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特許7372955特定の癌の治療のためのラムシルマブとペンブロリズマブとの組み合わせ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】特定の癌の治療のためのラムシルマブとペンブロリズマブとの組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20231025BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231025BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
A61K39/395 N ZNA
A61K39/395 U
A61P35/00
A61P43/00 121
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021059858
(22)【出願日】2021-03-31
(62)【分割の表示】P 2018563067の分割
【原出願日】2017-05-26
(65)【公開番号】P2021113195
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2021-04-27
(31)【優先権主張番号】62/345,322
(32)【優先日】2016-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/377,852
(32)【優先日】2016-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/398,663
(32)【優先日】2016-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/434,466
(32)【優先日】2016-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/460,404
(32)【優先日】2017-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/469,670
(32)【優先日】2017-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516183141
【氏名又は名称】イムクローン リミテッド ライアビリティ カンパニー
(73)【特許権者】
【識別番号】522242018
【氏名又は名称】メルク・シャープ・アンド・ドーム・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ゲイナー,リチャード ブライアン
【審査官】佐々木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-519121(JP,A)
【文献】特表2017-515859(JP,A)
【文献】特表2017-535528(JP,A)
【文献】J. Clinical Oncology, 2016.05.20, Vol.34, No.15, Suppl_Abstract No.3056
【文献】Mebio, 2016.06, Vol.33, No.6, pp.74-81
【文献】N. Engl. J. Med., 2015, Vol.372, pp.2018-2028,DOI: 10.1056/NEJMoa1501824
【文献】BANG, YJ.,Safety and efficacy of pembrolizumab (MK-3475) in patients with advanced biliary tract cancer: Inter,www.mdlinx.com, 2015.09, [retrieved on 2019.12.16], retrieved from the internet: <URL: https://www.m,https://www.mdlinx.com/surgery/conference-abstract.cfm/54322/?conf_id=231917&searchstring=&coverage_day=0&nonus=0&page=1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 39/00-39/44
C07K 1/00-19/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗VEGFR-2抗体を含む、ヒト患者における非小細胞肺癌の治療において、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-1抗体との同時、分離、または逐次併用で使用するための薬剤。
【請求項2】
非小細胞肺癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、請求項1に記載の薬剤。
【請求項3】
前記抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与される、請求項1または2に記載の薬剤。
【請求項4】
非小細胞肺癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与され、前記抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与される、請求項1に記載の薬剤。
【請求項5】
前記患者がPD-L1陽性状態を有する、請求項1に記載の薬剤。
【請求項6】
前記抗VEGFR-2抗体および前記抗PD-1抗体の各々の投与量が少ない患者と比較して、生存期間が延長される、請求項1~のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項7】
PD-L1陽性状態の患者の生存期間が延長される、請求項に記載の薬剤。
【請求項8】
PD-L1陰性状態の患者の生存期間が延長される、請求項に記載の薬剤。
【請求項9】
前記患者が完全奏効(CR)を示す、請求項1~8のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項10】
ヒト患者における非小細胞肺癌の治療のための薬剤の製造のための、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗VEGFR-2抗体、および各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-1抗体の使用。
【請求項11】
非小細胞肺癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与される、請求項10に記載の使用。
【請求項13】
非小細胞肺癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与され、前記抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与される、請求項10に記載の使用。
【請求項14】
前記抗VEGFR-2抗体および前記抗PD-1抗体の各々の投与量が少ない患者と比較して、生存期間が延長される、請求項1013のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
PD-L1陽性状態の患者の生存期間が延長される、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
PD-L1陰性状態の患者の生存期間が延長される、請求項14に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラムシルマブとペンブロリズマブとの組み合わせ、ならびに非小細胞肺癌(
NSCLC)、尿路上皮癌、胆道癌、ならびに進行胃または食道胃接合部腺癌(G/GE
J)等の特定の疾患を治療するために該組み合わせを使用する方法に関する。
【0002】
腫瘍増殖の特徴は、血管新生および免疫抑制を含む。プログラム死受容体-1(プログ
ラム死-1またはPD-1)は、健康な条件下で活性化T細胞の細胞表面上に発現される
。PD-1の正常な機能は、自己免疫反応を含む望ましくないまたは過剰な免疫応答を下
方制御することである。プログラム死リガンド-1(PD-L1)は、PD-1に対する
リガンドであり、T細胞遊走、細胞毒性メディエーターの増殖および分泌を抑制し、腫瘍
細胞の死滅を制限する。Herbst et al.Nature2014;515:6
3-567。PD-1/PD-L1の相互作用は、免疫制御を抑制するために腫瘍に占拠
される主要な経路である。
【0003】
抗血管新生抗体およびPD-1抗体により血管新生および免疫抑制の両方を同時に標的
とすることは、前臨床試験において相乗効果を示している。Yasuda S,et a
l.Clin Exp Immunol.2013;172:500-6。血管内皮増殖
因子A(VEGF-A)および血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR-2)を遮断する
ことにより、PD-1を含む阻害分子の発現を元に戻すことによってT細胞枯渇を緩和す
ることができる。Voron T,et al.J.Exp.“Med.”2015;2
12:139-48。抗VEGFR-2抗体は、前臨床試験において、腫瘍へのT細胞浸
潤を改善し、腫瘍関連マクロファージの遊走を阻害することが示されている。Manni
ng EA,et al.Clin Cancer Res.2007;13:3951
-9;Dineen SP,et al.Cancer Res.2008;68:43
40-6。高レベルのPD-L1、特に腫瘍浸潤性免疫細胞で発現されるPD-L1を発
現する腫瘍と、抗PD-L1抗体による治療に対する反応との間の相関を解明する研究が
なされている。Herbst et al.Nature 2014;515:63-5
67。ペンブロリズマブの試験では、NSCLCおよび頭頸部癌のPD-L1強陽性患者
において奏効率が約2倍増加することが示されている(Chow et al.,J.C
lin.Oncol.34(32):3838-3847(2016);Garon e
t al.,N.Engl.J.“Med.”372(21):2018-28(201
5)。
【0004】
ラムシルマブ(非限定的な例はCYRAMZA(登録商標)、Eli Lilly &
Co.,Indianapolis,INである)は、血管内皮増殖因子受容体2(V
EGFR-2)に対するヒトIgG1モノクローナル抗体である。ラムシルマブ、ならび
にこの化合物を作製および使用する方法は、WO2003/075840に開示されてい
る。ラムシルマブは、以前のフルオロピリミジンまたは白金含有化学療法の途中または後
に疾患の進行があった進行胃または食道胃接合部腺癌の治療のために、単剤としてまたは
パクリタキセルと組み合わせて、および、白金ベースの化学療法の途中または後に疾患の
進行があった転移性非小細胞肺癌の治療のために、ドセタキセルと組み合わせて、米国食
品医薬品局によって認可されている。EGFRまたはALKゲノム腫瘍異常を有する患者
は、CYRAMZA(登録商標)を投与する前に、これらの異常に対してFDAに認可さ
れた療法の施行中に疾患が進行しているはずであり、ベバシズマブ、オキサリプラチン、
およびフルオロピリミジンを用いた以前の療法の途中または後に疾患の進行があった転移
性結腸直腸癌の治療のために、FOLFIRI(イリノテカン、フォリン酸、および5-
フルオロウラシル)と組み合わされる。
【0005】
ペンブロリズマブ(非限定的な例はKEYTRUDA(登録商標)、Merck&Co
.,Inc.,Whitehouse Station,NJ,USA)は、プログラム
死受容体-1(PD-1)に対するヒト化IgG4モノクローナル抗体である。ペンブロ
リズマブならびにこの化合物を作製および使用する方法は、WO2008/156712
に開示されている。ペンブロリズマブは、PD-L1およびPD-L2へのPD-1の結
合を阻害することが示されてきており、種々の臨床試験において試験されてきた。(WO
2008156712およびHamid et al.,N.Engl.J.“Med.
