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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】加工機械
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/00 20060101AFI20231024BHJP
   B23P 23/04 20060101ALI20231024BHJP
   B23Q 1/72 20060101ALI20231024BHJP
   B23Q 11/08 20060101ALI20231024BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20231024BHJP
【FI】
B23Q11/00 D
B23P23/04
B23Q1/72 Z
B23Q11/08 Z
B33Y30/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022516814
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(86)【国際出願番号】 JP2020017783
(87)【国際公開番号】W WO2021215002
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西 修一
(72)【発明者】
【氏名】白塚山 泰光
(72)【発明者】
【氏名】在田 寿和
【審査官】中田 善邦
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-143854(JP,A)
【文献】特開2018-034288(JP,A)
【文献】特開2019-069492(JP,A)
【文献】中国実用新案第209175403(CN,U)
【文献】中国実用新案第209503649(CN,U)
【文献】特開平7-266184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 11/00
B23Q 11/08
B23P 23/04
B23Q 1/72
B23Q 11/08
B33Y 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工機械の外観をなし、内部空間を区画形成する外装カバーと、
前記内部空間に配置され、安全帯を接続可能な安全帯接続部とを備え、
前記外装カバーは、開閉可能な蓋部を含み、
前記安全帯接続部は、前記蓋部が開状態とされた場合に前記外装カバーに生じる開口部を通じて前記内部空間の外側に露出し、
前記蓋部は、前記安全帯接続部により支持される、加工機械。
【請求項4】
前記蓋部を回動可能またはスライド可能に支持する支持部をさらに備え、
前記蓋部が回動動作またはスライド動作された場合に、前記外装カバーに前記開口部が生じる、請求項1または2に記載の加工機械。
【請求項9】
加工機械の外観をなし、内部空間を区画形成する外装カバーと、
前記内部空間に配置され、安全帯を接続可能な安全帯接続部とを備え、
前記外装カバーは、開閉可能な蓋部を含み、
前記安全帯接続部は、前記蓋部が開状態とされた場合に前記外装カバーに生じる開口部を通じて前記内部空間の外側に露出し、さらに、
加工エリアに配置され、ワークに対して材料粉末を吐出するとともにレーザ光を照射する付加加工用ヘッドと、
前記付加加工用ヘッドから延出し、前記加工エリアの内部から外部に引き出され、前記付加加工用ヘッドに材料粉末およびレーザ光を供給するライン体と、
前記加工エリアの外部に設けられ、前記ライン体を支持するライン体支持部とを備え、
前記ライン体支持部は、前記蓋部が開状態とされた場合に前記外装カバーに生じる前記開口部を通じて前記内部空間の外側に露出する、加工機械。
【請求項11】
前記蓋部を回動可能またはスライド可能に支持する支持部をさらに備え、
前記蓋部が回動動作またはスライド動作された場合に、前記外装カバーに前記開口部が生じる、請求項9または10に記載の加工機械。
【請求項15】
前記フレーム部は、閉断面のパイプ材からなる、請求項13または14に記載の加工機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加工機械に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特開2012-143854号公報(特許文献1)には、ターンテーブルと、ターンテーブルに立設された複数の縦フレームと、隣接する縦フレーム間を連結する横フレームと、縦フレームの外側周囲に固定され、作業員が移動することが可能な歩廊とを備える立旋盤装置が開示されている。横フレームには、作業員に巻き付けた安全帯に接続された安全ロープを係止するための係止具が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-143854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に開示されるように、安全帯を接続するための安全帯接続部(係止具)を備えた加工機械が知られている。作業者は、自らの体に装着した安全帯を安全帯接続部に接続することによって、高所での作業時の安全性を確保する。しかしながら、安全帯接続部が設けられる位置によっては、作業者が安全帯を使用する際に過大な手間が掛かったり、安全帯接続部が加工機械の最大機械寸法に影響を与えたりする可能性がある。
【0005】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、作業者が安全帯を使用する際の作業性が良好で、かつ、小型化が図られる加工機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従った加工機械は、加工機械の外観をなし、内部空間を区画形成する外装カバーと、内部空間に配置され、安全帯を接続可能な安全帯接続部とを備える。外装カバーは、開閉可能な蓋部を含む。安全帯接続部は、蓋部が開状態とされた場合に外装カバーに生じる開口部を通じて内部空間の外側に露出する。
【0007】
このように構成された加工機械によれば、作業者は、加工機械のメンテナンス等の作業を行なう場合に、蓋部を開状態とすることにより安全帯接続部を開口部を通じて内部空間の外側に露出させる。これにより、作業者は、自らの体に装着した安全帯を安全帯接続部に接続することが可能となるため、作業者が安全帯を使用する際の作業性を良好にできる。また、安全帯接続部は、加工機械の外観をなす外装カバーの内側に配置されるため、加工機械の最外殻に配置されるということがない。これにより、加工機械を小型化することができる。
【0008】
また好ましくは、蓋部は、加工機械の天井部に配置される。
このように構成された加工機械によれば、安全帯接続部は、加工機械の天井部における外装カバーの内側に配置されるため、安全帯接続部が加工機械の最大機械高さに影響を与えることがなくなる。
【0009】
また好ましくは、蓋部は、安全帯接続部により支持される。
このように構成された加工機械によれば、蓋部が開状態とされた場合に生じる開口部を通じて安全帯接続部が露出する構成を容易に得ることができる。
【0010】
また好ましくは、加工機械は、蓋部を回動可能またはスライド可能に支持する支持部をさらに備える。蓋部が回動動作またはスライド動作された場合に、外装カバーに開口部が生じる。
【0011】
このように構成された加工機械によれば、蓋部を容易に開閉させることが可能となるため、作業者が安全帯を使用する際の作業性をさらに良好にできる。
【0012】
また好ましくは、外装カバーは、互いに独立して開閉可能な複数の蓋部を含む。
