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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】カードホルダ及びカードホルダセット
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/18 20060101AFI20231025BHJP
   G09F 1/10 20060101ALI20231025BHJP
   A45C 11/00 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
A45C11/18 B
G09F1/10 H
A45C11/00 A
G09F1/10 V
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022536388
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 JP2021026275
(87)【国際公開番号】W WO2022014585
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】P 2020120788
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】515108222
【氏名又は名称】CGコミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】上野 文仁
(72)【発明者】
【氏名】金子 勇
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0042483(KR,A)
【文献】登録実用新案第3154240(JP,U)
【文献】登録実用新案第3052604(JP,U)
【文献】実開昭62-066513(JP,U)
【文献】特開2000-023726(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0023575(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/00 - 11/38
G09F 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードを収容するカードホルダであって、
前記カードが視認可能となるように着脱自在に保持するカード保持部と、
アタッチメントを着脱自在に保持するアタッチメント保持部と、
前記カード保持部及び前記アタッチメント保持部を画成する枠部と、を備え、
前記カード保持部と前記アタッチメント保持部はそれぞれ前記枠部内における正面側と背面側に配置され、
前記枠部は、前記カード保持部の正面側に設けられて前記カードを正面から視認可能とする正面部と、前記アタッチメント保持部の背面側に設けられて前記カード及び前記アタッチメントを出し入れ可能な背面開口部を有する背面部と、前記カード保持部及び前記アタッチメント保持部の周囲に設けられて前記正面部と前記背面部を接続する側壁と、を備え、
前記カード保持部への前記カードの着脱及び前記アタッチメント保持部への前記アタッチメントの着脱は前記背面開口部を介して可能である、カードホルダ。
【請求項2】
前記アタッチメント保持部は、当該アタッチメント保持部に保持された前記アタッチメントを係止して前記背面側への移動を阻止するアタッチメント係止部を備える、請求項1に記載のカードホルダ。
【請求項3】
前記カード保持部は、当該カード保持部に保持された前記カードを係止して前記背面側への移動を阻止するカード係止部を備える、請求項1又は2に記載のカードホルダ。
【請求項4】
前記正面部には、前記カード保持部に保持された前記カードを正面側から視認可能とするための正面開口部が設けられており、
前記正面開口部は前記カードホルダに保持される前記カードの外形よりも小さく形成されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカードホルダ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカードホルダと、
前記アタッチメントと、を具備する、カードホルダセット。
【請求項6】
前記アタッチメントは、押下部が押下されることにより噴霧孔から内容液を噴霧するスプレーボトルであり、
前記スプレーボトルが前記アタッチメント保持部に保持された状態で、前記押下部が押下されると前記内容液が前記噴霧孔から前記背面開口部を介して外部に噴霧される、請求項5に記載のカードホルダセット。
【請求項7】
前記枠部は、前記側壁の少なくとも一部が切り欠かれてなる切欠部を備え、
前記アタッチメントは、押下部が押下されることにより内容液を噴霧するスプレーボトルであり、
前記スプレーボトルが前記アタッチメント保持部に保持された状態で、前記押下部が前記切欠部に配置される、請求項に記載のカードホルダセット。
【請求項8】
前記アタッチメントは、ユーザの手により把持される把持部と、前記把持部から鉤状に突出した鉤状部と、を有するフックである、請求項に記載のカードホルダセット。
【請求項9】
前記アタッチメントは、前記アタッチメント保持部により保持された状態において前記アタッチメント保持部を被覆するカバーである、請求項に記載のカードホルダセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カードホルダ及びカードホルダセットに関する。
【背景技術】
【0002】
ID(Identification)カード等を収容するカードホルダが知られている。例えば特許文献1において開示されるカードホルダは、ネックストラップに付属したリールのコードの先端に取り付けられた状態で、非接触型のIC(Integrated Circuit)チップを備えたIDカードを収容する。このカードホルダによれば、IDカードを名札として機能させるとともに、リールのコードを引き出すことでICチップの読み取り機にIDカードを容易にかざすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-264296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザによっては、何らかの物品を常時携帯したいと要望する場合がある。一方で、上述したようなカードホルダはユーザによって常時身に着けられるものである。そこで、常時携帯したい物品を、例えば紐又はクリップ等を用いてカードホルダに係止することも考えられる。しかし、この場合、カードホルダに係止された物品が揺動した結果IDカードの前に位置してしまうと、IDカードの名札としての機能が阻害される。また、ICチップの読み取り機にIDカードをかざす際に、カードホルダに係止された物品を手で押さえる等の動作を要することとなると、ユーザにとって煩わしい。
