(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】制動ユニット及びタワーリフト
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20231025BHJP
B65G 54/02 20060101ALI20231025BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
B65G1/04 561
B65G54/02
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2022035118
(22)【出願日】2022-03-08
【審査請求日】2022-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】イ,ミョン ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,サン-オ
(72)【発明者】
【氏名】ビョン,ヒ ジェ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ナ ヒョン
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】実開平07-015668(JP,U)
【文献】特開平05-319731(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0069389(KR,A)
【文献】特表2014-508698(JP,A)
【文献】国際公開第2005/105647(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0226560(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/133
B65G 1/14 - 1/20
B65G 54/00 - 54/02
H01L 21/677
B66B 9/00 - 9/193
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タワーリフトにおいて、
垂直方向に延長されるレールモジュールと、
前記レールモジュールに沿って磁気浮上方式に移動可能に提供されるキャリッジモジュールを含み、
前記キャリッジモジュールには、
前記タワーリフトを駆動する電力が遮られれば、前記キャリッジモジュールの落下を制動する制動ユニットが設置され
、
前記制動ユニットは、
前記垂直方向に対して傾いた方向に移動可能に構成され、前記レールモジュールと選択的に接触されて前記キャリッジモジュールの落下を制動する制動ボディーと、
前記電力が印加される場合だけに前記制動ボディーをホールディング(Holding)することにより前記制動ボディーと前記レールモジュールを選択的に接触させるホールディング部材と、
前記電力が遮られる場合に前記制動ボディーを上向き傾いた方向に移動させて前記制動ボディーを前記レールモジュールと接触させる引張部材と、
前記キャリッジモジュールに対する相対位置が固定されるベースボディーと
を含み、
前記引張部材の一端は前記ベースボディーに形成されたベースボディー係止部に固定され、
前記引張部材の他端は前記制動ボディーに形成された制動ボディー係止部に固定されることを特徴とする
タワーリフト。
【請求項2】
前記制動ボディーは
、
前記レールモジュールと向い合う面に提供される制動パッドを含むことを特徴とする請求項
1に記載のタワーリフト。
【請求項3】
前記ホールディング部材は、
前記電力が印加される場合
に磁力を発生させて前記制動ボディーが前記レールモジュールと離隔されるように前記制動ボディーをホールディングする電磁石をさらに含むことを特徴とする請求項
1に記載のタワーリフト。
【請求項4】
前記制動ユニットは、
前記制動ボディーが上向き傾いた方向に移動されて前記レールモジュールと接触された以後、前記制動ボディーを下向き傾いた方向に移動させて前記制動ボディーを原位置させる復元部材をさらに含むことを特徴とする請求項
1に記載のタワーリフト。
【請求項5】
タワーリフトにおいて、
垂直方向に延長されるレールモジュールと、
前記レールモジュールに沿って磁気浮上方式に移動可能に提供されるキャリッジモジュールを含み、
前記キャリッジモジュールには、
前記タワーリフトを駆動する電力が遮られれば、前記キャリッジモジュールの落下を制動する制動ユニットが設置され、
前記制動ユニットは、
地面に水平な回転軸を中心に回転可能に提供され、前記レールモジュールと選択的に接触されて前記キャリッジモジュールの落下を制動する制動ボディーと、
前記電力が印加される場合だけに前記制動ボディーをホールディングすることにより前記制動ボディーと前記レールモジュールを選択的に接触させるホールディング部材と、
前記電力が遮られる場合に前記制動ボディーを第1方向に回転させて前記制動ボディーを前記レールモジュールと接触させる引張部材と、
前記回転軸を中心にした弧形状のガイド溝が形成されるベースボディーと、
を含み、
前記制動ボディーは
、
前記回転軸を基準に非対称なカム形状を有
し、
前記制動ボディーが回転されて前記レールモジュールと接触される前記制動ボディーの外径には鋸歯が形成され
、
前記制動ボディーには前記ガイド溝に挿入されるガイド突起が形成され、
前記引張部材の一端は前記ベースボディーに形成されたベースボディー係止部に固定され、
前記引張部材の他端は前記ガイド突起に固定される
ことを特徴とす
るタワーリフト。
【請求項6】
前記ホールディング部材は、
ホールディングヘッドと、及び
前記ホールディングヘッドを直線移動させるソレノイドを含み、
前記電力が印加される場合
に前記ホールディングヘッドが前記ガイド突起をホールディングして前記制動ボディーが前記第1方向に回転されることを防止することを特徴とする請求項
5に記載のタワーリフト。
【請求項7】
前記制動ユニットは、
前記制動ボディーが前記第1方向に回転されて前記レールモジュールと接触された以後、前記制動ボディーを前記第1方向と逆方向である第2方向に回転させて前記制動ボディーを原位置させる復元部材をさらに含むことを特徴とする請求項
6に記載のタワーリフト。
【請求項8】
タワーリフトにおいて、
垂直方向に延長されるレールモジュールと、
前記レールモジュールに沿って磁気浮上方式に移動可能に提供されるキャリッジモジュールを含み、
前記キャリッジモジュールには、
前記タワーリフトを駆動する電力が遮られれば、前記キャリッジモジュールの落下を制動する制動ユニットが設置され、
前記制動ユニットは、
前記レールモジュールと選択的に接触されて前記キャリッジモジュールの落下を制動する制動ボディーと、
前記電力が印加される場合だけに前記制動ボディーをホールディングすることにより前記制動ボディーと前記レールモジュールを選択的に接触させるホールディング部材と、
を含み、
前記制動ユニットは、
第1制動ユニット、
及び、第2制動ユニットを含み、
前記第1制動ユニットが有す
る制動ボディーである第1制動ボディーは、
前記垂直方向に対して傾いた方向に移動可能に構成され、
前記レールモジュールと向い合う面に提供される制動パッドを含み、
前記第2制動ユニットが有す
る制動ボディーである第2制動ボディーは、
地面に水平な回転軸を中心に回転可能に提供され、
前記回転軸を基準
