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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】食品調理および提供システム
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/06 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
A47J37/06 306
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021540919
(86)(22)【出願日】2019-09-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 EP2019075482
(87)【国際公開番号】W WO2020058526
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】202018105430.9
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521117698
【氏名又は名称】イーペー・イデアス・プロダクション・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ビルケンシュトック,クリスチャン
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-202137(JP,A)
【文献】特開平08-256742(JP,A)
【文献】特開昭62-022613(JP,A)
【文献】特開昭53-023764(JP,A)
【文献】米国特許第02670296(US,A)
【文献】米国特許第03736859(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが少なくとも1つの食材から構成され、かつ、基本形状に形成されている複数の個々の食材ブロック(1)から成る食材を提供および調理するためのシステムであって、前記システムが、同じおよび/または異なる基本形状を有する複数の個別的なインスタント食材ブロック(1)、および/または、それぞれが少なくとも1つの食材で構成され、基本形状に形成され、前記食材ブロック(1)内に形成された少なくとも1つの通路開口部(2)を有する、互いに接合された食材ブロック(1)を備え、
前記システムが、一体化された加熱器を含む能動加熱器(8)として、または外部の加熱調理デバイスに挿入するための受動加熱器(8)として具現化された加熱デバイス(8)を備え、前記加熱デバイス(8)が、加熱可能なグリル表面、および前記グリル表面から突出する少なくとも1つの加熱マンドレル(10)とともに、1つまたは複数の食材ブロック(1)のための加熱可能な加熱調理用受入れ部(9)を備え、前記加熱マンドレル(10)が、前記通路開口部(2)内に挿入可能であり、前記通路開口部(2)の壁と前記加熱マンドレル(10)との間の空隙をなくすために前記通路開口部(2)の輪郭に適合されることを特徴とする、食材を提供および調理するためのシステム。
【請求項2】
前記食材が、インスタント食材である、請求項1に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項3】
前記受入れ部(9)が、1つまたは複数の食材ブロック(1)を間に挟持することができる相互に調節可能な2つのグリル格子を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項4】
前記加熱マンドレル(10)が、前記食材ブロック(1)内の前記通路開口部(2)の深さに相当する長さを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項5】
前記調理のための入力構成要素としての前記食材ブロック(1)が、未加工のまたは予め加熱調理された複数の食材層(7)と、食材または食材混合物で構成されたブロックコアとで構成され、前記食材層(7)および前記ブロックコアが、一致する設置面積、または前記ブロックコアのまたは別の食材層(7)の設置面積の長手方向および横断方向の範囲において最大で20%だけ逸脱する設置面積を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項6】
前記食材層(7)が、肉層、魚肉層、調味料層、チーズもしくはベーコンの層、チョコレート層、砂糖層、バスタ層、および/またはパン層であり、これらから、少なくとも1つの食材ブロック(1)が、上下に配置されたいくつかの食材層(7)で構成され得ることを特徴とする、請求項5に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項7】
前記ブロックコアおよび前記食材層(7)が、上下に積み重ねられた後で、相互に対応するエンボス加工された領域および/または隆起した領域を介して横断方向において互いに確実に接続されることを特徴とする、請求項5または6に記載の食材を提供および調理するためのシステム。
【請求項8】
前記食材ブロック(1)が、幾何学的な基本本体形状を有することを特徴とする、請求項6または7に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項9】
前記食材ブロック(1)が、円筒、球、立方状もしくは立方体、もしくは三面角柱もしくは多面角柱の形状、または基本本体形状の一部分を有すること、および/または、前記食材ブロック(1)の前記基本本体形状の縁部が、ギザギザにされ、膨張され、および/または丸みを付けられて具現化されることを特徴とする、請求項8に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項10】
前記食材ブロック(1)が、平坦なまたは湾曲した平面に沿って延びる少なくとも1つの表面を有し、所定の破壊線を形成するために、または、前記食材ブロック(1)の表面を大きくするために、前記表面に曲線のまたは直線のくぼみ(3)が作られ、前記くぼみ(3)が、前記食材ブロック(1)の前記表面上に対称的なパターンを形成し、および/または、直線的であり、互いに直角に配置された少なくとも2つのくぼみ(3)を含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項11】
前記くぼみ(3)間の領域が、凸状または凹状の表面を有するように成形され、前記食材ブロック(1)が、対向するくぼみ(3)が設けられる少なくとも1対の対向する表面を有することを特徴とする、請求項10に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項12】
少なくとも1つの食材ブロック(1)が、前記食材ブロック(1)の重心の周りに延在する長方形、正方形、楕円形、または円形の仮想線上に配置された複数の通路開口部(2)を有して提供されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項13】
・ 室温での寸法安定性のある1つまたは複数の食材で作られた少なくとも1つの食材ブロック(1)、
・ 解凍後の安定性がそれほどない1つまたは複数の食材で作られた、冷凍された食材ブロック(1)であって、解凍または加熱されたときに自動的にバラバラになる、冷凍された食材ブロック(1)、
・ いくつかの異なる食材で構成された少なくとも1つの食材ブロック(1)、
・ いくつかの異なる食材で構成され、少なくとも1つの固形構成要素、および、加熱中に液化する、室温ではパルプ状または固形の構成要素を含む、少なくとも1つの食材ブロック(1)、
・ 成長した筋肉、プレス加工された肉片、挽き肉、魚肉、もしくは魚肉片のうちの少なくとも1つの構成要素を備え、またはこれらの肉または魚肉構成要素のみで構成された、少なくとも1つの食材ブロック(1)、ならびに/あるいは
・ 野菜もしくは野菜の混合物で構成され、または野菜とジャガイモの構成要素、米構成要素、もしくは肉もしくは魚肉の構成要素との混合物で構成される、少なくとも1つの食材ブロック(1)
を備えることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項14】
少なくとも1つの食材ブロック(1)が、プレス加工または急速冷凍によって互いに接合されて単一の食材ブロック(1)またはブロックコアを形成する同一のまたは異なる粘稠度の個別の食材ブロック(1)で構成されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項15】
組み立てられた前記食材ブロック(1)が、前記食材ブロック(1)を前記個別の食材ブロック(1)に分割することができる所定の破壊点を有し、前記所定の破壊点が、くぼみによって形成され、または、組立ての前に前記個別の食材ブロック(1)の縁部領域の粘着性の少ない被覆によって形成されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項16】
