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特許7373048エレベータのかご内操作盤取付構造、エレベータのかご室およびエレベータのかご内操作盤取付方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】エレベータのかご内操作盤取付構造、エレベータのかご室およびエレベータのかご内操作盤取付方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/02 20060101AFI20231025BHJP
【FI】
B66B11/02 N
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022188677
(22)【出願日】2022-11-25
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】舒 康蘭
(72)【発明者】
【氏名】清水 啓史
(72)【発明者】
【氏名】西田 岳人
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-177108(JP,A)
【文献】国際公開第2016/147248(WO,A1)
【文献】特開平11-060116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/00-11/08
B66B 1/00- 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのかご室を構成するとともに壁開口部を含む内壁板に、かご内操作盤を取り付けるためのエレベータのかご内操作盤取付構造であって、
前記壁開口部に配置されるとともに前記内壁板に支持されたボックスと、
前記かご内操作盤の上部に設けられた上側操作盤板部であって、上下方向に延びるとともに前記かご内操作盤を前記ボックスに支持させる上側操作盤板部と、
前記かご内操作盤の下部に設けられた下側操作盤板部であって、前記かご内操作盤を前記ボックスに支持させる下側操作盤板部と、
を備え、
前記ボックスは、前記内壁板に対して前記かご室の内側に配置された上側ボックス板部であって、前記内壁板との間に挿入隙間を形成する上側ボックス板部と、前記下側操作盤板部が取り付けられた下側ボックス板部と、を含み、
前記挿入隙間に、前記上側操作盤板部が挿入され、
前記下側操作盤板部は、前記下側ボックス板部の上面に当接し
前記下側ボックス板部は、前記かご室の内側に向かって斜め上方に延び、
前記下側操作盤板部は、前記かご室の外側に向かって斜め下方に延びている、
エレベータのかご内操作盤取付構造。
【請求項2】
前記下側操作盤板部を前記下側ボックス板部に係止する係止具を更に備えた、
請求項1に記載のエレベータのかご内操作盤取付構造。
【請求項3】
前記下側ボックス板部は、前記係止具が挿入されたスリット孔を含み、
前記スリット孔は、前記下側ボックス板部の先端縁で開口している、
請求項2に記載のエレベータのかご内操作盤取付構造。
【請求項4】
前記係止具は、前記スリット孔に挿入された係止ボルトを含み、
前記係止ボルトは、前記下側ボックス板部の前記下側操作盤板部とは反対側に配置された頭部を含む、
請求項3に記載のエレベータのかご内操作盤取付構造。
【請求項5】
前記下側操作盤板部の前記下側ボックス板部とは反対側の面に、前記係止ボルトに螺合したナットが固定されている、
請求項4に記載のエレベータのかご内操作盤取付構造。
【請求項6】
前記下側操作盤板部は、前記かご内操作盤のケーシングの下部よりも上方に配置され、
前記かご内操作盤取付構造は、前記ケーシングの下部に設けられた、前記係止具用の工具が挿入可能な作業用開口部を更に備えた、
請求項2または3に記載のエレベータのかご内操作盤取付構造。
【請求項7】
前記壁開口部の上方に配置され、前記ボックスを前記内壁板に支持させる上側ブラケットと、
前記壁開口部の下方に配置され、前記ボックスを前記内壁板に支持させる下側ブラケットと、
を更に備えた、
請求項1~3のいずれか一項に記載のエレベータのかご内操作盤取付構造。
【請求項8】
壁開口部を含む内壁板と、
かご内操作盤と、
前記内壁板に前記かご内操作盤を取り付けた、請求項1~3のいずれか一項に記載のエレベータのかご内操作盤取付構造と、
を備えた、エレベータのかご室。
【請求項9】
エレベータのかご室を構成するとともに壁開口部を含む内壁板に、かご内操作盤を取り付けるためのエレベータのかご内操作盤取付方法であって、
上側ボックス板部と下側ボックス板部とを含むボックスを前記壁開口部に配置して前記内壁板に支持させる工程であって、前記内壁板に対して前記かご室の内側に配置された前記上側ボックス板部と前記内壁板との間に挿入隙間を形成する工程と、
前記かご内操作盤の下部に設けられた下側操作盤板部に係止具を取り付ける工程と、
前記係止具を前記下側ボックス板部のスリット孔に挿入させる工程と、
