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特許7372462回転印刷装置によって、吸収性物品のための材料に印刷されるパターンを位置合わせするための方法
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  • 特許-回転印刷装置によって、吸収性物品のための材料に印刷されるパターンを位置合わせするための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】回転印刷装置によって、吸収性物品のための材料に印刷されるパターンを位置合わせするための方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 5/24 20060101AFI20231024BHJP
   B41M 1/04 20060101ALI20231024BHJP
   B01J 13/14 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
B41F5/24
B41M1/04
B01J13/14
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022520254
(86)(22)【出願日】2019-10-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-12
(86)【国際出願番号】 SE2019050943
(87)【国際公開番号】W WO2021066686
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リーサ・パルムクヴィスト
(72)【発明者】
【氏名】アンナ・クネス
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-506331(JP,A)
【文献】特開平09-123393(JP,A)
【文献】特表2016-509528(JP,A)
【文献】特表2015-520049(JP,A)
【文献】特表2018-519094(JP,A)
【文献】特開2005-080827(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0092942(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 5/00 - 13/70
B41M 1/00 - 3/18
B41M 7/00 - 9/04
A61F 13/15 - 13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転印刷装置によって、吸収性物品のための材料に印刷されるパターンを位置合わせするための方法であって、
a. 第1の組成物を第1のチャンバから提供するステップと、
b. 検出可能物質を含む第2の組成物を第2のチャンバから提供するステップと、
c. その際に、前記第1のチャンバからの前記第1の組成物と、前記第2のチャンバからの前記第2の組成物とは、同じアニロックスローラに供給される、または、同じ回転印刷シリンダに直接的に供給され、
d. 回転印刷シリンダによって、吸収性物品のための材料に前記第1の組成物および前記第2の組成物を印刷するステップと、
を含んでなり、
前記第1の組成物が、皮膚に有益な物質、接着剤、冷却または熱発生の物質、抗菌物質から選択される機能性物質を含み、
前記第2の組成物が、紫外線蛍光または可視光スペクトルで光を放つ検出可能物質を含み、
前記第2の組成物は、前記第1の組成物も含む
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとは、2つに分かれた区画を備えた1つのチャンバに結合されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各々のチャンバが、前記アニロックスローラまたは前記回転印刷シリンダに組成物を供給するための出口を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の組成物が、前記材料の第1の縁から0.1mmより大きいところから、前記材料の幅の最大99%まで印刷され得ることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