に非対称なカム形状を有
し、
前記
第2制動ボディーが回転されて前記レールモジュールと接触される前記
第2制動ボディーの外径は鋸歯形状を有することを特徴とす
る
タワーリフト。
【請求項9】
前記第1制動ユニットは前記第2制動ユニットより高い位置に設置されることを特徴とする請求項
8に記載のタワーリフト。
【請求項10】
垂直方向に延長されるレールモジュールに沿って磁気浮上方式に移動可能に提供される移動体に設置され、前記移動体を移動させる電力が遮られる場合
に前記移動体の非常落下を制動する制動ユニットにおいて、
前記レールモジュールと選択的に接触されて前記移動体の落下を制動
し、前記垂直方向に対して傾いた方向に移動可能に構成され、前記レールモジュールと向い合う面に提供される制動パッドを含む
、制動ボディーと、
前記電力が印加される場合だけに前記制動ボディーをホールディング(Holding)
することにより前記制動ボディーと前記レールモジュールを選択的に接触さ
せ、前記電力が印加される場合
に磁力を発生させて前記制動ボディーが前記レールモジュールと離隔されるように前記制動ボディーをホールディングする電磁石を含む
、ホールディング部材と
、
前記電力が遮られる場合
に前記制動ボディーを上向き傾いた方向に移動させて前記制動ボディーを前記レールモジュールと接触させる引張部材
と、
前記移動体に固定されるベースボディーと、
を含
み、
前記引張部材の一端は前記ベースボディーに形成されたベースボディー係止部に固定され、
前記引張部材の他端は前記制動ボディーに形成された制動ボディー係止部に固定される
ことを特徴とする制動ユニット。
【請求項11】
前記制動ボディーが上向き傾いた方向に移動されて前記レールモジュールと接触された以後、前記制動ボディーを下向き傾いた方向に移動させて前記制動ボディーを原位置させる復元部材をさらに含むことを特徴とする請求項
10に記載の制動ユニット。
【請求項12】
垂直方向に延長されるレールモジュールに沿って磁気浮上方式に移動可能に提供される移動体に設置され、前記移動体を移動させる電力が遮られる場合
に前記移動体の非常落下を制動する制動ユニットにおいて、
前記レールモジュールと選択的に接触されて前記移動体の落下を制動
し、地面に水平な回転軸を中心に回転可能に提供され、前記回転軸を基準
に非対称なカム形状を有
し、第1方向に回転されて前記レールモジュールと接触される外径には鋸歯が形成される
、制動ボディーと、
前記電力が印加される場合だけに前記制動ボディーをホールディング(Holding)
することにより前記制動ボディーと前記レールモジュールを選択的に接触さ
せ、前記電力が印加される場合
に前記制動ボディーが前記第1方向に回転されることを防止するソレノイドを含む
、ホールディング部材と
、
前記電力が遮られる場合
に前記制動ボディーを前記第1方向に回転させて前記鋸歯を前記レールモジュールと接触させる引張部材
と、
前記回転軸を中心とした弧形状のガイド溝が形成されるベースボディーと、
を含
み、
前記制動ボディーには、
前記ガイド溝に挿入されるガイド突起が形成され、
前記引張部材の一端は前記ベースボディーに形成されたベースボディー係止部に固定され、
前記引張部材の他端は前記ガイド突起に固定される
ことを特徴とする制動ユニット。
【請求項13】
前記制動ボディーが前記第1方向に回転されて前記レールモジュールと接触された以後前記制動ボディーを前記第1方向と逆方向である第2方向に回転させて前記制動ボディーを原位置させる復元部材をさらに含むことを特徴とする請求項
12に記載の制動ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制動ユニット及びタワーリフトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体またはディスプレイ製造工場の製造ラインは複層で構成される。半導体製造ラインの各層らには蒸着、露光、蝕刻、イオン注入、洗浄などの工程を遂行するための設備らが配置されることができる。各層に配置される設備らは半導体基板として使用される半導体ウェハーまたはディスプレイ基板として使用される硝子基板に対して一連の単位工程らを繰り返し的に遂行されることができる。
【0003】
一方、半導体製造ラインの各層らの間での物品移送、すなわち、半導体ウェハーまたは硝子基板のような物品らの移送は各層らを通じて垂直方向に設置されるタワーリフトによってなされることができる。
【0004】
一般な、タワーリフトは物品移送のためのキャリッジモジュールとキャリッジモジュールを垂直方向に案内するためのレールモジュールを有する。レールモジュールにはキャリッジモジュールを昇降させるためのタイミングベルトのような駆動ベルトが設置される。タイミングベルトはキャリッジモジュールと結合されてキャリッジモジュールを上下方向に移動させる。しかし、このような一般なタワーリフトでタイミングベルトが駆動されれば、パーティクルが発生されることがある。例えば、タイミングベルトはプーリー(Pulley)と摩擦されて駆動されるが、タイミングベルトとプーリーがお互いに摩擦されながらパーティクルが発生されることがある。
【0005】
このような問題を解決するためにキャリッジモジュールが磁気浮上方式でレールモジュールに沿って移動する方案を考慮することができる。キャリッジモジュールはキャリッジモジュールまたはレールモジュールに設置されるリニアモータが発生させる動力によってレールモジュールと接触されない状態、そして、空中に浮揚された状態で上下方向に沿って移動されることができる。磁気浮上方式でキャリッジモジュールがレールモジュールに沿って移動するタワーリフトの場合、そのレールモジュールにタイミングベルトまたはロープなどキャリッジモジュールと物理的に連結される記載らが存在しない。これにタワーリフトを駆動する電気が遮られれば、タワーリフトのキャリッジモジュールは墜落(自由落下)するようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
韓国特許公開第10-2007-0106754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、磁気浮上垂直駆動モジュールを駆動する電力が遮られる場合、移動体の自由落下を制動することができる制動ユニットを提供することを一目的とする。
【0008】
また、本発明はタワーリフトを駆動する電力が遮られる場合、キャリッジモジュールの自由落下を制動することができる制動ユニット及びタワーリフトを提供することを一目的とする。
【0009】
本発明の目的は、これに制限されないし、言及されなかったまた他の目的らは、下の記載らから本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、タワーリフトを提供する。タワーリフトは垂直方向に延長されるレールモジュールと、前記レールモジュールに沿って磁気浮上方式に移動可能に提供されるキャリッジモジュールを含み、前記キャリッジモジュールには、前記タワーリフトを駆動する電力が遮られれば、前記キャリッジモジュールの落下を制動する制動ユニットが設置されることができる。
【0011】
一実施例によれば、前記制動ユニットは、前記レールモジュールと選択的に接触されて前記キャリッジモジュールの落下を制動する制動ボディーと、及び前記電力が印加される場合だけに前記制動ボディーをホールディング(Holding)して前記制動ボディーと前記レールモジュールを選択的に接触させるホールディング部材を含むことができる。
