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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】自動メッセージシステムおよびその方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20231024BHJP
   H04M 3/50 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
H04M11/00 302
H04M3/50 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022143641
(22)【出願日】2022-09-09
(62)【分割の表示】P 2018216900の分割
【原出願日】2018-11-19
(65)【公開番号】P2022172354
(43)【公開日】2022-11-15
【審査請求日】2022-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】396015541
【氏名又は名称】富士フイルムデジタルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】小柳 仁
(72)【発明者】
【氏名】坂本 英明
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-011170(JP,A)
【文献】特開2017-169129(JP,A)
【文献】特開2014-220594(JP,A)
【文献】特開2015-46944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 11/00
H04M 3/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクライアントとネットワークを介して接続する自動メッセージシステムにおいて、
メッセージ指示クライアントから受信する自動メッセージ情報に基づき、文字情報を含むクライアントメッセージのデータを、対象者端末に対して送信する方法であって、
前記対象者端末に応じた対象者宛メッセージを自動音声で通知可能なIVR(Interactive Voice Response)の着信電話番号を送信元IDとして、前記クライアントメッセージのデータを前記対象者端末に送信することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記メッセージ指示クライアントによって選定される前記IVRの着信電話番号、または、前記自動メッセージ情報に基づいて特定した前記IVRの着信電話番号を送信元IDとして、前記クライアントメッセージのデータを前記対象者端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対象者宛メッセージの言語の数、前記メッセージ指示クライアントのセクションの違い、自動音声案内の内容の違い、または対象者の数に応じて推定される折り返し電話の数に応じて、複数のIVRが、システム外またはシステム内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記IVRの着信電話番号とは異なる電話番号が、前記クライアントメッセージの文字情報に含まれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
複数のクライアントとネットワークを介して接続する自動メッセージシステムであって、
メッセージ指示クライアントから受信する自動メッセージ情報に基づき、文字情報を含むクライアントメッセージのデータを、対象者端末に対して送信する送信部を備え、
前記送信部が、前記対象者端末に応じた対象者宛メッセージを自動音声で通知可能なIVR(Interactive Voice Response)の着信電話番号を送信元IDとして、前記クライアントメッセージのデータを前記対象者端末に送信することを特徴とする自動メッセージシステム。
【請求項6】
複数のクライアントとネットワークを介して接続する自動メッセージシステムにおいて、
メッセージ指示クライアントから受信する自動メッセージ情報に基づき、公衆電話網もしくはIP網と接続する音声通信装置が所有する発信電話番号であって、前記メッセージ指示クライアントの属するエリアコードの発信電話番号を送信元IDとして、文字情報を含むクライアントメッセージのデータを対象者端末に送信する方法であって、
前記音声通信装置が、IVR(Interactive Voice Response)によって自動音声通話を行うオートコールシステムで電話発信に使用される音声通信装置であることを特徴とする方法。
【請求項7】
前記音声通信装置が、複数の発信電話番号を所有し、
前記自動メッセージ情報に基づき、前記複数の発信電話番号の中で設定された発信電話番号を送信元IDとして、前記クライアントメッセージのデータを前記対象者端末に送信することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
複数のクライアントとネットワークを介して接続する自動メッセージシステムであって、
メッセージ指示クライアントから受信する自動メッセージ情報に基づき、公衆電話網もしくはIP網と接続する音声通信装置が所有する発信電話番号であって、前記メッセージ指示クライアントの属するエリアコードの発信電話番号を送信元IDとして、文字情報を含むクライアントメッセージのデータを、対象者端末に対して送信する送信部を備え、
