(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/494 20060101AFI20231025BHJP
A61F 13/49 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
A61F13/494 111
A61F13/49 315Z
(21)【出願番号】P 2019122773
(22)【出願日】2019-07-01
【審査請求日】2022-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000110044
【氏名又は名称】株式会社リブドゥコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】福元 淳生
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-104173(JP,A)
【文献】特開2006-175022(JP,A)
【文献】特開2003-033395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
A61L 15/16-15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品であって、
バックシートとトップシートとの間に吸収コアが配置された、長手方向に延びるシート状の本体部と、
前記吸収コアの両側部近傍において前記トップシート側に設けられ、前記長手方向に延びる一対の側壁部と、
を備え、
各側壁部が、
前記長手方向に延びるとともに、前記長手方向における中央部において前記本体部と接合された基端部および前記本体部と非接合の先端部を有する側壁基部と、
前記中央部において前記側壁基部の前記先端部から分岐して延びる第1延出部および第2延出部と、
前記第1延出部および前記第2延出部に対して前記長手方向に沿って接合されるとともに前記長手方向に収縮することにより、前記中央部において前記側壁基部を起立させる第1延出部弾性部材および第2延出部弾性部材と、
を備え、
前記吸収性物品の自然収縮状態を形成した際に、前記中央部において、前記第1延出部が前記第2延出部に対して前記長手方向に垂直な幅方向の内側に配置され、かつ、前記第1延出部の先端が前記第2延出部の先端よりも前記本体部から離れ、
前記第1延出部および前記第2延出部が、前記中央部から前記長手方向における前記各側壁部の両端部まで延びており、前記各側壁部の前記両端部において、前記側壁基部を前記幅方向の内側に倒し、前記第1延出部を前記側壁基部または前記第2延出部と前記本体部との間に配置した状態で、前記側壁基部、前記第1延出部および前記第2延出部が前記本体部に重ねられることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
請求項1に記載の吸収性物品であって、
前記吸収性物品の自然収縮状態を形成した際に、前記第1延出部の前記先端が、前記側壁基部の前記先端部よりも前記幅方向の内側に位置することを特徴とする吸収性物品。
【請求項3】
吸収性物品であって、
バックシートとトップシートとの間に吸収コアが配置された、長手方向に延びるシート状の本体部と、
前記吸収コアの両側部近傍において前記トップシート側に設けられ、前記長手方向に延びる一対の側壁部と、
を備え、
各側壁部が、
前記長手方向に延びるとともに、前記長手方向における中央部において前記本体部と接合された基端部および前記本体部と非接合の先端部を有する側壁基部と、
前記中央部において前記側壁基部の前記先端部から分岐して延びる第1延出部および第2延出部と、
前記第1延出部および前記第2延出部に対して前記長手方向に沿って接合されるとともに前記長手方向に収縮することにより、前記中央部において前記側壁基部を起立させる第1延出部弾性部材および第2延出部弾性部材と、
を備え、
前記第2延出部弾性部材が、前記第2延出部の先端に設けられる第2糸状弾性要素を有し、
前記第1延出部弾性部材が、前記第1延出部の先端に設けられるとともに前記第2糸状弾性要素よりも収縮力が大きい第1糸状弾性要素を有し、
前記吸収性物品の自然収縮状態を形成した際に、前記中央部において、前記第1延出部が前記第2延出部に対して前記長手方向に垂直な幅方向の内側に配置され、かつ、前記第1延出部の
前記先端が前記第2延出部の
前記先端よりも前記本体部から離れ、さらに、前記第1延出部の前記先端が、前記側壁基部の前記先端部よりも前記幅方向の内側に位置し、前記第2延出部の前記先端が、前記側壁基部の前記先端部よりも前記幅方向の外側に位置
し、前記長手方向に垂直な断面において前記第1延出部が前記側壁基部の前記先端部から前記先端まで折れ曲がることなく延びることを特徴とする吸収性物品。
【請求項4】
請求項3に記載の吸収性物品であって、
前記第1延出部および前記第2延出部が、前記中央部から前記長手方向における前記各側壁部の両端部まで延びており、前記各側壁部の前記両端部において、前記側壁基部の前記先端部から前記第1延出部が前記幅方向の一方側に広がり、前記第2延出部が前記幅方向の他方側に広がった状態で、前記側壁基部、前記第1延出部および前記第2延出部が前記本体部に重ねられることを特徴とする吸収性物品。
