(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】移動手段判断装置
(51)【国際特許分類】
B61L 25/02 20060101AFI20231025BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20231025BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
B61L25/02 A
G01C21/26 P
G08G1/005
(21)【出願番号】P 2020559700
(86)(22)【出願日】2019-07-23
(86)【国際出願番号】 JP2019028896
(87)【国際公開番号】W WO2020121585
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】P 2018233517
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】中川 智尋
(72)【発明者】
【氏名】堂面 拓也
(72)【発明者】
【氏名】薛 超
【審査官】笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-195981(JP,A)
【文献】特開2012-003494(JP,A)
【文献】特開2018-124126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L 25/02
G01C 21/26
G08G 1/005
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが保持するユーザ端末の移動手段を、判断用に定められた位置特定情報である監視用位置特定情報を用いて判断するための判断情報を記憶する判断情報記憶部と、
前記ユーザ端末が所定の位置特定情報に基づいた範囲に位置したことを示す位置管理情報の履歴を位置管理ログとして取得するログ取得部と、
前記位置管理ログおよび前記判断情報記憶部に記憶されている判断情報に基づいて、前記ユーザ端末の移動手段を判断する移動手段判断部と、
を備え、
前記移動手段判断部は、移動手段を特定するための正解値である属性情報を含む前記位置管理ログに基づいて前記ユーザ端末の移動手段を判断し、判断できない場合には、前記判断情報に基づいて、前記ユーザ端末の移動手段を判断する、
移動手段判断装置。
【請求項2】
ユーザが保持するユーザ端末の移動手段を、判断用に定められた位置特定情報である監視用位置特定情報を用いて判断するための判断情報を記憶する判断情報記憶部と、
前記ユーザ端末が所定の位置特定情報に基づいた範囲に位置したことを示す位置管理情報の履歴を位置管理ログとして取得するログ取得部と、
前記位置管理ログおよび前記判断情報記憶部に記憶されている判断情報に基づいて、前記ユーザ端末の移動手段を判断する移動手段判断部と、
を備え、
前記判断情報は、前記監視用位置特定情報ごとに、移動手段に対して係数を対応付けておき、
前記移動手段判断部は、前記位置管理ログに含まれる位置特定情報に対応する係数に基づいて、移動手段を判断する、
移動手段判断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末の移動経路を判断する移動手段判断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザの位置情報およびネットワークデータを用いて利用路線を判定することの記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、近接している異なる移動経路があった場合、その移動経路を正確に判断することができない、という問題がある。
【0005】
そこで、上述の課題を解決するために、本発明は、ユーザの移動経路を正確に判断することができる移動手段判断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の移動手段判断装置は、ユーザ端末の移動手段を、事前に定められた監視用位置特定情報を用いて判断するための判断情報を記憶する判断情報記憶部と、前記ユーザ端末が所定範囲に位置したことを示す位置管理情報の履歴を位置管理ログとして取得するログ取得部と、前記位置管理ログから移動手段を判断できない場合に、前記位置管理ログおよび前記判断情報記憶部に記憶されている判断情報に基づいて、前記ユーザ端末の移動手段を判断する移動手段判断部と、を備える。
【0007】
この発明によれば、監視用位置特定情報を用いて、その移動手段を判断することができ、データ処理量を削減することができるとともに、判断精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、ユーザの移動経路を正確に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示における一実施形態のサーバ装置100を含んだ通信システムのシステム構成を示す図である。
【
図2】サーバ装置100およびユーザ端末200の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】決済ログ、検索ログおよびチェックインログの具体例を示す図である。
【
図4】正解値を含むチェックインログ(決済ログ等含む)と、監視用チェックインログとを説明する図である。
【
図6】ヒストグラム生成を説明するための図である。
【
図7】移動経路の係数を示すスコアリング表である。
【
図8】ユーザA0001およびユーザA0002の移動軌跡を模式的に示す図である。
【
図9】ユーザA0001およびユーザA0002のチェックインログを示す。
【
図10】ユーザ端末200における測位データ送信についてフローチャートである。
【
図11】サーバ装置100におけるジオフェンス評価部105におけるスコアリング表生成のためのフローチャートである。
【
図12】サーバ装置100における、ユーザの移動経路の判断処理を示すフローチャートである。
【
図13】変形例であるサーバ装置100aの機能構成を示すブロック図である。
【
図14】ユーザA0001およびユーザA0002のチェックインログ、並びに移動経路に対するユーザの行動を示す図である。
【
図15】本開示における学習モデルの模式図である。
【
図16】サーバ装置100aにおける学習モデルの生成方法を示すフローチャートである。
【
図17】学習モデルを適用して移動経路を判断する処理を示すフローチャートである。
【