いくつかの食材ブロック(1)が提供され、前記いくつかの食材ブロック(1)が、串(5)もしくは棒を挿入しまたは通過させるために、前記通路開口部(2)にある角度で延在する通路(4)を有することを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項17】
前記加熱デバイス(8)が、所定のまたは調節可能な加熱調理時間後に前記加熱マンドレル(10)が前記グリル表面の平面内へ自動的に後退されるように具現化されることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項18】
前記グリル表面が、斜めに配置されており、完全に加熱調理された食材ブロック(1)のための回収トレイが、前記グリル表面の下方に設けられていることを特徴とする、請求項17に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項19】
前記加熱デバイス(8)が、能動加熱デバイス(8)であり、食材ブロック(1)もしくは少なくとも1つの食材ブロック(1)またはブロックコアおよび少なくとも1つのさらなる食材層(7)を平行に受入れるための複数の受入れ部(9)を備え、前記個々の受入れ部(9)の加熱機能の加熱温度または開始時刻が、前記個々の受入れ部(9)内に位置決めされた前記食材が共通のタイミングで完全に加熱調理されるように互いに、および、前記受入れ部(9)内で加熱調理される食材層(7)のタイプに適合されるような態様で、前記加熱デバイス(8)が具現化されることを特徴とする、請求項3から6のいずれか一項に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項20】
前記加熱デバイス(8)が、制御装置、および加熱調理命令のための読取りデバイスを有し、コード化された加熱調理命令が、前記食材ブロック(1)に関連付けられ、前記加熱調理命令が、前記読取りデバイスによって読み取られ得、前記制御装置が、少なくとも1つの加熱プロセスを含む加熱調理プログラムを前記加熱調理命令から間接的にまたは直接に開始および実行することができ、前記コード化された加熱調理命令が、バーコードまたはQRコードの形態で具現化されることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項21】
前記加熱デバイス(8)が、世界的または局所的なコンピュータネットワークに接続する能力を備え、前記コンピュータネットワークを介してレシピならびに/または調理規則もしくは長さおよび温度に関する加熱時間のシーケンスを制御電子装置に読み込むことができ、その後に前記レシピおよび/または調理規則に従って前記食材を調理することが可能であることを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項22】
前記加熱デバイス(8)が、ベース体と、前記ベース体上に可動に具現化された少なくとも1つの蓋と、前記受入れ部(9)の領域内で前記蓋の少なくとも一部分および/または前記ベース体の少なくとも一部分を加熱するための加熱器と、を備え、前記ベース体および前記蓋が、前記蓋が前記ベース体上へ下降されたときに前記ベース体と前記蓋との間に前記受入れ部(9)が形成され、または複数の受入れ部(9)が形成されるように具現化され、前記食材ブロック(1)内の前記通路開口部(2)にその形状が適合された少なくとも1つの加熱マンドレル(10)が、前記蓋および/または前記ベース体から前記受入れ部内へ延在し、前記蓋が前記通路開口部(2)において閉じられたときに前記通路開口部(2)に自動的に貫入することを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の食材の提供および調理のためのシステム。
【請求項23】
前記蓋が、てこ機構を備える上昇継手を介して前記ベース体に接続され、前記上昇継手が、第1の部分的な開口運動中に、前記蓋が前記ベース体から並進的に離間され、その後の部分的な開口運動においてのみ、前記蓋が前記並進運動に加えてまたはその代わりに枢動もされるように具現化されることを特徴とする、請求項22に記載の食品を調理するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載のインスタント食材を調理するシステムのための投入構成要素として食材を提供するためのシステムと、能動的または受動的な加熱デバイスまたは冷却デバイスを特に備える、請求項33のプリアンブルに記載の食材を調理するためのシステムとに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な方法で食材を提供および調理するためのシステムが、よく知られている。最も単純な例では、食品生産物が、食材ブロックとして売り出される。それらは、例えば、ハンバーガーの調理のためのパテ、すなわち挽き肉、鳥肉、肉加工品、もしくは他の食材の薄片、または、ホウレンソウなどの立方体状に凍らされた食材であり得、それらは、パッケージから小分けされて取り出され得る。例えば、チーズもまた、パイ生地または他の食品と同様に、食品をグラタンにするためのプロセスチーズとして薄片で提供される。
【0003】
種々の食品提供形態は、日々の加工処理に非常に有用であるが、この方法でさらに加工処理するために個別の構成要素のみが提供されるという欠点を有する。具体的には、個々の構成要素の形態および品質の両方において一貫性が欠けていることが多く、そのため、ユーザは、複数の食材ブロックを外側包装内に準備しておく必要があり、次いで、外側包装は、開かれるか、または個々の食材ブロックが取り出された後で再度閉じられて保管される必要がある。無理からぬ理由のために、これは、より長期間にわたって凍結または乾燥された食品に関連してのみ可能である。
【0004】
しかし、内容物および重量に関して互いに一致された数量を送達することにより最終料理の調理を簡単にするシステムを有することが、役に立つであろう。レシピが処理されたときに必要とされる正確な数量の食品を送達する送達サービスが、しばらく前から存在しているが、これは、ユーザは所望のレシピを選択した後でのみ食品を注文することができるという欠点、ならびに、比較的高い包装費用および送達費用が必要であるという欠点を有する。また、この方法では、ユーザがレシピを再び加熱調理するのに必要とする量の食品がユーザに正確に提供されるが、加熱調理自体は簡略化されない。
【0005】
さらに、所望のレシピを選択した後に、発注のために比較的長いリードタイムが必要とされ、ユーザは、当然ながら、部分的に冷蔵されるかさらには冷凍された品物を受け取ってそれらを適切に保管することができるように、家にいなければならない。最後に、品物の送達は、個々の材料が傷みやすい品物でありかつ通常は個別に包装される場合、個々の材料は迅速に輸送および送達されなければならないので、多大の輸送および包装を必要とする。
【0006】
すでに説明された欠点は、食品の提供のための知られたシステムは食事の自発的かつ簡単な調理には適さないという事実につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、必要な構成要素の保管および選択の両方が料理の調理のための最大数のバリエーションとともに簡略化され、それと同時に時間の浪費をできる限り少なくして調理が容易に達成される、食材の調理および提供のためのシステムを作り出すことである。さらに、本システムは、入手できる最も新鮮かつ最も健康に良い食品を提供するのと同時に、予め設定された供給にかかわらず、通常の調理済み食料とは明確に異なるべきである最終料理の調理および喜びにおける特別な経験をもたらすのに適しているべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本発明によれば、請求項1に記載の食材の提供のためのシステムと、請求項33に記載の食材の調理のためのシステムとによって達成される。下位請求項は、両システムの有利な実施形態に関し、そのため、下位請求項の特徴はまた、下位請求項がそれぞれ引き出されかつ本発明の対象であると見なされる特徴とは無関係に実施され得ることが、明確に指摘されるべきである。
【0009】
食材の提供のための本発明によるシステムは、第一に、食材または実に様々な形態の食材の個別的なブロックを製造し、それらを加工処理に利用できるようにするという基本概念を備える。この文脈において、個々の食材ブロックのうってつけの形状は、何か特別であり、かつ、その形状を介して消費者が本システムの品質およびさらなる利点をすぐに認識することができる、消費者のための記憶価値またはブランド価値を作り出す。本システムの食材ブロックは、好ましくは、サイズおよび機能が一致される。本発明によるシステムのさらなる基本概念は、本発明に従って供給された食材ブロックを特に容易にかつ穏やかに加熱調理することができる、加熱器の形態をした適切な調理デバイスを提供することである。
【0010】