【請求項5】
請求項1ないし
4のいずれか1つに記載の吸収性物品であって、
前記側壁基部の前記先端部から前記第1延出部の前記先端までの長さが、前記側壁基部の前記先端部から前記第2延出部の前記先端までの長さよりも大きいことを特徴とする吸収性物品。
【請求項6】
請求項1ないし
5のいずれか1つに記載の吸収性物品であって、
前記第2延出部の剛性が、前記第1延出部の剛性よりも大きいことを特徴とする吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、両側部上に一対の側壁部を設けた吸収性物品が実用化されている。例えば、特許文献1では、側壁部(防漏壁)が、表面層から起立する側壁基部(基壁部)と、側壁基部の先端部近傍から幅方向外方に延出する第1延出部および第2延出部とを有する。第1延出部および第2延出部のそれぞれには、複数の弾性部材が吸収性物品の長手方向に沿うように配設される。また、第1延出部よりも下方側に配置される第2延出部の剛性が、第1延出部の剛性よりも大きくされ、第2延出部が着用者の鼠径部近傍に当接する。
【0003】
なお、特許文献2では、第1カフおよび第2カフを有する二重カフが開示されている。第1カフおよび第2カフは、おむつとの結合位置を基端部としてそれぞれ立ち上がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-178274号公報
【文献】特表2007-531587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の側壁部では、第2延出部の先端が第1延出部の先端よりも上方(着用者側)に位置することで、第2延出部と着用者の身体との接触性が向上する。しかしながら、第2延出部が幅方向外側に過度に倒れ、尿等の排泄物の横漏れが生じ易くなる可能性がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、吸収性物品において横漏れをより確実に抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、吸収性物品であって、バックシートとトップシートとの間に吸収コアが配置された、長手方向に延びるシート状の本体部と、前記吸収コアの両側部近傍において前記トップシート側に設けられ、前記長手方向に延びる一対の側壁部とを備え、各側壁部が、前記長手方向に延びるとともに、前記長手方向における中央部において前記本体部と接合された基端部および前記本体部と非接合の先端部を有する側壁基部と、前記中央部において前記側壁基部の前記先端部から分岐して延びる第1延出部および第2延出部と、前記第1延出部および前記第2延出部に対して前記長手方向に沿って接合されるとともに前記長手方向に収縮することにより、前記中央部において前記側壁基部を起立させる第1延出部弾性部材および第2延出部弾性部材とを備え、前記吸収性物品の自然収縮状態を形成した際に、前記中央部において、前記第1延出部が前記第2延出部に対して前記長手方向に垂直な幅方向の内側に配置され、かつ、前記第1延出部の先端が前記第2延出部の先端よりも前記本体部から離れ、前記第1延出部および前記第2延出部が、前記中央部から前記長手方向における前記各側壁部の両端部まで延びており、前記各側壁部の前記両端部において、前記側壁基部を前記幅方向の内側に倒し、前記第1延出部を前記側壁基部または前記第2延出部と前記本体部との間に配置した状態で、前記側壁基部、前記第1延出部および前記第2延出部が前記本体部に重ねられる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の吸収性物品であって、前記吸収性物品の自然収縮状態を形成した際に、前記第1延出部の前記先端が、前記側壁基部の前記先端部よりも前記幅方向の内側に位置する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、吸収性物品であって、バックシートとトップシートとの間に吸収コアが配置された、長手方向に延びるシート状の本体部と、前記吸収コアの両側部近傍において前記トップシート側に設けられ、前記長手方向に延びる一対の側壁部とを備え、各側壁部が、前記長手方向に延びるとともに、前記長手方向における中央部において前記本体部と接合された基端部および前記本体部と非接合の先端部を有する側壁基部と、前記中央部において前記側壁基部の前記先端部から分岐して延びる第1延出部および第2延出部と、前記第1延出部および前記第2延出部に対して前記長手方向に沿って接合されるとともに前記長手方向に収縮することにより、前記中央部において前記側壁基部を起立させる第1延出部弾性部材および第2延出部弾性部材とを備え、前記第2延出部弾性部材が、前記第2延出部の先端に設けられる第2糸状弾性要素を有し、前記第1延出部弾性部材が、前記第1延出部の先端に設けられるとともに前記第2糸状弾性要素よりも収縮力が大きい第1糸状弾性要素を有し、前記吸収性物品の自然収縮状態を形成した際に、前記中央