図18】本開示の一実施の形態に係るサーバ装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、本開示における一実施形態のサーバ装置100を含んだ通信システムのシステム構成を示す図である。図に示されるように、この通信システムは、サーバ装置100(移動手段判断装置)、ユーザ端末200、決済装置200a、位置ログ管理サーバ300、検索履歴管理サーバ400、決済ログ管理サーバ500を含んで構成されている。位置ログ管理サーバ300は、必須のサーバであり、検索履歴管理サーバ400、および決済ログ管理サーバ500については、必ずしも必要であるわけではない。
【0012】
サーバ装置100は、ユーザ端末200のチェックイン情報(所定範囲にいたことを示す情報)、決済情報、および検索情報等を、位置ログ管理サーバ300、検索履歴管理サーバ400、および決済ログ管理サーバ500から収集する。位置ログ管理サーバ300は、ユーザ端末200がGPS、WIFI、Bluetooth(ビーコン)などで取得した位置情報に基づいて、所定のジオフェンス内に入ったことを示す情報を収集する。本明細書では、ジオフェンスとは、予め定めた仮想的な地理的な範囲を示し、そのジオフェンス内に入ったことを示す情報をチェックイン情報と称する。
【0013】
ジオフェンスは、所定のチェックインポイント(位置特定情報)ごとに複数設定されており、ユーザ端末200における位置取得機能において定義されている。そして、ユーザ端末200がGPSにより位置情報を取得した場合には、その位置情報がジオフェンスで定義された範囲であるか否かに応じて、ユーザ端末200は、ジオフェンス内にいることを判断できる。ユーザ端末200は、位置情報の取得タイミング(所定周期)において、ジオフェンス内に入った場合に、チェックイン情報を取得する。したがって、ユーザ端末200は、位置情報の取得タイミングにおいてジオフェンス内にいない場合には、チェックイン情報を取得しない。また、取得した位置情報によって、チェックイン情報を取得できない場合もあり得る。チェックイン情報は後述する通り、その位置に応じて予め定めたチェックインポイント(point_idまたはpoint_nameにより特定)およびカテゴリーを含んだ情報である。
【0014】
WIFIによりSSIDなどの信号を受信することでジオフェンス内にいるか否かを判断してもよい。その場合、ユーザ端末200において、予めSSID(BSSIDなどを含む)ごとにチェックインポイント、カテゴリーが定義されており、これに基づいてチェックイン情報が取得される。ビーコンなどでジオフェンスを定義することもできる。この場合、ビーコンに、チェックインポイント、カテゴリーが含まれており、これに基づいてチェックイン情報が取得される。
【0015】
サーバ装置100は、各ユーザ端末200から収集したチェックイン情報の履歴であるチェックインログに基づいてユーザ端末200がどの移動経路で移動したのか判断する。移動経路は、例えば鉄道(移動手段)の路線(利用経路)を示し、東京メトロの銀座線などである。
【0016】
ユーザ端末200は、サーバ装置100に移動経路を判断させるために、位置ログ管理サーバ300、検索履歴管理サーバ400、決済ログ管理サーバ500に、チェックインログ、決済ログ、および検索履歴情報を、定期的または即時に、それぞれ送信する。ユーザ端末200は、位置取得機能、アプリ利用履歴格納機能を備えており、各機能が必要な情報を送信する。また、決済装置200aは、ユーザ端末200と通信することにより電子決済を行う装置である。決済装置200aは、ユーザ端末200が決済処理を行うと、その決済情報を決済ログ管理サーバ500に送信する。
【0017】
つぎに、サーバ装置100およびユーザ端末200の機能構成について説明する。
図2は、サーバ装置100およびユーザ端末200の機能構成を示すブロック図である。図に示されるように、サーバ装置100は、通信部101、アプリ利用ログ取得部102(ログ取得部)、チェックインログ取得部103(ログ取得部)、正解値管理部104(監視用情報取得部)、ジオフェンス評価部105(判断情報記憶部、係数算出部)、およびスコアリング判断部106(移動手段判断部)を含んでいる。
【0018】
通信部101は、位置ログ管理サーバ300等の各サーバと通信を行い、チェックインログなどの各種情報を収集する部分である。
【0019】
アプリ利用ログ取得部102は、検索履歴管理サーバ400または決済ログ管理サーバ500から、使用したアプリケーションのログ情報(決済ログまたは検索ログ)を取得する部分である。
図3(a)および
図3(b)は、決済ログおよび検索ログの具体例を示す図である。図に示されるように、決済ログは、複数の決済情報からなる。決済情報は、app_id、user_id、timestamp、address、costを含んでいる。app_idは、決済アプリケーションを特定するためのIDであり、user_idは、ユーザを特定するためのIDであり、timestampは、その決済アプリケーションを使用した日時を示し、addressは、その決済アプリケーションを使用した場所を示し、costは、その決済アプリケーションで使用した金額を示す。ユーザ端末200は、その電子マネー機能を使って、店舗にある決済端末との間で、その店舗情報、決済時刻、その金額などのやりとりを行う。
【0020】
検索ログは、app_id、user_id、timestamp、departure、arrival、departure_time、arrival_time、およびtransportationを含む。app_idは、検索アプリケーションを特定するためのIDであり、user_idは、ユーザを特定するためのIDであり、timestampは、その検索アプリケーションを使用した日時を示し、departureは出発地点、arrivalは到着地点、departure_timeは出発時刻、arrival_timeは到着時刻を示す。また、transportationは、移動手段を示す。
【0021】
チェックインログ取得部103は、位置ログ管理サーバ300から、チェックイン情報の履歴であるチェックインログを取得し記憶する部分である。チェックインログは、
図3(c)に示されるチェックイン情報の履歴である。例えば、位置ログ管理サーバ300は、チェックイン情報として、app_id、user_id、in_date、out_date、stay_time、point_id、point_name、category、point_typeを取得する。app_idは、使用したアプリケーションを示す。user_idは、ユーザを特定するためのIDである。in_dateは、ジオフェンス内に入った日時である。out_dateは、ジオフェンス外に出た日時である。stay_timeは、ジオフェンス内に滞在している時間である。point_nameは、ジオフェンスの名称を示す。categoryは、ジオフェンスに関連付けられる場所または鉄道路線などを特定するための属性情報である。
