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特許7372721エアロポニック農業用のプランター、成長システム、および成長ブロック
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】エアロポニック農業用のプランター、成長システム、および成長ブロック
(51)【国際特許分類】
   A01G 31/02 20060101AFI20231025BHJP
   A01G 31/00 20180101ALI20231025BHJP
   A01G 31/04 20060101ALI20231025BHJP
   A01G 9/00 20180101ALI20231025BHJP
【FI】
A01G31/02
A01G31/00 601B
A01G31/04 B
A01G9/00 C
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023516807
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 US2021049539
(87)【国際公開番号】W WO2022056049
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-04-17
(31)【優先権主張番号】17/018,514
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523091039
【氏名又は名称】アメリカン スタンダード アグリカルチュラル プロダクツ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】AMERICAN STANDARD AGRICULTURAL PRODUCTS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】イン,デリック
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-000013(JP,A)
【文献】実開昭49-075812(JP,U)
【文献】米国特許第04327538(US,A)
【文献】特開2006-262750(JP,A)
【文献】特開平06-233635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 31/00-31/06
A01G 9/00- 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランターであって、
個々の植物を成長させるための前記プランター内の個々の位置である1つまたは複数の成長ユニットを収容するように構成されたハウジング;
前記ハウジングの上部の1つまたは複数の壁内に完全に構築されるように埋め込まれた1つまたは複数の埋め込み式液体供給ライン;
前記1つまたは複数の壁内に構築され、前記1つまたは複数の液体供給ラインから、植物の根に垂直方向に対してある角度で、水または液体栄養素を直接供給するように構成された、1つまたは複数のスプレーノズル;
前記ハウジングの下部に埋め込まれたドレーンライン;および
前記プランターから液体を除去するように構成されたドレーン
を含み、
前記1つまたは複数の供給ラインが、供給ポンプから前記プランターの内部チャンバに液体を供給するように構成され、前記プランターの前記ハウジングの上面が、前記1つまたは複数の成長ユニットのそれぞれについて構成された、前記プランターハウジングの上面を貫通して前記プランターの内部チャンバ内に入る、貫通孔を含み、
前記プランターが、切断ブレードを備える収穫ツールを含み、該収穫ツールは、収穫ツールが一方向に移動するとき、少なくとも1つの植物のそれぞれの上部を切断するように構成され、
前記収穫ツールはさらに、前記プランターの内部断面に対応する形状を有するヘッド部分を有するプランジャを備え、該プランジャは、前記プランターの内部を通って移動するときに、前記収穫ツールが一方向に移動するにつれて、前記切断ブレードによってそれぞれ切断された少なくとも1つの植物の各々の根部分を一方向に押し出すように構成され、
前記プランターが、案内ホイールおよびスライドレールを備え、前記収穫ツールは、前記案内ホイールに取り付けられ、該案内ホイールは、前記スライドレール上に設置され、該スライドレールは、前記プランターの側面に沿って配置され、前記案内ホイールは、前記スライドレールに沿って移動して、前記案内ホイールが前記スライドレールに沿って移動するのと同じ方向に前記収穫ツールをスライドさせる
ことを特徴とする、プランター。
【請求項2】
前記貫通孔が、少なくとも2つの貫通孔を含み、該少なくとも2つの貫通孔の各々は、同じ水平面上に位置することを特徴とする、請求項1に記載のプランター。
【請求項3】
1つまたは複数の成長ユニットをさらに含み、該1つまたは複数の成長ユニットは、少なくとも2つの成長ユニットを含むことを特徴とする、請求項1に記載のプランター。
【請求項4】
前記少なくとも2つの成長ユニットに対応する内側チャンバの各々が、高さおよび幅に関して同じ寸法を有し、同じ寸法から閾値マージンを引いたものを有するツールのヘッドが、前記少なくとも2つの成長ユニットに対応する内側チャンバの各々に嵌合し、それによって前記プランターは自動収穫および洗浄プロセスに適合されることを特徴とする、請求項3に記載のプランター。
【請求項5】
前記ドレーンが、前記少なくとも2つの成長ユニットの各々に対して1つのドレーンを含む複数のドレーンを含むことを特徴とする、請求項3に記載のプランター。
【請求項6】
前記ハウジングの端部を覆うカバーをさらに含み、前記1つまたは複数の供給ラインが2つの供給ラインを含み、前記カバーは該カバー内に設けられた2つのチューブを含み、該2つのチューブは前記2つの供給ラインに接続されることを特徴とする、請求項1に記載のプランター。
【請求項7】
1つまたは複数の成長ユニットをさらに含み、2つの内蔵チューブが、前記1つまたは複数の成長ユニットのうちの1つの右上領域に位置する第1の内蔵チューブ、および前記1つまたは複数の成長ユニットの左上領域に位置する第2の内蔵チューブを含むことを特徴とする、請求項6に記載のプランター。
【請求項8】
1つまたは複数の成長ユニットをさらに含み、前記1つまたは複数の内蔵スプレーノズルが、前記1つまたは複数の成長ユニットの各位置にそれぞれ設けられることを特徴とする、請求項1に記載のプランター。
【請求項9】
1つまたは複数の成長ユニットをさらに含み、プランターにおける1つまたは複数の成長ユニットの各々のサイズが、個々の植物の根の予想サイズに対応することを特徴とする、請求項1に記載のプランター。
【請求項10】
根から結露滴を収集するためのトレンチをさらに備え、該トレンチは、前記プランターのハウジングの下部の底部に位置し、前記ドレーンは、前記トレンチ内に位置することを特徴とする、請求項1に記載のプランター。
【請求項11】
1つまたは複数の成長ユニットをさらに含み、該1つまたは複数の成長ユニットは、少なくとも2列の成長ユニットおよび少なくとも2行の成長ユニットを含むことを特徴とする、請求項1に記載のプランター。
【請求項12】
前記1つまたは複数の供給ラインが、前記ハウジングの前記上部の1つまたは複数の壁に完全に埋め込まれた複数の供給ラインを含むことを特徴とする、請求項1に記載のプランター。
【請求項13】
請求項1に記載のプランター、プロセッサおよびモータ備え、前記プロセッサは、植物タイプに基づいて、散水、施肥、照明の順序、および、プランターおよび別のプランターを作業デッキにいつ移動させるかを自動的に制御するように、前記モータを駆動するよう構成されることを特徴とする、長システム。
【請求項14】
請求項1に記載のプランター;供給ポンプである第1のポンプ;および、前記プランターから液体を除去する第2のポンプを含む、成長システム。
【請求項15】
請求項1に記載のプランター;プロセッサ;およびモータを含む成長システムであって、前記プロセッサは、前記収穫ツールが前記少なくとも1つの植物の各々の上部を前記少なくとも1つの植物の各々の下部から自動的に分離するように前記収穫ツールを移動させるよう前記モータを駆動するように構成されることを特徴とする、成長システム。
【請求項16】
請求項1に記載のプランター;少なくとも1つの他の1つのプランターを収容するように構成される別のプランターを含む成長システムであって、前記別のプランターは、前記プランターと同じ寸法および構成を有することを特徴とする、成長システム。
【請求項17】
プロセッサ、モータおよびコンベヤベルトをさらに備え、前記プランターおよび別のプランターは前記コンベヤベルト上に取り付けられ、前記プロセッサは、前記プランターが第1の位置から第2の位置に移動するように前記コンベヤベルトを移動するように前記モータを駆動するよう構成され、前記第1の位置は、植え付け、収穫、および清掃のための作業デッキの位置であり、前記第2の位置は、中間位置または成長領域位置の1つである前記作業デッキの位置以外の位置であることを特徴とする、請求項16に記載の成長システム。
【請求項18】
