(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス及び製造方法
(51)【国際特許分類】
B26B 21/40 20060101AFI20231024BHJP
A45D 27/00 20060101ALI20231024BHJP
A61N 5/06 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
B26B21/40 B
A45D27/00
A61N5/06 Z
(21)【出願番号】P 2021559081
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(86)【国際出願番号】 US2020026492
(87)【国際公開番号】W WO2020206192
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-10-01
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】316015877
【氏名又は名称】ザ ジレット カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE GILLETTE COMPANY LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フランク ベールヴェルト
(72)【発明者】
【氏名】ユーディット フォンダーレン
(72)【発明者】
【氏名】ダリボル ダディック
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3036232(JP,U)
【文献】特開2001-029124(JP,A)
【文献】国際公開第2005/029597(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0344454(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 21/40
A45D 27/00
A61N 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス(10)であって、
一端に把持部(15)と対向端部にヘッド部(30)とを有するハンドル(14)であって、前記ヘッド部は、ポケット(44)を画定し、上面(68)を有する放熱ハウジング(42)を含み、前記放熱ハウジングは、10W/mKを超える熱拡散率を有する材料を含む、ハンドル(14)と、
1つ以上の皮膚効果を提供するように適合された前記ポケット内に配置された発光ダイオード(17)と、
前記発光ダイオードを覆う水密封止を形成する窓(64)と
、
前記放熱ハウジング(42)に取り付けられた剃毛かみそりカートリッジ(12)と
を備える、皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス(10)。
【請求項2】
前記窓(64)は、前記ポケット(44)を少なくとも部分的に充填する透明充填剤を含む、請求項1に記載の皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス(10)。
【請求項3】
前記窓(64)はサファイアガラスを含む、請求項1に記載の皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス(10)。
【請求項4】
前記発光ダイオード(17)は、前記放熱ハウジング(42)の前記上面(68)から0.1mm~1mmの距離(d1)だけ凹んでいる、請求項1に記載の皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス(10)。
【請求項5】
前記放熱ハウジング(42)はアルミニウムを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス(10)。
【請求項6】
前記発光ダイオード(17)は400nm~700nmの波長を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス(10)。
【請求項7】
前記発光ダイオード(17)は、制御回路(40)と通信するプリント回路基板(34)に取り付けられている、請求項1から6のいずれか一項に記載の皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス(10)。
【請求項8】
前記制御回路(40)と通信する前記プリント回路基板(40)に取り付けられた熱センサ(46)を更に備える、請求項7に記載の皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス(10)。
【請求項9】
