉腫)、ならびに睾丸癌(精上皮腫、奇形腫、胎児性癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫)が挙げられる。いくつかの実施形態では、がんは、泌尿器系癌(例えば、乳頭状腎癌、精巣胚細胞癌、嫌色素性腎細胞癌、淡明細胞腎癌、または前立腺腺癌)である。
【0105】
例示的な肝臓癌には、肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、及び血管腫が挙げられる。
【0106】
例示的な骨癌としては、例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫瘍、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫(chondromyxofibroma)、類骨骨腫、及び巨細胞腫瘍が挙げられる。
【0107】
例示的な神経系癌には、頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫(meningiosarcoma)、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫(meduoblastoma)、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、膠芽腫、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、及び脊髄(神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、非上皮性悪性腫瘍)の癌、ならびに神経芽細胞腫及びレルミット・ダクロス病が挙げられる。
【0108】
例示的な婦人科癌には、子宮(子宮内膜癌)、頸部(子宮頸癌、前腫瘍(pre-tumor)子宮頸部異形成)、卵巣(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、漿液性腺癌、粘液性嚢胞腺癌、分類不能癌)、顆粒膜-莢膜細胞腫瘍、セルトリ・ライディッヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、及び卵管(上皮性悪性腫瘍)の癌が挙げられる。
【0109】
例示的な皮膚癌には、黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌(例えば、皮膚有棘細胞癌)、カポジ肉腫、ほくろ異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、及びケロイドが挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示の化合物を使用して治療可能な疾患及び適応症には、これらに限定されないが、鎌状赤血球症(例えば、鎌状赤血球貧血)、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)、骨髄異形成症候群、精巣癌、胆管癌、食道癌、及び尿路上皮癌が含まれる。
【0110】
本開示の化合物によるPD-1経路遮断はまた、ウイルス、細菌、真菌、及び寄生虫感染症などの感染症を治療するために使用され得る。本開示は、ウイルス感染症などの感染症を治療する方法を提供する。方法は、投与を必要とする患者に、治療有効量の、式(I)または本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、特許請求の範囲のうちのいずれかに記載され本明細書に記載される化合物、その塩を投与することを含む。本開示の方法により治療可能な感染症を引き起こすウイルスの例には、これらに限定されないが、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトパピローマウイルス、インフルエンザ、A型、B型、C型、またはD型肝炎ウイルス、アデノウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、エボラウイルス、及び麻疹ウイルスが挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示の方法によって治療可能な感染症を引き起こすウイルスには、これらに限定されないが、肝炎(A、B、またはC型)、ヘルペスウイルス(例えば、VZV、HSV-1、HAV-6、HSV-II、及びCMV、エプスタインバーウイルス)、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、フラビウイルス、エコーウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、コルノウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ムンプスウイルス、ロタウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、HTLVウイルス、デングウイルス、パピローマウイルス、伝染性ウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、JCウイルス、結核、及びアルボウイルス性脳炎ウイルスが含まれる。
【0111】
本開示は、細菌感染症を治療する方法を提供する。方法は、投与を必要とする患者に、治療有効量の、式(I)もしくは本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、特許請求の範囲のうちのいずれかに記載され本明細書に記載される化合物、またはその塩を投与することを含む。本開示の方法によって治療可能な感染症を引き起こすの非限定的な例には、chlamydia、rickettsial細菌、mycobacteria、staphylococci、streptococci、pneumonococci、meningococci、及びconococci、klebsiella、proteus、serratia、pseudomonas、legionella、diphtheria、salmonella、bacilli、コレラ、破傷風、ボツリヌス症、炭疽菌、ペスト、レプトスピラ症、ならびにライム病菌が挙げられる。
【0112】
本開示は、真菌感染症を治療する方法を提供する。方法は、投与を必要とする患者に、治療有効量の、式(I)もしくは本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、特許請求の範囲のうちのいずれかに記載され本明細書に記載される化合物、またはその塩を投与することを含む。本開示の方法によって治療可能な感染症を引き起こす病原性真菌の非限定的な例には、Candida(albicans、krusei、glabrata、tropicalisなど)、Cryptococcus neoformans、Aspergillus(fumigatus、nigerなど)、Genus Mucorales(mucor、absidia、rhizophus)、Sporothrix schenkii、Blastomyces dermatitidis、Paracoccidioides brasiliensis、Coccidioides immitis、及びHistoplasma capsulatumが挙げられる。
【0113】
本開示は、寄生虫感染症を治療する方法を提供する。方法は、投与を必要とする患者に、治療有効量の、式(I)もしくは本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、特許請求の範囲のうちのいずれかに記載され本明細書に記載される化合物、またはその塩を投与することを含む。本開示の方法によって治療可能な感染を引き起こす病原性寄生虫の非限定的な例には、Entamoeba histolytica、Balantidium coli、Naegleriafowleri、Acanthamoeba sp.、Giardia lambia、Cryptosporidium sp.、Pneumocystis carinii、Plasmodium vivax、Babesia microti、Trypanosoma brucei、Trypanosoma cruzi、Leishmania donovani、Toxoplasma gondi、及びNippostrongylus brasiliensisが挙げられる。
【0114】
本開示は、神経変性疾患または障害を治療する方法を提供する。方法は、投与を必要とする患者に、治療有効量の、式(I)もしくは本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、特許請求の範囲のうちのいずれかに記載され本明細書に記載される化合物、またはその塩を投与することを含む。神経変性疾患または障害の非限定的な例には、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病、運動ニューロン疾患、脊髄小脳失調症、及び脊髄性筋萎縮症が挙げられる。
【0115】
式(I)、またはその実施形態のうちのいずれかの化合物は、満足のいく薬理学的プロファイルならびに有毒なプロファイル、代謝及び薬物動態学的特性、溶解性、ならびに透過性などの有望な生物薬剤学的特性を有し得ると考えられる。適切な生物薬剤学的特性の決定、例えば、細胞における細胞毒性または潜在的な毒性を決定するためのある特定の標的もしくはチャネルの阻害の決定は、当業者の知識の範囲内であることが理解されるであろう。
【0116】
交換可能に使用される「個体」または「患者」という用語は、哺乳動物、好ましくはマウス、ラット、他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または霊長類を含む任意の動物、最も好ましくはヒトを指す。
【0117】
「治療有効量」という語句は、研究者、獣医師、医師、または他の臨床医によって求められている組織、系、動物、個体、またはヒトにおいて生物学的応答または医薬的応答を誘発する、活性化合物または薬学的剤の量を指す。
【0118】
本明細書で使用される場合、「治療する」または「治療」という用語は、(1)疾患を阻害すること、例えば、疾患、状態、または障害の病理または総体症状を経験しているかまたは示している個体における疾患、状態、または障害を阻害すること(すなわち、病理及び/または総体症状のさらなる発達を停止させること)、及び(2)疾患を改善すること、例えば、疾患、状態、または障害の病理または総体症状を経験しているかまたは示している個体における疾患、状態、または障害を改善すること(すなわち、病理及び/または総体症状を反転させること)、例えば、疾患の重症度を減少させることを指す。
【0119】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、本明細書で言及される疾患のうちのいずれかを発症するリスクを予防または低減、例えば、疾患、状態、または障害の素因があり得るが、その疾患の病理または総体症状をまだ経験していないかまたは示していない個体における、疾患、状態、または障害を発症するリスクの予防または低減において有用であり得る。
【0120】
併用療法
がん細胞成長及び生存は、複数の生物学的経路の機能障害によって影響を受け得る。したがって、酵素阻害剤、シグナル伝達阻害剤、クロマチンダイナミクスの阻害剤、または免疫応答の調節剤などの異なるメカニズムの阻害剤を組み合わせて、そのような状態を治療することは有用であり得る。2つ以上のシグナル伝達経路(または所与のシグナル伝達経路に関与する2つ以上の生物学的分子)を標的とすることは、細胞集団において生じる薬物抵抗の可能性を低減するか、または治療の毒性を低減することができる。
【0121】
本開示の化合物は、がんまたは感染症などの疾患の治療のために、1つ以上の他の療法と組み合わせて使用され得る。併用療法で治療可能な疾患及び適応症の例には、本明細書に記載されているものが挙げられる。がんの例には、固形腫瘍、及び液体腫瘍、血液癌などの非固形腫瘍が挙げられる。感染症の例には、ウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、または寄生虫感染症が挙げられる。例えば、本開示の化合物は、がんの治療のための以下のキナーゼのうちの1つ以上の阻害剤と組み合わせることができる:Akt1、Akt2、Akt3、BCL2、CDK、TGF-βR、PKA、PKG、PKC、CaM-キナーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ、MEKK、ERK、MAPK、mTOR、EGFR、HER2、HER3、HER4、INS-R、IDH2、IGF-1R、IR-R、PDGFαR、PDGFβR、PI3K(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、及び複数または選択的)、CSF1R、KIT、FLK-II、KDR/FLK-1、FLK-4、flt-1、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、c-Met、PARP、Ron、Sea、TRKA、TRKB、TRKC、TAMキナーゼ(Axl、Mer、Tyro3)、FLT3、VEGFR/Flt2、Flt4、EphA1、EphA2、EphA3、EphB2、EphB4、Tie2、Src、Fyn、Lck、Fgr、Btk、Fak、SYK、FRK、JAK、ABL、ALK、及びB-Raf。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、がんまたは感染症の治療のために、以下の阻害剤のうちの1つ以上と組み合わせることができる。がん及び感染症の治療のために本開示の化合物と組み合わされ得る阻害剤の非限定的な例には、FGFR阻害剤(FGFR1、FGFR2、FGFR3またはFGFR4、例えば、ペミガチニブ(INCY54828)、INCB62079)、JAK阻害剤(JAK1及び/またはJAK2、例えば、ルキソリチニブ、バリシチニブ、またはイタシチニブ(INCB39110))、IDO阻害剤(例えば、エパカドスタット(epacadostat)、NLG919、またはBMS-986205、MK7162)、LSD1阻害剤(例えば、INCB59872及びINCB60003)、TDO阻害剤、PI3K-デルタ阻害剤(例えば、パルサクリシブ(INCB50465)及びINCB50797)、PI3K-ガンマ選択的阻害剤などのPI3K-ガンマ阻害剤、Pim阻害剤(例えば、INCB53914)、EGFR阻害剤(ErB-1またはHER-1としても知られる;例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、バンデタニブ、オシメルチニブ、セツキシマブ、ネシツムマブ、またはパニツムマブ)、VEGFR阻害剤または経路遮断薬(例えば、ベバシズマブ、パゾパニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、カボザンチニブ、アキシチニブ、バンデタニブ、ラムシルマブ、レンバチニブ、ziv-アフリベルセプト)、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ、ルカパリブ、ベリパリブ、タラゾパリブ、またはニラパリブ)、CSF1R阻害剤、TAM受容体チロシンキナーゼ(Tyro-3、Axl、及びMer)、アデノシン受容体アンタゴニスト(例えば、A2a/A2b受容体アンタゴニスト)、HPK1阻害剤、ケモカイン受容体阻害剤(例えば、CCR2またはCCR5阻害剤)、SHP1/2ホスファターゼ阻害剤、HDAC8阻害剤などのヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC)、血管新生阻害剤、インターロイキン受容体阻害剤、ブロモ及び余剰末端ファミリーメンバー阻害剤(例えば、ブロモドメイン阻害剤またはBET阻害剤、例えば、INCB54329及びINCB57643)、アルギナーゼ阻害剤(INCB001158)、PARP阻害剤(ルカパリブまたはオラパリブなど)、シトラバチニブ、B-Raf阻害剤-MEK阻害剤の組み合わせ(エンコラフェニブ及びビニメチニブ、ダブラフェニブ及びトラメチニブ、またはコビメチニブ及びベムラフェニブなど)、ならびにアデノシン受容体アンタゴニスト、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0122】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、TLR7アゴニスト(例えば、イミキモド)と組み合わせることができる。
【0123】
本開示の化合物は、例えば、化学療法、放射線療法、腫瘍標的療法、アジュバント療法、免疫療法、または外科手術によって、がんを治療する他の方法と組み合わせてさらに使用することができる。免疫療法の例には、サイトカイン治療(例えば、インターフェロン、GM-CSF、G-CSF、IL-2)、CRS-207免疫療法、がんワクチン、モノクローナル抗体、二重特異性抗体または多重特異性抗体、抗体薬物複合体、養子T細胞移入、Toll受容体アゴニスト、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、腫瘍溶解性ウイルス療法、及びサリドマイドまたはJAK1/2阻害剤、PI3Kδ阻害剤などを含む免疫調節小分子が挙げられる。化合物は、化学療法剤などの1つ以上の抗がん剤と組み合わせて投与され得る。化学療法剤の例には、アバレリックス、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アナストロゾール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、ベバシズマブ、ベキサロテン、バリシチニブ、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、静脈内用ブスルファン、経口用ブスルファン、カルステロン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルテパリンナトリウム、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デニロイキン、デニロイキンジフチトックス、デキシラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドロモスタノロンプロピオネート、エクリズマブ、エピルビシン、エルロチニブ、エストラムスチン、エトポシドリン酸塩、エトポシド、エキセメスタン、フェンタニルクエン酸塩、フィルグラスチム、フロキシウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガミシン、ゴセレリン酢酸塩、ヒストレリン酢酸塩、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イフォスファミド、イマチニブメシル酸塩、インターフェロンアルファ2a、イリノテカン、ラパチニブジトシル酸塩、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド酢酸塩、レバミソール、ロムスチン、メクロレタミン、メゲストロール酢酸塩、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、ミトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、ナンドロロンフェンプロピオン酸塩、ネララビン、ノフェツモマブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、パニツムマブ、ペガスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、プロカルバジン、キナクリン、ラスブリカーゼ、リツキシマブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、スニチニブマレイン酸塩、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、テストラクトン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、及びゾレドロン酸塩のうちのいずれかが挙げられる。
【0124】
他の抗がん剤(複数可)には、トラスツズマブ(ハーセプチン)などの抗体治療薬、CTLA-4(例えば、イピリムマブ)、4-1BB(例えば、ウレルマブ、ウトミルマブ)などの共刺激分子に対する抗体、PD-1及びPD-L1に対する抗体、またはサイトカイン(IL-10、TGF-βなど)に対する抗体が含まれる。がんまたはウイルス、細菌、真菌、及び寄生虫感染症などの感染症の治療のために本開示の化合物と組み合わされ得るPD-1及び/またはPD-L1の抗体の例には、これらに限定されないが、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、及びSHR-1210が挙げられる。
【0125】
