(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】袋類処理装置
(51)【国際特許分類】
B02C 18/00 20060101AFI20231025BHJP
B02C 18/14 20060101ALI20231025BHJP
B09B 3/30 20220101ALI20231025BHJP
【FI】
B02C18/00 106C
B02C18/14 Z
B09B3/30
(21)【出願番号】P 2019190659
(22)【出願日】2019-10-18
【審査請求日】2022-07-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開の事由1 公開年月日 平成31年4月5日 公開した物 株式会社ジェイアール西日本新幹線テクノス様向け破除袋機 運転結果及び改善対策報告書 公開の事由2 試験を行った日 平成31年4月17日 試験場所 テクニカマシナリー株式会社 公開の事由3 納品日 令和1年5月12日 納品場所 株式会社ジェイアール西日本新幹線テクノス
(73)【特許権者】
【識別番号】394006174
【氏名又は名称】テクニカマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100164013
【氏名又は名称】佐原 隆一
(72)【発明者】
【氏名】大山 博民
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-223606(JP,A)
【文献】特開2011-115786(JP,A)
【文献】特開2001-070824(JP,A)
【文献】特開2019-000844(JP,A)
【文献】特開2004-121931(JP,A)
【文献】特開2001-009314(JP,A)
【文献】特開2021-058871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 18/00-18/38
B65F 9/00
B09B 3/00-5/00
B07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋類に内容物が収容された被処理物に対して破袋を行う
処理を破袋処理とし、破袋された前記被処理物に対して前記袋類と前記内容物の分離を行う処理を除袋処理として、少なくとも前記除袋処理を行う、袋類処理装置であって、
第1回転方向および前記第1回転方向とは逆の回転方向である第2回転方向に回転可能であるとともに、前記袋類を係止して移送する係止体と、
前記係止体を前記第1回転方向に回転させた場合において、前記係止体によって移送される前記袋類に係合して、前記係止体から前記袋類を除去する第1係合部と、
前記係止体を前記第2回転方向に回転させた場合において、前記係止体によって移送される前記袋類に係合して、前記係止体から前記袋類を除去する第2係合部と、
を備える袋類処理装置。
【請求項2】
前記係止体の回転領域付近に固定される除去部材を備え、
前記第1係合部および前記第2係合部は、前記除去部材に設けられている、
請求項1に記載の袋類処理装置。
【請求項3】
前記除袋処理を行う場合における前記係止体の回転方向を前記第1回転方向として、
前記第1係合部は、
前記係止体を前記第1回転方向に回転させた場合において、前記係止体が上方に向かって移動する領域に設けられている、
請求項1または請求項2に記載の袋類処理装置。
【請求項4】
前記第2係合部は、
前記係止体を前記第2回転方向に回転させた場合において、前記係止体が下方に向かって移動する領域に設けられている、
請求項3に記載の袋類処理装置。
【請求項5】
前記第1回転方向および前記第2回転方向に回転する前記係止体を通過させるスリットが設けられた分離部を備え、
前記破袋処理された前記被処理物のうち、前記袋類を前記スリットに通過させて前記内容物から分離することにより、前記除袋処理を行う、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の袋類処理装置。
【請求項6】
前記破袋処理された前記被処理物が供給される前記分離部の一方の面を第1面とし、前記第1面と反対側の面を第2面として、
前記第1係合部および前記第2係合部は、前記分離部の前記第2面側の領域に設けられている、
請求項5に記載の袋類処理装置。
【請求項7】
前記破袋処理された前記被処理物が供給される前記分離部の一方の面を第1面として、
前記分離部は、
前記スリットの前記第1面側の周縁部に突出部が設けられている、
請求項5または請求項6に記載の袋類処理装置。
【請求項8】
前記破袋処理および前記除袋処理を連続して行う、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の袋類処理装置。
【請求項9】
前記係止体は、
回転軸周りに前記第1回転方向および前記第2回転方向に回転可能であるとともに、基端部側に設けられた揺動軸によって先端部側が前記第1回転方向および前記第2回転方向に揺動可能となるように支持されており、
前記係止体が前記第1回転方向側に付勢されて停止位置まで揺動した姿勢を第1姿勢として、前記第1姿勢における前記先端部は、前記回転軸の中心および前記揺動軸の中心を通る仮想線よりも、前記第1回転方向の下流側に位置している、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の袋類処理装置。
【請求項10】
前記係止体は、
前記係止体の長手方向に沿って形成された複数の第1係止突起を有し、
前記第1係止突起は、
前記係止体の長手方向に延びる仮想線に対して交差する方向に向けて形成された第1辺部と、
前記第1辺部よりも前記先端部側に設けられ、前記仮想線に対して交差する方向に向けて形成された第2辺部と、
を有する、
請求項9に記載の袋類処理装置。
【請求項11】
前記係止体は、
前記係止体の長手方向に沿って形成された複数の第1係止突起、および、前記係止体の長手方向に沿って形成され、かつ、前記第1係止突起よりも前記基端部側に形成された複数の第2係止突起、を有し、