”(2013)369:2)。ペンブロリズマブは、切除不能または転移性の黒色腫に罹
患している患者、米国食品医薬品局(FDA)認可の試験によって判定されるように腫瘍
でのPD-L1発現が高く、EGFRゲノム腫瘍異常もALKゲノム腫瘍異常もなく、従
来の全身化学療法処置を受けていない転移性NSCLC患者、および白金含有化学療法の
途中または後に疾患の進行があった転移性NSCLC患者の治療のために、FDAによっ
て認可されている。EGFRゲノム腫瘍異常またはALKゲノム腫瘍異常のある患者は、
ペンブロリズマブを受ける前に、これらの異常についてFDA認可の療法の途中で疾患進
行があるはずである。ペンブロリズマブは、白金含有化学療法の途中または後に疾患の進
行がある、再発性または転移性の頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)に罹患している患者、
ならびに難治性の従来のホジキンリンパ腫に罹患している成人患者および小児患者、また
は3本以上の従来の療法ラインの後に再発した成人患者および小児患者に対しても認可さ
れている。
【0006】
本発明は、ラムシルマブとペンブロリズマブとの組み合わせの継続中の第I相臨床試験
(「進行胃または食道胃接合部腺癌(G/GEJ)、非小細胞肺癌(NSCLC)、尿路
上皮癌(UC)を有する患者におけるラムシルマブ+ペンブロリズマブの第1相試験」(
「本試験」)に由来する。
【0007】
VEGFR-2およびPD-1の阻害剤の組み合わせは当該技術分野において企図され
てきたが、驚くべきことに、本発明は、標的病変の縮小を経験している患者の85.0%
によって示されるように、セカンドライン~フォースラインNSCLC患者における有効
な治療レジメンの一部として、また、標的病変の縮小を経験している患者の45%によっ
て示されるように、進行胃または食道胃接合部腺癌(G/GEJ)患者における有効な治
療レジメンの一部として、ラムシルマブとペンブロリズマブとの組み合わせを開示する。
これに基づいて、進行中のプロトコルの修正は、ファーストラインNSCLC、ファース
トライン胃/食道胃接合部、およびセカンドライン~サードライン胆道癌の新たなコホー
トを含む
【0008】
また、驚くべきことに、本発明の組み合わせは、非小細胞肺癌においてPD-L1陽性
状態およびPD-L1陰性状態の両方を有する患者に効果を示す傾向がある。
【0009】
腫瘍増殖における血管新生および免疫抑制の重要性を考慮すると、特定の癌における反
応を改善するための併用療法の必要性が存在する。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、患者における非小細胞肺癌を治療する方法であって、そ
のような治療を必要とする非小細胞肺癌患者に、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有す
る2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む有効量の
抗VEGFR-2抗体と、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々
が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む有効量の抗PD-1抗体とを投
与することを含む方法が提示される。
【0011】
本発明の別の態様は、患者における進行胃または食道胃接合部腺癌を治療する方法であ
って、そのような治療を必要とする進行胃または食道胃接合部腺癌患者に、各々が配列番
号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2
つの重鎖とを含む有効量の抗VEGFR-2抗体と、各々が配列番号5のアミノ酸配列を
有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む有効
量の抗PD-1抗体とを投与することを含む方法である。
【0012】
本発明の別の態様は、非小細胞肺癌の治療のための、各々が配列番号3のアミノ酸配列
を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗
VEGFR-2抗体と、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が
配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-1抗体とを含むキットで
ある。
【0013】
本発明の別の態様は、進行胃または食道胃接合部腺癌の治療のための、各々が配列番号
3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つ
の重鎖とを含む抗VEGFR-2抗体と、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つ
の軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-1抗体
とを含むキットである。
【0014】
本発明の好ましい態様において、抗VEGFR-2抗体はラムシルマブであり、抗PD
-1抗体はペンブロリズマブである。
【0015】
本発明の別の好ましい態様において、抗VEGFR-2抗体は、配列番号1のアミノ酸
配列を有する軽鎖可変領域と、配列番号2のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域とを含む
【0016】
本発明の別の好ましい態様において、抗PD-1抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を
有する軽鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域とを含む。
【0017】
本発明の別の好ましい態様において、抗VEGFR-2抗体は、配列番号3のアミノ酸
配列を有する軽鎖と、配列番号4のアミノ酸配列を有する重鎖とを含む。
【0018】
本発明の別の好ましい態様において、ラムシルマブは、3週間に1回、10mg/kg
で投与され、ペンブロリズマブは、3週間に1回、200mgで投与される。
【0019】
本発明の別の態様は、非小細胞肺癌の治療のための、ラムシルマブを1つ以上の薬学的
に許容され得る担体、希釈剤、または賦形剤とともに含み、ペンブロリズマブを1つ以上
の薬学的に許容され得る担体、希釈剤、または賦形剤とともに含むキットである。
【0020】
本発明の別の態様は、進行胃または食道胃接合部腺癌の治療のための、ラムシルマブを
1つ以上の薬学的に許容され得る担体、希釈剤、または賦形剤とともに含み、ペンブロリ
ズマブを1つ以上の薬学的に許容され得る担体、希釈剤、または賦形剤とともに含むキッ
トである。
【0021】
本発明の別の態様は、非小細胞肺癌の治療における同時、分離(separate)、または逐
次使用のためにラムシルマブおよびペンブロリズマブを含む組み合せである。
【0022】
本発明の別の態様は、進行胃または食道胃接合部腺癌の治療における同時、分離、また
は逐次使用のためにラムシルマブおよびペンブロリズマブを含む組み合せである。
【0023】
本発明の別の態様は、非小細胞肺癌の治療において、ペンブロリズマブとの同時、分離
、または逐次治療に使用されるラムシルマブである。
【0024】
本発明の別の態様は、進行胃または食道胃接合部腺癌の治療において、ペンブロリズマ
ブとの同時、分離、または逐次治療に使用されるラムシルマブである。
【0025】
本発明の別の態様は、患者がPD-L1陰性状態または陽性状態を有する患者における
非小細胞肺腫瘍の治療に使用されるペンブロリズマブおよびラムシルマブである。
【0026】
本発明の別の態様は、患者がPD-L1陰性状態または陽性状態を有する患者における
進行胃または食道胃接合部腺癌の治療に使用されるペンブロリズマブおよびラムシルマブ
である。
【0027】
本発明の別の態様は、非小細胞肺腫瘍を有する患者の治療のための薬物の製造における
ラムシルマブおよびペンブロリズマブの使用である。
【0028】
本発明の別の態様は、進行胃または食道胃接合部腺癌を有する患者の治療のための薬物
の製造におけるラムシルマブおよびペンブロリズマブの使用である。
【0029】
本発明の好ましい態様において、患者はPD-L1陰性状態を有する。
【0030】
本発明の別の態様は、ペンブロリズマブと組み合わせた有効量のラムシルマブを、それ
を必要とする患者に投与することを含む、患者における非小細胞肺癌を治療する方法であ
るが、但し、患者がPD-L1陰性状態または陽性状態を有する場合に、該患者が治療の
ために選択されるものとする。
【0031】
本発明の別の態様は、ペンブロリズマブと組み合わせた有効量のラムシルマブを、それ
を必要とする患者に投与することを含む、患者における進行胃または食道胃接合部腺癌を
治療する方法であるが、但し、患者がPD-L1陰性状態または陽性状態を有する場合に
、該患者が治療のために選択されるものとする。
【0032】
本発明の別の態様は、患者における非小細胞肺癌を治療する方法であって、ペンブロリ
ズマブと組み合わせてラムシルマブを投与する前にPD-L1の存在について患者を検査
することと、患者が陽性または陰性のPD-L1状態を有する場合、ペンブロリズマブと
組み合わせて有効量のラムシルマブを患者に投与することとを含む、方法である。
【0033】
本発明の別の態様は、患者における進行胃または食道胃接合部腺癌を治療する方法であ
って、ペンブロリズマブと組み合わせてラムシルマブを投与する前にPD-L1の存在に
ついて患者を検査することと、患者が陽性または陰性のPD-L1状態を有する場合、ペ
ンブロリズマブと組み合わせて有効量のラムシルマブを患者に投与することとを含む、方
法である。
【0034】
本発明の別の態様は、患者における非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移
性の胃もしくは食道胃接合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌を治療する方法であって、
そのような治療を必要とする患者に、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽
鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む有効量の抗VEGF
R-2抗体と、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号
6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む有効量の抗PD-1抗体とを投与すること
を含み、抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与される、方法である
【0035】
本発明の別の態様は、患者における局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは
食道胃接合部腺癌または胆道癌を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患
者に、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミ
ノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む有効量の抗VEGFR-2抗体と、各々が配列番号
5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つ
の重鎖とを含む有効量の抗PD-1抗体とを投与することを含み、抗PD-1抗体は、3
週間に1回、200mgの用量で投与され、抗VEGFR-2抗体は、3週間サイクルの
1日目および8日目に8mg/kgの用量で投与される、方法である。
【0036】
本発明の別の態様は、患者における局所進行性の切除不能または転移性の胃または食道
胃接合部腺癌を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、各々が配列
