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特許7372698アンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのためのプログラム制御回路
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】アンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのためのプログラム制御回路
(51)【国際特許分類】
   G11C 17/18 20060101AFI20231025BHJP
   G11C 17/16 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
G11C17/18
G11C17/16 100
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022113760
(22)【出願日】2022-07-15
(65)【公開番号】P2023073195
(43)【公開日】2023-05-25
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/279,184
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/842,835
(32)【優先日】2022-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512149787
【氏名又は名称】イーメモリー テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チア-フ チャン
(72)【発明者】
【氏名】ポ-ピン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ジェン-ユ ペン
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0094892(US,A1)
【文献】特開平08-330944(JP,A)
【文献】特開2006-196079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 17/18
G11C 17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのアンチヒューズ制御線に結合されたプログラム制御回路であって、前記プログラム制御回路は、前記アンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのうちの選択されたメモリセルをプログラムするプログラム電圧を生成し、前記プログラム制御回路は、
プログラム電圧発生器を備え、前記プログラム電圧発生器の出力端子は前記アンチヒューズ制御線に結合され、プログラムアクションの校正段階で、前記プログラム電圧発生器が前記アンチヒューズ制御線への校正電圧を生成し、前記プログラムアクションの少なくとも1つのプログラム段階で、前記プログラム電圧発生器は前記アンチヒューズ制御線への前記プログラム電圧を生成し、
前記プログラム制御回路は、前記プログラム電圧発生器に接続されたプログラム電圧調整回路を更に備え、前記プログラム電圧調整回路が破壊信号を受信し、前記破壊信号が活性化されない場合に、前記プログラム電圧調整回路が前記プログラム電圧を選択的に調整し、
前記プログラム制御回路は、前記プログラム電圧発生器に接続された比例電流発生器を更に備え、前記校正段階で、前記比例電流発生器は第1のノードへの校正電流を生成し、前記少なくとも1つのプログラム段階で、前記比例電流発生器は前記第1のノードへの動作電流を生成し、
前記プログラム制御回路は、前記第1のノードに接続された電流サンプリング回路を更に備え、前記校正段階で、前記電流サンプリング回路が前記校正電流をサンプリング電圧に変換し、前記少なくとも1つのプログラム段階で、前記電流サンプリング回路が前記サンプリング電圧にしたがって前記校正電流を生成し、前記校正電流が前記第1のノードから接地端子へ流れ、
前記プログラム制御回路は、第1のスイッチを更に備え、前記第1のスイッチの第1の端子が前記第1のノードに接続され、
前記プログラム制御回路は、第2のスイッチを更に備え、前記第2のスイッチの第1の端子が前記第1のノードに接続され、前記校正段階で、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが開状態を有し、前記少なくとも1つのプログラム段階で、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが閉状態を有し、
前記プログラム制御回路は、カレントミラーを更に備え、前記カレントミラーの電流入力端子が第1の基準プログラム電流を受け取り、前記カレントミラーのカレントミラー端子が第2の基準プログラム電流を生成し、前記カレントミラー端子が前記第1のスイッチの第2の端子に接続され、前記少なくとも1つのプログラム段階で、前記第2の基準プログラム電流が前記第1のノードから前記カレントミラーの前記カレントミラー端子へ流れ、
前記プログラム制御回路は、前記第2のスイッチの第2の端子に接続された検出回路を更に備え、前記少なくとも1つのプログラム段階で、前記検出回路が前記選択されたメモリセルによって生成されたプログラム電流を判断し、前記プログラム電流が十分であると前記検出回路が判断した場合、前記破壊信号が前記検出回路によって活性化される、
プログラム制御回路。
【請求項2】
前記プログラム電圧発生器は、
演算増幅器を備え、前記演算増幅器の第1の入力端子が基準電圧を受け取り、
前記プログラム電圧発生器は、第1のトランジスタを更に備え、前記第1のトランジスタのソース端子が第1の供給電圧を受け取り、前記第1のトランジスタのゲート端子が前記演算増幅器の出力端子に接続され、前記第1のトランジスタのドレイン端子が第2のノードに接続され、
前記プログラム電圧発生器は、前記第2のノードと前記接地端子との間に直列で接続された第1の抵抗器及び第2の抵抗器を更に備え、前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器が第3のノードに接続され、前記第3のノードが、前記演算増幅器の第2の入力端子に接続され、前記第2のノードが前記アンチヒューズ制御線に結合される、
請求項1に記載のプログラム制御回路。
【請求項3】
前記比例電流発生器は、第2のトランジスタを備え、前記第2のトランジスタのソース端子が前記第1の供給電圧を受け取り、前記第2のトランジスタのゲート端子が前記演算増幅器の前記出力端子に接続され、前記第2のトランジスタのドレイン端子が前記第1のノードに接続される、請求項2に記載のプログラム制御回路。
【請求項4】
前記プログラム制御回路は、チャージポンプを更に備え、前記チャージポンプが第2の供給電圧及び振動信号を受け取り、前記第2の供給電圧が、前記振動信号にしたがって前記チャージポンプによって前記第1の供給電圧に昇圧される、請求項2に記載のプログラム制御回路。
【請求項5】
前記プログラム電圧調整回路が、前記プログラム電圧発生器において、前記第1の抵抗器の抵抗値に対する前記第2の抵抗器の抵抗値の比率を調整する調整信号を生成し、又は前記プログラム電圧調整回路が、前記調整信号にしたがって前記基準電圧を調整する、請求項2に記載のプログラム制御回路。
【請求項6】
前記電流サンプリング回路は、
第3のトランジスタを備え、前記第3のトランジスタのドレイン端子が前記第1のノードに接続され、前記第3のトランジスタのソース端子が前記接地端子に接続され、
前記電流サンプリング回路は、第1のコンデンサを更に備え、前記第1のコンデンサの第1の端子が前記第3のトランジスタのゲート端子に接続され、前記第1のコンデンサの第2の端子が前記接地端子に接続され、
前記電流サンプリング回路は、第3のスイッチを更に備え、前記第3のスイッチの第1の端子が第1のノードに接続され、前記第3のスイッチの第2の端子が前記第3のトランジスタの前記ゲート端子に接続され、前記第3のスイッチが前記校正段階で閉状態を有し、前記第3のスイッチが前記少なくとも1つのプログラム段階で開状態を有する、
請求項1に記載のプログラム制御回路。
【請求項7】
前記プログラム制御回路は第4のスイッチを更に備え、前記第4のスイッチの第1の端子が前記第3のトランジスタの前記ゲート端子に接続され、前記第4のスイッチの第2の端子が前記接地端子に接続され、前記第4のスイッチが前記校正段階前に前記閉状態を有し、前記第4のスイッチが前記校正段階及び前記少なくとも1つのプログラム段階に開状態を有する、
請求項6に記載のプログラム制御回路。
【請求項8】
前記カレントミラーは、
第4のトランジスタを備え、前記第4のトランジスタのドレイン端子が前記第1の基準プログラム電流を受け取り、前記第4のトランジスタの前記ドレイン端子が前記第4のトランジスタのゲート端子に接続され、前記第4のトランジスタのソース端子が前記接地端子に接続され、
前記カレントミラーは、第5のトランジスタを更に備え、前記第5のトランジスタのドレイン端子が前記第1のスイッチの前記第2の端子に接続され、前記第5のトランジスタのゲート端子が前記第4のトランジスタの前記ゲート端子に接続され、前記第5のトランジスタのソース端子が前記接地端子に接続される、
請求項1に記載のプログラム制御回路。
【請求項9】
