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特許7372921芳香族系ポリエーテルアミンアルコキシレート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】芳香族系ポリエーテルアミンアルコキシレート
(51)【国際特許分類】
   C08G 65/333 20060101AFI20231025BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20231025BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20231025BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20231025BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20231025BHJP
   C07C 217/28 20060101ALI20231025BHJP
   C07C 271/02 20060101ALI20231025BHJP
   C07C 291/04 20060101ALI20231025BHJP
   C08G 65/332 20060101ALI20231025BHJP
   C08L 71/02 20060101ALI20231025BHJP
   A01N 25/04 20060101ALI20231025BHJP
   A01N 25/02 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
C08G65/333
A61K8/86
A61Q5/00
A61Q17/04
A61Q19/00
C07C217/28 CSP
C07C271/02
C07C291/04
C08G65/332
C08L71/02
A01N25/04 101
A01N25/04 102
A01N25/02
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020534604
(86)(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 US2018058077
(87)【国際公開番号】W WO2019125603
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-10-11
(31)【優先権主張番号】62/608,003
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505318547
【氏名又は名称】ハンツマン ペトロケミカル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Huntsman Petrochemical LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メレディス,マシュー・ティー
【審査官】内田 靖恵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/028457(WO,A1)
【文献】特表2015-502379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】
(式中、各R1は、独立して水素又はアルキル基であり、各R2、R3、R4、R5及びR6は、独立して水素、メチル又はエチルであり、R7及びR8は、独立して水素、SO3M、C
OOM又はPO32であり、Mは、水素、水溶性カチオン、一価金属又は多価金属カチオンであり、Aは、-CH 2 -COO - 又は―O―であり、wは、0であり、zは、1であり、xは、0~100の整数であり、yは、0~100の整数であり、mは、0~50の整数であり、nは、0~50の整数であり、kは、0又は1であり、x+y=1~100及びm+n=1~50である)
を有するポリエーテルアミンアルコキシレート化合物。
【請求項2】
x+y=1~10である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
4がメチル又はエチルであり、R2及びR3が、x基及びy基がエチレンオキシド、プ
ロピレンオキシド及びブチレンオキシドのランダム又はブロック基であるように選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
m+n=2~50であり、各R5及びR6が、独立して水素又はメチルであり、オキシアルキレン基m及びnが、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロック又はランダム基で配置されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
フェニルメタノール、ジフェニルメタノール、トリフェニルメタノール及びそれらの混合物から選択される開始剤アルコールを、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物と反応させて、前駆体ポリオールを形成する工程と、前駆体ポリオールをアミノ化してポリエーテルアミンを形成する工程と、ポリエーテルアミンをアルキレンオキシドでアルコキシル化して、式(1)のポリエーテルアミンアルコキシレートを形成する工程と、を含む、請求項1に記載の式(1)を有するポリエーテルアミンアルコキシレート化合物の製造方法。
【請求項6】
式(1)のポリエーテルアミンアルコキシレート化合物を酸部分と反応させ、任意的にアルカリ金属、アルカリ土類金属、アミン又はアンモニアの供給源で中和する工程を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
式(1)のポリエーテルアミンアルコキシレート化合物をハロ置換カルボン酸又は酸化物と反応させる工程を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
式(1)
【化2】
(式中、各R1は、独立して水素又はアルキル基であり、各R2、R3、R4、R5及びR6は、独立して水素、メチル又はエチルであり、R7及びR8は、独立して水素、SO3M、C
OOM又はPO32であり、Mは、水素、水溶性カチオン、一価金属又は多価金属カチオンであり、Aは、-CH 2 -COO - 又は―O―であり、wは、0であり、zは、1であり、xは、0~100の整数であり、yは、0~100の整数であり、mは、0~50の整数であり、nは、0~50の整数であり、kは、0又は1であり、x+y=1~100及びm+n=1~50である)
を有するポリエーテルアミンアルコキシレート化合物及び溶媒を含む組成物。
【請求項9】
a)少なくとも出口を有する容器と、b)請求項8に記載の組成物とを含む包装製品。
【請求項10】
約50重量%以上の請求項1に記載の式(1)の化合物と、約0.5重量%~約50重量%の水と、任意的に1種以上の添加剤とを含む濃縮組成物であって、重量%が濃縮組成物の総重量に基づく、濃縮組成物。
【請求項11】
式(1)の化合物が、各々、パフォーマンスケミカル(性能化学)製剤の総重量又はパ
ーソナルケア製剤の総重量を基準にして、約0.01重量%~約40重量%の範囲の量で存在する、請求項8に記載の組成物を含むパフォーマンスケミカル製剤又はパーソナルケア製剤。
【請求項12】
農薬活性成分、溶媒、及び請求項8に記載の組成物を含む農薬乳化性濃縮物であって、式(1)の化合物を含む組成物が、約1% w/w~約20% w/wの範囲の量で存在し、ここでw/wは、農薬乳化性濃縮物の総重量に対する、農薬乳化性濃縮物中に存在する式(1)の化合物を含む組成物の量を意味する、農薬乳化性濃縮物。
【請求項13】
農薬活性成分、水、及び請求項8に記載の組成物を含む農薬懸濁液濃縮物であって、式(1)の化合物を含む組成物が、約0.01% w/w~約10% w/wの範囲の量で農薬懸濁液濃縮物中に存在してもよく、ここでw/wは、農薬懸濁液濃縮物の総重量に対する、農薬懸濁液濃縮物中に存在する式(1)の化合物を含む組成物の重量を意味する、農薬懸濁液濃縮物。
【請求項14】
溶解された農薬活性成分、水、及び請求項8に記載の組成物を含む農薬可溶性液体濃縮物であって、式(1)の化合物を含む組成物が、約0.01% w/w~約20% w/wの範囲の量で農薬可溶性液体濃縮物中に存在してもよく、ここでw/wは、農薬可溶性液体濃縮物の総重量に対する、農薬可溶性液体濃縮物中に存在する式(1)の化合物を含む組成物の重量を意味する、農薬可溶性液体濃縮物。
【請求項15】
請求項8に記載の組成物と、1種以上のパフォーマンス(性能化学)添加剤と、燃料、担体油又は溶媒のうちの少なくとも1つとを含む、燃料添加剤濃縮物。
【請求項16】
請求項1に記載の式(1)の化合物と硬化性樹脂とを含む硬化性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2017年12月20日に出願された米国仮特許出願第62/608,003号に対する優先権を主張するものであり、該出願の全内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、フェニルメタノール、ジフェニルメタノール又はトリフェニルメタノール(これらのそれぞれは、任意的にアルキル化されていてもよい)から誘導される芳香族系ポリエーテルアミンアルコキシレート化合物、及びそのような化合物の製造方法に関する。本開示のポリエーテルアミンアルコキシレート化合物は、クリーニング、布地トリートメント、ヘアコンディショニング、燃料添加剤、油田、農業、パーソナルケア及び抗菌製剤、硬化性樹脂組成物、金属加工液を含むがこれらに限定されない多様な用途、並びにポリウレタンフォームの製造に使用されてもよい。
