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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】チャンバーボックス
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/02 20060101AFI20231024BHJP
   F24F 7/003 20210101ALI20231024BHJP
   F24F 7/10 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
F24F13/02 A
F24F7/003
F24F7/10 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021194069
(22)【出願日】2021-11-30
(65)【公開番号】P2023080626
(43)【公開日】2023-06-09
【審査請求日】2021-11-30
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(72)【発明者】
【氏名】河内 雅之
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-019353(JP,A)
【文献】米国特許第06849107(US,B1)
【文献】国際公開第2021/229204(WO,A2)
【文献】特開2020-085392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/02
F24F 7/003
F24F 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が流動可能でかつ被収容物を収容可能なチャンバーボックスであって、
前記被収容物にアクセス可能な少なくとも1つの開口を有するチャンバー本体を備え、
前記少なくとも1つの開口を形成する面において、前記チャンバー本体の内部から外部に向かう法線の方向が、互いに異なる少なくとも3つの方向を含み、
前記少なくとも1つの開口を開閉可能に前記チャンバー本体に連結され、かつ、前記チャンバー本体の内部を封止できる蓋体と、
前記蓋体と前記チャンバー本体との間で架設されて、前記蓋体が開放された状態を維持するための支持部材と、をさらに備える、チャンバーボックス。
【請求項2】
少なくとも3つの開口の各々が、互いに異なる方向の法線を有する、請求項1に記載のチャンバーボックス。
【請求項3】
前記蓋体は、少なくとも1つの支軸で軸支される、請求項1に記載のチャンバーボックス。
【請求項4】
前記蓋体が閉塞された状態を維持する係止部材を、さらに備える、請求項1に記載のチャンバーボックス。
【請求項5】
前記被収容物が、流動する空気を清浄にする空気清浄機である、請求項1に記載のチャンバーボックス。
【請求項6】
前記チャンバー本体は、
空気が流入するダクトが接続される上流壁と、
前記上流壁と対向し、空気が流出するダクトが接続される下流壁と、
前記上流壁と前記下流壁との間に形成された側壁と、を有し、
前記開口は前記側壁に形成される、請求項1~のいずれか1項に記載のチャンバーボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄化ユニットなどを収容可能なチャンバーボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
ダクトなどに設けられ、ダクトを流れる空気を清浄にする空気清浄装置には、メンテナンスなどの作業をするための開口が設けられる。例えば、1つのメンテナンス開口を有するものや(例えば、特許文献1など)や、空気の流路の一部に窓を設けたもの(例えば、特許文献2など)や、空気の流路の2か所を開口できるもの(例えば、特許文献3など)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案第3231577号公報
【文献】特開2009-240502号公報
【文献】特開2006-334553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の装置は、いずれも1ないし2箇所のみを開放するもので、十分に開放できるものでなかった。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものである。その目的は、十分に開放できるチャンバーボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるチャンバーボックスの特徴は、
空気が流動可能でかつ被収容物を収容可能なチャンバーボックスであって、
前記被収容物にアクセス可能な少なくとも1つの開口を有するチャンバー本体を備え、
前記少なくとも1つの開口を形成する面において、前記チャンバー本体の内部から外部に向かう法線の方向が、互いに異なる少なくとも3つの方向を含み、
前記少なくとも1つの開口を開閉可能に前記チャンバー本体に連結され、かつ、前記チャンバー本体の内部を封止できる蓋体と、
前記蓋体と前記チャンバー本体との間で架設されて、前記蓋体が開放された状態を維持するための支持部材と、をさらに備える。
【発明の効果】
【0007】
十分に開放できるチャンバーボックスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態による空気清浄システム10の構成の概略を示す斜視図である。
図2図1における矢印A-A断面を示す断面図である。
図3図1における矢印B-B断面を示す断面図である。
図4】空気清浄化ユニット300の外観を示す斜視図である。
図5】空気清浄化ユニット300の構成を示す斜視図である。
図6図5に示す状態から光触媒フィルタカセットを外したときの状態を示す斜視図である。
図7】光触媒フィルタ344並びに触媒活性用光源350及び不活化用光源360の配置を示す断面図である。
図8】チャンバーボックス100の開放機構1を示す斜視図である。
図9】チャンバーボックス100の開放機構1を示す断面図で、図8における矢印C-C断面を示す断面図である。
図10】上側蓋体162が両開きの機構を有する概略図である。
図11】上側蓋体162が観音開きの機構を有する概略図である。
図12】上側蓋体162と上壁122との間に架設できる連結体170を示す概略図である。
図13】一体に形成した蓋体190を用いて、上側開口152及び前側開口156を同時に開閉できる機構を示す概略図である。
図14】開口150を開閉可能にして、空気清浄化ユニット300を着脱可能にする機構を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<<<<<本実施の形態の詳細>>>>>
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態による空気清浄システム10の構成の概略を示す斜視図である。なお、図1では、空気清浄化ユニット300をかくれ線で示した。図2は、図1における矢印A-A断面を示す断面図である。図3は、図1における矢印B-B断面を示す断面図である。なお、図1図2及び図3では、明瞭及び簡便のため、空気清浄化ユニット300をかくれ線で示した。また、図2及び図3では、明瞭のため、フック132及び134並びにワイヤ136及び138を省略して示した。
【0010】
<<方向>>
<上流方向>
上流方向とは、空気などの流体の供給源に向かう方向である。例えば、上流方向は、空調機(空気調和機)などに向かう方向である。
【0011】
<下流方向>
下流方向とは、上流方向とは反対の方向であり、空気などの流体の供給先に向かう方向である。下流方向は、例えば、空気が供給される建物の部屋などに向かう方向である。
【0012】
<上下流方向>
上下流方向は、上流方向及び下流方向に沿った方向である。向きは問わず、上流方向及び下流方向に沿っていればよい。なお、上下流方向は、水平方向でも垂直方向でも、その他の任意の方向でもよい。
【0013】
<上方向、上側、上向きなど>
