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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】卵のような丸い物品用の包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 35/32 20060101AFI20231025BHJP
   B65B 5/10 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
B65B35/32
B65B5/10
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2019565927
(86)(22)【出願日】2018-05-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-27
(86)【国際出願番号】 NL2018050354
(87)【国際公開番号】W WO2018222037
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2021-05-18
(31)【優先権主張番号】2019010
(32)【優先日】2017-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】517242843
【氏名又は名称】サノボ テクノロジー ネザーランズ ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】ホールダイク,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン アーセルト,ピーター アントン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィカーリンク,ディルク ヴィレム
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-200906(JP,A)
【文献】特開2002-205707(JP,A)
【文献】特開平02-296617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 35/32
B65B 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵や果実のような、実質的に丸い物品を、前記丸い物品を受け取るためのパッケージポケットの配列を持つくぼんだパッケージに包装するための包装装置であって、前記配列は、横列(rows)と縦列(columns)とを備え、前記包装装置は、
第1の方向(X)に前記丸い物品を運搬するために、前記丸い物品を解放可能に保持するための物品ホルダを持つ、供給コンベヤと、
前記供給コンベヤの下に置かれ、前記第1の方向(X)と実質的に直交する第2の方向(Y)に複数のくぼんだパッケージを運搬するためのパッケージコンベヤであって、前記複数のくぼんだパッケージは、前記くぼんだパッケージの前記横列が前記第1の方向(X)に延在し、かつ、前記くぼんだパッケージの前記縦列が前記第2の方向(Y)に延在するように、前記パッケージコンベヤ上に方位が合わされている、前記パッケージコンベヤと、
前記供給コンベヤと前記パッケージコンベヤとの間に置かれる充填バッファであって、使用において前記充填バッファは、前記供給コンベヤによって上から前記丸い物品が充填され、前記充填バッファの下に置かれる前記パッケージコンベヤ上の前記複数のくぼんだパッケージに前記丸い物品を充填する、前記充填バッファと、を備え、
前記充填バッファは、前記第2の方向(Y)において見たときに互いに隣接して置かれる、複数の並列サブバッファを備え、
各並列サブバッファは、解放可能なバッファポケットの複数の積み重ねられたサブバッファ横列を持ち、前記複数の積み重ねられたサブバッファ横列は、前記第1の方向(X)に延在して、各々は、前記第1の方向(X)に延在するパッケージ横列におけるパッケージポケットの数と等しいかそれよりも多い多数のバッファポケットを持ち、
前記第2の方向(Y)において移動可能なコレクタ横列を規定する、解放可能なコレクタポケットの横列を備えるコレクタと、
前記第1の方向(X)と前記第2の方向(Y)とに直交する第3の方向(Z)に上下に移動可能なセッタ横列を規定する、解放可能なセッタポケットの横列を備えるセッタであって、使用において、前記セッタは上方位置と下方位置との間で往復運動し、前記上方位置において、前記丸い物品を前記コレクタから受け取ることができ、前記下方位置において、前記丸い物品を前記くぼんだパッケージの前記パッケージポケットに降ろすことができる、前記セッタと、を更に備え、
前記コレクタは、複数のコレクタ横列を備え、前記コレクタは、前記充填バッファの真下で、前記複数のコレクタ横列の各1つを、その最も下方の横列から前記丸い物品を受け取るための前記並列サブバッファの任意の1つの下の位置まで、前記第2の方向(Y)に前後に移動して、前記コレクタ横列の各1つが、選択的に前記並列サブバッファの任意の1つと整列するように移動され得るように、かつ、充填されたコレクタポケットを、前記セッタの上の位置まで前記第2の方向(Y)に前後に移動して、前記丸い物品を前記セッタに降ろすように、構成および配置されている、ことを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記複数のコレクタ横列の前記コレクタ横列は、互いに独立して移動可能である、請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記複数のコレクタ横列の前記コレクタ横列は、一緒に移動するように互いに結合されている、請求項1に記載の包装装置。
【請求項4】
前記セッタは、単一のセッタ横列を持つ、請求項1~3のいずれか1項に記載の包装装置。
【請求項5】
前記セッタは、複数のセッタ横列を持つ、請求項1~3のいずれか1項に記載の包装装置。
【請求項6】
前記複数のセッタ横列の前記セッタ横列は、独立して上下に移動可能である、請求項5に記載の包装装置。
【請求項7】
前記複数のセッタ横列の前記セッタ横列は、一緒に移動するように互いに結合されている、請求項5に記載の包装装置。
【請求項8】
卵や果実のような、実質的に丸い物品を、前記丸い物品を受け取るためのパッケージポケットの配列を持つくぼんだパッケージに包装するための包装装置であって、前記配列は、横列(rows)と縦列(columns)とを備え、前記包装装置は、
第1の方向(X)に前記丸い物品を運搬するために、前記丸い物品を解放可能に保持するための物品ホルダを持つ、供給コンベヤと、
