(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】レジスタ
(51)【国際特許分類】
B60H 1/34 20060101AFI20231025BHJP
F24F 13/15 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
B60H1/34 611B
F24F13/15 B
(21)【出願番号】P 2019011176
(22)【出願日】2019-01-25
【審査請求日】2021-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】308016242
【氏名又は名称】豊和化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】奥野 勝章
(72)【発明者】
【氏名】石黒 英司
【審査官】五十嵐 公輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-023082(JP,A)
【文献】特開平05-072699(JP,A)
【文献】国際公開第2015/025416(WO,A1)
【文献】特開2000-318440(JP,A)
【文献】特開2016-130067(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0041048(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/34
F24F 13/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通風路と、収容部とが形成されたリテーナと、
前記収容部に収容され、前記収容部により保持されるサポート部材と、
板状に形成され、前記サポート部材により回転軸を保持され、前記通風路内において回転する複数のフィンと、
複数の前記フィンの各々に設けられたロッド軸を互いに連結するリンクロッドと、
を備え、
前記リンクロッドは、
前記収容部に収容され、
前記収容部は、
前記回転軸の位置に合わせて形成された凹部を有し、前記凹部内に前記回転軸を収容し、
前記回転軸は、
前記凹部との間に隙間を設けた状態で、前記サポート部材によって保持され、
前記リテーナは、
前記回転軸とは離間した状態で、前記サポート部材を介して前記回転軸を回転可能に保持
し、
前記回転軸は、
前記フィンの端面から外側へ突出して形成され、軸方向と直交する方向へ延びる連結部が形成され、
前記連結部は、
三角形状に形成され、3つの頂点のうち、2つの異なる頂点の各々に前記回転軸と前記ロッド軸が形成され、
前記フィンの平面に直交する方向を第1方向、前記回転軸の軸方向及び前記第1方向に直交する方向を第2方向とした場合、複数の前記フィンの各々の平面を、前記通風路を流れる空調空気の送風方向に沿わせたニュートラル状態において、前記ロッド軸は、前記第1方向及び前記第2方向の何れの方向においても前記回転軸とはずれた位置に設けられ、
複数の前記フィンは、
前記ニュートラル状態において、前記フィンの平面に直交する方向に並んで配置され、
前記サポート部材は、
前記フィンの端面と対向する内周面に係合部が形成され、
前記係合部は、
前記連結部における前記回転軸が設けられた頂点と、前記ロッド軸が設けられた頂点とを結ぶ端部と係合し、複数の前記フィンの回転範囲を一定の範囲に制限する、レジスタ。
【請求項2】
前記連結部は、
複数の前記フィンの各々に設けられ、
前記サポート部材は、
複数の前記係合部が形成され、
複数の前記係合部の各々は、
複数の前記連結部の各々の回転位置に合わせた位置に形成される、請求項1に記載のレジスタ。
【請求項3】
前記サポート部材は、
板状に形成された規制板を有し、前記収容部に形成された挿入穴に前記規制板を挿入した状態で、前記リテーナに対して固定される、請求項
1又は請求項2に記載のレジスタ。
【請求項4】
前記サポート部材は、
前記回転軸を挿入して回転可能に保持する貫通孔が形成される、請求項1
乃至請求項3の何れか1項に記載のレジスタ。
【請求項5】
前記ロッド軸は、
前記回転軸の軸方向と平行な方向で、且つ前記フィンの端面から外側へ向かう方向へ突出して形成される、請求項1乃至請求
項4の何れか1項に記載のレジスタ。
【請求項6】
前記サポート部材は、
前記フィンの端面から外側へ向かう方向において、前記連結部の位置よりも外側の位置において前記回転軸に取り付けられる、請求
項5に記載のレジスタ。
【請求項7】
複数の前記フィンのうちの一のフィンは、
軸方向の両側のそれぞれに形成された2つの端面のうち、前記回転軸が形成された端面とは反対側の端面に第2回転軸が設けられ、
前記第2回転軸は、
前記リテーナに形成された軸受け孔に挿入され、前記リテーナによって回転可能に保持され、
前記一のフィンは、
操作ノブが取り付けられ、
前記操作ノブは、
