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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】パッケージング構造および電力増幅器
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
H01L23/36 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022500995
(86)(22)【出願日】2020-07-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(86)【国際出願番号】 CN2020100971
(87)【国際公開番号】W WO2021004493
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-02-16
(31)【優先権主張番号】201910615283.3
(32)【優先日】2019-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 小敏
(72)【発明者】
【氏名】黄 明利
(72)【発明者】
【氏名】蒋 然
【審査官】高橋 優斗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2003/077317(WO,A1)
【文献】特開平11-176987(JP,A)
【文献】特開2003-234442(JP,A)
【文献】特開2000-150692(JP,A)
【文献】特開2001-210786(JP,A)
【文献】特開2004-241416(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L23/12-23/15
H01L23/29
H01L23/34-23/473
H01L25/00-25/18
H03F1/00-3/72
H03F7/00-7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコンポーネント、第2のコンポーネント、プリント回路基板、および金属板を備えるパッケージング構造であって、
前記金属板は、エッチングされたパターンを有し、
前記プリント回路基板は前記金属板上に配置されており、前記プリント回路基板は開放スロットを有し、
前記第1のコンポーネントは前記開放スロットに配置され、前記第1のコンポーネントは前記金属板上に配置され、
前記第1のコンポーネントは前記プリント回路基板に接続され、
前記第2のコンポーネントは前記プリント回路基板上に配置され、前記第2のコンポーネントは前記プリント回路基板に接続され
前記金属板が前記エッチングされたパターンを有することは、
前記金属板はパッドを有し、
前記プリント回路基板は前記金属板上の前記パッドに接続されること
を含み、
前記エッチングされたパターンは第1のマイクロストリップ回路をさらに含み、前記パッケージング構造は第3のコンポーネントをさらに含み、前記第3のコンポーネントは前記第1のマイクロストリップ回路上に配置され、前記第3のコンポーネントは前記第1のマイクロストリップ回路に接続され、
前記プリント回路基板は第2のマイクロストリップ回路を含み、
前記第1のコンポーネントは、前記プリント回路基板上の前記第2のマイクロストリップ回路を使用することによって前記金属板上のパッドに接続され、
前記第1のコンポーネントは、前記プリント回路基板上の前記第2のマイクロストリップ回路を使用することによって、前記プリント回路基板上に配置された前記第2のコンポーネントに接続される、パッケージング構造。
【請求項2】
前記金属板の厚さは0.07mmから0.5mmである、請求項1に記載のパッケージング構造。
【請求項3】
前記金属板の厚さは0.035mmから1mmである、請求項1に記載のパッケージング構造。
【請求項4】
前記第1のコンポーネントは、ボンドワイヤまたはリボンを使用することによって前記プリント回路基板に接続されている、請求項1に記載のパッケージング構造。
【請求項5】
前記第3のコンポーネントは、前記金属板上の前記第1のマイクロストリップ回路を使用することによって、前記プリント回路基板上の前記第2のマイクロストリップ回路に接続された前記第2のコンポーネントに結合される、請求項に記載のパッケージング構造。
