(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】半導体システムにおける湿度制御
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20231024BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
H01L21/68 T
H01L21/68 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022004384
(22)【出願日】2022-01-14
(62)【分割の表示】P 2018517713の分割
【原出願日】2016-10-05
【審査請求日】2022-02-14
(32)【優先日】2015-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515265536
【氏名又は名称】ブルックス シーシーエス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Brooks CCS GmbH
【住所又は居所原語表記】Im Wiesengrund 17, 78315 Radolfzell, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【氏名又は名称】小池 勇三
(72)【発明者】
【氏名】レブストック,ルッツ
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-507309(JP,A)
【文献】特開2004-311940(JP,A)
【文献】国際公開第2015/023591(WO,A1)
【文献】特表2009-541998(JP,A)
【文献】特表2014-528157(JP,A)
【文献】特開2006-21913(JP,A)
【文献】特開2003-318254(JP,A)
【文献】特表2010-536185(JP,A)
【文献】特開2003-228163(JP,A)
【文献】特開2003-347397(JP,A)
【文献】特開2006-5072(JP,A)
【文献】特開2001-44089(JP,A)
【文献】国際公開第2015/118782(WO,A1)
【文献】特開2011-49319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板(1085)のための低湿度レベル(115)のクリーン環境(100)内に第1の環境を形成するための方法であって、
湿度設定点(140)近辺の所定区間内または湿度設定点(140)に前記クリーン環境(100)を維持するために、湿度センサ(1015)を用いて、前記クリーン環境(100)内の湿度レベル(115)を測定するステップと、
前記湿度設定点(140)近辺の前記所定区間内の所与の値までまたは前記湿度設定点(140)まで、前記湿度レベル(115)が低下するまで、前記クリーン環境(100)にパージガス(1025)を供給して低湿化するステップと、
前記クリーン環境内に、半導体基板(1085)を保持可能な保護容器(1046)を配置するステップと、
前記配置された保護容器(1046)内を、前記パージガス(1025)とは異なる経路を通る第1のパージガスでパージして該保護容器(1046)内に第1の環境を形成するステップと
を有
し、
前記クリーン環境(100)に供給されるパージガス(1025)は、前記保護容器(1046)のための層状パージ流(1020)によりもたらされるとともに、この層状パージ流(1020)は再循環されるものであり、
前記保護容器(1046)内を第1の環境にする第1のパージガスは、該保護容器内に保持された半導体基板に沿って流動し、
前記第1のパージガスは、前記再循環される層状パージ流(1020)のための再循環経路とは異なる供給経路によって供給され、前記層状パージ流のパージガスとは異なるパージガスである、方法。
【請求項2】
前記クリーン環境(100)内の前記パージガス(1025)を、再循環させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記再循環パージガス流(1025)に結合した減湿アセンブリ(160)によって、戻りガス流(120)における湿度レベル(115)を低下させる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記湿度レベル(115)が所定の閾値を超えているときには、フレッシュ乾燥ガス(1035)を添加する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記湿度レベル(115)は、
前記クリーン環境内のガスから、または、
前記供給したパージガスの排気中のガス(130)から、または、
減圧速度から、
測定する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記クリーン環境(100)を、搬送する半導体基板(380)収納用の容器(300)内に形成するか、または前記クリーン環境(100)を、搬送する半導体基板収納用もしくは容器(480)収納用の室(400)内に形成する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記クリーン環境(100)は、容器(480)を処理するための室(400)内に形成されるものであり、当該方法は、
容器(480)を、前記室(400)内に供給、配置または導入するステップ(200)と、
前記容器(480)を、表面汚染物質を除去するために洗浄するステップ(200)と、
前記湿度レベル(115)が、前記
湿度設定点(140)近辺の前記所定区間内の所与の値に達するまで、または前記
湿度設定点(140)に達するまで、前記室(400)内を排気することと、前記室(400)内にパージガスを供給することにより、前記室(400)内の湿気を除去するステップ(210)と、を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記室(400)内の
低湿度状態を、所定時間にわたって維持する(220)、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記クリーン環境(100)は、半導体基板(380)を収納するための容器(300)内に形成されるものであり、当該方法は、
前記容器を洗浄し、さらに/または前記容器(300)を乾燥させるステップ(240)と、
前記湿度レベル(115)が、前記
湿度設定点(140)近辺の前記所定区間内の所与の値に達するまで、または前記
湿度設定点(140)に達するまで、前記容器(300)の内部をガス流でパージするステップ(250)と、を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記クリーン環境は、容器(1041)を収納するためのストッカ(1000)内に形成されるものであり、前記クリーン環境内に形成された第1の環境は、半導体基板(1080)を収納するための容器(1041)内に形成される環境である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
半導体基板のための低湿度レベル(115)のクリーン環境(100)内に第1の環境を有するシステムであって、
湿度設定点(140)近辺の所定区間内または湿度設定点(140)に前記クリーン環境を維持するために、前記クリーン環境(100)内の湿度レベル(115)を測定するように構成された湿度センサ(110)と、
前記
湿度設定点(140)近辺の前記所定区間内の所与の値まで、または前記
湿度設定点(140)まで、前記湿度レベル(115)が低下するまで、前記クリーン環境(100)にパージガス(1025)を供給して低湿化するように構成された機構と、
を備え、
当該システムは、さらに、
前記クリーン環境内に配置された半導体基板(1080)を保持可能な保護容器(1041)と、
前記保護容器(1041)内を、前記パージガス(1025)とは異なる経路を通る低湿度ガスでパージして第1の環境を形成するとともに、この第1の環境内の湿度が、第1の
湿度設定点(140)近辺の所定区間内の所与の値まで、または前記第1の
湿度設定点(140)まで低下させる手段とを有し、
さらに、前記第1の環境は、前記クリーン環境内に配置された容器(1041)であって半導体基板(1080)を収納するための容器(1041)内に前記第1の環境を形成
し、
前記クリーン環境(100)に供給されるパージガス(1025)は、前記保護容器(1046)のための層状パージ流(1020)によりもたらされるとともに、この層状パージ流(1020)は再循環されるものであり、
前記保護容器(1046)内を第1の環境にする低湿度ガスは、該保護容器内に保持された半導体基板に沿って流動し、
前記低湿度ガスは、前記再循環される層状パージ流(1020)のための再循環経路とは異なる供給経路によって供給され、前記層状パージ流のパージガスとは異なるガスであるように構成されている、システム。
【請求項12】
前記クリーン環境(100)を、搬送する半導体基板(380)収納用の容器(300)内に、または搬送する半導体基板収納用もしくは容器(480)収納用の室(400)内に形成するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体デバイスの製造では、ウェハ、レチクル、ガラス基板などの基板の清浄性、ならびに、それらの基板の保管および搬送に使用される容器、およびそれらの基板の保管に使用されるスタッカの清浄性が要求される。パーティクルおよび他の汚染物質の存在は、生産歩留まりにマイナスの影響を及ぼす可能性がある。半導体基板の搬送は、一般的に、カセット、キャリア、トレイ、正面開口一体型ポッド(FOUP(フープ):Front Opening Unified Pod)、正面開口搬送ボックス(FOSB(フォスビ):Front-Opening Shipping Box)、標準機械的インタフェース(SMIF(スミフ):Standard Mechanical Interface)、ポッド、ボックスのような容器で、行われる。例えば、FOUPは、一般的に、基板を支持するためにシェル内部に配置された1つ以上の櫛型案内構造を有する。FOUPは、さらに、シェルから取り外すことが可能なドアを有し、これにより、基板ハンドリングロボットによる、シェルからの基板へのアクセスを可能とすることができる。半導体基板は、一般的に、多数の基板を保持するための収納室を有するストッカに保管される。
【0002】
半導体基板の保管および搬送に使用されるFOUPのような容器は、基板の汚染を防止して、基板に要求される清浄度基準を維持するために、定期的に洗浄する必要がある。さらには、アウトガス放出および基板の汚染の可能性のさらなる防止のために、パージガスを容器内部に供給することができる。
【0003】
ストッカは、例えば容器を伴わない基板であるベア基板、またはFOUPのような容器内に配置された基板を保管するなど、半導体基板の保管に使用することができる。ストッカ内部の清浄度を維持することに加えて、汚染防止のためにパージガスをストッカ内に供給することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
容器およびストッカの清浄度を向上させることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、低湿度レベルの環境を形成することを含めて、半導体基板のためのクリーン環境を形成する方法およびシステムについて、開示する。所定の湿度設定点近辺の所定区間内または所定の湿度設定点に環境を維持するために、湿度センサを用いて、環境内の湿度レベルを検出することができる。設定点近辺の所定区間内の値にまで、または設定点にまで、湿度レベルが低下するまで、環境にガスを供給することができる。
【0006】
好ましい実施形態によれば、例えばガス消費を削減するために、環境内のガスを再循環させることができる。
【0007】
効果的には、戻りガス流における湿度レベルを低下させるために、減湿アセンブリを再循環ガス流に結合することができる。
【0008】
さらに、湿度レベルが所定の閾値を超えているときには、好ましくは、フレッシュ乾燥ガスを添加することができる。例えば、環境に対して直接、または再循環ガス流に対して、フレッシュ乾燥ガスを添加することができる。所定の閾値は、例えば、設定点近辺の所定区間の境界の1つとすることができる。
【0009】
湿度レベルは、効果的には、環境内のガスから、または供給したガスの排気中のガスから、または再循環ガス流において、測定することができる。