上面(50)を有するシャーシ(48)と、前記シャーシに取り付けられたプリント回路基板(34)とを有するライトバーアセンブリ(16)を更に備え、前記発光ダイオード(17)は前記プリント回路基板に取り付けられている、請求項1から
8のいずれか一項に記載の皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス(10)。
【請求項10】
前記プリント回路基板(34)に取り付けられた複数の熱センサ(46)を更に備える、請求項
9に記載の皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス(10)。
【請求項11】
前記熱センサ(46)のうちの1つは、一対の発光ダイオード(17)の間に取り付けられる、請求項
10に記載の皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス(10)。
【請求項12】
前記プリント回路基板(34)は、前記シャーシ(48)の前記上面(50)に取り付けられた上部(54)と、前記シャーシの前面(52)に対して配置された前部(56)とを有する、
請求項9から11のいずれか一項に記載の皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス(10)。
【請求項13】
前記一対の発光ダイオード(17)の間に配置された複数の
熱センサ(46)を更に備える、請求項
11に記載の皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス(10)。
【請求項14】
前記発光ダイオード(17)は、前記放熱ハウジング(42)の前記上面(68)の下に約0.1mm~約1mmの水平距離d1で凹んでいる、請求項
9から13のいずれか一項に記載の皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剃毛かみそりに関し、より具体的には、ユーザの皮膚に有益な効果を提供する光エネルギー源を組み込むウェットシェービング用安全かみそりに関する。
【背景技術】
【0002】
顔の育毛の開始は、典型的には、にきびと共に思春期の間に始まる。一部の消費者は、特に湿式剃毛かみそりでは、にきびになりやすい皮膚を剃毛することが困難であり、懸念されるため、剃毛を避ける。フォトトリートメント及びいわゆる老化防止などの治癒及び皮膚トリートメントを促進するための光エネルギーの使用が知られている。WARP THERAPYによって市販されているWARP 10を含むいくつかの市販の装置、LUMIPORTによって市販されているDERMASTYLE SKIN REJUVENATOR、LIGHT THERAPY PRODUCTSによって市販されているLED SKIN PHOTO REJUVENATION LIGHT及びOMNlLUXにより市販されているデバイスは、異なる効果のために様々な波長の発光ダイオード(LED)を利用している。およそ400~500ナノメートル(nm)波長スペクトルの範囲の青色光は、にきびの治療に有効であり、殺菌性であり得る。例えば、TRIA BEAUTY(登録商標)によるPositively Clear Acne Clearing Blue Light。波長スペクトルがおよそ600~900nmの範囲の可視及び近赤外赤色光は、創傷ケア並びにしわ及び加齢によるシミの低減に有用であることが証明されている。これらの光エネルギーデバイスの重要な態様は、除毛に使用されるデバイス、例えば、除毛及び発毛阻害のための光エネルギーデバイスを開示することを表すAndersonらの米国特許第5,735,844号よりも、電力出力が小さいことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
剃毛かみそりにおいてユーザの皮膚に有益な効果を提供する光エネルギー源を組み込む剃毛かみそりが提案されている。しかしながら、剃毛かみそりカートリッジのサイズは比較的小さい。したがって、光エネルギー源は、剃毛かみそりカートリッジが安全かつ効率的な方法で放散及び/又は制御することができない熱を発生させることがある。更に、光エネルギー源は、不注意に眼にさらされると有害となり得る。剃毛ストローク中の光エネルギーの印加は、より高電力のLEDを使用してかみそりの比較的小さい専有面積並びに短い接触時間(例えば、1回の剃毛ストローク中の時間)を補償することがあるなど、他の問題を引き起こす。したがって、皮膚を焼くことなく安全かつ信頼性の高い光エネルギーを送達することができる剃毛かみそりを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一般に、一端に把持部を有し、対向端部にヘッド部を有するハンドルを有する、単純で効率的な皮膚トリートメントパーソナルケアを特徴とする。ヘッド部は、上面を有し、ポケットを画定する放熱ハウジングを含む。放熱ハウジングは、10W/mKを超える熱拡散率を有する材料で作製される。1つ以上の皮膚効果を提供するように適合された発光ダイオードがポケット内に配置される。窓は、LEDを覆う水密封止を形成する。
