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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】媒体排出装置、及び、印刷システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/24 20060101AFI20231025BHJP
   B65H 29/60 20060101ALI20231025BHJP
   B65H 33/08 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
B65H31/24
B65H29/60 B
B65H33/08
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019178937
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021054587
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】杉谷 寛
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-076880(JP,A)
【文献】特開2000-007210(JP,A)
【文献】特開2015-178254(JP,A)
【文献】特開平10-010821(JP,A)
【文献】特開2014-091620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/24
B65H 29/60
B65H 33/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々に媒体が積載される複数の媒体積載部と、
前記媒体の排出経路を前記複数の媒体積載部のいずれかに切り替える排出経路切り替え部と、
前記複数の媒体積載部及び前記排出経路切り替え部を制御する制御部とを備える媒体排出装置であって
前記媒体排出装置には、印刷部において印刷が行われた前記媒体が排出され、
前記複数の媒体積載部は、積載される前記媒体を仕切る仕切り動作を行う仕切り手段を有し、
前記制御部は、前記媒体の種類が同一の仕分け単位の間に前記媒体の種類が異なる仕分け単位を割り込ませるように、前記印刷部によって印刷の順を入れ替えて印刷が行われることによって、前記複数の媒体積載部のうちのいずれかの前記媒体積載部に積載されていた前記媒体とは前記種類が異なる前記媒体が排出された場合、他の前記媒体積載部の前記仕切り動作が完了していなければ完了を待ち、完了していれば、前記排出経路切り替え部に前記排出経路を前記の媒体積載部に切り替えさせるとともに、当該他の媒体積載部に前記媒体が積載されている間に、前記媒体が積載されていた前記媒体積載部の前記仕切り手段に前記仕切り動作を行わせる
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項2】
前記媒体の前記種類は、サイズである、
ことを特徴とする請求項1記載の媒体排出装置。
【請求項3】
媒体に印刷を行う印刷部と、
前記印刷部において印刷が行われた前記媒体が排出される媒体排出装置と、
前記印刷部及び前記媒体排出装置を制御する制御部と
を備える印刷システムであって、
前記媒体排出装置は、
各々に媒体が積載される複数の媒体積載部と、
前記媒体の排出経路を前記複数の媒体積載部のいずれかに切り替える排出経路切り替え部とを備え、
前記複数の媒体積載部は、積載される前記媒体を仕切る仕切り動作を行う仕切り手段を有し、
前記制御部は、前記媒体の種類が同一の仕分け単位の印刷が連続して予定され、且つその後に前記媒体の種類が異なる仕分け単位の印刷が予定されている場合に、前記種類が同一の前記仕分け単位の間に前記種類が異なる前記仕分け単位を割り込ませるように、前記印刷部に印刷の順を入れ替えて印刷を行わせ、
前記制御部は、前記複数の媒体積載部のうちのいずれかの前記媒体積載部に積載されていた前記媒体とは前記種類が異なる前記媒体が排出された場合、他の前記媒体積載部の前記仕切り動作が完了していなければ完了を待ち、完了していれば、前記排出経路切り替え部に前記排出経路を前記の媒体積載部に切り替えさせるとともに、当該他の媒体積載部に前記媒体が積載されている間に、前記媒体が積載されていた前記媒体積載部の前記仕切り手段に前記仕切り動作を行わせる
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
前記媒体の前記種類は、サイズである、
ことを特徴とする請求項3記載の印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体が積載される媒体排出装置、及びこの媒体排出装置を備える印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の排紙装置を備える画像形成装置において、複数の排紙装置のうち連続排紙を行っている排紙装置において積載量が最大積載量に達する前に、排紙を行っていない排紙装置に稼動する準備を開始させる画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-9916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、単一の印刷ジョブに媒体のサイズが複数混在している場合などには、サイズが異なる媒体が単一の媒体積載部に積載される。これにより、サイズが小さい媒体の上にサイズが大きい媒体が積載されることになり、媒体積載部の積載台上で媒体の積載状態を保つことが困難である。また、媒体の積載状態を保つために媒体のサイズが複数混在している印刷ジョブの実行を禁止すると、実行可能な印刷ジョブに制約が生じる。
【0005】