【0005】
そこで、本開示に係るカードホルダ及びカードホルダセットは、ユーザが物品を携帯する際の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るカードホルダ(1)は、カード(C)を収容するカードホルダ(1)であって、第1外形寸法を有するカード(C)を、当該カード(C)の第1面(Ca)が視認可能となるように着脱自在に保持するカード保持部(10)と、カード保持部(10)にカード(C)が保持された状態において、当該カード(C)の第1面(Ca)とは反対側の第2面(Cb)側に、第2外形寸法を有するアタッチメント(A)を着脱自在に保持するアタッチメント保持部(11)と、を備え、アタッチメント保持部(11)は、複数の種類のアタッチメント(A)から選択されたいずれかのアタッチメント(A)を保持可能である。
【0007】
このカードホルダ(1)によれば、カード(C)の第1面(Ca)に表示された内容を他者に視認させることができる。例えば、カード(C)の第1面(Ca)にユーザの名前が表示されている場合には、カード(C)を名札として機能させることが可能となる。また、このカードホルダ(1)によれば、カード(C)が保持された状態においてアタッチメント(A)(物品)を着脱自在に保持するため、ユーザはアタッチメント(A)を簡便に携帯することが可能となる。特に、このカードホルダ(1)では、アタッチメント(A)はカード(C)の第1面(Ca)とは反対側の第2面(Cb)側に保持されるため、例えばアタッチメント(A)が揺動してカード(C)の第1面(Ca)側に位置してしまいカード(C)の名札としての機能が阻害されたり、カードホルダ(1)を取り扱う際にアタッチメント(A)が揺動等しないように当該アタッチメント(A)を手で押さえる等の動作を要したりすることが抑制される。しかも、ユーザは、複数の種類のアタッチメント(A)から必要な種類のアタッチメント(A)を選択して携帯することが可能となる。したがって、このカードホルダ(1)は、ユーザが物品を携帯する際の利便性を向上させることができる。
【0008】
本開示の一態様に係るカードホルダ(1)では、カード保持部(10)は、カード(C)の第1面(Ca)が当該カードホルダ(1)の表側を向くように、当該カードホルダ(1)の裏側から挿入されたカード(C)を保持し、アタッチメント保持部(11)は、当該カードホルダ(1)の裏側から挿入されたアタッチメント(A)を保持してもよい。これによれば、カード(C)を収容した状態のままで、アタッチメント(A)のみを着脱することが可能となる。
【0009】
本開示の一態様に係るカードホルダセット(100)は、上述したカードホルダ(1)と、アタッチメント(A)と、を具備している。
【0010】
このカードホルダセット(100)によれば、上述したカードホルダ(1)による作用及び効果を好適に奏することができる。
【0011】
本開示の一態様に係るカードホルダセット(100)では、アタッチメント(A)は、押下部(ASa)を押下されることにより内容液を噴霧するスプレーボトル(AS)であってもよい。これによれば、ユーザはスプレーボトル(AS)を簡便に携帯することが可能となる。例えば、スプレーボトル(AS)の内容液を殺菌・消毒の機能を有するものとすることで、ユーザは触れる物を所望のタイミングで殺菌・消毒することができる。
【0012】
本開示の一態様に係るカードホルダセット(100)では、アタッチメント保持部(11)は、押下部(ASa)を押下可能な状態でスプレーボトル(AS)を保持してもよい。これによれば、スプレーボトル(AS)をカードホルダ(1)に取り付けたままで内容液を噴霧することができるため、ユーザがスプレーボトル(AS)を使用する際の利便性を向上させることが可能となる。
【0013】
本開示の一態様に係るカードホルダセット(100)では、アタッチメント保持部(11)は、保持しているスプレーボトル(AS)の押下部(ASa)がユーザの指により押下される際の指の移動経路を避けて形成されていてもよい。これによれば、スプレーボトル(AS)をカードホルダ(1)に取り付けたままで内容液を噴霧する動作を容易に行うことが可能となる。
【0014】
本開示の一態様に係るカードホルダセット(100)では、アタッチメント保持部(11)は、押下部(ASa)が押下される方向とは反対側から当該押下部(ASa)の少なくとも一部を覆っていてもよい。これによれば、カードホルダ(1)に取り付けられた状態のスプレーボトル(AS)からユーザの意に反して押下部(ASa)が突出又は脱落することを抑制することができる。
【0015】
本開示の一態様に係るカードホルダセット(100)では、スプレーボトル(AS)には、内容液を噴霧する噴霧孔(ASb)が形成されており、アタッチメント保持部(11)は、噴霧孔(ASb)が被覆されない状態でスプレーボトル(AS)を保持してもよい。これによれば、スプレーボトル(AS)をカードホルダ(1)に取り付けたままで内容液を噴霧することができるため、ユーザがスプレーボトル(AS)を使用する際の利便性を向上させることが可能となる。
【0016】
本開示の一態様に係るカードホルダセット(100)では、アタッチメント(A)は、ユーザの手により把持される把持部(AFa)と、把持部(AFa)から鉤状に突出した鉤状部(AFb)と、を有するフック(AF)であってもよい。これによれば、ユーザはフック(AF)を簡便に携帯することが可能となる。例えば、ユーザは、把持したフック(AF)の鉤状部を用いてドアノブを操作することで、ドアノブに直接触れずにドアを開閉することができる。
【0017】
本開示の一態様に係るカードホルダセット(100)では、フック(AF)は、導電性部材からなっていてもよい。これによれば、フック(AF)を用いてタッチパネル(例えば静電容量方式のタッチパネル)を操作することが可能となる。
【0018】
本開示の一態様に係るカードホルダセット(100)では、アタッチメント(A)は、アタッチメント保持部(11)により保持された状態においてアタッチメント保持部(11)を被覆するカバー(AC)であり、アタッチメント保持部(11)は、カード保持部(10)により保持された状態におけるカード(C)の第2面(Cb)から離間する位置に、カバー(AC)を保持してもよい。これによれば、ユーザは、カード(C)とカバー(AC)との間に所持品(物品)を配置することで、当該所持品を携帯することが可能となる。この場合、所持品はカード(C)とカバー(AC)とによって被覆された状態で携帯されるため、当該所持品の汚損等が抑制される。例えば、ユーザは、所持品としてのマスクを清潔に携帯することもできる。あるいは、ユーザは、所持品としての薄型の電子デバイス等を安全に携帯することもできる。
