(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】イソシアネート末端シランに基づく二成分接着剤組成物、およびそれを作製するための方法
(51)【国際特許分類】
C09J 175/04 20060101AFI20231024BHJP
C08G 18/71 20060101ALI20231024BHJP
C08G 18/77 20060101ALI20231024BHJP
C08G 18/40 20060101ALI20231024BHJP
C09J 5/04 20060101ALI20231024BHJP
B32B 7/12 20060101ALI20231024BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
C09J175/04
C08G18/71 080
C08G18/77 080
C08G18/40
C09J5/04
B32B7/12
B32B27/40
(21)【出願番号】P 2020560817
(86)(22)【出願日】2019-02-25
(86)【国際出願番号】 US2019019364
(87)【国際公開番号】W WO2019212625
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2022-02-18
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】シィエ、ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ウー、チエ
(72)【発明者】
【氏名】セハノビシュ、カルヤン
【審査官】本多 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-111811(JP,A)
【文献】特開2005-336429(JP,A)
【文献】特開2014-025000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00ー201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二成分接着剤組成物であって、
(A)イソシアネート成分であって、
(i)イソシアネートと、
(ii)ポリイソシアネートと、シラン基
、および-OH、-S
Hおよび-NHRからなる群から選択され、Rが1~12個のC原子を有するアルキル残基または6~12個のC原子を有する脂環式または芳香族残基を表す、少なくとも1つのイソシアネート反応性基を含むイソシアネート反応性化合物との反応生成物である、イソシアネート末端シラン化合物と、を含む、イソシアネート成分と、
(B)ヒドロキシル末端化合物を含むイソシアネート反応性成分と、を含み、
前記イソシアネート成分(A)およびイソシアネート反応性成分(B)が、
1.5を超えるとともに5
以下の化学量論比(NCO対OH)で存在する、二成分接着剤組成物。
【請求項2】
二成分接着剤組成物であって、
(A)イソシアネート成分であって、
(i)イソシアネートと、
(ii)イソホロンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、それらの混合物、それらの二量体、それらの三量体、それらのプレポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリイソシアネートと、シラン基および-NH
2の少なくとも1つのイソシアネート反応性基を含むイソシアネート反応性化合物との反応生成物である、イソシアネート末端シラン化合物と、を含む、イソシアネート成分と、
(B)ヒドロキシル末端化合物を含むイソシアネート反応性成分と、を含み、
前記イソシアネート成分(A)およびイソシアネート反応性成分(B)が、1~5の化学量論比(NCO対OH)で存在する、二成分接着剤組成物。
【請求項3】
前記イソシアネートが、イソシアネートモノマー、ポリイソシアネート、イソシアネートプレポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の二成分接着剤組成物。
【請求項4】
酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒をさらに含む、請求項1に記載の二成分接着剤組成物。
【請求項5】
触媒、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、レオロジー改質剤、着色顔料、接着促進剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤をさらに含む、請求項1に記載の二成分接着剤組成物。
【請求項6】
前記イソシアネート反応性成分(B)の前記ヒドロキシル末端化合物が、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、天然油系ポリオール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の二成分接着剤組成物。
【請求項7】
ラミネート構造を形成するための方法であって、
(1)請求項1に記載の二成分接着剤を第1の基材の表面にコーティングすることと、
(2)前記第1の基材の前記表面を第2の基材の表面と接触させることと、
(3)前記2つの基板を圧力下でラミネートして、ラミネート構造を形成することと、
を含む、方法。
【請求項8】
ラミネート構造を形成するための方法であって、
(1)請求項2に記載のイソシアネート成分(A)を第1の基材の表面に均一に適用することと、
(2)請求項2に記載のイソシアネート反応性成分(B)を第2の基材の表面に均一に適用することと、
(3)前記第1の基板の前記表面を前記第2の基板の前記表面と接触させ、それにより、前記イソシアネート成分(A)および前記イソシアネート反応性成分(B)を混合および反応させて、前記第1の基板と前記第2の基板との間に接着剤組成物を形成することと、
(4)前記接着剤組成物を硬化させて、前記第1の基材と前記第2の基材とを結合させることと、を含む、方法。
【請求項9】
請求項
2に
記載の前記二成分接着剤を含むラミネート構造体。
【請求項10】
請求項1に記載の二成分接着剤を含む、ラミネート構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年4月30日に出願された米国仮特許出願第62/664,420号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、二成分接着剤組成物に関する。いくつかの実施形態では、接着剤組成物は、(A)(i)イソシアネートと、(ii)ポリイソシアネートと、シラン基および-OH、-SH、および-NHRからなる群から選択され、Rが1~12個のC原子を有するアルキル残基または6~12個のC原子を有する脂環式または芳香族残基を表す、少なくとも1つのイソシアネート反応性基を含むイソシアネート反応性化合物との反応生成物である、イソシアネート末端シラン化合物と、を含む、イソシアネート成分を含む。接着剤組成物は、(B)ヒドロキシル末端化合物を含むイソシアネート反応性成分をさらに含み、イソシアネート成分(A)およびイソシアネート反応性成分(B)は、1~5の化学量論比(NCO対OH)で存在する。
【0003】