【請求項6】
前記パッケージング構造は、リッドまたはモールドをさらに含み、
前記リッドまたは前記モールドは前記プリント回路基板上に配置され、
前記第1のコンポーネント、前記第2のコンポーネント、およびボンドワイヤまたはリボンは、前記リッドまたは前記モールドと前記プリント回路基板との間に含まれる、請求項に記載のパッケージング構造。
【請求項7】
前記第1のコンポーネントは1つまたは複数の半導体ダイであり、または
前記第1のコンポーネントは、1つまたは複数のセラミックコンデンサである、請求項1からのいずれか一項に記載のパッケージング構造。
【請求項8】
前記第1のコンポーネントはコンデンサである、請求項1からのいずれか一項に記載のパッケージング構造。
【請求項9】
前記第2のコンポーネントは1つまたは複数の表面実装デバイスである、請求項1からのいずれか一項に記載のパッケージング構造。
【請求項10】
前記プリント回路基板は、積層プリント回路基板の1つまたは複数の層を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のパッケージング構造。
【請求項11】
前記プリント回路基板は、シリコン基板、ガラス基板、または有機基板である、請求項1に記載のパッケージング構造。
【請求項12】
前記金属板は、銅またはアルミニウムなどの高熱伝導率を有する金属材料である、請求項1からのいずれか一項に記載のパッケージング構造。
【請求項13】
請求項1からのいずれか一項に記載のパッケージング構造を備える、電力増幅器。
【請求項14】
前記電力増幅器は、第1のインダクタを備え、
前記第1のインダクタはボンドワイヤまたはリボンである、請求項1に記載の電力増幅器。
【請求項15】
前記第1のインダクタのインダクタンス値は、前記ボンドワイヤとプリント回路基板との間の高さの差、前記ボンドワイヤの全長、ボンドワイヤの数量、または前記ボンドワイヤ間の距離によって決定され、あるいは、
前記第1のインダクタのインダクタンス値は、前記リボンとプリント回路基板との間の高さの差、前記リボンの全長、リボンの数量、または前記リボン間の距離によって決定される、請求項1に記載の電力増幅器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、集積回路技術の分野、特にパッケージング構造および電力増幅器に関する。
【背景技術】
【0003】
無線基地局は、さまざまな移動体通信分野で広く利用されている。基地局のカバレッジエリアを拡大するには、高出力の無線基地局が必要である。しかしながら、出力電力が高いと、電力増幅器(PA)の温度が比較的高くなる。したがって、電力増幅器は優れた放熱性能を有することが重要である。さらに、マーケット志向の大規模生産は、製造コストや製造技術の簡素化の要求も引き起こす。
【0004】
電力増幅器では、クアッドフラットノーリードパッケージ(quad flat no-lead package、QFN)またはデュアルフラットノーリードパッケージ(DFN)が使用される 。具体的な構造は、半導体ダイ(die)の底部を金属板に接続し、その金属板を放熱に使用し、半導体ダイはボンドワイヤ(bond wire)を使用してパッド(pad)に接続され、半導体ダイはパッドを使用して信号を入力または出力する、というものである。
【0005】
上記のパッケージングモードでは、コンポーネントは、半導体ダイアタッチ技術を使用してのみ金属板に接続でき、表面実装技術(surface mounting technology、SMT)を使用する表面実装デバイス(surface mounting devices、SMD)などの電力増幅器の一部の特殊コンポーネントは、金属板に接続できない。したがって、これらのコンポーネントは独立して配置する必要があり、その結果、電力増幅器全体の集積度が低くなる。
【0006】
したがって、放熱性能を確保することを前提として、パッケージング構造の全体的な集積度を改善するためのパッケージング構造が必要である。
【発明の概要】
【0007】
本出願の実施形態は、パッケージング構造および電力増幅器を提供し、電力増幅器はパッケージング構造を有する。消費電力の大きい第1のコンポーネントは放熱を促進するために金属板上に配置され、第2のコンポーネントは導体損失を効果的に回避するためにプリント回路基板上に配置される。第1のコンポーネントの放熱および第2のコンポーネントの電力効率を確保することを前提として、パッケージング構造全体の集積度が改善される。