【0010】
また、湿度レベルは、好ましくは、減圧速度から測定することもでき、例えば、環境内のガスを排気することができ、このとき、高湿度のガスは、低湿度のガスよりも低速で排気される。
【0011】
いくつかの実施形態では、容器は、洗浄された後に、汚染物質除去室を経ることができる。汚染物質除去室は、容器からガス汚染物質を放出させるための真空室とすることができる。汚染物質除去室は、容器から汚染物質を除去するためのパージ室とすることができる。真空室内のガスの排気、またはパージ室内のガスのパージは、湿度センサと連動させることができ、これにより、10%未満もしくは5%未満の相対湿度、または5~10%の間の湿度などの設定点に、容器内の湿度レベルが達したときに、プロセスを停止させるか、または異なる処理モードに引き継いで継続することができる。いくつかの実施形態では、10%未満もしくは5%未満の相対湿度、または5~10%の間の湿度などの設定点に容器内の湿度レベルが達するまで、乾燥空気または乾燥窒素ガスのような低湿度ガスで、容器内部をパージすることができる。このとき、例えば一定の湿度レベルを維持するために、パージガスは、湿度フィードバックに基づいてフレッシュ乾燥ガスを添加して、再循環させることができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、ストッカは、清浄度レベルを維持するために、再循環ガスを有することができる。ストッカは、一定の湿度レベルを維持するために、フィードバックループを有することができる。例えば、ストッカ内の湿度が設定点を超えているときには、フレッシュ乾燥ガスを添加することができる。ストッカの内側、かつ、半導体基板が収納される収納モジュールの外側に、再循環ガスを供給することができる。低パーティクル環境を維持するために、パージガスを収納モジュールに供給することができる。収納モジュールへのパージガスは、湿度フィードバックに基づいてフレッシュ乾燥ガスを添加して、再循環させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1A~1Bは、いくつかの実施形態による湿度制御システムを示している。
【
図2】
図2A~2Cは、いくつかの実施形態による湿度制御環境のためのフローチャートを示している。
【
図3】
図3A~3Bは、いくつかの実施形態による、様々に異なる湿度レベルを有するパージシステムの構成を示している。
【
図4】
図4A~4Bは、いくつかの実施形態による真空汚染除去室の構成を示している。
【
図5】
図5A~5Cは、いくつかの実施形態による真空汚染除去室の構成を示している。
【
図6】
図6A~6Bは、いくつかの実施形態による、容器を汚染除去するためのフローチャートを示している。
【
図7】
図7A~7Bは、いくつかの実施形態による、容器をコンディショニングするための構成を示している。
【
図8】
図8A~8Cは、いくつかの実施形態による、容器をコンディショニングするためのフローチャートを示している。
【
図9】
図9A~9Bは、いくつかの実施形態による、ストッカをコンディショニングするための構成を示している。
【
図10】
図10A~10Bは、いくつかの実施形態による、湿度制御を有するスタッカ構成を示している。
【
図11】
図11A~11Bは、いくつかの実施形態による、スタッカをコンディショニングするためのフローチャートを示している。
【
図12】
図12A~12Cは、いくつかの実施形態によるパージガス構成を示している。
【
図13】
図13A~13Bは、いくつかの実施形態による、EUVレチクルキャリアを収納するための構成を示している。
【
図14】
図14A~14Bは、いくつかの実施形態による、様々に異なる個別収納室構成を有するスタッカを示している。
【
図15】
図15A~15Bは、いくつかの実施形態による、二重容器を保管するためのフローチャートを示している。
【
図16】
図16A~16Cは、いくつかの実施形態による、バッファ収納アセンブリを有するストッカの構成を示している。
【
図17】
図17A~17Bは、いくつかの実施形態による、二重容器を保管するためのフローチャートを示している。
【
図18】
図18は、いくつかの実施形態による、湿度制御を有するストッカ構成を示している。
【
図19】
図19は、いくつかの実施形態による、湿度制御を有するストッカ構成を示している。
【
図20】
図20A~20Bは、いくつかの実施形態による、ストッカをコンディショニングするためのフローチャートを示している。
【
図21】
図21A~21Cは、いくつかの実施形態によるパージ区画室の構成を示している。
【
図22】
図22は、いくつかの実施形態による、複数のパージ区画室を導入した収納室を示している。
【
図23】
図23A~23Bは、いくつかの実施形態による、パージ区画室保管のためのフローチャートを示している。
【
図24】
図24A~24Bは、いくつかの実施形態によるストッカを示している。
【
図25】
図25は、いくつかの実施形態による、レチクルを保管するためのフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1A~1Bは、いくつかの実施形態による湿度制御システムを示している。例えば、搬送する半導体基板収納用の容器内に、または半導体基板収納用もしくは容器収納用の室内に、環境100を形成する。言い方を変えれば、本明細書では、そのような容器、ならびにそのような容器の保持または処理用の室を、直接、環境と呼ぶことがある。
【0015】
環境100は、空気または窒素のような不活性ガス120でパージすることができる。排気流における湿度レベルを測定するために、不活性ガスの排気流130に湿度センサ110を結合することができる。あるいは、環境内の湿度を測定するために、環境100に湿度センサを結合することができる。湿度センサは、容量式湿度計、抵抗式湿度計、熱式湿度計、または重量式湿度計を用いて湿度を測定することが可能な湿度計を含むことができる。湿度センサは、湿度レベルを抽出するために、減圧速度を測定するための圧力センサを用いるなどして、間接的に湿度を測定することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、排気流130を再循環させることができ、例えば、排気流130からのガス流を入力流120に供給することができる。パージガス流を調整するために、ガス精製器および減湿を含み得るガス調整システム160を用いることができる。例えば、入力ガス流120は、例えば、10%未満、5%未満、または5~10%の間の湿度の湿度レベルを有する乾燥ガスを含むことができる。排気流130は、環境100内の湿度に応じて、より高い湿度を有し得る。ガス調整システム160は、排気流において、例えば、フィルタでパーティクルを除去するとともに、乾燥剤で湿気を除去することによって、排気流130を調整することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、例えば排気流130を(ガス調整システム160を介して)入力流120に結合するような再循環ループに、フレッシュ乾燥ガス入力170を供給することができる。例えば、フレッシュ乾燥ガス入力170は、例えば湿度センサ110で測定される再循環ガスにおける湿度レベルが、ある特定の設定点を超えているときに、フレッシュ乾燥ガスを添加することにより、入力流120における湿度をさらに低下させるために用いることができる。
【0018】
例えば不活性ガス120による、環境100のパージによって、環境内の湿度を低下させることができる。環境内の湿度115を、時間t150で設定点140まで低下させることができる。いくつかの実施形態では、湿度が湿度設定点140に達したときに、パージガス120を停止させるか、または他の処理条件を実施することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、本発明は、半導体基板を格納する容器内、または容器もしくは半導体基板を収納するストッカ内のような、保管環境における清浄度を維持するための条件として湿度を用いることについて、開示する。
【0020】
図2A~2Cは、いくつかの実施形態による湿度制御環境のためのフローチャートを示している。
図2Aでは、環境内の湿度が設定点まで低下するまで、環境の内部を処理することができる。その環境は、容器における汚染物質を除去するためなどの容器処理室内に、形成または提供することができる。例えば、容器を、室内に供給することができる。容器は、容器表面に付着した水分もしくはパーティクル、または容器壁の内部に埋め込まれた分子のような、汚染物質で汚染されている可能性がある。容器は、表面汚染物質を除去するために最初に洗浄することができ、さらにオプションとして乾燥させることができる。その処理室は、容器からガス汚染物質を放出させるための、または容器表面に付着した水分を除去するための、真空室とすることができる。湿度レベルが、10%未満、5%未満の相対湿度、または5~10%の間の湿度などの設定点まで低下するまで、室内の真空度を処理することができる。真空室は、ある時間にわたって、低湿度の設定点に維持することができる。
【0021】
オペレーション200で、容器を、室内に供給し、特に室内に配置または導入する。その容器は、洗浄することと、さらにオプションとして、乾燥または部分乾燥させることが可能である。容器の蓋を、容器内部を露出させる位置に開放または配置するなどして、容器を開放した形態で配置することができる。
【0022】
オペレーション210で、湿度が設定点に達するまで、湿気を除去する。例えば、ポンプ機構を用いて、処理室を排気することができる。湿気を除去するために、ポンプ圧送/パージプロセスを用いることができ、例えば、処理室を排気した後に続いて、パージガスを供給する。この排気およびパージプロセスを、設定点近辺の所定区間内の値にまで、または設定点にまで、湿度レベルが低下するまで、繰り返すことができる。湿度レベルは、処理室から排気される排気ガスから測定することができる。湿度レベルは、室内の残留ガスから測定することができる。湿度レベルは、例えば室内のガスのポンプ流量から、間接的に測定することができる。
【0023】
オペレーション220で、オプションとして、所定時間にわたって、室内の低湿度状態を維持する。低湿度レベルは、容器表面の水分などの汚染物質を除去するため、または容器中のガス汚染物質を放出させるための、助けとなり得る。さらに、10または5%未満の低湿度レベルによって、容器の長期にわたる清浄性を得ることができる。
【0024】
図2Bでは、環境内の湿度が設定点まで低下するまで、乾燥空気または乾燥窒素ガスのような低湿度ガスで、環境の内部をパージすることができる。その環境は、半導体基板を格納するための容器内であり得る。例えば、容器内部は、そこに収納される半導体基板を、例えば容器表面に付着した水分もしくはパーティクルまたは容器壁の内部に埋め込まれた分子によって汚染しないために、洗浄する必要がある。容器内の基板に汚染物質が到達するのを防ぐ助けとなるように、容器を低湿度ガスで充填することができる。長期にわたる汚染予防を得るために、容器内部の湿度レベルは、10または5%未満の相対湿度などの設定点未満とすることができる。
【0025】
オペレーション240で、容器を、オプションとして洗浄し、さらにオプションとして乾燥させる。オペレーション250で、湿度レベルが設定点に達するまで、容器内部をガス流でパージする。容器は、予め洗浄して、乾燥させたものとすることができる。容器は、例えば、このパージ工程の直前には洗浄されていない、運用中の容器とすることができる。湿度レベルは、容器内の湿度レベルを表す信号から測定または計算することができる。例えば、湿度レベルは、湿度計を用いて、容器から排気される排気ガスから測定することができる。湿度レベルは、容器内の減圧速度から測定することができる。例えば、パージガスを停止させることができ、そして容器内のガスを排気し、このときの減圧速度を、湿度レベルの指標として測定することができる。パージガスを再開させることができ、そしてこのプロセスを、湿度レベルが満足できるものとなるまで、繰り返すことができる。
【0026】
パージガスは、フレッシュ乾燥ガスとすることができ、またはパージガスは、再循環ガスとすることができる。パージガスが再循環ガスである場合には、戻りガスが低湿度であることを確保するために、例えば(デシカントフィルタのような)減湿システムである湿度制御を用いることができる。さらには、低湿度レベルを維持するために、フレッシュ乾燥ガスを添加することができる。例えば、戻りガス中に設置された湿度センサからの湿度フィードバックに基づいて、フレッシュガスを添加することができる。
【0027】