前記供給コンベヤの下に置かれ、前記第1の方向(X)と実質的に直交する第2の方向(Y)に複数のくぼんだパッケージを運搬するためのパッケージコンベヤであって、前記複数のくぼんだパッケージは、前記くぼんだパッケージの前記横列が前記第1の方向(X)に延在し、かつ、前記くぼんだパッケージの前記縦列が前記第2の方向(Y)に延在するように、前記パッケージコンベヤ上に方位が合わされている、前記パッケージコンベヤと、
前記供給コンベヤと前記パッケージコンベヤとの間に置かれた充填バッファであって、使用において前記充填バッファは、前記供給コンベヤによって上から前記丸い物品が充填され、前記充填バッファの下に置かれる前記パッケージコンベヤ上の前記複数のくぼんだパッケージに前記丸い物品を充填する、前記充填バッファと、を備え、
前記充填バッファは、前記第2の方向(Y)において見たときに互いに隣接して置かれる、複数の並列サブバッファを備え、
各並列サブバッファは、解放可能なバッファポケットの複数の積み重ねられたサブバッファ横列を持ち、前記複数の積み重ねられたサブバッファ横列は、前記第1の方向(X)に延在して、各々は、前記第1の方向(X)に延在するパッケージ横列におけるパッケージポケットの数と等しいかそれよりも多い多数のバッファポケットを持ち、
前記第2の方向(Y)において移動可能なコレクタ横列を規定する解放可能なコレクタポケットの少なくとも一つのコレクタ横列を備えるコレクタと、
前記第1の方向(X)と前記第2の方向(Y)とに直交する第3の方向(Z)に上下に移動可能なセッタ横列を規定する、解放可能なセッタポケットの横列を備えるセッタであって、使用において、前記セッタは上方位置と下方位置との間で往復運動し、前記上方位置において、前記丸い物品を前記コレクタから受け取ることができ、前記下方位置において、前記丸い物品を前記くぼんだパッケージの前記パッケージポケットに降ろすことができる、前記セッタと、を更に備え、
中間転送装置が、前記コレクタと前記セッタとの間に配置されており、前記中間転送装置は、解放可能な転送ポケットの少なくとも1つの転送横列を備え、前記中間転送装置は、前記転送横列を、前記丸い物品を受け取るための前記少なくとも1つのコレクタ横列の下の位置から、前記セッタ横列の上の位置まで前後に移動して、前記丸い物品を前記セッタに降ろすように、構成および配置されている、ことを特徴とする包装装置。
【請求項9】
前記中間転送装置は、少なくとも一対の転送横列を備え、前記中間転送装置は、前記対の転送横列の各1つを、それから前記丸い物品を受け取るための前記少なくとも1つのコレクタ横列の下の位置から、前記セッタ上の位置まで前後に移動して、前記丸い物品を前記セッタに降ろすように、構成および配置されている、請求項8に記載の包装装置。
【請求項10】
前記コレクタは、少なくとも2つのコレクタ横列を備える、請求項9に記載の包装装置。
【請求項11】
前記少なくとも2つのコレクタ横列は、一緒に前記第2の方向(Y)へ移動するように結合されている、請求項10に記載の包装装置。
【請求項12】
前記少なくとも2つのコレクタ横列は、互いに独立して前記第2の方向(Y)へ移動可能である、請求項10に記載の包装装置。
【請求項13】
前記対の前記転送横列は、各々、対応する案内機構上に配置され、それによって、前記転送横列の運動は、前記第2の方向(Y)と前記第3の方向(Z)における運動から成る、結合された運動である、請求項8~12のいずれか1項に記載の包装装置。
【請求項14】
前記対応する案内機構は、スイベル(swivelling)腕を含む、請求項13に記載の包装装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの転送横列の前記解放可能な転送ポケット間の転送ピッチは、前記丸い物品を受け取るための前記少なくとも1つのコレクタ横列のコレクタピッチと、前記丸い物品を降ろすための前記セッタ横列のセッタピッチとに適合されるように、前記第1の方向(X)において可変である、請求項8~14のいずれか1項に記載の包装装置。
【請求項16】
前記転送ピッチは、前記コレクタの下の位置から前記セッタの上の位置への運動の間および前記セッタの上の位置から前記コレクタの下の位置への運動の間、変化される、請求項15に記載の包装装置。
【請求項17】
卵や果実のような、実質的に丸い物品を、前記丸い物品を受け取るためのパッケージポケットの配列を持つくぼんだパッケージに包装するための包装装置であって、前記配列は、横列(rows)と縦列(columns)とを備え、前記包装装置は、
第1の方向(X)に前記丸い物品を運搬するために、前記丸い物品を解放可能に保持するための物品ホルダを持つ、供給コンベヤと、
前記供給コンベヤの下に置かれ、前記第1の方向(X)と実質的に直交する第2の方向(Y)に複数のくぼんだパッケージを運搬するためのパッケージコンベヤであって、前記複数のくぼんだパッケージは、前記くぼんだパッケージの前記横列が前記第1の方向(X)に延在し、かつ、前記くぼんだパッケージの前記縦列が前記第2の方向(Y)に延在するように、前記パッケージコンベヤ上に方位が合わされている、前記パッケージコンベヤと、
前記供給コンベヤと前記パッケージコンベヤとの間に置かれた充填バッファであって、使用において前記充填バッファは、前記供給コンベヤによって上から前記丸い物品が充填され、前記充填バッファの下に置かれる前記パッケージコンベヤ上の前記複数のくぼんだパッケージに前記丸い物品を充填する、前記充填バッファと、を備え、
前記充填バッファは、前記第2の方向(Y)において見たときに互いに隣接して置かれる、複数の並列サブバッファを備え、
各並列サブバッファは、解放可能なバッファポケットの複数の積み重ねられたサブバッファ横列を持ち、前記複数の積み重ねられたサブバッファ横列は、前記第1の方向(X)に延在して、各々は、前記第1の方向(X)に延在するパッケージ横列におけるパッケージポケットの数と等しいかそれよりも多い多数のバッファポケットを持ち、
前記第1の方向(X)と前記第2の方向(Y)とに直交する第3の方向(Z)に上下に移動可能なセッタ横列を規定する、解放可能なセッタポケットの横列を備えるセッタであって、使用において、前記セッタは上方位置と下方位置との間で往復運動し、前記上方位置において、前記丸い物品を受け取ることができ、前記下方位置において、前記丸い物品を前記くぼんだパッケージの前記パッケージポケットに降ろすことができる、前記セッタを更に備え、
