(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 17/08 20060101AFI20231024BHJP
C11D 1/22 20060101ALI20231024BHJP
C11D 1/29 20060101ALI20231024BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20231024BHJP
C11D 1/75 20060101ALI20231024BHJP
C11D 1/755 20060101ALI20231024BHJP
C11D 1/94 20060101ALI20231024BHJP
C11D 3/386 20060101ALI20231024BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20231024BHJP
C11D 3/42 20060101ALI20231024BHJP
C11D 3/40 20060101ALI20231024BHJP
D06F 35/00 20060101ALI20231024BHJP
D06L 1/12 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D1/22
C11D1/29
C11D3/37
C11D1/75
C11D1/755
C11D1/94
C11D3/386
C11D3/50
C11D3/42
C11D3/40
D06F35/00 Z
D06L1/12
(21)【出願番号】P 2022515929
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(86)【国際出願番号】 US2020055660
(87)【国際公開番号】W WO2021076683
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-03-10
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ステンガー、パトリック・クリストファー
【審査官】黒川 美陶
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-529432(JP,A)
【文献】米国特許第06521586(US,B1)
【文献】特表2018-517023(JP,A)
【文献】特表2017-531098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
泡適合性及び改善された洗浄を有する水性液体洗剤組成物であって、前記組成物は、
a)前記組成物の1重量%~60重量
%の界面活性剤系であって、前記界面活性剤系が、
i
)前記界面活性剤系の
40重量%~
60重量%の線状アルキルベンゼンスルホネート
、
ii)前記界面活性剤系の1重量%~
15重量%のアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤
、及び
iii)前記界面活性剤系の10重量%~50重量%の非イオン性界面活性剤を含む、界面活性剤系と、
b)前記組成物の0.001重量%~4.0重量
%の、アリール置換基を有するオルガノ変性シリコーンポリマー、アルキルアリール置換基を有するオルガノ変性シリコーンポリマーから選択される消泡剤であって、前記消泡剤が、シリコーン樹脂及び一次充填剤と組み合わさ
れる、消泡剤と、
c)前記組成物の0.01重量%~2.5重量%の構造化剤であって、前記構造化剤が、結晶性ヒドロキシル含有安定剤、ポリマーガム、及びこれらの混合物から選択される、構造化剤と、を含み、
線状アルキルベンゼンスルホネートとアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤との重量比が、1.1:1~10:
1である、水性液体洗剤組成物。
【請求項2】
前記組成物が、アミンオキシドを更に含む、請求項1に記載の水性液体洗剤組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤系が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される追加の界面活性剤を更に含む、請求項1又は2に記載の水性液体洗剤組成物。
【請求項4】
前記消泡剤が、
a)80~92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン、5~14%のステアリン酸オクチル中のMQ樹脂、及び3~7%の変性シリカの混合物、
b)78~92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン、3~10%のステアリン酸オクチル中のMQ樹脂、4~12%の変性シリカの混合物、並びに
c)これらの混合物、から選択され、
百分率が前記消泡剤の重量による、請求項1~3のいずれか一項に記載の水性液体洗剤組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤系が、前記界面活性剤系の
10重量%~20重量%の非イオン性界面活性剤を含む、請求項1~
4のいずれか一項に記載の水性液体洗剤組成物。
【請求項6】
前記組成物が、前記組成物の0.02重量%~10.0重量%の、酵素、酵素安定剤、蛍光増白剤、粒子物質、ヒドロトロープ、香料、及び他の臭気制御剤、汚れ懸濁ポリマー及び/又は汚れ遊離ポリマー、布地ケア効果剤、pH調整剤、移染防止剤、防腐剤、色相染料、非布地直接染料、カプセル化活性物質、並びにこれらの混合物からなる群から選択される洗濯補助剤を更に含む、請求項1~
5のいずれか一項に記載の水性液体洗剤組成物。
【請求項7】
前記組成物が、香料マイクロカプセル、色相染料、又はこれらの混合物を更に含む、請求項1~
6のいずれか一項に記載の水性液体洗剤組成物。
【請求項8】
水性液体洗剤組成物で織物衣類を処理する家庭用の方法であって、前記方法が、
a)水溶液で織物を処理する工程であって、前記水溶液が、0.01g/L~1g/Lの線状アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、及び0.1mg/L~100mg/Lのシリコーン消泡剤を含むような相対的な量で、水及び請求項1~
7のいずれか一項に記載の洗剤組成物の混合物を含む、工程と、
b)前記織物をすすぎ及び乾燥させる工程と、を含む、方法。
【請求項9】
前記アルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤のアルキル部分が、平均して、13.7~16個の炭素原子分
布を含む、請求項1~
7のいずれか一項に記載の水性液体洗剤組成物。
【請求項10】
前記界面活性剤系が
、前記界面活性剤系の2重量%~10重量%のアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤を含む、請求項1~
7及び9のいずれか一項に記載の水性液体洗剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AES界面活性剤及びシリコーン抑泡剤を含有する液体洗濯洗剤組成物の分野に関する。本発明はまた、織物の処理においてこのような組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、北米の家庭内洗濯用洗濯機市場(並びにある程度の世界的な洗濯市場)は、2つの主な種類の洗濯機、(1)「上部投入型」すなわち「縦「軸」構成、及び(2)「前投入型」、「高効率」(「high efficiency、HE」)すなわち「水平軸」洗濯機、に分かれている。一つには、前投入型構成を有する新規洗濯機の販売部分を増加させた、より厳しいエネルギー及び水の消費規制のせいで、北米の市場では水平軸洗濯機がますますより一般的になった。しかしながら、洗濯機の交換速度は、典型的には非常に遅い(多くの消費者は、消費者の古い洗濯機がもはや機能しなくなるまで、それを交換するのを待つ)ため、かなりの間は2種の洗濯機が継続されることが予想される。
【0003】
この2種の洗濯機は、北米の消費者によって、特に米国において使用されているが、実際にはある程度は消費者によって世界的に使用されているため、各種類の洗濯機で使用するのに好適な洗濯洗剤に対する消費者ニーズがある。大方の場合、現在市販されている家庭用洗濯洗剤は、一方又は他方の種類の洗濯機どちらか一方だけのために処方されている。この2種の製品処方には、理由又は結論がないわけではない。
【0004】
2つの種類の洗剤を提供する理由は、多くの場合、各種類の洗濯機を用いて洗剤が適切に機能することを確実にさせつつも、消費者が期待する洗浄中の泡プロファイルを提供しようとする製造業者の試みによる。不思議に思われるかもしれないが、消費者は、泡を洗浄と関連させるようになっており、そのため洗濯洗剤製造業者は、消費者の期待を満たすために、洗浄サイクル中に適当な量の泡が観察されることを確実にしなくてはならない。不正確なレベルの泡が生じる場合、消費者は、適切な洗浄を提供する場合であっても、洗剤の使用を完全にやめる可能性がある。
【0005】
上部投入型洗濯機用の従来の処方は、典型的には泡立ちがより高く、脂肪酸(石鹸)又は非イオン性界面活性剤を少し有するか又は有しない、より優れた洗浄界面活性剤組成物からより容易に処方できる。対照的に、前投入型洗濯機は、工学的制限のために、典型的には洗浄サイクル中に高い泡立ちを有することができない。このような洗濯機の製造業者は、洗浄サイクル中に洗濯機が漏れないことを確実にするために、泡検出器を所定の位置に設置している。洗濯機は、典型的には、高レベルの泡が生じている間、泡が消散するのを可能にするために少なくとも一時的に停止(「泡ロック」)する。したがって、ほとんどの状況下で、上部投入型用の洗剤が前投入型洗濯機で使用される場合、洗濯機は、非常にゆっくりと動作する(サイクル中に数回停止して、泡がおさまるのを可能にする)か、又は完全に止まるかのいずれかである。どちらの結果も消費者にとって非常に不満である。
【0006】
洗剤製造業者は、前投入型洗濯機用の別個の洗剤処方を開発することによって、この問題に対処してきた。このような前投入型用の高効率洗濯洗剤、すなわち「HE(high efficiency)洗濯洗剤」は、多くの場合、北米の商店の、従来の前投入型用処方と同じ商店のエリアで売られているが、消費者が認識可能な「HE」記号のマークが付けられている。
【0007】
泡制御の1つのこのような方法は、処方中の脂肪酸及び/又は非イオン性界面活性剤のレベルを増加させることである。しかしながら、これは、1つの処方のみに言及する場合は簡単に思える解決策であり得るが、多くの異なる洗剤処方、香り、及び洗浄の種類の各々について、2つの異なる種類の処方を製造しようとすると、ロジスティック的に非常に困難になる。更に、消費者に対して同様に販売されている2つの異なる処方を有することは、消費者を混乱させ、かつ思いがけなく誤った製品を購入した場合の不満の原因になる可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、両方の種類の洗濯機において消費者のニーズを満たすことができる1つの単一の洗濯洗剤組成物を提供する必要がある。
【0009】
更に、従来、上部投入型用処方は、泡立ちがより高く、脂肪酸(石鹸)又は非イオン性界面活性剤を少し含有するか又は含有しない、より優れた洗浄界面活性剤系をより多く含有することができる。しかしながら、HE処方において泡を制御するために、これらの材料が典型的にはより多量に使用され、処方の洗浄性能を低下させる結果となり得る。
【0010】
したがって、上部投入型及びHE洗濯機の両方向けの1つの単一の洗濯洗剤組成物だけでなく、良好な洗浄を提供する組成物もまた提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
水性液体洗剤組成物が開示される。泡適合性及び改善された洗浄を有する水性液体洗剤組成物。組成物は、組成物の約1重量%~約60重量%の界面活性剤と、組成物の約0.001重量%~約4.0重量%の、シリコーン樹脂及び変性シリカである一次充填剤と組み合わせた、アリール又はアルキルアリール置換基を有するオルガノ変性シリコーンポリマーから選択される消泡剤と、組成物の約0.01重量%~約2.5重量%の構造化剤と、を含み、構造化剤は、結晶性ヒドロキシル含有安定剤、ポリマーガム、及びこれらの混合物から選択される。界面活性剤系は、線状アルキルベンゼンスルホネート、及び1重量%~30重量%のアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤を含む。線状アルキルベンゼンスルホネートとアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤との比率は、1.1:1~10:1である。
【0012】
更に、水性液体洗剤組成物が開示される。泡適合性及び改善された洗浄を有する水性液体洗剤組成物。組成物は、組成物の約0.001重量%~約4.0重量%の、シリコーン樹脂及び変性シリカである一次充填剤と組み合わせた、アリール又はアルキルアリール置換基を有するオルガノ変性シリコーンポリマーから選択される消泡剤と、組成物の約0.01重量%~約2.5重量%の構造化剤と、を含み、構造化剤は、結晶性ヒドロキシル含有安定剤、ポリマーガム、及びこれらの混合物から選択される。界面活性剤系は、線状アルキルベンゼンスルホネート、及び1重量%~30重量%のアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤を含む。線状アルキルベンゼンスルホネートとアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤との比率は、1.1:1~10:1である。線状アルキルベンゼンスルホネートとアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤との比率は、1.2:1~5:1であり、アルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤(alkyl ethoxylated sulfate surfactant、AES)のアルキル部分は、平均して、13.9~約14.6個の炭素原子を含む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で使用される場合、「洗濯洗剤組成物」は、家庭用洗濯機において、布地、例えば、衣服を濡らして洗浄することができる流体を含む任意の組成物を含む。組成物は、固体又は気体を好適に細分された形態で含むことができるが、組成物全体は、全体として非流動性の、例えば錠剤又は顆粒の製品形態を除外する。コンパクト流体洗剤組成物は、任意の固形の添加剤は除外されるが、存在する場合、任意の泡は含まれ、好ましくは1立方センチメートル当たり0.9~1.3グラム、更に具体的には、1立方センチメートル当たり1.00~1.10グラムの範囲の密度を有する。