図2Cでは、設定点近辺の所定区間内の値にまで、または設定点にまで、環境内の湿度が低下するまで、乾燥空気または乾燥窒素ガスのような低湿度ガスで、第1の環境の内部をパージすることができる。第2の環境のための別のパージガスを用いることを伴って、第1の環境内に、第2の環境を形成することができる。第1の環境は、容器を収納するためのストッカとすることができ、第2の環境は、半導体基板を格納するための容器とすることができる。容器内に収納された半導体基板は、容器を通過するパージガスによってクリーン環境に維持することができ、容器は、ストッカを通過するパージガスによってクリーン環境に維持することができる。長期にわたる汚染予防を得るために、ストッカおよび/または容器の内部の湿度レベルは、10%未満もしくは5%未満の相対湿度、または5~10%の間の湿度などの設定点未満とすることができる。容器および/またはストッカへのパージガスは、湿度フィードバックに基づいてフレッシュ乾燥ガスを添加して、再循環させることができる。
【0028】
オペレーション270で、ストッカ内部のガスを再循環させる。このガス再循環によって、ガス消費を削減することができ、これにより、ストッカの運用コストを削減することができる。ストッカ内の低湿度環境を維持するために、再循環ガスは、デシカントシステムのような除湿アセンブリを経ることができる。
【0029】
オペレーション280で、ストッカ内を所望の湿度レベルに維持するために、例えば、ストッカ内または再循環ガス中で測定された湿度レベルに基づいて、フレッシュガスを再循環ガスに添加する。
【0030】
ストッカ内に収納された容器に、パージガスを供給することができる。このパージガスによって、容器内の半導体基板を所望の清浄度レベルに維持することができる。パージガスは、容器からの流出後に、ストッカ内で再循環ガスに合流させることができる。パージガスは再循環させることができ、例えば、容器から流出する排気流を、容器に戻す前にフィルタリングして、パーティクル除去および除湿することができる。容器内を所望の湿度レベルに維持するために、例えば、容器内または再循環ガス中で測定された湿度レベルに基づいて、容器を通過させる再循環ガスにフレッシュガスを添加することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、本発明は、10%超または5%超などの特定の設定点を超える相対湿度では半導体基板を汚染する可能性があると認識している。例えば、パージ後でも湿度レベルが高い場合には、アウトガス放出が高くなる可能性があるとともに、例えば液体が滲み出ることによって湿度レベルがオーバシュートする可能性があることを、データが示している。これに対し、容器が5~10%またはそれ未満の湿度レベルまでパージされる場合には、パージの停止後に、湿度レベルは徐々に室湿度に達する。
【0032】
図3A~3Bは、いくつかの実施形態による、様々に異なる湿度レベルを有するパージシステムの構成を示している。半導体基板380を容器300内に収納することができる。パージガス320を容器に供給することができる。湿度計などの湿度センサ310によって、容器内の湿度レベルを測定することができる。パージガス320は、例えば10または5%未満の湿度を有する乾燥窒素または乾燥空気のような、低湿度のものであり得る。例えば、パージガスで湿気を送り出すことによって、容器内の湿度レベル312および315を、時間と共に徐々に低下させることができる。時刻t350で、パージガスを停止させることができる。
【0033】
湿度レベル315が、ある範囲360よりも低い場合には、湿度は、周囲湿度370まで徐々に上昇375することができる。時間t350でパージを停止させたときに容器内の湿度レベル312が依然として高い場合には、湿度レベルは、周囲値370に戻る前にオーバシュート372する可能性がある。オーバシュートは、容器内の残留水分に起因して生じる可能性があり、容器内の基板の汚染の一因となる可能性がある。
【0034】
従って、いくつかの実施形態では、本発明は、例えば10%未満、5%未満の湿度、場合によっては2%もしくは1%未満の湿度、または5~10%の間の湿度の、低湿度環境を形成し、その環境内で保管される基板の汚染を低減することについて、開示する。
【0035】
いくつかの実施形態では、本発明は、容器の本体および蓋など、容器を汚染除去するための汚染除去室について、開示する。例えば、容器表面に付着した汚染物質を排除することによる、または容器材料に入り込んだガス汚染物質を放出させることによる、汚染除去のために、真空室を用いることができる。汚染除去では、10もしくは5%未満の相対湿度、または5~10%の間の湿度などの設定点未満の湿度レベルとすることができる。汚染除去では、1分超、2分、5分、または10分超などの時間にわたって低湿度レベルを維持することができる。汚染除去室の低湿度レベルによって、汚染除去室から取り出した後の長期にわたる清浄性の維持など、汚染除去対象物の清浄度を向上させることができる。
【0036】
図4A~4Bは、いくつかの実施形態による真空汚染除去室の構成を示している。汚染除去室400は、室内のガスを排気するためのポンプ機構を有することができる。ポンプ機構は、汚染除去室400から流出する排気流402を形成することができる。室内の湿度レベルを測定するために、排気流402に湿度センサ410を結合することができる。あるいは、室内の湿度レベルを測定するために、汚染除去室に湿度センサ415を結合することができる。
【0037】
運用時には、容器本体480と容器蓋485とを有し得る容器を、例えば汚染除去のために、室400内に配置することができる。室400内の真空環境によって、パーティクルを除去するとともに、容器からガス分子を放出させることもできる。容器は、室内に配置する前に洗浄することができる。容器は、室内に配置する前に、乾燥または部分乾燥させることができる。あるいは、容器を乾燥させるために、この汚染除去室を用いることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、本発明は、汚染除去用の低湿度室について開示する。低湿度によって、長期にわたる清浄性を確保することができる。例えば、高湿度環境での汚染除去は、容器が洗浄されることを示し得るものの、いくらかの時間後に、容器から水分が放出されて、収納した基板上でパーティクルを形成する可能性がある。その水分は、汚染除去プロセス中は、容器表面に吸収されている可能性がある。従って、低湿度で汚染除去することによって、例えば、容器からの水分またはパーティクルの放出を防ぐ、長期にわたる清浄性を得ることができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、汚染除去室内の圧力を、例えば大気圧からベース圧力まで、低下430させることができる。同時に、湿度レベル450も低下させることができる。例えば、10%未満もしくは5%未満の相対湿度レベル、または5~10%の間の湿度などの設定点440に、湿度レベルが達する時間t445までの、ある時間にわたって、ベース圧力を維持することができる。従って、この湿度条件が満たされるまでは汚染除去は完了しないことを意味して、湿度は、汚染除去プロセスにおける基準を表し得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、容器が完全に洗浄されることを確保するために、湿度条件は、ある時間にわたって低湿度環境を維持することを含み得る。
【0041】
図5A~5Bは、いくつかの実施形態による真空汚染除去室の構成を示している。汚染除去室500は、室内のガスを排気するためのポンプ機構を有することができる。ポンプ機構は、汚染除去室500から流出する排気流502を形成することができる。汚染除去室500は、汚染除去室にガス流を供給するためのパージ機構を有することができる。パージ機構は、汚染除去室500への入力流504を形成することができる。室内の湿度レベルを測定するために、排気流502に湿度センサ510を結合することができる。あるいは、室内の湿度レベルを測定するために、汚染除去室に湿度センサ515を結合することができる。
【0042】
運用時には、容器本体580と容器蓋585とを有し得る容器を、例えば汚染除去のために、室500内に配置することができる。汚染除去室は、ポンプ圧送とパージのサイクルを経ることができ、例えば、室内のガスをポンプ送出することにより室内の圧力を低下させ、次いで新たなガスを汚染除去室に流入させる。パージは、ポンプ作用中に実施することができる。
【0043】
室500内の真空環境によって、パーティクルを除去するとともに、容器からガス分子を放出させることもできる。パージは、例えば汚染物質を押し出すことによって、ポンプ作用を支援し得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、汚染除去室内の圧力を、例えば大気圧からベース圧力まで、低下530させることができる。いくらかのポンプ圧送時間の後に、パージガスを導入することができ、室圧は上昇535する。湿度レベル550も低下させることができる。例えば、10%未満もしくは5%未満の相対湿度レベル、または5~10%の間の湿度などの設定点540に、湿度レベルが達する時間t545までの、ある時間にわたって、ベース圧力を維持することができる。
【0045】
湿度レベルは、湿度計から直接測定することができる。あるいは、湿度レベルは、例えば汚染除去室のポンプ流量である圧力速度から計算することができる。例えば、高いポンプ流量562は、中程度のポンプ流量564または低いポンプ流量566と比較して、室内の低湿度レベルを示している可能性がある。
【0046】
図6A~6Bは、いくつかの実施形態による、容器を汚染除去するためのフローチャートを示している。
図6Aでは、オペレーション600で、容器を洗浄する。オペレーション610で、容器を室内に導入する。オペレーション620で、湿度が設定点に達するまで、室内のガスを排気する。室内のガスを排気するために、ポンプ/パージ作用を用いることができる。オペレーション630で、湿度が設定点に達したときに、ガスの排気を停止させる。
【0047】
図6Bでは、オペレーション640で、容器を洗浄する。オペレーション650で、容器を室内に導入する。オペレーション660で、ガスを室内に導入する。ガスを室内に供給するために、ポンプ/パージ作用を用いることができる。オペレーション670で、湿度の指標が設定点に達したときに、ガスの導入を停止させる。
【0048】
いくつかの実施形態では、本発明は、出願番号13/531,500、出願日2012年6月23日のDMS032A(Semiconductor cleaner systems and methods:半導体洗浄システムおよび方法)に関連しており、この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。DMS032Aの
図21に表示されている実施形態、
図23A~23Bに表示されている実施形態、および
図25に表示されている実施形態に、本出願の方法およびシステムを適用することができる。
【0049】
一実施形態では、本発明は、洗浄後の構成部品を汚染除去するための汚染除去室について、開示する。汚染除去では、例えば、10-3トル未満、または好ましくは10-6トル未満の、好ましくは高真空の、真空室を採用することができる。真空室では、構成部品中に取り込まれたガスを取り除いて、構成部品のガス放出を促進させることができる。
【0050】
真空室は、効果的なポンプ作用および高ポンピングコンダクタンスを有する構成を提供するように設計することができる。真空室は、さらに、IRヒータまたは室壁ヒータなどの加熱機構を備えることができる。ヒータは、40~90℃、好ましくは約70℃に加熱されることが可能である。加熱温度は、材料に応じて異なり、例えば、ポリマ材料の場合には100℃未満の低温が好ましく、金属の場合には100℃超の高温を用いることができる。
【0051】
一実施形態では、真空室中の汚染物質の放出を測定するために、残留ガス分析(RGA)のようなアウトガス監視センサを設けることができ、これを、汚染除去プロセスの監視のために使用することができる。
【0052】
一実施形態では、ガス汚染物質の放出によって残された隙間を埋め戻すために、窒素ガスのような不活性パージガスを真空室内に供給する。ガス汚染物質を放出させてから不活性ガスで埋め戻すという、周期的な加圧と真空引きを、繰り返し実施することができる。
【0053】
一実施形態では、構成部品を高真空で汚染除去した後に、開放前の真空室を窒素で加圧して、窒素分子で構成部品の表面を効果的にコーティング(および表面下を充填)し、清浄度をさらに向上させるとともに、パーティクルの付着を防ぐ。