前記係止具を前記スリット孔に挿入した状態で、前記かご内操作盤の上部に設けられた上側操作盤板部を、前記挿入隙間の上方に配置する工程と、
前記係止具を前記スリット孔に挿入した状態で前記かご内操作盤を下降させる工程であって、前記上側操作盤板部を前記挿入隙間に挿入するとともに、前記下側操作盤板部を前記下側ボックス板部の上面に当接させて、前記かご内操作盤を前記ボックスに支持させる工程と、
前記下側操作盤板部を前記下側ボックス板部に取り付ける工程と、
を備え
前記下側ボックス板部は、前記かご室の内側に向かって斜め上方に延び、
前記下側操作盤板部は、前記かご室の外側に向かって斜め下方に延びている、
エレベータのかご内操作盤取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施の形態は、エレベータのかご内操作盤取付構造、エレベータのかご室およびエレベータのかご内操作盤取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの構成部品は、経年劣化するために所定の耐用年数を目処にリニューアルされる。リニューアルを行う他の理由としては、機能を向上させること、または部品供給停止なども挙げられる。リニューアルの工事期間は、対象部品によって異なっているが、長い場合には数週間の工事を要する。工事中、エレベータの運転は基本的に停止する。このため、階数の多い建物、老人ホームまたは病院などでは、エレベータの運転停止期間を短くした工事が求められる。
【0003】
エレベータのかご室の出入口の側方に、かご内主操作盤が設けられている。かご内主操作盤は、かご室内の利用者が乗りかごの走行を操作可能に構成されている。かご室には、かご内主操作盤だけでなく、かご内副操作盤が設けられている場合がある。かご内副操作盤は、かご室の側壁板または後壁板に配置されている。かご内副操作盤は、例えば、車いす利用者、または子供などの背が低い利用者が操作しやすいように、比較的低い位置に取り付けられている。
【0004】
リニューアル時にかご内副操作盤を交換する場合がある。このため、かご内副操作盤の交換作業時間を短くすることが求められる。また、新設時にも、かご内副操作盤を側壁板に取り付ける作業時間は短い方が望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2016/147248号
【文献】特開2006-188851号公報
【文献】特開2020-117322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施の形態は、かご内操作盤の取付作業時間を短くすることができるエレベータのかご内操作盤取付構造、エレベータのかご室およびエレベータのかご内操作盤取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施の形態によるエレベータのかご内操作盤取付構造は、エレベータのかご室を構成するとともに壁開口部を含む内壁板に、かご内操作盤を取り付けるための構造である。かご内操作盤取付構造は、壁開口部に配置されるとともに内壁板に支持されたボックスと、かご内操作盤の上部に設けられた上側操作盤板部であって、上下方向に延びるとともにかご内操作盤をボックスに支持させる上側操作盤板部と、かご内操作盤の下部に設けられた下側操作盤板部であって、かご内操作盤をボックスに支持させる下側操作盤板部と、を備えている。ボックスは、内壁板に対してかご室の内側に配置された上側ボックス板部であって、内壁板との間に挿入隙間を形成する上側ボックス板部と、下側操作盤板部が取り付けられた下側ボックス板部と、を含んでいる。挿入隙間に、上側操作盤板部が挿入されている。下側操作盤板部は、下側ボックス板部の上面に当接している。
【0008】
実施の形態によるエレベータのかご室は、壁開口部を含む内壁板と、かご内操作盤と、内壁板にかご内操作盤を取り付けた上述のエレベータのかご内操作盤取付構造と、を備えている。
【0009】
実施の形態によるエレベータのかご内操作盤取付方法は、エレベータのかご室を構成するとともに壁開口部を含む内壁板に、かご内操作盤を取り付けるための方法である。エレベータのかご内操作盤取付方法は、上側ボックス板部と下側ボックス板部とを含むボックスを壁開口部に配置して内壁板に支持させる工程であって、内壁板に対してかご室の内側に配置された上側ボックス板部と内壁板との間に挿入隙間を形成する工程と、かご内操作盤の下部に設けられた下側操作盤板部に係止具を取り付ける工程と、係止具を下側ボックス板部のスリット孔に挿入させる工程と、係止具をスリット孔に挿入した状態で、かご内操作盤の上部に設けられた上側操作盤板部を、挿入隙間の上方に配置する工程と、係止具をスリット孔に挿入した状態でかご内操作盤を下降させる工程であって、上側操作盤板部を挿入隙間に挿入するとともに、下側操作盤板部を下側ボックス板部の上面に当接させて、かご内操作盤をボックスに支持させる工程と、下側操作盤板部を下側ボックス板部に取り付ける工程と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施の形態によるかご室の概略構成を示す図である。
