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特許7372730物体認識システムのためのオンライントレーニング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】物体認識システムのためのオンライントレーニング
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20231025BHJP
【FI】
G06T7/00 350C
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2017547394
(86)(22)【出願日】2016-02-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-04-05
(86)【国際出願番号】 US2016018964
(87)【国際公開番号】W WO2016144523
(87)【国際公開日】2016-09-15
【審査請求日】2019-01-23
【審判番号】
【審判請求日】2020-11-13
(31)【優先権主張番号】62/131,788
(32)【優先日】2015-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/856,481
(32)【優先日】2015-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン、デイビッド・ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】サラ、アンソニー
【合議体】
【審判長】五十嵐 努
【審判官】木方 庸輔
【審判官】川崎 優
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-317101(JP,A)
【文献】特開2004-341959(JP,A)
【文献】特開2003-208594(JP,A)
【文献】特開2014-153906(JP,A)
【文献】特開平11-175494(JP,A)
【文献】特開2012-208710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 -7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分類器のオンライントレーニングの方法において、
前記方法は、
前記オンライントレーニングの最中に観察される、物体の少なくとも1つの肯定的な特徴ベクトルから、前記分類器のためのオフライントレーニングの最中に確立される初期決定境界までの最近接距離を決定することと、前記初期決定境界は真の物体のベクトルと誤りの物体のベクトルとの間で定義され、
前記初期決定境界と前記真の物体のベクトルとの間で定義される修正された決定境界を、前記最近接距離に基づき設定することと、前記設定することは、前記修正された決定境界の位置を、前記初期決定境界の位置から、前記最近接距離と観察された肯定的な特徴ベクトルの数とに基づく量だけ離れた位置に決定することを備え、
将来例の特徴ベクトルを、前記修正された決定境界に少なくとも部分的に基づいて、分類することと、前記将来例の特徴ベクトルは、前記初期決定境界および前記修正された決定境界の両方を越えることによって、肯定的と分類され、
肯定的と分類された少なくとも1つの新たな特徴ベクトルに基づき、前記最近接距離を更新することと、
前記修正された決定境界の位置を、更新された最近接距離と観察された肯定的な特徴ベクトルの数とに基づき更新することと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記修正された決定境界の設定は、前記オンライントレーニングの開始から観察される時間の量に少なくとも部分的にさらに基づいている請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記物体は、指紋、虹彩および/または顔である請求項1記載の方法。
【請求項4】
観察された肯定的な特徴ベクトルの数に少なくとも部分的に基づいて、前記物体の前記少なくとも1つの特徴ベクトルと前記修正された決定境界との間のマージンを減らすことをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記修正された決定境界は、前記最近接距離の、測定された平均におよび/または分散に少なくとも部分的に基づいている請求項1記載の方法。
【請求項6】
新規のデータに少なくとも部分的に基づいて、前記修正された決定境界を反復的に更新することをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項7】
条件の第1のセットに少なくとも部分的に基づいて、前記修正された決定境界に対する更新を停止することをさらに含む請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記条件の第1のセットは、サンプルの数および/または時間の量を少なくとも備える請求項7記載の方法。
【請求項9】
条件の第2のセットに少なくとも部分的に基づいて、前記修正された決定境界に対する更新を開始することをさらに含む請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記条件の第2のセットは、誤りの拒否率を備える請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記修正された決定境界に対する更新を開始することは、少なくとも1つの学習した値を、再設定すること、再使用することまたはバックアップすることを備える請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記修正された決定境界に対する更新を開始することは、前記条件の第1のセットを修正することを備える請求項9記載の方法。
【請求項13】
誤りの拒否率(FRR)を計算して追跡することと、前記FRRに少なくとも部分的に基づいて、前記修正された決定境界をさらに更新することをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記最近接距離を決定することは、複数の最近接距離を追跡することをさらに備え、前記修正された決定境界は、前記複数の最近接距離の統計に少なくとも部分的に基づいている請求項1記載の方法。
【請求項15】
分類器のオンライントレーニングのための装置において、
前記装置は、
メモリユニットと、
前記メモリユニットに結合されている少なくとも1つのプロセッサと、を具備し、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記オンライントレーニングの最中に観察される、物体の少なくとも1つの肯定的な特徴ベクトルから、前記分類器のためのオフライントレーニングの最中に確立される初期決定境界までの最近接距離を決定することと、前記初期決定境界は真の物体のベクトルと誤りの物体のベクトルとの間で定義され、
前記初期決定境界と前記真の物体のベクトルとの間で定義される修正された決定境界を、前記最近接距離に基づき設定することと、前記設定することは、前記修正された決定境界の位置を、前記初期決定境界の位置から、前記最近接距離と観察された肯定的な特徴ベクトルの数とに基づく量だけ離れた位置に決定することを備え、
将来例の特徴ベクトルを、前記修正された決定境界に少なくとも部分的に基づいて、分類することと、前記将来例の特徴ベクトルは、前記初期決定境界および前記修正された決定境界の両方を越えることによって、肯定的と分類され、
肯定的と分類された少なくとも1つの新たな特徴ベクトルに基づき、前記最近接距離を更新することと、
前記修正された決定境界の位置を、前記更新された最近接距離と観察された肯定的な特徴ベクトルの数とに基づき更新することと、
を行うように構成された、装置。
【請求項16】
前記修正された決定境界の設定は、前記オンライントレーニングの開始から観察される時間の量に少なくとも部分的にさらに基づいている請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記物体は、指紋、虹彩および/または顔である請求項15記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つのプロセッサは、観察された肯定的な特徴ベクトルの数に少なくとも部分的に基づいて、前記物体の前記少なくとも1つの特徴ベクトルと、前記修正された決定境界との間のマージンを減らすようにさらに構成されている請求項15記載の装置。
【請求項19】
前記修正された決定境界は、前記最近接距離の、測定された平均におよび/または分散に少なくとも分的に基づいている請求項15記載の装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサは、新規のデータに少なくとも部分的に基づいて、前記修正された決定境界を反復的に更新するようにさらに構成されている請求項15記載の装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つのプロセッサは、条件の第1のセットに少なくとも部分的に基づいて、前記修正された決定境界に対する更新を停止するようにさらに構成されている請求項20記載の装置。
【請求項22】
前記条件の第1のセットは、サンプルの数および/または時間の量を備える請求項21記載の装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つのプロセッサは、条件の第2のセットに少なくとも部分的に基づいて、前記修正された決定境界に対する更新を開始するようにさらに構成されている請求項21記載の装置。
【請求項24】
前記条件の第2のセットは、誤りの拒否率を備える請求項23記載の装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの学習した値を、再設定すること、再使用することまたはバックアップすることによって、前記修正された決定境界に対する更新を開始するようにさらに構成されている請求項23記載の装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記条件の第1のセットを修正することによって、前記修正された決定境界に対する更新を開始するようにさらに構成されている請求項23記載の装置。
【請求項27】
前記少なくとも1つのプロセッサは、誤りの拒否率(FRR)を計算して追跡し、前記FRRに少なくとも部分的に基づいて、前記修正された決定境界をさらに更新するようにさらに構成されている請求項15記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも1つのプロセッサは、複数の最近接距離を追跡するようにさらに構成され、前記修正された決定境界は、前記複数の最近接距離の統計に少なくとも部分的に基づいている請求項15記載の装置。
【請求項29】
プログラムコードが記憶されている非一時的コンピュータ可読媒体において、
前記プログラムコードは、
プロセッサによって実行され、