【0054】
いくつかの実施形態では、この湿度制御構成を、DMS040の
図21に適用することができる。真空室は、ターボポンプまたはクライオポンプなどの真空ポンプに接続された真空ラインを備え、室内に高真空を形成する。真空室および容器の構成部品を加熱するために、ヒータを真空室内に配置する。アウトガス種を監視するために、RGAのようなセンサを導入することができる。例えば、構成部品を外に移す前に汚染物質が逆流することを防ぐために、パージガスによって、真空室に不活性雰囲気を提供することができる。
【0055】
真空室は、真空室または真空ラインに結合することが可能な、湿度計などの湿度センサを有することができる。湿度センサは、汚染除去プロセスのための条件または要件を示すことができ、例えば、湿度レベルが設定点まで低下するまで、汚染除去プロセスを継続することができる。いくつかの実施形態では、湿度設定点に達した後に、ある時間にわたって、汚染除去プロセスをさらに継続することができる。
【0056】
一実施形態では、本発明は、別々に洗浄された構成部品を制御環境下で組み立てるための、好ましくは統合組立ステーションである組立ステーションについて、開示する。高度な清浄度のためには、可能性のある汚染源への暴露を回避することを考慮しなければならない。このため、例えば外部雰囲気に暴露することによる内側容器の汚染を最小限とするために、構成部品を、別々に洗浄した後に、清浄度レベルを維持するためのクリーン環境で組み立てる。
【0057】
一実施形態では、組立ステーションに、窒素を充填する。このように、構成部品は、移送プロセスのために開放される前には窒素で充填されていた真空汚染除去室から移送された後に、窒素で充填された組立ステーションに移される。これにより、組立ステーションでは、洗浄後の構成部品の清浄度を維持することができる。
【0058】
一実施形態では、本発明は、二重容器型レチクルキャリアを組み立てるための組立ステーションについて、開示する。組立ステーションは、内側容器と外側容器との間の窒素パージによるクリーン環境(好ましくは窒素環境)での組立プロセスを提供することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、この湿度制御構成を、DMS040の
図23A~23Bに適用することができる。組み立てられるべき容器の構成部品を、窒素パージガスインレットを有する組立ステーションに移送する。窒素ノズルの上に底部支持体を配置する。そして、その底部支持体の上に、下部支持体および上蓋を配置する。次に、天蓋を組立ステーションに導入する。窒素ノズルによって底部支持体に窒素を供給しつつ、天蓋を底部支持体に組み付け、底部支持体と天蓋とで形成される外側容器の内部ボリュームに対して効果的にパージおよび窒素供給する。組立ステーションを窒素雰囲気下で、場合によってはわずかに加圧して、組立ステーションを開放し、そして、組み立てたキャリアを外に移す。
【0060】
組立ステーションへの窒素パージ、および底部支持体への窒素ノズルは、湿度レベルを制御するためのオプションのフレッシュ窒素源と共にフィルタおよび湿度センサを用いて、再循環させることができる。例えば、再循環路において窒素中の湿気を除去または吸収するために、フィルタを用いることができる。湿度レベルが閾値を超えているときにフレッシュ窒素を添加するために、湿度センサをフレッシュ窒素ガス源に結合することができる。
【0061】
一実施形態では、本発明は、対象物の内部ボリュームへの窒素パージによる洗浄システム用のロード・アンロードステーションについて、開示する。キャリア内部の対象物の清浄度レベルを維持するために、窒素のような不活性ガスで、内部ボリュームを一定パージする。従って、本発明は、搬送および/または保管ステーションのための、内部ボリュームの一定パージを確保する不活性ガスパージについて、開示する。いくつかの実施形態では、この湿度制御構成を、DMS040の
図25に適用することができる。ステーション内の窒素パージノズルの上に、二重容器型キャリアを配置する。窒素ノズルによって二重容器型キャリアの底部支持体に窒素を供給しつつ、外側容器の内部ボリュームをリフレッシュ窒素で一定パージする。
【0062】
底部支持体への窒素パージは、湿度レベルを制御するためのオプションのフレッシュ窒素源と共にフィルタおよび湿度センサを用いて、再循環させることができる。例えば、再循環路において窒素中の湿気を除去または吸収するために、フィルタを用いることができる。湿度レベルが閾値を超えているときにフレッシュ窒素を添加するために、湿度センサをフレッシュ窒素ガス源に結合することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、本発明は、容器内の湿度レベルが、例えば10または5%の相対湿度などの設定点未満の、満足できるものとなるまで、容器内部をパージすることを含めて、容器をコンディショニングするためのプロセスについて、開示する。容器内部が許容できる湿度レベルであることを確保するために、この湿度条件を、ある特定の時間にわたって維持することができる。容器内部が低湿度レベルであることによって、半導体基板のための保管環境の清浄度を向上させることができ、これにより、容器をパージするためのパージシステムのような清浄サポートから容器が取り出された後に、長期にわたるクリーン環境を得ることができる。
【0064】
図7A~7Bは、いくつかの実施形態による、容器をコンディショニングするための構成を示している。容器700は、容器内部をパージするためのパージ機構を有することができる。パージ機構は、本体780に結合される蓋785を有する容器700に供給される入力流702を含むことができる。パージ機構は、容器700から流出する排気流703を含むことができる。容器内の湿度レベルを測定するために、湿度センサ710を排気流703に結合することができる。あるいは、容器内の湿度レベルを測定するために、湿度センサを容器に結合することができる。
【0065】
運用時には、基板を内部に収納している可能性のある容器を、乾燥空気または乾燥窒素のような低湿度ガスでパージすることができる。容器内部に不活性ガス流を供給することが可能な、一定パージ730を実施することができる。あるいは、パージ流732の後にポンプ圧送期間735を伴うポンプ/パージ作用を実行することができる。10%未満もしくは5%未満の相対湿度、または5~10%の間の湿度などの設定点740に、湿度レベルが達する時間t745まで、一定パージまたはポンプ/パージ作用を継続することができる。従って、この湿度条件が満たされるまでは容器のパージは完了しないことを意味して、湿度は、パージプロセスにおける基準を表し得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、容器が完全に洗浄されることを確保するために、湿度条件は、ある時間にわたって低湿度環境を維持することを含み得る。いくつかの実施形態では、本発明は、容器の清浄度を維持するための低湿度パージプロセスについて、開示する。低湿度によって、収納される基板の長期にわたる清浄性を確保することができる。例えば、容器内の湿度レベルが設定点未満であれば、基板は、パージを終えた後に、長期にわたって清浄に維持されることが可能である。
【0067】
図8A~8Cは、いくつかの実施形態による、容器をコンディショニングするためのフローチャートを示している。
図8Aでは、オペレーション800で、湿度レベルが設定点に達するまで、容器内部をガス流でパージする。
図8Bでは、オペレーション820で、湿度レベルが設定点に達するまで、容器内部のポンプ圧送とパージを繰り返す。
【0068】
図8Cでは、オペレーション840で、容器内に基板を収納する。オペレーション850で、容器内部にガス流を導入する。オペレーション860で、ガス流の排気流における湿度レベルを監視する。オペレーション870で、湿度レベルが設定点に達したときに、ガス流を停止させる。
【0069】
いくつかの実施形態では、本発明は、出願番号14/569,662、出願日2014年12月13日のDMS040(Recirculation substrate container purging systems and methods:再循環式基板容器パージシステムおよび方法)に関連しており、この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。DMS040の実施形態に、本出願の方法およびシステムを適用することができる。例えば、
図2B、
図3A~3B、
図5、
図7、
図8、
図10、
図12に表示されている実施形態に、この湿度制御構成を適用することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、本発明は、クリーン環境を維持するためのプロセスについて開示する。その環境は、容器および半導体基板を収納するためのストッカであり得る。このプロセスは、ストッカ内部に再循環流を形成することを含み得る。再循環流は、空気または窒素のような不活性ガスを含むことができる。再循環流は、10または5%の相対湿度などの一定湿度に維持することができる。ストッカ内の湿度レベルを監視することによって、一定湿度を維持することができ、湿度レベルが湿度設定点を超えているときには、フレッシュ乾燥ガスをストッカに添加することができる。湿度レベルが設定点未満に戻ったときに、フレッシュ乾燥ガスを停止させることができる。これにより、ある時間間隔における湿度を、例えば、その時間間隔における平均湿度レベルを、一定とすることができ、瞬時湿度は、設定点近辺で変動し得る。さらに、パーティクル除去および除湿のために、再循環流をフィルタリングすることができる。ストッカが低湿度レベルであることによって、収納される半導体基板のための保管環境の清浄度を向上させることができる。
【0071】
図9A~9Bは、いくつかの実施形態による、ストッカをコンディショニングするための構成を示している。ストッカ900は、シリコンウェハまたはレチクルのような半導体基板980を収納するために使用することが可能な収納室940を有し得る。図示のように、基板980は、収納室940内に剥き出しで収納される。いくつかの実施形態では、基板を容器に収納することができ、そして、それらを収納室に収納する。
【0072】
収納室内のクリーン環境を維持するために、パージガス920を供給することができる。例えば、パーティクルによる基板の汚染を防ぐために、パージガスは、乱流または死角を伴うことなく流動する層流を含み得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、例えば、ガス消費を削減するために、パージガスを再循環させることができる。その再循環は連続的とすることができ、例えば、収納室において、ガスを連続的に循環させることができる。再循環は断続的とすることができ、例えば、流動を再開させるまでの、ある期間にわたって、再循環ガスを停止させることができる。再循環ガスの湿気を除去するためのフィルタ970を、例えば、再循環ガス中の湿気を低減させるために再循環路に設けることができる。湿度計などの湿度センサ910を、収納室に(または再循環ガスの再循環路に)結合することができる。例えば、フレッシュ乾燥ガス935を収納室に供給するために、ガスインレット930を収納室に結合することができる。フレッシュ乾燥ガスは、空気または窒素のような不活性ガス中のものであり得る。フレッシュ乾燥ガスは、5%未満または2%未満の湿度などの低湿度を有することができる。
【0074】
ガスインレット930は、湿度センサ910と連動させることができ、これにより、10%超または5%超の相対湿度などの設定点912を湿度レベルが超えていることをセンサが示しているときに、ガス流935を供給する。いくつかの実施形態では、湿度レベルが、6、7、8、9、または10%などの高湿度レベルを超えているときに、ガス流935を流動させることができる。湿度レベルが、5、6、7、8、または9%などの低湿度レベルを下回るときに、ガス流935を停止させることができる。例えば、高レベルは6%の湿度とすることができ、低レベルは5%の湿度とすることができる。従って、収納室内の湿度レベルは、5~6%の湿度レベルの間で変動し得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、半導体基板を保護容器に収納することができ、それらの容器を収納室に収納する。収納室には、内部に収納された保護容器の汚染を防ぐためにパージガスを供給することができる。保護容器には、内部に収納された基板の汚染を防ぐために別のパージガスを供給することができる。これらのパージガスのいずれか一方または両方を、再循環させることができる。収納室内または保護容器内の湿度レベルを調節するために、湿度センサを用いることができる。