【0012】
一実施例によれば、前記制動ボディーは、前記垂直方向に対して傾いた方向に移動可能に構成され、前記レールモジュールと向い合う面に提供される制動パッドを含むことができる。
【0013】
一実施例によれば、前記制動ユニットは、前記電力が遮られる場合前記制動ボディーを上向き傾いた方向に移動させて前記制動ボディーを前記レールモジュールと接触させる引張部材をさらに含むことができる。
【0014】
一実施例によれば、前記ホールディング部材は、前記電力が印加される場合磁力を発生させて前記制動ボディーが前記レールモジュールと離隔されるように前記制動ボディーをホールディングする電磁石をさらに含むことができる。
【0015】
一実施例によれば、前記制動ユニットは、前記キャリッジモジュールに対する相対位置が固定されるベースボディーをさらに含み、前記引張部材の一端は前記ベースボディーに形成されたベースボディー係止部に固定され、前記引張部材の他端は前記制動ボディーに形成された制動ボディー係止部に固定されることができる。
【0016】
一実施例によれば、前記制動ユニットは、前記制動ボディーが上向き傾いた方向に移動されて前記レールモジュールと接触された以後、前記制動ボディーを下向き傾いた方向に移動させて前記制動ボディーを原位置させる復元部材をさらに含むことができる。
【0017】
一実施例によれば、前記制動ボディーは、地面に水平な回転軸を中心に回転可能に提供され、前記回転軸を基準で非対称なカム形状を有するが、前記制動ボディーが回転されて前記レールモジュールと接触される前記制動ボディーの外径には鋸歯が形成されることがある。
【0018】
一実施例によれば、前記制動ユニットは、前記電力が遮られる場合前記制動ボディーを第1方向に回転させて前記制動ボディーを前記レールモジュールと接触させる引張部材をさらに含むことができる。
【0019】
一実施例によれば、前記制動ユニットは、前記回転軸を中心とした弧形状のガイド溝が形成されるベースボディーをさらに含み、前記制動ボディーには、前記ガイド溝に挿入されるガイド突起が形成され、前記引張部材の一端は前記ベースボディーに形成されたベースボディー係止部に固定され、前記引張部材の他端は前記ガイド突起に固定されることができる。
【0020】
一実施例によれば、前記ホールディング部材は、ホールディングヘッドと、及び前記ホールディングヘッドを直線移動させるソレノイドを含み、前記電力が印加される場合前記ホールディングヘッドが前記ガイド突起をホールディングして前記制動ボディーが前記第1方向に回転されることを防止することができる。
【0021】
一実施例によれば、前記制動ユニットは、前記制動ボディーが前記第1方向に回転されて前記レールモジュールと接触された以後、前記制動ボディーを前記第1方向と逆方向である第2方向に回転させて前記制動ボディーを原位置させる復元部材をさらに含むことができる。
【0022】
一実施例によれば、前記制動ユニットは、第1制動ユニット、そして、第2制動ユニットを含み、前記第1制動ユニットが有する前記制動ボディーである第1制動ボディーは、前記垂直方向に対して傾いた方向に移動可能に構成され、前記レールモジュールと向い合う面に提供される制動パッドを含み、前記第2制動ユニットが有する前記制動ボディーである第2制動ボディーは、地面に水平な回転軸を中心に回転可能に提供され、前記回転軸を基準で非対称なカム形状を有するが、前記制動ボディーが回転されて前記レールモジュールと接触される前記制動ボディーの外径は、鋸歯形状を有することができる。
【0023】
一実施例によれば、前記第1制動ユニットは、前記第2制動ユニットより高い位置に設置されることができる。
【0024】
また、本発明は、制動ユニットを提供する。垂直方向に延長されるレールモジュールに沿って磁気浮上方式に移動可能に提供される移動体に設置され、前記移動体を移動させる電力が遮られる場合、前記移動体の非常落下を制動する制動ユニットは、前記レールモジュールと選択的に接触されて前記移動体の落下を制動するが、前記垂直方向に対して傾いた方向に移動可能に構成され、前記レールモジュールと向い合う面に提供される制動パッドを含む制動ボディーと、前記電力が印加される場合だけに前記制動ボディーをホールディング(Holding)して前記制動ボディーと前記レールモジュールを選択的に接触させるが、前記電力が印加される場合磁力を発生させて前記制動ボディーが前記レールモジュールと離隔されるように前記制動ボディーをホールディングする電磁石を含むホールディング部材と、及び前記電力が遮られる場合前記制動ボディーを上向き傾いた方向に移動させて前記制動ボディーを前記レールモジュールと接触させる引張部材を含むことができる。
【0025】
一実施例によれば、前記移動体に固定されるベースボディーをさらに含み、前記引張部材の一端は前記ベースボディーに形成されたベースボディー係止部に固定され、前記引張部材の他端は前記制動ボディーに形成された制動ボディー係止部に固定されることができる。
【0026】
一実施例によれば、前記制動ボディーが上向き傾いた方向に移動されて前記レールモジュールと接触された以後、前記制動ボディーを下向き傾いた方向に移動させて前記制動ボディーを原位置させる復元部材をさらに含むことができる。
【0027】
一実施例によれば、垂直方向に延長されるレールモジュールに沿って磁気浮上方式で移動可能に提供される移動体に設置され、前記移動体を移動させる電力が遮られる場合前記移動体の非常落下を制動する制動ユニットは、前記レールモジュールと選択的に接触されて前記移動体の落下を制動するが、地面に水平な回転軸を中心に回転可能に提供され、前記回転軸を基準で非対称なカム形状を有して第1方向に回転されて前記レールモジュールと接触される外径には鋸歯が形成される制動ボディーと、前記電力が印加される場合だけに前記制動ボディーをホールディング(Holding)して前記制動ボディーと前記レールモジュールを選択的に接触させるが、前記電力が印加される場合前記制動ボディーが前記第1方向に回転されることを防止するソレノイドを含むホールディング部材と、及び前記電力が遮られる場合前記制動ボディーを前記第1方向に回転させて前記鋸歯を前記レールモジュールと接触させる引張部材を含むことができる。
【0028】
一実施例によれば、前記回転軸を中心とした弧形状のガイド溝が形成されるベースボディーをさらに含み、前記制動ボディーには、前記ガイド溝に挿入されるガイド突起が形成されて前記引張部材の一端は前記ベースボディーに形成されたベースボディー係止部に固定されて前記引張部材の他端は前記ガイド突起に固定されることができる。
【0029】
一実施例によれば、前記制動ボディーが前記第1方向に回転されて前記レールモジュールと接触された以後、前記制動ボディーを前記第1方向と逆方向である第2方向に回転させて前記制動ボディーを原位置させる復元部材をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施例によれば、磁気浮上垂直駆動モジュールを駆動する電力が遮られる場合、移動体の自由落下を制動することができる。
【0031】
また、本発明の一実施例によれば、タワーリフトを駆動する電力が遮られる場合、キャリッジモジュールの自由落下を制動することができる。
【0032】