オンライントレーニングの最中に観察される、物体の少なくとも1つの肯定的な特徴ベクトルから、分類器のためのオフライントレーニングの最中に確立される初期決定境界までの最近接距離を決定するためのプログラムコードと、前記初期決定境界は真の物体のベクトルと誤りの物体のベクトルとの間で定義され、
前記初期決定境界と前記真の物体のベクトルとの間で定義される修正された決定境界を、前記最近接距離に基づき設定するためのプログラムコードと、前記設定することは、前記修正された決定境界の位置を、前記初期決定境界の位置から、前記最近接距離と観察された肯定的な特徴ベクトルの数とに基づく量だけ離れた位置に決定することを備え、
将来例の特徴ベクトルを、前記修正された決定境界に少なくとも部分的に基づいて、分類するためのプログラムコードと、前記将来例の特徴ベクトルは、前記初期決定境界および前記修正された決定境界の両方を越えることによって、肯定的と分類され、
肯定的と分類された少なくとも1つの新たな特徴ベクトルに基づき、前記最近接距離を更新するためのプログラムコードと、
前記修正された決定境界の位置を、前記更新された近接距離と観察された肯定的な特徴ベクトルの数とに基づき更新するためのプログラムコードと、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項30】
分類器のオンライントレーニングのための装置において、
前記装置は、
前記オンライントレーニングの最中に観察される、物体の少なくとも1つの肯定的な特徴ベクトルから、前記分類器のためのオフライントレーニングの最中に確立される初期決定境界までの最近接距離を決定する手段と、前記初期決定境界は真の物体のベクトルと誤りの物体のベクトルとの間で定義され、
前記初期決定境界と前記真の物体のベクトルとの間で定義される修正された決定境界を、前記最近接距離に基づき設定する手段と、前記設定する手段は、前記修正された決定境界の位置を、前記初期決定境界の位置から、前記最近接距離と観察された肯定的な特徴ベクトルの数とに基づく量だけ離れた位置に決定する手段を備え、
将来例の特徴ベクトルを、前記修正された決定境界に少なくとも部分的に基づいて、分類する手段と、前記将来例の特徴ベクトルは、前記初期決定境界および前記修正された決定境界の両方を越えることによって、肯定的と分類され、
肯定的と分類された少なくとも1の新たな特徴ベクトルに基づき、前記最近接距離を更新する手段と、
前記修正された決定境界の位置を、前記更新された近接距離と観察された肯定的な特徴ベクトルの数とに基づき更新する手段と、
を具備する、装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本願は、2015年3月11日に出願された「物体認識システムのためのオンライントレーニング」と題する米国特許仮出願第62/131,788号の利益を米国特許法第119条(e)項に基づいて主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【分野】
【0002】
[0002]本開示のある態様は、一般的に、機械学習に関係し、より具体的には、物体分類のためのオンライントレーニングの改善のためのシステムおよび方法に関係する。
【背景】
【0003】
[0003]人工ニューロンの相互接続されたグループを備え得る人工ニューラルネットワーク(例えば、ニューロンモデル)は、計算デバイスであるか、または、計算デバイスによって実行される方法を表わす。
【0004】
[0004]畳み込みニューラルネットワークは、先行予測型の人工ニューラルネットワークである。畳み込みニューラルネットワークは、各々が、受容性のあるフィールドを有し、入力空間を集合的に、タイルのように並べたニューロンの集合を含み得る。畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、非常に多数の用途を有する。特に、CNNは、パターン認識および分類の領域において広く使用されてきた。
【0005】
[0005]ディープビリーフネットワーク(deep belief network)および深層畳み込みネットワークのような、深層学習アーキテクチャは、層化されたニューラルネットワークアーキテクチャであり、そこにおいて、ニューロンの第1の層の出力は、ニューロンの第2の層への入力となり、ニューロンの第2の層の出力は、ニューロンの第3の層への入力となる、等々である。深層ニューラルネットワークは、特徴の階層を認識するためにトレーニングされ得、物体認識用途において、ますます使用されて来ている。畳み込みニューラルネットワークのように、これらの深層学習アーキテクチャにおける計算は、処理ノードの母集団にわたって、分散され得、1以上の計算チェーンにおいて、構成され得る。これらの多層化アーキテクチャは、一度に1層がトレーニングされ得、後方伝搬を使用して微調整され得る。
【0006】
[0006]他のモデルもまた、物体認識のために利用可能である。例えば、サポートベクトル機械(SVM)は、分類のために応用でき得る学習ツールである。サポートベクトル機械は、データをカテゴリー化する、分離する超平面(例えば、決定境界)を含む。超平面は、監督された学習によって定義される。望ましい超平面は、トレーニングデータのマージンを増加する。言い換えれば、超平面は、トレーニング例への最小距離の最大値を有すべきである。
【0007】
[0007]これらの解は、多数の分類ベンチマーク上で、卓越した結果を成就するが、それらの計算の複雑性は、法外に高い。追加的に、モデルのトレーニングは、挑戦的である。
【概要】
【0008】
[0008]本開示の1つの態様において、分類器のオンライントレーニングの方法が開示されている。方法は、物体の1以上の特徴ベクトルから、分類器のためのオフライントレーニングの最中に確立される第1の所定の決定境界までの距離を決定することを備える。1つの構成において、1以上の特徴ベクトルは、オンライントレーニングの最中に受領される。方法はまた、少なくとも距離の関数として、決定ルールを更新することを含む。方法は、更新された決定ルールに基づいて、将来例を分類することを、さらに含む。
【0009】
[0009]本開示の別の態様は、物体の1以上の特徴ベクトルから、分類器のためのオフライントレーニングの最中に確立される第1の所定の決定境界までの距離を決定するための手段を含む装置に向けられる。1つの構成において、1以上の特徴ベクトルは、オンライントレーニングの最中に受領される。装置はまた、少なくとも距離の関数として、決定ルールを更新するための手段を含む。装置は、更新された決定ルールに基づいて、将来例を分類するための手段を、さらに含む。
【0010】
[0010]本開示の別の態様において、分類器のオンライントレーニングのためのコンピュータプログラム製品が開示される。コンピュータプログラム製品は、非一時的プログラムコードを記録した非一時的コンピュータ可読媒体を有する。プログラムコードは、プロセッサによって実行され、物体の1以上の特徴ベクトルから、分類器のためのオフライントレーニングの最中に確立される第1の所定の決定境界までの距離を決定するためのプログラムコードを含む。1つの構成において、1以上の特徴ベクトルは、オンライントレーニングの最中に受領される。プログラムコードはまた、少なくとも距離の関数として、決定ルールを更新するためのプログラムコードを含む。プログラムコードは、更新された決定ルールに基づいて、将来例を分類するためのプログラムコードを、さらに含む。
【0011】
[0011]本開示の別の態様は、メモリおよびメモリに結合された1以上のプロセッサを有する、分類器のオンライントレーニングのための装置に向けられる。プロセッサは、物体の1以上の特徴ベクトルから、分類器のためのオフライントレーニングの最中に確立される第1の所定の決定境界までの距離を決定するように構成される。1つの構成において、1以上の特徴ベクトルは、オンライントレーニングの最中に受領される。プロセッサはまた、少なくとも距離の関数として、決定ルールを更新するように構成される。プロセッサは、更新された決定ルールに基づいて、将来例を分類するように、さらに構成される。
【0012】
[0012]本開示の追加の特徴および利点が以下に説明される。本開示が、本開示と同じ目的を実行するために、他の構造を修正または設計するための基礎として容易に利用され得ることは、当業者によって理解されるべきである。また、そのような均等の構造は、添付された特許請求の範囲内に記載の開示の教示から逸脱しないことも、当業者によって理解されるべきである。さらなる目的および利点とともに、本開示の構成および動作の方法の両方について、さらなる目的および利点とともに、本開示の特徴であると考えられる新規な特徴は、添付図面と関連して考慮されるとき、以下の説明からより良く理解されるであろう。しかしながら、図の各々は、例証および説明の目的でのみ提供され、本開示の限定の定義として意図されないことは明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
[0013]本開示の特徴、性質、および利点は、同様の参照符号が全体を通して対応して同一とする図面と共に考慮されるとき、以下に記載されている詳細な説明からより明らかになるであろう。
図1】[0014]図1は、本開示のある態様に従う汎用プロセッサを含むシステムオンチップ(SOC)を使用して、ニューラルネットワークの設計を行う、例となる実装を例証する。
図2】[0015]図2は、本開示の態様に従うシステムの、例となる実装を例証する。
図3】[0016]図3は、決定境界に関係する肯定的な例および否定的な例の一次元の例証である。
図4図4は、決定境界に関係する肯定的な例および否定的な例の一次元の例証である。
図5図5は、決定境界に関係する肯定的な例および否定的な例の一次元の例証である。
図6A】[0017]図6Aは、本開示の態様に従う決定境界に関係する肯定的な例および否定的な例の一次元の例証である。
図6B図6Bは、本開示の態様に従う決定境界に関係する肯定的な例および否定的な例の一次元の例証である。
図7図7は、本開示の態様に従う決定境界に関係する肯定的な例および否定的な例の一次元の例証である。
図8】[0018]図8は、本開示の態様に従うオンライントレーニングのための方法を例証するフロー図である。
図9図9は、本開示の態様に従うオンライントレーニングのための方法を例証するフロー図である。
【詳細な説明】
【0014】
[0019]添付された図面に関連して以下に記載された詳細な説明は、様々な構成の説明として意図され、本明細書で説明される概念が実施され得る唯一の構成を表すようには意図されない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を提供する目的で特定の詳細を含む。しかしながら、これらの概念がこれらの特定の詳細なしに実施され得ることは当業者にとって明らかであろう。いくつかの事例において、よく知られている構造およびコンポーネントは、そのような概念を曖昧にすることを避けるために、ブロック図形式で指し示される。
【0015】
[0020]本教示に基づいて、本開示の何らかの他の態様から独立して実装されようと、本開示の何らかの他の態様と組み合わせて実装されようと、本開示の範囲が、本開示の任意の態様をカバーするよう意図されていることを、当業者は認識すべきである。例えば、示される任意の数の態様を使用して、装置が実装され得るか、あるいは方法が実施され得る。加えて、本開示の範囲は、示される開示の様々な態様に加えて、または、それ以外に、他の構造、機能性、または、構造と機能性を使用して実施されるこのような装置または方法をカバーするように意図されている。開示されている開示の任意の態様が、特許請求の範囲の1以上の要素によって具現化され得ることは理解されるべきである。