上方向は、後述する下方向と逆の方向であり、重力の方向と逆の方向である。
【0014】
<下方向、下側、下向きなど>
下方向は、重力の方向である。すなわち、下方向は、物体を吊り下げた糸の示す方向である。
【0015】
<上下方向>
上下方向は、上方向及び下方向に沿った方向である。向きは問わず、上方向及び下方向に沿っていればよい。
【0016】
<前方向、前側、手前側など>
前方向は、主に、メンテナンスや修理をする作業員の位置に向かう向きである。手前側、手前方向ともいう。前方向は、作業員が操作しやすい側に向かう方向である。
【0017】
<後方向、後側、奥側、奥行き側など>
後方向は、前方向と逆の方向であり、作業員の位置から離れる向きである。奥側、奥側方向、奥行き方向ともいう。後方向は、作業員が操作しにくい側に向かう方向である。
【0018】
<前後方向>
前後方向は、前方向及び後方向に沿った方向である。向きは問わず、前方向及び後方向に沿っていればよい。
【0019】
<<<<空気清浄システム10の構成>>>>
図1に示すように、空気清浄システム10は、チャンバーボックス100と、空調ダクト200と、空気清浄化ユニット300と、を含む。
【0020】
<<<空調ダクト200>>>
空調ダクト200は、建物などに備えられる空調システムを構成する部材である。空調システムは、例えば、戸建て住宅、マンション、商業設備向けの集中空調管理システム等のほか、航空機などの乗り物用の空調システム等もある。
【0021】
空調ダクト200は、一般に長尺な中空構造を有する。空調ダクト200には、空調機(空気調和機)(図示せず)が連結される。空調機は、冷却、暖房、加湿、除湿などの状態を調節した空気を排出する装置である。空調機から排出された空気は、空調ダクト200内を伝って、建物などの部屋などに供給される。すなわち、空調ダクト200の上流側に空調機が接続され、空調ダクト200の下流側に建物などの部屋が接続されて、空調機からの空気が、空調ダクト200によって上流から下流に向かって案内される。
【0022】
<<<チャンバーボックス100>>>
図1及び図2に示すように、チャンバーボックス100は、空調ダクト200の途中に配置される。チャンバーボックス100は、空調ダクト200の設置時にともに配置されても、既設されている空調ダクト200に、追加的に配置されてもよい。
【0023】
チャンバーボックス100は、略直方体状の形状を有する。チャンバーボックス100は、中空状の形状を有する。チャンバーボックス100は、好ましくは角筒状の形状を有する。なお、チャンバーボックス100は、円筒状の形状を有してもよい。
【0024】
チャンバーボックス100は、中空状であることにより、空気清浄化ユニット300を収容するための収容空間CSを確保できる。図1図3に示すように、空気清浄化ユニット300が、空調ダクト200によって形成される収容空間CSに収納される。
【0025】
チャンバーボックス100は、アルミやステンレスなどの薄い金属によって構成される。チャンバーボックス100は、プラスチックなどの樹脂や、ガラスなどによって構成されてもよい。チャンバーボックス100の材質は、強度や熱伝導や軽量化などを考慮して適宜に選択すればよい。
【0026】
<<6つの壁面>>
チャンバーボックス100は、6つの壁面を有する。具体的には、チャンバーボックス100は、上流壁112及び下流壁116と、上壁122、下壁124、前壁126及び後壁128と、を有する。
【0027】
<上流壁112、下流壁116>
上流壁112と下流壁116は、互いに向かい合って配置される。上流壁112と下流壁116は、薄板状の略四角状の形状を有する。上流壁112と下流壁116は、上流から下流に向かう方向に対して垂直な方向に沿った断面と一致する。
【0028】
上流壁112は、空調ダクト200の上流側に位置する。上流壁112は、上流連通口114を有する。上流壁112は、上流側に配置された空調ダクト200に接続される。空調機からの空気が、上流連通口114を介してチャンバーボックス100に流入する。
【0029】
下流壁116は、空調ダクト200の下流側に位置する。下流壁116は、下流連通口118を有する。下流壁116は、下流側に配置された空調ダクト200に接続される。チャンバーボックス100からの空気が、下流連通口118を介して、下流側の空調ダクト200に流出される。
【0030】
<上壁122、下壁124、前壁126、後壁128>
上壁122、下壁124、前壁126、後壁128は、薄板状の略四角状の形状を有する。上壁122と下壁124とが互いに向かい合って平行に配置される。前壁126と後壁128とが互いに向かい合って平行に配置される。上壁122、下壁124、前壁126、後壁128によって、略四角筒状の形状が画定される。
【0031】
上流壁112及び下流壁116と、上壁122、下壁124、前壁126及び後壁128とによって囲繞される空間により、中空状の収容空間CSが画定される。チャンバーボックス100の収容空間CSでは、空気が、主に上流から下流に流動する。
【0032】
<フック132、134及びワイヤ136、138>
上壁122の上流側の端部と下流側の端部との各々に、フック132、134が設けられている。例えば、フック132、134として、アイボルトなどを用いることができる。フック132には、ワイヤ136の下端部が着脱可能に接続され、フック134には、ワイヤ138の下端部が着脱可能に接続される。
【0033】
図1に示すように、チャンバーボックス100及び空調ダクト200は、一般に、天井裏や屋根裏や床下や壁裏などに形成された配置空間LSに配置される。チャンバーボックス100のワイヤ136の上端部及びワイヤ138の上端部は、配置空間LSの上面(図示せず)に係止されることができる。フック132、134及びワイヤ136、138によって、チャンバーボックス100を吊設することができる。なお、フック132、134及びワイヤ136、138に限られず、チャンバーボックス100を一定の位置に設けることができるものであればよい。
【0034】
後述するように、チャンバーボックス100内に空気清浄化ユニット300が取り付けられて重くなる場合がある。チャンバーボックス100が重くなった場合であっても、チャンバーボックス100を吊設することで、配置空間LSに安定して保持することができる。また、チャンバーボックス100を流れる空気の動作によって振動が生じた場合であっても、チャンバーボックス100を吊設することで、配置空間LSの一定の位置に安定して保持することができる。
【0035】
<後側開口158>
チャンバーボックス100は、後側開口158を有する。後側開口158は、後壁128に形成される。後述する空気清浄化ユニット300を、後側開口158を介してチャンバーボックス100に設けることができる。空気清浄化ユニット300は、ボルトなどの締結部材によってチャンバーボックス100に固定される。なお、メンテンナンスや修理の作業性を考慮して、前壁126などの前側に開口を設け(図示せず)、開口を介して空気清浄化ユニット300を後壁128に着脱可能に取り付けるように構成してもよい。
【0036】
なお、空気清浄化ユニット300のチャンバーボックス100への具体的な固定方法は、これに限定されない。例えば、補強部材(図示せず)を介して、空気清浄化ユニット300をチャンバーボックス100に固定してもよい。また、ボルト以外の締結部材やフックなどの係止部材などを用いて空気清浄化ユニット300をチャンバーボックス100に取り付けてもよい。
【0037】
<<チャンバーボックス100の他の態様>>
チャンバーボックス100の形状は、四角筒状だけでなく、円筒状でもよい。また、チャンバーボックス100の形状は、五角筒状や六角筒状などの多角筒状でもよい。
【0038】
チャンバーボックス100の外側表面を断熱部材(図示せず)で被覆してもよい。流動する空気の温度を変化させることなく上流から下流に案内できる。
【0039】
チャンバーボックス100の内側表面の凹凸を少なくして滑らかに形成してもよい。圧力損失を低下させて、円滑に空気を流動させることができる。
【0040】
<<<空気清浄化ユニット300>>>