前記第1係止突起は、
前記係止体の長手方向に延びる仮想線に対して交差する方向に向けて形成された第1辺部と、
前記第1辺部よりも
前記先端部側に設けられ、前記仮想線に対して交差する方向に向けて形成されているとともに、前記仮想線に対する交差角度が、前記第1辺部の交差角度よりも小とされている、第2辺部と、
を有し、
前記第2係止突起は、
前記仮想線に対して交差する方向に向けて形成された第3辺部と、
前記第3辺部よりも
前記基端部側に設けられ、前記仮想線に対して交差する方向に向けて形成されているとともに、その傾斜角度が、前記第3辺部の傾斜角度よりも小とされている、第4辺部と、
を有する
請求項9に記載の袋類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋類に内容物が収容された被処理物に対して、袋類を破る破袋処理や、破袋処理済みの袋類と内容物とを分離する除袋処理を行う、袋類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴミ袋等の袋類に内容物(例えば、空缶や空瓶、ペットボトル、容器包装プラスチック等)が収容された被処理物に対して破袋処理と除袋処理を連続して行う袋類処理装置が知られている。例えば、特許文献1の
図8、
図9には、破袋処理を行う破袋機の次工程に、除袋処理を行う除袋機を設けた袋類処理装置が開示されている。
【0003】
上記従来の袋類処理装置では、除袋機は、排出シュートに設けたスリットから除袋フック(係止体)が出没しながら回転するように構成されている。係止体は、排出シュートに設けたスリットから突出した際に、排出シュートを滑り下りる袋類および内容物のうち袋類を係止してスリットに引き込む。スリットを通過した袋類は、係止体から外れて排出シュートの下方に排出される。
【0004】
上記従来の袋類処理装置では、袋類をスリットに引き込む際に袋類が係止体から外れ、スリットに袋類が残ってスリットが詰まる場合があった。スリットに袋類が詰まると、除袋処理の効率が低下する。スリットに詰まった袋類を除去するには、袋類処理装置を停止させ、内部清掃作業を行う必要がある。内部清掃作業では、作業者が手作業によってスリットから袋類を除去する。スリットに袋類が詰まると、その都度、袋類処理装置を停止して内部清掃作業を行わなければならないため、被処理物の処理効率が低下していた。
【0005】
排出シュートのスリットに袋類が詰まる原因として、係止体が袋類を保持する保持力が十分でないことが考えられる。係止体の保持力が十分でないため、係止体が袋類を係止してスリットに引き込んだ際に、袋類が係止体から外れてしまい、袋類がスリットに残ると考えられる。
【0006】
そこで、係止体の形状を変更して保持力を向上させたところ、係止体が袋類をスリットから抜き出しやすくなり、スリットの詰まりを減少させることが可能となった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、係止体の保持力を向上させたことにより、袋類をスリットから抜き出した後も、係止体から袋類が外れにくくなり、袋類が係止体に巻き付きやすくなるという別の問題が生じることとなった。係止体に袋類が巻き付くと、その都度、袋類処理装置を停止して、作業者が手作業で係止体から袋類を除去する内部清掃作業を行う必要がある。このため、係止体の保持力を向上させるだけでは、被処理物の処理効率を向上させることは困難であった。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、係止体に巻き付いた袋類の除去を容易にすることにより、被処理物の処理効率を向上させることができる袋類処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の袋類処理装置は、袋類に内容物が収容された被処理物に対して破袋を行う処理を破袋処理とし、破袋された前記被処理物に対して前記袋類と前記内容物の分離を行う処理を除袋処理として、少なくとも前記除袋処理を行う、袋類処理装置であって、
第1回転方向および前記第1回転方向とは逆の回転方向である第2回転方向に回転可能であるとともに、前記袋類を係止して移送する係止体と、
前記係止体を前記第1回転方向に回転させた場合において、前記係止体によって移送される前記袋類に係合して、前記係止体から前記袋類を除去する第1係合部と、
前記係止体を前記第2回転方向に回転させた場合において、前記係止体によって移送される前記袋類に係合して、前記係止体から前記袋類を除去する第2係合部と、
を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の袋類処理装置によれば、係止体を第1回転方向および第2回転方向に回転させることにより、第1係合部および第2係合部によって係止体から袋類が除去されやすくなる。これにより、係止体に巻き付いた袋類の除去が容易となり、係止体に巻き付いた袋類を除去するために袋類処理装置を停止する頻度を減少させることができ、被処理物の処理効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】
図3は、第1係合部および第2係合部の作用を説明する除袋部の正面断面図である。
【
図4】
図4は、第1係合部および第2係合部の作用を説明する除袋部の正面断面図である。
【
図5】
図5は、除袋部の第2支持部および係止体を示す正面図である。
【
図6】
図6は、実施形態2に係る係止体の正面図である。
【
図7】
図7は、実施形態3に係る係止体の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態にかかる袋類処理装置は、袋類に内容物が収容された被処理物に対して破袋を行う処理を破袋処理とし、破袋された前記被処理物に対して前記袋類と前記内容物の分離を行う処理を除袋処理として、少なくとも前記除袋処理を行う、袋類処理装置であって、
第1回転方向および前記第1回転方向とは逆の回転方向である第2回転方向に回転可能であるとともに、前記袋類を係止して移送する係止体と、