前記第2の位置が成長領域位置であり;前記プランターまたは別のプランターが前記コンベヤベルトの成長領域位置にある間に光を提供するように構成された複数の発光ダイオード(LED)ライトをさらに備えることを特徴とする、請求項17に記載の成長システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年9月11日に出願され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第17/018,514号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、少なくとも1つのエアロポニック農業(aeroponic farming)用のプランター、プランターを含む成長システム、および成長ブロックに関する。本開示は、簡単な植え付け、最適な環境での成長、および迅速な収穫および洗浄(次の植え付けプロセスに迅速に切り替わるように)用に設計された、プランター、プランターを含む成長システム、および成長ブロックに焦点を当てる。プランター、プランターを含む成長システム、および成長ブロックは、大量生産に適している。
【背景技術】
【0003】
従来のエアロポニックスは、植物を育てるために土を使用しない。例えば、植物は、エアロポニックプランターの上部カバーに保持されてもよい。エアロポニックプランターには、スプレーノズル、チューブおよびポンプが設置され得る。エアロポニックスは、スプレーノズルを使用して、水および液体栄養素をミスト形態で植物の根に供給する。再循環ポンプは、プランターの底部の液体中に置かれ、水または液体栄養素をスプレーノズルに送ることができる。
【0004】
関連技術では、ノズル、チューブおよびポンプは、植物の根と同じ空間に配置されてもよい。このタイプの従来の構成は、収穫および洗浄プロセスを困難にし(チューブ、パイプ、ノズルなどが邪魔になり得るからである)、したがってメンテナンスコストを増大させるので、負担が大きい。したがって、植え付けおよび収穫プロセスは手間がかかる。例えば、植物苗条を取り出す場合、根を手作業で散水装置から分離し、プランターから取り出す必要がある。この手間のかかる収穫プロセスは、エアロポニックスプランタープロセスが大量生産に使用されることを妨げる。
【0005】
本開示は、関連技術の問題を解決することを目的とするプランターのタイプを提案する。
【0006】
Graves(特許文献1:「Automated Controlled Environment for Continuous Production of Plant Life」)は、植物を栽培するための生産システムの閉ループ設計を開示している。全ての植物(Graves Ref.No.20)を、水面に浮かぶトレイ(Graves Ref.No.14)に植え付ける。例えば、Gravesの図1を参照されたい。トンネル内のファンにより、植物トレイが押されて前進する。作業デッキ(Graves Ref.No.38)は、大型管状構造体(Graves Ref.No.10)の半管状部分に隣接して設けられる。
【0007】
しかしながら、植物は、成長および成熟するのに数週間または数ヶ月かかるため、Gravesの水で満たされたトンネルは、非現実的な長さである。成長期間中に植物を移動させることは、必要とされるエネルギーの浪費を考慮すると好ましくない場合がある。すなわち、成長期間中に植物を移動させるポイントがなくてもよい。Wainwright(特許文献2:「Low Pressure Aeroponic Growing Apparatus」)には、遠心力に基づいて液体栄養を分配する回転シリンダ装置を備えた大型栽培装置が開示されている。Wainwrightの全ての機械装置(モータ、ポンプおよびベルト)は、大型栽培装置の内側に配置される(例えば、モータは、大型栽培装置の水密区画内に配置される)。例えば、Wainwrightの図1を参照されたい。Wainwrightの大型栽培装置は、恒久的に湿潤したままであり得る。しかしながら、Wainwrightの遠心力による液体分配は、植物の列が複数であるため、液体栄養を均等に分配できないという問題がある。すなわち、回転シリンダ装置に近い第1の植物は、回転シリンダ装置から遠く離れた第2の植物よりも多くカバーされ得る。第2の植物(回転シリンダ装置から遠く離れている)は、より少ない液体栄養を得るか、全く得られない場合がある。Wainwrightの回転シリンダ装置から出た液体は、天井に当たると、大型栽培装置の底部に落下する。再循環ポンプを稼働させ続けるために、液体レベルを監視および維持する必要がある。この設計は、植物の根がチューブおよびポンプと絡み合うという同じ問題を有する。
【0008】
Roy(特許文献3:「Modular Aeroponic/Hydroponic Container Mountable to a Surface」)は、個々の植物保持目的のために設計されたモジュール式容器を開示している。Royの容器は垂直にまとめることができる。Royの垂直に取り付けられた栄養導管は、容器に接続された個々のチューブを有する。オペレータは、手動で植え付ける(すなわち、各植物を個別に容器に入れる)だけでなく、個々の容器を取り付けて積み重ねなければならない。したがって、特に大量生産のために、Royの容器を使用して収穫し、洗浄し、植え替えることは、時間がかかり、困難である。
【0009】
Pettibone(特許文献4:「Modular Vertical Farm Cell」)は、植物生産のための連続ループコンベヤ設計を開示している。Pettiboneのコンベヤの開始時に、オペレータは、若い植物を播種または植え付けてもよい。コンベヤは、オペレータが次の種子または次の若い植物を植え付けることができる位置に植物または種子を移動させてもよい。Pettiboneのコンベヤは垂直に延びる。Pettiboneによると、植物は成熟するまでに数ヶ月かかり、植物が成長期間の半分に達すると、コンベヤは奥に下がる。最終的に、植物は成熟し、オペレータに戻る。オペレータはそれを収穫し、次のものを植え付ける。この点で、PettiboneはGraves(特許文献1)に類似している。欠点は、コンベヤが何マイルもあるあるか、またはオペレータが成長速度に合わせて非現実的に遅いペースで作業することである。Pettiboneの第4欄、第37行には、1人が毎日1つの植物を収穫できることが示されている。
【0010】
Harwood(特許文献5:「Modular Vertical Farm Cell」)には、エアロポニック農業用のシステムおよび方法が開示されている。Harwoodにおける例示的なプロセスは、種子を植え付ける段階で始まり、これは、空間および栄養素の浪費のため、種子を発芽させる最も効率の低い方法である。全ての種子が発芽するわけではないので、より効率的な方法は、苗を植え付けることである。発芽しない種子が植え付けられたスポットに対して空間が無駄になる。さらに、Harwoodの成長チャンバの底部に取り付けられた植物および栄養スプレーは、外気にさらされている。排水ますは、施設の表面積を大きく浪費する。成長チャンバの上方に換気ファンがあるため、栄養液ミストは、施設内のどこにあってもよい。施設湿度の制御は困難である。ミストは、任意の建物構造物、機械および電気設備および装置の表面上に存在し得る。このタイプの設計では、栄養供給に対する効率が非常に低く、施設のメンテナンスに問題が生じる。
【0011】
そのオープンエアの設計により、発明者が主張したように積み重ね可能な成長チャンバを有することは不可能である。根がルートチャンバ内の散水パイプ、スプレーノズルと絡み合うため、収穫を機械によって自動的に行うことができない。
【0012】
Hansen(特許文献6:「Method and Apparatus for Aeroponic Growth」)には、V字形の植物保持装置が開示されている。特に、植物の根は、HansenのV字形バスケットの穿孔によって保持される。バスケットは、様々な棚に配置することができる。Hansenは、バスケットの結合を説明する。各バスケットは、最大3つの植物を保持することができる。植物を植え付けて収穫するためには、資源を分解しなければならない。
【0013】
Martin(特許文献7:「Vertical Aeroponic Plant Growing Enclosure with Support Structure」)は、エアロポニック農業に用いられる植物エンクロージャを開示している。エンクロージャは垂直に吊り下げることができる。パイプおよびノズルは、エンクロージャの内側に構築される。植物が収穫された後、パイプおよびノズルが根の中央にあるため、エンクロージャの洗浄が非常に困難であり得る。そのため、高い生産効率に達することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】米国特許第3,579,907号明細書
【文献】米国特許第6,807,770号明細書
【文献】米国特許第7,877,927号明細書
【文献】米国特許第8,533,993号明細書
【文献】米国特許第8,782,948号明細書
【文献】米国特許第9,288,951号明細書
【文献】米国特許第9,374,953号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本開示は、農業の関連技術における問題に対処する。特に、本開示は、エアロポニック農業に関する。
【0016】
