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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】基板処理装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20231024BHJP
   G03F 7/30 20060101ALI20231024BHJP
   G03F 7/32 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
H01L21/30 569F
H01L21/30 569C
G03F7/30 501
G03F7/32 501
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022066139
(22)【出願日】2022-04-13
【審査請求日】2022-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,へ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,ジョン ホ
(72)【発明者】
【氏名】アントン,コリアキン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,キ フン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユン ス
(72)【発明者】
【氏名】ヒョ,ピル キュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミン ウ
(72)【発明者】
【氏名】スン,ジン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョ ス
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-217181(JP,A)
【文献】国際公開第2022/054721(WO,A1)
【文献】特開平08-321464(JP,A)
【文献】特開2004-022764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/30
G03F 7/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を第1回転数で回転させながら、前記基板上に有機現像液を供給する第1工程と
前記基板を前記第1回転数より低い第2回転数で回転させながら、前記基板に非極性リンス液を供給して前記有機現像液を前記非極性リンス液に置換する第2工程と
前記基板を前記第2回転数より高い第3回転数で回転させながら、前記非極性リンス液を供給する第3工程と
前記基板を前記第2回転数と前記第3回転数の間の第4回転数で回転させる第4工程とを含み、
前記第1工程、前記第2工程、前記第3工程、前記第4工程の順序で実施される、基板処理方法。
【請求項2】
前記基板はネガティブ感光膜が塗布された後、露光処理された状態で提供され、
前記有機現像液はn-ブチルアセテート(n-butyl acetate)である、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記非極性リンス液の蒸気圧は、前記有機現像液の蒸気圧より小さい、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記非極性リンス液の粘度は、前記有機現像液の粘度より高い、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記非極性リンス液はノナン(nonane)、デカン(decane)、ウンデカン(undecane)およびドデカン(dodecane)のうち少なくとも一つを含む、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記基板を第2回転数で回転させながら前記基板に非極性リンス液を供給する前に、前記基板を第2回転数で回転させながら前記基板上に有機現像液を供給することをさらに含む、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記基板を第2回転数で回転させる時間は、前記基板を第3回転数で回転させる時間より長い、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記有機現像液を供給する第1ノズルと、前記非極性リンス液を供給する第2ノズルは一つのアーム(arm)に設けられる、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記基板上に前記非極性リンス液が残留した状態で、前記基板を超臨界流体で処理するための工程チャンバに移動させることをさらに含む、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項10】
露光処理された感光膜が形成された基板を第1回転数で回転させながら、有機現像液を供給する第1段階と、
前記基板を前記第1回転数より低い第2回転数に減速させる第2段階と、
前記基板を前記第2回転数より高い第3回転数に高め、前記有機現像液との反応により生成された感光膜反応物を除去する第3段階とを含み、
前記基板はネガティブ感光膜が塗布された後、露光処理された状態で提供され、
前記有機現像液はn-ブチルアセテート(n-butyl acetate)であり、