前記係止体を前記第1回転方向に回転させた場合において、前記係止体によって移送される前記袋類に係合して、前記係止体から前記袋類を除去する第1係合部と、
前記係止体を前記第2回転方向に回転させた場合において、前記係止体によって移送される前記袋類に係合して、前記係止体から前記袋類を除去する第2係合部と、
を有する(第1の構成)。
【0014】
上記構成によれば、係止体を第1回転方向および第2回転方向に回転させることにより、第1係合部および第2係合部によって係止体から袋類が除去されやすくなる。これにより、係止体に巻き付いた袋類の除去が容易となり、係止体に巻き付いた袋類を除去するために袋類処理装置を停止する頻度を減少させることができ、被処理物の処理効率を向上させることができる。
【0015】
上記第1の構成において、
前記係止体の回転領域付近に固定される除去部材を備え、
前記第1係合部および前記第2係合部は、前記除去部材に設けられていてもよい(第2の構成)。
【0016】
上記構成によれば、第1係合部および第2係合部は、除去部材に設けられているため、第1係合部および第2係合部を係止体の回転領域付近にコンパクトに配置することができる。
【0017】
上記第1または第2の構成において、
前記除袋処理を行う場合における前記係止体の回転方向を前記第1回転方向として、
前記第1係合部は、
前記係止体を前記第1回転方向に回転させた場合において、前記係止体が上方に向かって移動する領域に設けられていてもよい(第3の構成)。
【0018】
上記構成によれば、除袋処理を行う場合において、係止体から外れずに上方に向けて移動してきた袋類を第1係合部で除去することができる。
【0019】
上記第3の構成において、
前記第2係合部は、
前記係止体を前記第2回転方向に回転させた場合において、前記係止体が下方に向かって移動する領域に設けられていてもよい(第4の構成)。
【0020】
上記構成によれば、除袋処理を行う場合と反対の方向に係止体を回転させた場合において、係止体から外れずに下方に向けて移動してきた袋類を第2係合部で除去することができる。
【0021】
上記第1から第4のいずれかの構成において、
前記第1回転方向および前記第2回転方向に回転する前記係止体を通過させるスリットが設けられた分離部を備え、
前記破袋処理された前記被処理物のうち、前記袋類を前記スリットに通過させて前記内容物から分離することにより、前記除袋処理を行ってもよい(第5の構成)。
【0022】
上記構成によれば、袋類処理装置は、破袋処理された被処理物のうち、袋類を分離部のスリットに通過させて内容物から分離することにより、除袋処理を行う。このため、破袋処理済みの袋類と内容物とを効率的に分離することができる。
【0023】
上記第5の構成において、
前記破袋処理された前記被処理物が供給される前記分離部の一方の面を第1面とし、前記第1面と反対側の面を第2面として、
前記第1係合部および前記第2係合部は、前記分離部の前記第2面側の領域に設けられていてもよい(第6の構成)。
【0024】
上記構成によれば、係止体から外れずに残った袋類は、第1係合部および第2係合部によって分離部の第2面側の領域で係止体から除去される。これにより、係止体から袋類を除去しやすくなるとともに、係止体から除去された袋類は、速やかに排出される。
【0025】
上記第5または第6の構成において、
前記破袋処理された前記被処理物が供給される前記分離部の一方の面を第1面として、
前記分離部は、
前記スリットの前記第1面側の周縁部に突出部が設けられていてもよい(第7の構成)。
【0026】
上記構成によれば、分離部には、スリットの第1面側の周縁部に突出部が設けられており、突出部は、袋類がスリットに引き込まれる際に抵抗を生じさせる。このため、除袋処理を行う際に、被処理物の内容物が袋類とともにスリットに引き込まれにくくなり、袋類と内容物の分離を適切に行うことができる。
【0027】
上記第1から第7のいずれかの構成において、
前記破袋処理および前記除袋処理を連続して行ってもよい(第8の構成)。
【0028】
上記構成によれば、破袋処理および除袋処理を効率的に行うことができる。
【0029】
上記第1から第8のいずれかの構成において、
前記係止体は、
回転軸周りに前記第1回転方向および前記第2回転方向に回転可能であるとともに、基端部側に設けられた揺動軸によって先端部側が前記第1回転方向および前記第2回転方向に揺動可能となるように支持されており、
前記係止体が前記第1回転方向側に付勢されて停止位置まで揺動した姿勢を第1姿勢として、前記第1姿勢における前記先端部は、前記回転軸の中心および前記揺動軸の中心を通る仮想線よりも、前記第1回転方向の下流側に位置していてもよい(第9の構成)。
【0030】
上記構成によれば、係止体の先端部は、回転軸の中心および揺動軸の中心を通る仮想線よりも、第1回転方向の下流側に位置している。このため、袋類と内容物とを分離する際に、係止体に係止された袋類が外れにくくなり、効率的に袋類を分離することができる。
【0031】
上記第9の構成において、
前記係止体は、
前記係止体の長手方向に沿って形成された複数の第1係止突起を有し、
前記第1係止突起は、
前記係止体の長手方向に延びる仮想線に対して傾斜した第1辺部と、
前記第1辺部よりも先端部側に設けられ、前記仮想線に対して傾斜している第2辺部と、
を有してもよい(第10の構成)。
【0032】
上記構成によれば、係止体に形成される複数の第1係止突起は、第1辺部と、第1辺部よりも先端部側に設けられる第2辺部とを有する。このため、袋類と内容物とを分離する際に、係止体に係止された袋類が第1辺部および第2辺部に引っ掛かって外れにくくなり、効率的に袋類を分離することができる。
【0033】
上記第9の構成において、
前記係止体は、
前記係止体の長手方向に沿って形成された複数の第1係止突起、および、前記係止体の長手方向に沿って形成され、かつ、前記第1係止突起よりも前記基端部側に形成された複数の第2係止突起、を有し、
前記第1係止突起は、