【0019】
本開示の一態様に係るカードホルダセット(100)では、アタッチメント保持部(11)は、カード保持部(10)により保持された状態におけるカード(C)に対して平行となるように、カバー(AC)を保持してもよい。これによれば、互いに平行に保持されたカード(C)とカバー(AC)とによって、例えば薄い形状の所持品を安定した状態で携帯することが可能となる。
【0020】
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本開示の一例として示したものであって、本開示を実施形態の態様に限定するものではない。
【発明の効果】
【0021】
このように、本開示に係るカードホルダ及びカードホルダセットは、ユーザが物品を携帯する際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本実施形態に係るカードホルダ及びカードホルダセットが、カードを収容し、且つ、ネックストラップに取り付けられた状態を示す正面図である。
図2図2は、カードホルダを示す正面図である。
図3図3は、カードホルダを示す背面図である。
図4図4は、図3のIV-IV線に沿った端面図である。
図5図5は、図3のV-V線に沿った端面図である。
図6図6は、スプレーボトルを示す図である。
図7図7は、カードホルダによりスプレーボトルを保持した状態のカードホルダセットを示す背面図である。
図8図8は、フックを示す図である。
図9図9は、カードホルダによりフックを保持した状態のカードホルダセットを示す図である。
図10図10は、カバーを示す図である。
図11図11は、カードホルダによりカバーを保持した状態のカードホルダセットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して例示的な実施形態について説明する。なお、各図における同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0024】
[カードホルダセット]
図1は、本実施形態に係るカードホルダ1及びカードホルダセット100が、カードCを収容し、且つ、ネックストラップ5に取り付けられた状態を示す正面図である。図1に示されるカードホルダ1及びカードホルダセット100は、カードCの一方の面(第1面Ca)が外部から視認可能な状態で当該カードCを収容するためのケースである。カードホルダ1及びカードホルダセット100は、例えば樹脂により構成されている。以下の説明では、カードホルダ1及びカードホルダセット100を正面から見た場合において、前後方向をx軸方向とし、特に、手前側に向かう方向をx軸正方向とする。また、水平方向をy軸方向とし、特に、向かって水平方向右側に向かう方向をy軸正方向とする。また、垂直方向をz軸方向とし、特に、垂直方向上側に向かう方向をz軸正方向とする。
【0025】
カードCは、例えばユーザの氏名及び所属組織等の情報が表示されたIDカードであってもよい。この場合、カードホルダ1は、例えば企業等の組織におけるユーザの身分を証明するために、当該ユーザが自己のIDカードを常時身に着けるための器具であってもよい。なお、カードCは、非接触型のICチップを備えたIDカードでもよい。
【0026】
カードCは、予め決められた形状及び大きさを有している。具体的には、カードCは、矩形状の薄板であり、その外形が第1外形寸法(例えば、一般的なクレジットカード等と同等の寸法)を有するように形成されている。なお、第1外形寸法は、このような寸法に限定されず、カードホルダ1が収容すべきカードCの大きさに応じた寸法であればよい。カードCは、第1面Ca、及び、第1面Caとは反対側の面である第2面Cbを有している。ここでは、第1面Caは、ユーザの氏名及び所属組織等の情報が表示された面であり、他者に視認されることが前提とされた面である。
【0027】
カードホルダセット100は、カードホルダ1及びアタッチメントAを具備している。ここでは、カードホルダ1はネックストラップ5に取り付けられている。ネックストラップ5は、環状のストラップ50、及び、ストラップ50をカードホルダ1に括り付けるための細紐51を有している。ネックストラップ5は、ストラップ50をユーザの首に掛けることにより、カードホルダ1を例えばユーザの胸元に吊り下げておくためのものである。アタッチメントAとしては互いに機能の異なる複数の種類のものが存在してもよく、この場合、ユーザは必要な種類のアタッチメントAを選択可能である(アタッチメントAの種類について、詳しくは後述する。)。
【0028】
[カードホルダ]
図2は、カードホルダ1を示す正面図である。図3は、カードホルダ1を示す背面図である。図4は、図3のIV-IV線に沿った端面図である。図5は、図3のV-V線に沿った端面図である。図4及び図5では、カードCが破線で示されている。図2図5に示されるように、カードホルダ1は、カードホルダセット100において実際にカードC及びアタッチメントAを収容する(保持する)ケースである。カードホルダ1は、カード保持部10、アタッチメント保持部11、及びネックストラップ取付部12を備えている。
【0029】
カード保持部10は、カードCを、当該カードCの第1面Caが視認可能となるように着脱自在に保持する構造部分である。カード保持部10は、カードCの第1面Caがカードホルダ1のx軸正方向側(表側)を向くように、当該カードホルダのx軸負方向側(裏側)から挿入された当該カードCを保持する。カード保持部10には、カードCの第1面Caと対面する位置に開口部10aが形成されている。これにより、カード保持部10に保持されたカードCは、開口部10aを介して第1面Caが他者から視認可能となる。開口部10aは、例えばカードCよりも一回り小さい矩形状に形成されている。カード保持部10は、第1面支持部10b、カード嵌合部10c、及びカード係止部10dを有している。
【0030】
第1面支持部10bは、カードCを第1面Ca側から支持する構造部分である。第1面支持部10bは、カードCの第1面Caの少なくとも一部に当接し、カードCがx軸正方向に移動することを阻止する。第1面支持部10bは、開口部10aを形成する枠状の構造部分である。ここでは、第1面支持部10bは、矩形枠状を呈し、カードCの全周にわたって当該カードCの第1面Caの縁部Ccに当接する。
【0031】