本開示の化合物は、がんまたは感染症などの疾患の治療のために、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて使用され得る。例示的な免疫チェックポイント阻害剤としては、CBL-B、CD27、CD28、CD40、CD122、CD96、CD73、CD47、OX40、GITR、CSF1R、JAK、PI3Kデルタ、PI3Kガンマ、TAM、アルギナーゼ、CD137(4-1BBとしても知られる)、ICOS、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、LAG3、TIM3、TIGIT、CD112R、VISTA、PD-1、PD-L1、及びPD-L2などの免疫チェックポイント分子に対する阻害剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子は、CD27、CD28、CD40、ICOS、OX40、GITR、及びCD137から選択される刺激チェックポイント分子である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子は、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、IDO、KIR、LAG3、PD-1、TIM3、及びVISTAから選択される阻害チェックポイント分子である。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される化合物は、KIR阻害剤、TIGIT阻害剤、LAIR1阻害剤、CD160阻害剤、2B4阻害剤、及びTGFRベータ阻害剤から選択される1つ以上の薬剤と組み合わせて使用され得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、抗PD1抗体、抗PD-L1抗体、または抗CTLA-4抗体である。
【0127】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-1の阻害剤、例えば、抗PD-1モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1モノクローナル抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ(MK-3475としても知られる)、ピジリズマブ、SHR-1210、PDR001、またはAMP-224である。いくつかの実施形態では、抗PD-1モノクローナル抗体は、ニボルマブまたはペムブロリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD1抗体は、ペムブロリズマブである。
【0128】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-L1の阻害剤、例えば、抗PD-L1モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1モノクローナル抗体は、BMS-935559、MEDI4736、MPDL3280A(RG7446としても知られる)、またはMSB0010718Cである。いくつかの実施形態では、抗PD-L1モノクローナル抗体は、MPDL3280AまたはMEDI4736である。
【0129】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CTLA-4の阻害剤、例えば、抗CTLA-4抗体である。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブまたはトレメリムマブである。
【0130】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、LAG3の阻害剤、例えば、抗LAG3抗体である。いくつかの実施形態では、抗LAG3抗体は、BMS-986016、LAG525、またはINCAGN2385である。
【0131】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、TIM3の阻害剤、例えば、抗TIM3抗体である。いくつかの実施形態では、抗TIM3抗体は、INCAGN2390、MBG453、またはTSR-022である。
【0132】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、GITRの阻害剤、例えば、抗GITR抗体である。いくつかの実施形態では、抗GITR抗体は、TRX518、MK-4166、INCAGN1876、MK-1248、AMG228、BMS-986156、GWN323、またはMEDI1873である。
【0133】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、OX40の阻害剤、例えば、抗OX40抗体またはOX40L融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、抗OX40抗体は、MEDI0562、MOXR-0916、PF-04518600、GSK3174998、またはBMS-986178である。いくつかの実施形態では、OX40L融合タンパク質は、MEDI6383である。
【0134】
本開示の化合物は、1つ以上の抗炎症剤、ステロイド、免疫抑制剤、または治療用抗体と組み合わせてさらに使用され得る。
【0135】
式(I)もしくは本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、特許請求の範囲のうちのいずれかに記載され本明細書に記載される化合物、またはその塩を、がん性細胞、精製された腫瘍抗原(組換えタンパク質、ペプチド、及び炭水化合物分子を含む)、細胞、及び免疫刺激サイトカインをコードする遺伝子でトランスフェクトされた細胞などの別の免疫原性剤と組み合わせることができる。使用され得る腫瘍ワクチンの非限定的な例には、gp100のペプチド、MAGE抗原、Trp-2、MARTI、及び/またはチロシナーゼ、あるいはサイトカインGM-CSFを発現するようにトランスフェクトされた腫瘍細胞などの黒色腫抗原のペプチドが挙げられる。
【0136】
式(I)もしくは本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、特許請求の範囲のうちのいずれかに記載され本明細書に記載される化合物、またはその塩は、がんの治療のためのワクチン接種プロトコルと組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、腫瘍細胞は、GM-CSFを発現するように形質導入される。いくつかの実施形態では、腫瘍ワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBV及びHCV)、及びカポジヘルペス肉腫ウイルス(KHSV)などのヒトのがんに関係するウイルスからのタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、腫瘍組織自体から単離された熱ショックタンパク質などの腫瘍特異的抗原と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、式(I)もしくは本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、特許請求の範囲のうちのいずれかに記載され本明細書に記載される化合物、またはその塩を、樹状細胞免疫と組み合わせて、強力な抗腫瘍応答を活性化することができる。
【0137】
本開示の化合物は、FeアルファまたはFeガンマ受容体発現エフェクター細胞を腫瘍細胞に標的化する二重特異性大環状ペプチドと組み合わせて使用することができる。本開示の化合物はまた、宿主の免疫応答性を活性化する大環状ペプチドと組み合わせることができる。
【0138】
本開示の化合物は、造血起源の様々な腫瘍の治療のために骨髄移植と組み合わせて使用することができる。
【0139】
式(I)もしくは本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、特許請求の範囲のいずれかに記載され本明細書に記載される化合物、またはその塩は、ワクチンと組み合わせて使用して、病原体、毒素、及び自己抗原に対する免疫応答を刺激することができる。この治療アプローチが特に有用であり得る病原体の例には、現在有効なワクチンがない病原体、または従来のワクチンが完全に有効ではない病原体が含まれる。これらには、これらに限定されないが、HIV、肝炎(A、B、及びC型)、インフルエンザ、ヘルペス、ジアルジア、マラリア、リーシュマニア、Staphylococcus aureus、Pseudomonas Aeruginosaが含まれる。
【0140】
本開示の方法によって治療可能な感染症を引き起こすウイルスには、これらに限定されないが、ヒトパピローマウイルス、インフルエンザ、A型、B型、C型またはD型肝炎ウイルス、アデノウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、エボラウイルス、麻疹ウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、VZV、HSV-1、HAV-6、HSV-II、及びCMV、エプスタインバーウイルス)、フラビウイルス、エコーウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、コルノウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、マンプスウイルス、ロタウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、HTLVウイルス、デングウイルス、パピローマウイルス、伝染性ウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、JCウイルス、及びアルボウイルス性脳炎ウイルスが含まれる。
【0141】
本開示の方法により治療可能な感染症を引き起こす病原性細菌には、これらに限定されないが、chlamydia、rickettsial細菌、mycobacteria、staphylococci、streptococci、pneumonococci、meningococci及びconococci、klebsiella、proteus、serratia、pseudomonas、legionella、diphtheria、salmonella、bacilli、コレラ、破傷風、ボツリヌス症、炭疽菌、ペスト、レプトスピラ症、ならびにライム病菌が含まれる。
【0142】
本開示の方法によって治療可能な感染症を引き起こす病原性真菌には、これらに限定されないが、Candida(albicans、krusei、glabrata、tropicalisなど)、Cryptococcus neoformans、Aspergillus(fumigatus、nigerなど)、Genus Mucorales(mucor、absidia、rhizophus)、Sporothrix schenkii、Blastomyces dermatitidis、Paracoccidioides brasiliensis、Coccidioides immitis、及びHistoplasma capsulatumが含まれる。
【0143】
本開示の方法によって治療可能な感染症を引き起こす病原性寄生虫には、これらに限定されないが、Entamoeba histolytica、Balantidium coli、Naegleriafowleri、Acanthamoeba sp.、Giardia lambia、Cryptosporidium sp.、Pneumocystis carinii、Plasmodium vivax、Babesia microti、Trypanosoma brucei、Trypanosoma cruzi、Leishmania donovani、Toxoplasma gondi、及びNippostrongylus brasiliensisが含まれる。
【0144】
2つ以上の薬学的剤が患者に投与される場合、それらは同時に、別々に、逐次的に、または組み合わせて(例えば、3つ以上の薬剤の場合)投与され得る。
【0145】
IV.製剤化、剤形、及び投与
薬剤として用いられる場合、本開示の化合物は、薬学的組成物の形態で投与され得る。したがって、本開示は、式(I)もしくは本明細書に記載される式のうちのいずれかの化合物、特許請求の範囲のうちのいずれかに記載され本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその実施形態のうちのいずれか、及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体もしくは賦形剤を含む組成物を提供する。これらの組成物は、薬学的分野において周知の方法で調製され得、局所または全身治療が示されるかどうか、及び治療される領域に応じて様々な経路によって投与され得る。投与は、局所的(経皮、上皮、眼、ならびに鼻腔内、膣、及び直腸送達を含む粘膜へのものを含む)、肺(例えば、噴霧器によるものを含む粉末またはエアロゾルの吸入または吹送によって;気管内または鼻腔内)、経口、または非経口であり得る。非経口投与には、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内注射もしくは注入、または、頭蓋内、例えば、くも膜下腔内もしくは脳室内の投与が含まれる。非経口投与は、単回ボーラス用量の形態であり得るか、または例えば、連続かん流ポンプによるものであり得る。局所投与のための薬学的組成物及び製剤には、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐薬、スプレー、液体、及び粉末が含まれ得る。従来の薬学的担体、水性基剤、粉末基剤、または油性基剤、増粘剤などは、必須であるか、または望ましい場合がある。
【0146】
本発明には、1つ以上の薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせて、活性成分として、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物も含まれる。いくつかの実施形態では、組成物は、局所的投与に好適である。本発明の組成物を作製する際に、活性成分は、典型的に賦形剤と混合され、賦形剤によって希釈されるか、または例えば、カプセル、サシェ、紙、もしくは他の容器の形態でそのような担体に封入される。賦形剤が希釈剤として機能する場合、活性成分のためのビヒクル、担体、担体、または媒質として作用する固体、半固体、または液体の材料であり得る。したがって、組成物は、錠剤、ピル、粉末、舐剤、サシェ、カシェ剤、エリキシル、懸濁液、乳剤、溶液、シロップ、エアロゾル(固体としてまたは液体媒質中)、例えば、最大10重量%の活性化合物を含む軟膏、軟質及び硬質ゼラチンカプセル、坐薬、無菌注入溶液、ならびに無菌包装粉末の形態であり得る。
【0147】
製剤を調製する際は、他の成分と組み合わせる前に、活性化合物を粉砕して適切な粒径を提供することができる。活性化合物が実質的に不溶性である場合、200メッシュ未満の粒径まで粉砕され得る。活性化合物が実質的に水溶性である場合、粒径を粉砕によって、例えば、約40メッシュに調整して、製剤中の実質的に均一な分布を提供することができる。
【0148】
本発明の化合物は、湿式粉砕などの既知の粉砕手順を使用して粉砕され、錠剤形成及び他の製剤型に適切な粒径を得ることができる。本発明の化合物の細分化された(ナノ粒子)調製物は、当該技術分野において既知のプロセスによって調製され得、例えば、WO2002/000196を参照されたい。
【0149】
好適な賦形剤のいくつかの例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、及びメチルセルロースが挙げられる。その上、製剤には、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱物油などの潤滑剤、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、メチル及びプロピルヒドロキシ安息香酸塩などの保存剤、甘味料、ならびに香味料が含まれ得る。本発明の組成物は、当該技術分野において既知の手順を用いることによって患者に投与した後に、活性成分の迅速、持続、または遅延放出を提供するように製剤化され得る。
【0150】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、ケイ酸化微結晶セルロース(SMCC)、及び本明細書に記載される少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、ケイ酸化微結晶セルロースは、約98%微結晶セルロース及び約2%二酸化ケイ素w/wを含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体または賦形剤を含む持続放出組成物である。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩、ならびに微結晶セルロース、ラクトース一水和物、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリエチレンオキシドから選択される少なくとも1つの構成成分を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩、ならびに微結晶セルロース、ラクトース一水和物、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩、ならびに微結晶セルロース、ラクトース一水和物、及びポリエチレンオキシドを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ステアリン酸マグネシウムまたは二酸化ケイ素をさらに含む。いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースは、Avicel PH102(商標)である。いくつかの実施形態では、ラクトース一水和物は、Fast-flo 316(商標)である。いくつかの実施形態では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 K4M(例えば、Methocel K4 M Premier(商標))及び/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 K100LV(例えば、Methocel K00LV(商標))である。いくつかの実施形態では、ポリエチレンオキシドは、ポリエチレンオキシドWSR 1105(例えば、Polyox WSR 1105(商標))である。
【0152】
いくつかの実施形態では、湿式造粒プロセスを使用して組成物を生成する。いくつかの実施形態では、乾式造粒プロセスを使用して組成物を生成する。
【0153】
組成物は、単位剤形で製剤化され得、各投与量は、約5~約1,000mg(1g)、より通常では約100mg~約500mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、各投与量は、約10mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、各投与量は、約50mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、各投与量は、約25mgの活性成分を含む。「単位剤形」という用語は、ヒト対象及び他の哺乳動物のための単位投与量として好適な物理的に個別の単位を指し、各単位は、好適な薬学的賦形剤に関連して、所望の治療効果を生み出すように算出された、所定の量の活性物質を含む。
【0154】
薬学的組成物を製剤化するために使用される構成成分は、高純度のものであり、実質的に潜在的に有害な汚染物質を含まない(例えば、少なくとも国の食品グレード、一般には少なくとも分析グレード、及びより典型的には少なくとも医薬品グレード)。特にヒト消費の場合、組成物は、好ましくは米国食品医薬品局の適用規定において定義される優良製造規範の規定に従って製造または製剤化される。例えば、好適な製剤は、無菌及び/または実質的に等張性であり、及び/または全ての米国食品医薬品局の優良製造規範の規定を完全に順守し得る。
【0155】
活性化合物は、広い投与量範囲にわたって有効であり得、一般に治療有効量で投与される。しかしながら、実際に投与される化合物の量は、通常、治療される状態、選択した投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重、及び応答、患者の症状の重症度などを含む関連状況に従って、医師によって決定されることは理解されよう。
【0156】
本発明の化合物の治療投与量は、例えば、治療が施される特定の用途、化合物の投与様式、患者の健康及び状態、ならびに処方医師の判断に従って変化し得る。薬学的組成物中の本発明の化合物の比率または濃度は、投与量、化学的性質(例えば、疎水性)、及び投与経路を含むいくつかの要因に応じて変化し得る。例えば、本発明の化合物は、非経口投与の場合、約0.1~約10%w/vの化合物を含む生理的緩衝水溶液中で提供され得る。いくつかの典型的な用量の範囲は、1日当たり体重の約1μg/kg~約1g/kgである。いくつかの実施形態では、用量の範囲は、1日当たり体重の約0.01mg/kg~約100mg/kgである。投与量は、疾患または障害の種類及び進行の程度、特定の患者の全体健康状態、選択された化合物の生物学的効果比、賦形剤の配合、及びその投与経路などの変数に依存する可能性が高い。有効用量は、インビトロまたは動物モデルの試験システムに由来する用量応答曲線から外挿することができる。
【0157】