前記係止体の長手方向に延びる仮想線に対して交差する方向に向けて形成された第1辺部と、
前記第1辺部よりも前記先端部側に設けられ、前記仮想線に対して交差する方向に向けて形成されているとともに、前記仮想線に対する交差角度が、前記第1辺部の交差角度よりも小とされている、第2辺部と、
を有し、
前記第2係止突起は、
前記仮想線に対して交差する方向に向けて形成された第3辺部と、
前記第3辺部よりも前記基端部側に設けられ、前記仮想線に対して交差する方向に向けて形成されているとともに、その傾斜角度が、前記第3辺部の傾斜角度よりも小とされている、第4辺部と、
を有してもよい(第11の構成)。
【0034】
上記構成によれば、係止体には、第1辺部および第2辺部を有する複数の第1係止突起と、第3辺部および第4辺部を有する複数の第2係止突起と、を有し、第2係止突起は、第1係止突起よりも基端部側に形成されている。このため、袋類と内容物とを分離する際に係止体に係止される袋類は、第1係止突起および第2係止突起が隣接する領域に集まりやすくなり、効率的に袋類を分離することができる。
【0035】
[実施形態1]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係る袋類処理装置100について詳しく説明する。
図1は、袋類処理装置100の正面断面図である。以下の図では、矢印Uは袋類処理装置100の上方向、矢印Dは下方向を示す。矢印Rは袋類処理装置100の右方向、矢印Lは左方向を示す。矢印Fは袋類処理装置100の前方向、矢印Bは後方向を示す。
【0036】
本実施形態に係る袋類処理装置100は、袋類Gに内容物GR(例えば、空缶や空瓶、ペットボトル、容器包装プラスチック等)が収容された被処理物Wに対して、破袋処理と除袋処理を連続して行う装置である。破袋処理では袋類Gを破り、除袋処理では、破袋処理済みの袋類Gと内容物GRとを分離する。
【0037】
以下の図では同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0038】
[全体構成]
図1に示すように、袋類処理装置100は、ケーシング10、投入口21、袋類排出口23、内容物排出口25、破袋部30、および除袋部50を有している。
【0039】
ケーシング10は、袋類処理装置100の外形を構成する部分である。本実施形態のケーシング10は、略直方体の形状を有している。ケーシング10の内部には、破袋部30および除袋部50によって被処理物Wを処理するための処理空間17が形成されている。処理空間17には、排出シュート51が設置されている。排出シュート51は、処理空間17を破袋部30が設けられる空間と、除袋部50が設けられる空間とに分けている。排出シュート51は、本発明の分離部に相当する。処理空間17の下方は開放されている。
【0040】
ケーシング10の左側面には、上部開閉部13、および下部開閉部15が設けられている。上部開閉部13は、破袋部30をメンテナンスする際に開放される。下部開閉部15は、除袋部50をメンテナンスする際に開放される。
【0041】
投入口21は、被処理物Wが破袋部30に供給される部分である。投入口21は、ケーシング10の上部に設定されている。投入口21には、例えば、図示しないベルトコンベア等や、作業員の手作業によって被処理物Wが供給される。
【0042】
袋類排出口23は、除袋部50によって内容物GRと分離された袋類Gを排出する部分である。袋類排出口23から下方に排出された袋類Gは、例えば図示しないベルトコンベア等によって次工程に移送される。
【0043】
内容物排出口25は、除袋部50によって袋類Gが分離された内容物GRを排出する部分である。内容物排出口25から下方に排出された内容物GRは、例えば図示しないベルトコンベア等によって次工程に移送される。
【0044】
[破袋部]
破袋部30は、投入口21の下方に配置されている。破袋部30は、投入口21に供給された被処理物Wを移送しながら破袋処理を行い、袋類Gおよび内容物GRを下方に排出する。破袋部30は、第1支持部31、第1保持部41、および第2保持部42を有する。
【0045】
第1支持部31は、第1保持部41を支持するとともに、第1保持部41を回転させる部分である。第1支持部31は、回転軸32および支持部材34を有している。
【0046】
回転軸32は、投入口21の下方において、前後方向に延びるように配置されている。回転軸32は、ケーシング10を貫通している。回転軸32の前端は、駆動装置33(
図2参照)に接続されている。
【0047】
支持部材34は、第1保持部41が固定される部分である。支持部材34は、回転軸32に固定されている。支持部材34は、駆動装置33により正面視で反時計回りに駆動回転される。
【0048】
支持部材34は、略円筒状である。被処理物Wは、投入口21から支持部材34上に供給される。支持部材34の周面は、円周方向における3/4の領域が円筒状であり、残りの1/4の領域に凹部35が形成されている。凹部35には、揺動部36が設けられている。
【0049】
揺動部36は、支持部材34の回転方向とは反対の方向に延びており、自由端は支持部材34の半径方向に揺動するように弾性変形可能である。投入口21から供給された被処理物Wは、揺動部36を弾性変形させて凹部35に保持されるとともに、揺動部36によって支持部材34の半径方向外側に押動されて第2保持部42に押し付けられる。
【0050】
第1保持部41は、投入口21に供給された被処理物Wの袋類Gを保持して被処理物Wを回転方向に移送させる。第1保持部41は、回転軸32の軸方向に沿って複数設けられている(
図2参照)。第1保持部41は、正面視で先端部が回転方向前方に向くように湾曲している。第1支持部31および第1保持部41の位置は、反時計回りに回転する第1保持部41が下方から上方に向けて移動する領域において、投入口21を通過するように設定されている。
【0051】
第2保持部42は、第1保持部41の回転領域RB1付近において、ケーシング10に固定されている。第2保持部42は、第1保持部41の回転方向に沿って複数設けられているとともに、回転軸32の軸方向にも複数設けられている(