前記包装装置は、少なくとも一対の転送横列を有する転送装置を更に備え、前記セッタは、前記対の転送横列と関連付けられたセッタ横列を備え、前記転送装置は、前記一対の前記転送横列の各1つを、前記並列サブバッファの最も下方の横列から前記丸い物品を受け取るための前記転送横列の前記各1つと関連付けられた並列サブバッファの下の位置から、前記セッタ横列の上の位置まで前後に移動して、前記丸い物品を前記セッタに降ろすように、構成および配置されており、前記対の前記転送横列は、各々、対応する案内機構上に配置されており、それによって、前記転送横列の運動は、前記第2の方向(Y)と前記第3の方向(Z)の運動から成る、結合された運動であり、前記対応する案内機構は、スイベル(swivelling)腕を含む、ことを特徴とする包装装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの転送横列の転送ポケット間の転送ピッチは、前記丸い物品を受け取るための前記充填バッファの対応する前記並列サブバッファのバッファピッチと、前記丸い物品を降ろすための前記セッタ横列のセッタピッチとに適合されるように、前記第1の方向(X)において可変である、請求項17に記載の包装装置。
【請求項19】
前記転送ピッチは、前記並列サブバッファの下の位置から前記セッタの上の位置への運動の間および前記セッタの上の位置から前記並列サブバッファの下の位置への運動の間、変化される、請求項18に記載の包装装置。
【請求項20】
卵や果実のような、実質的に丸い物品を、前記丸い物品を受け取るためのパッケージポケットの配列を持つくぼんだパッケージに包装するための包装装置であって、前記配列は、横列(rows)と縦列(columns)とを備え、前記包装装置は、
第1の方向(X)に前記丸い物品を運搬するために、前記丸い物品を解放可能に保持するための物品ホルダを持つ、供給コンベヤと、
前記供給コンベヤの下に置かれ、前記第1の方向(X)と実質的に直交する第2の方向(Y)に複数のくぼんだパッケージを運搬するためのパッケージコンベヤであって、前記複数のくぼんだパッケージは、前記くぼんだパッケージの前記横列が前記第1の方向(X)に延在し、かつ、前記くぼんだパッケージの前記縦列が前記第2の方向(Y)に延在するように、前記パッケージコンベヤ上に方位が合わされている、前記パッケージコンベヤと、
前記供給コンベヤと前記パッケージコンベヤとの間に置かれる充填バッファであって、使用において前記充填バッファは、前記供給コンベヤによって上から前記丸い物品が充填され、前記充填バッファの下に置かれる前記パッケージコンベヤ上の前記複数のくぼんだパッケージに前記丸い物品を充填する、前記充填バッファと、を備え、
前記充填バッファは、前記第2の方向(Y)において見たときに互いに隣接して置かれる、複数の並列サブバッファを備え、
各並列サブバッファは、解放可能なバッファポケットの複数の積み重ねられたサブバッファ横列を持ち、前記複数の積み重ねられたサブバッファ横列は、前記第1の方向(X)に延在して、各々は、前記第1の方向(X)に延在するパッケージ横列におけるパッケージポケットの数と等しいかそれよりも多い多数のバッファポケットを持ち、
前記包装装置は、少なくとも一対の転送横列を有する転送装置を更に備え、前記くぼんだパッケージは、前記一対の転送横列と関連付けられたパッケージ横列を備え、前記転送装置は、前記対の前記転送横列の各1つを、前記並列サブバッファの最も下方の横列から前記丸い物品を受け取るための前記転送横列の前記各1つと関連付けられた並列サブバッファの下の位置から、前記パッケージ横列の上の位置まで前後に移動して、前記丸い物品を前記くぼんだパッケージに降ろすように、構成および配置されており、前記対の前記転送横列は、各々、対応する案内機構上に配置されており、それによって、前記転送横列の運動は、前記第2の方向(Y)と前記第3の方向(Z)の運動から成る、結合された運動であり、前記対応する案内機構は、スイベル(swivelling)腕を含む、ことを特徴とする包装装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つの転送横列の転送ポケット間の転送ピッチは、前記丸い物品を受け取るための前記充填バッファの対応する並列サブバッファのバッファピッチと、前記丸い物品を降ろすための前記パッケージ横列のパッケージピッチとに適合されるように、前記第1の方向(X)において可変である、請求項20に記載の包装装置。
【請求項22】
前記転送ピッチは、前記対応する並列サブバッファの下の位置から前記パッケージ横列の上の位置への運動の間および前記パッケージ横列の上の位置から前記対応する並列サブバッファの下の位置への運動の間、変化される、請求項21に記載の包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卵や果実のような、実質的に丸い物品を、くぼんだパッケージに包装するための包装装置に関する。そのようなくぼんだパッケージは、典型的には、丸い物品を受け取るために、横列および縦列から成る、ポケットの配列を持つ。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、物品、この場合においては卵を、第1の方向に運搬するための供給コンベヤと、パッケージを第1の方向と実質的に直交する第2の方向に運搬するために供給コンベヤの下に置かれたパッケージコンベヤと、を備えた包装装置を開示している。充填バッファは、供給コンベヤとパッケージコンベヤとの間に置かれ、使用において、充填バッファは、供給コンベヤによって上から物品が充填され、バッファの下に置かれたパッケージコンベヤ上のパッケージを物品で充填する。解放可能なポケットの横列を備えるコレクタは、充填バッファから品物を受け取るように配置される。解放可能なポケットの横列を備えるセッタは、コレクタから物品を受け取るように配置され、第1の方向および第2の方向と実質的に直交する第3の方向に上下に移動可能である。セッタは、上方位置と下方位置との間で往復運動し、上方位置において、物品をコレクタから受け取ることができ、下方位置において、物品をパッケージのポケットに降ろすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】欧州特許出願公開第1310429号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、処理されるべき物品の数に関して高い能力を持つ、冒頭に記載した包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これは、請求項1に係る包装装置によって達成される。
【0006】
本発明によれば、コレクタは、複数のコレクタ横列を備える。コレクタは、複数のコレクタ横列の各1つを、充填バッファの真下で、サブバッファの任意の1つの下の位置まで第2の方向(Y)に前後に移動することができる。したがって、コレクタ横列の各1つは、選択的にサブバッファの任意の1つと整列するように移動され得、それによって、それは、選択したサブバッファの最も下方の横列から物品を受け取ることができる。物品がコレクタのコレクタ横列の少なくとも1つに受け取られると、この横列は、充填されたポケットを、セッタの上の位置まで第2の方向(Y)に前後に移動され得、物品をセッタに降ろすことができる。
【0007】
