(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
F15B 11/02 20060101AFI20231025BHJP
B60P 3/00 20060101ALI20231025BHJP
E04G 21/04 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
F15B11/02 F
B60P3/00 K
E04G21/04
(21)【出願番号】P 2021544310
(86)(22)【出願日】2020-01-29
(86)【国際出願番号】 EP2020052154
(87)【国際公開番号】W WO2020157124
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-09-16
(31)【優先権主張番号】102019201182.9
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519044656
【氏名又は名称】プツマイスター エンジニアリング ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】PUTZMEISTER ENGINEERING GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ヤン-マルティン ファイト
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ディーボルト
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/021404(WO,A2)
【文献】特表平08-503755(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02594807(EP,A1)
【文献】実開平06-040410(JP,U)
【文献】欧州特許第00670946(EP,B1)
【文献】中国特許第103062610(CN,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/00-11/22
F15B 21/14
B60P 3/00
E04G 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高粘性材料ポンプ装置(25)用の車両(11)であって、
前記車両は、
該車両(11)を支持し、かつ/又は方向づけするための少なくとも2つの支持装置(16、17)と、
マスト装置(20)であって、該マスト装置が回転可能であり、かつ互いに独立して移動可能な複数のマスト部材(21)を有する、マスト装置(20)と、
前記支持装置(16、17)と前記マスト装置(20)のための油圧駆動装置であって、前記支持装置と移動可能な前記マスト部材(21)をそれぞれ移動させるための油圧アクチュエータを有する油圧駆動装置と、
弁装置(30)であって、前記油圧駆動装置(32)及び前記油圧アクチュエータを用いて前記支持装置(16、17)の1つ及び/又は前記マスト部材(21)の1つを移動させるために、弁装置(30)と、を備え、
前記弁装置(30)は前記油圧駆動装置を制御するために比例弁(36)のグループを有し、
前記弁装置(30)は切り替え弁装置(40)のグループを有し、該切り替え弁装置はそれぞれ前記支持装置(16、17)又は前記マスト部材(21)の少なくとも1つの油圧アクチュエータと接続され、
前記切り替え弁装置(40)は前記比例弁(36)の後段に接続されており、
正確に1つの又は複数の切り替え弁装置(40)は、正確に1つの比例弁(36)から供給を受け、又は正確に1つの比例弁の後段に接続され、
前記比例弁(36)の出力は、前記切り替え弁装置(40)の入力のみへ通じており、
前記切り替え弁装置(40)の各々が、2~5の出口(Al、Ar、M)を有し、各出口が前記支持装置(16、17)又は前記マスト装置(20)の油圧アクチュエータの1つへ通じている、車両(11)において、
各切り替え弁装置(40)において、正確に2つの出口(Al、Ar)が前記支持装置(16、17)の油圧アクチュエータへ通じており、かつ正確に1つの出口(M)が前記マスト装置(20)の油圧アクチュエータへ通じ
、
前記切り替え弁装置(40)を切り替えるため、油圧ポンプから来るように、前記比例弁(36)のグループの前段に接続されたオプション動作弁(48)を備え、
前記油圧ポンプを有する唯一のオイル供給部は、入力モジュール(46)と共に、前記オプション動作弁(48)の前に接続され、
前記オプション動作弁(48)は全ての切り替え弁装置(40)を同時に切り替えるように形成されている、
ことを特徴とする車両(11)。
【請求項2】
それぞれ正確に1つの比例弁(36)の後段に、正確に1つの切り替え弁装置(40)が接続されてい
る、ことを特徴とする請求項1に記載の車両(11)。
【請求項3】
全ての切り替え弁装置(40)が互いに同一の
調節可能性と切り替え可能性を有
する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両(11)。
【請求項4】
全ての比例弁(36)が互いに等しい調節可能性及び切り替え可能性を有
する、ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の車両(11)。
【請求項5】