図3においては、例えば、category欄には“鉄道 東京メトロ銀座線 改札”が記述されており、そのチェックインポイントが東京メトロ銀座線の改札を示す。point_typeは、位置情報を取得する取得種別を示す。
図3においては、point_type欄に、Beaconが記述されている。ユーザ端末200は、所定のビーコンを受信することにより、そのビーコンのIDに応じたcategory情報を、事前に定めた管理テーブルの情報をもとに特定できる。なお、GPSにおいては、位置に応じたcategory情報を、WIFIにおいては、受信したSSID(Service Set Identifier)等に応じたcategory情報を、同様に事前に定めた管理テーブルの情報をもとに特定できる。
【0022】
正解値管理部104は、チェックインログおよび決済ログから、監視用ジオフェンス(監視用のチェックイン情報であって、監視用位置特定情報に相当)を取得する部分である。監視用ジオフェンスとは、正解値(場所または路線を特定する情報)を含まないチェックイン情報のチェックインポイントで定義されたジオフェンスのうち、正解値を含むチェックイン情報に対して前後所定時間内に取得されたチェックイン情報のチェックインポイントで定義されるジオフェンスをいう。この監視用ジオフェンスのチェックイン情報には、その取得の基準となった正解値を含むチェックイン情報における正解値が紐付けられる。例えば、監視用ジオフェンスのチェックイン情報のcategory情報に、その直前に取得されたチェックイン情報の正解値が記述される。
【0023】
なお、正解値を含んだチェックインポイントに、監視用ジオフェンスを、事前に関連付けておいてもよい。監視用ジオフェンスは、正解値を含んだチェックインポイントと関連付けがあるチェックインポイントである。
【0024】
図4を用いて正解値管理部104における監視用ジオフェンスの取得方法について説明する。
【0025】
図4は、いわゆる正解値を含むチェックインログ、検索ログおよび決済ログと、正解値であるチェックインポイントにチェックインした時刻から所定時間内に他のチェックインポイントにチェックインしたチェックインログとを示す図である。正解値は、事前にpoint_id、point_name、およびcategoryが正解値データベース(図示せず)に登録されることにより定義される。正解値データベースにおいて、point_idとして“0001”、point_nameとして“溜池山王駅銀座線改札口1”、categoryとして“鉄道 東京メトロ銀座線 改札”がそれぞれ登録されている場合、正解値管理部104は、これらに一致するチェックイン情報は正解値を有すると判断する。決済ログにおいても同様である。一方で検索ログについては、これから乗るであろう鉄道の路線の乗り換え検索であること予想されることから、本明細書においては、検索ログは正解値を含むものとして扱う。
【0026】
正解値管理部104は、通信部101を介して、位置ログ管理サーバ300等からチェックインログ、決済ログ、検索ログを所定タイミングで取得する。取得したチェックインログおよび決済ログには、正解値を含んだチェックイン情報および決済ログと、正解値を含まないチェックイン情報および決済ログとを含む。
【0027】
正解値管理部104は、正解値を含んだチェックイン情報等のチェックイン時刻(in_dateまたはout_date)から所定時間内にチェックインした正解値を含まないチェックイン情報および決済ログが存在する場合、そのチェックイン情報のチェックインポイントを監視用ジオフェンスとして取得する。そして、その監視用ジオフェンスとして扱われたチェックイン情報には、取得基準となった正解値を含んだチェックイン情報の正解値を対応付ける。このような正解値を含むチェックイン情報から所定時間内にチェックインした、正解値を含まないチェックイン情報は、その正解値が示す移動経路を利用する可能性が高いからである。
【0028】
ジオフェンス評価部105は、正解値管理部104により抽出された監視用ジオフェンスに対する評価を行って、スコアリング表(判断用データベース)を生成する部分である。このスコアリング表は、監視用ジオフェンス(各チェックインポイント)に対して、事前に定めた移動経路(本開示においては例えば鉄道の路線とし、必要に応じて道路などでもよい)ごとに算出された係数を割り当てた表である。この係数は、事前に定めた移動経路ごとに、各チェックインポイントの出現頻度および平均滞在時間などを算出し、それぞれの値に基づいて正規化し、合算することにより求められる。
【0029】
以下、ジオフェンス評価部105におけるスコアリング表における係数算出の処理について説明する。
図5は、銀座線利用者に関する監視用ジオフェンス出現頻度(ユーザ数)のヒストグラムを示す。監視用ジオフェンスのチェックイン情報を用いて、監視用ジオフェンスであるチェックインポイント(point_idまたはpoint_name)ごとに、そのユーザ数が集計されたグラフである。
【0030】
例えば、
図5において、チェックインポイントである“ローソン溜池駅前店”、“スターバックスコーヒー虎ノ門駅前店”、“ヤマダ電機LABI新橋”は、監視用ジオフェンスである。これらは、“溜池山王駅銀座線改札口1”をチェックインポイント(
図4のpoint_name)とする正解値のチェック情報から所定時間内にある、正解値を含まないチェックイン情報に基づいて取得されたチェックインポイントである。なお、青山一丁目駅、赤坂見附駅などの駅名も、ここでは監視用ジオフェンスとして扱われている。
【0031】
図6を用いてその処理を説明する。
図6は、チェックインログなどを簡略化した図である。
図6(a)は、全ユーザのチェックインログを示す。
図6(a)において、categoryのr1は、移動経路を示す。例えば、東京メトロ銀座線などである。Categoryの“-”は、正解値がないことを示す。
【0032】
図6(b)は、経路r1における監視用ジオフェンスを示す。
図6(a)のチェックインログから経路r1のみを抽出した情報である。
図6(c)は、経路r1における監視用ジオフェンスごとのユーザ数を示す。
図6(b)を用いてpoint_idごとにユーザ数を算出する。
【0033】
ジオフェンス評価部105は、チェックインログ(決済ログを含む)から(
図6(a)参照)、各ユーザの移動経路(例えば路線)ごとに、監視用ジオフェンスを取得する(
図6(b)参照)。
【0034】