番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する
2つの重鎖とを含む有効量の抗VEGFR-2抗体と、各々が配列番号5のアミノ酸配列
を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む有
効量の抗PD-1抗体とを投与することを含み、抗PD-1抗体は、3週間に1回、20
0mgの用量で投与され、抗VEGFR-2抗体は、3週間サイクルの1日目および8日
目に8mg/kgの用量で投与される、方法である。
【0037】
本発明の別の態様は、患者における胆道癌を治療する方法であって、そのような治療を
必要とする患者に、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列
番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む有効量の抗VEGFR-2抗体と、各
々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列
を有する2つの重鎖とを含む有効量の抗PD-1抗体とを投与することを含み、抗PD-
1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与され、抗VEGFR-2抗体は、3週
間サイクルの1日目および8日目に8mg/kgの用量で投与される、方法である。
【0038】
本発明の別の態様は、患者における非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移
性の胃もしくは食道胃接合部腺癌、または尿路上皮癌を治療する方法であって、そのよう
な治療を必要とする患者に、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各
々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む有効量の抗VEGFR-2抗
体と、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミ
ノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む有効量の抗PD-1抗体とを投与することを含み、
抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与され、抗VEGFR-2抗体
は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、方法である。
【0039】
本発明の別の態様は、患者における非小細胞肺癌を治療する方法であって、そのような
治療を必要とする患者に、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々
が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む有効量の抗VEGFR-2抗体
と、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ
酸配列を有する2つの重鎖とを含む有効量の抗PD-1抗体とを投与することを含み、抗
PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与され、抗VEGFR-2抗体は
、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、方法である。
【0040】
本発明の別の態様は、患者における局所進行性の切除不能または転移性の胃または食道
胃接合部腺癌を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、各々が配列
番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する
2つの重鎖とを含む有効量の抗VEGFR-2抗体と、各々が配列番号5のアミノ酸配列
を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む有
効量の抗PD-1抗体とを投与することを含み、抗PD-1抗体は、3週間に1回、20
0mgの用量で投与され、抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用
量で投与される、方法である。
【0041】
本発明の別の態様は、患者における尿路上皮癌を治療する方法であって、そのような治
療を必要とする患者に、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が
配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む有効量の抗VEGFR-2抗体と
、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸
配列を有する2つの重鎖とを含む有効量の抗PD-1抗体とを投与することを含み、抗P
D-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与され、抗VEGFR-2抗体は、
3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、方法である。
【0042】
本発明の別の態様は、非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしく
は食道胃接合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌の治療において、各々が配列番号5のア
ミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖
とを含む抗PD-1抗体との、同時、分離、または逐次併用で使用される、各々が配列番
号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2
つの重鎖とを含む抗VEGFR-2抗体であって、抗PD-1抗体は、3週間に1回、2
00mgの用量で投与される、抗VEGFR-2抗体である。
【0043】
本発明の別の態様は、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合部
腺癌または胆道癌の治療において、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖
と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-1抗体との、
同時、分離、または逐次併用で使用される、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2
つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗VEGFR
-2抗体であって、抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与され、抗
VEGFR-2抗体は、3週間サイクルの1日目および8日目に8mg/kgの用量で投
与される、抗VEGFR-2抗体である。
【0044】
本発明の別の態様は、局所進行性の切除不能または転移性の胃または食道胃接合部腺癌
の治療において、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番
号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-1抗体との、同時、分離、また
は逐次併用で使用される、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々
が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗VEGFR-2抗体であって
、抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与され、抗VEGFR-2抗
体は、3週間サイクルの1日目および8日目に8mg/kgの用量で投与される、抗VE
GFR-2抗体である。
【0045】
本発明の別の態様は、胆道癌の治療において、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有す
る2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-
1抗体との、同時、分離、または逐次併用で使用される、各々が配列番号3のアミノ酸配
列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む
抗VEGFR-2抗体であって、抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で
投与され、抗VEGFR-2抗体は、3週間サイクルの1日目および8日目に8mg/k
gの用量で投与される、抗VEGFR-2抗体である。
【0046】
本発明の別の態様は、非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしく
は食道胃接合部腺癌、または尿路上皮癌の治療において、各々が配列番号5のアミノ酸配
列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む
抗PD-1抗体との、同時、分離、または逐次併用で使用される、各々が配列番号3のア
ミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖
とを含む抗VEGFR-2抗体であって、抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mg
の用量で投与され、抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投
与される、抗VEGFR-2抗体である。
【0047】
本発明の別の態様は、非小細胞肺癌の治療において、各々が配列番号5のアミノ酸配列
を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗
PD-1抗体との、同時、分離、または逐次併用で使用される、各々が配列番号3のアミ
ノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖と
を含む抗VEGFR-2抗体であって、抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの
用量で投与され、抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与
される、抗VEGFR-2抗体である。
【0048】
本発明の別の態様は、局所進行性の切除不能または転移性の胃または食道胃接合部腺癌
の治療において、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番
号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-1抗体との、同時、分離、また
は逐次併用で使用される、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々
が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗VEGFR-2抗体であって
、抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与され、抗VEGFR-2抗
体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、抗VEGFR-2抗体である
【0049】
本発明の別の態様は、尿路上皮癌の治療において、各々が配列番号5のアミノ酸配列を
有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗P