前記一のフィンを挿入するフィン挿入孔が形成され、1つの部材で構成される、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のレジスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、車両等に設けられる空調用のレジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の水平フィンを備え、複数の水平フィンをリンクロッドにより互いに連結したレジスタがある(例えば、特許文献1など)。特許文献1に記載されたレジスタは、複数の水平フィンをリテーナの通風路内に配置している。複数の水平フィンは、軸方向の一方側に取り付けられたリンクロッドによって互いに連結されている。操作ノブを操作して一つの水平フィンを回転させると、他の水平フィンが連動して回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リンクロッドを通風路内に配置した場合、通風路内を流れる風がリンクロッドに当たり通風抵抗が発生する。そこで、上記したレジスタでは、リテーナの内側に凹部を形成し、その凹部内にリンクロッドを配置している。これにより、リンクロッドによって生じる通風抵抗を低減している。しかしながら、送風の効率を向上させるために、さらなる通風抵抗の低減が望まれている。
【0005】
本願は、上記した課題を解消するためになされたものであり、通風抵抗の低減を図れるレジスタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本願は、通風路と、収容部とが形成されたリテーナと、前記収容部に収容され、前記収容部により保持されるサポート部材と、板状に形成され、前記サポート部材により回転軸を保持され、前記通風路内において回転する複数のフィンと、複数の前記フィンの各々に設けられたロッド軸を互いに連結するリンクロッドと、を備え、前記リンクロッドは、前記収容部に収容され、前記収容部は、前記回転軸の位置に合わせて形成された凹部を有し、前記凹部内に前記回転軸を収容し、前記回転軸は、前記凹部との間に隙間を設けた状態で、前記サポート部材によって保持され、前記リテーナは、前記回転軸とは離間した状態で、前記サポート部材を介して前記回転軸を回転可能に保持し、前記回転軸は、前記フィンの端面から外側へ突出して形成され、軸方向と直交する方向へ延びる連結部が形成され、前記連結部は、三角形状に形成され、3つの頂点のうち、2つの異なる頂点の各々に前記回転軸と前記ロッド軸が形成され、前記フィンの平面に直交する方向を第1方向、前記回転軸の軸方向及び前記第1方向に直交する方向を第2方向とした場合、複数の前記フィンの各々の平面を、前記通風路を流れる空調空気の送風方向に沿わせたニュートラル状態において、前記ロッド軸は、前記第1方向及び前記第2方向の何れの方向においても前記回転軸とはずれた位置に設けられ、複数の前記フィンは、前記ニュートラル状態において、前記フィンの平面に直交する方向に並んで配置され、前記サポート部材は、前記フィンの端面と対向する内周面に係合部が形成され、前記係合部は、前記連結部における前記回転軸が設けられた頂点と、前記ロッド軸が設けられた頂点とを結ぶ端部と係合し、複数の前記フィンの回転範囲を一定の範囲に制限する、レジスタを開示する。
【発明の効果】
【0007】
本開示のレジスタによれば、複数のフィンは、ロッド軸をリンクロッドにより連結されることで、連動して回転する。リンクロッドは、リテーナに形成された収容部内に収容される。これにより、リンクロッドを通風路内に配置しないことで、リンクロッドによって生じる通風抵抗をなくすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係るレジスタの斜視図である。
【
図2】レジスタの正面図であって、前面のベゼルを取り外した状態を示す図である。
【
図5】
図2に示すA-A線で切断した断面を示す断面図である。
【
図6】レジスタ内に配置された部材の分解斜視図である。
【
図13】複数の水平フィンを組み付けた状態の右前方斜視図である。
【
図14】複数の水平フィンを組み付けた状態の左前方斜視図である。
【
図15】複数の水平フィンを組み付けた状態の右後方斜視図である。
【
図16】複数の水平フィンを組み付けた状態の右側面図である。
【
図25】右側サポート部材とリンクロッドの金型内の成形状態を示す図である。
【
図26】第2実施形態の操作ノブと、中央水平フィンとの組み付けの状態を示す図である。
【
図27】中央水平フィンをリテーナへ組み付ける状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本願に係るレジスタを具体化した第一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、第1実施形態に係るレジスタ10の斜視図を示している。レジスタ10は、例えば、自動車の室内における前方に配置されたインスツルメントパネルに配置されるものであり、空調装置から供給される空気を車内へ吹き出すものである。レジスタ10は、例えば、樹脂により形成されている。
図2は、レジスタ10の正面図であって、前面のベゼル13を取り外した状態を示している。以下の説明では、
図1及び