前記第2段階で、前記基板上にリンス液を供給して前記有機現像液を前記リンス液に置換し、
前記リンス液の蒸気圧は前記有機現像液の蒸気圧より小さいか、または前記リンス液の粘度は前記有機現像液の粘度より高い、基板処理方法。
【請求項11】
基板を有機現像液で処理する第1工程チャンバと、
前記基板を超臨界流体で処理する第2工程チャンバと、
前記基板を第1工程チャンバから前記第2工程チャンバに移動させる移送ロボットとを含み、
前記第1工程チャンバは、
前記基板を第1回転数で回転させながら、前記基板上に有機現像液を供給する第1工程と
前記基板を前記第1回転数より低い第2回転数で回転させながら、前記基板にリンス液を供給して前記有機現像液を前記リンス液に置換する第2工程と
前記基板を前記第2回転数より高い第3回転数で回転させながら、前記リンス液を供給する第3工程と
前記基板を前記第2回転数と前記第3回転数の間の第4回転数で回転させ第4工程とを含み、
前記第1工程、前記第2工程、前記第3工程、前記第4工程の順序で実施される、基板処理装置。
【請求項12】
前記第1工程チャンバは、
前記基板を第2回転数で回転させながら前記基板にリンス液を供給する前に、前記基板を第2回転数で回転させながら前記基板上に有機現像液を供給する、請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記基板を第2回転数で回転させる時間は、前記基板を第3回転数で回転させる時間より長い、請求項11に記載の基板処理装置
【請求項14】
前記有機現像液を供給する第1ノズルと、前記リンス液を供給する第2ノズルは一つのアーム(arm)に設けられる、請求項11に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置またはディスプレイ装置を製造する際には、写真、エッチング、アッシング、イオン注入、薄膜蒸着、洗浄など多様な工程が実施される。ここで、写真工程は塗布、露光、そして現像工程を含む。基板上に感光液を塗布して(すなわち、塗布工程)、感光膜が形成された基板上に回路パターンを露光して(すなわち、露光工程)、基板の露光処理された領域を選択的に現像する(すなわち、現像工程)。その後、現像工程で使用された現像液を基板から除去した後、基板を乾燥させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、現像液と感光膜の不要な追加反応を抑制し、追加反応により発生する感光膜残余物が生成されないようにする基板処理装置および方法を提供することにある。
【0004】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するための本発明の基板処理方法の一面(aspect)は、基板を第1回転数で回転させながら、前記基板上に有機現像液を供給し、前記基板を前記第1回転数より低い第2回転数で回転させながら、前記基板に非極性リンス液を供給して前記有機現像液を前記非極性リンス液に置換し、前記基板を前記第2回転数より高い第3回転数で回転させながら、前記非極性リンス液を供給し、前記基板を前記第2回転数と前記第3回転数の間の第4回転数で回転させることを含む。
【0006】
前記基板はネガティブ感光膜が塗布された後、露光処理された状態で提供され、前記有機現像液はn-ブチルアセテート(n-butyl acetate)である。前記非極性リンス液の蒸気圧は、前記有機現像液の蒸気圧より小さい。または前記非極性リンス液の粘度は、前記有機現像液の粘度より高くてもよい。
【0007】
前記非極性リンス液はノナン(nonane)、デカン(decane)、ウンデカン(undecane)およびドデカン(dodecane)のうち少なくとも一つを含む。
【0008】
前記基板を第2回転数で回転させながら前記基板に非極性リンス液を供給する前に、前記基板を第2回転数で回転させながら前記基板上に有機現像液を供給することをさらに含み得る。
【0009】
前記基板を第2回転数で回転させる時間は、前記基板を第3回転数で回転させる時間より長くてもよい。
【0010】
前記有機現像液を供給する第1ノズルと、前記非極性リンス液を供給する第2ノズルは一つのアーム(arm)に設けられ得る。
【0011】
前記基板上に前記非極性リンス液が残留した状態で、前記基板を超臨界流体で処理するための工程チャンバに移動させることをさらに含み得る。
【0012】
前記課題を達成するための本発明の基板処理方法の他の面は、露光処理された感光膜が形成された基板を第1回転数で回転させながら、有機現像液を供給する第1段階と、前記基板を前記第1回転数より低い第2回転数に減速させる第2段階と、前記基板を前記第2回転数より高い第3回転数に高め、前記有機現像液との反応により生成された前記感光膜反応物を除去する第3段階を含み、前記第2段階または第3段階で、前記基板上にリンス液を供給して前記有機現像液を前記リンス液に置換する。
【0013】
前記基板はネガティブ感光膜が塗布された後、露光処理された状態で提供され、前記有機現像液はn-ブチルアセテート(n-butyl acetate)であり得る。
【0014】
前記リンス液の蒸気圧は前記有機現像液の蒸気圧より小さいか、または前記リンス液の粘度は前記有機現像液の粘度より高くてもよい。
【0015】
前記他の課題を達成するための本発明の基板処理装置の一面は、基板を有機現像液で処理する第1工程チャンバと、前記基板を超臨界流体で処理する第2工程チャンバと、前記基板を第1工程チャンバから前記第2工程チャンバに移動させる移送ロボットを含み、前記第1工程チャンバは、前記基板を第1回転数で回転させながら、前記基板上に有機現像液を供給し、前記基板を前記第1回転数より低い第2回転数で回転させながら、前記基板にリンス液を供給して前記有機現像液を前記リンス液に置換し、前記基板を前記第2回転数より高い第3回転数で回転させながら、前記リンス液を供給し、前記基板を前記第2回転数と前記第3回転数の間の第4回転数で回転させることを含む。