カード嵌合部10cは、カードCと嵌合し、カードCをカード保持部10に固定する構造部分である。カード嵌合部10cは、カードCの長手方向における一方の端部Cd及び他方の端部Ceに当接してカードCを挟持する(図中では、説明の便宜上、カード嵌合部10cとカードCとが離間して描かれている場合がある。)。具体的には、カード嵌合部10cは、カードホルダ1の長手方向における一端側に設けられた第1内壁面10ca、及び、他端側に設けられた第2内壁面10cbを含んでいる。第1内壁面10caと第2内壁面10cbとは、カードCの長手方向の長さと比較して同一又はごく僅かに短い距離だけ離間した位置に、互いに対面してそれぞれ設けられている。カード嵌合部10cにカードCが嵌合された状態において、第1内壁面10caはカードCの端部Cdに当接しており、第2内壁面10cbはカードCの端部Ceに当接している。
【0032】
カード係止部10dは、カードCを第2面Cb側から支持する構造部分である。カード係止部10dは、カードCの第2面Cbの少なくとも一部に当接し、カードCがx軸負方向に移動することを阻止する。カード係止部10dは、カード保持部10によりカードCが保持された状態において、カードCの4つの角のうち当該カードCの長手方向における一方(ここでは、y軸正方向側)に位置する2つの角をx軸負方向側から保持する。カード係止部10dは、これら2つの角がそれぞれ係止される係止片10da,10dbを含んでいる。
【0033】
カード保持部10において、第1面支持部10bとカード係止部10dの係止片10daとは、カードCの厚さと比較して僅かに長い距離だけ離間した位置に、互いに対面してそれぞれ設けられている。また、第1面支持部10bとカード係止部10dの係止片10daとは、y軸正方向側において第1内壁面10caにより接続されている。換言すると、第1面支持部10bとカード係止部10dの係止片10daとの間にはカードCが進入可能な隙間が形成されており、この隙間はy軸負方向側において開放されているとともにy軸正方向側において第1内壁面10caにより閉塞されている。
【0034】
同様に、カード保持部10において、第1面支持部10bとカード係止部10dの係止片10dbとは、カードCの厚さと比較して僅かに長い距離だけ離間した位置に、互いに対面してそれぞれ設けられている。また、第1面支持部10bとカード係止部10dの係止片10dbとは、y軸正方向側において第1内壁面10caにより接続されている。換言すると、第1面支持部10bとカード係止部10dの係止片10dbとの間にはカードCが進入可能な隙間が形成されており、この隙間はy軸負方向側において開放されているとともにy軸正方向側において第1内壁面10caにより閉塞されている。
【0035】
以上のように構成されたカード保持部10にカードCが固定される過程の一例について説明する。まず、カードCの第1面Caがカードホルダ1のx軸正方向側(表側)を向くように、カードホルダ1のx軸負方向側(裏側)からカードCが挿入される。
【0036】
このとき、第1面支持部10bとカード係止部10dの係止片10daとの間に形成された隙間、及び、第1面支持部10bとカード係止部10dの係止片10dbとの間に形成された隙間にカードCの端部Cdの2つの角が進入する。これにより、カードC(特に、カードCの端部Cd)がx軸負方向に移動することが阻止される(つまり、カードC(特に、カードCの端部Cd)がx軸負方向に関して位置決めされる。)。
【0037】
また、このとき、カードCの端部Cdがカード嵌合部10cの第1内壁面10caに当接する。これにより、カードCがy軸正方向に移動することが阻止される(つまり、カードCがy軸正方向に関して位置決めされる。)。この状態においては、カードCの端部Cdは第1面支持部10bに当接しており、一方、カードCの端部Ceは第1面支持部10bからx軸負方向に離間している。この状態から、カードCの端部Ceが第1面支持部10bに向かってx軸正方向に押し込まれると、カードCの第1面Caの縁部Ccが第1面支持部10bに当接する。これにより、カードCがx軸正方向に移動することが阻止される(つまり、カードCがx軸正方向に関して位置決めされる。)。
【0038】
さらに、このとき、カードCの端部Ceがカード嵌合部10cの第2内壁面10cbに当接する。これにより、カードCがそれ以上y軸負方向に移動することが阻止される(つまり、カードCがy軸負方向に関して位置決めされる。)。ここで、第1内壁面10caと第2内壁面10cbとは、カードCの長手方向の長さと比較して同一又はごく僅かに短い距離だけ離間しているため、y軸方向において、カード嵌合部10cの第1内壁面10ca及び第2内壁面10cbにカードCが挟持(嵌合)される。以上により、カード保持部10にカードCが固定される。
【0039】
アタッチメント保持部11は、アタッチメントAを着脱自在に保持する構造部分である。アタッチメント保持部11は、複数の種類のアタッチメントAから選択されたいずれかのアタッチメントAを保持可能である。つまり、アタッチメントAとしては互いに機能の異なる複数の種類のものが存在してもよく、この場合、ユーザは必要な種類のアタッチメントAを選択可能である。アタッチメントAは、予め決められた条件に適合した形状及び大きさを有している。具体的には、アタッチメントAは、その外形がアタッチメント保持部11により好適に保持され得る寸法(第2外形寸法)を有するように形成されている。また、アタッチメントAは、第3面Aa、及び、第3面Aaとは反対側の面である第4面Abを有している(図6図8、及び図10参照)。アタッチメントAの第3面Aaは、当該アタッチメントAがアタッチメント保持部11により保持された状態においてカードホルダ1のx軸正方向側(表側)を向く面である。一方、アタッチメントAの第4面Abは、当該アタッチメントAがアタッチメント保持部11により保持された状態においてカードホルダ1のx軸負方向側(裏側)を向く面である。
【0040】
アタッチメント保持部11は、カード保持部10のx軸負方向側に設けられている。したがって、カードCの第1面Caがカードホルダ1のx軸正方向側(表側)を向くようにカード保持部10にカードCが保持された状態において、アタッチメント保持部11は、カードCの第2面Cb側にアタッチメントAを保持することとなる。アタッチメント保持部11は、カードホルダ1のx軸負方向側(裏側)から挿入されたアタッチメントAを保持する。このとき、上述したようにアタッチメント保持部11はカード保持部10のx軸負方向側に設けられているため、カード保持部10にカードCが保持されている状態のままで(すなわち、カード保持部10からカードCが取り外されなくても)、アタッチメント保持部11は、アタッチメントAを着脱することが可能である。アタッチメント保持部11は、第3面支持部11a、アタッチメント嵌合部11b、及びアタッチメント係止部11cを有している。
【0041】