【0008】
本出願の第1の態様は、第1のコンポーネント、第2のコンポーネント、プリント回路基板、および金属板を含むパッケージング構造を提供する。金属板はエッチングされたパターンを有し、金属板は銅またはアルミニウムなどの熱伝導率の高い金属材料である。プリント回路基板は金属板上に配置されており、プリント回路基板は開放スロットを有する。プリント回路基板は、積層プリント回路基板(printed circuit board、PCB)の1つまたは複数の層であり得、プリント回路基板は、シリコン基板、ガラス基板、または有機基板である。第1のコンポーネントは開放スロットに配置され、第1のコンポーネントは金属板上に配置される。第1のコンポーネントは、1つまたは複数のトランジスタであり得、第1のコンポーネントは、代替としてセラミックコンデンサであり得る。第1のコンポーネントはプリント回路基板に接続されている。第2のコンポーネントはプリント回路基板上に配置され、第2のコンポーネントはプリント回路基板に接続されている。第2のコンポーネントは、1つまたは複数の表面実装デバイス(surface mounting devices、SMD)であり得る。
【0009】
本出願のこの実施形態では、消費電力の大きい第1のコンポーネントは放熱を促進するために金属板上に配置され、第2のコンポーネントは導体損失を効果的に回避するためにプリント回路基板上に配置される。第1のコンポーネントの放熱および第2のコンポーネントの電力効率を確保することを前提として、パッケージング構造全体の集積度が改善される。
【0010】
第1の態様に関して、第1の可能な実装において、金属板の厚さは、0.07mmから0.5mmである。
【0011】
本出願のこの実施形態では、金属板のエッチングを容易にするために、金属板の厚さは0.07mmから0.5mmであり、その結果、金属板はエッチングされたパターンを有する。
【0012】
別の可能な実装では、金属板105の厚さは、0.035mmから1mmであり得る。
【0013】
第1の態様および第1の態様の第1の可能な実装に関して、第1の態様の第2の可能な実装において、第1のコンポーネントは、ボンドワイヤまたはリボンを使用してプリント回路基板に接続される。ボンドワイヤは、ボンドワイヤ(bond wire)またはリボン(ribbon)であり得、ボンドワイヤは、第1のコンポーネントとプリント回路基板とを接続するために使用される。具体的には、第1のコンポーネントの入力ポートまたは出力ポートは、ボンドワイヤを使用してプリント回路基板上のマイクロストリップに接続される。
【0014】
第1の態様の第2の可能な実装に関して、第1の態様の第3の可能な実装において、金属板がエッチングされたパターンを有することは、金属板がパッド(pad)を有し、プリント回路基板は、金属板上のパッドに接続されることを含む。
【0015】
本出願のこの実施形態では、金属板上にエッチングされたパターンがパッドである場合、金属板上に配置された第1のコンポーネントおよびプリント回路基板上に配置された第2のコンポーネントは、パッドを使用して信号を入力または出力し得る。
【0016】
第1の態様の第3の可能な実装に関して、第1の態様の第4の可能な実装において、金属板がエッチングされたパターンを有することは、エッチングされたパターンが第1のマイクロストリップ回路を含む場合、パッケージング構造は、第3のコンポーネントをさらに含み、第3のコンポーネントは、第1のマイクロストリップ回路上に配置され、第2のコンポーネントは第3のコンポーネントに結合される。
【0017】
本出願のこの実施形態では、金属板上にエッチングされたパターンは、代替として、第1のマイクロストリップ回路であり得る。金属板上にエッチングされたパターンが第1のマイクロストリップ回路である場合、パッケージング構造は第3のコンポーネントをさらに含み得、第3のコンポーネントはSMDであり得、第3のコンポーネントは第1のマイクロストリップ回路上に配置される。第3のコンポーネントは、第2のコンポーネントに結合され得る。
【0018】
第1の態様の第4の可能な実装に関して、第1の態様の第5の可能な実装において、プリント回路基板は、マイクロストリップ回路を含む。第1のコンポーネントは、プリント回路基板上のマイクロストリップ回路を使用して金属板上のパッドに接続され、第1のコンポーネントは、プリント回路基板上のマイクロストリップ回路を使用して、プリント回路基板上に配置された第2のコンポーネントに接続される。