可能な実施形態において、上記複数のコレクタ横列のコレクタ横列は、互いに独立して移動可能である。この実施形態において、コレクタ横列は、選択的にかつ互いに独立して、充填した下方の横列を持つサブバッファに移動される。この実施形態において、包装装置は、各コレクタ横列用の分離駆動機構、または選択的駆動トランスミッションを持つ共通駆動機構を持つことができる。もし例としてコレクタが2つのコレクタ横列を持つなら、コレクタ横列の一方は、物品を保持してセッタの方へ移動されることができ、他方のコレクタ横列は、空である。何故なら、それは直前に物品を降ろしているからである。したがって、一方のコレクタ横列が物品をセッタに降ろすように移動される間、他方のコレクタ横列は、その間、充填した下方の横列を持つサブバッファの方へ移動され得る。これは、物品を詰め込むことができる速度を増加し、したがって、包装のスループット時間を増加する。これは、結果として能力の増加となる。
【0008】
独立して移動可能なコレクタ横列が同じ平面内で移動することが把握される。従って、一つの実施形態は、コレクタ横列の運動を制御する、コントローラが、その横列が衝突するのを防止するように、構成されることが、把握される。
【0009】
他の可能な実施形態において、上記複数のコレクタ横列のコレクタ横列は、一緒に移動するように互いに結合される。この結合は、例えば、コレクタ横列を相互に連結する接続部材による、機械的結合であってよい。この実施形態において、たった1つの駆動機構が、コレクタ横列を移動するために必要となる。もし、たとえば、コレクタが2つのコレクタ横列を持つなら、コレクタ横列の一方は、物品を保持してセッタの方へ移動され得、他方のコレクタ横列は、空である。何故なら、それは直前に物品を降ろしているからである。したがって、一方のコレクタ横列が空を移動している間、他方のコレクタ横列は物品をセッタに降ろすように移動する。もし空の横列が充填したバッファ横列を通過するなら、それは、上記バッファ横列から物品を受け取ることができ、それから、他の横列の物品をセッタに降ろすように移動する。別の状況において、充填した横列は、最初に、物体をセッタに降ろすことができ、しかし、他の横列は、物品を受け取ることができる別の横列に近くにあて、パッケージのスループット時間を短縮する。これは、結果として、高い能力となるだろう。
【0010】
包装装置の可能な一実施形態において、セッタは単一のセッタ横列を持つ。従って、1つのパッケージの1つの横列を、一度に充填することができる。
【0011】
包装装置の代わりの一実施形態において、セッタは複数のセッタ横列を持つ。従って、パッケージの複数の横列を、同時に、物品で充填することがきる。
【0012】
上記複数のセッタ横列のセッタ横列は、独立して上下に移動可能であってよい。そのような一実施形態において、1つのパッケージの横列ばかりでなく、パッケージコンベヤ上の連続した位置上に載せられる異なるパッケージの横列をも、異なるセッタ横列によって独立して充填することができる。
【0013】
別の実施形態において、上記複数の上記横列のセッタ横列は、一緒に移動するように互いに結合される。この実施形態において、セッタ横列間のピッチは、パッケージ内の横列のピッチと同じであることが好ましく、それによって、多数のパッケージ横列を同時に充填することができる。
【0014】
本発明はまた、請求項8に係る包装装置に関する。
【0015】
本発明のこの態様によれば、中間転送装置がコレクタとセッタとの間に配置される。中間転送装置は、解放可能なポケットの少なくとも1つの転送横列を備える。中間転送装置は、転送横列を、物品を受け取るための少なくとも1つのコレクタ横列の下の位置から、セッタ横列の上の位置まで前後に移動して、物品をセッタに降ろすように、構成および配置されている。
【0016】
好ましい実施形態において、コレクタは少なくとも2つのコレクタ横列を備える。これらコレクタ横列は、一緒に第2の方向(Y)に移動するように結合されてもよいし、又は代わりに、互いに独立して第2の方向(Y)に移動可能であってよい。
【0017】
可能な一実施形態において、転送装置は、少なくとも一対の転送横列を備え、転送装置は、対の転送横列の各1つを、そこから物品を受け取るための少なくとも1つのコレクタ横列の下の位置から、セッタ横列の上の位置まで前後に移動して、物品をセッタに降ろすように、構成および配置される。
【0018】
可能な一実施形態において、上記対の転送横列の転送横列は、各々、対応する スイベル(swivelling)腕上に配置され、それによって、転送横列の運動は、第2の方向(Y)と第3の方向(Z)における運動から成る、スイベル(swivelling)運動である。
【0019】
可能な一実施形態において、少なくとも1つの転送横列のポケット間のピッチは、物品を受け取るための少なくとも1つのコレクタ横列のピッチと、物品を降ろすためのセッタ横列のピッチとに適合され得るように、第1の方向(X)において可変である。好ましくは、該ピッチは、コレクタの下の位置からセッタの上の位置への運動の間、およびその逆の運動の間、変化される。
【0020】
もし供給コンベヤ(卵チェーン)が2つの横列のみを持つなら、充填バッファは2つのサブバッファのみ持ち、コレクタを省略してもよい。この態様による包装装置において、卵(又は他の物品)を、サブバッファの最も下方の横列から、転送装置の転送横列の解放可能なポケットに、直接的に解放することができる。そのような包装装置を、独立請求項17に規定している。
【0021】
更に簡単にされた包装装置において、セッタもまた削除することができ、転送装置は、物品を、直接的に、パッケージのポケット横列に降ろす。そのような包装装置を、独立請求項22に規定している。
【0022】
請求項18および22の包装装置の好ましい実施形態を、それぞれ、従属請求項18~21および23~26に提示している。
【0023】
図面を参照しながら、本発明を更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る包装装置の第1の実施形態の概略図である。
図2】本発明に係る包装装置の第2の実施形態の概略図である。
図3】本発明に係る包装装置の第3の実施形態の概略図である。
図4】本発明に係る包装装置の第4の実施形態の概略図である。
図5】本発明に係る包装装置の第5の実施形態の概略図である。
図6】本発明に係る包装装置の第6の実施形態の概略図である。
図7】本発明に係る包装装置の第7の実施形態の概略図である。
図8】本発明に係る包装装置の第8の実施形態の概略図である。
図9】本発明の更に別の態様の実施形態の概略図である。
図10】本発明のこの態様の別の実施形態の概略図である。
図11】本発明の別の態様の実施形態の概略図である。