同期印を除去する追加のステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の組成物および前記第2の組成物は、異なる印刷パターンで印刷されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の組成物および前記第2の組成物は、異なる頻度で印刷されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の組成物および/または前記第2の組成物は、マイクロカプセルを含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の組成物および/または前記第2の組成物は、皮膚に有益な物質の水エマルジョンを含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の組成物および/または前記第2の組成物は、水性インクを含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記吸収性物品が、女性用または軽度失禁用のナプキンまたはパッドであることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸収性物品のための材料に印刷するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキン、パンティライナ、およびオムツなどの吸収性物品は、物品の股部における吸収性コアの場所など、物品の様々な区域を目立たせるために、色付き領域を含むことがある。インクが、物品の製作の前に、物品の表シート材料、任意の他の材料、もしくは任意の他の層に印刷され、または、インライン印刷され得る。ローションなどの局所的な添加物が、物品の使用者にとって有益な皮膚状態を提供するために、物品に添加されてもよい。国際公開第2017/007398号(特許文献1)は、フレキソ印刷などの回転印刷装置によるインクおよび添加物の追加を開示している。皮膚に有益な物質/添加物のフレキソ印刷は、吸収性物品のための材料に物質を添加するための大きな能力を可能にする。皮膚に有益な物質は、人の身体に直接的に位置付けられるものである。吸収性物品のための材料への添加物の添加のための印刷方法を改善する必要性がなおもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/007398号
【非特許文献】
【0004】
【文献】Handbook of print media: technologies and production methods(/ed. Helmut Kipphan; Springer、2001; ISBN 978-3-540-29900-4)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、吸収性物品の製作のための材料に関連し、回転印刷装置のための印刷同期化のための解決策を提供する。
【0006】
本発明は、請求項1による、回転印刷装置によって、吸収性物品のための材料に印刷されるパターンを位置合わせするための方法を検討している。方法は、第1の組成物を第1のチャンバから提供するステップと、検出可能物質を含む第2の組成物を第2のチャンバから提供するステップと、その際に、第1のチャンバからの第1の組成物と、第2のチャンバからの第2の組成物とは、同じアニロックスローラに供給される、または、同じ回転印刷シリンダに直接的に供給され、回転印刷シリンダによって、吸収性物品のための材料に第1の組成物および第2の組成物を印刷するステップとを含む。
【0007】
第1のチャンバと第2のチャンバとは、2つに分かれた区画を備えた1つのチャンバに結合されてもよい。第1のチャンバおよび第2のチャンバはアニロックスローラに対して水平に配向され得る。第1のチャンバおよび第2のチャンバはアニロックスローラに対して鉛直に配向されてもよく、チャンバからの出口はアニロックスローラに対して水平に配向され得る。
【0008】
回転印刷装置はフレキソ印刷装置であり得る。
【0009】
アニロックスローラは縞模様(banded)にされてもよい。縞模様にされたアニロックスローラは、第1の組成物および第2の組成物のそれぞれについて、異なる転移量および/または線数を有し得る。異なる転移量または線数を伴う領域が、転移のない領域/帯によって分離され得る。
【0010】
第1の組成物は機能性物質を含み得る。第1の組成物は、皮膚に有益な物質、接着剤、冷却または熱発生の物質、抗菌物質から選択される機能性物質を含み得る。第1の組成物は、皮膚に有益な物質の水エマルジョンを含み得る。第1の組成物はマイクロカプセルを含み得る。第1の組成物は水性インクを含んでもよい。第1の組成物は、上記のもののいずれかの混合物を含み得る。