【背景技術】
【0003】
ポリエーテルアミン化合物及びそのような化合物の製造方法は、周知である。一般に、この方法は、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はブチレンオキシド)を添加して様々な官能基を有するポリオキシアルキレンポリオールを形成することによる開始剤アルコールのアルコキシル化;及びポリオキシアルキレンポリオールを高温及び高圧で還元アミノ化してポリエーテルアミンを生成することを含む。
【0004】
様々な開始剤アルコールを使用して、ポリエーテルアミン化合物を誘導することができる。例えば、開始剤アルコールの1つのクラスは、脂肪鎖が主として直鎖であり、アルコキシル化及びアミノ化されて脂肪アミンアルコキシレートを形成する飽和C14~C18基である脂肪アルコールを含む。
【0005】
それらの独特の機能性、高パフォーマンス(performance:性能)及び低コストのために、芳香族基を含むアルコールも開始剤アルコールとして使用される場合がある。当業者には周知のように、芳香族アルコールは、芳香族炭素に直接結合したヒドロキシル基を含むフェノールとは対照的に、芳香族炭素に間接的に結合したヒドロキシル部分を含む。アルキルフェノールは、特にアルコキシレートに関して、当技術分野で広く受け入れられている芳香族基を含むこのようなアルコールの1つのクラスである。芳香族基を含む他の汎用的な周知のクラスの開始剤アルコールは、ポリアリールフェノールアルコール、特にトリスチリルフェノールを含む。
【0006】
残念ながら、上記のそれぞれは、毒性及び/又は環境持続性の問題などの望ましくない特性を有する。例えば、脂肪アルコールは一般に無毒であるが、その後に生成される脂肪アミンアルコキシレート、例えばエトキシル化獣脂アミンは、眼及び皮膚刺激を引き起こし、水生毒性を有することが知られている。更に、アルキルフェノール及びトリストリフェノールの使用は、アルキルフェノールが内分泌撹乱物質であることが現在知られている一方で、アルキルフェノール及びトリストリフェノールが持続的な環境汚染物質であることが知られているという事実によって不利になっている(例えば、非特許文献1を参照されたい)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【文献】Soto,A.M.et al.Environ.Health Persp.1991,92,167;Environmental risk evaluation report:Styrenated phenol - ISBN 978-1-84911-162-1,2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、最先端のポリエーテルアミンアルコキシレートと少なくとも同様のパフォーマンスを提供し、減少した眼/皮膚刺激性及び毒性を示し、また環境に優しい、芳香族アルコールから誘導することができる代替のポリエーテルアミンアルコキシレート化合物を同定し、開発し、使用することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様によれば、本開示は、式(1)
【化1】
(式中、各Rは、独立して水素又はアルキル基であり、各R、R、R、R及びRは、独立して水素、メチル又はエチルであり、R及びRは、独立して水素、SOM、COOM又はPOであり、Mは、水素、水溶性カチオン、一価金属又は多価金属カチオンであり、Aは、メチル、エチル、酸素又はCHCOOであり、wは、0~3の整数であり、zは、0~2の整数であり、xは、0~100の整数であり、yは、0~100の整数であり、mは、0~50の整数であり、nは、0~50の整数であり、kは、0又は1であり、x+y=1~100である)を有するポリエーテルアミンアルコキシレート化合物を提供する。別の態様では、m+n=1~50である。
【0010】
更なる態様において、酸触媒又は塩基触媒の存在下で、フェニルメタノール(任意的にアルキル化)、ジフェニルメタノール(任意的にアルキル化)又はトリフェニルメタノール(任意的にアルキル化)又はそれらの混合物を、アルキレンオキシド又はポリアルキレングリコールと反応させて前駆体ポリオールを形成し、前駆体ポリオールをアミノ化してポリエーテルアミンを形成し、ポリエーテルアミンをアルキレンオキシドと反応させて芳香族系ポリエーテルアミンアルコキシレート化合物を形成することによって、式(1)のポリエーテルアミンアルコキシレート化合物を作製する方法が提供される。更なる態様において、ポリエーテルアミンアルコキシレート化合物は、任意的に4級化又は酸化されてもよく、尚更なる態様において、ポリエーテルアミンアルコキシレートは、任意的に、酸部分と更に反応され、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アミン又はアンモニアの供給源で中和されてもよい。
【0011】
更に別の態様では、本開示のポリエーテルアミンアルコキシレート化合物の使用(例え
ば、パフォーマンスケミカル(performance chemical:性能化学)製剤又はパーソナルケア製剤における使用)が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の化合物及び獣脂アミンエトキシレートをアジュバントとして使用した場合のグリホサートの除草効果を示す。
図2】本開示の化合物及び獣脂アミンエトキシレートをアジュバントとして使用した場合のグリホサートの除草効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の用語は、以下の意味を有するものとする。
【0014】
疑いを避けるために、用語「含む」の使用によって本明細書に特許請求される全組成物は、反対に述べられていない限り、いずれかの追加の添加剤、アジュバント又は化合物を含んでもよい。対照的に、本明細書に出現する場合、用語「から本質的になる」は、操作性に不可欠でないものを除いて、いずれの他の成分、工程又は手順も後続の記載の範囲から排除し、用語「からなる」は、使用される場合、特に記載又は列挙されていないいずれの成分、工程又は手順も排除する。用語「又は」は、特に記載されていない限り、列挙されたメンバーを個々に、及びいずれかの組み合わせで指す。
【0015】
「a」及び「an」は、物品の文法上の対象の1つ又は複数(即ち、少なくとも1つ)を指すために本明細書で使用される。例として、「アルキレンオキシド」は、1つのアルキレンオキシド又は複数のアルキレンオキシドを意味する。「一態様では」、「一態様によれば」などの語句は、一般に、この語句に続く特定の特徴、構造又は特性が本開示の少なくとも一態様に含まれ、本開示の複数の態様に含まれてもよいことを意味する。重要なことに、このような語句は、必ずしも同じ態様を指すものではない。成分若しくは特徴が含まれ又は特性を有「してもよい」、「することができる」、「することができた」又は「してもよかった」と明細書に記載されている場合、その特定の成分又は特徴は、含まれる必要はなく、又は特性を有する必要はない。
【0016】
用語「脂肪族」又は「脂肪族基」は、本明細書で使用される場合、直鎖(即ち、非分岐)、分岐、又は環式(縮合、架橋、及びスピロ縮合多環式を含む)であってもよく、また完全に飽和であってもよく、又は1つ以上の不飽和単位を含んでもよいが芳香族ではない炭化水素部分を示す。特に明記しない限り、脂肪族基は、1~20個の炭素原子を有することができる。
【0017】
用語「アルキル」は、直鎖及び分岐鎖基の両方、並びに環式基を含む。直鎖及び分岐鎖基は、特に明記しない限り、20個までの炭素原子を有してもよい。環式基は、単環式又は多環式であり得、いくつかの態様では、3~10個の炭素原子を有することができる。
【0018】
用語「アルカリール」は、アルキル基で置換されたアリール基を意味する。
【0019】
本明細書で使用される「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む構造式を有する2~20個の炭素原子を有する炭化水素基である。
【0020】
用語「アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ、2-プロポキシ、プロポキシ、ブトキシ、3-ペントキシなどを含む、炭素原子10個以下の直鎖又は分岐鎖の炭化水素エーテル基を意味する。
【0021】
用語「アルコキシレート」は、純粋な物質、並びに異なるアルキレンオキシド及び/又
は異なるアルコールを使用して得られる混合物を含む。
【0022】
用語「芳香族」は、1つ以上の環を含む不飽和環式炭化水素を有する化合物を指す。
【0023】
本明細書で使用される用語「アリール」は、6~20個の炭素原子を有する、ベンゼン、ナフタレン、フェニル、ビフェニル、アントラセンなどを含むがこれらに限定されない、いずれかの炭素系芳香族基を含む基である。
【0024】
用語「炭素環式」は、4~20個の炭素原子から構成される環を有し、又はそれに関し、又はそれによって特徴付けられることを意味する。
【0025】
用語「シクロアルケニル」は、単一の基を有し、炭素-炭素二重結合を含み、3~10個の炭素原子を有する非芳香族単環式又は多環式環系を意味する。例示的な単環式シクロアルケニル環は、シクロペンテニル、シクロヘキセニル又はシクロヘプテニルを含む。例示的な多環式シクロアルケニル環は、ノルボルネニルである。