図2に示すように、レジスタ10を正面から見た使用者の方向を基準として、上下、左右、前後を規定して説明する。また、前後方向については、レジスタ10内を流れる空気の方向に基づいて、後方を上流側、前方を下流側という場合がある。
【0010】
図1及び
図2に示すように、レジスタ10は、正面視において左右方向に若干だけ長い略正方形状をなしており、リテーナ11と、ベゼル13とを備えている。リテーナ11は、筒状をなし、断面を略正方形状に形成された通風路11Aを内部に有する。ベゼル13は、リテーナ11の前面に取り付けられており、略正方形状の空気吹出口13Aが形成された枠形状をなしている。
【0011】
図3は、レジスタ10の上面図を示している。
図4は、レジスタ10の下面図を示している。
図3及び
図4に示すように、ベゼル13は、上方端部と、下端部のそれぞれに設けられた被係合部13Bを、リテーナ11に形成された爪部11Bに係合させることで、リテーナ11に対して取り付けられている。
【0012】
図5は、
図2に示すA-A線で切断した断面(ベゼル13を取り付けた状態)を示している。
図5に示すように、リテーナ11の内部には、レジスタ10を構成する各種の部品が収納されている。
図1及び
図2に示すように、本実施形態のレジスタ10は、複数(図示例では3つ)の水平フィン15を備えている。水平フィン15は、リテーナ11におけるベゼル13を取り付ける前端部分に設けられ、空気吹出口13A内に配置されている。以下の説明では、
図1~
図5に示すように、水平フィン15の前端の位置と後端の位置とを上下方向において揃えた状態(以下、ニュートラル状態という場合がある)の方向を基準として水平フィン15について説明する。
【0013】
図6は、レジスタ10内に配置された部材の分解斜視図を示している。
図6に示すように、レジスタ10内には、複数の水平フィン15の他に、操作ノブ17、複数の垂直フィン19等が配置されている。3つの水平フィン15のうち、上下方向の中央に配置された水平フィン15には、操作ノブ17が取り付けられている。以下の説明では、
図6に示すように、操作ノブ17を取り付けられた水平フィン15を、他の水平フィン15と区別する場合、中央水平フィン15Aと称して説明する。また、複数の水平フィン15を総称する場合は、アルファベットを付さずに水平フィン15と称して説明する。
【0014】
図6に示すように、複数の水平フィン15の各々は、左右方向に長い略長方形の板状をなしている。水平フィン15は、上下方向において所定の厚みを有し、前後方向の幅を略一定としながら左右方向に延びる板状をなしている。操作ノブ17は、左右方向における中央水平フィン15Aの略中央部に取り付けられている。操作ノブ17は、前方側に配置された第1操作ノブ部17Aと、後方側に配置された第2操作ノブ部17Bとを備えている。第1及び第2操作ノブ部17A,17Bは、互いに組み合わせることで、フィン挿入孔17Cを有する操作ノブ17を構成する。第1操作ノブ部17Aは、爪部17Dを第2操作ノブ部17Bに嵌め込んだ状態で第2操作ノブ部17Bと固定されている。第1及び第2操作ノブ部17A,17Bは、フィン挿入孔17Cに中央水平フィン15Aを挿入した状態で中央水平フィン15Aに対して取り付けられ、左右方向へスライド移動可能となっている。
【0015】
複数の水平フィン15の上流側(後方側)には、複数(図示例では4つ)の垂直フィン19が配置されている。垂直フィン19は、上方向の端面に形成された回転軸19Aを上側軸受け部材21によって回転可能に保持されている。また、垂直フィン19は、下方の端面に形成された回転軸19Aを下側軸受け部材22によって回転可能に保持されている。上側軸受け部材21及び下側軸受け部材22は、リテーナ11に固定されている。複数の垂直フィン19は、上側軸受け部材21及び下側軸受け部材22に回転軸19Aを保持されることで、左右方向へ回転可能となっている。
【0016】
複数の垂直フィン19の各々に形成された垂直フィン用ロッド軸19Cは、垂直フィン用リンクロッド23によって互いに連結されている。複数の垂直フィン19は、垂直フィン用リンクロッド23によって互いに連動して左右方向へ回転する。また、複数の垂直フィン19のうち、一つの垂直フィン19には、前方側にギア19Bが形成されている。ギア19Bは、操作ノブ17の後方側(上流側)に形成されたギア17Eと歯合している。これにより、操作ノブ17を左右方向へスライドさせると、ギア19B,17Eにより駆動力が伝達され、操作ノブ17の移動方向に合わせて複数の垂直フィン19が回転する。複数の垂直フィン19を左右へ回転させることで、空気吹出口13Aから吹き出される空気の送風方向を左右方向へ変更することができる。
【0017】
(水平フィン15について)
また、複数の水平フィン15は、略同一形状となっている。このため、以下の説明では、中央水平フィン15Aについて主に説明し、他の水平フィン15についての説明を適宜省略する。
図7~
図12に示すように、中央水平フィン15Aは、第1及び第2回転軸31,32を備えている。第1及び第2回転軸31,32の各々は、中央水平フィン15Aの下流側端部であって、左右方向の両側のそれぞれに設けられている。第1回転軸31は、中央水平フィン15Aの右側端面33から左右方向の外側(右側)へ突出し、略円柱形状をなしている。第2回転軸32は、中央水平フィン15Aの左側端面34から外側(左側)へ突出し、略円柱形状をなしている。第1及び第2回転軸31,32は、左右方向、即ち、中央水平フィン15Aの長手方向に沿った回転軸を構成している。