【0019】
第1の態様の第5の可能な実装に関して、第1の態様の第6の可能な実装において、パッケージング構造は、リッドまたはモールドをさらに含む。リッドまたはモールドはプリント回路基板上に配置される。第1のコンポーネント、第2のコンポーネント、およびボンドワイヤまたはリボンは、リッドまたはモールドとプリント回路基板との間に含まれ、リッドまたはモールドは、パッケージング構造を保護するように構成される。
【0020】
本出願のこの実施形態では、金属板およびプリント回路基板が効果的に保護され得るように、かつ金属板およびプリント回路基板上に配置されている第1のコンポーネント、第2のコンポーネント、およびボンドワイヤなどのコンポーネントが効果的に保護され得るように、リッドまたはモールドがプリント回路基板上に配置される。
【0021】
本出願の第2の態様は、電力増幅器を提供する。電力増幅器は、第1の態様または第1の態様の可能な実装のいずれか1つによるパッケージング構造を含む。
【0022】
本出願の第2の態様に関し、本出願の第2の態様の第1の可能な実装において、電力増幅器は第1のインダクタを含み、第1のインダクタはボンドワイヤまたはリボンである。第1のインダクタのインダクタンス値は、ボンドワイヤとプリント回路基板との間の距離、またはリボンとプリント回路基板との間の距離によって決定される。
【0023】
本出願のこの実施形態では、電力増幅器は、インダクタとしてボンドワイヤを使用する。ボンドワイヤは高いQ値を有し、ボンドワイヤをインダクタとして使用した場合の損失は比較的小さい。したがって、電力増幅器の効率が改善される。Q値はインダクタの品質係数であり、インダクタを測定するための主要なパラメータである。Q値は、インダクタが特定の周波数の交流電圧の下で動作するときのインダクタの等価損失抵抗に対するインダクタの誘導性リアクタンスの比率である。インダクタのQ値が高いほど、損失がより低くなり、インダクタの効率がより高くなる。
【0024】
上記の技術的解決策から、本出願の実施形態は、消費電力の高い第1のコンポーネントが金属板上に配置されて熱放散を容易にし、第2のコンポーネントがプリント回路基板上に配置されて導体の損失を効果的に回避する、という利点を有することが理解され得る。第1のコンポーネントの放熱および第2のコンポーネントの電力効率を確保することを前提として、パッケージング構造全体の集積度が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本願の実施形態または背景の技術的解決策をより明快に説明するために、以下で、本願の実施形態または背景を説明するための添付の図面について簡単に説明する。
図1】本出願の一実施形態によるパッケージング構造の概略構造図である。
図2】本出願の一実施形態による別のパッケージング構造の概略構造図である。
図3】本出願の一実施形態による別のパッケージング構造の概略構造図である。
図4】本出願の一実施形態による別のパッケージング構造の概略構造図である。
図5】本出願の一実施形態による別のパッケージング構造の概略構造図である。
図6】本出願の一実施形態による別のパッケージング構造の概略構造図である。
図7】本出願の一実施形態による概略回路図である。
図8】本出願の一実施形態による別の概略回路図である。
図9】本出願の一実施形態による電力増幅器の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本出願の実施形態は、放熱性能を確保することを前提として、パッケージング構造の集積度を改善するためのパッケージング構造を提供する。
【0027】
以下では、添付の図面を参照して、本出願の実施形態を説明する。図1は、本出願の一実施形態によるパッケージング構造の概略構造図である。本出願で提案されるパッケージング構造は、第1のコンポーネント101、第2のコンポーネント102、プリント回路基板103、開放スロット104、金属板105、およびボンドワイヤ106を含む。
【0028】
第1のコンポーネント101は、1つまたは複数の半導体ダイであり得、半導体ダイ(die)は、トランジスタであり得る。パッケージング構造が電力増幅器に適用可能である場合、第1のコンポーネント101は、ピークトランジスタおよび/または平均トランジスタとして使用され得る。
【0029】