【0026】
用語「ハロ」、「ハロゲン」又は「ハロゲン化物」は、本明細書で使用される場合、互換的に使用され得、F、Cl、Br又はIを指す。
【0027】
用語「ヘテロアリール」は、N、O、及びSから選択される1個、2個、又は3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素原子である、少なくとも1個の芳香族環を有する5~12個の環原子の単環式又は二環式基を意味する。
【0028】
用語「複素環式」は、1個又は2個の環原子がN、O又はS(O)(nは、0~2の整数である)から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子が炭素原子である、3~8個の環原子の非芳香族単環式又は二環式基を意味する。
【0029】
本明細書で使用される用語「ヒドロキシル」又は「ヒドロキシ」は、式-OHによって表される。
【0030】
用語「実質的に含まない」は、組成物中に成分が実質的に存在しないことに関して使用される場合、そのような成分は存在せず、又はもし存在したとしても、偶発的な不純物又は副産物として存在することを意味する。換言すれば、成分は、組成物の性質に影響を及ぼさない。
【0031】
用語「パフォーマンスケミカル製剤」は、広範な種々の適用に役立つ非パーソナルケア製剤を指し、非限定的な製剤、例えば接着剤、農業、殺生物剤、コーティング、電子機器、家庭用、工業用及び業務用(HI&I)、インク、膜、金属加工、紙、塗料、プラスチック、印刷、プラスター、油田、ポリウレタン、織物並びに木材ケア製剤を含む。
【0032】
用語「パーソナルケア製剤」は、皮膚、太陽、油、毛髪、化粧品、及び保存剤製剤(皮膚の色及び外観を変化させるものを含む)などの例示的な非限定的な製剤を指す。潜在的なパーソナルケア製剤は、スタイリングにおける柔軟性の増大、耐久性スタイリング、並びに毛髪、皮膚及びカラー化粧品のための耐湿性の増大のためのポリマー、サンケア防水/耐水、耐摩耗性、並びに熱保護/強化製剤を含むが、これらに限定されない。
【0033】
用語「燃料添加剤」は、燃料及び/又は機関、並びに関連する燃料処理構成要素に有利な特性を付与する添加剤を意味する。
【0034】
一態様によれば、本開示は、疎水性化合物中に芳香族基を含む新規なポリエーテルアミ
ンアルコキシレート化合物を提供し、これは、化合物がアルキルフェノール及びトリストリフェノール(tristryphenol)の独特の機能性、高パフォーマンス及び低コストを有するが、これらの従来の化合物に関連する毒性及び/又は環境持続性の問題を有さないことを可能にする。特に、本出願人らは、驚くべきことに、芳香族部分とヒドロキシル基との間にアルキルスペーサーを配置することは、芳香族部分へのヒドロキシル基の直接結合とは対照的に、本開示の化合物の生分解特性を最大にすることを見出した。最初に、本開示の化合物は、フェノールではないことを理解しなければならない。即ち、本発明の化合物の芳香族部分へのヒドロキシル基の間接的な結合は、電子富化酸素基から芳香族環への電子の供与を排除する。理論に束縛されることを望むものではないが、このヒドロキシル基の芳香族部分への間接的な結合は、本発明の化合物の減少した分極及び分極率をもたらし、それによって、本発明の化合物のパフォーマンス特性に影響を及ぼすことなく、それらの生分解性を増大させると考えられる。驚くべきことに、それらは、脂肪アミンアルコキシレートなどの最先端の化合物に少なくとも匹敵し、又は改善さえもされたパフォーマンス特性を有することが見出された。
【0035】
一態様によれば、ポリエーテルアミンアルコキシレート化合物は、一般式(1)
【化2】
(式中、各Rは、独立して水素又はアルキル基であり、各R、R、R、R及びRは、独立して水素、メチル又はエチルであり、R及びRは、独立して水素、SOM、COOM又はPOであり、Mは、水素、水溶性カチオン、一価金属又は多価金属カチオンであり、Aは、メチル、エチル、酸素又はCHCOOであり、wは、0~3の整数であり、zは、0、1又は2であり、xは、0~100の整数であり、yは、0~100の整数であり、mは、0~50の整数であり、nは、0~50の整数であり、kは、0又は1であり、x+y=1~100である)を有する化合物である。いくつかの態様では、Mは、独立して水素、ナトリウム、カリウム、マグネシウム又はカルシウムであってもよい。
【0036】
別の態様によれば、ポリエーテルアミンアルコキシレート化合物は、一般式(1)
【化3】
(式中、各Rは、独立して水素又はアルキル基であり、各R、R、R、R及びRは、独立して水素、メチル又はエチルであり、R及びRは、独立して水素、SOM、COOM又はPOであり、Mは、水素、水溶性カチオン、一価金属又は多価金属カチオンであり、Aは、メチル、エチル、酸素又はCHCOOであり、wは、0~3の整数であり、zは、0、1又は2であり、xは、0~50の整数であり、yは、0~50の整数であり、mは、0~50の整数であり、nは、0~50の整数であり、kは、0又は1であり、x及びy x+y=1~100及びm+n=1~50である)を有する化合物である。いくつかの態様では、Mは、独立して水素、ナトリウム、カリウム、マグネシウム又はカルシウムであってもよい。
【0037】
特定の一態様によれば、式(1)の化合物において、zは2であり、wは0である。更に別の態様では、式(1)の化合物において、zは2であり、wは1であり、Rは、C~C14アルキル基である一方、別の態様では、Rは、C~C12アルキル基であり、又は更に別の態様では、Rは、C~C10アルキル基である。更に別の態様では、式(1)の化合物において、zは2であり、wは2であり、少なくとも1つのRは、C~C14アルキル基である一方、別の態様では、少なくとも1つのRは、C~C12アルキル基であり、又は更に別の態様では、少なくとも1つのRは、C~C10アルキル基である。
【0038】
別の態様によれば、式(1)の化合物において、zは1であり、wは0である。更に別の態様では、式(1)の化合物において、zは1であり、wは1であり、Rは、C~C14アルキル基である一方、別の態様では、Rは、C~C12アルキル基であり、又は更に別の態様では、Rは、C~C10アルキル基である。更に別の態様では、式(1)の化合物において、zは1であり、wは2であり、少なくとも1つのRは、C~C14アルキル基である一方、別の態様では、少なくとも1つのRは、C~C12アルキル基であり、又は更に別の態様では、少なくとも1つのRは、C~C10アルキル基である。
【0039】
尚更に別の態様では、式(1)の化合物において、zは0であり、wは0である。更に別の態様では、式(1)の化合物において、zは0であり、wは1であり、Rは、C~C14アルキル基である一方、別の態様では、Rは、C~C12アルキル基であり、又は更に別の態様では、Rは、C~C10アルキル基である。更に別の態様では、式(1)の化合物において、zは0であり、wは2であり、少なくとも1つのRは、C~C14アルキル基である一方、別の態様では、少なくとも1つのRは、C~C12アルキル基であり、又は更に別の態様では、少なくとも1つのRは、C~C10アルキル基である。
【0040】
別の特定の態様によれば、式(1)の化合物において、xは0~50であり、yは0~50であり、x+y=1~50である。更に別の態様では、式(1)の化合物において、xは0~20であり、yは0~20であり、x+y=1~20である一方、更なる態様では、xは0~10であり、yは0~10であり、x+y=1~10である。尚更に別の態様では、式(1)の化合物において、Rは、メチル又はエチルであり、いくつかの態様では、メチルであり、R及びRは、x基及びy基が、エチレンオキシド、プロピレンオド又はブチレンオキシドのランダム又はブロック基であるように選択される。別の態様では、オキシアルキレンx及びy基はまた、ランダムに又はブロックで混合されてもよい。特定の一態様では、式(1)の化合物において、各R及びRは、独立して水素又はメチルであり、オキシアルキレン基x及びxは、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロック又はランダム基に配置される。
【0041】
更に別の特定の態様によれば、式(1)の化合物において、mは0~50であり、nは0~50であり、m+n=2~50である。更に別の態様では、mは0~20であり、nは0~20であり、m+n=2~20である一方、別の態様では、mは0~10であり、nは0~10であり、m+n=2~10である。尚更に別の態様では、式(1)の化合物において、R及びRは、m基及びn基がエチレンオキシド、プロピレンオキシド又はブチレンオキシドのランダム又はブロック基であるように選択される。特定の一態様では、式(1)の化合物において、各R及びRは、独立して水素又はメチルであり、オキシアルキレン基m及びnは、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロック又はランダム基に配置される。
【0042】
更なる態様では、式(1)の化合物において、kは0である。別の態様では、式(1)の化合物において、kは1であり、Aは、メチル又はエチルである。更に別の態様では、式(1)の化合物において、kは1であり、Aは、O又はCHCOOである。
【0043】