図12図3の第3の実施形態の一部を更に詳細に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、物品、この場合においては卵を、パッケージ100に包装するための包装装置1の第1の実施形態の概略正面図を示す。この例におけるパッケージ100は、卵を受け取るためのポケット102を規定するくぼんだ構造101と、箱100を閉じるために一体に形成されたふた103と、を持つ卵カートンである。ふたは、ヒンジ104によって、くぼんだ構造に接続される。くぼんだ構造101は、X方向に延在する横列と、Y方向に延在する縦列とを持つ、ポケットの配列を規定する。図示された例において、卵カートンは、2横列のポケットを持ち、多数の縦列を持ってもよく、一般的な卵カートンにおいて、縦列の数は、5(10個の卵用の普通のカートン)または3(小さいカートン)である。パッケージは、また、他の形状を持ってもよく、例えば、卵カートンよりもより多い横列と縦列とを持つ卵トレーであってもよい。
【0026】
卵カートンまたはトレーは、しばしば、こんくり紙で作られるが、パッケージは、プラスチックのような他の材料で形成されてもよいことに注意されたい。これは、本発明にとって重要ではない。
【0027】
包装装置1は供給コンベヤ2を備える。供給コンベヤ2は卵を解放可能に保持するための物品ホルダ3を含む。供給コンベヤ3は、チェーンまたは別の無端要素に取り付けられた、多数の横列の物品ホルダから成る。卵処理工場において、供給コンベヤ3は、しばしば、「卵チェーン」と呼ばれる。図1の例において、供給コンベヤ2は、X方向に延在する8つの並列横列を含む。卵は、X方向に供給コンベヤによって運搬される。
【0028】
物品ホルダは、チェーンからつるされてよく、卵のような物品の周りをつかむ、移動可能な指を持つ。指は、物品が解放されて落下する、広がる状態に移動されてよい。
【0029】
供給コンベヤ2の下に、充填バッファ4が配置される。充填バッファ4は、上から物品が供給コンベヤ2によって充填される。充填バッファ4は、Y方向において見たときに互いに次に位置づけられる、複数の並列サブバッファ5を備える。各サブバッファ5は、解放可能なバッファポケット7の複数の積み重ねられたサブバッファ横列6を持つ。サブバッファ横列6は、X方向に延在しており、各々は、X方向に延在するパッケージ横列のポケットの最大数に対応する多数のバッファポケットを持つ。図1の例において、充填バッファ4は、8つのサブバッファ5を持ち、各サブバッファ5は、4つの積み重ねられたサブバッファ横列6a~6dを持つ。卵を包装する場合において、例えば、5つの縦列を持つ卵カートン100を充填するとき、各サブバッファ横列6a~6bは、例えば、5つのバッファポケット7を持ってよい。サブバッファ横列は、例えば、6つのバッファポケットを持つが、もしパッケージが5つの縦列のみを持つなら、サブバッファの充填を制御するソフトウェアが、5つのバッファポケットのみを充填する、ことも可能である。その例において、充填バッファを、異なる量の縦列、この例では最大6つを持つ、パッケージを充填するために、一般に使用することができる。
【0030】
充填バッファ4は静止している。それぞれの物品ホルダ3が対応するサブバッファ5の上方横列6aの空のポケット7上に置かれたとき、それは、それに(X方向に)沿って移動し、それぞれの物品ホルダ3から物品を解放する、供給コンベヤ2の横列から、物品、例えば、卵を、その上方横列6aで受け取る。
【0031】
物品は、サブバッファ5の上方横列6aから、ポケット7を開いて物品を解放することによって、その下の横列6bに通過し、その直下の横列6b内のポケット7に達する。同じ様に、物品は、物品がサブバッファ5の最も下方の横列6dに達するまで、引き続く横列6cを通過する。バッファ4は、1つの物品が、1つのポケット7からその下の1つのポケット7にのみ、もし後者が空であって物品を受け取ることが可能であれば、解放されるように、制御される。
【0032】
バッファ4の下に、コレクタ8が配置されている。コレクタ8は、解放可能なポケット10を持つ複数のコレクタ横列9を備える。図1の特定の実施形態において、コレクタ8は2つのコレクタ横列9を備え、それらは1つまたは複数の結合部材11によって機械的に結合されている。
【0033】
コレクタ8の下に、セッタ12が配置されている。図1の特定の実施形態におけるセッタ12は、1つのセッタ横列13を規定する解放可能なポケット14を持つ単一の横列13から成る。セッタ横列13は、X方向およびY方向に直交するZ方向に上下に移動可能である。
【0034】
セッタ12の下に、パッケージコンベヤ15が置かれる。これは、パッケージ100が載せられ、セッタ12を超えてY方向に運搬される、ベルトコンベヤのような無端コンベヤであってよい。パッケージ100は、パッケージ100の横列がX方向に延在し、且つ、パッケージ100の縦列がY方向に延在するように、パッケージコンベヤ15上に方位が合わされている。
【0035】
使用において、セッタ12は、上方位置と下方位置との間で往復運動し、上方位置において、物品をコレクタ8から受け取ることができ、下方位置において、物品を、パッケージコンベヤ15によってセッタ横列13の下の1つのパッケージ横列に位置付けられる、パッケージ100のポケット102に降ろすことができる。
【0036】
コレクタ8は、複数のコレクタ横列9の各1つを、充填バッファ4の直下で、サブバッファ5の任意の1つの下の位置まで、Y方向に前後に移動することができる。したがって、コレクタ横列9の各1つを、選択的に、サブバッファ5の任意の1つと整列するように移動するこができ、それによって、それは選択されたサブバッファ5の最も下方の横列6から物品を受け取ることができる。物品がコレクタ8の少なくとも1つのコレクタ横列9に受け取られたとき、この横列9を、充填したポケット10をセッタ12上の位置までY方向に前後に移動して、物品をセッタ12に降ろすことができる。
【0037】
第1の実施形態において、たった1つの駆動機能がコレクタ横列9を移動するために必要である。何故なら、それら横列は結合部材11によって機械的に結合されているからである。もし、図1の例のように、コレクタ8が2つの結合されたコレクタ横列9を持つなら、コレクタ横列9の一方は、物品を保持してセッタ12の方へ移動され、他方のコレクタ横列9は、空である。何故なら、それは直前に物品を降ろしているからである。したがって、一方のコレクタ横列9が空を動かしている間、他方のコレクタ横列は物品をセッタ12に降ろすように移動する。もし空の横列9が充填したサブバッファ横列6を通過するなら、それは、上記バッファ横列6から物品を受け取ることができ、それから他のコレクタ横列9の物品をセッタ12に降ろすように移動する。他の状況において、充填されたコレクタ横列9は、最初に、物品をセッタ12に降ろすことができるが、他のコレクタ横列9は、それから、物品を受け取ることができる、別のサブバッファ横列6の近くにあり、パッケージ100のスループット時間を短縮する。