【0014】
本明細書で使用される百分率、比率、及び割合は全て、別段の指定がない限り、組成物の重量%である。平均値は、全て、特に明確に断らない限りは、組成物又はその構成成分の「重量」に基づいて計算したものである。
【0015】
水性液体洗剤組成物
本明細書の水性液体洗剤組成物は、好ましくは、洗濯洗剤組成物であり、より好ましくは、HE洗濯機及び北米の家庭で従来見られる上部投入型の家庭用洗濯機の両方における使用を意味する、両用水性液体洗濯洗剤組成物である。洗浄及び適切な泡立ちレベルを組み合わせたこれらの組成物の利点は、この市場で最もよく見られるが、このような組成物は、当然のことながら、他の洗濯洗浄及び一般的な洗浄分野で使用され得る。
【0016】
したがって、本明細書の水性液体洗剤組成物は、水と、30%未満のAES、10%超の非イオン性界面活性剤を含有する界面活性剤系と、消泡剤と、構造化剤と、を含有する。液体洗剤組成物は、1.1:1~10:1のLAS:AES比などの1.1を超えるLASとAESとの比率を含み得る。このような組成物は、以下でより詳細に論じられる。
【0017】
本発明は、パッケージに収容される流動性洗濯組成物を含む、そのパッケージ化形態を含む液体及び/又はゲル形態の洗濯洗剤を含み、(i)流動性洗濯組成物は、静置時、又は最大10Pa.sの剪断応力下で少なくとも100mPa.s、好ましくは少なくとも500mPa.sの粘度を有する。
【0018】
組成物は、20℃及び20秒-1の剪断速度において、約100~約2000mPa*s、又は約100~約1000mPa*s、又は約200~約500mPa*sの粘度を有し得る。組成物は、20秒-1及び20℃で測定して、200cpsを超える粘度を有し得る。静置時に、組成物は、0.2秒-1及び20℃で測定して、最大10Pa*s又は最大20Pa*sの粘度を有し得る。
【0019】
水
本明細書の洗剤組成物は、濃縮された水性液体又はゲル形態の洗濯洗剤組成物であり得る。本発明の洗剤組成物の水含有量は、組成物の少なくとも1重量%、代替的に約1重量%~約45重量%、代替的に約10重量%~約40重量%の水である。一実施形態では、組成物は、組成物の約35重量%~約99重量%、代替的に約40重量%~約90重量%の水を含む。
【0020】
界面活性剤系
本明細書の洗剤組成物は、組成物の約1重量%~約60重量%、代替的に約5重量%~約50重量%、代替的に約15重量%~約35重量%の界面活性剤系を含む。一実施形態では、洗剤組成物は、組成物の約20重量%~約30重量%の界面活性剤系を含む。
【0021】
本開示の界面活性剤系は、界面活性剤の混合物を含む。界面活性剤系は、少なくとも、アルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤(AES)及び線状アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤(linear alkyl benzene sulfonate surfactant、LAS)を含み得る。
【0022】
界面活性剤系は、アルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤(AES)を含み得る。AESは、アルキル部分、エトキシル化部分、及びサルフェート先端基を含み得る。AESは、エトキシル化アルコール原料などのアルコール原料を提供し、アルコールをサルフェート化することによって形成され得る。本開示のアルコール及び/又はAES界面活性剤は、1つを超える供給源、例えば2つ以上の供給源からの供給原料の混合物を含み得る。
【0023】
AES界面活性剤は、様々な長さのアルキル部分を有するAES分子の分布を含み得る。典型的には、アルキル部分は、8~20個の炭素、又は10~18個の炭素の長さの範囲であり得る。
【0024】
本開示のAESは、比較的長いアルキル部分を含み得、AES分子を比較的疎水性にする。AESのアルキル部分は、線状又は分枝状であり得る。
【0025】
AESのアルキル部分は、平均して、13.7~約16個、又は約13.9~約14.6個の炭素原子を含み得る。少なくとも約50%、又は少なくとも約60%のAES分子は、14個以上の炭素原子、好ましくは14~18個、又は14~17個、又は14~16個、又は14~15個の炭素原子を有するアルキル部分を含み得る。
【0026】
本開示のAESは、平均エトキシル化度を特徴とし得る。AESは、約1.5~約3、又は約1.8~約2.5の平均エトキシル化度を有し得る。
【0027】
本開示の組成物は、組成物の約2重量%~約10重量%、又は約4重量%~約10重量%、又は約6重量%~約8重量%のAESを含み得る。本開示の界面活性剤系は、界面活性剤系の最大30重量%、又は約5重量%~約25重量%、又は約15重量%~約28重量%のAESを含み得る。
【0028】
本開示による好適なAESは、アルキルアルコール原料などの好適な疎水性物質を有する原料から合成してもよい。原料は、天然及び/又は合成原料であり得る。原料は、線状、分枝状、又はこれらの組み合わせであり得る。原料は、ココナツ及びパーム核などの植物油に由来し得る。原料は、分枝状アルコール、例えば、C2位(C1は、アルコキシル化サルフェート部分であるか、又はアルコキシル化サルフェート部分に共有結合している炭素原子である)に分枝、例えば、100%の分枝を有する、(疎水性物質としての)2-アルキル分枝状アルコールであり得る。オキソプロセスに由来し得る2-アルキル分枝状アルコール、例えば、2-アルキル-1-アルカノール又は2-アルキル一級アルコールは、Sasolから、例えば、LIAL(登録商標)及び/又はISALCHEM(登録商標)(分留プロセスによりLIAL(登録商標)アルコールから調製される)で、及び/又はShellから、例えばNeodols(登録商標)(変性オキソプロセスを介して調製され得る)で市販されている。分枝状アルコールは、より長い線状鎖上で分枝した1つ以上のC1~C4アルキル部分を有する中鎖分枝状か、あるいは疎水性物質鎖に沿ってランダムに分布したメチル分枝を有する分枝状アルコールであり得る。いくつかの実施例では、分枝状アルコールは、環状部分を含有し得る。アルキルアルコールなどの原料は、既知の方法に従ってエトキシル化及び/又はスルホン化され得る。
【0029】
本開示の界面活性剤系は、線状アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤(LAS)を含んでもよい。LASは、約10~約16個の炭素原子、より好ましくは約11~約14個の炭素原子、更により好ましくは約11.8個の平均鎖長を有し得る。
【0030】
本開示の組成物は、組成物の約1重量%~約30重量%、又は約5重量%~約25重量%、又は約7重量%~約20重量%のLASを含み得る。本開示の界面活性剤系は、界面活性剤系の約30重量%~約75重量%、又は約40重量%~約60重量%のLASを含み得る。
【0031】
好適なアルキルベンゼンスルホネート(alkyl benzene sulphonate、LAS)は、市販の線状アルキルベンゼン(linear alkyl benzene、LAB)をスルホン化することによって得ることができる。好適なLABとしては、Sasolにより商標名Isochem(登録商標)で供給されているもの、又はPetresaにより商標名Petrelab(登録商標)で供給されているものなどの低2-フェニルLABが挙げられる。他の好適なLABとしては、Sasolにより商標名Hyblene(登録商標)で供給されているものなどの高2-フェニルLABが挙げられる。好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、DETAL触媒プロセスによって得られるアルキルベンゼンスルホネートであるが、フッ化水素酸触媒(HF-触媒)経路などの他の合成経路も好適であり得る。
【0032】
本開示のAES及びLASは、ある重量比で存在してもよい。組成物は、重量でAESよりも多くのLASを含み得る。LAS及びAESは、約1.1:1~約10:1、又は約1.2:1~約5:1、又は約1.5:1~約3:1の重量比で存在し得る。
【0033】
本開示の界面活性剤系は、アミンオキシドを含み得る。
【0034】
好適なアミンオキシド界面活性剤としては、C10~C18アルキルジメチルアミンオキシド、及びC10~C18アシルアミドアルキルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
【0035】
更に、式、R(EO)x(PO)y(BO)zN(O)(CH2R’)2.qH2O(I)を有するアミンオキシド界面活性剤もまた、本発明の組成物に有用である。Rは、飽和又は不飽和、線状又は分枝状であり得る比較的長鎖のヒドロカルビル部分であり、8~20個、好ましくは10~16個の炭素原子を含有でき、より好ましくはC12~C16一級アルキルである。R’は、好ましくは水素、メチル及び-CH2OHから選択される、短鎖部分である。x+y+zが0とは異なる場合、EOは、エチレンオキシであり、POは、プロピレンオキシ(propyleneneoxy)であり、BOは、ブチレンオキシである。アミンオキシド界面活性剤は、C12~14アルキルジメチルアミンオキシドにより表される。
【0036】
組成物は、組成物の約0.1重量%から、又は約0.2重量%から、又は約0.3重量%から、約2重量%まで、又は約1.5重量%まで、又は約1重量%まで、又は約0.8重量%まで、又は約0.6重量%までのアミンオキシドを含み得る。組成物は、組成物の約0.3重量%~約0.6重量%のアミンオキシドを含み得る。
【0037】
界面活性剤系は、中鎖分枝状サルフェート及び/又は中鎖分枝状スルホネートなどのアニオン性中鎖分枝状界面活性剤を実質的に含まず、例えば組成物の1重量%未満であり得る。
【0038】
非イオン性界面活性剤
本明細書の洗剤組成物は、界面活性剤系の10重量%~約50重量%の非イオン性界面活性剤を含む。一実施形態では、洗剤組成物は、界面活性剤系の約15重量%~約45重量%、代替的に20重量%~40重量%の非イオン性界面活性剤を含む。本開示の組成物は、組成物の約2重量%~約20重量%、又は約3重量%~約16重量%の非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0039】
本明細書で有用な非イオン性界面活性剤としては、いわゆるピークの狭いアルキルエトキシレートを含むC12~C18アルキルエトキシレート(「AE」)、及びC6~C12アルキルフェノールアルコキシレート(特にエトキシレート及び混合エトキシ/プロポキシ)、C6~C12アルキルフェノールのブロックアルキレンオキシド縮合体、C8~C22アルカノールのアルキレンオキシド縮合体、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー(Pluronic*-BASF Corp.)が挙げられ、他の好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化アルキルフェノール、アルキルフェノール縮合体、中鎖分枝状アルコール、中鎖分枝状アルキルアルコキシレート、アルキル多糖類(例えば、アルキルポリグリコシド)、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、エーテル末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であってもよい。非イオン性界面活性剤は、線状、分枝状(例えば、中鎖分枝状)、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0040】
これらの種類の界面活性剤の広範囲の開示は、米国特許第3,929,678号(Laughlinら、1975年12月30日発行)に見出される。
【0041】
本明細書で有用な非イオン性界面活性剤としては、式R1(OC2H4)nOH(式中、R1は、C10 C16アルキル基又はC8 C12アルキルフェニル基であり、nは3~約80である)のものが挙げられる。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、アルコール1モル当たり約5~約20モルのエチレンオキシドを有するC12 C15アルコールの縮合生成物、例えば、アルコール1モル当たり約6.5モルのエチレンオキシドと縮合したC12 C13アルコールであってよい。
【0042】
特定の非イオン性界面活性剤としては、平均約12~約16個の炭素を有し、かつ平均約3~約9個のエトキシ基を有するアルコール、例えばC12~C14のEO7、C12~C14のEO9、C14~C15のEO7、及びC12~C15のEO7非イオン性界面活性剤を挙げることができる。
【0043】
追加の好適な非イオン性界面活性剤としては、次式:
【0044】
【化1】
(式中、RはC9~17アルキル又はアルケニルであり、R1はメチル基であり、Zは還元糖に由来するグリシジル又はそのアルコキシル化誘導体である)のポリヒドロキシ脂肪酸アミドが挙げられる。例としては、N-メチルN-1-デオキシグルシチルココアミド及びN-メチルN-1-デオキシグルシチルオレアミドが挙げられる。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの製造プロセスは既知であり、米国特許第2,965,576号(Wilson)及び同第2,703,798号(Schwartz)に見出すことができる。
【0045】
他の有用な非イオン性界面活性剤は、メチルエステルエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルポリヒドロキシアミド(グルカミド)、及びグリセロールモノエーテルである。
【0046】
石鹸