前記音声通信装置が、IVR(Interactive Voice Response)によって自動音声通話を行うオートコールシステムで電話発信に使用される音声通信装置であることを特徴とする自動メッセージシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークを通じて対象者にメッセージを送り、また、対象者からの返信に対して自動応答可能なシステム(以下では、自動メッセージシステムという)に関する。
【背景技術】
【0002】
音声・電話サービス業務では、区市町村税の未入金者などに対する催告、健康診断の勧奨などを、自動音声電話で行うオートコールシステムが知られている(特許文献1参照)。そこでは、IVR(Interactive Voice Response)機能を備えたサーバが、公衆電話網(PSTN)あるいはIP網を通じて対象者の端末に発信(発呼)する。対象者が電話をとることで接続(通話)状態になると、対象者に自動音声案内を行う。
【0003】
一方、携帯端末機に備えられているSMS(Short Message Service)機能を利用するサービスでは、企業などのサーバからユーザへテキストメッセージを特定の対象者に対して自動配信する。ユーザに対してメッセージを自動送信するとき、SIM(Subscriber Identity Module)カードの固有ID番号(SIM番号)を送信データに付加し、SMS送信を行う(特許文献2参照)。これにより、ユーザの携帯端末には、SIM番号が送信元の電話番号として表示される。ユーザは、表示された電話番号に対して返信操作を行う。
【0004】
また、送信データをSMSプロトコル方式のデータに変換するゲートウェイに対し、SIMカードを各ポートに設ける構成も知られている(特許文献3参照)。送信データにポート番号を付加することによって、各ポートが携帯端末として機能し、多数のユーザへメッセージを一斉送信する。メッセージを受信したユーザの携帯端末には、そのメッセージを送信したポートのSIM番号(電話番号)が、発信元の電話番号として表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-011293号公報
【文献】特許第6114866号公報
【文献】特許第6202877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
IVRを利用したオートコールによって対象者端末に発信(発呼)しても、携帯端末で振動モード設定などの理由により、対象者が着信に気付かないことがある。この場合、再度対象者にオートコールを行う必要が生じる。一方、SMSなどによってメッセージを送信する場合、ユーザは、そのメッセージ内容から特殊詐欺などによるメッセージと判断し、返信しない恐れがある。
【0007】
したがって、IVRを利用した自動音声によるメッセージサービスと、SMSなどの電話番号を宛先とするメッセージサービスとを効果的に組み合わせたシステムの構築が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の方法は、複数のクライアントとネットワークを介して接続する自動メッセージシステムにおいて、メッセージ指示クライアントから受信する自動メッセージ情報に基づき、文字情報を含むメッセージのデータを、対象者端末に対して送信する方法であって、対象者端末に応じた対象者宛メッセージを自動音声で通知可能なIVR(Interactive Voice Response)の着信電話番号を送信元IDとして、クライアントメッセージのデータを対象者端末に送信する。
【0009】
例えば、メッセージ指示クライアントによって選定されるIVRの着信電話番号、または、自動メッセージ情報に基づいて特定したIVRの着信電話番号を送信元IDとして、クライアントメッセージのデータを対象者端末に送信する。
【0010】
例えば、対象者宛メッセージの言語の数、メッセージ指示クライアントのセクションの違い、自動音声案内の内容の違い、または対象者の数に応じて推定される折り返し電話の数に応じて、複数のIVRが、システム外またはシステム内に設けられている。
【0011】
例えば、IVRの着信電話番号とは異なる電話番号が、クライアントメッセージの文字情報に含まれている。
【0012】
本発明の他の一態様である自動メッセージシステムは、複数のクライアントとネットワークを介して接続する自動メッセージシステムであって、メッセージ指示クライアントから受信する自動メッセージ情報に基づき、折り返しの電話を依頼するクライアントメッセージのデータを、対象者端末に対して送信する送信部を備え、送信部が、対象者端末に応じた対象者宛メッセージを自動音声で通知可能なIVR(Interactive Voice Response)の着信電話番号を送信元IDとして、メッセージのデータを対象者端末に送信する。
【0013】
本発明の他の一態様である方法は、複数のクライアントとネットワークを介して接続する自動メッセージシステムにおいて、メッセージ指示クライアントから受信する自動メッセージ情報に基づき、公衆電話網もしくはIP網と接続する音声通信装置が所有する発信電話番号であって、メッセージ指示クライアントの属するエリアコードの発信電話番号を送信元IDとして、文字情報を含むクライアントメッセージのデータを対象者端末に送信する方法であって、音声通信装置が、IVR(Interactive Voice Response)によって自動音声通話を行うオートコールシステムで電話発信に使用される音声通信装置である。