【0006】
別の態様では、本発明は、一般に、上面及び前壁を有するシャーシを有する単純で効率的なライトバーアセンブリを特徴とする。プリント回路基板は、シャーシに取り付けられる。1つ以上の皮膚効果を提供するように適合された発光ダイオードが、プリント回路基板に取り付けられる。放熱ハウジングは、プリント回路基板の上に取り付けられる。放熱ハウジングは、ポケットを画定する上面を有する。放熱ハウジングは、10W/mKを超える熱拡散率を有する材料を含む。発光ダイオードはポケット内に配置され、窓はLEDを覆う水密封止を形成する。
【0007】
別の態様では、本発明は、一般に、プリント回路基板を上面及び前壁を有するシャーシに取り付けることによって、皮膚トリートメントパーソナルケアデバイスを組み立てる単純で効率的な方法を特徴とする。1つ以上の皮膚効果を提供するように適合された発光ダイオードが、プリント回路基板に取り付けられる。10W/mKを超える熱伝導率を有する材料を有する放熱ハウジングが、プリント回路基板上に取り付けられる。発光ダイオードは、放熱ハウジングのポケット内に配置される。発光ダイオードは窓で覆われている。窓と放熱ハウジングとの間に水密が形成される。
【0008】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、添付図面及び以下の明細書に記述する。特定の実施形態は、本明細書において特に明記しない限り、概して開示されているが、組み合わされて明示的に例示又は特許請求の範囲に記載されていない本発明の要素又は構成要素を組み合わせることができることが理解される。本発明のその他の特徴及び利点は、明細書及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書は、本発明としてみなされる主題を詳細に示しかつ明確に特許請求する特許請求の範囲をもって完結するが、本発明は、以下の説明文を添付の図面と併せて読むことで更に深い理解がなされるものと考えられる。
【
図1A】皮膚トリートメントパーソナルケアデバイスの1つの可能な実施形態の正面図である。
【
図1B】ハンドルから取り外された剃毛かみそりカートリッジを有する皮膚トリートメントパーソナルケアデバイスの正面図である。
【
図2】
図1Aの線2-2に概ね沿って得られた皮膚トリートメントパーソナルケアデバイスの断面図である。
【
図3】ライトバーの可能な一実施形態の斜視図である。
【
図5】
図3の線5-5に概ね沿って得られたライトバーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1A及び1Bを参照すると、剃毛かみそりなどの皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス10を示す、本開示の1つの可能な実施形態が示されている。特定の実施形態では、皮膚トリートメントパーソナルケアデバイス10は、
図1Aに示すように、ハンドル14に取り付けられた剃毛かみそりカートリッジ12を含んでもよい。しかしながら、歯ブラシ又はアプリケータなどの他のトリートメントヘッドがハンドル14に代替的に取り付けられてもよいことが理解される。剃毛かみそりカートリッジ12は、ハンドル14に固定式又は旋回式に取り付けられてもよい。ハンドル14は、ライトバーアセンブリ16に電力を供給する1つ以上の電池(図示せず)などの電源を保持する把持部15を含んでもよい。特定の実施形態では、ライトバーアセンブリ16は、1つ以上の発光ダイオード(LEDS)17を備えてもよい。LEDは、ライトバーアセンブリ16が剃毛かみそりカートリッジ12に取り付けられ、ユーザが剃毛ストロークを行うときに、ユーザの皮膚に面するように位置付けられる。例えば、ライトバーアセンブリ16は、剃毛かみそりカートリッジ12のハウジング20によって画定される1つ以上の開口部18(
図1B)内に延在してもよい。
【0011】
LEDによって放出される光エネルギーは、400~1000nmの範囲内の少なくとも1つの波長を有する。400~700nmの範囲の少なくとも1つの波長もまた、有益であることが見出されている。各LEDは、100mW超、より好ましくは200mW超の電力消費、及び100mW超、より好ましくは200mW超の放射電力を有し得る。LEDによって放出される光エネルギーは、にきび治療、殺菌効果、光損傷の修復、老化防止効果、剃毛によって引き起こされる創傷又は他の皮膚損傷を治癒することを含む瘢痕の低減及び創傷治癒のうちの少なくとも1つを提供する。
【0012】
剃毛かみそりカートリッジ12は、ハンドル14に永続的に取り付けてもよく、又は取り外し可能に取り付けることで、剃毛かみそりカートリッジ12を交換可能とすることができる。