部において、前記第1延出部が前記第2延出部に対して前記長手方向に垂直な幅方向の内側に配置され、かつ、前記第1延出部の前記先端が前記第2延出部の前記先端よりも前記本体部から離れ、さらに、前記第1延出部の前記先端が、前記側壁基部の前記先端部よりも前記幅方向の内側に位置し、前記第2延出部の前記先端が、前記側壁基部の前記先端部よりも前記幅方向の外側に位置し、前記長手方向に垂直な断面において前記第1延出部が前記側壁基部の前記先端部から前記先端まで折れ曲がることなく延びる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の吸収性物品であって、前記第1延出部および前記第2延出部が、前記中央部から前記長手方向における前記各側壁部の両端部まで延びており、前記各側壁部の前記両端部において、前記側壁基部の前記先端部から前記第1延出部が前記幅方向の一方側に広がり、前記第2延出部が前記幅方向の他方側に広がった状態で、前記側壁基部、前記第1延出部および前記第2延出部が前記本体部に重ねられる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の吸収性物品であって、前記側壁基部の前記先端部から前記第1延出部の前記先端までの長さが、前記側壁基部の前記先端部から前記第2延出部の前記先端までの長さよりも大きい。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の吸収性物品であって、前記第2延出部の剛性が、前記第1延出部の剛性よりも大きい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1延出部が幅方向外側に倒れることを第2延出部により抑制して、横漏れをより確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図5】吸収性物品の他の例の前方部における断面図である。
【
図6】吸収性物品の他の例の股下部における断面図である。
【
図7】吸収性物品の他の例の前方部における断面図である。
【
図8】吸収性物品の他の例の前方部における断面図である。
【
図9】吸収性物品の他の例の股下部における断面図である。
【
図10】吸収性物品の他の例の前方部における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の一の実施の形態に係る使い捨て吸収性物品1を広げた状態にて示す平面図である。
図2は、使い捨て吸収性物品1を
図1中のII-IIの位置で長手方向(すなわち、
図1中における上下方向)に垂直な面で切断した断面図であり、
図3は、使い捨て吸収性物品1を
図1中のIII-IIIの位置で長手方向に垂直な面で切断した断面図である。
図2および
図3は、後述の股下部202および前方部201における断面をそれぞれ示す。
図2および
図3では、図示の都合上、使い捨て吸収性物品1の各構成を積層方向(厚さ方向)に離して描いている(使い捨て吸収性物品1の断面を示す他の図において同様)。
【0017】
以下の説明では、使い捨て吸収性物品1を、単に「吸収性物品1」と呼ぶ。吸収性物品1は、着用者の腹側に接触する部位と背側に接触する部位とを、左右両側の接続部11により腰周りで止着して着用するテープタイプの使い捨ておむつである。吸収性物品1は、着用者からの排泄物を受ける。
図1では、着用時に着用者に接触する側(すなわち、着用者側)の面を手前にして吸収性物品1を描いている。
【0018】
吸収性物品1は、長手方向に延びる略シート状の本体部2と、一対のサイドシート3とを備える。一対のサイドシート3は、本体部2の両側部(すなわち、長手方向に垂直な幅方向の両側の端部)上において本体部2の長手方向に延びる。
図1に示す例では、一対のサイドシート3は、本体部2の長手方向のおよそ全長に亘って配置される。
【0019】
吸収性物品1では、
図1中における上側の部位201および下側の部位203がそれぞれ、着用者の腹側および背側の肌に接触する。以下の説明では、当該部位201,203をそれぞれ、「前方部201」および「後方部203」と呼ぶ。また、前方部201と後方部203との間において前方部201および後方部203から連続する部位202を「股下部202」と呼ぶ。股下部202は、着用者の股間部に対向する。吸収性物品1は、前方部201、股下部202および後方部203を長手方向に順に有する。
図1に示す例では、前方部201および後方部203の幅方向の幅(以下、単に「幅」ともいう。)は、股下部202の幅よりも大きい。換言すれば、吸収性物品1は、平面視において、いわゆる砂時計型である。
【0020】
吸収性物品1は、後方部203の両側部に設けられた一対の接続部11をさらに備える。吸収性物品1を着用者に装着する際には、前方部201および後方部203をそれぞれ着用者の腹側および背側に接触させた状態で、
図4に示すように、一対の接続部11が、前方部201の外面(すなわち、着用者に接触する面とは反対側の面)の被止着部26に止着される。これにより、後方部203の両側部が前方部201の両側部に接続される。
【0021】