図2図2は、図1に示すかご内副操作盤を示す正面図である。
図3図3は、本実施の形態によるかご内操作盤取付構造を示す縦断面図である。
図4図4は、図3の部分拡大断面図である。
図5図5は、図3に示すボックスがかご室の側壁板に取り付けられた状態を示す正面図である。
図6図6は、図5に示すボックスの上面図である。
図7図7は、図5のA-A線断面図である。
図8図8は、本実施の形態によるかご内操作盤取付方法において、側壁板の壁開口部が露出された状態を示す縦断面図である。
図9図9は、図8に示す側壁板にボックスを支持させる工程を示す縦断面図である。
図10図10は、本実施の形態によるかご内操作盤取付方法において、下側操作盤板部に係止具を取り付ける工程を示す縦断面図である。
図11図11は、図10に示す工程に続いて、係止具を下側ボックス板のスリット孔に挿入させる工程を示す縦断面図である。
図12図12は、図11に示す工程に続いて、上側操作盤板部を、挿入隙間の上方に配置する工程を示す縦断面図である。
図13図13は、図12に示す工程に続いて、上側操作盤板部を挿入隙間に挿入するとともに、下側操作盤板部を下側ボックス板部の上面に当接させる工程を示す縦断面図である。
図14図14は、図13に示す工程に続いて、下側操作盤板部を下側ボックス板部に取り付ける工程を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態におけるエレベータのかご内操作盤取付構造、エレベータのかご室およびエレベータのかご内操作盤取付方法について説明する。ここではまず、本実施の形態によるエレベータのかご室について図1を用いて説明する。図1は、エレベータのかご室の内部を、その後方から前方に向かって見たときの斜視図である。
【0012】
図1に示すように、本実施の形態によるエレベータのかご室1は、出入口2と、かごドア3と、前壁板4と、側壁板5と、後壁板(図示せず)と、かご内主操作盤10と、かご内副操作盤20と、かご内操作盤取付構造30と、を備えている。
【0013】
かご室1の出入口2は、かご室1の前部に配置されている。かごドア3は、出入口2に設けられており、出入口2を開閉する。図1に示す例では、かごドア3は、2つのドアパネル3aを含んでおり、両開き式構造を有している。しかしながら、かごドア3は、片開き式構造を有していてもよい。
【0014】
かご室1は、直方体状に形成されている。出入口2の両側には、前壁板4が設けられている。後壁板は、かご室1の後部に配置されており、前壁板4に対向している。側壁板5は、かご室1の側部に設けられており、対応する前壁板4と後壁板に接続されている。
【0015】
かご内主操作盤10は、一方の前壁板4に設けられている。かご内主操作盤10は、かご室1内の利用者が乗りかごの走行を操作可能に構成されている。かご内主操作盤10は、乗りかごが位置する階床および乗りかごの昇降方向を表示する表示器11、乗りかごの行先階登録を行うための行先階登録ボタン12、および、かごドア3の開閉を操作するためのドア開閉ボタン13などを含んでいる。
【0016】
かご内副操作盤20は、かご室1の側壁板5または後壁板に設けられている。図1に示す例では、かご内副操作盤20は、一方の側壁板5に取り付けられている。かご内副操作盤20は、例えば、車いす利用者、または子供などの背が低い利用者が操作しやすいように、かご内主操作盤10よりも低い位置に配置されている。図2には、かご内副操作盤20が、車いす利用者用の操作盤である例が示されているが、かご内副操作盤20は、車いす利用者用の操作盤であることに限られることはない。
【0017】
図2に示すように、かご内副操作盤20は、正面で見たときに、矩形状に形成されていてもよく、横長の矩形状に形成されていてもよい。より具体的には、かご内副操作盤20は、正面で見たときに、一対の縦辺20aと、一対の横辺20bとを含んでいる。横辺20bが、縦辺20aよりも長くなっていてもよい。かご内副操作盤20は、横型操作盤とも称される。縦辺20aおよび横辺20bは、後述するケーシング26によって構成されていてもよい。
【0018】
かご内副操作盤20は、上述した表示器11と同様な表示器21と、上述した行先階登録ボタン12と同様な行先階登録ボタン22と、上述したドア開閉ボタン13と同様なドア開閉ボタン13と、を含んでいる。図2に示す例では、かご内副操作盤20は、非常電話ボタン24と、通信器25と、を更に含んでいる。非常電話ボタン24は、非常時に、通信器25を用いて監視センターの監視員と通話をするためのボタンである。上述した表示器21などは、ケーシング26に取り付けられている。
【0019】
次に、本実施の形態によるかご内操作盤取付構造30について図3図7を用いて説明する。