図1Bは、ハンドル14から取り外された剃毛かみそりカートリッジ12を示す。剃毛かみそりカートリッジ12のハウジング20は、ガード22と、キャップ24と、キャップ24とガード22の間でハウジング20に装着された1つ以上の刃26とを含むことがある。ガード22は、ハウジング20の前部に向かっていてもよく、キャップ24は、ハウジング20の後部に向かっていてもよい(すなわち、ガード22は、刃26の前にあり、キャップ24は、刃26の後ろにある)。ガード22及びキャップ24は、ガード22及びキャップ24に接する剃毛平面を画定し得る。ガード22は、刃26に対して概ね平行に延在する中実のバー又は分割されたバーであってもよい。特定の実施形態では、ライトバーアセンブリ16は、ガード22の前方に配置することができる。しかしながら、ライトバーアセンブリは、ハウジング20上の任意の場所に(例えば、キャップ20の近くのハウジング20の後に)配置されてもよいことが理解される。ライトバーアセンブリ16は、剃毛ストローク中に消費者の皮膚に接触する外面28を含んでもよい。ライトバーアセンブリ16は、ハンドル14のヘッド部30に取り付けられてもよい。発光ダイオード17は、ライトバーアセンブリ16内に(例えば、外面28から離間して)凹んでいてもよい。
【0013】
特定の実施形態では、刃26は、ハウジング20に装着され、1つ以上のクリップ32によって取り付けられてもよい。また、当業者に既知の他の組立方法を使用して、刃26をハウジング20へ固定及び/又は装着させてもよく、当該方法として、ワイヤラッピング、冷間成形、熱間かしめ、インサート成形、超音波溶接、及び接着剤が挙げられるが、これらに限定されない。クリップ32は、熱を伝導する、及び刃26が腐食するのを防止するのを助けるための犠牲アノードとして作用する、アルミニウムなどの金属を含んでもよい。5枚の刃26が図示されているが、ハウジング20は、剃毛かみそりカートリッジ12の所望の性能及びコストに応じて、これよりも多い枚数又は少ない枚数の刃26を有してもよい。
【0014】
特定の実施形態では、刃26の前で熱を提供することが所望され得る。例えば、ライトバーアセンブリ16が、ガード20及び/又は皮膚係合部材26の前に位置付けられてもよい。以下で更に詳細に記載するように、ライトバーアセンブリ16は、プリント回路基板(PCB)34を介してハウジング20に取り付けられ、電源(図示せず)と導通してもよい。特定の実施形態では、プリント回路基板(PCB)34は、剃毛かみそりカートリッジ12の移動を容易にするために可撓性であってもよい。発光ダイオード17は、プリント回路基板34に取り付けられ、電源に動作可能に結合されてもよい。
【0015】
キャップ24は、ハウジング20に装着された別個の成形品(例えば、剃毛補助剤が充填されたリザーバ)又は押出成形された構成要素(例えば、押出成形された潤滑ストリップ)であってもよい。特定の実施形態では、キャップ24は、皮膚を支持し剃毛面を規定するためのプラスチック又は金属のバーであってもよい。キャップ24は、ハウジング20と同じ材料で成形若しくは押出成形されてもよく、又は剃毛中の快適さを増すために、1つ以上の水滲出性の剃毛補助剤材料を有するより潤滑な剃毛補助剤複合材料で成形又は押出成形されてよい。剃毛補助剤複合材料は、非水溶性ポリマーと、皮膚潤滑性の水溶性ポリマーと、を含んでもよい。使用することができる好適な非水溶性ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ブタジエン-スチレンコポリマー(例えば、中耐衝撃性ポリスチレン及び高耐衝撃性ポリスチレン)、ポリアセタール、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、及びポリプロピレン/ポリスチレンブレンドなどのブレンドが挙げられるが、これらに限定されず、Mobil4324(Mobil Corporation)などの高耐衝撃性ポリスチレン(すなわち、ポリスチレン-ブタジエン)を有してもよい。
【0016】
好適な皮膚潤滑性水溶性ポリマーとしては、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルイミダゾリン、及びポリヒドロキシエチルメタクリレートを挙げることができる。他の水溶性ポリマーとしては、一般にPOLYOX(Union Carbide Corporationから入手可能)又はALKOX(明成化学工業株式会社(京都)から入手可能)として知られるポリエチレンオキシドが挙げられてよい。これらのポリエチレンオキシドは、約10万~600万、例えば、約30万~500万の分子量を有してもよい。ポリエチレンオキシドは、約500万の平均分子量を有する、約40~80%のポリエチレンオキシド(例えば、POLYOX COAGULANT)と、約30万の平均分子量を有する約60~20%のポリエチレンオキシド(例えば、POLYOX WSR-N-750)と、のブレンドを含んでよい。かかるポリエチレンオキシドブレンドは、約10重量%以下の、PEG-100などの低分子量(すなわちMW<10,000)のポリエチレングリコールを含有してもよい。
【0017】