したがって、同じ形状を有する食材ブロックの群が利用可能であり、または、それから食材ブロックが組み立てられ得る、ブロックコアおよびさらなる食材層で構成されたキットが、利用可能である。
【0011】
例えば、ユーザは、様々な食材層を、また必要であれば様々なブロックコアをも、包装内に備蓄することができ、また、必要であれば、ユーザの味覚に合うように所望の製品を組み立てることができることが、考えられる。このようにして製造された食材ブロック、または選択された固形の食材ブロックは、それらに含まれる食品のタイプ、およびそれらが保管される方法に応じて、さらに加工もしくは調理されるか、または、すぐに食べられる状態であってもよい。
【0012】
このシステムを通じて供給され得る食品のタイプは、ほぼ無制限である。したがって、あらゆる形態の食品が、他のものとは別々に、または、用意されたレシピによる特別な食事の調理のための組み合わせに即して、消費者に提供され得る。以下では、本発明は、特に好ましい個々の例によって示され、それにより、すでに説明された多様な変形形態は、本発明の適用範囲が基本的に制限されないことを示す。
【0013】
最も単純な場合では、食材ブロックが、単一の食品、または食品の調整品を含む。これは、例えば、プレス加工されて成形された肉、それぞれの形状に切られた肉、成形された挽き肉、または、肉構成要素と具体的には香辛料、ソース内容物、などであるさらなる構成要素とのおおよそ均一な混合物であり得る。当然ながら、肉の代わりに、魚肉、猟鳥獣の肉、または例えば豆腐といった菜食主義者用構成要素もまた、同じように提供され得る。野菜、米、パスタ、または他の構成要素、具体的にはソース構成要素もしくは調味料構成要素で作られる食材ブロックもまた、このようにして食材ブロックに形成され得る。この食材ブロックに含まれる食材は、未加工の、事前加熱調理された、または中まで熱を通された(cooked through)食材ブロックに加工され得る。
【0014】
本発明の特別な特徴は、食材ブロックの組成にあるだけではなく、食材ブロックの形状にもある。食材ブロックが本発明によるシステムに属することの認知度に加えて、その形状は、さらなる利点を特に可能にする。例えば、調理目的にまた場合によりさらなる目的にも使用することができる少なくとも1つの通路開口部が食材ブロックに設けられることが、好ましい。
【0015】
食材ブロックは、より有利には、また、より望ましくは、成形を介して最初に加熱され得る。中心のまたは中心から外れた通路が、加熱調理温度を食材ブロック内により有利に導入することを可能にする。従来のレンジ上面またはグリドル上での通常の加熱中ですら、熱は、この通路開口部を介して食材ブロックの芯に浸透することができ、より迅速に食材ブロックの中まで熱が通ることを可能にする。しかし、食材ブロックを加熱するための表面が、通路開口部内へ延在する突出部を有して、それにより支持表面を介した加熱調理に加えて食材ブロックの中心から加熱調理することができるのであれば、特に好ましい。この効果は、当然ながら、さらなる通路が設けられた場合には強化され得る。
【0016】
上記の加熱調理促進効果に加えて、食材ブロックの表面設計は、食材ブロック内への加熱調理温度の結合を最適化するために使用され得る。例えば、食材ブロックの表面にわたって分散されたくぼみが、極大の結合熱を提供し得る。したがって、食材ブロックの所望の加熱調理挙動に応じて、食材ブロックの表面は、平坦、凹状、もしくは凸状に丸められてもよく、または、特に凹状のくぼみもしくは溝の形態をしたくぼみを有して形成されてもよい。当然ながら、反対に、平坦なグリル板にもかかわらず、例えば火格子の態様のグリルパターン、または具体的にはロゴ、装飾、などの他のパターンを作り出すことができるように、隆起部が設けられてもよい。
【0017】
食材ブロックは、ほぼどのような形状であってもよい。立方状、円板形状、または円筒状の食材ブロックが、最も有益であろう。しかし、特定の用途によっては、特にマーケティングの理由からそれが望まれる場合には、または、後の消費または調理のための食材の組成がそのような形状を示唆する場合には、より独特な形状も使用され得る。例えば、子どもに対しては、顔のような形状、または他の装飾的な形状が、選択され得る。後で説明されるように、食材ブロックが一緒に調理されて見た目および味覚の点で魅力的なプレートディッシュ(plate dish)として皿上で崩された後に提供され得る料理全体を組み立てるために食材ブロックが使用されるべきである場合、後の皿上での個々の構成要素の位置決めを考慮にいれた形状も選択され得る。
【0018】
さらに、食材ブロックはまた、他の開口部、または他の成形細部(shaping detail)を有し得る。例えば、食材ブロックが例えば後のグリル焼き(grilling)のために串を通され得るように、通路開口部に対して横方向に延在する通路が設けられ得る。この場合、食材ブロックは、例えばユーザが複数のそのような食材ブロックを手に保持し、次いで様々なタイプの食材ブロックを組み立てて、所望の串を作り出すための魅力的なバーベキュー串を形成することができるように、立方状、球状、または円筒状の形状であることが好ましい。個々の食材ブロックの一様な形状により、食材ブロックは、例えば、冷凍庫内に容易に保管され、かつ、冷凍庫内でほとんど場所をとらずにすむ。
【0019】
しかし、食材ブロックは、1つの材料または材料の混合物から均質的に構成されるだけでなくてもよい。本発明の別の好ましい態様は、食材ブロックが製造業者により予め複数の層を備えること、または、ユーザが食材ブロックの組成を選択することができるように複数の層がユーザに提供され得ることも含む。例えば、食材ブロックが、肉または野菜の中間層を有してもよく、次いで、この中間層は、上部および底部において追加の層によって覆われてもよい。追加の層は、調味料の層、または別の食品生産物の層であってよい。この場合、具体的には、例えばパスタ、さらにはハンバーガーのバンズのようなパンが考えられ得る。この追加の食材層により、チーズまたはベーコンも追加され得る。
【0020】
ここでは、さらに、多層の食材ブロックが予め構成されて送達されない場合、ユーザが個々の食材層をユーザ自身で選択しかつ組み立てることができるように、各種取りそろえたものがユーザに提供され得る。食材層の厚さは、可能な全ての組み合わせに対して加熱調理時間および加熱調理温度ができる限り一様になり、それにより誤りが起こる確率が著しく低下するように選択されることが好ましい。これは、最終食品の調理を著しく簡単にし、かつ、ユーザ満足度の増大を保証する。
【0021】
個々の食材層は、層の表面に対して横方向に形状嵌合(form fit)がもたらされるように互いに整合された表面を有し得ることが好ましい。これは、調理中または後の消費中に個々の食材層が互いに対してずれるのを防ぐ。それと同時に、例えば香味料層の場合、隣接する層内への香味料の浸透の増大が達成され得る。最後に、当然ながら、この設計はまた、個々の食材層で構成される食材ブロックを組み立てるときの自動的なセンタリングを達成するために、さらには、必要とされるのであれば強制的な位置合わせを達成するために、使用され得る。
【0022】
この用法で製造され得る具体的な食品生産物は、例えば、すでに述べられたハンバーガーであり得る。ハンバーガーは、挽き肉パテによって形成された中心食材層を有する。ユーザには、任意のさらなる食材層を含むシステムが提供されてよく、このシステムは、ハンバーガーのための通例の材料を含み得る。例えば、それらは、ベーコン片、チーズ片、および覆いとなるパン片を含み得る。しかし、本システムを介して、画期的な解決策も提供され得る。例えば、アジア風バーガーが、魚肉パテ、および海藻または他の材料の形態の追加の食材層を含むこともできる。
【0023】
ソース、フライドオニオン、トウガラシ、またはハラペーニョ片が、冷凍食材ブロックに特に有用である単一層に含まれ得るか、または、それらは、後の調理中に崩壊するかもしくは最終製品の一部として残る母材に埋め込まれ得る。例えば、ソースが、埋込み層として、肉パテ内に組み入れられ得る。しかし、構成要素はまた、堅い食用脂の層に含まれてもよく、その場合、この食用脂の層は、ジューシーなバーガーに必要な脂を調理中に同時に提供する。
【0024】
別の具体的な製品は、例えば、ラザニアであり得る。したがって、チーズの層およびパスタの層が、ソースと混合された挽き肉の中央層の上下に配置されてよく、それにより、そのようにして作られた積層物が加熱されて、完成したラザニアが得られ得る。また、この場合、例えば、挽き肉を含む層の代わりに、魚肉を含む層、豆腐部分を含む菜食主義者用の層、または野菜層を提供する、ユーザが自分で構成するためのシステムが提供され得る。これは、ユーザが所望する量のチーズ、任意の他の材料、および主要構成要素を選択することを可能にする。調味料が、層のうちの1つ、特にチーズ層に含まれるか、層と層との間に点在されるか、または別個の調味料層として供給されてもよい。
【0025】
