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特許7373021アプリケーションプログラム、通信システム、および救援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】アプリケーションプログラム、通信システム、および救援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20120101AFI20231025BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022088516
(22)【出願日】2022-05-31
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】阿南 美帆
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-194203(JP,A)
【文献】特開2019-008604(JP,A)
【文献】特開2003-298774(JP,A)
【文献】特開2013-114430(JP,A)
【文献】国際公開第2012/176344(WO,A1)
【文献】特表2013-511222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置Aのコンピュータにおいて動作するアプリケーションプログラムであって、
前記コンピュータに、
所定の事象が発生したことを示す情報が取得された場合、アプリケーションプログラム同士が互いに通信するサービスにおいて、前記アプリケーションプログラムがインストールされた、前記端末装置Aが存在する位置の近くに位置する不特定の一以上の端末装置Bに対して特定情報を送信させる処理を実行させるためのものであり、
前記特定情報は、救援が必要であるかを問い合わせる情報または救援に向かうことを提案する情報である、
アプリケーションプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
所定の事象が発生したことを示す情報が取得されていない場合、ユーザの指定に応じて、アプリケーションプログラム同士が互いに通信するサービスにおいて、登録されたアドレスを有する他の前記アプリケーションプログラムがインストールされた端末装置Cに対して情報を送信させる処理を実行させるための
請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項3】
前記端末装置Aは、車両に搭載または設置された装置であり、
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータに、
前記救援が必要であることを示す情報を取得した場合、前記救援が必要であると判定して、取得した前記端末装置Bの位置情報に基づいて前記車両を自動運転で前記端末装置Bの位置に向かわせる処理を実行させるための
請求項2に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項4】
前記端末装置Aは、車両に搭載または設置された装置であり、
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータに、
前記救援が必要であることを示す情報を取得した場合、前記救援が必要であると判定して、取得した前記端末装置Bの位置情報を示す情報を前記車両または端末装置Aの表示部に表示させる処理を実行させるための
請求項2に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項5】
前記端末装置Aは、車両に搭載または設置された装置であり、
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータに、
前記端末装置Bの位置情報の履歴を取得し、
前記所定の事象が発生する前は、前記位置情報に変化が生じていたが、前記所定の事象が発生した後、前記位置情報が変化していない場合、前記救援が必要であると判定して、取得した前記端末装置Bの位置情報に基づいて前記車両を自動運転で前記端末装置Bの位置に向かわせる処理を実行させるための
請求項1から3のうちいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項6】
前記端末装置Aは、車両に搭載または設置された装置であり、
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータに、
前記端末装置Bに対する操作の履歴および位置情報の履歴を取得し、
前記所定の事象が発生する前は、前記操作がされていたまたは位置情報に変化が生じていたが、前記所定の事象が発生した後、前記操作が所定時間されていなく、且つ位置情報が変化していない場合、前記救援が必要であると判定して、取得した前記端末装置Bの位置情報に基づいて前記車両を自動運転で前記端末装置Bの位置に向かわせる処理を実行させるための
請求項1から3のうちいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項7】
前記端末装置Aは、車両に搭載または設置された装置であり、
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータに、
前記車両に定員いっぱいの乗員が乗っていなく、且つ前記救援が必要であると判定した場合、前記端末装置Bの位置情報に基づいて前記車両を自動運転で前記端末装置Bの位置に向かわせる処理を実行させるための
請求項1から3のうちいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項8】
前記アプリケーションプログラムは、
車両に搭載または設置された前記端末装置Aにインストールされ、
前記端末装置Aの前記コンピュータに、
前記車両が走行する経路の付近に存在する前記不特定の一以上の端末装置Bに対して特定情報を送信させる処理を実行させるための
請求項1から3のうちいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項9】
請求項1または2に記載のアプリケーションプログラムが動作する端末装置Aと
サーバ装置と、を備え、
前記端末装置Aは、車両に搭載または設置された装置であり、
前記サーバ装置は、所定の事象が発生したことを示す情報が取得された場合、前記所定の事象が発生した発生位置に基づいて、第1エリアを設定し、前記第1エリアに含まれるユーザの数を特定し、前記発生位置に基づいて、第2エリアを設定し、前記第2エリアに含まれる前記車両の数を特定し、
前記ユーザの数に対して、前記第2エリアに含まれる車両であって前記車両に搭乗可能な人数が基準を満たす場合、前記第2エリアの前記車両に対して、存在する位置の近くに位置する不特定の一以上の端末装置Bに対して特定情報を送信させる指示を行い、
前記ユーザの数に対して、前記第2エリアに含まれる車両であって前記車両に搭乗可能な人数が基準を満たさない場合、前記ユーザの数に対して、前記車両に搭乗可能な人数が基準を満たすように前記第2エリアを拡大する、
通信システム
【請求項10】
前記端末装置Aは、車両に搭載または設置された装置であり、
前記車両は、所定の通信規格を用いて直接端末装置Bと通信する、
請求項1から3のうちいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項11】
車両が、