本発明の効果が上述した効果らに限定されるものではなくて、言及されない効果らは本明細書及び添付された図面らから本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の一実施例によるタワーリフトが設置される半導体製造ラインの姿を概略的に見せてくれる図面である。
【
図2】本発明の一実施例によるタワーリフトのレールモジュールそしてキャリッジモジュールを見せてくれる斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例によるタワーリフトのレールモジュール、そして、キャリッジモジュールを見せてくれる平断面図である。
【
図4】本発明の一実施例による制動ユニットを見せてくれる図面である。
【
図5】
図4の制動ユニットがレールモジュールに沿って落下するキャリッジモジュールを制動する姿を見せてくれる図面である。
【
図6】
図4の制動ボディーが復元部材によって原位置に移動される姿を見せてくれる図面である。
【
図7】本発明の他の実施例によるタワーリフトのレールモジュール、そして、キャリッジモジュールを見せてくれる斜視図である。
【
図8】本発明の他の実施例による制動ユニットを見せてくれる図面である。
【
図9】
図8の制動ユニットの内部姿を見せてくれる図面である。
【
図10】
図8の制動ユニットが第1方向に回転される姿を見せてくれる図面である。
【
図11】
図8の制動ユニットがレールモジュールに沿って落下するキャリッジモジュールを制動する姿を見せてくれる図面である。
【
図12】
図8の制動ボディーが復元部材によって第2方向に回転されて原位置される姿を見せてくれる図面である。
【
図13】同じく、
図8の制動ボディーが復元部材によって第2方向に回転されて原位置される姿を見せてくれる図面である。
【
図14】同じく、
図8の制動ボディーが復元部材によって第2方向に回転されて原位置される姿を見せてくれる図面である。
【
図15】本発明の他の実施例によるタワーリフトの姿を見せてくれる図面である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では添付した図面を参照にして本発明の実施例に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明はいろいろ相異な形態で具現されることができるし、ここで説明する実施例で限定されない。また、本発明の望ましい実施例を詳細に説明するにおいて、関連される公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曇ることがあると判断される場合にはその詳細な説明を略する。また、類似機能及び作用をする部分に対しては図面全体にかけて等しい符号を使用する。
【0035】
ある構成要素を‘包含'するということは、特別に反対される記載がない限り他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。具体的に,“含む”または“有する”などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであって、一つまたはその以上の他の特徴らや数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものとして理解されなければならない。
【0036】
単数の表現は文脈上明白に異なるように志さない限り、複数表現を含む。また、図面で要素らの形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0037】
本実施例によるタワーリフトは物品を返送することに使用されることができる。特に、本実施例によるタワーリフトは物品が収納された容器を返送することができる。物品はウェハー硝子基板、またはレティクル(Reticle)であることがある。また、物品が収納される容器はFOUP(Front Opening Unified Pod)であることがある。また、物品が収納される容器はPODであることがある。また、物品が収納される容器は複数の印刷回路基板らを収納するためのマガジン、複数の半導体パッケージらを収納するためのトレーなどであることがある。
【0038】
図1は、本発明の一実施例によるタワーリフトが設置される半導体製造ラインの姿を概略的に見せてくれる図面である。
図1を参照すれば、半導体製造ライン10は複層構造を有することができる。例えば、半導体製造ライン10は第1層11、第2層12、そして、第3層13を有することができる。しかし、これに限定されるものではなくて、半導体製造ライン10が有する複層構造は、多様に変形されることができる。
【0039】
半導体製造ライン10にはタワーリフト100容器貯蔵部400、返送レール500、そして、半導体製造工程を遂行する半導体製造装置(図示せず)らが提供されることができる。
【0040】
タワーリフト(磁気浮上垂直駆動モジュールの一例)100は、半導体製造ライン10の各層11、12、13らの間に物品が収納された容器(F)を返送することができる。タワーリフト100はステージモジュール120、レールモジュール140、そして、キャリッジモジュール160を含むことができる。
【0041】
ステージモジュール120は半導体製造ライン10の各層11、12、13らの底に設置されることができる。ステージモジュール120は容器(F)を容器貯蔵部400に返送する返送レール500と結合されることができる。タワーリフト100が容器(F)を各層11、12、13に返送すれば、各層11、12、13に返送された容器は、返送レール500によって容器貯蔵部400に返送されることができる。
【0042】
レールモジュール140は垂直方向に延長されることができる。レールモジュール140は半導体製造ライン10の少なくとも二つの層らの間で垂直方向に延長されることができる。レールモジュール140は後述するキャリッジモジュール160の移動をガイドすることができる。また、レールモジュール140は後述するキャリッジモジュール160を垂直方向に移動させることができる。
【0043】
キャリッジモジュール(移動体の一例)160は、レールモジュール140に沿って移動可能に構成されることができる。例えば、キャリッジモジュール160はレールモジュール140に沿って垂直方向に移動可能に構成されることができる。キャリッジモジュール160は物品を返送するキャリッジ162を有することができる。キャリッジモジュール160は複数で提供されることができる。例えば、キャリッジモジュール160の数字は多様に変形されることができる。
【0044】
キャリッジモジュール160は物品が収納された容器(F)が安着される安着棚を有することができる。これと異なり、キャリッジモジュール160は容器(F)を把持するロボットを有することもできる。キャリッジモジュール160は容器(F)を移動させることができる多様な構造で変形されることができる。
【0045】
以下では、本発明の一実施例によるレールモジュール140、そして、キャリッジモジュール160に対して詳しく説明する。
【0046】
図2は、本発明の一実施例によるタワーリフトのレールモジュール、そして、キャリッジモジュールを見せてくれる斜視図であり、
図3は本発明の一実施例によるタワーリフトのレールモジュール、そして、キャリッジモジュールを見せてくれる平断面図である。
【0047】
図2と