更に別の特定の態様によれば、式(1)の化合物において、R及びRは、水素又はメチルである。更に別の態様では、式(1)の化合物において、R又はRの一方は、SOM又はPOMであり、他方は、水素又はメチルであり、ここでMは、水素、ナトリウムカリウム、マグネシウム又はカルシウムである。
【0044】
式(1)の化合物は、一般に、フェニルメタノール、ジフェニルメタノール、トリフェニルメタノール及びそれらの混合物から選択される開始剤アルコールを前駆体ポリオールに変換し、前駆体ポリオールをアミノ化してポリエーテルアミンを形成し、ポリエーテルアミンをアルキレンオキシドでアルコキシル化して式(1)のポリエーテルアミンアルコキシレートを形成することによって調製されてもよい。
【0045】
開始剤アルコールは、少なくとも2つの異なる方法によって前駆体ポリオールに変換されてもよいことが見出されている。1つの方法によれば、前駆体ポリオールは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド及びそれらの混合物などのアルキレンオキシドを使用して、開始剤アルコールを直接アルコキシル化することによって調製されてもよい。あるいは、前駆体ポリオールは、酸触媒の存在下で、開始剤アルコールとヒドロキシル末端ポリグリコールエーテルとの直接縮合によって調製されてもよい。この特定の方法の利点は、エチレンオキシドのような有毒な気体材料の取り扱いの回避、並びに大気圧及び比較的低温、例えば50℃~150℃、又はいくつかの態様では80℃~120℃での反応の実施を含む。当業者に既知であるように、開始剤アルコールが上記のように前駆体ポリオールに変換される場合、前駆体ポリオールの混合物が一般に形成される。
【0046】
従って、一態様では、開始剤アルコールへのアルキレンオキシドの重付加によって調製
される前駆体ポリオール。別の態様では、前駆体ポリオールは、開始剤アルコールを酸触媒の存在下でメチル末端ポリエチレングリコール(mPEG)、ポリエチレングリコール(PEG)又は他のポリアルキレングリコール(PAG)と反応させる(縮合させる)ことによって調製される。更に別の態様では、上記の反応において使用されるジフェニルメタノールは、水素化触媒の存在下で水素化されたベンゾフェノンから得られる場合がある。
【0047】
前駆体ポリオールがアルコキシル化によって調製される特定の一態様において、このようなアルコキシル化は、当業者に周知のものを含むアルコキシル化触媒によって触媒され得る。その例は、強塩基(例えば、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物)、ブレンステッド酸又はルイス酸(例えば、AlCl、BF)などを含むがこれらに限定されない。狭い分布を有するアルコキシレートが所望される場合、ハイドロタルサイト又はDMCのような触媒も使用される場合がある。
【0048】
更に、アルコキシル化は、約80o~250℃、例えば約100o~220℃の範囲の温度で実施されてもよい。圧力は、周囲圧力と600barの間であってもよい。所望であれば、アルキレンオキシドは、不活性ガスの混合物を、例えば約5%~60%含んでもよい。
【0049】
上述のように、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド単位は、いずれの方法で式(1)の化合物内に配置されてもよい。従って、例えば、構造単位x及びyは、ランダムに又はブロックで配置されてもよい。従って、アルコキシル化は、単一のタイプのアルキレンオキシド、及びアルキレンオキシドの混合物を使用して実施することができる。例えば、2種以上の異なるアルキレンオキシドの混合物が反応混合物に導入される場合、これは一般に、アルキレンオキシドの反応性が本質的に匹敵する場合、混合物の構成成分が特定の順序で存在しないランダムポリエーテル鎖をもたらす。しかしながら、異なるアルキレンオキシドが連続して反応混合物中に供給される場合、即ち、反応に意図される更なるアルキレンオキシドが、以前に供給されたアルキレンオキシドが完全に反応した際にのみ供給される場合、ポリエーテルセグメントはブロックから構成される。
【0050】
アルコキシル化の程度、即ち、本開示による芳香族アルコキシレートのポリエーテル鎖の平均鎖長、及びそれらの組成(換言すれば、x及びyの値)は、その調製において使用される開始剤アルコール対アルキレンオキシドのモル量の比、及び反応条件によって制御することができる。一方、前駆体ポリオールは、少なくとも約4又は約4を超える、いくつかの態様では、少なくとも約10又は約10を超える、別の特定の態様では、少なくとも約30又は約30を超える、更に別の態様では、少なくとも約50又は約50を超えるアルキレンオキシド単位を含んでもよい。一方、前駆体ポリオールは、約100又は70又は40又は10以下又は未満のアルキレンオキシド単位を含んでもよい。
【0051】
次いで、前駆体ポリオールは、還元的アミノ化工程において供給原料として使用される。場合によっては、還元的アミノ化の前に、前駆体ポリオールを、酸又は化学吸着剤(例えば、シュウ酸又はケイ酸マグネシウム)で中和し、濾過して不溶性物質を除去する。前駆体ポリオールは還元的アミノ化ゾーンに装填され、ここで還元的アミノ化触媒(水素化-脱水素化触媒と呼ばれることもある)と接触させられ、還元的アミノ化条件下でアンモニア及び水素の存在下で還元的にアミノ化される。還元的アミノ化条件は、例えば、約150℃~約275℃の範囲内の温度及び約500psi~約5000psiの範囲内の圧力を含んでもよく、約180℃~約220℃の範囲内の温度及び約1500psi~約2500psiの範囲内の圧力が、多くの態様において使用される。
【0052】
米国特許第3,654,370号(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)に
記載されているような、いずれの適切な水素化触媒も使用される場合がある。いくつかの態様では、水素化触媒は、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム又は白金などの周期律表の第VIIIB族の金属の1つ以上を、クロム、モリブデン又はタングステンなどの周期律表の第VIB族の1つ以上の金属と混合して含んでもよい。銅のような周期律表の第IB族からの促進剤も含まれる場合がある。例として、約60モルパーセント~約85モルパーセントのニッケル、約14モルパーセント~約37モルパーセントの銅、及び約1モルパーセント~約5モルパーセントのクロム(クロミアなど)を含む触媒、例えば米国特許第3,152,998号に開示されているタイプの触媒を使用してもよい。別の例として、約70重量%~約95重量%のコバルト及びニッケルの混合物、並びに約5重量%~約30重量%の鉄を含む、米国特許第4,014,933号に開示されているタイプの触媒を使用してもよい。別の例として、ニッケル、銅、及び鉄、亜鉛、ジルコニウム又はそれらの混合物であってもよい第3の成分を含む、米国特許第4,152,353号に開示されているタイプの触媒を使用してもよく、例えば、触媒は、約20重量%~約49重量%のニッケル、約36重量%~約79重量%の銅及び約1重量%~約15重量%の鉄、亜鉛、ジルコニウム又はそれらの混合物を含む。更に別の例として、約60重量%~約75重量%のニッケル及び約25重量%~約40重量%のアルミニウムを含む、米国特許に第4,766,245号に記載されているタイプの触媒を使用してもよい。
【0053】
従って、前駆体ポリオールはアミノ化されて、一般式(2)
【化4】
(式中、z、w、x、y、R、R及びRは、上記に定義した通りである)を有する化合物を形成する。
【0054】
式(2)の化合物は、パーソナルケア及びパフォーマンスケミカル製剤のための界面活性剤、硬化性樹脂のための硬化剤、又はポリ尿素若しくはポリウレタンの製造における反応物のような、多様な用途において使用されてもよい。
【0055】
次いで、式(2)の化合物をアルコキシル化して、式(1)(即ち、m+n=少なくとも1~50)の化合物を形成することができる。(1)のポリエーテルアミンアルコキシレート化合物は、アミンをアルコキシル化するための既知の標準的方法(例えば、米国特許第4,891,160号及び第5,565,145号並びに国際公開第1997/023546号(それらの内容は、参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)によって、及び開始剤アルコールに関して上記したように調製することができる。一般的には、式(2)の化合物を、任意的にアルコキシル化触媒の存在下、約40℃~約150℃の温度で、アルキレンオキシドと反応させる。使用されるアルキレンオキシドの量は、式(2)の化合物1モル当たり約0.5~約2モルの範囲であってもよい。上記のように、構造単位m及びnはまた、反応混合物へのアルキレンオキシドの添加に基づいて、ランダムに又はブロックで配置されてもよい。
【0056】
更なる態様では、式(1)のポリエーテルアミンアルコキシレート化合物は、従来の技術によって、例えば、酸性部分との更なる反応によって、スルホネート、カルボキシレート又はホスフェートに変換され、任意的に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の供給源で中和されてもよい。
【0057】
尚更なる態様では、式(1)のポリエーテルアミンアルコキシレート化合物を、モノクロロアセテートなどのハロ置換カルボン酸と反応させてベタインを形成してもよく、一方、別の態様では、式(1)の化合物を過酸化水素又は過酸化ベンゾイルなどの酸化剤と反応させてオキシドを形成してもよい。
【0058】