他の実施形態では、接着剤組成物は、(A)(i)イソシアネートならびに(ii)イソホロンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、それらの混合物、それらの二量体、それらの三量体、それらのプレポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリイソシアネートと、シラン基および-NH2の少なくとも1つのイソシアネート反応性基を含むイソシアネート反応性化合物との反応生成物である、イソシアネート末端シラン化合物と、を含む、イソシアネート成分を含む。そのような実施形態では、接着剤組成物は、(B)ヒドロキシル末端化合物を含むイソシアネート反応性成分をさらに含み、イソシアネート成分(A)およびイソシアネート反応性成分(B)は、1~5の化学量論比(NCO対OH)で存在する。
【0004】
開示される二成分接着剤を調製するための方法およびそれを含むラミネート構造を作製するための方法も開示される。開示される接着剤組成物は、無溶媒または溶媒系であり得る。開示される接着剤組成物は、可使時間の延長を維持しながら、既存のアミノシラン代替物と比較して、改善された結合強度、耐熱性、および耐薬品性を呈し、食品包装、医薬品包装、および工業用ラミネート加工に有用である。
【0005】
開示の背景および概要
接着剤組成物は、多種多様な目的に有用である。例えば、接着剤組成物は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、金属、メタライズ、紙、またはセロハンなどの基材を一緒に結合させて、複合フィルム、すなわち、ラミネートを形成するために使用される。これらのタイプの接着剤は、一般に「ラミネート接着剤」と称される。
【0006】
ラミネート接着剤の1つの特定の種類としては、二成分ポリウレタン系接着剤が挙げられる。典型的には、二成分ポリウレタン系ラミネート接着剤は、イソシアネート含有プレポリマーおよび/またはポリイソシアネートを含むイソシアネート成分と、ヒドロキシル末端化合物を含むイソシアネート反応性成分と、を含む。プレポリマーは、1分子当たり2つ以上のヒドロキシル基を含有するポリエーテルおよび/またはポリエステルと過剰のイソシアネートとの反応によって得ることができる。イソシアネート反応性成分は、1分子当たり2つ以上のヒドロキシル基で開始されるポリエーテルおよび/またはポリエステルを含む。2つの成分は、典型的には、所定の比率で組み合わされるか、または「予備混合」され、次いで、第1の基材(「キャリアウェブ」)の表面に適用される。次いで、第1の基材の表面は、第2の基材の表面と一緒に合わされて、ラミネート構造を形成する。より近時では、各成分を基材の表面に別個に適用する、より速く硬化する二成分システムが開発された。各基材の表面をその後一緒に合わせることで、2つの成分が混合され、それによりラミネート構造を形成する。基材の追加の層を、そのラミネート構造に追加することができ、連続する各基材の間には接着剤組成物の追加の層が配置される。次いで、接着剤を室温または高温で硬化させ、それによって基材を一緒に結合させる。
【0007】
そのようなラミネート接着剤は、包装業界、特に、高温での攻撃的な化学物質への曝露が典型的である食品包装、医薬品包装、および工業用ラミネート加工に使用されるフィルム/フィルムおよびフィルム/箔のラミネートの製造において広く使用することができる。接着剤の耐熱性および耐薬品性を改善するために、接着促進剤が使用されることがある。具体的には、シラン接着促進剤が、接着性、耐熱性、製品耐性の改善のために、ポリウレタン系ラミネート接着剤に使用される。限定されたシラン化合物は、食品接触用途について欧州委員会によって承認されている。承認されたシランのうちの1つは、3-アミノプロピルトリエトキシシランである。このアミノシランは、ラミネート接着剤のイソシアネート反応性成分またはイソシアネート成分に組み込まれることが多い。ラミネート接着剤のイソシアネート反応性成分に組み込まれる場合、化合物のアミン基の反応性が高くなるため、可使時間が短くなり、特に、高い装填レベルで組み込まれる場合、アミノシランとイソシアネートとの反応生成物が沈殿することがあり、そのため、アミノシランはラミネート加工用途には不適切になる。一方、イソシアネート成分に組み込まれる場合、アミノシランは、イソシアネート成分に曇りをもたらし、アミノシランとイソシアネートとの高い反応性のために沈殿をもたらすことがあり得る。
【0008】
ゆえに、従来のアミノシランの使用の欠点を克服する、シラン接着促進剤を含むラミネート接着剤組成物が望ましい。本明細書に開示されるように、3-アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノシラン化合物は、最初にイソシアネートと反応して、イソシアネート末端シラン化合物を形成する。イソシアネート末端シラン化合物は、透明かつ安定しており、可使時間の短縮や接着剤組成物の曇りまたは沈殿の発生を妥協することなく、ラミネート接着剤組成物のイソシアネート成分に容易に組み込むことができる。加えて、イソシアネート末端シラン化合物は、従来のアミノシラン代替物を含むものと比較して、改善された耐熱性および製品耐性を呈するラミネート接着剤組成物を提供する。
【0009】
いくつかの実施形態では、開示される接着剤組成物は、(A)(i)イソシアネートと、(ii)ポリイソシアネートと、シラン基および-OH、-SH、および-NHRからなる群から選択され、Rが1~12個のC原子を有するアルキル残基または6~12個のC原子を有する脂環式または芳香族残基を表す、少なくとも1つのイソシアネート反応性基を含むイソシアネート反応性化合物との反応生成物である、イソシアネート末端シラン化合物と、を含む、イソシアネート成分を含む。接着剤組成物は、(B)ヒドロキシル末端化合物を含むイソシアネート反応性成分をさらに含み、イソシアネート成分(A)およびイソシアネート反応性成分(B)は、1~5の化学量論比(NCO対OH)で存在する。
【0010】
他の実施形態では、開示される接着剤組成物は、(A)(i)イソシアネートと、(ii)イソホロンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、それらの混合物、それらの二量体、それらの三量体、それらのプレポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリイソシアネートと、シラン基および-NH2の少なくとも1つのイソシアネート反応性基を含むイソシアネート反応性化合物との反応生成物である、イソシアネート末端シラン化合物と、を含む、イソシアネート成分を含む。そのような実施形態では、接着剤組成物は、(B)ヒドロキシル末端化合物を含むイソシアネート反応性成分をさらに含み、イソシアネート成分(A)およびイソシアネート反応性成分(B)は、1~5の化学量論比(NCO対OH)で存在する。
【0011】
いくつかの実施形態では、二成分接着剤配合物を調製するための方法を開示する。いくつかの実施形態では、方法は、(1)1.05/1.0~20.0/1.0の化学量論比で、ポリイソシアネートを、シラン基および-OH、-SH、および-NHRからなる群から選択され、Rが1~12個のC原子を有するアルキル残基または6~12個のC原子を有する脂環式または芳香族残基を表す、少なくとも1つのイソシアネート反応性基を含むイソシアネート反応性化合物と反応させて、イソシアネート末端シラン化合物を形成することと、(2)イソシアネート末端シラン化合物を、イソシアネートを含むイソシアネート成分と、99.0対1.0~0.5対99.5の混合比で混合して、シラン修飾イソシアネート成分を形成することと、(3)シラン修飾イソシアネート成分を、ヒドロキシル末端化合物を含むイソシアネート反応性成分と、1.0/1.0~5.0/1.0の化学量論比(NCO/OH)で混合することと、を含む。
【0012】