所定の事象が発生したことを示す情報が取得された場合、前記車両が存在する位置の近くに位置する不特定の一以上の端末装置に対して特定情報を送信し、前記特定情報は、救援が必要であるかを問い合わせる情報または救援に向かうことを提案する情報であり、
前記救援が必要であることを示す情報を取得した場合、前記救援が必要であると判定して、取得した前記端末装置の位置情報に基づいて自動運転で前記端末装置の位置に向かう、
救援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションプログラム、および救援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、登録された個人情報に基づいて、災害の発生時に救助対象者の優先度を設定した特定ユーザを識別して管理し、所定地域で災害が発生した情報を取得する災害情報取得部と、自動運転可能な車両の現在位置を取得する位置情報取得部と災害の情報を取得したときに、特定ユーザの位置までの走行ルートを示す情報に基づいて自動運転モードを実行する信号を出力する情報処理装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-060959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、人物(または動物)の救援については十分に考慮されていないため、人物の救援の支援することができない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情が考慮されたものであり、人物(または動物)の救援の支援を行うことができるアプリケーションプログラム、および救援方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、第1の端末装置のコンピュータにおいて動作するアプリケーションプログラムであって、前記コンピュータに、ユーザの指定に応じて、アプリケーションプログラム同士が互いに通信するサービスにおいて、登録されたアドレスを有する他のアプリケーションプログラムがインストールされた第2の端末装置に対して情報を送信させる処理と、トリガー情報を取得した場合、前記ユーザの指定に依らずに、前記アプリケーションプログラムがインストールされた、前記第1の端末装置が存在する位置の近くに位置する不特定の一以上の第3の端末装置に対して情報を送信させる処理と、を実行させるアプリケーションプログラムである。
【0007】
本発明の他の一態様は、端末装置Aのコンピュータにおいて動作するアプリケーションプログラムであって、前記コンピュータに、所定の事象が発生したことを示す情報が取得された場合、アプリケーションプログラム同士が互いに通信するサービスにおいて、前記アプリケーションプログラムがインストールされた、前記端末装置Aが存在する位置の近くに位置する不特定の一以上の端末装置Bに対して特定情報を送信させる処理と、を実行させ、前記特定情報は、救援が必要であるかを問い合わせる情報または救援に向かうことを提案する情報であるアプリケーションプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、人物(または動物でもよい)の救援の支援を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の概要について説明するための図である。
図2】通信システム1の機能構成の一例を示す図である。
図3】平常時の端末装置(通信アプリ12)の動作について説明するための図である。
図4】緊急時の端末装置(通信アプリ12)の動作について説明するための図である。
図5】端末装置10およびサーバ装置50により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6】端末装置10に表示されるインターフェース画面とサーバ装置50の処理とについて説明するための図である。
図7】端末装置10およびサーバ装置50により実行される処理の流れの他の一例を示すシーケンス図である。
図8】S52の範囲の特定について説明するための図(その1)である。
図9】S52の範囲の特定について説明するための図(その2)である。
図10】インターフェース画面IM5について説明するための図である。
図11】端末装置10およびサーバ装置50により実行される処理の流れの他の一例を示すシーケンス図である。
図12】通信ネットワークの一例を示す図である。
図13】端末装置10およびサーバ装置50により実行される処理の流れの他の一例を示すシーケンス図である。
図14】第2実施形態の概要について説明するための図である。
図15】車両Vが実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図16】車両Vが、救援を求めているユーザを判断する条件の一例を示す図である。
図17】車両Vが取得する情報の一例を示す図である。
図18】第3実施形態の処理の概要について説明するための図である。
図19】端末装置10、車両V、およびサーバ装置50により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図20】車両と端末装置とにより実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明のアプリケーションプログラム、および救援方法の実施形態について説明する。
【0011】
本実施形態の一態様のアプリケーションプログラムは、第1の端末装置のコンピュータにおいて動作するアプリケーションプログラムであって、前記コンピュータに、ユーザの指定に応じて、アプリケーションプログラム同士が互いに通信するサービスにおいて、登録されたアドレスを有する他のアプリケーションプログラムがインストールされた第2の端末装置に対して情報を送信させる処理と、トリガー情報を取得した場合、前記ユーザの指定に依らずに、前記アプリケーションプログラムがインストールされた、前記第1の端末装置が存在する位置の近くに位置する不特定の一以上の第3の端末装置に対して情報を送信させる処理と、を実行させるアプリケーションプログラムである。
【0012】
前記トリガー情報は、前記第1の端末装置が存在する位置の近くの第3の端末装置に、前記ユーザが救援を求めるための操作を行ったことに応じて生成される情報である。前記トリガー情報は、所定のサーバ装置から前記第1の端末装置の位置または前記位置の周辺で救援活動が必要な状況が生じていることを示す情報である。本実施形態の一態様のアプリケーションプログラムについては、例えば、第1実施形態で説明する。
【0013】
本実施形態の他の一態様のアプリケーションプログラムは、端末装置Aのコンピュータにおいて動作するアプリケーションプログラムであって、前記コンピュータに、所定の事象が発生したことを示す情報が取得された場合、アプリケーションプログラム同士が互いに通信するサービスにおいて、前記アプリケーションプログラムがインストールされた、前記端末装置Aが存在する位置の近くに位置する不特定の一以上の端末装置Bに対して特定情報を送信させる処理と、を実行させ、前記特定情報は、救援が必要であるかを問い合わせる情報または救援に向かうことを提案する情報であるアプリケーションプログラムである。本実施形態の一態様のアプリケーションプログラムについては、例えば、第2実施形態-第4実施形態で説明する。なお、第1実施形態-第5実施形態の内容を適宜組み合わされて実施されてもよい。
【0014】
<第1実施形態>
[概要]