【0018】
図13~
図16に示すように、複数の水平フィン15の第1回転軸31は、水平フィン15の右側に配置された右側サポート部材37によって回転可能に保持されている。右側サポート部材37は、左右方向に所定の厚みを有し、上下方向に長い形状をなしており、左右方向へ凹凸した形状が形成されている。
図17に示すように、右側サポート部材37には、水平フィン15の第1回転軸31の位置に合わせて3つの第1貫通孔37Aが形成されている。3つの第1貫通孔37Aは、右側サポート部材37を左右方向へ貫通している。第1貫通孔37Aの断面形状は、円形をなしている。
【0019】
図7~
図12に示すように、第1回転軸31の先端部(右側の端部)には、軸径を太くした先端係合部31Aが形成されている。先端係合部31Aは、先端係合部31Aよりも基端側(左側)に比べて太くなっており、第1貫通孔37Aに挿入されることで、第1貫通孔37Aに係合する。これにより、第1回転軸31は、第1貫通孔37Aからの抜けを抑制され、右側サポート部材37に対して回転可能に保持される。
【0020】
また、
図7~
図16に示すように、第1回転軸31には、連結部39が形成されている。連結部39は、第1回転軸31における右側サポート部材37を取り付ける位置よりも基端側(左側)に形成されている。連結部39は、第1回転軸31の軸方向(左右方向)と直交する方向へ延びる板状をなしている。連結部39は、第1回転軸31から上流側に向かうに従って、上下方向の幅を徐々に広げる略三角形状をなしている(
図11参照)。連結部39の後方側(上流側)の先端部には、ロッド軸41が形成されている。ロッド軸41は、第1回転軸31の軸方向(左右方向)と平行な方向で、且つ水平フィン15の右側端面33から外側(右側)に向かって突出し、略円柱形状をなしている。ロッド軸41は、略三角形状をなす連結部39の上流側(後方側)の端部であって、下方側の端部に形成されている。従って、本実施形態のロッド軸41は、上下方向及び前後方向において、第1回転軸31とはずれた位置(オフセットした位置)に配置されている。これにより、第1回転軸31及びロッド軸41を形成する金型の抜き動作を容易にすることができる。
【0021】
複数の水平フィン15の各々のロッド軸41は、リンクロッド43(
図13参照)によって互いに連結される。ロッド軸41の先端には、第1回転軸31と同様に、先端係合部41Aが形成されている。
図18に示すように、リンクロッド43は、上下方向に細長い薄い板状をなしている。リンクロッド43には、ロッド軸41の位置に合わせて3つのロッド穴43Aが形成されている。ロッド軸41は、先端係合部41Aをロッド穴43Aに挿入することで、ロッド穴43Aからの抜けを抑制され、リンクロッド43に対して回転可能に保持される。これにより、複数の水平フィン15のうち、一の水平フィン15が回転すると、他の水平フィン15が連動して回転する。
【0022】
図14及び
図15に示すように、右側サポート部材37には、係合部37Bが形成されている。係合部37Bは、水平フィン15の右側端面33と左右方向で対向する右側サポート部材37の内周面37Cに形成されている。内周面37Cには、3つの係合部37Bが形成されている。3つの係合部37Bの各々は、各水平フィン15の連結部39の下方となる位置に形成されている。係合部37Bは、内周面37Cから内側(左側)へ突出して形成され、連結部39と当接する位置に形成されている。連結部39は、水平フィン15を上下方向に向かって回転させるのに連動して上下方向へ回転する。3つの連結部39の各々は、ニュートラル状態から一定の範囲まで下方へ回転すると、係合部37Bの各々に対して上方側から係合する。また、中央水平フィン15Aと最も下側の水平フィン15に形成された連結部39は、ニュートラル状態から一定の範囲まで上方へ回転すると、上方に位置する係合部37Bに対して下方側から係合する。係合部37Bは、連結部39と係合することで、水平フィン15の上下方向の回転を規制する。これにより、水平フィン15は、回転範囲を一定の範囲に制限される。
【0023】
また、
図13~
図16に示すように、複数の水平フィン15の第2回転軸32は、水平フィン15の左側に配置された左側サポート部材45によって回転可能に保持されている。左側サポート部材45は、左右方向に所定の厚みを有し、上下方向に長い形状をなしており、左右方向へ凹凸した形状が形成されている。左側サポート部材45には、右側サポート部材37と同様に、水平フィン15の第2回転軸32の位置に合わせて3つの第2貫通孔45Aが形成されている。3つの第2貫通孔45Aは、左側サポート部材45を左右方向へ貫通する円形の穴である。第2回転軸32は、第2貫通孔45Aに挿入され、左側サポート部材45によって回転可能に保持されている。
【0024】
また、左側サポート部材45には、挿入部45Bが形成されている。挿入部45Bは、水平フィン15の左側端面34(