あるいは、第1のコンポーネント101は、1つまたは複数のコンデンサであり得、コンデンサは、具体的にはセラミックコンデンサであり得る。セラミックコンデンサは損失が小さいなどの特徴を有する。セラミックコンデンサは、具体的には、多層セラミックコンデンサ(multilayer ceramic capacitor、MLCC)であり得る。第1のコンポーネント101は、ダイアタッチ(die attach)技術を使用して金属板105に接続されるか、または第1のコンポーネント101は、溶接方式で金属板105に接続される。第1のコンポーネント101は、ボンドワイヤ106を使用してプリント回路基板103に接続されている。具体的には、第1のコンポーネント101は、ボンドワイヤ106を使用することによって、プリント回路基板103上のマイクロストリップに接続される。第1のコンポーネント101は、ボンドワイヤ106を使用することによって第2のコンポーネント102にさらに接続され得る。
【0030】
第1のコンポーネント101は、開放スロット104に配置され、開放スロット104は、プリント回路基板103上に配置され、開放スロット104の底部は、金属板105である。1つまたは複数の開放スロット104がプリント回路基板103上に配置されてよく、1つまたは複数の第1のコンポーネント101が開放スロット104に配置されることに留意されたい。
【0031】
第1のコンポーネント101と金属板105との間に熱伝導性接着剤がさらに加えられ得る。熱伝導性接着剤は、金属板105のものである表面に塗布され、第1のコンポーネント101と接触して、第1のコンポーネント101を金属板105に取り付けるものである。
【0032】
第2のコンポーネントは、1つまたは複数の表面実装デバイス(surface mounting devices、SMD)であり得る。表面実装デバイスは、具体的には、コンデンサ、抵抗器、インダクタ、またはダイであり得る。第2のコンポーネント102が表面実装デバイスである場合、第2のコンポーネント102は、表面実装技術(surface mounting technology、SMT)を使用して、プリント回路基板103上に配置される。第2のコンポーネント102は、プリント回路基板103上のマイクロストリップを使用して接続される。マイクロストリップは、誘電体基板上の金属伝導帯と底面の導体接地板を含むマイクロ波集積回路伝送線路である。
【0033】
プリント回路基板103は、積層プリント回路基板(printed circuit board、PCB)またはラミネート(laminates)の1つまたは複数の層であり得る。マイクロストリップまたは銅線が、プリント回路基板103上に配置されている。プリント回路基板103は、接着剤を使用して金属板105に貼り付けられる。プリント回路基板103の材料は、シリコン基板、ガラス基板、または有機基板であり得る。
【0034】
金属板105は、銅またはアルミニウムなどの熱伝導率の高い金属材料である。金属板105は、エッチングされたパターンを有する。特定のエッチングされたパターンは、パッド(pad)または別のパターンであり得るが、これは本明細書において限定されない。一例では、パターンエッチングを容易にするために、金属板105の厚さは、0.07mmから0.5mmであり得る。金属板105の厚さは、本明細書において限定されない。別の任意選択の実装解決策では、金属板105の厚さは、0.035mmから1mmである。
【0035】
金属板105およびプリント回路基板103は、密着方式で接続してよく、または溶接方式、バックル接続方式、ねじ接続方式等で接続してよい。
【0036】
ボンドワイヤ106は、ボンドワイヤ(bond wire)またはリボン(ribbon)であり得、ボンドワイヤ106は、第1のコンポーネント101とプリント回路基板103とを接続するために使用される。具体的には、第1のコンポーネント101の入力ポートまたは出力ポートは、ボンドワイヤ106を使用して、プリント回路基板103上のマイクロストリップに接続される。
【0037】