他の実施形態では、方法は、(1)1.05/1.0~20.0/1.0の化学量論(NCO/NH)比で、イソホロンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、それらの混合物、それらの二量体、それらの三量体、それらのプレポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリイソシアネートを、シラン基および-NH2の少なくとも1つのイソシアネート反応性基を含むイソシアネート反応性化合物と反応させて、イソシアネート末端シラン化合物を形成することと、(2)イソシアネート末端シラン化合物を、イソシアネートを含むイソシアネート成分と、99.0対1.0~0.5対99.5の混合比で混合して、シラン修飾イソシアネート成分を形成することと、(3)シラン修飾イソシアネート成分を、ヒドロキシル末端化合物を含むイソシアネート反応性成分と、1.0/1.0~5.0/1.0の化学量論比(NCO/OH)で混合することと、を含む。
【0013】
触媒、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、レオロジー改質剤、着色顔料、リン酸エステルおよびエポキシなどの接着促進剤を含む追加の成分を、本発明の接着剤に組み込んで、特定の性能属性を可能にすることができる。
【0014】
接着剤組成物は、無溶媒または溶媒系であり得る。溶媒系の実施形態では、酢酸エチル、メチルエーテルケトン、トルエン、およびそれらの混合物などの溶媒を組成物に組み込むことができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、ラミネート構造を形成するための方法を開示する。いくつかの実施形態では、方法は、(1)開示される二成分接着剤組成物を第1の基材の表面にコーティングすることと、(2)第1の基材の表面を第2の基材の表面と接触させることと、(3)2つの基板を圧力下でラミネートして、ラミネート構造を形成することと、を含む。他の実施形態では、方法は、(1)イソシアネート成分(A)を第1の基材の表面に均一に適用することと、(2)イソシアネート反応性成分(B)を第2の基材の表面に均一に適用することと、第1の基材および第2の基材の表面を一緒に合わせ、それにより、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分とを混合および反応させて、第1の基材と第2の基材との間に接着剤組成物を形成することと、接着剤組成物を硬化させて、第1の基材と第2の基材とを結合させることと、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示による二成分接着剤組成物は、上で考察したように、イソシアネート成分およびイソシアネート反応性成分を含む。
【0017】
(A)イソシアネート成分
本明細書で論じられるように、いくつかの実施形態では、イソシアネート成分(A)は、イソシアネート(i)およびイソシアネート末端シラン化合物(ii)を含む。
【0018】
(i)イソシアネート
いくつかの実施形態では、イソシアネート成分は、イソシアネートを含む。いくつかの実施形態では、イソシアネートは、イソシアネートプレポリマー、イソシアネートモノマー、ポリイソシアネート(例えば、二量体、三量体など)、およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され得る。本明細書で使用される場合、「ポリイソシアネート」は、2つ以上のイソシアネート基を含有する任意の化合物である。イソシアネートプレポリマーとは、イソシアネートおよびポリオールを含む反応物の反応生成物である。本明細書で使用される場合、「イソシアネートプレポリマー」は、ポリイソシアネート自体であり得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、イソシアネートは、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0020】
好適な芳香族イソシアネートとしては、1,3-および1,4-フェニレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、2,6-トルレンジイソシアネート(2,6-TDI)、2,4-トルレンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′-MDI)、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4-MDI)、ポリマーイソシアネート、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0021】
好適な脂肪族ポリイソシアネートは、有利には、線状または分岐状アルキレン残基中に3~16個の炭素原子、好ましくは4~12個の炭素原子を有し、好適な脂環式または脂環式ジイソシアネートは、有利には、シクロアルキレン残基中に4~18個の炭素原子、好ましくは6~15個の炭素原子を有する。当業者は、脂環式ジイソシアネートが同時に、イソホロンジイソシアネートなどの環状的および脂肪族的に結合されたNCO基を意味することを十分に理解している。これとは対照的に、脂環式ジイソシアネートは、脂環式環、例えばH12MDIに直接結合されたNCO基のみを有するものを意味すると理解される。
【0022】
好適な脂肪族および脂環式イソシアネートとしては、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、エチルシクロヘキサンジイソシアネート、プロピルシクロヘキサンジイソシアネート、メチルジエチルシクロヘキサンジイソシアネート、プロパンジイソシアネート、ブタンジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ヘプタンジイソシアネート、オクタンジイソシアネート、ノナンジイソシアネート、ノナントリイソシアネート、例えば、4-イソシアナトメチル-1,8-オクタンジイソシアネート(TIN)、デカンジおよびトリイソシアネート、ウンデカンジおよびトリイソシアネート、ならびにドデカンジおよびトリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12MDI)、2-メチルペンタンジイソシアネート(MPDI)、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート/2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ならびにそれらの二量体、三量体、および組み合わせが挙げられる。
【0023】
追加のイソシアネート、例えば4-メチル-シクロヘキサン1,3-ジイソシアネート、2-ブチル-2-エチルペンタメチレンジイソシアネート、3(4)-イソシアナトメチル-1-メチルシクロヘキシルイソシアネート、2-イソシアナトプロピルシクロヘキシルイソシアネート、2,4’-メチレンビス(シクロヘキシル)ジイソシアネート、および1,4-ジイソシアナト-4-メチル-ペンタンも本開示による使用に好適である。
【0024】
好適なポリウレタンプレポリマーとしては、1.5を超える、または2~6、または2.5~4.0の化学量論比(NCO/OH)で反応するポリイソシアネートとイソシアネート反応性化合物との反応生成物が挙げられる。ポリイソシアネートは、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。ポリイソシアネートと反応してポリウレタンプレポリマーを形成することができる好適なイソシアネート反応性化合物としては、ヒドロキシル基、アミノ基、およびチオ基を有する化合物が挙げられる。そのような化合物の例として、ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリエーテル、ポリアクリレート、ポリカーボネートポリオール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。イソシアネート反応性化合物の平均OH価は、D4274-16に従って試験した場合、5~2,000mg KOH/グラムであり、平均モル質量は、62~20,000g/モルである。いくつかの実施形態では、イソシアネート反応性化合物の平均OH価は、14~850mg KOH/グラム、または56~500mg KOH/グラム、または110~450である。イソシアネート反応性化合物の平均官能価は、1.0~6.0、または1.8~4.0、または2.0~3.0である。イソシアネート反応性化合物の平均分子量は、25~12,000g/モル、または250~6,000g/モル、または350~3,000g/モルである。