このように構成された加工機械によれば、加工機械における作業箇所に合わせて複数の蓋部のうちの少なくとも1つの蓋部を開状態とすることによって、適当な位置に開口部を設けることができる。
【0013】
また好ましくは、安全帯接続部は、開口部がなす開口面に沿って一方向に延びるフレーム部を含む。
【0014】
このように構成された加工機械によれば、安全帯接続部が開口部の開口面を大きく塞ぐことを抑制できる。これにより、作業者は、開口部を通じて加工機械のメンテナンス等の作業を行ない易くなる。
【0015】
また好ましくは、安全帯接続部は、フレーム部に沿って配索されるロープをさらに含む。
【0016】
このように構成された加工機械によれば、作業者は、自らの体に装着した安全帯をロープに接続することができる。
【0017】
また好ましくは、フレーム部は、閉断面のパイプ材からなる。
このように構成された加工機械によれば、安全帯接続部の剛性を十分に確保することで、安全帯を使用する作業者の安全性を高めることができる。
【0018】
また好ましくは、加工機械は、加工エリアに配置され、ワークに対して材料粉末を吐出するとともにレーザ光を照射する付加加工用ヘッドと、付加加工用ヘッドから延出し、加工エリアの内部から外部に引き出され、付加加工用ヘッドに材料粉末およびレーザ光を供給するライン体と、加工エリアの外部に設けられ、ライン体を支持するライン体支持部とをさらに備える。ライン体支持部は、蓋部が開状態とされた場合に外装カバーに生じる開口部を通じて内部空間の外側に露出する。
【0019】
このように構成された加工機械によれば、作業者は、自らの体に装着した安全帯を安全帯接続部に接続しつつ、外装カバーに生じた開口部を通じてライン体支持部をメンテナンスすることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上に説明したように、この発明に従えば、作業者が安全帯を使用する際の作業性が良好で、かつ、小型化が図られる加工機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】この発明の実施の形態における加工機械を示す正面図である。
図2図1中の加工機械において、工具主軸および付加加工用ヘッドの着脱を示す斜視図である。
図3図1中の付加加工用ヘッドにレーザ光および材料粉末を供給するための構造を示す斜視図である。
図4図1中の付加加工用ヘッドにレーザ光および材料粉末を供給するための構造を示す別の斜視図である。
図5図1中の加工機械におけるワークの加工流れの第1工程を模式的に示す正面図である。
図6図1中の加工機械におけるワークの加工流れの第2工程を模式的に示す正面図である。
図7図1中の加工機械におけるワークの加工流れの第3工程を模式的に示す正面図である。
図8】加工機械の外観を示す斜視図である。
図9】加工機械の外観を示す別の斜視図である。
図10図9中の外装カバーを支持するためのフレーム構造を示す斜視図である。
図11図10中の2点鎖線XIで囲まれた範囲の安全帯接続部を示す分解組み立て図である。
図12図10中の安全帯接続部の使用方法を示す図である。
図13図9中の蓋部が開状態とされた場合の加工機械を示す斜視図である。
図14図9中のXIV-XIV線上の矢視方向に見た加工機械を示す断面図である。
図15図9中のXV-XV線上の矢視方向に見た加工機械を示す断面図である。
図16】蓋部が開状態とされた場合に生じる開口部と、安全帯接続部と、ライン体支持部との位置関係を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0023】
図1は、この発明の実施の形態における加工機械を示す正面図である。図1中には、加工機械の外観をなすカバー体を透視することにより、加工機械の内部が示されている。図2は、図1中の加工機械において、工具主軸および付加加工用ヘッドの着脱を示す斜視図である。
【0024】
図1および図2を参照して、加工機械100は、ワークの付加加工(AM(Additive manufacturing)加工)と、ワークの除去加工(SM(Subtractive manufacturing)加工)とが可能なAM/SMハイブリッド加工機である。加工機械100は、SM加工の機能として、固定工具を用いた旋削機能と、回転工具を用いたミーリング機能とを有する。
【0025】
加工機械100は、コンピュータによる数値制御によって、ワーク加工のための各種動作が自動化されたNC(Numerically Control)加工機械である。
【0026】
なお、本明細書においては、加工機械100の左右方向(幅方向)に平行で、水平方向に延びる軸を「Z軸」といい、加工機械100の前後方向(奥行き方向)に平行で、水平方向に延びる軸を「Y軸」といい、鉛直方向に延びる軸を「X軸」という。図1中における右方向を「+Z軸方向」といい、左方向を「-Z軸方向」という。図1中における紙面の手前方向を「+Y軸方向」といい、奥方向を「-Y軸方向」という。図1中における上方向を「+X軸方向」といい、下方向を「-X軸方向」という。X軸、Y軸およびZ軸は、互いに直交する3軸である。
【0027】
まず、加工機械100の全体構造について説明する。加工機械100は、スプラッシュガード181を有する。スプラッシュガード181は、ワークを加工するための加工エリア110を区画形成している。
【0028】
加工機械100は、ベッド151と、第1ワーク主軸111と、第2ワーク主軸116と、刃物台(不図示)とをさらに有する。
【0029】
ベッド151は、第1ワーク主軸111、第2ワーク主軸116および刃物台等を支持するためのベース部材であり、工場などの床面に設置されている。
【0030】
第1ワーク主軸111および第2ワーク主軸116は、Z軸方向において、互いに対向して配置されている。第1ワーク主軸111および第2ワーク主軸116は、ワークを保持可能なように構成されている。第1ワーク主軸111および第2ワーク主軸116には、ワークを着脱可能に保持するためのチャック機構(不図示)が設けられている。第1ワーク主軸111は、主に、固定工具を用いたワークの旋削加工時に、保持したワークをZ軸に平行な回転軸501を中心に回転させる。第2ワーク主軸116は、主に、固定工具を用いたワークの旋削加工時に、保持したワークをZ軸に平行な回転軸502を中心に回転させる。
【0031】
第1ワーク主軸111は、ベッド151に固定されている。第2ワーク主軸116は、各種の送り機構、案内機構およびサーボモータなどにより、Z軸方向に移動可能に設けられている。第2ワーク主軸116は、ベッド151に固定される構成であってもよい。第2ワーク主軸116に替わって、第1ワーク主軸111に保持されたワークの回転中心を支持するための心押し台が設けられてもよい。
【0032】
刃物台(不図示)は、加工エリア110内に設けられている。刃物台は、ワークの除去加工(旋削加工)のための複数の固定工具を保持可能なように構成されている。刃物台は、図示しないサドル等を介してベッド151により支持されている。刃物台は、サドル等に設けられた各種の送り機構、案内機構およびサーボモータなどにより、X軸方向およびZ軸方向に移動可能に設けられている。刃物台は、回転工具を回転させるミーリング機能を備えてもよい。
【0033】
加工機械100は、第1縦フレーム152と、第2縦フレーム153と、第1横フレーム154と、第2横フレーム311(後出の図3を参照)とをさらに有する。
【0034】
第1縦フレーム152および第2縦フレーム153は、X軸方向(上下方向)が長手方向となる柱形状を有する。第1縦フレーム152および第2縦フレーム153は、Z軸方向において、互いに離れて設けられている。第1縦フレーム152および第2縦フレーム153の下端部は、ベッド151に接続されている。