ボンディング(bond)は、ダイ製造技術におけるワイヤシーティング方式である。パッケージングの前に、ボンディングは概して、金またはアルミニウムのワイヤを使用して、ダイの内部回路をパッケージピンまたは回路基板の金メッキされた銅箔に接続するために使用される。超音波発生器(USG)からの超音波(通常40kHz~140kHz)は、トランスデューサで高周波振動を発生させ、USGボンディングヘッドを使用してキャピラリに伝達される。キャピラリがリード線や溶接物に接触すると、溶接される金属表面が圧力と振動の作用で互いに擦れ合い、酸化膜が破壊され、塑性変形が発生する。これにより、2つの純金属表面が密接に接触し、原子間距離での結合が実現し、最終的に強固な機械的接続が形成される。
【0038】
この実施形態では、金属板105はエッチングされたパターンを有する。プリント回路基板103は金属板105上に配置され、プリント回路基板103は開放スロット104を有する。第1のコンポーネント101は、開放スロット104に配置され、第1のコンポーネント101は、金属板105上に配置される。第1のコンポーネント101は、プリント回路基板103に接続されている。第2のコンポーネント102は、プリント回路基板103上に配置され、第2のコンポーネント102は、プリント回路基板103に接続されている。
【0039】
本出願のこの実施形態では、消費電力の高い第1のコンポーネントが放熱を容易にするために金属板上に配置され、別のコンポーネント(第2のコンポーネント)がプリント回路基板上に配置される。第2のコンポーネントは、導体の損失を効果的に回避するためにプリント回路基板上に配置される。第1のコンポーネントは、ボンドワイヤを使用してプリント回路基板に接続され、第1のコンポーネントは、ボンドワイヤおよびプリント回路基板を使用して外部に接続され得る。第2のコンポーネントの電力効率を確保することを前提として、パッケージング構造全体の集積度が改善される。
【0040】
さらに、金属板105はエッチングされたパターンを有するため、エッチングされたパターンが具体的にはパッド(pad)である場合、パッケージング構造の特定の構造については図2を参照されたい。図2は、本出願の一実施形態による別のパッケージング構造の概略構造図である。図1に対応する実施形態に基づいて、本出願のこの実施形態で提案される別のパッケージング構造は、パッド1051をさらに含む。
【0041】
エッチング(etching)は、光化学エッチング(photochemical etching)とも呼ばれ、露光および現像後にエッチングされる領域の保護膜を除去して、エッチング中にエッチングされる領域が化学溶液と接触し、溶解と腐食を達成し、それによって凹凸効果またはくり抜き効果を形成することを言う。一般に、エッチングには露光法またはシルクスクリーン印刷法を使用し得、特定のエッチング方法は本明細書において限定されない。
【0042】
この実施形態では、金属板105は、エッチングされた後にエッチングされたパターンを有し、エッチングされたパターンは、1つまたは複数のパッド1051であり得る。図2は、金属板105が1つのパッド1051を含む場合の概略構造図である。パッド1051は、プリント回路基板103上のマイクロストリップまたは銅線に接続され得る。第1のコンポーネント101は、ボンドワイヤ106、プリント回路基板103上のマイクロストリップまたは銅線、およびパッド1051を使用して信号を入力または出力する。第2のコンポーネント102は、プリント回路基板103およびパッド1051上のマイクロストリップまたは銅線を使用して信号を入力または出力する。
【0043】
可能な実装において、金属板105の厚さは、0.07mmから0.5mmである。したがって、金属板105は、エッチングが比較的容易である。
【0044】
本出願のこの実施形態では、エッチングされたパターンは、エッチングによって金属板上に形成され、エッチングされたパターンがパッドである場合、第1のコンポーネントは、パッドを使用して信号を入力または出力し得る。この経路は、第1のコンポーネントと外部とを接続するための最短経路であり得、それにより、第1のコンポーネントの電力効率を改善する。さらに、金属板の厚みを0.07mmと0.5mmとの間に制御することで、確実に金属板が変形しにくくし、金属板のエッチングの利便性を改善する。
【0045】
さらに、金属板105はエッチングされたパターンを有するため、エッチングされたパターンが別のパターンである場合、パッケージング構造の特定の構造については図3を参照されたい。図3は、本出願の一実施形態による別のパッケージング構造の概略構造図である。図2に対応する実施形態に基づいて、本出願のこの実施形態で提案される別のパッケージング構造は、第1のマイクロストリップ回路1052、第2のマイクロストリップ回路1031、および第3のコンポーネント107をさらに含む。