図3を参照すれば、レールモジュール140はフレーム142、リニアモータコイル144、ガイドレール146、そして、電力発信部148を含むことができる。
【0048】
フレーム142は垂直方向に沿って延長されることができる。フレーム142はその長さ方向が垂直方向であることができる。フレーム142は半導体製造ライン10の壁(W)に固定設置されることができる。フレーム142には後述するリニアモータコイル144、ガイドレール146、そして、電力発信部148が結合されることができる。フレーム142は上部から眺める時全体的に'H'形状を有することができるが、これに限定されるものではなくてフレーム142の形状は多様に変形されることができる。
【0049】
リニアモータコイル144は後述するリニアモータマグネット164との相互作用でキャリッジ162を垂直方向に移動させることができる。前記相互作用はリニアモータコイル144及び/またはリニアモータマグネット164が発生する磁気力によることができる。リニアモータコイル144はフレーム142に設置されることができる。リニアモータコイル144は上部から眺める時キャリッジモジュール160と対向されるフレーム142の面に設置されることができる。リニアモータコイル144は概して
【数1】
形状を有することができる。
【0050】
また、リニアモータコイル144には電力ラインのようなインターフェースライン(図示せず)が連結されることができる。また、一対のリニアモータコイル144は複数で提供されることがある。複数で提供される一対のリニアモータコイル144らはフレーム142が延長される垂直方向に沿ってお互いに離隔されてフレーム142に設置されることができる。
【0051】
ガイドレール146はキャリッジモジュール160の自由度のうちで一部を拘束することができる。ガイドレール146はキャリッジモジュール160の垂直方向移動の自由度を除いて残りの自由度を拘束することができる。ガイドレール146は後述するキャリッジモジュール160が有するガイド部166と磁気力による斥力で離隔されることができる。ガイドレール146には電力ラインのようなインターフェースライン(図示せず)が連結されることができる。また、ガイドレール146とガイド部166のうちで何れか一つにはギャップセンサー(図示せず)が提供され、ギャップセンサーが測定する測定値に根拠して前記磁気力を制御することができる。これに、ガイドレール146とガイド部166との間の間隔は、実質的に一定に制御されることができる。
【0052】
ガイドレール146は少なくとも一つ以上提供されることができる。例えば、ガイドレール146は複数で提供されることができる。ガイドレール146らのうちで何れか一つは、フレーム142の一面に設置され、ガイドレール146らのうちで他の一つは、フレーム142の他面に設置されることができる。例えば、ガイドレール146らのうちで何れか一つはフレーム142の一側壁に設置され、ガイドレール146らのうちで他の一つはフレーム142の他の側壁に設置されることができる。また、ガイドレール146はその長さ方向がフレーム142の長さ方向とお互いに等しいことがある。
【0053】
電力発信部148は後述するキャリッジモジュール160の電力受信部168に電力を発信することができる。例えば、電力発信部148は非接触式に電力を供給する無接触電源供給装置(HID)構成のうちで何れか一つであることができる。電力発信部148はフレーム142に設置されることができる。電力発信部148はガイドレール146が設置されるフレーム142面らのうちで何れか一つに設置されることができる。例えば、電力発信部148はガイドレール146が設置されるフレーム142の面らのうちで一側壁に設置されることができる。電力発信部148には電力ラインのようなインターフェースライン(図示せず)が連結されることができる。
【0054】
キャリッジモジュール160は物品が収納された容器(F)を返送することができる。キャリッジモジュール160はレールモジュール140に沿って垂直方向に移動可能に構成されることができる。キャリッジモジュール160はレールモジュール140に沿って垂直方向に移動されて半導体製造ライン10の各層11、12、13らに物品が収納された容器(F)を返送することができる。キャリッジモジュール160はキャリッジ162、リニアモータマグネット164、連結ボディー165a、165b、ガイド部166、そして、電力受信部168を含むことができる。
【0055】
キャリッジ162は物品が収納された容器(F)が安着されることができる安着棚形状を有することができる。キャリッジ162には物品が収納された容器(F)を把持するロボット(図示せず)が提供されることができる。
図2ではキャリッジ162が3段の棚形状で示したが、これに限定されるものではなくて、キャリッジ162の形状は多様に変形されることができる。
【0056】
キャリッジ162にはリニアモータマグネット164が結合されることができる。リニアモータマグネット164は上述したリニアモータコイル144との相互作用でキャリッジ162を垂直方向に移動させることができる。前記相互作用はリニアモータコイル144及び/またはリニアモータマグネット164が発生する磁気力によることができる。
【0057】
また、リニアモータマグネット164は上部から眺める時全体的に
【数2】
形状を有することができる。これに、リニアモータコイル144の一部がリニアモータマグネット164の開放された部分に挿入されることができる。
【0058】
連結ボディー165a、165bは後述するガイド部166、そして、電力受信部168をキャリッジ162に結合させることができる。連結ボディー165a、165bは第1連結ボディー165a、そして、第2連結ボディー165bを含むことができる。第1連結ボディー165aと第2連結ボディー165bは、お互いに相異な形状を有することができる。第2連結ボディー165bはガイド部166、そして、電力受信部168をキャリッジ162に結合させることができる。第1連結ボディー165aはガイド部166をキャリッジ162に結合させることができる。
【0059】
ガイド部166は連結ボディー165a、165bによってキャリッジ162に結合されることができる。これに、キャリッジ162が移動されれば、ガイド部166はキャリッジ162と共に垂直方向に沿って移動されることができる。ガイド部166はフレーム142に設置されたガイドレール146のうちで少なくとも一部を囲む形状を有することができる。ガイド部166は上部から眺める時
【数3】
形状を有することができる。ガイド部166にはガイドレール146が挿入されることができる。これに、ガイド部166はガイドレール146と共にキャリッジモジュール160の垂直方向移動の自由度を除いて残りの自由度を拘束することができる。また、ガイドレール146とガイド部166のうちで何れか一つには、ギャップセンサー(図示せず)が提供され、ギャップセンサーが測定する測定値に根拠して前記磁気力を制御することができる。これに、ガイドレール146とガイド部166との間の間隔は、実質的に一定に制御されることができる。
【0060】
電力受信部168は電力発信部148で発信する電力を受信することができる。また、電力受信部168は電力発信部148と対向されるように設置されることができる。電力受信部168は非接触式に電力を供給する無接触電源供給装置(HID)構成のうちで何れか一つであることができる。第2連結ボディー165bを媒介でキャリッジ162と結合されることができる。これに、電力受信部168はキャリッジ162が移動されれば、キャリッジ162と共に垂直方向に沿って移動されることができる。