錠剤などの固体組成物を調製するために、主要な活性成分を薬学的賦形剤と混合して、本発明の化合物の均質な混合物を含む固体の予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物が均質物として言及される場合、活性成分は、典型的には、組成物全体に均一に分散され、それにより組成物は、錠剤、ピル、及びカプセルなどの等しく有効な単位剤形に容易に細分化され得る。次いで、この固体予備処方物は、例えば、約0.1~約1000mgの本発明の活性成分を含む上に記載される種類の単位剤形に細分化される。
【0158】
本発明の錠剤またはピルをコーティングまたは他の方法で化合して、長期作用の利点をもたらす剤形を提供する。例えば、錠剤またはピルは、内側の投与成分及び外側の投与成分を含むことができ、外側の投与成分は、内側の投与成分に対して外被の形態になっている。これらの2つの構成成分は、腸溶性層によって分離され得、この腸溶性層は、胃で分解に抵抗するように機能して、内側の構成成分を無傷で十二指腸に到達させるか、または遅延放出を可能にする。様々な材料をそのような腸溶性層またはコーティングに使用することができ、そのような材料は、いくつかのポリマー酸、ならびにポリマー酸とセラック、セチルアルコール、及びセルロース酢酸塩などの材料との混合物を含む。
【0159】
本発明の化合物及び組成物が経口または注射による投与のために組み込まれ得る液体形態としては、水溶液、好適に風味付けされたシロップ、水性または油性懸濁液、及び綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、またはピーナッツ油などの食用油で風味付けされた乳剤、ならびにエリキシル剤及び類似の薬学的ビヒクルが挙げられる。
【0160】
吸入または吹送のための組成物は、薬学的に許容される水性もしくは有機溶媒、またはこれらの混合物中の溶液及び懸濁液、ならびに粉末を含む。液体組成物または固体組成物には、上に記載されるような好適な薬学的に許容される賦形剤が含まれ得る。いくつかの実施形態では、組成物は、局所的効果または全身効果のために経口または鼻呼吸の経路により投与される。組成物は、不活性ガスの使用により噴霧され得る。噴霧される溶液は、噴霧デバイスから直接的に吸入され得るか、または噴霧デバイスを、顔面マスク、栓塞子、もしくは間欠陽圧呼吸器に装着することができる。溶液、懸濁液、または粉末の組成物は、適切な様式で製剤を送達するデバイスから経口的または鼻腔に投与され得る。
【0161】
局所製剤は、1つ以上の従来の担体を含み得る。いくつかの実施形態では、軟膏は、水と、例えば、流動パラフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール、白色ワセリンなどから選択される1つ以上の疎水性担体とを含み得る。クリームの担体組成物は、グリセロール及び1つ以上の他の構成成分、例えば、グリセリンモノステアリン酸塩、PEG-グリセリンモノステアリン酸塩、及びセチルステアリルアルコールと組み合わせた水に基づき得る。ゲルは、イソプロピルアルコール及び水を使用して、好適に、例えば、グリセロール、ヒドロキシエチルセルロースなどの他の構成成分との組み合わせで製剤化され得る。いくつかの実施形態では、局所製剤は、少なくとも約0.1、少なくとも約0.25、少なくとも約0.5、少なくとも約1、少なくとも約2、または少なくとも約5重量%の本発明の化合物を含む。局所的製剤は、選択された適応症、例えば、乾癬または他の皮膚状態の治療の指示と任意に関連する、例えば100gのチューブに好適に包装され得る。
【0162】
患者に投与される化合物または組成物の量は、投与されるもの、予防または治療などの投与の目的、患者の状態、投与様式などに応じて変化する。治療的用途では、組成物は、疾患及びその合併症の症状を治癒するか、または少なくとも部分的に止めるのに十分な量で、すでに疾患に罹患している患者に投与され得る。有効用量は、治療される疾患状態、ならびに疾患の重症度、患者の年齢、体重、及び一般状態などの要因に基づく担当医師の判断に依存する。
【0163】
患者に投与される組成物は、上に記載される薬学的組成物の形態であり得る。これらの組成物は、従来の殺菌技法によって殺菌され得るかまたは無菌濾過され得る。水溶液は、そのままで使用するために包装され、または凍結乾燥させられ得、凍結乾燥調製物は、投与の前に無菌水性担体と組み合わされる。化合物調製物のpHは、典型的には3~11、より好ましくは5~9、最も好ましくは7~8であろう。ある特定の前述の賦形剤、担体、または安定剤の使用によって、薬学的塩の製剤が得られることは理解されよう。
【0164】
本発明の化合物の治療投与量は、例えば、治療が施される特定の用途、化合物の投与様式、患者の健康及び状態、ならびに処方医師の判断に従って変化し得る。薬学的組成物中の本発明の化合物の比率または濃度は、投与量、化学的性質(例えば、疎水性)、及び投与経路を含むいくつか要因に応じて変化し得る。例えば、本発明の化合物は、非経口投与の場合、約0.1~約10%w/vの化合物を含む生理的緩衝水溶液中で提供され得る。いくつかの典型的な用量の範囲は、1日当たり体重の約1μg/kg~約1g/kgである。いくつかの実施形態では、用量の範囲は、1日当たり体重の約0.01mg/kg~約100mg/kgである。投与量は、疾患または障害の種類及び進行の程度、特定の患者の全体健康状態、選択された化合物の生物学的効果比、賦形剤の配合、及びその投与経路などの変数に依存する可能性が高い。有効用量は、インビトロまたは動物モデルの試験システムに由来する用量応答曲線から外挿することができる。
【0165】
V.標識化合物及びアッセイ方法
本開示の化合物は、正常組織及び異常組織における生物学的プロセスの調査においてさらに有用であり得る。したがって、本発明の別の態様は、画像化技術だけでなく、インビトロ及びインビボの両方での、ヒトを含む組織試料中のPD-1またはPD-L1タンパク質の局在化及び定量化、ならびに標識化合物の阻害結合によるPD-L1リガンドの同定のためのアッセイにおいても有用である、本発明の標識化合物(放射性標識、蛍光標識など)に関する。したがって、本発明は、そのような標識化合物を含むPD-1/PD-L1結合アッセイを含む。
【0166】
本発明はさらに、本開示の同位体置換された化合物を含む。「同位体置換された」化合物は、1つ以上の原子が、同じ原子数であるが、異なる原子質量または質量数、例えば、典型的には天然に見られる(すなわち、天然に存在している)原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられている、または置換されている本発明の化合物である。「放射性標識」化合物は、放射性である少なくとも1つの同位体(例えば、放射性核種)を組み込んだ化合物であることを理解されたい。本発明の化合物に組み込まれ得る好適な放射性核種には、これらに限定されないが、3H(トリチウムについてはTと記載される)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125I、及び131Iが含まれる。本放射性標識化合物に組み込まれる放射性核種は、その放射性標識化合物の特定の用途に依存する。例えば、インビトロPD-L1タンパク質標識及び競合アッセイでは、3H、14C、82Br、125I、131I、35Sを組み込む化合物が一般的に最も有用な化合物ある。放射線画像化用途では、概して、11C、18F、125I、123I、124I、131I、75Br、76Br、または77Brが最も有用である。
【0167】
いくつかの実施形態では、放射性核種は、3H、14C、125I、35S、及び82Brからなる群から選択される。有機化合物中に放射性同位体を組み込むための合成方法は、当該技術分野において既知である。
【0168】
具体的には、本発明の標識化合物をスクリーニングアッセイで使用して、化合物を同定及び/または評価することができる。例えば、標識された新しく合成または同定された化合物(すなわち、試験化合物)は、PD-L1タンパク質との接触時のその濃度変化を、標識の追跡を通じてモニタリングすることによって、PD-L1タンパク質と結合するその能力について評価され得る。例えば、(標識された)試験化合物は、PD-L1タンパク質(すなわち、標準化合物)と結合することが知られている別の化合物の結合を低減するその能力について評価され得る。したがって、PD-L1タンパク質への結合に関して標準化合物と競合する試験化合物の能力は、その結合親和性と直接相関している。逆に、他のいくつかのスクリーニングアッセイでは、標準化合物は標識され、試験化合物は標識されない。したがって、標識された標準化合物の濃度は、標準化合物及び試験化合物の間の競合を評価するためにモニタリングされ、したがって試験化合物の相対的結合親和性が確認される。
【0169】
VI.キット
本開示はまた、例えば、がんまたは感染症など、PD-1及びB7-1(CD80)などの他のタンパク質とのその相互作用を含む、PD-L1の活性に関連する疾患または障害の治療または予防に有用な医薬キットを含み、これには、治療有効量の式(I)の化合物を含む薬学的組成物を含む1つ以上の容器、またはその任意の実施形態のうちのいずれかが含まれる。そのようなキットは、当業者には容易に明らかであるように、例えば、1つ以上の薬学的に許容される担体を含む容器、追加の容器などの様々な従来の医薬キット構成要素のうちの1つ以上をさらに含み得る。投与される構成成分の量を示す、挿入物としてもしくは標識としてのいずれかの説明書、投与のガイドライン、及び/または構成成分を混合するためのガイドラインもまたキットに含まれ得る。
【0170】
本明細書では以下の略語が使用され得る:aq.(水性);br(ブロード);d(ダブレット);dd(ダブレットのダブレット);DCM(ジクロロメタン);DMF(N,N-ジメチルホルムアミド);Et(エチル);EtOAc(酢酸エチル);g(グラム(複数可));h(時間(複数可));HPLC(高速液体クロマトグラフィー);Hz(ヘルツ);J(結合定数);LCMS(液体クロマトグラフィー-質量分析);m(マルチプレット);M(モル);MS(質量分析);Me(メチル);MeCN(アセトニトリル);MeOH(メタノール);mg(ミリグラム(複数可));min.(分(複数可));mL(ミリリットル(複数可));mmol(ミリモル(複数可));nM(ナノモル);NMR(核磁気共鳴分光法);Ph(フェニル);r.t.(室温)、s(シングレット);t(トリプレットまたは三次);TBS(tert-ブチルジメチルシリル);tert(三次);tt(トリプレットのトリプレット);TFA(トリフルオロ酢酸);THF(テトラヒドロフラン);μg(マイクログラム(複数可));μL(マイクロリットル(複数可));μM(マイクロモル);wt%(重量パーセント)。
【0171】
本発明を、具体的な実施例によってより詳細に記載する。以下の実施例は、例示の目的のために提供され、いかなる様式でも本発明を限定するようには意図されるものではない。当業者は、本質的に同じ結果をもたらすように変更または修正され得る、様々な重要でないパラメータを容易に認識するであろう。実施例の化合物は、本明細書に記載される少なくとも1つのアッセイにより、PD-1/PD-L1タンパク質/タンパク質相互作用の活性を阻害することが判明している。
【実施例】
【0172】
本発明の化合物の実験手順を以下に提供する。調製された化合物のうちのいくつかのオープンアクセス分取LCMS精製を、Watersの質量分別システムで行った。これらのシステムの操作のための基本的な機器のセットアップ、プロトコル、及び制御ソフトウェアは、文献に詳細に記載されている。例えば、Blom,”Two-Pump At Column Dilution Configuration for Preparative LC-MS”,K.Blom,J.Combi.Chem.,2002,4,295-301、Blom et al.,”Optimizing Preparative LC-MS Configurations and Methods for Parallel Synthesis Purification”,J.Combi.Chem.,2003,5,670-83、及びBlom et al.,”Preparative LC-MS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization”,J.Combi.Chem.,2004,6,874-883を参照されたい。
【0173】
実施例1
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
【化16】
【0174】
ステップ1:3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸メチル
【化17】
酢酸(20.0mL)中の3-クロロ-4-ヒドロキシ安息香酸メチル(Alfa Aesar、#A512389:10.0g、53.6mmol)の溶液に、酢酸(20.0mL)及び硝酸(4.72mL、112mmol)の混合物を0℃で、滴下で添加した。次いで、氷浴を取り出し、濃い混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、等しい体積の水を0℃で反応懸濁液に添加した。混合物を濾過し、冷水で洗浄した。さらに精製することなく、黄色の固体を所望の生成物として得た。C
8H
7ClNO
5(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=232.0;測定値232.0。
【0175】
ステップ2:3-アミノ-5-クロロ-4-ヒドロキシ安息香酸メチル
【化18】
3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸メチル(2.08g、8.98mmol)を、酢酸エチル(15mL)中のパラジウム炭素(10重量%、0.57g、0.539mmol)を使用して水素の周囲圧力下で水素化した。得られた懸濁液を、セライトのパッドを通して濾過し、EtOAcで洗浄し、溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM0%~10%で溶出)によって精製した。C
8H
9ClNO
3(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=202.0;測定値202.0。
【0176】
ステップ3:メチル2-(3-ブロモ-2-メチルフェニル)-7-クロロベンゾ[d]オキサゾール-5-カルボキシレート
【化19】
EtOH(25ml)中の3-アミノ-5-クロロ-4-ヒドロキシ安息香酸メチル(1.04g、5.16mmol)、3-ブロモ-2-メチルベンズアルデヒド(AstaTech、#52940:0.98g、4.92mmol)の混合物をバイアルに入れ、室温で1時間撹拌した。次いで、混合物を濃縮した。残留物を塩化メチレン(25mL)で再溶解し、ジクロロジシアノキノン(1.12g、4.92mmol)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。反応物を塩化メチレンで希釈し、Na
2S
2O
3水溶液及びNaHCO
3溶液で洗浄した。有機相をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮した。粗残留物をさらに精製することなく直接使用した。C
16H
12BrClNO
3(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=380.0;測定値379.9。
【0177】
ステップ4:(2-(3-ブロモ-2-メチルフェニル)-7-クロロベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メタノール
【化20】
DCM(10.0ml)中のメチル2-(3-ブロモ-2-メチルフェニル)-7-クロロベンゾ[d]オキサゾール-5-カルボキシレート(395.0mg、1.04mmol)の溶液に、DCM(1.0M、2.08ml、2.08mmol)中の水素化ジイソブチルアルミニウムを-78℃で、滴下で添加した。混合物を0℃にゆっくりと温めた。混合物をEtOAc及びDCMでクエンチし、続いて、ロッシェル塩水溶液でクエンチした。混合物を室温で1時間勢いよく撹拌した。有機相を分離し、MgSO
4で乾燥させた後、セライトの短いパッドを通して濾過して固形分を除去した。濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM、0~5%で溶出)によって精製した。C
15H
12BrClNO
2(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=352.0;測定値352.0。
【0178】
ステップ5:(7-クロロ-2-(2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メタノール
【化21】
1,4-ジオキサン(3.5mL)中の(2-(3-ブロモ-2-メチルフェニル)-7-クロロベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メタノール(113mg、0.322mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(98mg、0.386mmol)、ジクロロ[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(26.3mg、0.032mmol)、及び無水酢酸カリウム(79mg、0.804mmol)の混合物を、窒素でパージし、110℃で2時間撹拌した。粗製物をDCMで希釈し、次いで、セライトを通して濾過した。濾液を濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、0~40%で溶出)によって精製した。C
21H
24BrClNO
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=400.2;測定値400.2。
【0179】
ステップ6:5-(ヒドロキシメチル)-2-(2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル
【化22】
THF(5.27ml)及び水(5.27ml)中の(7-クロロ-2-(2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メタノール(1.08g、2.63mmol)、シアン化亜鉛(0.253g、2.11mmol)、及びメタンスルホナト(2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(0.171g、0.211mmol)の撹拌混合物を、室温で脱気し、N
2で3回再充填した。それを90℃で一晩加熱した。反応混合物を熱いうちにTHFで希釈した。それを室温に冷却し、濾過して不溶性固体を除去した。濾液を真空で濃縮した。次いで、アセトニトリルを添加した。得られたスラリーを、濾過し、アセトニトリルで洗浄した。この固体を回収し、さらに精製することなく次のステップで直接使用した。C
22H
24BN
2O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=391.2;測定値391.2。
【0180】
ステップ7:5-ホルミル-2-(2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル
【化23】
DCM(16.4mL)及びDMF(2.0ml)中の5-(ヒドロキシメチル)-2-(2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(1.51g、3.68mmol)の溶液に、デス-マーチンペルヨージナン(2.49g、5.70mmol)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌した。粗混合物を飽和Na
2S
2O
3及び飽和NaHCO
3でクエンチした。混合物をDCMで3回抽出した。有機相を組み合わせ、乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮した。残留物にジエチルエーテルを添加してスラリーを形成し、それを濾過して所望のアルデヒドを得た。C
22H
22BN
2O
4(M+H)
+について計算されたLCMS:m/z=389.2;測定値389.2。
【0181】
ステップ8:7-ブロモ-N-(3-クロロ-2-メチルフェニル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
【化24】
アセトニトリル(3.6ml)中の7-ブロモ-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-オール(Combi-Blocks、カタログ#ST-6117:175mg、0.729mmol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(332mg、1.46mmol)、及びN,N-ジエチルアニリン(174μl、1.09mmol)の混合物に、塩化ホスホリル(408μl、4.37mmol)を添加した。混合物を90℃で2時間撹拌した。次いで、反応物を室温に冷却した。揮発物を減圧下で除去した。残留物を直接使用した。
【0182】