【0016】
前記第1工程チャンバは、前記基板を第2回転数で回転させながら前記基板にリンス液を供給する前に、前記基板を第2回転数で回転させながら前記基板上に有機現像液を供給し得る。
【0017】
前記基板を第2回転数で回転させる時間は、前記基板を第3回転数で回転させる時間より長くてもよい。
【0018】
前記有機現像液を供給する第1ノズルと、前記リンス液を供給する第2ノズルは一つのアーム(arm)に設けられ得る。
【0019】
前記他の課題を達成するための本発明の基板処理装置の他の面は、第1基板上に有機現像液を供給する第1工程チャンバと、前記第1基板を超臨界流体で処理する第2工程チャンバと、前記第1基板上に有機現像液が残留する状態で、前記第1基板を前記第1工程チャンバから前記第2工程チャンバに移送する第1移送ロボットと、第2基板上に前記有機現像液を供給し、前記第2基板上の前記有機現像液を非極性リンス液に置換する第3工程チャンバと、前記第2基板を超臨界流体で処理する第4工程チャンバと、前記第2基板上に前記非極性リンス液が残留する状態で、前記第2基板を前記第3工程チャンバから前記第4工程チャンバに移送する第2移送ロボットを含み、前記第1基板上の有機現像液の第1残留量は、前記第2基板上の非極性リンス液の第2残留量より大きくてもよい。
【0020】
前記第1工程チャンバで前記第1基板上の有機現像液の第1残留量を残すための第1液膜形成段階は、前記第1基板を第1回転数で回転させることを含み、前記第3工程チャンバで前記第2基板上の非極性リンス液の第2残留量を残すための第2液膜形成段階は、前記第2基板を第2回転数で回転させることを含み、前記第1回転数は前記第2時間より小さくてもよい。
【0021】
前記第1基板および前記第2基板はネガティブ感光膜が塗布された後、露光処理された状態で提供され、前記有機現像液はn-ブチルアセテート(n-butyl acetate)である。
【0022】
前記非極性リンス液の蒸気圧は前記有機現像液の蒸気圧より小さいか、または前記非極性リンス液の粘度は前記有機現像液の粘度より高くてもよい。
【0023】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置を説明するための平面図である。
図2図1の工程チャンバの一例を説明するための概念図である。
図3図2のノズル構造体を説明するための斜視図である。
図4図1の工程チャンバの他の例を説明するための概念図である。
図5】本発明のいくつかの実施形態による基板処理方法を説明するためのフローチャートである。
図6】回転数によるデカン(decane)の濡れ量(wetting volume)と液膜維持時間を説明するための図である。
図7】回転数によるn-ブチルアセテートの濡れ量と液膜維持時間を説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態による基板処理方法を説明するための図である。
図9】本発明の他の実施形態による基板処理方法を説明するための図である。
図10】本発明のまた他の実施形態による基板処理方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下に開示される実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現でき、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。
【0026】
空間的に相対的な用語の「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは図面に示されているように一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用される。空間的に相対的な用語は図面に示されている方向に加えて使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図面に示されている素子をひっくり返す場合、他の素子の「下(below)」または「下(beneath)」と記述された素子は他の素子の「上(above)」に置かれられ得る。したがって、例示的な用語の「下」は下と上の方向をすべて含むことができる。素子は他の方向に配向されてもよく、そのため空間的に相対的な用語は配向によって解釈されることができる。
【0027】
第1、第2などが多様な素子、構成要素および/またはセクションを叙述するために使われるが、これらの素子、構成要素および/またはセクションはこれらの用語によって制限されないのは勿論である。これらの用語は単に一つの素子、構成要素またはセクションを他の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素または第1セクションは本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素または第2セクションであり得るのは勿論である。
【0028】
本明細書で使用された用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書で、単数形は文面で特記しない限り、複数形も含む。明細書で使用される「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は言及された構成要素、段階、動作および/または素子は一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0029】