被止着部26は、後述するバックシート23の外面(すなわち、着用者とは反対側の面)上にホットメルト接着剤等により接合される面ファスナのループ部材である。被止着部26は、微細ループ構造を有する。微細ループ構造とは、多数の微細なループ要素の集合を意味する。一対の接続部11の内面には、例えば、被止着部26に対して止着可能な面ファスナのフック部材が設けられる。接続部11の内面とは、吸収性物品1を着用者に装着した状態で、前方部201の外面に対向する面である。当該フック部材は、微細フック構造を有する。微細フック構造とは、多数の微細なフック要素の集合を意味する。
【0022】
図1ないし
図3に示すように、本体部2は、トップシート21と、吸収コア22と、バックシート23とを備える。トップシート21は、透液性のシート部材である。バックシート23は、撥液性または不透液性のシート部材である。吸収コア22は、長手方向に延びる略シート状であり、トップシート21とバックシート23との間に配置される。吸収コア22の着用者側の主面がトップシート21により覆われる。吸収コア22の他方の主面、すなわち、着用者とは反対側の主面がバックシート23により覆われる。
【0023】
図1では、図の理解を容易にするために、吸収コア22の輪郭を太い破線にて描いている。
図1に示す例では、前方部201および後方部203における吸収コア22の幅は、股下部202における吸収コア22の幅よりも大きい。換言すれば、吸収コア22は、平面視において、いわゆる砂時計型である。もちろん、吸収コア22の形状は任意に変更されてよい。
【0024】
トップシート21は、吸収コア22の周りにおいてバックシート23に固定される。トップシート21とバックシート23との固定は、例えば、ホットメルト接着剤を介して行われる。トップシート21とバックシート23との固定は、熱融着接合や超音波接合等により行われてもよい。
図2に示す例では、トップシート21の幅は、バックシート23の幅よりも小さく、バックシート23の両側部は、トップシート21の両側縁から幅方向外側に延出している。
【0025】
トップシート21は、着用者からの排泄物の水分を速やかに捕捉し、当該水分を吸収コア22へと移動させる。吸収コア22は、トップシート21を透過した水分(すなわち、着用者からの排泄物の水分)を吸収して固定する。バックシート23は、バックシート23に到達した排泄物の水分等が、本体部2の外部にしみ出すことを防止する。
【0026】
図1に示すように、本体部2の長手方向の両端部では、幅方向に延びる弾性部材25が、トップシート21とバックシート23との間にホットメルト接着剤等により伸張状態にて接合される。弾性部材25は、幅方向に延びる少なくとも1本の弾性要素を含む。弾性部材25が収縮することによりウエストギャザーが形成され、吸収性物品1の着用時に本体部2が着用者の腰周りに密着する。
【0027】
一対のサイドシート3のそれぞれは、撥液性または不透液性のサイドシート本体31と、弾性部材32とを備える。サイドシート本体31は、固定部33と、側壁部4とを備える。固定部33は、トップシート21の側部上、および、バックシート23のトップシート21から幅方向外側に延出する側部上に固定される。固定部33とトップシート21およびバックシート23との固定は、ホットメルト接着剤等の接着剤を介して行われる。
図2および
図3では、固定部33とトップシート21との間の接着剤49を平行斜線を付して示している。固定部33とトップシート21およびバックシート23との固定は、例えば、熱融着接合や超音波接合等により行われてもよい。側壁部4は、固定部33の幅方向内側に連続し、固定部33と共に長手方向に延びる。吸収性物品1では、一対の側壁部4が、吸収コア22の両側部近傍においてトップシート21側に設けられる。側壁部4の詳細については後述する。
【0028】
股下部202における本体部2の側部では、長手方向に延びる弾性部材32が、固定部33とバックシート23との間にホットメルト接着剤等により伸張状態にて接合される。弾性部材32は、長手方向に延びる少なくとも1本の弾性要素を含む。弾性部材32が収縮することにより、固定部33およびバックシート23が着用者側に向かって立ち上がり、着用者の脚の付け根近傍に密着するレッグギャザーとなる。トップシート21の形状によっては、弾性部材32が、トップシート21と固定部33またはバックシート23との間に配置されてもよい。
【0029】
吸収コア22は、例えば、粒状または繊維状の高吸収性材料、および、親水性繊維の集合体のうち、少なくとも一方を吸収材として含む。当該高吸収性材料としては、例えば、粒状の高吸収性ポリマー(SAP(Super Absorbent Polymer))、または、繊維状の高吸収性ファイバー(SAF(Super Absorbent Fiber))が利用される。当該親水性繊維の集合体は、例えば、粉砕されたパルプ繊維またはセルロース繊維により形成される。
【0030】
図2および
図3に示す例では、吸収コア22は、上述の親水性繊維の集合体に粒状のSAPを混合したものを、ティッシュペーパーまたは透液性不織布等により包み込むことにより形成される。これにより、親水性繊維の集合体の型崩れ、および、SAPの脱落(特に、吸液後における脱落)を防止することができる。