【0011】
第2の組成物は、紫外線スペクトルまたは可視光スペクトルで光を放つ検出可能物質を含み得る。検出可能物質を含む第2の組成物は、先に言及された第1の組成物を含み得る。
【0012】
第1の組成物と第2の組成物とは異なる印刷パターンで印刷され得る。第1の組成物と第2の組成物とは異なる頻度で印刷され得る。
【0013】
第1の組成物は、材料の第1の縁から0.1mmより大きいところから、材料の幅の95%、80%など、材料の幅の最大99%まで印刷され得る。第2の組成物は、材料の第2の縁から0.1mmより大きいところから、材料の幅の40%未満、30%未満、20%未満など、材料の幅の最大50%まで印刷され得る。
【0014】
検出可能物質は同期印を形成してもよい。同期印の大きさは、1mmより大きく、50mmより小さいなど、0.1mmより大きくてもよい。同期印の大きさは10x20mmであり得る。
【0015】
検出可能物質は、センサまたはカメラを用いて検出され得る。吸収性物品のための材料は、パーソナルケアの用途のために、吸収性物品へのインライン変換を用いて変換され得る。
【0016】
方法は、同期印を含む材料の縁部を切り落とすことによってなど、同期印を除去する追加のステップをさらに含み得る。
【0017】
吸収性物品のための材料は、不織、エアレイド、膜、積層体、ハイロフト不織、セルロース組織、またはそれらの組み合わせであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示による回転印刷装置を示している。
図2】本開示による、第1の組成物および第2の組成物で印刷された、吸収性物品のための材料を示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示による印刷方法は、回転印刷装置のための2つのチャンバ、または、2つの異なる区画を備えた1つのチャンバを使用する。印刷機器は、フレキソ印刷装置の場合、印刷方法のための同じアニロックスローラ、ステロタイプ、および印刷シリンダを使用するが、印刷組成物を同じアニロックスローラに供給するために2つの異なるチャンバを使用する。第1のチャンバは、皮膚に有益な物質/添加物を含み得る組成物を含むことができ、第2のチャンバは、吸収性物品のための材料に検出可能な同期印を形成するために、紫外線蛍光インクなどの検出可能物質を含む組成物を含み得る。
【0020】
印刷方法は、皮膚に有益な物質/添加物を含み得る第1の組成物のパターンをほとんどの部分において含む材料の製作を可能にするが、材料の少なくとも横断縁部は、紫外線蛍光インクのインク印刷された同期印など、検出可能物質を含む組成物を含み得る。同期印は、吸収性物品のさらなる加工において、添加物を含み得る第1の組成物を含む材料の部分を、吸収性物品の所定の場所に同期させるための助けとなり得る。検出可能物質を持つ不織材料の縁部分は、必要な場合、物品の加工の間に後で除去され得る。第2のチャンバは第1のインクチャンバと同じ組成物を含んでもよく、これは、吸収性物品の使用者との接触との目的のための材料の部分と干渉しない一方で、材料への添加物の添加量の容易な測定および制御を可能にする。
【0021】
本明細書で使用されるとき、「有益な物質」は、物理的、医学的、薬理的、化学的、皮膚科学的、または感情的な有益さを物品の使用者に与える有益な添加物を意味する。
【0022】
一実施形態によれば、「有益な物質」は、香りまたは芳香によってもたらされる以外の物理的、医学的、薬理的、化学的、皮膚科学的、または感情的な有益さを物品の使用者に与える有益な添加物を意味する。
【0023】
有益な物質は皮膚に有益な添加物であり得る。
【0024】
本明細書で使用されるとき、「吸収性物品」は、生理用ナプキン、パンティライナ、失禁用パッド、失禁用オムツ、女性用オムツ、ベルト付きオムツ、乳幼児用オムツから選択される物品を意味する。
【0025】
組成物は、少なくとも結合剤および有益な物質を含み得る。組成物は、当業者に知られている標準製剤であり得るインクをさらに含み得る。インクは、水性または溶剤型とでき、着色顔料もしくは染料を含み得る、または無色であり得る。インクは、溶媒、共溶媒、および加工助剤など、当業者によく知られている典型的な印刷添加物も含み得る。溶媒は、数ある中でも、アルコール、エステル、アルデヒド、および水を含み得る。結合剤は、限定されることはないが、ポリマ、樹脂、エマルジョン、および、スチレン、アクリレート、アセテート、アルキド、ポリウレタン、ニトロセルロースまたは他のセルロースの誘導体、ポリグリコール、ポリビニルブチレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、およびそれらの誘導体に基づく混合物、またはそれらの混合物であり得る。分散剤、界面活性剤、湿潤助剤、消泡剤、泡止め剤、ワックス、シリコーン、粘度調整剤、pH調整剤、滑り止め剤、および防腐剤などの構成物質も、有益な添加物のうちの1つまたは複数と一緒にインク製剤に存在してもよい。インク組成物における結合剤は、インクの硬化を確保する。