【0046】
この実施形態では、金属板105は、エッチングされた後にエッチングされたパターンを有する。エッチングされたパターンが1つまたは複数の第1のマイクロストリップ回路1052であり得る場合、第1のマイクロストリップ回路1052の形状は任意の形状であり得、1つまたは複数の表面実装デバイス(surface mounting devices、SMD)は、第1のマイクロストリップ回路1052の底面上に取り付けられ得る。SMDが第1のマイクロストリップ回路の底面上に取り付けられる場合、第3のコンポーネント107は、第1のマイクロストリップ回路の底面上に特に取り付けられる。第3のコンポーネント107はSMDであってよく、第3のコンポーネント107の数量は本明細書において限定されない。
【0047】
可能な実装において、金属板105上のエッチングされたパターンが第1のマイクロストリップ回路1052を含み、垂直方向に第1のマイクロストリップ回路と重なる第2のマイクロストリップ回路1031がプリント回路基板103上に存在する場合、第3のコンポーネント107は、第1のマイクロストリップ回路1052上に配置され、第2のマイクロストリップ回路1031は、第2のコンポーネント102に接続されている。この場合、第2のコンポーネント102は第2のマイクロストリップ回路1031に接続され、第3のコンポーネント107は第1のマイクロストリップ回路1052に接続され、第1のマイクロストリップ回路1052は第2のマイクロストリップ回路1031に結合される。したがって、第2のコンポーネント102は、第2のマイクロストリップ回路1031および第1のマイクロストリップ回路1052を使用することによって、第3のコンポーネント107に結合される。
【0048】
具体的には、第2のコンポーネント102、プリント回路基板103、第2のマイクロストリップ回路1031、第1のマイクロストリップ回路1052、および第3のコンポーネント107の間の垂直方向の位置関係に関して図4を参照されたい。図4は、本出願の一実施形態による別のパッケージング構造の概略構造図である。第2のコンポーネント102、第2のマイクロストリップ回路1031、第1のマイクロストリップ回路1052、および第3のコンポーネント107は、同じ垂直線上に配置されている。
【0049】
本出願のこの実施形態では、金属板上のエッチングされたパターンは、代わりに第1のマイクロストリップ回路であり得、第3のコンポーネントは、第1のマイクロストリップ回路の底部にさらに取り付けられ得、それにより、本出願の実装の柔軟性を改善する。
【0050】
さらに、プリント回路基板103の表面上のボンドワイヤ106および第2のコンポーネント102は比較的壊れやすいので、コンポーネントを保護するために、リッド(lid)をプリント回路基板103上にさらに配置し得る。特に、図5は、本出願の一実施形態による別のパッケージング構造の概略構造図である。図3に対応する実施形態に基づいて、本出願のこの実施形態で提案される別のパッケージング構造は、リッド108をさらに含む。
【0051】
この実施形態では、リッド108は、プリント回路基板103上に配置されている。第1のコンポーネント101、第2のコンポーネント102、およびボンドワイヤ106は、リッド108とプリント回路基板103との間に含まれる。リッド108は、パッケージング構造を保護するように構成される。リッド108は、代替としてモールド(mold)であり得るが、これは本明細書において限定されない。
【0052】
本出願のこの実施形態では、コンポーネントを効果的に保護するために、リッドがプリント回路基板上に配置され、それにより、パッケージング構造の安全性が向上する。
【0053】
さらに、前述の実施形態に基づいて、プリント回路基板が複数の層を有する場合に関する図6を参照されたい。図6は、本出願の一実施形態による別のパッケージング構造の概略構造図である。本出願のこの実施形態で提案される別のパッケージング構造では、プリント回路基板103は3層構造であり得る。プリント回路基板のPCB層の数量は、本明細書では限定されないことに留意されたい。具体的には、本出願の本実施形態で提案するパッケージング構造では、プリント回路基板の層の数量は2、4、6、8、10、12、14等であり得る。
【0054】