前記切り替え弁装置(40)の各々が、3つ又は4つの出口(Al、Ar、M)を有している、ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の車両(11)。
【請求項6】
各切り替え弁装置(40)において複数の出口(Al、Ar、M)が一列に配置されて
いる、ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の車両(11)。
【請求項7】
オプション動作弁(48)が、
同時かつ同じように、出口(Al、M、Ar)のためのそれぞれの位置の間で
、前記切り替え弁装置(40)を切り替えるように形成されている、ことを特徴とする請求項
1に記載の車両(11)。
【請求項8】
オプション動作弁(48)による前記切り替え弁装置(40)の切り替えは、前記支持装置(16、17)のみの油圧アクチュエータ、又はマスト装置(20)のみの油圧アクチュエータを駆動するために、前記切り替え弁装置を切り替える、ことを特徴とする請求項
7に記載の車両(11)。
【請求項9】
前記支持装置(16、17)の油圧アクチュエータの内部で、少なくとも2つのグループへの
切り替えが、
車両(11)の左側の支持装置(16l、17l)と車両の右側の支持装置(16r、17r)との間で行われ
る、ことを特徴とする請求項
8に記載の車両(11)。
【請求項10】
全ての切り替え弁装置(40)が同一の位置にあるかどうかを決定する監視装置を備え、前記切り替え弁装置(40)は、
前記支持装置(16、17)の油圧アクチュエータのみを、又はマスト装置(20)の油圧アクチュエータのみを制御し、又は分割されたグループの油圧アクチュエータを制御し、全ての切り替え弁装置(40)が同一の位置にない場合、
安全弁を閉鎖し、全ての弁装置は、前記油圧駆動装置の前記油圧アクチュエータの1つのために圧力変化を引き起こさず、制御しない、ことを特徴とする請求項
8又は9に記載の車両(11)。
【請求項11】
前記監視装置は油圧フィードバックのための手段を有しており、該油圧フィードバックのための手段は各切り替え弁装置(40)から切り替え弁装置の全てのオプションスライダ(41)を通って、それらが安全弁へのフィードバックラインを形成するように通じており、全ての切り替え弁装置の全てのオプションスライダが同一の位置にある場合について、フィードバックラインが開放しており、かつ切り替え弁装置(40)の少なくとも1つのオプションスライダ(41)が、他の切り替え弁装置(40)の少なくとも1つのオプションスライダとは異なる位置にある場合については、フィードバックラインが中断されている、ことを特徴とする請求項
10に記載の車両(11)。
【請求項12】
前記切り替え弁装置(40)及び/又はオプション動作弁(48)は、制御装置(27)によって電気的に
駆動可能であり、前記制御装置(27)はオペレータのための制御要素(28)を有し、
前記制御装置(27)は前記車両(11)の中央の共通の箇所に設けられている、ことを特徴とする請求項1~11の何れか一項に記載の車両(11)。
【請求項13】
前記制御装置(27)は、前記支持装置(16、17)及び前記マスト装置(20)から少なくとも1m離れている、ことを特徴とする請求項
12に記載の車両(11)。
【請求項14】
前記弁装置(30)は共通の弁支持体に配置されており、
前記弁支持体は、前記比例弁(36)と前記切り替え弁装置(40)を固定するための支持体プレート(34)を有している、ことを特徴とする請求項1~
13の何れか一項に記載の車両(11)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスト装置を有する車両に関するものであって、車両にはさらに少なくとも1つの支持装置が設けられている。
【背景技術】
【0002】
この種の車両は、たとえばさらにコンクリートポンプとしても知られている高粘性材料ポンプを有している。これらは油圧駆動装置を有しており、それを用いてマスト(支柱)装置も、少なくとも1つの支持装置も移動させることができる。支持装置は、車両を支持し、あるいは方向づけするために用いられる。その上のマスト装置は油圧で移動され、かつ方向づけされ、そしてたとえば、コンクリートポンプもしくは高粘性材料ポンプを用いて建設箇所においてコンクリートをさらに処理するために定められた点へ移動させるために用いられる。
【0003】
油圧駆動装置及び特に弁装置は比較的複雑であり、したがって調達が高価になる。
【0004】
特許文献1からは、たとえばモバイルクレーン用のモバイル油圧システムが知られており、それが引き込み及び引き出し可能なマスト及び多面的に移動可能なマストを駆動することができる。モバイル油圧システムは、2つの比例弁に相当するルートスライダを有しており、それらの後段にそれぞれ切り替え弁が接続されている。各切り替え弁によって、油圧負荷接続端としての2つの出口に供給することができる。
【0005】
特許文献2からは、たとえばリフティングプラットフォーム用の油圧システムが知られている。ここでも弁装置内の複数の比例弁が知られており、その後段に切り替え弁装置としての切り替え部材が接続されている。これらの切り替え部材を用いて、油圧シリンダとして形成されている作業機械を駆動することができる。
【0006】
特許文献3からは、支持装置、マスト装置及び高粘性材料ポンプを有する車両が知られており、支持装置とマスト部材が個々の油圧シリンダによって駆動される。油圧シリンダの各々のために、制御弁として比例弁が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】独国特許出願公開第102018202148(B3)号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2594807(A1)号明細書