D-1抗体との、同時、分離、または逐次併用で使用される、各々が配列番号3のアミノ
酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを
含む抗VEGFR-2抗体であって、抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用
量で投与され、抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与さ
れる、抗VEGFR-2抗体である。
【0050】
本発明の別の態様は、非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしく
は食道胃接合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌の治療のための薬物の製造のための、各
々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列
を有する2つの重鎖とを含む抗VEGFR-2抗体、および各々が配列番号5のアミノ酸
配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含
む抗PD-1抗体の使用であって、抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量
で投与される、使用である。
【0051】
本発明の別の態様は、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合部
腺癌または胆道癌の治療のための薬物の製造のための、各々が配列番号3のアミノ酸配列
を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗
VEGFR-2抗体、および各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各
々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-1抗体の使用であっ
て、抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与され、抗VEGFR-2
抗体は、3週間サイクルの1日目および8日目に8mg/kgの用量で投与される、使用
である。
【0052】
本発明の別の態様は、局所進行性の切除不能または転移性の胃または食道胃接合部腺癌
の治療のための薬物の製造のための、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽
鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗VEGFR-2抗
体、および各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6の
アミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-1抗体の使用であって、抗PD-1抗
体は、3週間に1回、200mgの用量で投与され、抗VEGFR-2抗体は、3週間サ
イクルの1日目および8日目に8mg/kgの用量で投与される、使用である。
【0053】
本発明の別の態様は、胆道癌の治療のための薬物の製造のための、各々が配列番号3の
アミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重
鎖とを含む抗VEGFR-2抗体、および各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つ
の軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-1抗体
の使用であって、抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与され、抗V
EGFR-2抗体は、3週間サイクルの1日目および8日目に8mg/kgの用量で投与
される、使用である。
【0054】
本発明の別の態様は、非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしく
は食道胃接合部腺癌、または尿路上皮癌の治療のための薬物の製造のための、各々が配列
番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する
2つの重鎖とを含む抗VEGFR-2抗体、および各々が配列番号5のアミノ酸配列を有
する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD
-1抗体の使用であって、抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与さ
れ、抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、使用
である。
【0055】
本発明の別の態様は、非小細胞肺癌の治療のための薬物の製造のための、各々が配列番
号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2
つの重鎖とを含む抗VEGFR-2抗体、および各々が配列番号5のアミノ酸配列を有す
る2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-
1抗体の使用であって、抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与され
、抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、使用で
ある。
【0056】
本発明の別の態様は、局所進行性の切除不能または転移性の胃または食道胃接合部腺癌
の治療のための薬物の製造のための、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽
鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗VEGFR-2抗
体、および各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6の
アミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-1抗体の使用であって、抗PD-1抗
体は、3週間に1回、200mgの用量で投与され、抗VEGFR-2抗体は、3週間に
1回、10mg/kgの用量で投与される、使用である。
【0057】
本発明の別の態様は、尿路上皮癌の治療のための薬物の製造のための、各々が配列番号
3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つ
の重鎖とを含む抗VEGFR-2抗体、および各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する
2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-1
抗体の使用であって、抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与され、
抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、使用であ
る。
【0058】
本発明の別の態様は、非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしく
は食道胃接合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌の治療のための、各々が配列番号3のア
ミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖
とを含む抗VEGFR-2抗体と、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖
と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-1抗体とを含
むキットである。
【0059】
本発明の別の態様は、非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしく
は食道胃接合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌の治療における、同時、分離、または逐
次使用のためにラムシルマブおよびペンブロリズマブを含む組み合わせであり、ペンブロ
リズマブは、3週間に1回、200mgの用量で投与される。本発明の別の態様は、進行
胃または食道胃接合部腺癌の治療における、同時、分離、または逐次使用のためにラムシ
ルマブおよびペンブロリズマブを含む組み合わせであり、ペンブロリズマブは、3週間に
1回、200mgの用量で投与される。本発明の別の態様は、非小細胞肺癌、局所進行性
の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌の
治療における、ペンブロリズマブとの同時、分離、または逐次治療に使用されるラムシル
マブであり、ペンブロリズマブは、3週間に1回、200mgの用量で投与される。本発
明の別の態様は、進行胃または食道胃接合部腺癌の治療における、ペンブロリズマブとの
同時、分離、または逐次治療に使用されるラムシルマブであり、ペンブロリズマブは、3
週間に1回、200mgの用量で投与される。本発明の別の態様は、患者における非小細
胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合部腺癌、尿路上皮
癌、または胆道癌の治療に使用されるペンブロリズマブおよびラムシルマブであり、患者
はPD-L1陰性状態または陽性状態を有し、ペンブロリズマブは、3週間に1回、20
0mgの用量で投与される。本発明の別の態様は、患者における進行胃または食道胃接合
部腺癌の治療に使用されるペンブロリズマブおよびラムシルマブであり、患者はPD-L
1陰性状態または陽性状態を有し、ペンブロリズマブは、3週間に1回、200mgの用
量で投与される。本発明の別の態様は、非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転
移性の胃もしくは食道胃接合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌を有する患者の治療のた
めの薬物の製造におけるラムシルマブおよびペンブロリズマブの使用であって、ペンブロ
リズマブは、3週間に1回、200mgの用量で投与され、任意選択的に、患者はPD-
L1陰性状態を有する、使用である。本発明の別の態様は、進行胃または食道胃接合部腺
癌を有する患者の治療のための薬物の製造におけるラムシルマブおよびペンブロリズマブ
の使用であって、ペンブロリズマブは、3週間に1回、200mgの用量で投与され、任
意選択的に、患者はPD-L1陰性状態を有する、使用である。本発明の別の態様は、患
者における非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合
部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌を治療する方法であって、ペンブロリズマブと組み合
わせた有効量のラムシルマブを、それを必要とする患者に投与することを含む、方法であ
るが、但し、患者がPD-L1陰性状態または陽性状態を有する場合に、該患者が治療の
ために選択されるものとし、ペンブロリズマブは、3週間に1回、200mgの用量で投
与される。本発明の別の態様は、患者における進行胃または食道胃接合部腺癌を治療する
方法であって、ペンブロリズマブと組み合わせた有効量のラムシルマブを、それを必要と
する患者に投与することを含む、方法であるが、但し、患者がPD-L1陰性状態または
陽性状態を有する場合に、該患者が治療のために選択されるものとし、ペンブロリズマブ
は、3週間に1回、200mgの用量で投与される。本発明の別の態様は、患者における