本明細書の洗剤組成物は、界面活性剤系の0重量%~約10重量%の石鹸を含み得る。「脂肪酸カルボキシレート」とも称される石鹸は、脂肪酸の中和によって形成され、一般式:
RCOO-M+
(式中、Rは、典型的には直鎖又は分枝鎖であってよいC9~C21アルキル基であり、Mはカチオンである)を有する一級カルボキシレート又は石鹸を形成する。特定の実施形態では、RはC9~C17アルキルであり、より具体的には、RはC11~C15である。
【0047】
本明細書で有用な脂肪酸の例は、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、フィタン酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、シスエレオステアリン酸、トランスエレオステアリン酸(eleosteric acid)、リノレン酸、アラキドン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。脂肪酸は、飽和であっても不飽和であってもよい。典型的には、15~25、好ましくは18~22のヨウ素価、及び1:1~200:1、好ましくは10:1~200:1のシス:トランス異性体の比率を有する不飽和脂肪酸。
【0048】
好ましい脂肪酸源は、ココナツ、大豆、タロー、パーム、パーム核、菜種、ラード、ヒマワリ、コーン、サフラワー、キャノーラ、オリーブ、ピーナッツ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0049】
追加の界面活性剤
本明細書の界面活性剤系は、界面活性剤系の0重量%~約65重量%、代替的に約15重量%~約50重量%の、他のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される追加の界面活性剤を更に含み得る。
【0050】
他のアニオン性界面活性剤
洗剤組成物は、AESに加えて、1つ以上の他のアニオン性界面活性剤を含み得る。本来、W.M.Linfield,Marcel Dekker編「Surfactant Science Series」,Vol.7に開示されているような、洗剤組成物の技術分野で既知の全てのアニオン性界面活性剤を使用してもよい。
【0051】
本明細書で使用するための好適なアニオン性サルフェート塩としては、9~22個の炭素原子、又はより好ましくは12~18個の炭素原子を有する線状又は分枝状アルキル又はアルケニル部分を有する、一級及び二級アルキルサルフェートが挙げられる。
【0052】
(界面活性剤又は混合物の)重量平均分枝度が少なくとも50%である、β-分枝状アルキルサルフェート界面活性剤、又は市販の物質の混合物も同様に有用である。
【0053】
中鎖分枝状アルキルサルフェート又はスルホネートもまた、本発明の組成物に使用するのに好適なアニオン性界面活性剤である。好ましいものは、C5~C22の、好ましくはC10~C20の中鎖分枝状アルキル一級サルフェートである。混合物を使用する場合、アルキル部分の炭素原子の好適な平均合計数は、好ましくは14.5超~17.5の範囲内である。好ましいモノ-メチル-分枝状一級アルキルサルフェートは、3-メチル~13-メチルペンタデカノールサルフェート、対応するヘキサデカノールサルフェート、及びこれらの混合物からなる群から選択される。ジメチル誘導体、又は軽度の分枝を有する他の生分解性のアルキルサルフェートも同様に使用することができる。
【0054】
本明細書で使用するための他の好適なアニオン性界面活性剤としては、及び/又はアルキルポリアルコキシル化カルボキシレート(alkyl polyalkoxylated carboxylates、AEC)が挙げられる。
【0055】
アニオン性界面活性剤は、典型的には、アルカノールアミン、又はナトリウム及びカリウムなどのアルカリ金属とのそれらの塩の形態で存在する。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、モノエタノールアミン又はトリエタノールアミンなどのアルカノールアミンを用いて中和され、液相に十分に可溶である。
【0056】
他の界面活性剤
カチオン性界面活性剤:本発明において有用であるカチオン性界面活性剤は、水溶性、水分散性、又は水不溶性であり得る。このようなカチオン性界面活性剤は、少なくとも1つの四級化窒素及び少なくとも1つの長鎖ヒドロカルビル基を有する。2つ、3つ又は更には4つの長鎖ヒドロカルビル基を含む化合物もまた含まれている。例としては、C12アルキルトリメチルアンモニウムクロリドなどのアルキルトリメチルアンモニウム塩、又はそれらのヒドロキシアルキル置換類似物が挙げられる。当該技術分野で既知の組成物は、例えば、C12アルキルトリメチルアンモニウムクロリドなどの、1%以上のカチオン性界面活性剤を含み得る。このようなカチオン性界面活性剤は、カチオンに帯電した有機部分である。理論に束縛されることを意図するものではないが、カチオン性界面活性剤は、組成物中のアニオン性界面活性剤とイオン対を形成することができ、かつ付着助剤を妨げることができる。本発明の好ましい実施形態では、このようなカチオンに帯電した有機部分、特にカチオン性界面活性剤の使用が回避される。
【0057】
米国特許第4,565,647号(Llenado)に開示されているようなアルキル多糖類もまた本発明の組成物で有用な非イオン性界面活性剤である。
【0058】
アルキルポリグルコシド界面活性剤も好適である。
【0059】
両性及び/又は双極性界面活性剤:
本発明の流体洗濯洗剤組成物に使用するのに好適な両性又は双極性の洗浄性界面活性剤としては、ヘアケア又は他のパーソナルケアクレンジングにおける使用が既知のものが挙げられる。好適な双極性又は両性界面活性剤の非限定的な例は、米国特許第5,104,646号(Bolich Jr.ら)、同第5,106,609号(Bolich Jr.ら)に記載されている。
【0060】
組成物に使用するのに好適な両性洗浄性界面活性剤としては、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられ、ここで脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝鎖であってもよく、脂肪族置換基のうちの1つは8~18個の炭素原子を含有し、1つは、アニオン性基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する。本発明に使用するのに好適な両性洗浄性界面活性剤としては、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
組成物に使用するのに好適な双極性洗浄性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられ、ここで脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝鎖であってもよく、脂肪族置換基のうちの1つは8~18個の炭素原子を含有し、1つは、アニオン性基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する。ベタインなどの双極性のものが本発明に好適である。
【0062】
組成物に使用するのに好適な他の従来のアニオン性、双極性、両性、又は任意の追加の界面活性剤の例は、M.C.Publishing Co.により発行されたMcCutcheon’s,Emulsifiers and Detergents,1989 Annual、及び米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号、同第2,438,091号、同第2,528,378号に記載されている。2つ以上の界面活性剤の混合物が使用されてもよい。
【0063】
消泡剤
本明細書の洗剤組成物は、組成物の約0.001重量%~約4.0重量%の、シリコーン消泡剤化合物、シリコーン油及び疎水性粒子の消泡剤化合物、及びこれらの混合物から選択される消泡剤を含む。一実施形態では、本明細書の洗剤組成物は、組成物の約0.01重量%~約2.0重量%、代替的に0.05重量%~約1.0重量%のシリコーン消泡剤を含む。(いかなるキャリアも含まない活性物質の量による百分率。)
【0064】
一実施形態では、消泡剤は、シリコーン樹脂及び変性シリカ、M/Q樹脂、並びにこれらの混合物と組み合わせたアリール又はアルキルアリール置換基を有するオルガノ変性シリコーンポリマーから選択される。
【0065】
一実施形態では、消泡剤は、シリコーン樹脂及び一次充填剤と組み合わせたアリール又はアルキルアリール置換基を有するオルガノ変性シリコーンポリマーから選択される。
【0066】
特に好ましいのは、米国特許第6,521,586(B1)号、同第6,521,587(B1)号、米国特許出願公開第2005/0239908(A1)号、同第2007/01673(A1)号(Dow Corning Corp.)、及び同第2008/0021152(A1)号(Wacker Chemie AG)に記載されるような、シリコーン樹脂及び変性シリカと組み合わせたアリール又はアルキルアリール(alkyaryl)置換基を有するオルガノ変性シリコーンポリマーからなるシリコーン消泡剤化合物である。
【0067】
一実施形態では、シリコーン消泡剤は、米国特許第6,521,586号(Dow Corning Corp.)に記載されるように調製され得、この消泡剤は、
a)約80~約92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン、ステアリン酸オクチル中約5~約14%のMQ樹脂、及び約3~約7%の変性シリカの混合物、
b)約78~約92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン、ステアリン酸オクチル中約3~約10%のMQ樹脂、約4~約12%の変性シリカの混合物、並びに
c)これらの混合物、から選択され、
百分率は消泡剤の重量による。
【0068】
本明細書で有用な消泡剤は、
i)一次充填剤、好ましくは変性シリカと組み合わせた、アリール又はアルカリール置換基を有するオルガノ変性シリコーンポリマー、及び
ii)シリコーン樹脂、好ましくはM/Q樹脂、の混合物から選択される。
【0069】
アリール又はアルカリール置換基を有するオルガノ変性シリコーンポリマー(構成成分(i)中)は、好適には、式Ra(R1O)bR2
cSiO(4-a-b-c)/2(I)の単位を有する少なくとも1つの有機ケイ素化合物から選択され、式中、各Rは、同一でも異なっていてもよく、H又は一価の、SiC結合される、任意選択的に置換された脂肪族炭化水素ラジカルであり、脂肪族基を介してケイ素に共有結合する少なくとも1つの芳香族炭化水素ラジカルを含む。R1は、同一でも異なっていてもよく、炭素環原子を介してSiに結合されるH又は一価の任意選択的に置換された炭化水素ラジカルであり、R2は、同一でも異なっていてもよく、炭素環原子を介してケイ素原子に結合される一価の任意選択的に置換された芳香族炭化水素ラジカルであり、aは0、1、2又は3であり、bは0、1、2又は3であり、cは0、1、2又は3であり、ただし合計a+b+cは3以下であり、1分子当たりの式(I)の全ての単位の1~100%、好ましくは10~60%、より好ましくは20~40%において、cは0以外であり、有機ケイ素化合物中、式(I)の全ての単位の少なくとも50%において、合計a+b+cは2である。
【0070】
シリコーン樹脂(構成成分(ii))は、好適には、式R3
d(R4O)eSiO(4-d-e)/2(II)の単位で構成されるオルガノポリシロキサン樹脂であり、式中、R3は、同一でも異なっていてもよく、H又は一価の任意選択的に置換され、SiC結合される炭化水素ラジカルである。R4は、同一でも異なっていてもよく、H又は一価の任意選択的に置換された炭化水素ラジカルであり、dは0、1、2又は3であり、eは0、1、2又は3であり、
ただし合計d+e≦3であり、オルガノポリシロキサン樹脂中、式(II)の全ての単位の50%未満において、合計d+eは2である。
【0071】
消泡剤は、式R5
g(R6O)hSiO(4-g-h)/2(III)の単位を有する有機ケイ素化合物を更に任意選択的に含むことができ、式中、R5は、同一でも異なっていてもよく、Rについて与えられた意味を有し、R6は、同一でも異なっていてもよく、R1について与えられた意味を有し、gは0、1、2又は3であり、hは0、1、2又は3であり、ただし合計g+h≦3であり、有機ケイ素化合物中、式(IV)の全ての単位の少なくとも50%において、合計g+hは2である。
【0072】
一実施形態では、アリール又はアルカリール置換基構成要素を有するオルガノ変性シリコーンポリマーは、ケイ素原子に直接結合される芳香族ラジカルを含む。このようなポリマーでは、式(I)の単位中のケイ素原子と、芳香族環に属する炭素原子との間に共有結合がある。
【0073】
ラジカルRの例は、アルキルラジカル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチルラジカル、ヘキシルラジカル、例えばn-ヘキシルラジカル、ヘプチルラジカル、例えばn-ヘプチルラジカル、オクチルラジカル、例えばn-オクチルラジカル、及びイソオクチルラジカル、例えば2,2,4-トリメチルペンチルラジカル、ノニルラジカル、例えばn-ノニルラジカル、デシルラジカル、例えばn-デシルラジカル、ドデシルラジカル、例えばn-ドデシルラジカル;アルケニルラジカル、例えばビニル及びアリルラジカル;シクロアルキルラジカル、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルラジカル、及びメチルシクロヘキシルラジカル、並びに脂肪族基を介してケイ素原子に結合される芳香族基、例えばベンジルラジカル、フェニルエチルラジカル、又は2-フェニルプロピルラジカルである。
【0074】
置換されたラジカルRの例は、3,3,3-トリフルオロ-n-プロピルラジカル、シアノエチル、グリシジルオキシ-n-プロピル、ポリアルキレングリコール-n-プロピル、アミノ-n-プロピル、アミノエチルアミノ-n-プロピル、及びメタクリロイルオキシ-n-プロピルラジカルである。
【0075】
好ましくは、ラジカルRは、水素原子、又は任意選択的に置換された1~30個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素ラジカル、より好ましくは1~4個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素ラジカル、特にメチルラジカルを含む。