この点に関して、従来技術は、成長、収穫、および洗浄に適した清潔なルートチャンバを有するプランター設計を有していなかった。また、提案された成長プロセスは、非現実的に長く、エネルギーを浪費する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本開示の実施形態によれば、プランターは、以下を含み得る:個々の植物を成長させるためのプランター内の個々の位置である1つまたは複数の成長ユニットを収容するように構成されたハウジング;ハウジングの上部に埋め込まれた1つまたは複数の埋め込み式液体供給ライン;ハウジングの下部に埋め込まれたドレーンライン;および、ポンプによってプランターから液体を除去するように構成されたドレーン。
【0018】
1つまたは複数の供給ラインは、供給ポンプからプランターの内部チャンバに液体を供給するように構成されてもよい。プランターのハウジングの上面は、1つまたは複数の成長ユニットのそれぞれについて、プランターハウジングの上面を貫通してプランターの内部チャンバ内に入る貫通孔を含んでもよい。
【0019】
少なくとも1つの貫通孔の各々は、同じ水平面上に配置され得る。
【0020】
1つまたは複数の成長ユニットは、少なくとも2つの成長ユニットを含んでもよい。
【0021】
少なくとも2つの成長ユニットに対応する内側チャンバの各々は、高さおよび幅に関して同じ寸法を有してもよく、同じ寸法から閾値マージンを引いたものを有するツールのヘッドが、少なくとも2つの成長ユニットに対応する内側チャンバの各々に嵌合し、それによってプランターは自動収穫および洗浄プロセスに適合される。
【0022】
ドレーンは、少なくとも2つの成長ユニットの各々に対して1つのドレーンを含む複数のドレーンを含むことができる。
【0023】
少なくとも1つの供給ラインは、プランターのハウジングの上部の1つまたは複数の壁内に設けられた2つの内蔵チューブを含むことができる。
【0024】
少なくとも2つの内蔵チューブは、成長ユニットの右上領域に位置する第1の内蔵チューブと、成長ユニットの左上領域に位置する第2の内蔵チューブとを含んでもよい。
【0025】
プランターは、1つまたは複数の液体供給ラインから、植物の根に垂直方向に対してある角度で、水または液体栄養素を供給するように構成された、1つまたは複数の内蔵スプレーノズルをさらに備えることができる。
【0026】
1つまたは複数の内蔵スプレーノズルは、各植物成長ユニット位置に少なくとも1つの内蔵スプレーノズルを含んでもよい。
【0027】
プランター内の1つまたは複数の成長ユニットの各々のサイズは、個々の植物の根の予想されるサイズに対応し得る。
【0028】
プランターは、根から結露滴を収集するためのトレンチをさらに備えてもよく、トレンチは、プランターのハウジングの下部の底部に位置してもよく、ドレーンは、トレンチ内に位置してもよい。
【0029】
プランターは、収穫ツールをさらに備えてもよく、収穫ツールは、切断ブレードを備えてもよく、収穫ツールは、収穫ツールが一方向に移動するとき、少なくとも1つの植物のそれぞれの上部を切断するように構成されてもよい。
【0030】
収穫ツールは、プランターの内部断面に嵌合されたヘッド部分を有するプランジャをさらに備えてもよく、プランジャがプランターの内部を通って移動するときに、収穫ツールが一方向に移動するにつれて、プランジャは、切断ブレードによってそれぞれ切断された少なくとも1つの植物の各々の根部分を一方向に押し出す。
【0031】
プランターは、案内ホイールおよびスライドレールをさらに備えてもよい。収穫ツールは、案内ホイールに取り付けることができ、案内ホイールは、スライドレールに取り付けることができ、スライドレールは、プランターの側面に沿って位置することができ、一方向に走行することができる。
【0032】
拡張プランターは、少なくとも2つの列の成長ユニットおよび少なくとも2つの行の成長ユニットを含み得る。
【0033】
供給ラインは、プランターの上部天井に埋め込まれてもよい。
【0034】
一実施形態による成長システムは、プランターと、供給ポンプである第1のポンプと、第2のポンプとを備えることができる。
【0035】
一実施形態による成長システムは、プランターと、プロセッサと、モータとを備えることができる。プロセッサは、収穫ツールを移動させるようにモータを駆動するよう構成されてもよく、収穫ツールは、少なくとも1つの植物の各々の上部を少なくとも1つの植物の各々の下部から自動的に分離する。
【0036】
成長システムは、少なくとも1つの他の1つの植物を収容するように構成された少なくとも1つの他のプランターを含んでもよい。他のプランターは、(第1の)プランターと同じ寸法および構成を有してもよい。
【0037】
成長システムは、プロセッサ、モータ、およびコンベヤベルトをさらに含んでもよく、プランターおよび他のプランターは、コンベヤベルト上に取り付けられる。プロセッサは、プランターが第1の位置から第2の位置に移動するように、モータを駆動してコンベヤベルトを移動させるように構成されてもよい。第1の位置は、植え付け、収穫および洗浄のための作業デッキの位置であり得る。第2の位置は、作業デッキの位置以外の位置であって、中間位置または成長領域位置の1つであってもよい。
【0038】
成長システムは、プランターがコンベヤベルトの成長領域位置にある間に少なくとも1つの植物を照明するように構成された複数の発光ダイオード(LED)ライトをさらに備えることができる。
【0039】
成長システムは、プロセッサおよびモータをさらに備えてもよく、プロセッサは、植物の種類に基づいて、散水、施肥、照明の順序、およびプランターを作業デッキにいつ移動させるかを自動的に制御するようにモータを駆動するよう構成される。
【0040】
特徴を含む開示された主題は、以下の詳細な説明および添付の図面からより明らかになるであろう。
【0041】
本開示の実施形態は、図面によって限定されず、いくつかの要素は、請求された機能を実行しながらも省略され得る。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本開示の一実施形態によるプランターの正面断面図
図2】本開示の一実施形態によるプランターの上部ハウジング部分の上面図
図3】本開示の一実施形態によるプランターの斜視図
図4A】一実施形態による、複数の成長ユニット位置を有するプランターを示す図
図4B】本開示の一実施形態によるプランターの端部カバー105の正面図
図4C】一実施形態による端部カバーを有するプランターの上面図
図4D】一実施形態による端部カバーを有するプランターの側面図
図4E】一実施形態による端部カバーを有するプランターの斜視図
図5A】本開示の一実施形態による収穫ツール(収穫機)の正面図
図5B】本開示の一実施形態による収穫ツール(収穫機)の上面図
図5C】本開示の一実施形態による収穫ツール(収穫機)の側面図
図5D】本開示の一実施形態による収穫ツール(収穫機)の斜視図
図6A】様々な実施形態による、プランター、およびカッター201およびプランジャ202を含む収穫ツールの正面図
図6B】様々な実施形態による、プランター、およびカッター201およびプランジャ202を含む収穫ツールの上面図
図6C】様々な実施形態による、プランター、およびカッター201およびプランジャ202を含む収穫ツールの側面図
図6D】様々な実施形態による、プランター、およびカッター201およびプランジャ202を含む収穫ツールの斜視図
図7A】様々な実施形態による、プランター、およびカッター201およびプランジャ202を含む収穫ツールの正面図
図7B】様々な実施形態による、プランター、およびカッター201およびプランジャ202を含む収穫ツールの上面図
図7C】様々な実施形態による、プランター、およびカッター201およびプランジャ202を含む収穫ツールの側面図
図7D】様々な実施形態による、プランター、およびカッター201およびプランジャ202を含む収穫ツールの斜視図
図8】複数の成長ユニットを有する本開示の一実施形態による、収穫ツールを有するプランターの斜視図
図9A】本開示の一実施形態による、拡張された成長ユニットを有する拡張プランターを示す図
図9B】本開示の一実施形態による、拡張された成長ユニットを有する拡張プランターを示す図
図9C】本開示の一実施形態による、拡張された成長ユニットを有する拡張プランターを示す図
図9D】本開示の一実施形態による、拡張された成長ユニットを有する拡張プランターを示す図
図10A】コンベヤベルト上に設置された植物を示す図
図10B】プランターが作業デッキ位置に移動されるときにプランターへの液体ベルト接続部が分離されることを示す図
図10C】本開示の一実施形態による、成長ブロックを示す図
図10D】本開示の一実施形態による、成長ブロックを示す図
図10E】本開示の一実施形態による、成長ブロックを示す図
図10F】本開示の一実施形態による、成長ブロックを示す図
図10G】本開示の一実施形態による、成長ブロックを示す図
図10H】本開示の一実施形態による、成長ブロックを示す図
図11】一実施形態に従って提供される制御システムを示す図
図12】一実施形態による、制御システムによって実行され得る、植え付けプロセス、成長プロセス、および収穫プロセスを含む様々な制御プログラムを示す図
図13】一実施形態による、制御システムによって実行され得る、植え付けプロセス、成長プロセス、および収穫プロセスを含む様々な制御プログラムを示す図
図14】一実施形態による、制御システムによって実行され得る、植え付けプロセス、成長プロセス、および収穫プロセスを含む様々な制御プログラムを示す図