【0025】
(ii)イソシアネート末端シラン化合物
いくつかの実施形態では、イソシアネート末端シラン化合物は、ポリイソシアネートと、シラン基および-OH、-SH、および-NHRからなる群から選択され、Rが1~12個のC原子を有するアルキル残基または6~12個のC原子を有する脂環式または芳香族残基を表す、少なくとも1つのイソシアネート反応性基を含む、イソシアネート反応性化合物との反応生成物である。
【0026】
他の実施形態では、イソシアネート末端シラン化合物は、イソホロンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、それらの混合物、それらの二量体、それらの三量体、それらのプレポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリイソシアネートと、シラン基および-NH2の少なくとも1つのイソシアネート反応性基を含む、イソシアネート反応性化合物との反応生成物である。
【0027】
調製後、イソシアネート末端シラン化合物は、イソシアネート成分(A)のイソシアネート(i)と、99.0対1.0~0.5対99.5の混合比で混合され、それにより、シラン修飾イソシアネート成分を形成する。
【0028】
(B)イソシアネート反応性成分
いくつかの実施形態では、イソシアネート反応性成分は、ヒドロキシル末端化合物を含む。いくつかの実施形態では、イソシアネート反応性成分は、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、天然油系ポリオール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるヒドロキシル末端化合物を含む。
【0029】
ヒドロキシル末端化合物の平均OH価は、5~2,000mg KOH/グラム、または14~850mg KOH/グラム、または56~500mg KOH/グラム、または110~450であり得る。ヒドロキシル末端化合物の平均官能価は、2.0~6.0、または2.0~4.0、または2.0~3.0であり得る。ヒドロキシル末端化合物の平均分子量は、25~12,000g/モル、または250~6,000g/モル、または350~3,000g/モルであり得る。加えて、低分子量ポリグリコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、およびトリイソプロパノールアミンも、イソシアネート反応性成分に含めることができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、イソシアネート反応性成分(B)は、1.0~5.0の化学量論比(NCO/OH)で、シラン修飾イソシアネート成分と混合される。
【0031】
ラミネート加工
開示される接着剤組成物のイソシアネート成分(A)およびイソシアネート反応性成分(B)が、別々に配合され、望ましくは、それがラミネート構造を形成するまで貯蔵されることが企図される。好ましくは、イソシアネート成分(A)およびイソシアネート反応性成分(B)は、25℃で液体状態である。成分が25℃で固体であっても、必要に応じて成分を加熱して液体状態にすることが可能である。開示される接着剤組成物を含むラミネート構造は、さまざまな方法に従って形成することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、ラミネート構造は、混合接着剤組成物を基材に適用する前に、イソシアネート成分(A)およびイソシアネート反応性成分(B)を予備混合することによって形成され得る。そのような方法は、イソシアネート成分(A)およびイソシアネート反応性成分(B)を1.0~5.0の化学量論比(NCO/OH)で混合して、二成分接着剤組成物を形成することを含み、イソシアネート成分は、イソシアネート(i)およびイソシアネート末端シラン化合物(ii)を含む。方法は、接着剤組成物を第1の基材の表面に適用することと、第1の基材の表面を第2の基材の表面と接触させることと、接着剤組成物を硬化させて、第1の基材を第2の基材に結合させることと、をさらに含む。
【0033】
他の実施形態では、ラミネート構造は、比較的新しいラミネート技術(すなわち、成分を混合するために基材を一緒に合わせる前に、各成分を別々の基材に適用する、より反応性の高いシステム)で形成され得る。そのような方法は、イソシアネート成分(A)を第1の基材の表面に均一に適用することと、イソシアネート反応性成分(B)を第2の基材の表面に均一に適用することと、を含む。好ましくは、それぞれの基材上の各成分の層の厚さは、0.5~2.5μmである。各基材に適用される層の厚さを制御することによって、成分の比を制御することができる。方法は、第1の基材と第2の基材とを一緒に合わせ、それにより、イソシアネート成分(A)とイソシアネート反応性成分(B)とを混合および反応させて、第1の基材と第2の基材との間に接着剤組成物を形成することと、接着剤組成物を硬化させて、第1の基材と第2の基材とを結合させることと、をさらに含む。第1および第2の基材を一緒に合わせて、成分が互いに接触すると、イソシアネート成分(A)とイソシアネート反応性成分(B)とが混合および反応し始める。これは、硬化プロセスの始まりを示す。さらなる混合および反応は、第1および第2の基材がさまざまな他のローラに通され、最終的に巻戻しローラに通されるときに達成される。各基材が各ローラを横切って他の基材よりも長いまたは短い経路をとるため、第1および第2の基材がローラを通過するときに、さらなる混合および反応が起こる。このようにして、2つの基材は、互いに対して移動し、それぞれの基材上の成分を混合する。次いで、硬化性混合物は、硬化させるか、または硬化することが可能になる。
【0034】
ラミネート構造中の好適な基材としては、紙、織布および不織布、ポリマーフィルム、金属箔、ならびに金属被覆(金属化)ポリマーフィルムなどのフィルムが挙げられる。いくつかのフィルムは、任意選択で、接着剤組成物と接触し得るインクで画像が印刷される表面を有する。本開示による接着剤組成物が1つ以上の基材を一緒に接着している状態で、基材を積層させラミネート構造を形成する。
【0035】
さまざまな実施形態では、接着剤組成物は、無溶媒または溶媒系であり得る。溶媒系の実施形態では、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、およびそれらの組み合わせなどの溶媒は、開示される二成分接着剤組成物に組み込まれ得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、添加剤は、任意に、接着剤組成物に含まれ得る。そのような添加剤の例としては、特定の性能属性を可能にする、触媒、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、レオロジー改質剤、着色顔料、接着促進剤(例えば、リン酸エステルおよびエポキシ)、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【実施例】