電流検出経路が前記第1のノードと前記検出回路との間に形成され、前記検出回路が電流コンパレータであり、前記電流検出経路を流れる検出電流が閾値電流よりも大きい場合、前記検出回路は、前記プログラム電流が十分であることを判断し、前記破壊信号が前記電流コンパレータによって活性化される、請求項1に記載のプログラム制御回路。
【請求項10】
前記検出回路は、
第2のコンデンサ及びリセットトランジスタを備える積分回路を備え、前記第2のコンデンサの第1の端子が前記第2のスイッチの前記第2の端子に接続され、前記第2のコンデンサの第2の端子が前記接地端子に接続され、前記リセットトランジスタのドレイン端子が前記第2のスイッチの前記第2の端子に接続され、前記リセットトランジスタのソース端子が前記接地端子に接続され、前記リセットトランジスタのゲート端子がリセット信号を受信し、
前記検出回路は、コンパレータを更に備え、前記コンパレータの第1の端子が前記第2のスイッチの前記第2の端子に接続され、前記コンパレータの第2の端子が閾値電圧を受け取り、前記コンパレータの出力端子が前記破壊信号を生成し、
検出電流が前記第2のコンデンサを充電し、前記第2のコンデンサの電圧が前記閾値電圧よりも大きい場合、前記検出回路は、前記プログラム電流が十分であると判断し、前記破壊信号が前記コンパレータによって活性化される、
請求項1に記載のプログラム制御回路。
【請求項11】
前記プログラム制御回路は、前記破壊信号を受信する確認回路を更に備え、前記破壊信号が指定時間分だけ活性化された場合、前記確認回路がプログラム完了信号を生成する、請求項1に記載のプログラム制御回路。
【請求項12】
前記確認回路は、カウンタを備え、前記カウンタがクロック信号を受信し、前記カウンタのイネーブル端子が前記破壊信号を受信し、前記破壊信号が活性化された時、前記カウンタがカウントを開始し、前記カウンタが指定の数までカウントすると、前記カウンタが前記プログラム完了信号を生成する、請求項11に記載のプログラム制御回路。
【請求項13】
前記プログラム制御回路は、電圧クランプ回路を更に備え、前記電圧クランプ回路が前記第1のノードに接続され、前記第1のノードの電圧が前記電圧クランプ回路によって指定の電圧へクランプされる、請求項1に記載のプログラム制御回路。
【請求項14】
前記プログラム電圧発生器は、
演算増幅器を備え、前記演算増幅器の第1の入力端子が基準電圧を受け取り、
前記プログラム電圧発生器は、第1のトランジスタを更に備え、前記第1のトランジスタのソース端子が第1の供給電圧を受け取り、前記第1のトランジスタのゲート端子が前記演算増幅器の出力端子に接続され、
前記プログラム電圧発生器は、第2のトランジスタを更に備え、前記第2のトランジスタのソース端子が前記第1のトランジスタのドレイン端子に接続され、前記第2のトランジスタのゲート端子が第1のバイアス電圧を受け取り、前記第2のトランジスタのドレイン端子が第2のノードに接続され、
前記プログラム電圧発生器は、前記第2のノードと前記接地端子との間に直列で接続された第1の抵抗器及び第2の抵抗器を更に備え、前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器が第3のノードに接続され、前記第3のノードが、前記演算増幅器の第2の入力端子に接続され、前記第2のノードが前記アンチヒューズ制御線に結合される、
請求項1に記載のプログラム制御回路。
【請求項15】
前記比例電流発生器は、
第3のトランジスタを備え、前記第3のトランジスタのソース端子が前記第1の供給電圧を受け取り、前記第3のトランジスタのゲート端子が前記演算増幅器の前記出力端子に接続され、
前記比例電流発生器は、第4のトランジスタを更に備え、前記第4のトランジスタのソース端子が前記第3のトランジスタのドレイン端子に接続され、前記第4のトランジスタのゲート端子が第1のバイアス電圧を受け取り、前記第4のトランジスタのドレイン端子が前記第1のノードに接続される、
請求項14に記載のプログラム制御回路。
【請求項16】
前記プログラム制御回路は、チャージポンプを更に備え、前記チャージポンプが第2の供給電圧及び振動信号を受け取り、前記第2の供給電圧が、前記振動信号にしたがって前記チャージポンプによって前記第1の供給電圧に昇圧される、請求項14に記載のプログラム制御回路。
【請求項17】
前記電流サンプリング回路は、
第5のトランジスタを備え、前記第5のトランジスタのドレイン端子が前記第1のノードに接続され、前記第5のトランジスタのゲート端子が第2のバイアス電圧を受け取り、
前記電流サンプリング回路は、第6のトランジスタを更に備え、前記第6のトランジスタのドレイン端子が前記第5のトランジスタのソース端子に接続され、前記第6のトランジスタのソース端子が前記接地端子に接続され、
前記電流サンプリング回路は、第1のコンデンサを更に備え、前記第1のコンデンサの第1の端子が前記第6のトランジスタのゲート端子に接続され、前記第1のコンデンサの第2の端子が前記接地端子に接続され、
前記電流サンプリング回路は、第3のスイッチを更に備え、前記第3のスイッチの第1の端子が前記第6のトランジスタの前記ゲート端子に接続され、前記第3のスイッチの第2の端子が前記接地端子に接続され、
前記電流サンプリング回路は、第4のスイッチを更に備え、前記第4のスイッチの第1の端子が第1のノードに接続され、前記第4のスイッチの第2の端子が前記第6のトランジスタの前記ゲート端子に接続される、
請求項1に記載のプログラム制御回路。
【請求項18】
前記カレントミラーは、
第7のトランジスタを備え、前記第7のトランジスタのドレイン端子が前記基準プログラム電流を受け取り、前記第7のトランジスタのゲート端子が前記第2のバイアス電圧を受け取り、
前記カレントミラーは、第8のトランジスタを更に備え、前記第8のトランジスタのドレイン端子が前記第7のトランジスタのソース端子に接続され、前記第8のトランジスタのゲート端子が前記第7のトランジスタの前記ドレイン端子に接続され、前記第8のトランジスタのソース端子が前記接地端子に接続され、
前記カレントミラーは、第9のトランジスタを更に備え、前記第9のトランジスタのドレイン端子が前記第1のスイッチの前記第2の端子に接続され、前記第9のトランジスタのゲート端子が前記第2のバイアス電圧を受け取り、
前記カレントミラーは、第10のトランジスタを更に備え、前記第10のトランジスタのドレイン端子が前記第9のトランジスタのソース端子に接続され、前記第10のトランジスタのゲート端子が前記第8のトランジスタの前記ゲート端子に接続され、前記第10のトランジスタのソース端子が前記接地端子に接続される、
請求項17に記載のプログラム制御回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリセルのための制御回路に関し、より詳しくはアンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのためのプログラム制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
よく知られるように、不揮発性メモリは、マルチタイムプログラミングメモリ(MTPメモリとも呼ばれる)、ワンタイムプログラミングメモリ(OTPメモリとも呼ばれる)、およびマスク読出し専用メモリ(マスクROMとも呼ばれる)に分類され得る。一般に、MTPメモリは、多数回プログラムされることが可能であり、MTPメモリの格納データは多数回修正されることが可能である。一方、OTPメモリは一度のプログラムが可能である。OTPメモリがプログラムされた後は、格納データは修正できない。更に、マスクROMは工場を出た後に全ての格納データがそこに記録される。ユーザは、マスクROMから格納データを読み出すことのみ可能であるが、マスクROMをプログラムすることはできない。
【0003】
例えば、アンチヒューズ型OTPメモリのメモリセルがプログラムされる前は、アンチヒューズ型OTPメモリのメモリセルは高抵抗記憶状態を有する。アンチヒューズ型OTPメモリのメモリセルがプログラムされた後は、アンチヒューズ型OTPメモリのメモリセルは低抵抗記憶状態を有する。アンチヒューズ型OTPメモリのメモリセルがプログラムされた後は、格納データは変更されることができない。
【0004】
図1A及び図1Bは、2つの従来のアンチヒューズ型OTPメモリセルを図示する概略的な等価回路図である。以下において、アンチヒューズ型OTPメモリセルを略してOTPメモリセルと呼ぶ。
【0005】
図1Aに示すように、OTPメモリセル100は、三端子デバイスである。OTPメモリセル100の第1の端子xは、ビット線BLに接続される。OTPメモリセル100の第2の端子yは、ワード線WLに接続される。OTPメモリセル100の第3の端子zは、アンチヒューズ制御線AFに接続される。OTPメモリセル100は、選択トランジスタMと、アンチヒューズトランジスタMAFとを備える。選択トランジスタMの第1のドレイン/ソース端子は、ビット線BLに接続される。選択トランジスタMのゲート端子は、ワード線WLに接続される。選択トランジスタMの第2のドレイン/ソース端子は、アンチヒューズトランジスタMAFの第1のドレイン/ソース端子に接続される。アンチヒューズトランジスタMAFのゲート端子は、アンチヒューズ制御線AFに接続される。アンチヒューズトランジスタMAFの第2のドレイン/ソース端子は、浮遊状態を有する。アンチヒューズトランジスタMAFの第2のドレイン/ソース端子が浮遊状態を有するため、アンチヒューズトランジスタMAFは、コンデンサと考えることができる。更に、OTPメモリセル100が、1つのトランジスタと、1つのコンデンサとを含むため、OTPメモリセル100は1T1Cセルと呼ばれ得る。