上記のように、式(1)の化合物は、多様な組成物中で用途を見出す場合がある。従って、一態様において、式(1)
【化5】
(式中、各Rは、独立して水素又はアルキル基であり、各R、R、R、R及びRは、独立して水素、メチル又はエチルであり、R及びRは、独立して水素、SOM、COOM又はPOであり、Mは、水素、水溶性カチオン、一価金属又は多価金属カチオンであり、Aは、メチル、エチル、酸素又はCHCOOであり、wは、0~3の整数であり、zは、0、1又は2であり、xは、0~100の整数であり、yは、0~100の整数であり、mは、0~50の整数であり、nは、0~50の整数であり、kは、0又は1であり、x+y=1~100及びm+n=1~50である)を有するポリエーテルアミンアルコキシレート化合物を含む組成物が提供される。
【0059】
更に別の態様では、組成物は、更に溶媒を含んでもよい。一態様によれば、溶媒は水であり、いくつかの態様では、脱イオン水である。別の態様では、水に加えて、又は水の代わりに、異なる溶媒を使用してもよい。そのような溶媒の例は、炭化水素(例えば、ペンタン又はヘキサン)、ハロカーボン(例えば、フロン113(Freon 113))、エーテル(例えば、エチルエーテル(EtO)、テトラヒドロフラン(「THF」)又はジグリム(ジエチレングリコールジメチルエーテル))、ニトリル(例えば、CHCN)、又は芳香族化合物(例えば、ベンゾトリフルオリド)を含むがこれらに限定されない。尚更に別の例示的な溶媒は、ラクテート、ピルベート及びジオールを含む。溶媒はまた、アセトン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、アセトン、1-メチル-2-ピロジジアノン(pyrodidianone)(NMP)、及びメチルエチルケトンを含むことができるが、これらに限定されない。他の溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、グリセロール及び誘導体、ナフタレン及び置換バージョン、無水酢酸、プロピオン酸及びプロピオン酸無水物、ジメチルスルホン、ベンゾフェノン、ジフェニルスルホン、フェノール、m-クレゾール、ジメチルスルホキシド、ジフェニルエー
テル、ターフェニルなどを含む。尚更なる溶媒は、プロピレングリコールプロピルエーテル(PGPE)、3-ヘプタノール、2-メチル-1-ペンタノール、5-メチル-2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、2-ヘプタノール、2-ヘキサノール、2,3-ジメチル-3-ペンタノール、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチレングリコール、イソプロピルアルコール(IPA)、n-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(PGBE)、1-ブトキシ-2-プロパノール、2-メチル-3-ペンタノール、2-メトキシエチルアセテート、2-ブトキシエタノール、2-エトキシエチルアセトアセテート、1-ペンタノール及びプロピレングリコールメチルエーテルを含む。上記に列挙した溶媒は、単独で、又は組み合わせて使用されてもよい。
【0060】
別の態様では、組成物は、任意的に分散剤を含んでもよい。特定の態様では、分散剤は、イオン性又は非イオン性化合物であってもよい。イオン性又は非イオン性化合物は、式(1)のポリエーテルアミンアルコキシレート化合物以外のコポリマー、オリゴマー、又は界面活性剤を単独で又は組み合わせて更に含んでもよい。コポリマーという用語は、本明細書で使用される場合、ブロック、星形、デンドリマー又はグラフト化コポリマーのような2種以上の高分子化合物からなるポリマー化合物に関する。非イオン性コポリマー分散剤の例は、トリブロックEO-PO-EOコポリマーPLURONIC(登録商標)L121、L123、L31、L81、L101及びP123製品などの高分子化合物を含む。オリゴマーという用語は、本明細書で使用される場合、ほんの数個のモノマー単位からなるポリマー化合物に関する。イオン性オリゴマー分散剤の例は、SMA(登録商標)1440及び2625製品を含む。
【0061】
本開示の組成物において有用な界面活性剤は、周知であり、アニオン性、ノニオン性、カチオン性及び両性化合物を含む。2種以上のこのような化合物の組み合わせが組成物中で使用されてもよい。
【0062】
使用されてもよいアニオン性界面活性剤化合物は、アルキルスルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、α-オレフィンスルホネート、アルキルタウレート、アルキルサクロシネート、アルキルジフェニルオキシドジスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、スルホスクシネート、及び、例えばパフォーマンスケミカル製剤中で使用されることが既知のような他のアニオン性界面活性剤(線状C8-16アルキルスルフェート、C8-16アルキルスルホネート、C8-16アルキルベンゼンスルホネート及びC8-16アルキルジフェニルオキシドジスルホネート、デシルスルホフェノキシベンゼン/オキシビスデシルベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩、並びにオクタンスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、並びにこれらの組み合わせを含む)を含むが、これらに限定されない。これらの界面活性剤は、典型的には、それらのアルカリ金属、アルカリ土類及びアンモニウム塩として入手可能である。
【0063】
使用されてもよい非イオン性界面活性剤化合物は、アルコキシレート、N-置換脂肪酸アミド、アミンオキシド、エステル、糖系界面活性剤、高分子界面活性剤、及びそれらの混合物を含んでもよいが、これらに限定されない。アルコキシレートの例は、1~50当量でアルコキシル化された非芳香族アルコール、アミン、アミド、脂肪酸又は脂肪酸エステルなどの化合物である。エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドをアルコキシル化に使用してもよく、通常はエチレンオキシドが使用される。N-置換脂肪酸アミドの例は、脂肪酸グルカミド又は脂肪酸アルカノールアミドである。エステルの例は、脂肪酸エステル、グリセロールエステル又はモノグリセリドである。糖系界面活性剤の例は、ソルビタン、エトキシル化ソルビタン、スクロース及びグルコースエステルである。高分子界面活性剤の例は、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、又は酢酸ビニルのホモポリマ
ー又はコポリマーである。
【0064】
第4級界面活性剤、例えば1つ若しくは2つの疎水性基を有する第4級アンモニウム化合物、又は長鎖第1級アミンの塩を含むカチオン性界面活性剤化合物も使用されてもよい。
【0065】
使用されてもよい両性界面活性剤化合物は、ベタイン、アルキルイミダゾリン、ココアンホプロピオネート、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム(コイミダゾリンカルボキシレートとしても既知)、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0066】
上記のもの以外に、他の既知の添加剤を、用途に応じて組成物に任意的に添加してもよい。それらの添加剤は、着色剤、酵素、湿潤剤、消泡剤、緩衝剤、pH調整剤、増粘剤、乳化剤、ストリーキング防止剤(anti-streaking agent)、ビルダー、キレート化剤又は隔離剤、ヒドロトープ、抗菌剤、香料、除草剤、有害生物防除剤(pesticide)、殺菌・殺カビ剤(fungicide)、抗酸化剤、抗摩耗添加剤、摩擦調整剤、粘度指数向上剤、流動点低下剤、腐食抑制剤、固体担体又は充填剤、保護コロイド、接着剤、保湿剤、忌避剤、誘引剤、摂食刺激剤、相溶化剤、殺菌剤、凍結防止剤、結晶化抑制剤、粘着付与剤、バインダー、保存剤、清澄剤、肥料、UV安定剤、塩、増量剤、礫粒子、ガス、架橋剤、熱力学的水和物抑制剤、速度論的水和物抑制剤、粘土安定剤及びそれらの混合物を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0067】
別の態様によれば、上記の式(1)の化合物を含む組成物が提供され、この組成物は、獣脂アミンアルコキシレート、アルキルフェノールアルコキシレート及びポリアリールフェノールアルコキシレートを実質的に含まない。
【0068】
更に別の態様では、a)少なくとも出口を有する容器と、b)式(1)の化合物を含む組成物とを含む包装製品が提供される。
【0069】
一態様によれば、本開示の包装製品は、容器を密閉するための閉鎖手段、例えば蓋、カバー、キャップ又はプラグを有する容器を含む。別の態様では、密閉容器はまた、ノズル又は注ぎ口を有する。密封容器は、円筒形、楕円形、円形、長方形、キャニスター、タブ、正方形又はジャグの形状を有してもよく、本開示の組成物を収容する。
【0070】
容器は、鋼、ガラス、アルミニウム、厚紙、錫板、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレン(PE)又はポリアミドを含むがこれらに限定されないプラスチックなどのいずれの材料から作製されてもよく、またこれらの混合物、積層体又は他の組み合わせを含む。
【0071】