【0026】
有益な物質は、マイクロカプセルとされてもよく、エマルジョンとして、または、粉末として、インクに加えられてもよい。結果的にできたインク組成物におけるマイクロカプセルの濃度、および吸収性物品に適用されるインク組成物の量は、所定の実験によって当業者により決定され、各々の特定の使用に向けて策定され得る。マイクロカプセルの濃度は、使用される有益な物質と、物品の所望の効果とに依存する。吸収性物品に適用されるインクの量は、インクの組成物と、物品における所望のパターンとに依存する。必要とされるインクの量は、表面の吸収性にも依存して変化し得る。
【0027】
物品におけるマイクロカプセルの濃度は、少なくとも0.001g/m、少なくとも0.01g/m、または少なくとも0.1g/mで、5g/m未満、1.0g/m未満、または0.6g/m未満であり得る。物品におけるマイクロカプセルの濃度は、0.001~5g/m、0.01~1g/m、または0.05~0.6g/mの間の範囲であり得る。
【0028】
加えられるマイクロカプセルの大きさは、少なくとも1μm、少なくとも5μm、または少なくとも10μmであって、100μm未満、70μm未満、または40μm未満であり得る。マイクロカプセルの大きさは1~100μmの間の範囲であり得る。マイクロカプセルの大きさは5~70μmであり得る。マイクロカプセルの大きさは10~40μmであり得る。
【0029】
添加物のマイクロカプセル化の技術は、化粧品などの他の使用について知られている。このようなマイクロカプセルを製作する会社の例としては、Devan Chemicals(ベルギー)、Encapsys(米国)、Micro Capsule Technologies(仏国)、Robert Blondel(仏国)、Salvona Technologies(米国)である。
【0030】
マイクロカプセル化は、分散、乾燥粉末、または油中水形エマルジョンを作り出すために、水中油形エマルジョンにおいて重合を通じて行われ得る。マイクロカプセル材料は、当業者に知られている材料のものであり得る。典型的なシェル材料は、ポリマ、メラミン、およびシリカに基づく組成物を含む。一実施形態では、マイクロカプセル材料は、シリコーンおよびメラミンポリマの合成物である。カプセル材料は、アルギン酸塩などの天然由来のものであり得る。
【0031】
有益な物質は、植物、ハーブ、果物、種、スパイス、および油からの抽出物から選択され得る。
【0032】
有益な物質は、疎水性または脂溶性の物質または添加物であり得る。
【0033】
有益な物質は、アーモンド油、アルガン油、ゴマ種子油、ホホバ油、ぶどう種子油、シアバター、オリーブ油、ココナッツ油、アボカド油、リモネン、リナロール、ゲラニオール、シトラール、クマリン、ハイビスカス、真正ラベンダー、キンセンカ、カモミール、ペパーミント、サンダルウッド、桃、マンゴー、アンズ、シーバックソーン、コーヒー、バニラ、チョコレート、メントール、キシリトールから選択され得る。
【0034】
有益な物質は、カルバミド、グリセリン、ジメチコン、トコフェロール(ビタミンE)、アスコルビン酸(ビタミンC)、アラントイン、チモール、サリチル酸塩から選択されてもよい。
【0035】
有益な物質のマイクロカプセル化の利点は、インクと適合することができない物質がマイクロカプセルとして追加され、適切に分散させられることである。さらなる利点は、物質の放出が物品の使用の間に漸進的であり、もしあれば芳香が、製造動作および保管時において低減される。
【0036】
組成物は印刷によって適用される。印刷によって、本明細書では、基材上に被覆または他の乾燥した層を形成するための流体の正確な適用を意味する。正確とは、媒体が、噴霧または押出技術を用いるときなど、粗末に制御される様態でではなく、基材における指定された領域に置かれることを意味する。印刷は、例えば、フレキソ印刷、スクリーン印刷、または輪転グラビア印刷といった、回転印刷装置によるものである。印刷技術は、「Handbook of print media: technologies and production methods」(/ed. Helmut Kipphan; Springer、2001; ISBN 978-3-540-29900-4)(非特許文献1)においてさらに記載されている。