図12参照)と左右方向で対向する左側サポート部材45の内周面45Cに形成されている。挿入部45Bは、内周面45Cを左側へ凹設して形成されている。挿入部45Bの後方側(上流側)の部分は、開口している。中央水平フィン15Aには、左側端部の後方側に規制棒47が形成されている(
図7~
図10参照)。規制棒47は、中央水平フィン15Aの上面から上方へ突出した部分から左側へ突出し、円柱形状をなしている。
【0025】
挿入部45Bは、この中央水平フィン15Aの規制棒47の位置に合わせて形成され、規制棒47を挿入される。挿入部45Bの前面は、規制棒47の回転する軌跡に合わせて円弧上をなしている。中央水平フィン15Aが一定の範囲まで上方又は下方へ回転すると、規制棒47は、挿入部45Bの内壁に衝突し移動を規制される。これにより、水平フィン15は、回転範囲を一定の範囲に制限される。規制棒47及び挿入部45Bによって規制される回転範囲は、上記した係合部37Bと連結部39によって規制される範囲と一致している。従って、複数の水平フィン15は、右側の係合部37B及び左側の規制棒47の両方によって、回転範囲を制限される。
【0026】
中央水平フィン15Aは、操作ノブ17を操作されることで、上下方向へ回転する。また、他の水平フィン15は、リンクロッド43によって中央水平フィン15Aと連動して上下方向へ回転する。これにより、複数の水平フィン15は、連動して上下方向へ回転し、空気吹出口13Aから吹き出される空気の送風方向を上下方向に変更する。
【0027】
図19~
図21に示すように、リテーナ11の前端部における右側部分には、収容部51が形成されている。収容部51は、前面を開口させた略箱形形状をなしている。収容部51は、左右方向の幅を略一定とし、上下方向に長い箱形形状をなしている。
図22は、
図5の領域53を拡大した拡大図を示している。
図22に示すように、水平フィン15の右側に設けられた右側サポート部材37及びリンクロッド43は、この収容部51に収容されている。
【0028】
図13に示すように、右側サポート部材37の外周面には、2つの係合爪37Dが形成されている。
図19~
図21に示すように、収容部51の右側側壁52には、係合爪37Dの位置に合わせて2つの係合穴52Aが形成されている。
図23に示すように、右側サポート部材37は、係合爪37Dを係合穴52Aに係合させることで、右側側壁52(収容部51)に対して固定される。リテーナ11は、右側サポート部材37を介して水平フィン15の第1回転軸31を回転可能に保持する。また、右側サポート部材37の外周面には、規制板37Eが形成されている(
図13参照)。規制板37Eは、上下方向における右側サポート部材37の中央部よりも若干だけ下方の位置に形成され、上下方向に薄く、前後方向へ延びる板状をなしている。
図23に示すように、右側サポート部材37は、右側側壁52に形成された挿入穴52Bに規制板37Eを前方から挿入した状態で、リテーナ11に対して固定される。これにより、右側サポート部材37は、リテーナ11に対して位置ズレを抑制され、第1回転軸31のガタツキを抑制することができる。
【0029】
同様に、
図14に示すように、左側サポート部材45の外周面には、2つの係合爪45Dが形成されている。リテーナ11の前方側の左側の側壁には、係合爪45Dの位置に合わせて2つの係合穴11Cが形成されている(
図19参照)。
図24に示すように、左側サポート部材45は、係合爪45Dを係合穴11Cに係合させることで、リテーナ11に対して固定される。リテーナ11は、左側サポート部材45を介して水平フィン15の第2回転軸32を回転可能に保持する。また、左側サポート部材45の外周面には、規制板45Fが形成されている(
図14参照)。規制板45Fは、上下方向における左側サポート部材45の中央部よりも若干だけ上方の位置に形成され、上下方向に薄く、前後方向へ延びる板状をなしている。リテーナ11の前方側の左側の側壁には、規制板45Fの位置に合わせて挿入凹部11Fが凹設されている(
図19参照)。左側サポート部材45は、挿入凹部11Fに規制板45Fを前方から挿入した状態で、リテーナ11に対して固定される。また、左側サポート部材45は、後方側に設けられた2つの挿入板45E(
図14参照)をリテーナ11に形成された挿入穴11D(
図19参照)に前方から挿入した状態で、リテーナ11に対して固定される。これにより、左側サポート部材45は、リテーナ11に対して位置ズレを抑制され、第2回転軸32のガタツキを抑制することができる。
【0030】
図22に示すように、右側サポート部材37は、右側側壁52に対して固定されることで、収容部51内において、第1回転軸31、連結部39、ロッド軸41及びリンクロッド43を保持している。リンクロッド43は、左右方向において右側サポート部材37と略同位置に配置され、前後方向に沿った位置に配置されている。連結部39は、リンクロッド43、右側サポート部材37、先端係合部31Aの位置よりも内側(左側)に配置されている。従って、本実施形態の右側サポート部材37は、水平フィン15の右側端面33から外側(右側)へ向かう方向において、連結部39の位置よりも外側において第1回転軸31に対して取り付けられている。