【文献】欧州特許第0670946(B1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、従来技術の問題を解決することができ、そして特により単純に形成された油圧駆動装置と弁装置を設けることを可能にする、冒頭で挙げた車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1の特徴を有する車両によって解決される。本発明の効果的かつ好ましい形態が、他の請求項の対象であって、以下で詳細に説明される。請求項の文言は、明細書の内容を明示的に参照することによって作成される。
【0010】
車両が少なくとも1つの支持装置を有しており、それによって車両を支持し、かつ/又は方向づけすることができる。好ましくは少なくとも2つの支持装置が、特に好ましくは、分配して配置された少なくとも4つの支持装置が、好ましくは各側に2つ、設けられている。マスト装置が車両に、あるいは車両上に、設けられており、そのマスト装置は回転可能である。マスト装置は、互いに独立して移動可能な複数のマスト部材を有しているので、マスト装置用の回転駆動装置の他に、マスト部材の各々も好ましくは専用の油圧アクチュエータを有している。これらの油圧アクチュエータは、少なくとも1つの支持装置とマスト装置のために設けられている、油圧駆動装置の一部である。複数の油圧アクチュエータは、それぞれ各支持装置の、および移動可能なマスト部材の各々の、移動を、好ましくは油圧シリンダとして、引き受けることができる。油圧アクチュエータは、好ましくは、それ用に形成されている車両に対してマスト装置を回転させるためにも、設けられている。
【0011】
油圧駆動装置を駆動するために、上述した弁装置が設けられており、その弁装置がそれ自体知られたやり方で、油圧駆動装置の油圧アクチュエータを駆動する。すなわち各支持装置及び/又はマスト部材の各々及びそれに伴ってマスト装置全体を移動させることができる。
【0012】
本発明によれば、弁装置が比例弁のグループ、したがって少なくとも2つの比例弁を有しており、それを用いて油圧駆動装置に供給を行うことができ、もしくはそれらの比例弁は、油圧駆動装置を制御するように形成されている。比例弁として形成することによって、この種の制御はきわめて繊細かつ正確に行うことができる。すなわち駆動装置の油圧アクチュエータを良好に制御することができ、それによってまた、それにより駆動される、少なくとも1つの支持装置と部分マスト装置の機能ユニットを良好に制御し、もしくは移動させることができる。弁装置は、さらに、切り替え弁装置のグループ、したがって少なくとも2つの切り替え弁装置を有しており、それらがそれぞれ少なくとも1つの油圧アクチュエータと、したがって少なくとも1つの支持装置又はマスト部材の油圧アクチュエータと、接続されている。上述した切り替え弁装置は、比例弁の後段に接続されており、正確に1つの切り替え弁装置又は複数の切り替え弁装置がそれぞれ正確に1つの比例弁から供給を受け、もしくはそれぞれ正確に1つの比例弁の後段に接続されている。少なくとも2つの比例弁の出力は、切り替え弁装置の入力のみへ案内されており、したがってこれら2つの比例弁から、油圧アクチュエータの1つへ直接案内されていない。したがってこれは、本発明によって少なくとも、2つの比例弁のために、好ましくは弁装置の2つよりさらに多い比例弁のために、切り替え弁装置が後段に配置されており、その切り替え弁装置が言うなれば比例弁の移動の制御を種々の油圧アクチュエータへ案内できることを、達成できるということである。それによって複雑な比例弁の数を削減することができ、かつ、その比例弁の後段に接続されている切り替え弁装置によって、移動の制御、もしくは具体的には油圧液を、駆動すべき油圧アクチュエータへ与えることができる。油圧アクチュエータを駆動操作し、あるいは能動化する前に、この油圧アクチュエータを最初に切り替え弁装置によって駆動し、あるいは調節しなければならないが、構造的な負担は全体として著しく削減することができる。
【0013】
好ましくは、車両自体は、高粘性材料ポンプを有しており、あるいはそれと結合することができ、その高粘性材料ポンプが高粘性材料もしくはコンクリートを、マスト装置に固定されたパイプライン内へポンピングする。このことは、知られている。
【0014】
好ましくは全ての比例弁の出力は、切り替え弁装置の入力のみへ案内されているので、必要とされる比例弁の数は最大限に削減することができる。
【0015】
本発明の他の好ましい形態において、それぞれ正確に1つの比例弁の後段に正確に1つの切り替え弁装置を接続することができ、したがってその比例弁から供給することができる。これは特に好ましくは、弁装置の各比例弁のために設けることができるので、それぞれ正確に1つの比例弁の後段に正確に1つの切り替え弁装置が接続されている。この切り替え弁装置は、同様に、あるいは同一に形成することができ、かつ同様にグループ分けすることができ、それについては、以下でさらに詳しく説明する。
【0016】
すなわち、好ましくは、全ての切り替え弁装置が互いに等しい調節可能性と切り替え可能性とを有することができるので、それらは機能的に互いに対応する。本発明のさらに他の好ましい形態において、全ての切り替え弁装置を等しくすることができる。すなわち形成する際の、そして特に修理する場合においても、コストと手間を減少させることができる。というのは、必要とされる部品の多様性がより少ないからである。