ひげ剃り補助複合材料は、必要に応じて、皮膚鎮静剤と、シクロデキストリン、ポリエチレングリコールなどの低分子量の水溶性放出促進剤(例えば、1~10重量%)、架橋ポリアクリル樹脂などの水膨潤性放出促進剤(例えば、2~7重量%)、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、ひげ軟化剤、収れん剤、除毛剤、薬用成分、コンディショニング剤、加湿剤、冷却剤などとの包接複合体を含んでよい。
【0018】
図2を参照すると、
図1Aの線2-2に概ね沿って得られた、皮膚トリートメントパーソナルケアデバイスの断面図が示されている。ハンドル14は、電池36を保持して、ライトバーアセンブリ16に電力を供給してもよい。ライトバーアセンブリ16の電力をオン及びオフにするために、電源スイッチ38(例えば、ボタン)がハンドル14に設けられてもよい。特定の実施形態では、電源スイッチ38は、ライトバー16の状態を示すために点灯されてもよい。電池36は、制御回路40に動作可能に結合されて、ライトバーアセンブリ16への電力を調節してもよい。以下でより詳細に説明されるように、制御回路は、ライトバーアセンブリ16の温度が第1の所定の温度を超える場合、ライトバーアセンブリ16への電力をオフにしてもよい。特定の実施形態では、第1の温度は、約50℃、例えば約42℃~52℃であってよい。制御回路40はまた、ライトバーアセンブリの温度が、第1の所定の温度未満であり得る第2の所定の温度未満に戻ると、ライトバーアセンブリ16に電力を戻すように切り替えてもよい。特定の実施形態では、第2の温度は約43℃~約45℃であってもよい。他の実施形態では、制御回路40は、感知された温度が第1の所定の温度未満である場合にのみ、電源をオンに切り替えることができる。
【0019】
図3及び
図4を参照すると、ライトバーアセンブリ16の斜視図及び組立図が示されている。ライトバーアセンブリ16は、1つ以上のポケット44を画定する放熱ハウジング42を含んでもよい。発光ダイオード17は、ポケット44と共に配置されてもよい。相当量の熱が発光ダイオード17によって生成されてもよく、これは、不快感、痛み、又は潜在的な損傷をユーザにもたらすことができる。以下でより詳細に説明するように、ライトバーアセンブリ16は、ユーザの皮膚の火傷を防止するために、所定の閾値温度に達した場合に発光ダイオード17への電力をオフにするために、信号を制御回路40(
図2)に送信する1つ以上の熱センサ46を含んでもよい。熱センサは、発光ダイオード17に良好な安全機構を提供するが、発光ダイオード17への電力をオフにするか又は電力を低減すると、皮膚トリートメントパーソナルケアデバイスが非効率になることがある。例えば、使用中に発光ダイオードへの電力が常にオフ及びオンに切り替えられる場合、発光ダイオードは、所望の皮膚効果をもたらすのに十分な量のエネルギーを伝達しないことがある。使用中に、すなわちライトバーアセンブリ16が第1の所定の温度を超えて加熱されることなく、発光ダイオード17を可能な限りオンにし続けるために、LED 17によって発生した熱の多くを周囲領域に放散することが望ましいことがある。皮膚トリートメントの使用中、パーソナルケアデバイス10は、ライトバーアセンブリ16に密接に接触して結合される最大のヒートシンクは、典型的には、ユーザの皮膚である。したがって、LED 17からユーザの皮膚への急速な熱の輸送を可能にする、ライトバーアセンブリ16の材料の構成及び選択を提供することが望ましいことがある。特定の実施形態では、ライトバーアセンブリ16の放熱ハウジング42は、10W/mKを超える熱伝導率を有する材料を含む。これにより、高温端(LED接触側)から低温端(皮膚接触側)への熱の高い伝達率を促進してもよい。十分な熱伝導率を有する材料の例には、アルミニウム、銅、鋼、又はCoolpoly E 8101などの熱伝導性ポリマーが含まれ得るが、これらに限定されない。以下に、それぞれの熱伝導率を有する様々な材料の例を列挙する。
【0020】
【0021】
図4を参照すると、ライトバーアセンブリ16の組立図が示されている。発光ダイオード17は、プリント回路基板34に取り付けられ、プリント回路基板34と電気的に連通していてもよい。熱センサ46は、プリント回路基板34に取り付けられ、プリント回路基板34と電気的に連通していてもよい。プリント回路基板34は、電源36(
図2)及び制御回路40(
図2)、並びに発光ダイオード17及び熱センサ46との間で電力及び/又は電気信号を伝達してもよい。特定の実施形態では、熱センサ46は、精度を向上させるために一対の発光ダイオード17の間に配置されてもよい。複数の熱センサ46は、放熱ハウジング42のより正確な温度読み取りを容易にするために、一対の熱センサ46の間に、隣接して配置されてもよい。更なる安全レベルのために、発光ダイオード17の間に配置された複数の熱センサ46は、熱センサ46のうちの1つ以上が故障した場合にレベル冗長性を提供してもよい。センサ46が第1の所定の温度に達したことを識別した場合、制御回路40は、LED17への電力をオフにして、LED17への電力を連続的から断続的に(例えば、そのためLED17は点滅する)してもよく、又はLEDへの電力を低減してもよい。