【0031】
右側側壁52の内壁には、先端係合部31Aの位置に合わせて凹設された軸退避部52Cが形成されている。右側側壁52は、軸退避部52Cを形成されることで、先端係合部31Aとの接触を回避できる。これにより、第1回転軸31を、安定して回転させることができる。
【0032】
また、
図19~
図21に示すように、収容部51の左側側壁55には、第1回転軸31の位置に合わせて3つの凹部55Aが形成されている。凹部55Aは、左右方向から見た場合に、前方側を開口され、左側側壁55を後方へ切り欠いた形状をなしている。凹部55Aは、上下方向の幅を略一定とし、後端部を円弧形状に形成されている。
【0033】
図22に示すように、第1回転軸31の基端部31Bは、凹部55Aに収容されている。第1回転軸31は、前後方向及び上下方向において、凹部55Aとの間に隙間を設けた状態で、先端を右側サポート部材37によって保持されている。従って、本実施形態の水平フィン15は、リテーナ11と直接接触しておらず、右側サポート部材37を介してリテーナ11により間接的に保持されている。
【0034】
(2色成形と型内組み付けについて)
本実施形態のレジスタ10は、
図13~
図16に示す複数の部材を組み合わせたユニットを、2色成形の所謂型内組み付けによって成形されている。ここでいう型内組み付けとは、複数の部材を同一の金型によって形成した後に、この同一の金型内で組み立てまで行う成形方法である。本実施形態のレジスタ10では、
図13~
図16に示す3つの水平フィン15、右側サポート部材37、リンクロッド43、左側サポート部材45の6の部材を、2色成形の型内組み付けによって1つの部材としてサブアッシー化することができる。
【0035】
詳述すると、例えば、3つの水平フィン15は、ガラス入りのポリブチレンテレフタレート(PBT)などの合成樹脂によって成形されている。また、右側サポート部材37、左側サポート部材45、及びリンクロッド43は、例えば、エラストマーなどの合成樹脂によって成形されている。なお、水平フィン15、右側サポート部材37等の材料は、上記した樹脂に限らず、例えば、ABS樹脂でも良い。
【0036】
図25は、右側サポート部材37とリンクロッド43の金型内の成形状態を示している。
図25に示すように、例えば、ノズルから射出したエラストマーを、金型の1つのゲートから金型内へ流し込む。右側サポート部材37及びリンクロッド43は、ゲート痕57で接続された状態で成形される。金型をずらすことで、右側サポート部材37とリンクロッド43は分離される。また、別のゲートから射出したPBTにより成形した水平フィン15を移動させ、第1回転軸31を右側サポート部材37の第1貫通孔37Aに挿入させる。また、ロッド軸41をリンクロッド43のロッド穴43Aに挿入させる。また、第2回転軸32を左側サポート部材45の第2貫通孔45Aに挿入させる。これにより、右側サポート部材37、リンクロッド43及び左側サポート部材45を取り付け、3つの水平フィン15をサブアッシー化した部材を成形することができる。
【0037】
上記したように、本実施形態のレジスタ10では、サブアッシー化したこの部材(以下、ユニット部材という場合がある)を、リテーナ11の前面から嵌め込むことができる。右側サポート部材37及びリンクロッド43を収容部51内に収容させつつ、右側サポート部材37及び左側サポート部材45をリテーナ11に取り付ける。
【0038】
ここで、例えば、第1回転軸31を、リテーナ11に設けた軸受け部に嵌め込むような構造では、リテーナ11が水平フィン15に比べて大きいため、1つの型内で組み付ける型内組付が困難となる。また、複数の第1回転軸31の各々をリテーナ11に取り付ける作業や水平フィン15をリンクロッド43で連結する作業が発生し、作業内容が繁雑となる。これに対し、本実施形態の構造では、自動で組み付けサブアッシー化したユニット部材を、リテーナ11に取り付け可能な構造とすることで、水平フィン15のリテーナ11に対する組み付け性を飛躍的に向上させることができる。また、製造コストの低減を図ることができる。
【0039】
因みに、水平フィン15は、フィンの一例である。第1回転軸31は、回転軸の一例である。右側端面33は、端面の一例である。右側サポート部材37は、サポート部材の一例である。第1貫通孔37Aは、貫通孔の一例である。
【0040】
上記した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態のレジスタ10は、通風路11Aと、収容部51とが形成されたリテーナ11と、収容部51に収容され、収容部51により保持される右側サポート部材37と、板状に形成され、右側サポート部材37により第1回転軸31を保持され、通風路11A内において回転する複数の水平フィン15と、複数の水平フィン15の各々に設けられたロッド軸41を互いに連結するリンクロッド43と、を備える。リンクロッド43は、収容部51に収容される。
【0041】