図6(b)は、category欄に経路r1が記述されているチェックイン情報を抽出した図である。ここでは、経路r1における監視用ジオフェンスのpoint_idとして、p1、p11、p21が抽出される。
【0035】
つぎに、ジオフェンス評価部105は、各移動経路における監視用ジオフェンスごとのユーザ数を算出する(
図6(c)参照)。このようにして、ジオフェンス評価部105は、
図5に示すヒストグラムを生成する。また、それと並行して、ジオフェンス評価部105は、監視用ジオフェンスごとの平均滞在時間を算出する。
図6(c)は、
図6(b)を参照して、各監視用ジオフェンスのユーザ数を算出した図である。なお、あわせて平均滞在時間(stay_average_time)も算出している。
【0036】
そして、ジオフェンス評価部105は、監視用ジオフェンスのユーザ数に対する正規化処理、および平均滞在時間に対する正規化処理を行う。この正規化処理された値(出現頻度係数、滞在時関係数)が、移動経路における各監視用ジオフェンスの係数(出現頻度係数、滞在時関係数)となる。これを移動経路ごとに行うことにより、移動経路ごとの係数(出現頻度係数、滞在時関係数)を算出することができる。
【0037】
図7は、監視用ジオフェンスごとの、移動経路の係数(出現頻度係数(正規化済み)と滞在時間係数(正規化済み)との合算値)のスコアリング表を示す。これら係数は、
図6(a)~
図6(c)の処理を経て算出された数値である。
図7に示されるように、移動経路は、鉄道の路線を示す。例えば、監視用ジオフェンスであるローソン溜池駅前店については、銀座線:0.8、山手線:0.5、東京モノレール:0,京浜東北線:0・・・などの係数が割り当てられている。これは、ローソン溜池駅前店でチェックインしたユーザは、0.8の確率で銀座線を利用することを示している。このスコアリング表は、ジオフェンス評価部105に記憶されている。
【0038】
スコアリング判断部106は、ユーザ端末200のチェックインログ・決済ログとジオフェンス評価部105のスコアリング表とに基づいて、ユーザ端末200における指定された目的地までの移動経路を判断する部分である。スコアリング判断部106は、判断した結果に基づいて目的地までの移動経路の統計情報(ユーザ数)を求める。必要に応じてディスプレイに表示させ、またはオペレータ端末に出力する。スコアリング判断処理についての具体的には以下の処理を行う。
【0039】
スコアリング判断部106は、移動経路の判断対象となるユーザIDおよび目的地などを指定して(必要に応じて日付指定も可)、このユーザIDおよび目的地を用いて、位置ログ管理サーバ300、検索履歴管理サーバ400および決済ログ管理サーバ500から、ユーザ端末200のチェックインログ、検索ログ、および決済ログ(以降、チェックインログ等と称する)を取得する。そして、それらチェックインログ等から、目的地または目的地近辺に移動しているチェックインログ等を取得する。目的地または目的地近辺か否かは、チェックイン情報のcategoryまたはaddressなどの地名またはアドレスなどで判断可能である。
【0040】
スコアリング判断部106は、当該チェックインログ等のチェックイン情報、検索情報、および決済情報のいずれかにおいて、チェックインポイントごとに正解値を含んでいるか否かを判断する。
【0041】
チェックイン情報に正解値を含んでいる場合には、その正解値に対応する移動経路を、ユーザが利用した移動経路と判断する。
【0042】
さらに、スコアリング判断部106は、チェックイン情報に正解値を含んでいない場合には、または、正解値を含んだチェックイン情報以外の残りのチェックイン情報では、直接移動経路を判断できない。したがって、それら正解値を含まないチェックイン情報については、ジオフェンス評価部105におけるスコアリング表を用いて移動経路を判断する。
【0043】
例えば、スコアリング判断部106は、当該チェックイン情報に正解値を含んでいない場合で、それらチェックイン情報におけるチェックインポイントが監視用ジオフェンスとしてジオフェンス評価部105のスコアリング表に保持されている場合には、当該スコアリング表に基づいてチェックイン情報の各チェックインポイントに対応する移動経路ごとの係数(出現頻度係数、滞在時間係数)を取得する。
【0044】
スコアリング判断部106は、監視用ジオフェンスを含むチェックイン情報(ただし正解値を含まない)が所定回数連続した場合には、移動経路ごとに連続したチェックイン情報の係数を合算して、その合算値が閾値以上となったか否かを判断する、閾値以上となった場合には、監視用ジオフェンスを含むそのチェックインポイントにおいては、閾値以上となった移動経路を、ユーザが利用した移動経路と判断する。
なお、単純な合算では、チェックインポイントが密集している場合に、それらチェックインポイントに引っ張られ、誤った判断をしてしまうことが考えられる。従って、ジオフェンスへのチェックイン時刻(in_date)を考慮して、スコアリング表を利用して判断する。例えば、合算対象となるチェックイン情報について、所定の時間間隔を空けるようにチェックイン情報を間引くようにすることが、より正確な推定を可能にする。
【0045】
なお、監視用ジオフェンスでもなく、正解値も含まないチェックイン情報が所定回数連続した場合には、移動経路を判断できないため、エラーとしてもよい。
【0046】
また、スコアリング判断部106は、監視用ジオフェンスを含む正解値を含まないチェックイン情報が所定回数未満であった場合には、その前後に取得された正解値を含むチェックイン情報の正解値を、ユーザが利用した移動経路と判断する。
【0047】
図8および
図9を用いて、移動経路を判断するときの処理について説明する。
図8は、ユーザA0001の移動経路、ユーザA0002の移動軌跡を模式的に示す図である。
図9は、ユーザA0001およびユーザA0002のチェックインログを示す。
図8および
図9(a)から明らかなとおり、ユーザA0001は、コンビニS(point_id:0001)、改札(point_id:0003)、電車(point_id:0005)を移動している。チェックイン情報には、改札が含まれており、これを正解値とする場合には、ユーザA0001は、チェックイン情報のうち改札をチェックインポイントとする時点においては、目的地までの移動経路は、路線Xの電車であることと判断できる。
【0048】
一方で、ユーザA0002のチェックイン情報には、正解値が含んでいないとする。いずれも、コンビニTおよびコンビニSがチェックインポイントとして取得されている。このような場合、コンビニTおよびコンビニSが、監視用ジオフェンスとして、ジオフェンス評価部105のスコアリング表に設定されている場合、その係数に基づいて移動経路を判断する。