しかし、本発明は、調理のために加熱される食品の提供に限定されるものではない。同じ方法で、アイスクリーム、および飲料のためのチルドアイス(chilled ice)も提供され得る。チルドアイスの場合、設計は、それが革新的システムに属することを最初に示し得る。しかし、この場合、好ましくは、しかし必ずではないが、光学的性質に関するさらなる効果も実現され得る。例えば、通路開口部は、着色された水の氷で満たされるか、または、解凍後に飲料中に分散されて視覚的な目的に役立つかまたは含有物として機能する材料を含み得る。例えば、そのようなアイスキューブは、アイスキューブの形態で存在する1つまたは複数のそのような食材ブロックが、後で水または別の飲料で満たされるグラス内に配置され得るように、通路開口部内に香り付け材料を含んでもよい。次いで、露となる食材ブロックまたは通路開口部内の充填物は、香味料を分泌することができ、風味付けされた飲料がもたらされる。
【0026】
アイスクリームの場合、食材ブロックを形成するために、様々なタイプのアイスクリームが組み合わせられ得るか、または、チョコレートの層、スポンジケーキの層、卵白の層、もしくは他の材料、具体的にはソース、果肉、さらにはクリームが組み合わせられ得る。この場合もやはり、通路開口部は、食材ブロックを満たすために機能的に使用され得るか、または、アイスキューブを冷却するためにも使用され得る。例えば、冷凍庫から取り出された後で長時間にわたって低い温度を提供することができるように熱容量の高い中央金属マンドレルを有する、ディスペンサが設けられ得る。その場合、アイスキューブは、ユーザがアイスキューブを1つずつ取り出すことができるように、この中央マンドレル上に配置され得る。さらに、冷却された外壁が、アイスキューブの解凍を遅らせることができる。
【0027】
食材ブロック、および、食材ブロックがブロックコアおよび食材層で構成される場合にはそれぞれの個別的な層は、どちらも、食品または他の材料の薄片で構成され得る。緩いパッケージ品も成形され、次いで急速冷凍され、接着促進剤、具体的には凝固した卵白または他の食べても安全な結合物質を介して互いに結合され得る。当然ながら、単純な急速冷凍も可能である。その場合、食材ブロックまたは個々の層は、解凍または調理中に固形であり続けるかまたは崩壊するように設計され得る。これは、いずれの場合にも、食材ブロックの基本形状が維持されるべきであるかどうか、または、緩い食品生産物が最初から加工されているという印象が与えられるべきであるかどうかに応じて、応用分野に依存する。
【0028】
例えば、ユーザは、冷凍庫から3つの食品を取り出して、それらを皿の上に配置し、次いで、ユーザは、それを例えば電子レンジで加熱することができる。肉の組成物が、その形状を保つ一方で、米の組成物および野菜の組成物が崩壊して、共通の形状で皿上に提供されてもよい。また、食材ブロック内では、ある層が、調理中に安定したままであってよく、他の層が、液化または崩壊するように形成されてもよい。例えば、食品の頂上層は、冷凍されたときには固形であるが、解凍後には下部の層の上に肉汁のように溶けてもよい。同じことが、例えばラザニアの中間層と同様に、必ずしも液化する必要はなく単に柔らかくなればよい中間層にも当てはまる。
【0029】
個々の食材ブロック、食材層、またはブロックコアはまた、プレス加工された肉で構成されてもよく、これは、調理中に肉組成物が互いに互いに付着し続けて、密着した肉片の印象が作り出されるような、または、肉組成物が加熱中にバラバラになるかもしくは解凍中にすでにバラバラになるような、知られた態様でなされ得る。これらの効果を制御するために、例えば塗布されたタンパク質を用いてより優れた接着結合をもたらすか、または、例えば油分の多い被覆もしくは脂肪性の被覆を用いて得られ得る適切な剥離剤によってまさに反対の効果をもたらす、肉組成物の個々の構成要素の壁の被覆が選択され得る。
【0030】
さらに、所定の破壊点を含み得る、より大きな食材ブロックも、本システムに提供され得る。その場合、ユーザは、所望の基礎材料を得るために、調理の前でも後でも、一度に1片ずつ折り取ることができる。
【0031】
本発明による食品送達システムは、食材ブロック、食材層、およびブロックコアの形態をした複数の異なる構成要素を含むことが好ましい。これらは、所望の用途に応じて選択されて互いに組み合わせられ得る。例えば、所望されるそれぞれの構成要素は、互いに平行に調理されるか、互いに積み重ねられるか、さらには串に刺されてもよい。
【0032】
食材ブロックは、上記のように、食品生産物、プレートディッシュ、または串などの形態をした食品生産物の混成物を組み立てるために使用され得る。例えばアイスキューブのような、本システムの範囲を補完するための任意の他の機能を持たない純粋に装飾的な用途も可能である。さらに、食材ブロックは、すぐに食べられる状態であってもよく、あるいは、解凍、加熱もしくは冷却、または他の方法によってなおも個別に調理されるように設計されてもよい。
【0033】
本発明のさらなる特徴および利点は、図面に基づいた好ましい実施形態に関する以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明によるシステムとともに使用するための加熱器の図である。
図2】本発明による食材ブロックの第1の実施形態の図である。
図3図2に示された食材ブロックの平面図である。
図4図2および図3に示された食材ブロックの側断面図である。
図5図2から図4に示された食材ブロックの変形を示す図である。
図6】くぼみおよび所定の破壊点を備える、さらなる食材ブロックの図である。
図7】本発明によるシステムを用いて組み立てられた食品生産物の図である。
図8図7に示された食品生産物の分解組立図である。
図9】本発明による食材ブロックから組み立てられたバーベキュー串の図である。
図10】本発明によるシステムで使用するための受動加熱デバイスの図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、本発明によるシステムとともに使用するための加熱デバイス8を示す。ここでは、加熱デバイス8は、ワッフル焼き型の態様で設計されており、また、例として、食材ブロック1を受け入れるための1つだけの受入れ部9を有する。当然ながら、様々な組み合わせがほぼ無制限に存在し、任意の数の受入れ部9が、互いに離間または融合して、隣り合わせまたは前後に並んで設けられ得る。ここでは、単純さのために、1つだけの受入れ部9を含む最小限の加熱デバイス8が説明される。
【0036】
加熱器8は、下部ベース体を有し、この下部ベース体は、ここでは、温度または加熱時間を設定するためのスライダを右手側に有し得る。当然ながら、2つの機能のための2つの別個の制御装置が設けられてもよい。具体的には、所定のまたは設定された加熱時間に達した後に加熱器8の電源を自動的に切って警告を出しおよび/または蓋を自動的に開くタイマー回路も設けられてよく、蓋は、次いで、ばねデバイスの予張力下で閉じられる。より手の込んだ解決策では、これらの機能は、制御電子装置によって制御され得、また、場合により、読取りデバイスが設けられてもよく、加熱デバイス8は、この読取りデバイスを介して、必要な調理規則またはレシピ全体を読み込むことができる。そのような読取りデバイスは、具体的には、QRコード、バーコード、または任意の他のコード化された命令を読み取ることができるように設計され得る。
【0037】
図1に示された実施形態の場合、デバイスは、1つだけのスライダを備える。ベース体には、食材ブロック1のための受入れ部9の下部が、ベース体の表面における凹部の形態で設けられる。ベース体自体は、立方形の形状であり、かつ、立つための4つの足、および取扱いのための前方ハンドルを有し、前方ハンドルは、熱くならないように断熱され得る。当然ながら、同じことが、ベース体の壁にも当てはまる。
【0038】
蓋は、ベース体にヒンジ留めされる。この接続は、上昇ヒンジ(lifting hinge)、すなわち、蓋を回転的にだけ移動させるのではなく上方への並進運動を提供するヒンジをもたらすような方法で設計されることが好ましい。これは、蓋の開口が調理済み食品を損傷しないという利点を有する。
【0039】
受入れ部9の上部は、蓋自体に設けられる。ここでは、加熱マンドレル10が、上側から下向きに突出し、加熱マンドレル10は、蓋が下降されたときに、食材ブロック1にある通路開口部2に入り込む。加熱マンドレル10は、通路開口部2の輪郭にサイズが合わせられる。これは、通路開口部2の壁と加熱マンドレル10との間の空隙をなくし、それにより熱伝達が最適化される。しかし、加熱マンドレル10と通路開口部2の内壁との間に隙間がないので、加熱マンドレル10を最初に通路開口部2から並進的に引き出すことが望ましい。上記の上昇ヒンジは、この目的のために設けられるが、カバーのそのような並進運動は、当然ながら別の方法でも実現され得る。並進運動は、加熱マンドレル10がその最大面積を持つ通路開口部2から引き抜かれるほどに大きなものであるべきである。並進運動は、加熱マンドレル10が下向きに先細りになっている場合、少しの開口運動により隙間がすぐに得られるので、ある程度小さく抑えられ得る。
【0040】