これによれば、複数の水平フィン15は、ロッド軸41をリンクロッド43により連結されることで、連動して回転する。リンクロッド43は、リテーナ11に形成された収容部51内に収容される。これにより、リンクロッド43を通風路11A内に配置しないことで、リンクロッド43によって生じる通風抵抗をなくすことが可能となる。また、右側サポート部材37とリンクロッド43を収容部51内に配置し、通風路11A内から別の場所に隠すことで、レジスタ10を正面(運転者側)から見た場合の意匠性を向上させることが可能となる。
【0042】
また、複数の水平フィン15は、右側サポート部材37により保持される。リテーナ11は、右側サポート部材37を介して間接的に水平フィン15を保持することができる。例えば、複数の水平フィン15、右側サポート部材37、左側サポート部材45、リンクロッド43を、所謂、型内組み付けによって、射出成形後の型内において自動で組み付けることができる。複数の水平フィン15、右側サポート部材37、左側サポート部材45、リンクロッド43を、1つのユニット部材にまとめてサブアッシー化することができる。これにより、水平フィン15等を、リテーナ11に組み付ける組み付け性を向上させ、製造コストを低減できる。
【0043】
(2)また、右側サポート部材37は、第1回転軸31を挿入して回転可能に保持する第1貫通孔37Aが形成される。例えば、リテーナ11によって第1回転軸31を直接保持するため、リテーナ11の一部に軸受け部を切り欠いて形成した場合、軸受け部に挿入した第1回転軸31を、他の部材によって前方側から保持等する必要が生じる。このような構造では、軸受け部と他の部材の取り付け精度によっては、保持される第1回転軸31のガタツキが発生し、第1回転軸31へ付与される荷重の管理が困難となる。これに対し、本実施形態のレジスタ10では、右側サポート部材37の第1貫通孔37Aによってフィンの第1回転軸31を保持することで、第1回転軸31を安定して保持でき、第1回転軸31に付与される荷重の管理が容易となる。
【0044】
(3)また、第1回転軸31は、水平フィン15の右側端面33から外側へ突出して形成され、軸方向と直交する方向へ延びる連結部39が形成されている。ロッド軸41は、連結部39の先端部に形成され、第1回転軸31の軸方向(左右方向)と平行な方向で、且つ水平フィン15の右側端面33から外側(右側)へ向かう方向へ突出して形成されている。
【0045】
これによれば、右側サポート部材37を第1回転軸31に対して外側(右側)から組み付けることができる。また、リンクロッド43を、ロッド軸41に対して外側(右側)から組み付けることができる。これにより、組み付け性を向上させることができる。また、リンクロッド43と右側サポート部材37とを近接して配置することができ、例えば、1つのゲートから射出した合成樹脂により2つの部材をまとめて成形することができる。
【0046】
(4)また、右側サポート部材37は、水平フィン15の右側端面33から外側へ向かう方向において、連結部39の位置よりも外側(右側)の位置において第1回転軸31に取り付けられている(
図22参照)。これによれば、右側サポート部材37を、連結部39より外側に配置し、第1回転軸31に取り付けることができる。
【0047】
(5)また、右側サポート部材37には、水平フィン15の右側端面33と対向する内周面37Cに係合部37Bが形成されている。係合部37Bは、連結部39に係合することで、複数の水平フィン15の回転範囲を一定の範囲に制限する。これによれば、右側サポート部材37の係合部37Bと、連結部39とを係合させることで、複数の水平フィン15の回転範囲を、一定の範囲に制限することができる。複数の水平フィン15とリテーナ11との衝突を防ぐことが可能となる。
【0048】
(6)また、収容部51は、第1回転軸31の位置に合わせて形成された凹部55Aを有し、凹部55A内に第1回転軸31を収容している。第1回転軸31は、凹部55Aとの間に隙間を設けた状態で、右側サポート部材37によって保持されている。これによれば、リテーナ11は、収容部51の一部を凹設して形成した凹部55Aに第1回転軸31を収容する。回転軸19Aは、凹部55Aと離間した状態で配置されるため、リテーナ11との摩擦抵抗の発生を抑制される。
【0049】
(第2実施形態)
次に、本開示の第2実施形態について説明する。上記した第1実施形態のレジスタ10は、左側サポート部材45を備えていた。リテーナ11は、左側サポート部材45を介して水平フィン15の第2回転軸32を間接的に保持していた。これに対し、
図26及び
図27に示すように、第2実施形態のレジスタ10では、左側サポート部材45を備えておらず、リテーナ11によって第2回転軸32を直接保持する構造となっている。
【0050】
詳述すると、上記した第1実施形態の操作ノブ17は、第1操作ノブ部17Aと第2操作ノブ部17Bの2つの部材を組み合わせて構成されていた(
図6参照)。これに対し、第2実施形態の操作ノブ17は、1つの部材で一体的に成形されている。
図26に示すように、操作ノブ17は、中央水平フィン15Aを挿入するフィン挿入孔17Cが形成され、1つの部材として構成されている。また、中央水平フィン15Aの左側端部には、規制棒47(
図7参照)が形成されておらず、上面の凹凸をなくした形状となっている。中央水平フィン15Aは、操作ノブ17の右側から挿入され、操作ノブ17を取り付けられる。