図4は、空気清浄化ユニット300の外観を示す斜視図である。図5は、空気清浄化ユニット300の構成を示す斜視図である。図6は、図5に示す状態から、後述する光触媒フィルタカセット340を外したときの状態を示す斜視図である。図7は、光触媒フィルタ344並びに触媒活性用光源350及び不活化用光源360の配置を示す断面図である。
【0041】
空気清浄化ユニット300は、光触媒フィルタカセット340と、触媒活性用光源350と、不活化用光源360と、を備える。
【0042】
<光触媒フィルタカセット340>
光触媒フィルタカセット340は、光触媒を担持する光触媒フィルタ344を有する。光触媒フィルタカセット340は、着脱可能にするためカセット状に形成されている。
【0043】
<触媒活性用光源350>
触媒活性用光源350は、紫外光を発する。触媒活性用光源350から発せられた紫外光は、光触媒フィルタカセット340の光触媒フィルタ344に照射される。光触媒フィルタ344の光触媒は、紫外光の照射により活性化する。光触媒フィルタ344の構成については後述する。
【0044】
<不活化用光源360>
不活化用光源360は、触媒活性用光源350から発する紫外光よりも短い波長の紫外光を発する。不活化用光源360から発せられた紫外光は、光触媒フィルタカセット340の光触媒フィルタ344に照射される。触媒活性用光源350から発する紫外光よりも短い波長の紫外光を光触媒フィルタ344に照射することにより、細菌及びウィルスを不活化させる。
【0045】
また、空気清浄化ユニット300は、外板310と、フィルタ用ガイドレール320と、光源支持用フレーム330と、を備える。
【0046】
<外板310>
外板310は、矩形状の形状を有する。外板310は、フィルタ用ガイドレール320を保持したり、空気清浄化ユニット300を空調ダクト200に取り付けたりするための板である。
【0047】
<フィルタ用ガイドレール320>
フィルタ用ガイドレール320は、光触媒フィルタカセット340を着脱可能に支持するための部材である。フィルタ用ガイドレール320は、外板310の内面(空調ダクト200内に臨む面)から空調ダクト200内へと突出するように設けられる。
【0048】
<光源支持用フレーム330>
光源支持用フレーム330は、長尺な形状を有する。光源支持用フレーム330は、外板310の内面から空調ダクト200内へと突出するように設けられる。光源支持用フレーム330には、触媒活性用光源350又は不活化用光源360が設けられる。
【0049】
<光触媒フィルタ344>
光触媒フィルタカセット340は、光触媒フィルタ344を有する。光触媒フィルタ344は、紫外線の照射により光触媒機能を発揮する光触媒を担持する。
【0050】
本実施の形態では、光触媒フィルタ344は、ステンレスやアルミニウム等の無機材料からなるフィルタ基体の表面に、アパタイトや酸化チタン等を含有する光触媒が担持される構造を有する。
【0051】
フィルタ基体は、例えば、ステンレスやアルミニウム等からなる繊維状体を用いて構成された不織布、あるいは、ステンレスやアルミニウム等からなるエキスパンドメタル又はパンチングメタルにより構成される。ステンレスやアルミニウム等の無機材料からなるフィルタ基体を用いることで、フィルタ基体の劣化を抑制し、メンテナンスの削減、交換頻度の削減が可能になる。
【0052】
光触媒の担持方法は、フィルタ基材表面への塗工による方法や、繊維状体基材を用いた場合には繊維状体内へ粒子状の光触媒を担持させる方法などがある。フィルタ基材表面へ担持させる方法は、触媒活性用光源350の発する紫外線を受けやすくできる点で好ましい。一方、繊維状体、メッシュやパンチングメタルを基材として担持させる方法は、空調ダクト200内を流れる空気との接触面積を大きくし、光触媒との接触時間を長くできる点で好ましい。
【0053】
本実施の形態では、光触媒フィルタカセット340は、光触媒フィルタ344とフィルタ用フレーム342とを有する。光触媒フィルタ344は、フィルタ用フレーム342により保持される。光触媒フィルタ344は、フィルタ用フレーム342への保持によって、平坦な形状に延在する。なお、本実施の形態では、2つの光触媒フィルタカセット340を用いているが、光触媒フィルタカセット340の数は、これに限定されず、1つでも3つ以上でもよい。
【0054】
<光触媒フィルタカセット340の支持>
光触媒フィルタカセット340は、互いに向かい合う一対のフィルタ用ガイドレール320により着脱可能に支持される。
【0055】
フィルタ用ガイドレール320は、長尺な形状を有する。フィルタ用ガイドレール320は、先端側(突出端側(外板310から離れる側))と基端側(外板310側)とを有する。
【0056】
フィルタ用ガイドレール320は、断面が略U字状の形状を有する。フィルタ用ガイドレール320は、底溝部と、2つの側壁部とを有する。2つの側壁部は、底溝部を挟んで底溝部から突設され、互いに平行になって向かい合う。互いに離隔する2つの側壁部によって開口部が形成される。
【0057】
一対のフィルタ用ガイドレール320は、開口部が互いに向かい合い、底溝部が互いに離れるように配置される。
【0058】
本実施の形態では、空気清浄化ユニット300は、2つの光触媒フィルタカセット340を有する。2つの光触媒フィルタカセット340の各々に、互いに向かい合う1対のフィルタ用ガイドレール320が用いられる。
【0059】
光触媒フィルタカセット340は、互いに向かい合う1対のフィルタ用ガイドレール320に挟持されて保持される。互いに向かい合う1対のフィルタ用ガイドレール320の先端側(突出端側)から基端側(外板310側)に向かって、光触媒フィルタカセット340の端部をフィルタ用ガイドレール320の開口部内にスライドさせ挿入する。このようにして、光触媒フィルタカセット340が、1対のフィルタ用ガイドレール320を介して外板310へと装着される。
【0060】
光触媒フィルタカセット340のフィルタ用フレーム342は、係止片346を有する。係止片346は、フィルタ用ガイドレール320と向かい合う側に向かって突出する。係止片346は、光触媒フィルタカセット340のスライド方向に対して垂直方向(すなわち、光触媒フィルタ344の法線方向に対して垂直な方向)に突出する。一方、フィルタ用ガイドレール320は、係止孔322を有する。
【0061】
光触媒フィルタカセット340がフィルタ用ガイドレール320に装着されると、光触媒フィルタカセット340の係止片346が、フィルタ用ガイドレール320の係止孔322に係止される。これにより、光触媒フィルタカセット340が、フィルタ用ガイドレール320の所定の位置に固定される。
【0062】
<触媒活性用光源350及び不活化用光源360>
触媒活性用光源350は、光触媒フィルタカセット340に紫外光を照射して光触媒を活性化させるための光源である。不活化用光源360は、細菌やウィルスを不活化させるための光源である。触媒活性用光源350と不活化用光源360とを共通化せずに別個に構成することで、光触媒を活性化することによる脱臭等の効果と、細菌やウィルスを不活化させる効果との両方を、十分に得ることが可能になる。特に、空調ダクト200は、通常の室内用空気清浄機等と比較すると、処理する空気量が多い。このため、脱臭や細菌等の不活化の効果を十分に得るベく、触媒活性用光源350と不活化用光源360とを別個に構成することが望ましい。
【0063】
触媒活性用光源350は、複数の発光ダイオード352を有する。複数の発光ダイオード352は、略直線状に配置される。不活化用光源360は、複数の発光ダイオード362を有する。複数の発光ダイオード362は、略直線状に配置される。触媒活性用光源350を発光ダイオード352により構成し、不活化用光源360を発光ダイオード362により構成することで、例えば、紫外線ランプを用いた場合と比較して、触媒活性用光源350及び不活化用光源360のサイズを小さくできる。具体的には、触媒活性用光源350及び不活化用光源360を薄く形成することができる。このようにすることで、触媒活性用光源350及び不活化用光源360によって、空調ダクト200内の空気抵抗が増加することを抑制することができる。このため、触媒活性用光源350及び不活化用光源360を小さい(細い)空調ダクト200にも適用することができる。