【0014】
例えば、音声通信装置が、複数の発信電話番号を所有し、自動メッセージ情報に基づき、複数の発信電話番号の中で設定された発信電話番号を送信元IDとして、クライアントメッセージのデータを対象者端末に送信する。
【0015】
本発明の他の一態様である自動メッセージシステムは、複数のクライアントとネットワークを介して接続する自動メッセージシステムであって、メッセージ指示クライアントから受信する自動メッセージ情報に基づき、公衆電話網もしくはIP網と接続する音声通信装置が所有する発信電話番号であって、メッセージ指示クライアントの属するエリアコードの発信電話番号を送信元IDとして、文字情報を含むクライアントメッセージのデータを、対象者端末に対して送信する送信部を備え、音声通信装置が、IVR(Interactive Voice Response)によって自動音声通話を行うオートコールシステムで電話発信に使用される音声通信装置である。
【0016】
例えば、本発明の一態様である方法は、複数のクライアントとネットワークを介して接続する自動メッセージシステムにおいて、自動音声の内容に対応した文字情報を含むメッセージデータを、メッセージ指示クライアントから受信し、メッセージ指示クライアントの属するエリアコードの発信電話番号をもち、公衆電話網もしくはIP網と接続する音声通信装置から対象者端末に対して発呼が行われるように、対象者電話番号のデータおよび発呼に関するデータをメッセージ指示クライアントへ送信し、対象者端末と通話状態になると、IVR(Interactive Voice Response)による自動音声通話が音声通信装置を通じて行われるように、自動音声データをメッセージ指示クライアントへ送信し、メッセージデータに基づいた送信データであって、音声通信装置の発信電話番号を送信元IDとする送信データを、対象者端末に送信する。送信データとしては、音声通信装置の発信電話番号が送信元電話番号として対象者端末に表示されるデータであればよく、例えばSMS方式に従う送信データを用いることが可能である。
【0017】
オートコールとメッセージ送信を効果的に組み合わせることを考慮し、例えば、着信後に通話状態まで至らなかった対象者端末に対し、音声通信装置の発信電話番号を送信元IDとする送信データを、対象者端末に送信することが可能であり、音声通信装置の発信電話番号を送信元IDとする送信データを送信した後、対象者電話番号のデータおよび発呼に関するデータをメッセージ指示クライアントへ送信する。
【0018】
例えば、音声通信装置が、複数の発信電話番号を有し、複数の発信電話番号のうち発呼で使用された発信電話番号を発信元IDとする送信データを、対象者端末に対して送信すればよい。
【0019】
例えば、本発明の一態様である方法は、複数のクライアントと接続する自動メッセージシステムにおいて、文字情報を含むメッセージデータを、メッセージ指示クライアントから受信し、メッセージ指示クライアントの属するエリアコードの発信電話番号をもち、公衆電話網もしくはIP網と接続する音声通信装置から対象者端末に対して発呼が行われるように、対象者電話番号のデータおよび発呼に関するデータをメッセージ指示クライアントへ送信し、対象者端末と通話状態になると、IVR(Interactive Voice Response)による自動音声通話が音声通信装置を通じて行われるように、自動音声データをメッセージ指示クライアントへ送信し、メッセージデータに基づいた送信データであって、IVRとは異なる自動応答用IVRの着信電話番号を送信元IDとする送信データを、対象者端末に送信する。
【0020】
例えば、メッセージの言語もしくはクライアントのセクションに応じて複数のIVRをシステム外、システム内に設けることが可能であり、対象者端末に応じた(対象者に必要な)メッセージを自動音声で通知可能なIVRの着信電話番号を送信元IDとする送信データを、対象者端末に送信することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【0021】
例えば、本発明の一態様である、複数のクライアントとネットワークを介して接続する自動メッセージシステムは、呼制御部と、自動音声の内容に対応した文字情報を含むメッセージデータを、メッセージ指示クライアントから受信するメッセージ制御部と、メッセージデータに基づいた送信データを、対象者端末に送信する送信部とを備え、呼制御部が、メッセージ指示クライアントの属するエリアコードの発信電話番号をもち、公衆電話網もしくはIP網と接続する音声通信装置から対象者端末に対して発呼が行われるように、対象者電話番号のデータおよび発呼に関するデータをメッセージ指示クライアントへ送信し、呼制御部が、対象者端末と通話状態になると、IVR(Interactive Voice Response)による自動音声通話が音声通信装置を通じて行われるように、自動音声データをメッセージ指示クライアントへ送信し、送信部が、音声通信装置の発信電話番号を送信元IDとする送信データを、対象者端末に送信する。
【0022】