図15A】一実施形態による、水および液体栄養素供給システム8000の供給フロー図
図15B】一実施形態による、水および液体栄養素再循環システム9000を示す図
【発明を実施するための形態】
【0043】
特定の実施形態によれば、本開示は、エアロポニック農業のためのプランター、成長システム、および成長ブロックの方法および装置を提供する。エアロポニック農業は、その技術分野における当業者によく知られている用語である。プランターは、以下でより詳細に説明するように、少なくとも1つの植物の位置にそれぞれ対応する1つまたは複数の成長ユニットを有することができる。
【0044】
図1は、本開示の一実施形態によるプランター100の正面断面図を示す。一実施形態によれば、プランター100は、1つまたは複数の成長ユニットを収容するように構成されたハウジング(100Aおよび100B)を備えることができる。一実施形態によれば、1つまたは複数の成長ユニットの各々は、個々の植物(または複数の植物)を成長させるためのプランター内の個々の位置であり得る。
【0045】
一実施形態では、プランターは、供給ライン101およびドレーン102に接続されたドレーンラインなどの内蔵チューブまたはラインを含むことができる。
【0046】
一実施形態によれば、プランター100は、供給ライン101を含むことができ、内蔵スプレーノズル101Aを含むことができる。供給ライン101は、水および/または液体栄養素を輸送するように構成されてもよい。供給ライン101は、ハウジング(100Aおよび100Bを含むハウジング)の上部100A内に埋め込まれた1つまたは複数の埋め込み液体供給ラインを含むことができる。一実施形態によれば、プランター100内の各植物位置(すなわち、プランター100内の各成長ユニット)において、内蔵チューブ(供給ライン101)に接続される、予め穿孔されたスプレーノズル101Aを設けることができる。一実施形態によれば、スプレーノズル101Aは、液体(水または液体栄養素)を植物の根に供給するように角度を付けられてもよい。しかしながら、植物の他の部分を標的とすることができる。ノズル101Aのオリフィスサイズは、予想される種類の植物に適した予想される液滴サイズおよび流量に基づいて予め選択することができる。
【0047】
供給ライン101は、水または液体栄養素のうちの1つまたは複数を供給してもよい。供給ライン101は、プランター100の上部コーナーに配置されてもよい。例えば、供給ライン101は、少なくとも2つの供給ライン101を含むことができ、その各々は、プランター100の2つの上部コーナーの上側コーナー(ある実施形態では、上部ハウジング部分100Aの形状は、図1に示すように、正方形または立方体形状である)で走ることができる。しかしながら、供給ラインは、この構成に限定されず、ハウジングの他の場所に埋め込まれてもよい。
【0048】
図1では2本の液体供給ライン101が示されているが、2本以上を用いてもよいし、あるいは、1本の液体供給ライン101を用いてもよい。1つまたは複数の供給ライン101は、供給ポンプからプランターの内部チャンバに液体を供給するように構成することができる。
【0049】
図1に示されるように、ある実施形態によると、プランター100は、取り外し可能な頂部として機能し得る上部100Aを含んでもよい。
【0050】
一実施形態によれば、取り外し可能な頂部(上部100A)のための破断線101Cは、プランター100の下部100B(例えば、本体100B)から係合解除するように構成され得る。この点に関して、取り外し可能な頂部100A(上側ハウジング部分100A)は、本体100B(下側ハウジング部分100B)に取り付け、取り外し、および再取り付けされるように構成され得る。プランター100はまた、プランター100から余分な液体を除去するための、対応するドレーンラインを有するドレーン102を含んでもよい。
【0051】
一実施形態によると、ドレーン102は、(図1に示されるように)、プランター100の下側部分100Bに埋め込まれてもよい。ドレーンラインは、ポンプによってプランターから液体を除去するように構成されてもよい。
【0052】
図1に示すように、プランター100の下側ハウジング部分100Bには、ドレーン102が設けられていてもよい。ドレーン102は、下側ハウジング部分100Bの底部のトレンチ内に配置することができ、植物の根から滴下する水および液体栄養素の凝縮物を収集することができる。トレンチは、複数の成長ユニットを通って延在し得る。
【0053】
形状
好ましい実施形態によれば、各プランター100のハウジングは、図中の立方体または直方体などの箱の形状であってもよい。図1に示すように、プランター100は、上側ハウジング部分100Aおよび下側ハウジング部分100Bの内面によって画定される特定のプロファイルを有する一方で、上側ハウジング部分100Aおよび下側ハウジング部分100Bの外面において実質的に箱形であり得る。特に、以下でより詳細に論じるように、上側および下側ハウジング部分の内面は、切削(収穫)ツールのプロファイルに対応するプロファイルを提供することができる。しかしながら、他の形状が使用されてもよく、プランターは、各ハウジング部分において任意の特定の形状(例えば、箱形)に限定されない。
【0054】
プランター100内の各個別の成長ユニットは、成長ユニット内に保持される植物が苗条を生育するための開口部103を上部ハウジング部分100Aの上部に有することができる。ハウジング100Aおよび100Bは、任意の高強度エンジニアリングプラスチックなどの高強度材料を使用して構築されてもよい。しかしながら、ハウジング100Aおよび100Bの内部の高水分含有量に起因して、ハウジング100Aおよび100Bがあらゆる種類の酸化(錆)反応を起こさないようにするために、ハウジング100Aおよび100Bに金属を使用することは好ましくは回避される。一実施形態によれば、プランター100は、少なくとも2つの孔103(貫通孔であってもよい)のそれぞれが同じ水平面上に位置するように構成されてもよい。
【0055】
プランターの大きさは、予め決められていてもよい。特に、ハウジング部分100Aおよび100Bの大きさは、栽培が予想される植物根の予想される大きさに基づいて、およびプランターが提供する個々の成長ユニットの数に基づいて、予め決定されてもよい。例えば、栽培される植物が適切に成長するために1フィート×1フィートのスペースを必要とする場合、ハウジング部分100Aおよび100Bは、1フィート(高さ)×1フィート(幅)×10フィート(長さ)、または1フィート(高さ)×10フィート(幅)×1フィート(長さ)の寸法を有することによって、10個の植物を収容するように設計され得る。当然ながら、他の構成を使用することもでき、上記の数値例は単なる例示である。図2は、図1のプランター100の上面図を示し、特に、取り外し可能であり得る上側ハウジング部分100Aの上面図を示す。図2では、下側ハウジング部分100Bは、上側ハウジング部分100Aによって視界から隠されている。これに関して、上側ハウジング部分100Aは、下側ハウジング部分100Bの底部外面の表面積と同じ上部外面の表面積を有し得る。図2は、スプレーノズル101Aが視界から隠されることを示す破線を用いて、埋め込まれたスプレーノズル101Aを示す。
【0056】
図3は、本開示の一実施形態によるプランター100の斜視図を示す。図3に示すように、プランター100は、少なくとも2つの成長ユニット(104Aおよび104B)を有することができ、少なくとも2つの成長ユニット104Aおよび104Bの各々は、植物が貫通するためのそれぞれの個別の開口部103を有する。
【0057】
図4Aは、一実施形態による、複数の成長ユニット位置104A、104B、104Cなどを有するプランター100を示す。例として、図4は、10位置の成長ユニット200(最初の3つの成長ユニット位置は、104A、104Bおよび104Cと標識される)を示す。液体供給ライン101およびドレーンラインは、プランター100内で成長ユニット104A、104B、104Cなどの各々を通って延びてもよい。破断線100Cは、成長ユニット104A、104B、104Cなどの各々に対して延在してもよい。ある実施形態によると、成長ユニット(104A、104B、104Cなど)の各々は、(共通ドレーンラインを共有する)独自のドレーン102を有してもよく、成長ユニットの各々は、独自の開口部103を有してもよい。図4Bは、本開示の一実施形態によるプランター100の端部カバー105の正面図を示す。さらに、図4Bは、それぞれの供給ライン101およびドレーンライン(ドレーン102に接続される)をそれぞれ外部ソース(例えば、平面ハウジングの一部ではないポンプ)に接続するためのバーブコネクタ105Aを示す。
【0058】
図4C~4Eは、それぞれ、端部カバー105を有する図4Aの複数位置プランター100の上面図、側面図および斜視図を示す。
【0059】
収穫ツール
少なくとも1つの植物が成熟し、収穫の準備ができると、プランター100は排水されてもよく、端部カバー105は取り外されてもよい。収穫ツール200(一実施形態による図5A~5Dに示す)を使用して、植物の一部、例えば各植物の苗条を切断することができる。収穫ツール200は、カッター201およびプランジャ202を備えてもよい。収穫ツール200は、例えば、プランジャ202がプランター100の内部(すなわち、ハウジング部100Aおよび100Bの内面によって形成される内側チャンバ内)に突入する際に、カッター201全体(またはカッター201の少なくとも一部)がプランター100の上側ハウジング部分100Aの上方に位置するように構成されてもよい。収穫ツール200は、カッター200Aが上側ハウジング部100Aの上方で植物の苗条を切断し、プランジャ202Bがプランターの内側から残りの植物片(例えば植物根)を押し出すように駆動され得る。このプロセスは同時に起こり得る。