【0076】
図10A~10Bは、いくつかの実施形態による、湿度制御を有するスタッカ構成を示している。
図10Aでは、スタッカ1000は、保護容器1041を収納するための収納室1001を有し得る。保護容器1041には、複数の半導体基板1080を収納することができる。保護容器1045のためのクリーン環境を提供するために、層状パージ流1020を収納室1001内に供給することができる。パージ流1020は、再循環させることができ、再循環パージ流中の水分含量を低減するために、水分フィルタ1070を再循環路に配置する。いくつかの実施形態では、例えば、再循環路におけるガス損失を補填するため、および/または、例えば大気圧よりも高い正圧を収納室1001内で維持するために、オプションのガス流1021を再循環路に添加することができる。収納室内の湿度を測定するために、湿度センサ1010を収納室1001に結合することができる。あるいは、再循環ガスにおける湿度を測定するために、再循環路における任意の場所に湿度センサを結合することができる。収納室内の湿度レベルを調節するために、湿度センサ1010を用いて、フレッシュ乾燥ガス1030を制御することができる。例えば、湿度が上限レベルを超えている場合には、湿度が下限レベルの湿度を下回るまで、フレッシュ乾燥ガス1030を開始させることができる。
【0077】
保護容器1041のためのクリーン環境を提供するために、パージガス1040を用いることができる。パージガス1040は、半導体基板に沿って流動した後、収納室内のパージ流に合流することができる。
【0078】
図10Bでは、スタッカ1005は、保護容器1046を収納するための収納室1006を有し得る。保護容器1046には、複数の半導体基板1085を収納することができる。保護容器1046のためのクリーン環境を提供するために、層状パージ流1025を収納室1006内に供給することができる。パージ流1025は、再循環させることができ、再循環パージ流中の水分含量を低減するために、水分フィルタ1075を再循環路に配置する。いくつかの実施形態では、例えば、再循環路におけるガス損失を補填するため、および/または、例えば大気圧よりも高い正圧を収納室1006内で維持するために、オプションのガス流1026を再循環路に添加することができる。収納室内の湿度を測定するために、湿度センサ1015を収納室1006に結合することができる。あるいは、再循環ガスにおける湿度を測定するために、再循環路における任意の場所に湿度センサを結合することができる。収納室内の湿度レベルを調節するために、湿度センサ1015を用いて、フレッシュ乾燥ガス1035を制御することができる。例えば、湿度が上限レベルを超えている場合には、湿度が下限レベルの湿度を下回るまで、フレッシュ乾燥ガス1035を開始させることができる。
【0079】
保護容器1046のためのクリーン環境を提供するために、パージガス1045を用いることができる。パージガス1045は、半導体基板に沿って流動した後、保護容器1046に戻るように再循環することができ、再循環パージ流中の水分含量を低減するために、水分フィルタ1076を再循環路に配置する。再循環ガスにおける湿度を測定するために、再循環路におけるある場所に湿度センサ1016を結合することができる。保護容器内の湿度レベルを調節するために、湿度センサ1016を用いて、パージガス1045の流れを制御することができる。例えば、パージガス1045は、標準流量を有する。湿度が上限レベルを超えている場合には、湿度が下限レベルの湿度を下回るまで、パージガス1045を標準流量よりも増加させることができる。その後、パージガス1045を標準流量に戻すことができる。このプロセスを繰り返すことができ、これにより、保護容器内部の湿度を、下限レベルと上限レベルとの間となるように制御することができる。
【0080】
図11A~11Bは、いくつかの実施形態による、スタッカをコンディショニングするためのフローチャートを示している。
図11Aでは、オペレーション1100で、室内の湿度レベルが設定点を超えているときに、フレッシュ乾燥ガス流を室内に導入する。
【0081】
図11Bでは、オペレーション1120で、ワークピースを室内に収納する。オペレーション1130で、オプションとして、ワークピースをパージする。オペレーション1140で、室内のガスを再循環させる。オペレーション1150で、室内の湿度レベルを監視する。オペレーション1160で、湿度レベルが設定点を超えているときに、フレッシュガス流を室内に導入する。
【0082】
いくつかの実施形態では、本発明は、出願番号13/537,009、出願日2012年6月28日のDMS033A(Semiconductor cleaner systems and methods:半導体洗浄システムおよび方法)に関連しており、この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。DMS033Aの
図2A~2B、
図3A~3Bに表示されている実施形態、
図7、
図8に表示されている実施形態、および
図19に表示されている実施形態に、本出願の方法およびシステムを適用することができる。
【0083】
窒素パージは、湿度レベルを制御するためのオプションのフレッシュ窒素源と共にフィルタおよび湿度センサを用いて、再循環させることができる。例えば、再循環路において窒素中の湿気を除去または吸収するために、フィルタを用いることができる。湿度レベルが閾値を超えているときにフレッシュ窒素を添加するために、湿度センサをフレッシュ窒素ガス源に結合することができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、本発明は、クリーン環境を維持するためのパージガスシステムについて開示する。例えば、湿度レベルが閾値を超えているときに、フレッシュ乾燥ガスを環境に供給することにより、湿度センサによってパージガスシステムを制御することができる。パージガスシステムは、環境内のガスを再循環させるための再循環路を有し得る。例えば、再循環路におけるガス損失を補填するために、再循環路に、追加のフレッシュ乾燥ガス供給を導入することができる。
【0085】
図12A~12Cは、いくつかの実施形態によるパージガス構成を示している。
図12Aでは、パージガスシステム900は、湿度センサによって制御されるガス源を有し得る。例えば、ガス源は、例えば窒素または空気であるフレッシュ乾燥ガス940を供給するように構成することができる。ガス流940をオンまたはオフするための弁950を、ガス流路に結合することができる。容器または室のような環境910に、湿度センサ930を結合することができる。弁950は、湿度センサによって制御することができ、例えば、湿度センサ930で測定される環境910内の湿度が、10%超または約5%の相対湿度などの第1の閾値レベルを超えているときに、弁をオンにすることができる(ガス940が流れることができる)。湿度センサ930で測定される環境910内の湿度が、10%未満または5%未満の相対湿度などの第2の閾値レベルを下回るときに、弁950をオフにすることができる。10~5%の間、または6~5%の間の相対湿度など、他の任意の湿度範囲を用いることができる。
【0086】
図12Bは、パージガスシステムの他の構成を示しており、これは再循環ガス路1221を備えることができる。これにより、環境1211内のパージガスは、(パーティクルフィルタおよび/または水分フィルタのような)フィルタ1271でパージガスをフィルタリングして、再循環させることができる。再循環ガス路は、ポンプシステム1261によって形成することができる。湿度センサ1231を、再循環ガス路に結合することができる。弁1251を、フレッシュ乾燥ガス1241に結合することができ、そして湿度センサで制御することができ、例えば、湿度センサ1231で測定される環境1211内の湿度が、10%超または約5%の相対湿度などの第1の閾値レベルを超えているときに、弁をオンにすることができる(ガス1241が流れることができる)。湿度センサ1231で測定される環境1211内の湿度が、10%未満または5%未満の相対湿度などの第2の閾値レベルを下回るときに、弁1251をオフにすることができる。
【0087】
図12Cは、パージガスシステムの他の構成を示しており、これは、フレッシュ乾燥ガス流1282を有する再循環ガス路1221を備えることができる。これにより、環境1212内のパージガスは、(パーティクルフィルタおよび/または水分フィルタのような)フィルタ1272でパージガスをフィルタリングして、再循環させることができる。再循環ガス路は、ポンプシステム1262によって形成することができる。例えば、ガス損失を補填するため、または環境1212内の湿気の増加を抑えるために、フレッシュ乾燥ガス1282を再循環ガス路に添加することができる。
【0088】
湿度センサ1232を、再循環ガス路に結合することができる。弁1252を、フレッシュ乾燥ガス1242に結合することができ、そして湿度センサで制御することができ、例えば、湿度センサ1232で測定される環境1212内の湿度が、10%超または約5%の相対湿度などの第1の閾値レベルを超えているときに、弁をオンにすることができる(ガス1242が流れることができる)。湿度センサ1232で測定される環境1212内の湿度が、10%未満または5%未満の相対湿度などの第2の閾値レベルを下回るときに、弁1252をオフにすることができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、本発明は、極端紫外線(EXJY)レチクルキャリアのような、高レベル清浄度物品のためのプロセスおよびシステムについて、開示する。以下の説明では、EUVレチクルキャリアを例として用いるが、本発明は、これに限定されるものではなく、低パーティクル汚染および低アウトガス部品のような、厳しい清浄度要件を有する任意の対象物に適用することができる。
【0090】
図13A~13Bは、いくつかの実施形態による、EUVレチクルキャリアを収納するための構成を示している。
図13Aでは、二重容器型キャリア1309内に、EUVレチクル1300を収納することができ、このとき、内側容器1301と外側容器1303との間の空間1307に窒素を有する。内側容器は、アルミニウムなどの金属で構成することができ、下部支持体1301Bと嵌合する上蓋1301Aを有し得る。外側容器は、典型的には、低アウトガスポリマで構成されており、底部支持体1303Bと嵌合する天蓋1303Aを有する。両容器は、操作員または自動搬送システムが保持するためのハンドルを有し得る。外側容器の天蓋1303Aについて、ハンドル1305を図示している。外側容器の支持体1303Bは、レチクルキャリアの内部ボリューム1307への窒素パージを受け入れるための入口1306を有し得る。
【0091】
二重容器型EUVレチクルキャリアは、半導体処理の高レベル清浄度の一例であり、この場合、レチクルは、汚染を防ぐために二重の容器に収納される。さらに、細菌の増殖を避けるため、または外側容器からガスパーティクルが放出して内側容器に付着するのを防ぐために、2つの層間のボリュームは、窒素で充填またはパージすることができる。また、内側容器内のボリュームも、窒素で充填またはパージすることができる。図示のように、内側容器は、窒素で充填されて、例えば、内側容器内部の窒素パージ用の入口は備えていない。あるいは、例えば外側容器の入口1306と同様の入口を、内側容器に設けることができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、本発明は、空のEUVレチクルキャリア、およびレチクルを内部に収納したEUVレチクルキャリアを保管するなど、二重容器を保管するための保管システムについて、開示する。保管システムは、内側容器と外側容器を、両容器間での相互汚染を避けるために別々に保管することができる。例えば、材料の違いによって、外側容器は、内側容器よりも高アウトガスレートである可能性がある。従って、それらの容器を別々に保管することによって、レチクルのための所望の清浄度レベルを維持することができる。
【0093】
保管システムは、容器移送レベルにおいてのみ連結された2つの別個の収納室を有し得る。それぞれの収納室を、例えば空気または窒素のような不活性ガスで、パージすることができる。収納室を一定の湿度範囲に維持するために、湿度センサを収納室に結合することができる。例えば、ガス損失を補填するため、または収納室内で正圧を維持するための、オプションのフレッシュガスインレットと共に、パージガスを再循環させることができる。湿度センサを、収納室または再循環ループに結合することができる。収納室内の湿度レベルを、ある設定点または湿度範囲内に維持するために、湿度センサを、もう1つのフレッシュ乾燥ガス源に対して、そのガス源の流れを制御するなどのために結合することができる。