【0035】
第1横フレーム154および第2横フレーム311は、Z軸方向(左右方向)が長手方向となる梁形状を有する。第1横フレーム154および第2横フレーム311は、矩形形状の閉断面をなすパイプ材から構成されている。
【0036】
第1横フレーム154および第2横フレーム311は、Y軸方向において、互いに離れて設けられている。第1横フレーム154は、第2横フレーム311から+Y軸方向にずれた位置に設けられている。Z軸方向における第1横フレーム154の両端部は、それぞれ、第1縦フレーム152および第2縦フレーム153の上端部に接続されている。Z軸方向における第2横フレーム311の両端部は、それぞれ、第1縦フレーム152および第2縦フレーム153の上端部に接続されている。
【0037】
第1縦フレーム152、第2縦フレーム153、第1横フレーム154および第2横フレーム311は、ベッド151上において門型のフレーム構造をなしている。
【0038】
加工機械100は、サドル161と、クロススライド162と、ラム163とをさらに有する。
【0039】
サドル161は、ベッド151により支持されている。サドル161は、ベッド151上であって、Z軸方向において、第1縦フレーム152および第2縦フレーム153の間に設けられている。サドル161は、ベッド151から第1横フレーム154および第2横フレーム311に向けて上方に立ち上がる形状を有する。サドル161は、ベッド151等に設けられた各種の送り機構、案内機構およびサーボモータなどにより、Z軸方向に移動可能に設けられている。
【0040】
クロススライド162は、サドル161により支持されている。クロススライド162は、全体として、X軸-Z軸平面に平行な平板形状をなしている。クロススライド162は、+Y軸方向を向くサドル161の前面に取り付けられている。クロススライド162は、サドル161等に設けられた各種の送り機構、案内機構およびサーボモータなどにより、X軸方向(上下方向)に移動可能に設けられている。
【0041】
ラム163は、クロススライド162により支持されている。ラム163は、全体として、Y軸方向に沿って延びる筒形状を有する。ラム163は、Y軸方向において、クロススライド162を貫通し、加工エリア110内に突出するように設けられている。ラム163は、クロススライド162等に設けられた各種の送り機構、案内機構およびサーボモータなどにより、Y軸方向に移動可能に設けられている。
【0042】
加工機械100は、工具主軸121をさらに有する。工具主軸121は、加工エリア110内に設けられている。工具主軸121は、ワークの除去加工(ミーリング加工)のための回転工具を保持可能なように構成されている。工具主軸121には、回転工具を着脱可能に保持するためのクランプ機構(不図示)が設けられている。工具主軸121は、回転工具を用いたワークのミーリング加工時に、保持した回転工具をX軸-Z軸平面に平行な回転軸503を中心に回転させる。
【0043】
工具主軸121は、ラム163により支持されている。工具主軸121は、+Y軸方向におけるラム163の先端部に接続されている。工具主軸121は、Z軸方向におけるサドル161の移動と、X軸方向におけるクロススライド162の移動と、Y軸方向におけるラム163の移動とによって、加工エリア110内において3次元的に移動可能である。
【0044】
工具主軸121は、さらに、Y軸に平行な旋回軸504を中心に旋回可能に設けられている(B軸旋回)。工具主軸121の旋回範囲は、工具主軸121の主軸端面122が下方を向く基準姿勢(図1および図2中に示す姿勢)に対して±90°以上の範囲であることが好ましい。一例として、工具主軸121の旋回範囲は、基準姿勢に対して±120°の範囲である。
【0045】
加工機械100は、自動工具交換装置(ATC:Automatic Tool Changer)141と、工具マガジン171とをさらに有する。
【0046】
工具マガジン171は、ワークのミーリング加工に用いられる複数の回転工具Tを収容する。工具マガジン171は、加工エリア110の外部に設けられている。工具マガジン171は、第1ワーク主軸111(第1縦フレーム152)を挟んで、加工エリア110の反対側に設けられている。第1ワーク主軸111(第1縦フレーム152)は、Z軸方向において、工具マガジン171および加工エリア110の間に配置されている。
【0047】
自動工具交換装置141は、加工エリア110内における工具主軸121と、加工エリア110外における工具マガジン171との間で工具を交換可能なように構成されている。
【0048】
自動工具交換装置141は、第1横フレーム154により支持されている。自動工具交換装置141は、第1横フレーム154等に設けられた各種の送り機構、案内機構およびサーボモータなどにより、Z軸方向に移動可能である。
【0049】
より具体的には、第1横フレーム154には、ラック156と、レール155とが設けられている。ラック156およびレール155は、Z軸方向に延びている。Z軸方向においてラック156およびレール155が延びる範囲は、Z軸方向における加工エリア110の範囲を含む。自動工具交換装置141には、ラック156と係合するピニオン(不図示)が設けられている。自動工具交換装置141には、レール155と係合しながらZ軸方向にスライド可能なスライダー(不図示)が設けられている。
【0050】
サーボモータからの回転を受けたピニオンが正方向または逆方向に回転することによって、自動工具交換装置141が、+Z軸方向または-Z軸方向に移動する。自動工具交換装置141は、加工エリア110の内部と外部との間で移動可能である。
【0051】
自動工具交換装置141は、加工エリア110の外部であって、第1ワーク主軸111の上方に位置し、自動工具交換装置141が待機する待機位置(図1中に示す自動工具交換装置141の位置)と、加工エリア110の内部であって、Z軸方向における任意の座標に位置し、自動工具交換装置141が工具主軸121と工具交換を行なう機内側工具交換位置と、加工エリア110の外部であって、待機位置を挟んで機内側工具交換位置の反対側に位置し、自動工具交換装置141が工具マガジン171と工具交換を行なうマガジン側工具交換位置との間で移動可能である。
【0052】
自動工具交換装置141は、昇降アーム143と、ダブルアーム144とを有する。昇降アーム143は、X軸方向(上下方向)が長手方向となるようにアーム状に延びている。昇降アーム143は、X軸方向に昇降動作が可能である。
【0053】
ダブルアーム144は、アーム状に延び、その両端に工具を把持可能な把持部を有する。ダブルアーム144は、Z軸に平行な旋回軸505を中心にして旋回可能で、かつ、旋回軸505の軸方向にスライド可能である。自動工具交換装置141は、上記の機内側工具交換位置およびマガジン側工具交換位置の各位置において、昇降アーム143が昇降動作し、ダブルアーム144が旋回およびスライド動作することによって、工具交換を行なう。
【0054】
加工機械100は、付加加工用ヘッド131をさらに有する。付加加工用ヘッド131は、ワークに対して材料粉末を吐出するとともにレーザ光を照射することにより付加加工を行なう(指向性エネルギ堆積法(Directed Energy Deposition))。材料粉末としては、ステンレス、ステライト、インコネルもしくはチタン等の金属粉末を利用することができる。なお、材料粉末は、金属粉末に限られない。
【0055】
付加加工用ヘッド131は、ヘッド本体132と、レーザツール133とを有する。ヘッド本体132には、レーザ光および材料粉末が導入される。レーザツール133は、ワークに向けてレーザ光を出射するとともに、ワークにおけるレーザ光の照射領域を定める。付加加工用ヘッド131に導入された材料粉末は、ノズル(不図示)を通じてワークに向けて吐出される。