【0006】
図1Bに示すように、OTPメモリセル102は、四端子デバイスである。OTPメモリセル102の第1の端子xは、ビット線BLに接続される。OTPメモリセル102の第2の端子yは、ワード線WLに接続される。OTPメモリセル102の第3の端子zは、アンチヒューズ制御線AFに接続される。OTPメモリセル102の第4の端子wは、後段の制御線FLに接続される。図1Bに示すように、OTPメモリセル102は、選択トランジスタMと、後段のトランジスタMFLと、アンチヒューズトランジスタMAFとを備える。選択トランジスタMの第1のドレイン/ソース端子は、ビット線BLに接続される。選択トランジスタMのゲート端子は、ワード線WLに接続される。選択トランジスタMの第2のドレイン/ソース端子は、後段のトランジスタMFLの第1のドレイン/ソース端子に接続される。後段のトランジスタMFLのゲート端子は、後段の制御線FLに接続される。後段のトランジスタMFLの第2のドレイン/ソース端子は、アンチヒューズトランジスタMAFの第1のドレイン/ソース端子に接続される。アンチヒューズトランジスタMAFのゲート端子は、アンチヒューズ制御線AFに接続される。アンチヒューズトランジスタMAFの第2のドレイン/ソース端子は、浮遊状態を有する。アンチヒューズトランジスタMAFの第2のドレイン/ソース端子が浮遊状態を有するため、アンチヒューズトランジスタMAFは、コンデンサと考えることができる。更に、OTPメモリセル102は、2つのトランジスタと、1つのコンデンサとを含むため、OTPメモリセル102は2T1Cセルと呼ばれ得る。
【0007】
OTPメモリセルの構造は規定されていない。例えば、アンチヒューズトランジスタMAFと、より多くのトランジスタとは、もう1つのOTPメモリセルとして協同的に形成され得る。
【0008】
図1Aに示すようにOTPメモリセル100で実行されたプログラムアクション及びプログラム抑制アクションが、以下の通り説明される。図2Aは、図1Aに示すような従来のOTPメモリセルに対してプログラムアクションを実行するための関連バイアス電圧を概略的に示す。図2Bは、図1Aに示すような従来のOTPメモリセルに対してプログラム抑制アクションを実行するための関連バイアス電圧を概略的に示す。
【0009】
図2Aを参照されたい。プログラムアクションが実行されると、アンチヒューズ制御線AFはプログラムパルスを受け取り、ビット線BLはグランド電圧(0V)を受け取り、ワード線WLはオン電圧VONを受け取る。結果として、ワード線WLが活性化される。例えば、プログラムパルスのパルス高はプログラム電圧VPPに等しく、プログラムパルスのパルス幅はTである。
【0010】
プログラムアクションが実行されると、選択トランジスタMはオン状態となり、ビット線BLのグランド電圧(0V)は、アンチヒューズトランジスタMAFの第1のドレイン/ソース端子に伝達される。アンチヒューズ制御線AFがプログラムパルスを受け取ると、アンチヒューズトランジスタMAFのゲート端子と第1のドレイン/ソース端子との間の電圧ストレスは、プログラム電圧VPPに等しい。この状況において、アンチヒューズトランジスタMAFのゲート酸化膜層が破壊され、プログラム電流Ipが生成される。結果として、アンチヒューズトランジスタMAFのゲート端子と、第1のドレイン/ソース端子との間の領域が低抵抗値を有する。すなわち、OTPメモリセル100は低抵抗記憶状態となるようにプログラムされる。
【0011】
図2Bを参照されたい。プログラム抑制アクションが実行されると、アンチヒューズ制御線AFはプログラムパルスを受け取り、ビット線BLはグランド電圧(0V)を受け取り、ワード線WLはオフ電圧VOFFを受け取る。結果として、ワード線WLが非活性化される。
【0012】
プログラム抑制アクションが実行されると、選択トランジスタMはオフ状態となり、ビット線BLのグランド電圧(0V)は、アンチヒューズトランジスタMAFの第1のドレイン/ソース端子に伝達されることができない。アンチヒューズ制御線AFがプログラムパルスを受け取ると、アンチヒューズトランジスタMAFのゲート端子と第1のドレイン/ソース端子との間の電圧ストレスは、非常に低くなる。この状況において、アンチヒューズトランジスタMAFのゲート酸化膜層は破壊されず、アンチヒューズトランジスタMAFのゲート端子と、第1のドレイン/ソース端子との間の領域は、高抵抗値を有する状態に維持される。すなわち、OTPメモリセル100は高抵抗記憶状態を有する。
【0013】
図2Bを再度参照されたい。プログラム抑制アクションが実行されると、アンチヒューズ制御線AFがプログラムパルスを受け取り、ビット線BLがグランド電圧(0V)を受け取る。ワード線WLは非活性化されるが、選択トランジスタMは、プログラム電圧VPPに応答して漏れ電流Iを生成し得る。例えば、漏れ電流Iは、ゲート誘導ドレイン漏れ(GIDL)電流を含む。
【0014】
図3は、プログラムアクションが実行された時のOTPメモリセルアレイと関連バイアス電圧とを図示する概略回路図である。メモリセルアレイは、M×NのOTPメモリセルを含み、ここでM及びNは正の整数である。図示のため、メモリセルアレイは、3×3のOTPメモリセルc11~c33を備える。OTPメモリセルc11~c33のそれぞれは、図1Aに示すような構造を有する。なお、OTPメモリセルの構造は限定されないことに留意されたい。例えば、図1Bの複数のOTPメモリセルは、メモリセルアレイとして協同的に形成され得る。
【0015】
メモリセルアレイの第1の行において、OTPメモリセルc11~c13の第1の端子は対応するビット線BL1~BL3にそれぞれ接続され、OTPメモリセルc11~c13の第2の端子はワード線WL1に接続され、OTPメモリセルc11~c13の第3の端子はアンチヒューズ制御線AFに接続される。メモリセルアレイの第2の行において、OTPメモリセルc21~c23の第1の端子は対応するビット線BL1~BL3にそれぞれ接続され、OTPメモリセルc21~c23の第2の端子はワード線WL2に接続され、OTPメモリセルc21~c23の第3の端子はアンチヒューズ制御線AFに接続される。メモリセルアレイの第3の行において、OTPメモリセルc31~c33の第1の端子は対応するビット線BL1~BL3にそれぞれ接続され、OTPメモリセルc31~c33の第2の端子はワード線WL3に接続され、OTPメモリセルc31~c33の第3の端子はアンチヒューズ制御線AFに接続される。
【0016】
メモリセルアレイのいずれかのOTPメモリセルがプログラムアクションを受けた場合、アンチヒューズ制御線AFはプログラムパルスを受け取り、対応するワード線が活性化される。他のワード線は非活性化される。更に、対応するビット線はグランド電圧(0V)を受け取り、他のビット線は浮遊状態を有する。プログラムアクションがメモリセルアレイのOTPメモリセルc11に実行されると、アンチヒューズ制御線AFはプログラムパルスを受け取り、ワード線WL1はオン電圧VONを受け取り、他のワード線WL2及びWL3はオフ電圧VOFFを受け取り、ビット線BL1はグランド電圧(0V)を受け取り、他のビット線BL2及びBL3は浮遊状態を有する。結果として、ワード線WL1が活性化され、他のワード線WL2及びWL3が非活性化される。プログラムパルスのパルス高はプログラム電圧VPPに等しく、プログラムパルスのパルス幅はTである。例えば、パルス幅Tは10μs、プログラム電圧VPPは6.5V、オン電圧VONは3V、オフ電圧VOFFは0Vである。バイアス電圧及びパルス幅Tは、実践上の要件にしたがって異なってもよい。例えば、いくつかの場合において、ビット線BL2及びBL3は、グランド電圧(0V)を受け取る。
【0017】
図3を再度参照されたい。上述したように、ビット線BL2及びBL3は浮遊状態を有する。結果として、ワード線WL1~WL3が活性化されているか、非活性化されているかにかかわらず、メモリセルアレイの第2の列のOTPメモリセルc12、c22及びc32の記憶状態とメモリセルアレイの第3の列のOTPメモリセルc13、c23及びc33の記憶状態は、不変状態が維持される。
【0018】
メモリセルアレイの第1の列において、アンチヒューズ制御線AFはプログラムパルスを受け取り、ビット線BL1はグランド電圧(0V)を受け取り、ワード線WL1はオン電圧VONを受け取り、他のワード線WL2及びWL3はオフ電圧VOFFを受け取る。結果として、OTPメモリセルc11は選択メモリセルとなり、OTPメモリセルc21及びc31は非選択メモリセルとなる。
【0019】
OTPメモリセルc11において、選択トランジスタMS1がオン状態にされる。この状況では、アンチヒューズトランジスタMAF1のゲート酸化膜層が破壊され、プログラム電流Ipが生成される。結果として、OTPメモリセルc11は低抵抗記憶状態となるようにプログラムされる。
【0020】
OTPメモリセルc21において、選択トランジスタMS2がオフ状態にされる。この状況では、アンチヒューズトランジスタMAF2のゲート酸化膜層が破壊されない。結果として、OTPメモリセルc21は高抵抗記憶状態に維持される。同様に、OTPメモリセルc31の選択トランジスタMS3がオフ状態にされる。そのため、アンチヒューズトランジスタMAF3のゲート酸化膜層が破壊されない。結果として、OTPメモリセルc31は高抵抗記憶状態に維持される。