【0064】
また、触媒活性用光源350を発光ダイオード352により構成し、不活化用光源360を発光ダイオード362により構成することで、例えば、紫外線ランプを用いた場合と比較して消費電力を抑えることができる。
【0065】
さらに、発光ダイオード352及び362は、寿命が長く、例えば、5年以上の発光ダイオード交換を必要としない。このため、年に1回程度の交換が必須となる紫外線ランプと比較すると、交換の手間やランニングコストを低減し、メンテナンス性も向上できる。特に、本実施の形態のように、触媒活性用光源350を発光ダイオード352により、不活化用光源360を発光ダイオード362により、別個に構成することで、効果を非常に大きくできる。
【0066】
触媒活性用光源350を構成する発光ダイオード352として、波長360nm以上380nm以下の紫外光を発する発光ダイオードを用いる。本実施の形態では、波長365nmの紫外光を発する発光ダイオード352を触媒活性用光源350として用いた。
【0067】
不活化用光源360を構成する発光ダイオード362として、触媒活性用光源を構成する発光ダイオード352よりも短い波長の紫外光を照射するものを用いる。より具体的には、不活化用光源360を構成する発光ダイオード362として、波長250nm以上280nm以下の深紫外光を発する発光ダイオードを用いる。本実施の形態では、波長280nmの深紫外光を発する発光ダイオード362を不活化用光源360として用いた。
【0068】
図6に示すように、複数の発光ダイオード352が、光源支持用フレーム330に略直線列に並んで配置され、触媒活性用光源350を構成する。複数の発光ダイオード362が、光源支持用フレーム330に略直線列に並んで配置され、不活化用光源360を構成する。発光ダイオード352が配置される光源支持用フレーム330と発光ダイオード362が配置される光源支持用フレーム330とは、互いに平行に離隔して配置される。このため、複数の発光ダイオード352及び複数の発光ダイオード362は、全体としてマトリックス状(複数の格子の交点上)に配置される。
【0069】
本実施の形態では、空気清浄化ユニット300は、2つの光触媒フィルタカセット340を有する。2つの光触媒フィルタカセット340は、互いに離隔して向かい合って配置される。2つの光触媒フィルタカセット340の光触媒フィルタ344の間に、触媒活性用光源350及び不活化用光源360が配置される。
【0070】
図6及び図7に示すように、空気清浄化ユニット300は、合計で、4個の触媒活性用光源350及び2個の不活化用光源360を有する。6本の光源支持用フレーム330が外板310に突設されている。6本の光源支持用フレーム330は、外板310から垂直に延出する。6本の光源支持用フレーム330は、互いに離隔して平行に配置される。4個の触媒活性用光源350及び2個の不活化用光源360の各々は、光源支持用フレーム330に取り付けられる。
【0071】
2つの光触媒フィルタ344の各々に、2個の触媒活性用光源350及び1個の不活化用光源360が対応付けられて配置される。光触媒フィルタ344の各々に対応する2個の触媒活性用光源350は、1個の不活化用光源360を挟んで平行に配置される。2個の触媒活性用光源350及び1個の不活化用光源360から発せられる紫外線は、対応する光触媒フィルタ344に向かって進み照射される。
【0072】
触媒活性用光源350は、不活化用光源360よりも光触媒フィルタカセット340から遠い位置に配置される。これにより、比較的サイズの大きい光触媒フィルタ344に対しても、触媒活性用光源350からの紫外光を光触媒フィルタ344の全体に照射でき、光触媒の活性効果を十分に得ることができる。また、不活化用光源360は、触媒活性用光源350よりも光触媒フィルタカセット340から近い位置に配置される。これにより、不活化用光源360による細菌やウィルスの不活性効果も十分に得ることが可能になる。
【0073】
図7に示すように、触媒活性用光源350及び不活化用光源360は、発せられる紫外光が内側(空調ダクト200内の中央側)から外側(空調ダクト200の内壁側)に向かうように設けられている。これにより、触媒活性用光源350及び不活化用光源360用の配線を、空気清浄化ユニット300の中央部に集めることができ、配線レイアウトを簡略化できる。ただし、これに限らず、外側(空調ダクト200の内壁側)から内側(空調ダクト200内の中央側)に向けて紫外光を発するように、触媒活性用光源350及び不活化用光源360を設けてもよい。この場合、空調ダクト200の内壁に紫外光が照射されにくくなるので、空調ダクト200の劣化を抑制することが可能になる。
【0074】
なお、本実施の形態では、光触媒フィルタ344の延在する面が、上流から下流に向かう空気の流れと平行になるように、光触媒フィルタ344を配置する場合について説明したが、光触媒フィルタ344の配置は、これに限られない。例えば、光触媒フィルタ344の延在する面が、空気の流れに対して垂直になるように、光触媒フィルタ344を配置してもよい。また、光触媒フィルタ344の延在する面が、空気の流れに対して所定の角度をなすように、光触媒フィルタ344を配置してもよい。
【0075】
図4に示すように、外板310の表側(空調ダクト200の外側に露出する面)には、ハンドル312が設けられている。作業者がハンドル312を把持して、空気清浄化ユニット300を空調ダクト200に着脱することができる。
【0076】
外板310の表側には、電源ジャック314が設けられている。電源ジャック314に、電源プラグ(図示せず)が差し込まれる。電源プラグは、電源供給装置(図示せず)から延びる電源コード(図示せず)の端部に設けられている。
【0077】
電源ジャック314の近傍には、通知用発光ダイオード316が設けられている。通知用発光ダイオード316は、電源供給の状態や、触媒活性用光源350及び不活化用光源360の駆動の状態などを発光により通知する。
【0078】
<<<チャンバーボックス100の開放機構1>>>
図8は、チャンバーボックス100の開放機構1を示す斜視図である。なお、図8では、簡便のため、空気清浄化ユニット300を直方体で示した。図9は、チャンバーボックス100の開放機構1を示す断面図で、図8における矢印C-C断面を示す断面図である。なお、図9では、簡便のため、空気清浄化ユニット300を破線の長方形で示した。
【0079】
<<上側開口152、下側開口154、前側開口156>>
上壁122は、上側開口152を有する。下壁124は、下側開口154を有する。前壁126は、前側開口156を有する。上側開口152、下側開口154、前側開口156は、略四角状の形状を有する。
【0080】
なお、前述したように、後壁128は後側開口158を有する。後側開口158を介して、空気清浄化ユニット300がチャンバーボックス100に着脱可能に取り付けられる。空気清浄化ユニット300は、チャンバーボックス100の収容空間CSに配置される。
【0081】
上側開口152、下側開口154、前側開口156の3つの開口を設けたことにより、チャンバーボックス100の収容空間CSを十分に開放することができる。上側開口152、下側開口154、前側開口156を介して、収容空間CSに配置されている空気清浄化ユニット300にアクセスすることができる。空気清浄化ユニット300のメンテナンスや修理などを容易かつ簡便に行うことができる。
【0082】
<<開口の法線及び法線の方向>>
前述したように、チャンバーボックス100は、上側開口152、下側開口154、前側開口156と、後側開口158との4つの開口を有する。
【0083】
チャンバーボックス100は、これらの4つの開口の各々に対して法線を有する。法線は、一般に、曲面上の一点において、この点における曲面の接平面に直交する直線と定義できる。特に、平面である場合には、平面の接平面は、1つのみとなり、法線は、接平面に直交する直線となる。平面の接平面に直交する直線は、1つの方向のみであり、平面の法線の方向は1つである。
【0084】