【0056】
加工機械100は、複数のレーザツール133を有する。複数のレーザツール133は、ワーク上に定められるレーザ光の照射領域の形状および/または大きさが異なる。ヘッド本体132には、実行する付加加工の条件に合わせて、複数のレーザツール133のうちいずれか1つのレーザツール133が選択的に装着される。
【0057】
付加加工用ヘッド131は、円盤部136をさらに有する。円盤部136は、Y軸方向が厚み方向となる円盤形状を有する。円盤部136は、ヘッド本体132に接続されている。円盤部136は、+Y軸方向におけるヘッド本体132の前端部から直角に折れ曲がった位置に設けられている。工具主軸121は、前面部124と、側面部123とを有する。前面部124は、+Y軸方向を向いている。側面部123は、工具主軸121の基準姿勢において+Z軸方向を向いている。
【0058】
付加加工用ヘッド131は、工具主軸121に対して着脱可能に設けられている。付加加工用ヘッド131は、ヘッド本体132が側面部123と対向し、円盤部136が前面部124と対向するように、工具主軸121に装着される。
【0059】
付加加工用ヘッド131(円盤部136)および工具主軸(前面部124)には、バネ力等を利用したクランプ機構が内蔵されており、工具主軸121に対する付加加工用ヘッド131の装着時、そのクランプ機構が動作することによって、付加加工用ヘッド131が工具主軸121に接続される。付加加工用ヘッド131は、工具主軸121に接続されることにより、工具主軸121と一体となって、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動可能である。
【0060】
図3および図4は、図1中の付加加工用ヘッドにレーザ光および材料粉末を供給するための構造を示す斜視図である。
【0061】
図1から図4を参照して、加工機械100は、材料粉末供給装置341およびレーザ発振装置342と、ライン体210とをさらに有する。
【0062】
材料粉末供給装置341およびレーザ発振装置342は、加工エリア110の外部に設置されている。材料粉末供給装置341は、付加加工に用いられる材料粉末を付加加工用ヘッド131に向けて送り出す。レーザ発振装置342は、付加加工に用いられるレーザ光を発振する。
【0063】
ライン体210は、材料粉末供給装置341からの材料粉末を付加加工用ヘッド131に供給し、レーザ発振装置342からのレーザ光を付加加工用ヘッド131に供給する。ライン体210は、付加加工用ヘッド131から延出している。ライン体210は、加工エリア110の内部から外部に引き出され、材料粉末供給装置341およびレーザ発振装置342に接続されている。
【0064】
ライン体210は、可撓性を有しており、外力を受けた場合に曲げ変形が可能である。ライン体210は、レーザ光を導くための光ファイバと、材料粉末を導くための配管と、空気の流路となるエア配管と、不活性ガスの流路となるガス配管と、冷媒の流路となる冷却配管と、電気配線と、これらを収容するフレキシブルチューブ211とを含む。
【0065】
図3および図4を参照して、スプラッシュガード181は、スライドカバー351を有する。
【0066】
スライドカバー351は、全体として、X軸-Z軸平面に平行な平板形状を有する。スライドカバー351は、加工エリア110の奥側(-Y軸方向における加工エリア110の端部)に配置されている。ラム163は、Y軸方向において、加工エリア110外からスライドカバー351を貫通して加工エリア110内に進入している。スライドカバー351は、X軸方向およびZ軸方向におけるラム163の移動に合わせてスライド変形可能である。
【0067】
スライドカバー351には、ライン体挿入孔352が設けられている。ライン体挿入孔352は、Y軸方向においてスライドカバー351を貫通する貫通孔からなる。ライン体210(フレキシブルチューブ211)は、加工エリア110内からライン体挿入孔352に挿入されることによって、加工エリア110外に引き出されている。
【0068】
加工機械100は、ライン体支持部221をさらに有する。ライン体支持部221は、加工エリア110の外部に設けられている。ライン体支持部221は、加工エリア110の外部において、加工エリア110内から引き出されたライン体210を支持している。ライン体支持部221は、付加加工用ヘッド131よりも上方に設けられている。ライン体支持部221は、第1横フレーム154および第2横フレーム311により支持されている。
【0069】
ライン体支持部221は、基台331と、滑車部332と、コイルバネ(弾性部材)333とを有する。
【0070】
基台331は、第1横フレーム154および第2横フレーム311上に設けられている。基台331は、上面視において第1横フレーム154および第2横フレーム311の間に跨がって設けられている。加工エリア110の内部から外部に引き出されたライン体210は、基台331上を配索されている。基台331上を配索されたライン体210は、Z軸方向にストローク可能な図示しないケーブルベア(登録商標)に挿通された後、材料粉末供給装置341およびレーザ発振装置342に向けて延びている。
【0071】
滑車部332は、基台331により支持されている。滑車部332は、X軸方向(上下方向)に平行な回転軸526を中心に回転可能で、かつ、Y軸方向にスライド移動可能なように設けられている。
【0072】
コイルバネ333の一方端は、滑車部332に接続されている。コイルバネ333の他方端は、ブラケット334を介して基台331に接続されている。コイルバネ333は、滑車部332に対して-Y軸方向の弾性力を作用させている。コイルバネ333は、滑車部332に対して、上面視において加工エリア110から遠ざかる方向の弾性力を作用させている。
【0073】
フレキシブルチューブ211は、可撓性を有するチューブからなる。フレキシブルチューブ211は、加工エリア110の内部と外部との間で延びている。フレキシブルチューブ211の一方端211pは、加工エリア110の内部に配置されている。フレキシブルチューブ211の他方端211qは、加工エリア110の外部に配置されている。
【0074】
加工エリア110の内部から外部に引き出されたフレキシブルチューブ211は、基台331上において、-Y軸方向に延びている。フレキシブルチューブ211は、滑車部332に掛け回され、180°反転して+Y軸方向に延びている。フレキシブルチューブ211の他方端211qは、+Y軸方向に延びるフレキシブルチューブ211の先端において基台331に固定されている。
【0075】
滑車部332およびコイルバネ333は、張力付与機構335を構成している。張力付与機構335は、ライン体210(フレキシブルチューブ211)に対して、加工エリア110内の付加加工用ヘッド131から遠ざかる方向の張力を付与している。張力付与機構335は、ライン体210(フレキシブルチューブ211)に対して、加工エリア110の内部から外部に向けた引っ張り力を付与している。
【0076】
このような構成によれば、加工エリア110内におけるライン体210の撓みを抑制することができる。また、滑車部332がY軸方向にスライド移動することによって、付加加工用ヘッド131の位置に合わせて加工エリア111内におけるライン体210の長さを自動的に調整することができる。
【0077】
なお、張力付与機構335を構成する弾性部材は、特に限定されず、たとえば、コイルバネ333に替わってガススプリングが用いられてもよい。
【0078】
加工機械100は、第1案内機構370と、第2案内機構360とをさらに有する。第1案内機構370および第2案内機構360は、ライン体支持部221をZ軸方向に沿って案内している。第1案内機構370と、第2案内機構360は、Y軸方向において互いに離れて設けられている。