【0038】
図2は、物品、この場合においては卵を、パッケージ100に包装するための包装装置21の第2の実施形態の概略正面図を示す。この包装装置21は、第1の実施形態の包装装置と同じ構成要素を持つ。唯一の差異は、コレクタの特定の実施形態にあり、それについては後述する。他の構成要素は、同じであり、第1の実施形態と同じ参照数字を付してある。これら同じ構成要素の説明については、第1の実施形態の上記説明を参照されたい。
【0039】
第2の実施形態のコレクタに参照数字28を付す。第1の実施形態のコレクタ8に反して、第2の実施形態のコレクタ28は、互いに独立してY方向に移動可能な、多数の横列29を持つ。特に図2の実施形態において、コレクタは2つの独立に移動可能な横列29を持つ。この第2の実施形態において、コレクタ横列29は、選択的にかつ互いに独立して、充填した下方の横列6dを持つサブバッファ5に対して移動される。この実施形態において、包装装置21は、各コレクタ横列29用の分離駆動機構、または選択的駆動トランスミッションを持つ共通駆動機構を持つ。もし、例えば、コレクタ28が、図2の例において示されるように、2つのコレクタ横列を持つなら、コレクタ横列29の一方は、物品を保持してセッタ12の方へ移動され得、他方のコレクタ横列29は、空である。何故なら、それは直前に物品を降ろしているからである。したがって、一方のコレクタ横列29が物品をセッタ12に降ろすために移動されている間、他方のコレクタ横列29は、その間、充填した下方の横列6dを持つサブバッファ5の方へ移動され得る。これは、物品を詰め込むことができる速度を増加し、したがって、パッケージ100のスループット時間を増加する。
【0040】
独立して移動可能なコレクタ横列29が同じ平面上を移動することが把握される。従って、一実施形態は、コレクタ横列29の運動を制御する、コントローラが、横列29が衝突するのを防止するように構成される、と把握される。
【0041】
図3は、物品、この場合においては卵を、パッケージ100に包装するための包装装置の第3の実施形態の概略正面図を示す。この包装装置31は、第2の実施形態の包装装置21と同じ構成要素を持つ。唯一の相違点は、セッタの特定の実施形態にあり、それについては後述する。他の構成要素は、同じであり、第2の実施形態と同じ参照数字を付す。これら同じ構成要素の説明については、第1の実施形態および第2の実施形態の上記説明を参照されたい。
【0042】
第3の実施形態のセッタに参照数字32を付す。第2の実施形態のセッタ12に反して、第3の実施形態のセッタ32は、互いに独立してZ方向に移動可能な、多数の横列33を持つ。
【0043】
この第3の実施形態によって、1つのパッケージ100の横列ばかりでなく、パッケージコンベヤ12上の連続する位置に載せられた異なるパッケージ100の横列をも、異なるセッタ横列33によって独立して充填することができる。
【0044】
図12に、第3の実施形態の更なる詳細を示す。バッファ4から、最も下方の横列6dのみを示す。この図面において最も重要なことは、コレクタ横列29の各々が、それぞれ、ベルト291および292と、それぞれ、駆動モータ293および294とを備える、それ自身の駆動アセンブリを持つことを示していることである。
【0045】
コレクタ横列29は、同じ平面において、それら関連付けられた駆動モータ293、294によって、互いに独立して移動され得る。コントローラ295は、駆動モータ293、294に接続され、コレクタ横列29の運動を制御する。コントローラ295は、コレクタ横列29が衝突するのを防止するように、構成される。
【0046】
図4は、物品、この場合においては卵を、パッケージ100内に包装するための包装装置の第4の実施形態の概略正面図を示す。この包装装置41は、第3の実施形態の包装装置31と同じ構成要素を持つ。唯一の相違点は、セッタの特定の実施形態にあり、それについては後述する。他の構成要素は同じであり、第3の実施形態と同じ参照番号を付す。これら同じ構成要素の説明については、第1の実施形態から第3の実施形態の上記説明を参照されたい。
【0047】
第4の実施形態のセッタに参照番号42を付す。このセッタは、複数のセッタ横列43を持ち、図4に示された特定の実施形態では、2つのセッタ横列43を持つ。上記複数の上記横列の横列43は、一緒に移動するように互いに結合されている。この実施形態において、セッタ横列43間のピッチは、好ましくは、パッケージ100の横列のピッチと同じであり、それによって、多数のパッケージ横列を同時に充填することができる。
【0048】
図5は、物品、この場合においては卵を、パッケージ100に包装するための包装装置の第5の実施形態の概略正面図を示す。この包装装置51は、第4の実施形態の包装装置41と同じ構成要素を持つ。唯一の相違点は、セッタの特定の実施形態にあり、それについては後述する。他の構成要素は同じであり、第3の実施形態と同じ参照番号を付す。これら同じ構成要素の説明については、第1の実施形態から第4の実施形態の上記説明を参照されたい。
【0049】
第5の実施形態におけるセッタに参照番号52を付す。このセッタ52は、結合されたセッタ横列53の複数のセット54を持ち、図5に示される特定の実施形態では、結合されたセッタ横列53の2対54を持つ。上記複数の上記横列の横列53は、一緒に移動するように互いに結合されている。この実施形態において、各対のセッタ横列53間のピッチは、パッケージ100における横列のピッチと同じであり、それによって、多数のパッケージ横列を、結合されたセッタ横列53の一つの対54によって同時に充填することができる。何故なら、互いに独立して移動可能な多数のセット54(図5においては対)があり、異なるパッケージ100を同時に又は連続して充填することができるからである。
【0050】
図6は、物品、この場合においては卵を、パッケージ100に包装するための包装装置の第6の実施形態の概略正面図を示す。この包装装置61は、第1の実施形態の包装装置1と同じ構成要素を持つ。唯一の相違点は、セッタの特定の実施形態にあり、それについては後述する。他の構成要素は同じであり、第1の実施形態と同じ参照番号を付す。これら同じ構成要素の説明については、第1の実施形態の上記説明を参照されたい。
【0051】
第3の実施形態のセッタと同様に、第6のセッタに参照番号32を付す。第1の実施形態のセッタ12に反して、第6の実施形態のセッタ32は、互いに独立してZ方向に移動可能な、多数の横列33を持つ。
【0052】
この第6の実施形態によって、1つのパッケージ100の横列ばかりでなく、パッケージコンベヤ12上の連続した位置に載せられた異なるパッケージ100の横列をも、異なるセッタ横列33によって独立して充填することができる。
【0053】