【0016】
[0021]「例示的(exemplary)」という用語は、例、事例、または例証としての役割を果たすことを意味するように本明細書で使用される。「例示的」であるとして本明細書で説明されるいずれの態様も、他の態様より好ましいまたは有利であるとして必ずしも解釈されるべきではない。
【0017】
[0022]特定の態様が本明細書で説明されているが、これらの態様の多くの変形および置換が、本開示の範囲内に含まれる。好ましい態様のいくつかの恩恵および利点が説明されるが、本開示の範囲は、特定の恩恵、使用、または目的に限定されることを意図されない。むしろ、本開示の態様は、異なる技術、システム構成、ネットワーク、およびプロトコルに広く適用可能であるように意図されており、それらのうちのいくつかは、図において、および好ましい態様の以下の説明において例として例証される。詳細な説明および図面は、限定よりもむしろ本開示を単に例証するものに過ぎず、本開示の範囲は、添付の請求項およびそれらの均等物によって定義されている。
【0018】
[0023]オンライントレーニングの最中に、指紋読み取り器または虹彩スキャナのような読み取りデバイスは、物体が、トレーニングされたサンプルと合致かを決定する。従来のシステムにおいて、初期オフライントレーニングの最中に、真の指のような多数の肯定的な合致、および、改ざんされた指のような否定的な合致が、トレーニングのために使用される。肯定的な合致および否定的な合致はまた、初期決定境界を決定するために使用され得る。
【0019】
[0024]追加的に、従来のシステムにおいて、決定境界は、指紋読み取り器が使用されるとき、オンライントレーニングで微調整され得る。実際の指紋をスプーフィング(spoofing)するような多くの使用ケースについて、肯定的な例のみ、あるいは、否定的な例と比較して、増加した数の肯定的な例が、オンライントレーニングの最中に提供される。依然として、決定境界が肯定的な例から遠ざかり、それにより偽の指が、真の指として分類される確率を増加するように、増加した数の肯定的な例は、特徴ベクトル分類器を更新し得る。
【0020】
[0025]本開示の態様は、デバイス所有者の指に対する分類境界を改善することによって、偽の指が真の指として分類される確率を減少することに向けられる。本説明は、指の分類に関するが、指は、単に、分類される物体の一例に過ぎないことが留意される。本開示は、いかなる他のタイプの物体にも、等しく適用する。
【0021】
[0026]図1は、本開示のある態様に従う汎用プロセッサ(CPU)またはマルチコア汎用プロセッサ(CPU)102を含み得るシステムオンチップ(SOC)100を使用して、分類器の前述されたオンライントレーニングの、例となる実装100を例証する。変数(例えば、ニューラル信号およびシナプス重み(synaptic weights))、計算デバイスと関連付けられたシステムパラメータ(例えば、重み付きニューラルネットワーク)、遅延、周波数ビン情報、およびタスク情報は、ニューラル処理ユニット(NPU)108と関連付けられたメモリブロック中に、CPU102と関連付けられたメモリブロック中に、グラフィックス処理ユニット(GPU)104と関連付けられたメモリブロック中に、デジタル信号プロセッサ(DSP)106と関連付けられたメモリブロック中に、専用メモリブロック118中に記憶され得、または、多数のブロックに渡って分散され得る。汎用プロセッサ102において実施される命令は、CPU102と関連付けられたプログラムメモリからローディングされ得、または専用メモリブロック118からローディングされ得る。
【0022】
[0027]SOC100はまた、GPU104、DSP106、第4世代ロングタームエボリューション(4G LTE(登録商標))接続性、非ライセンスWi-Fi(登録商標)接続性、USB接続性、ブルートゥース(登録商標)接続性、およびそのようなものを含み得る、接続性ブロック110、例えば、身振りを検出や認識し得るマルチメディアプロセッサ112のような、特定の機能にぴったり合った追加の処理ブロックを含み得る。1つの実装において、NPUは、CPU、DSP、および/または、GPU中に実装される。SOC100はまた、センサプロセッサ114、画像信号プロセッサ(ISP)、および/または、全世界測位システムを含み得る、ナビゲーション120を含み得る。
【0023】
[0028]SOCは、ARM命令セットに基づき得る。本開示の1つの態様において、汎用プロセッサ102中にローディングされる命令は、オンライントレーニングの最中に観察される物体の1以上の特徴ベクトルから、分類器のためのオフライントレーニングの最中に確立される第1の所定の決定境界までの距離を決定するためのコードを備え得る。汎用プロセッサ102中にローディングされる命令はまた、距離の関数として、決定ルールを更新するためのコードを備え得る。汎用プロセッサ102中にローディングされる命令は、更新された決定ルールに基づいて、将来例を分類するためのコードを、さらに備え得る。
【0024】
[0029]図2は、本開示のある態様に従うシステム200の例となる実装を例証する。図2に例証されるように、システム200は、本明細書で説明される方法の様々な動作を実行し得る、多数のローカル処理ユニット202を有し得る。各ローカル処理ユニット202は、ローカル状態メモリ204、およびニューラルネットワークのパラメータを記憶し得るローカルパラメータメモリ206を備え得る。加えて、ローカル処理ユニット202は、ローカルモデルプログラムを記憶するためのローカル(ニューロン)モデルプログラム(LMP)メモリ208、ローカル学習プログラムを記憶するためのローカル学習プログラム(LLP)メモリ210、およびローカル接続メモリ212を有し得る。さらにまた、図2に例証されるように、各ローカル処理ユニット202は、ローカル処理ユニットのローカルメモリ用の構成を供給するための構成プロセッサユニット214と、およびローカル処理ユニット202間のルーティングを行うルーティング接続処理ユニット216とインターフェースし得る。
【0025】
[0030]深層学習アーキテクチャは、各層中の抽象の連続的に高位レベルにおける入力を表わすために学習し、それにより入力データの有用な特徴表示を蓄積することによって、物体認識任務を実行し得る。このようにして、深層学習は、伝統的な機械学習の主要なボトルネックに対処する。深層学習の到来前には、物体認識問題への機械学習アプローチは、おそらくシャロー分類器と組み合わせて、人間がさらに作り上げた特徴に大きく依存してきたであろう。シャロー分類器は、そこにおいて、例えば、特徴ベクトル成分の重み付けされた合計が、入力がどのクラスに所属するかを予測するために、しきい値と比較され得る、2クラス線形分類器であり得る。人間がさらに作り上げた特徴は、領域専門知識を持ったエンジニアによる特定の問題領域にぴったり合ったテンプレートまたはカーネルであり得る。深層学習アーキテクチャは、これと対比して、人間のエンジニアが設計するであろうことと同様の特徴を表わすために学習し得るが、トレーニングを通して行う。さらにまた、深層ネットワークは、人間が考慮しなかったであろう、新しいタイプの特徴を表示し、認識するために学習し得る。
【0026】
[0031]深層学習アーキテクチャは、特徴の階層構造を学習し得る。例えば、視覚データで表わされる場合、第1の層は、例えば、入力ストリームにおけるエッジのような、単純な特徴を認識するように学習し得る。聴覚データで表わされる場合、第1の層は、特定の周波数におけるスペクトル電力を認識するように学習し得る。第1層の出力を入力として取る第2の層は、視覚データについての単純な形状、または聴覚データについての音の組み合わせのような、特徴の組み合わせを認識するように学習し得る。高位の層は、視覚データにおける複雑な形状、または聴覚データにおける言葉を表わすように学習し得る。さらに、高位の層は、共通の視覚物体または話された句を認識するように学習し得る。
【0027】
[0032]深層学習アーキテクチャは、自然な階層構造の構造を有する問題に適用されるとき、特に、うまく実行し得る。例えば、エンジン式乗り物の分類は、車輪、フロントガラス、および他の特徴を認識するように先ず学習することから利益を得る。これらの特徴は、自動車、トラック、および飛行機を認識するために、高位層において、異なる方法で結合され得る。
【0028】
[0033]ニューラルネットワークは、多様な接続性パターンで設計され得る。先行予測ネットワークにおいて、情報は、所与の層中の各ニューロンが、高位の層中のニューロンと交信しながら、低位から高位の層に伝達される。階層表示は、上述されたように、先行予測ネットワークの連続的な層中に築き上げられ得る。ニューラルネットワークはまた、回帰型またはフィードバック(また、トップダウンと呼ばれる)接続を有し得る。回帰型接続において、所与の層中のニューロンからの出力は、同一の層中の別のニューロンに交信される。回帰型アーキテクチャは、時間的に展開するパターンを認識するのに役立ち得る。所与の層中のニューロンから低位の層中のニューロンへの接続は、フィードバック(または、トップダウン)接続と呼ばれる。多数のフィードバック接続を持ったネットワークは、高位レベル概念の認識が、入力の特定の低レベルの特徴を差異化するのを助け得るとき、役立ち得る。
【0029】
[0034]1つの構成において、機械学習モデルは、物体の1以上の特徴ベクトルから、分類器のためのオフライントレーニングの最中に確立される第1の所定の決定境界までの距離を決定するために構成される。1つの構成において、1以上の特徴ベクトルは、オンライントレーニングの最中に受領される。モデルはまた、少なくとも距離の関数として、決定ルールを更新するために構成される。モデルは、更新された決定ルールに基づいて、将来例を分類するために、さらに構成される。モデルは、決定するための手段、更新するための手段、および/または、分類するための手段を含む。1つの態様において、決定するための手段、更新するための手段、および/または、分類するための手段は、汎用プロセッサ102、汎用プロセッサ102と関連付けられたプログラムメモリ、メモリブロック118、ローカル処理ユニット202、および/または、列挙された機能を実行するように構成されたルーティング接続処理ユニット216であり得る。別の構成において、前述された手段は、前述された手段によって列挙された機能を実行するように構成された任意のモジュールまたは任意の装置であり得る。
【0030】
[0035]本開示のある態様に従って、各ローカル処理ユニット202は、ネットワークの望ましい1以上の機能的特徴に基づいて、機械学習ネットワークのパラメータを決定し、決定されたパラメータがさらに適応され、調整され、および更新されるとき、望ましい機能的特徴に向けて、1以上の機能的特徴を発展させるように構成され得る。
【0031】
物体認識システムに対する決定境界の改善