【0021】
上述したように、アンチヒューズ制御線AFがプログラムパルスを受け取り、ビット線BL1はグランド電圧(0V)を受け取る。ワード線WL2及びWL3が非活性化されるが、OTPメモリセルc21は漏れ電流IL2を生成し、OTPメモリセルc31が漏れ電流IL3を生成する。換言すれば、アンチヒューズ制御線AFを流れる合計電流は、IAF=I+IL2+IL3のように表される。
【0022】
上述したように、プログラムアクションがOTPメモリセルに実行された時に、プログラムパルスが提供される。プログラムパルスのパルス高はプログラム電圧VPPに等しい。プログラムパルスのパルス幅はTである。ただし、半導体チップのプロセス変動に起因して、アンチヒューズトランジスタMAF1のゲート酸化膜層が破壊される時を正確に予測することはできない。
【0023】
例えば、いくつかの状況において、アンチヒューズトランジスタMAF1のゲート酸化膜層は、プログラムパルスをアンチヒューズ制御線AFへ提供する初期段階中に破壊される。OTPメモリセルc11が過剰にプログラムされているため、OTPメモリセルc11が劣化し易くなる。状況によっては、アンチヒューズトランジスタMAF1のゲート酸化膜層は、パルス幅Tの持続期間が経過した後に破壊されない。この状況では、プログラムパルスのパルス高又はパルス幅を増やし、その後、再度プログラムアクションを実行する必要がある。
【0024】
非特許文献1では、Self-Adaptive Write Mode(SAWM)モジュールが提供される。SAWMモジュールは、設定/リセット時においてリアルタイムにセルの抵抗を監視し、セル抵抗スイッチを示すフィードバック信号FBを評決モジュールに提供する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0025】
【文献】「A 0.13μm 8Mb Logic-Based CuxSiyO ReROM With Self-Adaptive Operation for Yield Enhancement and Power Reduction」、IEEE Journal of Solid-State Circuit、Vol.48、No.5、2013年5月
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の一実施形態は、プログラム制御回路を提供する。プログラム制御回路は、アンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのアンチヒューズ制御線に結合される。プログラム制御回路は、アンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのうちの選択されたメモリセルをプログラムするプログラム電圧を生成する。プログラム制御回路は、プログラム電圧発生器と、プログラム電圧調整回路と、比例電流発生器と、電流サンプリング回路と、第1のスイッチと、第2のスイッチと、カレントミラーと、検出回路とを備える。プログラム電圧発生器の出力端子がアンチヒューズ制御線に結合される。プログラムアクションの校正段階で、プログラム電圧発生器はアンチヒューズ制御線への校正電圧を生成する。プログラムアクションの少なくとも1つのプログラム段階で、プログラム電圧発生器はアンチヒューズ制御線へのプログラム電圧を生成する。プログラム電圧調整回路はプログラム電圧発生器に接続される。プログラム電圧調整回路は、破壊信号を受信する。破壊信号が活性化されない時、プログラム電圧調整回路は、プログラム電圧を選択的に調整する。比例電流発生器は、プログラム電圧発生器に接続される。校正段階で、比例電流発生器は、第1のノードへの校正電流を生成する。少なくとも1つのプログラム段階で、比例電流発生器は、第1のノードへの動作電流を生成する。電流サンプリング回路は、第1のノードに接続される。校正段階で、電流サンプリング回路が校正電流をサンプリング電圧に変換する。少なくとも1つのプログラム段階で、電流サンプリング回路は、サンプリング電圧にしたがって校正電流を生成する。校正電流は、第1のノードから接地端子へ流れる。第1のスイッチの第1の端子は、第1のノードに接続される。第2のスイッチの第1の端子は、第1のノードに接続される。校正段階で、第1のスイッチ及び第2のスイッチは、開状態を有する。少なくとも1つのプログラム段階で、第1のスイッチ及び第2のスイッチは閉状態を有する。カレントミラーの電流入力端子は、第1の基準プログラム電流を受け取る。カレントミラーのカレントミラー端子は第2の基準プログラム電流を生成し、カレントミラー端子は、第1のスイッチの第2の端子に接続される。少なくとも1つのプログラム段階で、第2の基準プログラム電流は、第1のノードからカレントミラーのカレントミラー端子へ流れる。検出回路は、第2のスイッチの第2の端子に接続される。少なくとも1つのプログラム段階で、検出回路は、選択されたメモリセルによって生成されたプログラム電流の大きさを判断する。プログラム電流が十分であると検出回路が判断した場合、破壊信号が検出回路によって活性化される。
【0027】
本発明の多くの目的、特徴及び利点は、添付図面を併せて参照した場合に、本発明の実施形態の以下の詳細な説明を読むことによって容易に明らかとなるであろう。ただし、本明細書で用いられる図面は説明を目的としたものであり、限定するとしてみなされるべきではない。
【0028】
本発明の上記の目的及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面を精読することによって、当業者にとってより容易に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1A】(先行技術)従来のアンチヒューズ型OTPメモリセルを図示する概略的な等価回路図である。
図1B】(先行技術)従来のアンチヒューズ型OTPメモリセルを図示する概略的な等価回路図である。
図2A】(先行技術)図1Aに示すように従来のOTPメモリセルに対してプログラムアクションを実行するための関連バイアス電圧を概略的に示す図である。
図2B】(先行技術)図1Aに示すように従来のOTPメモリセルに対してプログラム抑制アクションを実行するための関連バイアス電圧を概略的に示す図である。
図3】(先行技術)プログラムアクションが実行された時のOTPメモリセルアレイと関連バイアス電圧とを図示する概略回路図である。
図4A】本発明の第1の実施形態による、アンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのためのプログラム制御回路を図示する概略回路図である。
図4B】本発明の第1の実施形態による、プログラム制御回路のためのプログラム制御方法のフローチャートである。
図5A】プログラム段階における図4Aのプログラム制御回路の動作を図示する概略回路図である。
図5B】プログラム段階における図4Aのプログラム制御回路の動作を図示する概略回路図である。
図5C】プログラム段階における図4Aのプログラム制御回路の関連信号を図示する概略タイミング波形図である。
図6】本発明の第2の実施形態による、アンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのためのプログラム制御回路を図示する概略回路図である。
図7】本発明の第3の実施形態による、アンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのためのプログラム制御回路を図示する概略回路図である。
図8】本発明の第4の実施形態による、アンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのためのプログラム制御回路を図示する概略回路図である。
図9A】本発明のプログラム制御回路におけるプログラム電圧調整回路及びプログラム電圧発生器の他の例を図示する概略回路図である。
図9B】本発明のプログラム制御回路におけるプログラム電圧調整回路及びプログラム電圧発生器の他の例を図示する概略回路図である。
図9C】プログラム段階におけるプログラム制御回路の関連信号を図示する概略タイミング波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、アンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのためのプログラム制御回路を提供する。プログラムアクションが実行されると、プログラム制御回路はプログラムパルスを提供しない。更に、プログラムアクションが実行されると、プログラム制御回路は、リアルタイムでOTPメモリセルからのプログラム電流を監視し、適時にプログラム電圧を増加させる。プログラム制御回路が、OTPメモリセルによって生成されたプログラム電流が十分であると判断した場合、プログラム制御回路は、プログラムアクションが完了したことを確認する。
【0031】
図4A及び図4Bを参照されたい。図4Aは、本発明の第1の実施形態による、アンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのためのプログラム制御回路を図示する概略回路図である。図4Bは、本発明の第1の実施形態による、プログラム制御回路のためのプログラム制御方法のフローチャートである。プログラム制御回路400は、プログラム電圧調整回路410と、プログラム電圧発生器420と、比例電流発生器430と、検出回路440と、確認回路450と、電流サンプリング回路460と、カレントミラー470と、2つのスイッチS、Sとを備える。いくつかの実施形態では、検出回路440は、電圧検出器又は電流検出器によって実施され得る。