また、例えば本発明の一態様である、複数のクライアントと接続する自動メッセージシステムであって、呼制御部と、対象者電話番号のデータと、文字情報を含むメッセージデータとを、メッセージ指示クライアントから受信するメッセージ制御部と、メッセージデータに基づいた送信データを、通対象者端末に送信する送信部とを備え、呼制御部が、メッセージ指示クライアントの属するエリアコードの発信電話番号をもち、公衆電話網もしくはIP網と接続する音声通信装置から対象者端末に対して発呼が行われるように、対象者電話番号のデータおよび発呼に関するデータをメッセージ指示クライアントへ送信し、呼制御部が、対象者端末と通話状態になると、IVR(Interactive Voice Response)による自動音声通話が音声通信装置を通じて行われるように、自動音声データをメッセージ指示クライアントへ送信し、送信部が、IVRとは異なる自動応答用IVRの着信電話番号を送信元IDとする送信データを、対象者端末に送信する。
【発明の効果】
【0023】
このように本発明によれば、IVRを利用した自動音声によるメッセージサービスと、SMSなどの電話番号を宛先とするメッセージサービスとを効果的に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】自動メッセージシステムとクライアントとを含むネットワークシステムの構成を示した図である。
図2】自動メッセージシステムおよびクライアントのブロック図である。
図3】自動メッセージシステム、クライアントおよび対象者との間の自動メッセージ実行時のデータ通信を示した図である。
図4】オートコールSMSサーバにおいて実行される自動メッセージ処理のフローチャートである。
図5】対象者の端末A3の着信履歴画面と、SMSメッセージ受信の一覧画面とを示した図である。
図6】SMS送信処理のフローチャートである。
図7】対象者のSMSメッセージ内容を表示する画面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本実施形態である自動メッセージシステムについて説明する。
【0026】
図1は、自動メッセージシステムとクライアントとを含むネットワークシステムの構成を示した図である。
【0027】
自動メッセージシステム10は、複数のクライアント100、200、300、・・と閉域網であるネットワーク(ここでは、VPN(Virtual Private Network))を介して接続されている。ここでは、複数のクライアントは行政主体となるクライアントであり、具体的には、市役所、町役場など市町村自治体がクライアントして構成される。
【0028】
クライアント100は、ルータ120、ゲートウェイ140、パーソナルコンピュータ(PC)160などを備え、PC160との間で自動メッセージシステム10と相互通信可能である。他のクライアントも同様に、VPNを介して自動メッセージシステム10と接続されている。
【0029】
市町村などの地方自治体である複数のクライアント100、200、300、・・・は、それぞれ異なるエリアコード(市外局番)が割り当てられた地域に所在する。ここでは便宜上、クライアント100のエリアコードを「00」、クライアント200のエリアコードを「01」、クライアントのエリアコードを「02」としている。クライアント300は、クライアント100が電話発信場所として指定し、クライアント100に従属するクライアント(以下、従属クライアントという)として構成されている。
【0030】
自動メッセージシステム10は、各クライアントからの要求に対し、オートコールとSMS(Short Message Service)によるメッセージ送信とを組み合わせたメッセージサービスを提供することが可能である。具体的には、税金、給食費などの税外債権といった公租公課の未納者、あるいは健康診断対象者といった人々に対し、指定した日時に電話発信/SMS発信を行い、自動音声および/または文書メッセージによって催告、勧奨などを行う。また、催告、勧奨後の折り返し電話に対しては、IVRを用いた電話対応を行うことができる。
【0031】
各クライアントは、自動音声/文書メッセージの内容が書き込まれたメッセージデータ、自動メッセージ対象者の電話番号、自動メッセージ実行日時などが含まれる情報(自動メッセージ情報)を事前に作成し、自動メッセージシステム10へ送信する。自動メッセージシステム10は、指定された日時に合わせて自動メッセージ処理を実行する。また、折り返し電話に対し、IVRによる電話対応を行う。
【0032】
図2は、自動メッセージシステム10およびクライアント100のブロック図である。自動メッセージシステム10は、クラウドで構築することが可能である。
【0033】
自動メッセージシステム10は、オートコールSMSサーバ20、呼制御サーバ30を備え、また、スイッチ回路40、ルータ50、SMS送信サーバ70を備える。オートコールSMSサーバ20は、IVR(Interactive Voice Response)機能を備え、呼制御サーバ30を制御し、所定のタイミングによる電話発信、IVRによる自動音声通話の指示を行う。また、オートコールSMSサーバ20は、SMS送信サーバ70を制御する。制御プログラムについては、メモリに等に記憶されている。
【0034】
呼制御サーバ30は、第1の言語(ここでは日本語)による自動音声に対応する第1呼制御サーバ30Aと、第2の言語(ここでは外国語としての英語)による自動音声に対応する第2呼制御サーバ30Bとを備える。オートコールSMSサーバ200が合成音声処理や録音音声ファイルなどに基づいて自動音声を生成する一方、呼制御サーバ30は、制御信号(シグナル)のやり取り(シグナリング)を行い、発呼、着呼、回線接続や切断など、対象者と自動音声通話を行うための制御を行う。
【0035】