他に定義のない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的および科学的用語を含む)は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に共通して理解される意味で使用される。また、一般的に使用される辞典に定義されている用語は明白に特に定義されていない限り理想的にまたは過度に解釈されない。
【0030】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたり図面符号に関係なく同一であるかまたは対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに係る重複する説明は省略する。
【0031】
図1は本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置を説明するための平面図である。
【0032】
図1を参照すると、露光処理された感光膜が形成された基板が基板処理装置内に搬送され、基板処理装置内で現像液を使用する現像工程と、超臨界流体を使用する乾燥工程が行われる。
【0033】
このような本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置はインデックスモジュール1000と工程モジュール2000を含む。
【0034】
インデックスモジュール1000は外部から基板Wの提供を受け、工程モジュール2000に基板Wを伝達する。基板Wは露光処理された感光膜が形成された状態であり得る。例えば、感光膜はネガティブ感光膜(NTD,Negative Tone Develop)またはポジティブ感光膜(PTD,Positive Tone Develop)であり得、化学増幅型感光膜(CAR,Chemically Amplified Resist)または非化学増幅型感光膜(Non-CAR,Non-Chemically Amplified Resist)であり得る。
【0035】
インデックスモジュール1000は設備フロントエンドモジュール(EFEM:equipment front end module)であり得、ロードポート(load port,1100)と移送フレーム1200を含む。
【0036】
ロードポート1100には基板Wが収容される容器Cが置かれる。容器Cとしては前面開放一体型ポッド(FOUP:front opening unified pod)が用いられる。容器Cはオーバーヘッドトランスファー(OHT:overhead transfer)により外部からロードポート1100に搬入されたりロードポート1100から外部に搬出され得る。
【0037】
移送フレーム1200はロードポート1100に置かれた容器Cと工程モジュール2000の間に基板Wを伝達する。移送フレーム1200はインデックスレール上で移動するインデックスロボットを含み得る。
【0038】
工程モジュール2000はバッファチャンバ2100、移送チャンバ2200、多数の工程チャンバ2300を含む。
【0039】
バッファチャンバ2100はインデックスモジュール1000と工程モジュール2000の間に搬送される基板Wが一時的に留まる空間を提供する。バッファチャンバ2100には多数のバッファースロットが位置し得る。例えば、移送フレーム1200のインデックスロボットは基板Wを容器Cから引出してバッファースロットに置くことができる。
【0040】
移送チャンバ2200の移送ロボットはバッファースロットに置かれた基板Wを引出してこれを多数の工程チャンバ2300のうち既に設定された工程チャンバ(例えば、PC1)に移送し得る。また、移送チャンバ2200の移送ロボットは多数の工程チャンバ2300のいずれか一つの工程チャンバ(例えば、PC1)から他の工程チャンバ(例えば、PC2)に搬送し得る。
【0041】
多数の工程チャンバ2300は一列に配置されたり、上下に積層されて配置されたり、これらを組み合わせた形態で配置されることができる。図示するように、一部の工程チャンバPC1,PC2と他の一部の工程チャンバPC3,PC4は移送チャンバ2200の両側に配置され得る。多数の工程チャンバ2300の配置は前述した例に限定されず、基板処理装置のフットプリントや工程効率を考慮して変更することができる。
【0042】
多数の工程チャンバ2300のうち既に設定された工程チャンバ(例えば、PC1)で、基板Wは有機現像液(例えば、n-ブチルアセテート(nBA,n-butyl acetate))によって現像され、その後有機現像液が非極性リンス液(例えば、デカン(decane))に置換される。次に、他の工程チャンバ(例えば、PC2)で、非極性リンス液は超臨界流体によって除去される。具体的な工程は図5ないし図10を用いて後述する。
【0043】
図2図1の工程チャンバの一例を説明するための概念図である。図3図2のノズル構造体を説明するための斜視図である。
【0044】
図2および図3を参照すると、工程チャンバ(例えば、PC1)内には基板Wを支持する支持ユニット110が配置される。支持ユニット110は既に設定された速度(すなわち、既に設定された回転数)で基板Wを回転させ得る。
【0045】
また、支持ユニット110の周辺には、基板W上に有機現像液と非極性リンス液を供給するための第1ノズル構造体120が位置する。
【0046】
