特許7372794IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

ヒートポンプ式の車両用空気調和装置に関し、特に、乗車前に車室内を予備的に暖房するプレ空調を実行可能な車両の空気調和装置に関するものである。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

このように、発熱機器から廃熱を回収して車室内を暖房するものが開発され、また、乗車前に車室内のプレ空調を実行できるようにしたものも開発されているが、プレ空調において円滑に発熱機器から廃熱を回収し、それを利用して室外熱交換器への着霜を効果的に解消し、若しくは、抑制することができる具体的な方策は開発されておらず、解決が望まれていた。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明の車両用空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒を放熱させて車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、冷媒を用いて、車両に搭載された発熱機器から廃熱を回収するための廃熱回収用熱交換器と、制御装置を備え、この制御装置は少なくとも、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させることで車室内を暖・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明によれば、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒を放熱させて車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、冷媒を用いて、車両に搭載された発熱機器から廃熱を回収するための廃熱回収用熱交換器と、制御装置を備え、この制御装置は少なくとも、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させることで車室内を暖房する車両用空気調和装置において、制御装置が、乗車前に車室内を予備的に暖房するプレ空調を実行可能とされており、当該プレ空調を実行する場合、発熱機器の温度が所定の規定値以上であるときは、圧縮機を運転し、当該圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、室外熱交換器を用いること無く、廃熱回収用熱交換器にて吸熱させることで車室内の暖房を行うようにしたので、温度が規定値以上となるまで発熱している発熱機器の廃熱を有効に利用して乗車前に車室内の暖房を行い、室外熱交換器に着霜させること無く、車室内を効果的にプレ空調することができるようになる。

これにより、乗車後の走行中等に室外熱交換器で外気から吸熱する暖房を実行する際の負荷を低減させ、特に低外気温環境下における室外熱交換器への着霜を抑制し、高効率での暖房を行うことができる期間を延長させることができるようになる。

特に、請求項8の発明のごとく発熱機器が外部電源により充電可能なバッテリを含み、このバッテリから給電されて稼働する車両用空気調和装置の場合には、バッテリの温度が低下し過ぎて当該バッテリが劣化し、充放電効率が低下してしまう不都合も未然に防止することが可能となる。

ここで、車室内に供給する空気を加熱するための補助ヒータを備えている車両用空気調和装置においては、制御装置が、車両が外部電源に接続されている状態でプレ空調を実行する場合、放熱器による暖房能力が不足するときは、請求項2の発明の如く圧縮機を運転すること無く、補助ヒータを発熱させることで車室内の暖房を行うようにすれば、発熱機器からの廃熱回収では車室内の暖房能力を達成できない場合、補助ヒータを発熱させて車室内を暖房することができるようになる。この場合、車両には外部電源が接続されており、補助ヒータの電力消費によるバッテリの枯渇を危惧する必要も無いので、プレ空調による効果的な車室内暖房を実現することができるようになる。

また、同様に車室内に供給する空気を加熱するための補助ヒータを備えている車両用空気調和装置においては、制御装置が、車両が外部電源に接続されている状態でプレ空調を実行する場合に、発熱機器の温度が前記規定値より低いときには、請求項3の発明の如く圧縮機を運転すること無く、補助ヒータを発熱させることで車室内の暖房を行うようにすれば、発熱機器からの廃熱回収を期待できないときには、圧縮機を停止し、補助ヒータにより車室内を暖房することができるようになる。この場合も、車両には外部電源が接続されており、補助ヒータの電力消費によるバッテリの枯渇を危惧する必要は無いので、同様にプレ空調による効果的な車室内暖房を実現することができるようになる。

一方、車室内に供給する空気を加熱するための補助ヒータを備えている車両用空気調和装置において、車両が外部電源に接続されていない状態でプレ空調を実行する場合に、放熱器による暖房能力が不足するときは、請求項4の発明の如く制御装置が、放熱器にて放熱した冷媒を減圧した後、廃熱回収用熱交換器にて吸熱させ、且つ、補助ヒータを発熱させることで車室内の暖房を行うようにすれば、発熱機器からの廃熱のみでは車室内の暖房能力が不足する場合に、補助ヒータを発熱させてこれを補完することができるようになる。これにより、室外熱交換器への着霜を解消し、且つ、補助ヒータの電力消費を最小限に抑えながらプレ空調による効果的な車室内暖房を実現することができるようになる。