【0037】
組成物は、フレキソ印刷によってなど、同期インライン印刷技術によって適用されてもよく、組成物の正確な配置を可能にする。
【0038】
印刷のステップは、吸収性物品を製造する工程におけるインラインステップとして組み込まれ得る、または、層はオフラインで印刷され得る。吸収性物品の構成要素の組み立ての前または最中に層を印刷することも可能である。
【0039】
印刷の後、組成物がほとんど瞬時に乾燥するように溶剤は蒸発する。しかしながら、高温空気を印刷された表面に吹き付けるなど、乾燥ステップが追加されてもよい。
【0040】
組成物は、望まれるように選択された領域に、任意の所望のパターンで適用されてもよい。本方法は、非常に正確なパターンならびに細かい線および点を形成させることができる。
【0041】
吸収性物品に配置されるとき、上シートは、身体を向く表面と、衣服を向く表面とを有する。組成物は、表面の一方または両方に適用され得る。インク組成物を、身体を向く表面に適用することで、使用者は、有益な物質への直接的なアクセスを得る。
【0042】
組成物の場所に依存して、様々な有利な機能上の効果が得られる。異なる機能のパターンの例が以下に提供されている。これらのパターンは、個々に使用できるが、当然ながら、吸収性物品の所望の特性を達成するために有利に組み合わせることができる。
【0043】
組成物は、
- 股部分の長手方向側縁に沿って、
- 股部分の中心領域、
- 前部分の中心領域、
- 後部分の中心領域
から選択される物品の領域または帯域に印刷され得る。
【0044】
吸収性物品は、物品の各々の長手方向側縁から延在する羽根部をさらに備えてもよく、組成物が羽根部の領域に印刷され得る。
【0045】
印刷された領域または帯域は、楕円形、円形、三日月形、ハート形、矢印形などを有する領域または帯域とされ、特有の機能を与えるために製品の特定の領域に配置され得る。
【0046】
吸収性物品は、少なくとも表シート層を備え、望まれる場合には、裏面シート層と、表シート層と裏シート層との間に配置される吸収層と、を備える。吸収性物品の各々の層は、衣服を向く表面と身体を向く表面とを有し、組成物は前記表面のいずれかに適用され得る。組成物は、表シートの下方に位置付けられる取得層に加えられ得る。
【0047】
検出可能物質は、水性インク、光学光沢剤、光学増白剤(OBA)、蛍光増白剤(FBA)、または蛍光漂白剤(FWA)などのインクであり得る。
【0048】
吸収性物品は、不織、膜もしくはその積層体、または発泡体の身体を向く表シートと、液体不浸透性ポリマ膜材料、または膜および不織材料の積層体の裏シートと、パルプ、および/または超吸収性材料、および/または繊維ウェブを備える吸収層とを備え得る。
【0049】
裏シート材料は呼吸可能または呼吸不可能であり得る。裏シートは、使用の間に使用者から離れる方を向き、吸収性物品の身体を向く表シート層の反対である。留め付け手段が、裏シートの衣服を向く側に適用されてもよく、剥離紙またはシングルラップによって覆われ得る。
【0050】
マイクロカプセルの活性化は、機械的な活性化によって実施されてもよく、カプセルは、せん断力によって、または、接触における圧力によって破壊する。吸収性物品が使用されるとき、ミクロスフェアが使用者の動きによって破壊する。一部が材料においてさらに下に埋め込まれ、そのため、物品の使用中に物質のゆっくりと連続した有益な放出があるため、必ずしもすべてのマイクロカプセルが同時に破壊するわけではない。したがって、長く持続する効果が得られ得る。
【0051】
例えば、pHの変化、溶解、温度変化、浸透、光分解、超音波処理、生分解、拡散、および腐食など、機械的な破裂に加えてマイクロカプセルを活性化させる他の手段がある。
【0052】
印刷による適用は、例えば、添加物が、不織供給者によって一般的に使用される、いわゆるカクテルにおいて表シートにおけるスピン仕上げの構成物質として適用されるときと比較して、物品における選択された領域での繊細な印刷パターンの正確な配置を可能にする。
【0053】
本開示は、示された図および例を参照して、以下においてより詳細に説明される。
【0054】