【0037】
本開示を、開示される接着剤組成物および既存の接着剤組成物を例示する例(例示的実施例「IE」、比較例「CE」、総称して「実施例」)を説明することによって、ここで、さらに詳細に説明する。しかしながら、本開示の範囲は、当然ながら、実施例に限定されない。
【0038】
実施例を、表1に特定される原材料を使用して調製する。
【表1-1】
【表1-2】
【0039】
結合強度測定
幅15mmのストリップに切断したラミネート試料について90°T型剥離試験を実行し、1インチのストリップを、10インチ/分の速度で、50N装填セルを備えたThwing Albert(商標)QC-3A剥離試験機で引張した。ラミネート中の2つのフィルムが分離(剥離)するとき、引張中の力の平均を記録する。フィルムのうちの1つが伸張または破断した場合、最大の力または破断時の力を記録する。本明細書の値は、3つの別々の試料ストリップの平均である。不良モード(「FM」)または不良のモード(「MOF」)は、次のように記録する:「FS」はフィルム伸張を示し、「FT」はフィルム断裂または破断を示し、「DL」は層間剥離を示し(二次フィルムが一次フィルムから分離している)、「AT」は接着剤転移を示し(接着剤が一次フィルムに付着せず、二次フィルムに転移する)、「AS」は接着剤分裂または凝集不良を示し(接着剤が一次フィルムおよび二次フィルムの両方で見出される)、「MT」は金属化フィルムから二次フィルムへの金属の転移を示し、「PMT」は部分的な金属の転移を示している。初期結合または「グリーン」結合は、ラミネートの作製後できるだけ早く試験する。追加のT型剥離試験は、指示した時間間隔で、通常は、1日後および7日後の時間間隔で行う。
【0040】
ボイルインバッグ試験手順
ラミネートは、Prelam AlおよびGF-19またはGF-10から作製する。一方の層のPEフィルムが他方の層のPEフィルムと接触するように、ラミネートの9インチ×12インチ(23cm×30.5cm)シートのうちの1つを折り曲げて約9インチ×6インチ(23cm×15.25cm)の二重層にする。縁をペーパーカッターでトリミングして、約5インチ×7インチ(12.7cm×17.8cm)の折りたたみ片を得る。2つの長辺と1つの短辺を縁でヒートシールして、4インチ×6インチ(10.2cm×15.2cm)の内部サイズの完成したパウチを得る。ヒートシールは、276kpa(40PSI)の水圧で1秒間、177℃(350°F)で行う。各試験のために2つまたは3つのパウチを作製する。
【0041】
パウチは、100±5mLの1:1:1のソース(等重量部のケチャップ、酢、および植物油のブレンド)で開口縁から充填する。試験中にヒートシールが破損する可能性があるため、ヒートシール領域上に充填物がはねないようにする。充填後、パウチの上部を、パウチの内側への空気の閉じ込めを最小限に抑えるようにしてシールする。
【0042】
試験中にパウチの漏れの原因となる傷がシーリングにないことを確実にするために、パウチの4つの側面すべてについてシールの完全性を検査する。疑わしいパウチは廃棄し、交換する。場合によっては、試験中に新しい追加の傷が発生したか否かを確認するために、ラミネートの傷に印を付ける。
【0043】
ポットを2/3まで水で満たし、沸騰させる。沸騰しているポットに蓋をして、水および蒸気の損失を最小限にする。試験中、ポットを観察して沸騰を維持するのに十分な水が存在することを確認する。パウチ(複数可)を沸騰水に入れ、そこで30分間維持する。パウチを取り出し、トンネリング、ブリスタリング、層間剥離、または漏れの程度を、マークされている既存の傷のいずれかと比較する。観察結果を記録する。パウチを切り開き、空にし、そして石鹸と水ですすぐ。1つ以上の1インチ(2.54cm)のストリップをパウチから切り取り、ラミネート結合強度を、先に記載した標準結合強度試験に従って10インチ/分で測定する。これはパウチの中身を取り除いた後できるだけ早く行われる。パウチの内部を検査し、他のあらゆる視覚的欠陥を記録する。
【0044】
化学的老化試験手順
ラミネートは、上述のPrelam Al/GF-19およびPrelam Al/CPPから作製する。一方の層のPEフィルムが他方の層のPEフィルムと接触するように、ラミネートの9インチ×12インチ(23cm×30.5cm)シートのうちの1つを折り曲げて約9インチ×6インチ(23cm×15.25cm)の二重層にする。縁をペーパーカッターでトリミングして、約5インチ×7インチ(12.7×17.8cm)の折りたたみ片を得る。2つの長辺と1つの短辺を縁でヒートシールして、4インチ×6インチ(10.2cm×15.2cm)の内部サイズの完成したパウチを得る。ヒートシールは、276kpa(40PSI)の水圧で1秒間、177℃(350°F)で行う。各試験のために2つまたは3つのパウチを作製する。
【0045】
パウチは、100±5mLの1:1:1のソース(等しい重量部のケチャップ、酢、および植物油のブレンド)で開口縁から充填する。試験中にヒートシールを破損させる可能性があるため、ヒートシール領域上に充填物がはねないようにする。充填後、パウチの上部を、パウチの内側への空気の閉じ込めを最小限に抑えるようにしてシールする。
【0046】
試験中にパウチの漏れの原因となる傷がシーリングにないことを確実にするために、パウチの4つの側面すべてについてシールの完全性を検査する。疑わしいパウチは廃棄し、交換する。場合によっては、試験中に新しい追加の傷が発生したか否かを確認するために、ラミネートの傷に印を付ける。
【0047】
次いで、1:1:1のソースを含有するパウチを、60℃(140°F)に設定した対流式オーブンに100時間入れる。老化後にパウチを取り出し、トンネリング、ブリスタリング、層間剥離、または漏れの程度を、マークされている既存の傷のいずれかと比較する。観察結果を記録する。パウチを切り開き、空にし、そして石鹸と水ですすぐ。1つ以上の1インチ(2.54cm)のストリップをパウチから切り取り、ラミネート結合強度を、先に記載した標準結合強度試験に従って測定する。これはパウチの中身を取り除いた後できるだけ早く行われる。パウチの内部を検査し、他のあらゆる視覚的欠陥を記録する。
【0048】
イソシアネート末端シランの実施例1
メカニカルスターラーおよび温度制御器を備えた4つ口フラスコからなる実験室用ガラス反応器を使用して、イソシアネート成分を生成する。窒素パージ下で、101.52グラムのVESTANAT(商標)IPDIを反応器に装填する。撹拌しながら、95.89グラムのDYNASYLAN(商標)AMEOを反応器に滴加する。DYNASYLAN(商標)AMEOの添加速度を制御することにより、反応温度を65℃以下に保つ。NCO対NHの比率は2.10である。添加が完了した後、反応を60℃でさらに1時間保持する。透明で粘稠な液体が得られ、NCO含有量は10.2%と測定される。
【0049】
イソシアネート末端シランの実施例2
イソシアネート末端シランの実施例1では、DYNASYLAN(商標)AMEOが、DYNASYLAN(商標)1122に置き換えられる。最初に82.13グラムのVESTANAT(商標)IPDIを反応器に装填し、続いて135グラムのDYNASYLAN(商標)1122を滴加する。NCO対NHの比率は2.3である。反応を60℃で1時間保持すると、透明で粘稠な液体が得られる。反応生成物は、8.4%のNCO含有量で測定される。
【0050】
イソシアネート末端シランの実施例3
イソシアネート末端シランの実施例1では、DYNASYLAN(商標)AMEOが、DYNASYLAN(商標)1124に置き換えられ、IPDIは、ISONATE(商標)50OPに置き換えられる。最初に79.2グラムのISONATE(商標)OP50を反応器に装填し、続いて103グラムのDYNASYLAN(商標)1124を滴加する。NCO対NHの比率は2.10である。反応を60℃で1時間保持すると、透明で粘稠な液体が得られる。反応生成物は、7.6%のNCO含有量で測定される。