図1は、第1実施形態の概要について説明するための図である。平常時では、ユーザは、サービスを利用して、相手(家族・友人など)の連絡先が分かる相手と連絡し合う。例えば、電話を行ったり、メールやメッセージなどを送受信したりする。平常時では、連絡先が分からない相手とは連絡はできない。災害・有事などの緊急時では、連絡先が分からない相手とユーザは電話を行ったり、メールやメッセージなどを送受信したりすることができる。例えば、ユーザからの位置が近い相手と緊急連絡を行うことができる。これにより、救援が必要なユーザは、近くにいるユーザに救援を要請することができる。
【0015】
[通信システム]
図2は、通信システム1の機能構成の一例を示す図である。通信システム1は、例えば、一以上のユーザの端末装置10と、サーバ装置50とを備える。端末装置10と、サーバ装置50とはネットワークNWを介して互いに通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、セルラー網など種々の通信網を含む。
【0016】
[端末装置]
端末装置Uは、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータなどの通信機能等を有するコンピュータ装置である。端末装置10は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより端末装置10の記憶装置に記憶されたアプリケーションプログラム(通信アプリ12)が実行されることで後述する各種処理を実行する。通信アプリ12は、ユーザ同士がコミュニケーションするためのアプリである。コミュニケーションは、通話で行われてもよいし、テキストで行われてもよい。通信アプリは、例えば、ソーシャルネットワーキングサービスを提供するアプリである。通信アプリ12は、端末装置10の販売時にインストールされているアプリであってもよいし、ユーザが端末装置10を購入後にアプリストアなどからインストールしたものであってもよい。また、通信アプリ12に代えて、通信アプリ12と同等の機能は、ニュースを提供するニュースアプリや、ショッピングサービスを提供するショッピングアプリなどに実装されていてもよい。
【0017】
[サーバ装置]
サーバ装置50は、例えば、通信アプリ12と協働してユーザにサービスを提供する。サーバ装置50は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することに各種処理を実行して、通信アプリ12と協働してユーザにサービスを提供する。サーバ装置50に含まれる機能構成の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。なお、以下で説明するサーバ装置50で実行される処理の一部または全部は他の装置(例えば車両)で実行されてもよい。また、本実施形態における他の装置で実行される処理の一部は、サーバ装置50が実行してもよい。
【0018】
記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SDカード、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、レジスタ等によって実現される。また、記憶装置の一部または全部は、NAS(Network Attached Storage)や外部ストレージサーバ装置等であってもよい。記憶装置には、例えば、ユーザの識別情報や、サービスで利用されているユーザの識別情報に対応付けられた通信先を示すアドレス等の情報が記憶されている。
【0019】
[平常時の動作]
図3は、平常時の端末装置(通信アプリ12)の動作について説明するための図である。例えば、端末装置10-1が、アドレスを指定して端末装置10-2および端末装置10-3と通信可能である。端末装置10-1は、端末装置10-2および端末装置10-3と、サーバ装置50を介して通信するが、図3ではサーバ装置50の図示は省略する(図4についても同様)。端末装置10-1は、端末装置10―4の連絡先を知らないため、端末装置10-4とは通信しない。
【0020】
[緊急時の動作]
図4は、緊急時の端末装置(通信アプリ12)の動作について説明するための図である。例えば、端末装置10-1が、アドレスを指定して端末装置10-2および端末装置10-3と通信可能であり、更に、端末装置10-1は、連絡先を知らない端末装置10-4と通信可能である。端末装置10-4は、端末装置10-1の近くに存在する(所定の距離以内の)端末装置である。近くとは、例えば、端末装置10-1のユーザを救援しに向かえると推定される距離である。
【0021】
[シーケンス図(その1)]
図5は、端末装置10およびサーバ装置50により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。サーバ装置50は、ユーザが救援を求めた場合に、端末装置10(第1の端末装置)の位置情報に基づいて、当該端末装置10の位置に存在する不特定の一以上の端末装置(第3の端末装置)を特定し、特定した端末装置10に端末装置10のユーザが救援を求めていることを示す情報を送信する。
【0022】
まず、ユーザが、端末装置10-1の通信アプリ12を操作して、緊急ボタンを操作したものとする(S10)。通信アプリ12は、緊急ボタンが操作されたことに応じて、緊急情報をサーバ装置50に送信する(S12)。
【0023】
サーバ装置50は、通信アプリ12がインストールされた端末装置10の位置情報に基づいて、緊急情報を送信した端末装置10の位置に近くの端末装置10を特定する(S14)。サーバ装置50は、例えば、通信アプリ12がインストールされた端末装置10の位置情報を所定間隔または処理のタイミングで取得している。S12で送信された情報に位置情報が含まれていてもよい。なお、上記の緊急情報を送信した端末装置10の近くの端末装置10は、安全が確認できている端末装置10のユーザであってもよい。例えば、サーバ装置50は、各端末装置10に安否の有無を回答するコンテンツを提供し、安全と回答したユーザの端末装置10を近くの端末装置10として扱ってもよい。
【0024】
次に、サーバ装置50は、近くの端末装置10-4の通信アプリ12にメッセージを送信する(S16)。次に、端末装置10-4の通信アプリ12は、送信されたメッセージをユーザに通知する(S18)。例えば、メッセージが端末装置10-4の表示部に表示されたり、音声で救援の要請が端末装置10-4のユーザにされたりする。通知には、端末装置10-1の位置情報が含まれてもよい。例えば、サーバ装置50は、端末装置10-1の位置情報と、地図情報のPOIや道路の情報とに基づいて、ユーザの位置の近くの目印を特定して、特定した目印の情報を通知してもよい。例えば、サーバ装置50は、位置情報(x1、y2)の情報を取得した場合、この位置情報の近くにスーパーマーケットAおよびB交差点があることを特定し、端末装置10-4のユーザに、スーパーマーケットAおよびB交差点に救援を求めているユーザが存在することを端末装置10―4のユーザに通知する。また、端末装置10-4の表示部には、端末装置10-1の位置情報と、端末装置10-4の位置情報とが地図情報に対応付けられた情報が表示されてもよいし、端末装置10-4から端末装置10-1までの経路が示されてもよい。これらの情報を含むコンテンツは、サーバ装置50が生成してもよいし、端末装置10-4の通信アプリ12が、サーバ装置50から端末装置10-1の位置情報を取得して生成してもよい。
【0025】