【0031】
トップシート21は、例えば、透液性の不織布により形成される。当該不織布は、例えば、表面が界面活性剤により親水処理された疎水性繊維(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等)により形成される。当該不織布は、セルロース、レーヨンまたはコットン等の親水性繊維により形成されてもよい。当該不織布は、例えば、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布またはスパンレース不織布等である。
【0032】
バックシート23は、例えば、疎水性繊維により形成された不透液性もしくは撥液性の不織布(スパンボンド不織布、メルトブロー不織布またはSMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布等)、または、不透液性もしくは撥液性のプラスチックフィルムにより形成される。バックシート23は、当該不織布と当該プラスチックフィルムとの積層体であってもよい。バックシート23にプラスチックフィルムが利用される場合、吸収性物品1のムレを防止して着用者の快適性を向上するという観点からは、透湿性(すなわち、通気性)を有するプラスチックフィルムが利用されることが好ましい。
【0033】
サイドシート本体31は、例えば、疎水性繊維にて形成された不透液性または撥液性の不織布(エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布またはSMS不織布等)により形成される。弾性部材25,32の弾性要素としては、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、または、糸状もしくは帯状の天然ゴム等が利用される。本実施の形態では、ポリウレタン糸が弾性要素として利用される。
【0034】
次に、側壁部4の詳細について説明する。既述のように、側壁部4は、サイドシート本体31の一部である。
図2および
図3に示すように、側壁部4は、側壁基部41と、第1延出部43と、第2延出部44と、第1延出部弾性部材45と、第2延出部弾性部材46とを備える。側壁基部41は、固定部33から幅方向内側に連続する部位であり、固定部33と共に長手方向に延びる。側壁基部41は、基端部411と、先端部412とを備える。基端部411は、固定部33に連続し、本体部2と接合される。固定部33の内側縁が、基端部411として捉えられてもよい。基端部411は、例えば
図2に示す股下部202では、吸収コア22の側部よりも幅方向外側に配置され、
図3に示す前方部201および後方部203では、吸収コア22の側部上に配置される。
【0035】
先端部412は、側壁基部41における基端部411とは反対側の端部である。長手方向における側壁部4の中央部、すなわち股下部202における側壁部4では、側壁基部41における先端部412、および、先端部412と基端部411との間の部位は、本体部2と非接合である。側壁基部41の基端部411から先端部412までの長さは、例えば5~65mmであり、好ましくは30~50mmである。
【0036】
第1延出部43および第2延出部44は、側壁基部41の先端部412から分岐して延びる部位である。第1延出部43および第2延出部44は、長手方向における側壁部4の中央部から両端部まで側壁基部41と共に延びる。
図2に示す状態では、各側壁部4における第1延出部43は、第2延出部44に対して幅方向内側(他方の側壁部4側)に配置される。好ましい吸収性物品1では、側壁基部41の先端部412から第1延出部43の先端までの長さ(以下、単に「第1延出部43の長さ」という。)は、当該先端部412から第2延出部44の先端までの長さ(以下、単に「第2延出部44の長さ」という。)よりも大きい。第1延出部43の長さは、例えば第2延出部44の長さの1.1倍以上であり、好ましくは1.3倍以上である。第1延出部43の長さは、例えば第2延出部44の長さの3倍以下である。第2延出部44の長さは、例えば5~50mmであり、好ましくは5~30mmである。
【0037】
図3に示す例では、一枚のシート(不織布)を長手方向に沿う複数の折り曲げ線で折り曲げることにより、第1延出部43および第2延出部44が形成される。複数の折り曲げ線は、第1延出部43の先端および第2延出部44の先端にそれぞれ対応する。
図2に示すように、第2延出部44では、シートが二層に重なる二重構造が全体において形成される。第2延出部44における二層のシートは、ホットメルト接着剤等の接着剤により互いに接合される。
図2および
図3では、第1延出部43と第2延出部44との区別を容易にするため、第2延出部44のシート間に平行斜線を付している(吸収性物品1の断面を示す他の図において同様)。第1延出部43では、シートが二層に重なる二重構造が先端のみにおいて形成される。第1延出部43における二層のシートは、ホットメルト接着剤等の接着剤により互いに接合される。
図2の例では、全体が二重構造で形成される第2延出部44の剛性が、第1延出部43の剛性よりも大きくなる。