【0076】
ラジカルR1の例は、水素原子、並びにラジカルR及びR2に関して表されるラジカルである。
【0077】
好ましくは、ラジカルR1は、水素原子又は任意選択的に置換された1~30個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル、より好ましくは水素原子又は1~4個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル、特にメチル又はエチルラジカルを含む。
【0078】
R2の例は、アリールラジカル、例えばフェニル、トルオイル(toloyl)、キシリル、クミル、ナフチル、及びアントラシルラジカルである。
【0079】
ラジカルR2は、好ましくはフェニルラジカルである。
【0080】
ラジカルR2は、構成成分(i)中の、好ましくは10~100%、より好ましくは15~50%のSiC結合ラジカルである。好ましくは、bは0又は1、より好ましくは0である。好ましくは、cは0、1又は2である。
【0081】
好ましくは、5%未満、特に1%未満のラジカルRが水素原子である。
【0082】
構成成分(i)として使用される式(I)の単位を含有する有機ケイ素化合物は、好ましくは分枝状又は線状オルガノポリシロキサンであり、より好ましくは式(I)の単位で構成される。
【0083】
本発明の文脈において、「オルガノポリシロキサン」という用語は、ポリマーシロキサン、オリゴマーシロキサン、及び二量体シロキサンを包含することを意図する。
【0084】
本発明の構成成分(i)中のアリール又はアルカリール置換基を有するオルガノ変性シリコーンポリマーの例は、単位Ph3SiO1/2-、Ph2MeSiO1/2-、PhMe2SiO1/2-、Ph2SiO2/2-、PhMeSiO2/2-、及びPhSiO3/2-を含むものであり、式中、Meはメチルラジカルを意味し、Phはフェニルラジカルを意味し、例えば、式Me3SiO(Ph2SiO)x(Me2SiO)xSiMe3、Me3SiO(PhMeSiO)y(Me2SiO)zSiMe3、Me3SiO(Ph2SiO)x(PhMeSiO)y(Me2SiO)zSiMe3、及びMe3SiO(Ph2SiO)x(Me2SiO)zSiMe3の線状ポリシロキサン、並びにまた、式MeSi[O(Ph2SiO)x(Me2SiO)zSiMe3]3、PhSi[O(PhMeSiO)y(Me2SiO)zSiMe3]3、及びMe3SiO(Me2SiO)z[PhSiO(OMe2SiO)zSiMe3]v(Me2SiO)zSiMe3の分枝状ポリシロキサンなどであり、係数v、x、及びyは互いに独立して採用される1以上の値であり、zは0又は1以上である。v、x、y、及びzの合計は、重合度を決定し、分枝の数v、したがって粘度を決定する。
【0085】
本発明のアリール又はアルカリール置換基を有するオルガノ変性シリコーンポリマーは、好ましくは10~1000000mPas、より好ましくは100~50000mPas、特に500~5000mPasの、各場合において25℃で測定される、粘度を有する。
【0086】
本発明のアリール又はアルカリール置換基を有するオルガノ変性リコーンポリマーは、市販製品であるか、又は有機ケイ素化学においてこれまでに既知の任意の方法、例えば、対応するシランの共加水分解などにより調製できる。
【0087】
本発明で使用される消泡剤は、各場合において100重量部の構成成分(i)に基づき、好ましくは0.1~30重量部、より好ましくは1~15重量部の量の一次充填剤、好ましくは変性シリカを含み得る。
【0088】
本発明に従って用いられる一次充填剤は、排他的に、粉末充填剤、より好ましくは粉末疎水性充填剤を含み得る。
【0089】
好ましくは、一次充填剤構成成分は、20~1000m2/gのBET表面積、10μm未満の粒径、及び100μm未満の凝集物(agglomerate)径を有する。
【0090】
一次充填剤の例は、例えば、二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化チタン、酸化アルミニウム、金属石鹸、石英粉末、PTFE粉末、脂肪酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、及び超微粒子状疎水性ポリウレタンである。
【0091】
一次充填剤構成成分として、20~1000m2/gのBET表面積、10μm未満の粒径、及び100μm未満の凝集物径を有する二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化チタン、又は酸化アルミニウムを使用することが好ましい。
【0092】
一次充填剤構成成分として特に好ましいのは、シリカ、特に50~800m2/gのBET表面積を有するものである。これらのシリカは、発熱性又は沈殿シリカ+であってよい。
【0093】
一次充填剤として、両方の前処理済みシリカ、すなわち、商業上一般的な疎水性シリカ、及び親水性シリカの使用が可能である。
【0094】
本発明に従って使用できる疎水性シリカの例は、140m2/gのBET表面積を有する発熱性ヘキサメチルジシラザン処理済みシリカであるHDK(登録商標)H2000(Wacker-Chemie GmbH、Germanyから市販されている)、及び90m2/gのBET表面積を有する沈殿ポリジメチルシロキサン処理済みシリカ(Degussa AG、Germanyから「Sipernat(登録商標)D10」の名称で市販されている)である。
【0095】
一次充填剤構成成分として疎水性シリカが使用される場合、親水性シリカをその場で疎水性化することも可能であり、そのようにする場合、消泡剤の所望の効果にとって有利である。シリカの疎水性化には多くの既知の方法がある。例えば、構成成分の分散液(i)、又はアリール若しくはアルカリール置換基を有するオルガノ変性シリコーンポリマーのシリコーン樹脂との混合物(ii)中のシリカを、100~200℃の温度で数時間加熱することにより、親水性シリカをその場で疎水性化できる。この反応は、KOHなどの触媒、及び短鎖OH末端ポリジメチルシロキサン、シラン、又はシラザンなどの疎水性化剤を加えることにより補助され得る。この処理は、商業上一般的な疎水性シリカを使用する場合も可能であり、効果の改善に寄与し得る。
【0096】
別の可能性は、商業上一般的な疎水性シリカを用いてその場で疎水性化されたシリカの組み合わせを使用することである。
【0097】
ラジカルR3の例は、水素原子、並びにラジカルR及びR2に関して表されるラジカルである。好ましくは、R3は、任意選択的に置換された1~30個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル、より好ましくは1~6個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル、特にメチルラジカルを含む。
【0098】
ラジカルR4の例は、ラジカルR1に関して表されるラジカルである。
【0099】
ラジカルR4は、好ましくは、水素原子又は1~4個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル、特に水素原子、メチルラジカル、又はエチルラジカルを含む。
【0100】
好ましくは、dの値は3又は0である。
【0101】
本発明に従って使用される樹脂構成成分(ii)は、好ましくは、樹脂中の30%未満、好ましくは5%未満の単位について合計d+eが2である、式(II)の単位で構成されるシリコーン樹脂を含む。
【0102】
特に好ましくは、シリコーン樹脂構成成分(ii)は、R3
3SiO1/2(M)及びSiO4/2(Q)単位(R3は上記定義と同じ)から本質的になるオルガノポリシロキサン樹脂を含み、これらの樹脂は、MQ樹脂とも称される。M単位のQ単位に対するモル比は、好ましくは0.5~2.0の範囲であり、より好ましくは0.6~1.0の範囲である。これらのシリコーン樹脂は更に、最大10重量%の遊離ヒドロキシル基又はアルコキシ基を含有してよい。
【0103】
好ましくは、樹脂構成成分(ii)は、25℃で1000mPasを超える粘度を有するか、又は固体である。これらの樹脂の、ゲル透過クロマトグラフィー(ポリスチレン標準に対して)により測定される重量平均分子量は、好ましくは200~200000g/mol、特に1000~20000g/molである。
【0104】
樹脂構成成分(ii)は、商業上一般的な製品を含むか、又はケイ素化学における通常の方法によって、例えば欧州特許第927733(A)号に従って調製できる。
【0105】
消泡剤は、一次充填剤(好ましくは変性シリカ)及び樹脂(ii)の両方を、列挙された順序で、0.01~50、より好ましくは0.1~7の重量比で含む実施形態を更に含む。
【0106】
ラジカルR5の例は、ラジカルRに関して表される例である。
【0107】
好ましくは、ラジカルR5は、水素原子、又は任意選択的に置換された1~30個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素ラジカル、より好ましくは1~4個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素ラジカル、特にメチルラジカルを含む。
【0108】
ラジカルR6の例は、水素原子、並びにラジカルR及びR2に関して表されるラジカルである。
【0109】
好ましくは、ラジカルR6は、水素原子又は任意選択的に置換された1~30個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル、より好ましくは水素原子又は1~4個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル、特にメチルラジカル又はエチルラジカルを含む。
【0110】
gの値は、好ましくは1、2又は3である。hの値は、好ましくは0又は1である。
【0111】
構成成分(i)及び(ii)に加えて、消泡剤は、例えば、泡抑制剤処方においてこれまでも使用されてきた更なる物質、例えば、水不溶性有機化合物などを含む。
【0112】
「水不溶性」という用語は、本発明の目的では、25℃で、1013.25hPaの圧力下において水への溶解度が2重量パーセント以下であることを意味すると理解されることを意図する。
【0113】
任意選択的に使用される水不溶性有機化合物は、好ましくは、周囲大気圧下、すなわち900~1100hPa下で100℃超の沸点を有する水不溶性有機化合物、特に、鉱油、天然油、イソパラフィン、ポリイソブチレン、オキソプロセスによるアルコール合成の残留物、低分子量合成カルボン酸のエステル、ステアリン酸オクチル及びパルミチン酸ドデシルなどの脂肪酸エステル、例えば、脂肪族アルコール、低分子量アルコールのエーテル、フタル酸塩、リン酸のエステル、並びにワックスから選択される化合物を含む。
【0114】
本発明で使用される消泡剤は、各場合において構成成分(i)、(ii)、及び用いられる場合、アリール部分を有しないシリコーンの総重量の100重量部に基づき、好ましくは0~1000重量部、より好ましくは0~100重量部の量で水不溶性有機化合物を含有し得る。
【0115】
本発明で使用される構成成分はいずれも、1種類のかかる構成成分、あるいは少なくとも2種類の個々の構成成分の混合物を含んでよい。
【0116】
本発明で使用される消泡剤は、好ましくは粘稠で、透明から不透明の、無色から褐色がかった液体である。本発明で使用される消泡剤は、好ましくは、各場合において25℃で、10~2,000,000mPas、特に2,000~50,000mPasの粘度を有する。
【0117】
オルガノポリシロキサン+有機ケイ素樹脂+疎水性充填剤
本明細書で有用な消泡剤としては、米国特許第6,251,586号及び同第6,251,587号(両方ともDow Corning)に記載されているシリコーン消泡剤が挙げられる。かかる消泡剤は、(A)式X--Ph(式中、Xは、炭素原子を介してケイ素に結合される二価の脂肪族有機基を意味し、Phは、芳香族基を意味する)である少なくとも1つのケイ素結合置換基を有するオルガノポリシロキサン物質と、(B)有機ケイ素樹脂と、(C)疎水性充填剤と、を含む。芳香族基は、非置換でも置換されていてもよい。
【0118】
オルガノポリシロキサン物質(A)は、好ましくは流体であり、好ましくはポリジオルガノシロキサンである。ポリジオルガノシロキサン(A)は、好ましくは次式;
【0119】
【化2】
(式中、Yは1~4個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチルである)のジオルガノシロキサン単位を含む。これらの--X--Ph基を含有するジオルガノシロキサン単位は、オルガノポリシロキサン(A)中、実質的に全て又は大部分のジオルガノシロキサン単位を含んでよいが、好ましくは(A)中に最大50又は60%、最も好ましくは5~40%のジオルガノシロキサン単位を含む。基Xは、好ましくは2~10個の炭素原子、最も好ましくは2~4個の炭素原子を有する二価のアルキレン基であるが、代替的に、2つのアルキレン基の間、若しくはアルキレン基と--Phとの間にエーテル結合を含有してよく、又はエステル結合を含有してよい。Phは、好ましくは、少なくとも1つの芳香族環--C
6R
5を含有する部分であり、式中、各Rは独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、1~6個の炭素原子を有するアルコキシ基、若しくは1~12個の炭素原子を有する一価の炭化水素基を意味し、あるいは2つ以上のR基がともに二価の炭化水素基を表す。Phは、最も好ましくはフェニル基であるが、例えば1つ以上のメチル、メトキシ、ヒドロキシル、又はクロロ基によって置換されてよく、あるいは2つの置換基Rがともに二価のアルキレン基を形成してよく、あるいはともに芳香族環を形成して、Ph基とともに例えばナフタレン基となってもよい。特に好ましいX--Ph基は、2-フェニルプロピル--CH
2--CH(CH
3)--C6H
5である。代替的に、Phは、チオフェン、ピリジン、又はキノキサリンなどの芳香族特性の複素環基であってよい。
【0120】
ポリジオルガノシロキサン(A)はまた、好ましくは少なくとも50%の、次式:
【0121】
【化3】