なお、単一の印刷ジョブが単一のサイズの媒体に印刷を行うものであっても、印刷ジョブ間でサイズが異なる媒体が単一の媒体積載部に積載されると、同様に、媒体積載部の積載台上で媒体の積載状態を保つことが困難である。また、媒体のサイズに限らず、媒体がマット紙であるか否か、厚紙であるか否か、色などの種類が異なる媒体についても、単一の媒体積載部に積載されることが望ましくない場合がある。
【0006】
そこで、媒体のサイズ等の種類ごとに異なる媒体積載部に媒体を排出するために、複数の媒体積載部と、排出経路を切り替える排出経路切り替え部とを配置することが考えられる。但し、複数の媒体積載部の各々に積載された媒体は、ユーザの管理上、例えば排出経路が切り替わるたびに、オフセット動作などの仕切り動作が行われることが望ましい。
【0007】
しかしながら、オフセット動作によって仕切り動作を行う場合、エンドフェンスやオフセットガイドなどを例えば媒体の排出方向の前後に移動させる動作が必要となり、この動作中は、媒体の排出を行うことができず、媒体の排出効率が悪化する。
【0008】
本発明の目的は、媒体の排出効率を高めることができるとともに、排出された複数種類の媒体の管理を容易に行うことができる媒体排出装置及び印刷システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの態様では、媒体排出装置は、各々に媒体が積載される複数の媒体積載部と、前記媒体の排出経路を前記複数の媒体積載部のいずれかに切り替える排出経路切り替え部と、前記複数の媒体積載部及び前記排出経路切り替え部を制御する制御部とを備え、前記複数の媒体積載部は、積載される前記媒体を仕切る仕切り動作を行う仕切り手段を有し、前記制御部は、前記複数の媒体積載部のうちのいずれかの前記媒体積載部に積載されていた前記媒体とは種類が異なる前記媒体が排出された場合、前記排出経路切り替え部に前記排出経路を他の前記媒体積載部に切り替えさせるとともに、当該他の媒体積載部に前記媒体が積載されている間に、前記媒体が積載されていた前記媒体積載部の前記仕切り手段に前記仕切り動作を行わせる。
【発明の効果】
【0010】
前記態様によれば、媒体の排出効率を高めることができるとともに、排出された複数種類の媒体の管理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施の形態における印刷システムを示す構成図である。
図2】一実施の形態における印刷システムの一部の制御構成を示す図である。
図3】一実施の形態に係る媒体排出装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図4A】一実施の形態における第1媒体積載部及び第2媒体積載部のオフセット動作を説明するための説明図(その1)である。
図4B】一実施の形態における第1媒体積載部及び第2媒体積載部のオフセット動作を説明するための説明図(その2)である。
図4C】一実施の形態における第1媒体積載部及び第2媒体積載部のオフセット動作を説明するための説明図(その3)である。
図4D】一実施の形態における第1媒体積載部及び第2媒体積載部のオフセット動作を説明するための説明図(その4)である。
図5】一実施の形態の変形例における印刷システムの動作を説明するためのフローチャートである。
図6】一実施の形態の変形例における第1媒体積載部及び第2媒体積載部の積載状態を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態に係る媒体排出装置、及びこの媒体排出装置を備える印刷システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、一実施の形態における印刷システム100を示す構成図である。
図2は、印刷システム100の一部の制御構成を示す図である。
【0014】
図1に示すように、印刷システム100は、媒体供給装置110と、第1印刷装置120と、反転装置130と、第2印刷装置140と、媒体排出装置1とを備える。
【0015】
なお、図1には、例えば用紙である媒体Mの第1供給経路R1、第2供給経路R2、直進搬送経路R3,R6-1,R7,R10-1、第1排出経路R11、及び第2排出経路R12を実線で、循環搬送経路R4,R8を2点鎖線で、反転搬送経路R5,R6-2,R9,R10-2を破線で示す。
【0016】
媒体供給装置110は、第1積載台111と、第2積載台112と、第1供給部113と、第2供給部114と、複数の搬送ローラ対115とを有する。第1積載台111及び第2積載台112は、媒体Mが積載される複数の積載台の一例である。
【0017】
第1積載台111には、A4サイズ(210×297mm)の媒体Mが積載されている。また、第2積載台112には、A3サイズ(297×420mm)の媒体Mが積載されている。このように、第1積載台111及び第2積載台112には、異なるサイズ(種類の一例)の媒体Mが積載されている。なお、媒体Mの種類としては、サイズに限らず、例えば、媒体Mがマット紙であるか否か、媒体Mが厚紙であるか否か、媒体の色なども挙げられる。また、第1積載台111及び第2積載台112のそれぞれには、一例ではあるが、数千枚(例えば4000枚)程度の媒体Mが積載可能であるとよい。媒体供給装置110には、3つ以上の積載台が配置されてもよい。また、媒体供給装置110には、単一の積載台のみが配置されていてもよい。また、積載台を有する媒体供給装置が複数配置されていてもよい。なお、媒体供給装置110に単一の積載台が配置される場合には、複数種類の媒体Mが混在して積載されているか、或いは、媒体Mが無くなった後に種類が異なる媒体Mが補充される。
【0018】
第1供給部113は、第1積載台111に積載された複数枚の媒体Mのうち最上位に位置する媒体Mを繰り出して搬送するローラ或いはベルトなどの搬送部材と、この搬送部材を駆動するモータ等の供給駆動手段(アクチュエータ)とを有する。