あるいは、当然ながら、純粋なスイベル蓋を有する加熱器8の場合、加熱マンドレル10はまた、蓋が開けられたときに加熱マンドレル10が通路開口部2の壁に沿って通路開口部2から外へ回転するように、その形状がスイベル運動に適合され得る。さらに、またはその代わりに、通路開口部2の内側輪郭もまた、相応に成形され得る。
【0041】
図1に示された加熱器8は、食品調理システムの一部である。このシステムは、基本的に、このシステムのために最適化された食材ブロック1を使用する。それらは、冷却または加熱のいずれかによって調理された任意の形態の食品であってよい。ここでは、以下でさらに説明される食品生産物の混合物も考慮される。加熱は、グリルまたは類似のオーブン機能を介した加熱、および、例えばいわゆる真空調理技法(sous vide cooking technique)による水槽内での加熱のどちらであってもよい。
【0042】
さらなる代替形態では、加熱デバイス8は、所定のまたは調節可能な加熱調理時間後に、好ましくはグリル表面が斜めに配置され、また、完全に加熱調理された食材ブロック1のための回収トレイがグリル表面の下に提供された状態で、加熱マンドレル10がグリル表面の平面内へ自動的に後退されるように、設計される。
【0043】
真空調理技法を使用する場合、食材ブロック1は、温度制御された水槽を有する加熱デバイス8内で加熱される。ここでは加熱マンドレル10も使用されてよく、加熱マンドレル10は、当然ながら、真空技法を使用して食材ブロック1を包み込むフィルムを保護するために、より低い温度に加熱される。このデバイスでは、水槽の温度は、もっぱら加熱マンドレル10を介して制御されるか、または、別個の加熱デバイスを介しても制御され得る。
【0044】
食材ブロック1を封入するために、食材ブロック1は、最初に適切なフィルム袋に入れられ、次いで、フィルム袋は、真空にされる。続いて、フィルムは、好ましくは熱の使用も伴って、通路開口部2の領域内でプレス型により通路開口部に押し通され、この領域内で穿孔され、次いで封止され得る。空気を引き込むことなしにこのことが行われることを確実にするために、これは、真空下で行われるべきである。あるいは、当然ながら、食材ブロック1は、片側がフィルムで覆われてもよく、このフィルムは、適切な成形に先立って予め設けられるか、または、覆われた後で通路開口部2内へ押し下げられて通路開口部2に通され、次いで、反対側および縁部もまた、フィルムで覆われ、次いで、フィルムは溶接される。通路開口部2が自由な状態のままでいることになるのであれば、フィルムは、この領域内で穿孔されてもよい。結局のところ、真空袋内に密封される食材ブロック1の製造方法は、製造すべき量にかかわる問題である。
【0045】
真空下でフォイル内に密閉されない食材ブロック1は、すぐに調理され得る。本発明の特段の利点は、加熱マンドレル10を使用することにより、熱が食材ブロック1内にも直接導入され、そのため、食材ブロック1が相当に薄い厚さを有するという事実と関連して、迅速かつ確実な調理が可能になるということである。具体的には、食材ブロック1はまた、冷凍状態で加熱デバイス8内に導入され、したがって、冷凍状態から消費に備えて調理され得る。
【0046】
食材ブロック1の調理のために、加熱デバイス8は、相応に制御される。これは、手動で行われるか、または、例えば蒸し器の分野で今日すでに知られているように、予めプログラムされたシーケンスを使用して行われてもよい。予めプログラムされたシーケンスは、例えば、食材ブロック1が最初に解凍され、次いでより高温の熱の下でグリルされることになる場合に、特に適する。調理開始時における、より低温の熱の段階は、外側層を加熱調理し過ぎることを防ぐ。また、当然ながら、ユーザは、そのようなシーケンスでの加熱調理の程度を選択することができ、制御システムのプログラミングは、所望の結果が得られることを確実に保証することができる。
【0047】
シーケンスのプログラミングが工場において加熱器8の制御装置にまだ組み込まれていない場合、これは、適切な入力手段を介して電子装置がユーザを導くユーザダイアログを介して行われるか、または、加熱器8へのシーケンスの自動化された読込みを介して行われてもよい。そのような自動化された読込みの例示的な実施形態は、例えばQRコードまたはバーコードといったコードの読取りにある。これは、その後でコードに格納されるシーケンスの直接読込みをまさに意味し得るか、または、単に、それを介して必要なデータが加熱器8によって自動的に回収され得る、例えばインターネットアドレスといった参照先の読込みであってもよい。
【0048】
本発明のさらなる有利な実施形態は、調理を促進するために、スマートフォンまたはタブレットに保存されたappの形態でもある外部ソフトウェアを使用する。レシピが、また、制御命令が、このソフトウェアに格納され得る。それにより、ユーザは、アイデアの集合にアクセスすることに加えて、例えば、加熱調理の程度を選択することにより、またはよりクリスピー感のあるもしくはクリスピー感の少ない表面を選ぶことにより、特定の場合での調理に影響を与えることが可能になる。また、当然ながら、ソフトウェアは、調理中にユーザに指示を与えることができる。例えば、ユーザは、食品の様々なブロックを並列にまたは積み重ねて加熱デバイス8内に連続して供給するように促され得る。
【0049】
例えば、肉から構成されている食材ブロックをチーズとともにスカロップ(scallop)する必要がある場合、ユーザは、最初の加熱調理時間の後にチーズの薄片を置くように促され得る。また、ユーザは、グリル機能を伴わない穏やかな加熱調理プロセスを可能にするために、最初の加熱調理段階の後、または調理の開始時に、加熱デバイス8を開くように促され得る。ここでは、実質的に多様性の限界はなく、結局のところ、これは、食品のタイプおよび具体的なレシピに依存する。当然ながら、指示は、他の供給元、例えば料理本またはウェブサイトを介して提供されるか、または、加熱デバイス8自体を介して提供されてもよい。指示は、自動化された態様で加熱デバイス8に伝達され得るか、または、指示は、視覚的にのみもしくは音声出力を介してユーザに表示されてもよい。しかし、具体的には、指示に従って加熱器8を制御することは、この場合では例えば不正確な温度選択による不正確な動作が最初から回避され得るので、特に有利な解決策になるであろう。
【0050】
図2および図3はそれぞれ、中央通路開口部2を有する、本発明によるシステムとともに使用するための食材ブロック1を示す。食材ブロック1は、立方形の基本形状を有し、かつ、その表面およびその下側(ここでは見ることができない)上にくぼみ3を有する。これらのくぼみ3は、それらの位置において加熱調理デバイスの熱を表面内により良く伝えるのに役立ち得る。同じ機能が、通路開口部2によって行われ得る。
【0051】
図4は、図2からの断面A-Aを示す。ここでは、食材ブロック1が通路開口部2に対して直角に通路4を有することが分かる。この通路4は、例えば、図9分かるように、食材ブロック1を通して串5を挿入するために使用され得る。これは、所望のタイプの食材ブロック1を冷凍庫または冷蔵庫から所望に応じて選択して、それらの食材ブロック1をその後グリルで調理される串に組み立てるために使用され得る。食材ブロックは、肉、魚、野菜、もしくは果物を含むかまたはそれらで構成され得る。
【0052】
図5は、ブロックコアおよび食材層7を備える食材ブロック1の変形形態を示す。そのような食材ブロック1は、組み立て式とされてよく、その場合、食材ブロック1の個々の層は、互いにしっかりと付着するように、工場においてすでに形成されていることが好ましい。これは、蛋白体を介して、接合後の急速凍結を介して、または他の手段、具体的には接着促進剤を介して、行われ得る。この食材ブロック1もまた、食材ブロック1全体を貫通する中央通路開口部2を有する。しかし、これは、絶対に必要不可欠というわけではない。例えば、食材層7が調理中に液体になるのであれば、通路開口部2は、ブロックコアの領域にのみ設けられてもよい。この場合もまた、串5への取付けのために、通路4が設けられる。
【0053】
図6は、食材ブロック1のさらなる形態を示す。ここでは、食材ブロック1は、より大きなベース体から構成され、このベース体は、図2から5に示された食材ブロック1と同様に、その上側およびその下側にくぼみ3を有する。ここでは、くぼみ3は、個々の部分を折り取ることにより食材ブロック1が部分的なブロックに分割され得るように、所定の破壊点として機能し得る。これは、調理の前、または消費中ですら行われ得る。くぼみ3は、任意の深さのものであってよく、また、示された例示的な実施形態におけるように、縁部から通路開口部2まで延在し得る。通路開口部2が設けられていないのであれば、くぼみ3は、縁部から縁部まで延在することもできる。
【0054】
図7および図8は、食材の提供および調理のための本発明によるシステムの例示的な適用を示す。ここでは、食材ブロック1は、ブロックコアとさらなる食材層7とを組み合わせることによって作製される。
【0055】