【0020】
図3に示すように、かご内操作盤取付構造30は、上述したかご内副操作盤20を、かご室1を構成する内壁板に取り付けるための構造である。内壁板は、上述した側壁板5であってもよく、後壁板であってもよい。本実施の形態においては、かご内操作盤の一例としてのかご内副操作盤20が、内壁板の一例としての側壁板5に取り付けられる例について説明する。
【0021】
図3に示すように、かご内操作盤取付構造30は、ボックス40と、上側操作盤支持具60と、下側操作盤支持具65と、係止具70と、を備えている。
【0022】
ボックス40は、側壁板5の壁開口部6に配置されており、側壁板5に支持されている。図5に示すように、壁開口部6は、矩形状に形成されている。ボックス40は、かご室1内から壁開口部6に挿入されて、側壁板5に取り付けられている。図3に示すように、側壁板5には、ボックス40を側壁板5に支持させる上側ブラケット31および下側ブラケット32が取り付けられている。上側ブラケット31は、壁開口部6の上方に配置されており、側壁板5の裏面(かご室1の内面とは反対側の面)に固定されている。下側ブラケット32は、壁開口部6の下方に配置されており、側壁板5の裏面に固定されている。上側ブラケット31および下側ブラケット32は、側壁板5に図示しないボルト等で締結されていてもよい。図5に示すように、上側ブラケット31および下側ブラケット32は、横方向Yに延びていてもよく、ボックス40と同様の横寸法を有していてもよい。
【0023】
図3および図5に示すように、ボックス40は、ボックス本体41と、上側ボックス支持具42と、下側ボックス支持具47と、を含んでいる。ボックス本体41は、壁開口部6に挿入される部分であり、正面で見たときに矩形状に形成されている。ボックス本体41の上部41aは、かご室1の内側に向かって折り返されている。ボックス本体41の下部41bおよび側部41cも、かご室1の内側に向かって折り返されている。ボックス本体41には、かご内副操作盤20の配線を通すための開口(図示せず)が設けられていてもよい。
【0024】
図3に示すように、ボックス本体41の上部41aは、上側ブラケット31にボルトB1等で締結されていてもよい。ボックス本体41の下部41bは、下側ブラケット32にボルトB2等で締結されていてもよい。
【0025】
上側ボックス支持具42は、上下方向Zに延びる上側ボックス板部43と、奥行き方向Xに延びる上側ボックス支持板部44と、を含んでいる。上側ボックス支持具42は、L字状に形成されている。
【0026】
図3に示すように、上側ボックス板部43は、側壁板5に対してかご室1の内側に配置されている。上側ボックス板部43と側壁板5との間に、挿入隙間Gが形成されている。挿入隙間Gに、後述する上側操作盤板部61が挿入可能になっている。図4に示すように、上側ボックス板部43と側壁板5との間に、当て板部45が介在されていてもよい。当て板部45は、側壁板5に当接していてもよく、上側ボックス板部43に当接していてもよい。言い換えると、上側ボックス板部43は、当て板部45を介在させて側壁板5に当接していてもよい。当て板部45は、ボックス本体41の上部41aから上方に折り曲げられて上方に延びている部分であってもよい。当て板部45の上縁45aは、上側操作盤板部61が挿入隙間Gに挿入可能となるように、上側ボックス板部43の上縁43aよりも下方に配置されている。当て板部45の板厚は、上側ボックス板部43の板厚と等しくてもよい。
【0027】
図3に示すように、上側ボックス支持板部44は、ボックス本体41の上部41aに取り付けられている。上側ボックス支持板部44は、ボックス本体41の上部41aにボルトB3等で締結されていてもよい。
【0028】
上側ボックス支持具42は、金属板を折り曲げることによって形成されていてもよい。上側ボックス支持具42は、上側ボックス板部43と上側ボックス支持板部44との間で折り曲げられていてもよい。
【0029】
図5および図6に示すように、本実施の形態においては、ボックス本体41に2つの上側ボックス支持具42が取り付けられているが、上側ボックス支持具42の個数は3つ以上でもよく、任意である。
【0030】
図6に示すように、いずれか1つの挿入隙間Gに、上側操作盤板部61の横方向Yの位置決めを行う一対のガイド部46が設けられていてもよい。一対のガイド部46は横方向Yに離間しており、一対のガイド部46の間に上側操作盤板部61が挿入される。一対のガイド部46によって、かご内副操作盤20が横方向Yに位置ずれすることを防止できる。ガイド部46は、上側ボックス板部43と側壁板5との間に介在されている。ガイド部46は、上述した当て板部45から上方に延び出た部分であってもよい。あるいは、ガイド部46は、当て板部45とは別部材で形成されていてもよい。
【0031】