【0017】
本発明のさらに他の形態においては、全ての比例弁が互いに対して同様に等しい調節可能性と切り替え可能性とを有することができ、特に好ましくは同一でもある。したがって同様に、手間が削減される、上述した利点が得られる。
【0018】
代替的な形態においては、それぞれの適用目的への適合を改良するために、比例弁が異なることができ、好ましくは少なくとも2つの異なる種類の比例弁を設けることができる。これは特に、スライダ装着に関して変化することができ、それが特に好ましくは、そのオイル量調節もしくは通過に、かつ/又は、一般的に油圧液(作動液)について、比例弁のスライダの中央位置に、作用することができる。すなわち、たとえば、多くの比例弁を流量としてのより大量の油圧液のために設計することができる。というのは、それにより駆動可能な油圧アクチュエータが、より大きい流量を必要とするからである。
【0019】
本発明においては、切り替え弁装置の各々が、2つと5つの間の出口を有する。特に3つ又は4つの出口、あるいは特に正確に3つの出口が好ましいので、切り替え弁装置の技術的複雑性が、技術的に合理的境界に導く。切り替え弁装置の各々は、2つの接続端を有しており、それらは切り替え弁装置に、あるいはその中へ、通じている。したがって各出口は、好ましくは支持装置の油圧アクチュエータの1つへ、あるいはマスト装置の油圧アクチュエータの1つへ、通じることができる。すなわち本発明においては、各切り替え弁装置において正確に2つの出口が支持装置の油圧アクチュエータへ、かつ正確に1つの出口がマスト装置の油圧アクチュエータへ、通じている。これら2つの出口が少なくとも1つの支持装置の、好ましくは複数の支持装置の油圧アクチュエータへ通じている場合に、少なくとも1つの支持装置を車両の各側に、好ましくは各側に2つの支持装置を、配置することができる。これらの支持装置は、車両の左側と車両の右側にグループ分けすることができる。すなわち特に各側に2つの支持装置がある場合に、切り替え弁装置を用いて、正確に1つの時点で左側の支持装置のみを、あるいは右側の支持装置のみを、操作もしくは移動させることができるように、調節することができる。比例弁は、切り替え弁装置によって、支持装置のこれらの下位グループのみと接続され、それによって車両の方向づけがより容易に可能となり、かつ特に操作エラーを減少させることができる。しかるべき形式において、切り替え弁装置の1つの位置において、マスト装置の油圧アクチュエータのみを移動可能もしくは駆動可能とすることができるので、車両のメイン駆動において本来的にマスト装置を移動させようとする間、車両の方向づけもしくは支持へのネガティブな作用はまったく不可能である。
【0020】
好ましくは、複数の出口が各切り替え弁装置に、特に好ましくはこの切り替え弁装置の全ての出口が、列をなして配置されている。すなわちたとえば、複数の支持装置が設けられている場合に、列の始端と列の終端における出口が、それぞれ支持装置の油圧アクチュエータの1つへ通じることができる。列の中央の出口は、マスト装置の油圧アクチュエータの1つへ通じることができる。列の始端と列の終端における油圧アクチュエータは、好ましくは車両のそれぞれ左側の、あるいは右側の支持装置へ案内されている。
【0021】
好ましくは、比例弁のグループの前段に、特に比例弁のグループとオイルポンプもしくは油圧液用のポンプとの間に、オプション動作弁が接続されている。特に好ましくは、オイルポンプによる唯一の供給のみを設けることができ、ここではさらにオプション動作弁の前に入力モジュールを接続することができる。この種のオプション動作弁は、好ましくは、切り替え弁装置を切り替えるように、形成されている。特にオプション動作弁は、複数の、あるいは好ましくは全ての切り替え弁装置を同時かつ同じように、出口のためのそれぞれの位置の間で、切り替えるように、形成することができる。これは、上述した出口の列を有する切り替え弁装置の形成に関して、それらが同時かつ同じように、これらの出口の1つのためのそれぞれの位置の間で切り替えられることを、意味している。本発明のさらに他の形態において、上述したオプション動作弁による切り替え弁装置の切り替えは、この切り替え弁装置を支持装置のみの油圧アクチュエータを駆動するためか、あるいはマスト装置のみの油圧アクチュエータを駆動するために、切り替えることができる。したがって言うなれば、支持装置動作モードとマスト動作モードが生じ、支持装置動作モードはさらに、車両の左側と右側へグループ化される。
【0022】
したがって支持装置内の油圧アクチュエータは、少なくとも2つのグループに、好ましくは正確に2つのグループに、すなわち車両の左側と車両の右側に分けることができる。それによっていかなる支持装置も両側で共通に、あるいは同時に調節することはできず、一方の側又は他方の側においてのみ、共通あるいは同時に調節することができる。すなわち車両もしくは高粘性材料ポンプを制御する際の、特に車両の安全上きわめて重要な支持における、安全性が向上する。
【0023】
本発明の好ましい形態において、監視装置が設けられており、その監視装置は、全ての切り替え弁装置が同一の位置にあるかを定めるように、形成されている。すなわち切り替え弁装置は、上述したように、支持装置の油圧アクチュエータのみを、あるいはマスト装置の油圧アクチュエータのみを駆動することができ、もしくは油圧アクチュエータの分割されたグループのみを、駆動することができる。したがってこの監視装置は、付加的に、上述した安全性の向上を保証し、もしくは監視するために、用いられる。好ましくは、監視装置は、全ての切り替え弁装置が同一の位置にない場合には、安全弁を閉鎖する。この安全弁は、比例弁の前段に接続されており、好ましくはオプション動作弁の前段にも接続されている。すなわち全ての弁装置は、全ての切り替え弁装置が同一の位置にない場合には、油圧駆動装置の油圧アクチュエータの1つのために、圧力変化もしくは駆動を行わせることはできない。