図1は、フレキソ印刷装置の形態での回転印刷装置1を開示している。2つのチャンバ3、4、または、2つの分かれた区画3、4を伴うチャンバ2が、印刷組成物を、板シリンダ7に位置付けられる材料に印刷されるパターンを伴うステロタイプ5を有するアニロックスローラ6に供給する。図1では、第1のチャンバ3および第2のチャンバ4はアニロックスローラ6に対して鉛直に配向され、チャンバからの出口はアニロックスローラに対して水平に配向される(図示せず)。第1のチャンバ3および第2のチャンバ4はアニロックスローラに対して水平に配向され得る。
【0055】
図2は、機能性物質を含む組成物の印刷9と、紫外線光沢剤も含む同じ組成物を含む別の同期印刷10とを伴う、吸収性物品のための材料8を開示している。
【0056】
(実施例)
量は、下記で述べられていない場合、重量によって提供されている。
【0057】
(実施例1)
0.1%のUvitex NFW 紫外線光沢剤(Ciba Specialty Chemicals(オランダ))が、周囲温度において30分間にわたる撹拌機による連続的な混合において、シアバター(no. 6573、Micro Capsule Technologies(フランス))の活性物質を35%含むマイクロカプセルエマルジョンに加えられた。結果的にできた混合物は、フレキソ印刷装置と連結されている1つのチャンバに加えられた。紫外線光沢剤のない同じ種類のマイクロカプセルエマルジョンが、同じフレキソ印刷装置において第2のチャンバに加えられた。次に、両方の混合物が、2つのチャンバから来る両方の混合物のための同じアニロックスおよびステロタイプを用いて、300m/minでの同期フレキソ印刷を用いて、20g/mの表面重量で、不織のウェブの異なる領域に適用され、続いて高温空気での乾燥があり、その後、衛生使用のためのパーソナルケア製品を形成するために、取得層、コア、および裏シート材料への後続のインライン積層がある。紫外線センサ(キーエンス(日本))が、紫外線光沢剤を製品に位置合わせし、それによってまた、同じステロタイプで印刷された紫外線光沢剤なしのパターンを位置合わせするために、紫外線光沢剤を伴う印刷パターンの位置を検出するために使用された。
【0058】
(実施例2)
0.25%のMPI Bright 100紫外線光沢剤(MPI-Chemie(オランダ))が、周囲温度における30分間にわたっての撹拌機による連続的な混合において、アーモンド油(Captex Amande douces no. 20005、Robert Blondel(フランス))の活性物質を42%含むマイクロカプセルエマルジョンに加えられた。結果的にできた混合物は、フレキソ印刷装置と連結されている分割されたチャンバの一方の区画に加えられた。紫外線光沢剤のない同じ種類のマイクロカプセルエマルジョンが、分割されたインクチャンバの他方の区画に加えられた。次に、両方の混合物が、2つの分かれた区画から来る両方の混合物のための同じアニロックスおよびステロタイプを用いて、400m/minでの同期フレキソ印刷を用いて、15g/mの表面重量で、スパンボンド不織のウェブの異なる領域に適用され、続いて高温空気での乾燥があり、その後、衛生使用のためのパーソナルケア製品へのインライン変換がある。紫外線光沢剤が印刷された材料部分を、最終的な製品の形への切断において除去する前に、紫外線感知視覚カメラ(Accusentry(米国))が、紫外線光沢剤を製品に位置合わせし、それによってまた、同じステロタイプで印刷された紫外線光沢剤なしのパターンを位置合わせするために、紫外線光沢剤を伴う印刷パターンの位置を検出するために使用された。
【0059】
(実施例3)
90%の活性物質を伴うアロエベラ溶液(CCS(スウェーデン))が、フレキソ印刷装置と連結されている1つのチャンバに加えられた。水性インク(Kappaflex 96-3670、Kapp Chemie(ドイツ))が他のチャンバに加えられた。次に、両方の流体が、2つのチャンバから来る両方の混合物のための同じアニロックスおよびステロタイプを用いて、300m/minでの同期フレキソ印刷を用いて、21g/mの表面重量で、梳毛不織のウェブの異なる領域に印刷され、続いて高温空気での乾燥があり、その後、衛生使用のためのパーソナルケア製品へのインライン変換がある。色インクで印刷された材料部分を、最終的な製品の形への切断において除去する前に、センサ(SICK(ドイツ))が、印刷された色パターンを検出して製品における正しい位置で位置合わせし、それによってまた、同じステロタイプで印刷された透明なアロエベラパターンを位置合わせするために使用された。
【符号の説明】
【0060】
1 回転印刷装置
2 チャンバ
3 第1のチャンバ、区画
4 第2のチャンバ、区画
5 ステロタイプ
6 アニロックスローラ
7 板シリンダ
8 材料
9 印刷
10 同期印刷
図1
図2