図3に示すように、下側ボックス支持具47は、下側ボックス板部48と、下側ボックス縦板部49と、下側ボックス支持板部50と、を含んでいる。下側ボックス板部48は、かご室1の内側に向かって斜め上方に延びている。下側ボックス板部48に、後述する下側操作盤板部66が取り付けられている。下側ボックス支持具47は、略S字状に形成されている。
【0032】
図7に示すように、下側ボックス板部48は、スリット孔51を含んでいる。スリット孔51は、奥行き方向Xに延びて、下側ボックス板部48の先端縁48aで開口している。下側ボックス板部48は、下側ボックス縦板部49の下端から、かご室1の内側に向かって延びている。下側ボックス板部48の先端縁48aは、かご室1の内側の縁に相当する。スリット孔51は、後述する係止ボルト71を、かご室1の内側から挿入可能に構成されている。
【0033】
図3に示すように、下側ボックス縦板部49は、上下方向Zに延びている。下側ボックス縦板部49は、側壁板5に当接している。下側ボックス支持板部50は、奥行き方向Xに延びており、ボックス本体41の下部41bに取り付けられている。下側ボックス支持板部50は、ボックス本体41の下部41bにボルトB4等で締結されていてもよい。
【0034】
下側ボックス支持具47は、金属板を折り曲げることによって形成されていてもよい。下側ボックス支持具47は、下側ボックス板部48と下側ボックス縦板部49との間で折り曲げられていてもよく、下側ボックス縦板部49と下側ボックス支持板部50との間で折り曲げられていてもよい。下側ボックス支持具47の板厚は、上側ボックス支持具42の板厚の2倍に等しくてもよい。
【0035】
図5および図7に示すように、本実施の形態においては、ボックス本体41に2つの下側ボックス支持具47が取り付けられているが、下側ボックス支持具47の個数は3つ以上でもよく、任意である。
【0036】
図3に示すように、上側操作盤支持具60は、かご内副操作盤20の上部に設けられている。上側操作盤支持具60は、上下方向Zに延びる上側操作盤板部61と、奥行き方向Xに延びる上側操作盤支持板部62と、を含んでいる。上側操作盤支持具60は、L字状に形成されている。上側操作盤支持具60は、かご内副操作盤20をボックス40に支持させるように構成されている。上側操作盤支持具60は、かご内副操作盤20のケーシング26の上部26aよりも下方に配置されている。
【0037】
上側操作盤板部61は、上述した挿入隙間Gに挿入されている。図4に示すように、上側操作盤板部61の下縁61aは、当て板部45の上縁45aから離間しているとともに、上側操作盤支持板部62は、上側ボックス板部43の上縁43aから離間している。挿入隙間Gに挿入された上側操作盤板部61は、上側ボックス板部43および側壁板5に、奥行き方向Xにおいて係止されていてもよい。上側操作盤板部61は、上側ボックス板部43に支持されていてもよい。
【0038】
図3に示すように、上側操作盤支持板部62は、上側操作盤ブラケット63を介在させて、かご内副操作盤20のケーシング26に取り付けられている。上側操作盤支持板部62は、上側操作盤ブラケット63に、ボルトB5等で締結されていてもよい。上側操作盤ブラケット63は、ケーシング26に図示しないボルト等で締結されていてもよい。
【0039】
上側操作盤支持具60は、金属板を折り曲げることによって形成されていてもよい。上側操作盤支持具60は、上側操作盤板部61と上側操作盤支持板部62との間で折り曲げられていてもよい。上側操作盤ブラケット63は、金属板を折り曲げることによってL字状に形成されていてもよい。
【0040】
本実施の形態においては、かご内副操作盤20のケーシング26に2つの上側操作盤支持具60が取り付けられているが、上側操作盤支持具60の個数は、上側ボックス板部43の個数と同一であれば、任意である。
【0041】
下側操作盤支持具65は、かご内副操作盤20の下部に設けられている。下側操作盤支持具65は、下側操作盤板部66と、下側操作盤支持板部67と、を含んでいる。下側操作盤支持具65は、略L字状に形成されている。下側操作盤支持具65は、かご内副操作盤20をボックス40に支持させるように構成されている。
【0042】
下側操作盤板部66は、上述した下側ボックス板部48に取り付けられている。下側操作盤板部66は、かご内副操作盤20の後述するケーシング26の下部26bよりも上方に配置されている。下側操作盤板部66は、かご室1の外側に向かって斜め下方に延びている。下側操作盤板部66は、下側ボックス板部48に平行に延びていてもよい。
【0043】
下側操作盤板部66の下面は、下側ボックス板部48の上面に当接している。下側操作盤板部66の下側ボックス板部48とは反対側の面に、後述する係止ボルト71が螺合するナット68が固定されている。ナット68は、下側操作盤板部66の上面に溶接されていてもよい。下側操作盤板部66には、ナット68に螺合した係止ボルト71が貫通するボルト孔(図示せず)が形成されている
【0044】
下側操作盤支持板部67は、かご内副操作盤20のケーシング26に取り付けられている。下側操作盤支持板部67は、ケーシング26に図示しないボルト等で締結されていてもよい。