【0024】
本発明の第1の形態において、上述した監視装置は、油圧フィードバックのための手段、特に油圧ラインを有することができる。油圧フィードバックのためのこの手段は、各切り替え弁装置から切り替え弁装置の全ての前選択スライダを通って、それらが安全弁への貫通した、もしくは開放したフィードバックラインを形成するように、通じている。このフィードバックラインは、全ての切り替え弁装置の全ての前選択スライダが同一の位置にある場合について、開放している。フィードバックラインは、切り替え弁装置の少なくとも1つの前選択スライダが、他の切り替え弁装置の少なくとも1つの前選択スライダとは異なる位置にある場合について、したがってある前選択スライダの位置が、他の1つの前選択スライダの位置とは異なる場合に、中断されている。フィードバックラインがこのように中断されている場合に、安全弁は閉鎖するので、比例弁は駆動することができず、もしくは油圧の駆動を行うことはできない。
【0025】
本発明の第2の形態において、監視装置はフィードバックする手段を有しているが、この手段は、もちろん電気的に形成されており、もしくは電気的なフィードバックのために形成されている。ここでもフィードバックラインとしての電気的導線は、切り替え弁装置の全ての前選択スライダを通って通じており、たとえばしかるべき電気的なスイッチ又は接触手段によって形成することができるので、全ての切り替え弁装置の全ての前選択スライダが同一の位置にある場合については、電気的なフィードバックラインは一貫して、ないしは電気的接点として閉成されている。切り替え弁装置の全ての前選択スライダが1つの位置もしくは同一の位置にない、他の場合について、電気的なフィードバックは中断されている。
【0026】
フィードバックを形成するための上述した2つの可能性の比較において、油圧のフィードバックのほうが機能的により安全である。というのは切り替え弁装置の全ての前選択スライダが同一の位置にある、という条件が満たされなければならないからである。この条件が満たされない場合(これは、油圧フィードバックの機能に欠陥がある場合には、決してそうはならない)、油圧アクチュエータを制御することはできない。電気的なフィードバックにおいては、押圧接触は場合によっては他のエラーによっても生じることがあり、その確率は低く、かつ組み立て構造的にさらに削減することができる。
【0027】
切り替え弁装置及び/又は上述したオプション動作弁は、制御装置によって電気的に駆動することができる。これは、特に好ましくは、電気的油圧的に行われ、それによって可能な駆動力も良好にもたらすことができる。
【0028】
制御装置は、オペレータのための制御要素、たとえば、個々の油圧アクチュエータを駆動するための、押しボタン又はレバー、を有することができる。制御装置の制御要素は、好ましくは中央に、もしくは共通に、たとえばいわゆる中央の制御部分に、設けられている。したがってここではオペレータは、少なくとも1つの支持装置とマスト装置の冒頭で挙げた機能ユニットを、特に一箇所で比較的快適に、制御することができる。この種の制御装置は、好ましくは制御安全性もしくは事故回避の理由から、場合によっては制御を見やすくするためにも、少なくとも1つの支持装置及びマスト装置から少し離隔することができる。制御装置は、それ自体知られているように、ある種の切り替えパネルあるいは制御パネルを有することができる。それは、無線遠隔制御としても、かつそれに伴って持ち運びできるように、形成することができ、それによって車両からすこし離れても利用することができる。
【0029】
本発明の他の好ましい形態において、弁装置は共通の弁支持体を有することができる。すなわち好ましくは全ての比例弁と全ての切り替え弁装置を、共通の弁支持体に配置することができる。それによって、油圧接続が簡単に可能になる。上述したオプション動作弁も、ここに設けることができる。弁支持体は、好ましくは支持体プレートを有することができ、それによってその上に上述した比例弁と切り替え弁装置を固定することができる。したがって上述したオイルポンプからの油圧液の供給が、良好に可能となる。さらに、上述した、フィードバックのための2つの可能性を有する好ましい監視装置も、良好に構築することができる。というのは、切り替え弁装置が近くに並んで設けられているからである。
【0030】
これらの特徴と他の特徴は、さらに請求項、明細書及び図面に基づく以外にも明らかにされ、個々の特徴はそれぞれそれ自体単独で、あるいは互いに組み合わせた形式で、本発明の実施形態において、かつ他の分野で実現することができ、かつ好ましい形態及びそれ自体保護可能な形態を表すことができ、それについてここで保護が請求される。個々のセクション及び中間タイトルにおける本出願の以下の部分は、ここで行われる説明の普遍性を制限するものではない。
【0031】
本発明の実施例を図面に図式的に示し、以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、支持装置とマスト装置とを有する、いわゆるコンクリートポンプとしての、本発明に係る車両を簡略化して図式的に示す図である。
【
図2】