[0036]以前論じられたように、オンライントレーニングの最中に、指紋読み取り器または虹彩スキャナのような読み取りデバイスは、物体が、トレーニングされたサンプルと合致かを決定し得る。さらにまた、いくつかの読み取りデバイスについて、物体が実際の物体であるか、あるいは改ざんされた物体であるかを読み取り器が決定し得るように、読み取り器を改善することが望ましい。例えば、物体は、指であり得る。よって、改ざんされた指は、実際の指ではない物体を指す。例えば、改ざんされた指は、埋め込まれた指紋を有するプラスティックの指のような、指紋を模倣するために使用される得る物体である。改ざんされた指は、偽の指と呼ばれ得る。
【0032】
[0037]従来のシステムにおいて、初期オフライントレーニングの最中に、初期決定境界を決定するために、肯定的な合致および否定的な合致が使用され得る。1つの構成において、初期決定境界は、例となるベクトル分類器を介して決定される。例となるベクトル分類器は、サポートベクトル機械(SVM)分類器であり得る。さらにまた、分類器は、線形分類器または非線形分類器であり得る。
【0033】
[0038]例となるベクトルは、境界を定義し得ることに留意されるべきである。すなわち、例となるベクトルは、決定境界を定義/決定する、特徴ベクトルのオフライン決定されたセットを指す。1つの例において、サポートベクトル機械について、例となるベクトルは、サポートベクトルかも知れない。さらにまた、特徴ベクトルは、指紋のような、各物体について決定されるベクトルを指す。追加的に、最小ベクトルは、距離Dminにおける特徴ベクトルを指し得る。
【0034】
[0039]追加的に、従来のシステムにおいて、決定境界は、指紋読み取り器が使用されるとき、オンライントレーニングで微調整され得る。図3は、指紋が実際の指からかを決定するための実際の例ベクトル(REV)と、指紋が偽の指からかを決定するために使用される偽の例ベクトル(FEV)との間の境界である、決定境界302の一次元の例を例証する。マージン最大化に基づいて、決定境界302は、実際の例ベクトルと、偽の例ベクトルとの中間に配置される。図3の例において、指が実際の例ベクトルと決定境界302との間で検出された場合、指は実際のものとして分類され得る。代替的に、指が決定境界302と偽の例ベクトルとの間に分類された場合、指は偽物として分類され得る。
【0035】
[0040]図4は、従来のデバイスにおいて、決定境界404のために、オンライントレーニングを使用する例を例証する。図4に指し示されるように、デバイスは、オンライントレーニングサンプルとして、複数の指紋Rを受領し得る。説明された複数の指紋は、受領した指紋に対応するベクトルであり得る。図4に指し示されるように、複数の指紋R1-R3は、実際の例ベクトルよりも、決定境界404からずっと遠くであり得る。よって、この例において、指紋R1-R3は、実際の例ベクトルからずっと遠いので、決定境界404は、調整されない。
【0036】
[0041]図5は、従来のデバイスにおいて、初期決定境界505のために、オンライントレーニングを使用する例を例証する。図5に指し示されるように、デバイスは、トレーニングのために、指紋Rを受領し得る。追加的に、図5に指し示されるように、指紋Rは、実際の例ベクトルよりも、初期決定境界505により近接し得る。よって、この例において、指紋Rは、初期決定境界により近接しているので、マージン最大化に基づいて、修正された決定境界508が、新しい指紋Rと偽の例ベクトルとの間の中間に位置されるように、初期決定境界505は、調整される。この例において、修正された決定境界508は、実際の例ベクトルよりも、偽の例ベクトルにより近接するように移動されているので、改ざんされた指が、真の指として、間違ってカテゴリー化され得る。このことは、ユーザの指へのスプーフィング境界を厳重にするためにオンライン指紋を使用することによる望ましい効果に反し得る。
【0037】
[0042]さらにまた、この例において、実際の例ベクトルの位置はまた、受領された指紋Rの位置に調整され得る。よって、この例において、調整された実際の例ベクトル(例えば、受領された指紋Rの位置)よりも、修正された決定境界508により近い後続の指紋テストサンプルが受領された場合、修正された決定境界508は、偽の例ベクトルに向かって、さらに移動され得る。
【0038】
[0043]従来のシステムは、オンライン使用に基づき、指紋読み取り器を微調整またはカスタム化しない。むしろ、従来のシステムは、オフライントレーニングされた決定境界を維持する。追加的に、または代替的に、従来のシステムは、オンライントレーニングにおける使用のために、否定的な例を含み得る。
【0039】
[0044]以前論じられたように、本開示の態様は、デバイス所有者の指のための分類境界改善することによって、偽の指が、真の指として分類される確率を減少することに向けられる。本説明は、指分類に関係するが、指は単に分類される物体の一例に過ぎないことに留意される。本開示は、いかなる他のタイプの物体にも、等しく適用する。
【0040】
[0045]1つの構成において、デバイスのための決定境界は、オンライントレーニングの最中に受領した肯定的な例を有する、毎日使用のような、増加した使用に基づいて、改善される。すなわち、オンライントレーニング例は、実際の指の肯定的な例であり得る。より具体的には、1つの構成において、オンライントレーニングの最中には、否定的な例は受領されない。改善された決定境界は、ある時間にわたって、より安全な指紋認識の結果となり得る。すなわち、デバイスは、誤りの読み取りを介して容易に妥協しない。
【0041】
[0046]本構成において、デバイスは、オフライントレーニングされた指紋認識器で初期化される。例として、オフライントレーニングは、指が実際のものか、または偽のものか決定するための、決定境界302(図3)を生成し得る。初期化の最中、距離(Dmin)は、無限大またはマイナス1のような、所定の値に設定される。追加的に、初期化の最中、受領した指紋の数Nは、ゼロに設定される。距離(Dmin)は、オンライントレーニングの最中に受領された指紋ベクトルと、決定境界との間の最近接距離である。距離(Dmin)は、最小ベクトル距離(Dmin)と呼ばれ得る。指紋ベクトルは、指紋特徴ベクトルと呼ばれ得る。
【0042】
[0047]初期化の後、ユーザは、トレーニングサンプルとして、複数の指紋を登録し得る。デバイスは、決定境界への各指紋の距離(Dfv)を計算し得る。例えば、デバイスは、距離(Dfv)を計算するために、各指紋特徴ベクトルと、決定境界超平面単位ベクトルとの内積を使用し得る。この構成において、決定境界に最近接である距離(Dfv)を有する受領された指紋が、新しいベクトルとして維持される。新しいベクトルは、オンラインで見られた最近接点(tightest point seen online)(TPSO)と呼ばれ得る。追加的に、1つの構成において、任意の以前にキャッシュされた指紋特徴ベクトルは、廃棄される。
【0043】
[0048]加えて、(Dmin)の値は、オンラインで見られた最近接点と関連した指紋距離(Dfv)に等しいように更新される。さらにまた、受領された指紋の数Nは、受領された指紋の数に基づいて、インクリメントされる。この構成において、オフライントレーニングされた例ベクトルは、維持され、修正された決定境界の方向を設定するために使用される。さらにまた、本構成において、オンラインで見られた最近接点および受領された指紋の数Nは、決定境界調整のために使用される。1つの構成において、オンラインで見られた最近接点は、実際の例ベクトルに関連付けられた決定境界側上の、観察された最小のDfvの値である。ほとんどのケースにおいて、受領された指紋の数Nは増加するので、初期決定境界への新しい指紋距離(Dfv)は、決定境界へのオンラインで見られた最近接点の距離(Dmin)プラスまたはマイナスデルタ値よりも大でなければならない。デルタ値の使用は、随意である。
【0044】
[0049]1つの構成において、修正された決定境界は、受領された指紋の数に基づいて、調整され得る、すなわち、受領された指紋の数が、しきい値よりも少ない場合、修正された決定境界に対する調整は、修正された決定境界が多くの量だけ調整されないように、抑制される。代替的に、修正された決定境界に対する調整の量は、受領された指紋の数が、しきい値よりも大きい場合、増加され得る。本構成において、特に、真の指、対誤りの指分類器について、デバイスは、受領された指紋と初期決定境界との間の最近接距離(Dmin)と、受領された指紋の数Nとの関数((Dmin-Mmin)×(1-1/N))に基づく量だけ、成功した真の指分類のために、修正された決定境界の位置を調整する。
【0045】
[0050]さらにまた、1つの構成において、ユーザが、成功裏に、ユーザの指紋を使用(例えば、成功した指紋認識および成功した真の指認識)するたびに、初期化に続く前述されたステップが繰り返される。
【0046】
[0051]図6Aは、本開示のある態様に従う、修正された決定境界を決定することの例を例証する。図6Aに指し示されるように、実際の例ベクトル(REV)、偽の例ベクトル(FEV)、および初期決定境界602は、オフライントレーニングに基づいて、特定される。初期化の後(例えば、オフライントレーニングが完了した後)で、デバイスは、テストのために、複数の指紋(R1-R3)を受領し得る。図6Aにおいて指し示されるように、デバイスは、各指紋サンプルと、初期決定境界602との間の値のセットに対する距離(Dfv1、Dfv2、Dfv3)を計算する。この例において、第1の指R1に対する距離(Dfv1)は、他の指紋(R2、R3)に対する距離(Dfv2、Dfv3)と比較して、初期決定境界602に最近接である。それゆえ、第1の指R1に対するベクトルは、オンラインで見られた最近接点として設定され、最小ベクトル距離(Dmin)は、第1の指R1の距離(Dfv1)に設定される。従って、図6Bにおいて指し示されるように、修正された決定境界604は、最小ベクトル距離(Dmin)の値および受領された指紋の数Nの値に基づいて、特定され得る。オフライントレーニングから計算された初期決定境界602はまた、維持されることに留意すべきである。
【0047】
[0052]1つの例において、オフライントレーニングされた境界(例えば、初期決定境界)への特徴ベクトル距離(Dfv)に対する特定されたマージン関数は:
fv>(Dmin-Mmin)×(1-1/N) (1)
である。
【0048】
[0053]式1において、Mminおよびkは、固定されたパラメータであり、ここで、Mminは、決定境界に最近接である、実際の例ベクトルからの最小マージンを制御し、kは、最小ベクトル距離(Dmin)が、初期決定境界に最近接である指紋特徴ベクトルへ移動する速さを制御する、設計パラメータである。本開示の態様に従って、実際のものとして分類される特徴ベクトルについて、式1は満たされるべきである。
【0049】
[0054]1つの構成において、登録指紋は、受領された指紋の数Nの初期値、および最小ベクトル距離(Dmin)を設定するために使用される。例えば、5個の指紋が登録された場合、Nは、5に等しく、最小ベクトル距離(Dmin)は、初期決定境界に最近接である指紋特徴ベクトルに設定される。1つの構成において、初期最小ベクトル距離(Dmin)は、無限大のような、特定の値を有し得る。最小ベクトル距離(Dmin)が特定の値を有するとき、Nがゼロの間、ゼロで割り算されることを回避するように、式1は、使用されない。むしろ、デフォルト境界(default boundary)が使用される。追加的に、一度、第1の有効な指紋が、以前論議した更新をトリガーすると、Nは、1より大きい、または等しいようにインクリメントされ、最小ベクトル距離(Dmin)は、有限な値であり、式1が満たされるとき、指紋は実際のものと考えられる。必須のマージンを、最小ベクトル距離(Dmin)に向かって増加することと、最小ベクトル距離(Dmin)または(Dmin-Mmin)において飽和することとについての異なる速さおよびトレードオフを有するであろう、他の式が、使用され得る。