非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合部腺癌、尿
路上皮癌、または胆道癌を治療する方法であって、ペンブロリズマブと組み合わせてラム
シルマブを投与する前にPD-L1の存在について患者を検査することと、患者が陽性ま
たは陰性のPD-L1状態を有する場合、ペンブロリズマブと組み合わせて有効量のラム
シルマブを患者に投与することとを含み、ペンブロリズマブは、3週間に1回、200m
gの用量で投与される、方法である。本発明の別の態様は、患者における進行胃または食
道胃接合部腺癌を治療する方法であって、ペンブロリズマブと組み合わせてラムシルマブ
を投与する前にPD-L1の存在について患者を検査することと、患者が陽性または陰性
のPD-L1状態を有する場合、ペンブロリズマブと組み合わせて有効量のラムシルマブ
を患者に投与することとを含み、ペンブロリズマブは、3週間に1回、200mgの用量
で投与される、方法である。
【0060】
本開示は、非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接
合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌の治療のための、各々が配列番号3のアミノ酸配列
を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗
VEGFR-2抗体と、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が
配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-1抗体とを含むキットを
提供する。
【0061】
本開示は、非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接
合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌の治療における、同時、分離、または逐次使用のた
めにラムシルマブおよびペンブロリズマブを含む組み合わせを提供し、ペンブロリズマブ
は、3週間に1回、200mgの用量で投与される。
【0062】
本開示は、進行胃または食道胃接合部腺癌の治療における、同時、分離、または逐次使
用のためにラムシルマブおよびペンブロリズマブを含む組み合わせを提供し、ペンブロリ
ズマブは、3週間に1回、200mgの用量で投与される。
【0063】
本開示は、非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接
合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌の治療における、ペンブロリズマブとの同時、分離
、または逐次治療に使用されるラムシルマブを提供し、ペンブロリズマブは、3週間に1
回、200mgの用量で投与される。
【0064】
本開示は、進行胃または食道胃接合部腺癌の治療の治療における、ペンブロリズマブと
の同時、分離、または逐次治療に使用されるラムシルマブを提供し、ペンブロリズマブは
、3週間に1回、200mgの用量で投与される
【0065】
本開示は、患者における非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もし
くは食道胃接合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌の治療に使用されるペンブロリズマブ
およびラムシルマブを提供し、患者はPD-L1陰性状態または陽性状態を有し、ペンブ
ロリズマブは、3週間に1回、200mgの用量で投与される。
【0066】
本開示は、患者における進行胃または食道胃接合部腺癌の治療に使用されるペンブロリ
ズマブおよびラムシルマブを提供し、患者はPD-L1陰性状態または陽性状態を有し、
ペンブロリズマブは、3週間に1回、200mgの用量で投与される。
【0067】
本開示は、非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接
合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌を有する患者の治療のための薬物の製造におけるラ
ムシルマブおよびペンブロリズマブの使用を提供し、ペンブロリズマブは、3週間に1回
、200mgの用量で投与される。
【0068】
本開示は、進行胃または食道胃接合部腺癌を有する患者の治療のための薬物の製造にお
けるラムシルマブおよびペンブロリズマブの使用を提供し、ペンブロリズマブは、3週間
に1回、200mgの用量で投与される。
【0069】
本開示は、進行胃または食道胃接合部腺癌の治療における、同時、分離、または逐次使
用のためにラムシルマブおよびペンブロリズマブを含む組み合わせを提供し、ペンブロリ
ズマブは、3週間に1回、200mgの用量で投与され、患者はPD-L1陰性状態を有
する。
【0070】
本開示は、非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接
合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌の治療における、ペンブロリズマブとの同時、分離
、または逐次治療に使用されるラムシルマブを提供し、ペンブロリズマブは、3週間に1
回、200mgの用量で投与され、患者はPD-L1陰性状態を有する。
【0071】
本開示は、患者における非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もし
くは食道胃接合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌を治療する方法であって、ペンブロリ
ズマブと組み合わせた有効量のラムシルマブを、それを必要とする患者に投与することを
含む、方法を提供するが、但し、患者がPD-L1陰性状態または陽性状態を有する場合
に、該患者が治療のために選択されるものとし、ペンブロリズマブは、3週間に1回、2
00mgの用量で投与される。
【0072】
本開示は、患者における進行胃または食道胃接合部腺癌を治療する方法であって、ペン
ブロリズマブと組み合わせた有効量のラムシルマブを、それを必要とする患者に投与する
ことを含む、方法を提供するが、但し、患者がPD-L1陰性状態または陽性状態を有す
る場合に、該患者が治療のために選択されるものとし、ペンブロリズマブは、3週間に1
回、200mgの用量で投与される。
【0073】
本開示は、患者における非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もし
くは食道胃接合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌を治療する方法であって、ペンブロリ
ズマブと組み合わせてラムシルマブを投与する前にPD-L1の存在について患者を検査
することと、患者が陽性または陰性のPD-L1状態を有する場合、ペンブロリズマブと
組み合わせて有効量のラムシルマブを患者に投与することとを含み、ペンブロリズマブは
、3週間に1回、200mgの用量で投与される、方法を提供する。
【0074】
本開示は、患者における進行胃または食道胃接合部腺癌を治療する方法であって、ペン
ブロリズマブと組み合わせてラムシルマブを投与する前にPD-L1の存在について患者
を検査することと、患者が陽性または陰性のPD-L1状態を有する場合、ペンブロリズ
マブと組み合わせて有効量のラムシルマブを患者に投与することとを含み、ペンブロリズ
マブは、3週間に1回、200mgの用量で投与される、方法を提供する。
【0075】
本明細書で使用する場合、「VEGFR2」という用語は、当該技術分野で既知の血管
内皮増殖因子受容体2を指す。VEGFR2は、KDRとしても知られている。
【0076】
ラムシルマブの非限定的な例は、CAS登録番号947687-13-0のCYRAM
ZA(登録商標)である。ラムシルマブは、そのアミノ酸配列の各々が配列番号3に示さ
れる2本の軽鎖、およびそのアミノ酸配列の各々が配列番号4に示される2本の重鎖を含
む、抗VEGFR2 Abを指す。ラムシルマブの軽鎖可変領域は、配列番号1に示され
るものである。ラムシルマブの重鎖可変領域は、配列番号2で示されるものである。選択
された抗体は、VEGFR-2に対する十分に強い結合親和性を有する。例えば、抗体は
、一般に、約100nM~約1pMのK値でVEGFR-2に結合する。抗体の親和性
は、例えば、表面プラズモン共鳴に基づくアッセイ(例えば、BIAcoreアッセイが
WO2005/012359に記載されている)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELIS
A)、および競合アッセイ(例えば、放射標識抗原結合アッセイ(RIA))によって決
定され得る。一実施形態において、Kdは、ラムシルマブを用いて行われるRIAによっ
て測定される。
【0077】
本明細書で使用する場合、「PD-1」という用語は、当該技術分野で既知のヒトPD
-1を指す。
【0078】
ペンブロリズマブの非限定的な例は、KEYTRUDA(登録商標)である。ペンブロ
リズマブは、そのアミノ酸配列の各々が配列番号5に示される2つの軽鎖、およびそのア
ミノ酸配列の各々が配列番号6に示される2つの重鎖を含む、抗PD-1抗体である。ラ
ムシルマブの軽鎖可変領域は、配列番号7に示されるものである。ラムシルマブの重鎖可
変領域は、配列番号8に示されるものである。
【0079】
別段の記載がない限り、「抗体」という用語は、ジスルフィド結合によって相互接続さ
れた2つの重鎖(HC)および2つの軽鎖(LC)、を含む免疫グロブリン分子を指す。
各鎖のアミノ末端部分は、その中に含まれる相補性決定領域(CDR)を介した抗原認識
を主に担う約100~約110個のアミノ酸からなる可変部を含む。各鎖のカルボキシ末
端部分は、エフェクター機能を主に担う定常領域を画定する。
【0080】
本明細書で使用する場合、「軽鎖可変部」または「LCVR」という用語は、CDRお
よびフレームワーク領域(FR)のアミノ酸配列を含む抗体分子の軽鎖の一部を指す。
【0081】
本明細書で使用する場合、「重鎖可変部」「HCVR」という用語は、CDRおよびF
Rのアミノ酸配列を含む抗体分子の重鎖の一部を指す。
【0082】
本明細書で使用する場合、「キット」という用語は、少なくとも2つの別個の容器を含
むパッケージであって、第1の容器がラムシルマブを含み、第2の容器がペンブロリズマ
ブを含む、パッケージを指す。「キット」は、これらの第1および第2の容器の内容物の
全部または一部を癌患者、好ましくは非小細胞肺癌患者に投与するための指示書も含み得
る。
【0083】
本明細書で使用する場合、「治療すること」、「治療する」、または「治療」という用
語は、既存の症状、障害、容態、もしくは疾患の進行もしくは重症度を抑制、減速、弱化
、低下、もしくは逆転させること、または容態の臨床症状を緩解させることを指す。有益
なまたは所望の臨床結果には、検出可能であろうと検出不可能であろうと、症状の緩和、
疾患または障害の程度の低減、疾患または障害の安定化(すなわち、疾患もしくは障害が
悪化していない場合)、疾患または障害の進行の遅延または減速、疾患または障害の緩解
または緩和、及び疾患または障害の寛解(部分的であろうと全体としてであろうと)が含
まれるが、これらに限定されない。治療は、治療を受けていない場合に期待される生存と
比較して、生存を延ばすことも意味することができる。治療を必要とする者には、すでに
その疾患に罹患している者が含まれる。一実施形態では、本発明は薬剤として使用するこ
とができる。
【0084】
本明細書で使用する場合、「患者」という用語は、哺乳類動物、好ましくはヒトを指す
【0085】
本明細書で使用する場合、「癌」という用語は、典型的には制御さない細胞増殖を特徴
とする患者における生理学的状態を指すか、または説明する。この定義には、良性および
悪性の癌が含まれる。
【0086】
本明細書で使用する場合、「有効量」という用語は、診断または治療下にある患者に有