図2は、
図1の車両用の本発明に係る弁装置を著しく簡略化して示しており、比例弁のグループを有し、その後段に切り替え弁のグループが接続されている図である。
【
図3】
図3は、油圧装置の構造を、支持装置及びマスト装置のための種々の駆動可能性と共に詳細に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1には、いわゆるコンクリートポンプとして知られている車両11が示されている。車両11は、前にドライバーキャビン12を、そして後ろには大きい有用面14を有している。有用面には、前方の2つの支持装置16と後方の2つの支持装置17が設けられており、各側における2つは、既知のやり方で形成されている。前左の支持装置16lが示されており、それは、後述するように、その長さにおいて異なる距離だけ引き出すこともできる。後方左には、支持装置17lが設けられている。両方の支持装置16と17は、水平の平面内で所定の範囲内で揺動させることができ、かつ異なる距離だけ下方へ引き出すことができる。
【0034】
有用面14上には、回転皿23上に4つのマスト部材21bから21eを備えたマスト装置20が設けられている。マスト部材21b-eは、移送のために折りたたまれており、
図3においてそれらは少なくとも図式的に引き出されている。
【0035】
後方において車両11にポンプモジュール25が設けられており、その中へコンクリートが上方から充填され、そのポンプモジュールがその後、既知のやり方で、この充填されたコンクリートあるいは一般的に高粘性材料を移動可能な導管を通してマスト装置20もしくはそのマスト部材21に沿ってポンピングする。
【0036】
さらに、有用面14には、冒頭で挙げた制御装置又は制御部分としての制御ボックス27が設けられている。その隣に弁装置30が図式的に示されているが、その弁装置は必ずしも見えるようにする必要はない。その弁は、制御ボックス27によって駆動される。
【0037】
図2に示す単純化した表示において、弁装置30が詳細に示されている。右下に油圧ポンプ32が示されており、それが圧力をもって油圧液を弁装置30内へポンピングする。弁装置30は、弁支持体プレート34を有しており、その弁支持体プレート上の下方の領域内に比例弁36が、そして上方の領域内には切り替え弁装置40が、グループとして配置され、もしくは取り付けられている。
【0038】
それぞれ制御装置37aから37eを有する比例弁36aから36eの各々が、それぞれ正確に、かつ特に直接、後段に接続されている切り替え弁装置40aから40eへ通じている。比例弁36aから36eと切り替え弁装置40aから40eは、それぞれ等しく形成されている。比例弁36aから36eは、好ましくは圧力補償された比例弁として形成されている。
【0039】
切り替え弁装置40aから40eは、それぞれ3つの出力を有しており、それらは全ての切り替え弁において等しく配置されている。切り替え弁装置40aから40eあたり変位可能なスライダ41aから41eを用いて3つの出力の間で切り替えることができる。全てのスライダ41aから41eは、共通の操作装置43によって同時に移動され、かつ同じように移動もされる。そのためにアクチュエータ44が設けられている。アクチュエータ44は、比例弁36の制御装置37aから37eと同じように、制御するために制御ボックス27の複数の制御要素28の1つとそれぞれ接続されている。
【0040】
切り替え弁装置40aから40eの一番下の出口が、左の支持装置16lと17lのグループAlへ通じている。中央の出口Mは全ての回転皿23を伴うマスト装置20へ通じている。一番上の出口Arは、
図3の右上に示される右の支持装置16rと17rへ通じている。
【0041】
したがって切り替え弁装置40aから40eの内部で本発明に基づき、かつ上述したように同時に変位させることによって、左の支持装置のみ、回転皿を含めたマスト装置のみ、あるいは右の支持装置のみ、もしくはその油圧アクチュエータのみを駆動できることが、保証されている。冒頭で説明したフィードバックライン又はフィードバックは、ここではまだ設置されておらず、もしくは示されていない。
【0042】
マスト装置20もしくは回転皿23のための中央位置における、
図2に示すスライダ41aから41eの位置において、比例弁36aから36eによってそれぞれマスト装置20もしくは回転皿23の油圧アクチュエータを駆動することができる。これが、
図3の上の中央において、良好に認識される。第1の切り替え弁装置40aは、マスト装置の中央の位置のMにおいて、回転皿23を担当する。下方の位置においてそれは、右の支持装置
16rと、特に前方右の支持装置16rを水平に引き出すことを、担当する。一番上の位置においてそれは、左前の支持装置16lを水平に引き出すことを担当し、もしくは適切な油圧アクチュエータを駆動する。切り替え弁装置40aが、3つの位置の1つにある場合に、制御ボックス27を用いて正確かつ直接的に対応づけられた比例弁36aを適切に駆動操作することによって、上部にマスト装置20を有する回転皿23を1つの方向又は他の方向へ回転させることができる。他の2つの位置の1つにおいて、左前の支持装置16lか、あるいは右前の支持装置16rを水平方向にさらに引き出し、あるはさらに引き込むことができる。切り替え弁装置40を切り替える前に、付属の比例弁36の圧力をなくさなければならないことは、明らかである。
【0043】