上記の2-プロパノール(3.6ml)中の残留物に、3-クロロ-2-メチルアニリン(113mg、0.800mmol)及びメタンスルホン酸(47.2μl、0.727mmol)を添加した。混合物を80℃で2時間撹拌した。次いで、反応物を室温に冷却した。混合物をNaHCO3水溶液で注意深くクエンチし、DCMで抽出した。組み合わせたDCM溶液をMgSO4で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0~70%EtOAc/ヘキサン)によって精製した。C15H13BrClNO4(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=363.0;測定値363.0。
【0183】
ステップ9:N-(3-クロロ-2-メチルフェニル)-2-メチル-7-ビニルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
【化25】
tert-ブタノール(3.4ml)及び水(3.4ml)中の7-ブロモ-N-(3-クロロ-2-メチルフェニル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(250mg、0.687mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-ビニル-1,3、2-ジオキサボロラン(159mg、1.03mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(79mg、0.069mmol)、及びリン酸カリウム(365mg、1.72mmol)の混合物を、N
2でパージし、密封した。得られた混合物を100℃で3時間撹拌した。反応混合物を冷却し、次いで、酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をさらに精製することなく次のステップで直接使用した。C
17H
16ClN
4O(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=311.2;測定値311.2。
【0184】
ステップ10:4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-カルバルデヒド
【化26】
N-(3-クロロ-2-メチルフェニル)-2-メチル-7-ビニルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(214mg、0.689mmol)、THF(5.5ml)、撹拌棒、及び水(1.4ml)をバイアルに充填した。この溶液に過ヨウ素酸ナトリウム(736mg、3.44mmol)を添加し、続いて四酸化オスミウム(水中4%w/w、270μl、0.034mmol)を添加した。室温で1時間撹拌した後、反応物をチオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液でクエンチした。次いで、混合物をDCMで抽出し、組み合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗残留物をさらに精製することなく次のステップで直接使用した。C
16H
14ClN
4O(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=313.1;測定値313.1。
【0185】
ステップ11:(R)-1-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)ピロリジン-3-オール
【化27】
DCM(4.6ml)中の4-((3-クロロ-2-メチルフェニル)アミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-カルバルデヒド(215mg、0.687mmol)及び(R)-ピロリジン-3-オール(71.9mg、0.825mmol)の混合物を、室温で30分間撹拌した。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(219mg、1.03mmol)を添加した。混合物を室温で1時間さらに撹拌した。反応物をNH
4OH水溶液でクエンチし、DCMで抽出した。有機相を組み合わせて、MgSO4で乾燥させた。濾過後、DCM溶液を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0~12% MeOH/DCM)によって精製して、所望の生成物を得た。C
20H
23ClN
5O(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=384.2;測定値384.2。
【0186】
ステップ12:(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル
【化28】
水(1.0ml)及び1,4-ジオキサン(5.0ml)中の(R)-1-((4-((3-クロロ-2-メチルフェニル)アミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)ピロリジン-3-オール(229mg、0.597mmol)、5-ホルミル-2-(2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(ステップ7:255mg、0.657mmol)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(47.0mg、0.060mmol)、及びリン酸カリウム(317mg、1.493mmol)の混合物を、N
2でパージし、次いで、密封した。反応物を100℃で2時間撹拌した。反応物を室温に冷却した。反応混合物をDCM及びH
2Oで希釈した。層を分離した。水層をDCMで3回抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗残留物を得て、これをさらに精製することなく次のステップで直接使用した。C
36H
32N
7O
3(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=610.3;測定値610.4。
【0187】
ステップ13:(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
DCM(500μL)中の(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(16mg、0.026mmol)及びtert-ブチルピペリジン-4-カルボキシレート(9.7mg、0.052mmol)の混合物を、室温で2時間撹拌した。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(16.7mg、0.079mmol)を添加した。混合物を室温で1時間さらに撹拌した。反応物をトリフルオロ酢酸(404μL、5.25mmol)で処理し、室温で30分間撹拌した。揮発物を蒸発させた後、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望のTFA塩を得た。C42H43N8O4(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=723.3;測定値723.3。1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 9.08 (s, 1H), 8.38 (d,J = 9.5 Hz, 2H), 8.19 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.65 - 7.55 (m, 2H), 7.48 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.42 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.72 (s, 2H), 4.59 - 4.41 (m, 3H), 3.76 - 3.20 (m, 6H), 3.09 - 2.90 (m, 2H), 2.56 (s, 3H), 2.49 (s, 3H), 2.48 (s, 1H), 2.39 - 2.25 (m, 1H), 2.14 - 2.02 (m, 2H), 1.96 (s, 3H), 1.96 - 1.86 (m, 1H), 1.80 - 1.68 (m, 2H)。
【0188】
実施例2
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
【化29】
【0189】
ステップ1:(R)-1-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-オール
【化30】
(R)-ピロリジン-3-オールの代わりに(R)-3-メチルピロリジン-3-オールを用いて、実施例1、ステップ11について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。C
21H
25ClN
5O(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=398.2;測定値398.2。
【0190】
ステップ2:(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル
【化31】
(R)-1-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)ピロリジン-3-オールの代わりに、(R)-1-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-オール(ステップ1)を用いて、実施例1、ステップ12について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。C
37H
34N
7O
3(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=624.3;測定値624.3。
【0191】
ステップ3:(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(ステップ2)を用いて、実施例1、ステップ13について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C43H45N8O4(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=737.4;測定値737.4。
【0192】
実施例3
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
【化32】
【0193】
ステップ1:(S)-1-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-オール
【化33】
(R)-ピロリジン-3-オールの代わりに(S)-3-メチルピロリジン-3-オールを用いて、実施例1、ステップ11について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。C
21H
25ClN
5O(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=398.2;測定値398.2。
【0194】
ステップ2:(S)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル
【化34】
(R)-1-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)ピロリジン-3-オールの代わりに、(S)-1-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-オール(ステップ1)を用いて、実施例1、ステップ12について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。C
37H
34N
7O
3(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=624.3;測定値624.3。
【0195】
ステップ3:(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(S)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(ステップ2)を用いて、実施例1、ステップ13について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C43H45N8O4(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=737.4;測定値737.4。
【0196】
実施例4
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
【化35】
【0197】
ステップ1:(S)-2-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチルアミノ)プロパン-1-オール
【化36】
(R)-ピロリジン-3-オールの代わりに(S)-2-アミノプロパン-1-オールを用いて、実施例1、ステップ11について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。C
19H
23ClN
5O(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=372.2;測定値372.2。
【0198】
ステップ2:(S)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル
【化37】
(R)-1-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)ピロリジン-3-オールの代わりに、(S)-2-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチルアミノ)プロパン-1-オール(ステップ1)を用いて、実施例1、ステップ12について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。C
35H
32N
7O
3(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=598.3;測定値598.3。
【0199】
ステップ3:(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(S)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(ステップ2)を用いて、実施例1、ステップ13について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C41H43N8O4(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=711.3;測定値711.3。
【0200】
実施例5
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
【化38】
【0201】
ステップ1:(S)-1-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチルアミノ)プロパン-2-オール
【化39】
(R)-ピロリジン-3-オールの代わりに(S)-1-アミノプロパン-2-オールを用いて、実施例1、ステップ11について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。C
19H
23ClN
5O(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=372.2;測定値372.2。
【0202】
ステップ2:(S)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル
【化40】
(R)-1-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)ピロリジン-3-オールの代わりに、(S)-1-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチルアミノ)プロパン-2-オール(ステップ1)を用いて、実施例1、ステップ12について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。C
35H
32N
7O
3(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=598.3;測定値598.3。
【0203】
ステップ3:(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(S)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(ステップ2)を用いて、実施例1、ステップ13について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C41H43N8O4(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=711.3;測定値711.3。
【0204】
実施例6
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸
【化41】
DCM(500μL)中の(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例1、ステップ12:16mg、0.026mmol)、(R)-ピロリジン-3-カルボン酸(6.0mg、0.052mmol)、及びトリエチルアミン(7.3μL、0.052mmol)の混合物を、室温で2時間撹拌した。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(16.69mg、0.079mmol)を添加した。混合物を室温で1時間さらに撹拌した。反応混合物をMeOH中に希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
41H
41N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=709.3;測定値709.3。
【0205】
実施例7
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸
【化42】
(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例2、ステップ2)を用いて、実施例6について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
42H
43N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=723.3;測定値723.3。
【0206】
実施例8
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸
【化43】
(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(S)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例3、ステップ2)を用いて、実施例6について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
42H
43N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=723.3;測定値723.3。
【0207】
実施例9
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸
【化44】
(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(S)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例4、ステップ2)を用いて、実施例6について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
40H
41N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=697.3;測定値697.3。
【0208】
実施例10
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸
【化45】
(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(S)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例5、ステップ2)を用いて、実施例6について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
40H
41N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=697.3;測定値697.3。