【0045】
下側操作盤支持具65は、金属板を折り曲げることによって形成されていてもよい。下側操作盤支持具65は、下側操作盤板部66と下側操作盤支持板部67との間で折り曲げられていてもよい。
【0046】
本実施の形態においては、かご内副操作盤20のケーシング26に2つの下側操作盤支持具65が取り付けられているが、下側操作盤支持具65の個数は、下側ボックス板部48の個数と同一であれば、任意である。
【0047】
係止具70は、下側操作盤板部66と下側ボックス板部48を係止するとともに締結する。係止具70は、係止ボルト71を含んでいる。係止ボルト71は、上述した下側ボックス板部48に形成されたスリット孔51に挿入可能になっている。係止ボルト71は、上述した下側操作盤板部66のボルト孔に挿入可能になっているとともに、上述した下側操作盤板部66に溶接されたナット68に螺合可能になっている。
【0048】
係止ボルト71は、ねじ山が形成されたボルト胴体72と、ボルト胴体72の一方の端部に設けられた頭部73と、を含んでいる。頭部73は、下側ボックス板部48の下側操作盤板部66とは反対側に配置されている。頭部73は、下側ボックス板部48の下面に配置されている。頭部73は、スリット孔51を通過できない大きさを有していてもよい。かご内副操作盤20が側壁板5に取り付けられた状態では、係止ボルト71は締め付けられて、図3に示すように、係止ボルト71の頭部73が、下側ボックス板部48の下面に当接している。係止具70は、頭部73と下側ボックス板部48との間に介在された図示しないワッシャ等を含んでいてもよい。
【0049】
ボルト胴体72は、ナット68に螺合した状態で下側操作盤板部66の下面と下側ボックス板部48の上面との間に所定の離間距離L1(図13参照)を確保可能なボルト長さL2(図10参照)を有している。この離間距離L1は、係止ボルト71のボルト胴体72をスリット孔51に挿入した状態で、上側操作盤板部61を挿入隙間Gの上方に配置可能な長さになっていてもよい。
【0050】
かご内副操作盤20のケーシング26の下部26bに、作業用開口部74が設けられている。作業用開口部74は、係止ボルト71用の工具80(図14参照)が挿入可能な大きさを有している。作業用開口部74は、係止ボルト71の頭部73が通過可能な大きさを有していてもよい。ケーシング26の下部26bは、上下方向Zに延びるケーシング26の正面部26cから、かご室1の外側に向かって折り返された部分であってもよい。
【0051】
次に、本実施の形態によるエレベータのかご内操作盤取付方法について、図8図14を用いて説明する。かご内操作盤取付方法は、かご室1を構成する側壁板5に、上述したかご内副操作盤20を取り付けるための方法である。
【0052】
まず、既設のかご内副操作盤(図示せず)が、側壁板5から取り外される。このことにより、図8に示すように、側壁板5の壁開口部6が露出される。新設時には、かご内副操作盤20が取り付けられる前の状態で、側壁板5の壁開口部6が露出されている。
【0053】
続いて、図9に示すように、上側ボックス支持具42と下側ボックス支持具47とを含むボックス40が、壁開口部6に配置される。より具体的には、上側ボックス支持具42の上側ボックス支持板部44が、ボックス本体41の上部41aに取り付けられるとともに、下側ボックス支持具47の下側ボックス支持板部50が、ボックス本体41の下部41bに取り付けられる。ボックス40を壁開口部6に挿入して、上側ボックス板部43が、当て板部45を介在させて側壁板5に当接する。このことにより、上側ボックス板部43が側壁板5に対してかご室1の内側に配置され、上側ボックス板部43と側壁板5との間に、挿入隙間Gが形成される。下側ボックス縦板部49は、側壁板5に当接する。ボックス本体41の上部41aは、上側ブラケット31に取り付けられるとともに、ボックス本体41の下部41bは、下側ブラケット32に取り付けられる。このようにして、ボックス40が、側壁板5に支持される。
【0054】
一方、図10に示すように、かご内副操作盤20の下部に設けられた下側操作盤板部66に、係止具70が取り付けられる。この際、係止ボルト71が、下側操作盤板部66に設けられたボルト孔(図示せず)に挿入されて、ナット68に螺合する。係止ボルト71の頭部73は、下側操作盤板部66の下面から離間させる。係止ボルト71は、ケーシング26の下部に設けられた作業用開口部74を通って、ボルト孔に挿入されてもよい。また、上側操作盤支持具60の上側操作盤支持板部62が、上側操作盤ブラケット63に取り付けられる。
【0055】
続いて、図11に示すように、下側操作盤板部66に取り付けられた係止ボルト71のボルト胴体72が、下側ボックス板部48のスリット孔51に挿入される。下側操作盤板部66は、下側ボックス板部48の上方に配置される。この際、かご内副操作盤20は、上部がかご室1の内側に位置するような傾斜姿勢であってもよい。