【0051】
イソシアネート末端シランの実施例4
イソシアネート末端シランの実施例1では、IPDIが、COREACTANT9L10に置き換えられる。最初に790グラムのCOREACTANT9L10を反応器に装填し、続いて38グラムのDYNASYLAN(商標)AMEOを滴加する。NCO対NHの比率は10.5である。反応を60℃で1時間保持すると、透明で粘稠な液体が得られる。反応生成物は、11.5%のNCO含有量で測定される。
【0052】
イソシアネート末端シランの実施例5
イソシアネート末端シランの実施例1では、IPDIが、TAKENATE(商標)500に置き換えられる。最初に94.1グラムのTAKENATE(商標)500と66.5グラムの酢酸エチルを反応器に装填して混合し、続いて105.2グラムのDYNASYLAN(商標)AMEOを滴加する。NCO対NHの比率は2.10である。反応を60℃で1時間保持すると、透明で粘稠な液体が得られる。反応生成物は、8.2%のNCO含有量で測定される。
【0053】
イソシアネート末端シランの比較例1
イソシアネート末端シランの実施例1では、IPDIが、ISONATE(商標)OP50に置き換えられる。最初に120グラムのISONATE(商標)OP50を反応器に装填し、続いて100グラムのDYNASYLAN(商標)AMEOを滴加する。NCO対NHの比率は2.10である。AMEOを添加した直後に白い沈殿物が観察される。反応を60℃で1時間保持すると、濁った粘稠な液体が得られる。不溶性の反応生成物を含有する濁った混合物は、ラミネート接着剤適用に適していない。
【0054】
イソシアネート末端シランの比較例2
イソシアネート末端シランの実施例1では、IPDIが、DESMODUR(商標)Wに置き換えられる。最初に114.9グラムのDESMODUR(商標)Wおよび69グラムの酢酸エチルを反応器に装填し、続いて91.6グラムのDYNASYLAN(商標)AMEOを滴加する。NCO対NHの比率は2.10である。AMEOを添加した直後に白い沈殿物が観察される。反応を60℃で1時間保持すると、濁った粘稠な液体が得られる。不溶性の反応生成物を含有する濁った混合物は、ラミネート接着剤適用には適していない。
【0055】
イソシアネート末端シランの比較例3
イソシアネート末端シランの実施例1では、IPDIが、DESMODUR(商標)Hに置き換えられる。最初に73グラムのDESMODUR(商標)Hを反応器に装填し、続いて106.7グラムのDYNASYLAN(商標)AMEOを滴加する。NCO対NHの比率は2.15である。AMEOを添加した直後に白い沈殿物が観察される。反応物を60℃で1時間保持すると、濁った粘稠な液体が得られる。不溶性の反応生成物を含有する濁った混合物は、ラミネート接着剤適用には適していない。
【0056】
プレポリマーの実施例1
メカニカルスターラーおよび温度制御器を備えた4つ口フラスコからなる実験室用ガラス反応器を使用して、イソシアネート成分を生成する。窒素パージ下で、最初に45℃で前溶融させた196.9グラムのISONATE(商標)125Mをフラスコに装填する。反応器の温度を50℃に設定する。撹拌しながら、402.4グラムのISONATE(商標)143Lを反応器に装入し、続いて0.2グラムのリン酸を装入する。10分間混合した後、173.0グラムのVORANOL(商標)220-260を反応器に添加する。温度が75℃を超える場合は、冷却する。反応器の温度を50℃~60℃に冷却した後、78.1グラムのVORANOL(商標)CP450を反応器に装入する。反応を75℃でさらに2時間保持し、続いて149.4グラムの酢酸エチルを添加する。75℃でさらに0.5時間混合すると、透明で低粘度のプレポリマーが得られる。プレポリマーは、12.4%のNCO含有量、および84%の固形分を有することが見出される。
【0057】
プレポリマーの実施例2
メカニカルスターラーおよび温度調節器を備えた4つ口フラスコからなる実験室用ガラス反応器を用いてイソシアネート成分を製造する。窒素パージ下で、45℃で前溶融させた449.7グラムのISONATE(商標)125Mをフラスコに装填する。反応器の温度を50℃に設定する。撹拌しながら、220.1グラムのMOR-FREE(商標)218を反応器に装入する。温度が75℃を超える場合は、冷却する。反応器の温度を50℃~60℃に冷却した後、330.2グラムのADCOTE(商標)X111-43を反応器に装入する。反応を75℃でさらに2時間保持し、続いて100グラムのISONATE(商標)143Lを添加する。75℃でさらに1時間保持すると、透明で低粘度のプレポリマーが得られる。プレポリマーは、13.3%のNCO含有量、および45℃で6800cpsの粘度を有することが見出される。
【0058】
イソシアネート反応性の実施例1
メカニカルスターラーおよび温度制御器を備えた4つ口フラスコからなる実験室用ガラス反応器を使用して、イソシアネート反応性成分を生成する。反応器の温度を65℃に設定する。窒素パージ下で攪拌しながら、316グラムのINTERMEDIATE(商標)88X102を反応器に装入し、続いて0.6グラムのリン酸、65℃で前溶融させた5グラムのTMP、600グラムのADCOTE(商標)86-116、および84グラムの酢酸エチルを添加する。次いで、反応器の温度を75℃まで上昇させる。75℃で45時間混合すると、透明で低粘度の液体が得られる。混合物は、固形分76.9%、OH価40、および室温粘度890cpsを有することが見出される。
【0059】
イソシアネート反応性の実施例2
メカニカルスターラーおよび温度制御器を備えた4つ口フラスコからなる実験室用ガラス反応器を使用してイソシアネート反応性成分を生成する。反応器の温度を65℃に設定する。窒素パージ下で攪拌しながら、400グラムのMOR-FREE(商標)218を反応器に装填し、続いて600グラムのVORAPEL(商標)T5001を装填する。次いで、反応器の温度を220℃まで上昇させる。連続窒素パージしながら、220℃で5時間反応させた後、透明で低粘度の液体が得られる。混合物は、OH価221を有することが見出されている。
【0060】
次いで、反応器の温度を65℃に下げ、1,000グラムのVORAPEL(商標)T5001を反応器に添加する。65℃で30分間混合した後、混合物を排出し、OH価226で測定する。
【0061】
ラミネートの実施例1
1683.22グラムのイソシアネート反応性の実施例1、15.5グラムのイソシアネート末端シランの実施例1、604.3グラムのプレポリマーの実施例1、および1809.8グラムの酢酸エチルを混合して、50%固形分溶液を得る。次いで、その溶液を、1.7ポンド/連のコーティング重量でPrelam Al基材に適用し、続いてそれを、Nordmeccanica LABO COMBI(商標)パイロットラミネーターを使用して、高スリップLLDPEフィルム(GF-19)と共にラミネートする。LLDPEと箔との間の結合強度を、ラミネート加工直後、ならびにラミネート加工1日後、7日後、および14日後の間隔で測定する。7日後、ボイルインバッグ試験および熱老化試験のために、パウチを、ラミネート構造を使用して作製し、1:1:1のソース(等重量部のケチャップ、酢、および植物油のブレンド)で充填する。結合強度および不良モードに関する結果を表1に要約する。
【0062】
ラミネートの実施例2