別の態様において、式(1)の化合物を含む濃縮組成物が提供され、これは、水及び/又は他の溶媒中で更に希釈されて、水溶液を形成してもよい。本開示の濃縮組成物、即ち「濃縮物」は、濃縮物を所望の強度及びpHに希釈することを可能にする。濃縮物はまた、より長い貯蔵寿命並びにより容易な輸送及び貯蔵を可能にする。従って、一態様では、本開示の式(1)の化合物と、水及び/又は他の溶媒と、任意的に上述の1つ以上の添加剤とを含む濃縮組成物が提供される。濃縮物について、水(及びいくつかの態様では、脱イオン水)及び/又は溶媒の量は、例えば、濃縮物の総重量を基準にして約0.5~約50重量%であってもよい。従って、濃縮物中に含まれる式(1)の化合物(及び存在する場合には、任意的な添加剤)の量は、濃縮物の総重量を基準にして、約50重量%から99.5重量%までの範囲であってもよい。上記のように、濃縮物は、水、及びいくつかの態様では、脱イオン水、及び/又は溶媒で更に希釈されて、水溶液を形成してもよい。
【0072】
本開示の式(1)のポリエーテルアミンアルコキシレート化合物を含む組成物は、パフォーマンスケミカル製剤及びパーソナルケア製剤を含むがこれらに限定されない、多様な用途及び製剤において使用されてもよい。
【0073】
従って、一態様では、式(1)の化合物を含む組成物を含むパフォーマンスケミカル製剤が提供され、式(1)の化合物は、パフォーマンスケミカル製剤の総重量を基準にして、約0.01重量%~約40重量%の範囲の量でパフォーマンスケミカル製剤中に存在する。別の態様では、式(1)の化合物を含む組成物を含むパフォーマンスケミカル製剤が提供され、式(1)の化合物は、パフォーマンスケミカル製剤の総重量を基準にして、約0.1重量%~約30重量%の範囲の量でパフォーマンスケミカル製剤中に存在する。更に別の態様では、式(1)の化合物を含む組成物を含むパフォーマンスケミカル製剤が提供され、式(1)の化合物は、パフォーマンスケミカル製剤の総重量を基準にして、約0.5重量%~約20重量%の範囲の量でパフォーマンスケミカル製剤中に存在する。更に別の態様では、式(1)の化合物を含む組成物を含むパフォーマンスケミカル製剤が提供され、式(1)の化合物は、パフォーマンスケミカル製剤の総重量を基準にして、約1重量%~約10重量%の範囲の量でパフォーマンスケミカル製剤中に存在する。
【0074】
従って、更に別の態様では、式(1)の化合物を含む組成物を含むパーソナルケア製剤が提供され、式(1)の化合物は、パフォーマンスケミカル製剤の総重量を基準にして、約0.01重量%~約40重量%の範囲の量でパーソナルケア製剤中に存在する。別の態様では、式(1)の化合物を含む組成物を含むパフォーマンスケミカル製剤が提供され、式(1)の化合物は、パーソナルケア製剤の総重量を基準にして、約0.1重量%~約30重量%の範囲の量でパーソナルケア製剤中に存在する。更に別の態様では、式(1)の化合物を含む組成物を含むパーソナルケア製剤が提供され、式(1)の化合物は、パーソナルケア製剤の総重量を基準にして、約0.5重量%~約20重量%の範囲の量でパーソナルケア製剤中に存在する。更に別の態様では、式(1)の化合物を含む組成物を含むパーソナルケア製剤が提供され、式(1)の化合物は、パーソナルケア製剤の総重量を基準にして、約1重量%~約10重量%の範囲の量でパーソナルケア製剤中に存在する。
【0075】
特定の一態様では、農薬活性成分、溶媒、及び式(1)の化合物を含む組成物を含む農薬乳化性濃縮物が提供される。
【0076】
農薬活性成分の例は、有害生物防除剤、殺菌・殺カビ剤、除草剤、殺虫剤、殺藻剤、軟体動物駆除剤、殺ダニ剤(mitocide)、殺鼠剤、成長調整剤又は防虫剤を含むがこれらに限定されない。特定の一態様では、農薬活性成分は、マラチオン、クロルピリホス、シペルメトリン及びクロロピクリンなどの殺虫剤、トリフルラリン、2,4-Dエステル、MCPAイソオクチルエステル、メトラクロル、アセトクロル、トリクロピル及びラウンドアップ(登録商標)などの除草剤、又はメフェノキサム及びエトリジアゾールなどの殺菌・殺カビ剤を含む。農薬活性成分(1種又は複数種)は、農薬乳化性濃縮物中に、少なくとも約5% w/w、又は少なくとも約7.5% w/w、又は少なくとも約10% w/wの量で存在してもよく、ここでw/wは、農薬乳化性濃縮物の総重量に対する、農薬乳化性濃縮物中に存在する農薬活性成分の重量を意味する。別の態様では、農薬活性成分(1種又は複数種)は、農薬乳化性濃縮物中に、約80% w/w未満、又は約70% w/w未満、又は約60% w/w未満、又は更には約50% w/w未満の量で存在してもよく、ここでw/wは、農薬乳化性濃縮物の総重量に対する、農薬乳化性濃縮物中に存在する農薬活性成分の重量を意味する。
【0077】
溶媒の例は、上記のものを含むがそれらに限定されない。別の態様では、溶媒は、炭化水素、エーテル、フェノール、グリコール、ラクトン、塩素化炭化水素、芳香族炭化水素
ニトロ化炭化水素、二塩基性エステル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチル-3-エトキシ-プロピオネート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのモノエステル、及びブチロラクトンなどの環状エステル、有機硫黄含有化合物ジメチルスルホキシド(DMSO)及びスルホラン、メチルエチルケトン(MEK)、5-メチル-2-ヘキサノン(MIAK)、メチルイソブチルケトン及びメチルイソアミルブトン、プロピレングリコールメチルエーテル(PM)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPM)又はジプロピレングリコールn-ブチルエーテル(DPNB)、エチレングリコールブチルエーテル(EB)及びジプロピレングリコールブチルエーテル(DB)などのグリコールエーテル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール、アミド、並びにそれらの混合物であってもよい。いくつかの態様では、溶媒は、農薬乳化性濃縮物中に少なくとも10% w/w、又は少なくとも約15% w/w、又は更には少なくとも約20% w/wの量で存在してもよく、ここでw/wは、農薬乳化性濃縮物の総重量に対する農薬乳化性濃縮物中に存在する溶媒の重量を意味する。別の態様では、溶媒は、農薬乳化性濃縮物中に約80% w/w未満、又は約70% w/w未満、又は更には約60% w/w未満の量で存在してもよく、ここでw/wは、農薬乳化性濃縮物の総重量に対する農薬乳化性濃縮物中に存在する溶媒の重量を意味する。
【0078】
別の態様では、式(1)の化合物を含む組成物は、農薬乳化性濃縮物中に少なくとも1% w/w、又は少なくとも5% w/w、又は少なくとも7.5% w/wの量で存在してもよく、ここでw/wは、農薬乳化性濃縮物の総重量に対する農薬乳化性濃縮物中に存在する溶媒の重量を意味する。別の態様では、式(1)の化合物を含む組成物は、農薬乳化性濃縮物中に約20% w/w未満、又は約15% w/w未満、又は約10% w/w未満の量で存在してもよく、ここでw/wは、農薬乳化性濃縮物の総重量に対する農薬乳化性濃縮物中に存在する溶媒の重量を意味する。別の態様では、式(1)の化合物を含む組成物は、農薬乳化性濃縮物中に約1% w/w~約20% w/w、又は約2% w/w~約15% w/w、又は約5% w/w~約10% w/wの範囲の量で存在してもよく、ここでw/wは、農薬乳化性濃縮物の総重量に対する農薬乳化性濃縮物中に存在する溶媒の重量を意味する。
【0079】
農薬乳化性濃縮物は、上記の1つ以上の添加剤を約20% w/wまでの量で任意的に含んでもよく、ここでw/wは、農薬乳化性濃縮物の総重量に対する農薬乳化性濃縮物中に存在する添加剤の重量を意味する。特定の一態様では、添加剤は、結晶化抑制剤、乳化剤、式(1)の化合物以外の界面活性剤、懸濁化剤、染料、抗酸化剤、発泡剤、光吸収剤、混合助剤、消泡剤、錯化剤、中和若しくはpH調整物質及び緩衝剤、腐食抑制剤、芳香剤、湿潤剤、吸収改良剤、微量栄養素、可塑剤、流動促進剤、潤滑剤、分散剤、凍結防止剤、並びに/又は殺微生物剤(microbiocide)から選択されてもよい。
【0080】
別の特定の態様では、農薬活性成分、水、及び式(1)の化合物を含む組成物を含む農薬懸濁液濃縮物が提供される。
【0081】
一態様では、農薬懸濁液濃縮物は、少なくとも約1% w/w、又は少なくとも約2%
w/w、又は更には少なくとも約5% w/wの農薬活性成分(1種又は複数種)を含んでもよく、ここでw/wは、農薬懸濁液濃縮物の総重量に対する農薬懸濁液濃縮物中に存在する農薬活性成分の重量を意味する。別の態様では、農薬懸濁液濃縮物は、約70重量%未満、又は約60重量%未満、約50重量%未満、又は約40重量%未満の農薬活性成分を含んでもよく、ここでw/wは、農薬懸濁液濃縮物の総重量に対する農薬懸濁液濃縮物中に存在する農薬活性成分(1種又は複数種)の重量を意味する。
【0082】
別の態様では、農薬懸濁液濃縮物は、少なくとも約10% w/wの水、又は少なくとも約20% w/w、又は更には少なくとも約40% w/wの水を含んでもよく、ここでw/wは、農薬懸濁液濃縮物の総重量に対する農薬懸濁液濃縮物中に存在する水の重量を意味する。別の態様では、農業懸濁液濃縮物は、約90% w/w未満の水、又は約80% w/w未満、又は更には約75% w/w未満の水を含んでもよく、ここでw/wは、農薬懸濁液濃縮物の総重量に対する農薬懸濁液濃縮物中に存在する水の重量を意味する。
【0083】