【0049】
チェックイン情報は、ユーザ端末200におけるチェックイン判断のタイミングに応じて取得される。そのタイミングは必ずしもチェックインポイントの近くで行われるわけではないため、上述の通り、正解値を含むチェックイン情報を得られない場合がある。
【0050】
引き続き、
図2を用いて、ユーザ端末200の機能構成について説明する。ユーザ端末200は、通信部201、位置情報測位部202、チェックイン判断部203、チェックインログ蓄積部204、アプリ利用ログ蓄積部205を含んでいる。
【0051】
通信部201は、位置ログ管理サーバ300、検索履歴管理サーバ400、決済ログ管理サーバ500などと通信を行う部分である。チェックインログ蓄積部204およびアプリ利用ログ蓄積部205に記憶されているログ情報(チェックインログ、検索ログ、決済ログ)を各サーバに、定期的に送信する。
【0052】
位置情報測位部202は、位置情報を測位するための位置取得機能である。例えばGPS、WIFI、ビーコンなどなどにより測位する。
【0053】
チェックイン判断部203は、測位した位置情報に基づいてジオフェンスにチェックインしたか否かを判断する部分である。チェックイン判断部203は、事前にジオフェンスの範囲を示す情報などを記憶しており、位置情報に基づいて、チェックイン情報を取得する。チェックイン判断部203の判断タイミングは、所定間隔(数秒~数分の間の任意の周期)ごとである。
【0054】
チェックインログ蓄積部204は、チェックイン判断部203で取得したチェックイン情報を記憶する部分である。
【0055】
アプリ利用ログ蓄積部205は、検索アプリケーションまたは決済アプリケーションの利用ログを記憶するアプリ利用履歴格納機能である。検索アプリケ-ションであれば、乗り換えアプリケーションで、出発地と到着地とその利用予定路線を記憶する。決済アプリケーションであれば、利用した店舗、そのカテゴリ情報(地名など)、決済額を記憶する。
【0056】
つぎに、本開示における一態様におけるサーバ装置100およびユーザ端末200の処理について説明する。
図10は、ユーザ端末200における測位データ送信についてフローチャートである。
【0057】
ユーザ端末200において、位置情報測位部202は、周期的に測位を実施し、また、決済アプリケーション・検索アプリケーション(図示せず)は、ユーザ操作に従って決済処理、検索処理を実施する(S101)。そして、ユーザ端末200において、チェックイン判断部203は、チェックイン、そのほか決済処理などの判断を行って、チェックイン情報等(他、決済情報、検索情報)を取得する(S102)。測位は、GPS、WIFI、またはビーコンにより行われ、それに応じてチェックイン情報を取得する。なお、チェックイン情報の取得のほか、決済情報、検索情報を取得する。
【0058】
ユーザ端末200において、通信部201は、チェックイン情報、決済情報、および検索情報を各サーバ(位置ログ管理サーバ300、検索履歴管理サーバ400、および決済ログ管理サーバ500)に送信する(S103)。
【0059】
図11は、サーバ装置100における正解値管理部104およびジオフェンス評価部105におけるスコアリング表生成のためのフローチャートである。チェックインログ取得部103は、周期的に、チェックインログを位置ログ管理サーバ300から取得する(S201)。また、アプリ利用ログ取得部102は、検索履歴管理サーバ400および決済ログ管理サーバ500から、決済ログを取得する(S202)。そして、ジオフェンス評価部105は、チェックインログ、決済ログ、検索ログを合成してログ情報を生成する(S203)。
【0060】
ここで、正解値管理部104は、ログ情報において正解値を含んでいるか否かを判断する(S204)。正解値管理部104は、ログ情報が正解値を含んでいると判断する場合には、ログ情報における、正解値を含むチェックイン情報および決済情報から所定時間内の他のチェックイン情報および他の決済情報を、監視用ジオフェンスのチェックイン情報として抽出する(S205)。これを全てのユーザに対して繰り返し行う(S206、S207)。
【0061】
S204において、取得したログ情報に正解値を含んでいない場合には、監視用ジオフェンスを取得できないため、チェックインログ取得部103は、他のユーザのチェックインログ等の取得処理を行う(S207)。すべてのユーザに対して監視用ジオフェンスのチェックイン情報を抽出すると、ジオフェンス評価部105は、これら監視用ジオフェンスに対するスコアリング表を生成する(S208)。このスコアリング表生成は上述説明した通りである。このスコアリング表は、定期的に更新されるのがよい。
【0062】
つぎに、このスコアリング表を用いてユーザの移動経路の判断処理について説明する。
図12は、サーバ装置100における、ユーザの移動経路の判断処理を示すフローチャートである。チェックインログの取得対象は、スコアリング表の生成に用いられたユーザと異なっていることを前提とする。スコアリング判断部106は、判断対象であるユーザのユーザIDおよび目的地の指定を受け付ける(S301)。そして、通信部101を介して、スコアリング判断部106は、指定された目的地に基づいて、位置ログ管理サーバ300からユーザIDに対応するチェックインログを取得する(S302)。また、通信部101を介して、スコアリング判断部106は、検索履歴管理サーバ400および決済ログ管理サーバ500から検索ログおよび決済ログを取得する(S303)。スコアリング判断部106は、取得したチェックインログ、検索ログ、及び決済ログを合体してログ情報を生成する(S304)。
【0063】
スコアリング判断部106は、チェックイン情報ごとに正解値を含むか否かを判断する(S305)。ログ情報に正解値を含まないと判断する場合には、スコアリング判断部106は、ジオフェンス評価部105におけるスコアリング表を用いて、各移動経路に対するスコアリングを行い、移動経路の判断を行う(S306、S307)。すなわち、ログ情報に正解値を含まないチェックイン情報に基づいてスコアリング表の係数をその移動経路ごとに累積加算して、閾値以上となった移動経路を、ユーザが利用した移動経路と判断する。
【0064】
一方で、スコアリング判断部106は、ログ情報のチェックイン情報・決済情報に正解値を含むと判断する場合には、その正解値に基づいて移動経路を判断する(S308)。さらに、正解値を含まないチェックイン情報・決済情報を抽出して、スコアリング表を用いた移動経路の判断処理を行う(S306、S307)。
【0065】
当該判断した移動経路を示す判断結果を出力する(S310)。判断結果には、チェックインポイントごとに移動経路を示してもよいし、移動経路のみを時系列に示してもよい。