第3面支持部11aは、アタッチメントAを第3面Aa側から支持する構造部分である。第3面支持部11aは、アタッチメントAの第3面Aaの少なくとも一部に当接し、アタッチメントAがx軸正方向に移動することを阻止する。第3面支持部11aは、概略矩形枠状を呈し、アタッチメントAの全周のうちの少なくとも一部に対して当該アタッチメントAの第3面Aaに当接する。なお、第3面支持部11aは、アタッチメントAの種類(具体的には、厚さ、形状等)によってはアタッチメントAを支持しなくてもよい。
【0042】
アタッチメント嵌合部11bは、アタッチメントAと嵌合し、アタッチメントAをアタッチメント保持部11に固定する構造部分である。アタッチメント嵌合部11bは、アタッチメントAの長手方向における一方の端部Ac及び他方の端部Adに当接してアタッチメントAを挟持する。具体的には、アタッチメント嵌合部11bは、カードホルダ1の長手方向における一端側に設けられた第3内壁面11ba、及び、他端側に設けられた第4内壁面11bbを含んでいる。第3内壁面11baと第4内壁面11bbとは、アタッチメントAの長手方向の長さと比較して同一又はごく僅かに短い距離だけ離間した位置に、互いに対面してそれぞれ設けられている。アタッチメント嵌合部11bにアタッチメントAが嵌合された状態において、第3内壁面11baはアタッチメントAの端部Acに当接しており、第4内壁面11bbはアタッチメントAの端部Adに当接している(図7図9、及び図11参照)。
【0043】
アタッチメント係止部11cは、アタッチメントAを第4面Ab側から支持する構造部分である。アタッチメント係止部11cは、アタッチメントAの第4面Abの少なくとも一部に当接し、アタッチメントAがx軸負方向に移動することを阻止する。アタッチメント係止部11cは、アタッチメント保持部11によりアタッチメントAが保持された状態において、アタッチメントAの4つの角(又は、その周辺)をx軸負方向側から保持する。ここでは、アタッチメント係止部11cは、これら4つの角がそれぞれ係止される係止片11ca,11cb,11cc,11cdを含んでいる。
【0044】
アタッチメント保持部11において、第3面支持部11aとアタッチメント係止部11cの係止片11ca,11cb,11cc,11cdのそれぞれとは、互いに離間して且つ対面して、それぞれ設けられている。これにより、第3面支持部11aとアタッチメント係止部11cの係止片11ca,11cb,11cc,11cdのそれぞれとの間にはアタッチメントAが進入可能な隙間が形成されている。
【0045】
以上のように構成されたアタッチメント保持部11にアタッチメントAが固定される過程の一例について説明する。ここでは、後述するスプレーボトルAS又はフックAFをアタッチメントAとして想定して説明する。まず、アタッチメントAの第3面Aaがカードホルダ1のx軸正方向側(表側)を向くように、カードホルダ1のx軸負方向側(裏側)からアタッチメントAが挿入される。
【0046】
このとき、第3面支持部11aとアタッチメント係止部11cの係止片11caとの間に形成された隙間、及び、第3面支持部11aとアタッチメント係止部11cの係止片11cbとの間に形成された隙間にアタッチメントAの端部Acの2つの角が進入する。これにより、アタッチメントA(特に、アタッチメントAの端部Ac)がx軸負方向に移動することが阻止される(つまり、アタッチメントA(特に、アタッチメントAの端部Ac)がx軸負方向に関して位置決めされる。)。
【0047】
また、このとき、アタッチメントAの端部Acがアタッチメント嵌合部11bの第3内壁面11baに当接する。これにより、アタッチメントAがy軸正方向に移動することが阻止される(つまり、アタッチメントAがy軸正方向に関して位置決めされる。)。この状態においては、アタッチメントAの端部Acは第3面支持部11aに当接しており、一方、アタッチメントAの端部Adは第3面支持部11aからx軸負方向に離間している。この状態から、アタッチメントAの端部Adが第3面支持部11aに向かってx軸正方向に押し込まれると、アタッチメントAの端部Adが第3面支持部11aに当接する。これにより、アタッチメントAがx軸正方向に移動することが阻止される(つまり、アタッチメントAがx軸正方向に関して位置決めされる。)。
【0048】
さらに、このとき、アタッチメントAの端部Adがアタッチメント嵌合部11bの第4内壁面11bbに当接する。これにより、アタッチメントAがそれ以上y軸負方向に移動することが阻止される(つまり、アタッチメントAがy軸負方向に関して位置決めされる。)。ここで、第3内壁面11baと第4内壁面11bbとは、アタッチメントAの長手方向の長さと比較して同一又はごく僅かに短い距離だけ離間しているため、y軸方向において、アタッチメント嵌合部11bの第3内壁面11ba及び第4内壁面11bbにアタッチメントAが挟持(嵌合)される。以上により、アタッチメント保持部11にアタッチメントAが固定される。ところで、アタッチメント嵌合部11bの第3内壁面11ba及び第4内壁面11bbにアタッチメントAが挟持(嵌合)された状態において、アタッチメントAの端部Adは、第4内壁面11bbに当接している部分以外の部分において、カードホルダ1の外枠の内周面と離間している(すなわち、アタッチメントAの端部Adとカードホルダ1の外枠の内周面との間に離間部が形成されている。)。これにより、例えば当該離間部に指を差し込んでアタッチメントAを押し出したり引き抜いたりすることで、カードホルダ1からアタッチメントAを容易に取り外すことが可能となる。なお、ここではアタッチメントAの端部Acの2つの角から先に挿入する方法について説明したが、逆にアタッチメントAの端部Adの2つの角から先に挿入する方法によっても、アタッチメント保持部11にアタッチメントAを固定させることが可能である。
【0049】
アタッチメント保持部11は、各種のアタッチメントAを保持する場合にアタッチメントAの機能を好適に実現するための構造を有している。
【0050】
例えば、アタッチメント保持部11は、アタッチメントAとしてスプレーボトルASが選択される場合に、当該スプレーボトルASの押下部ASaを押下可能な状態で当該スプレーボトルASを保持する(スプレーボトルASについて、詳しくは後述する。)。具体的には、アタッチメント保持部11には、保持しているスプレーボトルASの押下部ASaがユーザの指により押下される際の指の移動経路を避けるための凹部11dが形成されている。より具体的には、アタッチメント保持部11には、y軸正方向の端部におけるz軸方向の中央に、切り欠かれた形状の凹部11dが形成されている。
【0051】