【0060】
図5A~5Dは、それぞれ、本開示の一実施形態による収穫ツール(収穫機)の正面図、上面図、側面図、および斜視図を示す。
【0061】
一実施形態によれば、カッターのサイズは、植物の苗条サイズに適合するように予めカスタマイズすることができる。一実施形態によれば、プランジャは、プランター100の内部断面に適合するように設計され得る。内部断面に適合するとは、プランジャ202が、プランター100の内部に嵌合し、それを通って移動可能である、一方向に水平プロファイルを有し得ることを意味する。
【0062】
この点に関して、プランター100の内側チャンバは、高さおよび幅に関して同じ寸法を有する少なくとも2つの成長ユニットを有することができ、それにより、同じ寸法から閾値マージンを引いたものを有するツール(例えば、プランジャ)のヘッド202Aが、プランター100の少なくとも2つの成長ユニットの各々に嵌合し、それによってプランターは自動収穫および洗浄プロセスに適合される。図5Aおよび5Bでは、プランジャ202は、ヘッド202Aおよびシャフト202Bを備えて示されている。
【0063】
図5Bは、カッター201の切断ブレード201Aおよび本体部分201B、ならびにプランジャ202Bを備えた、カッター201の上面図を示す。図5Bでは、ヘッド部分202Aは、その上方にあるカッター201の本体部分201Bのために、部分的に視界から隠されている。
【0064】
図5Cは、カッター201およびプランジャ202の側面図を示す。また、図5Cは、取付け孔201Cを示している。取付け孔は、自動収穫および洗浄プロセスに関して以下でより詳細に説明される。
【0065】
図6A~6Dは、それぞれ、プランター100、および、カッター201およびプランジャ202を含む収穫ツール200の正面図、上面図、側面図、および斜視図を示す。
【0066】
図7A~7Dは、それぞれ、プランター100、および、カッター201およびプランジャ202を含む収穫ツール200の正面図、上面図、側面図、および斜視図を示す。図7A~7Dはまた、スライドレール300上に設置される(または取り付けられる)カッター201を備えた実施形態を示す。一実施形態によれば、収穫ツール200は、案内ホイール201D上に取り付けられ、プランターに隣接するスライドレール300上に設置され得る。カッター201は、スライドレール300と係合することができる。例えば、カッター201は、カッターに接続されたスライドホイール201Dによってスライドレール300と係合してもよい。スライドホイール201Dは、切断ブレード201Aが水平面に沿って(水平面にあまり変化がないように)移動されるように、スライドレール300内で転動してもよい。取付け孔201Cにおいて取付ホイール201Dをカッター201の本体部201Bに接続するための取付ボルト201Eが設けられてもよい。収穫機の移動は、ハードウェアプロセッサを含む制御装置によって制御されるモータによって駆動されてもよい。制御装置の制御は、以下でより詳細に説明される。スライドレール300は、一実施形態によればCチャネルレールであってもよい。しかしながら、他のレールが使用されてもよい。一実施形態によれば、収穫ツールは、成長ブロックの作業デッキ位置でのみ利用可能であり得る。収穫ツールがプランターに適用されると、カッター201およびプランジャ202の両方が、プランターの一端からプランターの一端とは異なるプランターの他端に移動することができる。モータは、カッター201およびプランジャ202の両方を駆動してもよく、制御システムまたはオペレータによって制御されてもよい。
【0067】
図8は、10個の成長ユニット104A、104B、104Cなどを有するプランター100と、スライドレール300上に設置された収穫ツール200とを示す。
【0068】
根域植物
プランター100(複数の成長ユニットを有し得る)内の成長ユニットの設計(例えば、サイズ、寸法)は、少なくとも1つのシュート作物、少なくとも1つの根作物、または少なくとも1つのシュート作物および少なくとも1つの根作物の両方に好適であり得る。
【0069】
精密な噴霧および排水プロセスは、プランター100に流入および流出する液体を制御し得る。例えば、プランター内に埋め込まれた液体供給ラインに液体を供給する供給ポンプを制御し、ドレーンラインを液体容器内に引き込むかまたは空にするポンプを制御する、コントローラを設けることができる。精密な噴霧および排水プロセスを使用することによって、水が成長ユニットの底部に滞留することを防止することができる。ある実施形態では、このプロセスは、成長ユニットの底部に滞留している液体がないことを確実にし得る。精密な噴霧および排水プロセスは、散水効率を改善するだけでなく、根への健康な酸素交換を増加させ、すべての根域作物に健康な成長環境を作り出すことができる。精密な噴霧および排水プロセスは、ある実施形態によると、いくらかの残留水(例えば、トレンチ内に)を有し得るが、依然として、植物/植物根が水で浸水されることを回避し得る。
【0070】
成長ユニット設計
成長ユニット100Aのサイズおよびプロファイルは、事前に設計することができる。例えば、成長ユニット104Aの異なるサイズおよび/または異なるプロファイルが、異なる植物に対して所望され得る(例えば、以下のうちの1つまたは複数に基づく:それらの苗条および根のサイズ、成熟した植物の質量、ならびにそれらを収穫および収集する方法)。図8のプランターの1つの利点は、成長ユニット104Aを一度設計し、その後、図8に示すように、1つまたは複数の追加の成長ユニット(104Bなど)を、104Aと全く同じプロファイルを有する成長ユニットに(プランター100のデザインを奥行き方向に拡張することによって)追加することができることである。同じ(または実質的に同様の)プロファイルを有することによって、収穫および洗浄プロセスを自動化することができる(プランジャのヘッドを複数の成長ユニットに押し込むことができる)。図8は、10個の成長ユニット(104A、104B、104Cなど)を示すが、10の数字は例として使用されるにすぎない。10未満または10超(1つの成長ユニットを含む)がプランター100によって備えられてもよい。
【0071】
小さな植物を栽培する場合、成長ユニットを両方向に拡張して、空間最適化を提供することができる。各植物位置(成長ユニット)は、それ自体のミスト供給スプレーノズルを有してもよく、これは、苗条および根をはるかに高速で処理できるという利益を提供する。
【0072】
図8は10個の成長ユニットを示すが、図9Aは、より小さい植物のための拡大された成長領域を有する拡張プランター1000の斜視図を示す。一例として、図9Aは、36個の成長ユニット104A、104B、104Cなどを示し、36個の成長ユニットのそれぞれは、それ自体の孔を有する。
【0073】
拡張プランター1000は、図1~7のプランター100の実施形態と類似の特徴を有し得る。しかしながら、図9Aおよび9Bに示されるように、拡張プランター1000はまた、長さ方向に隣接する成長ユニット(図5~7を参照して前述される)に加えて(またはその代わりに)、1つまたは複数の幅方向に隣接する成長ユニットを有してもよい。
【0074】
植物がより大きい苗条およびより小さい根を有する場合、図9Bに示されるように、拡張プランター1000の内部支持を提供するために支持壁106を追加することができる。図9Cは、内部特徴を示す、拡張プランター1000の正面図を示す。特に、図9Cは、幅方向に互いに隣接する2つの成長ユニット104Aおよび104Bを有する拡張プランター1000を示す。図9Cは、一実施形態による、3つの供給ライン101と、5つのスプレーノズル101Aと、2つのドレーンライン102Aとを有する構成を示す。この構成では、スプレーノズルは、プランター100/拡張プランター1000自体の角の代わりに(またはそれに加えて)、成長ユニット104A、104Bなどの角に依然として設けられてもよい。
【0075】
図9Dは、端部カバーを有する拡張プランター1000の斜視図を示し、(拡張されたサイズを除いて)上述の端部カバーと同様であり得る。
【0076】
成長ブロック
図10A~10Hは、成長ブロック5000を示す。成長ブロック5000は、コンベヤ上に多層で取り付けられたプランター100のグループを収容する物理的構造を指す。コンベヤベルト5001は、その上でプランター100を運ぶためにコントローラ(例えば、機械式ループ装置)によって作動されるモータによって制御されてもよい。供給ラインおよびドレーンラインの両方を含む液体ライン5002Aは、液体ベルト5002に設けられる。液体ライン5002Aは、プランター100の両端のコネクタを介して接続され、それぞれ、水および液体栄養素をプランター100に供給し、余分な液体をプランターから除去することができる。
【0077】