【0056】
係止ボルト71がスリット孔51に挿入された後、図12に示すように、かご内副操作盤20の上部に設けられた上側操作盤板部61が、挿入隙間Gの上方に配置される。この際、下側操作盤板部66を、下側ボックス板部48から上方に離間させる。この場合においても、係止ボルト71がスリット孔51に挿入された状態が維持される。係止ボルト71のボルト胴体72が、上述したように、下側操作盤板部66の下面と下側ボックス板部48の上面との間に所定の離間距離L1を確保可能なボルト長さL2を有しているためである。係止ボルト71の頭部73はスリット孔51を通過できないため、下側ボックス板部48の下面に当接し得る。この場合、頭部73は、係止ボルト71がスリット孔51から抜けることを防止するストッパとして機能し得る。そして、上側操作盤板部61を側壁板5に近づけることにより、上側操作盤板部61を、挿入隙間Gの上方に配置することができる。
【0057】
なお、係止ボルト71がスリット孔51に挿入した状態で上側操作盤板部61を挿入隙間Gの上方に配置することができれば、かご内副操作盤20の姿勢は、傾斜姿勢ではなく、垂直姿勢であってもよい。この場合、垂直姿勢の状態で、係止ボルト71をスリット孔51に挿入できるとともに挿入隙間Gの上方に上側操作盤板部61を配置することができる。
【0058】
続いて、図13に示すように、係止ボルト71がスリット孔51に挿入された状態でかご内副操作盤20を下降させる。このことにより、上側操作盤板部61が挿入隙間Gに挿入されるとともに、下側操作盤板部66が、下側ボックス板部48の上面に当接する。このことにより、かご内副操作盤20が、上側操作盤板部61および下側操作盤板部66によってボックス40に支持される。また、かご内副操作盤20の上下方向Zの位置が確定される。この場合、上側操作盤板部61の下縁61aは、図4に示すように、当て板部45の上縁45aから離間しているとともに、上側操作盤支持板部62は、上側ボックス板部43の上縁43aから離間している。また、かご内副操作盤20の下降に伴って、ナット68に螺合している係止具70も下降し、係止ボルト71の頭部73は、下側ボックス板部48から下方に離間している(図14参照)。
【0059】
下側操作盤板部66が下側ボックス板部48に当接した後、図14に示すように、下側操作盤板部66が下側ボックス板部48に取り付けられる。この際、工具80を用いて、係止ボルト71が締め付けられる。工具80は、かご内副操作盤20のケーシング26の下部26bに設けられた作業用開口部74に挿入して、係止ボルト71の頭部73にアクセスすることができる。係止ボルト71が締め付けられることにより、下側操作盤板部66と下側ボックス板部48が締結される。この際、係止ボルト71の頭部73は、下側ボックス板部48の下面に当接する。
【0060】
以上のようにして、かご内副操作盤20が、かご室1の側壁板5に取り付けられる。このような取付方法を行うことにより、かご内副操作盤20の取付作業を簡易化させることができる。また、作業者の作業経験値に頼ることを防止しながら、かご内副操作盤20を側壁板5に取り付けることができる。
【0061】
このように本実施の形態によれば、かご室1を構成する側壁板5の壁開口部6にボックス40が配置されて、側壁板5に支持されている。かご内副操作盤20の上部に設けられた上側操作盤板部61が、ボックス40の上側ボックス板部43と側壁板5との間に形成された挿入隙間Gに挿入されて、かご内副操作盤20がボックス40に支持される。かご内副操作盤20の下部に設けられた下側操作盤板部66が、ボックス40の下側ボックス板部48に取り付けられて、かご内副操作盤20がボックス40に支持される。下側操作盤板部66は、下側ボックス板部48の上面に当接している。このことにより、下側操作盤板部66を下側ボックス板部48の上面に当接させる前に、上側操作盤板部61を、挿入隙間Gの上方に配置することができる。このため、上側操作盤板部61が挿入隙間Gの上方に配置された状態からかご内副操作盤20を下降させることにより、上側操作盤板部61を挿入隙間Gに挿入することができるとともに、下側操作盤板部66を下側ボックス板部48の上面に当接させることができる。この結果、かご内副操作盤20の取付作業を簡易化させることができ、かご内副操作盤20の取付作業時間を短くすることができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、下側操作盤板部66と下側ボックス板部48は、係止具70の係止ボルト71によって係止されている。このことにより、上側操作盤板部61を挿入隙間Gに挿入する際に、下側操作盤板部66と下側ボックス板部48がずれることを防止できる。このため、上側操作盤板部61を挿入隙間Gにスムーズに挿入することができる。このため、かご内副操作盤20の取付作業を簡易化させて、取付作業時間を短くすることができる。
【0063】