【0032】
ノードaにおけるプログラム制御回路400の出力端子は、メモリセルアレイのアンチヒューズ制御線AFに結合される。加えて、プログラム制御回路400の出力端子はプログラム電圧VPPを生成する。例えば、プログラム制御回路400の出力端子は、図3に示すように、メモリセルアレイのアンチヒューズ制御線AFに結合される。当然ながら、いくつかの他の実施形態では、プログラム制御回路400の出力端子は、他のメモリセルアレイのアンチヒューズ制御線AFに結合されてもよい。
【0033】
プログラムアクション中において、プログラム制御回路400は、メモリセルアレイの選択されたメモリセルをプログラムできる。更に、プログラムアクションは、校正段階と、少なくとも1つのプログラム段階を含む。プログラム制御回路400の動作は、以下で詳細に説明される。
【0034】
プログラム電圧発生器420は、演算増幅器OPと、トランジスタMP1と、抵抗器Rと、抵抗器Rとを備える。演算増幅器OPの第1の入力端子は、基準電圧VREFを受け取る。トランジスタMP1のソース端子は、供給電圧VHVを受け取る。トランジスタMP1のゲート端子は、演算増幅器OPの出力端子に接続される。トランジスタMP1のドレイン端子は、第2のノードとも呼ばれるノードaに接続される。ノードaは、プログラム制御回路400の出力端子である。ノードaは、プログラム電圧VPPをアンチヒューズ制御線AFに提供するためにアンチヒューズ制御線AFに結合される。2つの抵抗器R及びRは、ノードaと接地端子GNDとの間で直列に接続される。更に、2つの抵抗器R及びRは、第3のノードとも呼ばれるノードbに接続される。ノードbは、演算増幅器OPの第2の入力端子に接続される。供給電圧VHVはプログラム電圧VPPより高い。プログラム電圧VPPは基準電圧VREFより高い。基準電圧VREFはグランド電圧(0V)より高い。
【0035】
更に、プログラム電圧VPPと基準電圧VREFとの間の関係は、VPP=(1+R/R)×VREFのように表され得る。基準電圧VREFは、固定値を有する。抵抗器Rは、固定抵抗値を有する。抵抗器Rは、可変抵抗器である。抵抗器Rの抵抗が増加するにつれ、値R/Rが増加する。結果として、プログラム電圧VPPの大きさが増加する。本発明の教示を維持しながら、多くの修正及び改変を行われ得ることに留意されたい。例えば、他の実施形態では、プログラム電圧発生器420の抵抗器Rは可変抵抗器であり、抵抗器Rは、固定抵抗値を有する。抵抗器Rの抵抗値に対する抵抗器Rの抵抗値の比率を調整することによって、プログラム電圧VPPの大きさが対応して変化される。
【0036】
プログラム電圧調整回路410はプログラム電圧発生器420に接続される。プログラム電圧調整回路410は、プログラム電圧発生器420の値R/Rを調整するために調整信号TTUNを生成し、対応してプログラム電圧VPPを変化させる。更に、プログラム電圧調整回路410は、破壊信号DRUPを受信する。プログラムアクションの校正段階において、プログラム電圧発生器420は、プログラム電圧調整回路410からの調整信号TTUNにしたがってプログラム電圧VPPとして校正電圧を生成する。プログラム電圧VPPは、アンチヒューズ制御線AFを介してメモリセルアレイへ伝達される。プログラムアクションのプログラム段階において、プログラム電圧発生器420の値R/Rは、プログラム電圧調整回路410からの調整信号TTUNにしたがって増加される。結果として、破壊信号DRUPが活性化されるまで、プログラム電圧VPPは増加される。一実施形態では、調整信号TTUNはデジタル符号である。デジタル符号の低い値は、プログラム電圧発生器420から出力されたプログラム電圧VPPの大きさが小さいことを表す。デジタル符号の高い値は、プログラム電圧発生器420から出力されたプログラム電圧VPPの大きさが大きいことを表す。調整信号TTUNの例は限定されないことに留意されたい。例えば、他の実施形態では、調整信号TTUNはアナログ信号である。
【0037】
比例電流発生器430は、トランジスタMP2を備える。トランジスタMP2のソース端子は、供給電圧VHVを受け取る。トランジスタMP2のゲート端子は、演算増幅器OPの出力端子に接続される。トランジスタMP2のドレイン端子は、第1のノードとも呼ばれるノードcに接続される。正常動作中には、トランジスタMP1を流れる電流IMP1とトランジスタMP2を流れる電流IMP2との間で比例関係が存在する。この比例関係は、トランジスタMP1及びMP2のサイズにしたがって決定される。例えば、トランジスタMP1のサイズは、トランジスタMP2のサイズのN倍である。結果として、電流IMP1と電流IMP2との関係は、IMP2=(1/N)×IMP1のように表され得る。ただし、Nは2に等しい。すなわち、トランジスタMP1のサイズはトランジスタMP2のサイズの2倍であり、IMP2=(1/2)×IMP1である。
【0038】
スイッチSの第1の端子はノードcに接続される。スイッチSの第2の端子は検出回路440に接続される。プログラムアクションの校正段階では、スイッチSが開状態を有する。結果として、ノードcは、検出回路440に接続されない。プログラムアクションのプログラム段階では、スイッチSが閉状態を有する。結果として、ノードcと検出回路440との間の電流検出経路を形成するために、ノードcは検出回路440に接続される。一方、検出回路440は、電流がその電流検出経路を介して検出回路440に流れるかを検出し、又は、検出回路440は、ノードcでの電圧レベルが所定の閾値電圧よりも大きいかを検出できる。電流が検出回路440に流れることを検出回路440が検出した場合、又はノードcでの電圧レベルが所定の閾値電圧よりも大きいことを検出回路440が検出した場合、それは、プログラム電流Iの大きさが十分であることを意味する。この状況において、検出回路440は、OTPメモリセルにおけるアンチヒューズトランジスタのゲート酸化膜層が破壊されていると判断し、破壊信号DRUPが検出回路440によって活性化される。一実施形態では、検出回路440は、電流コンパレータとともに実施される。電流検出経路のおける電流が閾値電流より大きい場合、破壊信号DRUPは、電流コンパレータによって活性化される。一実施形態では、検出回路440は、電圧コンパレータとともに実施される。ノードcでの電圧レベルが所定の閾値電圧より大きい場合、破壊信号DRUPは電圧コンパレータによって活性化される。
【0039】
確認回路450は、検出回路440から破壊信号DRUPを受信するために、検出回路440に接続される。破壊信号DRUPが活性化されると、確認回路450は、その破壊信号DRUPが指定された時間分だけ活性化されたかを判断する。破壊信号DRUPが指定時間分だけ活性化された場合、確認回路450は、OTPメモリセルに対するプログラムアクションが完了したことを示すために、プログラム完了信号PGMOKを生成する。
【0040】
電流サンプリング回路460は、ノードcに接続される。一実施形態では、電流サンプリング回路460は、トランジスタMN1と、2つのスイッチS、Sと、コンデンサCとを備える。トランジスタMN1のドレイン端子は、ノードcに接続される。トランジスタMN1のソース端子は、接地端子GNDに接続される。コンデンサCの第1の端子は、トランジスタMN1のゲート端子に接続される。コンデンサCの第2の端子は、接地端子GNDに接続される。スイッチSの第1の端子は、トランジスタMN1のゲート端子に接続される。スイッチSの第2の端子は、接地端子GNDに接続される。スイッチSの第1の端子は、ノードcに接続される。スイッチSの第2の端子は、トランジスタMN1のゲート端子に接続される。
【0041】
プログラムアクションが実行される前は、スイッチSは閉状態を有する。結果として、コンデンサCがリセットされる。プログラムアクションの校正段階では、スイッチSは開状態を有し、スイッチSは閉状態を有する。結果として、校正電流はトランジスタMN1を流れ、コンデンサCはサンプリング電圧を格納する。プログラムアクションのプログラム段階では、スイッチS及びSは開状態を有する。結果として、トランジスタMN1は、コンデンサCに格納されたサンプリング電圧にしたがって校正電流を生成する。
【0042】
スイッチSの第1の端子はノードcに接続される。スイッチSの第2の端子は、カレントミラー470のカレントミラー端子に接続される。カレントミラー470の電流入力端子は、基準プログラム電流IP_REF1を受け取る。プログラムアクションの校正段階では、スイッチSが開状態を有する。プログラムアクションのプログラム段階では、スイッチSが閉状態を有する。結果として、プログラムアクションのプログラム段階では、カレントミラー470は、電流入力端子が受け取った基準プログラム電流IP_REF1と、カレントミラー端子におけるトランジスタと電流入力端子におけるトランジスタとの間の所定のサイズ比率とにしたがって、カレントミラー端子における基準プログラム電流IP_REF2を生成する。一般に、基準プログラム電流IP_REF2は、OTPメモリセルのプログラムが成功した場合に生成される最小プログラム電流に対応する電流に設定される。
【0043】