また、アタッチメント保持部11は、アタッチメントAとしてスプレーボトルASが選択される場合に、当該スプレーボトルASの押下部ASaが押下される方向とは反対側から当該押下部ASaの少なくとも一部を覆うように構成されている(図7参照)。具体的には、アタッチメント保持部11は、凹部11dのz軸方向における長さが、スプレーボトルASの短手方向における押下部ASaの長さよりも短くなるように構成されている。また、アタッチメント保持部11は、凹部11dのz軸方向における少なくとも一方(ここでは両方)の縁部が、押下部ASaを外側から支持する位置に設けられている。換言すると、アタッチメント保持部11は、当該アタッチメント保持部11の凹部11dの幅が押下部ASaの幅よりも狭く形成されており、その結果、スプレーボトルASがカードホルダ1により保持された状態において押下部ASaが外に飛び出して外れにくくなっている。これにより、スプレーボトルASがカードホルダ1に取り付けられた状態において、押下部ASaがユーザの意に反して外れてしまい当該スプレーボトルASの内容液が漏れることを抑制することが可能となる。
【0052】
また、アタッチメント保持部11は、アタッチメントAとしてスプレーボトルASが選択される場合に、当該スプレーボトルASの噴霧孔ASbが被覆されない状態で当該スプレーボトルASを保持する。具体的には、アタッチメント保持部11のアタッチメント係止部11cは噴霧孔ASbに対応する位置には形成されていない。
【0053】
また、アタッチメント保持部11は、アタッチメントAとしてカバーACが選択される場合に、カード保持部10により保持された状態におけるカードCの第2面Cbから離間する位置に、当該カバーACを保持する(カバーACについて、詳しくは後述する。)。このとき、アタッチメント保持部11は、カード保持部10により保持された状態のカードCに対して平行となるように、カバーACを保持する。
【0054】
ネックストラップ取付部12は、ネックストラップ5の細紐51を括り付けるための構造部分である。ネックストラップ取付部12は、第1ネックストラップ取付部12a及び第2ネックストラップ取付部12bを有している。第1ネックストラップ取付部12aは、カードホルダ1を横向きに吊り下げる場合(すなわち、z軸正方向が鉛直上方向を向くようにカードホルダ1を吊り下げる場合)に用いられる概略矩形環状の構造部分である。第1ネックストラップ取付部12aは、カードホルダ1のz軸正方向側の端部におけるy軸方向の中央に、突出するように形成されている。また、第2ネックストラップ取付部12bは、カードホルダ1を縦向きに吊り下げる場合(すなわち、y軸負方向が鉛直上方向を向くようにカードホルダ1を吊り下げる場合)に用いられる切欠き状の構造部分である。第2ネックストラップ取付部12bは、カードホルダ1のy軸負方向側の端部におけるz軸方向の中央に、カードホルダ1の外枠を内側から外側に向かって切り欠くように形成されている。なお、第1ネックストラップ取付部12a及び第2ネックストラップ取付部12bの形状等は特に限定されない。
【0055】
[アタッチメント(スプレーボトル)]
アタッチメントAは内容液を噴霧するスプレーボトルASであってもよい。以下、アタッチメントAとしてのスプレーボトルASについて説明する。
【0056】
図6は、スプレーボトルASを示す図である。図6に示されるように、スプレーボトルASには内容液を噴霧する噴霧孔ASbが形成されており、スプレーボトルASはポンプにより加圧された内容液を噴霧孔ASbから噴霧する。内容液は、特に限定されないが、例えば殺菌・消毒の機能を有するエタノール等であってもよい。スプレーボトルASは、その外形が第2外形寸法を有するように形成されている。スプレーボトルASは、薄い矩形状を呈し、長手方向における一方の端部に、当該端部から外向きに突出するように押下部ASaが形成されている。押下部ASaがスプレーボトルASの長手方向における他方側に向かってユーザの指等により押下されると、スプレーボトルASの内圧が高まり噴霧孔ASbから内容液が噴霧される。噴霧孔ASbは、矩形状を呈するスプレーボトルASの正面方向(したがって、押下部ASaが押下される方向とは垂直方向)を向くように、押下部ASaに形成されている。
【0057】
図7は、カードホルダ1によりスプレーボトルASを保持した状態のカードホルダセット100を示す背面図である。図7に示されるように、スプレーボトルASは、アタッチメント保持部11により保持される際には、押下部ASaがy軸正方向側に位置し、且つ、噴霧孔ASbがx軸負方向を向くように配置される。これにより、押下部ASaがカードホルダ1の凹部11dに対応する位置に配置されることとなる。このとき、凹部11dの切り欠きの深さが、押下部ASaが押下される際のストロークの長さと比較して同等以上となっている。これにより、アタッチメント保持部11は、保持しているスプレーボトルASの押下部ASaがユーザの指により押下される際の指の移動経路を凹部11dによって避けることができ、その結果、当該スプレーボトルASの押下部ASaを押下可能な状態で当該スプレーボトルASを保持することが可能となっている。また、このとき、アタッチメント保持部11は、当該スプレーボトルASの噴霧孔ASbが被覆されない状態で当該スプレーボトルASを保持することとなる。
【0058】
[アタッチメント(フック)]
アタッチメントAは、ユーザにより把持されてドアノブ等の物体に引っ掛けたり物体を押したりすることで、ユーザの身体で直接触れずに当該物体を操作等するためのフックAFであってもよい。以下、アタッチメントAとしてのフックAFについて説明する。
【0059】
図8は、フックAFを示す図である。図8に示されるように、フックAFは、把持部AFa及び鉤状部AFbを有している。把持部AFaは、ユーザの手により把持される構造部分であり、例えば円環枠状を呈し、円環状の開口を形成している。ユーザは、把持部AFaの円環内に指(例えば人差し指)を挿入してフックAFを把持することができる。鉤状部AFbは、把持部AFaから鉤状に突出した構造部分である。鉤状部AFbは、円環枠の一部が開放された円弧状を呈している。ユーザは、操作したい物体に鉤状部AFbを引っ掛けて、好適に当該物体を操作することができる。フックAFは、その外形が第2外形寸法を有するように形成されている。
【0060】
図9は、カードホルダ1によりフックAFを保持した状態のカードホルダセット100を示す図である。図9に示されるように、フックAFは、その外形が第2外形寸法を有するように形成されており、カードホルダ1のアタッチメント保持部11により保持される。フックAFは、その表裏にかかわらず、アタッチメント保持部11により保持可能である。
【0061】
[アタッチメント(カバー)]
アタッチメントAは、アタッチメント保持部11により保持された状態において当該アタッチメント保持部11を被覆するカバーACであってもよい。以下、アタッチメントAとしてのカバーACについて説明する。
【0062】