成長ブロック5000の中央部分は成長位置であってもよい。成長ブロック5000は、照明5050(例えば、図10Cに示すような、プランター100の上の発光ダイオード(LED)ライト5050)を含み得る。LEDライトの波長は、最適な成長環境を供給するように、制御システムによって変更されてもよい。プランター100は、成長位置の内外に巻かれてもよい。各成長ブロック5000は、オペレータが植物を植え付けるまたは収穫するための作業デッキを有し得る。
【0078】
図10Aは、2つのコンベヤベルト5001によって運ばれる3つのプランター100を示す。両端では、液体ベルト5002が3つのプランター100のそれぞれに接続されている。
【0079】
プランター100が「作業デッキ」位置5002Bに移動すると、図10Bに示すように、両端の液体ベルト5002接続が分離され得る。一実施形態によれば、3つのプランター位置が、図10Bの成長ブロック5000に示され、作業デッキがどのように動作するかが示される。しかしながら、他の実施形態は、3つ未満のプランター位置または3つを超えるプランター位置を含んでもよい。実際の設計では、作業デッキは、他のデッキと整列しなくてもよい。コンベヤベルト5001は、プランターを液体ベルト5002のループから運び出し、植え付け、収穫および洗浄のために作業デッキに運ぶ。プロセスが完了すると、コンベヤベルト5001は、プランター100を液体ベルト5002のループに運び戻す。同時に、液体ベルト5002の内側にある液体ライン5002Aは、プランター100の両端に接続される。成長ブロック5000は、大量生産を目的とし、効率的な大量生産には適していなかった既存の技術的プロセスを改善するためのものである。
【0080】
図10Cおよび10Dは、全てのプランター位置がプランター100で充填された成長ブロック5000の斜視図および側面図を示す。各長いブロックは、プランター100および植物苗条のための上方空間を表す。液体ベルト5002は、成長ブロック5000の両側でプランター100に接続されてもよい。成長ブロック5000の各液体ベルト5002は、植物内の水および液体栄養素供給および再循環システムへの接続を有してもよい。コンベヤベルト5001は、プランター100を運ぶことができる。
【0081】
成長ブロック5000の作業デッキ位置5002Bにおいて、液体ベルト5002は、プランター100から分離され得る。収穫ツール200は、手動または自動プロセスのいずれかによって適用され、作物を切断し、収集し、包装し、廃棄物バイオマスを収集することができる。次いで、新しい苗を植え付けることができる。植え付けが終了すると、液体ベルト5002が適用され、コンベヤベルト5001上の次の位置に移動してもよい。
【0082】
成長位置
図10Eおよび10Fは、プランター100が「成長」位置にある成長ブロック5000の斜視図および側面図を示す。一実施形態によれば、フルサイクルにおいて、プランター100の各々は、ある時点で、最適化された成長条件(例えば、植物の種類に対する適切な照明強度、1日当たりの時間的な照明量)を保証するために、所定の持続時間にわたって指定された照明領域5050の下に配置される。全ての散水シーケンスは、コントローラまたはプロセッサによって実装される制御プログラムによって制御および管理されてもよい。
【0083】
図10Eおよび10Fは、開放位置に成長ユニットを有さないコンベヤベルトを示す。
【0084】
収穫位置
図10Gおよび図10Hは、収穫される第1のプランターが作業デッキ位置5002Bに到達する間に収穫される準備ができた位置にあるプランター100を有する成長ブロック5000の斜視図および側面図を示す。図10Gは、成長ブロック5000の斜視図を示し、コンベヤベルト、照明、およびプランターが入ることが要求され得るすべての位置を示す。各ブロックは、プランター100および上記の対応する苗条クリアランス空間の両方を表し得る。
【0085】
図10Hは、成長ブロック5000の側面図を示し、コンベヤベルト、照明5050、およびプランターが入ることができるすべての位置を示す。第1のプランターは、液体ベルト5002ループの外側にある作業デッキ位置にある。
【0086】
収穫プログラムが開始すると、プランターは、「成長」位置から作業デッキ位置5002Bに向かって移動し始めることができる。
【0087】
図10Gおよび10Hは、第1のプランターが収穫されるために作業デッキ位置5002Bに到達することを示す。残りのプランターは、コンベヤベルト5001に沿って作業デッキに向かって下方に移動されてもよい。
【0088】
液体ベルト5002は、作業デッキ位置5002Bに到達する前にプランター100から分離されてもよい(または、作業デッキ位置5002Bに達した後に分離されてもよい)。
【0089】
制御システムおよびプロセス
ある実施形態によると、制御システム6000は、図11に示されるように提供される。制御システム6000は、汎用または専用コントローラ6001およびメモリ(またはメモリデバイス)6002を備え得る。コントローラ6001は、周辺入力デバイス(例えば、マウス、タッチスクリーンディスプレイ、キーボード)を介して、またはユーザ端末デバイス6004を介して、ユーザが操作可能であり得る。図11に示すように、コントローラ6001はプロセッサを含んでもよい。
【0090】
制御システム6000は、自動制御を提供するためのソフトウェアおよびハードウェアを備えてもよい。例えば、制御システム6000は、以下のうちの1つまたは複数を備えてもよい:デジタルセンサ、アナログセンサ、トランスデューサ、弁、ポンプ、モータ、または他の制御モジュール。
【0091】
成長ブロックが使用される場合、オペレータは、植物タイプを入力することができる(例えば、周辺デバイス6003を介して、ネットワーク通信端末を介して受信されるユーザ入力を介して、またはタッチスクリーンディスプレイ入力デバイス6004を介して)。ユーザ入力として植物タイプのユーザ選択を受信することに基づいて、コントローラ6001は、受信したユーザ選択に基づいて自動化制御を実行することができる。ユーザ端末は、コンピュータまたはモバイルデバイス(例えばスマートフォン)であり得る。タッチスクリーンディスプレイは、使用される成長ブロック5000の近くの場所に固定して取り付けられるディスプレイであってもよい。近くとは、この文脈では、同じ部屋内、または少なくとも同じ施設内を意味する。1つまたは複数のセンサ6005から検出結果を受信することに基づいて、制御システム6000は、所定の閾値量(例えば、全てであり得る)が、指定された成長位置(例えば、光が成長ユニットに十分に到達するおよび/または供給ラインが(直接的または間接的に)接続される、コンベヤベルト上の位置)にあるかどうかを検出することができる。プランターの所定の閾値(例えば、全て)が成長位置にあることを検出することに基づいて、制御システム6000は、コントローラ6001によって処理された予めプログラムされたシーケンスを使用して、水または液体栄養素を成長ユニットに向けることができる。予めプログラムされたシーケンスは、メモリ6002に予め記憶されてもよい。ある実施形態によると、テーブルまたはデータベースは、正確な水および排水プロセスを促進するように、対応する植物タイプと関連付けて、予めプログラムされたシーケンスを記憶してもよい。
【0092】
コントローラ6001はまた、LEDライト5050に接続され、送信された制御信号に基づいてLEDライト5050に制御を実行させる制御信号をLEDライトに送信することができる。例えば、コントローラ6001によって送信される制御信号は、LED照明5050に、色を変え、薄暗くし、明るくし、点灯し、または消灯させることができる。
【0093】
制御システムは、周囲温度、湿度および空気品質(例えば、CO2含有量)のうちの1つまたは複数を能動的に監視し、必要に応じて、必要な自動制御補償を行うことができる。能動的監視は、1つまたは複数のセンサ6005からコントローラ6001によって受信された温度、湿度、および空気品質のうちの1つまたは複数に関連するセンサデータに基づいて実行され得る。センサ6005は、成長ブロック5000の画像をキャプチャして画像認識を行い、例えば、全てのプランター100が照明5050の下に位置しているか否かを認識し、画像認識の結果に基づいて自動化制御を行うカメラを含んでもよい。
【0094】
予めプログラムされた自動化制御プロセス
予めプログラムされた自動化制御プロセスは、植え付けプロセス、成長プロセス、および収穫プロセスのうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0095】
図12~16は、個々の予めプログラムされたプロセスに対応するフローチャートを示す。図12~16は詳細に示されているが、本開示の他の実施形態は、フローチャートの要素なしで実現され得る。コントローラ6001は、図12図16の予めプログラムされたプロセスの各々、またはその一部のみを実行するように構成され得る。
【0096】
一実施形態によれば、予めプログラムされたプロセスのうちの1つを選択するために、グラフィカルユーザインターフェースをユーザに提示することができる。例えば、一実施形態によれば、コントローラの電源が投入されたとき、またはユーザが特定のアプリケーションを起動するとき、コントローラ6001は、ユーザがプログラムされたプロセスのうち1つを選択できるようにするグラフィカルユーザインターフェース情報を送信することができる。しかしながら、ある実施形態では、ユーザは、プログラムされたプロセスのうちの1つの選択を行う必要なく、例えば、植物のライフサイクルを通して植物のための自動制御を実行する能力を(固定ディスプレイまたはユーザ端末のいずれかを介して)提供されてもよい。