図7は、物品、この場合においては卵を、パッケージ100に包装するための包装装置の第7の実施形態の概略正面図を示す。この包装装置81は、第2の実施形態の包装装置21と同じ構成要素を持つ。唯一の相違点は、コレクタの特定の実施形態にあり、それについては後述する。他の構成要素は同じであり、第2の実施形態と同じ参照番号を付す。これら同じ構成要素の説明については、第1の実施形態および第2の実施形態の上記説明を参照されたい。
【0054】
第7の実施形態のコレクタに参照番号88を付す。第2の実施形態のコレクタ28に反して、第7の実施形態のコレクタ88は、横列89の多数のセット87を持ち、セット87は互いに独立してY方向に移動可能である。図7に示される特定の実施形態において、コレクタ88は横列の2対87を持つ。横列の各セット87の横列89は、一緒に移動するように互いに結合されている。
【0055】
第2の実施形態とちょうど同じように、セッタ12は、ポケット14の単一の横列13を持つ。
【0056】
図8は、物品、この場合においては卵を、パッケージ100に包装するための包装装置の第8の実施形態の概略正面図を示す。この包装装置91は、第7の実施形態の包装装置81と同じ構成要素を持つ。唯一の相違点は、セッタ32の特定の実施形態にあり、それは、第3の実施形態のセッタ32と同じであり、すなわち、それは多数の横列を持ち、特に、ポケットの2つの横列を持ち、横列は、互いに独立してZ方向に移動可能である。
【0057】
図9は本発明の更に別の態様に係る包装装置110を示す。この包装装置は、バッファ4と、コレクタ8と、セッタ12とを備え、それらは、図1に示された包装装置における同じ部品と類似している。
【0058】
包装装置110は供給コンベヤ、所謂、「卵チェーン」を備え、それは図10には図示されていないが、図1に示される供給コンベヤ2と同じである。供給コンベヤ2は、卵を解放可能に保持するための、多数の横列の物品ホルダ3を含む。供給コンベヤ2の下に、充填バッファ4が配置されている。図9においては、充填バッファ4の最も下方の2つの横列6cおよび6dのみを示している。充填バッファ4には、上から供給コンベヤ2によって物品が充填される。充填バッファ4は、Y方向において見たときに互いに次の位置に置かれる、複数の並列サブバッファ5を備える。各サブバッファ5は、解放可能なバッファポケット7の複数の積み重ねられたサブバッファ横列6を持つ。サブバッファ横列6は、X方向に延在しており、各々は、X方向に延在するパッケージ横列におけるポケットの数に対応する多数のバッファポケットを持つ。その代わりに、各サブバッファ横列6は、パッケージ横列におけるポケットの数よりも多いバッファポケットを持ってよく、サブバッファ横列は、部分的に使用され、すなわち、制御ソフトウェアによって物品(卵)が完全に充填されない。図9における例において、充填バッファ4は6つのサブバッファ5を持ち、各サブバッファは4つの積み重ねられたサブバッファ横列6a~6dを持ってよく、最も下方の2つの横列6c、6dのみを図示している。卵を包装する場合において、各サブバッファ横列6a~6dは、例えば、5つの縦列(columns)を持つ卵カートン100を充填するとき、例えば、5つのバッファポケット7を持ってよい。
【0059】
充填バッファ4は静止している。それぞれの物品ホルダ3が対応するサブバッファ5の上方の横列6aの空のポケット7の上に置かれたとき、それは、物品、例えば卵を、それに(X方向に)沿って移動して、それぞれの物品ホルダ3から物品を解放する、供給コンベヤ2の横列から、その上方の横列6aに受け取る。
【0060】
物品は、サブバッファ5の上方横列6aから、ポケット7を開放し、物品を解放することによって、その下の横列6bへ通過し、その直下の横列6bのポケット7に達する(図1参照)。同じ様に、物品は、物品がサブバッファ5の最も下方の横列6dに到達するまで、下の引き続く横列6cを通過する。バッファ4は、物品があるポケット7からその下のポケット7にのみ、もし後者が空であって物品を受け取ることが可能であれば、解放されるように、制御される。
【0061】
バッファ4の下に、コレクタ8が配置される。コレクタ8は、解放可能なポケット10の複数のコレクタ横列9を備える。図9の特定の実施形態において、コレクタ8は、2つのコレクタ横列9を持ち、それらは、例えば、1つまたはそれ以上の結合部材11(図9には図示されていないが、例えば、図1に示されている)によって機械的に結合されている。
【0062】
コレクタ8の下に、中間転送装置90が配置される。
【0063】
中間転送装置90の下に、セッタ12が配置される。図9の特定の実施形態におけるセッタ12は、セッタ横列13を規定する、解放可能なポケット14の単一の横列13を備える。セッタ横列13は、X方向およびY方向に直交するZ方向に上下に移動可能である。
【0064】
中間転送装置90は、図9に示される実施形態において、解放可能なポケット92の2つの転送横列91を備える。転送横列91は、各々、対応するスイベル(swivelling)腕上に配置され、それによって、転送横列91の運動は、スイベル(swivelling)運動である。スイベル(swivelling)運動は、第2の方向(Y)および第3の方向(Z)における運動から成る。
【0065】
ここで、スイベル(swivelling)腕以外の別の案内機構が、転送横列の第2の方向(Y)および第3の方向(Z)における合成運動を確立するために使用されてもよいことに、注意されたい。
【0066】
中間転送装置90は、転送横列91を、物品をコレクタから受け取るために、コレクタの下の位置から、セッタ横列13の上の位置まで前後に移動して、物品をセッタ12に降ろすように、構成および配置されている。したがって、中間転送装置90の転送横列91は、交互にセッタ横列13を充填するが、同じ転送横列91が連続して多数の時間にセッタ横列13を充填することも可能である。コレクタ横列9は、各々、中間転送装置90の転送横列91の任意を充填することができる。
【0067】
セッタ12の下に、パッケージコンベヤ15が置かれる。これは、パッケージ100がセッタ12を超えてY方向に搭載されて搬送される、ベルトコンベヤのような無端コンベヤであってよい。パッケージ100は、パッケージ100の横列がX方向に延在し、かつパッケージ100の縦列がY方向に延在するように、パッケージコンベヤ15上に方位が合わされている。
【0068】
使用において、セッタ12は、上方位置と下方位置との間で往復運動し、上方位置において、物品を転送横列91から受け取ることができ、下方位置において、物品を、セッタ横列13の下の1つのパッケージ横列を持つパッケージコンベヤ15によって位置づけられている、パッケージ100のポケット102に降ろすことができる。
【0069】