チャンバーボックス100の場合には、以下の4つの法線を有する。上側開口152の法線は、上方に向かう法線NLUである。下側開口154の法線は、下方に向かう法線NLDである。前側開口156の法線は、前方に向かう法線NLFである。後側開口158の法線は、上方に向かう法線NLRである。
【0085】
<上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166>
チャンバーボックス100は、上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166を有する。上側蓋体162は、上側開口152を閉じ封止する。下側蓋体164は、下側開口154を閉じ封止する。前側蓋体166は、前側開口156を閉じ封止する。上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166によって、チャンバーボックス100を封止でき、収容空間CSの環境を清浄に保つことができる。
【0086】
上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166は、薄板状の四角状の形状を有する。上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166は、例えば、アルミやステンレスなどの金属などによって形成される。上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166は、プラスチックなどの樹脂や、ガラスなどによって構成されてもよい。上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166の材質は、強度や封止性や熱伝導や軽量化などを考慮して適宜に選択すればよい。
【0087】
上側蓋体162と上側開口152との間や、下側蓋体164と下側開口154との間や、前側蓋体166と前側開口156との間には、パッキングなどの各種の封止部材を設けてもよい。封止部材によって、間隙を小さくし、温度の変化や塵埃の侵入などを防止して、チャンバーボックス100内の環境を保つことができる。
【0088】
上壁122は、蝶番142A及び142Bを有する。蝶番142A及び142Bは、上側開口152の端部と上側蓋体162の端部とを連結する。蝶番142A及び142Bは、上側蓋体162を軸支する。上側蓋体162は、蝶番142A及び142Bを回転中心として回転できる。上側蓋体162の回転により、上側蓋体162を上側開口152に対して開閉できる。上側蓋体162の回転軸(支軸)は、上下流方向と平行である。上側蓋体162を開くことで、チャンバーボックス100の収容空間CSを開放する。上側蓋体162を閉じることで、チャンバーボックス100を封止する。
【0089】
下壁124は、蝶番144A(図示せず)及び144Bを有する。蝶番144A及び144Bは、下側開口154の端部と下側蓋体164の端部とを連結する。蝶番144A及び144Bは、下側蓋体164を軸支する。下側蓋体164は、蝶番144A及び144Bを回転中心として回転できる。下側蓋体164の回転により、下側蓋体164を下側開口154に対して開閉できる。下側蓋体164の回転軸(支軸)は、上下流方向と平行である。下側蓋体164を開くことで、チャンバーボックス100の収容空間CSを開放する。下側蓋体164を閉じることで、チャンバーボックス100を封止する。
【0090】
前壁126は、蝶番146A及び146Bを有する。蝶番146A及び146Bは、前側開口156の端部と前側蓋体166の端部とを連結する。蝶番146A及び146Bは、前側蓋体166を軸支する。前側蓋体166は、蝶番146A及び146Bを回転中心として回転できる。前側蓋体166の回転により、前側蓋体166を前側開口156に対して開閉できる。前側蓋体166の回転軸(支軸)は、上下流方向と平行である。前側蓋体166を開くことで、チャンバーボックス100の収容空間CSを開放する。前側蓋体166を閉じることで、チャンバーボックス100を封止する。
【0091】
チャンバーボックス100の開放機構1では、上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166の回転軸は、いずれも上下流方向と平行な方向であるが、回転軸(支軸)を上下流方向に対して垂直な方向にしてもよい。配置空間LSにおけるチャンバーボックス100や空調ダクト200の位置や方向などに応じて適宜に回転軸の向きを定めればよい。メンテナンスや修理などを容易かつ簡便に行うことができるように、上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166の開閉方向を定めればよい。
【0092】
また、チャンバーボックス100の開放機構1では、上側蓋体162及び下側蓋体164の前側が開くように蝶番を設けたが、上側蓋体162の後側が開くように蝶番を設けてもよい。前側蓋体166の下側が開くように蝶番を設けたが、前側蓋体166の上側が開くように蝶番を設けてもよい。
【0093】
<掛止機構>
図8に示すように、上側蓋体162は掛止突起182aを有し、上壁122は掛止孔182bを有する。上側蓋体162が閉塞されたときには、掛止突起182aが掛止孔182bによって掛止されて、上側蓋体162の閉塞状態が維持される。掛止突起182a及び掛止孔182bは、例えば、プッシュロック機構からなる。上側蓋体162が閉じられているときに、作業者が上側蓋体162を押すことによって、掛止が解除され、上側蓋体162を開くことができる。
【0094】
下側蓋体164は掛止突起184aを有し、下壁124は掛止孔184bを有する。下側蓋体164が閉塞されたときには、掛止突起184aが掛止孔184bによって掛止されて、下側蓋体164の閉塞状態が維持される。掛止突起184a及び掛止孔184bは、同様に、プッシュロック機構からなる。下側蓋体164が閉じられているときに、作業者が下側蓋体164を押すことによって、掛止が解除され、下側蓋体164を開くことができる。
【0095】
前側蓋体166は掛止突起186aを有し、前壁126は掛止孔186bを有する。前側蓋体166が閉塞されたときには、掛止突起186aが掛止孔186bによって掛止されて、前側蓋体166の閉塞状態が維持される。掛止突起186a及び掛止孔186bは、同様に、プッシュロック機構からなる。前側蓋体166が閉じられているときに、作業者が前側蓋体166を押すことによって、掛止が解除され、前側蓋体166を開くことができる。
【0096】
<<<チャンバーボックス100の開放機構2>>>
チャンバーボックス100の開放機構1では、上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166は、いずれも片開きのものであった。すなわち、上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166の各々は、1つの支軸のみを有する1つの扉を開閉する機構であった。
【0097】
これに対して、上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166を、両開きで開放できる機構としてもよい。図10は、上側蓋体162が両開きの機構を有する概略図である。図10に示す例は、上側蓋体162は、前側に開放することも、後側に開放することもできる機構を示す。なお、図10では、簡便のため、空気清浄化ユニット300を破線の長方形で示した。
【0098】
なお、図10に示すように、チャンバーボックス100の開放機構1と同様に、上側開口152の法線は、上方に向かう法線NLUである。下側開口154の法線は、下方に向かう法線NLDである。前側開口156の法線は、前方に向かう法線NLFである。後側開口158の法線は、上方に向かう法線NLRである。
【0099】
本実施の形態において、両開きとは、2本の支軸SA1及びSA2を有する1つの蓋体を扉として開閉する機構である。すなわち、2本の支軸SA1及びSA2を有することで、一方の支軸SA1を中心にして回転したり、他方の支軸SA2を中心にして回転したりすることで、上側蓋体162を開閉できる。なお、図10に示した例では、上側蓋体162を両開きで開放する例を示したが、下側蓋体164及び前側蓋体166についても、同様に両開きで開放することができる。