【0038】
第1延出部43および第2延出部44におけるシート同士の接合は、例えば、熱融着接合や超音波接合等により行われてもよい。側壁部4では、第1延出部43の全体が二重構造で形成され、第2延出部44の先端のみが二重構造で形成されてもよい。後述するように、シートが三層以上に重なる多重構造が採用されてもよい。また、複数枚のシートの積層体を折り曲げることにより、第1延出部43および第2延出部44が形成されてもよい。さらに、第1延出部43および第2延出部44の一方または双方が、側壁基部41と独立したシートにより形成され、側壁基部41に接合されてもよい。
【0039】
図3に示すように、長手方向における側壁部4の各端部48(以下、「固定端部48」という。)では、側壁基部41、第1延出部43および第2延出部44を本体部2に重ねた状態で、側壁部4がトップシート21に対して固定される。
図3の例では、固定端部48において、側壁基部41の先端部412が基端部411よりも幅方向内側に位置するように、側壁基部41がトップシート21上に倒される。そして、側壁基部41の先端部412から第2延出部44が幅方向内側に広がり、第1延出部43が幅方向外側に広がった状態で、側壁基部41、第1延出部43および第2延出部44がトップシート21に沿うように本体部2に重ねられる。第1延出部43は、側壁基部41と本体部2との間に配置される。
【0040】
側壁部4とトップシート21との固定は、第2延出部44とトップシート21とをホットメルト接着剤等の接着剤49(
図3中に平行斜線を付す。)で接合することにより行われる。第1延出部43および側壁基部41もトップシート21と接合されてもよい。側壁部4とトップシート21との固定は、例えば、熱融着接合や超音波接合等により行われてもよい。
【0041】
側壁部4において固定端部48以外では、第1延出部43および第2延出部44は、本体部2と非接合である。既述のように、側壁基部41における先端部412、および、先端部412と基端部411との間の部位も、本体部2と非接合である。このように、股下部202では、側壁基部41の先端部412、第1延出部43および第2延出部44は、本体部2から離間可能である。
【0042】
第1延出部43には、第1延出部弾性部材45が長手方向に沿って伸張状態にて接合される。第1延出部弾性部材45は、長手方向に延びる少なくとも1本の第1糸状弾性要素451を含む。第2延出部44には、第2延出部弾性部材46が長手方向に沿って伸張状態にて接合される。第2延出部弾性部材46は、長手方向に延びる少なくとも1本の第2糸状弾性要素461を含む。第1延出部43と第1延出部弾性部材45との接合、および、第2延出部44と第2延出部弾性部材46との接合には、例えばホットメルト接着剤等が利用される。第1糸状弾性要素451および第2糸状弾性要素461として、例えば、ポリウレタン糸、または、糸状の天然ゴム等が利用される。第1延出部弾性部材45および第2延出部弾性部材46では、帯状のポリウレタンフィルム、または、帯状の天然ゴム等が利用されてもよい。
【0043】
図2の例では、第1延出部弾性部材45は、1本の第1糸状弾性要素451を有し、第1糸状弾性要素451は、第1延出部43の先端における二層のシート間に配置される。また、第2延出部弾性部材46は、2本の第2糸状弾性要素461を有する。第2延出部44における二層のシート間において、一方の第2糸状弾性要素461は、第2延出部44の先端に配置され、他方の第2糸状弾性要素461は、当該先端と側壁基部41の先端部412との間の位置に配置される。
【0044】
上記のように、
図2の例では、第1延出部弾性部材45における第1糸状弾性要素451の本数は、第2延出部弾性部材46における第2糸状弾性要素461の本数よりも少なく、第1延出部弾性部材45の収縮力は、第2延出部弾性部材46の収縮力よりも小さい。ここで、収縮力は、吸収性物品1を長手方向に伸張した状態において収縮する力である。一方、第1延出部43の先端に配置された1本の第1糸状弾性要素451、および、第2延出部44の先端に配置された1本の第2糸状弾性要素461に注目すると、当該第1糸状弾性要素451の収縮力は、当該第2糸状弾性要素461の収縮力よりも大きい。なお、第1延出部43に接合する際における第1糸状弾性要素451の伸張率、または、第1糸状弾性要素451の太さもしくは材料等を、第2糸状弾性要素461と相違させることにより、当該第1糸状弾性要素451の収縮力を、当該第2糸状弾性要素461の収縮力と相違させることが可能である。
【0045】
吸収性物品1では、第1延出部弾性部材45および第2延出部弾性部材46が長手方向に収縮することにより、第1延出部43および第2延出部44において両固定端部48間の部位が長手方向に収縮する。これにより、
図2に示すように、側壁基部41が本体部2から着用者側(
図2の上方)に向かって起立するとともに、第1延出部43および第2延出部44も、側壁基部41の先端部412から着用者側に向かって起立する。このようにして、側壁部4において立体ギャザーが形成される。なお、