図10に、転送装置を含む包装装置の別の実施形態を示す。この包装装置120は、基本的には、図9に示される包装装置110と同じ構成要素を備える。相違点は、図9の実施形態のコレクタ9に反して、コレクタ28が、互いに独立してY方向に移動可能な、多数の横列29を持つ、ことである。特に図10の実施形態において、コレクタは、2つの独立して移動可能な横列29を持つ。これは、従って、図2のコレクタと類似している。
【0070】
この実施形態において、コレクタ横列29は、選択的にかつ互いに独立して、充填下方横列6dを持つサブバッファ5に対して移動される。この実施形態において、装置21は、各コレクタ横列29用の分離駆動機構、または選択的駆動トランスミッションを持つ共通駆動機構を持つことができる。もし例えばコレクタ28が、図10の例に示されるように、2つのコレクタ横列を持つなら、コレクタ横列29の一方は、物品を保持して、転送装置の転送横列91の一方の方へ移動され得、他方のコレクタ横列29は、空である。何故なら、それは直前に物品を降ろしているからである。したがって、一方のコレクタ横列29が物品を転送横列91の一方に降ろすために移動されている間、他方のコレクタ横列29は、その間、充填した下方横列6dを持つサブバッファ5の方へ移動され得る。これは、物品を詰め込むこことができる速度を増加し、したがって、パッケージ100のスループット時間を増加する。
【0071】
独立して移動可能なコレクタ横列29は、同じ平面で移動することが把握される。従って、一実施形態は、コレクタ横列29の運動を制御する、コントローラが、横列29が衝突するのを防止するように構成されている、ことが把握される。
【0072】
図11は、本発明の別の態様に係る、卵のような物品を包装するための包装装置の一実施形態の一部を示す。
【0073】
同じ構成要素に対して図1の実施形態から参照番号を使用して、この態様に係る包装装置は、第1の方向(X)に物品を運搬するための供給コンベヤ2(図11には示されていない)を備え、それは、物品(それは、示される特定の例において、卵である)を解放可能に保持するための物体ホルダ3を持つ。
【0074】
パッケージコンベヤ15は、パッケージ100を第1の方向(X)と実質的に直交する第2の方向(Y)に運搬するために、供給コンベヤの下に置かれおり、パッケージ100は、パッケージ100の横列が第1の方向(X)に延在し、パッケージ100の縦列が第2の方向(Y)に延在するように、パッケージコンベヤ上に方位が合わされている。
【0075】
充填バッファ4は、供給コンベヤ2とパッケージコンベヤ15との間に置かれている。充填バッファ4は、使用において、供給コンベヤ2によって上から物品が充填され、バッファ4の下に置かれるパッケージコンベヤ15上のパッケージ100に、中間機構を介して、間接的に上記物品(卵)を充填する。
【0076】
充填バッファ4は、第2の方向(Y)において見たときに互いに次に置かれる、複数の並列サブバッファ5を備える。各サブバッファ5は、解放可能なバッファポケット7の複数の積み重ねられたサブバッファ横列6a~6dを持つ。サブバッファ横列6a~6dは第1の方向(X)に延在している。各サブバッファ横列6a~6dは、第1の方向(X)に延在するパッケージ横列におけるパケット102の数に対応する多数のバッファポケット7を持つ。前述したように、各サブバッファは、第1の方向(X)に延在するパッケージ横列におけるパケット102の数を超える、多数のバッファポケット7を持つことも可能であり、サブバッファ横列は、制御ソフトウェアによって、パッケージのサイズに従って、部分的にのみ充填される。
【0077】
次に図11を参照して、この態様に係る包装装置は、もし卵チェーン2(図1参照)が2つの横列のみを持つなら、そのとき、充填バッファ4は2つのサブバッファ5のみを持ち、図9および図10の実施形態において示されるような、コレクタ8、28を削除できる、という考えに基づいている。この態様に係る包装装置において、卵(又は他の物品)は、サブバッファ5の最も下方の横列6dから転送装置90の転送横列92の解放可能なポケット91に、直接的に投下できる。
【0078】
第1の方向(X)と第2の方向(Y)に直交する第3の方向(Z)に上下に移動可能な、セッタ横列13を規定する解放可能なポケット14の横列を備えるセッタ12は、転送装置90の下に置かれる。使用において、セッタ12は、上方位置と下方位置との間で往復運動し、上方位置において、物品を転送装置90から受け取ることができ、下方位置において、物品をパッケージ100のポケット102に降ろすことができる。
【0079】
セッタ12は、上記対の転送横列91に関連付けられた1つのセッタ横列13を備える。転送装置90は、該対の転送横列91の各1つを、上記サブバッファ5の最も下方の横列6dから物品を受け取るための上記転送横列91に関連付けられたサブバッファ5の下の位置から、セッタ横列13の上の位置まで前後に移動して、物品をセッタ12に降ろすように、構成および配置されている。
【0080】
示された特定の実施形態において、上記対の転送横列91は、各々、対応するスイベル(swivelling)腕上に配置され、それによって、転送横列91の運動はスイベル(swivelling)運動である。スイベル(swivelling)運動は、第2の方向(Y)および第3の方向(Z)における運動から成る。
【0081】
ここで、スイベル(swivelling)腕以外の別の案内機構を、転送横列の第2の方向(Y)および第3の方向(Z)における合成運動を確立するために使用することができる、ことに注意されたい。
【0082】
述べたように、転送機構90は、転送横列91を、物品をその最も下方の横列6dから受け取るために、関連付けられたサブバッファ5の下の位置から、セッタ横列13の上の位置まで前後に移動して、物品をセッタ12に降ろすように、構成および配置されている。対の転送横列91は、従って、交互にセッタ横列13を充填できるが、同じ転送横列91が、連続して多数の時間にセッタ横列13を充填することも可能である。
【0083】
代わりの実施形態において、図示はしないが、図11の包装装置は、セッタ12を削除するように変更される。この実施形態において、転送横列は、上で述べたように、物品を受け取るためのサブバッファ5の最も下方の横列間で、パッケージ横列の上の位置まで前後に移動して、物品をパッケージ100のポケット102に直接的に降ろすことができる。
【0084】
図面に示された実施形態において、コレクタは、独立して移動可能なコレクタ横列、または結合されたコレクタ横列を持ってよい。また、セッタは、独立して移動可能なセッタ横列、または結合されたセッタ横列、或は単一のセッタ横列を持ってよい。本発明の範囲内で、図面に図示されていない以外に、結合された、独立した、または単一のセッタ横列と、結合された、または独立したコレクタ横列との更なる組み合わせがあると理解されたい。したがって、図面における実施形態は、制限されない例として考えるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12