有機現像液はn-ブチルアセテート(nBA,n-butyl acetate)であり得るが、これに限定されない。有機現像液はネガティブ感光膜を現像させる物質であればいかなるものでも可能である。
【0047】
非極性リンス液はアルカン(alkane)系の溶媒である、ノナン(nonane)、デカン(decane)、ウンデカン(undecane)およびドデカン(dodecane)のうち少なくとも一つであり得るが、これに限定されない。非極性リンス液は有機現像液と容易に置換され得、ネガティブ感光膜と反応しない物質であればいかなるものでも可能である。
【0048】
第1ノズル構造体120は例えば、供給位置と待機位置の間を回動し得る。第1ノズル構造体120が供給位置にある時には有機現像液および/または非極性リンス液を基板W上に供給し得る。例えば、基板Wが工程チャンバPC1内に引込み/引出される間には、第1ノズル構造体120は待機位置にあり得る。
【0049】
このような第1ノズル構造体120はアーム(arm,123)と、有機現像液を供給する第1ノズル121と、非極性リンス液を供給する第2ノズル122を含み得る。第1ノズル121と第2ノズル122が一つの第1ノズル構造体120(すなわち、アーム123)で形成されているので、有機現像液と非極性リンス液を連続して基板W上に供給することができる。
【0050】
第1ノズル121は有機現像液を貯蔵する第1貯蔵部121aと流体的に連結される。第1弁121bは第1ノズル121と第1貯蔵部121aの間に配置され、制御部(図示せず)によってオン/オフ制御され得る。第2ノズル122は非極性リンス液を貯蔵する第2貯蔵部122aと流体的に連結される。第2弁122bは第2ノズル122と第2貯蔵部122aの間に配置され、制御部(図示せず)によってオン/オフ制御され得る。
【0051】
図4図1の工程チャンバの他の例を説明するための概念図である。説明の便宜上、図2および図3を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0052】
図3では有機現像液と非極性リンス液が一つの第1ノズル構造体(図2の120参照)によって供給されたが、図4では有機現像液を供給する第2ノズル構造体130と、非極性リンス液を供給する第3ノズル構造体140が互いに分離/区分される。
【0053】
工程チャンバ(例えば、PC1)内には基板Wを支持する支持ユニット110が配置される。支持ユニット110は既に設定された速度(すなわち、既に設定された回転数)で基板Wを回転させ得る。
【0054】
第2ノズル構造体130は回動運動をし得、有機現像液を基板W上に供給し得る。第2ノズル構造体130は有機現像液を貯蔵する第1貯蔵部121aと流体的に連結される。第1弁121bは第2ノズル構造体130と第1貯蔵部121aの間に配置され、制御部(図示せず)によってオン/オフが制御され得る。
【0055】
第3ノズル構造体140も回動運動をし得、非極性リンス液を基板W上に供給し得る。第3ノズル構造体140は非極性リンス液を貯蔵する第2貯蔵部122aと流体的に連結される。第2弁122bは第3ノズル構造体140と第2貯蔵部122aの間に配置され、制御部(図示せず)によってオン/オフが制御され得る。
【0056】
図5は本発明のいくつかの実施形態による基板処理方法を説明するためのフローチャートである。
【0057】
図5を参照すると、まず、露光処理された感光膜が形成された基板が第1工程チャンバ(図1のPC1を参照)に引込まれる。ここで、感光膜はネガティブ感光膜(NTD,Negative Tone Develop)であり、かつ化学増幅型感光膜(CAR,Chemically Amplified Resist)であり得る。
【0058】
次に、第1工程チャンバPC1で、基板Wを有機現像液で処理する(S110)。
【0059】
具体的には、有機現像液(例えば、n-ブチルアセテート(nBA,n-butyl acetate))を基板W上に供給する。有機現像液を用いて露光処理された感光膜を現像させる。ネガティブ感光膜を使用したので、露光工程で光に露出していない部分が有機現像液と反応して溶解する。
【0060】
次に、第1工程チャンバPC1で、基板Wを非極性リンス液で処理する(S120)。
【0061】
具体的には、非極性リンス液はアルカン(alkane)系の溶媒である、ノナン(nonane)、デカン(decane)、ウンデカン(undecane)およびドデカン(dodecane)のうち少なくとも一つであり得る。有機現像液が非極性リンス液に置換されたので、これ以上現像が進行しない。非極性リンス液は感光膜と反応しないからである。
【0062】
次に、基板Wを第1工程チャンバPC1から第2工程チャンバPC2に移送する(S130)。
【0063】
具体的には、移送チャンバ2200の移送ロボットが、非極性リンス液が残留する状態の基板Wを第1工程チャンバPC1から第2工程チャンバPC2に移動させる。非極性リンス液は感光膜と反応しないために非極性リンス液が基板Wに残留した状態で移動させても、過度な現像が行われない。
【0064】
非極性リンス液が残留する状態(すなわち、基板Wが濡れた状態)で移動させる理由は、移動する間に基板Wが乾かないようにするためである。基板Wが乾いた状態で移動すると、基板W上に異物が落ちて欠陥(defect)が生じ得、弱い衝撃にも感光膜または被エッチング膜が損傷する恐れがあるからである。
【0065】