図10は、カバーACを示す図である。図10に示されるように、カバーACは、概略矩形状の薄板からなる部材であり、長手方向における一方の端部Adに矩形状の切欠ACaが形成されている。切欠ACaは、カバーACがアタッチメント保持部11により保持された状態において、アタッチメント嵌合部11bの第4内壁面11bbに当該カバーACが当接するように形成されている。カバーACは、その外形が第2外形寸法を有するように形成されている。
【0063】
図11は、カードホルダ1によりカバーACを保持した状態のカードホルダセット100を示す図である。図11に示されるように、カバーACは、カード保持部10により保持された状態におけるカードCの第2面Cbから離間する位置に、アタッチメント保持部11により保持される。具体的には、カバーACは、アタッチメント保持部11において、第3面Aaが第3面支持部11aから離間する位置であって、第4面Abがアタッチメント係止部11cに当接する位置に保持される。このとき、カバーACは、カード保持部10により保持された状態のカードCに対して平行となるように、アタッチメント保持部11により保持されている。これにより、ユーザは、カードCとカバーACとの間に例えば折り畳んだマスク等の所持品(物品)を配置して、当該所持品を携帯することが可能となる。なお、「平行」とは、厳密に平行な状態でなくてもよく、概ね平行な状態も含む。つまり、「アタッチメント保持部11が、カード保持部10により保持された状態におけるカードCに対して平行となるように、カバーACを保持している」という状態は、換言すると、「アタッチメント保持部11が、カード保持部10により保持された状態におけるカードCの延在する面方向に沿った面方向に延在するように、カバーACを保持している」という状態を意味している。
【0064】
[カードホルダセットの製造方法]
カードホルダセット100を構成するカードホルダ1及びアタッチメントA(スプレーボトルAS、フックAF、カバーAC)の少なくともいずれかは、例えば3Dプリンタによって製造することができる。一例として、FFF(Fused Filament Fabrication:熱溶解積層)方式が採用されてもよく、積層解像度は0.02mm~0.3mm程度とされてもよい。あるいは、射出成型等の公知の各種樹脂成型方法が採用されてもよい。
【0065】
カードホルダ1及びアタッチメントAの少なくともいずれかは、導電性部材により形成されていてもよい。「導電性部材」とは、所定程度以上の高い電気伝導率を有する部材を意味しており、例えばタッチパネル(例えば静電容量方式のタッチパネル)を操作することが可能な程度の電気伝導率を有する部材であってもよい。特に、フックAFが導電性部材からなる場合、ユーザは単一のフックAFによってドアノブ等の他にもタッチパネルも操作可能となるため、ユーザの利便性が特に向上する。このような導電性部材は、3Dプリンタにより成形された層に沿った方向における体積抵抗率が30[ohm cm]程度、3Dプリンタにより成形された層に直交する方向における体積抵抗率が115[ohm cm]程度であってもよい。このような導電性部材として、具体的には、導電性PLA(Poly-Lactic Acid:ポリ乳酸)樹脂が採用されてもよい。
【0066】
[作用及び効果]
以上説明したように、カードホルダ1は、カードCを収容するカードホルダ1であって、第1外形寸法を有するカードCを、当該カードCの第1面Caが視認可能となるように着脱自在に保持するカード保持部10と、カード保持部10にカードCが保持された状態において、当該カードCの第1面Caとは反対側の第2面Cb側に、第2外形寸法を有するアタッチメントAを着脱自在に保持するアタッチメント保持部11と、を備え、アタッチメント保持部11は、複数の種類のアタッチメントAから選択されたいずれかのアタッチメントAを保持可能である。
【0067】
カードホルダ1によれば、カードCの第1面Caに表示された内容を他者に視認させることができる。例えば、カードCの第1面Caにユーザの名前が表示されている場合には、カードCを名札として機能させることが可能となる。また、このカードホルダ1によれば、カードCが保持された状態においてアタッチメントA(物品)を着脱自在に保持するため、ユーザはアタッチメントAを簡便に携帯することが可能となる。特に、このカードホルダ1では、アタッチメントAはカードCの第1面Caとは反対側の第2面Cb側に保持されるため、例えばアタッチメントAが揺動してカードCの第1面Ca側に位置してしまいカードCの名札としての機能が阻害されたり、カードホルダ1を取り扱う際にアタッチメントAが揺動等しないように当該アタッチメントAを手で押さえる等の動作を要したりすることが抑制される。しかも、ユーザは、複数の種類のアタッチメントAから必要な種類のアタッチメントAを選択して携帯することが可能となる。したがって、このカードホルダ1は、ユーザが物品を携帯する際の利便性を向上させることができる。
【0068】
カードホルダ1では、カード保持部10は、カードCの第1面Caが当該カードホルダ1の表側を向くように、当該カードホルダ1の裏側から挿入されたカードCを保持し、アタッチメント保持部11は、当該カードホルダ1の裏側から挿入されたアタッチメントAを保持する。これにより、保持されたカードCがカードホルダ1から脱落することをアタッチメントAによって阻止することが可能となる。また、カードCを収容した状態のままで、アタッチメントAのみを着脱することが可能となる。
【0069】
カードホルダ1では、アタッチメント保持部11は、複数の種類のアタッチメントAを保持可能である。これにより、ユーザは、必要な種類のアタッチメントAを選択して携帯することが可能となる。
【0070】
カードホルダセット100は、上述したカードホルダ1と、アタッチメントAと、を具備している。
【0071】
カードホルダセット100によれば、上述したカードホルダ1による作用及び効果を好適に奏することができる。
【0072】
カードホルダセット100では、アタッチメントAは、押下部ASaを押下されることにより内容液を噴霧するスプレーボトルASである。これにより、ユーザはスプレーボトルASを簡便に携帯することが可能となる。例えば、スプレーボトルASの内容液を殺菌・消毒の機能を有するものとすることで、ユーザは触れる物を所望のタイミングで殺菌・消毒することができる。
【0073】
カードホルダセット100では、アタッチメント保持部11は、押下部ASaを押下可能な状態でスプレーボトルASを保持する。これにより、スプレーボトルASをカードホルダ1に取り付けたままで内容液を噴霧することができるため、ユーザがスプレーボトルASを使用する際の利便性を向上させることが可能となる。
【0074】
カードホルダセット100では、アタッチメント保持部11は、保持しているスプレーボトルASの押下部ASaがユーザの指により押下される際の指の移動経路を避けて形成されている。これにより、スプレーボトルASをカードホルダ1に取り付けたままで内容液を噴霧する動作を容易に行うことが可能となる。