【0019】
第2供給部114は、第2積載台112に積載された複数枚の媒体Mのうち最上位に位置する媒体Mを繰り出して搬送するローラ或いはベルトなどの搬送部材と、この搬送部材を駆動するモータ等の供給駆動手段(アクチュエータ)とを有する。
【0020】
搬送ローラ対115は、第1積載台111から媒体Mが供給される第1供給経路R1、第2積載台112から媒体Mが供給される第2供給経路R2、及びこれらが合流した直進搬送経路R3のそれぞれに配置され、媒体Mをニップしながら搬送する。
【0021】
第1印刷装置120は、複数の搬送ローラ対121と、印刷部122と、吸着搬送部123と、搬送経路切り替え部124,125と、排出部126とを有する。また、図2に示すように、第1印刷装置120は、制御部127と、記憶部128と、インターフェース部129とを有する。
【0022】
搬送ローラ対121は、印刷装置120内に複数対配置され、媒体Mをニップしながら搬送する。
【0023】
印刷部122は、例えば、印刷に用いられる各色分の図示しないラインヘッド型インクジェットヘッドを有し、媒体Mに印刷を行う。なお、印刷部122の印刷方式は、インクジェット印刷方式以外の印刷方式であってもよい。
【0024】
吸着搬送部123は、印刷部122に対向するように配置されている。吸着搬送部123は、媒体Mを吸着しながらベルトによって媒体Mを搬送する。吸着搬送部123は、搬送手段の一例である。
【0025】
一方の搬送経路切り替え部124は、印刷部122によって印刷が行われた媒体Mの搬送経路(直進搬送経路R3)を、反転装置130へそのまま続く直進搬送経路R3と、排出部126や反転搬送経路R5へ続く循環搬送経路R4とに切り替える。
【0026】
他方の搬送経路切り替え部125は、媒体Mの循環搬送経路R4を、排出部126へ続く搬送経路と、反転搬送経路R5へ続く搬送経路とに切り替える。なお、媒体Mは、反転搬送経路R5において表裏が逆転し、再び印刷部122へ搬送される。
【0027】
排出部126には、媒体排出装置1へ排出されない媒体Mが積載される。
図2に示す制御部127は、第1印刷装置120全体の動作を制御する演算処理装置として機能するプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit)を有し、印刷部122、吸着搬送部123等の第1印刷装置120の各部の動作を制御する。なお、後述する第2印刷装置140の制御部147、媒体排出装置1の制御部51などのうちの少なくとも1つと、第1印刷装置120の制御部127とを兼ねる制御部が配置されていてもよい。
【0028】
記憶部128は、例えば、所定の制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリであるROM(Read Only Memory)、プロセッサが各種の制御プログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)などである。
【0029】
インターフェース部129は、印刷システム100の媒体排出装置1、媒体供給装置110、反転装置130、第2印刷装置140などや、印刷データを印刷システム100に送信するコンピュータなどとの間で各種情報の授受を行う。
【0030】
図1に示すように、反転装置130は、複数の搬送ローラ対131と、搬送経路切り替え部132と、スイッチバックローラ対133とを有する。
【0031】
搬送ローラ対131は、第1印刷装置120から排出された媒体Mをニップしながら搬送する。
【0032】
搬送経路切り替え部132は、第1印刷装置120から排出された媒体Mをそのまま第2印刷装置140に搬送する直進搬送経路R6-1と、スイッチバックローラ対133によって媒体Mの表裏を逆転させる反転搬送経路R6-2とに搬送経路を切り替える。
【0033】
第2印刷装置140は、第1印刷装置120と同様に、複数の搬送ローラ対141と、印刷部142と、吸着搬送部143と、搬送経路切り替え部144,145と、排出部146とを有する。また、図2に示すように、第2印刷装置140は、制御部147と、記憶部148と、インターフェース部149とを有する。
【0034】
第2印刷装置140の構成は、第1印刷装置120の構成と同様にすることができるため詳細な説明は省略するが、一方の搬送経路切り替え部144は、印刷部142によって印刷が行われた媒体Mの搬送経路を、媒体排出装置1へ続く直進搬送経路R7と、排出部146や反転搬送経路R9へ続く循環搬送経路R8とに切り替える。他方の搬送経路切り替え部145は、媒体Mの循環搬送経路R8を、排出部146へ続く搬送経路と、反転搬送経路R9へ続く搬送経路とに切り替える。
【0035】
なお、印刷システム100は、第1印刷装置120の印刷部122及び第2印刷装置140の印刷部142の計2つの印刷部を備えるが、単一の印刷部のみを有していてもよいし、或いは、3つ以上の印刷部を有していてもよい。
【0036】
図1に示すように、媒体排出装置1は、複数の媒体積載部の一例である第1媒体積載部10及び第2媒体積載部20と、第1中間搬送部30と、第2中間搬送部40とを備える。また、図2に示すように、媒体排出装置1は、制御部51と、記憶部52と、インターフェース部53とを備える。
【0037】
なお、媒体排出装置1は、第1中間搬送部30及び第2中間搬送部40のうち少なくとも一方が省略され、第2印刷装置140から第1媒体積載部10及び第2媒体積載部20のうち少なくとも一方に直接的に媒体Mが搬送されてもよい。また、媒体排出装置1は、第1媒体積載部10、第2媒体積載部20、第1中間搬送部30、及び第2中間搬送部40のうち少なくとも2つが一体となっている媒体排出装置であってもよい。
【0038】