ブロックコアは、例えばソースを提供することができる充填物6を有する。当然ながら、香辛料充填物も導入され得る。1つの例示的な実施形態では、ブロックコアは、肉パテである。ここでは、例として、ブロックコアの頂面の上方および下方に、2つの食材層7が、例えば上方および下方の食材層7がチーズ層としておよび/またはベーコンの形態でブロックコアに直接当接した状態で、それぞれ提供される。結局のところ、ここでは、設計の範囲の限界は存在しない。示された例では、一切れのパンまたはバンズの半体の形態である1つの食材層7が、上下に提供されている。
【0056】
個々の食材層7ならびにブロックコアには、積層体のぴったり合った接続が横断方向において生じるように、型押し加工が施される。このようにして、例えば、ハンバーガー様の食品生産物を食べているときに、煩わしいブロックコアの抜け出しが防がれ得る。
【0057】
図9は、上述のように、本発明の別の好ましい適用を示す。ここでは、いくつかの食材ブロック1が、焼き串5上に一列に配置されている。これらの食材ブロック1もまた、通路開口部2およびくぼみ3を有し、焼き串5は、食材ブロック1内の通路4を通して挿入されている。ここでは、くぼみ3、ならびに通路開口部2は、グリルの熱を食材ブロック1内に最適に導入するために使用され得る。通路開口部2は、例えば、バーベキューソースをここに堆積させるためにさらに使用されてよく、バーベキューソースは、加熱されると、通路開口部2によって形成された貯槽から流れ出る。料理用油もまた、さらなる油を少しも追加することなくバーベキュー串が平鍋内で調理され得るように、ここに堆積され得る。
【0058】
図10は、加熱デバイス8の代替態形態を示す。この実施形態では、加熱デバイス8は、受動加熱デバイス8として設計されている。加熱デバイスは、例えば、オーブン内または平鍋内で加熱されるように使用される。例えば、長方形の受入れ部形状、または図10に示された加熱器8を並べておよび/または前後に置くことができる支持体を有する特殊なデバイスもまた、使用され得る。
【0059】
図10に示された加熱器8を加熱するために、加熱器8は、熱伝導を介して特に下から加熱される。示された実施形態では、食材ブロック1は、上方から加熱器8内に挿入されて、受入れ部9を完全に満たす。あるいは、当然ながら、受入れ部9は、いくつかの食材ブロック1が隣同士に挿入され得るように設計されてもよい。
【0060】
食材ブロック1は、本発明の他の多くの実施形態におけるように、加熱マンドレル10の熱伝導を介して、また、下方からのまたは受入れ部9の側壁を介した熱入力を介して、受入れ部内で加熱されかつ調理される。この目的のために、加熱マンドレル10は、熱伝導に関して最適化された特殊なコアまたはコーティングを有し得る。これは、当然ながらベース領域にも当てはまり、ベース領域は、例えばフライパンの態様で、ハニカム構造を備え得る。壁もまた、相応に装備され得る。食材ブロック1と接触することになる全ての領域は、焦げ付き防止コーティングを備えることが好ましい。これは、例えば、テフロンの商標名でも知られているPTFEプラスチックのコーティングであってよい。
【0061】
取出しデバイスが、加熱デバイス8の右手側領域内に設けられる。食材ブロック1は、ディスク上に設置されてよく、このディスクは、加熱マンドレル10上に設置されることが可能であり、かつ、食材ブロック1のくぼみ3に入り込むための、ここに示された隆起部を有し、次いで、このディスクは、右側に示された持ち手とともに受入れ部9に挿入される。ディスクは、当然ながら、加熱マンドレル10の通過のための対応するくぼみを有する。一代替形態として、加熱マンドレル10は、ディスク上に配置されるか、または、ディスク上のこぶ様の突起内に係合してもよい。これは、いったん食材ブロック1が調理されると、ユーザは特に容易に食材ブロック1を取り出して、調理済みの食材ブロック1をディスクから横方向に一掃するか、またはディスクを反転させることにより調理済みの食材ブロック1をディスクから分離することができるという利点を有する。この場合もやはり、意図された通りにユーザが触れる全ての部品には、断熱性が与えられる。
【0062】
本発明によるシステムは、多岐にわたる食品生産物に使用することができ、それにより、基本的なシステムは常に同じであること、および、ユーザに存在する品質への期待がこれによって満たされ得ることを、ユーザが認識することが、ここでは特に興味深い。例えば、食材ブロック1は、米ブロックであってもよく、一方で、例えば寿司様の食品生産物を作り上げるために、魚肉成分が通路開口部2内に提供されてもよい。当然ながら、この目的のために、通路開口部2は、相応により大きく作られてもよい。あるいは、魚肉成分が上方の食材層7として提供されるのと同時に、味付け用マリネードが提供されてもよい。
(項目1)
それぞれが少なくとも1つの食材から構成され、かつ、基本形状に形成されている複数の個々の食材ブロック(1)から成るインスタント食材を調理するシステムのための投入構成要素として食材を提供するためのシステムであって、
前記システムが、それぞれが同じ全体形状を有し、および/または異なる全体形状を有する種々の食材ブロック(1)を備え、前記食材ブロック(1)が、いつでも消費できる状態もしくはいつでも調理できる状態で提供され、および/または、いつでも消費できる状態もしくはいつでも調理できる状態の食材ブロック(1)の組立てのために、未加工のまたは予め加熱調理された複数の食材層(7)が、互いにまたは食材もしくは食材混合物から構成されているブロックコアと一緒に組み立てられて食材ブロック(1)を形成することができることを特徴とする、食材を提供するためのシステム。
(項目2)
前記食材層(7)および前記ブロックコアが、同じ設置面積を有し、または、前記ブロックコアもしくは別の食材層(7)の設置面積の長手方向および横断方向の範囲において最大で20%だけ逸脱する設置面積を有することを特徴とする、特に項目1に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目3)
異なる組成の複数の食材ブロック(1)が、前記システムの一部であり、前記いつでも食べられるもしくはいつでも調理できる食材ブロック(1)の少なくとも半分、および/または項目2に従って組み立てられる前記食材ブロック(1)の少なくとも半分が、同じ寸法とともに同じ形状を有することを特徴とする、項目1または2に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目4)
前記食材層(7)が、肉層、魚肉層、調味料層、チーズもしくはベーコンの層、チョコレート層、砂糖層、パスタ層、および/またはパン層であり、これらから、少なくとも1つの、好ましくはいくつかの食材層(1)が、上下に配置されたいくつかの食材層(7)で構成され得ることを特徴とする、項目1から3のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目5)
食材ブロック(1)が、複数の食材層(7)、およびブロックコアを備え、前記ブロックコアおよび前記食材層(7)が、上下に積み重ねられた後で、特に相互に対応する型押し加工された領域および/または隆起した領域を介して、横断方向においてぴったり合う態様で互いに接続されることを特徴とする、項目1から4のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目6)
前記食材ブロック(1)が、幾何学的な基本本体形状、特に円筒、球、立方状もしくは立方体、または三面角柱もしくは多面角柱の形状、または基本本体形状の一部分を有することを特徴とする、項目4または5に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目7)
前記食材ブロック(1)の前記基本本体形状の縁部が、ギザギザにされ、膨張され、および/または丸みを付けられることを特徴とする、項目1から6のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目8)
前記食材ブロック(1)が、前記食材ブロック(1)内に形成された少なくとも1つの通路開口部(2)を有することを特徴とする、特に項目7に記載の食品生産物を提供するためのシステム。
(項目9)
前記通路開口部(2)、または前記通路開口部(2)のうちの1つが、前記食材ブロック(1)の重心を通過することを特徴とする、項目8に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目10)
前記食材ブロック(1)が、平坦なまたは湾曲した平面に沿って延びる少なくとも1つの表面を有し、所定の破壊線を形成するために、または前記食材ブロック(1)の表面積を増大させるために、前記表面に特に曲線のまたは直線のくぼみ(3)が作られることを特徴とする、項目1から9のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目11)
複数のくぼみ(3)が設けられて、前記食材ブロック(1)の前記表面上に対称的なパターンを形成することを特徴とする、項目10に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目12)