(式中、Y’は1~24個の炭素原子を有する炭化水素基、好ましくは最大6個の炭素原子の脂肪族基、例えばエチル、プロピル、イソブチル、メチル、ヘキシル若しくはビニル、又はラウリル若しくはシクロヘキシルエチルなどのシクロアルキル基である)のジオルガノシロキサン単位を含む。アルキル基Y’の混合物も使用することができる。本発明の消泡剤の向上した泡立ち制御は、(A)のPh基と有機ケイ素樹脂(B)との間の相互作用が関与し得、長鎖アルキル基が存在しない場合は、Ph基がより利用しやすくなる可能性があると考えられる。その他の基、例えば、クロロプロピル又はアシルオキシアルキル又はアルコキシアルキル基などのハロアルキル基が、Y’として存在してよい。基Y’のうちの少なくともいくつかは、フェニル基、又はトリルなどの置換フェニル基であってよく、ケイ素に直接結合される芳香族基は基--X--Phと同等でないが、Y’として存在することができる。
【0122】
オルガノポリシロキサン物質(A)は任意の好適な方法で製造されてよいが、好ましくは多くのケイ素結合水素原子を有するシロキサンポリマーと、適当量のX’’--Ph分子とのヒドロシリル化反応により製造され、式中、X’’はXについて説明したものであるが、末端基に脂肪族の不飽和を有することで、シロキサンポリマーのケイ素結合水素原子との付加反応を可能にする。好適なX’’--Ph物質の例としては、スチレン(2-フェニルエチル基を導入する)、α-メチルスチレン、オイゲノール、アリルベンゼン、アリルフェニルエーテル、2-アリルフェノール、2-クロロスチレン、4-クロロスチレン、4-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、2,4-若しくは2,5-ジメチルスチレン、又は2,4,6-トリメチルスチレンが挙げられる。α-メチルスチレンは2-フェニルプロピル基を導入し、これは主に2-フェニル-1-プロピル基であると考えられるが、2-フェニル-2-プロピル基を含んでもよい。X’’--Ph物質の混合物、例えば、α-メチルスチレンを有するスチレンを使用することができる。このようなヒドロシリル化反応は、好ましくは、例えば、米国特許第4,741,861号に記載される条件にて好適な触媒の存在下で行われる。ラジカル阻害剤を好ましくは存在させて、X’’--Phの単独重合を防ぐ。
【0123】
オルガノポリシロキサン物質(A)は、実質的に線状ポリジオルガノシロキサンであってよく、又はいくつかの分枝を有してもよい。分枝は、シロキサン鎖内にて、例えば、式ZSiO3/2(式中、Zは、炭化水素、ヒドロキシル、又は炭化水素オキシ基を意味する)のいくつかの三官能性シロキサン単位の存在によりおよそもたらされ得る。代替的に、分枝は、シロキサンポリマー鎖を連結する多価、例えば二価又は三価の有機又はケイ素有機部分によって引き起こされ得る。有機部分は、式--X’--の二価連結基であってよく、ケイ素-有機部分は、式X’--Sx--X’(式中、X’は炭素原子を介してケイ素に結合される二価の有機基を意味し、Sxはオルガノシロキサン基である)の二価連結基であってよい。有機連結(分枝)単位の例は、C2~6アルキレン基、例えばジメチレン若しくはヘキシレン、又は式--X’--Ar--X’--(式中、Arはフェニレンを意味する)のアラルキレン基である。ヘキシレン単位は、1,5-ヘキサジエンのSi--H基との反応で導入され得、--X’--Ar--X’--単位はジビニルベンゼン又はジイソプロピルベンゼンの反応により導入され得る。ケイ素-有機連結単位の例は、式--(CH2)d--(Si(CH3)2--O)e--Si(CH3)2--(CH2)d--(式中、dは2~6の値を有し、eは1~10の値を有する)のものであり、例えば、d=2かつe=1である後者の式の連結単位は、ジビニルテトラメチルジシロキサンのSi--H基との反応により導入され得る。
【0124】
芳香族化合物X’’--Phとのヒドロシリル化反応、及び分枝剤との任意の必要な反応の後、オルガノポリシロキサンの残りのSi--H基は、エチレン、プロピレン、イソブチレン、又は1-ヘキセンなどのアルケンと、好ましくはヒドロシリル化触媒の存在下で反応して、基Y’を導入できる。
【0125】
物質(A)の平均分子中のシロキサン単位の数(DP、すなわち重合度)は、少なくとも5、より好ましくは10~5,000であることが好ましい。特に好ましいのは、DPが20~1000、より好ましくは20~200の物質(A)である。オルガノポリシロキサン(A)の末端基は、シロキサン中に通常存在するもののいずれか、例えば、トリメチルシリル末端基であり得る。
【0126】
有機ケイ素樹脂(B)は、一般に非線状シロキサン樹脂であり、好ましくは式R’aSiO4-a/2のシロキサン単位からなり、式中、R’はヒドロキシル、炭化水素、又は炭化水素オキシ基を意味し、aは0.5~2.4の平均値を有する。樹脂は、好ましくは式R’’3SiO1/2の一価のトリヒドロカーボンシロキシ(M)基、及びSiO4/2である四官能性(Q)基からなり、式中、R’’は一価の炭化水素基を意味する。洗濯洗剤用途で使用するためには、M基とQ基との数の比率は、好ましくは0.4:1~2.5:1(式R’aSiO4-a/2中のaの値0.86~2.15と同等)、より好ましくは0.4:1~1.1:1、最も好ましくは0.5:1~0.8:1(a=1.0~1.33と同等)の範囲内である。有機ケイ素樹脂(B)は、好ましくは室温で固体であるが、通常は液体である1.2より高いM/Q比を有するMQ樹脂を首尾よく使用することができる。樹脂(B)が、上記で定義されたM及びQ基のみからなることが最も好ましいが、M基、三価のR’’SiO3/2(T)基、及びQ基を含む樹脂を代替的に使用することができる。有機ケイ素樹脂(B)は、好ましくは存在する全シロキサン単位の20%以下で、二価の単位R’’2SiO2/2を含有することもできる。基R’’は、好ましくは1~6個の炭素原子を有するアルキル基、最も好ましくはメチル若しくはエチル、又はフェニルである。少なくとも80%、最も好ましくは実質的に全ての存在するR’’基がメチル基であることが特に好ましい。例えばジメチルビニルシリル単位として存在するアルケニル基などの他の炭化水素基も、好ましくは少量で、最も好ましくは全R’’基の5%を超えない量で存在し得る。ケイ素結合ヒドロキシル基及び/又はアルコキシ、例えば、メトキシ基も存在し得る。
【0127】
かかる有機ケイ素樹脂は周知である。これらは、溶媒中で、すなわち、例えば特定のシラン物質の加水分解によりその場で作製してよい。特に好ましいのは、溶媒、例えばキシレンの存在下での、四価のシロキシ単位の前駆体(例えばテトラオルトケイ酸塩、オルトケイ酸テトラエチル、ケイ酸ポリエチル、又はケイ酸ナトリウム)、及び一価のトリアルキルシロキシ単位の前駆体(例えばトリメチルクロロシラン、トリメチルエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、又はヘキサメチルジシラザン)の加水分解及び縮合である。得られるMQ樹脂は、所望する場合、残留Si--OH基を反応させるために更にトリメチルシリル化することができ、又は塩基の存在下で加熱して、Si--OH基を脱離させることによって樹脂の自己縮合を引き起こすことができる。
【0128】
有機ケイ素樹脂(B)は、消泡剤中に、好ましくはオルガノポリシロキサン(A)に基づき1~50重量%、特に2~30重量%、最も好ましくは4~15重量%で存在する。
【0129】
有機ケイ素樹脂(B)は、上記の量で存在するとき、オルガノポリシロキサン(A)に可溶性であっても不溶性(完全に溶解されない)であってもよい。溶解度は、(A)及び(B)の混合物を光学顕微鏡にて観察することによって測定することができる。洗剤用途における向上した泡立ち制御は、溶解した有機ケイ素樹脂(B)を含有する組成物、及び有機ケイ素樹脂(B)の分散粒子を含有する組成物、の両方により達成されている。(A)中の(B)の溶解度に影響を与える因子としては、(A)中のX--Ph基の割合(X--Ph基が多いほど溶解度が上がる)、(A)中の分枝度、(A)中の基Y及びY’の性質(長鎖アルキル基は溶解度を下げる)、MQ樹脂(B)中のM単位とQ単位との比率(M基とQ基との比率が高いほど溶解度が上がる)、及び(B)の分子量が挙げられる。したがって、周囲温度における(A)中の(B)の溶解度は、0.01重量%以下から最大15重量%以上であってよい。可溶性樹脂(B)と不溶性樹脂(B)との混合物、例えば、異なるM/Q比を有するMQ樹脂の混合物を使用することが有利であり得る。有機ケイ素樹脂(B)がオルガノポリシロキサン(A)に不溶性である場合、液体(A)中に分散したときに測定すると、樹脂(B)の平均粒径は、例えば0.5~400μm、好ましくは2~50μmであり得る。紙及びパルプ業界における黒液の消泡など、工業用泡立ち制御用途に関しては、シロキサンコポリマーに溶解する樹脂、例えば高M/Q比を有するMQ樹脂が通常好ましい。
【0130】
不揮発性溶媒、例えばドデカノール若しくは2-ブチル-オクタノールなどのアルコール、又はステアリン酸オクチルなどのエステル中の溶液として、樹脂(B)を消泡剤に添加できる。揮発性溶媒、例えばキシレン中で調製された樹脂溶液は、不揮発性溶媒と化合することができ、揮発性溶媒をストリッピングによって、又は他の分離形態によって除去することができる。ほとんどの場合、不揮発性溶媒は消泡剤中に残存してよい。樹脂(B)が、同量以下、より好ましくは溶媒の重量の約半分以下の不揮発性溶媒に溶解することが好ましい。代替的に、樹脂(B)を揮発性溶媒中の溶液に添加し、その後、溶媒をストリッピングにより除去してよい。樹脂(B)が溶液として添加され、オルガノポリシロキサン物質(A)に不溶性である場合、混合の際に許容される粒径を有する固体粒子を形成する。
【0131】
代替的に、樹脂(B)は、固体粒子、例えば噴霧乾燥粒子の形態で消泡剤に添加されてよい。例えば平均粒径10~200マイクロメートルの噴霧乾燥MQ樹脂が市販されている。
【0132】
オルガノポリシロキサン物質(A)中の樹脂(B)の不溶性レベルは、組成物中における粒径に影響し得る。オルガノポリシロキサン物質(A)中の有機ケイ素樹脂の溶解度が低いほど、樹脂が溶液として(A)に混合されるとき、粒径が大きくなる傾向がある。したがって、オルガノポリシロキサン物質(A)中に1重量%で溶解する有機ケイ素樹脂は、0.01重量%だけで溶解する樹脂よりも小さい粒子を形成する傾向がある。少なくとも0.1重量%の溶解度を有する、オルガノポリシロキサン物質(A)中に一部溶解する有機ケイ素樹脂(B)が好ましい。
【0133】
樹脂(B)の分子量は、縮合によって、例えば塩基の存在下で加熱することによって増加し得る。塩基は、例えば、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムの水性又はアルコール性溶液、例えば、メタノール又はプロパノール溶液であってよい。いくつかの洗剤において、より低い分子量のMQ樹脂を含有する消泡剤が泡立ちを低減するのに最も効果的であるが、増加した分子量のMQ樹脂を含有するものは、異なる条件下、例えば異なる洗浄温度、又は異なる洗濯機において、より一貫して同様の泡立ちレベルの低減をもたらすことが見出された。増加した分子量のMQ樹脂はまた、例えば液体洗剤中のエマルションとして洗剤と接触して保存されるとき、時間経過による性能低下に対する耐性が改善された。樹脂と塩基との間の反応をシリカの存在下で行ってよく、その場合、樹脂とシリカとの間の反応が多少あってもよい。塩基との反応は、オルガノポリシロキサン(A)の存在下、及び/又は不揮発性溶媒の存在下、及び/又は揮発性溶媒の存在下で行ってよい。塩基との反応は、ステアリン酸オクチルなどのエステル不揮発性溶媒を加水分解し得るが、これにより泡立ち制御性能が損なわれないことを見出した。
【0134】
第3の必須成分は、疎水性充填剤(C)である。消泡剤用の疎水性充填剤は周知であり、好ましくはBET測定により測定されるとき、表面積が少なくとも50m2/gを有するシリカ、チタニア、粉末石英、アルミナ、アルミノケイ酸塩、有機ワックス、例えばポリエチレンワックス及びマイクロクリスタリンワックス、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、脂肪族カルボン酸の塩、イソシアネートと特定の物質、例えばシクロヘキシルアミンとの反応生成物、又はアルキルアミド、例えばエチレンビスステアリン酸アミド若しくはメチレンビスステアリン酸アミドなどの物質であり得る。これらのうちの1つ以上の混合物も許容できる。
【0135】
上記の充填剤のうちのいくつかは、本質的に疎水性ではないが、疎水性にした場合に使用することができる。これは、その場で(すなわち、オルガノポリシロキサン物質(A)中に分散されるとき)、又は物質(A)との混合前に充填剤を前処理することのいずれかにより行うことができる。好ましい充填剤は、疎水性化したシリカである。これは、例えば、脂肪酸を用いる処理によって行うことができるが、好ましくは、メチル置換有機ケイ素物質の使用によって行われる。好適な疎水性化剤としては、ポリジメチルシロキサン、シラノール又はケイ素結合アルコキシ基を用いて末端保護したジメチルシロキサンポリマー、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、並びに一価の基(CH3)3SiO1/2及び四価の基SiO2を0.5/1~1.1/1の比率で含む有機ケイ素樹脂(MQ樹脂)が挙げられる。疎水性化は、通常、少なくとも80℃の温度で行われる。同様のMQ樹脂を、有機ケイ素樹脂(B)として、及びシリカ充填剤(C)の疎水性化剤として使用することができる。
【0136】
好ましいシリカ物質は、加熱することによって調製されるもの、例えばヒュームドシリカ、又は沈殿によって調製されるものであるが、他の種類のシリカ、例えばゲル形成によって作製されるものも許容できる。シリカ充填剤は、例えば0.5~50マイクロメートル、好ましくは2~30μm、最も好ましくは5~25μmの平均粒径を有し得る。そのような物質は周知であり、親水性及び疎水性の両方の形態で市販されている。
【0137】
消泡剤中の充填剤(C)の量は、オルガノポリシロキサン物質(A)に基づき、好ましくは0.5~50重量%、特に1~最大10重量%又は15重量%、最も好ましくは2~8重量%である。また、樹脂(B)の重量と充填剤(C)の重量との比が、1/10~20/1、好ましくは1/5~10/1、最も好ましくは1/2~6/1であることも好ましい。
【0138】