1400グラムのイソシアネート反応性の実施例1、13.3グラムのイソシアネート末端シランの実施例2、518.7グラムのプレポリマー実施例1、および1125.6グラムの酢酸エチルを混合して、50%固形分溶液を得る。次いで、その溶液を、1.65ポンド/連のコーティング重量でPrelam Al基材に適用し、続いてそれを、Nordmeccanica LABO COMBI(商標)パイロットラミネーターを使用して、LLDPEフィルム(GF-10)と共にラミネートする。LLDPEと箔との間の結合強度を、ラミネート加工直後、ならびにラミネート加工1日後、7日後、および14日後の間隔で測定する。7日後、ボイルインバッグ試験および熱老化試験のために、パウチを、ラミネート構造を使用して作製し、1:1:1のソース(等重量部のケチャップ、酢、および植物油のブレンド)で充填する。結合強度および不良モードに関する結果を表1に要約する。
【0063】
ラミネートの比較例1
620グラムのプレポリマーの実施例1を、最初に15.5グラムのDYNASYLAN(商標)GLYMOと65℃で1.5時間混合してから、室温に冷却する。次いで、混合物を、1683.22グラムのイソシアネート反応性の実施例1および1809.8グラムの酢酸エチルと混合して、50%固形分溶液を得る。次いで、その溶液を、1.75ポンド/連のコーティング重量でPrelam Al基材に適用し、続いてそれを、Nordmeccanica LABO COMBI(商標)パイロットラミネーターを使用して、高スリップLLDPEフィルム(GF-19)と共にラミネートする。LLDPEと箔との間の結合強度を、ラミネート加工直後、ならびにラミネート加工1日後、7日後、および14日後の間隔で測定する。7日後、ボイルインバッグ試験および熱老化試験のために、パウチを、ラミネート構造を使用して作製し、1:1:1のソース(等重量部のケチャップ、酢、および植物油のブレンド)で充填する。結合強度および不良モードに関する結果は表1に要約する。
【0064】
ラミネートの比較例2
攪拌しながら、15.5グラムのDYNASYLAN(商標)AMEOを、ガラス反応器内の620グラムのプレポリマーの実施例1に滴加する。反応器の温度を65℃以下に維持する。65℃で1.5時間反応させた後、濁った液体が得られる。次いで、混合物を室温まで冷却し、1683.22グラムのイソシアネート反応性の実施例1と混合し、1809.8グラムの酢酸エチルを混合して、50%固形分溶液を得る。次いで、その溶液を、1.68ポンド/連のコーティング重量でPrelam Al基材に適用し、続いてそれを、Nordmeccanica LABO COMBI(商標)パイロットラミネーターを使用して、高スリップLLDPEフィルム(GF-19)と共にラミネートする。LLDPEと箔との間の結合強度を、ラミネート加工直後、ならびにラミネート加工1日後、7日後、および14日後の間隔で測定する。7日後、ボイルインバッグ試験および熱老化試験のために、パウチを、ラミネート構造を使用して作製し、1:1:1のソース(等重量部のケチャップ、酢、および植物油のブレンド)で充填する。結合強度および不良モードに関する結果を表1に要約する。
【0065】
ラミネートの実施例3
100グラムのイソシアネート反応性の実施例2、6.32グラムのイソシアネート末端シランの実施例1、151.68グラムのプレポリマーの実施例2を混合する。次いで、その混合物を、1.15ポンド/連のコーティング重量で金属化PET基材に適用し、続いてそれを、Nordmeccanica LABO COMBI(商標)パイロットラミネーターを使用して、高スリップLLDPEフィルム(GF-19)と共にラミネートする。LLDPEと箔との間の結合強度を、ラミネート加工直後、ならびにラミネート加工3時間後、1日後、7日後、および14日後の間隔で測定する。7日後、ボイルインバッグ試験および熱老化試験のために、パウチを、ラミネート構造を使用して作製し、1:1:1のソース(等重量部のケチャップ、酢、および植物油のブレンド)で充填する。結合強度および不良モードに関する結果を表2に要約する。
【0066】
ラミネートの実施例4
100グラムのイソシアネート反応性の実施例2、6.32グラムのイソシアネート末端シランの実施例2、151.68グラムのプレポリマーの実施例2を混合する。次いで、その混合物を、1.18ポンド/連のコーティング重量で金属化PET基材に適用し、続いてそれを、Nordmeccanica LABO COMBI(商標)パイロットラミネーターを使用して、高スリップLLDPEフィルム(GF-19)と共にラミネートする。LLDPEと箔との間の結合強度を、ラミネート加工直後、ならびにラミネート加工3時間後、1日後、7日後、および14日後の間隔で測定する。7日後、ボイルインバッグ試験および熱老化試験のために、パウチを、ラミネート構造を使用して作製し、1:1:1のソース(等重量部のケチャップ、酢、および植物油のブレンド)で充填する。結合強度および不良モードに関する結果を表2に要約する。
【0067】
ラミネートの比較例3
窒素パージ下で、45℃で前溶融させた117.2グラムのISONATE(商標)125Mを、メカニカルスターラーおよび温度制御器を備えた4つ口フラスコからなる実験室用ガラス反応器に装填する。反応器の温度を50℃に設定する。撹拌しながら、60℃で前溶融させた21.6グラムのADCOTE(商標)X108-53を、反応器に装入する。温度が75℃を超える場合は、冷却する。反応器の温度を50℃~60℃に冷却した後、43.1グラムのBESTER(商標)648を反応器に装入し、続いて40.0グラムのVORANOL(商標)232-034Nおよび0.88グラムのMOR-FREE(商標)C117を添加する。75℃で2時間反応させた後、2.3グラムのISONATE(商標)143Lを反応器に添加する。75℃でさらに1時間混合すると、透明で低粘度のプレポリマーが得られる。プレポリマーは、14.5%のNCO含有量、および25℃で3800cpsの粘度を有することが見出される。
【0068】
窒素パージ下で、18.6グラムのMOR-FREE(商標)88-138、65.9グラムのIntermediate 88-140、および140.5グラムのVORANOL(商標)CP 1055を、メカニカルスターラーおよび温度制御器を備えた4つ口フラスコからなる実験用ガラス反応器に装填する。反応器の温度を50℃に設定する。その温度で45時間混合すると、透明で低粘度の液体が得られる。次いで、混合物を室温まで冷却してから、プレポリマーの共反応物として使用する。混合物は、OH価160を有することが見出されている。
【0069】
82グラムの共反応物および100グラムのプレポリマーを混合する。次いで、その混合物を、1.15ポンド/連のコーティング重量で金属化PET基材に適用し、続いてそれを、Nordmeccanica LABO COMBI(商標)パイロットラミネーターを使用して、高スリップLLDPEフィルム(GF-19)と共にラミネートする。LLDPEと箔との間の結合強度を、ラミネート加工直後、ならびにラミネート加工3時間後、1日後、7日後、および14日後の間隔で測定する。7日後、ボイルインバッグ試験および熱老化試験のために、パウチを、ラミネート構造を使用して作製し、1:1:1のソース(等重量部のケチャップ、酢、および植物油のブレンド)で充填する。結合強度および不良モードに関する結果を表2に要約する。
【表2】
【0070】
表1に示すように、例示的な溶媒系の実施例は、ボイルインバックおよび60℃の老化試験により示されているように、比較例と比較して、改善された耐薬品性および耐熱性を呈する。
【表3】
【0071】
表2に示すように、例示的な無溶媒の実施例は、ボイルインバックおよび60℃の老化試験により示されているように、比較例と比較して、改善された耐薬品性および耐熱性の改善を呈する。
【0072】
上述の実施形態に加えて、特定の組み合わせの多くの実施形態が本開示の範囲内にあり、それらのうちのいくつかを以下に説明する。
実施形態1.二成分接着剤組成物であって、
(A)イソシアネート成分であって、
(i)イソシアネートと、