第2の切り替え弁装置40bは、中央の位置のMにおいて第1の一番下のマスト部材21bもしくはその油圧アクチュエータと接続されている。上方の位置においては、それは左前方の支持装置16lもしくは油圧アクチュエータと接続され、それによってそれを垂直方向下方へ引き出すことができる。下方の位置においてそれは、右前方の支持装置16rの油圧アクチュエータと接続されており、それによってそれを垂直方向へ移動させることができる。
【0044】
第3の切り替え弁装置40cは、中央の位置のMにおいて、認識されるように、第2のマスト部材21cもしくはその油圧アクチュエータと接続されている。それは上方の位置においては、左後ろの支持装置17lの油圧アクチュエータと接続されており、それによってその支持装置を垂直方向に引き出すことができる。下方の位置においてそれは、右後ろの支持装置17rを垂直に移動させるために、その油圧アクチュエータと接続されている。
【0045】
第4の切り替え弁装置40dは、中央の位置のMにおいて第3のマスト部材21dもしくはその油圧アクチュエータと接続されている。上方の位置においてそれは、左前の支持装置16lを水平に揺動させるための油圧アクチュエータと接続されている。下方の位置においてそれは、右前の支持装置16rを水平平面内で往復揺動させるために、そのための油圧アクチュエータと接続されている。
【0046】
第5の切り替え弁装置40eは、中央の位置のMにおいて第4の左のマスト部材21e用の油圧アクチュエータと接続されている。上方の位置においてそれは、左後ろの支持装置17lを水平平面内で揺動させるために、そのための油圧アクチュエータと接続されている。その切り替え弁は、そのスライダの一番下の位置において、右後ろの支持装置17rを水平平面内で揺動させるために、そのための油圧アクチュエータと接続されている。
【0047】
したがって、切り替え弁装置40のスライダ41の3つの位置の各々において、マスト装置20もしくはその4つのマスト部材21bから21eか、あるいは回転皿23、もしくはその油圧アクチュエータを駆動できることが、明らかである。他の位置において車両11の左側の全ての支持装置16lと17lを移動させることができ、さらに他の位置においては、全ての右の支持装置15rと17rを移動させることができる。
【0048】
弁装置30のすでに部分的に説明されている詳細な表示から、正確な油圧回路が認識される。各比例弁36aから36eの後段に直接それぞれ正確に1つの切り替え弁装置40aから40eがどのように接続されているかが、認識される。比例弁36aから36eと切り替え弁装置40aから40eは、実際においても好ましくは、ここには図示されない共通の弁支持体プレート上に取り付けられている。弁装置30は、ここでは好ましくはさらに、下方右に入力モジュール46を有し、かつその後段に接続されて、オプション動作弁48を有している。上右には、2つの電気的なパイロット弁50が設けられている。
【0049】
冒頭で説明したように、全ての切り替え弁装置40aから40eもしくはそのスライダ41aから41eが同じ位置にあり、それによってオペレータが、制御ボックス27を介してしかるべき比例弁36aから36eを駆動操作することにより、どの油圧アクチュエータもしくはその機能ユニットが駆動操作されるかを、正確に知ることを保証するために、ここでは油圧フィードバック52が破線で示されている。そのフィードバックは全ての切り替え弁装置40aから40eを通っており、かつ、全ての切り替え弁装置40aから40eが実際に同一の位置にある場合にのみ、閉成される。その場合にのみ、上述したグループのそれぞれ1つが駆動される。そうでない場合には、油圧フィードバックは中断され、その結果として比例弁36aから36eのどれも開放できないようにすることができる。さらに、障害メッセージが、もっともよい場合には少なくとも制御ボックス27上に、しかし特に好ましくはさらに他の箇所に、光学的及び/又は音響的に出力される。
【0050】
比例弁36aから36eの後段に、好ましくは短いライン長さをもって、切り替え弁装置40aから40eが直接接続されることによって、コンパクトで、容易に監視することができ、かつ容易に保守できる弁装置30を提供することができる。
なお、本発明の構成として以下に示すものがある。
[構成1]
高粘性材料ポンプ装置(25)用の車両(11)であって、
前記車両は、
該車両(11)を支持し、かつ/又は方向づけするための少なくとも2つの支持装置(16、17)と、
マスト装置(20)であって、該マスト装置が回転可能であり、かつ互いに独立して移動可能な複数のマスト部材(21)を有する、マスト装置(20)と、
前記支持装置(16、17)と前記マスト装置(20)のための油圧駆動装置であって、前記支持装置と移動可能な前記マスト部材(21)をそれぞれ移動させるための油圧アクチュエータを有する油圧駆動装置と、
弁装置(30)であって、前記油圧駆動装置(32)及び前記油圧アクチュエータを用いて前記支持装置(16、17)の1つ及び/又は前記マスト部材(21)の1つを移動させるために、弁装置(30)と、を備え、
前記弁装置(30)は前記油圧駆動装置を制御するために比例弁(36)のグループを有し、
前記弁装置(30)は切り替え弁装置(40)のグループを有し、該切り替え弁装置はそれぞれ前記支持装置(16、17)又は前記マスト部材(21)の少なくとも1つの油圧アクチュエータと接続され、
前記切り替え弁装置(40)は前記比例弁(36)の後段に接続されており、
正確に1つの切り替え弁装置(40)又は複数の切り替え弁装置(40)は、正確に1つの比例弁(36)から供給を受け、又は正確に1つの比例弁の後段に接続され、
前記比例弁(36)の出力は、前記切り替え弁装置(40)の入力のみへ通じており、