【0050】
[0055]式1に指し示されたマージンの式に基づいて、受領された指紋の数Nが、しきい値よりも少ないとき、真の/改ざんされた指の分類器は、主として、初期決定境界に基づく。依然として、受領された指紋の数Nは、しきい値よりも大きいように増加するので、所有者の指特徴ベクトルの、より良い理解が得られる。よって、修正された決定境界は、所有者の指にカスタマイズするように調整される。決定境界の方向は、変化せず、むしろ、決定境界位置が変化する。それゆえ、オンライントレーニングにおける否定的な例が無いことは、ユーザの指に過剰適合すること、および境界方向を変化することによる、過度に有害な影響を有さない。
【0051】
[0056]よって、デバイス所有者が、デバイス所有者のデバイスをアンロックする、または他の目的のために、デバイス所有者の指紋を、成功裏に使用するたびに、真の指の分類器の決定境界は、実際のものである最近接の受領された指に移動される。
【0052】
[0057]図7は、特徴ベクトル距離に対する特定されたマージン関数を使用する例を、例証する。図7に指し示されるように、実際の例ベクトル(REV)および修正された決定境界704は、オンライントレーニングに基づいて、計算されてきた。初期決定境界702および偽の例ベクトル(FEV)はまた、図7に指し示されている。さらにまた、図7に指し示されように、実際の例ベクトル、修正された決定境界704、初期決定境界702、および偽の例ベクトルを決定した後、デバイスは、新しい指紋テストサンプルRを受領し得る。この例において、デバイスは、新しい指紋テストサンプルRに対する特徴ベクトル距離(Dfv)が、(Dmin-Mmin)×(1-1/N)より大きいかを決定する。ここで、Dminは、初期決定境界702への実際の例ベクトルの距離であり、Mminは、決定境界に最近接である、実際の例ベクトルからの最小マージンを制御し、(1-1/N)は、見られる指紋の数に基づく関数である。本構成において、有効と考えられるためには、指紋サンプルは、両方の境界702および704を超えるべきである。依然として、最小ベクトル距離(Dmin)がゼロに等しく、Mminが1に等しい場合、(Dmin-Mmin)は、マイナス1に等しく、境界は、702の右側にシフトされ得る。よって、1つの構成において、サンプルは、両方の境界を超えるべきである。別の構成において、指紋サンプルは、max(0、式1)の値が、ゼロより大きいか、または等しいかに基づく。
【0053】
[0058]すなわち、初期決定境界702は、真の/誤りの(例えば、実際の/偽の)、の1つ目のテストであり、修正された決定境界704は、真の/誤りの、または実際の/偽の、の2つ目のテストである。初期決定境界702および修正された決定境界704の両方を(例えば、両方の左に)超えることによって、サンプルを実際のものとして分類することが望ましい。1つの構成において、初期決定境界702、および/または、修正された決定境界704への距離が、決定され、距離は、max(0、式1)の値と比較される。max(0、式1)は、2つのテストを、以下のように結合する。式1が、ゼロより大きい場合、修正された決定境界704は、初期決定境界702の左となり、アクティブな境界制約である。追加的に、最小ベクトル距離(Dmin)がMminより小さいときに可能性があるが、式1が、ゼロより小さい場合、修正された決定境界704は、初期決定境界702の右となる。よって、初期決定境界702が、アクティブな境界制約である。
【0054】
[0059]以前論じられたように、オンライントレーニングの最中に、新しい指紋テストサンプルを受領するとき、新しい指紋テストサンプルRに対する特徴ベクトル距離(Dfv)が、(Dmin-Mmin)×(1-1/N)よりも大きいと決定された場合、新しい指紋テストサンプルRおよび初期決定境界702は、修正された決定境界704を決定するために使用される。特徴ベクトル距離(Dfv)は、指紋に対する特徴ベクトルから、オフライントレーニングされた決定境界までの距離である。特徴ベクトル距離は、境界の実際の側上であることに対して、肯定的な符号を、境界の誤りの側上であることに対して、否定的な符号を有し得る。
【0055】
[0060]別の例において、新しい指紋テストサンプルRは、新しい指紋テストサンプルRに対する特徴ベクトル距離(Dfv)が、(Dmin-Mmin)×(1-1/N)よりも小さい場合、拒否され得る。
【0056】
[0061]いくつかのケースにおいて、図7において指し示される例に基づいて、(1-1/N)が、ほぼ1であるように、受領された指紋の数Nが、しきい値より大きいとき、修正された決定境界704は、最小ベクトル距離(Dmin)となるように、左にシフトされる。依然として、修正された決定境界704および最小ベクトル距離(Dmin)間の距離を有することが望ましい。それゆえ、修正された決定境界704は、最小ベクトル距離(Dmin)の右に、Mminの量だけシフトされる。受領された指紋の数Nが、しきい値より少ないとき、修正された決定境界704は、(Dmin-Mmin)値を、(1-1/N)だけ減少させることによって、初期決定境界702に向かって、さらに右にシフトされる。
【0057】
[0062]いくつかのケースにおいて、外れ値(outlier)は、否定的な合致または肯定的な合致として使用され得る。1つの構成において、外れ値の影響を減らすために、外れ値が受領されたとき、受領された指紋と初期の決定境界との間の最近接距離(Dfv)からの、計算された最小ベクトル距離(Dmin)の代わりに、受領された指紋の距離(Dfv)が、累積の分布を決定するために、ソーティングされ得る。この構成において、受領された指紋の95パーセンタイル点が、最小ベクトル距離(Dmin)として使用される。
【0058】
[0063]すなわち、1つの構成において、デバイスは、受領された指紋の距離(Dfv)の全てを維持し、初期決定境界に最近接である距離(Dfv)の代わりに、95パーセンタイル最近接距離(Dfv)または98パーセンタイル最近接距離(Dfv)を選択する。95パーセンタイルおよび98パーセンタイルは、2つの異なる例である。勿論、他の値が企図されるので、本開示の態様は、95パーセンタイルおよび98パーセンタイルに限定されない。
【0059】
[0064]1つの構成において、100のような指紋特徴ベクトルの特定の数が維持される。よって、新しい指紋特徴ベクトルがテストに合格するとき、特定の値の数を維持するために指紋例ベクトルのうちの1つが、ランダムに廃棄される。値の数は、ランダムであり得る。
【0060】
[0065]別の構成において、初期決定境界に最近接の、k個の最近接指紋特徴ベクトルのような、特定の数の指紋特徴ベクトルが維持される。追加的に、この構成において、維持された指紋特徴ベクトルのうちの、初期決定境界から最遠隔の指紋特徴ベクトルが、最小ベクトル距離(Dmin)を決定するために使用される。この構成において、k-1個の他の指紋特徴ベクトルが、潜在的外れ値としてドロップされる。
【0061】
[0066]さらに別の構成において、最小ベクトル距離(Dmin)は、10パーセントのような、所与のパーセンテージよりは多く減少され得ない。よって、登録紋(registration print)の初期セットが初期の最小ベクトル距離(Dmin)を設定後、新しい最小ベクトル距離(Dmin)は、新しい最小ベクトル距離(Dmin)が、古い最小ベクトル距離(Dmin)の90パーセントより大きいまたは等しい場合にのみ更新される。いくつかのケースにおいて、外れ値はまばらであり得る一方、しばしば分布はより稠密である。よって、ある時間にわたって、最小ベクトル距離(Dmin)は、外れ値を廃棄しながら、徐々に増えるステップで、最小ベクトル距離(Dmin)を減らして行く一連の値を観察し得る。
【0062】
[0067]追加的に、または代替的に、デバイスは、所与の誤りの拒否率(FRR)を目標とするために、外部ループ(outer loop)を使用し得る。例えば、目標の誤りの拒否率は、2パーセントであり得る。よって、1つの構成において、ベースライン/オフライントレーニングされた決定境界を指紋が合格するたびに、指紋は、オンライン修正された境界に対して、その後テストされる。指紋が、オンライン修正された境界に基づいて合格する場合、距離は、値の98パーセントだけ増加される。1つの例において、100の指紋に対する修正された決定境界位置における指紋サンプルは、(98×合格)-(2×不合格)=0、または、不合格値=(98/2)×合格値のように、98回合格し、2回不合格であろう。この例において、平均して、修正された決定境界は、同一の位置にとどまる。修正された決定境界が、100回の試行にわたって余り移動しないように、値は、十分に小さく特定される。さらにまた、修正された決定境界が、合理的なトレーニング時間にわたって移動するように、値は、十分に大きく特定される。
【0063】
[0068]代替的に、修正された決定境界に基づいて、指紋が不合格する場合、距離は、値の2パーセントだけ減少される。本構成の内部ループは、2パーセントの誤りの拒否率に収束されるべきであり、初期決定境界より悪くなく、および/または、両方の境界に対してテストされるべきである。
【0064】
[0069]いくつかのケースにおいて、修正された決定境界は、偽の例ベクトルにより近く移動され得る。1つの構成において、25回の増加毎に、2回より多くの減少を許容しないように、修正された決定境界の減少に対して、限定は、特定され得る。別の構成において、1以上の増加があるまでは、更なる減少が防止されるように減少が限定される。減少は、修正された決定境界を、偽の例ベクトルにより近く移動させることを指す。
【0065】
[0070]別の構成において、生体のおよび真の紋の成功した分類のうち、2秒間のような特定の時間内での、生体の失敗(liveness failure)がある場合、修正された決定境界は、偽の例ベクトルに、より近く移動され得る。生体の分類器は、指が、実際の(例えば、生体の)指であるかを決定する。この構成において、短い連続的な(back-to-back)所定の時間において、複数の試みが生じる場合、失敗のケースは、最小ベクトル距離(Dmin)値を更新するために、あたかも成功のケースのように使用され得る。いくつかのケースにおいて、生体の失敗は、オフライントレーニングされたモデルより悪くは限定され得ない。追加的に、または代替的に、一般のケースについて、連続的な試みは、修正された決定境界を、偽の例ベクトルにより近く押し進め得る。
【0066】
[0071]いくつかのケースにおいて、修正された決定境界を、偽の例ベクトルにより近く押し進めることは望ましいかもしれない。1つの構成において、セキュリティー用途のような、いくつかのケースについて、修正された決定境界は、オフライントレーニングされた境界よりも、小さくすべきではない。例えば、最小ベクトル距離(Dmin)は、ゼロより大きいか、等しくあるべきである。非セキュリティー用途のような、他のケースについて、修正された決定境界は、オフライン境界を超えて移動され得る。例えば、最小ベクトル距離(Dmin)は、ゼロよりも小さくなり得る。