図2の側壁部4では、第1延出部43および第2延出部44のみに弾性部材45,46が設けられるが、側壁基部41に対して弾性部材がさらに設けられてもよい。
【0046】
ここで、水平な平坦面上において、
図1のように着用者側の面を上方に向けた状態で吸収性物品1を載置し、長手方向における吸収性物品1の両端部を掴んで長手方向の両外側に引っ張り、その後、両端部を同時にゆっくりと離すことにより得られる吸収性物品1の状態(形状)を、「吸収性物品1の自然収縮状態」と呼ぶ。吸収性物品1の自然収縮状態では、吸収性物品1は、上記平坦面以外の物体には接触していない。
【0047】
吸収性物品1の自然収縮状態では、上記平坦面上において吸収性物品1が凹状に湾曲し、
図2に示すように、股下部202において側壁部4が本体部2から起立する。このとき、典型的には、側壁基部41の先端部412は、基端部411よりも幅方向内側に位置する。また、第1延出部43は、第2延出部44に対して幅方向内側に配置される。
図2の例では、第1延出部43の先端が、側壁基部41の先端部412よりも幅方向内側に位置する。また、第2延出部44の先端は、側壁基部41の先端部412よりも幅方向外側に位置する。第2延出部44の先端が、側壁基部41の先端部412よりも幅方向内側に位置してもよい。
【0048】
また、第1延出部43の先端は、第2延出部44の先端よりも本体部2から離れる。すなわち、第1延出部43の先端は、第2延出部44の先端よりも上方に配置される。第2延出部44の先端は、側壁基部41の先端部412よりも上方に位置する。例えば、第2延出部44の先端は、第1延出部43の先端と側壁基部41の先端部412との間の中央よりも上方に位置する。好ましくは、第1延出部43と第2延出部44との間の角度は、側壁基部41と本体部2との間の角度よりも小さい。
【0049】
一方、側壁部4の両固定端部48では、
図3に示すように、第1延出部43が、第2延出部44に対して幅方向外側に配置され、第1延出部43は側壁基部41により覆われる。したがって、吸収性物品1の自然収縮状態において、各固定端部48の近傍では、第1延出部43の上方が第2延出部44または側壁基部41に覆われる。当該固定端部48から股下部202に向かって離れるに従って、側壁基部41が本体部2から次第に立ち上がり、第1延出部43の先端と本体部2との間の距離も大きくなる。そして、当該固定端部48からある程度離れた位置において、幅方向における第1延出部43の先端の位置が、第2延出部44の先端よりも内側となり、第1延出部43の先端が第2延出部44の先端よりも上方に配置される。既述のように、股下部202では、第1延出部43の先端は、第2延出部44の先端よりも上方に位置する。
【0050】
以上に説明したように、吸収性物品1の各側壁部4では、吸収性物品1の自然収縮状態を形成した際に、長手方向における中央部において、第1延出部43が第2延出部44に対して幅方向内側に配置され、かつ、第1延出部43の先端が第2延出部44の先端よりも本体部2から離れる。したがって、吸収性物品1を着用者に装着した状態において、第1延出部43の先端が、着用者の鼠径部および臀部に接触する。これにより、トップシート21上で受けられた尿等の排泄物が、着用者の鼠径部および臀部と吸収性物品1(の第1延出部43)との間の隙間から、幅方向外側の外部領域に漏れ出す横漏れが抑制される。また、第1延出部43の幅方向外側に配置される第2延出部44により、第1延出部43が幅方向外側に倒れることが抑制される。その結果、吸収性物品1において横漏れをより確実に抑制することができる。
【0051】
吸収性物品1では、第2延出部44の剛性が、第1延出部43の剛性よりも大きいことにより、第1延出部43が幅方向外側に倒れることをさらに抑制することができる。また、着用者に接触する第1延出部43の剛性が小さいことにより、第1延出部43が着用者の肌を過度に刺激することを防止することができる。
【0052】
側壁部4の各固定端部48では、側壁基部41の先端部412から第2延出部44が幅方向内側に広がった状態で、側壁基部41、第1延出部43および第2延出部44が本体部2に重ねられる。これにより、長手方向における中央部において第2延出部44が幅方向外側に倒れにくくなり、第1延出部43が幅方向外側に倒れることをより一層抑制することができる。さらに、各固定端部48において、側壁基部41が幅方向内側に倒され、第1延出部43が側壁基部41と本体部2との間に配置される。これにより、固定端部48の近傍において側壁基部41により第1延出部43が本体部2側に向けて押さえられ、第1延出部43が幅方向外側に倒れることがより確実に抑制される。
【0053】
第1延出部43の先端に設けられる第1糸状弾性要素451の収縮力が、第2延出部44の先端に設けられる第2糸状弾性要素461の収縮力よりも大きいことにより、吸収性物品1の自然収縮状態において、第1延出部43の先端を第2延出部44の先端よりも本体部2から離れさせることを容易に実現することができる。また、側壁基部41の先端部412から第1延出部43の先端までの長さが、当該先端部412から第2延出部44の先端までの長さよりも大きいことにより、第1延出部43の先端を第2延出部44の先端よりも本体部2から離れさせることをさらに容易に実現することができる。