【0066】
このようにしてスコアリング表を用いて、正解値を含まないログ情報を用いてユーザの移動経路を判断することができる。なお、検索情報(検索ログ)については正解値として扱うが、実際のチェックインログ、決済ログを参照して、正解値として扱うか否かを判断してもよい。すなわち、チェックインログおよび決済ログを参照して、指定して目的地近辺に移動していないと判断できる場合には正解値ではないと判断してもよい。また、検索ログは必ずしも使用しなくてもよい。
【0067】
上記開示においては、ジオフェンス評価部105は、監視用ジオフェンスと移動経路とのスコアリング係数を対比させたスコアリング表を用いたがこれに限るものではない。例えば、スコアリング表に代えて学習モデルを用いることができる。
【0068】
図13は、その変形例におけるサーバ装置100aの機能構成を示すブロック図である。このサーバ装置100aは、学習モデル生成部105a(学習モデル記憶部)と学習モデル判断部106a(移動手段判断部)を備えている点で、
図2におけるサーバ装置100と異なっている。
【0069】
学習モデル生成部105aは、全てのユーザのチェックインポイントに基づいて学習モデルを生成し、記憶する部分である。以下詳細に説明する。
【0070】
学習モデル生成部105aは、予め定められた正解値を含んだログ情報を取得する。このログ情報はユーザごとに取得されたものである。ここでの正解値は、移動経路ごとに対して定められた正解値である。
【0071】
そして、学習モデル生成部105aは、ユーザごとに、各移動経路における各チェックインポイントにおけるチェックインの頻度、平均滞在時間、隣接するチェックインポイントまでの移動時間を取得する。
【0072】
図14を用いて、ログ情報と、学習モデル生成のための目的変数について説明する。
図14(a)および
図14(b)は、ログ情報を簡略化した図である。
図14(c)は、ログ情報から得られたユーザの行動を示す図である。
図14(a)および
図14(b)を例にとると、チェックインの頻度は、各チェックインポイントにチェックインした一のユーザのチェックイン数を集計することにより算出される。ユーザは、いくつかの路線を乗り継ぐ場合には、正解値は複数存在することになる。
【0073】
平均滞在時間については、まず、チェックインポイントごとにin_dateおよびout_dateに基づいて滞在時間が算出される。そして、チェックインポイントごとに、チェックインしたユーザの滞在時間の合計数を頻度で割ることにより、チェックインポイントごとの平均滞在時間が算出される(
図14(c)参照)。
【0074】
また、チェックインポイントごとに隣接するチェックインポイントを予め定義しておき、あるチェックインポイントのout_dateと、そのチェックインポイントに隣接するチェックインポイントのin_dateに基づいて、隣接するチェックインポイントまでの移動時間が算出される。これを同じチェックインポイント間を移動した頻度を用いることで平均移動時間が算出される(
図14(c)参照)。隣接するチェックインポイントは多数存在するのが通常であることから、一のチェックインポイントに対して複数の隣接チェックインポイントが定義される。チェックインポイントごとに、隣接チェックインポイントは異なる。
図14(c)においては、チェックインポイント0001とチェックインポイント0002において、“隣接P1”の移動時間を対応付けている。“隣接P1”は、隣接するチェックインポイントを示す。例えば、チェックインポイント0001には、隣接P1としてあらかじめ定義づけられたチェックインポイントが対応付けられている。チェックインポイント0002においても同様である。チェックインポイント0001の“隣接P1”とチェックインポイント0002の“隣接P1”は、必ずしも同じチェックインポイントを示さない。
【0075】
学習モデル生成部105aは、指定された移動経路(路線)を利用したユーザ(路線のフラグを含んだユーザ情報を示す。以降、ユーザとは、フラグを含んだユーザ情報を示す)ごとに、算出したチェックインポイントごとの、チェックインの頻度、平均滞在時間、隣接チェックインポイントの平均移動時間を説明変数とし、その正解値(移動経路:路線)を目的変数として、移動経路全体に対する学習モデルを構築する。学習モデルの構築処理は、公知の処理であり、例えば、誤差逆伝播法またはGBDT(Gradient Boosting Decision Tree)などにより構築される。
【0076】
図15は、本開示における学習モデルの模式図である。入力層x11~xnnには、チェックインログ等から算出された各種情報(チェックインの頻度、平均滞在時間、隣接チェックインポイントまでの移動時間が入力される。なお、これら数値は、正規化されたものとしてもよい。出力層y11~ynnは、ユーザにより利用された移動経路(路線)を示し、出力層y11~ynnの出力値が閾値以上であるか否かにしたがって、1または0で示す。出力層y11~ynnは、予めどの路線であるか、定義している。w1~wnは、重みを示す。このような学習モデルが、ユーザごとに取得されたチェックイン頻度、平均滞在数、平均移動時間に基づいて学習される。なお、上述の説明においては、ユーザごとに、チェックイン頻度、平均滞在数、移動時間を取得し、学習していたが、学習方法として、上記のものに限るものではない。全てのユーザに対するチェックイン頻度、平均滞在数、平均移動時間を用いてもよい。
【0077】
学習モデル判断部106aは、生成された学習モデルを用いて、各ユーザの移動経路を判断する部分である。
【0078】
つぎに、そのサーバ装置100aの処理について説明する。
図16は、サーバ装置100aにおける学習モデルの生成方法を示すフローチャートである。
図16に示されるように、ステップS204a~S208aが、
図11のステップS204~S208と置き換えられている。ステップS204aにおいては、学習モデル生成部105aは、ユーザごとに、当該移動経路の正解値を含むログ情報を取得する。ステップS205aにおいては、全ユーザのログ情報に対する処理を行うために、S204aの処理を繰り返すための処理を行う。
【0079】
そして、ステップS208aにおいて、移動経路ごとの学習モデルを生成する。
【0080】
なお、移動経路には、移動手段およびその利用経路を含むが、移動手段のみを含むようにしてもよい。
【0081】
図17は、学習モデルを適用して移動経路を判断する処理を示すフローチャートである。学習モデル判断部106aは、一のユーザにおけるチェックインログ等を学習モデルに適用する(S305a)。すなわち、一のユーザのチェックインログに基づいて、チェックインポイントごとのチェックインの頻度、平均滞在時間、隣接するチェックインポイントまでの移動時間が算出され、説明変数として入力される。学習モデル判断部106aは、学習モデルを用いて、利用経路ごとにその利用の有無を判断し出力する(S307)。