【0097】
1.植え付けプロセス
図12は、例示的な実施形態による、植え付けプロセス6100のフローチャートを示す。植え付けプロセス6100は、ユーザが植え付けプロセス6100に対応する選択を行うときにコントローラ6001によって実行され得る。動作6101において、植え付けプロセス6100は、ユーザ選択の後に開始することができる。動作6102において、コントローラは、植え付けプロセスが開始する準備ができていると判定することができる。植え付けプロセスの準備が整っているかどうかの決定は、ユーザ入力、または植え付けプロセスの準備が整っていることを示すセンサ情報(例えば、画像認識および近接感知)情報に基づいてもよい。動作6102の理由は、プランターが(例えば、コンベヤベルトの移動により)成長ブロックの作業デッキ上に置かれた後、オペレータが、植え付けプロセスの自動化制御部分を開始する前に、若い苗(または種子)を貫通孔(植物を所定の位置に固定するための任意選択の可撓性ホルダを有する)に植え付けるための時間を必要とするからである。コンベヤベルトは、成長ブロック内のプランターを一度に1つの位置で移動させることができる。しかしながら、他の移動(例えば、一度に複数の位置の変更)も使用することができる。コントローラはまた、液体ベルトを適用し、液体ラインをプランターに接続してもよい、またはこれは手動で行われてもよい。液体ラインは、サイドカバーの外側に2つの供給ラインおよび1つのドレーンラインを含むことができる。
【0098】
成長ブロックが開始されると(動作6102)、コントローラ6001は、自己診断を実行することができ(6103)、これは、システム障害があるかどうかを検出する工程を含むことができる(6103A)。少なくとも1つのシステム障害がある場合(6103A=No)、コントローラ6001は、オペレータに修正を促し(6103B)、問題を解決できるかどうかを判定することができる(6103C)。問題を解決することができる場合(6103C=Yes)、動作6103Aにおける任意のシステム障害の判定を繰り返すことができる。このループは、無期限に、または所定の時間量(例えば、タイムアウト期間)にわたって繰り返すことができる。システム障害が解決されると(または、何も検出されなかった場合には)(動作6103=Yes)、コントローラ6001は、植物タイプを入力するようユーザに促すようにグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を更新することができる(動作6104)。しかしながら、植物タイプは、プロンプトなしだがユーザ入力に基づいて、またはプロンプトなしでなど、他の方法で動作6104において決定されてもよく、植物タイプは、予め定義されているか、または選択プロセスに含まれる(例えば、ユーザが植え付けプロセスを選択するとき、植物のタイプも選択に含まれる)。大量生産施設では、ユーザ入力ステップは、ある実施形態によると、最小限にされてもよく、いくつかの実施形態では、存在しない。
【0099】
植物タイプが決定されると(動作6104)、コントローラ6001は、決定された植物タイプに対する適切なプログラムがメモリ6002に記憶されているかどうかを決定することができる(動作6105A)。
【0100】
決定された植物のための適切な植え付けプロセスプログラムがメモリに記憶されていない場合(6105A=No)、コントローラ6001は、動作6105Bにおいて、ユーザに修正を促し(例えば、プログラミングをインストールするか、またはプログラムをダウンロードするかのいずれかによる)、ユーザがプログラムを正常に追加することを可能にし得る(動作6105C)。ユーザがプログラムを追加しない(または所定の時間内にそうしない)場合(6105C=No)、植え付けプロセスを終了することができる(動作6107)。
【0101】
決定された植物タイプに対する適切なプログラムがメモリに記憶される場合(6105A=Yes)、またはユーザがプログラムを追加した後に(6105C=Yes)今度は適切なプログラムが記憶された場合(6105Aは今度は=Yes)、コントローラは、プランターの全ての成長ユニットを自動的に植え付けるか、または、プランターの全ての成長ユニットを植え付けるための時間をオペレータに許可し、全ての成長ユニットが所定位置にあるというオペレータからの指示を待つことができる(6106A)。当然ながら、作業デッキは、複数のプランターを収容するように構成されてもよく、したがって、プランターの植え付けは、複数のプランターを同じ時間枠で植え付けることを含んでもよい。
【0102】
コントローラ6001は、続いて、全ての成長ユニットが所定位置にあるかどうかをチェックしてもよい(動作6106B)。例えば、動作6106Bは、画像認識またはセンサ情報を使用することによって実行され得る。6106B=No(全ての成長ユニットが所定位置にあるわけではない)である場合、コントローラ6100は、動作6106Cにおいてオペレータに修正を促し(または自己修正を行い)、動作6106Dにおいて問題が解決され得るかどうかを決定し得る。問題が解決可能である場合(6106D=Yes)、動作6106Bの繰り返しが実行され得る。動作6106Bは、植え付けプロセスが終了する(動作6107)前に、特定の条件(例えば、所定の試行回数、または所定の時間)に結び付けることができる。6106D=Noの場合、植え付けプロセスを終了することができる(動作6107)。
【0103】
6106B=Yesの場合、植え付けプロセスを完了することができる(動作6108)。ある実施形態によると、動作6108は、成長プロセス6200(例えば、自動成長プロセス)を開始することを含んでもよい。
【0104】
2.成長プロセス
図13は、例示的実施形態による、自動成長プロセスであり得る、成長プロセス6200のフローチャートを示す。成長プロセス6200は、全ての位置が充填されるまで、プランターがコンベヤベルトによって所定位置に移動される工程の後に開始するか、またはその工程を含んでもよい。成長プロセスは、制御システム6001が、水、液体栄養素などのタイミングおよび量、ならびに環境(例えば、植物がどの成長段階にあるかに基づいて、エリアまたは建物内の湿度、温度およびCO2濃度、照明周波数および照明強度など)を制御するコントロールシステム6001を含み得る。
【0105】
一実施形態によれば、各植物は、それ自体の特定の最適な成長ニーズおよび環境を有することができ、したがって、各成長ブロックは、容易な制御および最良の結果のために、同じ植物(または同じタイプのグループからの植物)を有することができる。
【0106】
例示的な実施形態によれば、植え付けプロセス6100が正常に完了したときに、例示的な実施形態による成長プロセス6200がコントローラ6001によって実行され得る(コントローラ6001が成長プログラムの実行を開始することができる動作6201)。しかしながら、動作6201は、ユーザが成長プロセスに対応する選択を行ったときに実行されてもよく、ユーザ選択の後に開始されてもよい。
【0107】
次に、コントローラ6001は、システム障害があるかどうかを検出することを含み得る自己診断を実行することができる(6202A)。動作6202A~6202Cは、図12の動作6103A~6103C(上記で詳細に論じた)に対応し得、それらが異なり得る実施形態を除いてここでは繰り返さない。
【0108】
例えば、いったんシステム障害が解決されると(または何も検出されなかった場合)(動作6202A=Yes)、コントローラ6001は、ユーザプロンプトを提供しなくてもよい。代わりに、成長プログラムが再開されてもよい。成長プログラムは、図13に関して以下でより詳細に論じられる。
【0109】
成長プログラムはまた、成長ブロックに関する追加のチェックを実行してもよい。例えば、動作6203A~6203Cは、照明のチェックに対応する:6203A(照明が正常であるかどうかをチェックする);照明が正常でない場合(6203A=No)、オペレータに修正を促し(6203B)、プログラムが正常に追加されたかどうかを判定する(6203C)。
【0110】
動作6204A~6204Cは、6203A~6203Cと同じまたは同様の動作であり得るが、液体供給制御を対象とする。特に、動作6204A~6204Cは、水および液体栄養素プログラムが正常であるかどうかをチェックすること(6204A)、液体栄養素プログラムが正常でない場合(6204A=No)、動作6204Bにおいてオペレータに修正を促すこと(例えば、プログラムを入力するように促す)、および、動作6204Cにおいて問題が解決されたかどうかをチェックすること(例えば、より良いプログラムをダウンロードすることにより、または供給容器の栄養素または水のレベルを満たすことによる)を含み得る。6202A、6203A、または6204Aの動作のいずれかは、解決不可能な問題を有し得る。解決不可能な問題に応答して、コントローラ6001は、オペレータに通知し(6207)、依然として解決されていない場合、プログラムを終了することができる(6208)。
【0111】