図2参照)。第2保持部42は、回転する第1保持部41に向き合う方向(第1保持部41の回転方向と反対の方向)に向けて鉤状に曲げられている。第2保持部42は、第1保持部41と互い違いになるように、千鳥状に配置されている(
図2参照)。第1保持部41および第2保持部42は、板バネ材で形成されている。
【0052】
以上のように構成された破袋部30では、投入口21に供給された被処理物Wは、第1保持部41および凹部35によって保持される。被処理物Wは、第1保持部41および凹部35とともに回転して第2保持部42に対して相対移動することにより、第2保持部42によって袋類Gが破袋される。第1保持部41および凹部35は、回転するに従って下向きになるため、破袋処理された袋類Gおよび内容物GRは、排出シュート51に向けて排出される。
【0053】
なお、第1保持部41および第2保持部42の数および形状は適宜変更することができる。また、本実施形態では、凹部35は一箇所としたが、複数箇所に設けてもよい。
【0054】
[除袋部]
除袋部50は、破袋部30の下方に配置されている。除袋部50は、破袋部30で破袋処理された袋類Gと内容物GRとを分離する除袋処理を行う。除袋部50は、排出シュート51(分離部)、第2支持部61、および係止体65を有している。
【0055】
排出シュート51は、破袋部30の下方に配置されている。排出シュート51は、破袋部30から排出される袋類Gおよび内容物GRを受けて、袋類Gおよび内容物GRを内容物排出口25に向けて案内する。排出シュート51には、複数のスリット53(
図2参照)が設けられている。スリット53は、回転する係止体65の回転方向に沿って延びるように形成されている。排出シュート51は、回転する係止体65がスリット53から出没する位置に配置されている。
【0056】
第2支持部61は、係止体65を支持するとともに、係止体65を回転させる部分である。第2支持部61は、回転軸62および支持部材64を有している。
【0057】
回転軸62は、破袋部30の下方において、前後方向に延びるように配置されている。回転軸62は、ケーシング10を貫通している。回転軸62の前端は、駆動装置63(
図2参照)に接続されている。
【0058】
支持部材64は、係止体65が固定される部分である。支持部材64は、略円板状であり、回転軸62に固定されている。支持部材64は、駆動装置63により第1回転方向R1(正面視で反時計回り)、および第1回転方向R1とは逆の回転方向である第2回転方向R2(正面視で時計回り)に駆動回転可能である。
【0059】
係止体65は、第1回転方向R1および第2回転方向R2に回転することで、排出シュート51のスリット53から出没するように構成されている。係止体65は、回転軸62に対して放射状に設けられているとともに、回転軸62の軸方向に沿って複数設けられている(
図2参照)。係止体65の先端部は、正面視で第1回転方向R1の前方に向くように湾曲しており、袋類Gを係止できるように形成されている。係止体65は、板バネ材で形成されている。
【0060】
支持部材64を第1回転方向R1に回転させることにより、係止体65は排出シュート51のスリット53から出没する。係止体65は、スリット53から突出した際に、排出シュート51上を滑り下りる袋類Gと内容物GRのうち袋類Gを係止してスリット53に引き込む。スリット53を通過した袋類Gは、係止体65から外れて排出シュート51の下方の袋類排出口23に排出される。一方、内容物GRは、係止体65に係止されずに排出シュート51上を滑り下りて内容物排出口25に排出される。つまり、除袋処理は、破袋処理された被処理物Wのうち、袋類Gをスリット53に通過させることにより、袋類Gと内容物GRを分離することにより行われる。
【0061】
係止体65は、保持部67を介して支持部材64に固定されている。係止体65は、揺動軸68により、支持部材64に対して第1回転方向R1および第2回転方向R2に揺動可能に支持されている。係止体65はバネ等の付勢部材(図示せず)により、第1回転方向R1に付勢されている。
図1において実線で示した係止体65は、図示しないストッパにより、第1回転方向R1における停止位置で停止している。第1回転方向R1における停止位置で停止している姿勢を第1姿勢PA1とする。
【0062】
係止体65に対して第2回転方向R2に力が加わった場合には、係止体65は、第1姿勢PA1から第2回転方向R2に揺動可能である。
図1の支持部材64の下部において二点鎖線で示した係止体65は、第2回転方向R2における停止位置で停止している。第2回転方向R2における停止位置で停止している姿勢を第2姿勢PA2とする。
【0063】
係止体65が第1姿勢PA1から第2姿勢PA2の間において揺動可能であることにより、係止体65に係止された袋類Gによる抵抗が大きいような場合に、係止体65、保持部67、あるいは支持部材64に過大な負荷が加わることを抑制することができる。
【0064】
排出シュート51の出口には、排出規制棒55を配置している。排出規制棒55は、上下方向に位置変更可能であり、排出シュート51との間の開口面積を調整することが可能である。開口面積を調整して袋類Gと内容物GRの排出量を加減することにより、排出シュート51上での袋類Gと内容物GRの滞留量を増加させたり、滞留時間を長くすることができ、除袋部50による除袋処理の効率を向上させることができる。
【0065】
[除去部材]
スリット53を通過した袋類Gのうち、一部の袋類Gは、係止体65から外れずに係止体65に係止されたまま回転する。係止体65に係止された袋類Gが係止体65に巻き付いてしまうと袋類処理装置100を停止して袋類Gを除去する内部清掃作業を行う必要が生じる。そこで、本実施形態では、係止体65から外れない袋類Gを強制的に除去するため、係止体65の回転領域RB2付近に除去部材70が配置されている。
【0066】
除去部材70は、排出シュート51の下方に設置されている。除去部材70は、係止体65の回転領域RB2に接近させて設置されている。正面視では、除去部材70は、係止体65の回転領域RB2に入り込むように設置されている。