本出願のこの実施形態では、プリント回路基板がより多くの層を有する場合、電子回路はより大きなケーブルスペースを得ることができる。したがって、細くてタイトなケーブルラインは最適なレイアウトになり、それによって電磁干渉やその他の不安定要因を効果的に低減する。さらに、プリント回路基板のPCB層の数量が増加するため、パッケージング構造の通常のパフォーマンスを確保することを前提として、パッケージング構造の全体積が低減され、パッケージング構造のコストが低減される。
【0055】
図1から図6に対応する実施形態に基づいて、本出願はさらに電力増幅器を提案し、電力増幅器は前述の実施形態のパッケージング構造を使用する。電力増幅器の平均トランジスタおよびピークトランジスタは、前述の実施形態において、第1のコンポーネント101、第2のコンポーネント102、第3のコンポーネント107などを使用することによって実装され得る。
【0056】
任意選択の実装では、電力増幅器の4分の1波長伝送ラインは、図7または図8に示される回路を使用することによって実装され得る。具体的には、図7は、本出願の一実施形態による概略回路図である。図8は、本出願の一実施形態による別の概略回路図である。
【0057】
図7において、電力増幅器は、第1のインダクタ、第1のコンデンサ、および第2のコンデンサをさらに含む。第1のインダクタは第1のコンデンサに接続され、第1のインダクタは第2のコンデンサに接続され、回路のこの部分は電力増幅器の1/4波長伝送ラインとして使用される。第1のコンデンサおよび第2のコンデンサは、前述のパッケージング構造の第1のコンポーネント、第2のコンポーネント、または第3のコンポーネントを使用することによって実装され得る。第1のインダクタは、前述のパッケージング構造でボンドワイヤを使用して実装され得、または前述のパッケージング構造でリボンを使用して実装され得る。これは本明細書において限定されない。
【0058】
図8において、電力増幅器は、第1のインダクタおよび第1のコンデンサをさらに含む。第1のインダクタは第1のコンデンサに接続され、この部分回路は電力増幅器の1/4波長伝送ラインとして使用される。第1のコンデンサは、前述のパッケージング構造の第1のコンポーネント、第2のコンポーネント、または第3のコンポーネントを使用することによって実装され得る。第1のインダクタは、前述のパッケージング構造でボンドワイヤを使用して実装され得、または前述のパッケージング構造でリボンを使用して実装され得る。これは本明細書において限定されない。
【0059】
具体的には、第1のインダクタのインダクタンス値は、ボンドワイヤとプリント回路基板との間の高さの差、ボンドワイヤの全長、ボンドワイヤの数量、またはボンドワイヤ間の距離によって決定される。あるいは、第1のインダクタのインダクタンス値は、リボンとプリント回路基板との間の高さの差、リボンの全長、リボンの数量、またはリボン間の距離によって決定される。図9は、本出願の一実施形態による電力増幅器の概略構造図である。ボンドワイヤまたはリボンとプリント回路基板との高さの差は、ボンドワイヤまたはリボンの上部とプリント回路基板との間の垂直距離である。ボンドワイヤまたはリボンの全長は、ボンドワイヤまたはリボンの2つの端部間の距離である。
【0060】
本出願のこの実施形態では、電力増幅器は、インダクタとしてボンドワイヤを使用する。ボンドワイヤは高いQ値を有する、すなわち、ボンドワイヤをインダクタとして使用した場合の損失は比較的小さい。したがって、電力増幅器の効率が改善される。Q値はインダクタの品質係数であり、インダクタを測定するための主要なパラメータである。Q値は、インダクタが特定の周波数の交流電圧の下で動作するときのインダクタの等価損失抵抗に対するインダクタの誘導性リアクタンスの比率である。インダクタのQ値が高いほど、損失がより低くなり、インダクタの効率がより高くなる。
【0061】
本出願のこの実施形態におけるパッケージング構造および電力増幅器は、上記で詳細に説明されている。本出願の原理と実装は、本明細書の特定の例を通して本明細書に記載されている。本出願の実施形態に関する説明は、本出願および核心となるアイデアを理解するのを助けるために提供されているにすぎない。さらに、当業者は、本出願のアイデアによる特定の実装および出願の範囲の観点から、本出願に変更および修正を行うことができる。したがって、明細書の内容は、本出願を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9