通知に応じて、端末装置10-4のユーザが、例えば救援に向かうなどのメッセージをサーバ装置50に送信すると(S20)、サーバ装置50が、端末装置10-4から送信されたメッセージを受信する(S22)。次に、サーバ装置50が、端末装置10-4から受信したメッセージを端末装置10-1に送信する(S24)。次に、端末装置10-1は、サーバ装置50から受信した、端末装置10-4から送信されたメッセージをユーザに通知する(S24)。
【0026】
上記のように、緊急時において、端末装置10-1は、連絡先を知らない近くのユーザに救援を求めることができる。
【0027】
[インターフェース画面について]
図6は、端末装置10に表示されるインターフェース画面とサーバ装置50の処理とについて説明するための図である。ユーザが、端末装置10-1の表示部に表示されたインターフェース画面IM1の緊急ボタンBを操作すると、サーバ装置50が、端末装置10-1の位置に近い端末装置10を特定する。サーバ装置50は、特定した一以上の端末装置10に対して、救援要請を行う。
【0028】
例えば、近くの端末装置10-1の表示部には、インターフェース画面IM2が表示される。インターフェース画面IM2には、例えば、救援に向かうかを問い合わせる画像や、端末装置10-1および端末装置10-4の位置、端末装置10-4から端末装置10-1までの経路が表示される。例えば、端末装置10-4のユーザが救援に向かう意思を示した場合、端末装置10-1の表示部に、その旨の情報が表示される。そして、例えば、端末装置10-1のユーザは、端末装置10-4のユーザと連絡を取り合って、救援を求める。例えば、端末装置10-1のユーザは、自身がいる場所の詳細などを端末装置10-4のユーザに提供して、救援を求める。
【0029】
上記のように、緊急時には、ユーザは容易に救援を求めることができる。例えば、ユーザは、連絡先を知らない近くのユーザに救援を求めることができる。
【0030】
なお、上記のように、災害・有事が発生して連絡先を知らなかった不特定のユーザと通信するモードに切り替わった場合、モードが切り替わる前にサービスで利用していたユーザ名に代えて、予め設定された災害・有事のモード用のユーザ名が利用されてもよい。また、この場合、通信アプリ12は、この予め定められたユーザ名を用いて不特定の他の端末装置10と通信し(他の端末装置10の表示部に表示させ)、災害・有事のモード用のモードであっても従前から連絡先を知っていたユーザと通信する場合は、モードが切り替わる前にサービスで利用していたユーザ名が利用されてもよい。
【0031】
これにより、不特定のユーザに対しては、違和感を与えることが抑制されたり、プライバシーを考慮したりすることができ、更に、従前からの知り合いに対しては、これまでと同じようにコミュニケーションを行うことができる。なお、この設定は(どのようにユーザ名を表示するかは)、ユーザが予め設定しておいてもよい。例えば、ユーザが、災害・有事のモードであっても一律に、災害・有事のモードで利用すると予め設定したユーザ名を誰に対しても利用すると設定した場合は、そのようにユーザ名が用いられる。また、災害・有事のモードにおいて、端末装置10のUDID(Unique Device Identifier)などの識別情報が表示されるようになっていてもよい。
【0032】
[シーケンス図(その2)]
図7は、端末装置10およびサーバ装置50により実行される処理の流れの他の一例を示すシーケンス図である。前述した図5のシーケンスでは、ユーザが緊急ボタンを操作することで、連絡を知らないユーザに救援を要請したが、本シーケンスでは、緊急時とサーバ装置50が判定した場合に、連絡を知らないユーザ同士が通信可能となる。
【0033】
まず、サーバ装置50が、災害・有事に関する情報を取得する(S50)。災害・有事に関する情報は、サーバ装置50の管理者が入力してもよいし、他のサーバ装置から取得されてもよい。災害・有事に関する情報とは、例えば、災害・有事が発生している、または発生すると予測されるエリア(緯度経度で規定されたエリア)や、災害・有事の種別などの情報を含む。
【0034】
次に、サーバ装置50は、災害・有事が発生したエリアに基づく範囲を特定する(S52)。詳細は、後述する図8で説明する。次に、サーバ装置50は、特定した範囲(例えば後述するエリアAR2や、エリアAR2#)に位置する端末装置10にメッセージを送信する(S54、S56)。例えば、端末装置10-1、端末装置10-4を含む端末装置10にメッセージが送信される。
【0035】
端末装置10-4は、サーバ装置50を介してメッセージを端末装置10-1に送信することができ(S58、S60、S62)、端末装置10-1は、端末装置10-1に送信されたメッセージをユーザに通知することができる(S64)。
【0036】
[範囲の特定(その1)]
図8は、S52の範囲の特定について説明するための図(その1)である。サーバ装置50は、災害・有事が発生したエリアAR1を包含する範囲であるエリアAR2を特定する。エリアAR1は、災害・有事が発生した位置から第1の距離の範囲であり、エリアAR2は、第1の距離よりも長い第2の距離の範囲である。
【0037】
エリアAR1は、例えば、発生した災害・有事が影響するエリアである。例えば、○○市○○地区で災害・有事が発生した場合、○○地区に対応するエリアまたは○○地区から所定距離や○○地区に隣接する地区を含むエリアである。エリアAR2は、エリアAR1に所定時間で到達できる距離に基づくエリアや、救援に向かうことが可能とされるエリアである。例えば、サーバ装置50の記憶装置には、地区や地域ごとにエリアAR1およびエリアAR2の情報が対応付けられた対応情報が記憶されていてもよい。サーバ装置50は、記憶装置に記憶された対応情報を参照して、各エリアを特定してもよい。
【0038】
[範囲の特定(その2)]
図9は、S52の範囲の特定について説明するための図(その2)である。サーバ装置50は、エリアAR2を特定し、エリアAR1に存在するユーザの数と、エリアAR2に存在する数とに基づいて、エリアAR2の大きさを決定してもよい。例えば、エリアAR1のユーザの数に対して、エリアAR2に存在し、且つエリアAR1に存在しないユーザの数が閾値以上となるように、エリアAR2を特定する。閾値は、例えば、エリアAR2に存在し、且つエリアAR1に存在しないユーザの数が、エリアAR1に存在する数のN倍であることである。「N」は、1.5倍や2倍などの任意の自然数である。
【0039】
図9の左の図のように、エリアAR1に二人のユーザが存在し、エリアAR2に存在し且つエリアAR1に存在しないユーザの数が3人である場合、図9の右図のようにエリアAR2をエリアAR2#に拡大して、エリアAR2に存在し且つエリアAR1に存在しないユーザの数が、エリアAR1のユーザの数の倍以上になるように拡大される。このように、サーバ装置50は、救援が必要と推定されるユーザの数に基づいて、エリアAR2を設定することにより、よりエリアAR1のユーザを救援することができる。
【0040】
上記のように、サーバ装置50は、特定したエリアAR2やエリアAR2#に位置するユーザ同士が連絡先を知らなくても通信可能なようにサービスを提供したり、救援に向かうことが可能な人に対して救援要請したりすることができる。
【0041】