第1媒体積載部10は、積載台11と、可動エンドフェンス12と、オフセットガイド13と、上面検知センサ14とを有する。また、図2に示すように、第1媒体積載部10は、積載台昇降駆動部15と、オフセット駆動部16とを有する。
【0039】
積載台11には、第1中間搬送部30から排出される媒体M、すなわち第1印刷装置120及び第2印刷装置140のうち少なくとも一方において印刷が行われた媒体Mが順次積載される。積載台11は、積載台昇降駆動部15の駆動によって昇降する。積載台11には、一例ではあるが、数千枚(例えば4000枚)程度の媒体Mが積載可能であるとよい。積載台11において媒体Mの積載量が満タンになると、積載台11は媒体Mが取り出される取り出し位置まで下降する。
【0040】
なお、積載台11は、媒体Mが積載されるベルトコンベアやローラコンベアなど、すなわち、搬送手段を有する排紙台であってもよい。また、積載台11は、台車に媒体Mを受け渡すことができるように、台車と同じ高さに下降しても台車と干渉しないための溝などが設けられていてもよい。
【0041】
可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13は、積載台11に積載される媒体Mを仕切る仕切り動作を行う仕切り手段の一例である。可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13は、仕切り動作の一例として、積載台11における媒体Mの積載位置をオフセットするオフセット動作を行う。但し、仕切り動作は、例えば、媒体Mの間にテープや白紙などの挿入物を挿入したり、媒体Mを折り曲げたり、媒体Mに目印をつけたり、或いは複数枚の媒体Mをステープルによって束ねたりする動作などであってもよく、オフセット動作に限られない。
【0042】
可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13は、オフセット駆動部16の駆動によって、媒体Mの積載位置を例えば排出方向の前後(図1における左右方向)に移動させる。可動エンドフェンス12には、第1中間搬送部30から排出される媒体Mの先端が突き当てられる。オフセットガイド13は、媒体Mの後端をガイドする。
【0043】
上面検知センサ14は、積載台11における積載面の高さ、すなわち、最上位の媒体Mの高さ(媒体Mが積載されていない状態では積載台11の上面の高さ)を検知するためのセンサである。上面検知センサ14は、例えば、所望の積載面となる高さに水平に光(図1に点線で図示)を照射する発光部と、この光を受光する受光部とを有する。後述する制御部51は、上面検知センサ14の発光部から照射された光が媒体Mによって遮られて上面検知センサ14の受光部が受光しない場合に、積載台11を例えば媒体M数枚分の高さだけ下降させるように積載台昇降駆動部15を制御する。
【0044】
積載台昇降駆動部15は、積載台11を昇降させる。積載台昇降駆動部15は、例えばモータ等のアクチュエータである。
【0045】
オフセット駆動部16は、可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13を排出方向の前後(図1における左右方向)に移動させることによって、媒体Mの積載位置を排出方向の前後に変化させる。オフセット駆動部16は、例えばモータ等のアクチュエータである。
【0046】
第2媒体積載部20は、第1媒体積載部10と同様に、積載台21と、可動エンドフェンス22と、オフセットガイド23と、上面検知センサ24と、積載台昇降駆動部25と、オフセット駆動部26とを有する。
【0047】
第2媒体積載部20の構成は、第1媒体積載部10の構成と同様にすることができるため、詳細な説明は省略するが、積載台21には、第1中間搬送部30から直接排出される媒体Mではなく、第1中間搬送部30及び第2中間搬送部40を搬送され、第2中間搬送部40から排出される媒体Mが積載される。
【0048】
なお、媒体排出装置1は、複数の媒体積載部の一例として、第1媒体積載部10及び第2媒体積載部20を有するが、第3媒体積載部などを含む3つ以上の媒体積載部を有していてもよい。
【0049】
図1に示すように、第1中間搬送部30は、複数の搬送ローラ対31と、搬送経路切り替え部32と、スイッチバックローラ対33と、排出経路切り替え部34とを有する。
【0050】
搬送ローラ対31は、第2印刷装置140から排出された媒体Mをニップしながら搬送する。
【0051】
搬送経路切り替え部32は、第2印刷装置140から排出された媒体Mの搬送経路(直進搬送経路R7)を、そのまま排出経路切り替え部34に搬送する直進搬送経路R10-1と、スイッチバックローラ対33によって媒体Mの表裏を逆転させる反転搬送経路R10-2とに切り替える。なお、第1中間搬送部30の反転搬送経路R10-2及びスイッチバックローラ対33は、省略されてもよい。
【0052】
排出経路切り替え部34は、直進搬送経路R10-1と反転搬送経路R10-2とが合流した媒体Mの排出経路を、第1媒体積載部10へ続く第1排出経路R11と、第2中間搬送部40を介して第2媒体積載部20へ続く第2排出経路R12とに切り替える。排出経路切り替え部34は、例えばフリッパである。なお、上述のように、媒体排出装置1が3つ以上の媒体積載部(用紙積載部)を有する場合には、1つ又は複数の排出経路切り替え部が、媒体Mの排出経路を3つ以上の媒体積載部のいずれかに切り替えることになる。
【0053】
第2中間搬送部40は、第1中間搬送部30から排出された媒体Mを第2媒体積載部20へ搬送する。第2中間搬送部40は、複数の搬送ローラ対41を有する。搬送ローラ対41は、媒体Mをニップしながら第2媒体積載部20へ搬送する。
【0054】
なお、第2中間搬送部40も、第1中間搬送部30と同様に媒体Mの表裏を逆転させる反転搬送経路を有していてもよい。
【0055】