【0067】
[0072]別の構成において、修正された決定境界が、いかに早く改善されたかについての、パラメータ/モデルを選択するために、測定された距離(Dfv)の分散のような、サンプルの統計が使用され得る。例えば、距離(Dfv)が小さい分散を有する場合、Mminおよびkは、小であり得る。代替的に、距離(Dfv)が大きい分散を有する場合、Mminおよびkは、大であり得る。例えば、aおよびbの何らかの選択についての、k=a×var(R)+b、または他の関数、ここで、Rは、観察された特徴ベクトル距離のセットであり、表記法として、測定された距離(Dfv)を使用し得る。1の値が特定され得るとき、最小ベクトル距離(Dmin)が、1標準偏差よりも多く減少しないように、分散はまた、測定され、外れ値を検出するために使用され得る。
【0068】
[0073]いくつかのケースにおいて、分類器スコアに基づいて、修正された決定境界が適応され得る。いくつかのケースについて、指紋同一性が合致するかを決定するために、複数の分類器が使用される。よって、同一性合致に合格する最近接の紋に基づいて、最小ベクトル距離(Dmin)を加えるよりもむしろ、同一性分類器からの、分類器スコアまたは信頼度が、生体の分類器しきい値を適応するために使用される。すなわち、分類情報を使用することも望ましいであろう。
【0069】
[0074]特に、1つの構成において、指紋は、2以上の分類器を有し得る。第1の分類器は、指紋が有効なユーザからのものであるかを決定し得る。第2の分類器は、紋が、実際の指からのものであるかを決定し得る。よって、1つの構成において、両方の分類器が、共同で決定される。例えば、紋が、有効なユーザからのものであるとの強い信頼度がある場合、それは、より実際の指紋であり得る。それゆえ、指紋が、有効なユーザからのものである場合、指紋が、実際の、または偽の指からのものであるかを決定するための境界は、緩和され得る。1つの構成において、最小ベクトル距離(Dmin)は、同一性信頼度(C)が乗ぜられ、ここで、同一性信頼度は、ゼロから1の間であり、信頼度は、パラメータである。この例において、同一性信頼度が高いほど、生体の境界は緩い。
【0070】
[0075]同一性信頼度は、有効ユーザ分類器の正規化されたスコアである。すなわち、有効ユーザ分類器は、0と1との間のスコアCを提供し得え、ここで、1は、指紋が、有効なユーザ指紋に合致するとの高い信頼度を指し、0は、指紋が、有効なユーザ指紋に合致しないとの高い信頼度を指す。この構成において、第2の生体の分類器について、Dfvが、((1-C)×Dmin)より大である場合、指紋は実際のものである。
【0071】
[0076]1つの構成において、DminおよびN、k、およびMminのような、モデルパラメータは、中央位置にクラウドソース供給(crowd sourced)される。モデルパラメータは、すぐに使える(out of the box)誤りの拒否率/誤りの許容率性能を改善するために、既存のデバイスまたは新しいデバイスの何れかへ、押し出される。
【0072】
[0077]いくつかのケースにおいて、肯定的なクラス値については、日夜の相違や、夏から冬への相違のような、ある時間にわたる分散があり得る。1つの構成において、時間窓成分が特定され得る。別の構成において、最小ベクトル距離(Dmin)を決定するために指紋の数Nを使用することに加えて、または代替として、時間枠もまた、特定され得る。すなわち、ユーザが、ユーザの指を、2分間のような、ある時間枠において、1000回スワイプした場合、システムは、(1-1/N)項を使用することによって保護され得る前述された分散を受領していないであろう。よって、式1の(1-1/N)は、min(1、t/T)が乗ぜられ得、ここで、tおよびTは、異なる時間を定義する。例えば、Tは、365日であり、tは、第1のオンライン指紋が受領されてからの日数での時間である。よって、この例において、91日後は、t=91およびt/T=91/365~0.25である。それゆえ、(1-1/N)×min(1、t/T)=(1-1/N)×0.25。よって、Dfv>(Dmin-Mmin)×0.25×(1-1/N)は、修正された決定境界を決定する。別の例において、t=4000日の場合、min(1、4000/365)=1。従って、1年後、マージンは、本開示において以前論じられたマージンに基づいて、特定される。依然として、年(T)末前に、データを収集するために、追加のマージンが特定され得る。
【0073】
[0078]それゆえ、図7の例に基づいて、tが小さいとき、(1-1/N)と、min(1、t/T)との積は、ゼロに近く、初期決定境界702しきい値が使用される。依然として、tがTに接近するにつれ、(1-1/N)と、min(1、t/T)との積は、1となり、修正された決定境界704が使用される。
【0074】
[0079]前述された構成およびベースライン構成の両方について、受領された指紋の数Nが、受領した指紋しきい値よりも大、および/または、時間が、時間しきい値よりも大であるまで、式1は、初期決定境界702を使用し得ることに留意すべきであり、その点において、式1は、(Dmin-Mmin)を使用する。
【0075】
[0080]別の構成において、上述されたように、決定境界を移動する代わりに、初期オフライントレーニングされた決定境界を超える値に基づいて、現行のオンラインサンプル標準偏差および平均が計算される。特定の数の指紋を受領後、値が、オフライントレーニングされた境界に合格し、オンライン計算された平均距離値のオンラインコンピュータ標準偏差の数内であるかを決定するために、第2のテストが適用され得る。
【0076】
[0081]さらに別の構成において、修正された決定境界が、特定されたしきい値に近づく場合、オンライントレーニングは、停止される。例えば、(1-1/N)が、0.95より大きいとき、オンライントレーニングは、停止され得る。すなわち、条件が合うとき、トレーニングは、停止され得る。例えば、受領された指紋の数N、ある時間量の経過、最小ベクトル距離(Dmin)上のしきい値、および/または、他の適切な条件に基づいて、トレーニングは、停止され得る。
【0077】
[0082]さらにまた、誤りの拒否率を追跡するために、外部ループが使用され得る。特に、誤りの拒否率が、しきい値よりも大きい場合、誤りの拒否率は、リセットされる、または受領された指紋の数N、K、および/または、最小ベクトル距離(Dmin)が、減少される。すなわち、いくつかのケースにおいて、トレーニングが停止される場合、トレーニングを再開することが望ましいであろう。例えば、(上述されたように)外れ値に対してよりロバストであった構成が特定され得る。依然として、トレーニングは、外れ値を有する状態において、停止され得る。よって、いつトレーニングを再開するかを、トレーニングが、再開されるとき、何をするかを検出することが望ましいであろう。1つの例において、誤りの拒否率を追跡すること、および誤りの拒否率がしきい値を超えるかを決定することによって、トレーニングは再開され得る。
【0078】
[0083]いくつかのケースにおいて、トレーニングは、最初から再開(例えば、以前の情報を廃棄)され得る。別の構成において、トレーニングは、特定の点までトレーニングを巻き返すように、以前のトレーニング位置から再開され得る。巻き返しは、値をリセット、または値を減少し得る。別の構成において、停止するためのNしきい値またはTしきい値を増加することによって、停止するための基準を押し出すことによって、トレーニングは継続し得る。この例において、しきい値は、0.95から0.96まで増加し得る。Tしきい値は、(1-1/N)の値を指す。Nしきい値は、受領した指紋の数を指す。
【0079】
[0084]本開示の態様は、2値分類使用ケースに限定されず、他の使用に対して企図される。例えば、複数クラスの分類器において、典型的に、分類器境界のセットがある。例として、複数クラスの分類器は、歩行者、自動車、トラックを分類する3クラスの分類器である。本開示の態様は、オフライントレーニングされた分類器境界からの目標マージンを変化させ適応させるために使用され得る。さらにまた、本開示の態様は、指、指紋、および/または、指紋読み取り器に限定されない。勿論、本開示の態様はまた、物体(例えば、顔、虹彩、または任意の他の物体)の照合、および/または、物体に基づくトレーニングのための他の使用について、企図される。
【0080】
[0085]図8は、本開示の1つの態様に従う線形分類器の、オンライントレーニングのための方法800を指し示す。ブロック802において指し示されように、分類器は、物体の1以上の特徴ベクトルから、分類器のためのオフライントレーニングの最中に確立される第1の所定の決定境界までの距離を決定する。1以上の例が、オンライントレーニングの最中に観察される。ブロック804において指し示されように、1以上の距離の関数として、分類器は、決定ルールを更新する。追加的に、ブロック806において指し示されように、分類器は、更新された決定ルールに基づいて、将来例を分類する。
【0081】
[0086]図9は、本開示の態様に従う、線形分類器のオンライントレーニングのためのフロー図900を指し示す。図9において指し示されるように、ブロック902において、所定の決定境界が、オフライントレーニングの最中に確立される。以前論じられたように、所定の決定境界は、分類されるであろう物体の、実際の、および、偽の例を使用することによって、確立され得る。さらにまた、ブロック904において、物体は、オンライントレーニングの最中に受領される。追加的に、ブロック906において、デバイスは、所定の決定境界に基づいて、受領された物体が、実際の物体であるか、または偽の物体であるかを決定する。
【0082】
[0087]1つの構成において、物体が偽物の場合、受領された物体は、偽物として分類される(ブロック908)。追加的に、受領された物体が実物の場合、デバイスは、物体の特徴ベクトルから所定決定境界までの距離を決定する(ブロック910)。さらにまた、距離を決定した後、デバイスは、少なくとも距離の関数として、決定ルールを更新し得る(ブロック912)。最後に、更新された決定ルールに基づいて、将来の物体が分類される(ブロック914)。
【0083】
[0088]1つの構成において、機械学習モデルは、オンライントレーニングの最中に観察される物体の1以上の例から、分類器のためのオフライントレーニングの最中に確立される第1の所定の決定境界までの距離を決定し、距離の関数として決定ルールを更新し、更新された決定ルールに基づいて、将来例を分類するように構成される。モデルは、決定するための手段、更新するための手段、および/または、分類するための手段を含む。1つの態様において、決定するための手段、更新するための手段、および/または、分類するための手段は、汎用プロセッサ102、汎用プロセッサ102と関連付けられたプログラムメモリ、メモリブロック118、ローカル処理ユニット202、および/または、列挙された機能を実行するように構成されたルーティング接続処理ユニット216、であり得る。別の構成において、前述された手段は、前述された手段によって記載された機能を実行するように構成された任意のモジュールまたは任意の装置であり得る。