【0067】
除去部材70には、第1係合部71および第2係合部72が一体に設けられている。第1係合部71および第2係合部72は、ともに刃の付いた爪状の鋭利な先端部を有している。第1係合部71および第2係合部72は、係止体65から外れずに移送されてくる袋類Gを突き刺して留めるように作用し、係止体65から袋類Gを除去して係止体65への巻き付きを減少させる。
【0068】
第1係合部71および第2係合部72は、破袋処理された袋類Gおよび内容物GRが供給される排出シュート51の上面を第1面511とし、第1面511と反対側の下面を第2面512とすると、ともに第2面512側の領域に設けられている。
【0069】
第1係合部71は、係止体65を第1回転方向R1に回転させて除袋処理を行っている状態において、係止体65が上方に向かって移動する領域である第1上昇領域UA1に設けられている。
【0070】
第2係合部72は、係止体65を第2回転方向R2に回転させて、係止体65から袋類Gを外す除去処理を行う状態において、係止体65が下方に向かって移動する領域である第2下降領域DA2に設けられている。本実施形態では、第1上昇領域UA1と第2下降領域DA2は、ともに回転軸62に対して図示右方の領域である。
【0071】
図2は、袋類処理装置100の側面断面図である。被処理物Wは上方の投入口21から破袋部30に供給され、破袋部30で破袋処理された袋類Gと内容物GRが排出シュート51に排出される。除袋部50は、破袋部30で破袋処理された袋類Gと内容物GRとを分離する除袋処理を行う。除袋部50で分離された袋類Gは、袋類排出口23に排出され、内容物GRは内容物排出口25に排出される。
【0072】
破袋部30の第1保持部41および第2保持部42は、回転軸32の軸方向に沿って互い違いになるように設けられている。回転軸32の前端は、駆動装置33に接続されている。
【0073】
除袋部50の排出シュート51には、回転軸62の軸方向に沿って複数のスリット53が設けられている。排出シュート51は、回転する係止体65がスリット53から出没する位置に配置されている。
【0074】
ここで、排出シュート51には、スリット53の第1面511(上面)側の周縁部に突出部58が設けられている。突出部58は、各スリット53に沿ってリブ状に設けられている。突出部58は、袋類Gが係止体65によってスリット53に引き込まれる際に抵抗を生じさせる。このため、除袋処理を行う際に、被処理物Wの内容物GRが袋類Gとともにスリット53に引き込まれにくくなり、袋類Gと内容物GRの分離を適切に行うことができる。
【0075】
なお、突出部58は、リブ状でなくてもよく、例えばスリット53に沿って複数の突起を連続的に形成してもよい。また、突出部58は必須ではなく、突出部58が設けられなくてもよい。
【0076】
[第1係合部および第2係合部の作用]
次に本実施形態に係る袋類処理装置100における第1係合部71および第2係合部72の作用について説明する。
図3および
図4は、第1係合部71および第2係合部の作用を説明する除袋部50の正面断面図である。
【0077】
図3では、除袋部50は、袋類Gと内容物GRとを分離する除袋処理を行っている状態を示している。係止体65は、第1回転方向R1に回転している。第1係合部71は、除袋処理を実行しながら、係止体65に係止されたままの袋類Gを除去する。具体的には、第1係合部71は、係止体65を第1回転方向R1に回転させた場合において、係止体65から外れずに上方に向かって移送される袋類Gに係合して、係止体65から袋類Gを除去する。
【0078】
図4では、除袋処理中に係止体65から除去できない袋類Gがある場合において、係止体65から袋類Gを外す除去処理を行っている状態を示している。除去処理を行う場合には、除袋処理を一時中断して、係止体65を第2回転方向R2に回転させる。第2係合部72は、係止体65を第2回転方向R2に回転させた場合において、係止体65から外れずに下方に向かって移送される袋類Gに係合して、係止体65から袋類Gを除去する。
【0079】
なお、上記の説明では、除袋処理中に係止体65から外れない袋類Gがある場合に、除袋処理を一時中断して除去処理を行うとしたが、係止体65から外れない袋類Gの有無に関わらず、一定期間ごとに除去処理を行ってもよい。具体的には、係止体65を第1回転方向R1に回転させる除袋処理を所定期間実行した後に、係止体65を第2回転方向R2に所定期間回転させて除去処理を行い、除去処理の後、再度除袋処理に戻る動作を繰り返してもよい。また、除袋処理と除去処理を短いサイクルで繰り返してもよい。この場合、係止体65に袋類Gが巻き付きにくくなる。
【0080】
[実施形態1の効果]
上記説明した実施形態1に係る袋類処理装置100によれば、係止体65を第1回転方向R1に回転させた場合に係止体65から袋類Gを除去する第1係合部71と、係止体65を第2回転方向R2に回転させた場合に係止体65から袋類Gを除去する第2係合部72と、を備える。このため、係止体65を第1回転方向R1および第2回転方向R2に回転させることにより、第1係合部71および第2係合部72によって係止体65から袋類Gが除去されやすくなる。これにより、係止体65に巻き付いた袋類Gの除去が容易となり、係止体65に巻き付いた袋類Gを除去するために袋類処理装置100を停止する頻度を減少させることができ、被処理物Wの処理効率を向上させることができる。
【0081】
第1係合部71および第2係合部72は、除去部材70に設けられている。このため、第1係合部71および第2係合部72を係止体65の回転領域RB2付近にコンパクトに配置することができる。
【0082】
第1係合部71は、係止体65を第1回転方向R1に回転させた場合において、係止体65が上方に向かって移動する領域である第1上昇領域UA1に設けられている。このため、除袋処理を行う場合において、係止体65から外れずに上方に向けて移動してきた袋類Gを第1係合部71で除去することができる。
【0083】