【0022】
プリント回路基板34は、シャーシ48に取り付けられてもよい。シャーシ48は、鋼、アルミニウム、銅、又はポリマー材料から製造されてもよい。シャーシ48は、上面50及び前面52を有してもよい。プリント回路基板34の上部54は、シャーシ48の上面50に配置されてもよく、プリント回路基板34の前部56は、シャーシ48の前面52に対して配置されてもよい。特定の実施形態では、接着剤を使用して、プリント回路基板をシャーシ48に固定してもよい。シャーシ48上の前部56及び上部54の位置付けは、固定プロセス(例えば、固定中に回路基板34の移動が制限される)を容易にすることができる。熱センサ46及び/又は発光ダイオードは、プリント回路基板34がシャーシ48に固定される前又は後のいずれかに、プリント回路基板34の上部54に取り付けられてもよい。
【0023】
プリント回路基板34は、シャーシ48と放熱ハウジング42との間に取り込まれてもよい。放熱ハウジング42は、プリント回路基板34及びシャーシ48の上に取り付けられてもよい。特定の実施形態では、放熱ハウジング42は、プリント回路基板34の上部54及び前部56の両方の上に取り付けられてもよい。同様に、放熱ハウジング42は、シャーシ48の上面50及び前面52の両方の上に取り付けられてもよい。1つ以上の保持部材58は、シャーシ48を放熱ハウジング42に固定するために、シャーシ48のそれぞれの開口部60を通って放熱ハウジング42内に延在してもよい。放熱ハウジング42のポケット44は、それぞれの発光ダイオード17の周囲に配置されてもよい。放熱ハウジング42は、1つ以上のセンサパッド62を有してもよい。センサパッド62は、一対のポケット44の間に配置されてもよい。特定の実施形態では、センサパッド62は、(例えば、接触して)熱センサ46の上部に置かれて、放熱ハウジング42の温度の正確な温度読み取り値を与えてもよい。以下でより詳細に説明するように、1つ以上の窓64は、ポケット44、したがって発光ダイオード17を覆うように放熱ハウジング42に取り付けられてもよい。窓64は、水密封止を提供して、ポケット44への水の侵入を防止してもよい。
【0024】
窓64は、発光ダイオード17によって放出された光が皮膚に到達するために半透明又は透明であってもよい。窓64は、ガラス、ポリカーボネート、及び他の半透明又は透明なポリマーを含んでもよい。特定の透明なポリマー、例えばアクリレート、シリコーン又はエポキシの場合、ポリマーは、液体状態でポケット内に充填され、次いで硬化されて、固体の透明又は半透明の窓64を形成してもよい。特定の実施形態では、窓64は、サファイアガラスなどの皮膚への熱の放散を補助する透明又は半透明の材料を含んでもよい。サファイアガラスは、熱の放散を促進するための改善された熱特性のために、ガラス(例えば、二酸化ケイ素)よりも好ましいことがある。特定の実施形態では、窓64は、約10W/mKを超える熱伝導率を有してもよい。
【0025】
図5を参照すると、
図3の線5-5に概ね沿って得られた、ライトバーアセンブリ16の断面図が示されている。前述したように、発光ダイオード17のうちの1つ以上は、放熱ハウジング42のそれぞれのポケット44のうちの1つの内部に配置されてもよい。発光ダイオード17の上面66は、光ビームの形成を容易にするために、放熱ハウジング42の上面68に対して「d1」の距離だけ凹んでいてもよい。特定の実施形態では、距離d1は約0.1mm~約1mmであってもよい。距離「d1」はまた、窓64の厚さを表してもよい。発光ダイオード17の1つ以上の側面70は、発光ダイオード17の水封を容易にするために、放熱ハウジング42の内側側壁72から距離d2に配置されてもよい。例えば、d2は、約0.1mm~約1.0mmであってもよい。したがって、窓64は、発光ダイオード17の2つ以上の側面に面するように配置されてもよい。窓64は、充填剤又は接着剤で放熱ハウジング42に固定されてもよい。あるいは、窓64は、透明な充填剤を含んでもよい(例えば、Epo-Tek 301などの接着剤であり、これはまた、皮膚、又はシリコーンゴムと接触して使用しても安全である)。したがって、透明充填材は、水密封止を提供し、発光ダイオード17からの熱の放散を容易にすることに加えて、光が窓64を通って透過することを可能にして、1つ以上の皮膚効果を提供してもよい。
【0026】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0027】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0028】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。