【0100】
蓋体が開放される向きや側を考慮せずにチャンバーボックス100を設置でき、チャンバーボックス100の設置作業を簡便にできる。
【0101】
開放機構1と同様に、プッシュロック機構からなる掛止機構を設けることができる。開放機構2の場合には、前側と後側の2か所に掛止機構を設ける。
【0102】
<<<チャンバーボックス100の開放機構3>>>
上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166を、観音開きで開放できる機構としてもよい。図11は、観音開きで上側蓋体162を開放する機構を示す概略図である。例えば、上側蓋体162を1枚ではなく2枚の蓋体162A及び162Bで構成し、2枚の蓋体162A及び162Bを併置し、2枚の蓋体162A及び162Bが互いに離隔する方向に回転させて開放できるようにすることができる。なお、図11では、簡便のため、空気清浄化ユニット300を破線の長方形で示した。
【0103】
なお、図11に示すように、チャンバーボックス100の開放機構1と同様に、上側開口152の法線は、上方に向かう法線NLUである。下側開口154の法線は、下方に向かう法線NLDである。前側開口156の法線は、前方に向かう法線NLFである。後側開口158の法線は、上方に向かう法線NLRである。
【0104】
蓋体162A及び162Bを観音開きで開放することで、チャンバーボックス100から突出する最大突出長さPLを短くできる。このため、チャンバーボックス100が配置された配置空間LSが狭い場合でも、的確にチャンバーボックス100を開放できる。なお、図11に示した例では、上側蓋体162を観音開きで開放する例を示したが、下側蓋体164及び前側蓋体166についても、同様に観音開きで開放することができる。
【0105】
また、2枚の蓋体162A及び162Bの幅W(図11参照)を等しくして、2枚の蓋体162A及び162Bを対称に構成しても、2枚の蓋体の幅を異ならしめて非対称に構成してもよい。チャンバーボックス100が配置される配置空間LSの大きさや、チャンバーボックス100の位置などに応じて適宜に定めればよい。
【0106】
開放機構1と同様に、プッシュロック機構からなる掛止機構を設けることができる。開放機構3の場合には、蓋体162A用の掛止機構及び蓋体162b用の掛止機構の2つの掛止機構を設ける。
【0107】
<<<チャンバーボックス100の開放機構4>>>
上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166が開放された状態を維持できるように、連結体170を設けてもよい。図12は、上側蓋体162と上壁122との間に架設できる連結体170を示す概略図である。開放された上側蓋体162と上壁122との間に連結体170を架設することで、上側蓋体162の開放状態を維持できる。なお、図12では、簡便のため、空気清浄化ユニット300を破線の長方形で示した。
【0108】
なお、図12に示すように、チャンバーボックス100の開放機構1と同様に、上側開口152の法線は、上方に向かう法線NLUである。下側開口154の法線は、下方に向かう法線NLDである。前側開口156の法線は、前方に向かう法線NLFである。後側開口158の法線は、上方に向かう法線NLRである。
【0109】
連結体170は、長尺な形状を有する。連結体170は、第1の端部172と第2の端部174とを有する。第1の端部172は、上側開口152で、回転可能に保持される。第2の端部174は、第1の端部172を回転中心とした自由端となる。連結体170は、使用しないときには、チャンバーボックス100内に収納できる。連結体170は、使用するときには、チャンバーボックス100から突出させることができる。
【0110】
連結体170をチャンバーボックス100から突出させ、第2の端部174を上側蓋体162に当接することで、上側蓋体162の開放状態を維持できる。
【0111】
また、上側蓋体162に係止端176を設けて、第2の端部174を係止端176に係止させてもよい。上側蓋体162を安定させて開放状態を維持できる。第2の端部174と係止端176との係止は、ラッチ機構(係止突起と係止孔など)などの力学的な機構によるものでも、磁力を用いた磁気的な機構によるものでもよい。
【0112】
連結体170は、一定の長さを有する構造でも、伸縮可能なロッドアンテナ状の構造やガスシリンダー状の構造でもよい。上側蓋体162の開度を、作業の内容などに応じて調節できる。また、連結体170は、チャンバーボックス100から完全に取り外し可能な別体に構成してもよい。連結体170を収容するための空間を確保する必要がなくなり、チャンバーボックス100内で空気を的確に流動させることができたり、チャンバーボックス100内の空間を有効に活用できたりする。
【0113】
連結体170の形状や大きさや位置や数は、問わない。上側蓋体162の開放状態を維持できるものであればよい。また、図12に示した例では、上側蓋体162の開放状態を維持する例を示したが、下側蓋体164及び前側蓋体166についても、同様に開放状態を維持することができる。
【0114】
開放機構4の場合にも、開放機構1と同様のプッシュロック機構からなる掛止機構を設けることができる。
【0115】
前述した開放機構2及び3の場合にも、開放機構4の連結体170及び係止端176を設けることができる。開放機構2及び3でも、開放状態を維持することができる。
【0116】
<<<チャンバーボックス100の開放機構5>>>
上側蓋体162及び前側蓋体166を一体に形成した蓋体190を用いて、上側開口152及び前側開口156を同時に開閉できるようにしてもよい。図13は、一体型の蓋体190を用いて、上側開口152及び前側開口156を同時に開閉できる機構を示す概略図である。なお、図13では、簡便のため、空気清浄化ユニット300を破線の長方形で示した。
【0117】
なお、図13に示すように、チャンバーボックス100の開放機構1と同様に、上側開口152の法線は、上方に向かう法線NLUである。下側開口154の法線は、下方に向かう法線NLDである。前側開口156の法線は、前方に向かう法線NLFである。後側開口158の法線は、上方に向かう法線NLRである。
【0118】
蓋体190は、断面が略L字状の屈曲した形状を有する。蓋体190は、2枚の平坦な板からなる。蓋体190は、2枚の平坦な板のなす角が90度となるように、2枚の平坦な板を接合した形状を有する。
【0119】
蓋体190は、上側開口152の端部に軸支される。蓋体190を閉じたときには、上側開口152及び前側開口156の双方を同時に閉塞できる。蓋体190を開いたときには、上側開口152及び前側開口156の双方を同時に開放できる。
【0120】
上側開口152及び前側開口156の双方を同時に開閉できるので、メンテナンスや修理などの操作を簡便に行うことができる。
【0121】
前述した例では、2枚の平坦な板のなす角が一定の90度となる蓋体190を示した。これに限られず、2枚の平坦な板のなす角が変更できる構造でもよい。例えば、2枚の平坦な板を蝶番などで連結し、開放したときに、適宜に折り曲げることができる。このようにすることで、チャンバーボックス100が配置された配置空間LSが狭い場合でも、的確にチャンバーボックス100を開放できる。折り曲げる向きは、チャンバーボックス100に近づく方向でも、遠ざかる方向でもよい。180度に亘って折り曲げられるようにするのが好ましい。
【0122】
解放機構5に、開放機構1と同様のプッシュロック機構からなる掛止機構を設けることができる。さらに、解放機構5に、開放機構4と同様の連結体170及び係止端176を設けることができる。
【0123】
<<<チャンバーボックス100の開放機構6>>>
開放機構1~5では、上側開口152、下側開口154、前側開口156を開閉する機構を示した。前述したように、後壁128は、後側開口158を有する。後側開口158を介して、空気清浄化ユニット300がチャンバーボックス100に配置される。後側開口158も開閉可能にでき、空気清浄化ユニット300の交換などを容易にすることができる。図14は、後側開口158を開閉可能にして、空気清浄化ユニット300を着脱可能にする機構を示す概略図である。なお、図14では、簡便のため、空気清浄化ユニット300を破線の長方形で示した。