【0061】
本発明の一実施例によるキャリッジモジュール160は、リニアモータマグネット164を含んで、リニアモータマグネット164はリニアモータコイル144と相互作用でキャリッジ162をレールモジュール140に沿って移動させることができる。すなわち、本発明の一実施例によるキャリッジモジュール160は、磁気浮上方式でレールモジュール140に沿って移動することができる。一般なタワーリフトではタイミングベルトとプーリーの摩擦でキャリッジモジュールを移動させるが、この場合パーティクルが発生することがある。しかし、本発明の一実施例によるキャリッジモジュール160は、磁気浮上方式でレールモジュール1400に沿って移動することができる。これに、パーティクルが発生する問題を最小化することができる。
【0062】
また、キャリッジモジュール160は電力受信部168を含んで、電力発信部148から電力を非接触式で伝達を受けることができる。すなわち、キャリッジモジュール160を駆動することに必要な電力を非接触式で伝達を受けることができる。また、本発明は、電力ラインの連結が必要なリニアモータコイル144がフレーム142に設置され、電力ラインの連結が要求されないリニアモータマグネット164をキャリッジモジュール160を含むことができる。すなわち、電力ラインのようなインターフェースラインらはすべてレールモジュール140が有する構成らに連結され、キャリッジモジュール160にはインターフェースラインらが連結されないこともある。キャリッジモジュール160にインターフェースラインらが連結される場合、連結されたインターフェースラインらは複数のキャリッジモジュール160の運用を邪魔する要素で作用するが、本発明の一実施例によるキャリッジモジュール160にはインターフェースラインらが連結されなくて、複数のキャリッジモジュール160の運用をより容易にする。
【0063】
また、レールモジュール140が有する一対のリニアモータコイル144らは複数で提供され、フレーム142の長さ方向に沿ってお互いに離隔されてフレーム142に設置されることができる。
【0064】
制御機600はタワーリフト100を制御することができる。制御機600はレールモジュール140に沿ってキャリッジモジュール160が磁気浮上方式で移動できるようにタワーリフト100を制御することができる。また、制御機600はタワーリフト100の制御を実行するマイクロプロセッサー(コンピューター)でなされるプロセスコントローラーとオペレーターがタワーリフト100を管理するためにコマンド入力操作などを行うキーボードや、タワーリフト100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイなどでなされるユーザーインターフェースとタワーリフト100で実行される処理をプロセスコントローラーの制御で行うための制御プログラムや各種データ及び処理条件によって各構成部に処理を実行させるためのプログラム、すなわち、処理レシピが保存された保存部を具備することができる。また、ユーザーインターフェース及び保存部はプロセスコントローラーに接続されてあり得る。処理レシピは保存部のうちで保存媒体に保存されてあり得て、保存媒体はハードディスクであっても良く、CD-ROM、DVDなどの可搬性ディスクやフラッシュメモリーなどの半導体メモリーであることもある。
【0065】
このように本発明の一実施例によるキャリッジモジュール160は、磁気浮上方式でレールモジュール140に沿って移動されることができる。これに、キャリッジモジュール160を駆動する電力が遮られる場合、キャリッジモジュール160は墜落(自由落下)されることがある。これに、本発明の一実施例によるタワーリフト100のキャリッジモジュール160には第1制動ユニット200が設置されることができる。タワーリフト100を駆動する電力が遮られれば、キャリッジモジュール160が落下されることがあるが、第1制動ユニット200は電力が遮られた状態でもキャリッジモジュール160の落下を制動することができる。
【0066】
図4は、本発明の一実施例による制動ユニットを見せてくれる図面である。具体的に
図4では、タワーリフト100に電力が印加された状態の第1制動ユニット200の姿を見せてくれる。
図4を参照すれば、本発明の一実施例による制動ユニットである第1制動ユニット200は第1ベースボディー210、第1制動ボディー220、スライディングローラー230、第1引張部材240、第1ホールディング部材250、そして、第1復元部材260を含むことができる。
【0067】
第1ベースボディー210はキャリッジモジュール160に対して相対位置が固定されることができる。例えば、第1ベースボディー210はキャリッジモジュール160に固定結合されることができる。第1ベースボディー210には後述するガイドホール222に挿入される複数のガイドピン212が提供されることができる。ガイドピン212は後述する第1制動ボディー220のガイドホール222に挿入されて第1制動ボディー220の移動方向をガイドすることができる。また、第1ベースボディー210には第1ベースボディー係止部214が提供されることができる。第1ベースボディー係止部214は後述する第1引張部材240の一端であることがある係止掛けがねがかかって固定されることができる。
【0068】
第1制動ボディー220はレールモジュール140、より詳細には、レールモジュール140のフレーム142と選択的に接触されてキャリッジモジュール160の自由落下を制動することができる。第1制動ボディー220は正面から眺める時、鋭角を含む角部分が切断された直角三角形形状を有することができる。
【0069】
また、第1制動ボディー220はレールモジュール140のフレーム142と向い合う面に提供される制動パッド221を含むことができる。制動パッド221とフレーム142との間の間隔(G1)は略3~5mmであることがある。また、第1制動ボディー220には上述したガイドピン212らが挟まれることができるガイドホール222が形成されることができる。ガイドホール222はフレーム142を向ける方向に上向き傾いた方向に形成される長ホール形状を有することができる。これに、第1制動ボディー220は垂直方向に対して傾いた方向に移動されることができる。また、第1制動ボディー220には第1制動ボディー係止部224が提供されることができる。第1制動ボディー係止部224には後述する第1引張部材240の他端であることがある係止掛けがねが挟まれて固定されることができる。
【0070】
スライディングローラー230は第1ベースボディー210と第1制動ボディー220との間に提供されることができる。例えば、スライディングローラー230は第1制動ボディー220の傾いた面と第1ベースボディー210との間に提供されることができる。スライディングローラー230は第1制動ボディー220が傾いた方向に移動する場合第1制動ボディー220の移動がより滑らかになされるように助ける。
【0071】