仮に、有機現像液を非極性リンス液に置換する段階(すなわち、S120)がない場合、有機現像液が残留する状態の基板Wを第1工程チャンバPC1から第2工程チャンバPC2に移動させる。移動する間有機現像液は感光膜と持続的に反応する。したがって、過度な現像が進行し、目標(target)とする感光膜パターンを形成できない。過度な現像によって感光膜のリーニング(PR leaning)現象が発生し得る。また、感光膜は高分子として重い特性を有するので、現像時生成された感光膜残渣(PR residue)がパターンとパターンの間に残っていることもある。このような感光膜残渣は欠陥(defect)を誘発する。
【0066】
反面、本発明のいくつかの実施形態による基板処理方法では、有機現像液を非極性リンス液に置換したので、過度な現像を防止して目標とする感光膜パターンを正確に形成することができる。
【0067】
次に、第2工程チャンバPC2で、基板Wを超臨界乾燥する(S140)。すなわち、超臨界流体で非極性流体を除去する。
【0068】
具体的には、超臨界流体(例えば、超臨界状態の二酸化炭素)は高い浸透性を有しており、パターンとパターンの間に残っている非極性リンス液を効果的に除去することができる。
【0069】
以下では、図1図5図6および図7を参照して、非極性リンス液として、アルカン(alkane)系の溶媒である、ノナン(nonane)、デカン(decane)、ウンデカン(undecane)およびドデカン(dodecane)のうち少なくとも一つを使用することについて具体的に説明する。
【0070】
図6は回転数によるデカン(decane)の濡れ量(wetting volume)と液膜維持時間を説明するための図である。図7は回転数によるn-ブチルアセテートの濡れ量と液膜維持時間を説明するための図である。
【0071】
図6を参照すると、x軸には回転数(RPM)が表示され、y軸は濡れ量(単位:g)と液膜維持時間(単位:sec)が表示される。
【0072】
D1はデカンの乾燥時間を示すグラフである。W1はデカンの濡れ量を示すグラフである。
【0073】
例えば、約200secの液膜維持時間が必要であると仮定する。前述したように、移送チャンバ2200の移送ロボットが第1工程チャンバPC1から基板Wを取り出して第2工程チャンバPC2に移動した後第2工程チャンバPC2内に基板Wを投入する。第2工程チャンバPC2で超臨界流体で処理される前まで、基板Wは濡れた状態を維持しなければならない。すなわち、基板W上には液膜が維持されていなければならない。約200secの時間は移送チャンバ2200の移送ロボットが基板Wを取り出し始めて、超臨界流体によって処理される前までの時間であり得る。
【0074】
D1を参照すると、約200secの液膜維持時間を作るためには基板Wの回転速度R1は約240RPMでなければならない。
【0075】
W1を参照すると、基板Wの回転速度R1が約240RPMの場合、デカンの濡れ量WT1は約1gになる。
【0076】
整理すれば、基板Wを240RPMで回転させながらデカンを基板W上に供給し、その結果、基板W上には約1gのデカンが液膜を維持しながら残る。約1gのデカンは約200sec間液膜を維持する。
【0077】
図7を参照すると、x軸には回転数(RPM)が表示され、y軸は濡れ量(単位:g)と液膜維持時間(単位:sec)が表示される。
【0078】
反面、D2はn-ブチルアセテートの乾燥時間を示すグラフである。W2はn-ブチルアセテートの濡れ量を示すグラフである。
【0079】
D2を参照すると、約200secの液膜維持時間を作るためには基板Wの回転速度R2は約45RPMでなければならない。
【0080】
W2を参照すると、基板Wの回転速度R1が約45RPMなら、n-ブチルアセテートの濡れ量WT2は約7gになる。
【0081】
整理すれば、基板Wを45RPMで回転させながらn-ブチルアセテートを基板W上に供給し、その結果、基板W上には約7gのn-ブチルアセテートが液膜を維持しながら残る。約7gのn-ブチルアセテートが約200secの間液膜を維持する。
【0082】
図6および図7を参照すると、非極性リンス液として使用されるブタン(butane)は、約1gだけでも約200secの液膜維持時間を作ることができる。すなわち、ブタンはn-ブチルアセテートに比べて非常に少量でも、約200secの液膜維持時間を作ることができる。また、超臨界流体によって除去されなければならないブタンの量が非常に少ないことがわかる。したがって、超臨界流体による処理工程時間を短縮させることができる。
【0083】
ブタンがこのような特性を有する理由は、n-ブチルアセテートに比べて蒸気圧が小さくおよび/または粘度が高いからである。n-ブチルアセテートの蒸気圧は1.413KPaであることに対して、ブタンの蒸気圧は0.199KPaである。n-ブチルアセテートの粘度は0.69cPであることに対して、ブタンの粘度は0.92cPである。ブタンの蒸気圧は相対的に小さくおよび/またはブタンの粘度は相対的に高いので、n-ブチルアセテートに比べて乾燥が遅いため液膜維持に有利である。
【0084】
このようなブタンと類似の特性を有するアルカン溶媒は、ノナン(nonane)、ウンデカン(undecane)およびドデカン(dodecane)などがある。例えば、ドデカン(dodecane)の蒸気圧は0.018Kpaであり、粘度は1.34cPである。したがって、ブタンの代わりにノナン(nonane)、ウンデカン(undecane)およびドデカン(dodecane)のうち少なくとも一つが使用できる。
【0085】
のみならず、ノナン(nonane)、デカン(decane)、ウンデカン(undecane)およびドデカン(dodecane)のようなアルカン(alkane)系の溶媒は分子構造が対称構造であるため、同じ非極性の超臨界二酸化炭素によってよく抽出される。
