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  • 特許-乗物用フットレスト 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】乗物用フットレスト
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/06 20060101AFI20231025BHJP
   A47C 7/50 20060101ALI20231025BHJP
   B64D 11/06 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
B60N3/06
A47C7/50 B
B64D11/06
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019147388
(22)【出願日】2019-08-09
(65)【公開番号】P2021028193
(43)【公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000114606
【氏名又は名称】モリト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087815
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 昭二
(74)【復代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(73)【特許権者】
【識別番号】511025732
【氏名又は名称】株式会社KiSTEC
(74)【代理人】
【識別番号】100087815
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 昭二
(72)【発明者】
【氏名】石田 達男
(72)【発明者】
【氏名】木下 和喜夫
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-235630(JP,A)
【文献】特開2002-253382(JP,A)
【文献】特開2006-290210(JP,A)
【文献】米国特許第07322655(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/06
A47C 7/50
A47C 7/52
A47C 16/02
B64D 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対のフットレスト(1)からなり、
各フットレストは、
交点にコブ状の結び目のないネットにより形成される足載せ部(2)と、
足を載せた際に衝撃を緩和する弾性部(3)と、
前記足載せ部(2)及び前記弾性部(3)を支持する吊り下げ紐(4)と、
前記吊り下げ紐(4)に取り付けられた接合・分離機能を有するバックル(5)とを有し、
前記バックル(5)の開閉によりも前記左右一対のフットレスト(1)が分離可能である
ことを特徴とするフットレスト。
【請求項2】
前記足載せ部(2)及び前記吊り下げ紐(4)が非伸縮性である請求項1に記載のフットレスト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物用フットレストに関し、特に、航空機、長距離列車、長距離バスのような乗り物の座席に長時間着席するときに、靴を脱ぎ、両足を乗せるフットレストに関する。
【背景技術】
【0002】
乗物の狭い座席空間で長時間着席するのは足や腰に負担となり、疲れるものである。この足腰の疲労を軽減するためにフットレストが用いられている。
【0003】
従来のフットレストとしては、
(1)足載せ部を床面に置いて使用するもの、
(2)足載せ部を座席やフレームに固定して使用するもの、
(3)足載せ部をベルトや紐を用いて吊すもの
が知られている。
【0004】
上記(3)の方式のものとしては、例えば、特開2003―235630、特開2006―290210、実用新案登録第3082959号、実用新案登録第3209331号等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003―235630
【文献】特開2006―290210
【文献】実用新案登録第3082959号
【文献】実用新案登録第3209331号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のフットレストはそれなりに役に立っているが、本発明では、さらに軽量で、通気性・衝撃吸収性があり、収納に場所を取らず、しかも足を乗せたときの感触に優れたフットレストを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明のフットレストは、左右一対のフットレストからなり、各フットレストは、交点にコブ状の結び目のないネットにより形成される足載せ部と、足を載せた際に衝撃を緩和する弾性部と、前記足載せ部を支持する吊り下げ紐と)と、前記吊り下げ紐に取り付けられた接合・分離機能を有するバックルとを有し、前記バックルの開閉によりも前記左右一対のフットレストが分離可能であることを特徴とする。

【0008】
好ましくは、足載せ部及び吊り下げ紐が非伸縮性である。
【0009】
好ましくは、前記左右一対のフットレストに接合・分離機能を有するバックルが取り付けられている。前記左右一対のフットレストはこのバックルの開閉により分離可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のフットレストは、主要部がネットからなるので、軽量で通気性、折り畳み収納にも便利である。また、衝撃を緩和する弾性部を有するので、衝撃吸収性もある。さらに、結び目がないネットは靴を脱いだ足裏が長時間接触しても違和感や不快感が少ない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の1実施例であるフットレストの使用状態を示す側面図である。
図2】同フットレストの側面図である。
図3】同フットレストの正面図である。
図4】同フットレストの平面図である。
図5】同フットレストの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0013】
図1に示すように、本発明のフットレスト1は、上記背景技術(3)で紹介した、足載せ部2をベルト等で吊す形式のものである。通常、座席前のテーブルなどから吊り下げられる。
【0014】
図2に示すように、足載せ部2は左右一足ずつ独立して形成されているが、足載せ部2の上端は衝撃緩和用の弾性部3とつながり、さらにその上方に吊り下げ紐4が続いている。吊り下げ紐4同士は、長さ調節機能と接合・分離機能を有するバックル5により連結及び分離が可能である。バックル5の分離機能を使うことにより、左右のフットレストを完全に分離することもできる。
【0015】
各足載せ部2は図3~5に図示するように、ネットを断面U字型に形成してなる。足Fを乗せるのはU字の底の部分である。ネットであるため、軽量で、通気性があり、折り畳み収納にも便利である。衝撃を緩和する弾性部3を設けるので、ネット2自体は弾力性を必要としないが、弾力性を持たせることもできる。
【0016】
本実施例で使用するネット2はラッセル編の一種であり、ネットの交点においてこぶ状の結び目がないものである。こぶ状の結び目は靴を脱いだ足の裏にざらざらした触感を与えるので、短時間ならともかく、長時間接触すると不快感や違和感を増大させる。本実施例の、結び目がないネットは長時間接触してもそのような不快感や違和感が少ない。
【0017】
ネット2の素材は、どのような材質で構成されていてもよい。例えば、ポリアリレート繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維などのポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリアリレート繊維などの合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの鉱物繊維、木綿、麻、絹、毛などの天然繊維を使用することができる。特に、強化繊維を使用すれば、ネットの強度が向上し、破れにくくなり、好ましい。強化繊維としては、例えば、ポリアリレート繊維、PETなどのポリエステル繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、炭素繊維などがある。
【0018】
交点においてこぶ状の結び目がないネットを製造するには、例えばヤコブミューラー社製のラッシェリーナRD-3MT3/KSEを使用することができる。
【0019】
弾性部3は弾力性を有することが必須である。テープ状の生地が好ましく、この実施例では約2.5cmの幅を有する。弾性を有する生地としては、伸縮性を有するストレッチ素材を採用することができる。
【0020】
この引っ張り強度のある弾性部3により、足Fを乗せる瞬間や足Fを乗せ続けているとき、その衝撃が前座席のテーブルから前座席に伝わる事を緩和することができる。さらに弾性部3を強伸縮性とすることで、へたりにくく、衝撃緩和機能を持続させることかが可能となる。
【0021】
吊り下げ紐4は弾性部3から続いており、約2.5cmの幅を有する。この部分は弾力性を必要としないので、非伸縮である。そうすることにより、紐の強度を保ち、伸びきったり、不用意に弾んだりすることを防ぐことができる。
【0022】
吊り下げ紐4は、足の重量を支えることのできる強度があればどのような素材のものでもよい。
【0023】
バックル5としては、それ自体公知のさまざまな形状・構造のものを使用することができる。例えば箱状の雌部材に対して、カニの爪のような突起部を有する雄部材を差し込んで連結したり、そこから引き抜いて分離したりする構造のものを使用することができる。その他、シートベルトバックルのように、タングプレートを差し込むだけでタングプレートを固定でき、解除ボタンを押すだけでタングプレートを解放できる構造となっているものでもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 フットレスト
2 足載せ部(ネット)
3 弾性部
4 吊り下げ紐
5 バックル
図1
図2
図3
図4
図5