【0084】
[0089]本開示のある態様に従って、各ローカル処理ユニット202は、モデルの望ましい1以上の機能的特徴に基づいて、モデルのパラメータを決定し、決定されたパラメータが、さらに適応され、調節され、および更新されるとき、望ましい機能的特徴に向けて、1以上の機能的特徴を発展するように構成され得る。
【0085】
[0090]上述された方法のさまざまな動作は、対応する機能を実行することが可能な任意の適切な手段によって実行され得る。手段は、回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプロセッサを含むがそれらに限定されるわけではない、様々なハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントおよび/またはモジュールを含み得る。一般的に、動作が図中に例証されている場合、それらの動作は、同様に番号付けされている、対応する相応のミーンズプラスファンクションコンポーネントを有し得る。
【0086】
[0091]本明細書で使用される場合、「決定すること」という用語は、多種多様なアクションを包含する。例えば、「決定すること」は、計算すること、コンピュータで計算すること、処理すること、抽出すること、調査すること、検索すること(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造で検索すること)、突き止めること、およびそのようなものを含み得る。追加的に、「決定すること」は、受領すること(例えば、情報を受領すること)、アクセスすること(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)、およびそのようなものを含み得る。さらにまた、「決定すること」は、解決すること、選択すること、選ぶこと、確立すること、およびそのようなものを含み得る。
【0087】
[0092]本明細書で使用される場合、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」を指すフレーズは、単一のメンバを含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、およびa-b-cをカバーするように意図される。
【0088】
[0093]本開示に関連して説明された様々な例証的な論理ブロック、モジュールおよび回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ信号(FPGA)または他のプログラマブルロジックデバイス(PLD)、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネントあるいは本明細書で説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代替では、プロセッサは、任意の商業上入手可能なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラまたは状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1以上のマイクロプロセッサ、あるいはその他任意のそのような構成として実装され得る。
【0089】
[0094]本開示に関連して説明された方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、またはこれら2つの組み合わせにおいて、具現化され得る。ソフトウェアモジュールは、当該技術分野において知られている任意の形態の記憶媒体中に存在し得る。使用され得る記憶媒体のいくつかの例は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、消去可能なプログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブル読取専用メモリ(EEPROM(登録商標))、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD-ROM、等々を含む。ソフトウェアモジュールは、単一の命令、または多くの命令を備え得、いくつかの異なるコードセグメントにわたって、異なるプログラム間で、および複数の記憶媒体にわたって、分散され得る。記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、また、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合され得る。代替として、記憶媒体は、プロセッサと集積化され得る。
【0090】
[0095]本明細書で開示された方法は、説明された方法を達成するための1以上のステップまたはアクションを備える。方法のステップおよび/またはアクションは、特許請求の範囲から逸脱することなく互いに置き換えられ得る。言い換えれば、ステップまたはアクションの特定の順序が特定されない限り、特定のステップおよび/またはアクションの順序および/または使用は、特許請求の範囲から逸脱することなく変更され得る。
【0091】
[0096]説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせにおいて実装され得る。ハードウェアにおいて実装される場合、例となるハードウェア構成は、デバイス中に処理システムを備え得る。処理システムは、バスアーキテクチャで実装され得る。バスは、処理システムの特定のアプリケーションおよび全体的な設計制約に依存して、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含み得る。バスは、プロセッサ、機械可読媒体、およびバスインタフェースを含むさまざまな回路を共にリンクし得る。バスインタフェースは、特に、ネットワークアダプタを、バスを介して処理システムに接続するために使用され得る。ネットワークアダプタは、信号処理機能を実装するために使用され得る。ある態様について、ユーザインターフェース(例えば、キーパッド、ディスプレイ、マウス、ジョイスティック、等)もまた、バスに接続され得る。バスはまた、タイミングソース、周辺機器、電圧レギュレータ、電力管理回路、およびそのようなもの、のような様々な他の回路をリンクさせ得、これらは、当該技術において周知であるので、これ以上説明されない。
【0092】
[0097]プロセッサは、バスの管理と、機械可読媒体上に記憶されたソフトウェアの実行を含む汎用処理とを担い得る。プロセッサは、1以上の汎用および/または専用プロセッサを用いて実装され得る。例は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサ、およびソフトウェアを実行することができるその他の回路を含む。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはその他の方法で呼ばれるかにかかわらず、命令、データ、またはこれらの任意の組み合わせを意味するように広く解釈されるべきである。機械可読媒体は、例として、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取専用メモリ(ROM)、プログラマブル読取専用メモリ(PROM)、消去可能なプログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、または任意の他の適切な記憶媒体、あるいはそれらの組み合わせを含み得る。機械可読媒体は、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る。コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料を備え得る。
【0093】
[0098]ハードウェア実装において、機械可読媒体は、プロセッサとは別個の処理システムの一部であり得る。しかしながら、当業者が容易に理解するであろうように、機械可読媒体、またはその任意の部分は、処理システムの外部にあり得る。例として、機械可読媒体は、伝送回線、データによって変調されるキャリア波、および/またはデバイスとは別個のコンピュータ製品を含み、それら全ては、バスインタフェースを通じてプロセッサによってアクセスされ得る。代替的に、または加えて、機械可読媒体、またはその任意の部分は、キャッシュおよび/または汎用レジスタファイルでのケースでそうであり得るように、プロセッサに集積され得る。ローカルコンポーネントのような、説明された様々なコンポーネントは特定の位置を有するとして説明されているが、それらはまた、ある特定のコンポーネントが分散型コンピューティングシステムの一部として構成されるような様々な方法で構成され得る。
【0094】
[0099]処理システムは、プロセッサの機能性を提供する1以上のマイクロプロセッサと、機械可読媒体の少なくとも一部を提供する外部メモリとを有し、全てが外部バスアーキテクチャを通して他のサポート回路と共にリンクされている、汎用処理システムとして構成され得る。代替的に、処理システムは、本明細書で説明されるニューロンモデルおよびニューラルシステムのモデルを実装するために1以上の神経形態学的プロセッサを備え得る。別の代替として、処理システムは、プロセッサ、バスインタフェース、ユーザインターフェース、サポート回路、および単一のチップに集積化された機械可読媒体の少なくとも一部を有する特定用途向け集積回路(ASIC)で、あるいは、1以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)で、プログラムマブル論理デバイス(PLD)で、コントローラで、状態機械で、ゲート論理で、ディスクリートハードウェアコンポーネントで、または何らかの他の適切な回路で、あるいは本開示全体を通して説明されている様々な機能性を行うことができる回路の任意の組み合わせで実装され得る。当業者であれば、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課せられる全体的な設計制約に依存して、処理システムに関して説明された機能性を実装するのに最良の方法を認識するであろう。
【0095】
[00100]機械可読媒体は、多数のソフトウェアモジュールを備え得る。ソフトウェアモジュールは、プロセッサによって実行されるとき、さまざまな機能を処理システムに実行させる命令を含む。ソフトウェアモジュールは、送信モジュールおよび受信モジュールを含み得る。各ソフトウェアモジュールは、単一の記憶デバイス中に存在し得る、または、複数の記憶デバイスにわたって分散され得る。例として、ソフトウェアモジュールは、トリガリングイベントが生じたとき、ハードドライブからRAMにローディングされ得る。ソフトウェアモジュールの実行の最中、プロセッサは、アクセス速度を増加させるために、命令のうちのいくつかをキャッシュにローディングし得る。その後、1以上のキャッシュラインが、プロセッサによる実行のために汎用レジスタファイルにローディングされ得る。下記においてソフトウェアモジュールの機能性に言及するとき、そのような機能性は、そのソフトウェアモジュールから命令を実行するとき、プロセッサによって実装されるということが理解されるであろう。さらにまた、本開示の態様は、プロセッサ、コンピュータ、機械、またはそのような態様を実装する他のシステムの機能の改善の結果となることが認識されるべきである。