【0209】
実施例11
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸
【化46】
DCM(500μL)中の(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例1、ステップ12:16mg、0.026mmol)、(R)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸(6.8mg、0.052mmol)、及びトリエチルアミン(7.3μL、0.052mmol)の混合物を、室温で2時間撹拌した。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(16.7mg、0.079mmol)を添加した。混合物を室温で1時間さらに撹拌した。反応混合物をMeOH中に希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
42H
43N
8O
4(M+H)
+について記載されたLC-MS:m/z=723.3;測定値723.3。
1H NMR (600 MHz, DMSO) δ 9.87 (s, 1H), 8.77 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.90 - 7.81 (m, 2H), 7.55 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.36 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 4.21 (dt, J = 6.3, 3.6 Hz, 1H), 3.87 - 3.80 (m, 1H), 3.79 - 3.72 (m, 2H), 3.72 - 3.66 (m, 1H), 2.92 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 2.71 (dd, J = 9.6, 6.1 Hz, 1H), 2.65 (q, J = 8.0 Hz, 1H), 2.62 - 2.54 (m, 2H), 2.48 - 2.46 (m, 6H), 2.46 - 2.43 (m, 1H), 2.38 (dd, J = 9.6, 3.5 Hz, 1H), 2.33 - 2.26 (m, 2H), 2.05 - 1.99 (m, 1H), 1.98 (s, 3H), 1.60 - 1.50 (m, 2H), 1.24 (s, 3H)。
【0210】
実施例12
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸
【化47】
(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例2、ステップ2)を用いて、実施例11について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
43H
45N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=737.4;測定値737.4。
【0211】
実施例13
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸
【化48】
(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(S)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例3、ステップ2)を用いて、実施例11について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
43H
45N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=737.4;測定値737.4。
【0212】
実施例14
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸
【化49】
(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(S)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例4、ステップ2)を用いて、実施例11について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
41H
43N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=711.3;測定値711.3。
【0213】
実施例15
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸
【化50】
(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(S)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例5、ステップ2)を用いて、実施例11について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
41H
43N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=711.3;測定値711.3。
【0214】
実施例16
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
【化51】
【0215】
ステップ1:7-ブロモ-2-(ジフルオロメチル)-4H-ピリド[3,2-d][1,3]オキサジン-4-オン
【化52】
3-アミノ-5-ブロモピコリン酸(PharmBlock、カタログ#PB0554:645mg、2.97mmol)及び2,2-無水ジフルオロ酢酸(4.14g、23.8mmol)の混合物を、60℃で3時間撹拌した。室温に冷却した後、回転蒸発器及び高真空ポンプにより揮発物を除去した。残留物を次のステップに直接使用した。C
8H
4BrF
2N
2O
2(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=276.9;測定値277.0。
【0216】
ステップ2:7-ブロモ-2-(ジフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-オール
【化53】
厚い壁のガラス管に入った7-ブロモ-2-(ジフルオロメチル)-4H-ピリド[3,2-d][1,3]オキサジン-4-オン(801mg、2.89mmol)及び水酸化アンモニウム水溶液(8.0ml、28%)の混合物を密封し、85℃で2時間撹拌した。室温に冷却した後、次いで溶液を蒸発させ、残留物をCH
3CN及びトルエンで再希釈した。懸濁液を再び蒸発させ、残留物をさらに精製することなく次のステップで使用した。C
8H
5BrF
2N
3O(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=276.0;測定値276.0。
【0217】
ステップ3:7-ブロモ-N-(3-クロロ-2-メチルフェニル)-2-(ジフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
【化54】
アセトニトリル(13.6ml)中の7-ブロモ-2-(ジフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-オール(ステップ2のから粗生成物:750mg、2.72mmol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(1238mg、5.43mmol)、及びN,N-ジエチルアニリン(648μl、4.08mmol)の混合物に、塩化ホスホリル(1.52ml、16.3mmol)を添加した。混合物を75℃で2時間撹拌した。次いで、反応物を室温に冷却した。揮発物を減圧下で除去した。
【0218】
2-プロパノール(14.4ml)中の3-クロロ-2-メチルアニリン(409mg、2.89mmol)及び7-ブロモ-4-クロロ-2-(ジフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン(上記の残留物)の溶液に、メタンスルホン酸(188μl、2.89mmol)を添加した。混合物を80℃で2時間撹拌した。次いで、反応物を室温に冷却した。混合物をNaHCO3水溶液で注意深くクエンチした。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、風乾させた。固形分を次のステップに直接使用した。C15H11BrClF2N4(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=399.0;測定値399.0。
【0219】
ステップ4:N-(3-クロロ-2-メチルフェニル)-2-(ジフルオロメチル)-7-ビニルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
【化55】
tert-ブタノール(7.0ml)及び水(7.0ml)中の7-ブロモ-N-(3-クロロ-2-メチルフェニル)-2-(ジフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(841mg、2.10mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-ビニル-1,3,2-ジオキサボロラン(537μl、3.16mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(243mg、0.21mmol)、及びリン酸カリウム(1117mg、5.26mmol)の混合物を、N
2でパージし、次いで、100℃で3時間撹拌した。反応物を室温に冷却した。反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗残留物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(0~30%EtOAc/DCM)によって精製した。C
17H
14ClF
2N
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=347.1;測定値347.1。
【0220】
ステップ5:4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-(ジフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-カルバルデヒド
【化56】
N-(3-クロロ-2-メチルフェニル)-2-(ジフルオロメチル)-7-ビニルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(195mg、0.562mmol)、THF(4.5ml)、撹拌棒、及び水(1.1ml)をバイアルに充填した。この溶液に過ヨウ素酸ナトリウム(601mg、2.81mmol)を添加し、続いて四酸化オスミウム(水中4%w/w、221μl、0.028mmol)を添加した。室温で1時間撹拌した後、反応物をチオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液でクエンチした。次いで、混合物をDCMで抽出し、組み合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗残留物をさらに精製することなく次のステップで直接使用した。C
16H
12ClF
2N
4O(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=349.1;測定値349.1。
【0221】
ステップ6:(R)-1-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-(ジフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)ピロリジン-3-オール
【化57】
DCM(1931μl)中の4-((3-クロロ-2-メチルフェニル)アミノ)-2-(ジフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-カルバルデヒド(101mg、0.290mmol)及び(R)-ピロリジン-3-オール(30.3mg、0.348mmol)の混合物を、室温で30分間撹拌した。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(92mg、0.434mmol)を添加した。混合物を室温で1時間さらに撹拌した。反応物をNH
4OH水溶液でクエンチし、DCMで抽出した。有機相を組み合わせて、MgSO
4で乾燥させた。濾過後、DCM溶液を濃縮して残留物とし、これをフラッシュクロマトグラフィー(0~12%MeOH/DCM)によって精製した。C
20H
21ClF
2N
5O(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=420.1;測定値420.2。
【0222】
ステップ7:(R)-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)-5-ホルミルベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル
【化58】
水(140μl)及び1,4-ジオキサン(690μl)中の(R)-1-((4-((3-クロロ-2-メチルフェニル)アミノ)-2-(ジフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)ピロリジン-3-オール(34.4mg、0.082mmol)、5-ホルミル-2-(2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例1、ステップ7:35mg、0.090mmol)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(6.5mg、8.2μmol)、及びリン酸カリウム(43.5mg、0.205mmol)の混合物を、N
2でパージし、密封した。反応物を100℃で2時間撹拌した。反応物を室温に冷却した。反応混合物をDCM及びH
2Oで希釈した。層を分離した。水層をDCMで3回抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗残留物を得て、これをさらに精製することなく次のステップで直接使用した。C
36H
30F
2N
7O
3(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=646.2;測定値646.3。
【0223】
ステップ8:(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
(R)-2-(3’-((2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-5-ホルミルベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(9.5mg、0.015mmol)及びtert-ブチルピペリジン-4-カルボキシレート(5.45mg、0.029mmol)の混合物を、室温で2時間撹拌した。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(9.36mg、0.044mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、混合物にトリフルオロ酢酸(300μL)を添加し、30分間撹拌した。揮発物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C42H41F2N8O4(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=759.3;測定値759.6。1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 10.63 (s, 1H), 9.13 (s, 1H), 8.52 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.39 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.19 (dd, J = 7.9, 1.5 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.64 (dd, J = 8.1, 1.3 Hz, 1H), 7.59 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.49 (dd, J = 7.5, 1.5 Hz, 1H), 7.41 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.16 (dd, J = 7.6, 1.3 Hz, 1H), 6.74 (t, J = 54.5 Hz, 1H), 4.85 - 4.65 (m, 2H), 4.58 - 4.40 (m, 3H), 3.74 - 3.00 (m, 8H), 2.78 - 2.54 (m, 1H), 2.50 (s, 3H), 2.32 - 1.91 (m, 5H), 1.95 (s, 3H), 1.79 - 1.67 (m, 1H)。
【0224】
実施例17
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸
【化59】
(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(R)-2-(3’-((2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-5-ホルミルベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例16、ステップ7)を用いて、実施例6について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
41H
39F
2N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=745.3;測定値745.3。
【0225】
実施例18
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸
【化60】
(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(R)-2-(3’-((2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-5-ホルミルベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例16、ステップ7)を用いて、実施例11について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
42H
41F
2N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=759.3;測定値759.6。
【0226】
実施例19
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
【化61】
【0227】
ステップ1:(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル
【化62】
ステップ1で、2,2-無水ジフルオロ酢酸の代わりに、無水トリフルオロ酢酸を用いて、実施例16について記載されるのと同様の手順(ステップ1~7)を使用してこの化合物を調製した。C
36H
29F
3N
7O
3(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=664.2;測定値664.2。
【0228】
ステップ2:(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(ステップ1)を用いて、実施例1、ステップ13について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C42H40F3N8O4(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=777.3;測定値777.3。
【0229】
実施例20
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸
【化63】
(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例19、ステップ1)を用いて、実施例6について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
41H
38F
3N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=763.3;測定値763.3。
【0230】
実施例21
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸
【化64】
(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例19、ステップ1)を用いて、実施例11について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
42H
40F
3N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=777.3;測定値777.3。
【0231】
実施例22
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸
【化65】
(R)-ピロリジン-3-カルボン酸の代わりに(S)-ピロリジン-3-カルボン酸、及び(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(R)-2-(3’-((2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-5-ホルミルベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例16、ステップ7)を用いて、実施例6について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
41H
39F
2N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=745.3;測定値745.3。
【0232】
実施例23
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸
【化66】
(R)-ピロリジン-3-カルボン酸の代わりに(S)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸、及び(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(R)-2-(3’-((2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-5-ホルミルベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例16、ステップ7)を用いて、実施例6について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
42H
41F
2N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=759.3;測定値759.3。
【0233】
実施例24
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-4-メチルピペリジン-4-カルボン酸
【化67】
ステップ8で、tert-ブチルピペリジン-4-カルボキシレートの代わりに、tert-ブチル4-メチルピペリジン-4-カルボキシレートを用いて、実施例16について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
43H
43F
2N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=773.3;測定値773.3。
【0234】
実施例25
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-N,N-ジメチルピペリジン-4-カルボキサミド
【化68】
DMF(0.3ml)中の(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-((2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸(実施例16:7.0mg、9.22μmol)、ジメチルアミン(メタノール中2.0M、0.014ml)、及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(5μl、0.028mmol)の溶液に、HATU(7.0mg、0.018mmol)を添加した。室温で2時間撹拌した後、反応混合物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
44H
46F
2N
9O
3(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=786.4;測定値786.4。
【0235】
実施例26
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-N-メチルピペリジン-4-カルボキサミド
【化69】
ジメチルアミン溶液の代わりにメチルアミン溶液を用いて、実施例25について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物をMeOHで希釈し、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
43H
44F
2N
9O
3(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=772.4;測定値772.3。
【0236】
実施例27
(R)-3-(1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボキサミド)プロパン酸
【化70】
ジメチルアミン溶液の代わりにtert-ブチル3-アミノプロパノエートを用いて、実施例25について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。アミド結合形成後、反応混合物をトリフルオロ酢酸(0.5mL)で処理し、室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、MeOHで再溶解し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
45H
46F
2N
9O
5(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=830.4;測定値830.3。
【0237】
実施例28
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-シクロプロピル-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸
【化71】
【0238】
ステップ1:(R)-2-(3’-(2-シクロプロピル-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)-5-ホルミルベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル
【化72】
ステップ1で、2,2-無水ジフルオロ酢酸の代わりに、無水シクロプロパンカルボン酸を用いて、実施例16について記載されるのと同様の手順(ステップ1~7)を使用してこの化合物を調製した。C
38H
34N
7O
3(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=636.3;測定値636.4。
【0239】
ステップ2:(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-シクロプロピル-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸
(R)-5-ホルミル-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(R)-2-(3’-(2-シクロプロピル-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)-5-ホルミルベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(ステップ1)を用いて、実施例6について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C43H43N8O4(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=735.3;測定値735.3。
【0240】
実施例29
(R)-1-((2-(3’-(2-アミノ-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)-7-シアノベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
【化73】
【0241】
ステップ1:N-(7-ブロモ-4-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[3,2-d]ピリミジン-2-イル)アセトアミド
【化74】
スルホラン(5.44ml)及びジメチルスルホン(5.44ml)中の3-アミノ-5-ブロモピコリンアミド(1.88g、8.70mmol)及び塩化カルバミミジン塩酸塩(1.30g、11.31mmol)の混合物を、165℃で5時間、密封バイアル中で撹拌した。室温に冷却した後、反応物を水で注意深く希釈して、懸濁液を形成した。沈殿物を、濾過によって回収し、水で洗浄した。固体を空気中で乾燥させ、さらに精製することなく直接使用した。上記の固体(685mg、2.84mmol)及び無水酢酸(13.4ml)の混合物を、115℃で8時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物をDCMで希釈し、水で洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗物質を得て、これを次のステップに直接使用した。C
9H
8BrN
4O
2(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=283.0;測定値283.0。
【0242】
ステップ2:7-ブロモ-N
4-(3-クロロ-2-メチルフェニル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-2,4-ジアミン
【化75】
アセトニトリル(3.5ml)中のN-(7-ブロモ-4-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[3,2-d]ピリミジン-2-イル)アセトアミド(201mg、0.710mmol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(323mg、1.420mmol)、及びN,N-ジエチルアニリン(169μl、1.065mmol)の混合物に、POCl
3(397μl、4.26mmol)を添加した。混合物を75℃で2時間撹拌した。次いで、反応物を室温に冷却した。揮発物を減圧下で除去した。
【0243】
2-プロパノール(3549μl)中の3-クロロ-2-メチルアニリン(100mg、0.710mmol)及びN-(7-ブロモ-4-クロロピリド[3,2-d]ピリミジン-2-イル)アセトアミド(上記の残留物)の溶液に、メタンスルホン酸(46.1μl、0.710mmol)を添加した。混合物を80℃で2時間撹拌した。次いで、反応物を室温に冷却した。混合物をNaHCO3水溶液で注意深くクエンチした。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、風乾させた。固形分を次のステップに直接使用した。C14H12BrClN5(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=364.0;測定値364.0。
【0244】
ステップ3:(R)-1-((2-アミノ-4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)ピロリジン-3-オール
【化76】
ステップ4で、7-ブロモ-N-(3-クロロ-2-メチルフェニル)-2-(ジフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-アミンの代わりに、7-ブロモ-N
4-(3-クロロ-2-メチルフェニル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-2,4-ジアミンを用いて、実施例16について記載されるのと同様の手順(ステップ4~6)を使用してこの化合物を調製した。C
19H
22ClN
6O(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=385.2;測定値385.2。
【0245】
ステップ4:tert-ブチル1-((7-シアノ-2-(2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボキシレート
【化77】
DCM(7.0ml)中の5-ホルミル-2-(2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(実施例1、ステップ7:684mg、1.76mmol)及びtert-ブチルピペリジン-4-カルボキシレート(392mg、2.11mmol)の混合物を、室温で2時間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(560mg、2.64mmol)を添加した。混合物を室温で1時間さらに撹拌した。反応物をNH
4OH水溶液でクエンチし、DCMで抽出した。有機相を組み合わせて、MgSO
4で乾燥させた。濾過後、DCM溶液を濃縮して残留物とし、これをフラッシュクロマトグラフィー(0~20%EtOAc/ヘキサン)によって精製した。C
32H
41BN
3O
5(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=558.3;測定値558.3。
【0246】
ステップ5:(R)-1-((2-(3’-(2-アミノ-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)-7-シアノベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
水(150μl)及び1,4-ジオキサン(750μl)中の(R)-1-((2-アミノ-4-((3-クロロ-2-メチルフェニル)アミノ)ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)ピロリジン-3-オール(33.9mg、0.088mmol)、tert-ブチル1-((7-シアノ-2-(2-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボキシレート(54mg、0.097mmol)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(6.9mg、8.8μmol)、及びリン酸カリウム(46.7mg、0.22mmol)の混合物を、N2でパージし、次いで、100℃で3時間撹拌した。反応物を室温に冷却した。反応混合物をDCM及びH2Oで希釈した。層を分離した。水層をDCMで3回抽出した。有機層を組み合わせて、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗残留物を得た。残留物をDCM(1mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.0mL)で処理した。室温で30分間撹拌した後、反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C41H42N9O4(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=724.3;測定値724.4。
【0247】
実施例30
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
【化78】
【0248】
ステップ1:(R)-1-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-(ジフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-オール
【化79】
(R)-ピロリジン-3-オールの代わりに(R)-3-メチルピロリジン-3-オールを用いて、実施例16、ステップ6について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。C
21H
23ClF
2N
5O(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=434.2;測定値434.2。
【0249】
ステップ2:(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
ステップ5で、(R)-1-((2-アミノ-4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)ピロリジン-3-オールの代わりに、(R)-1-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-(ジフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-オール(ステップ1)を用いて、実施例29について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C43H43F2N8O4(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=773.3;測定値773.3。
【0250】
実施例31
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
【化80】
(R)-3-メチルピロリジン-3-オールの代わりに(S)-3-メチルピロリジン-3-オールを用いて、実施例30について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C
43H
43F
2N
8O
4(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=773.3;測定値773.3。
【0251】
実施例32
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ヒドロキシメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
【化81】
【0252】
ステップ1:7-ブロモ-2-(ヒドロキシメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オン
【化82】
THF中の3-アミノ-5-ブロモピコリンアミド(142mg、0.657mmol)の溶液に、2-クロロ-2-オキソエチルアセテート(90mg、0.66mmol)を0℃で添加した。LCMSが反応の完了を示すまで混合物を室温で撹拌した。次いで、水を混合物にゆっくりと添加した。沈殿物を濾過して回収し、少量の水及びCH
3CNで洗浄した。風乾後、固体を直接使用した。
【0253】
厚いガラス管に入った上記の固体及び水酸化アンモニウム(水溶液、28%、1.7ml、12.04mmol)の混合物を、85℃で2時間撹拌した。室温に冷却した後、溶液を蒸発させ、残留物をCH3CN及びトルエンで再希釈した。懸濁液を再び蒸発させ、残留物をさらに精製することなく次のステップに使用した。C8H7BrN3O2(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=256.0;測定値256.1。
【0254】
ステップ2:7-ブロモ-2-((tert-ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オン
【化83】
DMF(4817μl)中の7-ブロモ-2-(ヒドロキシメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オン(185mg、0.722mmol)及びイミダゾール(73.8mg、1.084mmol)の溶液に、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(120mg、0.795mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、混合物を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0~20%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、所望の生成物を得た。C
14H
21BrN
3O
2Si(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=370.1;測定値370.1。
【0255】
ステップ3:7-ブロモ-2-((tert-ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)-N-(3-クロロ-2-メチルフェニル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