第2係合部72は、係止体65を第2回転方向R2に回転させた場合において、係止体65が下方に向かって移動する領域である第2下降領域DA2に設けられている。このため、除袋処理を行う場合と反対の方向に係止体65を回転させた場合において、係止体65から外れずに下方に向けて移動してきた袋類Gを第2係合部72で除去することができる。
【0084】
袋類処理装置100は、破袋処理された被処理物Wのうち、袋類Gを排出シュート51のスリット53に通過させて内容物GRから分離することにより、除袋処理を行う。このため、破袋処理済みの袋類Gと内容物GRとを効率的に分離することができる。
【0085】
第1係合部71および第2係合部72は、排出シュート51の第2面512側の領域に設けられている。このため、係止体65から外れずに残った袋類Gは、第1係合部71および第2係合部72によって排出シュート51の第2面512側の領域で係止体65から除去される。これにより、係止体65から袋類Gを除去しやすくなるとともに、係止体65から除去された袋類Gは、速やかに排出される。
【0086】
排出シュート51には、スリット53の第1面511側の周縁部に突出部58が設けられている。突出部58は、袋類Gがスリット53に引き込まれる際に抵抗を生じさせる。このため、除袋処理を行う際に、被処理物Wの内容物GRが袋類Gとともにスリット53に引き込まれにくくなり、袋類Gと内容物GRの分離を適切に行うことができる。
【0087】
袋類処理装置100は、破袋処理および除袋処理を連続して行うため、破袋処理および除袋処理を効率的に行うことができる。
【0088】
[実施形態2]
実施形態2の袋類処理装置100Aは、袋類Gを係止するための係止体65Aが、実施形態1における係止体65と異なっている。以下の説明において、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1と異なる構成についてのみ説明する。
【0089】
図5は、除袋部50Aの第2支持部61および係止体65Aを示す正面図である。
図5では、実施形態1の係止体65と実施形態2の係止体65Aの相違点を説明するため、図示左上部の一箇所に実施形態1の係止体65を取り付けている。残りの三箇所には、実施形態2の係止体65Aを取り付けている。
【0090】
係止体65Aは、保持部67を介して支持部材64に固定されている。係止体65Aは、基端部653A側に設けられた揺動軸68により、先端部652A側が、支持部材64に対して第1回転方向R1および第2回転方向R2に揺動可能に支持されている。係止体65Aはバネ等の付勢部材(図示せず)により、第1回転方向R1に付勢されている。
図1において実線で示した係止体65Aは、図示しないストッパにより、第1回転方向R1における停止位置で停止している。第1回転方向R1における停止位置で停止している姿勢を第1姿勢PB1とする。
【0091】
係止体65Aに対して第2回転方向R2に力が加わった場合には、係止体65Aは、第1姿勢PB1から第2回転方向R2に揺動可能である。二点鎖線で示した係止体65Aは、第2回転方向R2における停止位置で停止している。第2回転方向R2における停止位置で停止している姿勢を第2姿勢PB2とする。
【0092】
係止体65Aが第1姿勢PB1から第2姿勢PB2の間において揺動可能であることにより、係止体65Aに係止された袋類Gによる抵抗が大きいような場合に、係止体65A、保持部67、あるいは支持部材64に過大な負荷が加わることを抑制することができる。
【0093】
また、回転軸62の中心および揺動軸68の中心を通る仮想線をRDとすると、第1姿勢PB1における係止体65Aの先端部652Aは、仮想線RDよりも、第1回転方向R1の下流側に位置している、
【0094】
これに対して、実施形態1の係止体65では、第1姿勢PA1における係止体65の先端部652は、仮想線RDよりも、第1回転方向R1の上流側に位置している。
【0095】
このように、実施形態2に係る係止体65Aの先端部652Aは、回転軸62の中心および揺動軸68の中心を通る仮想線RDよりも、第1回転方向RDの下流側に位置している。このため、袋類Gと内容物GRとを分離する際に、係止体65Aに係止された袋類Gが外れにくくなり、効率的に袋類Gを分離することができる。
【0096】
図6は、実施形態2に係る係止体65Aの正面図である。
図6に示すように、係止体65Aは、係止体本体651Aを有している。係止体本体651Aは、先端部652Aおよび基端部653Aを有している。基端部653には、揺動軸68が挿通される貫通穴655Aが形成されている。係止体本体651Aは、基端部653A側から先端部652A側に延びており、基端部653A側から先端部652A側に延びる方向を、長手方向D1とする。貫通穴655Aを通って長手方向D1に延びる仮想線をLD1とする。
【0097】
係止体65Aは、長手方向D1に沿って形成された複数の第1係止突起81を有している。複数の第1係止突起81は、係止体65Aが支持部材64に固定された状態で、第1回転方向R1の下流側に設けられている(
図5参照)。第1係止突起81は、それぞれ第1辺部811および第2辺部812を有している。
【0098】
第1辺部811は、仮想線LD1に対して交差する方向に向けて形成されている。第1辺部811の延長線と仮想線LD1とがなす角度を交差角度θ1とする。
【0099】
第2辺部812は、第1辺部811よりも先端部652A側に設けられている。第2辺部812は、仮想線LD1に対して交差する方向に向けて形成されている。第2辺部812の延長線と仮想線LD1とがなす角度を交差角度θ2とする。
【0100】
第2辺部812の延長線と仮想線LD1とがなす交差角度θ2は、第1辺部811の延長線と仮想線LD1とがなす交差角度θ1よりも小さくなるように、第1辺部811および第2辺部812の傾きが設定されている。言い換えると、第1辺部811および第2辺部812の仮想線LD1に対する傾きは、第2辺部812の傾きのほうがより小さくなるように設定されている。
【0101】