オートコールSMSサーバ20は、第1の言語(日本語)、第2の言語(英語)それぞれに対応したIVRを備え、SMS送信サーバ70は、IVRを通じてオートコールSMSサーバ20からSMS送信するためのメッセージデータを受信する。なお、呼制御サーバ30にIVRを設けることも可能であり、また、オートコールSMSサーバ20からIVRを独立させて設けてもよい。
【0036】
スイッチ回路40は、ルータ50を介してクライアント100から送られてくるデータを、オートコールSMSサーバ20、もしくは第1、第2呼制御部サーバ30A、30Bへ送信する。第1、第2呼制御サーバ30A、30Bから出力されるシグナルは、端末装置であるONU60を経由してシステム外部に出力される。
【0037】
SMS送信サーバ70は、送信データ作成部、プロトコル変換ゲートウェイを備え、クライアントから送られてくるメッセージデータを受け取ると、送信元IDを付加した送信データを作成する。そして、プロトコル変換ゲートウェイによってSMSプロトコル形式の送信データに変換し、送信する。
【0038】
送信元ID(SenderID)は、後述するように、クライアント100、200などのゲートウェイ140、240の発信電話番号に定められる。プロトコル変換ゲートウェイは、ここでは単一のゲートウェイによって構成される。なお、キャリア(通信事業者)直双プロトコル形式で送信し、システム外に設置されたプロトコル変換ゲートウェイを通じてSMS送信を行ってもよい。
【0039】
自動メッセージシステム10は、上述したように第3者に干渉されない専用ネットワークとして機能するPVNによってクライアント100と接続されており、クライアント100のルータ120が自動メッセージシステム10において特定されている。また、IPsec方式に従って暗号化によるパケット通信が行われる。
【0040】
クライアント100のルータ120は、端末装置110を経由して自動メッセージシステム10から送られてくるデータを受信し、パーソナルコンピュータ(PC)150、160、ゲートウェイ140などへデータを振り分ける。公衆電話網(PSTN)またはIP網と接続するゲートウェイ140は、音声通信装置として機能し、呼制御サーバ30から送られてきた発信(以下、発呼ともいう)に関するデータ(シグナル)および自動音声データを、PSTNに応じたデータなどに変換する。
【0041】
対象者の端末に向けての発呼および対象者との自動音声通話は、呼制御サーバ30からクライアント100へ送られてくる発呼に関するデータ、自動音声データに基づいてそれぞれ行われる。なお、ゲートウェイ以外の音声通信装置を設置することも可能であり、クライアントとの接続はPC以外のコンピュータ(ワークステーションなど)であってもよい。
【0042】
クライアント100は、エリアコード01に属する場所に立地し、これに応じてゲートウェイ140には、エリアコード01を先頭とする電話番号(発信電話番号)が割り当てられている。また、ゲートウェイ140は複数の発信電話番号を所有し、発信電話番号を切り替えて電話発信させることが可能である。クライアントに選択、あるいは指定された発信電話番号で発信すると、着信(着呼)した対象者の端末の表示部には、その発信電話番号が表示される。ここでは、セクション100A、100Bが異なる発信電話番号を使って発信するように構成されている。
【0043】
クライアント100では、セクション100A、セクション100Bにおいて異なる業務が行われる。例えば、セクション100Aは健康保険料徴収課、セクション100Bは健康支援課に該当する。セクション100A、セクション100Bは、それぞれPC150、160を備え、自動メッセージに関する作業がそれぞれ行われる。
【0044】
図3は、自動メッセージシステム10、クライアント100、メッセージ対象者との間における、自動メッセージを実行する、すなわちメッセージングする時の流れを示した図である。なお、他のクライアントにおいても、同様の自動メッセージが行われる。
【0045】
クライアント100では、クライアント100の住民に関する健康保険徴収、健康診断などの情報がデータ管理システム190に保存される。データ管理システム190は、外部の不特定者がアクセス可能なネットワークに接続されておらず、セクション100A、セクション100Bに設置されたコンピュータ160、150も、データ管理システム190と接続されていない。
【0046】
クライアント100のセクション100Aに属するオペレータは、自動メッセージ情報を、PC160を用いて作成する。オペレータは、滞納者リストなど自動メッセージ対象者の宛先などが記録された携帯型メモリDMをPC160に取り込み、そのデータを読み出す。携帯型メモリDMには、データ管理システム190において保存されているデータが記録されている。
【0047】
オペレータは、自動メッセージ指示内容を入力操作する画面(サイト)を開くと、自動メッセージ実行日時を指定し、自動音声用シナリオ(スクリプト)の文書、およびSMS送信用の文書を入力する。さらに、電話発信するときの発信電話番号を指定、選択する。例えば、セクションの業務、自動音声の言語などに応じて発信電話番号を設定する。従属クライアント300のゲートウェイ340の発信電話番号を設定することも可能である。
【0048】
これら内容を含む自動メッセージ情報のデータを、例えばCSVファイルとして作成し、自動メッセージシステム10へアップロードする。このようなクライアント側で作成される自動メッセージ情報は、セクション100Bでも作成可能である。