【0082】
つぎに、本開示におけるサーバ装置100(またはサーバ装置100a)の作用効果について説明する。
【0083】
本開示におけるサーバ装置100は、ユーザ端末200の移動経路を判断するための監視用ジオフェンス用いたスコアリング表(判断情報)を記憶するジオフェンス評価部105と、ユーザ端末200が所定範囲に位置したことを示すチェックイン情報、決済情報などの位置管理情報の履歴であるチェックインログ、決済ログの少なくとも一つを位置管理ログとして取得するチェックインログ取得部103と、位置管理ログおよびジオフェンス評価部105に記憶されているスコアリング表に基づいて、ユーザ端末200の移動経路を判断するスコアリング判断部106と、を備える。
【0084】
この構成により、スコアリング表などを用いてその移動経路を判断することができ、データ処理量を削減することができるとともに、判断精度を向上させることができる。移動経路は、移動手段とその利用経路とを示しており、移動経路を判断することは、少なくとも移動手段を判断することになる。本開示の装置においては、目的地までにおける複数のユーザが利用した交通機関の統計情報を算出するのに有効である。
【0085】
また、本開示におけるサーバ装置100において、スコアリング判断部106は、正解値である属性情報を含むチェックインログ(決済ログ、検索ログなどを含む)などに基づいて、ユーザ端末200の移動経路を判断できる場合に、当該属性情報に基づいてユーザ端末200の移動経路を判断し、できない場合には、スコアリング表に基づいて、ユーザ端末200の移動経路を判断する。
【0086】
この構成により、属性情報を用いて移動経路を判断でき、その処理量を軽減できる。一方で、属性情報を用いて移動経路を判断できない場合があり、その場合にスコアリング表(判断情報)を用いて移動経路を判断できる。よって、処理量削減とともにその移動経路の判断精度を向上させることができる。
【0087】
また、サーバ装置100において、スコアリング表は、位置特定情報に相当するチェックインポイントごとに、移動経路に対して係数を対応付けておき、スコアリング判断部106は、前記チェックインログに含まれるチェックインポイントに対応する係数に基づいて、移動経路を判断する。
【0088】
この構成により、係数に従った移動経路の判断を可能にする。したがって、処理量削減とともにその移動経路の判断精度を向上させることができる。
【0089】
また、サーバ装置100(100a)において、スコアリング表(または学習モデル)は、ユーザ端末200の移動手段に加えて利用経路を判断するための情報を含み、スコアリング判断部106(または学習モデル判断部106a)は、ユーザ端末200の移動手段および利用経路を、スコアリング表(判断情報)に基づいて判断する。
【0090】
この構成により、移動経路として、移動手段およびその利用経路を判断することができ、詳細な情報を提供可能にする。
【0091】
また、サーバ装置100において、チェックインログ取得部103は取得したチェックインログ等(決済ログを含む)を記憶しておき、ユーザ端末200のチェックインログ等のうち、所定条件(例えば、正解値のチェックイン情報が前後数分の間にある)を満たすチェックイン情報等を、監視用ジオフェンス(監視用位置特定情報)として取得する正解値管理部104と、監視用ジオフェンスに基づいて、移動経路ごとの判断用係数を算出するジオフェンス評価部105と、を備え、ジオフェンス評価部105は、監視用ジョイフェンスおよび移動経路ごとの判断係数を対応付けたスコアリング表を記憶する。
【0092】
この構成により、各ユーザ端末200におけるチェックインログなどに基づいて、監視用ジオフェンスを取得し、それに基づいてスコアリング表を生成することができる。したがって、より現実に即したスコアリング表を生成することができ、その結果精度のよい結果を得ることができる。
【0093】
また、本開示おけるサーバ装置100aは、ユーザが保持するユーザ端末200の移動手段(移動経路、路線等)を、チェックインポイント(位置特定情報)ごとの各ユーザにおける行動を示す情報に基づいて構築された学習モデルを記憶する学習モデル生成部105aと、ユーザ端末200が所定のチェックインポイント(位置特定情報)に基づいた範囲に位置したことを示すチェックイン情報(位置管理情報)の履歴をチェックインログ(位置管理ログ)として取得するアプリ利用ログ取得部102等(ログ取得部)と、チェックインログ(位置管理ログ)および学習モデル生成部105aに記憶されている学習モデルに基づいて、ユーザ端末200の移動手段を判断する学習モデル判断部106aと、を備える。
【0094】
また、学習モデル生成部105aは、アプリ利用ログ取得部102等により取得された複数のユーザ端末200のそれぞれのチェックインログ(位置管理ログ)のうち、ユーザ端末200が所定のチェックインポイント(位置特定情報)に基づいた範囲に位置したことを示すチェックイン情報(位置管理情報)であって、移動手段ごとに定められた所定条件(例えば正解値を含む)を満たすチェックイン情報(位置管理情報)を取得する。そして、チェックイン情報におけるチェックインポイントごとの各ユーザにおける行動を示す情報に基づいて、移動手段ごとの学習モデルを生成する。
【0095】
学習モデル生成部105aは、ユーザの行動を示す情報として、各チェックインポイントにおける滞在時間(平均滞在時間でもよい)、各チェックインポイントに対して隣接するチェックインポイント報までの移動時間、および当該ユーザが当該チェックインポイントにチェックインした頻度に基づいて、学習モデルを生成する。なお、滞在時間、移動時間、チェックインした頻度のいずれか一つで学習モデルを生成してもよい。
【0096】
このように、各ユーザの移動パターンに基づいて学習モデルを構築し、またその学習モデルを用いてユーザの移動パターンを判断して、ユーザが利用する路線などの移動手段を判断することができる。したがって、直接的に正解値を含まないチェックイン情報を用いなくても、精度良く、ユーザの利用路線などの利用する移動手段を判断することができる。
【0097】
上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0098】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0099】