図2に示す媒体排出装置1の制御部51は、媒体排出装置1全体の動作を制御する演算処理装置として機能するプロセッサ(例えばCPU)を有し、第1媒体積載部10、第2媒体積載部20等の各部の動作を制御する。なお、制御部51は、単一の制御部に限られず、例えば、第1媒体積載部10を制御する制御部と、第2媒体積載部20を制御する制御部と、第1中間搬送部30(排出経路切り替え部34)を制御する制御部と、第2中間搬送部40を制御する制御部とが分離して配置されたものであってもよい。また、第1印刷装置120の制御部127、第2印刷装置140の制御部147などのうちの少なくとも1つと、媒体排出装置1の制御部51とを兼ねる制御部が配置されていてもよい。
【0056】
記憶部52は、例えば、所定の制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリであるROM、プロセッサが各種の制御プログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリであるRAMなどである。
【0057】
インターフェース部53は、印刷システム100の第1印刷装置120、第2印刷装置140などや、印刷データを印刷システム100に送信するコンピュータなどとの間で各種情報の授受を行う。
【0058】
なお、媒体排出装置1は、第1印刷装置120及び第2印刷装置140のうち少なくとも一方において印刷が行われた媒体Mが積載されるのではなく、媒体Mに印刷以外の処理を行う処理装置や、媒体Mを搬送する搬送装置から排出される媒体Mが積載されてもよい。
【0059】
以下、図3及び図4A図4Dを参照しながら媒体排出装置1の動作について説明する。
【0060】
図3は、媒体排出装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
図4A図4Dは、第1媒体積載部10及び第2媒体積載部20のオフセット動作を説明するための説明図である。
【0061】
図3に示すフローチャートの各処理は、図2に示す媒体排出装置1の制御部51によって行われる。但し、各処理は、印刷システム100の他の制御部(例えば、第1印刷装置120及び第2印刷装置140の制御部127,144)によって行われ、その処理に基づき、制御部51が媒体排出装置1の動作を制御してもよい。
【0062】
なお、図3及び図4A図4Dでは、A4サイズの10枚の媒体Mへの印刷、A3サイズの5枚の媒体Mへの印刷、及びA4サイズの5枚の媒体Mへの印刷が順に行われる1つの印刷ジョブが複数(例えば200部)連続する例について説明する。
【0063】
まず、第1印刷装置120及び第2印刷装置140における印刷が開始され、最初に第1媒体積載部10の積載台11への媒体Mの排出が始まると、媒体排出装置1の制御部51は、例えば第1印刷装置120及び第2印刷装置140から受ける情報に基づき、すべての印刷ジョブの印刷が終了したかを判定する(ステップS101)。
【0064】
制御部51は、すべての印刷ジョブの印刷が終了したと判定すると(ステップS101:YES)、図3に示す処理を終了する。
【0065】
制御部51は、すべての印刷ジョブの印刷が終了していないと判定すると(ステップS101:NO)、媒体Mのサイズ等の種類が変化したかを判定する(ステップS102)。
【0066】
制御部51は、媒体Mのサイズ等の種類が変化していないと判定すると(ステップS102:NO)、単一の印刷ジョブの印刷が終了したかを判定する(ステップS103)。
【0067】
制御部51は、単一の印刷ジョブの印刷が終了していないと判定すると(ステップS103:NO)、上述のステップS101から処理を繰り返す。
【0068】
制御部51は、図4Dに示すように、A4サイズの10枚の媒体Mへの印刷(Job1-1)、A3サイズの5枚の媒体Mへの印刷(Job1-2)、及びA4サイズの5枚の媒体Mへの印刷(Job1-3)が行われる1つの印刷ジョブが終了し、次に2つ目の印刷ジョブのA4サイズの10枚の媒体Mへの印刷(Job2-1)が行われるときなどに、単一の印刷ジョブの印刷が終了したと判定する(ステップS103:YES)。この場合、制御部51は、図4Dに示す2つ目の印刷ジョブのA4サイズの10枚の媒体M(Job2-1)が積載される前に、第1媒体積載部10の可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13の排出方向における位置を移動させる上述のオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部16を制御する(ステップS104)。そして、制御部51は、上述のステップS101から処理を繰り返す。
【0069】
制御部51は、図4Aに示すように1つ目の印刷ジョブのA4サイズの10枚の媒体Mへの印刷(Job1-1)が終了し、図4Bに示すようにA3サイズの5枚の媒体Mへの印刷(Job1-2)が開始するときなどに、上述のステップS102において、媒体Mのサイズ等の種類が変化したと判定する(ステップS102:YES)。
【0070】
この場合、制御部51は、媒体Mの排出経路を第1媒体積載部10(第1排出経路R11)から第2媒体積載部20(第2排出経路R12)に切り替えるように排出経路切り替え部34を制御する(ステップS105)。
【0071】
また、制御部51は、媒体Mが第2媒体積載部20に積載されている間に、図4Bに示すように第1媒体積載部10の可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13にオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部16を制御する(ステップS106)。
【0072】
次に、制御部51は、第2媒体積載部20の積載台21への媒体Mの排出が始まっているときに、すべての印刷ジョブの印刷が終了したかを判定する(ステップS107)。
【0073】