【化84】
DCM(2.2ml)中の7-ブロモ-2-((tert-ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オン(201mg、0.54mmol)及びDIEA(190μL、1.09mmol)の混合物に、メタンスルホニルクロリド(85μL、1.09mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、3-クロロ-2-メチルアニリン(100mg、0.71mmol)を混合物に添加し、対応する混合物を室温で一晩さらに撹拌した。混合物をDCMで希釈し、次いで、水で洗浄した。DCM溶液をMgSO
4で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0~40%EtOAc/ヘキサン)によって精製した。C
21H
27BrClN
4OSi(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=493.1;測定値493.1。
【0256】
ステップ4:(R)-1-((2-(3’-(2-((tert-ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)-7-シアノベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
【化85】
7-ブロモ-N-(3-クロロ-2-メチルフェニル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-アミンの代わりに、7-ブロモ-2-((tert-ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)-N-(3-クロロ-2-メチルフェニル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(ステップ3)を用いて、実施例1について記載されるのと同様の手順(ステップ9~13)を使用してこの化合物を調製した。完了後、反応溶液を次のステップに直接使用した。C
48H
57N
8O
5Si(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=853.4;測定値853.4。
【0257】
ステップ5:(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ヒドロキシメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸
上記の反応溶液(ステップ4)に、トリエチルアミン三フッ化水素酸塩(411μl、60当量)を室温で添加した。混合物をこの温度で1時間さらに撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C42H43N8O5(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=739.3;測定値739.5。
【0258】
実施例33
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(3-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-6-メチル-1,7-ナフチリジン-8-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸
【化86】
【0259】
ステップ1:5-ブロモ-N-tert-ブチル-3-(2-オキソプロピル)ピコリンアミド
【化87】
THF(10mL)中のジイソプロピルアミン(3.42ml、24.0mmol)の溶液に、ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、12.79ml、32.0mmol)を-40℃で、N
2雰囲気下で添加した。混合物をこの温度で5分間撹拌した。次いで、THF(2mL)中の5-ブロモ-N-(tert-ブチル)-3-メチルピコリンアミド(2.71g、10.0mmol)の溶液を添加した。反応物を、-10℃まで温める前に、-40℃で30分間撹拌した。次いで、上記混合物を、撹拌しながらTHF(6mL)中の酢酸エチル(1.17ml、12.0mmol)に-40℃で添加した。添加後、反応物をさらに撹拌し、ゆっくり-10℃まで温めた。次いで、反応物を、NH
4Cl水溶液を添加することによってクエンチした。次いで、混合物をDCMで3回抽出した。有機相を組み合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、残留物を、EtOAc/ヘキサン(0~25%)を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、所望の生成物を得た。C
13H
18BrN
2O
2(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=313.1;測定値313.1。
【0260】
ステップ2:3-ブロモ-6-メチル-1,7-ナフチリジン-8-オール
【化88】
酢酸(1.8ml)中の5-ブロモ-N-(tert-ブチル)-3-(2-オキソプロピル)ピコリンアミド(716mg、2.29mmol)及び酢酸アンモニウム(1762mg、22.86mmol)の混合物を、108℃まで加熱し、この温度で12時間撹拌した。反応物を室温に冷却した。水を添加して沈殿物を形成させた。懸濁液を濾過し、固形分を回収して直接使用した。C
9H
8BrN
2O(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=239.0;測定値239.1。
【0261】
ステップ3:(R)-1-((8-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-6-メチル-1,7-ナフチリジン-3-イル)メチル)ピロリジン-3-オール
【化89】
7-ブロモ-2-(ジフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-オールの代わりに、3-ブロモ-6-メチル-1,7-ナフチリジン-8-オール(ステップ2)を用いて、実施例16について記載されるのと同様の手順(ステップ3~6)を使用してこの化合物を調製した。C
21H
24ClN
4O(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=383.2;測定値383.3。
【0262】
ステップ4:(R)-5-ホルミル-2-(3’-(3-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-6-メチル-1,7-ナフチリジン-8-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル
【化90】
(R)-1-((4-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)ピロリジン-3-オールの代わりに、(R)-1-((8-(3-クロロ-2-メチルフェニルアミノ)-6-メチル-1,7-ナフチリジン-3-イル)メチル)ピロリジン-3-オール(ステップ3)を用いて、実施例1、ステップ12について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。C
37H
33N
6O
3(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=609.3;測定値609.4。
【0263】
ステップ5:(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(3-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-6-メチル-1,7-ナフチリジン-8-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸
(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(R)-5-ホルミル-2-(3’-(3-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-6-メチル-1,7-ナフチリジン-8-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(ステップ4)を用いて、実施例6について記載されるのと同様の手順を使用してこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C42H42N7O4(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=708.3;測定値708.3。
【0264】
実施例34
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(6-(ジフルオロメチル)-3-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-1,7-ナフチリジン-8-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸
【化91】
【0265】
ステップ1:(R)-2-(3’-(6-(ジフルオロメチル)-3-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-1,7-ナフチリジン-8-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)-5-ホルミルベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル
【化92】
酢酸エチルの代わりに2,2-ジフルオロ酢酸メチルを用いて、実施例33について記載されるのと同様の手順(ステップ1~4)を使用してこの化合物を調製した。C
37H
31F
2N
6O
3(M+H)
+について計算されたLC-MS:m/z=645.2;測定値645.2。
【0266】
ステップ2:(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(6-(ジフルオロメチル)-3-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-1,7-ナフチリジン-8-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸
(R)-5-ホルミル-2-(3’-((7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリルの代わりに、(R)-2-(3’-(6-(ジフルオロメチル)-3-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-1,7-ナフチリジン-8-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)-5-ホルミルベンゾ[d]オキサゾール-7-カルボニトリル(ステップ1)を用いて、実施例11について記載されるのと同様の手順を用いてこの化合物を調製した。反応混合物を蒸発させ、残留物をMeOHで希釈し、次いで、分取HPLC(pH=2、アセトニトリル/水+TFA)によって精製し、所望の生成物をTFA塩として得た。C43H42F2N7O4(M+H)+について計算されたLC-MS:m/z=758.3;測定値758.3。
【0267】
実施例A.均一時間分解蛍光(HTRF)PD-1/PD-L1結合アッセイ
20μLの最終体積を用いて、標準的な黒色384ウェルポリスチレンプレートでアッセイを行った。阻害剤を最初にDMSOで段階的に希釈し、次いで、プレートのウェルに添加した後、他の反応成分を添加した。アッセイにおけるDMSOの最終濃度は1%であった。0.05%Tween-20及び0.1%BSAを含むPBS緩衝液(pH7.4)中、25℃でアッセイを実施した。C末端にHisタグを有する組換えヒトPD-L1タンパク質(19~238)は、AcroBiosystems(PD1-H5229)から購入した。C末端にFcタグを有する組換えヒトPD-1タンパク質(25~167)もまた、AcroBiosystems(PD1-H5257)から購入した。PD-L1及びPD-1タンパク質をアッセイ緩衝液中で希釈し、プレートウェルに10μLを添加した。プレートを遠心分離し、タンパク質を阻害剤と共に40分間事前インキュベートした。インキュベーションの後に、Fcに特異的なEuropiumクリプテート標識抗ヒトIgG(PerkinElmer-AD0212)及びSureLight(登録商標)-アロフィコシアニンに複合体化した抗His抗体(APC、PerkinElmer-AD0059H)を補充した10μLのHTRF検出緩衝液を添加した。遠心分離後、プレートを25℃で60分間インキュベートして、PHERAstar FSプレートリーダーで読み取った(665nm/620nm比)。アッセイの最終濃度は、-3nM PD1、10nM PD-L1、1nMユーロピウム抗ヒトIgG、及び20nM抗His-アロフィコシアニンであった。GraphPad Prism 5.0ソフトウェアを使用して、阻害剤の濃度の対数に対する対照活性パーセントの曲線を適合させることによって、IC50の決定を行った。
【0268】
実施例B.Src相同性領域2ドメイン含有ホスファターゼ(SHP)アッセイ
U2OS/PD-L1細胞(DiscoveRx Corporation)を、10%FBS、0.25μg/mlピューロマイシンを添加したマッコイ5A培地で維持した。培養培地を除去した後、細胞培地をアッセイ培地(1%FBSを含むRPMI1640培地)で置き換えた。次いで、U2OS/PD-L1細胞を、384ウェル黒色クリアボトムアッセイプレート(CELLCOAT(登録商標)組織培養プレート、Greiner Bio-One)に、20μLアッセイ培地中、ウェル当たり5000個の細胞で添加した。試験化合物を、DMSOで段階希釈することによって調製し、125nLの化合物をECHOリキッドハンドラー(Labcyte)によって384 REMPプレートウェル(Thermofisher)に最初に移し、続いて、27.5μLのアッセイ培地を添加した。アッセイ培地中の5μL/ウェル化合物を、最終アッセイにおいて0.25μMで0.05%DMSOを含む細胞プレートに移した。Jurkat-PD-1-SHP細胞(DiscoveRx Corporation)を、10%FBS、250μg/mlハイグロマイシンB、500μg/ml G418を補充したRPMI1640培地で培養した。培養培地をアッセイ培地で置き換えた後、20μL中の5,000個のJurkat-PD-1-SHP細胞を各ウェルに分注した。アッセイプレートを、37℃、5%CO2で2時間インキュベートした後、2.5μLのPathHunter試薬1(DiscoveRx Corporation)を各ウェルに添加した。アッセイプレートを、暗所で、350rpmで1分間振盪した後、10μLのPathHunter試薬2(DiscoveRx Corporation)を添加した。化学発光シグナルは、室温で1時間インキュベートした後、TopCountリーダー(Perkin Elmer)で記録した。DMSOを含むウェルを陽性対照として使用し、細胞を含まないウェルを陰性対照として使用した。GraphPad Prism 6.0ソフトウェアを使用して、化合物の濃度の対数に対する対照活性割合の曲線を適合させることによって、IC50の決定を行った。
【0269】
実施例C.活性化T細胞の核因子(NFAT)アッセイ
PD-L1 aAPC/CHO-K1細胞(Promega)を、10%FBS、200μg/mlハイグロマイシンB、250μg/mlジェネティシン(G418)を添加したF-12培地で維持した。Jurkat-PD-1-NFATエフェクター細胞(Promega)を、10%FBS、100μg/mlハイグロマイシンB、500μg/ml G418を補充したRPMI 1640培地で培養した。PD-L1 aAPC/CHO-K1細胞の培養培地を、最初にアッセイ培地(1%FBSを含むRPMI1640培地)で置き換えた。次いで、PD-L1 aAPC/CHO-K1細胞を、白色384ウェル白色クリアボトムアッセイプレート(CELLCOAT(登録商標)組織培養プレートに、Greiner Bio-One)に、10μLアッセイ培地中、ウェル当たり8000個で添加した。試験化合物を、DMSOで段階希釈することによって調製し、DMSO中0.8μLの試験化合物を、PlateMate Plus(Thermofisher)によって384 REMPプレートウェル(Thermofisher)に最初に移し、続いて、50μLのプレーティング培地を添加した。アッセイ培地中の5μLの化合物を、2μMで、最終アッセイで0.4%DMSOを含む細胞に移した。培養培地を除去した後、5μLのアッセイ培地中の10,000個のJurkat-PD-1-NFATエフェクター細胞を各ウェルに分注した。アッセイプレートを、37℃、5%CO2で、24時間インキュベートした。アッセイプレートを室温で15分間平衡化した後、20μL/ウェルのBio-Glo(商標)試薬(Promega)を添加した。室温での8分間のインキュベーション後、Pherastarマイクロプレートリーダー(BMG Labtech)で発光を読み取った。誘導の倍数(FOI)を、各アッセイプレート内のDMSOウェルに対して正規化された発光の比率に基づいて計算した。誘導の最大割合は、各化合物の最高FOI及び各アッセイプレート内の対照化合物の最大FOIの間の比率に基づいて報告した。DMSOを含むウェルを陰性対照として使用し、FOIが最も高い対照化合物を含むウェルを陽性対照として使用した。GraphPad Prism 6.0ソフトウェアを使用して、化合物の濃度の対数に対する対照活性パーセントの曲線を適合させることによって、EC50の決定を行った。
【0270】
実施例D.PD-L1全血インターナリゼーションアッセイ
ヒト全血におけるPD-L1インターナリゼーションを決定するために、正常ヒト血液(Biological Speciality Corp、Colmar.PA)を、96ウェル「2mlアッセイブロック」(Corning、Corning NY)中、ある濃度範囲の試験化合物及び1ng/mlヒトインターフェロンγ(R&D Systems Inc.、Minn.MN)の存在下または非存在下で、37℃で18~20時間インキュベートした。次いで、血液を、室温で、暗所で30分間、PD-L1(MIH1、eBioscience;またはBD Biosciences、San Jose,CA)、CD14(Life Technologies、Carlsbad,CA)で染色した。全血/赤血球を、暗所で、37℃で5分間溶解/固定(溶解緩衝液、BD Biosciences)し、次いで、5分間1600RPMで遠心分離した。細胞を染色バッファー(BD Bioscience、San Jose,CA)中に再懸濁し、96ウェル丸底プレート(Corning)に移した。細胞をCD14+(BD Biosciences)でゲーティングし、PD-L1発現を平均蛍光強度(MFI)(BD LSRFortessa(商標)X-20)によって決定した。GraphPad Prism 7.0ソフトウェアを使用して、化合物の濃度の対数に対する化合物の阻害パーセントの曲線を適合させることによって、IC50の決定を行った。
【0271】
実施例E.ラット、サル、及びイヌにおけるインビボ薬物動態
インビボ薬物動態実験のために、試験化合物を、静脈内または経口強制飼養を介して、雄のスプラーグドーリーラット、雄のビーグル犬、または雄及び雌のカニクイザルに投与した。IV投与については、試験化合物を、それぞれラットにはIVボーラス、ならびにイヌ及びサルには5分間または10分間のIV注入を介して、酸性化生理食塩水中10%ジメチルアセトアミド(DMAC)の製剤を使用して、0.5~1mg/kgで投与した。経口投与については、試験化合物を、クエン酸緩衝液(pH3.5)中の0.5%メチルセルロース中の5%DMACを使用して1.0~3.0mg/kgで投与した。血液試料を、投与前及び投与後24時間までの様々な時点で収集した。全ての血液試料を、抗凝固剤としてEDTAを使用して収集し、血漿試料を得るために遠心分離した。試験化合物の血漿中濃度を、LC-MS法によって決定する。測定された血漿濃度を使用して、Phoenix(登録商標)WinNonlinソフトウェアプログラム(バージョン7.0、Pharsight Corporation)を用いる標準的なノンコンパートメント法によってPKパラメータを計算する。
【0272】
ラット及びサルでは、予備のPKパラメータを取得するために、最大6つの試験化合物のカセット投与を行った。
【0273】
実施例F.結果
実施例1~34に例示されるように、本開示の化合物を、HTRF PD-1/PD-L1結合アッセイ(実施例A)、SHPアッセイ(実施例B)、NFATアッセイ(実施例C)、及び全血インターナリゼーションアッセイ(実施例D)の各々において評価した。アッセイの各々で観察された値の範囲のカットオフを示す。試験した化合物について得られた結果を表1に示す。
【表1】
【表2】
【0274】