(ii)ポリイソシアネートと、シラン基および-OH、-SH、および-NHRからなる群から選択され、Rが1~12個のC原子を有するアルキル残基または6~12個のC原子を有する脂環式または芳香族残基を表す、少なくとも1つのイソシアネート反応性基を含むイソシアネート反応性化合物との反応生成物である、イソシアネート末端シラン化合物と、を含む、イソシアネート成分と、
(B)ヒドロキシル末端化合物を含むイソシアネート反応性成分と、を含み、
イソシアネート成分(A)およびイソシアネート反応性成分(B)が、1~5の化学量論比(NCO対OH)で存在する、二成分接着剤組成物。
実施形態2.二成分接着剤組成物であって、
(A)イソシアネート成分であって、
(i)イソシアネートと、
(ii)イソホロンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、それらの混合物、それらの二量体、それらの三量体、それらのプレポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリイソシアネートと、シラン基および-NH2の少なくとも1つのイソシアネート反応性基を含むイソシアネート反応性化合物との反応生成物である、イソシアネート末端シラン化合物と、を含む、イソシアネート成分と、
(B)ヒドロキシル末端化合物を含むイソシアネート反応性成分と、を含み、
イソシアネート成分(A)およびイソシアネート反応性成分(B)が、1~5の化学量論比(NCO対OH)で存在する、二成分接着剤組成物。
実施形態3.イソシアネートが、イソシアネートモノマー、ポリイソシアネート、イソシアネートプレポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、先行または後続のいずれかの実施形態の二成分接着剤組成物。
実施形態4.酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒をさらに含む、先行または後続のいずれかの実施形態の二成分接着剤組成物。
実施形態5.触媒、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、レオロジー改質剤、着色顔料、接着促進剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤をさらに含む、先行または後続のいずれかの実施形態の二成分接着剤組成物。
実施形態6.イソシアネート反応性成分(B)のヒドロキシル末端化合物が、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、天然油系ポリオール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、先行または後続のいずれかの実施形態の二成分接着剤組成物。
実施形態7.イソシアネート反応性成分(B)のヒドロキシル末端化合物が、5~2000mgKOH/グラムのOH価を有する、先行または後続のいずれかの実施形態の二成分接着剤組成物。
実施形態8.イソシアネート反応性成分(B)のヒドロキシル末端化合物が、14~850mgKOH/グラムのOH価を有する、先行または後続のいずれかの実施形態の二成分接着剤組成物。
実施形態9.イソシアネート反応性成分(B)のヒドロキシル末端化合物が、56~500mgKOH/グラムのOH価を有する、先行または後続のいずれかの実施形態の二成分接着剤組成物。
実施形態10.イソシアネート反応性成分(B)のヒドロキシル末端化合物が、2.0~6.0の官能価を有する、先行または後続のいずれかの実施形態の二成分接着剤組成物。
実施形態11.イソシアネート反応性成分(B)のヒドロキシル末端化合物が、2.0~4.0の官能価を有する、先行するまたは後続のいずれかの実施形態の二成分接着剤組成物。
実施形態12.イソシアネート反応性成分(B)のヒドロキシル末端化合物が、2.0~3.0の官能価を有する、先行または後続のいずれかの実施形態の二成分接着剤組成物。
実施形態13.イソシアネート反応性成分(B)のヒドロキシル末端化合物が、25~12,000g/モルの分子量を有する、先行または後続のいずれかの実施形態の二成分接着剤組成物。
実施形態14.イソシアネート反応性成分(B)のヒドロキシル末端化合物が、250~6000g/モルの分子量を有する、先行または後続のいずれかの実施形態の二成分接着剤組成物。
実施形態15.イソシアネート反応性成分(B)のヒドロキシル末端化合物が、350~3,000g/モルの分子量を有する、先行または後続のいずれかの実施形態の二成分接着剤組成物。
実施形態16.二成分接着剤組成物を調製するための方法であって、
(1)1.05/1.0~20.0/1.0の化学量論比で、ポリイソシアネートを、シラン基および-OH、-SH、および-NHRからなる群から選択され、Rが1~12個のC原子を有するアルキル残基または6~12個のC原子を有する脂環式または芳香族残基を表す、少なくとも1つのイソシアネート反応性基を含むイソシアネート反応性化合物と反応させて、イソシアネート末端シラン化合物を形成することと、
(2)イソシアネート末端シラン化合物を、イソシアネートを含むイソシアネート成分と、99.0対1.0~0.5対99.5の混合比で混合して、シラン修飾イソシアネート成分を形成することと、
(3)シラン修飾イソシアネート成分を、ヒドロキシル末端化合物を含むイソシアネート反応性成分と、1.0/1.0~5.0/1.0の化学量論比(NCO/OH)で混合することと、を含む、方法。
実施形態17.二成分接着剤組成物を調製するための方法であって、
(1)1.05/1.0~20.0/1.0の化学量論(NCO/NH)比で、イソホロンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、それらの混合物、それらの二量体、それらの三量体、それらのプレポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリイソシアネートを、シラン基および-NH2の少なくとも1つのイソシアネート反応性基を含むイソシアネート反応性化合物と反応させて、イソシアネート末端シラン化合物を形成することと、
(2)イソシアネート末端シラン化合物を、イソシアネートを含むイソシアネート成分と、99.0対1.0~0.5対99.5の混合比で混合して、シラン修飾イソシアネート成分を形成することと、
(3)シラン修飾イソシアネート成分を、ヒドロキシル末端化合物を含むイソシアネート反応性成分と、1.0/1.0~5.0/1.0の化学量論比(NCO/OH)で混合することと、を含む、方法。
実施形態18.ラミネート構造を形成するための方法であって、
(1)先行または後続のいずれかの実施形態の二成分接着剤を第1の基材の表面にコーティングすることと、
(2)第1の基材の表面を第2の基材の表面と接触させることと、
(3)2つの基板を圧力下でラミネートして、ラミネート構造を形成することと、を含む、方法。
実施形態19.ラミネート構造を形成するための方法であって、
(1)先行するいずれかの実施形態のイソシアネート成分(A)を第1の基材の表面に均一に適用することと、
(2)先行するいずれかの実施形態のイソシアネート反応性成分(B)を第2の基材の表面に均一に適用することと、
(3)第1の基板の表面を第2の基板の表面と接触させ、それにより、イソシアネート成分(A)およびイソシアネート反応性成分(B)を混合および反応させて、第1の基板と第2の基板との間に接着剤組成物を形成することと、
(4)接着剤組成物を硬化させて、第1の基材と第2の基材とを結合させることと、を含む、方法。
実施形態20.実施形態18または実施形態19に従って形成されたラミネート構造体。
実施形態21.先行または後続のいずれかの実施形態に記載の二成分接着剤組成物を含むラミネート構造体。