消泡剤は任意の便利な方法で作製されてよいが、異なる成分を剪断下で混合することによって提供されるのが好ましい。剪断力の程度は、好ましくは物質(A)中に構成成分(B)及び(C)が良好に分散するのに十分なものであるが、粒子(B)及び/又は(C)が破壊され、その結果として効果を弱めるか、疎水性ではない表面を再露出させる可能性があるほどではない。充填剤(C)をその場で疎水性にする必要がある場合、製造プロセスは、好ましくは減圧下での加熱段階を含み、そこで、必要であるなら場合によっては好適な触媒の存在下で充填剤及び処理剤を一部又は全部のオルガノポリシロキサン物質(A)中に混合する。
【0139】
本発明による消泡剤は、(A)、(B)及び(C)の単純な混合物として提供されてよいが、いくつかの用途では、代替の形態でそれらを利用できるようにすることが好ましい場合がある。例えば、水性媒体における使用では、エマルション形態、好ましくは水中油型エマルションの消泡剤を提供することが適切であり得る。
【0140】
水中油型エマルション形態のシリコーン系消泡剤を提供する方法は既知であり、多くの出版物及び特許明細書に記載されている。その例は、欧州特許第913,187号、同第0879628号、国際公開第98-22,196号、同第98-00216号、英国特許第2,315,757号、欧州特許第499364号、及び同第459,512号である。エマルションは、任意の既知の技術により作製されてよく、マクロエマルション又はマイクロエマルションであってもよい。一般に、これらは油相としての消泡剤、1つ以上の界面活性剤、水、並びに防腐剤、粘度調整剤、保護コロイド、及び/又は増粘剤などの標準的な添加剤を含む。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性物質から選択してよい。これらのうちの1つ以上の混合物も使用してよい。好適なアニオン性有機界面活性剤としては、高級脂肪酸のアルカリ金属石鹸、アルキルアリールスルホネート、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、長鎖(脂肪族)アルコールサルフェート、オレフィンサルフェート及びスルホネート、硫酸化モノグリセリド、硫酸化エステル、スルホン化エトキシル化アルコール、スルホコハク酸塩、アルカンスルホネート、リン酸エステル、アルキルイセチオネート、アルキルタウレート、並びに/又はアルキルサルコシネートが挙げられる。好適なカチオン性有機界面活性剤としては、アルキルアミン塩、四級アンモニウム塩、スルホニウム塩、及びホスホニウム塩が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤としては、シリコーン、例えば欧州特許第638346号に界面活性剤1~6として記載されているもの、特にシロキサンポリオキシアルキレンコポリマー、エチレンオキシドの長鎖(脂肪族)アルコール(alcohol)又は(脂肪)酸との縮合体、例えば7モルのエチレンオキシドと縮合したC14~15アルコール(Dobanol(登録商標)45-7)、エチレンオキシドのアミン又はアミドとの縮合体、エチレン及びプロピレンオキシドの縮合生成物、グリセロール、スクロース又はソルビトールのエステル、脂肪酸アルキロールアミド、スクロースエステル、フルオロ界面活性剤、並びに脂肪酸アミンオキシドが挙げられる。好適な両性有機洗剤界面活性剤としては、イミダゾリン化合物、アルキルアミノ酸塩、及びベタインが挙げられる。有機界面活性剤が非イオン性物質又はアニオン性物質であることがより好ましい。特に興味深いものは、環境的に許容できる界面活性剤である。エマルション中の消泡剤の濃度は、用途、必要な粘度、消泡剤及び添加系の有効性に応じて変化してよく、平均して5~80重量%、好ましくは10~40重量%の範囲である。泡立ち制御のエマルションはまた、安定化剤、例えばシリコーングリコールコポリマー、又は欧州特許第663225号に記載されるような少なくとも1つのポリオキシアルキレン基を有する架橋オルガノポリシロキサンポリマーを含有してもよい。
【0141】
代替的に、消泡剤は、(A)、(B)及び(C)が、シリコーングリコールなどの水分散性キャリア、又はエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレン及びプロピレングリコールのコポリマー、ポリアルキレングリコールのポリオールとの縮合体、アルキルポリグリコシド、アルコールアルコキシレート、若しくはアルキルフェノールアルコキシレートなどの別の水混和性液体、又は米国特許第5,908,891号に記載されるような鉱油に分散される、水分散性組成物として提供され得る。
【0142】
一実施形態では、シリコーン消泡剤は「非布地直接剤(non fabric substantive agent)」であり、つまり、洗濯サイクル中に消泡剤が織物上に付着しない。このように付着しないことは、染みが付くことを防ぐために重要である。一実施形態では、シリコーン消泡剤は、PCT出願国際公開第05/111186(A1)号(The Procter & Gamble Company)に概説されている染み試験に合格する。
【0143】
一実施形態では、消泡剤は、ポリエーテル、ジメチコン、及び一次充填剤と組み合わせた架橋アルコキシル化シリコーンポリマー置換基から選択される。
【0144】
特に好ましいのは、グローバル特許出願(Global Patent Application)2016の国際公開第2016/101568(A1)号(Jiangsu Sixn Scientific Technological Application Research Institute)に記載されているような、ポリエーテル及び変性シリカと組み合わせた架橋アルコキシル化シリコーンポリマー置換基からなるシリコーン消泡化合物である。
【0145】
構造化剤
本明細書の洗剤組成物は、組成物の約0.01重量%~約2.5重量%の構造化剤を含む。
【0146】
本明細書で有用な構造化剤としては、内部構造化剤、外部構造化剤、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で使用される場合、「外部構造化剤」という用語は、組成物の洗浄性界面活性剤の任意の構造化効果から独立して、すなわちそれ以外により、流体洗濯洗剤組成物を安定化させるのに十分な降伏応力又は低剪断粘度のいずれかを提供する、選択された化合物又は化合物の混合物を指す。「内部構造化剤」は、必要な降伏応力又は低剪断粘度を提供するために、洗濯成分の主要な部類を形成する洗剤界面活性剤に依存することを意味する。
【0147】
外部構造化剤
本明細書で有用な外部構造化剤としては、天然由来及び/又は合成ポリマー構造化剤、結晶性ヒドロキシル含有構造化剤、並びにこれらの混合物であるものが挙げられる。
【0148】
本発明において使用する天然由来のポリマー構造化剤の例としては、ミクロフィブリル化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖類誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。ミクロフィブリル化セルロースの非限定的な例は、国際公開第2009/101545(A1)号に記載されている。好適な多糖類誘導体としては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアガム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0149】
本発明において使用する合成ポリマー構造化剤の例としては、ポリカルボキシレート、ポリアクリレート、疎水変性エトキシル化ウレタン、疎水変性非イオン性ポリオール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0150】
一実施形態では、ポリカルボキシレートポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はこれらの混合物である。別の実施形態では、ポリアクリレートは、不飽和モノ又はジ炭酸と、(メタ)アクリル酸のC1~C30のアルキルエステルとのコポリマーである。このようなコポリマーは、商品名CARBOPOL AQUA 30でNoveon,Incから入手可能である。
【0151】
本明細書で有用な外部構造化剤としては、米国特許第6,855,680(B2)号(The Procter & Gamble Companyの名義にて)により詳細に記載されるものなどの結晶性ヒドロキシル含有構造化剤も挙げられる。このような構造化剤は、脂肪酸、脂肪酸エステル、又は脂肪石鹸水不溶性ワックス様物質であり得る結晶性ヒドロキシル含有安定化剤として記載される。
【0152】
結晶性ヒドロキシル含有安定化剤は、ヒマシ油の誘導体、特に硬化ヒマシ油誘導体であり得る。例えば、ヒマシワックス。結晶性ヒドロキシル含有剤は、典型的には、以下からなる群から選択される;
【0153】
【0154】
【化5】
R
2は、R
1又はHであり、
R
3は、R
1又はHであり、
R
4は、独立して、少なくとも1つのヒドロキシル基を含むC
10~C
22アルキル又はアルケニルである);
【0155】
【0156】
【化7】
R
4は、i)に定義したとおりであり、
Mは、Na
+、K
+、Mg
++、若しくはAl
3+、又はHである);及び
iii)これらの混合物。
【0157】
代替的に、結晶性ヒドロキシル含有安定化剤は、以下の式を有し得る。
【0158】
【化8】
式中、
(x+a)は、11~17であり、(y+b)は、11~17であり、
(z+c)は、11~17である。好ましくは、x=y=z=10及び/又はa=b=c=5である。
【0159】
市販の結晶性ヒドロキシル含有安定化剤としては、Rheox,Inc.からのTHIXCIN(登録商標)が挙げられる。
【0160】
THIXCIN(登録商標)に加え、結晶性ヒドロキシル含有安定化剤としての使用に好適な代替の物質としては、限定するものではないが、次式:
Z-(CH(OH))a-Z’
(式中、aは2~4であり、好ましくは2であり、Z及びZ’は疎水性基であり、特にC6~C20アルキル又はシクロアルキル、C6~C24アルカリール又はアラルキル、C6~C20アリール又はこれらの混合物から選択される)の化合物が挙げられる。任意選択的に、Zは1個以上の非極性酸素原子をエーテル又はエステル内にあるようなものとして含有することができる。
【0161】
このような代替の物質の非限定的な例は、1,4-ジ-O-ベンジル-D-トレイトールのR,R及びS,S形態、並びに光学的に活性であるか又は活性ではない任意の混合物である。
【0162】
外部構造化剤の例としては、ポリマーガム、例えばキサンタンガム、又は粒子を懸濁できる安定で連続したガムネットワークを形成可能な他のガムも挙げられる。
【0163】
内部
本明細書で使用される場合、「内部構造化剤」は、組成物の内部構造を形成するために、処方の選択された要素を使用することを意味する。このような内部構造化液体洗濯洗剤又はゲル組成物は、石鹸、又は硫酸ナトリウムと組み合わせて脂肪酸を含んでよく、アルキルポリエトキシサルフェートを含む1つ以上の界面活性剤を使用してラメラ相の形成によってゲル化構造を形成することができる。
【0164】
組成物はまた、ミセル界面活性剤系によるラメラ相分散、加えてラメラ相の形成促進のために外部構造化剤も含んでよく、それによって、当該構造化剤はデカノール又はドデカノールなどの脂肪族アルコールであり得る。このような組成物は、ゲルネットワーク洗剤組成物と称されることもある。
【0165】
洗濯補助剤
本明細書の洗剤組成物は、組成物の約0.01重量%~約10.0重量%の洗濯補助剤を含んでよい。任意の従来の洗濯洗剤成分を使用することができる。本明細書で有用な洗濯補助剤の例としては、酵素、酵素安定剤、蛍光増白剤、粒子物質、ヒドロトロープ、香料及び他の臭気制御剤、汚れ懸濁ポリマー及び/又は汚れ遊離ポリマー、抑泡剤、布地ケア効果剤、pH調整剤、移染防止剤、防腐剤、色相染料、非布地直接染料、カプセル化活性物質(例えば香料マイクロカプセル又はカプセル化漂白剤)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0166】
一実施形態では、本明細書の洗剤組成物は、香料マイクロカプセルを含む。一実施形態では、本明細書の洗剤組成物は、色相染料を含む。
【0167】
これらの洗濯補助剤のうちのいくつかは、以下により詳細に説明される。
【0168】
酵素
本明細書の洗剤組成物は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果を提供する1つ以上の洗浄性酵素を含み得る。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及び既知のアミラーゼ、又はこれらの組み合わせが挙げられる。好ましい酵素の組み合わせは、アミラーゼとともに、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び/又はセルラーゼのような従来の洗浄性酵素のカクテルを含むものである。洗浄性酵素は、米国特許第6,579,839号により詳細に記載されている。
【0169】
酵素安定剤
酵素は、カルシウム及び/又はマグネシウム化合物、ホウ素化合物及び置換されたホウ酸、芳香族ホウ酸エステル、ペプチド及びペプチド誘導体、ポリオール、低分子量カルボン酸塩、比較的疎水性の有機化合物[例えば、特定のエステル、ジアルキルグリコールエーテル(diakyl glycol ethers)、アルコール、又はアルコールアルコキシレート]、カルシウムイオン源に加えてアルキルエーテルカルボン酸塩、ベンズアミジン次亜塩素酸塩、低級脂肪族アルコール及びカルボン酸、N,N-ビス(カルボキシメチル)セリン塩;(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステルコポリマー及びPEG;リグニン化合物、ポリアミドオリゴマー、グリコール酸又はその塩;ポリヘキサメチレンビグアニド又はN,N-ビス-3-アミノ-プロピル-ドデシルアミン又は塩;並びにこれらの混合物のような任意の既知の安定剤系を使用して安定化できる。
【0170】
蛍光増白剤
織物用の蛍光性白色化剤としても既知であるものが、本発明の流体洗濯洗剤組成物において有用な洗濯用補助剤である。好適な使用レベルは、流体洗濯洗剤組成物の0.001重量%~1重量%である。増白剤は、例えば欧州特許第686691(B)号に開示されており、疎水性タイプ及び親水性タイプを含む。本明細書での使用には、増白剤49(Brightener 49)及び増白剤15(Brightener 15)が好ましい。