【0049】
自動メッセージシステム10は、クライアント100から自動メッセージ発信の指示を受けると、指定日時に合わせ、発呼に関するデータをクライアント100に向けて送信する。ゲートウェイ140は、公衆電話網(PSTN)あるいはIP網を通じて、自動メッセージの対象者(滞納者など)に対して電話発信する。このとき、ゲートウェイ140は、自動メッセージを実行するセクションに対応する電話番号によって発信する。
【0050】
対象者の端末A1が着呼(着信)状態になって対象者が電話をとると、自動メッセージシステム10から送られてくる合成音声データに基づいて自動音声通話が行われる。端末A1による自動音声通話が終了すると、次の端末A2に対して発信、通話する。なお、対象者の端末A1、A2は、電話機能を有する機器であればよく、固定電話、携帯電話いずれであってもよい。
【0051】
このようにゲートウェイ140を起点として対象者に対し自動音声電話をかけると、クライアント100に設置されたゲートウェイ140から電話発信されるため、対象端末A1、A2のディスプレイには、エリアコード「01」で始まる電話番号が表示される。
【0052】
クライアント100が地方自治体などの行政システムの場合、自動メッセージを受ける対象者は、税金などの公租公課の未納者、健康診断予定者など様々であるが、いずれも行政サービスを受ける人に限定される。したがって、自動メッセージ対象者は、クライアント100の電話番号の表示を自身の端末で見たとき、同じ自治体、あるいはエリアコードが同一の近隣自治体からの電話であると認識する。その結果、対象者端末A1で着呼状態になると、多くの場合通話状態に進む(電話をとる)。これによって、自動音声通話が開始され、多くの対象者はクライアント100からのメッセージを受け取ることになる。
【0053】
さらに自動メッセージシステム10は、クライアント100からのSMS送信指示に従い、公衆電話網/IP網を通じてSMS送信を行うことが可能である。セクション100A、セクション100Bでは、それぞれ各セクションの自動音声の文書の内容に対応したテキストメッセージが作成され、自動音声用シナリオの文書とともに自動メッセージシステム10へアップロードする。メッセージ実行日時になると、必要に応じて、自動メッセージシステム10がSMS送信データを対象者端末に送信する。
【0054】
一方、SMS送信によってメッセージを受信した対象者は、必要に応じて折り返し電話を行い、メッセージの内容を確認することができる。この場合、折り返し電話に対する自動音声応答を行うことが可能なIVR80、IVR90が電話対応する。これは、クライアント100がSMS送信元IDをIVR80、90の着信電話番号に設定することで実現される。
【0055】
IVR80、IVR90は、自動メッセージシステム10と通信ネットワークを通じて接続し、ここでは第1言語(日本語)対応のIVR,第2言語(英語)対応のIVRとしてそれぞれ構成される。なお、外部の通信事業者によるサービスで担当者の机に設置された端末に転送する機能を装備させることで、その自動メッセージを実行したセクションの担当者に直接繋がるようにすることができる。
【0056】
図4は、オートコールSMSサーバ20において実行される自動メッセージ処理のフローチャートである。図4を用いて、自動メッセージ処理の一例を説明する。
【0057】
上述したように、自動メッセージ処理実行前には、例えばクライアント100のオペレータが、オペレータ指定言語の自動メッセージ予約設定画面を表示させ、自動音声のシナリオ文書、SMS送信の文書の入力操作、メッセージ送信実行日時指定、発信者電話番号の選定などを行う。入力操作が終了すると、メッセージ送信対象者のリストデータ、シナリオの文書データ、SMS送信の文書データ、自動メッセージ指定日時、発信者電話番号などに関する自動メッセージ情報に関するデータが、アップロードされる。
【0058】
なお、オートコール、SMSの発信電話番号に関しては、発信電話番号をクライアントが選定するのではなく、自動メッセージシステム10が自動的に設定してもよい。例えば、自動メッセージシステム10において、クライアント毎あるいはクライアントのセクション毎に定められた発信電話番号をメモリに事前に記憶させ、自動メッセージ実行指示を受けた時、そのメッセージ指示クライアント(セクション)を特定して、発信電話番号を設定すればよい。
【0059】
クライアントから自動メッセージ情報を受信すると、指定言語に応じた呼制御サーバによる自動メッセージ処理が設定され、スタンバイ状態となる(S101~S104)。すなわち、日本語対応の第1呼制御サーバ30A、外国語対応の第2呼制御サーバ30Bのうち、入力操作の行われた予約設定画面に対応する言語の呼制御サーバによる自動メッセージが設定される。
【0060】
自動メッセージ指定日時になると(S105)、指定言語に応じた呼制御サーバは、宛先リストの先頭対象者の電話番号のデータと、発呼に関するデータを、クライアント100へ送信する(S106)。ゲートウェイ140では、対象者の電話番号データに基づき、オペレータによって指定された発信者電話番号によって対象者端末に向けて発信(発呼)する。
【0061】
対象者の端末で着呼、通話状態になると(S107)、自動音声の文書データを音声データに変換する音声合成処理が行われる(S108)。ここでの音声合成処理は、コーパスベース音声合成(CTTS)方式によって行われる。通話が終了すると、そのときの呼出し時間、通話時間、切断理由(通話切断、無応答など)といった自動メッセージ実行結果のデータが自動メッセージサーバ20において収集、記録される(S110)。