また、本実施の形態によれば、下側ボックス板部48が、係止具70の係止ボルト71が挿入されたスリット孔51を含んでおり、スリット孔51は、下側ボックス板部48の先端縁48aで開口している。このことにより、下側操作盤板部66に予め取り付けられた係止ボルト71を、下側ボックス板部48のスリット孔51に挿入させることができる。係止ボルト71がスリット孔51に挿入された状態で、上側操作盤板部61を、挿入隙間Gの上方に配置することができる。このため、係止具70が、下側ボックス板部48と下側操作盤板部66とを横方向Yに係止することができ、上側操作盤板部61を挿入隙間Gに挿入する際に、かご内副操作盤20が横方向Yに位置ずれすることを防止できる。この結果、かご内副操作盤20の取付作業を簡易化させて、取付作業時間を短くすることができる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、係止具70の係止ボルト71は、下側ボックス板部48の下側操作盤板部66とは反対側に配置された頭部73を含んでいる。このことにより、係止ボルト71の締め付け作業を、かご内副操作盤20の下方で行うことができる。このため、係止ボルト71の締め付け作業を簡易化させることができる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、下側操作盤板部66の下側ボックス板部48とは反対側の面に、係止ボルト71と締結されたナット68が固定されている。このことにより、係止ボルト71の締め付け作業時、ナット68を押さえることを不要にできる。このため、係止ボルト71の締め付け作業を簡易化させることができる。
【0066】
また、本実施の形態によれば、下側操作盤板部66は、かご内副操作盤20のケーシング26の下部26bよりも上方に配置されている。ケーシング26の下部26bに、係止ボルト71用の工具80が挿入可能な作業用開口部74が設けられている。このことにより、係止ボルト71の締め付け作業時、作業用開口部74を通して工具80を係止ボルト71の頭部73にアクセスすることができる。このため、係止ボルト71の締め付け作業を簡易化させることができる。また、作業用開口部74をケーシング26の下部26bに配置することにより、作業用開口部74が利用者の目に付くことを防止でき、意匠性を確保できる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、下側ボックス板部48は、かご室1の内側に向かって斜め上方に延びており、下側操作盤板部66は、かご室1の外側に向かって斜め下方に延びている。このことにより、係止ボルト71の締め付け作業時、工具80の持ち手を側壁板5から遠ざけることができる。このため、係止ボルト71の締め付け作業を簡易化させることができる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、壁開口部6の上方に、ボックス40を側壁板5に支持させる上側ブラケット31が設けられ、壁開口部6の下方に、ボックス40を側壁板5に支持させる下側ブラケット32が設けられている。このことにより、壁開口部6に配置されたボックス40を、ボルト等で容易に取り付けることができるとともに、ボックス40を側壁板5に容易に支持させることができる。このため、かご内副操作盤20の取付作業を簡易化させることができ、かご内副操作盤20の取付作業時間を短くすることができる。
【0069】
以上述べた実施の形態によれば、かご内操作盤の取付作業時間を短くすることができる。
【0070】
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
1:かご室、5:側壁板、6:壁開口部、20:かご内副操作盤、26:ケーシング、26b:下部、30:かご内操作盤取付構造、31:上側ブラケット、32:下側ブラケット、40:ボックス、43:上側ボックス板部、48:下側ボックス板部、48a:先端縁、51:スリット孔、61:上側操作盤板部、66:下側操作盤板部、68:ナット、70:係止具、71:係止ボルト、73:頭部、74:作業用開口部、80:工具、G:挿入隙間
【要約】
【課題】かご内操作盤の取付作業時間を短くすることができるエレベータのかご内操作盤取付構造を提供する。
【解決手段】実施の形態によるエレベータのかご内操作盤取付構造は、壁開口部に配置されるとともに内壁板に支持されたボックスと、かご内操作盤の上部に設けられた上側操作盤板部と、かご内操作盤の下部に設けられた下側操作盤板部と、を備えている。ボックスは、内壁板に対してかご室の内側に配置された上側ボックス板部であって、内壁板との間に挿入隙間を形成する上側ボックス板部と、下側操作盤板部が取り付けられた下側ボックス板部と、を含んでいる。挿入隙間に、上側操作盤板部が挿入されている。下側操作盤板部は、下側ボックス板部の上面に当接している。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14