【0096】
[00101]ソフトウェア中で実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1以上の命令あるいはコードとして記憶または送信され得る。コンピュータ可読媒体は、1つの場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体とコンピュータ記憶媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、あるいは命令もしくはデータ構造の形で望ましいプログラムコードを搬送または記憶するために使用されることができ、コンピュータによってアクセスされることができる任意の他の媒体を備えることができる。加えて、任意の接続は適切にコンピュータ可読媒体と称され得る。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波のようなワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波のようなワイヤレス技術は、媒体の定義中に含まれる。本明細書で使用される場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多目的ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイ(登録商標)ディスクを含み、ここでディスク(disk)は、通常磁気的にデータを再生し、一方ディスク(disc)は、レーザーを用いて光学的にデータを再生する。よって、いくつかの態様において、コンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ可読媒体(例えば、有形媒体)を備え得る。加えて、他の態様について、コンピュータ可読媒体は、一時的なコンピュータ可読媒体(例えば、信号)を備え得る。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0097】
[00102]よって、ある態様は、本明細書で提示された動作を実行するためのコンピュータプログラム製品を備え得る。例えば、そのようなコンピュータプログラム製品は、その上に命令が記憶(および/または符号化)されたコンピュータ可読媒体を備え得、命令は、本明細書で説明される動作を実行するために、1以上のプロセッサによって実行可能である。
【0098】
[00103]さらに、本明細書で説明される方法および技法を実行するためのモジュールおよび/または他の適切な手段が、適用可能である場合、ユーザ端末および/または基地局によってダウンロードされ得る、および/またはそうでなければ、取得され得ることが認識されるべきである。例えば、そのようなデバイスは、本明細書で説明される方法を実行するための手段の転送を容易にするために、サーバに結合されることができる。代替的に、本明細書で説明される様々な方法は、記憶手段をデバイスに結合または提供する際にユーザ端末および/または基地局が様々な方法を取得することができるように、記憶手段(例えば、RAM、ROM、コンパクトディスク(CD)またはフロッピーディスクのような物理的記憶媒体、等)を介して提供されることができる。さらにまた、本明細書で説明される方法および技法をデバイスに提供するための任意の他の適した技法が利用されることができる。
【0099】
[00104]特許請求の範囲は、上記に例証されたとおりの構成およびコンポーネントに限定されないことが理解されるべきである。様々な修正、変更、および変形が、上述された方法および装置の配置、動作および詳細において、特許請求の範囲から逸脱することなく、なされ得る。
以下に、本出願時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]分類器のオンライントレーニングの方法であって、
前記方法は、
前記オンライントレーニングの最中に観察される物体の少なくとも1つの特徴ベクトルから、前記分類器のためのオフライントレーニングの最中に確立される第1の所定の決定境界までの距離を決定することと、
決定ルールを、少なくとも前記距離の関数として更新することと、
将来例を、前記更新された決定ルールに少なくとも部分的に基づいて、分類することとを備える、方法。
[付記2]前記関数は、多数の観察される肯定的な例、および/または、前記オンライントレーニングの開始から観察される時間の量、に少なくとも部分的にさらに基づく、請求項1に記載の方法。
[付記3]前記物体は、指紋、虹彩、および/または、顔である、請求項1に記載の方法。
[付記4]前記決定ルールは、第2の決定境界である、請求項1に記載の方法。
[付記5]多数の観察された肯定的な例に少なくとも部分的に基づいて、前記物体の前記少なくとも1つの特徴ベクトルと、前記第2の決定境界との間のマージンを減らすことをさらに備える、請求項4に記載の方法。
[付記6]前記決定ルールは、前記距離の測定された平均、および/または、分散、に少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の方法。
[付記7]新規のデータに少なくとも部分的に基づいて、前記決定ルールを反復的に更新することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
[付記8]状態の第1のセットに少なくとも部分的に基づいて、前記決定ルールに対する更新を停止することをさらに備える、請求項7に記載の方法。
[付記9]前記状態の第1のセットは、多数のサンプル、および/または、時間の量を少なくとも備える、請求項8に記載の方法。
[付記10]状態の第2のセットに少なくとも部分的に基づいて、前記決定ルールに対する更新を開始することをさらに備える、請求項8に記載の方法。
[付記11]前記状態の第2のセットは、誤りの拒否率を備える、請求項10に記載の方法。
[付記12]前記決定に対する更新を開始することは、少なくとも1つの学習した値を、再設定すること、再使用すること、または、バックアップすることを備える、請求項10に記載の方法。
[付記13]前記決定に対する更新を開始することは、前記状態の第1のセットを修正することを備える、請求項10に記載の方法。
[付記14]誤りの拒否率(FRR)を計算し、追跡すること、および、前記FRRに少なくとも部分的に基づいて、前記決定ルールをさらに更新すること、をさらに備える、請求項1に記載の方法。
[付記15]前記関数は、複数の距離を追跡することをさらに備え、前記決定ルールは、前記複数の距離の統計に少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の方法。
[付記16]分類器のオンライントレーニングのための装置であって、
前記装置は、
メモリユニットと、
前記メモリユニットに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記オンライントレーニングの最中に観察される物体の少なくとも1つの特徴ベクトルから、前記分類器のためのオフライントレーニングの最中に確立される第1の所定の決定境界までの距離を決定し、
決定ルールを、少なくとも前記距離の関数として更新し、
将来例を、前記更新された決定ルールに少なくとも部分的に基づいて、分類するように構成される、装置。
[付記17]前記関数は、多数の観察される肯定的な例、および/または、前記オンライントレーニングの開始から観察される時間の量、に少なくとも部分的にさらに基づく、請求項16に記載の装置。
[付記18]前記物体は、指紋、虹彩、および/または、顔である、請求項16に記載の装置。
[付記19]前記決定ルールは、第2の決定境界である、請求項16に記載の装置。
[付記20]前記少なくとも1つのプロセッサは、多数の観察された肯定的な例に少なくとも部分的に基づいて、前記物体の前記少なくとも1つの特徴ベクトルと、前記第2の決定境界との間のマージンを減らすようにさらに構成される、請求項19に記載の装置。
[付記21]前記決定ルールは、前記距離の測定された平均、および/または、分散、に少なくとも部分的に基づく、請求項16に記載の装置。
[付記22]前記少なくとも1つのプロセッサは、新規のデータに少なくとも部分的に基づいて、前記決定ルールを反復的に更新するようにさらに構成される、請求項16に記載の装置。
[付記23]前記少なくとも1つのプロセッサは、状態の第1のセットに少なくとも部分的に基づいて、前記決定ルールに対する更新を停止するようにさらに構成される、請求項22に記載の装置。
[付記24]前記状態の第1のセットは、多数のサンプル、および/または、時間の量を備える、請求項23に記載の装置。
[付記25]前記少なくとも1つのプロセッサは、状態の第2のセットに少なくとも部分的に基づいて、前記決定ルールに対する更新を開始するようにさらに構成される、請求項23に記載の装置。
[付記26]前記状態の第2のセットは、誤りの拒否率を備える、請求項25に記載の装置。
[付記27]前記少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの学習した値を、再設定すること、再使用すること、または、バックアップすることによって、前記決定ルールに対する更新を開始するようにさらに構成される、請求項25に記載の装置。
[付記28]前記少なくとも1つのプロセッサは、前記状態の第1のセットを修正することによって、前記決定ルールに対する更新を開始するようにさらに構成される、請求項25に記載の装置。
[付記29]前記少なくとも1つのプロセッサは、誤りの拒否率(FRR)を計算し、追跡し、および、前記FRRに少なくとも部分的に基づいて、前記決定ルールをさらに更新するようにさらに構成される、請求項16に記載の装置。
[付記30]前記少なくとも1つのプロセッサは、複数の距離を追跡するようにさらに構成され、前記決定ルールは、前記複数の距離の統計に少なくとも部分的に基づく、請求項16に記載の装置。
[付記31]プログラムコードが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記プログラムコードは、
プロセッサによって実行され、
前記オンライントレーニングの最中に観察される物体の少なくとも1つの特徴ベクトルから、分類器のためのオフライントレーニングの最中に確立される第1の所定の決定境界までの距離を決定するためのプログラムコードと、
決定ルールを、少なくとも前記距離の関数として更新するためのプログラムコードと、
将来例を、前記更新された決定ルールに少なくとも部分的に基づいて、分類するためのプログラムコードとを備える、非一時的コンピュータ可読媒体。
[付記32]分類器のオンライントレーニングのための装置であって、
前記方法は、
前記オンライントレーニングの最中に観察される物体の少なくとも1つの特徴ベクトルから、前記分類器のためのオフライントレーニングの最中に確立される第1の所定の決定境界までの距離を決定するための手段と、
決定ルールを、少なくとも前記距離の関数として更新するための手段と、
将来例を、前記更新された決定ルールに少なくとも部分的に基づいて、分類するための手段とを備える、装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9