【0086】
また、前述したアルカン(alkane)系の溶媒は、有機現像液とよく混ざる特性も有する。したがって、有機現像液を非極性リンス液に容易に置換することができる。
【0087】
このような点などを考慮して、ノナン(nonane)、デカン(decane)、ウンデカン(undecane)およびドデカン(dodecane)のうち少なくとも一つを、有機現像液と置換される非極性リンス液として使用する。
【0088】
以下では図8ないし図10を用いて、第1工程チャンバ(例えば、PC1)で行われる有機現像液処理段階(S110)および非極性リンス液処理段階(S120)をより具体的に説明する。
【0089】
図8は本発明の一実施形態による基板処理方法を説明するための図である。
【0090】
図8を参照すると、まず、基板Wを低い回転数(例えば、10rpm)で回転させながら基板W上に有機現像液を供給し始める(S5)。低い回転数で回転する区間(S5)は、例えば、1~2秒であり得る。
【0091】
前述したように、基板Wはネガティブ感光膜が塗布された後、露光処理された状態であり得る。有機現像液はネガティブ感光膜を現像するためのものであり、例えば、n-ブチルアセテート(n-butyl acetate)であり得る。
【0092】
次に、基板Wを第1回転数RPM1で回転させながら、基板W上に有機現像液を供給する(S10)。
【0093】
具体的には、第1回転数RPM1は例えば、1000~1500rpmであり得、第1回転数RPM1で回転する区間(S10)は例えば、3~4秒であり得る。このように基板Wを速く回転させることによって、有機現像液を全面に広げることができる。また、この区間(S10)で有機現像液はネガティブ感光膜と接触して現像が進行される。
【0094】
次に、基板Wを第1回転数RPM1より低い第2回転数RPM2で回転させながら、基板Wに非極性リンス液を供給して有機現像液を非極性リンス液に置換する(S20)。
【0095】
具体的には、第2回転数RPM2は例えば、50~150rpmであり得、第2回転数RPM2で回転する区間(S20)は例えば、10秒であり得る。
【0096】
低回転数で回転する区間(S5)、第1回転数RPM1で回転する区間(S10)に続いて、第2回転数RPM2で回転する区間(S20)の一部にも、有機現像液は基板W上に供給されることができる。
【0097】
有機現像液の供給を中止し、非極性リンス液を基板W上に供給し始め得る。図面符号d1に示すように、有機現像液の供給中止と非極性リンス液の供給開始が同時に行われ得る。または図面符号d2に示すように、有機現像液の供給中止と非極性リンス液の供給開始が一部オーバーラップし得る。
【0098】
第2回転数RPM2は第1回転数RPM1または第3回転数RPM3に比べて小さいので、非極性リンス液が有機現像液とよく混ざり得る。基板Wが速く回転する間非極性リンス液が供給される場合、基板Wの表面で非極性リンス液がバウンシング(bouncing)され得るため、非極性リンス液と有機現像液がよく混ざらないことがある。
【0099】
また、非極性リンス液と有機現像液が十分に置換されるように、第2回転数RPM2で回転する区間(S20)は他の区間(例えば、S10,S30)に比べて十分に長い。
【0100】
次に、基板Wを第2回転数RPM2より高い第3回転数RPM3で回転させながら、非極性リンス液を供給する(S30)。
【0101】
具体的には、第3回転数RPM3は例えば、500~600rpmであり得、第3回転数RPM3で有機現像液を供給する区間(S30)は例えば、5~6秒であり得る。第3回転数RPM3で回転させる時間は第2回転数RPM2で回転させる時間より短い。S20段階よりS30段階で基板Wを速く回転させる理由は、有機現像液との反応により生成された感光膜反応物を除去するためである。
【0102】
次に、基板を第2回転数RPM2と第3回転数RPM3の間の第4回転数RPM4で回転させる(S40)。
【0103】
具体的には、第4回転数RPM4は例えば、150~300rpmであり得、第4回転数RPM4で回転させる区間(S40)は例えば、7~8秒であり得る。第4回転数RPM4で回転させる時間は第3回転数RPM3で回転させる時間より長い。S40段階は、基板W上に非極性リンス液(デカン)の液膜を形成するための段階である。例えば、図6を用いて説明したように、基板Wを約240rpmで回転させることで約1gのデカン液膜を形成することができる。液膜を形成するための第4回転数RPM4は、感光膜反応物を除去するための第3回転数RPM3より小さい。
【0104】
図面符号e1に示すように、第4回転数RPM4で回転する間非極性リンス液(デカン)を引き続き供給することもでき、図面符号e2に示すように、第4回転数RPM4で回転する間には非極性リンス液(デカン)の供給が中止され得る。図面符号e1のような方式は基板Wの濡れ量を相対的に高めることができ、図面符号e2のような方式は基板Wの濡れ量を相対的に下げることができる。すなわち、第4回転数RPM4で回転する間に非極性リンス液の供給の有無は、濡れ量をどの程度に調節するかによって決定される。
【0105】
また、図示したものとは異なり、S40段階の前方一部でのみ非極性リンス液を供給しながら基板Wを第4回転数RPM4で回転させ、後方一部では非極性リンス液を中断して基板Wを第4回転数RPM4で回転させることができる。
【0106】
図9は本発明の他の実施形態による基板処理方法を説明するための図である。説明の便宜上図8を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0107】