【0094】
図13Bは、2つの別個の収納室を有するスタッカを示している。スタッカ1380は、外側容器収納用の収納室1363と、内側容器収納用の収納室1362と、基板および容器のハンドリング部1370と、を有し得る。収納室は、内側容器を収納するため、または基板を内部に収納した内側容器を収納するために、用いることができる。ロードステーション1377は、容器の手動または自動ロードおよびアンロード用に構成される。移載ステーション1373は、オプションで、容器またはワークピースのいずれかの支持用に導入される。ロボット1372は、ワークピースおよびワークピース容器を、ロードステーション1377と収納室1362および1363との間でハンドリングすることができる。コントローラ1371は、このストッカを操作するためのプログラム、センサ、およびコマンドを格納している。
【0095】
収納室は、湿度制御を伴ってパージすることができる。例えば、収納室1363は、再循環ループ1320を有し得る。フレッシュ乾燥ガス源1340を、収納室および再循環ループに結合することができる。湿度センサ1330を、再循環ループに結合することができ、そしてガス源1340を調節するための弁1350の制御に用いることができる。例えば、再循環ループにおいて測定される収納室1363内の湿度レベルが、上限を超えている場合には、フレッシュ乾燥ガスを収納室に流入させるように、弁1350を開放することができ、これにより、室内の湿度を低下させる。湿度が、例えば下限を下回るまで低下した後に、弁1350を閉止することができる。このように、収納室1363内の湿度を、下限と上限との間の範囲内となるように制御することができる。
【0096】
同様に、収納室1362は、再循環ループ1325を有し得る。フレッシュ乾燥ガス源1345を、収納室および再循環ループに結合することができる。湿度センサ1335を、再循環ループに結合することができ、そしてガス源1345を調節するための弁1355の制御に用いることができる。例えば、再循環ループにおいて測定される収納室1362内の湿度レベルが、上限を超えている場合には、フレッシュ乾燥ガスを収納室に流入させるように、弁1355を開放することができ、これにより、室内の湿度を低下させる。湿度が、例えば下限を下回るまで低下した後に、弁1355を閉止することができる。このように、収納室1362内の湿度を、下限と上限との間の範囲内となるように制御することができる。
【0097】
2つの収納室の間で、その清浄度レベルは異なり得る。例えば、内側容器を収納するための収納室1362は、基板の保管に使用されるので、収納室1363よりも高い清浄度であり得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、ストッカは、外側容器、内側容器、および(レチクルなどの)基板を収納するための、3つの別個の収納室を有することができる。あるいは、ストッカは、外側容器および内側容器を収納するための、2つの収納室を有することができ、この場合、内側容器は、その内部に基板を収納している。
【0099】
図14A~14Bは、いくつかの実施形態による、様々に異なる個別収納室構成を有するスタッカを示している。
図14Aでは、スタッカ1480は、外側容器収納用の収納室1463と、内側容器収納用の収納室1462と、基板収納用の収納室1461と、基板および容器のハンドリング部1470と、を有し得る。ロードステーション1477は、容器の手動または自動ロードおよびアンロード用に構成される。移載ステーション1473は、オプションで、容器またはワークピースのいずれかの支持用に導入される。ロボット1472は、ワークピースおよびワークピース容器を、ロードステーション1477と収納室1461、1462および1463との間でハンドリングすることができる。コントローラ1471は、このスタッカを操作するためのプログラム、センサ、およびコマンドを格納している。
【0100】
収納室は、湿度制御を伴ってパージすることができる。例えば、収納室1463/1462/1461は、再循環ループ1423/1422/1421を有し得る。フレッシュ乾燥ガス源1443/1442/1441を、収納室および再循環ループに結合することができる。湿度センサ1433/1432/1431を、再循環ループに結合することができ、そしてガス源1443/1442/1441を調節するための弁1453/1452/1451の制御に用いることができる。例えば、再循環ループにおいて測定される収納室1463/1462/1461内の湿度レベルが、上限を超えている場合には、フレッシュ乾燥ガスを収納室に流入させるように、弁1453/1452/1451を開放することができ、これにより、室内の湿度を低下させる。湿度が、例えば下限を下回るまで低下した後に、弁1453/1452/1451を閉止することができる。このように、収納室1463/1462/1461内の湿度を、下限と上限との間の範囲内となるように制御することができる。図面では、収納室について同様の構成を示しているものの、例えば所望の清浄度レベルに応じて、収納室に対して機能の追加または改変が可能である。例えば、内側容器または基板を収容する収納室には、これらの構成部品はより高度な清浄度が要求されるため、パージ区画室を追加することができる。さらに、容器は、閉形態で図示しているものの、開形態のような他の形態を用いることができ、例えば、容器の内側部分のパージが可能となるように、容器の上蓋と下部支持体を分離することができる。あるいは、閉じた容器の内部に対して、例えば容器の下部支持体のパージポートを介して、パージガスを供給することができる。
【0101】
図14Bでは、スタッカ1481は、外側容器収納用の収納室1466と、内側容器収納用の収納室1465と、基板および容器のハンドリング部1470と、を有し得る。収納室は、基板を内部に収納した内側容器を収納するために用いることができる。ロードステーション1477は、容器の手動または自動ロードおよびアンロード用に構成される。移載ステーション1473は、オプションで、容器またはワークピースのいずれかの支持用に導入される。ロボット1472は、ワークピースおよびワークピース容器を、ロードステーション1477と収納室1465および1466との間でハンドリングすることができる。コントローラ1471は、このストッカを操作するためのプログラム、センサ、およびコマンドを格納している。
【0102】
収納室は、湿度制御を伴ってパージすることができる。例えば、収納室は、再循環ループを有し得る。フレッシュ乾燥ガス源を、収納室および再循環ループに結合することができる。湿度センサを、再循環ループに結合することができ、そしてガス源を調節するための弁の制御に用いることができる。例えば、再循環ループにおいて測定される収納室内の湿度レベルが、上限を超えている場合には、フレッシュ乾燥ガスを収納室に流入させるように、弁を開放することができ、これにより、室内の湿度を低下させる。湿度が、例えば下限を下回るまで低下した後に、弁を閉止することができる。このように、収納室内の湿度を、下限と上限との間の範囲内となるように制御することができる。図面では、収納室について同様の構成を示しているものの、例えば所望の清浄度レベルに応じて、収納室に対して機能の追加または改変が可能である。
【0103】
図15A~15Bは、いくつかの実施形態による、二重容器を保管するためのフローチャートを示している。
図15Aでは、オペレーション1500で、二重容器を準備し、この場合、二重容器は、内側容器を封入する外側容器を有し、内側容器と外側容器は異なる材料を含む。オペレーション1510で、内側容器と外側容器を、別々の収納室に収納する。
【0104】
図15Bでは、オペレーション1530で、二重容器を準備し、この場合、二重容器は、内側容器を封入する外側容器を有する。オペレーション1540で、内側容器と外側容器を、別々の収納室に収納する。オペレーション1550で、それら別々の収納室を、湿度レベルが設定点に達するまで、ガス流でパージする。
【0105】
いくつかの実施形態では、本発明は、内側容器(内側容器内に基板を収納している場合と収納していない場合がある)を収納するための収納室と、外側容器を収納するためのバッファ収納アセンブリと、を有するストッカについて、開示する。バッファ収納アセンブリは、例えばポリマ系の外側容器を収納するための、標準的な清浄度を有し得る。収納室は、例えば金属系の内側容器を収納するための、向上した清浄度のために改変されたものであり得る。
【0106】
ストッカは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる出願日2011年9月5日の出願番号13/225,547(DMS034)の
図1に記載されているストッカと類似のものであり得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、バッファ収納アセンブリは、収納室と、収納室とインタフェースしているロボットシステムと、を有し得る。ロボットシステムは、さらに、収納室と装置のステーションとの間で対象物を移送するために、装置のロードロックステーション(例えば、ロードもしくはアンロードステーション)または(移載ステーションもしくは交換ステーションのような)中間ステーションにアクセスすることが可能である。例えば、バッファ収納アセンブリは、装置の側方で装置に隣接して、かつ装置のロードロックステーションの近くに設置することができる。ロボットアームは、ロードロックステーションから容器をピックアップして収納室に移すため、または収納室から取り出した容器をロードロックステーションに配置するために、ロードロックステーションに差し入れるように構成することができる。
【0108】
図16A~16Cは、いくつかの実施形態による、バッファ収納アセンブリを有するストッカの構成を示している。
図16Aでは、アドオン型の外側容器ストレージ1611を、ロードステーション1613を有する内側容器ストッカ1612に結合している。ロードステーションという用語は、本発明の文脈では、容器を支持するステーションとして用いられ、例えば、手動I/Oステーション(例えば、操作員による、ストッカ1612への容器のロードおよびアンロードのためのステーション)、自動I/Oステーション(例えば、自動オーバーヘッド搬送システムによる、ストッカ1612への容器のロードおよびアンロードのためのステーション)、またはストッカ1612内でI/Oステーションとストッカシステムとの間の移行ステーションとして容器を支持するように機能する中間ステーションもしくはインタフェースステーション、である。例えば、外側容器は、(手動または自動)I/Oステーションにロードしてから、中間ステーションに移送することができ、このとき、外側容器は、その内部の内側容器にロボットがアクセスするために、開放状態にある。
【0109】
いくつかの実施形態では、ストッカ1612は、製造施設における他の装置とのインタフェースとしての手動または自動I/Oステーションを有して、独立した運用が可能なスタンドアロン型ストッカである。ストッカは、基板を内部に収納した内側容器を受け入れる。アドオン型外側容器ストレージ1611は、ストッカの側面に装着することができ、ストッカに対する外部ストレージとして機能する。外側容器用アドオン1611とストッカ1612との間の結合は、アドオン型外側容器ストレージ1611のロボットアームをストッカ1612のロードステーション1613に合わせることを含むことができ、これにより、アドオン型外側容器ストレージ1611は、例えば、ロードステーション1613内の容器をピックアップして、容器用アドオンアセンブリ1611の収納室に収納するため、または外側容器用アドオンアセンブリ1611の収納室からの容器をロードステーション1613に配置するために、ロードステーション1613内の容器にアクセスすることができる。
【0110】
例示的なプロセスフローでは、容器をワークピーススタッカ1612に導入し、その容器の中の内側容器を取り出して、スタッカ1612内に収納する。次に、アドオン型外側容器ストレージのロボットは、外側容器をピックアップして、それをアドオン型外側容器ストレージ1611の外側容器収納室に収納する。
【0111】