前記くぼみ(3)が、直線的であり、かつ、互いに直角に配置された少なくとも2つのくぼみ(3)によって形成されることを特徴とする、項目10または11に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目13)
前記くぼみ(3)間の領域が、凸状または凹状の表面を有するように成形されることを特徴とする、項目10から12のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目14)
前記食材ブロック(1)が、少なくとも1対の対向する表面を備え、前記くぼみ(3)が互いに向かい合って配置されることを特徴とする、項目10から13のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目15)
前記くぼみ(3)が部分的にのみ前記食材ブロック(1)の前記表面に彫り込まれる食材ブロック(1)が提供されることを特徴とする、項目10から14のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目16)
前記くぼみ(3)が前記食材ブロック(1)の表面全体にわたって前記表面の1つの縁部から前記表面の反対側の縁部まで延在する、食材ブロック(1)が提供されることを特徴とする、項目10から15のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目17)
少なくとも1つの食材ブロック(1)が、前記食材ブロック(1)の重心の周りに延在する長方形、正方形、楕円形、または円形の仮想線上に特に配置された複数の通路開口部(2)を有して提供されることを特徴とする、項目8から16のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目18)
少なくとも1つの食材ブロック(1)が提供され、前記食材ブロック(1)が、室温での寸法安定性のある1つまたは複数の食材生産物で作られることを特徴とする、項目1から17のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目19)
少なくとも1つの冷凍された食材ブロック(1)が提供され、前記食材ブロック(1)が、解凍または加熱中に前記食材ブロック(1)が自動的にバラバラになるように、解凍後の安定性のない1つまたは複数の食材で作られることを特徴とする、項目1から18のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目20)
少なくとも1つの食材ブロック(1)が、複数の異なる食品生産物から構成されて提供されることを特徴とする、項目1から19のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目21)
複数の異なる食材から構成される前記食材ブロック(1)が、少なくとも1つの固形構成要素と、室温ではパルプ状または固形であり、加熱されると液化する1つの構成要素とを備えることを特徴とする、項目20に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目22)
少なくとも1つの食材ブロック(1)が、成長した筋肉、プレス加工された肉片、挽き肉、魚肉、または魚肉片のうちの少なくとも1つの構成要素を備えて、または前記少なくとも1つの構成要素のみから構成されて提供されることを特徴とする、項目1から21のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目23)
少なくとも1つの食材ブロック(1)が、凍結水、着色された凍結水、アイスクリーム、またはアイスクリームの混合物のアイスキューブであることを特徴とする、項目1から22のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目24)
前記アイスキューブによって形成される前記食材ブロック(1)が、ソースおよび/またはクリーム成分をさらに備えることを特徴とする、項目23に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目25)
少なくとも1つの食材ブロック(1)が、野菜もしくは野菜混合物から構成され、または、野菜とジャガイモ構成要素、米構成要素、もしくは項目22に記載の肉もしくは魚肉の構成要素との混合物から構成されることを特徴とする、項目1から24のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目26)
少なくとも1つの食材ブロック(1)が、プレス加工または急速冷凍によって互いに接合されて単一の食材ブロック(1)またはブロックコアを形成する同一のまたは異なる粘稠度を有する個別の食材ブロック(1)で構成されることを特徴とする、項目1から25のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目27)
組み立てられた前記食材ブロック(1)が、前記個別の食材ブロック(1)に分割され得る所定の破壊点を有し、前記所定の破壊点が、前記個別の食材ブロック(1)の組立てに先立って、くぼみによって、または前記個別の食材ブロック(1)の前記縁部領域の粘着性の少ない被覆によって形成されることを特徴とする、項目1から26のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目28)
少なくとも1つの、好ましくはいくつかの食材ブロック(1)が提供され、前記食材ブロック(1)が、具体的には串(5)または棒である、保持要素を挿入または押し通すために前記通路開口部(2)に対して好ましくは直角に延びる通路(4)を有することを特徴とする、項目1から27のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目29)
前記食材層(7)が、型押し加工された、焼き付けられた、または食べても安全な食用塗料が塗布されたマーキングもしくは印を有することを特徴とする、項目1から28のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目30)
少なくとも1つの、好ましくはいくつかの食材ブロック(1)が、前記食材ブロック(1)の貫通開口部(2)内に配置されて前記貫通開口部(2)を完全にまたは部分的に満たす少なくとも1つの充填物(6)を有することを特徴とする、項目1から29のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目31)
少なくとも1つの食材ブロック(1)が、前記食材ブロック(1)のまたは前記ブロックコアの母体材料内に特に層様の態様で完全に封入される少なくとも1つの充填物(6)を有することを特徴とする、項目1から30のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目32)
項目8に記載の少なくとも1つの通路開口部(2)を含む食材ブロック(1)が提供され、前記食材ブロック(1)が、加熱デバイスでの加熱調理のために真空下でフィルム内に密封され、前記加熱デバイス(8)が、前記システムに適合され、前記加熱デバイス(8)が、加熱可能な水槽の形態の受入れ部(9)を備える真空調理デバイス(sous-vide device)として設計され、前記フィルムが、前記通路開口部(2)を自由な状態のままにすることを特徴とする、項目9から31のいずれか一項に記載の食材を提供するためのシステム。
(項目33)
特に項目1から32のいずれか一項に記載の食品生産物の提供のためのシステムに従って提供される食品を調理するためのシステムであって、前記システムが、複数の個別の食材ブロック(1)および/または隣接する食材ブロック(1)を備え、前記食材ブロック(1)のそれぞれが、少なくとも1つの食材生産物で構成され、基本形状に成形され、前記食材ブロック(1)内に形成された特に少なくとも1つの通路開口部(2)または特に少なくとも1つの所定の破壊点を有し、前記システムが、食材ブロック(1)もしくは複数の食材ブロック(1)のための加熱調理用受入れ部としておよび/または食材ブロック(1)もしくは複数の食材ブロック(1)のための冷却可能なまたは凍結可能な受入れ部(9)を有する冷却用電気器具として機能する加熱可能な受入れ部(9)を有する加熱デバイス(8)の形態の加熱調理用電気器具を備えることを特徴とする、食品を調理するためのシステム。
(項目34)
熱伝導性の加熱調理用型が提供され、前記加熱調理用型内に前記食材ブロック(1)または前記複数の食材ブロック(1)を挿入することができ、前記加熱調理用型が、加熱可能なまたは冷却可能な内部体積を有し、かつ加熱調理用受入れ部として機能する前記受入れ部(9)内に、個別にまたは複数のさらなる加熱調理用型と一緒に挿入され得ることを特徴とする、項目33に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目35)