図4Bを参照されたい。プログラム制御方法のフローチャートは、以下のように説明される。校正段階でプログラムアクションが開始されてメモリセルアレイのワード線が非活性化された後、校正電圧がアンチヒューズ制御線AFに提供される。結果として、校正電流及びサンプリング電圧が得られる(ステップS481)。その後、プログラム段階で、メモリセルアレイのうちの選択されたメモリセルをプログラムするためにプログラム電圧VPPがアンチヒューズ制御線AFに提供され、プログラム電流Iが十分か否かを決定するために、アンチヒューズ制御線AF上のプログラム電流Iが監視される(ステップS483)。アンチヒューズ制御線AF上のプログラム電流Iが不十分な場合(ステップS485)、プログラム電圧VPPが増加され(ステップS487)、ステップS483が繰り返し実行される。一方、アンチヒューズ制御線AF上のプログラム電流Iが十分な場合(ステップS485)、再確認プロセスが実行される(ステップS489)。再確認プロセスが、アンチヒューズ制御線AF上のプログラム電流Iが十分であると示した場合、プログラムアクションは完了される。一方、再確認プロセスが失敗した場合、ステップS487が繰り返し実行される。
【0044】
図5A及び図5Bは、プログラムアクションにおける図4Aのプログラム制御回路の動作を図示する概略回路図である。図5Cは、プログラムアクションにおける図4Aのプログラム制御回路の関連信号を図示する概略タイミング波形図である。プログラムアクションが実行される前は、スイッチSは閉状態を有し、スイッチS、S、及びSは開状態を有する。結果として、コンデンサCがリセットされる。
【0045】
ステップS481は、プログラムアクションの校正段階を表す。校正段階で、スイッチSは閉状態を有し、スイッチS、S、及びSは開状態を有する。加えて、メモリセルアレイのワード線は全て非活性化される。図5Aを参照されたい。校正段階で、プログラム電圧発生器420は校正電圧をアンチヒューズ制御線AFに提供する。校正電圧はプログラム電圧VPPとして使用される。
【0046】
メモリセルアレイのワード線が全て非活性化されるため、アンチヒューズ制御線AFからの出力電流IAFは、メモリセルアレイの複数のOTPメモリセルからの合計漏れ電流IL_sumに等しく、すなわち、IAF=IL_sumとなる。加えて、プログラム電圧発生器420の2つの抵抗器R及びRは、DC電流IDCを生成する。結果として、プログラム電圧発生器420の内部電流は、トランジスタMP1を流れる電流IMP1に等しく、すなわち、IMP1=IDC+IL_sumとなる。更に、比例電流発生器430によって生成された電流IMP2は、電流IMP1に比例する。換言すれば、IMP2=(1/N)×(IDC+IL_sum)である。校正段階で、トランジスタMP2を流れる電流IMP2は校正電流である。更に、電流IMP2が、電流サンプリング回路460のトランジスタMN1に流れる。結果として、サンプリング電圧Vが、電流IMP2に応答してコンデンサCに格納される。
【0047】
ステップS483は、プログラムアクションのプログラム段階を表す。プログラム段階で、スイッチS及びSは閉状態を有し、スイッチS及びSは開状態を有する。それと同時に、メモリセルの1本のワード線が活性化され、メモリセルアレイの選択されたメモリセルが決定される。図5Bを参照されたい。プログラム段階で、選択されたメモリセルをプログラムするために、プログラム電圧発生器420はプログラム電圧VPPをアンチヒューズ制御線AFに提供する。
【0048】
プログラムアクションのプログラム段階では、アンチヒューズ制御線AFからの出力電流IAFは、メモリセルアレイの複数のOTPメモリセルからの合計漏れ電流IL_sumプラスプログラム電流Iに等しく、すなわち、IAF=IL_sum+Iである。当然ながら、選択されたメモリセルのプログラムが成功する前は、プログラム電流Iはゼロである。加えて、プログラム電圧発生器420の2つの抵抗器R及びRは、DC電流IDCを生成する。結果として、プログラム電圧発生器420の内部電流は、トランジスタMP1を流れる電流IMP1に等しく、すなわち、IMP1=IDC+IL_sum+Iとなる。更に、比例電流発生器430によって生成された電流IMP2は、電流(1/N)×IMP1に等しい。換言すれば、IMP2=(1/N)×(IDC+IL_sum+I)である。プログラム段階で、トランジスタMP2を流れる電流IMP2は動作電流である。
【0049】
プログラム段階で、サンプリング電圧VはコンデンサCに格納される。結果として、電流サンプリング回路460のトランジスタMN1を流れる電流IMN1は、校正電流に等しい。すなわち、IMN1=(1/N)×(IDC+IL_sum)である。更に、カレントミラー470は、カレントミラー470のカレントミラー端子において基準プログラム電流IP_REF2を生成する。
【0050】
一実施形態では、電流検出経路は、ノードcと検出回路440との間で接続される。電流検出経路上での検出電流Iの大きさは、電流IMP2及び電流(IMN1+IP_REF2)にしたがって決定される。すなわち、判断ステップS485は、電流IMP2を電流(IMN1+IP_REF2)と比較した結果にしたがって実行され得る。例えば、プログラムアクションが完了する前に、選択されたメモリセルによって生成されたプログラム電流Iはゼロである。同時に、電流IMP2の大きさは電流(IMN1+IP_REF2)の大きさよりも小さい。すなわち、電流検出経路には電流は流れておらず、検出電流Iはゼロである。結果として、破壊信号DRUPは、検出回路440によって活性化されない。一方、プログラムアクションが完了した後は、選択されたメモリセルによって生成されたプログラム電流Iが十分である。すなわち、電流IMP2の大きさは、電流(IMN1+IP_REF2)の大きさより大きい。すなわち、ゼロより大きい検出電流Iが電流検出経路を流れる。検出電流Iが検出回路440を流れた後、破壊信号DRUPは検出回路440によって活性化される。上述したように、基準プログラム電流IP_REF2は、OTPメモリセルのプログラムが成功した場合に生成される最小プログラム電流に対応する電流である。例えば、基準プログラム電流IP_REF2は、OTPメモリセルのプログラムが成功した場合に生成される最小プログラム電流の(1/N)である。
【0051】
プログラム段階で、破壊信号DRUPが活性化されない場合、それは、プログラム電流Iの大きさが不十分であることを意味する。同時に、プログラム電圧調整回路410は、プログラムアクションの次のプログラム段階に入る。すなわち、ステップS487が実行される。プログラム電圧調整回路410は、プログラム電圧発生器420の値R/Rを増加させるために調整信号TTUNを発信し、対応してプログラム電圧VPPを増加させる。破壊信号DRUPが活性化された場合、それはプログラム電流Iの大きさが十分であることを意味する。同時に、プログラム電圧発生器420の値R/Rはプログラム電圧調整回路410によって変更されず、プログラム電圧VPPは変更されない。
【0052】
破壊信号DRUPが活性化された後、確認回路450は、その破壊信号DRUPが指定された時間分だけ活性化されたことを判断する。確認回路450が、破壊信号DRUPが特定の時間分だけ活性化されたことを確認した場合、確認回路450は、OTPメモリセル上のプログラムアクションが完了したことを示すために、プログラム完了信号PGMOKを生成する。
【0053】
図5Cを参照されたい。時点taと時点thとの間の時間間隔は、プログラムアクションである。時点taと時点tbとの間の時間間隔は、校正段階CPである。時点tbと時点thとの間の時間間隔は4つのプログラム段階PP_1、PP_2、PP_3、及びPP_4に分割され、プログラム段階PP_1、PP_2、PP_3、及びPP_4の時間間隔は調整可能である。例えば、調整信号TTUNは3ビットのデジタル符号である。デジタル符号の低い値は、調整されたプログラム電圧VPPの大きさが小さいことを表す。デジタル符号の高い値は、調整されたプログラム電圧VPPの大きさが大きいことを表す。
【0054】
プログラムアクションが実行される前(すなわち、時点ta前)は、スイッチSは閉状態を有し、スイッチS、S、及びSは開状態を有する。結果として、コンデンサCがリセットされる。
【0055】
校正段階CP(すなわち、時点taと時点tbとの間の時間間隔)において、スイッチSは閉状態を有し、スイッチS、S、及びSは開状態を有する。校正段階CPで、調整信号TTUNは<011>であり、プログラム電圧発生器420は校正電圧をアンチヒューズ制御線AFに提供する。校正電圧はプログラム電圧VPPとして使用される。更に、比例電流発生器430は校正電流を生成する。結果として、サンプリング電圧VがコンデンサCに格納される。
【0056】
第1のプログラム段階PP_1(すなわち、時点tbと時点tcとの間の時間間隔)において、スイッチS及びSは開状態を有し、スイッチS及びSは閉状態を有する。第1のプログラム段階PP_1で、調整信号TTUNは<001>であり、プログラム電圧発生器420は、より小さい校正電圧VPPをアンチヒューズ制御線AFに提供する。第1のプログラム段階PP_1の終了時点tcで、破壊信号DRUPは活性化されない。プログラム電流Iの大きさが不十分なため、選択されたメモリセルのプログラムが成功していない。
【0057】
第2のプログラム段階PP_2(すなわち、時点tcと時点tdとの間の時間間隔)で、調整信号TTUNは<010>であり、プログラム電圧発生器420は、増加したプログラム電圧VPPをアンチヒューズ制御線AFに提供する。第2のプログラム段階PP_2の終了時点tdで、破壊信号DRUPは活性化されない。プログラム電流Iの大きさが不十分なため、選択されたメモリセルのプログラムが成功していない。