制御部51は、すべての印刷ジョブの印刷が終了したと判定すると(ステップS107:YES)、図3に示す処理を終了する。
【0074】
制御部51は、すべての印刷ジョブの印刷が終了していないと判定すると(ステップS107:NO)、媒体Mのサイズ等の種類が変化したかを判定する(ステップS108)。
【0075】
制御部51は、媒体Mのサイズ等の種類が変化していないと判定すると(ステップS108:NO)、単一の印刷ジョブの印刷が終了したかを判定する(ステップS109)。
【0076】
制御部51は、単一の印刷ジョブの印刷が終了していないと判定すると(ステップS109:NO)、上述のステップS107から処理を繰り返す。
【0077】
制御部51は、単一の印刷ジョブの印刷が終了したと判定すると(ステップS109:YES)、第2媒体積載部20の可動エンドフェンス22及びオフセットガイド23にオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部26を制御する(ステップS110)。そして、制御部51は、上述のステップS107から処理を繰り返す。
【0078】
制御部51は、図4Bに示すようにA3サイズの5枚の媒体Mへの印刷(Job1-2)が終了し、図4Cに示すようにA4サイズの5枚の媒体Mへの印刷(Job1-3)が開始するときなどに、上述のステップS108において、媒体Mのサイズ等の種類が変化したと判定する(ステップS108:YES)。
【0079】
この場合、制御部51は、媒体Mの排出経路を第2媒体積載部20(第2排出経路R12)から第1媒体積載部10(第1排出経路R11)に切り替えるように排出経路切り替え部34を制御する(ステップS111)。なお、この排出経路の切り替えは、切り替え先である第1媒体積載部10の上述のオフセット動作(ステップS106)が完了していなければ、完了を待って行われるとよい。
【0080】
また、制御部51は、媒体Mが第1媒体積載部10に積載されている間に、図4Cに示すように第2媒体積載部20の可動エンドフェンス22及びオフセットガイド23にオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部26を制御する(ステップS112)。そして、制御部51は、上述のステップS101から処理を繰り返す。
【0081】
次に、単一の印刷ジョブの媒体Mの種類が単一であり、複数の印刷ジョブ間で媒体Mの種類が異なる場合の変形例について、図5及び図6を参照しながら説明する。
【0082】
図5は、変形例における印刷システム1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0083】
図6は、変形例における媒体Mの積載状態を説明するための説明図である。
なお、図5及び図6では、A4サイズの媒体Mへ印刷を行うJobA~JobFの6つの印刷ジョブの後に、A3サイズの媒体Mへ印刷を行うJobG~JobLの6つの印刷ジョブが行われる例について説明する。なお、図6では、JobA~JobLに括弧書きで、印刷順(矢印を付した場合には変更前後の印刷順)を記す。
【0084】
まず、第1印刷装置120及び第2印刷装置140における印刷が開始され、最初に第1媒体積載部10の積載台11への媒体Mの排出が始まると、媒体排出装置1の制御部51は、すべて(例えばJobLまでのすべて)の印刷ジョブの印刷が終了したかを判定する(ステップS201)。
【0085】
制御部51は、すべての印刷ジョブの印刷が終了したと判定すると(ステップS201:YES)、図5に示す処理を終了する。
【0086】
制御部51は、すべての印刷ジョブの印刷が終了していないと判定すると(ステップS201:NO)、媒体Mのサイズ等の種類が変化したかを判定する(ステップS202)。
【0087】
制御部51は、媒体Mのサイズ等の種類が変化していないと判定すると(ステップS202:NO)、単一の印刷ジョブの印刷が終了したかを判定する(ステップS203)。
【0088】
制御部51は、単一の印刷ジョブの印刷が終了していないと判定すると(ステップS203:NO)、上述のステップS201から処理を繰り返す。
【0089】
制御部51は、図6に示すJobAが終了したときなどのように、媒体Mのサイズ(種類)が変更にならずに単一の印刷ジョブが終了したときに、単一の印刷ジョブの印刷が終了したと判定する(ステップS203:YES)。この場合、制御部51は、第1媒体積載部10の可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13(図6では図示を省略)にオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部16を制御する(ステップS204)。
【0090】
ここで、媒体Mの種類が同一の印刷ジョブの媒体Mが連続して第1媒体積載部10に排出される場合、印刷ジョブが異なるため第1媒体積載部10においてオフセット動作が行われるが、このオフセット動作(ステップS204)の間に、第1媒体積載部10への排出を停止させる必要が生じる。
【0091】
そこで、第1印刷装置120及び第2印刷装置140のうちの少なくとも一方の制御部127,147は、媒体Mの種類が同一の印刷ジョブ(仕分け単位の一例)が連続し、且つその後に媒体Mの種類が異なる印刷ジョブの印刷が予定されている場合に、媒体Mの種類が同一の印刷ジョブの間に媒体Mの種類が異なる印刷ジョブを割り込ませるように、第1印刷装置120及び第2印刷装置140の印刷部122,142に印刷の順を入れ替えて印刷を行わせる。すなわち、図6の例では、制御部127,147は、印刷の順を入れ替えなければJobA~JobLの順に印刷を行わせるが、JobAとJobBとの間にJobGを割り込ませ、JobBとJobCとの間にJobHを割り込ませ、JobCとJobDとの間にJobIを割り込ませ、JobDとJobEとの間にJobJを割り込ませ、JobEとJobFとの間にJobKを割り込ませる。