【0079】
ライン体支持部221は、ブロック336をさらに有する。ブロック336は、基台331に固定されている。ブロック336は、Y軸方向において、第1横フレーム154と対向している。
【0080】
第1案内機構370は、レール155と、スライダー372とを有する。第1案内機構370は、2組のレール155およびスライダー372を有する。レール155は、第1横フレーム154に取り付けられている。レール155は、Z軸方向に延びている。スライダー372は、ブロック336に取り付けられている。スライダー372は、図示しない複数のボールを介してレール155と係合している。スライダー372は、レール155とともに、Z軸方向における直線案内機構を構成している。
【0081】
第2案内機構360は、第1案内機構370から-Y軸方向に離れた位置に設けられている。第2案内機構360は、レール312を有する。レール312は、第2横フレーム311に取り付けられている。レール312は、Z軸方向に延びている。ライン体支持部221(基台331)には、Y軸方向における両側からレール312を挟持し、X軸方向に平行な回転軸を中心に回転可能な一対の第1ローラと、X軸方向における両側からレール312を挟持し、Y軸方向に平行な回転軸を中心に回転可能な一対の第2ローラとが取り付けられている。
【0082】
図4を参照して、加工機械100は、連結機構380をさらに有する。連結機構380は、エアシリンダ382と、ブロック381とを有する。
【0083】
ブロック381は、サドル161に取り付けられている。ブロック381には、ピン挿入孔(不図示)が設けられている。エアシリンダ382は、ライン体支持部221に取り付けられている。エアシリンダ382は、Y軸方向において進退可能なピン(不図示)を有する。エアシリンダ382のピンがブロック381に設けられたピン挿入孔に挿入されることによって、工具主軸121およびライン体支持部221の間を連結する状態が得られ、エアシリンダ382のピンがブロック381に設けられたピン挿入孔から抜かれることによって、工具主軸121およびライン体支持部221の間の連結を解除する状態が得られる。
【0084】
ワークの付加加工時、連結機構380により工具主軸121およびライン体支持部221の間を連結することによって、ライン体支持部221を工具主軸121および付加加工用ヘッド131と一体にZ軸方向に移動させることができる。また、ワークの除去加工時、連結機構380による工具主軸121およびライン体支持部221の間の連結を解除することによって、ライン体支持部221および付加加工用ヘッド131を工具主軸121から分離させ、工具主軸121を単独で移動させることができる。
【0085】
ライン体支持部221は、さらに、工具主軸121から分離された単独の状態においてZ軸方向に移動可能なように構成されている(自走機構)。
【0086】
より具体的には、第1横フレーム154には、ラック156が設けられている。ラック156は、Z軸方向に延びている。ライン体支持部221には、サーボモータ222と(図3および図4中では不図示、図1を参照のこと)、サーボモータ222の出力軸に接続され、ラック156と係合するピニオン(不図示)とが設けられている。連結機構380による工具主軸121およびライン体支持部221の間の連結が解除された状態において、サーボモータ222からの回転を受けたピニオンが正方向または逆方向に回転することによって、ライン体支持部221が、+Z軸方向または-Z軸方向に移動する。
【0087】
図5から図7は、図1中の加工機械におけるワークの加工流れを模式的に示す正面図である。
【0088】
図5から図7を参照して、加工機械100は、レーザツール格納部191と、ヘッド格納部192とをさらに有する。レーザツール格納部191は、複数のレーザツール133を格納可能なように構成されている。ヘッド格納部192は、ワークの除去加工時に、工具主軸121から分離された付加加工用ヘッド131を格納可能なように構成されている。
【0089】
レーザツール格納部191およびヘッド格納部192は、加工エリア110の外部に設けられている。レーザツール格納部191は、X軸方向(上下方向)において、第1ワーク主軸111と、自動工具交換装置141の待機位置との間に設けられている。ヘッド格納部192は、第2ワーク主軸116の上方に設けられている。
【0090】
図5に示されるように、ワークWの付加加工時、付加加工用ヘッド131は、工具主軸121に装着される。工具主軸121がX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動することによって、付加加工用ヘッド131も、工具主軸121と一体となって加工エリア110内で移動する。これにより、付加加工用ヘッド131による付加加工の加工位置が3次元的に変位する。さらに、工具主軸121が、旋回軸504を中心に旋回することによって、付加加工用ヘッド131も工具主軸121と一体となって旋回軸504を中心に旋回する。これにより、付加加工用ヘッド131による付加加工の向き(ワークに対するレーザ光の照射方向)を自在に変化させることができる。
【0091】
付加加工用ヘッド131は、Z軸方向においてレーザツール格納部191と対向する位置に移動することによって、付加加工用ヘッド131に装着されたレーザツール133を、レーザツール格納部191に格納された別のレーザツール133と交換することが可能である。
【0092】
図6に示されるように、ワークWの付加加工に続いてワークWの除去加工を行なう場合、工具主軸121および付加加工用ヘッド131の接続を解除するとともに、サドル161に対するライン体支持部221の接続を解除する。ライン体支持部221と一体の付加加工用ヘッド131を、ライン体支持部221に備えられた自走機構によって、加工エリア110内から加工エリア110外のヘッド格納部192に移動させる。
【0093】
一方、付加加工用ヘッド131が分離された工具主軸121を、基準姿勢から旋回軸504を中心に90°旋回させる。自動工具交換装置141を待機位置から加工エリア110内における機内側工具交換位置まで移動させる。自動工具交換装置141によって、自動工具交換装置141に把持された工具Taを工具主軸121に装着する。自動工具交換装置141を、機内側工具交換位置から待機位置に移動させることにより、工具主軸121に対する工具の装着が完了する。
【0094】
なお、機内側工具交換位置は、工具交換開始時における工具主軸121の位置から機内側工具交換位置までの工具主軸121の移動量が短くなるように適切に設定される。このように設定される機内側工具交換位置は、Z軸方向における任意の座標から選択されてもよいし、Z軸方向における複数の座標の候補から選択されてもよい。
【0095】
図7に示されるように、ワークWの除去加工時、付加加工用ヘッド131がヘッド格納部192に格納された状態において、工具主軸121に保持された工具Taによりワークをミーリング加工する。
【0096】
この間、自動工具交換装置141を待機位置からマガジン側工具交換位置に移動させ、マガジン側工具交換位置において工具マガジン171に格納された工具Tbを自動工具交換装置141に移す。工具Tbを把持した自動工具交換装置141を、マガジン側工具交換位置から待機位置に移動させることにより、工具主軸121における次の工具交換に備える。
【0097】
続いて、加工機械100のメンテナンス時などに用いられる安全帯接続部750と、その周りのカバー構造とについて説明する。
【0098】