更に別の態様では、式(1)の化合物を含む組成物は、農薬懸濁液濃縮物中に、少なくとも0.5% w/w、又は少なくとも1% w/w、又は少なくとも2.5% w/wの量で存在してもよく、ここでw/wは、農薬懸濁液濃縮物の総重量に対する農薬懸濁液濃縮物中に存在する式(1)の化合物を含む組成物の重量を意味する。別の態様では、式(1)の化合物を含む組成物は、農薬懸濁液濃縮物中に、約10% w/w未満、又は約7.5% w/w未満、又は約5% w/w未満の量で存在してもよく、ここでw/wは、農薬懸濁液濃縮物の総重量に対する農薬懸濁液濃縮物中に存在する式(1)の化合物を含む組成物の重量を意味する。別の態様では、式(1)の化合物を含む組成物は、農薬懸濁液濃縮物中に、約0.01% w/w~約10% w/w、又は約0.75% w/w~約7.5% w/w、又は約1% w/w~約5% w/wの範囲の量で存在してもよく、ここでw/wは、農薬懸濁液濃縮物の総重量に対する農薬懸濁液濃縮物中に存在する式(1)の化合物を含む組成物の重量を意味する。
【0084】
農薬懸濁液は、任意的に、上記の1つ以上の添加剤を20% w/wまでの量で含んでもよく、ここでw/wは、農薬懸濁液濃縮物の総重量に対する農薬懸濁液濃縮物中に存在する添加剤の重量を意味する。
【0085】
式(1)の化合物を含む組成物は、燃料組成物中の燃料添加剤としても有用であってもよい。このような態様では、式(1)の化合物及び燃料を含む燃料組成物は、内燃機関又はオープンフレームバーナーに燃料を供給するのに有用である。燃料組成物は、1つ以上の追加のパフォーマンス添加剤も含んでもよい。いくつかの態様では、燃料組成物は、少量の式(1)の化合物及び主要量の燃料を含んでもよい。尚更なる態様では、式(1)の化合物は、燃料組成物に直接添加されてもよく、又は燃料添加剤濃縮物の成分として燃料組成物に添加されてもよい。
【0086】
使用に適した燃料は、過度に限定されない。一般に、燃料は、周囲条件、例えば室温(20℃~30℃)で通常液体であり、又は作動条件で通常液体である。燃料は、炭化水素燃料、非炭化水素燃料、又はそれらの混合物であってもよい。
【0087】
炭化水素燃料は、ASTM規格D4814によって定義されるガソリンを含む石油蒸留物、又はASTM規格D975によって定義されるディーゼル燃料であり得る。一態様では、燃料はガソリンであり、別の態様では、燃料は無鉛ガソリンである。更に別の態様では、液体燃料はディーゼル燃料である。炭化水素燃料は、例えばFischer-Tropschプロセスのようなプロセスによって調製される炭化水素を含むように、気液プロセスによって調製される炭化水素であり得る。いくつかの態様では、燃料は、ディーゼル燃料、バイオディーゼル燃料、又はそれらの組み合わせである。
【0088】
燃料は、残留燃料油、重質燃料油、及び/又は炉燃料油とも呼ばれる、5番及び6番燃料油などのより重質の燃料油も含むことができる。このような燃料は、単独で、又は他の、典型的には、より軽質の燃料と混合して、より低い粘度を有する混合物を形成するために使用されてもよい。船舶用エンジンに一般に使用されているバンカー燃料も含まれる。これらのタイプの燃料は、高い粘度を有し、周囲条件で固体の場合があるが、加熱され、
燃料を供給しているエンジン又はバーナーに供給されると液体である。
【0089】
非炭化水素燃料は、アルコール、エーテル、ケトン、カルボン酸のエステル、ニトロアルカン、又はそれらの混合物を含む、酸素含有組成物(しばしば、酸素化物と呼ばれる)であり得る。非炭化水素燃料は、メタノール、エタノール、メチルt-ブチルエーテル、メチルエチルケトン、エステル交換油並びに/又は植物及び動物由来の脂肪(例えば、菜種メチルエステル及び大豆メチルエステル)、並びにニトロメタンを含むことができる。
【0090】
炭化水素及び非炭化水素燃料の混合物は、例えば、ガソリン並びにメタノール及び/又はエタノール、ディーゼル燃料及びエタノール、並びにディーゼル燃料及びエステル交換植物油(例えば、菜種メチルエステル)及び他のバイオ由来燃料を含むことができる。一態様では、燃料は、炭化水素燃料、非炭化水素燃料、又はそれらの混合物中の水のエマルジョンである。
【0091】
燃料は、一般に、燃料組成物の総重量を基準にして、一般に約90重量%を超える、又は約95重量%を超える、又は別の態様では、約97重量%を超える、又は約99.5重量%を超える、又は約99.9重量%を超える、又は更には約99.99重量%を超える主要量で燃料組成物中に存在する。
【0092】
式(1)の化合物を含む組成物は、一般に、燃料組成物の総重量を基準にして、一般に約10重量%未満、又は約1重量%未満、又は約0.5重量%未満、更には約0.1重量%(1000ppmw)(重量百万分率)未満である少量で燃料組成物中に存在する。
【0093】
一態様では、式(1)の化合物を含む組成物は、燃料添加剤濃縮物の一部である。式(1)の化合物を含む組成物を含むこのような燃料添加剤濃縮物は、1種以上のパフォーマンス添加剤、及びある量の燃料、担体油、又はある種の溶媒も含む場合がある組成物である。次いで、これらの燃料添加剤濃縮物は、添加剤を取り扱い及び送達するための便利な方法として他の組成物に添加することができ、その結果、上記の最終燃料組成物が得られる。燃料添加剤濃縮物は、一般に、燃料添加剤濃縮物の総重量を基準にして、式(1)の化合物を約0.1重量%~約80重量%、又は約0.5重量%~約60重量%の量で含んでもよい。
【0094】
追加のパフォーマンス添加剤は、ヒンダードフェノール若しくはその誘導体及び/若しくはジアリールアミン若しくはその誘導体などの抗酸化剤;腐食抑制剤;並びに/又はPIBアミン洗剤/分散剤、スクシンイミド洗剤/分散剤を含むがこれらに限定されない追加のポリエーテルアミン若しくは窒素含有洗剤などの洗剤/分散剤、並びにイミド基及び第4級アンモニウム塩を含む洗剤である第4級アンモニウムイミド塩を含む他の第4級塩洗剤/分散剤を含むことができるが、これらに限定されない。
【0095】
追加のパフォーマンス添加剤は、無水マレイン酸とスチレンとのエステル化コポリマー及び/若しくはエチレンと酢酸ビニルとのコポリマーなどのコールドフロー改善剤;シリコーン液などの発泡防止剤及び/若しくは消泡剤;ポリアルコキシル化アルコールなどの解乳化剤;脂肪カルボン酸などの潤滑剤;芳香族トリアゾール若しくはその誘導体などの金属失活剤(ベンゾトリアゾールを含むが、これに限定されない);並びに/又はアルカリ金属スルホコハク酸塩などのバルブシートリセッション添加剤も含んでもよい。
【0096】
追加のパフォーマンス添加剤は、殺生物剤;帯電防止剤、除氷剤、鉱油及び/又はポリ(α-オレフィン)及び/又はポリエーテルなどの流動化剤、並びにオクタン又はセタン価向上剤などの燃焼改良剤も含んでもよい。
【0097】
追加のパフォーマンス添加剤は、それぞれ、燃料添加剤濃縮物及び/又は燃料組成物に直接添加することができるが、一般に、燃料添加剤と混合して燃料添加剤濃縮物を形成し、次いでこれを燃料と混合して燃料組成物をもたらす。
【0098】
燃料添加剤濃縮物は、担体油も含んでもよい。その例は、粘度等級「Solvent Neutral(SN)500~2000」の油、約400~1800の分子量を有するオレフィンポリマーをベースとする、特にポリブテン又はポリイソブテン(水素化又は非水素化)をベースとする、及びポリアルファオレフィン又は内部ポリオレフィンをベースとする合成担体油、並びにアルコキシル化長鎖アルコール又はフェノールをベースとする合成担体油を含む。
【0099】
燃料添加剤濃縮物は、溶媒も含むことができる。溶媒は、均質及び燃料添加剤濃縮物を提供し、燃料添加剤濃縮物組成物の移動及び取扱いを容易にする。いくつかの態様では、溶媒は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、又はそれらの混合物である。
【0100】
脂肪族炭化水素は、脂肪族成分の大部分を有する様々なナフサ及び灯油沸点留分を含む。芳香族炭化水素は、ベンゼン、トルエン、キシレン、並びに芳香族成分の大部分を有する様々なナフサ及び灯油沸点留分を含む。一態様では、溶媒は、燃料添加剤濃縮物中に、燃料添加剤濃縮物の総重量を基準にして、約1.0重量%~約90重量%、別の態様では、約25重量%~約85重量%、更に別の態様では、約40重量%~約80重量%で存在することができる。
【0101】
更に別の態様では、式(1)の化合物は、硬化性樹脂を硬化するための硬化剤として使用されてもよい。硬化性樹脂は、ベンゾオキサジン樹脂、エポキシ樹脂、エピスルフィド樹脂、オキセタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、シアネート樹脂又はそれらの混合物であってもよい。硬化性組成物は、一液(1パート)硬化性組成物又は多液(多パート)(例えば、二液(2パート))硬化性組成物であってもよく、第1の液(パート)は硬化性樹脂を含み、第2の液(パート)は式(1)の化合物を含み、硬化性組成物は、第1の液(パート)と第2の液(パート)とを組み合わせることによって形成される。
【0102】
ベンゾオキサジン樹脂は、一般構造:
【化6】
を有する化合物を含む。
【0103】
式中、oは、1~4の整数であり、各Rは、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換ヘテロアリール基、置換若しくは非置換炭素環基、又は置換若しくは非置換複素環基であり、各Rは、独立して水素、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基であり、Xは、直接結合(oが2の場合)、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換ヘテロアリール基、S=O、O=S=O、又はC=Oである。置換基は、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、メルカプト、複素環式、アリール、ヘテロア