効な反応を提供するラムシルマブおよびペンブロリズマブの量または用量を指す。
【0087】
本明細書で使用する場合、患者の「有効な反応」、または薬剤の組み合わせを用いた治
療に対する患者の「反応性」は、ラムシルマブおよびペンブロリズマブの投与の際に患者
に付与される臨床上または治療上の利益を指す。
【0088】
一般に、投薬レジメンは、最適な所望の反応(例えば、治療反応)を提供するように調
整され得る。治療投薬量は、安全性および有効性を最適化するために、当業者に既知の日
常的な方法を用いて滴定することができる。投与スケジュールは、典型的には、単一ボー
ラス投与または連続注入から、1日当たり複数回の投与(例えば、4~6時間毎)までの
範囲であるか、または治療する医師および患者の状態によって示される通りである。抗体
の投与頻度は、患者を治療する医師によって決定され、毎日、1週間に3回、週1回、2
週間毎、またはより少ない頻度で投与され得、より好ましくは3週間毎に投与され得る抗
体の投与量もまた、患者を治療する医師によって決定され、常用範囲内であり得る。
【0089】
ある場合には、本発明の抗体の前述の投与量の下限よりも低い投薬レベルが十分過ぎる
場合があり、他の場合には、許容される副作用を伴ってより多くの用量が用いられてもよ
く、したがって、前述の投薬量は、決して本発明の範囲を限定することを意図するもので
はない。
【0090】
ラムシルマブは、腫瘍の種類および患者因子に応じて、週1回、2週間毎、または3週
間毎に2~20mg/kg投与され得る。好ましくは、ラムシルマブは、21日サイクル
の1日目に静脈内に10mg/kgで投与され得る。
【0091】
ペンブロリズマブは、2週間毎に1mg/kg~10mg/kg投与され得る。一実施
形態において、ペンブロリズマブは、治療の過程を通して、約14日(±2日)または約
21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で、1、2、3、5または10mg/
kgの用量で投与される。別の実施形態において、約200mgのペンブロリズマブが、
3週間毎に、25~40分、好ましくは30分にわたって静脈内注入として投与される。
【0092】
投与経路は、いかなる方法においても変わり得、薬物の物理的特性ならびに患者および
介護人の利便性によって限定され得る。好ましくは、ラムシルマブおよびペンブロリズマ
ブは、静脈内投与または皮下投与等の非経口投与のために処方される。
【0093】
本明細書で使用する場合、「組み合わせて」という語句は、ラムシルマブおよびペンブ
ロリズマブの投与を指す。
【0094】
本発明の治療の治療有効量は、限定されるものではないが、生存の延長(OSおよびP
FSを含む)、客観的奏効(CRまたはPRを含む)をもたらすこと、腫瘍退縮、腫瘍重
量またはサイズ縮小、疾患進行までの期間の延長、生存期間の延長、より長期のPFS、
OS率の改善、奏効期間の延長、ならびにクオリティ・オブ・ライフの改善および/また
は癌の徴候もしくは症状の改善を含む、癌治療を評価する際に一般的に使用される様々な
エンドポイントによって測定することができる。
【0095】
本明細書で使用する場合、「病勢進行」(PD)という用語は、試験で最小の径和(ベ
ースライン径和が試験の最小値である場合はベースライン径和を含む)を基準として、標
的病変の径和が少なくとも20%増加することを指す。20%の相対的増加に加えて、径
和は、少なくとも5mmの絶対的増加も示さなければならない。1つ以上の新しい病変の
出現もまた進行であると考えられる。
【0096】
本明細書で使用する場合、「部分奏効」(PR)という用語は、ベースライン径和を基
準として、標的病変の径和が少なくとも30%減少することを指す。
【0097】
本明細書で使用する場合、「完全奏効」(CR)という用語は、全ての標的病変が消失
し、任意の標的リンパ節の短軸が<10mmまで縮小することを指す。
【0098】
本明細書で使用する場合、「病勢安定」(SD)という用語は、試験で最小の径和を基
準として、PRであると認めるには縮小が不十分であり、PDであると認めるには増加が
不十分であることを指す。
【0099】
本明細書で使用する場合、「評価不能」(NE)という用語は、標的病変の不完全な放
射線学的評価が行われる場合、または反応の信頼できる評価を行う能力に影響を及ぼすベ
ースラインからの測定方法に変化がある場合を指す。
【0100】
本明細書で使用する場合、「客観的奏功率」(ORR)という用語は、RECIST1
.1に従って部分奏効または完全奏効(PR+CR)の最良総合効果を達成する患者の割
合に等しい。
【0101】
本明細書で使用する場合、「全生存」(OS)という用語は、診断または治療の時点か
ら1年、5年等の一定期間生存している患者の割合を指す。好ましい実施形態において、
OSは、本試験におけるランダム化の日から任意の原因による死亡日までの期間を指す。
患者が追跡期間の終了時に生存している場合、または追跡不能となった場合、OSデータ
は、患者が生存していたことが分かっている最後の日に中途打ち切りとされる。全生存期
間はKaplan-Meier法により評価され、95%信頼区間(CI)が各治療群の
OS中央値に対して提供される。
【0102】
本明細書で使用する場合、「無増悪生存期間」(PFS)という用語は、癌が進行また
は増悪することなく生存している患者を指す。本発明の好ましい態様において、PFSは
、本試験におけるランダム化から、RECIST(バージョン1.1)によって定義され
た客観的進行が最初にX線撮影により記録されるまでの期間、または任意の原因による死
亡までの期間として定義される。以前の進行が報告されずに死亡した患者は、死亡した日
に進行があったと見なされる。進行がなかった、または追跡不能となった患者は、最後の
X線撮影による腫瘍評価の日に中途打ち切りとされる。
【0103】
本明細書で使用する場合、「病勢コントロール率」(DCR)という用語は、疾患の進
行およびその割合の欠如を指す。これは、CR、PRまたはSD(特にPDを有する患者
を除外する)に分類された最良総合効果を有する患者の群を指し、最良総合効果は、治療
の開始からPDまで記録される最良の効果である。
【0104】
本明細書で使用する場合、「臨床的有用率」という用語は、12週間でSDまたはそれ
より良好であることを指す。12週間でのSDまたはそれより良好な腫瘍反応率(すなわ
ち、CR+PR+SD)は、治験薬の最初の投与後12週間で、RECIST1.1によ
って定義されるSDまたはそれより良好な反応を有する患者の割合として定義される。1
2週間またはそれ以前に患者が死亡した場合、またはX線撮影による評価がPDの反応を
示した場合、患者は「失敗」であるとみなされる。
【0105】
本明細書で使用する場合、「生存の延長」という用語は、i)未治療の患者、ii)特
定の併用療法において全ての抗腫瘍剤を用いずに治療された患者、またはiii)対照治
療プロトコルと比較して、治療された患者においてOSまたはPFSが増加することを意
味する。生存は、治療の開始後または癌の初期診断後にモニタリングされる。
【0106】
本明細書で使用する場合、「最良総合効果」という用語は、確認のためのあらゆる要件
を考慮して、試験治療の開始から、最も早期の客観的な進行または新しい抗癌治療の開始
までに記録される最良の効果である。患者の最良総合効果の割り当ては、標的疾患および
非標的疾患の両方の所見に依存し、新しい病変の外観も考慮される。最良総合効果は、治
験の過程にわたって治験責任医師によって提供される評価反応を用いてアルゴリズムによ
って計算される。
【0107】
以下の例は、特定の癌におけるラムシルマブおよびペンブロリズマブの組み合わせの予
想外の改善を示す。
【0108】
局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合部腺癌、非小細胞肺癌、尿
路上皮移行上皮癌、または胆道癌を有する患者における、ラムシルマブ+ペンブロリズマ
ブの非盲検、多施設、第1相試験
データカットオフ:2016年3月14日
試験I4T-MC-JVDFは、ペンブロリズマブと組み合わせたラムシルマブの安全
性および有効性を評価するための非盲検、多施設、第1相試験である。第1a相(用量制
限毒性(DLT))および用量拡大第1b相(安全性および予備的有効性)は、局所進行
性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合部腺癌、非小細胞肺癌(NSCLC
)、尿路上皮移行上皮癌(尿路上皮癌)、または胆道癌(BTC)を有する患者を含む。
第1相で十分な忍容性および予備的有効性が実証された場合、有効性および安全性をさら
に評価するようにプロトコルが修正され、それに応じて再提出される。
【0109】
本試験の第Ia相および第Ib相の一次目的は、ラムシルマブ+ペンブロリズマブの2
つの投与レジメンの安全性および忍容性を評価することである。本試験の第Ia相および
第Ib相の一次エンドポイントは、21日間の治療サイクル中に観察される用量制限毒性
、および安全性(TEAE、SAE、死亡、検査所見の異常、バイタルサイン、および理
学的検査を含むがこれらに限定されない)である。本試験の第Ia相および第Ib相の二
次目的は、ペンブロリズマブと同時投与した場合のラムシルマブの薬物動態を特徴付ける
ことである。本試験の第Ia相および第Ib相の二次エンドポイントは、薬物動態(PK
):血清中ラムシルマブのCmin(最低濃度)および近似Cmax(最高濃度)である
【0110】
本試験の第1b相の二次目的は、ラムシルマブ+ペンブロリズマブの予備的有効性を評
価することである。本試験の第1b相の二次エンドポイントは、ORR(RECIST
1.1およびirRECIST)およびDCR、奏効期間(DOR)、奏効までの期間(
TTR)、PFS、ならびにOSである。
【0111】
本試験の第1b相の三次目的は、バイオマーカーと臨床結果との関連性を究明すること
、免疫機能および血管新生のバイオマーカー測定を特徴付けること、ならびにペンブロリ
ズマブと同時投与した場合のラムシルマブの免疫原性を評価することである。本試験の第
1b相の三次エンドポイントは、遺伝因子および循環的因子に関するバイオマーカー探索
、ならびに抗ラムシルマブ抗体の免疫原性である。
【0112】
用量制限毒性(DLT)第1a相において、患者は、最長21日間(1サイクル)まで
治療され、DLTを有しない患者が継続して用量拡大第1b相に進むことができる。胃/
食道胃接合部(GEJ)癌または胆道癌(BTC)を有する3人の患者において、1日目
および8日目にラムシルマブ8mg/kg、また1日目にペンブロリズマブ200mg(
固定用量)を患者に投与する。胃/GEJ、NSCLC、または尿路上皮癌のいずれかを
有する3人の患者において、1日目にラムシルマブ10mg/kgおよびペンブロリズマ
ブ200mg(固定用量)を患者に投与する。最大12人のDLT評価対象患者(各投与
スケジュールに登録された最大6人)が治療される。
【0113】
用量拡大第1b相では、期間は、最初の患者が試験治療を受けてから約2年後まで継続
する。個々の患者は、病勢進行が確認されるまで、またはいずれか他の理由による中止ま
で、最長35サイクル(約2年)まで治療を継続することができる。治療コホートについ
ては、スケジュール1の用量は、胃/GEJ(セカンドライン~サードライン)コホート
A(患者15人)、BTC(セカンドライン~サードライン)コホートA1(患者25人
)、および胃/GEJ(ファーストライン)コホートA2(患者25人)である。スケジ
ュール2の用量は、胃/GEJ(セカンドライン~サードライン)コホートB(患者15
人)、NSCLC(セカンドライン~フォースライン)コホートC(患者25人)、尿路
上皮(セカンドライン~フォースライン)コホートD(患者25人)、およびNSCLC
(ファーストライン)コホートE(患者25人)である。合計約155人の患者である。
【0114】
ファーストラインNSCLCの場合、患者は、PD-L1の発現が少なくとも1%であ
ることが確認された後で試験治療を受ける。
【0115】
本発明は、本試験のコホートC(NSCLC)における27人の患者の第Ia相の結果
を開示する。本試験には20人の患者(74.0%)が残っている。7人の患者(26.