【0092】
このように印刷順を変更するために、制御部127,147は、第2媒体積載部20に媒体Mが積載されるJobG~JobLがあるかを判定し(ステップS205)、なければ(ステップS205:NO)、媒体排出装置1の制御部51が上述のステップS201から処理を繰り返す。
【0093】
制御部127,147は、第2媒体積載部20に媒体Mが積載されるJobG~JobLがあれば(ステップS205:YES)、印刷された媒体Mが第2媒体積載部20に積載されるJobG~JobLのいずれかの印刷順が早い印刷ジョブを行うように、印刷部122,142を制御する(ステップS206)。そして、制御部51は、後述するステップS209の処理を行う。
【0094】
なお、印刷システム100の内部には、印刷部122,142において印刷が行われた後、媒体排出装置1の排出経路切り替え部34に到達する前の媒体Mが複数搬送される。そのため、実際には、第1媒体積載部10の可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13がオフセット動作(ステップS204)を行う前に、印刷の順序がステップS206において入れ替えられている。
【0095】
制御部51は、図6に示すJobFの印刷が終了したときなどに、上述のステップS202において、媒体Mのサイズ等の種類が変化したと判定する(ステップS202:YES)。
【0096】
この場合、制御部51は、媒体Mの排出経路を第1媒体積載部10(第1排出経路R11)から第2媒体積載部20(第2排出経路R12)に切り替えるように排出経路切り替え部34を制御する(ステップS207)。
【0097】
また、制御部51は、媒体Mが第2媒体積載部20に積載されている間に、第1媒体積載部10の可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13にオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部16を制御する(ステップS208)。
【0098】
次に、制御部51は、第2媒体積載部20の積載台21への媒体Mの排出が始まっているときに、すべての印刷ジョブの印刷が終了したかを判定する(ステップS209)。
【0099】
制御部51は、すべての印刷ジョブの印刷が終了したと判定すると(ステップS209:YES)、図5に示す処理を終了する。
【0100】
制御部51は、すべての印刷ジョブの印刷が終了していないと判定すると(ステップS209:NO)、媒体Mのサイズ等の種類が変化したかを判定する(ステップS210)。
【0101】
制御部51は、媒体Mのサイズ等の種類が変化していないと判定すると(ステップS210:NO)、単一の印刷ジョブの印刷が終了したかを判定する(ステップS211)。
【0102】
制御部51は、単一の印刷ジョブの印刷が終了していないと判定すると(ステップS211:NO)、上述のステップS209から処理を繰り返す。
【0103】
制御部51は、単一の印刷ジョブの印刷が終了したと判定すると(ステップS211:YES)、第2媒体積載部20の可動エンドフェンス22及びオフセットガイド23にオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部26を制御する(ステップS212)。
【0104】
次に、第1印刷装置120及び第2印刷装置140のうちの少なくとも一方の制御部127,147は、第1媒体積載部10に媒体Mが積載される印刷ジョブがあるかを判定し(ステップS213)、なければ(ステップS213:NO)、媒体排出装置1の制御部51が上述のステップS209から処理を繰り返す。
【0105】
制御部127,147は、第1媒体積載部10に媒体Mが積載される印刷ジョブがあれば(ステップS213:YES)、印刷された媒体Mが第1媒体積載部10に積載される印刷ジョブを行うように、印刷部122,142を制御する(ステップS214)。そして、制御部51は、上述のステップS201から処理を繰り返す。
【0106】
制御部51は、上述のステップS210において、媒体Mのサイズ等の種類が変化したと判定すると(ステップS210:YES)、媒体Mの排出経路を第2媒体積載部20(第2排出経路R12)から第1媒体積載部10(第1排出経路R11)に切り替えるように排出経路切り替え部34を制御する(ステップS215)。なお、この排出経路の切り替えは、切り替え先である第1媒体積載部10の上述のオフセット動作(ステップS204,S208)が完了していなければ、完了を待って行われるとよい。
【0107】
また、制御部51は、媒体Mが第1媒体積載部20に積載されている間に、第2媒体積載部20の可動エンドフェンス22及びオフセットガイド23にオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部26を制御する(ステップS216)。そして、制御部51は、上述のステップS201から処理を繰り返す。
【0108】
以上説明した本実施の形態では、媒体排出装置1は、各々に媒体が積載される複数の媒体積載部の一例である第1媒体積載部10及び第2媒体積載部20と、媒体Mの排出経路を第1媒体積載部10(第1排出経路R11)及び第2媒体積載部20(第2排出経路R12)のいずれかに切り替える排出経路切り替え部34と、第1媒体積載部10、第2媒体積載部20、及び排出経路切り替え部34を制御する制御部51とを備える。第1媒体積載部10及び第2媒体積載部20は、積載される媒体Mを仕切るオフセット動作(仕切り動作の一例)を行う可動エンドフェンス12,22及びオフセットガイド13,23(仕切り手段の一例)を有する。制御部51は、第1媒体積載部10及び第2媒体積載部20のうちのいずれかの媒体積載部に積載されていた媒体Mとは種類が異なる媒体Mが排出された場合、排出経路切り替え部34に排出経路を他の媒体積載部に切り替えさせるとともに、他の媒体積載部に媒体Mが積載されている間に、媒体Mが積載されていた媒体積載部の可動エンドフェンス12,22及びオフセットガイド13,23にオフセット動作を行わせる。