このため、第1係止突起81に係止された袋類Gは、重力の作用等によって先端部652A側から基端部653A側へ力が加わった場合には、第2辺部812の上を滑るため、移動が許容される。一方、基端部653A側から先端部652A側へ向けて力が加わった場合には、第1辺部811に引っ掛かるため、移動は許容されない。
【0102】
このように係止体65Aは、先端部652A側から基端部653A側への方向については、袋類Gの移動を許容し、基端部653A側から先端部652側への方向については、袋類Gの移動を許容しない。このため、袋類Gと内容物GRとを分離する際に、係止体65Aに係止された袋類Gが第1辺部811および第2辺部812に引っ掛かって外れにくくなり、効率的に袋類Gを分離することができる。
【0103】
[実施形態3]
実施形態3の袋類処理装置100Bは、袋類Gを係止するための係止体65Bが、実施形態2における係止体65Aと異なっている。以下の説明において、実施形態2と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態2と異なる構成についてのみ説明する。
【0104】
図7は、実施形態3に係る係止体65Bの正面図である。
図7に示すように、係止体65Bは、係止体本体651Bを有している。係止体本体651Bは、先端部652Bおよび基端部653Bを有している。基端部653には、揺動軸68が挿通される貫通穴655Bが形成されている。係止体本体651Bは、基端部653B側から先端部652B側に延びており、基端部653B側から先端部652B側に延びる方向を、長手方向D2とする。貫通穴655Bを通って長手方向D1に延びる仮想線をLD2とする。
【0105】
係止体65Bは、長手方向D2に沿って形成された複数の第1係止突起81、および複数の第2係止突起82を有している。第1係止突起81および第2係止突起82は、係止体65Bが支持部材64に固定された状態で、第1回転方向R1の下流側に設けられている。
【0106】
複数の第2係止突起82は、複数の第1係止突起81よりも基端部653側に形成されている。このため、複数の第1係止突起81と複数の第2係止突起82は、仮想の境界線LTを介して隣接して形成される。本実施形態では、境界線LTに対して対称となるように配置され、第1係止突起81と第2係止突起82が連続して形成されている。第1係止突起81の構成については実施形態2の係止体65Aと同様の構成であるため、以下では主に第2係止突起82の構成について説明する。
【0107】
第2係止突起82は、それぞれ第3辺部823および第4辺部824を有している。
【0108】
第3辺部823は、仮想線LD2に対して交差する方向に向けて形成されている。第3辺部823の延長線と仮想線LD2とがなす角度を交差角度θ3とする。
【0109】
第4辺部824は、第3辺部823よりも基端部653側に設けられている。第4辺部824は、仮想線LD2に対して交差する方向に向けて形成されている。第4辺部824の延長線と仮想線LD2とがなす角度を交差角度θ4とする。
【0110】
第4辺部824の延長線と仮想線LD2とがなす交差角度θ4は、第3辺部823の延長線と仮想線LD2とがなす交差角度θ3よりも小さくなるように、第3辺部823および第4辺部824の傾きが設定されている。言い換えると、第3辺部823および第4辺部824の仮想線LD2に対する傾きは、第4辺部824の傾きのほうがより小さくなるように設定されている。
【0111】
このため、第2係止突起82に係止された袋類Gは、重力の作用等によって基端部653B側から先端部652B側へ力が加わった場合には、第4辺部824の上を滑るため、移動が許容される。一方、先端部652B側から基端部653B側へ向けて力が加わった場合には、第3辺部823に引っ掛かるため、移動は許容されない。
【0112】
また、第2係止突起82よりも先端部652B側に設けられた第1係止突起81に係止された袋類Gは、重力の作用等によって先端部652B側から基端部653B側へ力が加わった場合には、第2辺部812の上を滑るため、移動が許容される。一方、基端部653B側から先端部652B側へ向けて力が加わった場合には、第1辺部811に引っ掛かるため、移動は許容されない。
【0113】
このように係止体65Bは、境界線LTより基端部653B側では、基端部653B側から先端部652側への方向については、袋類Gの移動を許容し、先端部652側から基端部653B側への方向については、袋類Gの移動を許容しない。また、境界線LTより先端部652B側では、先端部652側から基端部653B側への方向については、袋類Gの移動を許容し、基端部653B側から先端部652側への方向については、袋類Gの移動を許容しない。このため、袋類Gと内容物GRとを分離する際に係止体65Bに係止される袋類Gは、第1係止突起81および第2係止突起82が隣接する境界線LT付近の領域に集まりやすくなり、効率的に袋類Gを分離することができる。
【0114】
[変形例]
本発明に係る袋類処理装置100は、上記説明した本実施形態に限定されない。例えば、本実施形態では、除袋部50に隣接させて第1係合部71および第2係合部72を設けたが、破袋部30に隣接させて第1係合部71および第2係合部72を設けてもよい。その場合、破袋部30の第1保持部41が係止体に相当する。
【0115】
本実施形態では、袋類処理装置100は、破袋部30および除袋部50を備え、破袋処理および除袋処理を連続して行う装置としたが、袋類処理装置は、破袋処理または除袋処理を別々に行うものでもよく、あるいは破袋処理または除袋処理のいずれかのみを行うものでもよい。
【0116】
本実施形態では、第1係合部71および第2係合部72は、除去部材70に設けられているが、個別に設けられていてもよい。また、第1係合部71および第2係合部72の位置は、実施形態の位置に限定されない。
【0117】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0118】
100 袋類処理装置
65 係止体
71 第1係合部
72 第2係合部
R1 第1回転方向
R2 第2回転方向
W 被処理物
G 袋類
GR 内容物