第1引張部材240は電力が遮られる場合第1制動ボディー220を上向き傾いた方向に移動させ、第1制動ボディー220をレールモジュール140のフレーム142と接触させることができる。第1引張部材240は引張スプリング、そして、引張スプリングと連結される2個の掛けがねでなされることができるし、2個の掛けがねのうちで何れか一つは上述した第1ベースボディー係止部214にかかって固定され、2個の掛けがねのうちで他の一つは上述した第1制動ボディー係止部224に挟まれて固定されることができる。
【0072】
第1ホールディング部材250は電力が印加される場合だけに第1制動ボディー220をホールディング(Holding)して第1制動ボディー220とレールモジュール140のフレーム142と選択的に接触させることができる。例えば、第1ホールディング部材250はタワーリフト100に電力が印加される場合には第1制動ボディー220をホールディングし、タワーリフト100に電力が印加されない場合には第1制動ボディー220をホールディングしないこともある。
【0073】
また、第1ホールディング部材250は電磁石252とホールディングフレーム254を含むことができる。ホールディングフレーム254はキャリッジモジュール160に電磁石252を固定することができるし、電磁石252にはタワーリフト100を駆動する第1電源256が連結されることができる。例えば、第1電源256がタワーリフト100、第1制動ユニット200に電力を印加する場合には、電磁石252には電力が印加され、電磁石252は磁力を発生させて第1制動ボディー220をホールディングすることができる。この場合、第1制動ボディー220はレールモジュール140のフレーム142とお互いに離隔されることができる。
【0074】
第1復元部材260は第1制動ボディー220を移動させることができる。例えば、第1復元部材260は第1制動ボディー220を下向き傾いた方向に移動させることができる。第1復元部材260は第1駆動機262と第1復元ボディー264を含むことができる。第1駆動機262はモータであることができる。第1駆動機262は第1復元ボディー264を回転させることができる。第1復元ボディー264は第1制動ボディー220に形成され、前方に突き出された復元突起226を下に押し出して第1制動ボディー220を下向き傾いた方向に移動させることができる。
【0075】
図5は、
図4の制動ユニットがレールモジュールに沿って落下するキャリッジモジュールを制動する姿を見せてくれる図面である。
図5を参照すれば、タワーリフト100を駆動する電力が遮られれば、電磁石252に印加される電力も共に遮られる。この場合、電磁石252は磁力を発生させることができなくて、第1制動ボディー220をホールディングすることができない。これに、第1引張部材240の引張力によって第1制動ボディー220は、上向き傾いた方向に移動されることができる。これに、第1制動ボディー220の制動パッド221はレールモジュール140のフレーム142と接触され、これに第1制動ユニット200が設置されたキャリッジモジュール160の自由落下も制動されることができる。
【0076】
図6は、
図4の制動ボディーが復元部材によって原位置に移動される姿を見せてくれる図面である。
図6を参照すれば、第1制動ボディー220が上向き傾いた方向に移動されてレールモジュール140のフレーム142と接触された以後、タワーリフト100には再び電力が印加されることができる。この場合、第1復元部材260の第1復元ボディー264は回転されて第1制動ボディー220を下向き傾いた方向に移動させて第1制動ボディー220を原位置させることができる。第1制動ボディー220が原位置されれば、電磁石252の磁力を発生させ、これに第1ホールディング部材250は第1制動ボディー220を再びホールディングするようになる。
【0077】
図7は、本発明の他の実施例によるタワーリフトのレールモジュール、そして、キャリッジモジュールを見せてくれる斜視図である。
図7を参照すれば、キャリッジモジュール160には第2制動ユニット300が設置されることができる。
【0078】
図8は、本発明の他の実施例による制動ユニットを見せてくれる図面であり、
図9は
図8の制動ユニットの内部姿を見せてくれる図面である。具体的に、
図8、そして、
図9ではタワーリフト100に電力が印加された状態の第2制動ユニット300の姿を見せてくれる。
図8、そして、
図9を参照すれば、第2制動ユニット300は第1ベースボディー310、第2制動ボディー320、第2引張部材340、第2ホールディング部材350、そして、第2復元部材360を含むことができる。
【0079】
第2ベースボディー310は第2制動ボディー320より後の方に位置されることができる。例えば、第2ベースボディー310は第2制動ボディー320より壁(W)に接するように位置されることができる。第2ベースボディー310には後述する第2制動ボディー320の第1係止端321、そして、第2係止端322がかかる係止ピン312が提供されることができる。係止ピン312は第2ベースボディー310に向ける方向に突き出されることができる。
【0080】
また、第2ベースボディー310には後述する第2制動ボディー320が回転される回転軸を中心とした弧形状の第1ガイド溝315、そして、第2ガイド溝316が形成されることができる。第1ガイド溝315と第2ガイド溝315には後述する第2制動ボディー320に形成され、第2制動ボディー320から第2ベースボディー310に向ける方向に突き出される第1ガイド突起325、そして、第2ガイド突起326がそれぞれ挿入されることができる。これに、第2制動ボディー320が回転される場合第1ガイド突起325、そして、第2ガイド突起326がそれぞれ第1ガイド溝315と第2ガイド溝315に沿って移動されることができる。
【0081】
また、第2ベースボディー310には後述する第2引張部材340の一端である掛けがねがかかる第2ベースボディー係止部314が提供されることができる。
【0082】
第2制動ボディー320はレールモジュール140のフレーム142と選択的に接触されてキャリッジモジュール160の落下を制動することができる。第2制動ボディー320は地面に水平な回転軸を中心に回転可能に提供されることができる。
【0083】
また、第2制動ボディー320は回転軸を基準で非対称なカム形状を有することができる。第2制動ボディー320が回転されてレールモジュール140のフレーム142と接触される第2制動ボディー320の外径には鋸歯324が形成されることができる。また、第2制動ボディー320が第2ホールディング部材350によってホールディングされた状態で、第2制動ボディー320とフレーム142との間の間隔(G2)は略5mmであることがある。
【0084】
また、第2制動ボディー320は第1係止端321と第2係止端322を有して、第1係止端321と第2係止端322は第2制動ボディー320が回転されることによって、第2ベースボディー310の係止ピン312にかかることがある。これに、第2制動ボディー320が回転可能な角度は、第1係止端321、第2係止端322、そして、係止ピン312によって設定角度で制限されることができる。また、スライディング部323は第2制動ボディー320が回転されるうちに係止ピン312と触れ合う部分であることができる。
【0085】
第2引張部材340の一端である掛けがねは第1ガイド突起325にかかって固定され、第2引張部材340の他端である掛けがねは第2ベースボディー310に提供される第2ベースボディー係止部314にかかって固定されることができる。これに、タワーリフト100に電力が遮られる場合第2引張部材340は第2制動ボディー320を第1方向(例えば、