【0124】
なお、図14に示すように、チャンバーボックス100の開放機構1と同様に、上側開口152の法線は、上方に向かう法線NLUである。下側開口154の法線は、下方に向かう法線NLDである。前側開口156の法線は、前方に向かう法線NLFである。後側開口158の法線は、上方に向かう法線NLRである。
【0125】
前述したように、空気清浄化ユニット300は、外板310を有する。外板310を後壁128に取り付ける。後側蓋体168は、開口150を有する。後側蓋体168の開口150を介して空気清浄化ユニット300を挿通して、外板310を後側蓋体168に取り付けることができる。このようにして、後側蓋体168と空気清浄化ユニット300とを一体化できる。図14に示すように、後側蓋体168を開くことで、空気清浄化ユニット300をチャンバーボックス100の外部に導出できる。
【0126】
図14に示す例では、後側蓋体168は、後側開口158の下部で軸支されている。後側蓋体168を開閉したときに、常に、後側蓋体168は、後側開口158の下部で支えられる。このため、外板310を介して後側蓋体168に取り付けられた空気清浄化ユニット300も軸支される。このため、空気清浄化ユニット300を、チャンバーボックス100から離脱することなく、チャンバーボックス100の外部に導出したり、チャンバーボックス100の内部に収納したりすることできる。このため、空気清浄化ユニット300が重い場合であっても、空気清浄化ユニット300をチャンバーボックス100に支持した状態を保つことができ、メンテナンスや修理などの作業を安全かつ的確に行うことができる。
【0127】
このように、後側開口158を開閉可能にすることで、上側開口152、下側開口154、前側開口156、後側開口158の四方向にチャンバーボックス100を開放することができる。四方向を開放することで、チャンバーボックス100の内部に容易にアクセスすることが可能となる。
【0128】
解放機構6に、開放機構1と同様のプッシュロック機構からなる掛止機構を設けることができる。さらに、解放機構6に、開放機構4と同様の連結体170及び係止端176を設けることができる。
【0129】
<<<チャンバーボックス100のその他の開放機構>>>
開放機構1~6では、上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166、後側蓋体168を、チャンバーボックス100に軸支することで、チャンバーボックス100に連結された状態を維持して開閉可能にする機構を示した。これに限られず、上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166、後側蓋体168を、チャンバーボックス100から完全に取り外せる機構としてもよい。上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166、後側蓋体168によって、作業が妨げられることがなくなり、より円滑に作業を進めることができる。
【0130】
開放機構1~6では、上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166、後側蓋体168を、チャンバーボックス100に軸支することで、チャンバーボックス100に対して回転させて開閉可能にする機構を示した。これに限られず、引き戸のように、蓋体を平行移動させて(スライドさせて)開閉する機構でもよい。
【0131】
開放機構1~6では、薄板状の形状を有する上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166、後側蓋体168を用いたが、蓋体の態様は、これに限られない。例えば、シャッター(長尺な複数の部材を連接した構造)やブラインドやロールカーテンのように伸縮性や可撓性を有するものでもよい。特に、開放したときに収容されたり巻回されたりするような機構を有する機構が好ましい。このような開閉機構とすることで、開放されたときに、蓋体に妨げられることなく、作業をすることができる。
【0132】
なお、シャッターやブラインドやロールカーテンのような開放機構の場合には、上側開口152、下側開口154、前側開口156、後側開口158の各々を別個に開閉できるようにしても、これらの開口のうちの少なくとも2つの開口を開閉できるようにしてもよい。
【0133】
さらに、カメラのシャッター(複数の羽根を向かいわせて開閉する構造)に類似した開閉機構としてもよい。
【0134】
<<<<実施の形態の範囲>>>>
上述したように、本実施の形態を記載した。しかし、この開示の一部をなす記載及び図面は、限定するものと理解すべきでない。ここで記載していない様々な実施の形態等が含まれる。
【0135】
(発明の実施態様)
<<第1の実施態様>>
第1の実施態様によれば、
空気が流動可能(例えば、前述した空調ダクト200からの供給など)でかつ被収容物(例えば、前述した空気清浄化ユニット300など)を収容可能なチャンバーボックス(例えば、前述したチャンバーボックス100など)であって、
前記被収容物にアクセス可能な少なくとも1つの開口(例えば、前述した上側開口152、下側開口154、前側開口156、後側開口158など)を有するチャンバー本体(例えば、前述した上壁122、下壁124、前壁126、後壁128など)を備え、
前記少なくとも1つの開口を形成する面の法線の方向が、互いに異なる少なくとも3つの方向(例えば、前述した上方向、下方向、前方向、後方向など)を含む、チャンバーボックスが提供される。
【0136】
チャンバーボックスは、空気が流動できる空間を有する。例えば、チャンバーボックスは、ダクトに接続される。ダクトの接続によって、チャンバーボックスには上流から下流に向かって流体(例えば、空気など)が流動する。チャンバーボックスは、被収容物を収容できる。被収容物の種類は問わない。被収容物は、流体を清浄にする装置や、流体の性状を変更する装置や、これらの装置に関連する装置(例えば、制御装置など)など、各種の装置にすることができる。
【0137】
チャンバーボックスは、チャンバー本体を備える。チャンバー本体は、チャンバーボックスを構成する部材などであればよい。例えば、チャンバー本体は、壁体や、フレーム体などにすることができる。
【0138】
チャンバー本体は、被収容物にアクセス可能な少なくとも1つの開口を有する。アクセスとは、開口を介して、被収容物に働きかけたり被収容物を利用したりすることをいう。被収容物に対して、直接的に働きかけたり利用したりしても、間接的に働きかけたり利用したりしてもよい。力学的な働きかけや利用や、電磁気的な働きかけや利用や、熱的な働きかけや利用でもよい。被収容物の状態を変更したり状態を取得したりなど、被収容物の機能や属性に関連する働きかけや利用であればよく、働きかけや利用の種類は問わない。
【0139】
チャンバー本体は、少なくとも1つの開口を有する。すなわち、チャンバー本体は、1つの開口を有しても、複数の開口を有してもよい。チャンバー本体が有する開口の数や大きさは問わない。
【0140】
開口を形成する面の形状は、平面(平坦面)だけでなく、湾曲した面や、屈曲した面などである。開口を形成する面の形状は、開口の輪郭(開口の外形を形づくる線)から特定できる。
【0141】
連続的に開口する単一の開口の輪郭が、一の平面のみに含まれる場合には、開口を形成する面の形状は平坦面となる。この場合には、開口の法線は、開口(平坦面)に垂直な直線であり、1つの方向のみとなる。
【0142】
連続的に開口する単一の開口の輪郭が、湾曲している場合には、開口を形成する面の形状は、湾曲した輪郭によって特定される湾曲面となる。この場合には、開口の法線は、開口(湾曲面)に垂直な直線であり、法線の方向は、複数の方向となる。
【0143】