【0171】
布地シェーディング剤
色相染料、シェーディング染料、色相剤、及びロイコ染料は、流体洗濯洗剤組成物において布地シェーディング剤として有用な洗濯用補助剤である。洗濯におけるこれらの材料の歴史は長く、何年も前の「洗濯用青味剤」の使用に端を発する。より最近の開発としては、亜鉛又はアルミニウムの中心原子を有するスルホン化フタロシアニン染料の使用が挙げられ、更により最近では、その色相又はシェーディング効果のために多種多様な他の青色及び/又は紫色染料が使用されている。例えば、国際公開第2009/087524(A1)号、同第2009/087034(A1)号、及びこれらの参照文献を参照されたい。
【0172】
いくつかの場合において白色度の改善につながる布地シェーディングは、単一の化合物又は任意の好適なロイコ部分を含む少なくとも1つのロイコ化合物を含むロイコ組成物を使用することによるロイコ染料の適用を通じて達成することができる。一態様では、ロイコ部分は、ジアリールメタンロイコ部分、トリアリールメタンロイコ部分、オキサジン部分、チアジン部分、ヒドロキノン部分、及びアリールアミノフェノール部分からなる群から選択される。ロイコ化合物は、ロイコ部分及びロイコ部分に共有結合したアルキレンオキシ部分を含み得、アルキレンオキシ部分は、少なくとも1つのエチレンオキシド基を含み、好ましくは、アルキレンオキシド部分はまた、少なくとも1つのプロピレンオキシド基を含む。一態様では、好ましいロイコ化合物としては、式(CVIII):
【0173】
【化9】
(式中、R
8はH又はCH
3であり、各添え字bは、独立して、平均して約1~2である)の構造に一致するものが挙げられる。他の好適なロイコ染料は、米国特許第10,377,976号、同第10,377,977号、同第10,351,709号、同第10,385,294号、同第10,472,595号、同第10,479,961号、同第10,501,633号、同第10,577,570号、同第10,590,275号、同第10,633,618号、同第10,647,854号、及び同第10,676,699号に開示されており、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0174】
本発明のロイコ組成物は、ロイコ化合物、抗酸化化合物、及び溶媒に加えて、他の化合物を含んでもよい。例えば、ロイコ組成物は、最大約2重量%の塩、例えば、塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウム、ロイコ化合物の製造に使用される未反応出発物質、これらの出発物質の副反応から生じる不純物、及びロイコ化合物又はこのような不純物の分解生成物を含有してよい。このような物質の具体的な非限定的な例としては、式(DI)~(DV)の化合物が挙げられる。
【0175】
【0176】
【化11】
式(DI)~(DV)の構造中、R
101及びR
102は、独立して、水素、アルキル(例えば、メチル)、及びオキシアルキレン基からなる群から選択される。オキシアルキレン基は、ロイコ組成物中に存在するロイコ化合物について上述した範囲など、任意の好適な数のオキシアルキレン繰り返し単位(例えば、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド)を含有し得る。R
101及びR
102のそのようなオキシアルキレン基は、水素、CH=CH
2、-CH
2-CH=CH
2、-CH=CH-CH
3、-CH
2-CHO、-CH(CH
3)-CHO,-CH
2-CO-CH
3、-CH
2-COOH、-CH(CH
3)-COOH、-CH
2-CH
2Cl、-CHCl-CH
3、-CH
2-CH
2-CH
2Cl、-CH
2-CHCl-CH
3、及び-CHCl-CH
2-CH
3からなる群から選択されるメンバーで独立して終端され得る。更に、基R
101及びR
102を組み合わせて、構造-CH
2CH
2-O-CH
2CH
2-を有する基を形成することができ、この基は、窒素原子とともにモルホリン環を形成する。ロイコ組成物中に存在し得る他の化合物としては、式(DVI)~(DIX)の化合物が挙げられる。
【0177】
【0178】
【0179】
式(DVI)~(DIX)の化合物の各アリール部分は、独立して非置換であってもよく、又は置換されていてもよく(典型的にはパラ位において、ニトロ基又は構造-NR101R102を有する基で置換されていてもよく)、R101及びR102は、上記の基から独立して選択される。ロイコ組成物中に存在することができる追加の化合物としては、フェノール及びアミノフェノールが挙げられ、フェノール及びアミノフェノールは、典型的には、ヒドロキシ基に対してパラ位に構造-NR101R102を有する基を含有し、R101及びR102は、上記の群から独立して選択される。ロイコ組成物はまた、式(DX)及び(DXI)の化合物を含有し得る。
【0180】
【化14】
(DX)及び(DXI)の構造中、アリール部分及びシクロヘキサジエニル部分は、非置換であってもよく、又は典型的にはパラ位において、ニトロ基又は構造-NR
101R
102を有する基で置換されていてもよく、R
101及びR
102は、上記の基から独立して選択される。ロイコ組成物はまた、式(DXII)の化合物など、上記化合物の一部の縮合生成物を含有することができる。
【0181】
【化15】
上述のように、ロイコ組成物はまた、組成物中に存在するロイコ化合物の着色(例えば、酸化)形態を含有することができる。トリアリールメタンロイコ着色剤の場合、トリアリールメタンロイコ着色剤の酸化形態(中心カルボカチオンを含有する)は、ロイコ化合物の好適な電荷平衡化対イオンとして上述したアニオンなどの、ロイコ組成物中に存在するアニオンとの付加物を形成することができる。
【0182】
上記の未反応出発物質及び不純物は、任意の好適な量でロイコ組成物中に存在し得る。好ましくは、これらの物質及び不純物は、ロイコ着色剤の性能に重大な程度まで悪影響を及ぼさない比較的少量で、ロイコ組成物中に存在する。無機塩、未反応出発物質及び水を除いて、好ましい実施形態では、このような不純物は、活性ロイコ化合物に対して10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは2重量%未満で存在する。
【0183】
本明細書の流体洗濯洗剤組成物は、典型的には、0.00003重量%~0.1重量%、0.00008重量%~0.05重量%、又は更には0.0001重量%~0.04重量%の布地シェーディング剤を含む。
【0184】
粒子物質
流体洗濯洗剤組成物は、粘土、抑泡剤、カプセル化した感受性成分、例えば、カプセル化形態の香料、漂白剤及び酵素、又は真珠光沢剤、顔料粒子、雲母などの審美補助剤などの、粒子物質を含み得る。好適な使用レベルは、流体洗濯洗剤組成物の0.0001重量%~5重量%、又は0.1重量%~1重量%である。
【0185】
香料及び臭気制御剤
一実施形態では、本明細書の洗剤組成物は、香料を含む。存在する場合、香料は、典型的には、本組成物中に、組成物の0.001重量%~10重量%、好ましくは0.01重量%~5重量%、より好ましくは0.1重量%~3重量%の濃度で組み込まれる。一実施形態では、本発明の洗剤組成物の香料は、250℃以上の沸点及び3.0以上のClogPを有する1つ以上の持続性香料成分を、より好ましくは香料の少なくとも25重量%の濃度で含む。好適な香料、香料成分、及び香料キャリアは、米国特許第5,500,138号及び米国特許出願公開第2002/0035053(A1)号に記載されている。
【0186】
別の実施形態では、香料は、香料マイクロカプセル及び/又は香料ナノカプセルを含む。好適な香料マイクロカプセル及び香料ナノカプセルとしては、以下の文献に記載されているものが挙げられる:米国特許出願公開第2003/215417(A1)号、同第2003/216488(A1)号、同第2003/158344(A1)号、同第2003/165692(A1)号、同第2004/071742(A1)号、同第2004/071746(A1)号、同第2004/072719(A1)号、同第2004/072720(A1)号、欧州特許第1,393,706(A1)号、米国特許出願公開第2003/203829(A1)号、同第2003/195133(A1)号、同第2004/087477(A1)号、同第2004/0106536(A1)号、米国特許第6645479号、同第6200949号、同第4882220号、同第4917920号、同第4514461号、米国再発行特許第32,713号、米国特許第4234627号。
【0187】
更に別の実施形態では、洗剤組成物は、米国特許第5942217号「Uncomplexed cyclodextrin compositions for odor control」(1999年8月24日付与)に記載されているものなどの臭気制御剤を含む。臭気制御剤に好適な他の剤としては、米国特許第5968404号、同第5955093号、同第6106738号、同第5942217号、及び同第6033679号に記載されているものが挙げられる。
【0188】
ヒドロトロープ
本明細書の洗剤組成物は、任意選択的に、例えば、組成物の0重量%~15重量%、1重量%~10重量%、3重量%~6重量%などの有効量のヒドロトロープを含み、その結果、流体洗濯洗剤組成物は水に相溶性である。本明細書で使用するのに好適なヒドロトロープとしては、米国特許第3,915,903号に開示されているような、アニオン型のヒドロトロープ、特にキシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、及びキシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、及びトルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、クメンスルホン酸ナトリウム、及びクメンスルホン酸アンモニウム、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0189】
ポリマー
組成物は1つ以上のポリマーを含んでよい。その全てが任意選択的に改質されてもよい非限定的な例としては、国際公開第2016/041676号に記載される、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン-N-オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリカルボキシレート、又はアルコキシル化置換フェノール(ASP)が挙げられる。ASP分散剤の例としては、Clariantから入手可能なHostapal Bv Conc S1000が挙げられるがこれに限定されない。
【0190】
ポリアミンは、グリース、微粒子除去、又は汚れ除去のために使用され得る。多種多様なアミン及びポリアルキレンイミン(polyaklyeneimines)を様々な程度でアルコキシル化して疎水性又は親水性の洗浄を達成することができる。このような化合物としては、エトキシル化ポリエチレンイミン、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、及びこれらのサルフェート化体を挙げることができるが、これらに限定されない。このようなポリマーの有用な例は、BASFから入手可能なHP20、又は以下の一般構造:
ビス((C2H5O)(C2H4O)n)(CH3)-N+-CxH2x-N+-(CH3)-ビス((C2H5O)(C2H4O)n)(式中、nは20~30、xは3~8)を有するポリマー又はその硫酸化若しくはスルホン化した変異体である。ポリプロポキシル化-ポリエトキシル化両親媒性ポリエチレンイミン誘導体もまた、より高いグリース除去及び乳化を達成するために含まれてよい。これらは、好ましくは内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有するアルコキシル化ポリアルキレンイミンを含んでいてもよい。洗剤組成物はまた、向上した飲料染み除去に有用な未変性ポリエチレンイミンを含有してもよい。様々な分子量のPEIが、BASF Corporationから商品名Lupasol(登録商標)で市販されている。好適なPEIの例としては、Lupasol FG(登録商標)、Lupasol G-35(登録商標)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0191】
好ましい両親媒性グラフトコポリマーは、(i)ポリエチレングリコール主鎖と、(ii)ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのペンダント部分と、を含む。両親媒性グラフトコポリマーの例は、BASFから供給されるSokalan HP22である。
【0192】
好ましくは、本組成物は、1つ以上の汚れ遊離ポリマーを含む。好適な汚れ遊離ポリマーは、Rhodiaによって供給されているRepel-o-tex SF、SF-2及びSRP6を含むRepel-o-texポリマーなどのポリエステル汚れ放出ポリマーである。他の好適な汚れ遊離ポリマーとしては、Clariantより供給されるTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN260、SRN300、及びSRN325を含むTexcareポリマーが挙げられる。他の好適な汚れ遊離ポリマーは、Sasolより供給される、Marloquest SL、HSCB、L235M、B、G82などのMarloquestポリマーである。他の好適な汚れ遊離ポリマーとしては、米国特許第9,365,806号に記載されるような、メチル末端保護されたエトキシル化プロポキシル化汚れ遊離ポリマーが挙げられる。
【0193】