サーバ装置50は、エリアを特定する際に、例えば、車両(または他の乗り物でもよい)に乗ったユーザを含めるようにエリアを特定してもよい。例えば、サーバ装置50は、位置情報の変化の履歴を取得し、取得した変化の履歴に基づいて、ユーザの時間ごとの移動軌跡から所定速度以上で移動しているユーザは、車両または列車に搭乗していると推定する。サーバ装置50は、地図情報と比較して線路上を移動していないユーザは車両に乗っていると推定する。そして、サーバ装置50は、車両に乗っているユーザが救援に向かう候補のユーザとして含まれるようにエリアを特定する。例えば、エリアAR1に含まれる人数が搭乗できる車両がエリアAR2に含まれるようにエリアAR2が調整される。これにより、救援が迅速に行えることが期待できる。
【0042】
また、サーバ装置50は、郊外などの都心以外では車両に乗っているユーザを含むようにエリアを特定し、都心では車両に乗っているかを考慮せずにエリアを特定してもよい。都心では、車両で移動すると時間が掛かることがあるためである。どの地域で、この判断基準が用いられるかを示す情報が記憶装置に記憶され、サーバ装置50は記憶装置に記憶された情報に基づいて採否を判断する。
【0043】
[インターフェース画面について]
エリアAR1に位置する端末装置10-1(または他の端末装置10)の表示部には、図10に示すインターフェース画面IM5が表示されてもよい。インターフェース画面IM5には、例えば、ボタンB2、B3、B4、および各端末装置10の位置と地図情報とが対応付けられた情報を含む。このインターフェース画面IM5に対応するコンテンツは、サーバ装置50が提供するものであってもよいし、通信アプリ12が、サーバ装置50から各端末装置10の位置情報を取得して、記憶装置に記憶された地図情報と合成して生成したものであってもよい。
【0044】
ボタンB2は、エリアAR2(またはエリアAR2のうちエリアAR1に位置する端末装置10以外の端末装置10)にメッセージを送信するためのボタンである。ユーザはボタンB2を操作してメッセージを送信すると、エリアAR2の端末装置10にメッセージが送信される。
【0045】
ボタンB3は、所定距離以内に位置する端末装置10にメッセージを送信するためのボタンである。所定距離以内とは、端末装置10から1km以内や2km以内の範囲である。ボタンB4は、ユーザが送信先を指定して指定した送信先にメッセージを送信するためのボタンである。ユーザは、例えば、自身の位置から最も近い端末装置10を指定して、当該端末装置10にメッセージを送信することができる。ユーザが、複数の端末装置10を指定すれば、指定された端末装置10にメッセージが送信される。上記の送信先は、災害・有事が発生する前は、ユーザが認知していなく、災害・有事が発生したことで通信可能とされる送信先である。例えば、インターフェース画面IM5に表示された端末装置のアイコンを指定することで送信先が指定される。
【0046】
例えば、ユーザは、ボタンB2を操作しても反応がない場合は、ボタンB3を操作して近くのユーザに救援を求めたり、送信先を指定して近くのユーザに救援を求めたりしてもよい。これとは反対に、ユーザは、ボタンB3、ボタンB4を操作してメッセージを送信しても反応がない場合、ボタンB2を操作して救援を求めることができる。
【0047】
上記のように、通信アプリ12またはサーバ装置50は、ユーザがより適切に救援を求められるようなインターフェース画面をユーザに提供することができる。
【0048】
上記のB2-B4は、「前記第1の端末装置と通信するための前記アドレスを特定するための情報」または「前記複数の端末装置が互いに通信するために前記サービスにおける前記端末装置の前記アドレス」の一例である。緊急・有事の情報が取得された場合、各端末装置10は、他の端末装置10のアドレスを通信アプリ12内では認識可能であるが、ユーザが認識できない態様となっている。ユーザは、上記のように、アドレスを入力することなく、提供されたアドレスを指定するためのボタンを操作することで、アドレスを認識することなく他の端末装置10と通信することができる。例えば、緊急・有事の状態が収束した後、緊急・有事の状態において連絡できていたユーザとは連絡できなくなる。例えば、サーバ装置50が、通信アプリ12と連携して、緊急・有事のモードと緊急・有事でないモードとを切り替えて、通信先を制御する。緊急・有事の状態においてもユーザ同士は連絡先を認識および共有しないため、ユーザのプライバシーなどの個人情報が保護される。
【0049】
[シーケンス図(その3)]
例えば、トリガー情報が取得される前は、第1の端末装置10は、ネットワークおよびサーバ装置50を介して、第2の端末装置10と通信し、トリガー情報(緊急・有事の情報)が取得された後は、第1の端末装置10は、ネットワークおよびサーバ装置50を介さずに、短距離無線通信を用いて第3の端末装置10と通信してもよいし、トリガー情報が取得される前後において短距離無線を利用して通信がされてもよい。
【0050】
図11は、端末装置10およびサーバ装置50により実行される処理の流れの他の一例を示すシーケンス図である。前述した図5図7では、端末装置10は、サーバ装置50を介して通信するものとして説明したが、本シーケンスでは、端末装置10はサーバ装置50を介さずに通信する。例えば、端末装置10は、近距離無線通信などの所定の通信規格を利用して通信する。例えば、Bluetooth(登録商標)や、Wi-Fi(登録商標)などの通信規格を利用した通信が行われる。
【0051】
まず、サーバ装置50が、災害・有事に関する情報を取得する(S100)。次に、サーバ装置50は、災害・有事が発生したエリアに基づく範囲を特定する(S102)。次に、サーバ装置50は、特定した範囲に位置する端末装置10に通信アプリ12の起動指示を送信する(S104、S106)。端末装置10は、この起動指示を受信すると、通信アプリ12が起動して、所定の通信規格を利用した通信を行い、周辺の端末装置10と通信することを試行する。そして、端末装置10が、通信を確立し(S108)、互いにメッセージを送受信することができる(S110,S112)。
【0052】
上記のように、端末装置10は、サーバ装置50を介さずに他の端末装置10と通信して、救援を求めることができる。
【0053】
[通信ネットワークについて]
端末装置10-1は、直接通信できない端末装置10と、他の通信可能な端末装置10を介して通信してもよい。例えば、第1の端末装置10は、短距離無線を利用して第3の端末装置10と通信し、第3の端末装置10は、短距離無線を利用して、他のアプリケーションプログラムがインストールされた第4の端末装置10と通信し、第1の端末装置10は、第3の端末装置10を介して、第4の端末装置10と通信してもよい。
【0054】
図12は、通信ネットワークの一例を示す図である。複数の端末装置10は、ツリー型やメッシュ型のような通信ネットワークを形成する。例えば、端末装置10-1と端末装置10-4とは、距離が遠いため利用している通信規格を用いた通信では直接通信できない。この場合、端末装置10-1は、通信可能な端末装置10-5を中継端末装置として、端末装置10-4と通信する。これにより、端末装置10-1は、直接通信できない端末装置10-5と、端末装置10-5を介して通信することができる。
【0055】
なお、ネットワークに含まれる端末装置10の数は、所定数であってもよいし、端末装置10-1の位置から所定距離以内の数であってもよい。例えば、通信アプリ12は、ネットワークを形成している端末装置10の数を他の端末装置10から取得して、更に自身を上記の数に加算し、加算した数を他の端末装置10に提供する。これにより、端末装置10は、ネットワークを形成する端末装置10の数を認識し、数が閾値以上である場合、ネットワークを形成するために他の端末装置10と通信することを停止してもよい。また、端末装置10は、他の端末装置10から端末装置10-1の位置情報を取得して、自身の位置情報を参照して、他の端末装置10をネットワークに含めるか否かを決定してもよい。例えば、自身の位置が基準位置から所定距離を超えている場合、ネットワークを拡大することが停止されてもよい。