【0109】
また、印刷システム100は、上記の媒体排出装置1と、媒体Mに印刷を行う印刷部の一例である、第1印刷装置120の印刷部122及び第2印刷装置140の印刷部142と、これらの印刷部122,142及び媒体排出装置1を制御する制御部127,147とを備える。
【0110】
これにより、種類(例えば、サイズ、マット紙か否か、厚紙か否か、色など)が混在した媒体Mが排出される場合に、媒体Mの排出経路を媒体Mの種類に応じて媒体積載部10(第1排出経路R11)又は第2媒体積載部20(第2排出経路R12)に切り替えることができる。また、排出された媒体Mの管理を容易にするために可動エンドフェンス12,22及びオフセットガイド13,23がオフセット動作を行っている間に、他の媒体積載部に媒体Mが排出される。そのため、オフセット動作を行う間に媒体Mの排出や印刷が停止するのを回避することができる。したがって、媒体Mの排出効率を高めることができる。よって、本実施の形態によれば、媒体Mの排出効率を高めることができるとともに、排出された複数種類の媒体Mの管理を容易に行うことができる。
【0111】
また、本実施の形態では、媒体Mの上記種類は、サイズであり、制御部51は、媒体Mのサイズに基づいて、排出経路切り替え部34に、排出経路を媒体Mのサイズに対応する媒体積載部に切り替えさせる。これにより、サイズが混在した媒体Mが積載されることに起因して第1媒体積載部10及び第2媒体積載部20の積載台11,21上で媒体Mの積載状態を保てなくなるのを回避することができる。
【0112】
また、本実施の形態の変形例では、第1印刷装置120及び第2印刷装置140の制御部127,147は、媒体Mの種類が同一の仕分け単位(例えば印刷ジョブ)が連続し、且つその後に種類が異なる仕分け単位の印刷が予定されている場合に、種類が同一の仕分け単位の間に種類が異なる仕分け単位を割り込ませるように、印刷部122,142に印刷の順を入れ替えて印刷を行わせる。これにより、仕分け単位ごとに、媒体Mの排出や印刷を停止させずにオフセット動作を行うことができるため、媒体Mの排出効率をより一層高めることができる。
【0113】
なお、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0114】
[付記1]
各々に媒体が積載される複数の媒体積載部と、
前記媒体の排出経路を前記複数の媒体積載部のいずれかに切り替える排出経路切り替え部と、
前記複数の媒体積載部及び前記排出経路切り替え部を制御する制御部とを備え、
前記複数の媒体積載部は、積載される前記媒体を仕切る仕切り動作を行う仕切り手段を有し、
前記制御部は、前記複数の媒体積載部のうちのいずれかの前記媒体積載部に積載されていた前記媒体とは種類が異なる前記媒体が排出された場合、前記排出経路切り替え部に前記排出経路を他の前記媒体積載部に切り替えさせるとともに、当該他の媒体積載部に前記媒体が積載されている間に、前記媒体が積載されていた前記媒体積載部の前記仕切り手段に前記仕切り動作を行わせる
ことを特徴とする媒体排出装置。
【0115】
[付記2]
前記媒体の前記種類は、サイズであり、
前記制御部は、前記媒体の前記サイズに基づいて、前記排出経路切り替え部に、前記排出経路を前記媒体のサイズに対応する前記媒体積載部に切り替えさせる
ことを特徴とする付記1記載の媒体排出装置。
【0116】
[付記3]
媒体に印刷を行う印刷部と、
前記印刷部において印刷が行われた前記媒体が排出される媒体排出装置と、
前記印刷部及び前記媒体排出装置を制御する制御部と
を備える印刷システムであって、
前記媒体排出装置は、
各々に媒体が積載される複数の媒体積載部と、
前記媒体の排出経路を前記複数の媒体積載部のいずれかに切り替える排出経路切り替え部とを備え、
前記複数の媒体積載部は、積載される前記媒体を仕切る仕切り動作を行う仕切り手段を有し、
前記制御部は、前記複数の媒体積載部のうちのいずれかの前記媒体積載部に積載されていた前記媒体とは種類が異なる前記媒体が排出された場合、前記排出経路切り替え部に前記排出経路を他の前記媒体積載部に切り替えさせるとともに、当該他の媒体積載部に前記媒体が積載されている間に、前記媒体が積載されていた前記媒体積載部の前記仕切り手段に前記仕切り動作を行わせる
ことを特徴とする印刷システム。
【0117】
[付記4]
前記制御部は、前記媒体の前記種類が同一の仕分け単位が連続し、且つその後に前記種類が異なる前記仕分け単位の印刷が予定されている場合に、前記種類が同一の前記仕分け単位の間に前記種類が異なる前記仕分け単位を割り込ませるように、前記印刷部に印刷の順を入れ替えて印刷を行わせる
ことを特徴とする付記3記載の印刷システム。
【符号の説明】
【0118】
1 媒体排出装置
10 第1媒体積載部
20 第2媒体積載部
11,21 積載台
12,22 可動エンドフェンス
13,23 オフセットガイド
14,24 上面検知センサ
15,25 積載台昇降駆動部
16,26 オフセット駆動部
30 第1中間搬送部
31 搬送ローラ対
32 搬送経路切り替え部
33 スイッチバックローラ対
34 排出経路切り替え部
40 第2中間搬送部
41 搬送ローラ対
51 制御部
52 記憶部
53 インターフェース部
100 印刷システム
110 媒体供給装置
111 第1積載台
112 第2積載台
113 第1供給部
114 第2供給部
115 搬送ローラ対
120 第1印刷装置
130 反転装置
140 第2印刷装置
M 媒体
R11 第1排出経路
R12 第2排出経路
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6