図16Bおよび16Cは、スタッカ1612に装着されたアドオン型ストレージ1611の上面図および正面図をそれぞれ示している。スタッカ1612は、容器を受け入れるための手動I/Oステーション1613と、収納室1616と、I/Oステーション1613と収納室1616との間で容器を移送するためのロボット1618と、を有し得る。自動オーバーヘッド搬送システムと結合するための自動オーバーヘッドI/Oステーション1619、および容器へのインタフェースステーションとして機能することが可能な中間ステーション1613Aのような、追加のステーションを含むことができる。例えば、I/Oステーション1613内の容器は、インタフェースステーション1613Aに移すことができ、そこで、その蓋を開放することができ、そしてロボット1618が内側容器にアクセスする。
【0112】
アドオン型外側容器ストレージアセンブリ1611は、ロボットアセンブリ1615と、外側容器を収納するための複数の棚1614と、を有し得る。ロボットアセンブリ1615は、棚1614の外側容器にアクセスするとともに、スタッカ1612のロードステーション1613および1613Aにもアクセスするように構成される。アドオン型ストレージアセンブリ1611は、さらに、その動作を制御するためのコントローラ1617Aを有し得る。コントローラ1617Aは、スタッカ1612のコントローラ1617Bと同様の機能を有することができる。コントローラ1617Aは、情報を取得するためにコントローラ1617Bと通信することができ、または施設コンピュータと通信することができる。
【0113】
収納室は、空の内側容器を収納するため、または基板を内部に有する内側容器を収納するために、用いることができる。あるいは、収納室は、例えば2つの別個の収納室を有することによって、内側容器と基板を別々に収納するために用いることができる。
【0114】
図17A~17Bは、いくつかの実施形態による、二重容器を保管するためのフローチャートを示している。
図17Aでは、オペレーション1700で、二重容器を準備し、この場合、二重容器は、内側容器を封入する外側容器を有し、内側容器と外側容器は異なる材料を含む。オペレーション1710で、内側容器を、スタッカのパージ収納室に収納する。オペレーション1720で、外側容器を、スタッカに隣接したバッファ収納室に収納する。
【0115】
図17Bでは、オペレーション1740で、二重容器を準備し、この場合、二重容器は、内側容器を封入する外側容器を有する。オペレーション1750で、内側容器を、ストッカのパージ収納室に収納し、このパージ収納室は、一定の湿度範囲のガス流を有する。オペレーション1760で、外側容器を、ストッカに隣接したバッファ収納室に収納する。
【0116】
いくつかの実施形態では、内側容器を保護容器に収納することができ、それらの保護容器を収納室に収納する。収納室には、その内部に収納された保護容器の汚染を防ぐためにパージガスを供給することができる。保護容器には、その内部に収納された内側容器の汚染を防ぐために別のパージガスを供給することができる。これらのパージガスのいずれか一方または両方を、再循環させることができる。収納室内または保護容器内の湿度レベルを調節するために、湿度センサを用いることができる。
【0117】
図18は、いくつかの実施形態による、湿度制御を有するストッカ構成を示している。ストッカ1800は、外側容器1880を収納するための収納室1801を有し得る。外側容器1880のためのクリーン環境を提供するために、層状パージ流1820を収納室1801内に供給することができる。パージ流1820は、再循環させることができ、再循環パージ流中の水分含量を低減するために、水分フィルタ1870を再循環路に配置する。いくつかの実施形態では、例えば、再循環路におけるガス損失を補填するため、および/または、例えば大気圧よりも高い正圧を収納室1801内で維持するために、オプションのガス流1821を再循環路に添加することができる。収納室内の湿度を測定するために、湿度センサ1810を収納室1801に結合することができる。あるいは、再循環ガスにおける湿度を測定するために、再循環路における任意の場所に湿度センサを結合することができる。収納室内の湿度レベルを調節するために、湿度センサ1810を用いて、フレッシュ乾燥ガス1830を制御することができる。例えば、湿度が上限レベルを超えている場合には、湿度が下限レベルの湿度を下回るまで、フレッシュ乾燥ガス1830を開始させることができる。
【0118】
ストッカ1800は、さらに、保護容器1846を収納するための収納室1806を有し得る。保護容器1846には、複数の半導体用内側容器1885を収納することができる。内側容器は、収納区画室1886に収納することができる。保護容器1846のためのクリーン環境を提供するために、層状パージ流1825を収納室1806内に供給することができる。パージ流1825は、再循環させることができ、再循環パージ流中の水分含量を低減するために、水分フィルタ1875を再循環路に配置する。いくつかの実施形態では、例えば、再循環路におけるガス損失を補填するため、および/または、例えば大気圧よりも高い正圧を収納室1806内で維持するために、オプションのガス流1826を再循環路に添加することができる。収納室内の湿度を測定するために、湿度センサ1815を収納室1806に結合することができる。あるいは、再循環ガスにおける湿度を測定するために、再循環路における任意の場所に湿度センサを結合することができる。収納室内の湿度レベルを調節するために、湿度センサ1815を用いて、フレッシュ乾燥ガス1835を制御することができる。例えば、湿度が上限レベルを超えている場合には、湿度が下限レベルの湿度を下回るまで、フレッシュ乾燥ガス1835を開始させることができる。
【0119】
保護容器1846のためのクリーン環境を提供するために、パージガス1845を用いることができる。パージガス1845は、内側容器1885(および区画室1886)に沿って流動した後、保護容器1846に戻るように再循環することができ、再循環パージ流中の水分含量を低減するために、水分フィルタ1876を再循環路に配置する。再循環ガスにおける湿度を測定するために、再循環路におけるある場所に湿度センサ1816を結合することができる。保護容器内の湿度レベルを調節するために、湿度センサ1816を用いて、パージガス1845の流れを制御することができる。例えば、パージガス1845は、標準流量を有する。湿度が上限レベルを超えている場合には、湿度が下限レベルの湿度を下回るまで、パージガス1845を標準流量よりも増加させることができる。その後、パージガス1845を標準流量に戻すことができる。このプロセスを繰り返すことができ、これにより、保護容器内部の湿度を、下限レベルと上限レベルとの間となるように制御することができる。
【0120】
あるいは、パージガス1845は、収納室1806内の流れ1825に合流させることができる。
【0121】
図示のように、内側容器は、基板を伴うことなく収納される。いくつかの実施形態では、内側容器は、その内部に収納した基板と共に、収納することができる。
【0122】
図示のように、内側容器は、収納区画室1886内に収納される。いくつかの実施形態では、内側容器は、例えば収納区画室内に配置することなく、剥き出しで収納することができる。
【0123】
図19は、いくつかの実施形態による、湿度制御を有するストッカ構成を示している。ストッカ1900は、外側容器1980を収納するための収納室1901と、内側容器1985を収納するための収納室1906と、を有し得る。内側容器および外側容器1980のためのクリーン環境を提供するために、層状パージ流1920を収納室1901および1906に供給することができる。パージ流1920は、再循環させることができ、再循環パージ流中の水分含量を低減するために、水分フィルタ1970を再循環路に配置する。いくつかの実施形態では、例えば、再循環路におけるガス損失を補填するため、および/または、例えば大気圧よりも高い正圧を収納室1901内で維持するために、オプションのガス流1921を再循環路に添加することができる。収納室内の湿度を測定するために、湿度センサ1910を収納室1901に結合することができる。あるいは、再循環ガスにおける湿度を測定するために、再循環路における任意の場所に湿度センサを結合することができる。収納室内の湿度レベルを調節するために、湿度センサ1910を用いて、フレッシュ乾燥ガス1930を制御することができる。例えば、湿度が上限レベルを超えている場合には、湿度が下限レベルの湿度を下回るまで、フレッシュ乾燥ガス1930を開始させることができる。
【0124】
収納室1906は、内側容器(基板を伴う場合と基板を伴わない場合がある)を収納するための保護容器1946を、収容することができる。保護容器1946のためのクリーン環境を提供するために、パージガス1945を用いることができる。パージガス1945は、内側容器1985に沿って流動した後、保護容器1946に戻るように再循環することができ、再循環パージ流中の水分含量を低減するために、水分フィルタ1976を再循環路に配置する。再循環ガスにおける湿度を測定するために、再循環路におけるある場所に湿度センサ1916を結合することができる。保護容器内の湿度レベルを調節するために、湿度センサ1916を用いて、パージガス1945の流れを制御することができる。例えば、パージガス1945は、標準流量を有する。湿度が上限レベルを超えている場合には、湿度が下限レベルの湿度を下回るまで、パージガス1945を標準流量よりも増加させることができる。その後、パージガス1945を標準流量に戻すことができる。このプロセスを繰り返すことができ、これにより、保護容器内部の湿度を、下限レベルと上限レベルとの間となるように制御することができる。
【0125】
あるいは、パージガス1945は、収納室1906内の流れ1920に合流させることができる。
【0126】
図示のように、内側容器は、基板を伴って収納される。いくつかの実施形態では、内側容器は、その内部に収納した基板を伴うことなく、収納することができる。
【0127】
図示のように、内側容器は、例えば収納区画室内に配置することなく、剥き出しで収納される。いくつかの実施形態では、内側容器は、収納区画室内に収納することができる。
【0128】
図20A~20Bは、いくつかの実施形態による、ストッカをコンディショニングするためのフローチャートを示している。
図20Aでは、オペレーション2000で、二重容器を準備し、この場合、二重容器は、内側容器を封入する外側容器を有し、内側容器と外側容器は異なる材料を含む。オペレーション2010で、第1のパージ区画室内に、内側容器を収納する。オペレーション2020で、オプションの湿度制御を有する第1の収納室内の第2のパージ区画室内に、第1のパージ区画室を収納する。オペレーション2030で、オプションの湿度制御を有する第2のパージ収納室内に、外側容器を収納する。
【0129】
図20Bでは、オペレーション2050で、二重容器を準備し、この場合、二重容器は、内側容器を封入する外側容器を有する。オペレーション2060で、オプションの湿度制御を有する第1の収納室内のパージ区画室内に、内側容器を収納する。オペレーション2070で、オプションの湿度制御を有する第2のパージ収納室内に、外側容器を収納する。
【0130】
いくつかの実施形態では、本発明は、レチクル保管用のEUV内側ポッドのような内側容器のハンドリング用のパージ区画室について、開示する。このパージ区画室は、パージガスを受け入れるための入口を有することができ、これにより、収納される内側容器をクリーン環境に置くことができる。さらに、パージ区画室では、例えば外側容器から、内側容器を隔離することができ、これにより相互汚染を防ぐことができる。パージ区画室は、例えばEUV内側ポッドである内側容器を収納することができ、そして、内側容器のための搬送キャリアとして使用することができる。パージ区画室は、金属または合金のような低アウトガス特性を有する材料で構成することができる。EUV二重容器の内側ポッドは、典型的には金属で構成されるので、金属製のパージ区画室によって、EUV二重容器のポリマ系の外側ポッドと比較して、よりクリーンな環境を提供することができる。
【0131】
図21A~21Cは、いくつかの実施形態によるパージ区画室の構成を示している。
図21Aでは、例えばレチクルを内部に収納していないEUV二重容器の内側ポッドである空の内側容器2110を保持するために、パージ区画室2100を用いることができる。パージ区画室は、窒素または空気のようなパージガスを受け入れるための入口2130を有し得る。保管の場合には、パージ区画室を連続的にパージすることができる。このパージ処理は、フレッシュ乾燥ガスで行うことができ、または再循環ガスで行うことができる。再循環ガスは、例えば、湿度レベルを、(10または5%未満などの)ある設定点未満であるか、または(5~10%の間などの)ある湿度範囲にあるように調節するために、湿度フィードバックを有し得る。湿度フィードバックは、フレッシュ乾燥ガス源を制御する湿度センサを含むことができ、これにより、湿度レベルが設定点を超えているときに、フレッシュ乾燥ガス流を供給することができる。