加熱調理用受入れ部として機能する前記受入れ部(9)が、片面が開口し、加熱または冷却条件に適合されたガラス容器によって形成されることを特徴とする、項目34に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目36)
前記システムが、加熱調理用受入れ部として機能し、2つのグリル火格子を有する受入れ部(9)を備え、前記2つのグリル火格子が、互いに対して調節可能であり、前記2つのグリル火格子間に1つまたは複数の食材ブロック(1)が挟持され得ることを特徴とする、項目34または35に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目37)
前記システムが、食材ブロック(1)の少なくとも1つの表面のための平坦な支持部と前記平坦な支持部から直角に上向きに突出する加熱マンドレル(10)とを有する熱伝導性の支持体を具備する加熱調理用受入れ部(9)を備え、前記加熱マンドレル(10)が、前記食材ブロック(1)の前記通路開口部(2)内に挿入可能であるように寸法決めされることを特徴とする、項目34から36のいずれか一項に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目38)
前記加熱マンドレル(10)が、少なくとも前記通路開口部(2)の深さに等しい長さを有することを特徴とする、項目37に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目39)
前記システムが、1つもしくは複数の食材ブロック(1)のためのまたは1つもしくは複数の食材ブロック(1)が備えられた少なくとも1つの加熱調理用型のための少なくとも1つの加熱可能な受入れ部(9)を有する少なくとも1つの加熱デバイス(8)を備え、前記加熱デバイス(8)が、一体化された加熱デバイスを含む能動加熱デバイス(8)であり、または、特にオーブン、深鍋、平鍋の形態の外部の加熱調理デバイスに挿入するための受動加熱デバイス(8)であることを特徴とする、項目33から38のいずれか一項に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目40)
前記システムが、前記通路開口部(2)に挿入可能な少なくとも1つの突出する円筒形の加熱マンドレル(10)を有する加熱可能なグリル表面を含む加熱デバイス(8)または加熱可能な加熱型を備えることを特徴とする、項目39に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目41)
前記加熱デバイス(8)が、所定のまたは調節可能な加熱調理時間後に前記加熱マンドレル(10)が前記グリル表面の平面内へ自動的に後退されるように設計され、好ましくは、前記グリル表面が、斜めに配置されており、完全に加熱調理された食材ブロック(1)のための回収トレイが、前記グリル表面の下方に設けられていることを特徴とする、項目40に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目42)
前記加熱デバイス(8)が、食材ブロック(1)のための、または、好ましくは少なくとも1つの食材ブロック(1)もしくは項目2に記載の前記ブロックコアおよび少なくとも1つのさらなる食材層(7)のための、平行装填可能な複数の受入れ部(9)を備えることを特徴とする、項目39から41のいずれか一項に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目43)
前記個別の受入れ部(9)の加熱機能の加熱温度または開始時刻が、前記個別の受入れ部(9)内に位置決めされた前記食品が共通のタイミングで完全に加熱調理されるような形で、互いに、および、前記受入れ部(9)内で加熱調理される食材層(7)のタイプに合わせて調整されるように、前記加熱デバイス(8)が設計されることを特徴とする、項目42に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目44)
前記加熱デバイス(8)が、制御装置、および加熱調理命令のための読取りデバイスを有し、コード化された加熱調理命令が、前記食材ブロック(1)に割り当てられ、前記コード化された加熱調理命令が、特にパッケージ上に配置され、前記読取りデバイスによって読取り可能であり、前記制御装置が、少なくとも1つの加熱プロセスを含む加熱調理プログラムを前記加熱調理命令から間接的にまたは直接に開始および実行することができ、特に、前記コード化された加熱調理命令が、バーコードまたはQRコードの形態であることを特徴とする、項目33から43のいずれか一項に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目45)
前記加熱デバイス(8)が、世界的または局所的なコンピュータネットワークに接続する可能性を備え、前記コンピュータネットワークを介してレシピならびに/または調理規則もしくは長さおよび温度を観点とした加熱時間のシーケンスを制御電子装置に読み込むことができ、その後に前記レシピおよび/または調理規則に従って前記食品を調理することが可能であることを特徴とする、項目33から44のいずれか一項に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目46)
前記システムが、項目39から44のいずれか一項に記載の加熱デバイス(8)として特に設計された調理デバイスを備え、前記調理デバイスが、自動システムを含む内部または外部の制御装置を有し、いつでも消費される状態にある様々な食材、特に食材ブロック(1)を調理することができるように設計されていることを特徴とする、項目33から45のいずれか一項に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目47)
特にセレクタスイッチまたは入力キーボードによって形成された入力設備が、ユーザによって所望される加熱調理の程度のために設けられ、前記制御装置が、1つの食品、複数の食品、1つの食材ブロック(1)、または複数の食材ブロック(1)のための1つまたは複数の受入れ部(9)のための前記加熱機能を、選択された前記加熱調理の程度に応じて制御または調整できることを特徴とする、項目46に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目48)
複数の入力選択肢が提供され、前記複数の入力選択肢を介して、個別の受入れ部(9)または受入れ部(9)の複合群の前記加熱機能が制御または調整され得ることを特徴とする、項目47に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目49)
少なくとも1つの受入れ部(9)が、前記食品または食材ブロック(1)の加熱調理状態を検出するためのセンサを備え、前記制御装置が、所定の加熱調理レベルまで、またはユーザによって選択され、入力設備を介して入力された加熱調理レベルまで、加熱調理を実施することが可能であることを特徴とする、項目44から46のいずれか一項に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目50)
前記加熱デバイス(8)が、ベース体と、前記ベース体に可動に取り付けられた少なくとも1つの蓋と、前記受入れ部(9)の領域内で前記蓋の少なくとも一部分および/または前記ベース体の少なくとも一部分を加熱するための加熱デバイスと、を有し、前記ベース体および前記蓋が、前記蓋が前記ベース体上へ下降されたときに、前記ベース体と前記蓋との間に前記受入れ部(9)が形成され、または複数の受入れ部(9)が形成されるように設計され、前記食材ブロック(1)内の前記通路開口部(2)にその形状が適合された少なくとも1つの加熱マンドレル(10)が、前記蓋および/または前記ベース体から前記受入れ部内へ延在し、前記蓋が閉じられたときに、前記加熱マンドレル(10)が、前記通路開口部(2)に入り込んで前記通路開口部(2)に貫入することを特徴とする、項目46から49のいずれか一項に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目51)
前記蓋が、てこ機構を備える上昇継手(lifting joint)を介して前記ベース体に接続され、前記上昇継手が、第1の部分的な開口運動中に、前記蓋が前記ベース体から並進的に離間され、その後の部分的な開口運動においてのみ、前記蓋が前記並進運動に加えてまたはその代わりに枢動もされるように設計されることを特徴とする、項目50に記載の食品を調理するためのシステム。
(項目52)
前記並進運動が、前記食材ブロック(1)内の前記通路開口部(2)の前記深さの少なくとも90%に相当する移動距離を備えることを特徴とする、項目51に記載の食品を調理するためのシステム。
【符号の説明】
【0063】
1 食材ブロック
2 食材ブロック内の通路開口部
3 食材ブロック内のくぼみ
4 食材ブロックの通路
5 串
6 充填物
7 食材層
8 加熱デバイス
9 受入れ部
10 加熱マンドレル
図1
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