図9に示された例では時計方向)に回転させて第2制動ボディー320をレールモジュール140のフレーム142と接触させることができる。第2引張部材340の構造は上述した第1引張部材240と同一または類似であるので、繰り返される説明は略する。
【0086】
第2ホールディング部材350は電力が印加される場合だけに第2制動ボディー320の第1方向への回転をホールディングし、第2制動ボディー320とレールモジュール140のフレーム142を選択的に接触させることができる。第2ホールディング部材350はソレノイド352とホールディングヘッド354を含むことができる。ソレノイド352はホールディングヘッド354を直線移動させることができる。例えば、ソレノイド352にタワーリフト100を駆動する電力を印加する電源であることができる第2電源356が電力を印加する場合、ソレノイド352はホールディングヘッド354を前進させることができる。これと異なり、ソレノイド352に電力が遮られる場合、ソレノイド352はホールディングヘッド354を後退させることができる。また、ホールディングヘッド354は傾斜面を有することができる。また、タワーリフト100、ソレノイド352に電力が印加される場合ホールディングヘッド354は第2ガイド突起326をホールディングして第2制動ボディー320が第1方向に回転されることを防止することができる。
【0087】
第2復元部材360は第2制動ボディー320が第1方向に回転されてレールモジュール140のフレーム142と接触された以後第2制動ボディー320を第1方向と逆方向である第2方向に回転させて第2制動ボディー320を原位置させることができる。第2復元部材360はモータである第2駆動機362と第2復元ボディー364を含むことができる。第2復元ボディー364は第2方向に回転されることができる。第2復元ボディー364は第2ガイド突起326を第2方向に回転させて第2制動ボディー320を第2方向に回転させることができる。
【0088】
図10は、
図8の制動ユニットが第1方向に回転される姿を見せてくれる図面である。
図10を参照すれば、タワーリフト100に電力が遮られれば、ホールディングヘッド354は後進する。これに、第2ホールディング部材350は第2ガイド突起326をホールディングしなくなる。
【0089】
図11は、
図8の制動ユニットがレールモジュールに沿って落下するキャリッジモジュールを制動する姿を見せてくれる図面である。
図11を参照すれば、第2ホールディング部材350は第2ガイド突起326をホールディングしないので、第2引張部材340の引張力が第1ガイド突起325を第1方向に回転させることができる。これに、第2制動ボディー320の鋸歯324がフレーム142と接触されることができる。これに、キャリッジモジュール160が落下を制動することができるようになる。
【0090】
図12、
図13、そして、
図14は、
図8の制動ボディーが復元部材によって第2方向に回転されて原位置される姿を見せてくれる図面らである。タワーリフト100に電力が再び印加される場合、
図12に示されたように第2復元部材360は第2ガイド突起326を第1方向に逆方向である第2方向に回転させることができる。これに、第2制動ボディー320は第2方向に回転されることができる。以後、
図13に示されたところのようにホールディングヘッド354の末端が第2ガイド突起326と第2復元ボディー364との間に進入する。これに、第2ホールディング部材350は再び、第2制動ボディー320の回転をホールディングすることができるようになる。以後、
図14に示されたところのように第2復元ボディー364は原位置されることができる。
【0091】
前述したように本発明の制動ユニット200300は、電力が遮られた場合にレールモジュール140と接触されることができるように構成される。これに、タワーリフト100に電力が遮られてキャリッジモジュール160が自由落下することを制動することができる。
【0092】
また、第1制動ユニット200は広い接触面積を有して安定的にキャリッジモジュール160の落下を制動することができる長所がある。また、第2制動ユニット300は鋸歯324によってキャリッジモジュール160の制動距離を短くできる長所がある。
【0093】
このような第1制動ユニット200、第2制動ユニット300の長所をすべて有するように
図15に示されたようにキャリッジモジュール160には第1制動ユニット200、そして、第2制動ユニット300すべてが設置されることができる。また、この場合、第1制動ユニット200の広い接触面積を有するので、キャリッジモジュール160の制動時に搖れることを最小化するために第1制動ユニット200が第2制動ユニット300よりさらに高い位置に設置されることが望ましい。
【0094】
前述した例では、タワーリフト100が半導体製造ラインに提供されることを例にあげて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、タワーリフト100は物品の返送が要求される多様な製造ラインに同一または類似に適用されることができる。
【0095】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の技術的思想を具現するための望ましいか、または多様な実施形態を示して説明するものであり、本発明は多様な他の組合、変更及び環境で使用することができる。すなわち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、著わした開示内容と均等な範囲及び/または当業界の技術または知識の範囲内で変更または修正が可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態で本発明を制限しようとする意図ではない。また、添付された請求範囲は他の実施状態も含むものとして解釈されなければならない。このような変形実施らは本発明の技術的思想や見込みから個別的に理解されてはいけないであろう。
【符号の説明】
【0096】
10 半導体製造ライン
11 第1層
12 第2層
13 第3層
100 タワーリフト
120 ステージモジュール
140 キャリッジモジュール
200 第1制動ユニット
210 第1ベースボディー
212 ガイドピン
214 第1ベースボディー係止部
220 第1制動ボディー
221 制動パッド
222 ガイドホール
224 第1制動ボディー係止部
226 復元突起
230 スライディングローラー
240 第1引張部材
250 第1ホールディング部材
252 電磁石
254 ホールディングフレーム
256 第1電源
260 第1復元部材
262 第1駆動機
264 第1復元ボディー
300 第2制動ユニット
310 第2ベースボディー
312 係止ピン
314 第2ベースボディー係止部
315 第1ガイド溝
316 第2ガイド溝
320 第2制動ボディー
321 第1係止端
322 第2係止端
323 スライディング部
324 鋸歯
325 第1ガイド突起
326 第2ガイド突起
340 第2引張部材
350 第2ホールディング部材
352 ソレノイド
354 ホールディングヘッド
356 第2電源
360 第2復元部材
362 第2駆動機
364 第2復元ボディー
400 容器貯蔵部
500 返送レール
600 制御機