好ましくは、本発明の組成物は、特にカルボキシメチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、スルホエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルキシログルカン、カルボキシメチルキシラン、スルホエチルガラクトマンナン、カルボキシメチルガラクトマンナン、ヒドロキシエチルガラクトマンナン、スルホエチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、及びそれらの混合物から選択され得る1つ以上の多糖を含む。本発明に用いるのに好適な他の多糖はグルカンである。好ましいグルカンは、グリコシド結合(すなわち、グルコシド結合)によって一体に結合されたグルコースモノマー単位を含むポリマーであり、グリコシド結合の少なくとも約50%はα-1,3-グリコシド結合である、ポリα-1,3-グルカンである。ポリα-1,3-グルカンは、多糖類の一種である。ポリα-1,3-グルカンは、例えば、米国特許第7,000,000号、並びに米国特許出願公開第2013/0244288号及び同第2013/0244287号(その全てが参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるものなどの1つ以上のグルコシルトランスフェラーゼ酵素を使用して、スクロースから酵素的に産生することができる。
【0194】
本発明の組成物に使用するための他の好適な多糖類は、カチオン性多糖類である。カチオン性多糖類の例としては、カチオン性グアーガム誘導体、四級窒素含有セルロースエーテル、及びエーテル化セルロースと、グアーと、デンプンとのコポリマーである合成ポリマーが挙げられる。使用される場合、本明細書におけるカチオン性ポリマーは、組成物に可溶性であるか、又は上述のカチオン性ポリマー、並びにアニオン性、両性及び/又は双極性界面活性剤成分によって形成される組成物中の複合コアセルベート相に可溶性である。好適なカチオン性ポリマーは、米国特許第3,962,418号、同第3,958,581号、及び米国特許出願公開第2007/0207109(A1)号に記載されている。
【0195】
追加的アミン
ポリアミンは、グリース除去を改善することが知られている。性能のために好ましい環状及び線状アミンは、1,3-ビス(メチルアミン)-シクロヘキサン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン(BASFにより供給されるBaxxodur ECX 210)、1,3プロパンジアミン、1,6ヘキサンジアミン、1,3ペンタンジアミン(Invistaにより供給されるDytek EP)、2-メチル1,5ペンタンジアミン(Invistaにより供給されるDytek A)である。米国特許第6710023号は、少なくとも3つのプロトン化可能な(protonable)アミンを含有する当該ジアミン及びポリアミンを含有する食器手洗い用組成物を開示している。本発明のポリアミンは、洗浄pHよりも高い少なくとも1つのpKaを有し、少なくとも2つのpkaは約6を超え、洗浄pHよりも低い。好ましいポリアミンは、Dow、BASF、及びHuntmanから市販されるジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサエチルヘキサミン、ヘプタエチルヘプタミン、オクタエチルオクタミン、ノネチルノナミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましいポリエーテルアミンは、米国特許第9752101号、同第9487739号、同第9631163号に記載されるように親油性変性されている。
【0196】
単位用量洗剤
本発明のいくつかの実施形態では、流体洗濯洗剤組成物は、ポリビニルアルコールなどの水溶性フィルム材料に封入されて、単位用量のパウチを形成する。いくつかの実施形態では、単位用量のパウチは1区画又は多区画パウチを含み、本発明の液体洗濯洗剤組成物を任意の他の従来の粉末又は液体洗剤組成物とともに使用することができる。好適なパウチ及び水溶性フィルム材料の例は、米国特許第6,881,713号、同第6,815,410号、及び同第7,125,828号に示されている。
【0197】
布地/織物の処理方法及び洗剤組成物の使用
本明細書の洗剤組成物は、衣服又は他の家庭用織物(シート、タオルなど)などの織物衣類を処理するために使用することができる。
【0198】
生地を本明細書に開示される洗剤組成物と接触させることによって生地を処理する方法もまた、本明細書で検討される。本明細書で使用される場合、「洗剤組成物」は、布地ケア添加組成物及び染みの付いた布地の浸漬及び/又は前処理に使用するのに好適な組成物を含めた、手洗い用、洗濯機洗浄用及び他の目的のための布地処理組成物及び液体洗濯洗剤組成物を含む。消費者用及び工業用が検討される。
【0199】
洗濯洗剤製品として使用される場合、組成物を使用して、500ppm~5,000ppmの洗剤組成物を含有する水性洗浄液を形成することができる。
【0200】
一実施形態では、水性液体洗剤組成物で織物衣類を処理するための家庭用の方法において洗剤組成物を使用してよく、この方法は、
a)水溶液で織物を処理する工程であって、水溶液が、約0.01g/L~約1g/Lの線状アルキルベンゼンスルホネート(linear alkyl benzyne sulfonate)界面活性剤、及び約0.1mg/L~約100mg/Lのシリコーン消泡剤を含むような相対的な量で、水及び洗剤組成物の混合物を含む、工程と、
b)織物をすすぎ及び乾燥させる工程と、を含み、
ここで、水性液体洗剤組成物は、組成物の約1重量%~約60重量%の界面活性剤の界面活性剤系であって、当該界面活性剤系が、
i)線状アルキルベンゼンスルホネート、
ii)1重量%~30重量%のアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤を含む、界面活性剤系と、
b)組成物の約0.001重量%~約4.0重量%の、シリコーン樹脂及び変性シリカである一次充填剤と組み合わせた、アリール又はアルキルアリール置換基を有するオルガノ変性シリコーンポリマーから選択される消泡剤と、
c)組成物の約0.01重量%~約2.5重量%の構造化剤と、を含み、
ここで、線状アルキルベンゼンスルホネートとアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤との比率は、1.1:1~10:1である。
【0201】
比較例
【0202】
【0203】
実施例C~D
本発明による洗剤組成物
【0204】
【表2】
1米国特許第6,855,680(B2)号に記載されるように調製された硬化ヒマシ油
2Dow Corningが供給した、米国特許第6521586号に記載されるように調製された、消泡剤ブレンド:80~92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン、5~14%のステアリン酸オクチル中のMQ樹脂、及び3~7%の変性シリカ
3AESのアルキル部分が、約13.9~約14.6個の炭素原子を含む、C12~C15のEO2.5Sのアルキルエトキシサルフェート(Alklyethoxy Sulfate)。
【0205】
上記に開示されるように、実施例A及びBは、比較例である。実施例Cは、本開示によって検討されるいくつかの潜在的な範囲を開示するように機能する。実施例Dは、実施例C内のより狭い範囲を示し、少なくとも1つの処方を比較例A及びBと比較するために試験した。
【0206】
上記の表及び以下のデータに示されるように、驚くべきことに、1.5:1以上のAESとLASとの比率を有する以前の処方とは異なり、1.1を超えるLASとAES界面活性剤との比率を利用し、かつ選択された高効率なシリコーン消泡剤化合物と組み合わせて非イオン性界面活性剤を利用することによって、HE家庭用洗濯機において許容可能な洗浄、臭気、及び泡調節を提供できることが現在見出されている。加えて、従来の開示とは異なり、非イオン性界面活性剤とともにLASとAESとの間の比率を適切にバランスさせることによって、AESよりも高いLASを有する、30%未満のAESを利用して界面活性剤系を作製することができ、これは、従来の処方と同様に洗浄することができ、更にHE前投入型洗濯機内の泡を制御することができることが現在見出されている。
【0207】
泡試験
Whirlpool Duet HT高効率前投入型自動洗浄機におけるHE使用時泡形成観察は、48gの処方A及びD及び59gの処方B及びDを各々順番に入れ、洗浄サイクルの長さ及び泡の量について画像評価尺度を使用してモニタリングしながら、70°F、0グレイン/ガロンの硬度の水を使用して、清潔なバラストとともに標準洗浄サイクル(試料毎に別個のサイクル)を実施することにより行う。結果は、48g入れた処方A、処方D、59g入れた処方B及び処方Dは、洗浄サイクルにかかる時間の長さの望ましくない自動的延長、あるいは増加した水の消費をもたらす、過剰な泡立ちにより引き起こされる製造業者が作製した洗濯機の泡ロックを引き起こさないことを示す。
【0208】
したがって、本発明の選択された界面活性剤及びシリコーン消泡剤の組み合わせは、実施例Dの組み合わせが示すように、HE洗濯機における所望の泡プロファイルを可能にする。
【0209】
A.泡適合性及び改善された洗浄を有する水性液体洗剤組成物であって、当該組成物は、
a)組成物の約1重量%~約60重量%の界面活性剤系であって、当該界面活性剤系が、
i)線状アルキルベンゼンスルホネート、
ii)1重量%~30重量%のアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤を含む、界面活性剤系と、
b)組成物の約0.001重量%~約4.0重量%の、シリコーン樹脂及び変性シリカである一次充填剤と組み合わせた、アリール又はアルキルアリール置換基を有するオルガノ変性シリコーンポリマーから選択される消泡剤と、
c)組成物の約0.01重量%~約2.5重量%の構造化剤であって、当該構造化剤が、結晶性ヒドロキシル含有安定剤、ポリマーガム、及びこれらの混合物から選択される、構造化剤と、を含み、
線状アルキルベンゼンスルホネートとアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤との比率が、1.1:1~10:1である、水性液体洗剤組成物。
B.線状アルキルベンゼンスルホネートとアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤との比率が、1.2:1~5:1である、段落Aに記載の水性液体洗剤組成物。
C.組成物が、アミンオキシドを更に含む、段落A又はBに記載の水性液体洗剤組成物。
D.界面活性剤系が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される追加の界面活性剤を更に含む、段落A~Cのいずれか1つに記載の水性液体洗剤組成物。
E.消泡剤が、
a)約80~約92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン、ステアリン酸オクチル中約5~約14%のMQ樹脂、及び約3~約7%の変性シリカの混合物、
b)約78~約92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン、ステアリン酸オクチル中約3~約10%のMQ樹脂、約4~約12%の変性シリカの混合物、並びに
c)これらの混合物、から選択され、
百分率が消泡剤の重量による、段落A~Dのいずれか1つに記載の水性液体洗剤組成物。
F.界面活性剤系が、約30重量%~約75重量%のLASを含む、段落A~Eのいずれか1つに記載の水性液体洗剤組成物。
G.界面活性剤系が、10重量%~50重量%の非イオン性界面活性剤、好ましくは2重量%~20重量%の非イオン性界面活性剤を含む、段落A~Fのいずれか1つに記載の水性液体洗剤組成物。
H.組成物が、0.01~0.2のシリコーン消泡剤を含む、段落A~Gのいずれか1つに記載の水性液体洗剤組成物。
I.組成物が、組成物の約15重量%~約35重量%の界面活性剤系を含む、段落A~Hのいずれか1つに記載の水性液体洗剤組成物。
J.組成物が、組成物の約0.01重量%~約2.0重量%のシリコーン消泡剤を含む、段落A~Iのいずれか1つに記載の水性液体洗剤組成物。
K.界面活性剤系が、界面活性剤系の2重量%~20重量%の非イオン性界面活性剤を含む、段落A~Jのいずれか1つに記載の水性液体洗剤組成物。
L.組成物が、組成物の約0.02重量%~約10.0重量%の、酵素、酵素安定剤、蛍光増白剤、粒子物質、ヒドロトロープ、香料及び他の臭気制御剤、汚れ懸濁ポリマー及び/又は汚れ遊離ポリマー、布地ケア効果剤、pH調整剤、移染防止剤、防腐剤、色相染料、非布地直接染料、カプセル化活性物質、並びにこれらの混合物からなる群から選択される洗濯補助剤を更に含む、段落A~Kのいずれか1つに記載の水性液体洗剤組成物。
M.組成物が、香料マイクロカプセル、色相染料、又はこれらの混合物を更に含む、段落A~Lのいずれか1つに記載の水性液体洗剤組成物。
N.水性液体洗剤組成物で織物衣類を処理する家庭用の方法であって、当該方法が、
a)水溶液で織物を処理する工程であって、水溶液が、約0.01g/L~約1g/Lの線状アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、及び約0.1mg/L~約100mg/Lのシリコーン消泡剤を含むような相対的な量で、水及び段落A~Mのいずれか1つに記載の洗剤組成物の混合物を含む、工程と、
b)織物をすすぎ及び乾燥させる工程と、を含む、方法。
O.アルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤(AES)のアルキル部分が、平均して、13.7~約16個の炭素原子分布、より好ましくは13.9~約14.6個の炭素原子分布を含む、段落A~Nのいずれか1つに記載の水性液体洗剤組成物。
P.界面活性剤系が、界面活性剤系の30重量%未満のアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤、好ましくは界面活性剤系の2重量%~10重量%のアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤を含む、段落A~Oのいずれか1つに記載の水性液体洗剤組成物。
【0210】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0211】
相互参照される文書又は関連特許若しくは出願を含めた、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか又は特に限定されない限り、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0212】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。