動作6205は、成長プロセスが終了したかどうかをチェックする。例えば、成長プロセスは、所定の量の成長サイクル(例えば、2週間、4週間または3ヶ月など)の間実行されるように設定されてよく、動作6205は、成長プログラムが所定の時間の間実行された場合にYesと等しくてよい。成長プログラムが実行された時間の量は、成長プログラムが最初に開始されたときからの時間の量に等しくてもよく、または成長プログラムが最初に開始されたときからの時間の量から任意の停止を引いたもの(または停止に基づく中間オフセット)に等しくてもよい。
【0112】
成長プロセスが終了した場合(動作6205=Yes)、成長プロセスは正常に終了し、オペレータは、オペレータが収穫前水プログラムを開始したいかどうかを問い合わせるように促されてもよい(6206A)。オペレータが了承する場合(6206A=Yes)、収穫前水プログラムを開始することができる(6206B)。
【0113】
動作6206Bの後、コントローラ6001は、例えば、タイマー、または時間ベースのイベント、または画像認識ベースのイベントを設定することによって、収穫を待機することができる(動作6206C)。
【0114】
3.収穫プロセス
図14は、本開示の一実施形態による収穫プロセス6300のフローチャートを示す。収穫プロセスは、植物が成熟し、収穫の準備ができているときに行うことができる。そのとき、コントローラは、収穫プログラムの実行を開始するようにトリガされ得る(動作6301)。コントローラ6001は、自己診断および障害チェックシステム(動作6302A~6302C)を実行してもよく、前述の自己診断および障害チェックシステムと同様または同じである。
【0115】
動作6303Aで、コントローラ6001は、照明がシャットダウンされたか否かを判断することができる。照明がシャットダウンしていない場合(6303A=No)、オペレータは手動シャットダウンを実行することによってシャットダウンを修正するように促されてもよい(6303B)。手動シャットダウンが行われた場合(6303C=Yes)、または照明が既に自動的にシャットダウンされていた場合(6303=Yes)、収穫プログラムは継続することができる。
【0116】
動作6304Aにおいて、水および液体栄養素プログラムは、シャットダウンについてチェックされ、シャットダウンしていない場合、手動シャットダウンが行われ得る。これに関して、動作6304A~6304Cは、動作6304A~6304Cにおいて水および液体栄養素プログラムがシャットダウン/手動シャットダウンについてチェックされることを除いて、動作6303A~6303Cと同様である。
【0117】
これらのシャットダウン動作は、説明された順序で提示される必要はなく、説明された順序は、単に例示のために使用される。自己診断チェックは、動作において異なる順序で実行されてもよく、全く実行されなくてもよい(例えば、収穫プロセス中に全く実行されない)。
【0118】
動作6305において、オペレータが収穫プログラムを開始するのを待つプロンプトを与えることができる。収穫プログラムが開始されるべきであることを示すユーザ入力が受信されると(6305=Yes)、収穫プロセスの収穫部分が開始し得る。
【0119】
収穫プロセスの収穫部分は、根に液体栄養素が残らないことを確実にするために、根に水を噴霧する工程を含み得る。しかしながら、このプロセスはまた、水および液体栄養素プログラムのシャットダウン手順に含まれてもよい。
【0120】
収穫のタイミングは、植物が適用された液体栄養素を分解し完全に変換する時間を有することも可能にするサイクルに基づいてもよい。
【0121】
収穫プロセスの収穫部分は、プランターを成長位置から作業デッキに移動させる工程を含んでもよい(作業6306)。プランターがその成長位置から作業デッキに移動されると、液体ベルトは、(手動または自動のいずれかで)両端を開放したままにするように移動されてもよい。
【0122】
動作6307において、収穫ツールは、植物の一部を切断し、収集し、包装することができる。例えば、収穫ツールは、植物の苗条を切断し、収集し、包装し、プランター内の残留バイオマスを押し出し、収集することができる。植物の根を収穫する場合、収穫ツールは、バイオマスとして苗条を切断し、収集し、包装のために根を押し出し、処理する。
【0123】
ここで、プランター(および個々の成長ユニット)は洗浄され、新しいバッチの若い苗を受け入れる準備ができている(動作6308)。すなわち、オペレータはここで、第2のユーザ選択の後に植え付けプロセス6100が開始することができるように、動作6101を繰り返すことができる。第2の植え付けプロセスでは、オペレータは、新しい植物タイプを選択するか、または第1の植え付けプロセスと同じ種類を使用することができる。
【0124】
図13および図14に示すように、終了前に問題を解決できない場合(例えば、手動シャットダウンが実行されていないか、または実行できないか、またはシステム障害が解決可能ではない)、実際に終了する前に、プログラムが終了しようとする理由に関する情報をオペレータに促すことができる。このプロンプトは、ユーザが問題を修正することに関するプロンプトを与えられた後、所定の時間の後に生じ得る。
【0125】
図15Aは、ある実施形態による、水および液体栄養素供給システム8000の供給フロー図を示す。P1、P2およびP3は、プランター100または拡張プランター1000内のミストパイプを示す。上述のスプレーノズルは、各成長ユニット位置において正確にサイズ決めされたスプレーノズルであってもよい。水または液体栄養素は、ミストの形態でこれらのオリフィスを通して植物の根に供給され得る。
【0126】
V1、V2およびV3は、各プランターのための電子制御式2方向弁を表す。各プランターのための弁の使用は、1つまたは複数のプランターを成長ブロックから隔離してメンテナンス作業を行うことを可能にするためである。V4は、水または液体栄養素のいずれかを選択するための電子制御式3方向弁を表す。水および液体栄養素供給システム8000の弁V1~V8は、コントローラ6001によって実行される制御に基づいて開閉され得る。
【0127】
V5は、水タンク用の電子制御式2方向弁を表す。E1は、給水を供給するための容積式ポンプを表す。
【0128】
V6、V7、およびV8は、異なる液体栄養素タンクのための電子制御式2方向弁を表す。E2は、液体栄養素のうちの1つを供給するための容積式ポンプを表す。
【0129】
プランターに水が必要な場合は、V4をオンにして供給ラインを水供給側に開放することができる。E1およびV5は、制御システムによってオンにされ得る。弁V1~V8は、予め記憶された自動化プログラムに従ってコントローラ6001によって実行される制御に基づいて、アクティブなリアルタイムユーザ入力に基づいて、またはセンサの監視に基づいて、開閉され得る。
【0130】
成長ユニットに1つの特定の液体栄養素が必要とされる場合、V4をオンにして供給ラインを液体栄養素供給側に開放する。E1およびV5はオフに保たれ、E2およびV6、V7、またはV8のうちの1つは、制御システムによってオンにされる。
【0131】
図15Bは、水および液体栄養素の再循環システム9000を示す。P4、P5およびP6は、プランター内の液体収集トレンチを示す。プランターで使用される過剰な水または液体栄養素は、ここで収集される。定期的に、液体はプランターから除去される。
【0132】
V9、V10およびV11は、各プランターのための電子制御式2方向方弁を表す。各プランターのための弁の使用は、1つまたは複数のプランターを成長ブロックから隔離してメンテナンス作業を行うことを可能にするためである。E4は、プロセスからごみを除去するためのインラインフィルタを表す。E3は、成長ユニット内の過剰な液体を除去するための容積式ポンプを表す。
【0133】
液体レベルがプランター内で(または予めプログラムされた間隔で)高いと検出されると、V9、VI0、またはVI1、およびE3は、コントローラ6001によってオンにされ、過剰な液体を除去し得る。
【0134】
液体は、さらなる試験および処理のために再循環された液体タンクに収集され得る。
【0135】
1つまたは複数のプランターの内部の湿度レベルは、湿度センサによって監視されてもよい。湿度レベルが所定のレベルを下回ると、コントローラ6001は、別の散水シーケンスを開始することができる。
【0136】
上記動作の1つまたは複数を実行するためのコンピュータソフトウェアは、任意の適切なコンピュータプログラミング言語またはコードを使用してコード化され、これらは、コンパイル、リンク、または組み立てられ、1つまたは複数のプロセッサによって実行され得るコンピュータコードまたは命令を含むコードを作成する。上記で説明した動作の順序は、本質的に例示的なものであり、動作は異なる順序で実行され得る。動作の順序は、図または明細書によって限定されない。例えば、シャットダウンチェック(水および照明)は、本開示の意図する目的から逸脱することなく、異なる順序でまたは同時に実行することができる。
【0137】
本開示は、いくつかの例示的な実施形態を記載しているが、本開示の範囲内にある様々な等価な置換および修正が存在する。当業者は、本開示において明示的に開示または示されていないが、異なる実施形態が、本開示における概念を具現化し、したがって、本開示の範囲内であることを認識することができるであろう。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図10H
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B