0%)は、病勢進行(5人の患者、19.0%)、死亡(1人の患者、4%)、または有
害事象(1人の患者、4.0%)のいずれかのために、もはや本試験には参加していない
。治療期間の中央値は18週であり、サイクル数の中央値は6であり、24人の患者が3
サイクル以上を終了した。予期せぬ安全事象は報告されておらず、NSCLC、胃/GE
J癌、またはUCを有する患者においてグレード3/4の毒性が低かった(9.0%)。
【0116】
コホートCの27人の患者のうち7人(26.0%)がORRを示し、コホートCの2
7人の患者のうち23人(85.0%)がDCRを示した。1人の患者が完全奏効(CR
)を示し(4.0%)、6人の患者が部分奏効(PR)を示し(22.0%)、16人の
患者が病勢安定(SD)を示し(59.0%)、3人の患者が病勢進行(PD)を示し(
11.0%)、1人の患者が評価不能であった(4.0%)。驚くべきことに、患者の8
5.0%が標的病変の縮小(PR、CRまたはSD)を経験した。
【0117】
さらに、PD-L1状態について患者を分析した。PD-L1の発現は、PD-L1
22C3 IHC pharmDxアッセイ(Dako)を用いて評価した。PD-L1
状態は、腫瘍率スコアを用いて、NSCLCでは強陽性(≧50%)、弱陽性(1~49
%)、または陰性として、胃/GEJおよびUCでは陽性(≧1%)または陰性のみとし
て分類した。
【0118】
コホートCの27人の患者のうち、6人の患者が強陽性のPD-L1状態を有し、3人
の患者が弱陽性のPD-L1状態を有し(合計9人が陽性)、10人の患者が陰性のPD
-L1状態を有し、8人の患者が未知のPD-L1状態を有していた。
【0119】
予備活性は、PD-L1陰性状態またはPD-L1陽性状態を有する7人の患者におい
て観察された。6人中4人の強陽性のPD-L1状態の患者が奏効し(全てPR)、8人
中1人の未知のPD-L1状態の患者が奏効した(PR)。驚くべきことに、10人中2
人の陰性のPD-L1状態の患者が奏効した(1人の患者が完全奏効、1人の患者が部分
奏効)。
【0120】
奏効までの期間の中央値は1.45ヶ月であり、奏効期間の中央値は未到達であった。
PFSの中央値は未到達であった(95%CI、3.98からNR)。治療期間の中央値
は6.8カ月以上である。
【0121】
データカットオフ:2016年6月23日
コホートCの27人の患者のうち8人(30.0%)がORRを示し、コホートCの2
7人の患者のうち23人(85%)がDCRを示した。1人の患者が完全奏効(CR)を
示し(3.7%)、7人の患者が部分奏効(PR)を示し(25.9%)、15人の患者
が病勢安定(SD)を示し(55.6%)、3人の患者が病勢進行(PD)を示し(11
.1%)、1人の患者が評価不能であった(3.7%)。
【0122】
コホートCの27人の患者のうち、7人の患者が強陽性のPD-L1状態を有し、4人
の患者が弱陽性のPD-L1状態を有し(合計11人が陽性)、10人の患者が陰性のP
D-L1状態を有し、6人の患者が未知のPD-L1状態を有していた。
【0123】
予備活性(ORR)は、PD-L1陰性状態またはPD-L1陽性状態を有する8人の
患者において観察された。7人中5人の強陽性のPD-L1状態の患者が奏効し(全てP
R)、6人中1人の未知のPD-L1状態の患者が奏効した(PR)。驚くべきことに、
10人中2人の陰性のPD-L1状態の患者が奏効した(1人の患者が完全奏効、1人の
患者が部分奏効)。データカットの時点では、完全奏効した患者を含む8人の奏効者全員
において腫瘍反応が持続していた。コホートCでは、無増悪生存期間の中央値は未到達で
あった。8人の奏効者中、PFSは全て中途打ち切りとなり(病態進行または死亡事象は
なし)、5.3+~6.9+ヶ月の範囲であった。
【0124】
40名の胃およびGEJ癌患者は、現在、コホートAおよびコホートB(コホートA:
n=23、コホートB:n=17)に登録されている。40人の患者のうち、患者の60
%がGEJを有し、患者の37.5%が胃癌を有し、40人の患者の48%がPD-L1
陽性状態を有している。データカットオフの時点で、治療期間の中央値は、コホートAお
よびBのそれぞれで2.1ヶ月および4.1ヶ月であった。3人(7.5%)の患者(P
D-L1陰性n=1、PD-L1陽性n=2)が治療に奏効し(1人の患者はPDが確認
されており、2人の患者はPRが未確認である)、病勢コントロール率は45%であった
。PFSの中央値は、コホートAおよびBのそれぞれで2.10ヵ月(95%CI、1.
18~4.04)および2.60ヵ月(1.38、未到達)であった。全ての奏効者を含
む15人(37.5%)の患者が、データカットオフ時に治療された。
【0125】
2016年10月21日現在、以前に治療された進行NSCLCの27人の患者に、1
日目に10mg/kgのラムシルマブを投与し、3週間間隔投与の1日目に200mgの
ペンブロリズマブを投与した。年齢の中央値は65歳であり、78%が男性であり、96
%が喫煙歴を有し、78%は腺癌を有し、15%は扁平上皮癌を有していた。疾患のため
に、16人(59%)の患者が2回以上、4人(15%)の患者が3回以上の前治療レジ
メンを受けた。治療関連有害事象(TRAE)は、24人(89%)の患者に発生し、最
も一般的には高血圧(22%)および無力症(18.5%)であった3人(11%)の患
者が、グレード3のTRAE(副腎不全、低ナトリウム血症、せん妄、高血圧、および投
与時反応)を経験した。グレード4~5のTRAEは発生しなかった。PFSの中央値は
8.8ヶ月(95%CI 4.6~11.3)であり、予測された6ヶ月時の全生存率は
80.2%であった。ORRは30%であり、奏効までの期間の中央値は1.4ヶ月であ
った。奏効期間は未到達であり、奏効は、全てのPD-L1群および両方の組織学的亜型
に見られた。病勢コントロール率は85%であった。全ての奏効者を含む12人(44%
)の患者は、なおも試験治療中である。ペンブロリズマブと組み合わせたラムシルマブは
、全てのPD-L1群および両方の組織学的亜型において抗腫瘍活性を示した。安全性プ
ロファイルは、各薬物の単剤治療と一致しており、相加毒性は見られなかった。試験は、
ファーストラインの進行NSCLCを有する患者を含むように修正され、登録は継続され
る。
【0126】
2016年10月21日現在、表Aは、進行胃または食道胃接合部腺癌を有する患者に
おける、ペンブロリズマブと組み合わせたラムシルマブの試験の結果を示す。
【表1】
【0127】
2016年11月21日現在、24人の患者がコホートDで治療されてきた。年齢の中
央値は63歳であり、58%が男性であり、50%がECOG PS 0を有し、50%
がPD-L1陽性であり、63%がサードライン以降として試験治療を受けた。治療期間
の中央値は、ラムシルマブおよびペンブロリズマブでそれぞれ2.14および2.37で
あった。前治療歴の多い尿路上皮癌を有する患者およびPD-L1陽性(n=3の奏効者
)において、抗腫瘍活性が見られた。病勢コントロール率は50%であった。無増悪期間
および全生存期間の中央値は、それぞれ1.9ヶ月(95%CI1.2~2.8)および
6.4ヶ月(95%CI2.5-NR)であった。奏効期間の中央値は未到達であった。
4人の患者が治療中である。
【表2】
【0128】
2016年11月21日現在、胆道癌を有する26人の患者が登録された。年齢の中央値は63歳であり、69%が女性であり、54%がECOG PS 1を有し、38%がサードライン以降として試験治療を受けており、PD-L1状態は未決定であった。治療期間の中央値は2ヶ月であった。全体として、22人(85%)の患者が治療関連AE(TRAE)を経験し、最も一般的には、高血圧(31%)、疲労(23%)および悪心(23%)であった。グレード3~4のTRAEが9人(35%)の患者に発生した(高血圧[n=5]、下痢、十二指腸潰瘍、吐血、好中球減少症、およびトランスアミナーゼ増加)。治療に関連した死亡は発生しなかった。1人(4%)の患者が、有害事象(トランスアミナーゼ増加)のために治療を中止した。最良の効果として、1人(4%)の患者が部分奏効(未確認)を示し、8人(31%)の患者が病勢安定を示し、12人(46%)の患者が病勢進行を示した。5人(19%)の患者が、分析時に有効性評価不能であった。無増悪生存期間の中央値は1.5ヶ月(95%CI 1.4~2.8)であり、全生存期間の中央値は未到達であった。9人(35%)の患者が治療中である。
また、本発明は以下を提供する。
[1]
患者における非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む有効量の抗VEGFR-2抗体と、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む有効量の抗PD-1抗体とを投与することを含み、前記抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与される、方法。
[2]
局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合部腺癌または胆道癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間サイクルの1日目および8日目に8mg/kgの用量で投与される、[1]に記載の方法。
[3]
局所進行性の切除不能または転移性の胃または食道胃接合部腺癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間サイクルの1日目および8日目に8mg/kgの用量で投与される、[1]に記載の方法。
[4]
胆道癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間サイクルの1日目および8日目に8mg/kgの用量で投与される、[1]に記載の方法。
[5]
非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合部腺癌、または尿路上皮癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、[1]に記載の方法。
[6]
非小細胞肺癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、[1]に記載の方法。
[7]