【0054】
吸収性物品1では、側壁部4の各固定端部48において、側壁基部41の先端部412から第1延出部43および第2延出部44が幅方向の両側にそれぞれ広がることにより、固定端部48が厚くなることを防止することができる。これにより、厚い固定端部48に起因する不快感が着用者において生じることを防止することができる。
【0055】
吸収性物品1の設計によっては、
図5に示すように、固定端部48において第1延出部43および第2延出部44が厚さ方向(
図5の上下方向)に重ねられてもよい。
図5の例では、側壁基部41が幅方向内側に倒され、先端部412が基端部411よりも幅方向内側に配置される。そして、側壁基部41の先端部412から第2延出部44が幅方向内側に広がり、第1延出部43も幅方向内側に広がった状態で、側壁基部41、第1延出部43および第2延出部44が本体部2に重ねられる。第1延出部43は、第2延出部44と本体部2との間に配置される。
図5の例では、第1延出部43が第2延出部44およびトップシート21に対して接着剤49により接合される。
【0056】
図5の吸収性物品1では、各固定端部48において、側壁基部41の先端部412から第2延出部44が幅方向内側に広がる。これにより、第2延出部44が幅方向外側に倒れにくくなり、第1延出部43が幅方向外側に倒れることをさらに抑制することができる。また、各固定端部48において、側壁基部41が幅方向内側に倒され、第1延出部43が第2延出部44と本体部2との間に配置される。これにより、固定端部48の近傍において第2延出部44により第1延出部43が本体部2側に向けて押さえられ、第1延出部43が幅方向外側に倒れることがより確実に抑制される。その結果、吸収性物品1において横漏れをより確実に抑制することができる。
【0057】
上記吸収性物品1では様々な変形が可能である。
【0058】
図2、
図3および
図5にそれぞれ対応する
図6ないし
図8に示すように、第1延出部43の先端においてシートが、
図2、
図3および
図5の例とは反対側に折り返されてもよい。また、
図6ないし
図8の例では、第1延出部43および第2延出部44の双方において、シートが二層に重なる二重構造が全体に形成され、第1延出部43および第2延出部44の剛性がほぼ同じとなる。
図6ないし
図8に示す吸収性物品1においても、第1延出部43が幅方向外側に倒れることを第2延出部44により抑制して、横漏れをより確実に抑制することができる。
【0059】
図9に示すように、シートが三層に重なる多重構造が第1延出部43の全体において形成され、第1延出部43の剛性が、第2延出部44の剛性よりも大きくされてもよい。また、
図9に示すように、第1延出部43の長さが、第2延出部44の長さよりも小さくてもよい。この場合でも、第1延出部43の先端に設けられる第1糸状弾性要素451の収縮力を、第2延出部44の先端に設けられる第2糸状弾性要素461の収縮力よりも大きくすることにより、吸収性物品1の自然収縮状態において、第1延出部43の先端を第2延出部44の先端よりも本体部2から離れさせることが可能である。なお、第1延出部43の長さが第2延出部44の長さよりも大きい場合等には、第1延出部43の先端に設けられる第1糸状弾性要素451の収縮力が、第2延出部44の先端に設けられる第2糸状弾性要素461の収縮力よりも小さくても、第1延出部43の先端を第2延出部44の先端よりも本体部2から離れさせることが実現可能である。
【0060】
図10に示すように、固定端部48において、先端部412が基端部411よりも幅方向外側に配置された状態(すなわち、側壁基部41が幅方向外側に倒された状態)で、側壁基部41が本体部2に重ねられてもよい。
図10の例では、側壁基部41の先端部412から第1延出部43が幅方向内側に広がり、第2延出部44が幅方向外側に広がる。この場合も、
図3および
図7の例と同様に、固定端部48が厚くなることをある程度防止することができ、厚い固定端部48に起因する不快感が着用者において生じることを抑制することができる。以上のように、側壁部4において固定端部48が厚くなることを防止するという観点では、固定端部48において、側壁基部41の先端部412から第1延出部43が幅方向の一方側に広がり、第2延出部44が幅方向の他方側に広がった状態で、側壁基部41、第1延出部43および第2延出部44が本体部2に重ねられることが好ましい。
【0061】
上記側壁部4は、テープタイプの使い捨ておむつ以外の様々な吸収性物品(例えば、パンツタイプの使い捨ておむつ、補助吸収具、失禁パッドまたは生理用品)において用いられてよい。
【0062】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0063】
1 吸収性物品
2 本体部
4 側壁部
21 トップシート
22 吸収コア
23 バックシート
41 側壁基部
43 第1延出部
44 第2延出部
45 第1延出部弾性部材
46 第2延出部弾性部材
48 固定端部
411 基端部
412 先端部
451 第1糸状弾性要素
461 第2糸状弾性要素