リール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ニトロン、アミノ、アミド、アシル、オキシアシル、カルボキシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド及びスルフリル基を含むが、これらに限定されない。
【0104】
エポキシ樹脂は、グリシジル化ビスフェノール(例えば、ビスフェノールA又はE又はF又はSジグリシジルエーテル)、グリシジル化ビフェニル及びその水素化バージョン;脂環式エポキシ樹脂;グリシジル化アニリン;並びにグリシジル化ヒドロキシアニリンを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0105】
エピスルフィドは、上記のいずれか1つ以上のエポキシ樹脂の硫黄類似体を含むが、これらに限定されない。
【0106】
オキセタンは、上記のいずれか1つ以上のエポキシ樹脂の4員酸素含有環を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0107】
(メタ)アクリル樹脂は、一般式HC=CGCOで表される化合物を含んでもよく、式中、Gは水素、ハロゲン又はC~Cアルキル基であり、Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルカリール又はアリール基であり、これらのいずれも、場合によっては、シラン、ケイ素、酸素、ハロゲン、カルボニル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、尿素、ウレタン、カーボネート、アミン、アミド、硫黄、スルホネート及びスルホンで任意的に置換又は中断されてもよい。
【0108】
液体又は固体形態であってもよいマレイミド樹脂は、一般構造:
【化7】
を有する化合物を含み、
式中、mは、1~3の整数であり、Xは、少なくとも12個の炭素原子を有する分岐アルキル又はアルキレン種であり、各Rは、独立して水素又はC~Cアルキル基である。
【0109】
シアン酸エステル樹脂は、一般構造R10-(O-C≡N)を有する化合物を含み、式中、dは、1~10の整数であり、R10は、酸素、窒素、ハロゲン、硫黄、リン、ホウ素、ケイ素、水素、及びそれらの混合物からなる群から選択されるメンバー(1つ又は複数)を含むC~C200芳香族又は混合芳香族-脂肪族炭化水素基である。
【0110】
硬化性組成物は、安定剤、エキステンダー、充填剤、補強剤、顔料、染料、可塑剤、粘着付与剤、ゴム、促進剤、希釈剤又はそれらのいずれかの混合物などの通常の補助添加剤も含んでもよいが、これらに限定されない。
【0111】
硬化性組成物は、典型的には、硬化性組成物の総重量を基準にして、約10~90重量%、又は約20~80重量%、又は約25~70重量%、又は約30~65重量%、又は更には約35~55重量%の量で硬化性樹脂を含むであろう。硬化性組成物はまた、硬化性組成物の総重量を基準にして、約1~35重量%、又は約2~30重量%、又は約3~25重量%、又は約5~20重量%の量で式(1)の化合物を含んでもよい。
【実施例
【0112】
実施例1. 開始剤アルコールとしてジフェニルメタノールを使用する合成。
以下は、本開示によるベンズヒドリルポリエーテルアミンアルコキシレートを製造する方法を一般的に記載する:
【化8】
【0113】
例えば、プロピレンオキシドを使用してジフェニルメタノールをアルコキシル化し(x=約4)、次いでエチレンオキシドを使用してポリエーテルアミンをアルコキシル化した(m+n=5)。
【0114】
より具体的には、3.5ポンドのベンズヒドロール及び50gのカリウムメトキシドを反応器に装入し、真空を適用して水又はメタノールを除去しながら100℃に加熱した。次いで、温度を125℃に上昇させ、4.4ポンドのプロピレンオキシドを、温度を125℃~135℃の間に維持する速度で添加した。プロピレンオキシドの添加が完了したら、反応物を130℃で更に1時間消化し、最後に、反応物を30分間窒素ストリッピングして、未反応のプロピレンオキシドを除去した。次いで、ベンズヒドロールプロポキシレートを、不均一系触媒を用いて190℃の連続反応器中でH及びNHで還元的にアミノ化して、アミンを生成した。アミン(4.48ポンド)を反応器に装入し、120℃に加熱し、0.95ポンドのエチレンオキシドを、145℃~150℃の間の温度を維持する速度で装入して、アミンをエトキシル化した。次いで、反応器を90℃に冷却し、8gのKOHを反応物に添加し、追加の1.42ポンドのエチレンオキシドを反応させて、アミン基当たりのエチレンオキシドのモル数を5にした。反応物を最後に140℃で30分間窒素ストリッピングして、未反応エチレンオキシドを除去し、ベンズヒドリルポリエーテルアミンエトキシレートを黄色粘稠液体として得た。この界面活性剤をグリホサート-イソプロピルアミン製剤に10%(480g/Lグリホサート-IPA)添加したところ、得られた製剤は透明で流動性があり、推奨使用率で水に添加してもゲル化しなかった。撹拌時にこの希釈液中に形成されたいずれの泡も、5秒以内に急速に消散した。このことは、撹拌時に持続的な泡を形成する、グリホサートに使用される標準的な獣脂アミンエトキシレートアジュバント化学に勝る利点である。
【0115】
次いで、一連の20種の異なるベンズヒドリルエーテルアミン及びそれらのエトキシレートを、上記のように作製し、480g/Lグリホサート-IPA製剤において評価した。具体的には、1.5gの本発明の化合物を、10.0gの62% IPA-グリホサート及び3.6gの脱イオン水と混合して、所望の製剤を作製した。各製剤の曇点を以下の表1に示す。
【表1】
【0116】
表1に示すように、本発明の化合物は、貯蔵安定性にとって重要である高い曇点を有するグリホサート濃縮物を配合するために使用することができる。
【0117】
次いで、上記で最初に調製したベンズヒドリルポリエーテルアミンアルコキシレートを、フィールド試験においてグリホサートの効力を増強するためのアジュバントとして評価した。獣脂アミンエトキシレートは、グリホサートに使用される標準的なアジュバントであるが、それらの知覚される毒性のために、世界中で規制圧力下にある。この試験では、0.5% w/wの各化合物を、推奨濃度のグリホサートを収容するスプレータンクに添加した。図1及び2に示すように、本発明の化合物(実施例1)は、十分に確立された獣脂アミンエトキシレート(TAE)化学と少なくとも同様に、グリホサートの除草効果を増大させる。
【0118】
実施例2. ベタイン
【化9】
【0119】
実施例1のベンズヒドリルエーテルアミンエトキシレートを更に反応させて、上記に従ってベタイン界面活性剤を作製した。100.5gのアミン(アミン#1.49meq/g)を17.4gのクロロ酢酸ナトリウム及び180gのHOと混合し、反応物を85℃に7時間加熱した。得られた生成物は、0.36meq/gのアミン価を有し、アミンが75%の転化率でベタインに転化されたことを示した。ベタイン生成物は、中性pHで水に可溶であることが見出されたが、親アミンはそうではなかった。この界面活性剤をグリホサート-イソプロピルアミン製剤に10%(480g/Lグリホサート-IPA)添加したところ、得られた製剤は透明で流動性があり、推奨使用率で水に添加してもゲル化しなかった。
【0120】
実施例3. リン酸エステル
【化10】
【0121】
この実施例(上記に示す反応スキーム)では、94gの実施例1のベンズヒドリルアミンエトキシレートを、高剪断ローター/ステーターミキサーを使用して、120℃で2時間、6gのポリリン酸と反応させて、リン酸エステルを生成した。生成物の滴定は1つの変曲点を示し、最終酸価は75mg/g KOHで測定され、これは77mg/g KOHの理論値に近く、アルコール基の効率的なリン酸化を示した。この界面活性剤をグリホサート-イソプロピルアミン製剤に10%(480g/Lグリホサート-IPA)添加したところ、得られた製剤は透明で流動性があり、推奨使用率で水に添加してもゲル化しなかった。
【0122】
実施例4. N-オキシド
【化11】
【0123】
実施例1のベンズヒドリルエーテルアミンエトキシレートを更に反応させて、上記に従ってN-オキシド界面活性剤を合成した。100.5gのアミン(アミン#1.49meq/g)を180gのHOと混合し、反応物を60℃に加熱し、次いで14.5gの35% Hを2時間かけて添加した。反応物を更に60℃で4時間加熱し、得られた生成物は0.26meq/gのアミン価を有し、アミンが83%の転化率でN-オキシドに転化したことを示した。N-オキシド生成物は、中性pHで水に可溶であることが見出されたが、親アミンはそうではなかった。この界面活性剤をグリホサート-イソプロピルアミン製剤に10%(480g/Lグリホサート-IPA)添加したところ、得られた製剤は透明で流動性があり、推奨使用率で水に添加してもゲル化しなかった。
【0124】
上記は本開示の様々な態様に向けられているが、本開示の他の及び更なる態様は、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく考案されてもよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2