図8および図9は、加工機械の外観を示す斜視図である。図8中には、加工機械100の前面側が示され、図9中には、加工機械100の後面側が示されている。図8および図9を参照して、加工機械100は、外装カバー710をさらに有する。外装カバー710は、加工機械100の外観をなしている。外装カバー710の内側には、内部空間706が区画形成されている。
【0099】
外装カバー710は、全体として、+Y軸方向を向く前面710aと、-Y軸方向を向く後面710bと、+Z軸方向を向く右側面710cと、-Z軸方向を向く左側面710dと、+X軸方向(上方)を向く上面710eとを有する箱形形状を有する。
【0100】
なお、図1中のスプラッシュガード181と、外装カバー710との関係について説明すると、スプラッシュガード181は、基本的には、外装カバー710の内側に設けられている。但し、前面710aに設けられ、加工エリア110の内部へのアクセス時に開閉される扉部711は、閉状態とされた場合に加工エリア110を区画形成するスプラッシュガード181と、加工機械100の外観をなす外装カバー710との両方を構成している。内部空間706は、スプラッシュガード181によって、加工エリア110と隔てられている。
【0101】
加工機械100は、歩廊712と、ラダー714とをさらに有する。歩廊712は、作業者が歩行可能なように構成されている。歩廊712は、加工機械100が設置される床面から上方に離れた位置に設けられている。歩廊712は、後面710bに設けられている。歩廊712は、後面710bから-Y軸方向に延出し、Z軸方向に沿って延びている。ラダー714は、歩廊712上に設けられている。ラダー714は、作業者が、歩廊712と、後述する踏み板716(図10を参照のこと)との間で昇降可能なように構成されている。
【0102】
外装カバー710は、開閉可能な蓋部721を有する。蓋部721は、加工機械100の天井部(上面710e)に配置されている。
【0103】
外装カバー710は、複数の蓋部721(721A,721B,721C,721D,721E,721F,721G,721H,721I,721J,721K,721L,721M,721N)を有する。蓋部721A,721B,721C,721D,721E,721F,721G,721H,721I,721J,721K,721L,721M,721Nは、互いに独立して開閉可能なように構成されている。
【0104】
蓋部721A,721B,721C,721D,721E,721F,721Gは、上面710eに配置されている。蓋部721A,721B,721C,721D,721E,721F,721Gは、挙げた順に、-Z軸方向に並んでいる。蓋部721A,721B,721C,721D,721E,721F,721Gの各々は、Y軸-Z軸平面に平行な板材から構成されている。
【0105】
蓋部721H,721I,721J,721K,721L,721Mは、上面710eおよび後面710bの角部に配置されている。蓋部721H,721I,721J,721K,721L,721Mは、挙げた順に、-Z軸方向に並んでいる。蓋部721Hおよび蓋部721Mの各々は、Y軸-Z軸平面、X軸-Y軸平面およびX軸-Z軸平面に平行な3つの面を含む板材から構成されている。蓋部721I,721J,721K,721Lの各々は、Y軸-Z軸平面およびX軸-Z軸平面に平行な2つの面を含む板材から構成されている。
【0106】
蓋部721I,721J,721K,721L,721Mは、それぞれ、Y軸方向において、蓋部721C,721D,721E,721F,721Gと隣り合って設けられている。
【0107】
蓋部721Nは、上面710eに配置されている。蓋部721Nは、Y軸方向において、蓋部721Bと隣り合って設けられている。蓋部721Hは、Y軸方向において、蓋部721Nと隣り合って設けられている。蓋部721Nは、Y軸方向において、蓋部721Bおよび蓋部721Hの間に位置している。蓋部721Nは、Y軸-Z軸平面に平行な板材から構成されている。
【0108】
図10は、図9中の外装カバーを支持するためのフレーム構造を示す斜視図である。図10中では、上面710eおよび後面710bにおける外装カバー710が部分的に取り外されている。
【0109】
図9および図10を参照して、加工機械100は、複数の第1柱部741と、踏み板716と、複数の第2柱部742と、第1梁部(フレーム部)751と、複数の第2梁部746とをさらに有する。複数の第1柱部741、踏み板716、複数の第2柱部742、第1梁部751と、複数の第2梁部746は、外装カバー710の内側の内部空間706に配置されている。
【0110】
踏み板716は、加工機械100が設置される床面から上方に離れた位置に設けられている。踏み板716は、歩廊712から、+Y軸方向、かつ、+X軸方向(上方)にずれた位置に設けられている。踏み板716は、蓋部721H,721I,721J,721K,721L,721M,721Nの内側に設けられている。踏み板716は、Y軸-Z軸平面に平行な板材から構成されている。踏み板716は、Z軸方向に沿って延びている。
【0111】
第1柱部741は、加工機械100が設置される床面から上方に向けて延びる柱形状を有する。複数の第1柱部741は、Z軸方向において互いに間隔を設けて配置されている。複数の第1柱部741の上端部は、踏み板716に接続されている。複数の第1柱部741は、踏み板716を支持している。
【0112】
第1梁部751は、踏み板716から上方に離れて位置に設けられている。第1梁部751は、X軸方向において、踏み板716と対向している。第1梁部751は、水平方向に延びている。第1梁部751は、Z軸方向に沿って延びる梁形状を有する。
【0113】
第1梁部751は、閉断面のパイプ材からなる。第1梁部751は、Z軸方向に直交する平面により切断された場合に、矩形形状の閉断面を有する。
【0114】
Z軸方向における加工エリア110の長さ領域は、Z軸方向における第1梁部751の長さ領域に含まれている。第1梁部751は、ライン体支持部221よりも上方に設けられている。第1梁部751は、Y軸方向において、外装カバー710の前面710aよりも後面710b寄りの位置に設けられている。第1梁部751は、ライン体支持部221よりも-Y軸方向にずれた位置に設けられている。第1梁部751は、上面視において、複数の蓋部721B,721C,721D,721E,721F,721Gと、複数の蓋部721N,721I,721J,721K,721L,721Mとの境界をなす直線上に重なって延びている。
【0115】
第2梁部746は、Y軸方向に延びる梁形状を有する。複数の第2梁部746は、Z軸方向において互いに間隔を設けて配置されている。-Y軸方向における第2梁部746の端部(後端部)は、第1梁部751と対向している。
【0116】
複数の第2柱部742は、踏み板716から上方に向けて延びる柱形状を有する。複数の第2柱部742は、Z軸方向において互いに間隔を設けて配置されている。複数の第2柱部742の上端部は、第1梁部751および複数の第2梁部746に接続されている。複数の第2柱部742は、第1梁部751および複数の第2梁部746を支持している。
【0117】
蓋部721A,721D,721E,721F,721G,721N,721I,721J,721K,721L,721Mは、第1梁部751により支持されている。-Y軸方向における蓋部721A,721D,721E,721F,721Gの端部(後端部)は、第1梁部751に載置されている。+Y軸方向における蓋部721N,721I,721J,721K,721L,721Mの端部(前端部)は、第1梁部751に載置されている(後出の図14も参照のこと)。
【0118】
図11は、図10中の2点鎖線XIで囲まれた範囲の安全帯接続部を示す分解組み立て図である。図12は、図10中の安全帯接続部の使用方法を示す図である。図10から図12を参照して、加工機械100は、安全帯接続部750を有する。