本明細書で説明されるものに加えて、本発明の様々な修正は、前述の説明から当業者には明らかとなるであろう。そのような修正は、添付の特許請求の範囲内に入るようにも意図されている。本出願において引用される全ての特許、特許出願、及び刊行物を含むが、これらに限定されない各参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本願は下記の態様も包含する。
[態様1]
式(I’)の化合物、
【化93】
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体であって、式中、
環Aが、アゼチジニル、ピロリジニル、またはピペリジニルであり、
X
1
が、CHまたはNであり、
R
1
が、メチルまたはハロであり、
R
2
が、C
1-4
アルキル、C
1-4
アルコキシ、C
1-4
ハロアルキル、C
1-4
ハロアルコキシ、C
3-6
シクロアルキル、C
3-6
シクロアルキル-C
1-2
アルキル-、OH、NH
2
、-NH-C
1-4
アルキル、-N(C
1-4
アルキル)
2
、4~6員ヘテロシクロアルキル、または4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2
アルキル-であり、前記4~6員ヘテロシクロアルキル及び4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2
アルキル-がそれぞれ、O及びNから選択される環員として1つまたは2つのヘテロ原子を有し、前記R
2
のC
1-4
アルキル、C
1-4
アルコキシ、C
3-6
シクロアルキル、C
3-6
シクロアルキル-C
1-2
アルキル-、-NH-C
1-4
アルキル、-N(C
1-4
アルキル)
2
、4~6員ヘテロシクロアルキル、及び4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2
アルキル-がそれぞれ、独立して、ハロ、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されており、
R
3
が、(R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル、(S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル、(R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、(S)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、(R)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノ、(S)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノ、(R)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノ、及び(S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノから選択され、
R
4
が、HまたはC
1-3
アルキルであり、
R
5
が、C(O)OH、C(O)N(CH
3
)
2
、C(O)NH(CH
3
)、またはC(O)NH(CH
2
)
2
C(O)OHである、前記式(I’)の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様2]
式(I)の化合物、
【化94】
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体であって、式中、
環Aが、アゼチジニル、ピロリジニル、またはピペリジニルであり、
X
1
が、CHまたはNであり、
R
1
が、メチルまたはハロであり、
R
2
が、C
1-4
アルキル、C
1-4
アルコキシ、C
1-4
ハロアルキル、C
1-4
ハロアルコキシ、C
3-6
シクロアルキル、C
3-6
シクロアルキル-C
1-2
アルキル-、OH、NH
2
、-NH-C
1-4
アルキル、-N(C
1-4
アルキル)
2
、4~6員ヘテロシクロアルキル、または4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2
アルキル-であり、前記4~6員ヘテロシクロアルキル及び4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2
アルキル-がそれぞれ、O及びNから選択される環員として1つまたは2つのヘテロ原子を有し、前記R
2
のC
1-4
アルキル、C
1-4
アルコキシ、C
3-6
シクロアルキル、C
3-6
シクロアルキル-C
1-2
アルキル-、-NH-C
1-4
アルキル、-N(C
1-4
アルキル)
2
、4~6員ヘテロシクロアルキル、及び4~6員ヘテロシクロアルキル-C
1-2
アルキル-がそれぞれ、独立して、ハロ、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されており、
R
3
が、(R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル、(S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル、(R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、(S)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、(R)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノ、(S)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノ、(R)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノ、及び(S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノから選択され、
R
4
が、HまたはC
1-3
アルキルである、前記式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様3]
環Aが、ピロリジニルである、態様1もしくは2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様4]
環Aが、ピペリジニルである、態様1もしくは2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様5]
【化95】
が、4-カルボキシピペリジン-1-イル、3-カルボキシピロリジン-1-イル、3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イル、4-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)ピペリジン-1-イル、4-(N-メチルアミノカルボニル)ピペリジン-1-イル、及び4-(2-カルボキシエチルアミノカルボニル)ピペリジン-1-イルから選択され、波線が、分子の残部への結合点を示す、態様1もしくは2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様6]
【化96】
が、4-カルボキシピペリジン-1-イル、3-カルボキシピロリジン-1-イル、及び3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イルから選択され、波線が、分子の残部への結合点を示す、態様1もしくは2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様7]
【化97】
が、4-カルボキシピペリジン-1-イル、(R)-3-カルボキシピロリジン-1-イル、(S)-3-カルボキシピロリジン-1-イル、(R)-3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イル、及び(S)-3-メチル-3-カルボキシピロリジン-1-イルから選択され、波線が、分子の残部への結合点を示す、態様1もしくは2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様8]
X
1
が、Nである、態様1~7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様9]
X
1
が、CHである、態様1~7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様10]
R
1
が、CH
3
またはClである、態様1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様11]
R
1
が、CH
3
である、態様1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様12]
R
2
が、C
1-4
アルキル、C
1-4
アルコキシ、C
1-4
ハロアルキル、C
1-4
ハロアルコキシ、C
3-6
シクロアルキル、C
3-6
シクロアルキル-C
1-2
アルキル-、OH、NH
2
、-NH-C
1-4
アルキル、-N(C
1-4
アルキル)
2
、1-アゼチジニル、アゼチジン-1-イルメチル、1-ピロリジニル、ピロリジン-1-イルメチル、1-ピペリジニル、またはピペリジン-1-イルメチルであり、前記R
2
のC
1-4
アルキル、C
1-4
アルコキシ、C
3-6
シクロアルキル、C
3-6
シクロアルキル-C
1-2
アルキル、-NH-C
1-4
アルキル、-N(C
1-4
アルキル)
2
、1-アゼチジニル、アゼチジン-1-イルメチル、1-ピロリジニル、ピロリジン-1-イルメチル、1-ピペリジニル、及びピペリジン-1-イルメチルがそれぞれ、独立して、ハロ、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されている、態様1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様13]
R
2
が、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、CF
3
、CHF
2
、CFH
2
、OCF
3
、OCHF
2
、OCH
2
F、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロヘキシルメチル、OH、NH
2
、NHCH
3
、N(CH
3
)
2
、1-アゼチジニル、アゼチジン-1-イルメチル、1-ピロリジニル、ピロリジン-1-イルメチル、1-ピペリジニル、またはピペリジン-1-イルメチルであり、前記R
2
のメチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロヘキシルメチル、NHCH
3
、N(CH
3
)
2
、1-アゼチジニル、アゼチジン-1-イルメチル、1-ピロリジニル、ピロリジン-1-イルメチル、1-ピペリジニル、及びピペリジン-1-イルメチルがそれぞれ、独立して、F、Cl、Br、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されている、態様12に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様14]
R
2
が、C
1-4
アルキルまたはC
1-4
ハロアルキルであり、それらの各々が、独立して、F、Cl、Br、CN、及びOHから選択される1または2個の置換基で任意に置換されている、態様1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様15]
R
2
が、C
1-4
アルキルまたはC
1-4
ハロアルキルである、態様1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様16]
R
2
が、CH
3
、CF
3
、CHF
2
、CH(CH
3
)
2
、NH
2
、シクロプロピル、またはCH
2
OHである、態様1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様17]
R
2
が、CH
3
、CF
3
、CHF
2
、またはCH(CH
3
)
2
である、態様1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様18]
R
2
が、CH
3
である、態様1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様19]
R
2
が、CF
3
またはCHF
2
である、態様1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様20]
R
2
が、CH(CH
3
)
2
である、態様1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様21]
R
2
が、NH
2
である、態様1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様22]
R
2
が、シクロプロピルである、態様1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様23]
R
2
が、CH
2
OHである、態様1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様24]
R
3
が、(R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イルまたは(S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イルである、態様1~23のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様25]
R
3
が、(R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イルまたは(S)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イルである、態様1~23のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様26]
R
3
が、(R)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノまたは(S)-2-ヒドロキシ-2-メチル-エチルアミノである、態様1~23のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様27]
R
3
が、(R)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノまたは(S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチルアミノである、態様1~23のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様28]
R
4
が、HまたはCH
3
である、態様1~27のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様29]
R
4
が、Hである、態様1~27のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様30]
R
4
が、CH
3
である、態様1~27のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様31]
式IIを有する態様1に記載の化合物、
【化98】
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様32]
式IIIを有する態様1に記載の化合物、
【化99】
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様33]
式IVを有する態様1に記載の化合物、
【化100】
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様34]
式Vを有する態様1に記載の化合物、
【化101】
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様35]
前記化合物が、
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-1-ヒドロキシプロパン-2-イルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((S)-2-ヒドロキシプロピルアミノ)メチル)-2-メチルピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;及び
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸から選択される、態様1に記載の化合物、
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様36]
前記化合物が、
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-4-メチルピペリジン-4-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-N,N-ジメチルピペリジン-4-カルボキサミド;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-N-メチルピペリジン-4-カルボキサミド;
(R)-3-(1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボキサミド)プロパン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-シクロプロピル-7-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;
(R)-1-((2-(3’-(2-アミノ-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)-7-シアノベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(S)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ジフルオロメチル)-7-((3-ヒドロキシ-3-メチルピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(2-(ヒドロキシメチル)-7-((3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-4-カルボン酸;
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(3-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-6-メチル-1,7-ナフチリジン-8-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)ピロリジン-3-カルボン酸;及び
(R)-1-((7-シアノ-2-(3’-(6-(ジフルオロメチル)-3-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-1,7-ナフチリジン-8-イルアミノ)-2,2’-ジメチルビフェニル-3-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル)メチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸から選択される、態様1に記載の化合物、
またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
[態様37]
態様1~36のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体と、薬学的に許容される賦形剤または担体と、を含む、薬学的組成物。
[態様38]
PD-1/PD-L1相互作用を阻害する方法であって、患者に、態様1~36のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体を投与することを含む、前記方法。
[態様39]
PD-1/PD-L1相互作用の阻害に関連する疾患または障害を治療する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の態様1~36のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体を投与することを含む、前記方法。
[態様40]
前記疾患または障害が、感染症疾患、炎症、自己免疫疾患、がん、または神経変性障害である、態様39に記載の方法。
[態様41]
患者において免疫応答を増強、刺激、及び/または増加する方法であって、それを必要とする前記患者に、治療有効量の態様1~36のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体を投与することを含む、前記方法。