前記切り替え弁装置(40)の各々が、2~5の出口(Al、Ar、M)を有し、各出口が前記支持装置(16、17)又は前記マスト装置(20)の油圧アクチュエータの1つへ通じている、車両(11)において、
各切り替え弁装置(40)において、正確に2つの出口(Al、Ar)が前記支持装置(16、17)の油圧アクチュエータへ通じており、かつ正確に1つの出口(M)が前記マスト装置(20)の油圧アクチュエータへ通じている、
ことを特徴とする車両(11)。
[構成2]
それぞれ正確に1つの比例弁(36)の後段に、正確に1つの切り替え弁装置(40)が接続されており、特に個々の比例弁(36)の後段に正確に1つの切り替え弁装置(40)が接続されている、ことを特徴とする構成1に記載の車両(11)。
[構成3]
全ての切り替え弁装置(40)が互いに同一の可能性と切り替え可能性を有し、特に同一である、ことを特徴とする構成1又は2に記載の車両(11)。
[構成4]
全ての比例弁(36)が互いに等しい調節可能性及び切り替え可能性を有し、特に同一である、ことを特徴とする構成1~3の何れか一項に記載の車両(11)。
[構成5]
前記切り替え弁装置(40)の各々が、3つ又は4つの出口(Al、Ar、M)を有している、ことを特徴とする構成1~4の何れか一項に記載の車両(11)。
[構成6]
各切り替え弁装置(40)において複数の出口(Al、Ar、M)が一列に配置されており、好ましくは列の始端と列の終端の前記出口(Al、Ar)が、前記支持装置(16、17)の前記油圧アクチュエータの1つへ通じており、列の中央の出口(M)はマスト装置(20)の油圧アクチュエータの1つへ通じている、ことを特徴とする構成1~5の何れか一項に記載の車両(11)。
[構成7]
比例弁(36)のグループの前段に、油圧ポンプから来るようにオプション動作弁(48)が接続されており、好ましく、前記油圧ポンプを有する唯一のオイル供給部が入力モジュール(46)と共に、前記オプション動作弁(48)の前に接続されている、ことを特徴とする構成1~6の何れか一項に記載の車両(11)。
[構成8]
オプション動作弁(48)が、前記切り替え弁装置(40)を切り替えるように、特に全ての切り替え弁装置を同時かつ同じように、出口(Al、M、Ar)のためのそれぞれの位置の間で切り替えるように形成されている、ことを特徴とする構成7に記載の車両(11)。
[構成9]
オプション動作弁(48)による前記切り替え弁装置(40)の切り替えは、前記支持装置(16、17)のみの油圧アクチュエータ、又はマスト装置(20)のみの油圧アクチュエータを駆動するために、前記切り替え弁装置を切り替える、ことを特徴とする構成8に記載の車両(11)。
[構成10]
前記支持装置(16、17)の油圧アクチュエータの内部で、少なくとも2つのグループへの、特に正確に2つのグループへの切り替えが、特に車両(11)の左側の支持装置(16l、17l)と車両の右側の支持装置(16r、17r)との間で行われ、好ましくは両側においてそれらは共通及び/又は同時に調節可能ではない、ことを特徴とする構成9に記載の車両(11)。
[構成11]
全ての切り替え弁装置(40)が同一の位置にあるかどうかを決定する監視装置を備え、前記切り替え弁装置(40)は、構成8に従って、前記支持装置(16、17)の油圧アクチュエータのみを、又はマスト装置(20)の油圧アクチュエータのみを制御し、又は分割されたグループの油圧アクチュエータを制御し、全ての切り替え弁装置(40)が同一の位置にない場合、好ましくは、前記監視装置は、前記比例弁(36)の前段に接続された、特にオプション動作弁(48)の前段にも接続されている安全弁を閉鎖し、全ての弁装置は、前記油圧駆動装置の前記油圧アクチュエータの1つのために圧力変化を引き起こさず、制御しない、ことを特徴とする構成9又は10に記載の車両(11)。
[構成12]
前記監視装置は油圧フィードバックのための手段を有しており、該油圧フィードバックのための手段は各切り替え弁装置(40)から切り替え弁装置の全てのオプションスライダ(41)を通って、それらが安全弁へのフィードバックラインを形成するように通じており、全ての切り替え弁装置の全てのオプションスライダが同一の位置にある場合について、フィードバックラインが開放しており、かつ切り替え弁装置(40)の少なくとも1つのオプションスライダ(41)が、他の切り替え弁装置(40)の少なくとも1つのオプションスライダとは異なる位置にある場合については、フィードバックラインが中断されている、ことを特徴とする構成11に記載の車両(11)。
[構成13]
前記切り替え弁装置(40)及び/又はオプション動作弁(48)は、制御装置(27)によって電気的に、特に電気動力的に駆動可能であり、前記制御装置(27)はオペレータのための制御要素(28)を有し、好ましくは、前記制御装置(27)は前記車両(11)の中央の共通の箇所に設けられている、ことを特徴とする構成1~12の何れか一項に記載の車両(11)。
[構成14]
前記制御装置(27)は、前記支持装置(16、17)及び前記マスト装置(20)から少なくとも1m離れている、ことを特徴とする構成13に記載の車両(11)。
[構成15]
前記弁装置(30)は共通の弁支持体に配置されており、特に全ての比例弁(36)と全ての切り替え弁装置(40)は共通の弁支持体に配置されており、好ましくは、前記弁支持体は、前記比例弁(36)と前記切り替え弁装置(40)を固定するための支持体プレート(34)を有している、ことを特徴とする構成1~14の何れか一項に記載の車両(11)。