【0062】
一方、対象者が不審電話と認識する、マナーモード設定などにより着信に気付かない、あるいは端末A3を携帯所持していなかった等の理由により端末で通話状態とならなかった場合、SMS送信が実行される(S114)。SMS送信サーバ70では、クライアントによって選定された発信電話番号を発信元IDとして付加した送信データを作成し、SMSプロトコル形式のデータに変換して対象者に向けて発信する。
【0063】
図5は、対象者の端末A3の着信履歴画面と、SMSメッセージ受信の一覧画面とを示した図である。先のオートコールによって着信があったことで、画面Dの最上欄A1には、ゲートウェイ140の発信電話番号が表示される。ただし、ここではエリアコード「042」の電話番号を表示している。一方、対象者がSMSメッセージ受信画面に設定すると、画面Dの最上欄B1には、SMS発信電話番号が表示され、先の着信履歴と同じエリアコード「042」をもつ電話番号が表示される。
【0064】
対象者は、着信履歴とSMS受信画面の発信電話番号が同一であることによって、電話とSMS発信の発信元が同一であり、電話とSMSが関連したものであると認識するに至り、SMS受信メッセージを通読することでその内容を知る。対象者が特殊詐欺などと推測して折り返し電話をせず、あるいはSMSメッセージを通読せず放置するといった事態が生じない。ここでは、オートコールの自動音声内容とほぼ同じ内容の文書メッセージが送信される。
【0065】
一人の対象者に対して電話が終了すると、次の対象者に向けて電話が発信される。宛先リストの対象者すべてに対する電話が終了するまで、ステップS106~S109が繰り返される(S111)。すべての対象者に向けた自動メッセージ終了後、オペレータは、クライアントからの要求に応じて、クライアント100から自動メッセージ実行結果(発信結果)情報をダウンロードする(S112、S113)。
【0066】
図4に示した自動メッセージ処理では、通話状態にならなかった発信者に対してのみSMS送信を行っているが、すべての対象者に対してSMS送信を行ってもよい。例えば、SMSメッセージの文書にオートコールを後ほど実行する旨の内容を含めてSMS送信し、所定時間経過後にオートコールを実行してもよい。この場合、オートコールの発信電話番号が先に受信したSMSメッセージの発信元電話番号と同一となるため、対象者が通話状態に至る確実性が増す。
【0067】
次に、対象者から折り返し電話を受けた場合の自動音声対応について説明する。上述したように本実施形態では、SMS送信を行った後、システム外部のIVR80、90が対象者による折り返し電話に自動応答することができる。クライアントは、自動メッセージ実行の作業において、SMS送信のみ実行するオプションを選択することができる。
【0068】
図6は、SMS送信処理のフローチャートである。
【0069】
オートコールSMSサーバ20は、クライアントから、メッセージ配信日時、SMS文書、発信元ID(電話番号)を含む自動メッセージ情報を受信する(S201)。これにより、指定言語に応じた呼制御サーバによる自動メッセージ処理が設定され、スタンバイ状態となる(S202~S204)。そして、自動メッセージ指定日時になると(S205)、SMSメッセージが送信される(S206)。このとき、SMS送信サーバ70は、第1の言語(日本語)の自動メッセージ入力画面で作成されたSMSメッセージを発信する時にはIVR80の着信電話番号、第2の言語(英語)の自動メッセージ入力画面で作成されたSMSメッセージを発信する時にはIVR90の着信電話番号を、発信元IDとして送信データに付加する。
【0070】
図7は、対象者のSMSメッセージ内容を表示する画面を示した図である。メッセージ先頭部分に表示される発信電話番号は、ここではIVR80の(ゲートウェイの)着信電話番号に対応している。また、発信電話番号をメッセージ先頭に表示できないキャリア(通信事業者)に対処するため、メッセージ文書の中にも折り返し用の電話番号を記載している。この電話番号は発信電話番号と同じであるが、違い番号にしてもよい。ここでのSMSメッセージの内容は、例えば、表示されている電話番号にお折り返し電話して下さいなどの旨が記載されている。
【0071】
対象者が、先頭部分の発信電話番号もしくは文書中の折り返し電話番号をタップすると、自動的に電話発信となる。IVR80、90は、着信者からの電話を受けると、自動音声によるメッセージを開始する。自動音声メッセージ内容に関しては、健康診断勧奨などの定型シナリオを用意し、IVR80、90に送信し、あるいはあらかじめセッティングすればよい。あるいは、IVR80、90と自動システムメッセージ10とをVPNなどの閉域網で接続することにより、催告など個人情報を含むシナリオを、各クライアントからIVR80、90へ送信させることもできる。IVR80、90は、専用IVRとして設置することも可能であり、他のシステムのIVRを併用することもできる。また、IVR80、90をシステム内に配置することも可能である。
【0072】
折り返し電話に自動応答するIVRをシステム外に設置し、SMSメッセージの発信電話番号を自動応答用IVRの着信電話番号に設定することにより、クライアントの担当者が折り返し電話に対応する業務から解放され、折り返し電話への対応による業務停滞を防ぐことができる。特に、SMS送信直後に多数の対象者が集中的に折り返し電話を行っても、複数のIVRを設置し、あるいはIVRに複数の着信電話番号を持たせることなどによって、待ち呼や放棄呼を防ぐことが可能となり、発信規制などを掛ける必要もなくなる。