【0058】
第3のプログラム段階PP_3(すなわち、時点tdと時点teとの間の時間間隔)で、調整信号TTUNは<011>であり、プログラム電圧発生器420は、上記の増加したプログラム電圧VPPをアンチヒューズ制御線AFに提供する。第3のプログラム段階PP_3の終了時点teで、破壊信号DRUPは活性化されない。プログラム電流Iの大きさが不十分なため、選択されたメモリセルのプログラムが成功していない。
【0059】
第4のプログラム段階PP_4(すなわち、時点teと時点thとの間の時間間隔)で、調整信号TTUNは<100>であり、プログラム電圧発生器420は、上記の増加したプログラム電圧VPPをアンチヒューズ制御線AFに提供する。時点tfで、破壊信号DRUPが活性化される。プログラム電流Iの大きさが十分であるため、これは、選択されたメモリセルのプログラムが成功する可能性があることを意味する。破壊信号DRUPが指定時間分TKEEPだけ活性化された後、時点tgで、確認回路450は、OTPメモリセル上のプログラムアクションが完了したことを示すために、プログラム完了信号PGMOKを生成する。
【0060】
OTPメモリセルに対するプログラムアクションが完了したため、調整信号TTUNは、第4のプログラム段階PP_4の終了時点thで<100>に維持される。結果として、プログラム電圧VPPは不変状態に維持される。当然ながら、第4のプログラム段階PP_4の後にプログラムアクションの実行が成功しない場合、プログラム電圧調整回路410は、プログラムアクションの実行が成功するまで、次のプログラム段階に入る。
【0061】
時点tgで、選択されたメモリセルが完了される。プログラム電圧VPPの大きさが変化していないが、選択されたメモリセルが過剰にプログラムされている可能性がある。過剰にプログラムされた状態の発生を避けるため、スイッチング回路(不図示)が設けられる。プログラム完了信号PGMOKにしたがって、アンチヒューズ制御線AFは、低電圧源(例えば、グランド電圧又は3.3V論理電圧)に切り換えられる。結果として、選択されたメモリセルは、時点tg後に過剰にプログラムされない。
【0062】
上記の説明から、本発明は、アンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのためのプログラム制御回路を提供する。プログラムアクションが実行されると、プログラム制御回路は、リアルタイムでOTPメモリセルからのプログラム電流を監視し、適時にプログラム電圧を増加させる。プログラム制御回路が、OTPメモリセルによって生成されたプログラム電流が十分であると判断した場合、プログラム制御回路は、プログラムアクションが完了したことを確認する。
【0063】
プログラム制御回路の詳細なサーキットリー構造が、以下で詳細に説明される。図6は、本発明の第2の実施形態による、アンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのためのプログラム制御回路を図示する概略回路図である。第1の実施形態と比較して、本実施形態のプログラム制御回路490の検出回路440、カレントミラー470及び確認回路450の詳細なサーキットリー構造が以下のように説明される。
【0064】
カレントミラー470は、2つのトランジスタMN2及びMN3を備える。トランジスタMN2のドレイン端子は、基準プログラム電流IP_REF1を受け取るカレントミラー470の電流入力端子である。トランジスタMN2のドレイン端子及びトランジスタMN2のゲート端子は、互いに接続されている。トランジスタMN2のソース端子は、接地端子GNDに接続される。トランジスタMN3のドレイン端子は、基準プログラム電流IP_REF2を生成するカレントミラー470のカレントミラー端子である。トランジスタMN3のゲート端子は、トランジスタMN2のゲート端子に接続される。トランジスタMN3のソース端子は、接地端子GNDに接続される。2つの基準プログラム電流IP_REF1及びIP_REF2の比率は、2つのトランジスタMN2及びMN3のサイズの比率によって決定される。
【0065】
いくつかの状況では、供給電圧VHVは、チャージポンプによって提供される。チャージポンプによって供給された供給電圧VHVはかなり不安定であり、リップルを生成し、ノイズを発生させ、検出電流Iは、そのリップルによる影響を受けてノイズを発生させる。そのため、検出回路440は、積分回路442と、コンパレータ446とを備える。積分回路442は、コンパレータ446が安定した破壊信号DRUPを出力でき、それによってプログラム完了信号PGMOKの信頼性を改善するように、安定した出力を生成するために定義された時間にわたって検出電流Iを蓄積できる。詳細には、積分回路442は、コンデンサCと、リセットトランジスタMrstとを備える。コンデンサCの第1の端子は、スイッチSの第2の端子に接続される。コンデンサCの第2の端子は、接地端子GNDに接続される。リセットトランジスタMrstのドレイン端子は、スイッチSの第2の端子に接続される。リセットトランジスタMrstのソース端子は、接地端子に接続される。リセットトランジスタMrstのゲート端子は、リセット信号Rを受信する。コンパレータ446の第1の端子は、スイッチSの第2の端子に接続される。コンパレータ446の第2の端子は、閾値電圧VTHを受け取る。コンパレータ446の出力端子は、破壊信号DRUPを生成する。換言すれば、検出電流Iは積分回路442のコンデンサCを充電でき、プログラム電流が十分であることを判断する判断ステップS485は、コンデンサCの電圧が閾値電圧VTHより高いかを判断することによって実行され得る。コンデンサCの電圧が閾値電圧VTHより高い場合、電流IMP2の大きさが電流(IMN1+IP_REF2)の大きさよりも高いことが判断され、選択されたメモリセルによって生成されたプログラム電流Iが十分であり、破壊信号DRUPがコンパレータ446によって活性化される。
【0066】
確認回路450は、カウンタ452を備える。カウンタ452は、クロック信号CKを受信する。カウンタ452のイネーブル端子ENは、破壊信号DRUPを受信する。破壊信号DRUPが活性化されると、カウンタ452はカウントを開始する。カウンタ452が指定の数までカウントすると、それは、破壊信号DRUPが指定の時間分TKEEPだけ活性化されたことを意味する。それと同時に、カウンタ452は、OTPメモリセルに対するプログラムアクションが完了したことを示すプログラム完了信号PGMOKを生成する。逆に、破壊信号DRUPの活性化時間が指定の時間分TKEEPよりも短い場合、カウンタ452は指定の数までカウントできない。この状況において、カウンタ452がリセットされ、プログラム完了信号PGMOKが生成されない。次回までに、破壊信号DRUPが再度活性化されると、カウンタ452はカウントを開始する。
【0067】
一般に、供給電圧VHV及びプログラム電圧VPPは高電圧である。プログラム制御回路のトランジスタが高電圧ストレスを受けると、トランジスタは破損される可能性がある。この問題を解決するため、プログラム制御回路は更に修正され得る。
【0068】
図7は、本発明の第3の実施形態による、アンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのためのプログラム制御回路を図示する概略回路図である。第2の実施形態のプログラム制御回路490と比較すると、本実施形態のプログラム制御回路700は、複数の負荷デバイスMP3、MP4、MN4、MN5及びMN6を更に備える。負荷デバイスMP3は、プログラム電圧発生器720に含まれる。負荷デバイスMP4は、比例電流発生器730に含まれる。負荷デバイスMN4は、電流サンプリング回路760に含まれる。負荷デバイスMN5及びMN6は、カレントミラー770に含まれる。本実施形態のプログラム制御回路700が複数の負荷デバイスMP3、MP4、MN4、MN5及びMN6を更に備えるが、プログラム制御回路700の動作原理は、プログラム制御回路490の動作原理と類似している。本実施形態において、複数の負荷デバイスMP3、MP4、MN4、MN5及びMN6はトランジスタである。以下、それらの負荷デバイスと、関連の構成要素との間の接続関係が以下のように説明される。
【0069】
プログラム電圧発生器720において、トランジスタMP3のソース端子は、トランジスタMP1のドレイン端子に接続される。トランジスタMP3のドレイン端子は、ノードaに接続される。トランジスタMP3のゲート端子は、第1のバイアス電圧VB1を受け取る。
【0070】
比例電流発生器730において、トランジスタMP4のソース端子は、トランジスタMP2のドレイン端子に接続される。トランジスタMP4のドレイン端子は、ノードcに接続される。トランジスタMP4のゲート端子は、第1のバイアス電圧VB1を受け取る。第1のバイアス電圧VB1に応答して、トランジスタMP3及びMP4は、通電状態に維持される。
【0071】
電流サンプリング回路760において、トランジスタMN4のドレイン端子はノードcに接続される。トランジスタMN4のソース端子は、トランジスタMN1のドレイン端子に接続される。トランジスタMN4のゲート端子は、第2のバイアス電圧VB2を受け取る。
【0072】