【0075】
カードホルダセット100では、アタッチメント保持部11は、押下部ASaが押下される方向とは反対側から当該押下部ASaの少なくとも一部を覆っている。これにより、カードホルダ1に取り付けられた状態のスプレーボトルASからユーザの意に反して押下部ASaが突出又は脱落することを抑制することができる。
【0076】
カードホルダセット100では、スプレーボトルASには、内容液を噴霧する噴霧孔ASbが形成されており、アタッチメント保持部11は、噴霧孔ASbが被覆されない状態でスプレーボトルASを保持する。これにより、スプレーボトルASをカードホルダ1に取り付けたままで内容液を噴霧することができるため、ユーザがスプレーボトルASを使用する際の利便性を向上させることが可能となる。
【0077】
カードホルダセット100では、アタッチメントAは、ユーザの手により把持される把持部AFaと、把持部AFaから鉤状に突出した鉤状部AFbと、を有するフックAFである。これにより、ユーザはフックAFを簡便に携帯することが可能となる。例えば、ユーザは、把持したフックAFの鉤状部を用いてドアノブを操作することで、ドアノブに直接触れずにドアを開閉することができる。
【0078】
カードホルダセット100では、フックAFは、導電性部材からなっている。これにより、フックAFを用いてタッチパネル例えば静電容量方式のタッチパネルを操作することが可能となる。
【0079】
カードホルダセット100では、アタッチメントAは、アタッチメント保持部11により保持された状態においてアタッチメント保持部11を被覆するカバーACであり、アタッチメント保持部11は、カード保持部10により保持された状態におけるカードCの第2面Cbから離間する位置に、カバーACを保持する。これにより、ユーザは、カードCとカバーACとの間に所持品物品を配置することで、当該所持品を携帯することが可能となる。この場合、所持品はカードCとカバーACとによって被覆された状態で携帯されるため、当該所持品の汚損等が抑制される。例えば、ユーザは、所持品としてのマスクを清潔に携帯することもできる。あるいは、ユーザは、所持品としての薄型の電子デバイス等を安全に携帯することもできる。
【0080】
カードホルダセット100では、アタッチメント保持部11は、カード保持部10により保持された状態におけるカードCに対して平行となるように、カバーACを保持する。これにより、互いに平行に保持されたカードCとカバーACとによって、例えば薄い形状の所持品を安定した状態で携帯することが可能となる。
【0081】
[変形例]
上述した実施形態は、当業者の知識に基づいて変更又は改良が施された様々な形態により実施可能である。
【0082】
例えば、上記実施形態においては、カード保持部10には開口部10aが形成されており、開口部10aを介してカードCの第1面Caが他者から視認可能となるとされている。しかし、カード保持部10は、開口部10aが形成される代わりに、透明な部材により構成されることによって、当該カード保持部10を透過してカードCの第1面Caが他者から視認可能とされていてもよい。例えば、カード保持部10は、カードホルダ1のx軸正方向側(表側)の面に、カードCを収容可能且つ透明なカードポケットを設けてもよい。この場合、カードポケットは、カードCがカードホルダ1の裏側から挿入される構成を備えていてもよく、カードホルダ1の側方側から挿入される構成を備えていてもよい。
【0083】
また、上記実施形態においては、カード保持部10の第1面支持部10bは、矩形枠状を呈し、カードCの全周にわたって当該カードCの第1面Caの縁部Ccに当接するものとされている。しかし、第1面支持部10bは、カードCの第1面Caの一部に当接し、カードCがx軸正方向に移動することを阻止するものであれば、このような構成に限定されない。例えば、第1面支持部10bは、円形枠状又は楕円形枠状を呈していてもよい。あるいは、第1面支持部10bは、カードCの全周のうちの一部においてのみ、当該カードCの第1面Caの縁部Ccに当接してもよい。
【0084】
また、上記実施形態においては、カード保持部10のカード嵌合部10cは、カードCの長手方向における一方の端部Cd及び他方の端部Ceに当接してカードCを挟持するものとされている。しかし、カード嵌合部10cは、カードCと嵌合し、カードCをカード保持部10に固定するものであれば、このような構成に限定されない。例えば、カード嵌合部10cは、カードCの短手方向における一方の端部及び他方の端部に当接してカードCを挟持してもよく、長手方向及び短手方向の両方の方向においてカードCを挟持してもよい。
【0085】
また、上記実施形態においては、カード保持部10のカード係止部10dは、カードCの2つの角がそれぞれ係止される係止片10da,10dbを含むものとされている。しかし、カード係止部10dは、カードCを第2面Cb側から支持する構造部分(例えば、カードCの第2面Cbの少なくとも一部に当接し、カードCがx軸負方向に移動することを阻止する構造部分)であれば、このような構成に限定されない。例えば、カード係止部10dは、カード保持部10によりカードCが保持された状態において、カードCの4つの角のうち当該カードCの長手方向における一方(ここでは、y軸正方向側)に位置する2つの角のz軸方向における中間位置(例えばz軸方向における中央)をx軸負方向側から保持してもよい。この場合、カード係止部10dは、カードCの当該中間位置が係止される1又は複数の係止片を含んでいてもよい。
【0086】
また、上記実施形態においては、カバーACには開口部が形成されていないものとされている。しかし、カバーACには開口部(不図示)が形成されていてもよい。これによれば、カードCとカバーACとの間に配置された所持品(物品)が開口部を介して外部と連通した状態を実現することができる。したがって、例えば、当該所持品が電子センサであって所定の対象物に当該センサを接触又は近接させる場合に、開口部を介して電子センサと対象物とを直接的に接触又は近接させることが可能となる。
【0087】
また、上記実施形態においては、アタッチメントAとしてスプレーボトルAS、フックAF、及びカバーACが示されている。しかし、アタッチメントAは、第2外形寸法を有するものであれば、これらに限定されず任意の物品を採用してよい。
【0088】
また、上記実施形態においては、カードホルダセット100は樹脂により構成されている。しかし、カードホルダセット100を構成するカードホルダ1及びアタッチメントA(スプレーボトルAS、フックAF、カバーAC)の少なくともいずれかは、樹脂に限定されず、例えば金属、木材、ラバー素材、又は革等により構成されていてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11