【0119】
安全帯接続部750は、第1梁部751と、ロープ756とを有する。ロープ756は、第1梁部751に沿って配索されている。ロープ756は、Z軸方向に延びている。
【0120】
ロープ756は、第1梁部751に固定されている。第1梁部751には、複数のタブ752が取り付けられている。複数のタブ752は、Z軸方向において離れた位置に設けられている。タブ752には、ロープ挿入孔753が設けられている。ロープ756の両端は、ロープ挿入孔753に挿入された状態でタブ752に留め付けられている。
【0121】
安全帯761は、高所で作業する作業者の墜落を防止する保護具である。安全帯接続部750は、作業者に装着された安全帯761を接続可能なように構成されている。
【0122】
より具体的には、作業者は、安全帯761に設けられたフック762をロープ756に掛けることによって、安全帯761を安全帯接続部750に接続する。作業者は、フック762をロープ756に掛けたまま、ロープ756が延びるZ軸方向に沿って移動可能である。
【0123】
本実施の形態では、第1梁部751が閉断面のパイプ材からなるため、安全帯接続部750の剛性を十分に高めることができる。
【0124】
なお、安全帯接続部750の構造は、上記構成に限られず、たとえば、第1梁部751にロープ756が固定されておらず、安全帯761のフック762を直接、第1梁部751に掛ける構成であってもよい。
【0125】
図13は、図9中の蓋部が開状態とされた場合の加工機械を示す斜視図である。図14は、図9中のXIV-XIV線上の矢視方向に見た加工機械を示す断面図である。図15は、図9中のXV-XV線上の矢視方向に見た加工機械を示す断面図である。
【0126】
図9および図13から図15を参照して、加工機械100は、第1支持部770をさらに有する。第1支持部770は、蓋部721Bおよび蓋部721Cをスライド可能に支持している。第1支持部770は、蓋部721Bおよび蓋部721CをZ軸方向においてスライド可能に支持している。
【0127】
図13および図14に示されるように、第1支持部770は、第1レール771と、第1回転ローラ774および第2回転ローラ775とを有する。第1レール771と、第1回転ローラ774および第2回転ローラ775とにより、-Y軸方向における蓋部721Aの端部(後端部)が支持されている。
【0128】
第1レール771は、蓋部721Aおよび蓋部721Dの間に渡って、Z軸方向に延びている。第1レール771は、蓋部721Aおよび蓋部721Dにより支持されている。第1レール771には、第1溝部772と、第2溝部773とが設けられている。第1溝部772は、+Y軸方向を向いて開口し、Z軸方向に延びている。第2溝部773は、+X軸方向(上方)を向いて開口し、Z軸方向に延びている。
【0129】
第1回転ローラ774および第2回転ローラ775は、蓋部721Bに取り付けられている。第1回転ローラ774は、Y軸方向に延びる回転軸541を中心に回転可能なように設けられている。第1回転ローラ774は、第1溝部772に嵌合されている。第2回転ローラ775は、X軸方向に延びる回転軸542を中心に回転可能なように設けられている。第2回転ローラ775は、第2溝部773に嵌合されている。
【0130】
図15に示されるように、第1支持部770は、第2レール776と、第3回転ローラ778とをさらに有する。第2レール776と、第3回転ローラ778とによって、+Y軸方向における蓋部721Aの端部(前端部)が支持されている。
【0131】
第2レール776は、Z軸方向に延びている。第2レール776には、第3溝部777が設けられている。第3溝部777は、-Y軸方向を向いて開口し、Z軸方向に延びている。第3回転ローラ778は、Y軸方向に延びる回転軸543を中心に回転可能なように設けられている。第3回転ローラ778は、第3溝部777に嵌合されている。
【0132】
このような構成により、蓋部721Bは、Z軸方向にスライド動作が可能とされている。また、蓋部721Cにも、第1回転ローラ774、第2回転ローラ775および第3回転ローラ778に対応する複数の回転ローラが取り付けられている。蓋部721Cは、蓋部721Aと同様の支持構造によって、Z軸方向にスライド動作が可能とされている。
【0133】
図9および図13に示されるように、蓋部721Bおよび蓋部721Cの閉状態において、蓋部721Bおよび蓋部721CがZ軸方向において互いに当接する。蓋部721Bが+Z軸方向にスライド移動され、蓋部721Aの上方に位置決めされ、蓋部721Cが-Z軸方向にスライド移動され、蓋部721Dの上方に位置決めされることによって、蓋部721Bおよび蓋部721Cが開状態とされる。
【0134】
図9および図13を参照して、加工機械100は、第2支持部726をさらに有する。第2支持部726は、蓋部721Hを回動可能に支持している。第2支持部726は、X軸方向(上下方向)に平行な回動軸531を中心にして蓋部721Hを回動可能に支持している。たとえば、第2支持部726には、複数のヒンジ727が用いられている。
【0135】
蓋部721Hの閉状態において、蓋部721Hは、Z軸方向において蓋部721Iと並ぶように位置決めされる。蓋部721Hが回動軸531を中心に回動され、蓋部721Iから離間した場合に、蓋部721Hが開状態とされる。
【0136】
蓋部721Nの閉状態において、蓋部721Nは、図示しないボルトを用いて、蓋部721Nに隣接する外装カバー710および第1梁部751に取り付けられている。ボルトを緩めて蓋部721Nを外装カバー710および第1梁部751から取り外すことによって、蓋部721Nは開状態とされる。
【0137】
図16は、蓋部が開状態とされた場合に生じる開口部と、安全帯接続部と、ライン体支持部との位置関係を示す斜視図である。
【0138】
図13および図16を参照して、蓋部721B、蓋部721C、蓋部721Hおよび蓋部721Nが開状態とされた場合に、外装カバー710に開口部780が生じる。内部空間706と、内部空間706の外側の空間とは、開口部780を通じて連通している。開口部780は、+X軸方向(上方)と、-Y軸方向とを向いて開口している。
【0139】
安全帯接続部750は、開口部780を通じて内部空間706の外側に露出している。安全帯接続部750は、Z軸方向における第1梁部751およびロープ756の長さ領域の一部において、内部空間706の外側に露出する。安全帯接続部750は、Y軸方向およびX軸方向において、開口部780がなす開口面と対向している。
【0140】
第1梁部751は、開口部780がなす開口面に沿ってZ軸方向に延びている。第1梁部751は、開口部780がなす開口面の直下に配置されている。
【0141】
蓋部721B、蓋部721C、蓋部721Hおよび蓋部721Nが開状態とされた場合に、ライン体支持部221が、開口部780を通じて内部空間706の外側に露出している。ライン体支持部221は、X軸方向において、開口部780がなす開口面と対向している。ライン体支持部221上の空間は、開口部780を通じて+X軸方向(上方)に開放されている。
【0142】
蓋部721B、蓋部721C、蓋部721Hおよび蓋部721Nが開状態とされた場合に、踏み板716が、開口部780を通じて内部空間706の外側に露出している。踏み板716は、X軸方向において、開口部780がなす開口面と対向している。踏み板716上の空間は、開口部780を通じて-Y軸方向および+X軸方向(上方)に開放されている。
【0143】
上面視において、ライン体支持部221は、安全帯接続部750(第1梁部751およびロープ756)を挟んで踏み板716の反対側に位置している。
【0144】