【0073】
IVR80、90は、ここでは使用言語の数に応じて設置されているが、クライアントのセクションの違い(業務内容の違い)、自動音声案内の内容に違いなど合わせて複数の自動応答用IVRを設置してもよい。また、対象者の数に応じて推定される折り返し電話の数量に合わせて複数の自動応答用IVRを設置してもよい。
【0074】
このように本実施形態によれば、クライアント100、200とVPNによって接続する自動メッセージシステム10において、クライアント100、200から自動メッセージ情報を受け、指定された自動メッセージ日時になると、送信データの発信元ID(発信電話番号)を音声通信装置の発信電話番号と共通にし、オートコールおよびSMS送信を行う。また、SMS送信のみを行う場合、折り返し電話対応可能なシステム外のIVR80、90の着信電話番号を発信元IDとしてSMS送信を行う。
【0075】
これにより、オートコール、SMS、自動音声応答を互いに協働させた自動メッセージシステムが構築されることになり、対象者への催告、勧奨を効率よく実行することが可能となり、徴収、受診率の向上などが図られる。なお、一方のSMS送信仕様を採用するシステムに構成してもよい。
【0076】
自動音声に関しては、合成音声方式だけでなく、録音方式を併用することも可能であり、クライアントは、合成音声と録音音声を選択することができる。この場合、標準語と方言(津軽弁など)とを切り替えるようにしてもよい。また、合成音声で得られた自動音声を録音ファイルに変換して登録できるようにしてもよい。
【0077】
この場合、第2の言語(英語など)による自動音声をシステム内あるいはシステム外で合成音声方式により作成し、録音ファイルに変換して登録し、自動応答用のIVRへ送信するなどして提供可能にすればよい。これは、自動メッセージシステム内、あるいはシステム外で実行可能である。
【0078】
これによって、1つのIVR(着信電話番号)の環境下でも、トーン信号による言語切替、両言語を併用した自動応答などを導入することで自動応答することができる。すなわち、言語ごとに自動応答用のIVRを用意しなくてもよい。なお、肉声で録音ファイルを作成してもよい。
【0079】
本実施形態では、ゲートウェイの発信者電話番号をセクションごとに切り替える構成であるが、同じセクション内で複数の発信者電話番号を使い分けてもよい。また、複数のセクションに跨って発信者電話番号を選択、設定してもよい。あるいは、言語に応じて発信電話番号を使い分けてもよい。
【0080】
クライアントについては、市町村レベルの地方自治体だけでなく、都道府県レベルの地方自治体、国に関わる公共団体、大学、高校などの学校法人、宗教法人、特殊法人といった公益団体、さらには、オートコールおよび/またはSMS配信などのメッセージサービス業務を行う民間会社といったクライアントに対しても有効である。この場合、取り扱う情報の保護レベルに応じて、閉域網ではない通信ネットワークによってクライアントと自動メッセージシステムとを接続させてもよい。
【0081】
本実施形態の自動メッセージシステム10は、オートコールとSMS送信機能両方を備えたシステムであるが、オートコールシステムとSMS送信システムを別々に設定した構成にしてもよい。この場合、SMS送信システムは、オートコールシステムにおいて使用されるゲートウェイなどの音声通信装置の発信電話番号を発信元IDとして送信データを作成すればよい。すなわち、通話回線を利用してメッセージデータを送信する送信システムにおいて、IVRを用いて自動音声による通話を行うオートコールシステムで電話発信に使用される音声通信装置の発信電話番号が送信元電話番号として対象者端末に表示される送信データを、メッセージとして対象者端末に送信する方法、プログラムおよびシステムを提供することができる。これにより、オートコールシステムと協働する送信システムを提供することができる。
【0082】
同様に、SMS送信システムとIVRとを別々のシステムとして構成した場合においても、通話回線を利用してメッセージデータを送信する送信システムにおいて、メッセージデータに対する折り返し電話に自動応答可能なIVRの着信電話番号を送信元電話番号として対象者端末に表示される送信データを、メッセージとして対象者端末に送信する方法、プログラムおよびシステムを提供することができる。これにより、オートコールシステムと協働する送信システムを提供することができる。これにより、自動音声通話システムと協働する送信システムを提供することができる。
【0083】
本実施形態では、通話回線を利用したテキストメッセージ送信手段としてSMSを適用しているが、MMS(Multimedia Massage Service)などテキスト以外の画像情報を取り込んだメッセージサービスを適用することも可能であり、電話番号を宛先として指定し、発信元IDとして電話番号を使用可能なメッセージ方式であればいずれも適用可能である。
【符号の説明】
【0084】
10 自動メッセージシステム
20 オートコールSMSサーバ(IVR)
30 呼制御サーバ
30A 第1呼制御サーバ
30B 第2呼制御サーバ
70 SMS送信サーバ
80、90 IVR
100 クライアント
140 ゲートウェイ(音声通信装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7