例えば、本開示の一実施の形態におけるサーバ装置100、サーバ装置100aなどは、本開示の移動経路判断方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図18は、本開示の一実施の形態に係るサーバ装置100、サーバ装置100aのハードウェア構成の一例を示す図である。上述のサーバ装置100、サーバ装置100aは、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0100】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。サーバ装置100、サーバ装置100aのハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0101】
サーバ装置100、サーバ装置100aにおける各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0102】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の正解値管理部104、ジオフェンス評価部105、スコアリング判断部106などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0103】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、サーバ装置100、サーバ装置100aにおける正解値管理部104、ジオフェンス評価部105、スコアリング判断部106は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0104】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る移動経路判断方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0105】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0106】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の通信部101などは、通信装置1004によって実現されてもよい。通信部101は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0107】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0108】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0109】
また、サーバ装置100、サーバ装置100aは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0110】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0111】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0112】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0113】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0114】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0115】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0116】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0117】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0118】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0119】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0120】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0121】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0122】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0123】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0124】
ユーザ端末は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0125】
ユーザ端末200は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、ユーザ端末200は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、ユーザ端末200は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、ユーザ端末200は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0126】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0127】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0128】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0129】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0130】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0131】
100…サーバ装置、100a…サーバ装置、101…通信部、102…アプリ利用ログ取得部、103…チェックインログ取得部、104…正解値管理部、105…ジオフェンス評価部、105a…学習モデル生成部、106…スコアリング判断部、106a…学習モデル判断部、200…ユーザ端末、200a…決済装置、201…通信部、202…位置情報測位部、203…チェックイン判断部、204…チェックインログ蓄積部、205…アプリ利用ログ蓄積部、300…位置ログ管理サーバ、400…検索履歴管理サーバ、500…決済ログ管理サーバ。