【0051】
図27に示すように、水平フィン15の左側には、左側サポート部材45が配置されていない。リテーナ11には、3つの水平フィン15の第2回転軸32を挿入するための3つの軸受け孔11Eが形成されている。軸受け孔11Eは、リテーナ11の左側側壁の前端部であって、第2回転軸32の位置に合わせて3つ形成されている。
【0052】
第2実施形態のレジスタ10では、例えば、2色成形の型内組み付けによって、3つの水平フィン15、右側サポート部材37、リンクロッド43をサブアッシー化しユニット部材を成形する。次に、操作ノブ17に中央水平フィン15Aを挿入して、ユニット部材に操作ノブ17を取り付ける(
図26参照)。そして、
図27に示すように、3つの第2回転軸32を、軸受け孔11Eのそれぞれに挿入しつつ、右側サポート部材37を収容部51に嵌め込むことで、ユニット部材をリテーナ11に、即ち、水平フィン15をリテーナ11に取り付けることができる。このような構成では、左側サポート部材45をなくし必要な部材点数を減らしつつ、リテーナ11に対する水平フィン15の組み付け性を向上させることができる。
【0053】
上記した第2実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)複数の水平フィン15のうちの中央水平フィン15A(一のフィンの一例)は、軸方向の両側のそれぞれに形成された2つの端面(右側端面33、左側端面34)のうち、第1回転軸31が形成された右側端面33とは反対側の左側端面34に第2回転軸32が設けられる。第2回転軸32は、リテーナ11に形成された軸受け孔11Eに挿入され、リテーナ11によって回転可能に保持されている。中央水平フィン15Aは、操作ノブ17が取り付けられる。操作ノブ17は、中央水平フィン15Aを挿入するフィン挿入孔17Cが形成され、1つの部材で構成されている。
【0054】
これによれば、1つの部材で形成した操作ノブ17を、中央水平フィン15Aの一方側(左側)から挿入し、中央水平フィン15Aに対して取り付けることができる。そして、操作ノブ17を取り付けた中央水平フィン15Aを含む複数の水平フィン15の第2回転軸32を、リテーナ11の軸受け孔11Eに挿入することで、複数の水平フィン15をリテーナ11に取り付けることができる。これにより、操作ノブ17及び水平フィン15のリテーナ11に対する組み付け性を向上できる。また、リテーナ11によって第2回転軸32を直接保持するため、第2回転軸32を保持する左側サポート部材45などを設ける必要がなくなり、レジスタ10に必要な部材点数を減らし、製造コストの低減を図ることができる。
【0055】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記したレジスタ10の各部材の形状、形成する位置、形成する数は、一例である。例えば、水平フィン15の数は、3個に限らず、2枚又は4枚以上の複数個でも良い。また、レジスタ10は、水平フィン15を1枚だけ備える構成でも良い。また、収容部51の形状は、箱形形状に限らず、例えば、右側側壁52と、左側側壁55の2面の側壁を備え、前後方向に貫通した筒型形状でも良い。また、第1回転軸31は、先端係合部31Aを備えなくとも良い。
また、右側サポート部材37における第1回転軸31を保持する構造は、第1貫通孔37Aのような穴形状に限らない。例えば、右側サポート部材37の前端の一部を切り欠いて、第1回転軸31を前方から右側サポート部材37へ嵌め込む切り欠きを右側サポート部材37に設けても良い。
【0056】
また、ロッド軸41を、連結部39の先端に設けず、例えば、突出する連結部39の途中からロッド軸41を右側へ突出させても良い。
また、連結部39から左(内側)に向かって突出した棒を、第1回転軸31やロッド軸41として用いても良い。即ち、第1回転軸31やロッド軸41を、水平フィン15の右側端面33に向かう方向へ突出させても良い。この場合、右側サポート部材37を、連結部39の位置よりも内側(左側)の位置に配置できる。
また、収容部51の凹部55Aは、第1回転軸31と接触する構造でも良い。例えば、凹部55Aは、第1回転軸31の位置ズレに応じて第1回転軸31と接触し、第1回転軸31の位置ズレを抑制する構造でも良い。
【0057】
また、レジスタ10は、垂直フィン19を備えなくとも良い。
また、本願におけるフィンは、水平フィン15に限らず、垂直フィン19でも良い。この場合、垂直フィン19の上方の回転軸19Aを右側サポート部材37で保持するなどしても良い。また、レジスタ10を、水平フィン15を備えない構成(垂直フィン19のみを備える構成)にしても良い。
【符号の説明】
【0058】
10 レジスタ、11A 通風路、11E 軸受け孔、15 水平フィン(フィン)、17 操作ノブ、17C フィン挿入孔、31 第1回転軸(回転軸)、32 第2回転軸、33 右側端面(端面)、37 右側サポート部材(サポート部材)、37A 第1貫通孔(貫通孔)、37B 係合部、37C 内周面、39 連結部、41 ロッド軸、43 リンクロッド、51 収容部、55A 凹部。