連続的に開口する単一の開口の輪郭が、屈曲して(折れ曲がって)いる場合には、開口をなす面の形状は、屈曲した輪郭によって特定される屈曲面となる。屈曲面からなる開口は、複数の平坦面からなる。この場合には、開口の法線は、屈曲面を構成する複数の平坦面の各々に垂直な直線であり、法線の方向は、平坦面の数に応じた複数の方向となる。
【0144】
チャンバー本体において、少なくとも1つの開口を形成する面の法線の方向が、互いに異なる少なくとも3つの方向を含む。
【0145】
例えば、チャンバー本体に形成された開口が1つのみであり、開口が湾曲面によって形成されている場合には、湾曲面の法線の方向は様々な方向となる。この場合には、開口の法線の方向は、互いに異なる少なくとも3つの方向を含む。
【0146】
また、チャンバー本体に形成された開口が1つのみであり、開口が、互いに異なる方向に向かう3つ以上の連続した平坦面からなる屈曲面によって形成されている場合には、屈曲面の法線の方向は、平坦面の数に応じた方向となる。この場合には、開口の法線の方向は、平坦面の各々に応じて、互いに異なる少なくとも3つの方向を含む。
【0147】
さらに、チャンバー本体に形成された開口が互いに異なる独立した別個の3つの開口であり、各々の開口が、平坦面からなり互いに異なる方向に開口している場合には、開口の法線の方向は、平坦面の各々に応じた方向となる。この場合には、開口の法線の方向は、平坦面の各々に応じて、互いに異なる少なくとも3つの方向を含む。
【0148】
第1の実施態様によるチャンバーボックスは、互いに異なる3方向に向かう法線を含む開口を有するので、チャンバーボックスを十分に開放できる。メンテナンスや修理などの操作を円滑かつ簡便に行うことができる。
【0149】
なお、前記開口は、チャンバーボックスとダクトとの連通口とは異なる。
【0150】
<<第2の実施態様>>
第2の実施態様は、第1の実施態様において、
少なくとも1つの前記開口を開閉可能な蓋体(例えば、前述した上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166など)を、さらに備える。
【0151】
蓋体は、チャンバー本体に対して開閉できればよく、チャンバー本体から完全に取り外されても、チャンバー本体の一部と連結していてもよい。
【0152】
開口を蓋体によって閉じるので、チャンバーボックスに塵埃などが入り込んだり、空気などの流体の温度に保ったりすることができる。チャンバーボックス内の環境を維持できる。
【0153】
<<第3の実施態様>>
第3の実施態様は、第1の実施態様において、
少なくとも3つの開口の各々が、互いに異なる方向の法線を有する。
【0154】
前述したように、チャンバー本体に形成された開口が互いに異なる独立した別個の3つの開口であり、各々の開口が、平坦面からなり互いに異なる方向に開口している場合には、開口の法線の方向は、平坦面の各々に応じた方向となる。この場合には、開口の法線の方向は、平坦面の各々に応じて、互いに異なる少なくとも3つの方向を含む。
【0155】
3つの開口のうち、作業の内容に適した少なくとも1つ開口を開放できるので、作業を効率よく進めることができる。
【0156】
<<第4の実施態様>>
第4の実施態様は、第1の実施態様において、
前記蓋体は、少なくとも1つの支軸で軸支される。
【0157】
蓋体が軸支されるので、円滑に蓋体を開閉でき、蓋体を一時的に載置する場所などを確保する必要がなくなり、また、蓋体の紛失を防止でき、作業を簡便にすることができる。また、複数の支軸で軸支したときには、複数の方向に向かって開閉できるので、チャンバーボックスの設置環境を考慮することなくチャンバーボックスを設置でき、作業を円滑に進めることができる。
【0158】
<<第5の実施態様>>
第5の実施態様は、第1の実施態様において、
前記蓋体が閉塞された状態を維持する係止部材(例えば、前述した掛止突起182a、掛止孔182b、掛止突起184a、掛止孔184b、掛止突起186a、掛止孔186bなど)を、さらに備える。
【0159】
閉塞された状態を保持して、チャンバーボックス内の環境を維持することができる。
【0160】
<<第6の実施態様>>
第6の実施態様は、第1の実施態様において、
前記蓋体と前記チャンバー本体との間で架設されて、前記蓋体が開放された状態を維持するための支持部材(例えば、前述した連結体170など)を、さらに備える。
【0161】
蓋体の開放状態が維持されるので、作業を円滑に進めることができる。
【0162】
<<第7の実施態様>>
第7の実施態様によれば、
空気が流動可能(例えば、前述した空調ダクト200からの供給など)でかつ被収容物(例えば、前述した空気清浄化ユニット300など)を収容可能なチャンバーボックス(例えば、前述したチャンバーボックス100など)であって、
前記被収容物にアクセス可能な少なくとも3つの開口(例えば、前述した上側開口152、下側開口154、前側開口156、後側開口158など)を有するチャンバー本体(例えば、前述した上壁122、下壁124、前壁126、後壁128など)と、
前記少なくとも3つの開口を開閉可能な蓋体(例えば、前述した上側蓋体162、下側蓋体164、前側蓋体166など)と、を備え、
前記少なくとも3つの開口の各々の法線の方向(例えば、前述した上方向、下方向、前方向、後方向など)が互いに異なる、チャンバーボックスが提供される。
【0163】
チャンバー本体は、被収容物にアクセス可能な少なくとも3つの開口を有する。これらの少なくとも3つの開口は、互いに異なる独立した別個の3つの開口である。すなわち、一の開口の開閉状態に依存したり関連したり連動したりすることなく、他の開口を開閉することができる。少なくとも3つの開口の各々を、作業者が意図した開閉状態にすることができる。作業者が所望する作業を進めることができる。
【0164】
なお、少なくとも3つの開口のうちのいずれかの開口を他の開口と関連づけたり連動させたりして開閉するようにしてもよい。
【0165】
各々の開口が、平坦面からなり互いに異なる方向に開口している場合には、開口の法線の方向は、平坦面の各々に応じた方向となる。この場合には、開口の法線の方向は、平坦面の各々に応じて、互いに異なる少なくとも3つの方向を含む。
【0166】
チャンバー本体を複数の方向に開放することができるので、チャンバー本体が設置された環境や、作業の内容などに応じて、いずれかの開口を選択して開閉できる。作業者が所望する開口を開閉することができ、作業の効率を高めることができる。
【0167】
<<第8の実施態様>>
第8の実施態様は、第1又は第7の実施態様において、
前記被収容物が、流動する空気を清浄にする空気清浄機(例えば、前述した空気清浄化ユニット300など)である。
【0168】
少なくとも1つの開口を開放することで、少なくとも1つの開口を介して、被収容物である空気清浄機にアクセスできる。このため、空気清浄機のメンテナンスなどをすることができ、作業を容易にできる。必要に応じて空気清浄機のメンテナンスなどをすることで、室内などに供給する空気の清浄性を保つことができる。
【0169】
<<第9の実施態様>>
第9の実施態様は、第1ないし第8の実施態様において、
前記チャンバー本体は、
空気が流入するダクトが接続される上流壁と、
前記上流壁と対向し、空気が流出するダクトが接続される下流壁と、
前記上流壁と前記下流壁との間に形成された側壁と、を有し、
前記開口は前記側壁に形成される。
【0170】
側壁に開口を設けることにより、ダクトと干渉しにくくでき、ダクトに妨げられることなく円滑に作業を進めることができる。また、メンテナンス作業などにより、ダクトを損傷させたり破損させたりすることを防止することができる。さらに、側壁を有効に活用することができる。
【符号の説明】
【0171】
10 空気清浄システム
100 チャンバーボックス
152 上側開口
154 下側開口
156 前側開口
158 後側開口
162 上側蓋体
164 下側蓋体
166 前側蓋体
168 後側蓋体
170 連結体
182a 掛止突起
182b 掛止孔
184a 掛止突起
184b 掛止孔
186a 掛止突起
186b 掛止孔
200 空調ダクト
300 空気清浄化ユニット
CS 収容空間
LS 配置空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14