図9図13および図16を参照して、張力付与機構335、連結機構380、第1案内機構370および第2案内機構360等を含むライン体支持部221にメンテナンスの必要性が生じる場合がある。
【0145】
この場合に、作業者は、ライン体支持部221をZ軸方向に移動させて、蓋部721Bおよび蓋部721Cの直下に位置決めする。作業者は、歩廊712およびラダー714を通って、ラダー714の最上段に立つ。
【0146】
作業者は、蓋部721Hを回動軸531を中心に回動させ、蓋部721Nを外装カバー710から取り外すことによって、蓋部721Hおよび蓋部721Nを開状態とする。作業者は、蓋部721Bを+Z軸方向にスライド移動させ、蓋部721Cを-Z軸方向にスライド移動させることによって、蓋部721Bおよび蓋部721Cを開状態とする。
【0147】
作業者は、自らの体に装着した安全帯761のフック762を安全帯接続部750のロープ756に掛ける。作業者は、開口部780を通じてライン体支持部221のメンテナンスを行なう。
【0148】
本実施の形態では、外装カバー710に開閉可能な蓋部721B,721C,721H,721Nが設けられるとともに、安全帯接続部750が、これら蓋部721B,721C,721H,721Nを開状態とした場合に生じる開口部780を通じて内部空間706の外側に露出する位置に設けられている。このため、作業者は、蓋部721B,721C,721H,721Nを開状態することによって、自らの体に装着した安全帯761のフック762を安全帯接続部750のロープ756に掛けることが可能となる。これにより、作業者が安全帯761を使用する際の作業性を良好にできる。
【0149】
また、安全帯接続部750は、加工機械100の外観をなす外装カバー710の内側に配置されている。このため、安全帯接続部750が加工機械100の最大機械寸法(高さ)に影響を与えることがなく、加工機械100の小型化を図ることができる。
【0150】
また、本実施の形態では、蓋部721Bおよび蓋部721Cがスライド可能に支持され、蓋部721Hが回動可能に支持されている。このような構成により、蓋部721B、蓋部721Cおよび蓋部721Hを容易に開閉することが可能となるため、作業者が安全帯761を使用する際の作業性をさらに良好にできる。
【0151】
また、蓋部721Nは、安全帯接続部750の第1梁部751により支持されている。このような構成によれば、第1梁部751は、蓋部721Nの直ぐ裏側に配置されることになるため、蓋部721Nが開状態とされた場合に生じる開口部780を通じて安全帯接続部750が露出する構成を容易に得ることができる。加えて、外装カバー710を支持するための第1梁部751を、安全帯761を接続するための安全帯接続部750で共用することによって、部品点数の削減を図ることができる。
【0152】
また、第1梁部751は、開口部780がなす開口面に沿って一方向に延びている。このため、第1梁部751が開口部780がなす開口面を大きく塞ぐことを抑制できる。これにより、作業者は、開口部780を通じてのライン体支持部221のメンテナンスを行ない易くなる。
【0153】
なお、本実施の形態では、複数の蓋部721のうちの蓋部721B,721C,721H,721Nを開状態として、ライン体支持部221のメンテナンスを行なう場合を説明したが、これは一例である。
【0154】
メンテナンスの対象は、ライン体支持部221に限られず、たとえば、自動工具交換装置141またはスライドカバー351等であってもよい。蓋部721B,721C,721Hを除く蓋部721は、ボルトを用いて、第1梁部751および第2梁部746等の加工機械100の本体側に取り付けられている。蓋部721B,721C,721Hを除く蓋部721は、ボルトを緩めることによって、加工機械100の本体側から取り外し可能である。作業者は、メンテナンス対象の位置に応じて、複数の蓋部721のうちの少なくとも1つの蓋部721を開状態とすることにより、適当な位置に開口部を設けることができる。
【0155】
以上に説明した、この発明の実施の形態における加工機械100の構造についてまとめると、本実施の形態における加工機械100は、加工機械100の外観をなし、内部空間706を区画形成する外装カバー710と、内部空間706に配置され、安全帯761を接続可能な安全帯接続部750とを備える。外装カバー710は、開閉可能な蓋部721を含む。安全帯接続部750は、蓋部721が開状態とされた場合に外装カバー710に生じる開口部を通じて内部空間706の外側に露出する。
【0156】
このように構成された、この発明の実施の形態における加工機械100によれば、作業者が安全帯761を使用する際の作業性を良好にするとともに、加工機械100を小型化することができる。
【0157】
なお、本実施の形態では、旋削機能とミーリング機能とを有する複合加工機をベースにAM/SMハイブリッド加工機を構成した場合について説明したが、このような構成に限られず、たとえば、ミーリング機能を有するマシニングセンタをベースにAM/SMハイブリッド加工機を構成してもよい。また、本発明は、AM/SMハイブリッド加工機に限られず、旋盤、マシニングセンタ、または、旋削機能とミーリング機能とを有する複合加工機に適用されてもよい。
【0158】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明は、たとえば、AM/SMハイブリッド加工機、旋盤、マシニングセンタまたは複合加工機等に適用される。
【符号の説明】
【0160】
100 加工機械、110 加工エリア、111 第1ワーク主軸、116 第2ワーク主軸、121 工具主軸、122 主軸端面、123 側面部、124 前面部、131 付加加工用ヘッド、132 ヘッド本体、133 レーザツール、136 円盤部、141 自動工具交換装置、143 昇降アーム、144 ダブルアーム、151 ベッド、152 第1縦フレーム、153 第2縦フレーム、154 第1横フレーム、155,312 レール、156 ラック、161 サドル、162 クロススライド、163 ラム、171 工具マガジン、181 スプラッシュガード、191 レーザツール格納部、192 ヘッド格納部、210 ライン体、211 フレキシブルチューブ、211p 一方端、211q 他方端、221 ライン体支持部、222 サーボモータ、311 第2横フレーム、331 基台、332 滑車部、333 コイルバネ、334 ブラケット、335 張力付与機構、336,381 ブロック、341 材料粉末供給装置、342 レーザ発振装置、351 スライドカバー、352 ライン体挿入孔、360 第2案内機構、370 第1案内機構、372 スライダー、380 連結機構、382 エアシリンダ、501,502,503,526,541,542,543 回転軸、504,505 旋回軸、531 回動軸、706 内部空間、710 外装カバー、710a 前面、710b 後面、710c 右側面、710d 左側面、710e 上面、711 扉部、712 歩廊、714 ラダー、716 踏み板、721,721A,721B,721C,721D,721E,721F,721G,721H,721I,721J,721K,721L,721M,721N 蓋部、726 第2支持部、727 ヒンジ、741 第1柱部、742 第2柱部、746 第2梁部、750 安全帯接続部、751 第1梁部、752 タブ、753 ロープ挿入孔、756 ロープ、761 安全帯、762 フック、770 第1支持部、771 第1レール、772 第1溝部、773 第2溝部、774 第1回転ローラ、775 第2回転ローラ、776 第2レール、777 第3溝部、778 第3回転ローラ、780 開口部。
図1
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