【0056】
[シーケンス図(その4)]
例えば、トリガー情報が取得される前は、第1の端末装置10は、ネットワークおよびサーバ装置50を介して、第2の端末装置10と通信し、トリガー情報が取得された後は、第1の端末装置10は、ネットワークおよびサーバ装置50を介さずに、短距離無線通信を用いて第3の端末装置10と通信してもよいし、トリガー情報が取得される前後において短距離無線を利用して通信がされてもよい。
【0057】
図13は、端末装置10およびサーバ装置50により実行される処理の流れの他の一例を示すシーケンス図である。前述した図11では、サーバ装置50が通信アプリ12を起動させるものものとして説明したが、本シーケンスでは、端末装置10が、直接、通信可能な端末装置10を探索して通信を確立する。
【0058】
まず、ユーザが、端末装置10-1の通信アプリ12を操作して、緊急ボタンを操作したものとする(S200)。通信アプリ12は、緊急ボタンが操作されたことに応じて、通信可能な端末装置10探索する(S202)。端末装置10-1は、探索に応じた端末装置10-4を検出した場合、検出した端末装置10-4と通信アプリ12を利用した通信を確立する(S204)。これにより、端末装置10-1と端末装置10-4とは、メッセージを送受信することができる(S206、S208)。
【0059】
上記のように、端末装置10は、端末装置10の発意によって周辺の端末装置10と通信することができる。例えば、サーバ装置50と通信するためのネットワークが不調である場合であっても、端末装置10は、周辺の端末装置10と通信して、救援を求めることができる。なお、上述した図11のシーケンスの処理と重畳して実施され、より確実に周囲に救援を求められるように構成されてもよい。
【0060】
以上説明した第1の実施形態によれば、通信アプリ12が、トリガー情報を取得した場合、ユーザの指定に依らずに、通信アプリ12がインストールされた、第1の端末装置10が存在する位置の近くに位置する不特定の一以上の第3の端末装置10に対して情報を送信させる処理を実行させることにより、人物の救援の支援を行うことができる。
【0061】
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、コンピュータに、所定の事象が発生したことを示す情報が取得された場合、アプリケーションプログラム同士が互いに通信するサービスにおいて、前記アプリケーションプログラムがインストールされた、前記端末装置Aが存在する位置の近くに位置する不特定の一以上の端末装置Bに対して特定情報を送信させる処理と、を実行させ、前記特定情報は、救援が必要であるかを問い合わせる情報または救援に向かうことを提案する情報であるアプリケーションプログラム(通信アプリ12)に係る実施形態である。
【0062】
このアプリケーションプログラムは、所定の事象が発生したことを示す情報が取得されていない場合は、コンピュータに、登録されたアドレスを有する他のアプリケーションプログラムがインストールされた端末装置Cに対して情報を送信させる処理を実行させてもよい。すなわち第1実施形態で説明したように、所定の事象が発生する前は知り合いのみと通信し、所定の事象が発生した後は、知り合い以外のユーザと通信してもよい。以下の説明では、アプリケーションプログラムは、車両に搭載(例えば車載装置)または設置された装置(携帯端末装置)にインタされているものとして説明するが、これに限定される、歩行者が保持する携帯端末装置にインストールされていてもよい。
【0063】
[概要]
図14は、第2実施形態の概要について説明するための図である。災害・有事などの情報を車両が取得した場合(1)、車両Vが、不特定の端末装置10に車両Vに乗って避難することを提案する(2)。提案を受け入れる場合、ユーザの端末装置10は、位置情報を車両に送信する(3)。車両Vは、送信された位置情報に基づいて、ユーザの救援に向かう。なお、車両に代えて、他のユーザの端末装置10が、近くのユーザの端末装置10に避難することを提案してもよい。例えば、5Gの通信規格や所定の無線通信の通信規格を用いて車両Vは、端末装置10や他の車両Vと通信して、以下の処理を実行する。
【0064】
例えば、車両Vは、自動運転車両である。車両Vは、自動運転制御装置100や、不図示の通信部などを備える。自動運転制御装置100は、周辺を監視するセンサの検出結果に基づいて、物体に接近せず、道路の所定の位置を走行するように、車両の駆動装置や、制動装置、操舵装置などを制御して、目的地に向かって走行する。また、本実施形態では、車両Vに代えて、人や動物を救援できるロボットや移動体であってもよい。
【0065】
[フローチャート]
図15は、車両Vが実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、車両Vが、緊急・有事の情報を取得したか否を判定する(S300)。緊急・有事の情報は、他のサーバ装置から取得してもよいし、車両Vが、車両Vの所定のセンサの検出結果や、車両Vのカメラにより撮像された画像に基づいて周辺の状況を検知して、緊急・有事であると判定してもよい。例えば、車両Vは、周辺の雨量が所定量以上であると判定した場合、緊急の状態であると判定してもよい。
【0066】
車両Vが緊急・有事の情報を取得した場合、車両Vが避難経路を設定する(S302)。例えば、車両Vは、緊急・有事の影響が小さい、または無いエリアに向かう経路を生成する。例えば、車両Vは、緊急・有事の影響が小さい、または無いエリアの情報は、他のサーバ装置から取得してもよいし、緊急・有事のエリアから推定してもよい。例えば、緊急・有事のエリアから所定距離離れたエリアが緊急・有事の影響が小さい、または無いエリアとされてもよい。
【0067】
次に、車両Vは、車両Vに乗車可能な人数を特定する(S304)。例えば、車両Vは、車両Vのカメラの画像や、座席に設けられたセンサの検出結果に基づいて、車両Vに乗っている乗員または搭乗可能な人数を特定する。車両Vは、車両Vに定員いっぱいの乗員が乗っていない場合、後述するS306の処理を行い、定員いっぱいの乗員が乗っている場合は、S306の処理を省略してもよいし、他の車両Vや端末装置10に救援の支援の要請をしてもよい。
【0068】
次に、車両Vは、経路付近の端末装置10に避難をレコメンドする(S306)。経路付近の端末装置10に避難をレコメンドすることに代えて、緊急・有事が発生しているエリアの端末装置10にレコメンドがされてもよい。レコメンドとは、車両Vに乗車して、避難することのレコメンドである。例えば、車両Vは、第1実施形態において説明したようにサーバ装置50を介して、端末装置10と通信してもよいし、サーバ装置50を介さずに直接端末装置10と通信してもよい。
【0069】
次に、車両Vは、レコメンドに応じた端末装置10から位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて経路を修正して、修正した経路に基づいて走行する(S308)。これにより本フローチャートの処理が終了する。なお、上記処理の一部は、サーバ装置50が実行してもよい。例えば、サーバ装置50が、車両Vの位置情報や経路を取得して、周囲の端末装置10にレコメンドしてもよいし、サーバ装置50が、端末装置10から救援の依頼を受けて、車両Vに救援先の情報を送信してもよい。例えば、サーバ装置50は、依頼を受けたユーザの位置に近くの車両Vに救援を依頼する。