他方、請求項5の発明の如く制御装置が、車両が外部電源に接続されていない状態でプレ空調を実行する場合、放熱器による暖房能力が不足するときは、放熱器にて放熱した冷媒を減圧した後、室外熱交換器と廃熱回収用熱交換器にて吸熱させることで車室内の暖房を行うようにすれば、発熱機器の廃熱を利用し、室外熱交換器にできるだけ着霜させないようにしながら、プレ空調による効果的な車室内暖房を実現することができるようになる。これは補助ヒータを有しない車両用空気調和装置にも適用可能であり、利便性に富んだものとなる。

尚、車両が外部電源に接続されていない状態でプレ空調を実行する場合、発熱機器の温度が前記規定値より低いときは、請求項6の発明の如く制御装置が、放熱器にて放熱した冷媒を減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させることで車室内の暖房を行うものとするが、請求項7の発明の如く制御装置が、室外熱交換器に着霜しない範囲で車室内の暖房を行うようにすることで、請求項5や請求項6の発明でのプレ空調による車室内の暖房能力は低下するものの、室外熱交換器への着霜を解消し、或いは、出来るだけ少なくすることができるようになる。それにより、乗車後の走行中等に高効率での暖房を行うことができる期間を延長させることができるようになる。

また、請求項9の発明の如く車室内に供給する空気を内気循環と外気導入とに切り換える吸込切換ダンパを備え、制御装置が、プレ空調を実行する場合、吸込切換ダンパを内気循環に切り換えるようにすることで、プレ空調時には温度が低い外気を車室内に導入すること無く、車室内の暖房を効率的に行うことができるようになる。

この特許の権利範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 本発明を適用した一実施例の車両用空気調和装置の構成図である(暖房運転、プレ空調における暖房運転の室外熱交換器着霜抑制暖房モード)。
【図2】 図1の車両用空気調和装置の制御装置としてのコントローラのブロック図である。
【図3】 図2のコントローラによる除湿暖房運転を説明する図である。
【図4】 図2のコントローラによる除湿冷房運転と、冷房運転を説明する図である。
【図5】 図2のコントローラの暖房運転における圧縮機制御に関する制御ブロック図である。
【図6】 図2のコントローラによる補助ヒータの制御に関する制御ブロック図である。
【図7】 図2のコントローラによるプレ空調の制御を説明するフローチャートである。
【図8】 図2のコントローラによるプレ空調の制御を説明するもう一つのフローチャートである。
【図9】 図2のコントローラによるプレ空調の制御を説明する更にもう一つのフローチャートである。
【図10】 図2のコントローラによるプレ空調における暖房運転のバッテリ+走行用モータ廃熱回収暖房モードを説明する図である。
【図11】 図2のコントローラによるプレ空調における暖房運転のバッテリ廃熱回収暖房モードを説明する図である。
【図12】 図2のコントローラによるプレ空調における暖房運転の補助ヒータ暖房モードを説明する図である。
【図13】 図2のコントローラによるプレ空調における暖房運転の廃熱回収協調暖房モードを説明する図である。
【図14】 図2のコントローラによるプレ空調における暖房運転の廃熱回収+補助ヒータ暖房モードを説明する図である。

代表図 図1本件の代表的な図

1 車両用空気調和装置 2 圧縮機 4 放熱器 6 室外膨張弁 7 室外熱交換器 8 室内膨張弁 9 吸熱器 13 冷媒配管 21、22 電磁弁 23 ヒータコア 32 コントローラ(制御装置) 53B リモコン 55 バッテリ(発熱機器) 61 廃熱回収装置 62 第2の循環ポンプ 64 廃熱回収用熱交換器 65 走行用モータ(発熱機器) 66 補助ヒータ 68 熱媒体配管 72 分岐配管 73 補助膨張弁 74 冷媒配管 89 第1の循環ポンプ 91 第1の三方弁 92 第2の三方弁 R 冷媒回路

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