図8では基板Wを第2回転数RPM2で回転しながら(S20段階)、非極性リンス液に有機現像液を置換する。反面、図9では基板Wを第3回転数RPM3で回転しながら(S30段階)非極性リンス液に有機現像液を置換する。
【0108】
S30段階で非極性リンス液に有機現像液を置換すると、S20段階で置換することに比べて、置換が容易に行われない。反面、S10段階だけでなくS20段階でも有機現像液によって現像が行われるので、現像時間を十分に確保することができる。
【0109】
前述したように、S40段階では非極性溶液(デカン)を引き続き供給したり、中止したり、一部期間でのみ供給することもできる。
【0110】
図10は本発明のまた他の実施形態による基板処理方法を説明するための図である。説明の便宜上図8および図9を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0111】
図8では基板Wを第2回転数RPM2で回転しながら(S20段階)、非極性リンス液に有機現像液を置換する。反面、図10では有機現像液はS10段階までのみ供給し、S20段階の開始時点で有機現像液の供給を中断して非極性リンス液の供給を始める。
【0112】
前述したように、S40段階では非極性溶液(デカン)を引き続き供給したり、中止したり、一部期間でのみ供給することもできる。
【0113】
なお、工程によっては、有機現像液を非極性リンス液に置換すること(図5図8図10参照)と、有機現像液を非極性リンス液にしないことが同時に使用できる。このような場合を図1の基板処理装置を参照して説明する。
【0114】
図1を参照すると、第1工程チャンバ(例えば、CP1)では第1基板上に有機現像液を供給して現像する。第2工程チャンバ(例えば、CP2)では第1基板を超臨界流体で処理する。移送チャンバ2200の移送ロボットは、第1基板上に有機現像液が残留する状態で、第1基板を第1工程チャンバCP1から第2工程チャンバCP2に移送する。有機現像液は例えば、n-ブチルアセテート(n-butyl acetate)である。
【0115】
反面、第3工程チャンバ(例えば、CP3)は第2基板上に有機現像液を供給し、第2基板上の有機現像液を非極性リンス液に置換する(図5図8図10参照)。第4工程チャンバ(例えば、CP4)は第2基板を超臨界流体で処理する。移送チャンバ2200の移送ロボットは、第2基板上に非極性リンス液が残留する状態で、第2基板を第3工程チャンバCP3から第4工程チャンバCP4に移送する。有機現像液は例えば、n-ブチルアセテート(n-butyl acetate)であり、非極性リンス液はデカンであり得る。
【0116】
図6および図7を用いて説明したように、既に設定された液膜維持時間(例えば、200 sec)を維持するために、例えば、n-ブチルアセテートの濡れ量は約7gであり、デカンの濡れ量は約1gである。
【0117】
したがって、第1工程チャンバCP1から第2工程チャンバCP2に移送される第1基板上の有機現像液の第1残留量は、第3工程チャンバCP3から第4工程チャンバCP4に移送される第2基板上の非極性リンス液の第2残留量より大きくてもよい。
【0118】
また、第1工程チャンバCP1で第1基板上の有機現像液の第1残留量を残すための第1液膜形成段階は、第1基板に有機現像液を供給しながら、第1基板を第1時間の間第1回転数で回転させることを含む。第3工程チャンバCP3で第2基板上の非極性リンス液の第2残留量を残すための第2液膜形成段階は、第2基板に非極性リンス液を供給しながら、第2基板を第2時間の間第2回転数で回転させることを含む。
【0119】
図6および図7を用いて説明したように、既に設定された液膜維持時間(例えば、200sec)を維持するために、例えば、第1工程チャンバCP1で第1基板を約45RPMで回転し、第3工程チャンバCP3で第2基板を約240RPMで回転させることがわかる。
【0120】
したがって、第1液膜形成段階の第1回転数は、第2液膜形成段階の第2時間より小さくてもよい。なお、本明細書では有機現像液を非極性リンス液に置換することを中心に説明したが、これに限定されない。すなわち、現像液と感光膜の不要な追加反応を抑制できるリンス液であればいかなるものでも可能である。
【0121】
以上と添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0122】
110 支持ユニット
120 第1ノズル構造体
121 第1ノズル
122 第2ノズル
130 第2ノズル構造体
140 第3ノズル構造体
1000 インデックスモジュール
1100 ロードポート
1200 移送フレーム
2000 工程モジュール
2100 バッファチャンバ
2200 移送チャンバ
2300 工程チャンバ
【要約】      (修正有)
【課題】現像液と感光膜の不要な追加反応を抑制し、追加反応により発生する感光膜残余物が生成されないようにする基板処理方法を提供する。
【解決手段】基板処理方法は、基板を第1回転数で回転させながら、前記基板上に有機現像液を供給し、前記基板を前記第1回転数より低い第2回転数で回転させながら、前記基板に非極性リンス液を供給して前記有機現像液を前記非極性リンス液に置換し、前記基板を前記第2回転数より高い第3回転数で回転させながら、前記非極性リンス液を引き続き供給し、前記基板を前記第2回転数と前記第3回転数の間の第4回転数で回転させながら、前記非極性リンス液を引き続き供給することを含むことができる。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10