【0070】
これにより、車両Mは、救援を求めているユーザを乗せて、ユーザを安全な場所に移動させることができる。
【0071】
なお、車両Vが自動運転車両でなく、手動運転車両や半自動運転車両であり、救援が必要であることを示す情報を取得した場合、通信アプリ12は、救援が必要であると判定して、救援を求めているユーザの端末装置10の位置情報(例えば地図上の位置)を示す情報を車両Vまたは端末装置10の表示部に表示させる。これにより、車両Vのドライバは、表示部に表示された情報を参照して、ユーザの救援に向かうことができる。
【0072】
[車両Vが救援に向かうユーザを判断する条件について]
図16は、車両Vが、救援を求めているユーザを判断する条件の一例を示す図である。条件1は、上述したようにユーザがレコメンドに応じる操作を行ったことである。この操作が行われると、車両Vは、端末装置10またはサーバ装置50を介して、救援を求める情報を取得する。この場合、車両Vは、ユーザが救援を求めていると判定する。
【0073】
条件2は、緊急・有事の情報が取得される前は、位置が変化していたが、緊急・有事の情報が取得された後は、所定時間位置が変化していないことである。車両Aの通信アプリ12は、端末装置10の位置情報の履歴を取得し、所定の事象が発生する前は、位置情報に変化が生じていたが、所定の事象が発生した後、位置情報が変化していない場合、救援が必要であると判定して、取得した端末装置10の位置情報に基づいて車両Vを自動運転で端末装置Bの位置に向かわせる。この場合、緊急・有事が発生したことに応じて、ユーザが動けなくなっている可能性が高いためである。
【0074】
また、この場合、車両Vは、ユーザに安否を回答するコンテンツを提供し、回答の結果に基づいて、本当にユーザが動けなくなっている状態であるかを確認してもよい。例えば、回答が送信されない場合、本当に動けなくなっていると判断される。
【0075】
条件3は、端末装置10が操作されていなく、所定時間、端末装置10の位置が変化していないことである。車両Aの通信アプリ12は、端末装置10に対する操作の履歴および位置情報の履歴を取得し、所定の事象が発生する前は、操作がされていたまたは位置情報に変化が生じていたが、所定の事象が発生した後、操作が所定時間されていなく、且つ位置情報が変化していない場合、救援が必要であると判定して、取得した端末装置10の位置情報に基づいて車両Vを自動運転で端末装置10の位置に向かわせる。この場合、緊急・有事の事象により、ユーザが動けなくなっている可能性があるためである。また、この場合も、条件2で説明したようにユーザの回答結果に応じて、本当にユーザが動けなくなっているかが判断されてもよい。
【0076】
車両Vは、例えば、図17に示すようにユーザの時刻ごとの端末装置10の操作の有無(例えばブラウザを操作など操作の内容)や、位置情報を通信アプリ12から取得する。車両Vは、例えば、ユーザ「001」が、時刻T、T+1において端末装置10を操作し、端末装置10の位置が変化していたが、時刻T+10の前に端末装置10の操作がされなくなり、位置情報が変化しなくなった時間が所定時間以上となった場合、上述した条件3を満たしたと判定する。
【0077】
なお、通信アプリ12は、端末装置10に対する操作(ブラウザの起動やタップ操作などの操作の内容)を定期的に車両V(またはサーバ装置50)に送信してもよい。また、車両Vは、例えば、緊急・有事が発生した時から所定時間後に、端末装置10の通信アプリ12に対して、緊急・有事が発生した時の前後の操作の情報および位置情報を送信するように依頼し、依頼に応じた情報を取得してもよい。そして、車両Vは、取得した情報に基づいて、条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0078】
上記のように、条件が満たされた場合、車両Vは、救援を求めている可能性があるユーザを認識することができる。例えば、車両Vは、動けなくなったり、端末装置10を操作できなくなったりしているユーザの救援に向かうことができる。
【0079】
以上説明した第2実施形態によれば、端末装置10のコンピュータに、所定の事象が発生したことを示す情報が取得された場合、通信アプリ12がインストールされた、端末装置10(車両V)が存在する位置の近くに位置する不特定の一以上の端末装置10に対して特定情報を送信させることにより、人物の救援の支援を行うことができる。
【0080】
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。上述した第2実施形態では、車両Vが、緊急・有事の情報を取得した場合、救援のレコメンドを行うものとした。第3実施形態では、サーバ装置50が、緊急・有事が影響するエリアのユーザの数と、車両Vに搭乗可能な数とに基づいて、救援のレコメンドを行う車両を決定する。サーバ装置50は、所定の事象(緊急・有事の事象)が発生したことを示す情報が取得された場合、所定の事象が発生した発生位置に基づいて、第1エリアを設定し、第1エリアに含まれるユーザの数を特定し、発生位置に基づいて、第2エリアを設定し、第2エリアに含まれる車両の数を特定する。サーバ装置50は、ユーザの数に対して、第2エリアに含まれる車両であって車両に搭乗可能な人数が基準を満たす場合、第2エリアの車両に対して、存在する位置の近くに位置する不特定の一以上の端末装置10に対して特定情報(救援が必要であるかを問い合わせる情報または救援に向かうことを提案する情報)を送信させる指示を行う。第1エリアは、例えば、所定の事象が影響するエリアである。第2エリアは、第1エリアと同じであってもよいし、第1エリアを包含する広いエリアであってもよい。
【0081】
サーバ装置50は、ユーザの数に対して、第2エリアに含まれる車両であって車両に搭乗可能な人数が基準を満たさない場合、ユーザの数に対して、車両に搭乗可能な人数が基準を満たすように第2エリアを拡大する。そして、拡大したエリアの車両に搭乗可能な人数が基準を満たす場合、拡大したエリアの車両に対して、近くに位置する不特定の一以上の端末装置10に対して特定情報を送信させる指示を行う。上記の近くとは、例えば、第1エリア内であって、車両Vの近くである。なお、サーバ装置50は、第2エリアの車両Vに対して、上記の不特定の一以上の端末装置10に対して特定情報を送信させる指示を行った後、エリアを拡大し、その後の処理を行い、指示を行っていない車両Vに対して、上記の不特定の一以上の端末装置10に対して特定情報を送信させる指示を行ってもよい。
【0082】
図18は、第3実施形態の処理の概要について説明するための図である。サーバ装置50は、緊急・有事の情報を取得した場合、影響があるエリアAR10を設定する。サーバ装置50は、エリアAR10において、救援の必要があるユーザの数を推定する。例えば、サーバ装置50は、端末装置10から取得した情報に基づいて、上述した第2実施形態で説明したような条件を満たしたユーザの数を推定する。更に、サーバ装置50は、エリアAR10内の車両Vから搭乗可能な人数を取得する。サーバ装置50は、搭乗可能な人数と、救援の必要があるユーザとの人数とを比較して、搭乗可能な人数が閾値以上であるか否かを判定する。閾値とは、救援の必要があるユーザの数よりも多い値であり、例えば、救援の必要があるユーザの数に余裕を持たせた数である。
【0083】