局所進行性の切除不能または転移性の胃または食道胃接合部腺癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、[1]に記載の方法。
[8]
尿路上皮癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、[1]に記載の方法。
[9]
非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌の治療において、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-1抗体との同時、分離、または逐次併用で使用される、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗VEGFR-2抗体であって、前記抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与される、抗VEGFR-2抗体。
[10]
局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合部腺癌または胆道癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間サイクルの1日目および8日目に8mg/kgの用量で投与される、[9]に記載の使用のための抗体。
[11]
局所進行性の切除不能または転移性の胃または食道胃接合部腺癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間サイクルの1日目および8日目に8mg/kgの用量で投与される、[9]に記載の使用のための抗体。
[12]
胆道癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間サイクルの1日目および8日目に8mg/kgの用量で投与される、[9]に記載の使用のための抗体。
[13]
非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合部腺癌、または尿路上皮癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、[9]に記載の使用のための抗体。
[14]
非小細胞肺癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、[9]に記載の使用のための抗体。
[15]
局所進行性の切除不能または転移性の胃または食道胃接合部腺癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、[9]に記載の使用のための抗体。
[16]
尿路上皮癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、[9]に記載の使用のための抗体。
[17]
非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合部腺癌、尿路上皮癌、または胆道癌の治療のための薬物の製造のための、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗VEGFR-2抗体、および各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖とを含む抗PD-1抗体の使用であって、前記抗PD-1抗体は、3週間に1回、200mgの用量で投与される、使用。
[18]
局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合部腺癌または胆道癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間サイクルの1日目および8日目に8mg/kgの用量で投与される、[17]に記載の使用のための抗体。
[19]
局所進行性の切除不能または転移性の胃または食道胃接合部腺癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間サイクルの1日目および8日目に8mg/kgの用量で投与される、[17]に記載の使用のための抗体。
[20]
胆道癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間サイクルの1日目および8日目に8mg/kgの用量で投与される、[17]に記載の使用のための抗体。
[21]
非小細胞肺癌、局所進行性の切除不能もしくは転移性の胃もしくは食道胃接合部腺癌、または尿路上皮癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、[17]に記載の使用のための抗体。
[22]
非小細胞肺癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、[17]に記載の使用のための抗体。
[23]
局所進行性の切除不能または転移性の胃または食道胃接合部腺癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、[17]に記載の使用のための抗体。
[24]
尿路上皮癌が治療され、前記抗VEGFR-2抗体は、3週間に1回、10mg/kgの用量で投与される、[17]に記載の使用のための抗体。


【0129】
配列表

配列番号1
DIQMTQSPSSVSASIGDRVTITCRASQGIDNWLGWYQQKP
GKAPKLLIYD
ASNLDTGVPSRFSGSGSGTYFTLTISSLQAEDFAVYFCQQ
AKAFPPTFGG
GTKVDIK

配列番号2
EVQLVQSGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYSMNWVRQA
PGKGLEWVSS
ISSSSSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAED
TAVYYCARVT
DAFDIWGQGTMVTVSS

配列番号3
DIQMTQSPSSVSASIGDRVTITCRASQGIDNWLGWYQQKP
GKAPKLLIYD
ASNLDTGVPSRFSGSGSGTYFTLTISSLQAEDFAVYFCQQ
AKAFPPTFGG
GTKVDIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFY
PREAKVQWKV
DNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHK
VYACEVTHQG
LSSPVTKSFNRGEC

配列番号4
EVQLVQSGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYSMNWVRQA
PGKGLEWVSS
ISSSSSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAED
TAVYYCARVT
DAFDIWGQGTMVTVSSASTKGPSVLPLAPSSKSTSGGTAA
LGCLVKDYFP
EPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSS
SLGTQTYICN
VNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVF
LFPPKPKDTL
MISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKP
REEQYNSTYR
VVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKG
QPREPQVYTL
PPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNY
KTTPPVLDSD
GSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSL
SLSPGK

配列番号5
EIVLTQSPAT LSLSPGERAT LSCRASKGVS TSGYSYL
HWY QQKPGQAPRL
LIYLASYLES GVPARFSGSG SGTDFTLTIS SLEPEDF
AVY YCQHSRDLPL
TFGGGTKVEI KRTVAAPSVF IFPPSDEQLK SGTASVV
CLL NNFYPREAKV
QWKVDNALQS GNSQESVTEQ DSKDSTYSLS STLTLSK
ADY EKHKVYACEV
THQGLSSPVT KSFNRGEC

配列番号6
QVQLVQSGVE VKKPGASVKV SCKASGYTFT NYYMYWV
RQA PGQGLEWMGG
INPSNGGTNF NEKFKNRVTL TTDSSTTTAY MELKSLQ
FDD TAVYYCARRD
YRFDMGFDYW GQGTTVTVSS ASTKGPSVFP LAPCSRS
TSE STAALGCLVK
DYFPEPVTVS WNSGALTSGV HTFPAVLQSS GLYSLSS
VVT VPSSSLGTKT
YTCNVDHKPS NTKVDKRVES KYGPPCPPCP APEFLGG
PSV FLFPPKPKDT
LMISRTPEVT CVVVDVSQED PEVQFNWYVD GVEVHNA
KTK PREEQFNSTY
RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKGLPS SIEKTIS
KAK GQPREPQVYT
LPPSQEEMTK NQVSLTCLVK GFYPSDIAVE WESNGQP
ENN YKTTPPVLDS
DGSFFLYSRL TVDKSRWQEG NVFSCSVMHE ALHNHYT
QKS LSLSLGK

配列番号7
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASKGVSTSGYSYLHWY
QQKPGQAPRLLIYLASYLESGVPARFSGSGSGTDFTLTIS
SLEPEDFAVYYCQHSRDLPLTFGGGTKVEIK

配列番号8
QVQLVQSGVEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYYMYWVRQA
PGQGLEWMGGINPSNGGTNFNEKFKNRVTLTTDSSTTTAY
MELKSLQFDDTAVYYCARRDYRFDMGFDYWGQGTTVTVSS
【配列表】
0007372955000001.app