カレントミラー770において、トランジスタMN5のドレイン端子は、基準プログラム電流IP_REF1を受け取るカレントミラー770の電流入力端子である。トランジスタMN5のゲート端子は、第2のバイアス電圧VB2を受け取る。トランジスタMN5のソース端子は、トランジスタMN2のドレイン端子に接続される。トランジスタMN2のゲート端子は、トランジスタMN5のドレイン端子に接続される。トランジスタMN2のソース端子は、接地端子GNDに接続される。トランジスタMN6のドレイン端子は、カレントミラー770のカレントミラー端子である。トランジスタMN6のゲート端子は、第2のバイアス電圧VB2を受け取る。トランジスタMN6のソース端子は、トランジスタMN3のドレイン端子に接続される。トランジスタMN3のゲート端子及びトランジスタMN2のゲート端子は、互いに接続される。トランジスタMN3のソース端子は、接地端子GNDに接続される。第2のバイアス電圧VB2に応答して、トランジスタMN4、MN5及びMN6は、通電状態に維持される。
【0073】
本発明の教示を維持しながら、多くの修正及び改変が行われ得ることに留意されたい。例えば、他の実施形態では、負荷デバイスMP3及びMP4のみが、プログラム電圧発生器720及び比例電流発生器730に含まれる。若しくは、トランジスタMN4、MN5及びMN6のみが、電流サンプリング回路760及びカレントミラー770に含まれる。
【0074】
図8は、本発明の第4の実施形態による、アンチヒューズ型ワンタイムプログラミングメモリセルアレイのためのプログラム制御回路を図示する概略回路図である。第3の実施形態のプログラム制御回路700と比較すると、本実施形態のプログラム制御回路800は、電圧クランプ回路820を更に備える。加えて、供給電圧VHVは、チャージポンプ810によって提供される。プログラム制御回路800の動作原理は、プログラム制御回路700の動作原理と類似している。以下、チャージポンプ810及び電圧クランプ回路820のサーキットリー構造を以下の通り説明する。
【0075】
チャージポンプ810は、供給電圧VDDと、振動信号Oscとを受け取る。振動信号Oscにしたがって、チャージポンプ810によって、供給電圧VDDが供給電圧VHVに昇圧される。供給電圧VHVの大きさは、供給電圧VDDの大きさよりも大きい。
【0076】
電圧クランプ回路820はノードcに接続される。ノードcの電圧は、電圧クランプ回路820によって指定電圧にクランプされ得る。例えば、電圧クランプ回路820はトランジスタMP5を備える。トランジスタMP5のソース端子は、ノードcに接続される。トランジスタMP5のゲート端子は、制限電圧Vを受け取る。トランジスタMP5のドレイン端子は、接地端子GNDに接続される。正常動作時、ノードcの電圧は、(V-VTH_MP5)に固定であり、ここでVTH_MP5はトランジスタMP5の閾値電圧である。
【0077】
プログラム段階において、ノードcの電圧は、プログラム電流Iの増加に起因して次第に高まる場合がある。ノードcの電圧が過度に高い場合、スイッチSは、コンデンサCを充電する漏れ電流を生成してもよく、コンデンサCに格納されたサンプル電圧Vを変化させて、結果として、トランジスタMN1によって生成された校正電流IMN1を変化させる。サンプリング電圧Vのばらつきが校正電流IMN1における誤差を発生させることを防止するために、電圧クランプ回路820は、ノードcの電圧を所定の電圧未満にクランプすることができる。
【0078】
当然ながら、第4の実施形態の電圧クランプ回路820及びチャージポンプ810は、第1の実施形態のプログラム制御回路又は第2の実施形態のプログラム制御回路に適用可能である。
【0079】
いくつかの他の実施形態では、プログラム電圧調整回路及びプログラム電圧発生器は、更に修正される。図9A及び図9Bは、本発明のプログラム制御回路におけるプログラム電圧調整回路及びプログラム電圧発生器の他の例を図示する概略回路図である。当然ながら、プログラム電圧調整回路910及びプログラム電圧発生器920は、図9Aに示すように、第1の実施形態のプログラム制御回路400又は第2の実施形態のプログラム制御回路490に適用可能である。プログラム電圧調整回路930及びプログラム電圧発生器940は、図9Bに示すように、第3の実施形態のプログラム制御回路700又は第4の実施形態のプログラム制御回路800に適用可能である。
【0080】
図9Aに示すように、プログラム電圧発生器920は、演算増幅器OPと、トランジスタMP1と、抵抗器Rと、抵抗器Rとを備える。演算増幅器OPの第1の入力端子は、基準電圧VREFを受け取る。トランジスタMP1のソース端子は、供給電圧VHVを受け取る。トランジスタMP1のゲート端子は、演算増幅器OPの出力端子に接続される。トランジスタMP1のドレイン端子は、ノードaに接続される。2つの抵抗器R及びRは、ノードaと接地端子GNDとの間で直列に接続される。更に、2つの抵抗器R及びRは、ノードbに接続される。ノードbは、演算増幅器OPの第2の入力端子に接続される。抵抗器R及び抵抗器Rは、固定抵抗値を有する。
【0081】
プログラム電圧調整回路910は、破壊信号DRUPを受信する。プログラム電圧調整回路910は、基準電圧VREFを生成する基準電圧発生器912を備える。プログラム電圧調整回路910の基準電圧発生器912は、調整信号TTUNにしたがって基準電圧VREFを生成する。
【0082】
更に、プログラム電圧VPPと基準電圧VREFとの間の関係は、VPP=(1+R/R)×VREFのように表され得る。プログラム段階において、破壊信号DRUPが活性化されない場合、プログラム電圧調整回路910は、調整信号TTUNにしたがって基準電圧VREFを増加させる。結果として、プログラム電圧VPPが増加される。破壊信号DRUPが活性化されると、基準電圧VREFはプログラム電圧調整回路910によって変更されない。
【0083】
図9Aのプログラム電圧発生器920と比較すると、図9Bのプログラム電圧発生器940は、負荷デバイスMP3を更に備える。トランジスタMP3のソース端子は、トランジスタMP1のドレイン端子に接続される。トランジスタMP3のゲート端子は、第1のバイアス電圧VB1を受け取る。トランジスタMP3のドレイン端子は、ノードaに接続される。
【0084】
図9Aのプログラム電圧発生器920の動作原理及び図9Bのプログラム電圧発生器940の動作原理は類似している。すなわち、本発明のプログラム電圧調整回路は、調整信号TTUNを使用してプログラム電圧発生器の値R/Rを調整し、対応してプログラム電圧VPPを変更する。若しくは、本発明のプログラム電圧調整回路は、調整信号TTUNを使用して基準電圧VREFを調整し、対応してプログラム電圧VPPを変更する。
【0085】
上記の実施形態において、プログラム電圧VPPの大きさは、異なるプログラム段階において徐々に増加される。いくつかの他の実施形態では、プログラム電圧VPPは、プログラム段階においてランプ速度で増加される。基準電圧VREFの調整によるプログラム電圧VPPの変更の一例を以下の通り説明する。
【0086】
図9Cは、プログラム段階におけるプログラム制御回路の関連信号を図示する概略タイミング波形図である。時点t1と時点t3との間の時間間隔は、プログラムアクションである。時点t1と時点t2との間の時間間隔は、校正段階CPである。時点t2と時点t3との間の時間間隔は、プログラム段階PPである。プログラムアクションが実行される前(すなわち、時点t1より前)は、スイッチSは閉状態を有し、スイッチS、S、及びSは開状態を有する。結果として、コンデンサCがリセットされる。
【0087】
校正段階CP(すなわち、時点t1と時点t2との間の時間間隔)において、スイッチSは閉状態を有し、スイッチS、S、及びSは開状態を有する。校正段階CPにおいて、プログラム電圧発生器は基準電圧VREFをアンチヒューズ制御線AFに提供する。校正電圧はプログラム電圧VPPとして使用される。更に、比例電流発生器は校正電流を生成する。結果として、サンプリング電圧VがコンデンサCに格納される。
【0088】
プログラム段階PP(すなわち、時点t2と時点t3との間の時間間隔)において、スイッチS及びSは開状態を有し、スイッチS及びSは閉状態を有する。調整信号TTUNにしたがって、プログラム電圧調整回路910の基準電圧発生器912は、ランプ速度で基準電圧VREFを生成する。結果として、ランプ速度のプログラム電圧VPPが、プログラム電圧発生器からアンチヒューズ制御線AFへ提供される。時点t3で、破壊信号DRUPが活性化される。プログラム電流Iの大きさが十分であるため、これは、選択されたメモリセルのプログラムが成功する可能性があることを意味する。破壊信号DRUPが指定の時間分TKEEPだけ活性化された場合、時点t4で、確認回路450は、OTPメモリセルに対するプログラムアクションが完了したことを示すために、プログラム完了信号PGMOKを生成する。
【0089】
本発明は、現在のところ、最も実践的かつ好適な実施形態と考えられるものに関して説明されたが、本発明は、開示された実施形態に限定される必要がないことを理解されたい。むしろ、添付の特許請求の趣旨及び範囲内に含まれる様々な修正及び類似の構成を、そのような全ての修正及び類似の構成を包含するように、最も広い解釈にしたがって網羅することが意図される。
【符号の説明】
【0090】
400 プログラム制御回路
410 プログラム電圧調整回路
420 プログラム電圧発生器
430 比例電流発生器
440 検出回路
450 確認回路
452 カウンタ
460 電流サンプリング回路
470 カレントミラー
、S スイッチ
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C