搭乗可能な人数が閾値以下である場合、サーバ装置50は、エリアAR10を拡大させたエリアAR10#を設定して、エリアAR10#内の車両が搭乗可能な人数を取得する。このようにエリアを拡大する処理が閾値を満たすように実行される。例えば、エリアAR10#に拡大することで、エリアAR10では含まれなかった車両V3が含まれるようになり、搭乗可能な人数が閾値以上となる。これにより、救援の必要があるユーザを搭乗させる車両Vが確保される。例えば、サーバ装置50は、車両V3に救援に向かうことを要請し、車両Vは、周囲のユーザに搭乗をレコメンドする。
【0084】
例えば、上述した第2実施形態で説明したように、緊急・有事の情報を取得した場合、緊急・有事に対応するエリアの車両Vが、救援の必要があるユーザを救援するが、これらの車両では、搭乗可能な人数の問題でエリアにおける救援の必要があるユーザを救援することができないことがある。これに対して、上記のように、エリアAR10#を拡大させ、車両Vの数を増加させることにより、エリアのおけるユーザを救援することができる。
【0085】
[シーケンス図(その1)]
図19は、端末装置10、車両V、およびサーバ装置50により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。サーバ装置50の処理を中心に説明する。
【0086】
まず、サーバ装置50が、災害・有事の情報を取得し(S400)、取得した災害・有事に影響する範囲であるエリアを特定する(S402)。次に、サーバ装置50は、エリアに含まれる車両Vに搭乗可能な人数の送信を依頼する(S404)。車両Vは、依頼に応じて搭乗可能な人数の情報をサーバ装置50に送信する(S406)。
【0087】
例えば、ユーザが、端末装置10を操作して救援の要請を行った場合、救援の要請の情報がサーバ装置50およびユーザの近くの車両Vに送信される(S408、S410)。サーバ装置50は、エリアにおける車両に搭乗可能な人数が、救援が必要な人数に基づく閾値以上であるか否かを判定する(S412)。エリアにおける車両に搭乗可能な人数が、救援が必要な人数に基づく閾値以上である場合、サーバ装置50は、エリアを拡大して、拡大したエリアに含まれる車両に救援を要請する(S414)。
【0088】
以上説明した第3実施形態によれば、サーバ装置50が、救援に向かう車両の数を調整するため、エリアのユーザの救援をより確実に行うことができる。
【0089】
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。上述した第3実施形態では、サーバ装置50が、車両Vに救援に向かうことを要請するものした。第4実施形態では、車両Vが、他の車両Vに救援要請を行う。
【0090】
[シーケンス]
図20は、車両と端末装置とにより実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。車両V1が、緊急・有事の情報を取得したものとする(S500)。次に、車両Vは、経路付近の端末装置に避難のレコメンドを行う(S502)。図示する例では、端末装置10-1にレコメンドを行っているが、他の端末装置10にもレコメンドを行っているものとする。
【0091】
レコメンドに応じて、ユーザが端末装置10を操作して救援の要請を行ったものとする(S504、S506)。例えば、車両V1は、端末装置10-1および他の端末装置10から要請を受けたものとする。
【0092】
次に、車両Vは、搭乗可能な人数を超えるユーザから救援の要請を受けたか否かを判定する(S508)。搭乗可能な人数を超える要請を受けた場合、車両V1は、近くの他の車両Vnに救援の要請を行う(S510)。例えば、車両V1は、救援を要請しているユーザの位置情報を車両Vnに送信する。要請を受けた車両Vnは、位置情報に基づいてユーザの救援に向かう(S510)。例えば、車両同士は、所定の通信規格を用いて直接通信してもよいし、サーバ装置50を介して通信してもよい。
【0093】
以上説明した第4実施形態によれば、車両Vが、救援に向かう車両の数を調整するため、エリアのユーザの救援をより確実に行うことができる。
【0094】
また、上記の実施形態において、UDID(Unique Device Identifier)や、端末装置の製造番号(IMEI)、MEID(Mobile Equipment Identifier)、ESN(Electronic Serial Number)などの識別子を用いて端末装置同士で通信を行ってもよい。例えば、識別子を用いた通信規格が存在しているものとする。この通信規格は、識別子を送信先として指定すると、メッセージの送受信やメール、通話などが行えるものとする。例えば、サーバ装置50は、所定のエリアに位置している上記の識別子の端末装置10を特定し、特定した識別子を指定して、救援の要請などのメッセージを送信してもよい。
【0095】
また、無線LANの識別情報であるSSID(Service Set Identifier)を用いて通信が行われてもよい。例えば、サーバ装置50は、SSIDとSSIDに対応する無線LANの位置情報(例えば緯度経度)とが対応付けられた情報を保持している。サーバ装置50は、上記の情報を参照して所定のエリアに位置する無線LANに救援要請メッセージを送信することを要請する。この要請を受けた無線LANは、通信可能な端末装置10と通信して、近くに救援が必要なユーザが存在することや、サーバ装置50から取得し、救援が必要な位置情報を通信可能な端末装置10に送信してもよい。また、無線LANがハブとなり、無線LANが通信可能なエリアに存在する端末装置10同士のメッセージの送受信を仲介してもよい。例えば、緊急・有事の情報を無線LANが取得した場合、無線LANのモードが切り替わり、上記の処理を実行してもよい。
【0096】
また、無線LANは、緊急・有事の情報を取得した場合、無線LANが通信可能な端末装置10に救援の要否を問い合わせ、救援が必要との回答があった端末装置10が存在する場合、自身のSSIDのネーミングを緊急時用のネーミングに変更してもよい。緊急時用のネーミングとは、自身の位置情報を示すネーミングや、自身の位置情報または端末装置10から送信された位置情報と共に救援が必要であることを示すネーミングである。これらの情報はサーバ装置50、他の無線LAN、無線LAN通信可能な他の端末装置10に提供される。これにより、救援の必要性を他の装置に伝達することができる。
【0097】
以上説明した実施形態によれば、通信アプリ12を利用して、所定の事象が発生したときに、連絡先を知らない者同士が通信可能となることで、人物(動物でもよい)の救援の支援を行うことができる。
【0098】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0099】
1‥通信システム
10‥端末装置
12‥通信アプリ
50‥サーバ装置
V‥車両
【要約】
【課題】人物(または動物でもよい)の救援の支援を行うこと。
【解決手段】端末装置Aのコンピュータにおいて動作するアプリケーションプログラムであって、前記コンピュータに、所定の事象が発生したことを示す情報が取得された場合、アプリケーションプログラム同士が互いに通信するサービスにおいて、前記アプリケーションプログラムがインストールされた、前記端末装置Aが存在する位置の近くに位置する不特定の一以上の端末装置Bに対して特定情報を送信させる処理と、を実行させ、前記特定情報は、救援が必要であるかを問い合わせる情報または救援に向かうことを提案する情報であるアプリケーションプログラム。
【選択図】図13
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20