【0132】
搬送の場合には、パージ区画室をパージ場所から取り出して、区画室の内部を再パージするためのパージガスを備えた場所のような、新たな場所に移すことができる。パージ区画室内部のパージされた環境では、ある時間にわたって、例えば搬送時間にわたって、内側容器2110の汚染を防ぐことができる。
【0133】
内側容器は、パージ区画室内に、閉状態で収納するか、または開状態で収納することができる。閉形態で収納する場合には、内側容器の内部もパージすることができる。例えば、内側容器は、パージガスを受け入れるための入口を有することができる。パージ区画室のパージ環境は、大気圧よりも高い圧力とすることができ、これにより、パージガスは、例えば内側容器の入口を介して、内側容器の内部に流入することができる。内側容器の入口は、パージ区画室の入口に流入するパージガスの一部が内側容器に流入することができるように、位置付けることができる。パージ区画室は、パージガスの一部を内側容器の入口に誘導するための導管アセンブリ2140を有することができる。
【0134】
図21Bでは、レチクル2121を内部に収納しているEUV二重容器の内側ポッドのような内側容器2111を保持するために、パージ区画室2101を用いることができる。パージ区画室は、窒素または空気のようなパージガスを受け入れるための入口2131を有し得る。パージ区画室2101のオペレーション、構成、および使用方法は、パージ区画室2100と同様であり得る。
【0135】
図21Cでは、レチクル2122を内部に収納しているEUV二重容器の内側ポッドのような内側容器2112を保持するために、パージ区画室2102を用いることができる。このパージ区画室は、外部雰囲気に対して閉じたものとすることができ、例えば、パージ区画室は、パージガスを充填してから、例えば搬送のために、封止することができる。
【0136】
一実施形態では、EUV二重容器の内側ポッドのような収納対象物の内部ボリュームを清浄に維持するためのパージガスシステムを有するスタッカの収納室内に、パージ区画室を収納することができる。パージガスシステムは、窒素(または他の不活性ガス)を対象物の内部に供給することができ、内部雰囲気を効果的に置換して、清浄度レベルを回復させ、さらに、ガスパーティクルの放出を排除または低減することができる。例えば、保管中には、パージ区画室と二重容器型EUVレチクルキャリアの内側容器との間のボリュームを、窒素で連続的(または断続的)にパージする。さらに、EUV二重容器のポリマ系の外側容器を、(アウトガス放出を低減するために金属で構成することができる)パージ区画室で置き換えることによって、内側容器の環境をよりクリーンにすることができる。
【0137】
一実施形態では、収納室を清浄に維持し、汚染物質がキャリアの外側に付着することを防止または低減するために、収納室を層流でパージすることができる。例えば、フィルタリング済み圧縮空気のようなクリーンガスを、上部から、または相互汚染を低減もしくは排除するために側部から、収納室に導入することができる。
【0138】
一実施形態では、パージガスは、外部雰囲気からの汚染の可能性を排除して、再循環させることができる。再循環ガスは、窒素のような不活性ガス、または空気のような不活性ガスを含むことができる。再循環ガスは、パーティクルを除去するためにフィルタリングすることができ、熱運動を抑制するために冷却することができる。このように、収納室の内部雰囲気を外部雰囲気から隔離して、収納対象物に適した清浄度レベルを可能とする。収納室内の湿度レベルを抑えるために、上記で開示したような湿度フィードバックを用いることができる。
【0139】
図22は、いくつかの実施形態による、複数のパージ区画室を導入した収納室を示している。この収納室は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる出願番号13/537,009(DMS033A)の
図7に記載されている収納室と類似のものであり得る。
【0140】
中央ガスライン2274は、パージ区画室にパージガスを供給する。いくつかの実施形態では、パージガスの供給で、能動的絞り弁または制御弁を用いることなく、パージガスを連続的に供給2273A/2273Bする。パージガス流は、製造段階で予め決められたものとすることができ、さらに、すべての区画室に対して同じであるか、または区画室によって異なる手動調整のための絞り弁をオプションとして備えることができるものの、能動制御手段またはフィードバック制御手段は全く備えないことが可能である。その区画室に対象物が配置されているか否かにかかわらず、パージガスは、一定ガス量で流動させることができる。他の実施形態では、例えば、収納対象物のない区画室についてパージガスの損失を抑えるために、パージガスを能動制御することができる。パージガス路における湿度レベルを抑えるために、上記で開示したような湿度フィードバックを用いることができる。
【0141】
パージガスで、パージ区画室2272Aと二重容器型レチクルキャリアの内側容器2272Bとの間のボリュームのような、収納対象物の内部ボリュームに対して、窒素のようなクリーンガスを供給することができる。収納区画室に対して、(外部雰囲気から、もしくは再循環雰囲気からの)層流を、すべての区画室に対して上から2271A(もしくは、図示していないが、下から)、または個々の区画室に対して側方から2271B、供給することができる。
【0142】
内側容器は、パージ区画室内に、閉状態で収納するか、または開状態で収納することができる。閉形態で収納する場合には、内側容器の内部もパージすることができる。例えば、内側容器は、パージガスを受け入れるための入口を有することができる。パージ区画室のパージ環境は、大気圧よりも高い圧力とすることができ、これにより、パージガスは、例えば内側容器の入口を介して、内側容器の内部に流入することができる。内側容器の入口は、パージ区画室の入口に流入するパージガスの一部が内側容器に流入することができるように、位置付けることができる。パージ区画室は、パージガスの一部を内側容器の入口に誘導するための導管アセンブリを有することができる。
【0143】
内側容器は、例えばEUVレチクルである基板を伴って、または基板を伴うことなく、保管することができる。内側容器は、内部のレチクルと一緒に、例えば高真空室内で、定期的に汚染除去することができる。例えば、内側容器およびレチクルが非清浄雰囲気に暴露されることを避けるために、高真空汚染除去室は、ストッカ内に配置することができる。
【0144】
パージ区画室を、内側容器およびレチクルと共に、汚染除去することができる。例えば、内側容器およびレチクルを伴うパージ区画室を、汚染除去のために、汚染除去室に移送することができる。あるいは、パージ区画室を開放することができ、そして、内側容器およびレチクルを、汚染除去のために、汚染除去室に移送する。汚染除去後に、内側容器およびレチクルを、保管のためにパージ区画室内に戻して配置する。
【0145】
図23A~23Bは、いくつかの実施形態による、パージ区画室保管のためのフローチャートを示している。
図23Aでは、オペレーション2300で、二重容器の内側容器をパージ区画室内に収納し、この場合、二重容器は、内側容器を封入する外側容器を有し、内側容器と外側容器は異なる材料を含む。オペレーション2310で、パージガスを切り離す。オペレーション2320で、内側容器を搬送する。
【0146】
図23Bでは、オペレーション2340で、二重容器の内側容器を区画室内に収納し、この場合、二重容器は、内側容器を封入する外側容器を有し、内側容器と外側容器は異なる材料を含む。オペレーション2350で、区画室をパージする。オペレーション2360で、内側容器を保管する。
【0147】
いくつかの実施形態では、本発明は、EUVレチクルのような基板を定期的に汚染除去するための汚染除去室を有するストッカについて、開示する。レチクルを内側容器に収納することができ、それらの内側容器をパージ区画室に収納し、それらのパージ区画室を第1の収納室に収納する。外側容器は、別にして、第2の収納室に収納することができる。オプションで内側容器、およびオプションでパージ区画室と共に、レチクルを定期的に汚染除去するために、高真空室のような汚染除去室を備えることができる。
【0148】
図24A~24Bは、いくつかの実施形態によるストッカを示している。
図24Aでは、ストッカ2480は、外側容器収納用の収納室2463と、パージ区画室に収納することができる内側容器収納用の収納室2462と、汚染除去用の高真空室2461と、基板および容器のハンドリング部2470と、を有し得る。ロードステーション2477は、容器の手動または自動ロードおよびアンロード用に構成される。移載ステーション2473は、オプションで、容器またはワークピースのいずれかの支持用に導入される。ロボット2472は、ワークピースおよびワークピース容器を、ロードステーション2477と収納室2462および2463との間でハンドリングすることができる。コントローラ2471は、このスタッカを操作するためのプログラム、センサ、およびコマンドを格納している。
【0149】
収納室は、湿度制御を伴ってパージすることができる。例えば、収納室2463/2462は、再循環ループ2423/2422を有し得る。フレッシュ乾燥ガス源2443/2442を、収納室および再循環ループに結合することができる。湿度センサ2433/2432を、再循環ループに結合することができ、そしてガス源2443/2442を調節するための弁2453/2452の制御に用いることができる。例えば、再循環ループにおいて測定される収納室2463/2462内の湿度レベルが、上限を超えている場合には、フレッシュ乾燥ガスを収納室に流入させるように、弁2453/2452を開放することができ、これにより、室内の湿度を低下させる。湿度が、例えば下限を下回るまで低下した後に、弁2453/2452を閉止することができる。このように、収納室2463/2462内の湿度を、下限と上限との間の範囲内となるように制御することができる。
【0150】
外側容器2403を、収納室2463に収納することができる。内側容器2402を、レチクル2401と共に、パージ区画室2407に収納することができる。パージ区画室2407は、内側容器およびレチクルと共に、収納室2462に収納することができる。上述の構成と同様のパージ区画室2407の内部に、パージガス2408を供給することができる。
【0151】
レチクルを、定期的に、例えばある時間にわたる保管後に汚染除去するために、汚染除去室2461を用いることができる。汚染除去プロセスには、内側容器およびレチクルを含むことができ、このとき、内側容器は、レチクルを露出させるように、例えば上蓋が下部支持体から分離されて、開状態にある。あるいは、汚染除去プロセスには、内側容器およびレチクルを含むことができ、このとき、内側容器は閉状態にあって、例えば、レチクルは、内側容器の内部に封入されている。汚染除去のために、内側容器の内部にパージガスを供給することができる。
【0152】
あるいは、汚染除去プロセスには、レチクルを伴って、またはレチクルを伴うことなく、パージ区画室および内側容器を含むことができる。
【0153】
図24Bでは、スタッカ2481は、外側容器収納用の収納室2468と、保護区画室に収納することができる内側容器収納用の収納室2467と、汚染除去用の高真空室2466と、基板および容器のハンドリング部と、を有し得る。
【0154】
収納室は、湿度制御を伴ってパージすることができる。内側容器を、レチクルと共に、保護区画室に収納することができ、その保護区画室を、収納室2467に収納することができる。上述の構成と同様の保護区画室の内部に、パージガス2409を供給することができる。
【0155】
レチクルを、定期的に、例えばある時間にわたる保管後に汚染除去するために、汚染除去室2466を用いることができる。汚染除去プロセスには、内側容器およびレチクルを含むことができ、このとき、内側容器は閉状態にあって、例えば、レチクルは、内側容器の内部に封入されている。汚染除去のために、内側容器の内部にパージガスを供給することができる。
【0156】
図25は、いくつかの実施形態による、レチクルを保管するためのフローチャートを示している。オペレーション2500で、パージ区画室内の、二重容器の内側容器に基板を収納し、この場合、二重容器は、内側容器を封入する外側容器を有し、内側容器と外側容器は異なる材料を含む。オペレーション2510で、定期的に、基板および内側容器を汚染除去室に移送する。オペレーション2520で、基板および内側容器を汚染除去する。オペレーション2530で、基板および内側容器をパージ区画室に戻す。